説明

レンズ締結具

締結具特にレンズのための締結具が、結合すべき要素のうちの一つに形成された貫通孔に挿入するのに適した弾性変形できる細長い物体からなり、当該細長い物体が実質的に円柱形のステムを有し、当該ステムが大直径のヘッドを形成する第一の端と直列に配置された複数の錐台形要素を形成する第二の端とを有し、当該錐台形要素の底面が当該大直径のヘッドの方に向いており、当該第二の端が延長部に終わっており、当該大直径のヘッドの直径と当該底面の直径とが当該ステムの直径よりも大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ締結具に関する。この締結具は、レンズをフレームに取り付けるのにも、異なる種類のレンズを接合するのにも適している。
【背景技術】
【0002】
公知のように、従来のやり方では、レンズは、小さなねじまたはボルトによって、眼鏡のフレームに固定される。
【0003】
このねじは、一般に、レンズに成形された貫通孔に挿入され、フレームに成形された対応するめねじに係合するようになっている。
【0004】
ボルトはナットによって固定される。
【0005】
従来の締結具の第一の不便さは、組み立て作業の遅さにかかわるものである。実際、ねじの小さな寸法とレンズの脆さとのため、組み立て時に細心の注意が必要である。
【0006】
また、このねじは、変形する座金その他の圧力防止(tension-preventing)スペーサの使用を必要とする。これは、レンズそのものを保護するために、金属要素とレンズとの間に配置しなければならない。
【0007】
通常のねじのもう一つの欠点は、時間の経過により、振動または不完全な組み立てによって、ゆるむ可能性がある、ということである。
【0008】
もう一つの欠点は、フレームに備えられた孔にはねじを切らなければならず、そのようなねじ切り作業は、時間と費用のかかるものである。
【0009】
従来の締結具のもう一つの欠点は、安全性に関するものである。ねじまたはナットは、フレームの内側表面から突き出ていることが多く、事故の場合に装着者を傷つけることがあるからである。
【0010】
通常のねじは、いわゆる“縁なし”フレームたとえば“グラサント(glasant)”および“ナイロア(nylor)”フレームで使用されるときにも不便である。
【0011】
これらのフレームは、最小限の特別に軽い構造物であるということが特徴であり、ほとんど見えないので、装着者の見た目を極端に変えることがない。
【0012】
特に、グラサントフレームは、ノーズパッドを備えたブリッジと対応する丁番を有する二つのつるとによって構成される。
【0013】
従来のやり方では、レンズは、レンズに直接形成された孔または受け座に挿入されたねじまたはピンによって、これらの構造物に締結される。
【0014】
その他の眼鏡では、ナイロンワイヤが撚り合わされ、結ばれて、レンズをフレームに連結する複雑な結び目が備えられる。
【0015】
現行の組み立て技術による縁なしフレームの組み立ては、実際のところ、非常に面倒で、大きな労力と注意とが必要である。したがって、この組み立ては、生産性の点から言えば、時間と費用がかかるという欠点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、耐久性と安全性があり、同時にレンズのフレームへの容易かつ迅速な取り付けが可能な締結具を提供することにより、先行技術の締結具の欠点を克服することである。
【0017】
この目的の範囲内での本発明の一つの個別目的は、簡単な作業によって取り付けることができ、工具または特別な取り付け具の使用を必要としない締結具を提供することである。
【0018】
本発明のもう一つの個別目的は、ねじ切りを必要としない締結具を提供することである。
【0019】
本発明のもう一つの個別目的は、異なる種類のレンズの接合を可能にし、しかもまわりから見えないような締結具を提供することである。
【0020】
本発明のもう一つの個別目的は、事故の場合にも装着者の安全を保証する締結具を提供することである。
【0021】
本発明のもう一つの個別目的は、純粋に経済的な面からも利点のある締結具を提供することである。
【0022】
本発明のもう一つの個別目的は、レンズの破壊の可能性を最小限に抑える締結具を提供することである。
