説明

レンズメータおよびレンズ測定方法

【課題】レンズ特性の特性を瞬時に測定できるレンズメータを提供する。
【解決手段】測定光を光軸中心近傍にのみ開口した狭域測定用パターンマスクおよび被検レンズを通して結像させた狭域画像を取得し、狭域画像において測定光の光軸中心に位置する中心座標および狭域画像の倍率を算出し、測定光を広い範囲に亘ってグリッド状に配列して開口した広域測定用パターンマスクおよび被検レンズを通して結像させて複数の光点を含む広域画像を取得し、狭域画像の中心座標および倍率を基に、広域画像における光点の座標を予測し、予測した座標の所定の近傍範囲内の画像の中心である光点座標をそれぞれ算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼鏡レンズの特性を測定するレンズメータに関する。
【背景技術】
【0002】
レンズ特性の測定には、測定光の光軸中心に位置するレンズの狭い範囲を測定する狭域測定と、レンズの広い範囲を測定する広域測定とがある。広域測定では、縦横に規則正しく配列した開口を有するパターンマスクを通過した光が結像した測定画像を取得し、測定画像において、光点の座標を特定する処理を行う必要がある。
【0003】
従来のレンズメータにおいては、測定画像の隅の原点から、X−Y方向に走査することで光点を検索している。この光点の検索は演算量が多く、従来のレンズメータでは、レンズの測定を開始してから測定結果が表示されるまでに、遅れがあった。
【特許文献1】特許第3685886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、レンズ特性を瞬時に測定できるレンズメータおよびレンズ測定方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明によるレンズメータの第1の態様は、被検レンズに測定光を投光する投光手段と、前記測定光の光軸中心近傍にのみ開口するように配置される狭域測定用パターンマスクと、前記測定光の広い範囲に亘ってグリッド状に配列して開口する広域測定用パターンマスクと、前記測定光を受光して画像データを生成する撮像手段と、前記画像データを解析して前記被検レンズの特性を算出する演算手段とを有し、前記演算手段は、前記狭域測定用パターンマスクおよび前記被検レンズを通過した前記測定光を受光して前記撮像手段が生成した狭域測定画像から、前記測定光の光軸中心に位置する中心座標および前記狭域画像の倍率を算出し、前記広域測定用パターンマスクおよび前記被検レンズを通過した前記測定光を受光して前記撮像手段が生成した広域測定画像における前記光点のそれぞれの座標を、前記狭域画像の前記中心座標および前記倍率を基に予測し、前記広域画像のうち前記予測した座標の所定の近傍範囲内の画像から前記光点の座標をそれぞれ算出するものとする。
【0006】
この構成によれば、狭域測定によって広域測定画像の光点の位置を予測し、予測された位置の周囲の画像のみを解析して光点座標を算出する。このため、予測した光点の位置から離れた位置の画像を解析しなくてよいので、光点座標の算出のための演算量が少なくてすむ。これにより、広域測定画像を瞬時に解析して、被検レンズの光学特性を迅速に表示することができる。
【0007】
また、本発明によるレンズメータの第2の態様は、被検レンズに測定光を投光する投光手段と、前記測定光の光軸中心近傍にのみ開口するように配置される狭域測定用パターンマスクと、前記測定光の広い範囲に亘ってグリッド状に配列して開口する広域測定用パターンマスクと、前記測定光を受光して画像データを生成する撮像手段と、前記画像データを解析して前記被検レンズの特性を算出する演算手段とを有し、前記演算手段は、前記狭域測定用パターンマスクおよび前記被検レンズを通過した前記測定光を受光して前記撮像手段が生成した狭域測定画像から、前記測定光の光軸中心に位置する中心座標および前記狭域画像の倍率を算出し、前記広域測定用パターンマスクおよび前記被検レンズを通過した前記測定光を受光して前記撮像手段が生成した広域測定画像における前記測定光の光軸中心近傍にある複数の光点の座標を前記狭域画像の前記中心座標および前記倍率を基に予測し、予測した座標の所定の近傍範囲内にある画像から前記光点の座標をそれぞれ算出し、先に算出した前記光点の座標を基に、さらに周囲の隣接する光点の座標を予測し、それぞれ前記予測した座標を中心にした所定の近傍範囲内の画像から前記光点の座標をそれぞれ算出するものとする。
