説明

ルイス酸と反応促進剤の組み合わせを用いるトリアジン類の製造方法

【課題】2−ハロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンを前例のない選択率、効率、穏やかな条件、および高い収率で製造できる、製造方法の提供。
【解決手段】少なくとも1種のルイス酸および少なくとも1種の反応促進剤の存在下でハロゲン化シアヌルと芳香族化合物との反応させる、2−ハロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンの製造方法。当該方法は種々の芳香族を使用して広い選択範囲の2−ハロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン類を製造できるため、前例のないほど普遍的である。好ましくは、ルイス酸および反応促進剤を一緒にして複合体を製造する。2−ハロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン類は2−(2−オキシアリール)−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン種の紫外線吸収剤を製造するための重要な中間体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は2−(2−オキシアリール)−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン種のトリスアリール−1,3,5−トリアジン紫外線吸収剤およびそれらの前駆体である2−ハロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン類をハロゲン化シアヌルから製造するための新規な、非常に効率的なそして一般的な方法に関する。より詳しくは、本発明は少なくとも1種のルイス酸および少なくとも1種の反応促進剤(reaction promoter)を含んでなる反応助剤(reaction facilitator)の存在下におけるトリアジン化合物の新規な合成方法に関する。この方法は、2−ハロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン化合物を製造するためのハロゲン化シアヌルと置換されたまたは未置換の芳香族化合物との反応を包含する。この方法は、ハロ−ビスアリール−1,3,5−トリアジン化合物を現存する方法を用いて可能なものより高い収率で製造する。製造されるトリアジン化合物は、有機物質を光、熱、酸素、または他の環境力による被害に対して安定化させるために使用されるトリアジン紫外線吸収剤の前駆体である。そのような紫外線吸収剤の製造方法は一段階方式でまたは連続的にワンポット反応法で行うことができる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
トリアジン紫外線吸収剤は、広範囲の用途を有する重要な種類の有機化合物である。最も重要な用途分野の一つは、例えばプラスチック、重合体、コーテイング材料、および写真記録材料を光、熱、酸素、または環境力による被害に対して保護し且つ安定化させることである。他の用途分野は化粧品、繊維、染料などを包含する。
【0003】
トリアジンから誘導される紫外線吸収剤は、典型的には少なくとも1つの2−オキシアリール置換基を1,3,5−トリアジン環上に包含する化合物の1種である。1,3,5−トリアジン環の2−,4−,および6−位置に芳香族置換基を有し且つオルト位置でヒドロキシル基またはブロックされたヒドロキシル基で置換された少なくとも1つの芳香族環を有するトリアジンをベースにした紫外線吸収剤化合物が一般的に好ましい化合物である。
【0004】
【化1】

【0005】
2−(2−オキシアリール)−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン紫外線吸収剤
一般的にはこの種類のトリアジン紫外線吸収剤化合物は当該技術で既知である。多くのそのようなトリスアリール−1,3,5−トリアジン類の開示は下記の米国特許にあり、それらの全ては示された通りに引用することにより本発明の内容となる:3,118,887;3,242,175;3,244,708;3,249,608;3,268,474;3,423,360;3,444,164;3,843,371;4,619,956;4,740,542;4,775,707;4,826,978;4,831,068;4,962,142;5,030,731;5,059,647;5,071,981;5,084,570;5,106,891;5,185,445;5,189,084;5,198,498;5,288,778;5,298,067;5,300,414;5,323,868;5,354,794;5,364,749;5,369,140;5,410,048;5,412,008;5,420,008;5,420,204;5,461,151;5,476,937;5,478,935;5,489,503;5,543,518;5,538,840;5,545,836;5,563,224;5,575,958;5,591,850;5,597,854;5,612,084;5,637,706;5,648,488;5,672,704;5,675,004;5,681,955;5,686,233;5,705,643;5,726,309;5,726,310;5,741,905;および5,760,111。
【0006】
好ましい種類のトリスアリールトリアジン紫外線吸収剤(UVA類)は、2−(2,4−ジヒドロキシアリール)−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン類、すなわち2つの非−フェノール系芳香族基および有利にはレソルシノールから誘導される1つのフェノール系芳香族基を有する化合物をベースにしている。親化合物である2−(2,4−ジヒドロキシアリール)−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン類の4−ヒドロキシル基は一般的には官能基置換されて最終用途のための2−(2−ヒドロキシ−4−アルコキシアリール)−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン化合物を製造する。
【0007】
フェノール環のパラ−ヒドロキシル基が官能基置換され且つ非−フェノール系芳香族環が未置換のフェニルであるか(例えば、チヌビン(Tinuvin)(R)1577)またはm−キシリルである(例えば、シアソルブ(Cyasorb)(R)UV−1164、シアソルブ(R)UV−1164L、チヌビン(R)400、およびCGL−1545)多くの市販製品が存在する。これらの紫外線吸収剤は例えばベンゾトリアゾールおよびベンゾフェノン化合物の如き他の種類の紫外線吸収剤と比べて高い固有の光安定性および性能を示すために、それらは好ましい。
【0008】
トリアジンをベースにした紫外線吸収剤の数種の製造方法が既知である。(H. Brunetti and C.E. Luethi, Helvetica Chimica Acta, 1972, 55, 1566-1595, S. Tanimoto et al., Senryo to Yakahin, 1995, 40(12), 325-339 参照)。
【0009】
多くの方式は三段階からなる。第一段階である市販の物質からの重要な中間体である2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンの合成は一段階または多段階法を包含しうる。その後の第二段階において、2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンを引き続きルイス酸の存在下で1,3−ジヒドロキシベンゼン(レソルシノール)または置換された1,3−ジヒドロキシベンゼンでアリール化して親化合物である2−(2,4−ジヒドロキシアリール)−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンを製造する。上記の親化合物である2−(2,4−ジヒドロキシアリール)−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンをさらに官能基置換して、例えばアルキル化して、最終生成物である2−(2−ヒドロキシ−4−アルコキシアリール)−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンを製造することができる。
【0010】
重要な中間体である2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンの数種の合成方式が文献に報告されている。これらの方式の多くは容易に入手でき且つ安価な出発物質である塩化シアヌルを利用する。例えば、塩化シアヌルを塩化アルミニウムの存在下で芳香族(ArH、例えばm−キシレン)と反応させて(フリーデル−クラフツ反応)2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンを製造し、それをその後の段階でレソルシノールと反応させて2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンを製造する(特許文献3参照)。この方法には数種の制限が
あり、すなわち、塩化シアヌルと芳香族の反応は選択的でなくそして未反応の塩化シアヌルを包含するモノ−、ビス−、およびトリス−アリール化生成物の混合物を生ずる(スキーム1参照)。所望する生成物である2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンはさらなる反応の前に結晶化または他の精製法により単離しなければならない。
【0011】
【化2】

【0012】
上記の方法の別の大きな欠点は、塩化シアヌルと芳香族の反応を全ての芳香族に普遍的に適用できないことである。m−キシレンが芳香族試薬である場合にのみこの方法は有用な収率で所望する中間体である2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンを与えることが文献から既知である(GB884802)。他の芳香族では、所望する2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンに関する選択性のないモノ−、ビス−、およびトリスアリール生成物の分離不能な混合物が製造される(H. Brunetti and C.E. Luethi, Helvetica Chimica Acta, 1972, 55, 1575; および S. Tanimoto and M. Yamagata, Senryo to Takahin, 1995, 40(12), 325-339 参照)。特許文献54はm−キシレンをベースとした生成物の合成を記載している。2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを最初に合成しそして単離せずにワンポット二段階法でレソルシノールと反応させて2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを製造し、それを引き続き結晶化により精製する。非対称性トリス−アリール−1,3,5−トリアジン類を塩化シアヌルおよびモノ−アリール−ジクロロトリアジン類から製造するためのワンポット法はすでに特許文献5に記載されている。
【0013】
塩化シアヌルからの重要な中間体である2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンの製造に関する上記の問題を解決する試みでは数種の方式が開発された。例えば、塩化シアヌルをアリールとマグネシウムハライド(グリニヤール試薬)と反応させて、2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンを製造する(Ostrogovich
, Chemiker-Zeitung, 1912, 78, 738; Von R. Hirt, H. Nidecker and R. Berchtold, Helvetica Chimica Acta, 1950, 33, 365; 米国特許第4,092,466号参照)。この中間体を単離後に引き続き第二段階でレソルシノールと反応させて2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンを製造する(スキーム2参照)。この方式は2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンを選択的に合成せず、モノ−およびトリス−アリール化生成物がかなりの量で製造される(H. Brunetti and C.E. Luethi, Helvetica Chimica Acta, 1972, 55, 1575 参照)。より良好な結果を有する改変が報告されている(米国特許第5,438,138号参照)。さらに、この改変された方法は工業規模の製造には適さずそして経済的に魅力的でない。
【0014】
【化3】

【0015】
フリーデル−クラフツ反応またはグリニヤール試薬のいずれかを用いて2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンを合成する場合の選択性問題を解決するための別の方式が開発されたが、全ての解決法は追加の合成段階を必要とした。一つの方式がスキーム3に概略記載されている。第一段階で、塩化シアヌルを1当量の脂肪族アルコールと反応させて高い選択率でモノアルコキシ−ビスクロロトリアジンを製造する。第二段階で、モノアルコキシ−ビスクロロトリアジンを塩化アルミニウムの存在下で芳香族と反応させて中間体であるモノアルコキシ/ヒドロキシ−ビスアリールトリアジン類を製造した。これらの中間体を次に第三段階で塩化チオニルまたはPCl5との反応により2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン類に転化させた。第四段階において、2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン類をレソルシノールと反応させて2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン類を合成した。上記の方法では、所望する生成物が高い選択率で製造された。しかしながら、必要な二つの追加段階のためにこの方法は工業方法として経済的に魅力が少なかった。
【0016】
【化4】

【0017】
同様な方式はスキーム4に概略記載されている(米国特許第5,106,972号および特許文献18参照)。主な差は、塩化シアヌルを最初にアルコールの代わりに1当量のアルカンチオールと反応させたことである。スキーム3にまとめられている方法と同様に、追加の段階が必要であり、それによりこの方法は効率的でなくなりそして経済的に実施することができなかった。
【0018】
【化5】

【0019】
最近の改良法はヨーロッパ特許出願0,779,280 A1および日本特許出願09−059263に開示されている。
【0020】
別の方式は塩化シアヌルを出発物質として利用しない。例えば、EP0497734 A1に開示されておりそしてスキーム5に概略記載されている2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンの合成。この方法では、ベンズアミジン塩酸塩を最初にクロロ蟻酸エステルと反応させそして生じた生成物を次に二量化させる。スキーム5に示されているように、生じた2−ヒドロキシ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンを塩化チオニルとの処理により2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンに転化させ、それを引き続きレソルシノールと反応させて2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンを合成する。
【0021】
【化6】

【0022】
2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンの他の製造方式は密封管中でのHClの存在下におけるアリールニトリル類とホスゲンとの反応を基にしている(S.
Yanagida, H. Hayama, M. Yokoe, and S. Komori, J. Org. Chem., 1969, 34, 4125)。別の方式はN,N−ジメチルベンズアミドと塩化ホスホリル錯体の反応であり、それを次にN−シアノベンズアミジンと反応させて2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンを製造する(R.L.N. Harris, Synthesis, 1990, 841)。さらに別の方式は、2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン類を製造するためのアミン類の高温塩素化から得られるポリクロロアザアルケン類とアミジン類との反応を包含する(H.G. Schmelzer, E. Degener and H. Holtschmidt, Angew. Chem. Internat. Ed., 1966, 5, 960; DE 1178437)。これらの方式のいずれも経済的に魅力がなく、従って商業的に実施できない。
【0023】
最後に、親化合物である2−(2,4−ジヒドロキシアリール)−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンの製造用の2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンの中間体生成を必要としない少なくとも三つの方式がある。これらの方式はベンゾニトリル類またはベンズアミジン類を出発物質として使用する(特許文献52および特許文献36、WO96/28431参照)。ベンズアミジン類を2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドと縮合させ、引き続き芳香族化するか(スキーム6)または2,4−ジヒドロキシ安息香酸フェニル/アルキル類(スキーム7)または2−アリール−1,3−ベンゾ
オキサジン−4−オン類(スキーム8)と縮合させて2−(2,4−ジヒドロキシアリール)−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンを製造する。これらの方式は、出発物質が高価であり且つ製造に多くの追加段階を必要とするという欠点を有する。さらに、全体的な収率は満足のいくものでなく且つこれらの方法は経済的に魅力がない。
2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドとのベンズアミジン反応をベースにしたもの
【0024】
【化7】

【0025】
2,4−ジヒドロキシ安息香酸フェニルとのベンズアミジン反応をベースにしたもの
【0026】
【化8】

【0027】
置換された2−アリール−1,3−ベンゾオキサジン−4−オン類とのベンズアミジン反応をベースにしたもの
【0028】
【化9】

【0029】
まとめると、所望する2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン中間体を製造するための塩化シアヌルのルイス酸で触媒作用を受ける直接的なビスアリール化は最も経済的に魅力的な方式であるが、この方法は下記の問題のために使用が限定されることが見いだされた:
1.劣悪な選択率:ビスアリール化に関する選択率のほとんど完全な欠如(ある程度の選択率が観察されるm−キシレンを除く)。モノ−およびトリス−アリール化トリアジン類が主な副生物である。
2.劣悪な反応性:典型的な反応条件は高温、長い反応時間および反応過程中の変動可能な温度を必要とする。電子吸引基を有する芳香族(例えばクロロベンゼン)は高温および長い反応時間においてもモノ−置換以上は反応しない。
3.安全上の障害:安全上の障害を生ずることがある調節不能な発熱を避けるために温度および添加速度を注意深く監視しなければならない。
4.劣悪な工程条件:反応スラリーは濃厚であり且つ撹拌しにくいかまたは固体であるので撹拌できない。この方法は種々の反応温度および数時間にわたり数回に分けての反応物の添加を必要とする。
5.単離問題/劣悪な単離収率:所望する生成物の分離および精製が難しく且つ単離収率は一般的に劣悪でありそして商業的に許容できない。
6.一般的方法でない:この反応はm−キシレン以外の別の芳香族では使用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0030】
【特許文献1】米国特許第3,118,887号明細書
【特許文献2】米国特許第3,242,175号明細書
【特許文献3】米国特許第3,244,708号明細書
【特許文献4】米国特許第3,249,608号明細書
【特許文献5】米国特許第3,268,474号明細書
【特許文献6】米国特許第3,423,360号明細書
【特許文献7】米国特許第3,444,164号明細書
【特許文献8】米国特許第3,843,371号明細書
【特許文献9】米国特許第4,619,956号明細書
【特許文献10】米国特許第4,740,542号明細書
【特許文献11】米国特許第4,775,707号明細書
【特許文献12】米国特許第4,826,978号明細書
【特許文献13】米国特許第4,831,068号明細書
【特許文献14】米国特許第4,962,142号明細書
【特許文献15】米国特許第5,030,731号明細書
【特許文献16】米国特許第5,059,647号明細書
【特許文献17】米国特許第5,071,981号明細書
【特許文献18】米国特許第5,084,570号明細書
【特許文献19】米国特許第5,106,891号明細書
【特許文献20】米国特許第5,185,445号明細書
【特許文献21】米国特許第5,189,084号明細書
【特許文献22】米国特許第5,198,498号明細書
【特許文献23】米国特許第5,288,778号明細書
【特許文献24】米国特許第5,298,067号明細書
【特許文献25】米国特許第5,300,414号明細書
【特許文献26】米国特許第5,323,868号明細書
【特許文献27】米国特許第5,354,794号明細書
【特許文献28】米国特許第5,364,749号明細書
【特許文献29】米国特許第5,369,140号明細書
【特許文献30】米国特許第5,410,048号明細書
【特許文献31】米国特許第5,412,008号明細書
【特許文献32】米国特許第5,420,008号明細書
【特許文献33】米国特許第5,420,204号明細書
【特許文献34】米国特許第5,461,151号明細書
【特許文献35】米国特許第5,476,937号明細書
【特許文献36】米国特許第5,478,935号明細書
【特許文献37】米国特許第5,489,503号明細書
【特許文献38】米国特許第5,543,518号明細書
【特許文献39】米国特許第5,538,840号明細書
【特許文献40】米国特許第5,545,836号明細書
【特許文献41】米国特許第5,563,224号明細書
【特許文献42】米国特許第5,575,958号明細書
【特許文献43】米国特許第5,591,850号明細書
【特許文献44】米国特許第5,597,854号明細書
【特許文献45】米国特許第5,612,084号明細書
【特許文献46】米国特許第5,637,706号明細書
【特許文献47】米国特許第5,648,488号明細書
【特許文献48】米国特許第5,672,704号明細書
【特許文献49】米国特許第5,675,004号明細書
【特許文献50】米国特許第5,681,955号明細書
【特許文献51】米国特許第5,686,233号明細書
【特許文献52】米国特許第5,705,643号明細書
【特許文献53】米国特許第5,726,309号明細書
【特許文献54】米国特許第5,726,310号明細書
【特許文献55】米国特許第5,741,905号明細書
【特許文献56】米国特許第5,760,111号明細書
【特許文献57】英国特許第884802号明細書
【特許文献58】米国特許第4,092,466号明細書
【特許文献59】米国特許第5,438,138号明細書
【特許文献60】米国特許第5,106,972号明細書
【特許文献61】欧州特許出願公開第0 779 280 A1号明細書
【特許文献62】特願09-059263
【特許文献63】欧州特許出願公開第0 497 734 A1号明細書
【特許文献64】ドイツ特許第1178437号
【特許文献65】国際公開第96/28431号
【非特許文献】
【0031】
【非特許文献1】H. Brunetti and C.E. Luethi, Helvetica Chimica Acta, 1972, 55, 1566-1595
【非特許文献2】S. Tanimoto et al., Senryo to Yakahin, 1995, 40(12), 325-339
【非特許文献3】Ostrogovich, Chemiker-Zeitung, 1912, 78, 738
【非特許文献4】Von R. Hirt, H. Nidecker and R. Berchtold, Helvetica Chimica Acta, 1950, 33, 365
【非特許文献5】S. Yanagida, H. Hayama, M. Yokoe, and S. Komori, J. Org. Chem., 1969, 34, 4125
【非特許文献6】R.L.N. Harris, Synthesis, 1990, 841
【非特許文献7】H.G. Schmelzer, E. Degener and H. Holtschmidt, Angew. Chem. Internat. Ed., 1966, 5, 960
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
それ故、トリアジン紫外線吸収剤を合成するための改良方法に対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0033】
発明の要旨
少なくとも1種のルイス酸および少なくとも1種の反応促進剤を含んでなる反応助剤の存在下におけるハロゲン化シアヌルと芳香族との反応により、2−ハロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンが前例のない選択率、効率、穏やかな条件、および高い収率で製造できることが広範な研究後に今回驚くべきことに発見された。この反応は、種々の芳香族を使用して広い選択範囲の2−ハロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン類を製造できるため、前例のないほど普遍的である。この新規な方式は、ハロゲン化シアヌルからの2−ハロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン化合物の生成を促進させるためのある種の反応条件下における少なくとも1種のルイス酸と一緒にされた反応促進剤の使用を包含する。好ましくは、ルイス酸および反応促進剤を一緒にして複合体の形態の反応助剤を製造する。
【0034】
本発明は、特に、式V:
【0035】
【化10】