【0023】
本発明のもう一つの個別目的は、破損した場合に簡単に取り換えられる締結具を提供することである。
【0024】
本発明のもう一つの個別目的は、安全であって、かつ組み立て後にほとんどまわりから見えない締結具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
前記目的、個別目的、および以下の説明でよりはっきりするその他の個別目的は、
締結具特にレンズのための締結具であって、
結合すべき要素のうちの一つに形成された貫通孔に挿入するのに適した弾性変形できる細長い物体からなり、当該細長い物体が実質的に円柱形のステムを有し、当該ステムが大直径のヘッドを形成する第一の端と直列に配置された複数の錐台形要素を形成する第二の端とを有し、当該錐台形要素の底面が当該大直径のヘッドの方に向いており、当該第二の端が延長部に終わっており、当該大直径のヘッドの直径と当該底面の直径とが当該ステムの直径よりも大きいこと、
を特徴とする締結具、
によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
その他の特徴と利点は、以下、添付の図面に示す非限定実施形態を参照しつつなされる、本発明の締結具の好ましい非排他的実施形態の説明から、よりはっきりするであろう。
【0027】
図1〜4において、締結具特にレンズのための締結具の全体を、参照番号1で示す。
【0028】
締結具1は、射出成形によって一体で得られる、弾性変形できる細長い物体からなる。特に、この締結具は、着色することができ、実質的に透明で、使用後目立たないようにできるポリウレタン樹脂で作られる。
【0029】
この細長い物体は、実質的に円形または多角形の横断面輪郭を有し、第一の要素50を第二の要素60に連結するために第一の要素50に形成されている貫通孔51に挿入されるようになっている。
【0030】
この特定ケースでは、第一の要素50は、全体が屈折補正用レンズまたはフィルターレンズによって構成され、第二の要素60はフレーム部分である。
【0031】
この細長い物体は、実質的に円柱形のステム2を有し、当該ステムは、第一の端を有し、この端には、第一の延長部5に終わる第一の複数の錐台形要素3が備えられている。
【0032】
複数の錐台形要素3は、実質的に同じであって直列に配置され、これらの要素の底面4は同じ向きに向いている。これらの底面は、ステム2よりも大きな直径を有し、このステムの直径は、貫通孔51の直径以下である。
【0033】
力が消失したときにもとの形状と寸法とを回復しうる錐台形要素3の圧縮性は、ステム2の伸長性と協働して、締結具1を貫通孔51に挿入することを可能にし、わずかな圧縮を第一の要素50に与えることにより当該要素を固定することを可能にする。
【0034】
締結具1は、錐台形要素3が突き出ている端の反対側にあるステム2の第二の端に形成されているヘッドを有する。
【0035】
このヘッドと少なくとも一つの底面4との間の距離は、第一の要素50の厚さよりもわずかに小さい。
【0036】
このヘッドは弾性変形できるリング10からなり、このリングは円形または楕円形である。
【0037】
リング10は、ステム2と一体であり、リング10の中心軸20は、ステム2の軸線30と直交している。
【0038】
図5〜8に示す実施形態では、締結具の全体を参照番号101で示す。前記ヘッドは、第二の複数の錐台形要素103によって構成され、この第二の錐台形要素103は、錐台形要素3に対向配置され、第二の延長部105に終わっている。
【0039】
複数の錐台形要素103は、実質的に同じであって、直列に配置され、それぞれの底面104は同じ向きを向いている。これらの底面は、ステム2の直径よりも大きな直径を有する。
【0040】
代替形態として、錐台形要素103は、錐台形要素3と同じ向きを向くようにすることもできる。
【0041】
図9〜12に示す、本発明による締結具のもう一つの実施形態では、締結具の全体を参照番号201で示す。この実施形態では、当該ヘッドは、ステム2に連結されているディスク要素202からなり、当該要素の中心軸220はステム2の軸線30と平行であるが、これと一致はしないようになっている。
【0042】