【0008】
この構成によれば、狭域測定によって中央部の光点の位置を予測して演算範囲を限定して中央部の光点座標を算出し、周囲の光点の座標の算出に際しては、既に算出している光点の座標を基に位置を予測して演算範囲を限定することで、光点座標の演算に使用する画像範囲を小さく限定することができ、高速な演算が可能になる。
【0009】
また、本発明によるレンズメータにおいて、前記隣接する光点の座標は、先に算出した光点のうち2つと等間隔に並んでいるものとして予測してもよい。
【0010】
被検レンズの光学特性は連続的に変化するので、中央部の光点座標から周囲の光点座標へと順番に予測してゆくことで、予測した座標と実際の座標とが大きくずれることがなく、光点座標の演算に使用する画像範囲を小さく限定することができ、高速な演算が可能になる。
【0011】
また、本発明によるレンズメータにおいて、前記広域測定用パターンマスクの1つの前記開口は、前記測定光の光軸上に配置され、前記狭域画像の前記中心座標および前記倍率を基に予測する前記光点の座標は、前記光軸上に配置される前記開口およびその周囲の8つの開口による光点の座標であってもよい。
【0012】
また、本発明によるレンズメータにおいて、前記演算手段は、前記光点座標を、近傍範囲内にある画像の輝度の重心として算出してもよく、前記近傍範囲内にある画像の輝度の分布範囲を確認し、前記分布範囲の中で輝度の低いデータを除外して前記光点座標を算出してもよい。
【0013】
また、本発明によるレンズメータ測定方法の第1の態様は、測定光を光軸中心近傍にのみ開口した狭域測定用パターンマスクおよび被検レンズを通して結像させた狭域画像を取得し、前記狭域画像において前記測定光の光軸中心に位置する中心座標および前記狭域画像の倍率を算出し、前記測定光を広い範囲に亘ってグリッド状に配列して開口した広域測定用パターンマスクおよび前記被検レンズを通して結像させて複数の光点を含む広域画像を取得し、前記狭域画像の前記中心座標および前記倍率を基に、前記広域画像における前記光点のそれぞれの座標を予測し、前記予測した座標の所定の近傍範囲内の画像から前記光点の座標をそれぞれ算出する方法とする。
【0014】
また、本発明によるレンズメータ測定方法の第2の態様は、測定光を光軸中心近傍にのみ開口した狭域測定用パターンマスクおよび被検レンズを通して結像させた狭域画像を取得し、前記狭域画像において前記測定光の光軸中心に位置する中心座標および前記狭域画像の倍率を算出し、前記測定光を広い範囲に亘ってグリッド状に配列して開口した広域測定用パターンマスクおよび前記被検レンズを通して結像させて複数の光点を含む広域画像を取得し、前記狭域画像の前記中心座標および前記倍率を基に、前記広域画像において前記測定光の光軸中心近傍に位置する複数の前記光点の座標を予測し、予測した座標の所定の近傍範囲内にある画像の中心である光点座標をそれぞれ算出し、先に算出した前記光点座標を基に、さらに周囲の隣接する光点の座標を予測し、それぞれ前記予測した座標を中心にした所定の近傍範囲内の画像から前記光点の座標を算出する方法とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のレンズメータは、狭域測定によって、広域測定の光点座標の位置を予測して、光点座標を算出する演算に使用する画像の範囲を小さく絞り込むので、演算負荷が小さく、瞬時に被検レンズの光学特性を算出して表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
これより、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1および図2に、本発明の一実施形態のレンズメータ1を示す。レンズメータ1は、装置本体2の上部に測定光を投光する光学系(投光手段)を収容し、表面に表示装置3を備える投光部4が設けられ、投光部4の下方に被検レンズ5(図2では眼鏡フレームに装着されている)を載置して保持する保持部6および測定データを記憶させるためのメモリースイッチ7を備え、被検レンズ5を通過した測定光を受光する光学系を収容した受光部8が設けられている。また、レンズメータ1は、被検レンズ5の保持部6上での位置決めを助ける当接板9および押さえ部材10を有し、さらに、保持部6上に位置決めした被検レンズ5に光学中心を印点する印点装置11を有している。
