リールシートジャケット
【課題】 リールシートを有する釣竿において、リールシートの可動金具が緩んでリールが脱落するのを防止するために、リールシート及びリールの取付脚に巻きつけて装着するリールシートジャケットを提供する。
【解決手段】 このリールシートジャケットは、リールシート上部を覆うための本体部と、リールの取付脚を覆うための巻き付け部と、該巻き付け部を本体部に固定するための固定部と、該固定部を受け止めるための受け部を備える。本体部及び巻き付け部は、皮革や合成ゴム等の柔軟性のあるシート状素材から形成され、リールシート及びＴ字型に形成されたリールの取付脚に巻きつけるような形状とし、固定部を受け部に合わせて固定してリールシートに装着する。
【解決手段】 このリールシートジャケットは、リールシート上部を覆うための本体部と、リールの取付脚を覆うための巻き付け部と、該巻き付け部を本体部に固定するための固定部と、該固定部を受け止めるための受け部を備える。本体部及び巻き付け部は、皮革や合成ゴム等の柔軟性のあるシート状素材から形成され、リールシート及びＴ字型に形成されたリールの取付脚に巻きつけるような形状とし、固定部を受け部に合わせて固定してリールシートに装着する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、釣竿のリールシート及びリールの取付脚に巻きつけて装着するリールシートジャケットに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
リールと組み合わせて使用するタイプの釣竿には、リールを取付けるためのリールシートが設けられている。またリールにはＴ字型の取付脚が設けられており、リールシートの可動金具をリールの取付脚に差し込んで固定する。
【０００３】
リールをリールシートに固定する方式としては、リング状の可動金具をスライドさせてリールの取付脚に差し込むスライドリング方式や、ナット状の可動金具を回しながらリールの取付脚に差し込むスクリューロック方式が一般的である。
【０００４】
これらのリールシートに共通する従来からの問題として、釣竿の使用中に可動金具が緩んでしまい、緩みを放置して使用を継続するとリールがリールシートから脱落してしまうという不具合が発生していた。
この対策として、スクリューロック方式においてはナット状の可動金具の緩みを防止するためにダブルナット構造を採用する等の対策（例えば特許文献１参照）が講じられてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開平１１−３４６６０９号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、例えばフライロッド等で軽量さが重視される用途の釣竿のリールシートとしてはスライドリング方式が主流であるが、この方式における可動金具の緩み防止、あるいはリールの脱落防止の対策としては、有効な解決策が見出されていなかった。
【０００７】
本発明は、リールシート及びリールの取付脚に巻き付けて装着するリールシートジャケットを提供することによって、前記の問題点を解決し、快適に釣りができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
第１の発明は、リールシート上部を覆うための本体部と、リールの取付脚を覆うための巻き付け部と、該巻き付け部を本体部に固定するための固定部と、該固定部を受け止めるための受け部を備え、リールシート及びリールの取付脚に巻き付けて装着するリールシートジャケットである。
【０００９】
第２の発明は、本体部及び巻き付け部は皮革（人口皮革や合成皮革を含む）等の柔軟性のあるシート状素材から形成され、複数のベルト状の巻き付け部を備え、それぞれの巻き付け部を独立して巻き付けることでリールシートの外径差を吸収して密着性を高め、その密着性から発生する巻き付け圧力によって可動金具の緩みを防止するという特徴を持ったリールシートジャケットである。