湾曲輪郭部分203がディスク要素202に備えられ、当該部分は、ステム2の横断面の輪郭と実質的に相補的な輪郭を有する。
【0043】
図13〜16に示す、もう一つの実施形態においては、締結具301は、キャップ302からなるヘッドを有し、このキャップは弾性変形することができ、実質的に円筒形を有する。
【0044】
キャップ302は、ステム2と一体であり、フード302の軸線320はステム2の軸線30と直交している。
【0045】
図17〜20に示す、もう一つの実施形態においては、締結具401は、実質的に剛性のジャケット403で少なくとも一部分が被覆されたステム2を有する。このジャケットは好ましくは金属ブッシュからなる。
【0046】
この特徴物(prerogative)により、これを軸ピンとして使用して、締結具401を丁番の要素70と80との間に挿入することができる。
【0047】
図5〜20に示す実施形態においては、図1〜4に示す実施形態に関してすでに述べた要素に対応する要素は、同じ参照番号で示す。
【0048】
本発明の締結具に関する作業は、下記のようである。
【0049】
第一の要素50すなわちレンズに貫通孔51および少なくとも一つの切欠き52を備えたあと、つるまたはブリッジの端部に相当する第二の要素60をリング10に挿入する。このとき、リング10は弾性変形してこの操作に順応する。
【0050】
次に、第一の延長部5が貫通孔51に挿入され、それから締結具1に引張り力が加えられる。
【0051】
この力により、錐台形要素3は貫通孔51に引き込まれ、弾性的に圧縮されて、これらの要素が第一の要素50の厚さ全体を通過させられ、反対側面から出てくる。
【0052】
ピボット61は切欠き52と完全にかみ合い、第二の要素60が第一の要素50に接触し、引張り力が消失すると、ステム2のわずかな弾性的延びが残る。
【0053】
したがって、ステム2は、少なくとも部分的にそのもとの寸法を回復し、錐台形要素3の一つの底面4が第一の要素50に対向接触させられる。
【0054】
したがって、連結すべき二つの要素は、リング10と錐台形要素3とによって固定される。そのため、この錐台形要素は、リング10に対して、第一の要素50の厚さよりもわずかに近い距離に配置される。
【0055】
しかし、ステム2の弾性により、不測の力が加わった場合、第一の要素50と第二の要素60との一体性が保護される。
【0056】
第一の要素50に対向接触している錐台形要素3は、リング10にもっとも近いものまたは延長部5に近いものでありうる。
【0057】
締結具1の余分の部分は、延長部5のみからなるか、または錐台形要素の一部を含むが、この余分の部分は最終的に除去される。
【0058】
錐台形要素3は、傷害に対する安全性という特徴を有し、したがってこれらの要素の一つが第一の要素50から突き出ている場合でも、この要素は、不測の衝撃を受けた場合にも、装着者の安全をおびやかすものとはならない。
【0059】
リング10がキャップ302に置き換えられた場合も、締結具301の使用法は、前述したことと実質的に同じである。
【0060】
これとは異なり、ヘッドが第二の系列の錐台形要素103の一つである場合、締結具101は、実質的にU字形に曲げられ、第二の要素60を収容するスロットの形状となるようにされる。
【0061】
次に、第一の延長部5と第二の延長部105とが、貫通孔51に挿入され、それから引張り力が締結具101に加えられる。
【0062】
この力により、錐台形要素3と103とは、貫通孔51にはいり、弾性的に圧縮されて、第一の要素50の厚さ全体を通過して、反対側面から出てくる。
【0063】
そのあとの作業は、前述したものと実質的に同じである。
【0064】
ヘッドがディスク要素202からなる場合は、第一の延長部5が貫通孔51に挿入され、ディスク要素202が第一の要素50の面に対向接触するようにされる。
【0065】
ステム2が、実質的にU字形に曲げられ、ディスク要素202が配置されている面と反対側の第一の要素50の面上に第二の要素60を収容するスロットが形成されるようにされる。それから、第一の要素5が、ふたたび貫通孔51と湾曲輪郭部分203とに挿入される。
【0066】
次に、締結具201に引張り力が加えられ、錐台形要素3が弾性的に圧縮されて貫通孔51に引き込まれ、これらの要素が第一の要素50の厚さ全体を通過させられて、ディスク要素202が配置されている面から出てくるようにされる。