【0017】
図3に、レンズメータ1の光学構成を示す。レンズメータ1は、投光部4の内部に点光源である発光素子12と、発光素子12が発した拡散光を平行な測定光にして被検レンズ5に投光する投光レンズ13とを有し、受光部8の内部に、測定光を通過させる測定用パターンマスク14と、測定光が投影されるスクリーン15と、スクリーン15に投影された画像を撮影レンズ16によって結像して電気信号に変換して画像データを生成するための撮像素子17とを有している。
【0018】
レンズメータ1において、パターンマスク14は、図4に示す狭域測定用パターンマスク14aと、図5に示す広域測定用パターンマスク14bとが自動で置き換えられるようになっている。狭域測定用パターンマスク14aは、一般に被検レンズ5の光学中心を印点する際に用いられるものであり、測定光の光軸中心近傍に小さな環状の開口18aが形成されており、開口18aが測定光の光軸に同心に配置されるようになっている。広域測定用パターンマスク14bは、被検レンズ5の広範囲の光学特性(球面度や円柱度などの)を解析して表示装置3にマッピング表示するために用いられるものであり、測定光の広い範囲に亘って複数(例えば9×9=81個)のピンホール18bが縦横のグリッド状に規則正しく配列して形成されている。広域測定用パターンマスク14bの中央のピンホール18bは、測定光の光軸上に配置されるようになっている。
【0019】
狭域測定用パターンマスク14aを光路中に配置したとき、被検レンズ5および狭域測定用パターンマスク14aを通過してスクリーン15に投影された測定光は、撮像素子17によって、図6に示すような狭域画像のデータに変換される。この狭域画像は、撮像素子の解像度(例えば640×480画素)のそれぞれ点の色を示すデータの集合である。狭域画像には、測定光が投影された部分に対応する環状の輝度の高い像が含まれるが、被検レンズ5の光学中心が測定光の光軸からずれていると環状の画像が狭域画像の中央から位置ずれし、被検レンズ5の度数に応じて環状の画像の縦横の大きさ(倍率)が異なったものになる。
【0020】
広域測定用パターンマスク14bを光路中に配置したとき、図7に示すような広域画像が得られる。この広域画像において、ピンホール18bを通過した測定光による光点が縦横に配列しているが、被検レンズ5の光学特性によって、光点が位置ずれしたり、配列ピッチが不揃いになったりする。
【0021】
図8に、レンズメータ1において、被検レンズ5の光学特性を解析する手順を示す。レンズメータ1では、被検レンズ5の広い範囲の光学特性を測定する広域測定が開始されると、先ず、ステップS1において、狭域パターンマスク14aを用いて狭域画像を取得する。そして、ステップS2において、内蔵するマイコン(演算手段)によって狭域画像を解析して、環状の画像の中心座標C(0,0)=(Cx,Cy)を算出し、環状の画像の縦横(x/y方向)の径から画像の縦横の倍率Rx,Ryを算出する。
【0022】
続いて、レンズメータ1は、ステップS3において、広域測定用パターンマスク14bを光路中に配置して、広域画像を取得する。
【0023】
レンズメータ1は、ステップS4からステップS7までのループにより、取得した広域画像から、広域測定用パターンマスク14bの中央の3行×3列の計9箇所のピンホール18bに対応する光点の中心である光点座標を算出する。こここでは、中央のピンホール18bによる光点の中心の座標を光点座標G(0,0)=(Gx,Gy)とし、i列、j行目の光点の座標をG(i,j)として示す。つまり、このループでは、i=−1,0,1、j=−1,0,1の組み合わせについて光点座標G(i,j)=(Gx,Gy)を算出する。
【0024】
レンズメータ1では、狭域測定用パターンマスク14aの環状の開口18aと、広域測定用パターンマスク14bの中央のピンホール18bとは、測定光の光軸上に配置されるようになっているので、被検レンズ5の位置を動かさなければ、広域画像における中央のピンホール18bによる光点の光点座標G(0,0)は、狭域画像の環状の画像の中心座標C(0,0)と略同じ位置である。
