説明

リン酸結合性ポリマーを使用した錠剤

【発明の詳細な説明】
(技術分野)
本発明はリン酸結合性ポリマー及びそれを含有する錠剤並びにその錠剤の製造方法に関する。
(背景技術)
リン酸結合性ポリマーはリン酸吸着能を有した非吸収性ポリマーであり、慢性腎不全等の腎機能の低下による高リン血症の治療薬として有用である。リン酸結合性ポリマーは例えば、米国特許第5496545号公報(特表平9−504782号公報)に記載されているようなポリアリルアミンをエピクロルヒドリン等の架橋剤で架橋した架橋重合体で、一級アミンおよび二級アミンからなるポリカチオン性高分子化合物として知られている公知化合物である。
高リン血症の治療薬としてのリン酸結合性ポリマー製剤は、例えば上記米国特許には結晶セルロースを含む種々の添加剤を加えて錠剤にすることができると記載されているが、当該公報には具体的に製造された例は示されておらず、また本発明者らが実際に該公報に記載された方法により得られたリン酸結合性ポリマーに種々の添加剤を加えて、通常の方法で錠剤化することを試みたが、うまく錠剤化できなかった。
さらに経口吸着剤として知られているポリスチレンスルホン酸カルシウム製剤[カリメート(登録商標)、日研化学株式会社製]、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム製剤[ケイキサレート(登録商標)、鳥居薬品株式会社製]、吸着炭製剤[クレメジン(登録商標)、呉羽化学株式会社製]、コレスチラミン製剤[クエストラン(登録商標)、ブリストール・マイヤーズ・スクイブ社製]、沈降炭酸カルシウム製剤(恵美須薬品株式会社製)等の剤型は原末、散剤または粉末を充填したカプセル剤であり、錠剤化された例は見当たらない。
(発明の開示)
本発明のリン酸結合性ポリマーは、好ましくは、式

[式中、(a+b):cのモル比が45:1〜2:1であり、mは整数を表す]で表わされ、かつ1.18〜1.24の真比重を有するものである。
本発明の錠剤は、真比重が1.18〜1.24、好ましくは1.20〜1.22であるリン酸結合性ポリマーを粉砕して得られる、平均粒径が400μm以下であり、粒径500μm以下の割合が90%以上であり、かつ水分含有量が1〜14%であるリン酸結合性ポリマーと、必要に応じて結晶セルロースおよび/または低置換度ヒキシプロピルセルロースとを含有する錠剤であり、十分な錠剤硬度と速やかな崩壊分散性およびリン酸結合性を示すリン酸結合性ポリマー含有錠剤である。
さらに、本発明は、上記リン酸結合性ポリマーに、必要に応じて結晶セルロースおよび/または低置換度ヒキシプロピルセルロースを配合して、圧縮成形することから成るリン酸結合性ポリマー含有錠剤の製造方法に関する。
リン酸結合性ポリマーは経口投与により食物中のリンを吸着し、体外に糞便とともに排泄されることでリンの消化管からの吸収を低下させて血中リン濃度を抑制する作用を有し、1回の服用量が1〜2gと比較的多い。さらにリン酸結合性ポリマーは水と反応して速やかに膨潤する性質を有するため、そのままでは服用しがたい。また、これまでのリン酸結合性ポリマーは添加剤を使用することなく錠剤を成形した場合、錠剤の硬度が不十分であるため、相当量の結晶セルロース及び/又は低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを配合することが必須の要件であった。
高リン血症治療薬であるリン酸結合性ポリマーの投与対象である透析患者は水分摂取量が制限されることが多く、その製剤については少量の水で服用可能な剤型が望まれている。有望な剤型としては加圧圧縮により小型化がはかれる錠剤、好ましくは口中での崩壊防止がはかれ、服用性に優れたコーティング錠剤が挙げられる。しかしながら、リン酸結合性ポリマーは単独での加圧圧縮による錠剤硬度が低く、そのままでは錠剤での製剤化はできなかった。さらにリン酸結合性ポリマーは吸湿・膨潤性の高い物性を有することから製剤化に際しては、水あるいはアルコールなどを含む結合剤溶液を加えて湿式造粒、乾燥を行う製法を用いることはできなかった。
これらの課題を解決するためには、粉末状のリン酸結合性ポリマーに成形性の優れた粉末状の添加剤を配合して加圧圧縮を行う製法が望まれ、加圧圧縮に伴う崩壊性、分散性の変化に留意して設計する必要があり、さらに1回服用量が多いことから主薬含有率の高い製剤として設計する必要があった。