【0067】
そのあとの作業は、前述したものと実質的に同じである。
【0068】
図19と20に示す別の使用法では、締結具401が丁番のピボットとして使用される。
【0069】
第一の延長部5が、それぞれ丁番の要素70と80に形成された貫通孔71と81に挿入され、それから締結具401に引張り力が加えられる。
【0070】
この力により、錐台形要素3が、弾性的に圧縮されて、貫通孔71と81に引き込まれ、これらの要素が丁番の厚さ全体を通過する。
【0071】
ジャケット403が貫通孔71と81に完全に挿入されて、締結具401のヘッドが要素70の第一の側面に対向接触すると、引張り力が消失する。
【0072】
すると、ステム2が弾性的に収縮して、錐台形要素3のうち一つのものの底面4が、要素70の第二の側面に対向接触するように動く。
【0073】
最後に、締結具1の余分な部分が除去される。
【0074】
図21〜28においては、レンズ用の締結具の全体が参照番号501で示されている。
【0075】
本発明においては、締結具501は、弾性的に変形できる細長い物体からなり、この物体は、好ましくは適当なポリウレタン樹脂の射出成形によって一体に作られる。
【0076】
当該細長い物体は、第一の貫通孔551と第二の貫通孔561とに挿入されるようになっている。これらの貫通孔は、ねじ切りされておらず、結合される第一の要素550と第二の要素560とにそれぞれ備えられている。これらの要素は、たとえば屈折補正用レンズ、フィルターレンズまたはフレーム部分からなることができる。
【0077】
当該細長い物体はステム502を有し、当該ステムは、実質的に円柱形であり、大直径のヘッド503と一体になっている第一の端と複数の錐台形要素504が存在する第二の端とを有している。第二の端は延長部506に終わっている。
【0078】
錐台形要素504は、弾性的に圧縮することができ、したがって損傷の恐れがないという特徴がある。これらの要素はすべて実質的に同じであり、直列に配置されており、大きいほうの端の面505が大直径のヘッド503の方向に向いている。
【0079】
大直径のヘッド503と少なくとも一つの底面505との間の距離は、実質的に、第一の要素550と第二の要素560との並置の結果として得られる厚さに等しい。
【0080】
大直径のヘッド503の直径と底面505の直径とは、いずれもステム502の直径よりも大きい。ステム502の直径は、二つの貫通孔551と561の直径に実質的に等しい。
【0081】
これらの特徴は、力が消失したときにもとの形を回復する傾向を与えるステム502の拡張性(extendibility)および錐台形要素504の圧縮性と協働して、締結具501を貫通孔551と561に挿入して、第一の要素550と第二の要素560とを、大直径のヘッド503と少なくとも一つの錐台形要素504との間に固定することを可能にする。
【0082】
ポリウレタン樹脂は着色することができ、また実質的に透明である。したがって、使用後に締結具501がまわりから見えないようにすることができる。
【0083】
面積の大きなヘッド503は、その露出面にロゴまたは特定の表示を備えることができるように成形することができる。
【0084】
本発明のこの締結具に関する作業は下記のとおりである。
【0085】
第一の要素550を第二の要素560と並置し、第一の貫通孔551を第二の貫通孔561と実質的に同軸になるようにする。
【0086】
次に、延長部506を貫通孔551と561に挿入してから、引張り力を締結具501に加える。
【0087】
この力により、錐台形要素504は貫通孔551と561に引き込まれ、弾性的に圧縮されて、第一の要素550と第二の要素560との厚さ全体を通過させられ、第二の要素から出てくる。
【0088】
大直径のヘッド503が第一の要素550に接触してから、引張り力が消失すると、ステム502のわずかな弾性延びが残る。
【0089】
したがって、ステム502は、少なくとも部分的にもとの寸法を回復し、一つの錐台形要素504の底面505が第二の要素560に対向接触させられる。
【0090】