【0036】
のハロゲン化シアヌルを、少なくとも1種の第一のルイス酸および少なくとも1種の第一の反応促進剤を含んでなる少なくとも1種の反応助剤の存在下で、場合により不活性溶媒の存在下で、十分な時間にわたり適当な温度および圧力において少なくとも1種の置換されたもしくは未置換の芳香族化合物、例えば式II:
【0037】
【化11】

【0038】
[式中、R6、R7、R8、R9およびR10は同一もしくは相異なりそして各々が水素、ハロゲン、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数7〜24のアラルキル、置換されたもしくは未置換のビフェニレンを包含する炭素数6〜24のアラシル、OR、NRR′、CONRR′、OCOR、CN、SR、SO2R、SO3H、SO3Mであり、ここでMはアルカリ金属であり、RおよびR′は同一もしくは相異なりそして各々が水素、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数1〜24のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、または炭素数6〜24のアラシルであり、そして場合によりR6およびR7、R7およびR8、R8およびR9、またはR9およびR10のいずれかは一緒になって場合により環中にO、N、またはS原子を含有していてもよい飽和もしくは不飽和の縮合炭素環式環の一部であってもよい]
の化合物と反応させて式III:
【0039】
【化12】

【0040】
[式中、XはハロゲンでありそしてAr1およびAr2は同一もしくは相異なりそして各々が式II:
【0041】
【化13】

【0042】
の化合物の基である]
のトリアジン化合物を製造することによるトリアジン化合物の合成方法に関する。
【0043】
別の態様では、式IIIのトリアジン化合物をさらに、場合により追加のルイス酸、追加の反応促進剤、または追加の反応助剤の存在下で、十分な時間にわたり適当な温度および圧力において、場合により不活性溶媒の存在下で、式IV:
【0044】
【化14】

【0045】
[式中、R1、R2、R3、R4およびR5は同一もしくは相異なりそして各々が水素、ハロゲン、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数6〜24のアリール、炭素数5〜25のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、炭素数6〜24のアラシル、置換されたもしくは未置換のビフェニレン、置換されたもしくは未置換のナフタレン、OR、NRR′、CONRR′、OCOR、CN、SR、SO2R、SO3H、SO3Mであり、ここでMはアルカリ金属であり、RおよびR′は同一もしくは相異なりそして各々が水素、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数1〜24のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、または炭素数6〜24のアラシルであり、場合によりR3およびR4、またはR4およびR5のいずれかは一緒になって場合により環中にO、N、またはS原子を含有していてもよい飽和もしくは不飽和の縮合炭素環式環の一部であってもよく、そしてYは直接結合、O、NR′′、またはSR′′であり、ここでR′′は水素、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数1〜24のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、または炭素数6〜24のアラシルである]
の化合物と反応させて、式I:
【0046】
【化15】

【0047】
の化合物を製造する。
【0048】
式IIIの化合物を製造する反応および式Iの化合物を製造する反応は式IIIの化合物を単離せずに行うことができる。
【0049】
別の態様は、少なくとも1種のルイス酸および少なくとも1種の反応促進剤を含んでなる反応助剤の存在下で、十分な量の式V:
【0050】
【化16】

【0051】
[式中、各Xは独立してハロゲン、例えば弗素、塩素、臭素またはヨウ素である]
のハロゲン化シアヌルを、十分な時間にわたり適当な温度および圧力において、式IV:
【0052】
【化17】

【0053】
[式中、R1、R2、R3、R4およびR5は同一もしくは相異なりそして各々が水素、ハロゲン、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数6〜24のアリール、炭素数5〜25のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、炭素数6〜24のアラシル、置換されたもしくは未置換のビフェニレン、置換されたもしくは未置換のナフタレン、OR、NRR′、CONRR′、OCOR、CN、SR、SO2R、SO3H、SO3Mであり、ここでMはアルカリ金属であり、RおよびR′は同一もしくは相異なりそして各々が水素、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数1〜24のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、または炭素数6〜24のアラシルであり、場合によりR3およびR4、またはR4およびR5のいずれかは一緒になって場合により環中にO、N、またはS原子を含有していてもよい飽和もしくは不飽和の縮合炭素環式環の一部であってもよく、そしてYは直接結合、O、NR′′、またはSR′′であり、ここでR′′は水素、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数1〜24のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、または炭素数6〜24のアラシルである]
の化合物、および式II:
【0054】
【化18】

【0055】
の化合物と同時に反応させることを含んでなる、式I:
【0056】
【化19】

【0057】
[式中、Ar1およびAr2は同一もしくは相異なり、そして各々が独立して式II:
【0058】
【化20】

【0059】
の化合物の基であり、ここでR6、R7、R8、R9およびR10は同一もしくは相異なりそして各々が水素、ハロゲン、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数7〜24のアラルキル、置換されたもしくは未置換のビフェニレンを包含する炭素数6〜24のアラシル、OR、NRR′、CONRR′、OCOR、CN、SR、SO2R、SO3H、SO3Mであり、ここでMはアルカリ金属であり、RおよびR′は同一もしくは相異なりそして各々が水素、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数1〜24のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、または炭素数6〜24のアラシルであり、そして場合によりR6およびR7、R7およびR8、R8およびR9、またはR9およびR10のいずれかは一緒になって場合により環中にO、N、またはS原子を含有していてもよい飽和もしくは不飽和の縮合炭素環式環の一部であってもよい]
のトリアジン化合物を合成する方法に関する。
【0060】
別の態様は、少なくとも1種のルイス酸および少なくとも1種の反応促進剤を含んでなる反応助剤の存在下で、十分な量の式III:
【0061】
【化21】

【0062】
[式中、Xは独立してハロゲン、例えば弗素、塩素、臭素またはヨウ素、でありそしてAr1およびAr2は同一もしくは相異なりそして各々が式IIの化合物の基である]
の化合物を、十分な時間にわたり、適当な温度および圧力において、式IV:
【0063】
【化22】

【0064】
[式中、R1、R2、R3、R4およびR5は同一もしくは相異なりそして各々が水素、ハロゲン、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数6〜24のアリール、炭素数5〜25のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、炭素数6〜24のアラシル、置換されたもしくは未置換のビフェニレン、置換されたもしくは未置換のナフタレン、OR、NRR′、CONRR′、OCOR、CN、SR、SO2R、SO3H、SO3Mであり、ここでMはアルカリ金属であり、RおよびR′は同一もしくは相異なりそして各々が水素、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数1〜24のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、または炭素数6〜24のアラシルであり、場合によりR3およびR4、またはR4
よびR5のいずれかは一緒になって場合により環中にO、N、またはS原子を含有していてもよい飽和もしくは不飽和の縮合炭素環式環の一部であってもよく、そしてYは直接結合、O、NR′′、またはSR′′であり、ここでR′′は水素、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数1〜24のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、または炭素数6〜24のアラシルである]
の化合物と反応させることを含んでなる、式I:
【0065】
【化23】

【0066】
[式中、Ar1およびAr2は同一もしくは相異なり、そして各々が独立して式II:
【0067】
【化24】

【0068】
の化合物の基であり、ここでR6、R7、R8、R9およびR10は同一もしくは相異なりそして各々が水素、ハロゲン、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数7〜24のアラルキル、置換されたもしくは未置換のビフェニレンを包含する炭素数6〜24のアラシル、OR、NRR′、CONRR′、OCOR、CN、SR、SO2R、SO3H、SO3Mであり、ここでMはアルカリ金属であり、RおよびR′は同一もしくは相異なりそして各々が水素、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル
、炭素数1〜24のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、または炭素数6〜24のアラシルであり、そして場合によりR6およびR7、R7およびR8、R8およびR9、またはR9およびR10のいずれかは一緒になって場合により環中にO、N、またはS原子を含有していてもよい飽和もしくは不飽和の縮合炭素環式環の一部であってもよい]
のトリアジン化合物を合成する方法に関する。
【0069】
発明の詳細な記述
本発明者は、好ましくは一緒にされて反応助剤を生成する少なくとも1種のルイス酸および少なくとも1種の反応促進剤を含んでなる組み合わせを用いることにより、ハロゲン化シアヌルと置換されたもしくは未置換の芳香族化合物との反応により、トリアジン誘導された2−ハロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン化合物をこれまで知られているものより高い収率で、より高い選択率で、より低い反応温度で、および/またはより短い反応時間内に製造しうることを見いだした。
【0070】
さらに驚ろくべきことには、反応助剤を用いて優れた結果が得られることである。この方式は、この反応段階のために無水ルイス酸だけの使用が提唱されていた先行技術とは際立って対照的である。本発明の2−ハロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン化合物を、単離せずに、種々のフェノール系誘導体とさらに反応させて2−(2−オキシアリール)−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンを製造できることも発見された。さらに、この反応は種々の芳香族化合物に適用することができる。選択率および反応性における増加の重要な理由は反応促進剤の使用であることが示された。
【0071】
ここで使用されるハロゲン化シアヌルは式V:
【0072】
【化25】

【0073】
[式中、各Xは独立してハロゲン、例えば弗素、塩素、臭素またはヨウ素である]
の化合物である。
【0074】
芳香族化合物という用語は式II:
【0075】
【化26】

【0076】
[式中、R6、R7、R8、R9およびR10は同一もしくは相異なりそして各々が水素、ハロゲン、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数7〜24のアラルキル、置換されたもしくは未置換のビフェニレンを包含する炭素数6〜24のアラシル、OR、NRR′、CONRR′、OCOR、CN、SR、SO2R、SO3H、SO3Mであり、ここでMはアルカリ金属であり、RおよびR′は同一もしくは相異なりそして各々が水素、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数1〜24のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、または炭素数6〜24のアラシルであり、そして場合によりR6およびR7、R7およびR8、R8およびR9、またはR9およびR10のいずれかは一緒になって場合により環中にO、N、またはS原子を含有していてもよい飽和もしくは不飽和の縮合炭素環式環の一部であってもよい]
の化合物を包含する。
【0077】
好ましい芳香族化合物はベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、m−キシレン、o−キシレン、p−キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、メシチレン、イソブチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、m−ジイソプロピルベンゼン、テトラリン、ビフェニル、ナフタレン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、アセトアニリド、アニソール、チオアニソール、レソルシノール、ビスヘキシルオキシレソルシノール、ビスオクチルオキシレソルシノール、m−ヘキシルオキシフェノール、m−オクチルオキシフェノール、またはそれらの混合物を包含する。
【0078】
用語「フェノール系化合物」は式IV:
【0079】
【化27】