【0025】
ステップS6では、図9に示すように、例えば、中心座標C(0,0)から8近傍距離で7画素以下の範囲(15×15=225画素)を近傍範囲S(0,0)として、この範囲内の画像を解析することで、広域画像の中央の光点の光点座標G(0,0)を算出する。
【0026】
また、広域画像の中央部の光点のピッチの倍率は、狭域画像の環状の画像の倍率と略同じであるから、広域画像の中央の光点に隣接する8つの光点の位置C(i,j)は、広域測定用パターンマスク14aの環状の開口18aの径と広域測定用パターンマスク14bのピンホール18bのピッチとの比によって予想できる。つまり、ステップS5において、広域画像の中央の9つの光点は、予測座標C(i,j)=(Cx+i×A×Rx,Cy+i×A×Ry)に存在すると予測される。
【0027】
ステップS6における、光点座標G(i,j)は、広域画像の中の、近傍範囲S(i,j)、つまり、予測座標C(i,j)および周囲の所定範囲の、例えば、各画素の輝度の重心として求めることができる。このとき、輝度の分布範囲(最大値と最小値)を調べて、所定の範囲のデータ、例えば、最小値から最大値までの20%以下のデータを除外して重心を算出してもよい。
【0028】
ステップS4からS7のループで中央の9つの光点の中心である光点座標G(i,j)(i=−1,0,1、j=−1,0,1)が算出されたなら、ステップS8からステップS11のループにおいて、残りの光点の光点座標G(i,j)を算出する。
【0029】
ステップS9では、図11に示すように、先に中心座標を算出した光点に隣接する光点は、先に中心座標を算出した光点と等間隔で並んでいるものとして、予測座標C(i,j)=(Cx,Cy)を予測する。x方向に隣接する光点であれば、予測座標C(i,j)=((Gxi−1)+(Gxi−1−Gxi−2)(Gyi−1)+(Gyi−1−Gyi−2))として算出される。
【0030】
ステップS10では、ステップS6と同様に、予測座標C(i,j)から所定の範囲内(例えば8近傍距離で7画素以内)を近傍範囲S(i,j)として、この範囲内の広域画像の光点座標G((i,j)(例えば輝度の重心)を算出する。近傍範囲S(i,j)の大きさは、必ずしもステップS6と同じでなくてもよい。
【0031】
図12に示すように、中央の9つの光点の中心座標にx方向に隣接する光点の光点座標G(i,j)を求めたならば、さらに、図13に示すように、既に算出されている光点座標G(i,j−1)および光点座標G(i,j−2)を基にしてy方向に隣接する光点の光点座標G(i,j)を算出する。
【0032】
このようにして、ステップS8からステップS11のループでは、広域測定用パターンマスク14bのピンホール18bの全てに対応する光点の中心である光点座標G(i,j)を算出する。
【0033】
本実施形態の例示した条件では、9×9=81箇所の近傍範囲に、それぞれ、15×15=225画素のデータが存在するので、合計18225画素のデータを確認することになる。一方、広域画像全体では、640×480=307200画素のデータが存在し、実際に確認するデータの量は、広域画像全体の約17分の1である。このため、本実施形態では、各光点座標G(i,j)を特定する処理が非常に高速である。
【0034】
レンズメータ1では、光点座標G(i,j)が特定されたなら、ステップS12で、光点座標G(i,j)から被検レンズ5の光学特性を算出して、表示装置3にマッピング表示する。光点座標G(i,j)から、被検レンズ5の光学特性を算出する方法は、従来のレンズメータと同じであり、公知であるので説明を省略する。
【0035】
さらに、図14に、本発明の第2実施形態のレンズメータの光学構成を示す。本実施形態のレンズメータ1は、光源12および投光レンズ13が、広域測定にのみ使用される第1の波長の測定光を投光し、狭域測定にのみ使用される第2の波長の測定光を投光するために第2の光源19および第2の投光レンズ20が設けられ、ハーフミラー21によって、第1の測定光と第2の測定光とが略同軸に重ね合わせて被検レンズ5に投光されるようになっている。
【0036】