したがって、連結すべき二つの要素は、大直径のヘッド503と錐台形要素504との間に固定される。そのため、この錐台形要素は、ヘッド503に対して、第一の要素550と第二の要素560との厚さに実質的に等しい距離に配置される。
【0091】
しかし、それでも、ステム502の弾性により、連結された要素に最小限の運動の自由が許容される。この特徴により、不測の力が加わったときに、第一の要素550と第二の要素560の完全性が保護されうる。
【0092】
第二の要素560に対向接触する錐台形要素504は、図23〜25に示すように、大直径のヘッド503にもっとも近いものとすることができ、または図26〜28に示すように、延長部506により近いものとすることができる。
【0093】
最後に、締結具501の余分な部分が除去される。この部分は、延長部506のみからなることもあり、一部の錐台形要素504を含むこともある。
【0094】
錐台形要素504は、傷害に対する安全性という特徴を有し、したがってこれらの要素の一つが第二の要素560から突き出ている場合でも、装着者の安全性が損なわれない。
【0095】
たとえば、第一の要素550は、フィルターレンズまたは屈折補正用レンズからなることができ、第二の要素560は、フレームの一部からなることができる。
【0096】
別の考えられる使用においては、第一の要素550がフィルターレンズからなり、第二の要素560が屈折補正用レンズからなっているか、またはその逆である。
【0097】
図29〜36には、本発明の締結具の全体が参照番号601で示されている。
【0098】
締結具601は、弾性的に変形できる細長い物体からなり、当該物体は、ねじを切っていない貫通孔651、671および681に挿入することができ、これらの貫通孔は、それぞれレンズ650またはフレームの部分たとえば要素670および680に備えられている。
【0099】
当該細長い物体は、一体構造を有し、好ましくはポリウレタン樹脂製であり、実質的に円柱形のステム602を有する。ステム602の直径は、貫通孔651、671および681の直径に実質的に等しい。
【0100】
ディスクヘッド603が、ステム602の第一の端に備えられ、このヘッドは、ステム602の直径よりも大きいかまたはこれに等しい直径を有する。
【0101】
錐台形要素604が、第一の端の反対側の、ステム602の第二の端に備えられている。これらの錐台形要素604は直列に配置され、延長部606に終わっている。これらの錐台形要素は実質的に同じであり、底面605がヘッド603の方に向くように配向されている。
【0102】
錐台形要素604は、弾性的に圧縮することができ、これらの要素の底面の直径は、ステム602の直径よりも大きい。
【0103】
ステム602と錐台形要素604は、これらを変形させる力が消失すると、その元の形と寸法とを回復することができる。したがって、締結具601は、貫通孔651、671および681に挿入することができ、貫通孔が備えられている支持体と連結させることができる。
【0104】
締結具601は、ヘッド603と錐台形要素604の特性を利用して、固定すべき第二の要素に連結することができる。
【0105】
本発明において、締結具601は、当該細長い物体の長さ方向に形成されていて、細長い形の連結要素を収容するようになっている受け口610を有する。
【0106】
当該連結要素は、ピン661もしくは701またはねじ690からなることができ、受け口610は、実質的に円筒形の空洞からなり、当該空洞は、ヘッド603に開口し、ステム602また随意に錐台形要素604に影響を及ぼすような深さを有する。
【0107】
ピン661または701は、複数の爪状突起662または702を備えており、これらの突起はこれらのピンが受け口610に進入するのを容易にし、はずれるのに抵抗する。
【0108】
また、ねじ690の場合、ねじ山が進入を容易にし、保持を保証する。
【0109】
本発明のこの締結具は、以下に述べるように使用することができる。
【0110】
図31および32に示すように、締結具601は、まず、一般に眼鏡フレーム660の一部からなる、連結すべき第一の要素に連結される。
【0111】
この操作は、ピン661を受け口610に挿入して、爪状突起662が受け口の内表面をつかむようにすることによって完了する。
【0112】
次に、延長部606が、たとえばレンズ650からなる、連結すべき第二の要素に形成された貫通孔651に挿入されたあとに、締結具601に引張り力が加えられる。