【００１０】
第３の発明は、本体部及び巻き付け部は合成ゴム（例えばクロロプレン）等の柔軟性及び弾力性、伸縮性のあるシート状素材から形成され、リールの取付脚に差し込まれたリールシートの可動金具を包み込むように覆う形状の巻き付け部を備え、その素材の弾力性から発生する巻き付け圧力によって可動金具の緩みを防止するという特徴を持ったリールシートジャケットである。
【発明の効果】
【００１１】
リールシート及びリールの取付脚に巻き付けるようにリールシートジャケットで覆うことによって、リールシートの可動金具に巻き付け圧力が加わり、使用中に可動金具が緩むのを防止する効果がある。また、可動金具が緩んだ場合でもリールシートジャケットがリールの取付脚を覆っているので、リールがリールシートから脱落するのを防止できる。
【００１２】
リールシートの可動金具やリールの取付脚等の金属部品の凹凸を、柔軟性のある素材で形成された本体部及び巻き付け部で部分的に覆うことによって、その部分を握って使用した場合の握り心地を向上させる効果がある。
【００１３】
リールシートジャケットのデザインやカラーバリエーション、素材の質感等を工夫することによってファッション性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の第１の実施形態を示した図であり、（Ａ）は第１の実施形態の外形図、（Ｂ）はリールシートに第１の実施形態を装着した状態を示した図。
【図２】本発明の第２の実施形態を示した図であり、（Ａ）は第２の実施形態の外形図、（Ｂ）はリールシートに第２の実施形態を装着した状態を示した図。
【図３】本発明の第３の実施形態を示した図であり、（Ａ）は第３の実施形態の外形図、（Ｂ）はリールシートに第３の実施形態を装着した状態を示した図。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【００１６】
図１に、本発明の第1の実施形態を示す。第1の実施形態は片側スライドリング方式のリールシートに対して本発明を利用する場合の実施例である。
図１（Ａ）で示す釣竿Ｒは、釣りをする際に握る部分であるグリップ６と、リールを取付けるためのリールシート４を備え、該リールシート４にはリール５が取付けられている。
前記リールシート４は片側スライドリング方式のリールシートであり、リール５の取付脚５ａを固定金具４ａに差し込み、可動金具４ｂをリール５の取付脚５ｂに差し込むことによってリール５をリールシート４に取付けている。
【００１７】
リールシートジャケットＪは、リールシート４の上部を覆うための本体部１と、リール５の取付脚５ａ，５ｂを覆うための巻き付け部１ａ，１ｂ，１ｃを備え、該巻き付け部１ａ，１ｂ，１ｃの裏面にはそれぞれ固定部２ａ，２ｂ，２ｃを備え、本体部１の表面には該固定部２ａ，２ｂ，２ｃを受け止めるための受け部３ａ，３ｂ，３ｃを備えている。
【００１８】
本体部１及び巻き付け部１ａ，１ｂ，１ｃは、リールシート４及びリール５の取付脚５ａ、５ｂに巻きつけるように使用するため、皮革（人口皮革、合成皮革を含む）等の柔軟性のあるシート状素材から形成する。また釣りで使用することを考慮して防水加工を施した材料を採用することが理想的である。
【００１９】
本体部１は、リールシート４の上部を覆うためのカバーであり、上部カバー寸法Ｌ１はリールシート４の上部を極力広い面積で覆うことができる寸法に設定する。
【００２０】
巻き付け部１ａ，１ｂ，１ｃは、リールの取付脚５ａ，５ｂに巻き付けるベルト状のカバーであり本体部１から派生している。巻き付け部１ａ，１ｂ，１ｃは、予め本体部１と一体のものとして形成しても良いし、それぞれをベルト状の部品として形成し、接着や縫合などの方法で本体部１に接合しても良い。
【００２１】