【0080】
[式中、R1、R2、R3、R4およびR5は同一もしくは相異なりそして各々が水素、ハロゲン、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数6〜24のアリール、炭素数5〜25のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、炭素数6〜24のアラシル、置換されたもしくは未置換のビフェニレン、置換されたもしくは未置換のナフタレン、OR、NRR′、CONRR′、OCOR、CN、SR、SO2R、SO3H、SO3Mであり、ここでMはアルカリ金属であり、RおよびR′は同一もしくは相異なりそして各々が水素、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数1〜24のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、または炭素数6〜24のアラシルであり、場合によりR3およびR4、またはR4およびR5のいずれかは一緒になって場合により環中にO、N、またはS原子を含有していてもよい飽和もしくは不飽和の縮合炭素環式環の一部であってもよく、そしてYは直接結合、O、NR′′、またはSR′′であり、ここでR′′は水素、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数1〜24のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、または炭素数6〜24のアラシルである]
の化合物を包含する。
【0081】
好ましいフェノール系化合物は置換されたおよび未置換のモノヒドロキシベンゼン、モノアルコキシベンゼン、ジヒドロキシベンゼン、ジアルコキシベンゼン、ヒドロキシアルコキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼン、トリアルコキシベンゼン、ヒドロキシビスアルコキシベンゼン、およびビスヒドロキシアルコキシベンゼンである。より好ましいフェノール系化合物は、レソルシノール(1,3−ジヒドロキシベンゼン)、C−アルキル化レソルシノール類、例えば、4−ヘキシルレソルシノール、モノ−O−アルキル化されたレソルシノール類、例えば、3−メトキシフェノール、3−オクチルオキシフェノール、3−ヘキシルオキシフェノールなど、ジ−O−アルキル化レソルシノール類、例えば、1,3−ジメトキシベンゼン、1,3−ジオクチルベンゼン、1,3−ジヘキシルオキシベンゼン、C−アルキル化−ジ−O−アルキル化レソルシノール類、例えば、4−ヘキシル−1,3−ジメトキシベンゼン、他のポリヒドロキシ、ポリアルコキシ、ヒドロキシ−アルコキシ芳香族、例えば、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリアルコキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼン、1−ヒドロキシ−4−アルコキシベンゼン、またはそれらの混合物である。
【0082】
用語「ルイス酸」はハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化アルミニウムアルキル、ハロゲン化ホウ素、ハロゲン化錫、ハロゲン化チタン、ハロゲン化鉛、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化鉄、ハロゲン化ガリウム、ハロゲン化砒素、ハロゲン化銅、ハロゲン化カドミウム、ハロゲン化水銀、ハロゲン化アンチモン、ハロゲン化タリウム、ハロゲン化ジルコニウム、ハロゲン化タングステン、ハロゲン化モリブデン、ハロゲン化ニオブなどを包含することを意図する。好ましいルイス酸は三塩化アルミニウム、三臭化アルミニウム、トリメチルアルミニウム、三弗化ホウ素、三塩化ホウ素、二塩化亜鉛、四塩化チタン、二塩化錫、四塩化錫、塩化第二鉄、またはそれらの混合物を包含する。
【0083】
ここで使用される用語「反応促進剤」は反応を促進するためにルイス酸と一緒に使用される化合物を含んでなることが理解される。それ故、ルイス酸だけの使用と比べてより低い反応温度、より高い収率、またはより高い選択率でトリアジン化合物が製造される。適する反応促進剤は酸、塩基、水、アルコール、脂肪族ハライド、ハライド塩、酸ハライド、ハロゲン、アルケン、アルキン、エステル、無水物、炭酸塩、ウレタン、カルボニル、エポキシ、エーテル、アセタール化合物、またはそれらの混合物を包含する。
【0084】
適するアルコール化合物は、少なくとも1つのヒドロキシル基を有し且つ場合により少なくとも1つのハロゲン、チオール、チオールエーテル、アミン類、カルボニル、エステル類、カルボン酸類、アミドなどを含有していてもよい直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、環式もしくは非環式の、芳香族または非芳香族のC1−C20炭素化合物を包含する。適するアルコール類はメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、1,2−エタンジオール、3−クロロ−1−プロパノール、2−ヒドロキシル−酢酸、1−ヒドロキシル−3−ペンタノン、シクロヘキサノール、シクロヘキセノール、グリセロール、フェノール、m−ヒドロキシル−アニソール、p−ヒドロキシル−ベンジルアミン、ベンジルアルコールなどを包含する。
【0085】
適する酸化合物は少なくとも1つの酸性プロトンを含有する有機または無機酸を包含し、それは水溶液または有機溶液中に溶解されていてもまたはされていなくてもよい。有機酸はRCO2H、RSO3H、RSO2H、RSH、ROH、RPO3H、RPO2Hを包含する少なくとも1つの酸性官能基を含有する有機化合物を包含し、ここでRは以上で定義された通りである。好ましいプロトン酸はHCl、HBr、HI、HNO3、HNO2、H2S、H2SO4、H3PO4、H2CO3、酢酸、蟻酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸、フタル酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、メタンスルホン酸、およびp−トルエンスルホン酸またはそれらの混合物を包含する。
【0086】
適する脂肪族ハライドは、少なくとも1つのハロゲンで置換された直鎖状もしくは分枝鎖状の、飽和もしくは不飽和の、環式もしくは非環式の、芳香族または非芳香族のC1−C20炭化水素化合物を包含する。場合により、脂肪族ハライドは1つもしくはそれ以上の位置でヒドロキシル、エーテル、ポリエーテル、チオール、チオエーテル、アミン、例えば−NHR、NR′2、−NRR′、カルボン酸、エステル、アミドまたは飽和もしくは不飽和であってよく且つ環式、非環式もしくは芳香族であってよく且つ場合により上記の基のいずれかもしくはそれらの混合物で置換されていてもよいC1−C20炭素構造基で置換されていてもよい。
【0087】
適する具体的な脂肪族ハライド化合物は四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、クロロメタン、四臭化炭素、塩化tert−ブチル、ブロモホルム、ジブロモメタン、ブロモメタン、ジヨードメタン、ヨードメタン、ジクロロエタン、ジブロモエタン、クロロエタノール、ブロモエタノール、塩化ベンジル、臭化ベンジル、エタノールアミン、クロロ酢酸、ブロモ酢酸またはそれらの混合物を包含する。
【0088】
適する塩基は、水、有機溶媒、または溶媒の混合物のいずれかに溶解された無機または有機塩基を包含する。無機塩基はLiOH、NaOH、KOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、Zn(OH)2、Al(OH)3、NH4OH、Li2CO3、Na2CO3、K2CO3、MgCO3、CaCO3、ZnCO3、(Al)3(CO3)2、(NH4)3CO3、LiNH2、NaNH2、KNH2、Mg(NH2)2、Ca(NH2)2、Zn(NH2)2、Al(NH2)3またはそれらの混合物を包含する。有機塩基は少なくとも1つのアルコキシド、アミン、アミド、カルボキシレート、またはチオレートを含有しそして場合により1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシル、エーテル、ポリエーテル、チオール、チオエーテル、アミン、例えば−NHR、−NR′2、−NRR′、カルボン酸、エステル、またはアミドで置換されていてもよい環式もしくは非環式のC1−C9炭化水素化合物を包含する。有機塩基はCH3-、CH3CH2-、CH3CH2CH2-、(CH3)2CHO-、((CH3)2CH)2CHO-、CH3CH2CH2CH2-、(CH3)3CO-、CH3NH2、CH3CH2NH2、CH3CH2CH2NH2、(CH3)2CHNH2、((CH3)2CH)2CHNH2、CH3CH2CH2CH2NH2、(CH3)3CNH2、(CH3)2NH、(CH3CH2)2NH、(CH3CH2CH2)2NH、((CH3)2CH)2NH、(((CH3)2CH)2CH2)2NH、(CH3CH2CH2CH2)2NH、((CH3)3C)2NH、(CH3)3N、(CH3CH2)3N、(CH3CH2CH2)3N、((CH3)2CH)3N、(((CH3)2CH)2CH)3N、(CH3CH2CH2CH2)3N、((CH3)3C)3N、CH3NH-、CH3CH2NH-、CH3CH2CH2NH-、(CH3)2CHNH-、((CH3)2CH)2CHNH-、CH3CH2CH2CH2NH-、(CH3)3CNH-、(CH3)2-、(CH3CH2)2-、(CH3CH2CH2)2-、((CH3)2(CH)2-、(((CH3)2CH)2CH)2-、(CH3CH2CH2CH2)2-、((CH3)3C)2-、ピロリジン、ピペリジン、ピロール、ピリジン、アニリン、テトラメチレンジアミン、対応する脱プロトン化アミンを包含し、そしてカチオンは適当なものである。有機塩基はまた脱プロトン化カルボン酸の塩、例えば蟻酸、酢酸、プロピル酸、ブタン酸、安息香酸とLi、Na、K、Mg、Ca、Al、Zn、またはいずれかの他の適当なカチオンとの塩類を包含する。有機塩基は上記の無機および有機塩基の混合物、またはそれらの混合物を包含する。
【0089】
ハロゲン反応促進剤は、水、有機溶媒、または溶媒の混合物の中に溶解されているかまたは有機または無機化合物の一部として存在する弗素、塩素、臭素、ヨウ素、または混合ハロゲンを包含する。適するハロゲン化された溶媒はジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジブロモメタン、ブロモホルム、ヨードメタン、ジヨードメタン、ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ベンゼン、トルエン、アセトン、酢酸、ヘキサン、またはそれらの混合物を包含する。
【0090】
適する別の反応促進剤は式VI:
【0091】
【化28】