【0113】
この力により、変形が生じ、この変形により、錐台形要素604が連結すべき第二の要素を通過し、同時にピン661がステム602とともに貫通孔651に進入する。
【0114】
ヘッド603が連結すべき第二の要素に対向接触して、少なくとも一つの錐台形要素604が貫通孔651から出てくると、引張り力を加えるのがやめられる。
【0115】
ヘッド603がステム602と同じ直径を有する場合、引張り力を加えるのは、連結すべき第一の要素が連結すべき第二の要素に直接対向接触したときに、やめられる。
【0116】
弾性的な伸長が止められると、ステム602は、もとの寸法を回復するように作用し、したがってまた、錐台形要素604の底面605が、連結すべき第二の要素に近いほうに動いて当該第二の要素に接触する。
【0117】
すると、締結すべき第一の要素にすでに連結されている締結具601が、ヘッド603と錐台形要素604によって、締結すべき第二の要素にも連結される。
【0118】
締結具601の余分な部分を除去することにより締結作業が完了する。この余分な部分は、延長部606のみからなるか、または錐台形要素604の一部を含むかである。
【0119】
図35と36においては、実質的に前述したように締結具601が使用されているが、ここでは、締結すべき第一の要素が、フレーム660からなり、また爪状突起702を有するピン701に備えられた装飾部700をも有する。
【0120】
図33と34に示す別の実施形態においては、締結具601を、それぞれ貫通孔671と681を備えた二つの要素670と680からなる丁番のピボットとして使用することができる。
【0121】
この場合、延長部606を貫通孔671と681に挿入してから、締結具601に引張り力が加えられる。
【0122】
この力により、錐台形要素604が貫通孔671と681に挿入され、これらの要素が丁番の厚さ全体を通過する。
【0123】
ステム602が貫通孔671と681に完全に挿入されて、ヘッド603が要素670の第一の側面に対向接触すると、引張り力を加えるのがやめられる。
【0124】
次に、ステム602は、弾性的に収縮して、錐台形要素604の底面605が移動し、要素670の第二の側面に対向接触する。
【0125】
この場合にも、締結作業は、締結具601の余分な部分を除去することによって完了する。
【0126】
二つの要素670と680の接合がゆるすぎる場合には、ねじ690を受け口610に挿入して、ステム602を押し広げ、当該ステムが貫通孔671と681内でわずかに短縮されるようにすることができる。
【0127】
この接合が動きすぎると思われる場合には、また、受け口610に実質的に剛性のピンを挿入し、ステム602に対してより大きな非変形可能性を与えることができる。
【0128】
実際に見られたところでは、本発明の締結具特にレンズのための締結具は、意図する目的を十分に達成するものである。というのは、この締結具は、固定のために細長い形の連結要素を使用する、フレームへのレンズの取り付けを簡易化することを可能にするものだからである。
【0129】
本発明の締結具は、特別の工具なしで、またねじを切ることなく、取り付けることができる。
【0130】
また、本発明の締結具は、取り付け後、まわりから見えない。
【0131】
実際に見られたところでは、本発明の締結具は、意図する目的を十分に達成するものである。というのは、正確、安全かつ迅速な組み立てが可能であり、レンズ破損の可能性を最小限に抑えることができるからである。
【0132】
また、本発明の締結具は、破損した場合、簡単に取り換えることができ、組み立て後、実質的にまわりから見えないようにすることができる。
【0133】
実施においては、使用材料は、特定用途ならびにその時々の形および寸法に適合する限り、必要とそのときの技術水準とに応じたものとすることができる。
【0134】
本出願は、イタリア特許出願第VI2008A000105号(2008年5月9日出願)、第VI2008A000132号(2008年6月4日出願)および第VI2008U000048号(2008年12月5日出願)の優先権を主張するものである。これらの出願明細書の記載事項を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明の締結具の斜視図である。