巻き付け部１ａ，１ｂ，１ｃの巻き付け寸法Ｌ２は最低限リールの取付脚５ａ，５ｂに巻き付けて本体部１に固定することができる寸法とする必要があるが、更に長い寸法としてリールシート４の上部を覆った本体１を含めて巻き付けても良い。
【００２２】
巻き付け部１ａ，１ｂ，１ｃの巻き付け方向は、その何れか又は全てを図１で示す実施形態に対して逆方向としても良い。
【００２３】
巻き付け部１ａ，１ｂ、１ｃは、リール５の取付脚支柱部分を避けた位置に配置する。この実施形態では支柱部分を挟んで後側の取付脚５ａの部分に巻き付け部１ａを配置し、前側の取付脚５ｂの部分に巻き付け部１ｂ、１ｃを配置している。
リール５の取付脚支柱部分を避けるため、巻き付け部１ａと巻き付け部１ｂの間隔Ｌ４は、支柱部分の幅Ｌ６よりも大きな寸法に設定する。
【００２４】
第1の実施形態の場合は、固定金具４ａはリールシート４に固定されており緩んでしまうことがないため、巻き付け部１ａの幅である後部カバー寸法Ｌ５は取付脚５ａを部分的に狭い範囲で覆うような寸法としても良いし、固定金具４ａを含めて広い範囲で覆うような寸法としても良い。
一方、可動金具４ｂは可動式であり使用中に緩んでしまう可能性があるため、前部カバー寸法Ｌ３は、巻き付け部１ｃを可動金具４ｂの前方（グリップ６の方向）に巻き付けることが可能な寸法に設定する。
【００２５】
第1の実施形態の特徴は、前部カバー寸法Ｌ３の区間を巻き付け部１ｂと巻き付け部１ｃに分割して巻き付けるように配置していることである。
そして巻き付け部１ｂをリールシートの外径Ｄ２の部分に、巻き付け部１ｃをリールシートの外径Ｄ１の部分にそれぞれ別々に巻き付けることによって外径差を吸収する。これによってリールシート４への密着度が増し、その密着性から発生する巻き付け圧力によって可動金具４ｂの緩みを防止することができる。
また、リールシートの外径差を吸収することを目的として、巻き付け部を更に細かく分けても良い。
【００２６】
リールシート４及びリール５の取付脚５ａ，５ｂに巻き付けられた巻き付け部１ａ，１ｂ，１ｃを本体部に固定するための部材として例えば面ファスナーを利用し、この場合は固定部２ａ，２ｂ，２ｃに面ファスナーのフック側を配し、受け部３ａ，３ｂ，３ｃはループ状に起毛させた素材を配す。その他の部材として、ボタン、スナップ、バックル等が考えられ、脱着可能であれば面ファスナーに限定する必要はない。
【００２７】
リールシートジャケットＪをリールシート４及びリール５の取付脚５ａ，５ｂに巻き付けて、固定部２ａ，２ｂ，２ｃを受け部３ａ，３ｂ，３ｃに合わせて固定して装着すると図１（Ｂ）で示す状態となる。
リールシートジャケットＪを装着した状態で釣竿Ｒを使用すれば、可動金具４ｂに掛けられる巻き付け圧力によって可動金具４ｂの緩みを防止することができ、また可動金具４ｂが緩んだとしても巻き付け部１ａ，１ｂ，１ｃがリール５の取付脚５ａ，５ｂを覆っているため、リール５がリールシート４から脱落することは無い。
【００２８】
図２に、本発明の第２の実施形態を示す。第２の実施形態は、第１の実施形態に対して、本体部及び巻き付け部の素材を変更し、合わせて巻き付け部の形状を変更した場合の実施例である。
この実施形態の特徴は、本体部及び巻き付け部を合成ゴム（例えばクロロプレン）等の柔軟性及び弾力性、伸縮性のあるシート状素材から形成し、その素材の弾力性から発生する巻き付け圧力によって可動金具の緩みを防止する構造とすることである。
【００２９】
図２（Ａ）の実施形態で示すように、前部カバー寸法Ｌ３の区間を１つの巻き付け部１ｂとして形成し、図２（Ｂ）に示すように巻き付け部１ｂによって可動金具４ｂの全体を包み込むように巻き付けて装着する。
素材自体の弾力性で可動金具４ｂに圧力を加えて緩みを防止するのと同時に、素材自体の伸縮性でリールシートの外径Ｄ１，Ｄ２の外径差を吸収し、可動金具４ｂを包み込むような状態となる。
【００３０】
図３に、本発明の第３の実施形態を示す。第３の実施形態は両側スライドリング方式のリールシートに対して本発明を利用する場合の実施例である。