【0092】
[式中、R11およびR12は同一もしくは相異なり、一緒になっていてもよく、水素、飽和
もしくは不飽和の芳香族もしくは非−芳香族の環式もしくは非−環式のC1−C20炭化水素、ヒドロキシル、エーテル、アミン、置換されたアミン、カルボキシレート、エステル、アミドであり、そしてハロゲン、ヒドロキシル、アミン、アミド、チオール、チオエーテル、カルボキシレートまたは飽和もしくは不飽和であってよく且つ環式もしくは非−環式であってよく且つ場合により上記の基のいずれかもしくはそれらの混合物で置換されていてもよいC1−C12炭素構造基で少なくとも1回置換されていてもよい]
の炭化水素化合物を包含する。
【0093】
式VIの別の化合物は、R11およびR12が同一もしくは相異なり、一緒になっていてもよく、飽和もしくは不飽和の環式もしくは非−環式のC1−C12炭化水素、ヒドロキシル、エーテル、アミン、置換されたアミン、カルボキシレート、エステル、アミドであり、そしてハロゲン、ヒドロキシル、アミン、アミド、チオール、チオエーテル、カルボキシレートまたは飽和もしくは不飽和であってよく且つ環式もしくは非−環式であってよく且つ場合により上記の基のいずれかもしくはそれらの混合物で置換されていてもよいC1−C7炭素構造基で少なくとも1回置換されていてもよく、炭化水素化合物であるアセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、グルタルジアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド、アセトン、メチルビニルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサノン、2−シクロヘキセン−1−オン、アクリル酸メチル、無水酢酸、無水クロトン酸、無水フタル酸、無水琥珀酸、無水マレイン酸、アジピン酸ジメチル、フタル酸ジエチル、炭酸ジメチル、炭酸エチレン、炭酸ジフェニル、カルバミン酸フェニル、カルバミン酸ベンジル、カルバミン酸メチル、ウレタン、カルバミン酸プロピル、またはそれらの混合物を包含する。
【0094】
反応促進剤として適するエーテル化合物は、少なくとも1つのC−O−C結合を有しそして場合により少なくとも1つのハロゲン、ヒドロキシル、アミン、チオール、チオエーテル、カルボン酸、エステル、または飽和もしくは不飽和であってよく且つ環式もしくは非−環式であってよく且つ場合により上記の基のいずれかもしくはそれらの混合物で置換されていてもよいC1−C12炭素構造基で置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは非−芳香族の、環式もしくは非−環式のC2−C20炭化水素化合物を包含する。
【0095】
別のエーテル化合物は、少なくとも1つのC−O−C結合を有しそして場合によりハロゲン、ヒドロキシル、アミン、エーテル、チオール、チオエーテル、カルボン酸、エステル、または飽和もしくは不飽和であってよく且つ環式もしくは非−環式であってよく且つ場合により上記の基のいずれかもしくはそれらの混合物で置換されていてもよいC1−C12炭素構造基で少なくとも1回置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは非−芳香族の、環式もしくは非−環式のC2−C12炭化水素化合物であり、炭化水素化合物であるジメチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、tert−アミルメチルエーテル、tert−ブチルエチルエーテル、アリルフェニルエーテル、アリルプロピルエーテル、4−メトキシフェニルエーテル、3,3−ジメチルオキセタン、ジオキサン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロ−4H−ピラン−4−オール、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、スチレンオキシド、グリシドール、グリシジルメチルエーテル、酪酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、1,2−エポキシ−3−フェノキシプロパン、1,2−エポキシヘキサン、1−クロロ−2,3−エポキシプロパン、ジエチルアセタール、2,2−ジメトキシプロパン、1,1−ジメトキシシクロヘキサン、2−ヘキセナールジエチルアセタール、3−クロロプロピオンアルデヒドジエチルアセタール、ベンズアルデヒドジメチルアセタール、1,1,3−トリメトキシプロパン、またはそれらの混合物を包含する。
【0096】
アルケン反応促進剤は、少なくとも1つのC−C二重結合またはC−C三重結合を包含するC2−C20炭化水素化合物を包含し、これらの化合物は環式、複素環式または非−環
式であり、そしてここでこれらの化合物は場合によりハロゲン、ヒドロキシル、アミン、エーテル、チオール、チオエーテル、カルボン酸、エステル、または飽和もしくは不飽和であってよく且つ環式もしくは非−環式であってよく且つ場合により上記の基のいずれかもしくはそれらの混合物で置換されていてもよいC1−C12炭素構造基で少なくとも1回置換されていてもよい。
【0097】
別のアルケン反応促進剤は、場合によりハロゲン、ヒドロキシル、アミン、エーテル、チオール、チオエーテル、カルボン酸、エステル、または飽和もしくは不飽和であってよく且つ環式もしくは非−環式であってよく且つ場合により上記の基のいずれかもしくはそれらの混合物で置換されていてもよいC1−C7炭素構造基で少なくとも1回置換されていてもよい少なくとも1つのC−C二重結合またはC−C三重結合を有する環式、複素環式または非−環式のC2−C12炭化水素化合物を包含し、炭化水素化合物である2−メチルプロペン、1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−ペンテン、2−メチル−2−ペンテン、3−メチル−2−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−2−ペンテン、3−メチル−2−ペンテン、4−メチル−2−ペンテン、2−メチル−2−ペンテン酸、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、5−クロロ−1−ペンテン、4−ブロモ−2−メチル−2−ブテン、1,4−ペンタジエン、2,6−ヘプタジエン酸、ヘキサトリエン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロペンタジエン、2−シクロペンテン−1−オン、2−メチルフラン、スチレン、メチルスチレン、メチルビニルケトン、アクリル酸、アクリル酸メチル、1−ペンチン、2−ペンチン、2−ペンチン−1−オール、6−クロロ−1−ヘキシン、1,6−ヘプタジイン、またはそれらの混合物を包含する。
【0098】
別の反応促進剤は、少なくとも1つの炭素、硫黄、または燐原子が少なくとも1つの酸素原子またはハロゲン化燐、例えばPX3およびPX5(ここでXは群F、Cl、Br、およびIからの少なくとも1つのハロゲンである)と二重結合されている式RCOX、RSOX、SRO2X、またはRPOXの化合物を包含する。Rは少なくとも1つのハロゲンまたは飽和もしくは不飽和の環式もしくは非−環式のC1−C20炭化水素であり、そしてハロゲン、ヒドロキシル、アミン、エーテル、チオールまたはそれらの混合物で少なくとも1回置換されていてもよい。
【0099】
例えば塩化チオニル、臭化チオニル、オキシ臭化燐、オキシ塩化燐、ホスゲン、塩化アセチル、臭化アセチル、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイル、塩化トルオイル、塩化トルエンスルホニル、塩化テレフタロイル、臭化テレフタロイル、二塩化オキサリル、二臭化オキサリル、二塩化スクシニル、二塩化グルタリル、二塩化アジポイル、二塩化ピメロイル、塩化メタンスルホニル、塩化エタンスルホニル、塩化プロパンスルホニル、塩化イソプロピルスルホニル、塩化ブタンスルホニル、塩化ベンゼンスルホニル、ジクロロ亜燐酸メチル、燐酸ハライド類、PCl3、PBr3、PCl5、PBr5、またはそれらの混合物を包含する、Rがクロロ、ブロモ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、フェニル、トリル、ナフタリルを包含し、XがF、Cl、Br、Iを包含する化合物が適する。
【0100】
式Mabの化合物も適する反応促進剤であり、ここでM−Xの結合解離エネルギーは298°ケルビンにおいて約145kcal/molより小さくそしてここでMは少なくとも1種の金属または式NR4+、SR3+、またはPR+の有機カチオンであり、ここでRは場合により少なくとも1つのハロゲン、ヒドロキシル、アミン、エーテル、チオールまたはそれらの混合物で置換されていてもよいC1−C6を包含しそしてここでXは少なくとも1つのアニオンである。
【0101】
以上で定義された適する無機または有機化合物は水または有機溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、塩化メチレン、アセトン、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、エチレングリコール、キシレン、およびクロロベンゼン、の中にも可溶性である。これらの化合物はハロゲン化アンチモン、ハロゲン化砒素、ハロゲン化バリウム、ハロゲン化ベリリウム、ハロゲン化ビスマス、ハロゲン化ホウ素、ハロゲン化カドミウム、ハロゲン化カルシウム、ハロゲン化セリウム、ハロゲン化セシウム、テトラクロロアルミン酸セシウム、ハロゲン化コバルト、ハロゲン化銅、ハロゲン化金、ハロゲン化鉄、ハロゲン化ランタン、ハロゲン化リチウム、テトラクロロアルミン酸リチウム、ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化マンガン、ハロゲン化水銀、ハロゲン化ニッケル、ハロゲン化オスミウム、ハロゲン化燐、ハロゲン化カリウム、弗化水素カリウム、テトラクロロアルミン酸カリウム、ハロゲン化ロジウム、ハロゲン化サマリウム、ハロゲン化セレン、ハロゲン化銀、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化錫、ハロゲン化ランタン、弗化水素ナトリウム、テトラクロロアルミン酸ナトリウム、テトラクロロ金酸ナトリウム/カリウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム/カリウム/リチウム/亜鉛/銅、ハロゲン化タリウム、塩化チタン−塩化アルミニウム(x:y)、ハロゲン化チタン、ハロゲン化イットリウム、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化ジルコニウム、ハロゲン化アンモニウム、ハロゲン化テトラアルキル第4級アンモニウム、ハロゲン化アラルキルトリアルキル第4級アンモニウム、ハロゲン化アラルキルトリアルキルアンモニウム、ハロゲン化アルキルN−アルキルイミダゾリウム、ハロゲン化アラルキルN−アルキルイミダゾリウム、ハロゲン化アルキルN−アラルキルイミダゾリウム、ハロゲン化N−アルキルピリジニウム、ハロゲン化N−アルキルイソキノリニウム、ハロゲン化N−アルキルキノリニウム、ハロゲン化トリフェニルホスホニウム、ハロゲン化ハロアルキルトリフェニルホスホニウム、ハロゲン化カルボキシアルキルトリフェニルホスホニウム、ハロゲン化カルバルコキシトリフェニルホスホニウム、ハロゲン化シクロアルキルトリフェニルホスホニウム、ハロゲン化アルケニルトリフェニルホスホニウム、ハロゲン化アラルキルトリフェニルホスホニウム、ハロゲン化ヒドロキシアラルキルホスホニウム、ハロゲン化テトラフェニルホスホニウム、ハロゲン化トリアルキルスルホニウムを包含し、MがLi+、Na+、K+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ti4+、Co2+、Ni2+、Cu+、Cu2+、Sn2+、Sn4+、Pb2+、Pb4+、Ce3+、およびCe4+を包含する無機化合物、Mが+N(CH3)4+N(CH2CH3)4+N(CH2CH2CH3)4+N(CH2CH2CH2CH3)4+NPh4+P(CH3)4+P(CH2CH3)4+P(CH2CH2CH3)4+P(CH2CH2CH2CH3)4+PPh4+S(CH3)3+S(CH2CH3)3+S(CH2CH2CH3)3+S(CH2CH2CH2CH3)3+SPh3、ピリジニウム、イミダゾリウム、ピロリジニウム、およピロリウムを包含し、そしてXがCl-、Br-、I-、S2-、O2-、CO32-、SO32-、SO42-、NO2-、NO3-、BF4-、OH-、PO32-、PO42-、ClO4-、MnOn-を包含する有機化合物、XがHCO2-、CH3CO2-、CH3-、CH3CH2-、Ph-、CH3-、CH3CH2-、PhO-、CH3-、CH3CH2-、PhS-、CH3NH-、CH3CH2NH-、PhNH-またはそれらの混合物を包含する有機化合物を包含するがそれらに限定されない。
【0102】
反応促進剤は水だけであってもよくまたは例えば1種もしくはそれ以上の上記の促進剤の如き他の成分を含有する水溶液もしくは水性懸濁液状であってもよい。
【0103】
場合により、少なくとも1種のルイス酸および少なくとも1種の反応促進剤の組み合わせ、すなわち反応助剤、は反応物に加えられる前に製造される。
【0104】
用語「溶媒」は場合により少なくとも1つのハロゲン、ニトロ、またはスルフィド基で置換されていてもよい飽和もしくは不飽和の、環式もしくは非−環式の、芳香族或いは非−芳香族のC1−C24炭化水素化合物を包含する。好ましい溶媒は飽和もしくは不飽和のC1−C8炭化水素類、例えばニトロアルカン類、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、トルエン、キシレン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベンゾニトリル類、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、二硫化炭素、お
よび少なくとも1つのハロゲンで置換されたベンゼン環、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、トリブロモベンゼン、またはそれらの混合物である。
【0105】
この方法の生成物は、芳香族化合物がC5−C24不飽和環、例えばシクロペンタジエン、フェニル、ビフェニル、インデン、ナフタレン、テトラリン、アントラセン、フェナンスレン、ベンゾナフテン、フルオレンを包含し、1つもしくはそれ以上の位置でハロゲン、ヒドロキシル、エーテル、ポリエーテル、チオール、チオエーテル、アミン、例えば−NHR、−NR2、−NRR′、カルボン酸、エステル、アミドまたは飽和もしくは不飽和であってよく且つ環式もしくは非−環式であってよく且つ場合により上記の基のいずれかで置換されていてもよいC1−C12基で置換されていてもよいハロ−ビスアリール−1,3,5−トリアジン化合物またはトリスアリール−1,3,5−トリアジン化合物を包含する。有用な化合物の一般的な構造は以上の式IおよびIIIに示されている。
【0106】
好ましい生成物は、芳香族置換基がフェニル、オルト、メタ、および/またはパラ置換されたフェニル環、1つもしくはそれ以上の位置で置換されたナフタレン、置換されたもしくは未置換のビフェニル、または1つもしくはそれ以上の位置で置換されたテトラリン環を包含し、置換基が低級アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ヒドロキシ、エーテル基、例えばメトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、オクチルオキシ、ノノキシ、またはハロゲン、例えば弗素、塩素、臭素、もしくはヨウ素であるクロロ−ビスアリール−1,3,5−トリアジン化合物またはトリスアリール−1,3,5−トリアジン化合物を包含する。
【0107】
他の適する生成物は、芳香族置換された化合物がo−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、メシチレン、トリメチルベンゼン、クメン、アニソール、エトキシベンゼン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、ビフェニル、tert−ブチルベンゼン、プロポキシベンゼン、ブトキシベンゼン、o−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、p−メトキシフェノール、o−エトキシフェノール、m−エトキシフェノール、p−エトキシフェノール、o−ノノキシフェノール、m−ノノキシフェノール、テトラリンであるクロロ−ビスアリール−1,3,5−トリアジン化合物、トリスアリール−1,3,5−トリアジン化合物、または2−(2−オキシアリール)−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン化合物;2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン;2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン;2−(4−アルコキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン;2−クロロ−4,6−ビスフェニル−1,3,5−トリアジン;2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビスフェニル−1,3,5−トリアジン;2−(4−アルコキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ビスフェニル−1,3,5−トリアジン;2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン;2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン;および2−(2−ヒドロキシ−4−イソオクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを包含する。
【0108】
用語「段階式」は、最初の反応が式IIIの化合物を製造しそして式Iの化合物を製造するための式IVの化合物の添加前に約50%〜約100%完了度まで行われるように一連の反応が行われる反応順序を意味する。好ましくは、反応は式IVの化合物の添加前に約70%〜約100%完了度まで、そしてより好ましくは約75%〜約100%完了度まで行わ
れる。
【0109】
用語「連続的な」は、「段階式」として定義されない反応順序を意味する。
【0110】
反応物の相対的な量は以下の通りである。ハロゲン化シアヌルの量は式IIの芳香族化合物と反応して2−ハロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンまたは2,4,6−トリスアリール−1,3,5−トリアジンのいずれかを製造するのに十分な量でなければならない。式IIの芳香族化合物の量は過剰量の望ましくない副生物、例えば2,4−ジハロ−6−アリール−1,3,5−トリアジンまたはトリスアリールトリアジンなしに十分な量のモノハロ−ビスアリール−トリアジンを確実に合成するために重要である。さらに、過剰量の芳香族化合物はモノ−およびトリス−アリールトリアジン類に富んだ望ましくない生成物分布をもたらしうるため、生成物の分離および精製が難しくなり且つ資源を消費する。
【0111】
芳香族化合物の量は2−ハロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリスアリール−1,3,5−トリアジンを合成するか、または2−ハロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンを2,4,6−トリスアリール−1,3,5−トリアジンに転化させるのに十分な量であるべきである。好ましくは、ハロゲン化シアヌルに対して約1〜約5モル当量の間の式IIの芳香族化合物であるべきである。より好ましくは、式IVの芳香族化合物の量はハロゲン化シアヌルに対して約0.5〜約2.5モル当量の間の式IVの芳香族化合物であるべきである。ある場合には、式IIの芳香族化合物を反応物および溶媒の両者として使用することができる。
【0112】
反応助剤中で使用されるルイス酸の量は2,4,6−トリハロ−1,3,5−トリアジンを好ましい2−ハロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンに変換させるかまたは2,4,6−トリスアリール−1,3,5−トリアジンに転化させるのに十分な量であるべきである。ルイス酸の量は約0.5〜約550モル当量であるべきである。好ましくは、ルイス酸の量はハロゲン化シアヌルに対して約1〜約10モル当量の間であるべきである。
【0113】
反応助剤中で使用される反応促進剤の量は2,4,6−トリハロ−1,3,5−トリアジンを好ましい2−ハロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンに変換させるかまたは2−ハロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンを式Iの化合物に転化させるのに十分な量であるべきである。好ましくは、反応促進剤の量はハロゲン化シアヌルに対して約0.01〜約5モル当量の間であるべきである。
【0114】
ルイス酸および反応促進剤は好ましくは一緒にされて反応助剤複合体を製造し、それらはその場で製造することもできまたは試薬の添加前に予め製造することもできる。ルイス酸および/または反応促進剤、すなわち反応助剤、を式IIの化合物または式IVの化合物のいずれかまたは両者といずれかの方法で一緒にすることができる。その場での反応助剤製造は、少なくとも1種のルイス酸および少なくとも1種の反応促進剤を、ハロゲン化シアヌル、少なくとも1種の式IIの芳香族化合物、および場合により溶媒の混合物に、添加順序とは無関係に加えることを含んでなる。試薬への添加前に反応助剤を製造するためには、すなわち予め製造する方法では、ルイス酸および反応促進剤を一緒にしそして添加前に、場合により不活性溶媒中で、混合する。その後、いずれかの添加順序で反応助剤を試薬に加えるかまたは、所望するならそして逆も可能である。ここで使用される場合には、1種もしくはそれ以上のルイス酸を使用することができ、第一段階および第二段階のルイス酸は同一もしくは相異なることができる。さらに、1種もしくはそれ以上の反応促進剤を使用することができ、第一段階および第二段階の反応促進剤は同一もしくは相異なることができる。「連続的な」方法では、追加のルイス酸および反応促進剤の使用は任意である。
【0115】
予め製造される方法を用いて反応助剤が製造される場合には、試薬の添加前のルイス酸および反応促進剤の好ましい混合時間は約1分間〜約10時間の間であり、約10分間〜約5時間の間がより好ましい。試薬の添加前のルイス酸および反応促進剤の好ましい混合温度は約−50℃〜約100℃の間であり、約−10℃〜約50℃の間が好ましい。
【0116】
反応は所望するトリアジン化合物を合成するのに十分な時間にわたり、十分な温度および圧力において行うべきである。式IIIの化合物の合成、すなわち、第一段階、に好ましい反応時間は約5分間〜約48時間の間、より好ましくは約15分間〜約24時間の間である。式Iの化合物の合成、すなわち、第二段階、に好ましい反応時間は約10分間〜約24時間の間、より好ましくは約30分間〜12時間の間である。反応助剤の使用は第一段階におけるモノ−ハロ−ビス−アリール生成物に関する選択率を改良しながら、反応時間を短縮する。第一段階に好ましい反応温度は約−50℃〜約150℃の間、より好ましくは約−30℃〜約50℃の間である。反応助剤を使用する1つの利点は反応速度を高めるために反応混合物を加熱する必要がないことである。さらに、反応助剤の使用により反応温度をほぼ周囲温度またはそれより低い温度に保つことができ、生成物の選択率を高める。反応圧力は厳密でなくそして約1気圧または所望するならそれより高くてもよい。不活性気体、例えば窒素またはアルゴン、が好ましい。第二段階に好ましい反応温度は約0℃〜約120℃の間、より好ましくは約20℃〜約100℃の間である。
【0117】
段階式方法はハロゲン化シアヌルおよび反応促進剤を1種もしくはそれ以上の所望する芳香族化合物と、好ましくは反応が約70%〜約100%完了するまで、混合することを含んでなる。その後、式IIIの生成物を単離する。式IVの第二の芳香族化合物を式IIIの単離された生成物にルイス酸および場合により反応促進剤または反応助剤と共に加えてトリスアリール−トリアジンを製造する。段階式工程は式IVの化合物とのその後の反応前の式IIIの生成物の単離、精製、および貯蔵を可能にする。