【図2】図1の締結具の側面図である。
【図3】本発明の締結具の使用例の部分断面側面図である。
【図4】図3の使用例の部分断面平面図である。
【図5】本発明の締結具のもう一つの実施形態の斜視図である。
【図6】図5の締結具の側面図である。
【図7】図5および6に示す締結具の使用例の部分断面側面図である。
【図8】図7の使用例の部分断面平面図である。
【図9】本発明の締結具のもう一つの実施形態の斜視図である。
【図10】図9の締結具の側面図である。
【図11】図9および10に示す締結具の使用例の部分断面側面図である。
【図12】図11の使用例の部分断面平面図である。
【図13】本発明の締結具のもう一つの実施形態の斜視図である。
【図14】図13の締結具の側面図である。
【図15】図13および14に示す締結具の使用例の部分断面側面図である。
【図16】図15の使用例の部分断面平面図である。
【図17】本発明の締結具のもう一つの実施形態の斜視図である。
【図18】図17の締結具の側面図である。
【図19】図17および18に示す締結具の使用例の部分断面側面図である。
【図20】図17および18に示す締結具の使用例のもう一つの部分断面側面図である。
【図21】本発明の締結具のもう一つの実施形態の斜視図である。
【図22】図21の締結具の側面図である。
【図23】本発明の締結具の一つの使用例における側面図である。
【図24】図23の締結具のもう一つの側面図である。
【図25】図24の締結具のもう一つの側面図である。
【図26】本発明の締結具のもう一つの使用例における側面図である。
【図27】図26の締結具のもう一つの側面図である。
【図28】図27の締結具のもう一つの側面図である。
【図29】本発明の締結具の斜視図である。
【図30】本発明の締結具のもう一つの実施形態の側面図である。
【図31】図30の締結具の一つの使用例における側面図である。
【図32】図31の締結具の平面図である。
【図33】本発明の締結具のもう一つの使用例における側面図である。
【図34】図33の締結具のもう一つの側面図である。
【図35】本発明の締結具のもう一つの使用例における側面図である。
【図36】図35の締結具のもう一つの側面図である。
【符号の説明】
【0136】
1 締結具
2 ステム
3 錐台形要素
4 底面
5 第一の延長部
10 リング
20 10の中心軸
30 2の軸線
50 第一の要素
51 貫通孔
52 切欠き
60 第二の要素
61 ピボット
70 丁番の要素
71 貫通孔
80 丁番の要素
81 貫通孔
101 締結具
103 第二の錐台形要素
104 底面
105 第二の延長部
201 締結具
202 ディスク要素
203 湾曲輪郭部分
220 202の中心軸
301 締結具
302 キャップ
320 302の軸線
401 締結具
403 ジャケット
501 締結具
502 ステム
503 ヘッド
504 錐台形要素
505 底面
506 延長部
550 第一の要素
551 第一の貫通孔
560 第二の要素
561 第二の貫通孔
601 締結具
602 ステム
603 ヘッド
604 錐台形要素
605 底面
606 延長部
610 受け口
650 レンズ
651 貫通孔
660 眼鏡フレーム
661 ピン
662 爪状突起
670 要素
671 貫通孔
680 要素
681 貫通孔
690 ねじ
700 装飾部
701 ピン
702 爪状突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
締結具特にレンズのための締結具であって、
結合すべき要素のうちの一つに形成された貫通孔に挿入するのに適した弾性変形できる細長い物体からなり、当該細長い物体が実質的に円柱形のステムを有し、当該ステムが大直径のヘッドを形成する第一の端と直列に配置された複数の錐台形要素を形成する第二の端とを有し、当該錐台形要素の底面が当該大直径のヘッドの方に向いており、当該第二の端が延長部に終わっており、当該大直径のヘッドの直径と当該底面の直径とが当該ステムの直径よりも大きいこと、
を特徴とする締結具。
【請求項2】