本発明者らは米国特許第5496545号公報に記載されている種々の添加剤を用いてリン酸結合性ポリマーの錠剤化について検討したが、十分な硬度と速やかな崩壊分散性およびリン酸結合性を示す優れたリン酸結合性ポリマー含有錠剤を製造することはできなかった。
そこで、本発明者らはこれらの課題を解消すべく、鋭意研究を重ねた結果、リン酸結合性ポリマー自体が特定の性質をもつ場合であって、添加剤を加えることなく、実質上リン酸結合性ポリマーのみから成る、十分な硬度を有し、酸性〜中性領域で速やかな崩壊分散性およびリン酸結合性を示すリン酸結合性ポリマー錠剤ができることを見出し、本発明を完成した。
(図面の簡単な説明)
図1は、実施例3におけるリン酸結合性ポリマー製剤の崩壊特性(崩壊試験器のストローク数と錠剤硬度との関係)を示したグラフである。
図2は、実施例4におけるリン酸結合性ポリマー製剤のリン酸結合プロファイルを示したグラフである。
(発明の実施の形態)
発明者等は、真比重が1.18〜1.24、好ましくは、1.20〜1.22であり、平均粒径が400μm以下、好ましくは250μm以下であり、かつ粒径500μm以下の割合が90%以上、好ましくは粒径300μm以下の割合が90%以上であり、さらに水分含有量が1〜14%であるリン酸結合性ポリマーを単独で、又は必要に応じて、特定の添加剤である結晶セルロースおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有する錠剤が優れた特性を有することを見出し、本発明を完成した。尚、ここでいう真比重とは、真比重測定装置(アキュピック1330型、島津製作所)で測定して得られる値である。
本発明で使用されるリン酸結合性ポリマーは、例えば米国特許第5496545号公報(特表平9−564782号公報)に記載された方法に準じた方法により製造できる。すなわち、同公報記載のポリマーを所定の架橋剤で架橋する際の溶媒として、同公報記載の水に代えて、水とアセトニトリルとの混合溶媒を使用することにより、所定の真比重を有するリン酸結合性ポリマーを得ることができる。上記混合媒体における水とアセトニトリルとの容量混合比は通常、10:90〜90:10、好ましくは40:60〜60:40である。
得られた乾燥リン酸結合性ポリマーを平均粒径が400μm以下、好ましくは250μm以下で、かつ粒径500μm以下の割合が90%以上、好ましくは粒径300μm以下の割合が90%以上となるように粉砕し、さらに水分を調節して、水分含有量が1〜14%となるように調整する。リン酸結合性ポリマーの中でも、ポリアリルアミンにエピクロルヒドリンを作用させ、架橋して得られるポリマーは特に好適に本発明に使用できる。このポリマーは下記の式

[式中、(a+b):cのモル比が45:1〜2:1、好ましくは20:1〜4:1、更に好ましくは約10:1〜8:1、最も好ましくは約9:1であり、mは整数を表す]で表される。
本発明のリン酸結合性ポリマーは架橋されたポリマーであるから、上記mは架橋され延長しているポリマーの網目状構造を示す大きな整数であり、理論上の最大数は1×10”である。このポリマーは網目状に架橋されているから、ポリマーを粉砕した粒子は実質上1つの分子であり、したがって、分子量は個々のポリマー粒子の重量に相当する。
ここでリン酸結合性ポリマーの真比重が1.24を越える場合、単独で圧縮成形しても十分な硬度が得られない。また、真比重が1.18未満のものは工業化に適さない。平均粒径が400μmより大きくなると錠剤化に必要な十分な硬度が得られず好ましくない。さらに水分含有量が1%未満の場合は、錠剤化に必要な十分な硬度が得られず、錠剤表面が摩損し易くなり、また水分含有量が14%以上になると硬度は十分に得られるものの錠剤化した場合、塑性変形性を示すようになり製剤として適さなくなる。服用性のより優れた錠剤にするためには錠剤硬度計で6KP以上を示す硬度及び摩損度試験(100回転)での重量減少率が1%以下を示す表面強度を錠剤に付与する必要があり、かつ塑性変形性を示さない錠剤にするためには水分含有量が1〜14%の範囲のものが挙げられる。ここでいう水分含有量1〜14%とは、105℃、16時間の乾燥減量値として1〜14%であることを意味し、好ましくは乾燥減量値として2〜14%がよい。なお、粉砕の過程でリン酸結合性ポリマー自体が吸湿し、水分含有量が1〜14%になる場合は特に水分調節を行う必要はなく、そのまま本発明の錠剤に使用できる。