図３（Ａ）で示すリールシート４は両側スライドリング方式のリールシートであり、リール５の可動金具４ｃ，４ｂを取付脚５ａ，５ｂに差し込むことによってリール５をリールシート４に取付けている。
【００３１】
この実施形態は、第２の実施形態を両側スライドリング方式のリールシートに応用した例であるが、図３（Ａ）で示すように、第２の実施形態に対して後部カバー寸法Ｌ５を広く取るように変更し、図３（Ｂ）に示すように巻き付け部１ａによって可動金具４ｃの全体を包み込むように巻き付けて装着する。
また、同様に第１の実施形態を両側スライドリング方式のリールシートに応用することも可能である。
【符号の説明】
【００３２】
Ｊ リールシートジャケット
１ 本体部
１ａ，１ｂ，１ｃ 巻き付け部
２ａ，２ｂ，２ｃ 固定部
３ａ，３ｂ，３ｃ 受け部
Ｒ 釣竿
４ リールシート
４ａ 固定金具
４ｂ，４ｃ 可動金具
５ リール
５ａ，５ｂ 取付脚
６ グリップ
Ｌ１ 上部カバー寸法
Ｌ２ 巻き付け寸法
Ｌ３ 前部カバー寸法
Ｌ４ 巻き付け部１ａと巻き付け部１ｂの間隔
Ｌ５ 後部カバー寸法
Ｌ６ 支柱部分の幅
Ｄ１，Ｄ２ リールシートの外径
【技術分野】
【０００１】
本発明は、釣竿のリールシート及びリールの取付脚に巻きつけて装着するリールシートジャケットに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
リールと組み合わせて使用するタイプの釣竿には、リールを取付けるためのリールシートが設けられている。またリールにはＴ字型の取付脚が設けられており、リールシートの可動金具をリールの取付脚に差し込んで固定する。
【０００３】
リールをリールシートに固定する方式としては、リング状の可動金具をスライドさせてリールの取付脚に差し込むスライドリング方式や、ナット状の可動金具を回しながらリールの取付脚に差し込むスクリューロック方式が一般的である。
【０００４】
これらのリールシートに共通する従来からの問題として、釣竿の使用中に可動金具が緩んでしまい、緩みを放置して使用を継続するとリールがリールシートから脱落してしまうという不具合が発生していた。
この対策として、スクリューロック方式においてはナット状の可動金具の緩みを防止するためにダブルナット構造を採用する等の対策（例えば特許文献１参照）が講じられてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開平１１−３４６６０９号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、例えばフライロッド等で軽量さが重視される用途の釣竿のリールシートとしてはスライドリング方式が主流であるが、この方式における可動金具の緩み防止、あるいはリールの脱落防止の対策としては、有効な解決策が見出されていなかった。
【０００７】
本発明は、リールシート及びリールの取付脚に巻き付けて装着するリールシートジャケットを提供することによって、前記の問題点を解決し、快適に釣りができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
第１の発明は、リールシート上部を覆うための本体部と、リールの取付脚を覆うための巻き付け部と、該巻き付け部を本体部に固定するための固定部と、該固定部を受け止めるための受け部を備え、リールシート及びリールの取付脚に巻き付けて装着するリールシートジャケットである。
【０００９】
第２の発明は、本体部及び巻き付け部は皮革（人口皮革や合成皮革を含む）等の柔軟性のあるシート状素材から形成され、複数のベルト状の巻き付け部を備え、それぞれの巻き付け部を独立して巻き付けることでリールシートの外径差を吸収して密着性を高め、その密着性から発生する巻き付け圧力によって可動金具の緩みを防止するという特徴を持ったリールシートジャケットである。