狭域測定用パターンマスク14aは、第2の光源と第2の投光レンズ20との間に配置されている。広域測定用パターンマスク14bは、狭域測定用の第1の測定光を遮光する材質であって、第2の測定光を透過させる材質で形成されており、第2の測定光は全面的に透過させるが、第1の測定光はピンホール18bを通してのみ透過させる。
【0037】
本実施形態の他の構成および被検レンズ5の光学特性を算出する方法は第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
【0038】
本実施形態のように、異なる光源12,19を用いて異なる波長の測定光を投光しても、各測定光の光軸が被検レンズ5の同じ位置に入射するように構成されていれば、被検レンズ5の光学特性のみによって、各測定光の光軸の偏芯量(ずれ量)および光軸近傍の倍率が決まる。これにより、狭域画像から広域画像の解析範囲を限定して光点の座標を算出することが可能である。
【0039】
レンズメータに、狭域測定および広域測定のそれぞれに専用の投光手段および撮像手段を設けても、各測定光の基準となる光束が被検レンズの同じ位置に入射するのであれば、狭域画像の中心の位置ずれと倍率から、広域画像の中央の光点の位置を予測でき、そのような構成も、本発明に含まれる。
【0040】
また、上記実施形態において、広域測定用パターンマスクの中央のピンホールが測定光の光軸上に配置されるようになっているが、本発明では、測定光の光軸がピンホールの間に位置してもよく、狭域画像の中心座標および倍率から、広域画像の光点の中で例えば中央の4つの光点の座標を予測するようにしてもよい。
【0041】
また、光点の解析を行う近傍範囲を大きくすれば、狭域画像の中心座標および倍率を基にして、広域画像における全ての光点の座標を予測するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1実施形態のレンズメータの斜視図。
【図2】図1のレンズメータの側面図。
【図3】図1のレンズメータの光学構成を示す概略図。
【図4】図1のレンズメータの狭域測定用パターンマスクの平面図。
【図5】図1のレンズメータの広域測定用パターンマスクの平面図。
【図6】図4の狭域測定用パターンマスクを用いて得られる狭域画像を例示する図。
【図7】図5の広域測定用パターンマスクを用いて得られる広域画像を例示する図。
【図8】図1のレンズメータの被検レンズの光学特性算出手順を示す流れ図。
【図9】広域画像の中央の光点の中心座標算出の演算範囲を示す図。
【図10】広域画像の中央の9つの光点の中心座標の算出を示す図。
【図11】広域画像の周囲の光点の中心座標算出の演算範囲を示す図。
【図12】広域画像の周囲のx方向の光点の中心座標の算出を示す図。
【図13】広域画像の周囲のy方向の光点の中心座標の算出を示す図。
【図14】本発明の第2実施形態のレンズメータの光学構成を示す概略図。
【符号の説明】
【0043】
1 レンズメータ
5 被検レンズ
12 発光素子
13 投光レンズ
14a 狭域測定用パターンマスク
14b 広域測定用パターンマスク
17 撮像素子(撮像手段)
C(i,j) 予測座標
S(i,j) 近傍範囲
G(i,j) 中心座標

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検レンズに測定光を投光する投光手段と、
前記測定光の光軸中心近傍にのみ開口するように配置される狭域測定用パターンマスクと、
前記測定光の広い範囲に亘ってグリッド状に配列して開口する広域測定用パターンマスクと、
前記測定光を受光して画像データを生成する撮像手段と、
前記画像データを解析して前記被検レンズの特性を算出する演算手段とを有し、
前記演算手段は、前記狭域測定用パターンマスクおよび前記被検レンズを通過した前記測定光を受光して前記撮像手段が生成した狭域測定画像から、前記測定光の光軸中心に位置する中心座標および前記狭域画像の倍率を算出し、
前記広域測定用パターンマスクおよび前記被検レンズを通過した前記測定光を受光して前記撮像手段が生成した広域測定画像における前記光点のそれぞれの座標を、前記狭域画像の前記中心座標および前記倍率を基に予測し、前記広域画像のうち前記予測した座標の所定の近傍範囲内の画像から前記光点の座標をそれぞれ算出することを特徴とするレンズメータ。
【請求項2】