ここで、リン酸結合性ポリマーの粉砕に用いられる装置は500μm以下の粒径および上記のような平均粒径が得られる機種、例えば衝撃式粉砕機であれば特に制限はない。
また水分調整は、塩化ナトリウム飽和塩水溶液(25℃、相対湿度75.3%)塩化カルシウム飽和塩水溶液(25℃、相対湿度84.3%)、硝酸マグネシウム飽和塩水溶液(25℃、相対湿度52.8%)等の調湿剤を用いたり、空気中で自然吸湿させることにより行える。またリン酸結合性ポリマー製造の際の乾燥工程を水分含有量が1〜14%の範囲となるように行うことにより所望の水分含有量のリン酸結合性ポリマーを得ることもできる。
本発明で用いることができる結晶セルロースは、特に限定されるものではないが、105℃、3時間の乾燥減量値として7%以下のものが使用でき、好ましくは旭化成工業株式会社製のアビセル(登録商標)PH101、PH102、PH301、PH302、セオラス(登録商標)KG−801等の市販品を単独または混合して用いることができる。
また本発明で用いることができる低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの低置換度とは、ヒドロキシプロポキシル基(−OC36OH)置換度が5.0〜16.0重量%のもののことであり、このような低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとしては、例えば信越化学株式会社製のLH−11、LH−21またはLH−31等の市販品を単独または混合して用いることが好ましい。
本発明では、必要に応じてリン酸結合性ポリマー錠剤に添加する結晶セルロースおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの量は経口剤としてのリン酸結合性ポリマー服用量と製剤の服用性を加味して任意に設定することができるが、例えば、好ましい態様としては、平均粒径が250μm以下であり、かつ粒径300μm以下の割合が90%以上であり、さらに水分含有量が1〜14%であるリン酸結合性ポリマーの重量に対して、結晶セルロースまたは低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが10重量%以上、好ましくは30重量%以上がよい。結晶セルロースおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの両方を添加する場合は、両方の合計の添加量が、10重量%以上、好ましくは30重量%以上がよい。また製剤の服用性等を考えた場合、結晶セルロースおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの添加量の上限は50重量%〜200重量%の範囲内がよい。
さらにリン酸結合性ポリマー、結晶セルロースまたは低置換度ヒドロキシプロピルセルロースは摩擦性の高い性質を有するため連続的に打錠を行う場合には、杵のきしみによる打錠機への負荷を軽減するために硬化油を添加するとよく、そのような硬化油としては例えばフロイント産業株式会社製ラブリワックス(登録商標)等の市販品を用いることができる。
本発明のリン酸結合性ポリマー錠剤の製造は、結晶セルロースおよび/または低置換度ヒドロキシプロピルセルロースに加えて、乳糖、白糖、マンニトール等の賦形剤、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール等の滑沢剤、その他の慣用の添加剤、香料、着色料等を適宜添加して、リン酸結合性ポリマーと共に混合、打錠して行うことができる。
また本発明のリン酸結合性ポリマー錠剤はさらに、その表面にフィルムコーティングを施したフィルム錠とすることができる。フィルムコーティングには、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル酸共重合ポリマー等の水溶性フィルム基剤を用いることができる。特にヒドロキシプロピルメチルセルロースを好ましく使用することができる。
以下に製造例及び実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
[製造例1]
水/アセトニトリル(約50:50w/w)混合溶媒中でポリアリルアミンに架橋剤としてエピクロルヒドリンを加えて架橋重合反応を行い、一級アミン(81.2mol%)及び二級アミン(18.8mol%)の約40%において塩酸塩を形成しているポリカチオン性リン酸結合性ポリマーを真空乾燥し、乾燥末を得た。リン酸結合性ポリマー乾燥末を衝撃式粉砕機を用いて粉砕し、水分を含有したリン酸結合性ポリマー(真比重1.209〜1.211、水分2.1〜2.5%、粒径300μm以下の割合99.0〜99.6%)を得た。