【００１０】
第３の発明は、本体部及び巻き付け部は合成ゴム（例えばクロロプレン）等の柔軟性及び弾力性、伸縮性のあるシート状素材から形成され、リールの取付脚に差し込まれたリールシートの可動金具を包み込むように覆う形状の巻き付け部を備え、その素材の弾力性から発生する巻き付け圧力によって可動金具の緩みを防止するという特徴を持ったリールシートジャケットである。
【発明の効果】
【００１１】
リールシート及びリールの取付脚に巻き付けるようにリールシートジャケットで覆うことによって、リールシートの可動金具に巻き付け圧力が加わり、使用中に可動金具が緩むのを防止する効果がある。また、可動金具が緩んだ場合でもリールシートジャケットがリールの取付脚を覆っているので、リールがリールシートから脱落するのを防止できる。
【００１２】
リールシートの可動金具やリールの取付脚等の金属部品の凹凸を、柔軟性のある素材で形成された本体部及び巻き付け部で部分的に覆うことによって、その部分を握って使用した場合の握り心地を向上させる効果がある。
【００１３】
リールシートジャケットのデザインやカラーバリエーション、素材の質感等を工夫することによってファッション性を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の第１の実施形態を示した図であり、（Ａ）は第１の実施形態の外形図、（Ｂ）はリールシートに第１の実施形態を装着した状態を示した図。
【図２】本発明の第２の実施形態を示した図であり、（Ａ）は第２の実施形態の外形図、（Ｂ）はリールシートに第２の実施形態を装着した状態を示した図。
【図３】本発明の第３の実施形態を示した図であり、（Ａ）は第３の実施形態の外形図、（Ｂ）はリールシートに第３の実施形態を装着した状態を示した図。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【００１６】
図１に、本発明の第1の実施形態を示す。第1の実施形態は片側スライドリング方式のリールシートに対して本発明を利用する場合の実施例である。
図１（Ａ）で示す釣竿Ｒは、釣りをする際に握る部分であるグリップ６と、リールを取付けるためのリールシート４を備え、該リールシート４にはリール５が取付けられている。
前記リールシート４は片側スライドリング方式のリールシートであり、リール５の取付脚５ａを固定金具４ａに差し込み、可動金具４ｂをリール５の取付脚５ｂに差し込むことによってリール５をリールシート４に取付けている。
【００１７】
リールシートジャケットＪは、リールシート４の上部を覆うための本体部１と、リール５の取付脚５ａ，５ｂを覆うための巻き付け部１ａ，１ｂ，１ｃを備え、該巻き付け部１ａ，１ｂ，１ｃの裏面にはそれぞれ固定部２ａ，２ｂ，２ｃを備え、本体部１の表面には該固定部２ａ，２ｂ，２ｃを受け止めるための受け部３ａ，３ｂ，３ｃを備えている。
【００１８】
本体部１及び巻き付け部１ａ，１ｂ，１ｃは、リールシート４及びリール５の取付脚５ａ、５ｂに巻きつけるように使用するため、皮革（人口皮革、合成皮革を含む）等の柔軟性のあるシート状素材から形成する。また釣りで使用することを考慮して防水加工を施した材料を採用することが理想的である。
【００１９】
本体部１は、リールシート４の上部を覆うためのカバーであり、上部カバー寸法Ｌ１はリールシート４の上部を極力広い面積で覆うことができる寸法に設定する。
【００２０】
巻き付け部１ａ，１ｂ，１ｃは、リールの取付脚５ａ，５ｂに巻き付けるベルト状のカバーであり本体部１から派生している。巻き付け部１ａ，１ｂ，１ｃは、予め本体部１と一体のものとして形成しても良いし、それぞれをベルト状の部品として形成し、接着や縫合などの方法で本体部１に接合しても良い。
【００２１】
巻き付け部１ａ，１ｂ，１ｃの巻き付け寸法Ｌ２は最低限リールの取付脚５ａ，５ｂに巻き付けて本体部１に固定することができる寸法とする必要があるが、更に長い寸法としてリールシート４の上部を覆った本体１を含めて巻き付けても良い。