【0118】
連続的方法はハロゲン化シアヌルを反応助剤の存在下で1種もしくはそれ以上の芳香族化合物と、好ましくは反応が約70%〜約100%完了するまで、反応させることを含んでなる。その後、式IIIの生成物を単離せずに、式IVの第二の芳香族化合物を場合により少なくとも1種の第二のルイス酸および場合により少なくとも1種の第二の反応促進剤すなわち反応助剤の存在下で、好ましくは反応が約70%〜約100%完了するまで、式IIIの生成物と反応させる。連続的な反応は式IIIの中間生成物を単離する必要性または例えば溶媒、および場合によりルイス酸、反応促進剤、すなわち反応助剤の使用を排除する。さらに、一段階方法は合成反応経路を簡素化するため、反応が完了するまで反応混合物の不必要な処理または作業が必要ない。
【0119】
予め製造された反応助剤法を使用して式IIIの化合物を合成するためには、試薬混合物に対する反応助剤の好ましい添加時間は約5分間〜約5時間の間であり、約15分間〜約3時間の間がより好ましい。試薬混合物に対する反応助剤の添加温度は約−50℃〜約150℃の間であり、好ましい添加温度は約−30℃〜約50℃の間であり、そしてより好ましい添加温度は約−20℃〜約30℃の間である。
【0120】
予め製造された反応助剤を使用して式Iの化合物を合成するためには、反応混合物に対する反応助剤の好ましい添加温度は約0℃〜約100℃の間であり、好ましい添加温度は約20℃〜約80℃の間である。
【0121】
式Iの化合物を合成するためには、反応混合物に対する式IVの化合物の好ましい添加時間は約5分間〜約10時間の間であり、より好ましい添加時間は約10分間〜約5時間の間であり、そして最も好ましい添加時間は約15分間〜約2時間の間である。反応混合物
に対する式IVの化合物の添加温度は約0℃〜約150℃の間であり、好ましい添加温度は約20℃〜約100℃の間である。
【0122】
反応助剤はトリアジン化合物上で置換されている数のハロゲンと反応するのに十分な量で存在すべきである。約1〜約10モル当量の間の範囲のルイス酸および約0.01〜約5モル当量の間の範囲の反応促進剤を使用することができる。好ましいルイス酸はハロゲン化アルミニウム、最も好ましくは塩化アルミニウムである。ルイス酸の好ましい量はハロ−トリアジンに対して約2〜約4モル当量の間である。ハロゲン促進剤の好ましい量はトリアジンまたはトリアジン誘導化合物に対して約0.05〜約2モル当量の間である。
【0123】
本発明は先行技術方法を凌ぐ数種の利点、例えばより高い収率、反応生成物のより大きい選択率、より高い反応速度、および/または種々の芳香族化合物に対する反応条件の適用、を与える。本発明は、HPLC分析により測定してハロゲン化シアヌル転化率を基準として約70〜約98%の範囲内の収率を常に与える。さらに、所望する2−ハロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン対トリスアリール−1,3,5−トリアジンの比は平均して常に約70:30またはそれ以上である。反応助剤はルイス酸だけを用いる技術の現状と比べて反応速度を意義あるほど高める。さらに、反応条件は芳香族置換基と無関係に種々の芳香族化合物に関して高い収率および選択率を与えた。
【0124】
この方法を用いて合成されるトリアジン化合物は例えば Stevenson et al. の米国特許第5,543,518号、10−19欄に記載されているもののような種々の用途に適用することができ、該特許の内容はここに引用することにより本発明の内容となる。
【0125】
2−クロロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジン類はトリスアリールトリアジン紫外線吸収剤の製造用の重要な中間体であるだけでなく、それらは種々の他の商業的に重要な生成物、例えば建て染め染料(GB884,802)、写真材料(JP 09152701 A2)、光学材料(JP 06065217 A2)、および重合体(US706424、DE2053414、DE1246238)用の価値ある中間体でもある。これらの化合物は医学用途にも興味がもたれる(例えば、R.I.N. Harris, Aust. J. Chem.,
1981, 34, 623-634; G.S Trivedi, A.J. Cowper, R.R. Astik, and K.A. Thaker, J. Inst. Chem., 1981, 53(3), 135-138 and 141-144 参照)。
【実施例】
【0126】
実施例
本発明のある種の態様および特徴を以下の実施例により説明するが、それらに限定されない。
【0127】
反応工程はHPLCまたはTLCにより監視することができる。生成物のさらなる同定はLCMS、MS、NMR、UV、信頼すべき例との直接的な比較、または当該技術で既知の分析技術により行うことができる。サンプルの典型的なHPLC分析は下記の通りにして行われる。反応混合物はある場合には、反応生成物(AlCl3複合体状)の大部分を含有する下方の粘着性液相および非常に少量の物質を含有する上澄み液の二相システムでありうる。この上澄み液はしばしば未反応の塩化シアヌルに富む可能性がある。二相システムの場合には、二相を典型的なやり方で一緒にサンプル採取することが重要である。例えば、混合物を急速に撹拌しそしてサンプルを先端が切断されたポリエチレンピペットを用いて混合物の中間から採取することができる。処理のためにサンプルを瓶の中にピペットで加える時には、ピペットの内容物が完全に放出されることが重要である。二相は上層と下層に分離するであろうから、部分的な放出は下層を富ませるサンプルを生ずるかもしれない。
【0128】
冷却された5%HClまたは5%HClと氷との混合物のいずれかを含有する4−ドラム瓶の中に反応サンプルを放出する。沈澱を酢酸エチルで抽出することができそして水層をピペットで除去することができる。酢酸エチル層を次に水で洗浄する。最後に、酢酸エチル層のアセトニトリル中約10%溶液をHPLC分析用に用意する。
【0129】
本発明のある種の態様および特徴を以下の実施例により説明するが、それらに限定されない。
【0130】
実施例1:反応促進剤を用いない2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
塩化シアヌル(1.84g)を25mLのクロロベンゼン中で5℃で0.5時間にわたりそして次に室温で3時間にわたり1.9当量のm−キシレンおよび2.5当量(3.35g)のAlCl3と反応させた。2.5時間後のHPLCによる分析は、8%より少ない塩化シアヌルが反応して2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンだけを生成し、2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンまたは2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンが存在しないことを示した。反応を室温でそのまま続けた。24時間後に、HPLC分析は約51%の塩化シアヌル転化率を並びにそれぞれ95:5の比の2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの生成を示した。2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンは検出されなかった。
【0131】
実施例2:反応促進剤を用いない2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
塩化シアヌル(1.84g)をクロロベンゼン中で5℃で2時間にわたりそして次に15℃で5時間にわたり2.05当量のm−キシレンおよび2.5当量(3.35g)のAlCl3と反応させた。HPLCによる分析は2,4−ビスクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの約5%の塩化シアヌル転化率および2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンまたは2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの不存在を示した。反応を室温でそのまま続けた。22時間後に、HPLC分析は約55%の塩化シアヌル転化率並びにそれぞれ96:4の比の2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの生成を示した。反応をそのまま続けた。室温における72時間後に、最終的なHPLC分析は99%の塩化シアヌル転化率、78:22の比の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの生成を示し、そして2,4−ビスクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンは検出されなかった。
【0132】
実施例3:0.1当量のレソルシノールおよび2.5当量のAlCl3を用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
塩化シアヌルをクロロベンゼン中で2.5当量のAlCl3および0.1当量のレソルシノールの存在下で2.05当量のm−キシレンと反応させた。反応は約5℃で2時間そして次に室温で5時間行われた。HPLCによる分析は2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの約10%の塩化シアヌル転化率を示した。室温における約40時間後に、HPLC分析はそれぞれ78:22の比で存在する2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの99%の塩化シアヌル転化率を示し、2,4−ビスクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンは検出されなかった。
【0133】
実施例4:0.2当量のレソルシノールおよび2.5当量のAlCl3を用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成および2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの転化
塩化シアヌル(1.84g)を、2.5当量のAlCl3(3.35g)および0.2当量のレソルシノールの存在下で、25mLのクロロベンゼン中で約5℃で0.5時間にわたりそして次に室温で3時間にわたり1.9当量のm−キシレンと反応させた。HPLCによる分析は2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの約14%の塩化シアヌル転化率を示した。室温における約13時間後に、HPLC分析はそれぞれ82:18の比の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの99%の塩化シアヌル転化率を示した。2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンまたはレソルシノールを含有する生成物は検出されなかった。
【0134】
反応混合物に追加の0.9当量のレソルシノールを加えそして反応混合物を1時間にわたり80℃に加熱した。HPLC分析は、79:21の比の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの生成、並びに約1%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを製造するための工程は15時間以内に完了した。
【0135】
加熱を停止しそして反応混合物を室温に放冷した。2%氷冷水性HClを撹拌しながら加えてアルミニウム複合体を破壊した。黄色沈澱が生成した。反応混合物を濾過し、水で洗浄し、そして乾燥して3.65gの粗製2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを与えた。
【0136】
実施例5:1当量のレソルシノールおよび2.5当量のAlCl3を用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
塩化シアヌル(1.84g)を、2.5当量のAlCl3(3.35g)および1当量のレソルシノールの存在下で、25mLのクロロベンゼン中で約5℃で2時間にわたりそして次に15℃で4時間にわたり2.05当量のm−キシレンと反応させた。HPLCによる分析は主として59:41の比の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの70%の塩化シアヌル転化率を示した。2種の少量成分である2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(5%)および2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(3%)も存在した。反応混合物をそのまま室温に暖め、そして室温における16時間後に、HPLC分析は主として2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(66%)、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(25%)、2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(4.5%)、並びに2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2−クロロ−4−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(3%)への92%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0137】
実施例6:0.5当量のレソルシノールおよび2.5当量のAlCl3を用いる2−(2,4
−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
塩化シアヌルを、2.5当量のAlCl3および0.5当量のレソルシノールの存在下で、クロロベンゼン中で室温で22時間にわたり2当量のm−キシレンと反応させた。HPLCによる反応混合物の分析は主として69:27:4の比の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの約94%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0138】
実施例7:3当量のAlCl3を用いるクロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
A.反応促進剤の不存在
塩化シアヌルを、3当量のAlCl3の存在下で、クロロベンゼン中で5℃で0.5時間にわたりそして次に室温で3時間にわたり2.05当量のm−キシレンと反応させた。HPLC分析は2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの約3%の塩化シアヌル転化率を示し、2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンまたは2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンは検出されなかった。室温における24時間後に、HPLC分析はそれぞれ96:4の比の2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの約33%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0139】
B.0.2当量のレソルシノールの影響
その後、0.2当量のレソルシノールを上記の反応混合物に加え、そして反応混合物を室温で16時間にわたりさらに撹拌した。HPLC分析はそれぞれ80:20の比で生成した2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの97%の塩化シアヌル転化率を示し、2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンは検出されなかった。
【0140】
実施例8:0.2当量のレソルシノールおよび3当量のAlCl3を用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
塩化シアヌルを、3当量のAlCl3および0.2当量のレソルシノールの存在下で、クロロベンゼン中で5℃で0.5時間にわたりそして次に室温で3時間にわたり1.9当量のm−キシレンと反応させた。室温における3時間後のHPLC分析は、2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの約20%の塩化シアヌル転化率を示した。反応混合物を室温で一晩にわたり撹拌した。18時間後に、HPLC分析はそれぞれ81:19の比で生成した2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの97%の塩化シアヌル転化率を示し、2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンは検出されなかった。
【0141】
反応混合物に次に0.9gのレソルシノールを加え、そして混合物を油浴中で60℃(油浴温度)に加熱した。5時間後に、HPLCによる分析は2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(73%)および2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(21%)の生成、並びに3%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0142】
実施例9:0.2当量のレソルシノールおよび2.75当量のAlCl3を用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
塩化シアヌルを、2.75当量のAlCl3および0.2当量のレソルシノールの存在下で、クロロベンゼン中で5℃で0.5時間にわたり2.05当量のm−キシレンと反応させそして次にそのまま室温に暖めた。室温における合計18時間後に、HPLCによる分析はそれぞれ81:19の比の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの98%の塩化シアヌル転化率を示し、2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンは検出されなかった。反応混合物を次に60℃で5時間にわたり0.9gのレソルシノールと反応させた。HPLC分析は77:21の比の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの生成並びに1%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0143】
実施例10:0.2当量のレソルシノールおよび1.8当量のAlCl3を用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
塩化シアヌルを、1.8当量のAlCl3および0.2当量のレソルシノールの存在下で、クロロベンゼン中で5℃で0.5時間にわたり2.05当量のm−キシレンと反応させそして次にそのまま室温に暖めた。室温における18時間後に、HPLC分析は46:54の比で生成した2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの84%の塩化シアヌル転化率を示した。2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンが主生成物であり、そして約3%の2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンも存在した。
【0144】
反応を室温で続けた。4日後に、HPLC分析は下記の生成物分布を有する93%の塩化シアヌル転化率を示した:75%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、17%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、4%の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および少量生成物としての他のレソルシノールを含有する成分。
【0145】
実施例11:0.144当量のレソルシノールおよび1.8当量のAlCl3を用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
塩化シアヌルを、1.8当量のAlCl3および0.144当量のレソルシノールの存在下で、クロロベンゼン中で5℃で0.5時間にわたりそして次に室温で3時間にわたり2.05当量のm−キシレンと反応させた。AlCl3対レソルシノールの比はそれ故12.5:1であった。室温における65時間後のHPLC分析は下記の生成物分布を有する91%の塩化シアヌル転化率を示した:79%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、10%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、8%の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および少量生成物としての他のレソルシノールを含有する成分。
【0146】
実施例12:0.15当量のレソルシノールおよび2.5当量のAlCl3を用いるテトラ
クロロエタン溶媒中での2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
塩化シアヌルを、0.15当量のレソルシノールおよび2.5当量のAlCl3の存在下で、1,1,2,2−テトラクロロエタン中で室温で約26時間にわたり1.9当量のm−キシレンと反応させた。HPLC分析は87:13の比で生成した2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの約95%の塩化シアヌル転化率を示した。反応混合物を追加の0.9当量のレソルシノールと90℃で4時間にわたり反応させた。HPLC分析は98.3%の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン転化率を示し、そして2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン対2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの比は84:16であった。
【0147】
実施例13:0.2当量のレソルシノールおよび3当量のAlCl3を用いるテトラクロロエタン溶媒中での2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
塩化シアヌルを、3当量のAlCl3および0.2当量のレソルシノールの存在下で、クロロベンゼン中で5℃で0.5時間にわたりそして次に室温で3時間にわたり2.05当量のm−キシレンと反応させた。第一段階(2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの転化)は16時間以内に完了し、HPLC分析により測定された98%より高い塩化シアヌル転化率を示した。2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンが86:14の比で生成し、他の生成物は検出されなかった。反応混合物を追加のレソルシノールと110℃で1.5時間にわたり反応させた。HPLC分析は82%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、14%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および2%の2,4,6−トリス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンの生成物混合物、並びに1.5%だけの未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0148】
実施例14:メチルアルコールを3当量のAlCl3と共に用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