[製造例2]
水中でポリアリルアミンに架橋剤としてエピクロルヒドリンを加えて架橋重合反応を行い、一級アミン(81.2mol%)及び二級アミン(18.8mol%)の約40%において塩酸塩を形成しているポリカチオン性リン酸結合性ポリマーを通気乾燥し、乾燥末を得た。リン酸結合性ポリマー乾燥末を衝撃式粉砕機を用いて粉砕し、水分を含有したリン酸結合性ポリマー(真比重1.253、水分3.6〜3.8%、粒径300μm以下の割合99.3〜99.7%)を得た。
[実施例1]
製造例1(真比重1.209〜1.211)及び製造例2(真比重1.253)のそれぞれの水分を含有したリン酸結合性ポリマーを錠剤径φ10mm、錠剤重量300mg/錠、成型圧500kg〜1750kgの条件で静圧成型して錠剤を得た。得られた錠剤の硬度を硬度計(ファーマテスト)で測定した結果を表1に示す。
【表1】


表1から真比重1.253のリン酸結合性ポリマーを単独で成型した錠剤はいずれの成型圧でも十分な硬度(6KP以上)が得られなかったが、真比重1.209〜1.211のリン酸結合性ポリマーを用いた場合には成形圧1000kg以上で十分な硬度が得られた。
[実施例2]
製造例1の水分を含有したリン酸結合性ポリマー(真比重1.209)200mgに対して添加剤として結晶セルロース(アビセルPH101 旭化成)を100mgの割合で混合し、錠剤径φ10mm、錠剤重量300mg/錠、成型圧500kg、750kg、1000kgの条件で静圧成型して錠剤を得た。
得られた錠剤の硬度を硬度計で測定した結果及び成形圧750kgの錠剤について崩壊試験器(富山産業)で測定した結果(試験液:水)を表2に示す。
【表2】


表2からリン酸結合性ポリマーに結晶セルロースを添加した場合は、成型圧750kg以上の条件で、錠剤硬度が6KP以上であり速やかな崩壊性を示す製剤が得られた。
[実施例3]
製造例1の水分を含有したリン酸結合性ポリマー(真比重1.209)767.7gに対して、結晶セルロース349.5g、硬化油(ラブリワックス101 フロイント)5.6g、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウム(日東化成)2.2gの割合で配合した。得られた配合末を単発打錠機(N−30型 岡田精工)を用いて錠剤径φ10.5mm、錠剤重量375mg/錠、成型圧1750kgの条件で打錠し、リン酸結合性ポリマー乾燥物として約250mgを含有する錠剤(素錠)を得た。
得られた錠剤を硬度計(コンテスター)で測定した結果、10.9KPの錠剤硬度を示し、崩壊時間(試験液:水)は67秒であった。
さらにリン酸結合性ポリマー250mg含有製剤(素錠)に対して、ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(HPMC TC−5−RW、信越化学)8.25mg、ポリエチレングリコール6000(日本油脂)1.26mg、酸化チタン(A−100 石原産業)1.8mg、タルク0.69mgの組成からなるフィルム処方でコーティング機(ドリアコーターDRC−500型 パウレック)を用いて製剤(フィルム錠)を得た。
得られたフィルム錠について崩壊試験器を用いて毎分1〜30ストローク、試験液2種(pH1.2:日本薬局方第1液、水)について試験を実施した。測定結果を図1に示す。
図1からリン酸結合性ポリマー製剤は酸性〜中性領域で攪拌強度(ストローク)の影響を受けずに速やかな崩壊性を示した。
[実施例4]
実施例3で製造したリン酸結合性ポリマー250mgを含有する製剤(フィルム錠)4錠について、薬効を想定した評価法として塩化ナトリウム4.7g、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸21.3g、リン酸二水素カリウム0.544gを水に溶解し、pHを7に合わせて37℃に加温した試験液200mIを用いて、パドル回転数100rpmの条件でリン酸結合能を測定した。リン酸結合能は錠剤が崩壊し、リン酸結合性ポリマーの分散、リン酸吸着による経時的な試験液中のリン酸残存濃度について試験液の初期値を1、吸着終了時を0とした測定結果を図2に示す。