【００２２】
巻き付け部１ａ，１ｂ，１ｃの巻き付け方向は、その何れか又は全てを図１で示す実施形態に対して逆方向としても良い。
【００２３】
巻き付け部１ａ，１ｂ、１ｃは、リール５の取付脚支柱部分を避けた位置に配置する。この実施形態では支柱部分を挟んで後側の取付脚５ａの部分に巻き付け部１ａを配置し、前側の取付脚５ｂの部分に巻き付け部１ｂ、１ｃを配置している。
リール５の取付脚支柱部分を避けるため、巻き付け部１ａと巻き付け部１ｂの間隔Ｌ４は、支柱部分の幅Ｌ６よりも大きな寸法に設定する。
【００２４】
第1の実施形態の場合は、固定金具４ａはリールシート４に固定されており緩んでしまうことがないため、巻き付け部１ａの幅である後部カバー寸法Ｌ５は取付脚５ａを部分的に狭い範囲で覆うような寸法としても良いし、固定金具４ａを含めて広い範囲で覆うような寸法としても良い。
一方、可動金具４ｂは可動式であり使用中に緩んでしまう可能性があるため、前部カバー寸法Ｌ３は、巻き付け部１ｃを可動金具４ｂの前方（グリップ６の方向）に巻き付けることが可能な寸法に設定する。
【００２５】
第1の実施形態の特徴は、前部カバー寸法Ｌ３の区間を巻き付け部１ｂと巻き付け部１ｃに分割して巻き付けるように配置していることである。
そして巻き付け部１ｂをリールシートの外径Ｄ２の部分に、巻き付け部１ｃをリールシートの外径Ｄ１の部分にそれぞれ別々に巻き付けることによって外径差を吸収する。これによってリールシート４への密着度が増し、その密着性から発生する巻き付け圧力によって可動金具４ｂの緩みを防止することができる。
また、リールシートの外径差を吸収することを目的として、巻き付け部を更に細かく分けても良い。
【００２６】
リールシート４及びリール５の取付脚５ａ，５ｂに巻き付けられた巻き付け部１ａ，１ｂ，１ｃを本体部に固定するための部材として例えば面ファスナーを利用し、この場合は固定部２ａ，２ｂ，２ｃに面ファスナーのフック側を配し、受け部３ａ，３ｂ，３ｃはループ状に起毛させた素材を配す。その他の部材として、ボタン、スナップ、バックル等が考えられ、脱着可能であれば面ファスナーに限定する必要はない。
【００２７】
リールシートジャケットＪをリールシート４及びリール５の取付脚５ａ，５ｂに巻き付けて、固定部２ａ，２ｂ，２ｃを受け部３ａ，３ｂ，３ｃに合わせて固定して装着すると図１（Ｂ）で示す状態となる。
リールシートジャケットＪを装着した状態で釣竿Ｒを使用すれば、可動金具４ｂに掛けられる巻き付け圧力によって可動金具４ｂの緩みを防止することができ、また可動金具４ｂが緩んだとしても巻き付け部１ａ，１ｂ，１ｃがリール５の取付脚５ａ，５ｂを覆っているため、リール５がリールシート４から脱落することは無い。
【００２８】
図２に、本発明の第２の実施形態を示す。第２の実施形態は、第１の実施形態に対して、本体部及び巻き付け部の素材を変更し、合わせて巻き付け部の形状を変更した場合の実施例である。
この実施形態の特徴は、本体部及び巻き付け部を合成ゴム（例えばクロロプレン）等の柔軟性及び弾力性、伸縮性のあるシート状素材から形成し、その素材の弾力性から発生する巻き付け圧力によって可動金具の緩みを防止する構造とすることである。
【００２９】
図２（Ａ）の実施形態で示すように、前部カバー寸法Ｌ３の区間を１つの巻き付け部１ｂとして形成し、図２（Ｂ）に示すように巻き付け部１ｂによって可動金具４ｂの全体を包み込むように巻き付けて装着する。
素材自体の弾力性で可動金具４ｂに圧力を加えて緩みを防止するのと同時に、素材自体の伸縮性でリールシートの外径Ｄ１，Ｄ２の外径差を吸収し、可動金具４ｂを包み込むような状態となる。
【００３０】
図３に、本発明の第３の実施形態を示す。第３の実施形態は両側スライドリング方式のリールシートに対して本発明を利用する場合の実施例である。