二首丸底フラスコに還流コンデンサー、アルゴン入り口、磁気撹拌棒およびガラス栓を装備した。塩化シアヌル(3.7g)および50mLのクロロベンゼンを加えた。次に、3当量のAlCl3(8g)を氷浴温度で加え、引き続き0.4mLのメチルアルコールを加えた。5分後に、1.9当量のm−キシレンを加えた。冷却を除き、そして反応混合物を室温で撹拌した。反応はHPLCにより示されたように室温において20時間以内に完了し、それはm−キシレンの不存在並びに83:17の比の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの97%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0149】
反応混合物に1.1当量のレソルシノールを加え、そして反応混合物を4.5時間にわたり85℃に加熱した。HPLC分析は78%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、19%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、1.6%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および1.4%の2,4,6−トリス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンの生成を示した。反応物を室温に放冷し、そして2%氷冷水性HClを加えた。黄色沈澱が生成し、濾過により分離し、水で洗浄し、そして乾燥して7.7gの粗製2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを生じた。
【0150】
実施例15:0.2当量のレソルシノールおよび2.5当量のAlCl3を用いる45℃における2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
塩化シアヌルを、2.5当量のAlCl3および0.2当量のレソルシノールの存在下で、クロロベンゼン中で45℃で1.9当量のm−キシレンと反応させた。4時間後の反応のHPLC分析はそれぞれ67:33の比で生成した2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの95%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0151】
実施例16:0.2当量のレソルシノールおよび2.5当量のAlCl3を用いるジクロロベンゼン溶媒中での2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
塩化シアヌルを、2.5当量のAlCl3および0.2当量のレソルシノールの存在下で、オルト−ジクロロベンゼン中で24℃で2当量のm−キシレンと反応させた。約21時間後に、発熱が観察された。サンプルを直ちに採取した。サンプルのHPLCは81:19の比の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの94%の塩化シアヌル転化率を示した。発熱が止んだ後に、塩化シアヌル転化率は97.5%に増加し、そして2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン対2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの比は79:21であった。
【0152】
この混合物に0.9当量の追加のレソルシノールを加え、そして混合物を1時間にわたり80℃に加熱した。反応のHPLC分析は77:23の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン対2,4,6−トリス(キシリル)−1,3,5−トリアジン比を有する2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、並びに約2%の未反応のビスアリール−クロロ−トリアジンを示した。
【0153】
実施例17:0.2当量のレソルシノールおよび2.5当量のAlCl3を用いるジクロロベンゼン溶媒中での2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
A.発熱中の冷却なし
塩化シアヌルを、2.5当量のAlCl3および0.2当量のレソルシノールの存在下で、オルト−ジクロロベンゼン中で40℃で2当量のm−キシレンと反応させた。4−5時間後に4℃の発熱が観察された。この時点における反応のHPLCは78:22の比で生成した2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの96%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0154】
B.4時間後の10℃への冷却あり
(A)部の反応を繰り返した。4時間後に発熱が始まった。サンプルを直ちに採取し、そして反応物を10℃に冷却した。サンプルのHPLC分析は78:22の比で生成した2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの96%の塩化シアヌル転化率を示した。この時点で少量の未反応の2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンも存在した。10℃における1時間後に、塩化シアヌル転化率は97%であり、2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンは検出されず、そして2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)
−1,3,5−トリアジン対2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの比は83:17であった。
【0155】
実施例18:0.2当量のレソルシノールおよび3当量のAlCl3を6.5%濃HClと共に用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌル、3当量のAlCl3および0.2当量のレソルシノールのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、6.5%(塩化シアヌルの重量を基準として)の濃HClを氷浴温度で加えた。即座のAlCl3との反応が観察され、AlCl3のほとんど完全な溶媒和をもたらした。1.9当量のm−キシレンを次に加えた。5分間以内に、色が薄黄色から濃黄色に、橙色にそして最終的には濃赤色に変化た。冷却浴を除去しそして反応混合物をこの段階でHPLCにより分析した。HPLC分析は92:8の比で生成した2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの99%の塩化シアヌル転化率を示した。その後、反応混合物を1.1当量のレソルシノールと反応させそして引き続き1時間にわたり85°−90℃に加熱した。反応混合物のHPLC分析は85.3%のの2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、12.8%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および1.7%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0156】
実施例19:3当量のAlCl3を6.5%濃HClと共に用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌル、3当量のAlCl3のクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、6.5%(塩化シアヌルの重量を基準として)の濃HClを氷浴温度で加えた。1.5時間以内に、HPLC分析は91:9の比で生成した2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへのほとんど完全な塩化シアヌル転化率を示した。その後、反応混合物を1.1当量のレソルシノールと反応させそして引き続き1時間にわたり85℃に加熱した。HPLC分析は83.3%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、14.9%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および1.7%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの生成を示した。トリスレソルシノール−トリアジンまたはビスレソルシノール−トリアジン生成物は検出されなかった。
【0157】
実施例20:3当量のAlCl3を13%濃HClと共に用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌル、3当量のAlCl3および1.9当量のm−キシレンのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、13%(塩化シアヌルの重量を基準として)の濃HClを氷浴温度で加えた。室温における30分以内に、塩化シアヌルの97%が反応して96:4の比で2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを製造し、副生物は検出されなかった。さらなる撹拌が99.5%の塩化シアヌル転化率を与え、2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン対2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの比は変化せずそして他の生成物は検出されなかった。その後、反応混合物を85℃で1.5時間にわたり1.1当量のレソルシノールと反応させた。反応混合物のHPLC分析は92.7%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、5%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、お
よび2.3%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの生成を示した。
【0158】
反応混合物を冷たい2%水性HClで処理することにより生成物を単離した。沈澱を濾過により集め、水で洗浄し、そして乾燥して92%収率の粗製2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを与えた。生成物の一部は反応工程中に行われた多くのHPLC分析用のサンプル採取中に損失されたため、実際の収率は92%より高いはずである。単離された粗製2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンのHPLC分析は92.4%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、5%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2.35%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および0.25%の2,4,6−トリス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0159】
実施例21:3当量のAlCl3を13%濃HClと共に用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌル、3当量のAlCl3のクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、13%(塩化シアヌルの重量を基準として)の濃HClを氷浴温度で加えた。1.9当量のm−キシレンの添加およびHPLCによるm−キシレンの不存在により示される塩化シアヌルとm−キシレンとの反応が完了した後に、反応混合物を氷冷2%水性HClを用いて約5℃において反応停止させた。反応混合物を次に塩化メチレンで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして溶媒を減圧下で除去して白色固体を与えた(m−キシレンを基準として定量的収率、および塩化シアヌルを基準として95%収率)。HPLC分析は、単離された白色固体が>96%純度の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンからなることを示した。
【0160】
実施例22:2.5当量のAlCl3を13%濃HClと共に用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌル、2.5当量のAlCl3のクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、13%(塩化シアヌルの重量を基準として)の濃HClを氷浴温度で加えた。室温における1時間後のHPLC分析は82:18の比の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの89%の塩化シアヌル転化率を示した。反応混合物を室温で一晩にわたり放置し、その後に塩化シアヌルの完全な転化が検出された。室温における22時間後にHPLCにより分析された次のサンプルは94%の塩化シアヌル転化率を示し、そして2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン対2,4,6−トリス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンの比が43:57であることを示した。
【0161】
実施例23:2.5当量のAlCl3を6.5%濃HClと共に用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌル、2.5当量のAlCl3のクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、6.5%(塩化シアヌルの重量を基準として)の濃HClを氷浴温度で加えた。室温における22時間後に、塩化シアヌルの98%が反応して90:10の比で存在する2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを与えた。反応混合物を1.1当量のレソルシノールと反応させそして引き続き1.5時間にわたり85℃に加熱した。反応混合物のHPLC分析は85.4%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4
,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、11.4%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2.6%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および0.6%の2,4,6−トリス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0162】
実施例24:2−クロロ−4,6−ビステトラリン−1,3,5−トリアジンの合成
氷浴温度に窒素下で保たれた1当量の塩化シアヌル(5g、0.027モル)のクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、反応温度が5℃を越えないように注意しながら、3当量のAlCl3(10.87g、0.081モル)を5−10分間にわたり加え、引き続き濃HCl(0.54mL、0.0065モル)を5−10分間にわたり加えた。反応スラリーを0−5℃でさらに10分間にわたり撹拌した。反応物を−10℃に冷却しそしてテトラリン(7.01mL、0.0516モル)を−10℃で2時間にわたり加えた。テトラリン添加の完了時に、反応混合物を−10で2時間にわたり撹拌した。反応物を0℃に暖めそして1時間にわたり撹拌した。反応混合物のHPLC分析は92:8の比の2−クロロ−4,6−ビステトラリン−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリステトラリン−1,3,5−トリアジンへの98.5%の塩化シアヌル転化率を示した。スラリーを40℃に暖めそしてレソルシノール(3.29g、0.0298モル)を加えそして反応混合物を80℃で2時間にわたり撹拌した。HPLC分析は2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビステトラリン−1,3,5−トリアジンへの100%の2−クロロ−4,6−ビステトラリン−1,3,5−トリアジン転化率を示した。
【0163】
比較例24:2−クロロ−4,6−ビステトラリン−1,3,5−トリアジンの合成
氷浴温度に窒素下で保たれた1当量の塩化シアヌル(5g、0.027モル)のクロロベンゼン(50mL)中の撹拌されている混合物に、3当量のAlCl3(10.87g、0.081モル)を5−10分間にわたり加えた。反応スラリーを0−5℃でさらに10分間にわたり撹拌した。反応物を−10℃に冷却しそしてテトラリン(7.01mL、0.0516モル)を−10℃で2時間にわたり加えた。テトラリン添加の完了時に、反応混合物を−10で2時間にわたり撹拌した。反応物を0℃に暖めそして1時間にわたり撹拌した。反応混合物のHPLC分析は塩化シアヌルの反応および2−クロロ−4,6−ビステトラリン−1,3,5−トリアジンの生成を示さなかった。
【0164】
実施例25:3当量のAlCl3を濃硫酸と共に用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌル、3当量のAlCl3のクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、0.24当量の濃H2SO4を氷浴温度で加えた。5分間の撹拌後に2当量のm−キシレンを加えた。さらに5分後に、冷却浴を除去しそして反応混合物を室温で撹拌した。室温における2時間後のHPLC分析は塩化シアヌルの100%が反応して86:14の比で存在する2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを与えたことを示した。
【0165】
実施例26:3.5当量のAlCl3を10%水性硫酸と共に用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌル、3.5当量のAlCl3のクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、0.036当量の硫酸を10%水溶液状で氷浴温度で加えた。10分間の撹拌後に、1.9当量のm−キシレンを加えた。氷浴温度における5分後に、反応混合物をそのまま10℃に暖めた。1時間20分後に、HPLC分析は塩化シアヌルの89%が反応して89:11の比で存在する2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを与えたことを示した。9−11℃における3時間後に、HPLC分析は塩化シア
ヌルの94%が反応して95:5の比で存在する2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを与えたことを示した。9−11℃における5時間および室温における17時間後に、HPLC分析は塩化シアヌルの98.5%が反応して97:3の比で存在する2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを与えたことを示した。
【0166】
反応混合物を1.1当量のレソルシノールと反応させそして引き続き3時間にわたり85℃に加熱した。反応混合物のHPLC分析は92.7%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、4%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2.4%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および0.9%の2,4,6−トリス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0167】
実施例27:3当量のAlCl3を安息香酸と共に用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌル、3当量のAlCl3のクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、0.24当量の安息香酸をクロロベンゼン中4%溶液状で氷浴温度で加えた。m−キシレン(1.95当量)を次に加えた。氷浴温度における5分後に、反応物をそのまま室温に暖めた。室温における22時間後のHPLC分析は塩化シアヌルの99.5%が反応して82:18の比で存在する2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを与えたことを示した。
【0168】
実施例28:3当量のAlCl3を6.5%濃HClと共に用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌル、3当量のAlCl3のクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、0.24当量の濃HClを氷浴温度で加えた。45分後に、0.95当量のm−キシレンおよび0.95当量のトルエンを加えた。氷浴温度における45分後に、反応物を9℃で1時間にわたりそして次に室温で2時間にわたり撹拌した。HPLC分析は主生成物としての2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、並びにそれより少ない量の2−クロロ−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および2−クロロ−4−(4−メチルフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0169】
反応混合物を1.1当量のレソルシノールと反応させそして引き続き2時間にわたり85℃に加熱した。反応混合物のHPLC分析は主生成物としての2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、並びにそれより少ない量の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−メチルフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0170】
実施例29:3当量のAlCl3を濃HClと共に用いる2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌル、3当量のAlCl3のクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、0.24当量の濃HClを氷浴温度で加えた。10分後に、1.9当量のm−キシレンを加えた。反応物を氷浴温度で2時間にわたりそして次に室温で5時間にわたり撹拌した。HPLC分析は91:1比の主生成物としての2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジ
メチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの生成を示した。反応混合物を1.1当量の1,3−ジメトキシベンゼンと反応させた。混合物を59−61℃に加熱しそして2時間にわたり撹拌し、次に85℃に加熱しそして5時間にわたり撹拌した。反応混合物のHPLC分析は76%の2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび24%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(290nmにおけるHPLC面積%)だけを生成物として示した。
【0171】
実施例30:2.5当量のAlCl3を0.12当量の無水HClと共に用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
5℃に冷却された塩化シアヌルのクロロベンゼン中混合物に2.5当量のAlCl3、0.12当量の無水HCl(クロロベンゼン中0.28N溶液状)、および1.9当量のm−キシレンを加えた。この混合物を撹拌しながら23℃に暖め、そして反応の進行をHPLCにより監視した。データは以下の表Iに示される。
【0172】
【表1】