図2からリン酸結合性ポリマー製剤は速やかなリン酸結合能を示した。
(産業上の利用可能性)
本発明のリン酸結合性ポリマー錠剤は単独で製剤可能であるか、または添加剤を配合した場合であっても、錠剤の硬度が高く、主薬含有率が高く、リン酸結合能に優れ、酸性から中性領域での攪拌強度の影響を受けにくい速やかな崩壊性を示すものであり、消化管内運動、pHによるバイオアベイラビリティーの変動を低くすることができる優れた製剤である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記の式
【化1】


[式中、(a+b):cのモル比が45:1〜2:1であり、mは整数を表す]
で表され、かつ1.18〜1.24の真比重を有するリン酸結合性ポリマー粒子を含有する錠剤。
【請求項2】 前記リン酸結合性ポリマー粒子の真比重が1.20〜1.22である請求項1記載の錠剤。
【請求項3】 上記リン酸結合性ポリマー粒子の(a+b):cのモル比が20:1〜4:1である請求項1または2に記載の錠剤。
【請求項4】 上記リン酸結合性ポリマー粒子の平均粒径が400μm以下であり、かつ粒径500μm以下の割合が90%以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項5】 上記リン酸結合性ポリマー粒子の平均粒径が250μm以下であり、かつ粒径300μm以下の割合が90%以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項6】 上記リン酸結合性ポリマー粒子の水分含有量が1〜14%である請求項1〜5のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項7】 上記リン酸結合性ポリマー粒子が、ポリアリルアミンにエピクロルヒドリンを、水とアセトニトリルとの混合溶媒中で作用させ、架橋して得られたものである請求項1〜6のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項8】 上記リン酸結合性ポリマー粒子が、架橋した後、粉砕および/または水分調節して得られたものである請求項7記載の錠剤。
【請求項9】 更に、結晶セルロースおよび/または低置換ヒドロキシプロピルセルロースを含有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項10】 結晶セルロースおよび/または低置換ヒドロキシプロピルセルロースの含有量が、リン酸結合性ポリマー粒子の重量に対して、10重量%以上である請求項9記載の錠剤。
【請求項11】 低置換ヒドロキシプロピルセルロースのヒドロキシプロポキシル基置換度が5.0〜16.0重量%である請求項9または10に記載の錠剤。
【請求項12】 更に硬化油を含有する請求項1〜11のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項13】 打錠製剤である請求項1〜12のいずれか一項に記載の錠剤。
【請求項14】 更に錠剤表面を水溶性フィルム基剤によりコーティングする請求項1〜13のいずれか一項に記載の錠剤。

【図1】
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【図2】
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【特許番号】特許第3302682号(P3302682)
【登録日】平成14年4月26日(2002.4.26)
【発行日】平成14年7月15日(2002.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−575910(P2000−575910)
【出願日】平成11年10月12日(1999.10.12)
【国際出願番号】PCT/JP99/05596
【国際公開番号】WO00/22008
【国際公開日】平成12年4月20日(2000.4.20)
【審査請求日】平成12年10月24日(2000.10.24)
【早期審査対象出願】早期審査対象出願
【出願人】(000003311)中外製薬株式会社 (228)
【参考文献】
【文献】特開 昭61−212517(JP,A)
【文献】特開 昭63−280025(JP,A)
【文献】特開 昭64−30(JP,A)
【文献】特表 平9−504782(JP,A)
【文献】特表 平10−501842(JP,A)