図３（Ａ）で示すリールシート４は両側スライドリング方式のリールシートであり、リール５の可動金具４ｃ，４ｂを取付脚５ａ，５ｂに差し込むことによってリール５をリールシート４に取付けている。
【００３１】
この実施形態は、第２の実施形態を両側スライドリング方式のリールシートに応用した例であるが、図３（Ａ）で示すように、第２の実施形態に対して後部カバー寸法Ｌ５を広く取るように変更し、図３（Ｂ）に示すように巻き付け部１ａによって可動金具４ｃの全体を包み込むように巻き付けて装着する。
また、同様に第１の実施形態を両側スライドリング方式のリールシートに応用することも可能である。
【符号の説明】
【００３２】
Ｊ リールシートジャケット
１ 本体部
１ａ，１ｂ，１ｃ 巻き付け部
２ａ，２ｂ，２ｃ 固定部
３ａ，３ｂ，３ｃ 受け部
Ｒ 釣竿
４ リールシート
４ａ 固定金具
４ｂ，４ｃ 可動金具
５ リール
５ａ，５ｂ 取付脚
６ グリップ
Ｌ１ 上部カバー寸法
Ｌ２ 巻き付け寸法
Ｌ３ 前部カバー寸法
Ｌ４ 巻き付け部１ａと巻き付け部１ｂの間隔
Ｌ５ 後部カバー寸法
Ｌ６ 支柱部分の幅
Ｄ１，Ｄ２ リールシートの外径
【特許請求の範囲】
【請求項１】
釣竿のリールシート及びリールの取付脚に巻きつけて装着するリールシートジャケットであって、該リールシートジャケットはリールシート上部を覆うための本体部と、リールの取付脚を覆うための巻き付け部と、該巻き付け部を本体部に固定するための固定部と、該固定部を受け止めるための受け部を備えることを特徴とするリールシートジャケット。
【請求項２】
前記本体部及び巻き付け部は柔軟性のあるシート状素材から形成され、複数のベルト状の巻き付け部を備えることを特徴とする請求項１記載のリールシートジャケット。
【請求項３】
前記本体部及び巻き付け部は柔軟性及び弾力性、伸縮性のあるシート状素材から形成され、リールの取付脚に差し込まれたリールシートの可動金具を包み込むように覆う形状の巻き付け部を備えることを特徴とする請求項１記載のリールシートジャケット。
【請求項１】
釣竿のリールシート及びリールの取付脚に巻きつけて装着するリールシートジャケットであって、該リールシートジャケットはリールシート上部を覆うための本体部と、リールの取付脚を覆うための巻き付け部と、該巻き付け部を本体部に固定するための固定部と、該固定部を受け止めるための受け部を備えることを特徴とするリールシートジャケット。
【請求項２】
前記本体部及び巻き付け部は柔軟性のあるシート状素材から形成され、複数のベルト状の巻き付け部を備えることを特徴とする請求項１記載のリールシートジャケット。
【請求項３】
前記本体部及び巻き付け部は柔軟性及び弾力性、伸縮性のあるシート状素材から形成され、リールの取付脚に差し込まれたリールシートの可動金具を包み込むように覆う形状の巻き付け部を備えることを特徴とする請求項１記載のリールシートジャケット。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１２−２４４９４４（Ｐ２０１２−２４４９４４Ａ）
【公開日】平成２４年１２月１３日（２０１２．１２．１３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１１９４７１（Ｐ２０１１−１１９４７１）
【出願日】平成２３年５月２７日（２０１１．５．２７）
【出願人】（７１１００１８６０）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１２月１３日（２０１２．１２．１３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年５月２７日（２０１１．５．２７）
【出願人】（７１１００１８６０）
【Ｆターム（参考）】
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