【0173】
塩化シアヌル転化率は210nmにおける面積%を基準にする。他の成分の量は290nmにおける面積%を基準にする。
【0174】
実施例31:3当量のAlCl3および0.2当量の無水HClを用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
5℃に冷却された塩化シアヌルのクロロベンゼン中混合物に3当量のAlCl3、0.2当量の無水HCl(クロロベンゼン中0.156N溶液状)、および1.9当量のm−キシレンを加えた。この混合物を次に撹拌しながら23℃に暖め、そして反応の進行をHPLCにより監視した。データは以下の表IIに示される。
【0175】
【表2】

【0176】
実施例32:0.2当量のレソルシノールおよび3当量のAlCl3を0.55当量のH2Oと共に用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌル、3当量のAlCl3および0.2当量のレソルシノールのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、0.55当量の水を氷浴温度で加えた。AlCl3との即座の反応が観察された。10分間の撹拌後に、1.9当量のm−キシレンを加えた。さらに10分後に、冷却浴を除去しそして反応混合物を室温で撹拌した。室温における1.5時間後に反応混合物のHPLC分析はそれぞれ95:5比の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの84%の塩化シアヌル転化率を示した。室温における2.5時間後に、HPLC分析は95%の塩化シアヌル転化率および94:6の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン対2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの比を示した。その後、1当量のレソルシノールを加えそして反応混合物を85℃で1時間にわたり撹拌した。反応混合物のHPLC分析は89.4%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、7.7%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、1.6%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび1.3%の2,4,6−トリス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0177】
実施例33:3当量のAlCl3を0.55当量の水と共に用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌル、3当量のAlCl3のクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、0.55当量の水を氷浴温度で加えた。10分間の撹拌後に、1.9当量のm−キシレンを加えた。室温における30分後にHPLC分析はそれぞれ94:6の比の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの93%の塩化シアヌル転化率を示した。室温における1時間後に、HPLC分析は92:8比の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの98%の塩化シアヌル転化率を示した。室温における4.5時間後に、HPLC分析は塩化シアヌル転化率が99%に増加し、そして2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン対2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの比が93:7で
あることを示した。
【0178】
その後、1.1当量のレソルシノールを加えそして混合物を85℃で2時間にわたり撹拌した。反応混合物のHPLC分析は91.1%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、6.3%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、1.8%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および0.75%の2,4,6−トリス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0179】
実施例34:2.5当量のAlCl3を0.55当量の水と共に用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌル、2.5当量のAlCl3のクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、0.55当量の水を氷浴温度で加えた。室温における30分後に、HPLC分析は94:6の比の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの92%の塩化シアヌル転化率を示した。室温における1時間後に、反応混合物のHPLC分析は96%の塩化シアヌル転化率、および88:12の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン対2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの比を示した。室温における4.5時間後に、HPLC分析は97%の塩化シアヌル転化率および77:23の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン対2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの比を示した。
【0180】
実施例35:3.25当量のAlCl3を0.55当量の水と共に用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌル、3.25当量のAlCl3のクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、0.55当量の水を氷浴温度で加えた。10分後に、1.9当量のm−キシレンを加えた。1時間以内に、HPLC分析を基にして98%の塩化シアヌル転化率が検出された。2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン対2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの比は92:8であった。m−キシレンの完全な消失後の最終サンプル分析は99%の塩化シアヌル転化率を示し、そして生成物である2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン対2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの比は89:1であった。
【0181】
実施例36:3当量のAlCl3を用いて促進剤を用いない2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌルの撹拌されている混合物に、クロロベンゼン中の3当量のAlCl3を加えた。1分後に、1.9当量のm−キシレンを加えた。2時間後のHPLC分析は2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの5%の塩化シアヌル転化率を示した。室温における24時間後に、HPLC分析は96:4の2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの46%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0182】
実施例37:3.25当量のAlCl3を用いて促進剤を用いない2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
塩化シアヌルを3.25当量のAlCl3の存在下でクロロベンゼン中で5℃で0.5時間にわたりそして次に室温で3時間にわたり2当量のm−キシレンと反応させた。4時間後に、2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの約
15%の塩化シアヌル転化率を示し、2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンまたは2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンは検出されなかった。室温における24時間後に、HPLC分析は91:9の比で生成した2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの約51%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0183】
実施例38:3.5当量のAlCl3を用いて促進剤を用いない2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
塩化シアヌルを3.5当量のAlCl3の存在下でクロロベンゼン中で5℃で0.5時間にわたりそして次に室温で3時間にわたり2当量のm−キシレンと反応させた。4時間後に、HPLC分析は2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの約6%の塩化シアヌル転化率を示し、2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンまたは2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンは検出されなかった。室温における24時間後に、HPLC分析は96:4の比で生成した2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの約38%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0184】
実施例39:ジクロロメタンおよび2.5当量のAlCl3を用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌル、0.4当量のジクロロメタンのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に2.5当量の塩化アルミニウムを氷浴温度において加え、冷却浴を除去しそして反応混合物を室温で撹拌した。室温における3時間後のHPLC分析は93:7の比で生成した2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの14%の塩化シアヌル転化率を示した。室温における約14時間後に、HPLC分析は87:13の比の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの98.5%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0185】
上記の反応混合物に、1当量のレソルシノールを加えそして混合物を80−85℃で1時間にわたり撹拌した。反応混合物のHPLC分析は76%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび14%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0186】
実施例40:ジクロロメタン、レソルシノールおよび2.5当量の塩化アルミニウムを用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌル、0.4当量のジクロロメタン、および0.2当量のレソルシノールのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、2.5当量の塩化アルミニウムを氷浴温度において加え、冷却浴を除去しそして反応混合物を室温で撹拌した。15分後に、1.9当量のm−キシレンを加えそして氷浴温度における15分間の撹拌後に、冷却浴を除去しそして反応混合物を室温で撹拌した。室温における3時間後のHPLC分析は92:8の比で生成した2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの95%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0187】
上記の反応混合物に、1当量のレソルシノールを加えそして混合物を80−85℃で1.5時間にわたり撹拌した。反応混合物のHPLC分析は80.5%の2−(2,4−ジヒド
ロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび9.9%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0188】
実施例41:2.3当量の塩化tert−ブチルおよび2.5当量の塩化アルミニウムを用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌルおよび2.5当量の塩化アルミニウムのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、2.3当量の塩化tert−ブチルを氷浴温度において1時間にわたり加えた。5分間の撹拌後に、1.95当量のm−キシレンを5分間にわたり加えた。氷浴を水浴と交換し、そして反応混合物をそのまま室温に暖めた。室温における5分後に、HPLC分析は98:2の比で存在する2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの97%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0189】
上記の反応混合物に1.1当量のレソルシノールを加え、そして混合物を80℃で3時間にわたり撹拌した。反応混合物のHPLC分析は94%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、3.5%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2.5%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0190】
実施例42:0.46当量の塩化tert−ブチルおよび2.5当量の塩化アルミニウムを用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌルおよび2.5当量の塩化アルミニウムのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、0.46当量の塩化tert−ブチルを氷浴温度において10分間にわたり加えた。5分間の撹拌後に、1.95当量のm−キシレンを5分間にわたり加えた。5分後に、氷浴を水浴と交換し、そして反応混合物を室温に暖めた。室温における22時間の撹拌後に、HPLC分析は84:16の比で存在する2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの98%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0191】
実施例43:0.5当量の塩化tert−ブチル、0.2当量のレソルシノールおよび2.5当量の塩化アルミニウムを用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌル、0.2当量のレソルシノール、および2.5当量の塩化アルミニウムのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、0.5当量の塩化tert−ブチルを氷浴温度において10分間にわたり加えた。5分間の撹拌後に、1.95当量のm−キシレンを加えた。氷浴を水浴と交換し、そして反応混合物をそのまま室温に暖めた。室温における2時間の撹拌後に、HPLC分析は91:9の比で存在する2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの97%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0192】
上記の反応混合物に1当量のレソルシノールを加え、そして混合物を78−82℃で3時間にわたり撹拌した。反応混合物のHPLC分析は86%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、12%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0193】
実施例44:水酸化ナトリウムおよび3当量の塩化アルミニウムを用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
3.7g(1当量)の塩化シアヌル、8g(3当量)の塩化アルミニウムの50mLのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、0.4mLの水酸化ナトリウム水溶液(50%)を氷浴温度におい加えた。10分間の撹拌後に、1.9当量のm−キシレンを加えた。冷却浴を除去しそして反応混合物を室温で撹拌した。室温における30分後に、HPLC分析は96:4の比で生成した2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの91%の塩化シアヌル転化率を示した。室温における1時間後に分析された第二サンプルは92:8の比の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの94%の塩化シアヌル転化率を示した。室温における合計4時間後に、HPLC分析は89:11の比で生成した2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの95%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0194】
上記の反応混合物に、1.1当量のレソルシノールを加えそして混合物を80℃で2時間にわたり撹拌した。反応混合物のHPLC分析は80%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、16%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、1.5%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2.2%の2,4,6−トリス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0195】
実施例45:水酸化アルミニウムを3当量の塩化アルミニウムと共に用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
3.7g(1当量)の塩化シアヌル、8g(3当量)の塩化アルミニウムの50mLのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、0.39g(0.5当量)の水酸化アルミニウムを氷浴温度において加えた。10分間の撹拌後に、1.9当量のm−キシレンを加えた。10分後に冷却浴を除去しそして反応混合物を室温で撹拌した。室温における20分後に、HPLC分析は80:20の比で生成した2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの98%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0196】
上記の反応混合物に、1.1当量のレソルシノールを加えそして混合物を80℃に2時間にわたり撹拌しながら加熱した。反応混合物のHPLC分析は74%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、22%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、1.5%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および1.4%の2,4,6−トリス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0197】
実施例46:水酸化アンモニウムを3当量の塩化アルミニウムと共に用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、0.38当量の水性水酸化アンモニウムを15分間にわたり氷浴温度で加えた。15分間の撹拌後に、1.95当量のm−キシレンを加えた。氷浴を水浴と交換
し、そして反応混合物をそのまま室温に暖めた。室温における4時間後に、HPLC分析は89:11の比で存在する2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの97%の塩化シアヌル転化率を示した。室温におけるさらに1時間後に、塩化シアヌル転化率は>99%でありそして2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン対2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの比は89:11であった。
【0198】
上記の反応混合物に、1.1当量のレソルシノールを加え、そして混合物を78−82℃で3時間にわたり撹拌した。反応混合物のHPLC分析は84%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、12%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および2%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0199】
実施例47:ナトリウムメトキシドおよび3当量の塩化アルミニウムを用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
3当量の塩化アルミニウムのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、約0.5当量のナトリウムメトキシドを15分間にわたり氷浴温度で加えた。反応混合物を0.5時間にわたり室温に暖めそして次に氷浴温度に再び冷却した。反応混合物に1当量の塩化シアヌルおよび1.95当量のm−キシレンを加えた。氷浴を水浴と交換し、、そして反応混合物を室温に暖めた。室温における7.5時間後に、HPLC分析は75:25の比で存在する2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの98%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0200】
上記の反応混合物に1.1当量のレソルシノールを加え、そして混合物を85℃で4時間にわたり撹拌した。反応混合物のHPLC分析は80%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、18%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0201】
実施例48:α−メチルスチレンを3当量の塩化アルミニウムと共に用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌル、3当量の塩化アルミニウムのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に0.5当量のα−メチルスチレンを氷浴温度において加えた。10分間の撹拌後に、1.9当量のm−キシレンを加えた。さらに10分後に、冷却浴を除去しそして反応混合物を室温で撹拌した。室温における16時間後のHPLC分析は73:27の比で生成した2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(トリス−キシリルトリアジン)への96%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0202】
実施例49:3当量の塩化アルミニウムを用いて促進剤を用いない2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌルの撹拌されている混合物に、クロロベンゼン中の3当量の塩化アルミニウムを氷浴温度において加えた。m−キシレンの添加後に、反応混合物を室温で合計24時間にわたり撹拌した。反応混合物のHPLC分析は96:4の比で生成した2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの約46%の塩化
シアヌル転化率を示した。
【0203】
実施例50:塩化ブチリルおよび3当量の塩化アルミニウムに用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌル、3当量の塩化アルミニウムのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、0.5当量の塩化ブチリルを氷浴温度において加えた。10分間の撹拌後に、1.9当量のm−キシレンを加えた。さらに10分後に、冷却浴を除去しそして反応混合物を室温で撹拌した。室温における16時間後のHPLC分析は78:22の比で生成した2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの92%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0204】
実施例51:ピリジン塩酸塩を3.5当量の塩化アルミニウムと共に用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌルおよび3.5当量の塩化アルミニウムのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、0.5当量のピリジン塩酸塩を氷浴温度において加えた。10分間の撹拌後に、1.9当量のm−キシレンを加えた。反応混合物を氷浴温度で1時間にわたり、10℃で3.5時間にわたり、そして15−20℃で6.5時間にわたり撹拌した。HPLC分析は88:12の比で生成した2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの98%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0205】
上記の反応混合物に1.1当量のレソルシノールを加え、そして混合物を85℃で3時間にわたり撹拌した。反応混合物のHPLC分析は86%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、13%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および1%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0206】
実施例52:3.5当量の塩化アルミニウムを用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌルおよび3.5当量の塩化アルミニウムのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、10分間の撹拌後に、1.9当量のm−キシレンを加えた。室温における4時間後のHPLC分析は2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの6%の塩化シアヌル転化率を示し、2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの生成はなかった。反応混合物を室温で24時間にわたり撹拌した。HPLC分析は96:4の比の2,4−ジクロロ−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの約38%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0207】
実施例53:塩化ベンジルトリエチルアンモニウムおよびレソルシノールおよび2.5当量の塩化アルミニウムを用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌル、0.2当量の塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、および0.2当量のレソルシノールのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、2.5当量の塩化アルミニウムを氷浴温度において加えた。10分間の撹拌後に、1.9当量のm−キシレンを加えた。反応混合物を氷浴温度で1時間にわたり、そして18−20℃で3時間にわたり撹拌した。HPLC分析は86:14の比の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジ
メチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよびへの72%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0208】
実施例54:塩化リチウムを3当量の塩化アルミニウムと共に用いる2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、0.5当量の塩化リチウムを氷浴温度において加えた。10分間の撹拌後に、1.9当量のm−キシレンを加えた。反応混合物を室温で撹拌した。室温における44時間の撹拌後の反応混合物のHPLC分析は81:19の比の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの97%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0209】
上記の反応混合物に、1.1当量のレソルシノールを加えそして混合物を70℃で3時間にわたり撹拌した。反応混合物のHPLC分析は76%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、20%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、1%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および2%の2,4,6−トリス(2,4−ジヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0210】
実施例55:2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
A部:0.50当量の臭化アリルを促進剤として用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの合成
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に、0.5当量の臭化アリルを氷浴温度において20分間にわたり加えた。添加中に塩化アルミニウムとの即座の反応が観察された。0−1℃における10分後に、1.9当量のm−キシレンを加えた。0−1℃における10分後に、1.9当量のm−キシレンを5分間にわたり加えた。0−1℃における30分後に、氷浴を冷水浴と交換し、そして反応混合物を17−19℃で25.5時間にわたり撹拌した。HPLC分析は86:14の比で存在する2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの95%の塩化シアヌル転化率を示した。多分2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(CDMPT)と臭化アリルとの反応から生ずるであろう少量の副生物が観察された。この生成物をCDMPT自体と共に計数する場合には、ビス−キシリル−モノ−クロロ−トリアジン対トリス−キシリル−トリアジンの比は89:11に増加する。
【0211】
B部:2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
上記の反応混合物に1.1当量のレソルシノールを加えそして混合物を85℃で17時間にわたり撹拌した。反応混合物のHPLC分析は87%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび13%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0212】
実施例56:2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
A部:0.4当量の3−メチル−2−ブテン−1−オールを促進剤として用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に−13℃〜−15℃で、0.4当量の3−メチル−2−ブテン−1−オールを15分間にわたり加えた。添加中に塩化アルミニウムとの即座の反応が観察された。混合物をそのまま0−1℃に暖めそして10分間にわたり撹拌した後に、1.9当量のm−キシレンを10分間にわたり加えた。0−1℃で2時間にわたり撹拌した後に、氷浴を冷水浴と交換しそして反応混合物を15−16℃で18時間にわたり撹拌した。HPLC分析は86:14の比の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの94%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0213】
B部:2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
上記の反応混合物に1.1当量のレソルシノールを加えそして混合物を85℃で2時間にわたり撹拌した。反応混合物のHPLC分析は84%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、14%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、および2%の未反応の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0214】
実施例57:2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
A部:0.5当量の塩化ベンゾイルを促進剤として用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に1−2℃で、0.5当量の塩化ベンゾイルを10分間にわたり加えた。10分間にわたり撹拌した後に、1.9当量のm−キシレンを6分間にわたり加えた。0−1℃で2時間にわたり撹拌した後に、氷浴を冷水浴と交換しそして反応混合物を15−16℃にそのまま暖めそして19時間にわたり撹拌した。HPLC分析は86:14の比の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの84%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0215】
B部:2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
上記の反応混合物に1.1当量のレソルシノールを加えそして混合物を85℃で2時間にわたり撹拌した。反応混合物のHPLC分析は80%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび20%の2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0216】
実施例58:0.5当量の塩化プロパンスルホニルを促進剤として用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に0−1℃において、0.5当量の塩化プロパンスルホニルを10分間にわたり加えた。添加中に塩化アルミニウムとの即座の反応が観察された。1−2℃で10分間にわたり撹拌した後に、1.9当量のm−キシレンを6分間にわたり加えた。0−2℃で2時間にわたり撹拌した後に、氷浴を冷水浴と交換し、反応物をそのまま16−18℃に暖めそして20時間にわたり撹拌した。HPLC分析は90:10の比の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの92%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0217】
実施例59:0.5当量の塩化p−トルエンスルホニルを促進剤として用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に0−2℃において、0.5当量の塩化p−トルエンスルホニルを10分間にわたり加えた。10分間にわたり撹拌した後に、1.9当量のm−キシレンを6分間にわたり加えた。0−1℃で撹拌した後に、氷浴を冷水浴と交換し、反応物をそのまま16−17℃に暖めそして21時間にわたり撹拌した。水浴を除去しそして温度をそのまま23℃に暖めた。HPLC分析は79:21の比の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの塩化シアヌル転化を示した。
【0218】
実施例60:0.5当量の無水酢酸を促進剤として用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に1−2℃において、0.5当量の無水酢酸のクロロベンゼン中溶液を10分間にわたり加えた。添加中に塩化アルミニウムとの即座の反応(発熱)が観察された。10分間にわたり撹拌した後に、1.9当量のm−キシレンを6分間にわたり加えた。0−1℃で2時間にわたり撹拌した後に、氷浴を冷水浴と交換し、反応物をそのまま16℃に暖めそして19時間にわたり撹拌した。HPLC分析はm−キシレンの完全な転化、84:16の比の2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの72%だけの塩化シアヌル転化率を示した。
【0219】
実施例61:2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビスフェニル−1,3,5−トリアジンの製造
A部:濃HClを促進剤として用いる2−クロロ−4,6−ビスフェニル−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのo−ジクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に氷浴温度において、濃HCl(塩化シアヌルを基準として13%)を加えた。10分後に、1.95当量のベンゼンを加えそして反応混合物を氷浴温度において10分間にわたり撹拌した。冷却浴を除去し、反応物をそのまま室温に暖め、そして撹拌した。室温における26時間後に、HPLC分析は2−クロロ−4,6−ビスフェニル−1,3,5−トリアジンへの約86%の塩化シアヌル転化率を示した。撹拌を室温で24時間続けた。HPLC分析は92%の塩化シアヌル転化率、>96%の2−クロロ−4,6−ビスフェニル−1,3,5−トリアジンおよび2%より少ない2,4,6−トリスフェニル−1,3,5−トリアジンを示した。結果はLCMSにより確認された。
【0220】
B部:2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビスフェニル−1,3,5−トリアジンの製造
上記の反応混合物に1.1当量のレソルシノールを加えそして混合物を80℃に加熱した。2時間以内に、HPLC分析は2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビスフェニル−1,3,5−トリアジンへの約80%の2−クロロ−4,6−ビスフェニル−1,3,5−トリアジン転化率を示した。
【0221】
比較例61:濃HClを用いない2−クロロ−4,6−ビスフェニル−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのo−ジクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に氷浴温度において1.95当量のベンゼンを加えそして反応混合物を氷浴温度において10分間にわたり撹拌した。冷却浴を除去し、反応混合物をそのまま室温に暖め、そして撹拌した。約26時間後に、HPLC分析は塩化シアヌルの転化がほ
とんどないことおよび2−クロロ−4,6−ビスフェニル−1,3,5−トリアジンの不存在を示した。撹拌を室温でさらに24時間続けた。HPLC分析は塩化シアヌルの転化がほとんどないことおよび2−クロロ−4,6−ビスフェニル−1,3,5−トリアジンの不存在を示した。
【0222】
実施例62:2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
A部:濃HClを用いる2−クロロ−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのo−クロロベンゼン中の撹拌されている混合物に氷浴温度において、濃HCl(塩化シアヌルを基準として13%)を加えた。10分後に、1.9当量のトルエンを加えそして反応混合物を氷浴温度において30分間にわたり撹拌した。冷却浴を除去し、反応混合物をそのまま室温に暖め、そして21時間にわたり撹拌した。HPLC分析は2−クロロ−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび異性体である2−クロロ−4−(4−メチルフェニル)−6−(2−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの約95%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0223】
B部:2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
上記の反応混合物に1.1当量のレソルシノールを加えそして混合物を80℃に加熱した。3時間以内に、HPLC分析は2−クロロ−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジンが2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジンに転化されたことを示した。粗製生成物のHPLC分析は78%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、11%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−メチルフェニル)−6−(2−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの推定構造を有する異性体を示した。
【0224】
比較例62:濃HClを用いない2−クロロ−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのo−ジクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に氷浴温度において1.9当量のトルエンを加えそして反応混合物を氷浴温度において10分間にわたり撹拌した。冷却浴を除去し、反応混合物をそのまま室温に暖めた。約2時間後に、HPLC分析は塩化シアヌルの反応を示さなかった。撹拌を室温で約20時間続けた。HPLC分析は塩化シアヌルの反応がほとんどないことおよび2−クロロ−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの不存在を示した。
【0225】
実施例63:2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
A部:濃HClを用いる2−クロロ−4,6−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのo−クロロベンゼン中の撹拌されている混合物に氷浴温度において、濃HCl(塩化シアヌルを基準として13%)を加えた。30分後に、反応物を約−5℃にさらに冷却しそして1.9当量のキシレンを加えた。反応混合物を約0℃で2時間にわたり、そして次に室温で4時間にわたり撹拌した。HPLC分析は82%の2−クロロ−4,6−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび6%のその異性体への>95%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0226】
B部:2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
上記の反応混合物に1.1当量のレソルシノールを加えそして混合物を80℃に加熱した。2時間以内に、HPLC分析は2−クロロ−4,6−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよびその異性体が完全に反応して83%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび6%のその異性体を生成したことを示した。
アジンの推定構造を有する異性体を示した。
【0227】
比較例63:濃HClを用いない2−クロロ−4,6−ビス(3,4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのo−ジクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に氷浴温度において1.9当量のo−キシレンを加えそして反応混合物を氷浴温度において1時間にわたり撹拌した。冷却浴を除去し、反応混合物をそのまま室温に暖めた。約2時間後に、HPLC分析は塩化シアヌルの反応を示さなかった。撹拌を室温で約20時間続けた。HPLC分析は塩化シアヌルの意義ある転化なしおよび2−クロロ−4,6−ビス(3,4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの不存在を示した。
【0228】
実施例64:2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(4−ビフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
A部:濃HClを用いる2−クロロ−4,6−ビス(4−ビフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのo−ジクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に氷浴温度において、濃HCl(塩化シアヌルを基準として13%)を加えた。10分後に、2当量のビフェニルを加えそして反応物を氷浴温度で1時間にわたり撹拌した。HPLC分析は主生成物としての2−クロロ−4,6−ビス(4−ビフェニル)−1,3,5−トリアジンへの88%の塩化シアヌル転化率を示した。冷却浴を除去し、反応混合物をそのまま室温に暖め、そして撹拌した。室温における3時間後のHPLC分析は主生成物としての2−クロロ−4,6−ビス(4−ビフェニル)−1,3,5−トリアジンへの約93%の塩化シアヌル転化率を示しそしてMSにより確認された。
【0229】
B部:2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(4−ビフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
上記の反応混合物に1.1当量のレソルシノールを加えそして混合物を2時間にわたり85℃に加熱した。HPLCおよびMS分析は2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(4−ビフェニル)−1,3,5−トリアジンの生成を示した。
【0230】
比較例64:濃HClを用いない2−クロロ−4,6−ビス(4−ビフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのo−ジクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に氷浴温度において2当量のビフェニルを加えそして反応混合物を氷浴温度において1時間にわたり撹拌した。HPLC分析は塩化シアヌルの転化がほとんどないことおよび2−クロロ−4,6−ビス(4−ビフェニル)−1,3,5−トリアジンの不存在を示した。冷却浴を除去しそして反応混合物をそのまま室温に暖めた。約3時間後に、HPLC分析は塩化シアヌルの反応および2−クロロ−4,6−ビス(4−ビフェニル)−1,3,5−トリアジンの生成のないことを示した。
【0231】
実施例65:2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
A部:濃HClを用いる2−クロロ−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのo−ジクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に氷浴温度において、濃HCl(塩化シアヌルを基準として13%)を加えた。10分後に、1.95当量のtert−ブチルベンゼンを加えそして反応物を氷浴温度で10分間にわたり撹拌した。冷却浴を除去し、反応混合物をそのまま室温に暖め、そして撹拌した。2時間後に、HPLC分析は主生成物(>78%)としての2−クロロ−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの62%の塩化シアヌル転化率を示した。反応混合物を室温でさらに24時間にわたり撹拌した。HPLC分析は主生成物(>72%)としての2−クロロ−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと異性体への83%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0232】
B部:2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
上記の反応混合物に1.1当量のレソルシノールを加えそして混合物を2時間にわたり80℃に加熱した。HPLC分析は2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの63%の生成を示した。
【0233】
比較例65:濃HClを用いない2−クロロ−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのo−ジクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に氷浴温度において1.95当量のtert−ブチルベンゼンを加えた。反応混合物を氷浴温度において10分間にわたり撹拌した。冷却浴を除去し、反応混合物をそのまま室温に暖め、そして撹拌した。2時間後に、HPLC分析は塩化シアヌルの反応なしおよび2−クロロ−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの生成なしを示した。撹拌を室温で約24時間続けた。HPLC分析は2−クロロ−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの生成なしを示した。
【0234】
実施例66:2−(2,4−ジヒドロキシ−5−ヘキシルフェニル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
A部:濃HClを用いる2−クロロ−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
実施例67に記載された工程に本質的に従い2−クロロ−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを製造した。
【0235】
B部:2−(2,4−ジヒドロキシ−5−ヘキシルフェニル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
上記の反応混合物に1.1当量の4−ヘキシルレソルシノールを加えそして混合物を3時間にわたり80℃に加熱した。HPLC分析は主生成物としての2−(2,4−ジヒドロキシ−5−ヘキシルフェニル)−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの2−クロロ−4,6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの転化を示した。
【0236】
実施例67:2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
A部:2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
以上で論じた通りにして1当量の塩化シアヌルを3当量の塩化アルミニウムおよび濃H
Clの存在下でクロロベンゼン中で1.9当量のm−キシレンと反応させることにより2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを製造した。
【0237】
B部:2−(2−ジヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
上記の反応混合物に1.1当量のレソルシノールモノオクチルエーテルを加えそして混合物を室温で約20時間にわたり撹拌した。TLC分析は2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの商業サンプルとの直接比較により主生成物としての2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの生成を示した。
【0238】
実施例68:2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
A部:2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造;塩化アルミニウムおよび濃HClから製造される反応助剤に対する塩化シアヌルおよびm−キシレンの同時添加
3当量の塩化アルミニウムのクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に0℃〜5℃において濃HCl(塩化アルミニウムを基準として6重量%)を加え、そして反応混合物を10分間にわたり撹拌して反応助剤を製造した。この混合物に1当量の塩化シアヌルおよび1.9当量のm−キシレンのクロロベンゼン中溶液を0℃〜5℃で加えそして反応物を10分間にわたり撹拌した。HPLC分析は2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(99%)への95%の塩化シアヌル転化率を示した。反応混合物をそのまま0℃〜5℃で2時間にわたり撹拌した。HPLC分析は2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(98%)への99%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0239】
B部:2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
上記の反応混合物に1.1当量のレソルシノールを加えそして混合物を2時間にわたり80℃に加熱した。HPLC分析は95%の2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンを示した。
【0240】
実施例69:溶媒としてのベンゼンおよび濃HCl中での2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのベンゼン中の撹拌されている混合物に7℃において濃HCl(塩化アルミニウムを基準として13重量%)を加え、そして混合物を10分間にわたり撹拌した。反応混合物に1.9当量のm−キシレンを加えそして反応混合物を0℃で30−35分間にわたり撹拌した。冷却浴を除去し、反応混合物をそのまま室温に暖め、そして3時間にわたり撹拌した。HPLC分析は2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン(85%)への>97%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0241】
実施例70:2−(2,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
A部:塩化アルミニウムおよび濃HClから製造される反応助剤を用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン複合体の製造
1当量の単離された2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび3当量の塩化アルミニウムのo−ジクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に濃HCl(塩化アルミニウムを基準として5.9重量%)を加えた。室温で約5
−6時間にわたり撹拌した後に、反応物は橙赤色になり、塩化アルミニウムおよび濃HClからなる反応助剤と2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンとの間で生成した新規複合体を示した。
【0242】
B部:2−(2,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
上記の反応混合物を約60℃に加熱した。この混合物に1当量のオルシノール(5−メチルレソルシノール)を加え、そして反応混合物を8時間にわたり80℃〜85℃に加熱した。HPLC分析は2−(2,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの生成をもたらす2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンのほとんど完全な転化を示した。
【0243】
比較例70:塩化アルミニウムを用いて濃HClを用いない2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン複合体の製造
1当量の単離された2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび3当量の塩化アルミニウムのo−ジクロロベンゼン中混合物を室温で約5−6時間にわたり撹拌した。反応混合物はわずかに黄色になりそして前の実施例のように橙赤色ではなく、2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンからの新規な複合体生成のないことを示した。
【0244】
実施例71:塩化アルミニウムおよび濃HClからの反応助剤の製造
3当量の塩化アルミニウムのo−ジクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に濃HCl(塩化アルミニウムを基準として6重量%)を加えた。反応混合物を室温で撹拌した。反応助剤の新規な灰白色混合物の生成が観察され、それは室温における2時間にわたる撹拌後でもその色を変化させなかった。
【0245】
実施例72:塩化アルミニウムおよび濃HClから製造される反応助剤を用いる2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン(塩化シアヌル)複合体の製造
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのo−ジクロロベンゼン中の撹拌されている混合物に濃HCl(塩化アルミニウムを基準として13重量%)を加えた。室温における30分間の撹拌後に反応混合物は褐赤色になった。室温におけるさらに1時間の撹拌後に反応物は濃褐色になった。反応混合物の色は塩化シアヌルと塩化アルミニウムおよび濃HClから製造される反応助剤との間の新規な複合体の生成を示した。
【0246】
比較例72:塩化アルミニウムから製造される反応助剤を用いて濃HClを用いない2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン(塩化シアヌル)複合体の製造
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのo−ジクロロベンゼン中混合物を室温で3時間にわたり撹拌した。元の灰白色からの色の変化は観察されず、塩化シアヌルを塩化アルミニウムおよび濃HClからなる反応助剤で処理した前の実施例のような塩化シアヌルの同様な複合体生成がないことを示した。
【0247】
実施例73:アリクオート(Aliquat)−336を用いる2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンの製造
1当量の塩化シアヌルおよび3当量の塩化アルミニウムのベンゼン中の撹拌されている混合物に約0℃においてアリクオート−336(塩化トリカプリルメチルアンモニウム)(塩化アルミニウムを基準として50重量%)を加えた。温度が高まるにつれて塩化アルミニウムとの反応が観察された。反応混合物を室温で30分間にわたり撹拌して、透明な橙赤色溶液を生成した。生じた塩化シアヌルと反応助剤との複合体に1.9当量のm−キシレンを加えそして反応混合物を室温で1時間にわたり撹拌した。HPLC分析は3:1
の比で生成した主生成物としての2−クロロ−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンおよび少量生成物としての2,4,6−トリス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンへの約90%の塩化シアヌル転化率を示した。
【0248】
ここに開示された具体的な態様は発明の幾つかの面の説明を意図するため、ここに記載されそして特許請求された発明はこれらの態様により範囲が限定されない。いずれの同様な態様も本発明の範囲内にあることが意図される。実際に、ここに示されそして記載されたもの以外の発明の種々の改変は以上の記述から当業者に明らかになるであろう。そのような改変も添付された請求項の範囲内に入ることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)式III:
【化1】