当該ヘッドが少なくとも一つの弾性変形できるリングを有し、当該リングの中心軸が当該ステムの軸線に対して直交していることを特徴とする請求項1に記載の締結具。
【請求項3】
当該ヘッドが、直列配置されていて第二の延長部に終わる第二の複数の錐台形要素を有し、当該第二の複数の錐台形要素の底面が同じ向きを向いていて、当該ステムよりも大きな直径を有し、当該第二の複数の錐台形要素が当該第一の複数の錐台形要素に対向するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の締結具。
【請求項4】
当該第二の複数の錐台形要素が実質的に当該第一の錐台形要素と同じであることを特徴とする請求項3に記載の締結具。
【請求項5】
当該ヘッドが、湾曲輪郭部分を備えたディスク要素を有し、当該部分の輪郭が当該ステムの横断面の輪郭と実質的に相補的であり、当該ディスク要素の中心軸が当該ステムの軸線に実質的に平行であることを特徴とする請求項1に記載の締結具。
【請求項6】
当該ヘッドが、実質的に円筒形の弾性変形できるキャップを有し、当該キャップの軸線が当該ステムの軸線に対して直交することを特徴とする請求項1に記載の締結具。
【請求項7】
当該ステムが実質的に剛性のジャケットを有し、当該ジャケットの直径が当該貫通孔の直径と実質的に等しいことを特徴とする請求項1に記載の締結具。
【請求項8】
当該ステムの直径が当該貫通孔の直径と実質的に等しいことを特徴とする請求項1から6の中のいずれか一つに記載の締結具。
【請求項9】
当該貫通孔にねじが切られていないことを特徴とする請求項1から8の中のいずれか一つに記載の締結具。
【請求項10】
当該ヘッドと当該第一の複数の錐台形要素の底面の少なくとも一つとの間の距離が結合すべき当該要素の厚さよりもわずかに小さいことを特徴とする請求項1から9の中のいずれか一つに記載の締結具。
【請求項11】
当該細長い物体が射出成形ポリウレタン樹脂によって一体に作られていることを特徴とする請求項1から10の中のいずれか一つに記載の締結具。
【請求項12】
当該細長い物体が実質的に透明の材料で作られていることを特徴とする請求項1から11の中のいずれか一つに記載の締結具。
【請求項13】
当該ステムの直径が当該貫通孔の直径と実質的に等しいことを特徴とする請求項1に記載の締結具。
【請求項14】
当該大直径のヘッドと当該底面の少なくとも一つとの間の距離が結合すべき当該要素の厚さの合計と実質的に等しいことを特徴とする請求項1に記載の締結具。
【請求項15】
当該大直径のヘッドの露出面に、表示、図、ロゴおよび任意の記号または装飾を備えることができることを特徴とする請求項1から14の中のいずれか一つに記載の締結具。
【請求項16】
当該細長い物体に当該物体の長さ方向に形成された受け口を有し、当該受け口が、第一の連結すべき要素から延びる細長い形の連結要素の収容に適していることを特徴とする請求項1に記載の締結具。
【請求項17】
当該受け口が、当該ヘッドに開口した実質的に円筒形の空洞を有し、当該実質的に円筒形の空洞が、当該連結要素の形状と実質的に相補的な形状と、当該ステムおよび少なくとも部分的に当該錐台形要素に影響を与えるような深さとを有することを特徴とする請求項16に記載の締結具。
【請求項18】
当該ステムの直径が、第二の当該連結すべき要素内に形成される、ねじを切られていない少なくとも一つの貫通孔の直径に実質的に等しいことを特徴とする請求項16または17に記載の締結具。
【請求項19】
当該ヘッドの直径が当該ステムの直径よりも大きいかまたはこれに等しいことを特徴とする請求項16に記載の締結具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公表番号】特表2011−520145(P2011−520145A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507836(P2011−507836)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【国際出願番号】PCT/EP2009/003289
【国際公開番号】WO2009/135679
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(510295734)
【Fターム(参考)】