被検レンズに測定光を投光する投光手段と、
前記測定光の光軸中心近傍にのみ開口するように配置される狭域測定用パターンマスクと、
前記測定光の広い範囲に亘ってグリッド状に配列して開口する広域測定用パターンマスクと、
前記測定光を受光して画像データを生成する撮像手段と、
前記画像データを解析して前記被検レンズの特性を算出する演算手段とを有し、
前記演算手段は、前記狭域測定用パターンマスクおよび前記被検レンズを通過した前記測定光を受光して前記撮像手段が生成した狭域測定画像から、前記測定光の光軸中心に位置する中心座標および前記狭域画像の倍率を算出し、
前記広域測定用パターンマスクおよび前記被検レンズを通過した前記測定光を受光して前記撮像手段が生成した広域測定画像における前記測定光の光軸中心近傍にある複数の光点の座標を前記狭域画像の前記中心座標および前記倍率を基に予測し、予測した座標の所定の近傍範囲内にある画像から前記光点の座標をそれぞれ算出し、
先に算出した前記光点の座標を基に、さらに周囲の隣接する光点の座標を予測し、それぞれ前記予測した座標を中心にした所定の近傍範囲内の画像から前記光点の座標をそれぞれ算出することを特徴とするレンズメータ。
【請求項3】
前記隣接する光点は、既に座標を算出した前記光点と等間隔に並んでいるものとして予測することを特徴とする請求項2に記載のレンズメータ。
【請求項4】
前記広域測定用パターンマスクの1つの前記開口は、前記測定光の光軸上に配置され、
前記狭域画像の前記中心座標および前記倍率を基に予測する前記光点の座標は、前記光軸上に配置される前記開口およびその周囲の8つの開口による光点の座標であることを特徴とする請求項2または3に記載のレンズメータ。
【請求項5】
前記演算手段は、前記光点の座標を、前記近傍範囲内にある画像の輝度の重心として算出することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のレンズメータ。
【請求項6】
前記演算手段は、前記近傍範囲内にある画像の輝度の分布範囲を確認し、前記分布範囲の中で輝度の低いデータを除外して前記光点座標を算出することを特徴とする請求項5に記載のレンズメータ。
【請求項7】
測定光を光軸中心近傍にのみ開口した狭域測定用パターンマスクおよび被検レンズを通して結像させた狭域画像を取得し、
前記狭域画像において前記測定光の光軸中心に位置する中心座標および前記狭域画像の倍率を算出し、
前記測定光を広い範囲に亘ってグリッド状に配列して開口した広域測定用パターンマスクおよび前記被検レンズを通して結像させて複数の光点を含む広域画像を取得し、
前記狭域画像の前記中心座標および前記倍率を基に、前記広域画像における前記光点のそれぞれの座標を予測し、前記予測した座標の所定の近傍範囲内の画像から前記光点の座標をそれぞれ算出することを特徴とするレンズ測定方法。
【請求項8】
測定光を光軸中心近傍にのみ開口した狭域測定用パターンマスクおよび被検レンズを通して結像させた狭域画像を取得し、
前記狭域画像において前記測定光の光軸中心に位置する中心座標および前記狭域画像の倍率を算出し、
前記測定光を広い範囲に亘ってグリッド状に配列して開口した広域測定用パターンマスクおよび前記被検レンズを通して結像させて複数の光点を含む広域画像を取得し、
前記狭域画像の前記中心座標および前記倍率を基に、前記広域画像において前記測定光の光軸中心近傍に位置する複数の前記光点の座標を予測し、予測した座標の所定の近傍範囲内にある画像の中心である光点座標をそれぞれ算出し、
先に算出した前記光点座標を基に、さらに周囲の隣接する光点の座標を予測し、それぞれ前記予測した座標を中心にした所定の近傍範囲内の画像から前記光点の座標を算出することを特徴とするレンズ測定方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2008−286629(P2008−286629A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−131653(P2007−131653)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(390000594)隆祥産業株式会社 (64)
【Fターム(参考)】