[式中、XはハロゲンでありそしてAr1およびAr2は同一もしくは相異なりそして各々が式II:
【化2】

の化合物の基であり、ここでR6、R7、R8、R9およびR10は同一もしくは相異なりそして各々が水素、ハロゲン、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数7〜24のアラルキル、炭素数6〜24のアラシル、OR、NRR’、CONRR’、OCOR、CN、SR、SO2R、SO3H、SO3Mであり、ここでMはアルカリ金属であり、RおよびR’は同一もしくは相異なりそして各々が水素、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数1〜24のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、または炭素数6〜24のアラシルであり、そして場合によりR6およびR7、R7およびR8、R8およびR9、またはR9およびR10のいずれかは一緒になって場合により環中にO、N、またはS原子を含有していてもよい飽和もしくは不飽和の縮合炭素環式環の一部であってもよい]
のトリアジン化合物を合成する方法であって、式V:
【化3】

[式中、各Xは独立して弗素、塩素、臭素およびヨウ素から選ばれるハロゲンである]
のハロゲン化シアヌルを、
十分な量の少なくとも1種のルイス酸および少なくとも1種の反応促進剤(reaction promotor)を含んでなる反応助剤(reaction facilitator)、ならびに
少なくとも1種の溶媒
の存在下で、十分な時間にわたり適当な温度および圧力において、少なくとも1種の式IIの化合物と反応させて、式IIIのトリアジン化合物を製造することを含んでなり、但し該反応促進剤が溶媒および式IIの化合物の両者と異なる式IIIのトリアジン化合物の合成方法。
【請求項2】
(ii)式IIIの化合物を、十分な時間にわたり、適当な温度および圧力において、場合により第二のルイス酸および第二の反応促進剤を含んでなる第二の反応助剤の存在下で、式IV:
【化4】

[式中、R1、R2、R3、R4およびR5は同一もしくは相異なりそして各々が水素、ハロゲン、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数6〜24のアリール、炭素数5〜25のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、炭素数6〜24のアラシル、OR、NRR’、CONRR’、OCOR、CN、SR、SO2R、SO3H、SO3Mであり、ここでMはアルカリ金属であり、RおよびR’は同一もしくは相異なりそして各々が水素、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数1〜24のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、または炭素数6〜24のアラシルであり、場合によりR3およびR4、またはR4およびR5のいずれかは一緒になって場合により環中にO、N、またはS原子を含有していてもよい飽和もしくは不飽和の縮合炭素環式環の一部であってもよく、そしてYは直接結合、O、NR”、またはSR”であり、ここでR”は水素、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数1〜24のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、または炭素数6〜24のアラシルである]
の化合物と反応させて、式I
【化5】

の化合物を製造することをさらに含んでなり、但し、第二の反応促進剤は溶媒および段階(ii)で反応する反応物と異なり、そして式IIの化合物は式IVの化合物と異なる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式IIIの化合物を生成せしめる反応および式Iの化合物を生成せしめる反応を式IIIの化合物を単離せずに行う請求項2の方法。
【請求項4】
ルイス酸がハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化ホウ素、ハロゲン化錫、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化鉛、ハロゲン化マンガン、ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化銅、ハロゲン化チタン、ハロゲン化アルミニウムアルキル、ハロゲン化ガリウム、ハロゲン化鉄、ハロゲン化砒素、ハロゲン化アンチモン、またはそれらの混合物であり、そしてハロゲン化シアヌルに対して1〜10モル当量の量で存在する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
ルイス酸触媒が塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、三弗化ホウ素、塩化錫、塩化亜鉛、四塩化チタン、またはそれらの混合物である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
反応促進剤が酸、塩基、水、アルコール、脂肪族ハライド、ハライド塩、酸ハライド、ハロゲン、アルケン、アルキン、エステル、無水物、炭酸塩、ウレタン、カルボニル、エポキシ、エーテルもしくはアセタール化合物、またはそれらの混合物であり、そしてハロゲン化シアヌルに対して0.01〜5モル当量の量で存在する請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
溶媒がヘプタン、二硫化炭素、シクロヘキサン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、トリブロモベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、アニソール、ニトロアルカン類、ベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ベンゾニトリル類、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、フルオロベンゼン、ジフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、またはそれらの混合物である請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
反応助剤と溶媒の一部との混合物を、その混合物を式Vのハロゲン化シアヌルおよび式IIの化合物と一緒にする前に生成せしめることをさらに含んでなる請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
式Vのハロゲン化シアヌル、式IIの化合物、および溶媒の一部の混合物を、この混合物に反応助剤を加える前に生成せしめることをさらに含んでなる請求項8に記載の方法。
【請求項10】
式IIの化合物を5分間〜15時間の間でそして−50℃〜150℃の間の温度において加えそして反応時間が10分間〜48時間の間でありそして−50℃〜150℃の間の温度である請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
式IVの化合物を5分間〜10時間の間でそして0℃〜100℃の温度において加えそして反応時間が30分間〜24時間の間でありそして20℃〜150℃の間の温度である請求項2に記載の方法。
【請求項12】
第二のルイス酸および第二の反応促進剤を式IVの化合物と共に加えて式IIIの化合物と反応させることをさらに含んでなる請求項2に記載の方法。
【請求項13】
段階(i)および(ii)を同時におよび連続的に行う請求項2に記載の方法。
【請求項14】
第二のルイス酸が第一のルイス酸と同じであり、そして第二の反応促進剤が第一の反応促進剤と同じである請求項12に記載の方法。
【請求項15】
反応促進剤を加える前にルイス酸を式Vの化合物と混合する請求項1に記載の方法。
【請求項16】
第二の反応促進剤を加える前にルイス酸を式IIの化合物と混合する請求項1に記載の方法。
【請求項17】
第二の反応促進剤を加える前に第二のルイス酸を式IIIの化合物と混合する請求項2に記載の方法。
【請求項18】
第二の反応促進剤を加える前に第二のルイス酸を式IVの化合物と混合する請求項2に記載の方法。
【請求項19】
ルイス酸を加える前に反応促進剤を式Vの化合物と混合する請求項1に記載の方法。
【請求項20】
ルイス酸を加える前に反応促進剤を式IIの化合物と混合する請求項1に記載の方法。
【請求項21】
第二のルイス酸を加える前に第二の反応促進剤を式IIIの化合物と混合する請求項2に記載の方法。
【請求項22】
第二のルイス酸を加える前に第二の反応促進剤を式IVの化合物と混合する請求項2に記載の方法。
【請求項23】
第二の反応促進剤または第二のルイス酸のいずれかを加える前に式IIIおよびIVの化合物を混合する請求項2に記載の方法。
【請求項24】
少なくとも1種のルイス酸;
少なくとも1個の酸性プロトンを有する無機もしくは有機酸、水、アルコール、またはそれらの混合物を含んでなる少なくとも1種の反応促進剤;および
反応促進剤と異なる少なくとも1種の溶媒
を含んでなるトリアジン化合物製造用反応助剤。
【請求項25】
ルイス酸が反応促進剤に対して0.5〜500モル当量の間の量で存在する請求項24の反応助剤。
【請求項26】
ルイス酸がハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化ホウ素、ハロゲン化錫、ハロゲン化亜鉛、ハロゲン化鉛、ハロゲン化マンガン、ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化銅、ハロゲン化チタン、ハロゲン化アルミニウムアルキル、ハロゲン化ガリウム、ハロゲン化鉄、ハロゲン化砒素、ハロゲン化アンチモン、およびそれらの混合物から選ばれ、そして反応促進剤が酸、塩基、水、アルコール、脂肪族ハライド、ハライド塩、酸ハライド、ハロゲン、アルケン、アルキン、エステル、無水物、炭酸塩、ウレタン、カルボニル、エポキシ、エーテルもしくはアセタール化合物、およびそれらの混合物から選ばれる請求項24または25に記載の反応助剤。
【請求項27】
請求項24〜26のいずれかに記載の反応助剤および請求項1に記載の式Vのハロゲン化シアヌルを含んでなる複合組成物。
【請求項28】
請求項24〜27のいずれかに記載の反応助剤および請求項1に記載の式IIIの2−ハロ−4,6−ビスアリール−1,3,5−トリアジンを含んでなる複合組成物。
【請求項29】
反応促進剤がプロトン酸である請求項6に記載の方法。
【請求項30】
プロトン酸がRCO2H、RSO3H、RSO2H、RSH、ROH、RPO3H、およびRPO2Hから選ばれる少なくとも1種の酸性官能基を含み、ここでRは水素、炭素数1〜24のアルキル、炭素数1〜24のハロアルキル、炭素数6〜24のアリール、炭素数2〜24のアルケニル、炭素数1〜24のアシル、炭素数1〜24のシクロアルキル、炭素数5〜24のシクロアシル、炭素数7〜24のアラルキル、または炭素数6〜24のアラシルである請求項29に記載の方法。
【請求項31】
プロトン酸がHCl、HBr、HI、HNO3、HNO2、H2S、H2SO4、H3PO4、H2CO3、酢酸、蟻酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸、フタル酸、シュウ酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、またはそれらの混合物である請求項29または30に記載の方法。
【請求項32】
反応促進剤が水、酸、またはそれらの混合物である請求項6に記載の方法。
【請求項33】
反応促進剤が脂肪族ハライドである請求項6に記載の方法。

【公開番号】特開2011−184448(P2011−184448A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−103763(P2011−103763)
【出願日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【分割の表示】特願2000−582379(P2000−582379)の分割
【原出願日】平成11年11月17日(1999.11.17)
【出願人】(594060532)サイテク・テクノロジー・コーポレーシヨン (36)
【Fターム(参考)】