説明

レンズ装置及び撮像装置

【課題】合成樹脂からなるレンズの温度を素早くかつ正確に検出することが可能なレンズ装置及び撮像装置を提供する。
【解決手段】本発明のレンズ装置は、合成樹脂からなる樹脂製レンズを有するレンズ装置であって、前記樹脂製レンズに固定された温度センサを具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂からなるレンズを具備するレンズ装置及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スチルカメラ及びビデオカメラ等の撮像装置に用いられるレンズを構成する材料として、合成樹脂が用いられることがある。合成樹脂からなるレンズは、成型によって形成すれば形状の選択の自由度が高く、また安価に作成することができる。
【0003】
しかし、合成樹脂からなるレンズは、ガラスからなるレンズに比して温度の変化に対する変形量が大きい(線膨張係数が高い)ため、撮像装置に用いた場合には、レンズの温度が変化することによって合焦距離が変化してしまう。
【0004】
このような問題に対し、例えば特開2005−91808号公報には、レンズを保持するレンズ鏡筒に温度センサを設け、温度センサの出力値に応じて、合焦距離を補正することによって、レンズを構成する材料に合成樹脂を用いた場合でも合焦を素早く行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−91808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特開2005−91808号公報に開示されている技術では、レンズ鏡筒に温度センサが固定されていることから、合成樹脂からなるレンズの温度を実際に検出する事ができない。このため、周囲の雰囲気の温度が急激に変化した場合のように、レンズ鏡筒とレンズとの間に温度差が生じてしまうと、レンズの変形量を正確に反映した動作を行うことができないため、合焦動作を素早く終えることができなくなってしまう。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、合成樹脂からなるレンズの温度を素早くかつ正確に検出することが可能なレンズ装置及び撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のレンズ装置は、合成樹脂からなる樹脂製レンズを有するレンズ装置であって、前記樹脂製レンズに固定された温度センサを具備することを特徴とする。また、本発明の撮像装置は、前記レンズ装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、合成樹脂からなるレンズの温度を素早くかつ正確に検出することが可能なレンズ装置及び撮像装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】撮像装置の前面側を示す斜視図である。
【図2】繰り出し状態にあるレンズ装置の断面図である。
【図3】沈胴状態にあるレンズ装置の断面図である。
【図4】第4群レンズ及び第4群レンズ枠を前方から見た図である。
【図5】図5のV-V断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の好ましい形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものであり、本発明は、これらの図に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、及び各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
【0012】
本発明に係る撮像装置100は、撮像レンズ及び撮像素子26を用いて光学像を電子的な画像データとして撮影し記録し得るように構成されたものである。なお、以下の説明において、撮像レンズの光軸を符号Oで表すものとする。また、光軸Oに沿う方向において、被写体側(物体側)を前方とし、結像側(像側)を後方とする。
【0013】
図1に示すように、本実施形態の撮像装置100は、略直方体形状の箱型状の筐体101を有する。撮像装置100の各機能を実現するための構成部材は、この筐体101内の所定の位置に収容されている。
【0014】
撮像装置100の前方側の面には、撮像レンズを保持する詳しくは後述するレンズ装置1及びストロボ発光部105が配設されている。本実施形態では、一例としてレンズ装置1は、光軸Oに沿う方向に伸縮可能であり、撮像装置100の非撮像動作時には撮像装置100の本体内に収容される、いわゆる沈胴式のレンズ鏡筒の構成を有する。
【0015】
ストロボ発光部105は、被写体を照明するための閃光を発するものである。ストロボ発光部105の構成は公知のものであるためその詳細な説明は省略するものとするが、概略的には、発光を行うキセノン管を具備して構成されている。また、ストロボ発光部105には、キセノン管から出射される光が撮像装置100の前方の所定の角度範囲に所定の強度分布で照射されるように、反射板やレンズ等が適宜に配設される。
【0016】
撮像装置100の上面には、電源スイッチ102、シャッターレリーズスイッチ103及びズームスイッチ104が配設されている。また、図示しないが、撮像装置100の後方の面には、画像表示装置が配設されている。
【0017】
また、撮像装置100の筐体101の内部には、撮像装置100の動作を制御するための電気回路を有する制御部110が配設されている。制御部110は、所定のプログラムに基づいて制御する装置であり、例えば演算装置、記憶装置及び入出力装置等を具備して構成されるコンピュータにより構成される。
【0018】
撮像装置100は、撮像レンズの合焦を自動で行うオートフォーカス動作を行うことができるように構成されている。本実施形態では、制御部110は撮像素子26によって得られる映像の所定の領域のコントラスト値を算出する画像処理部を具備して構成されている。撮像装置100は、該コントラスト値に基づいて後述するフォーカシングレンズである第4群レンズ24を移動させることによって合焦動作を行う、いわゆるコントラストAFを行うことが可能である。図示しないが、筐体101は、動力源である電源電池を内部に収容可能に構成されている。
【0019】
図2は、繰り出し状態(撮像動作時)のレンズ装置1の断面図を示している。また、図3は、沈胴状態(非撮像動作時)のレンズ装置1の断面図を示している。レンズ装置1は、第1群レンズ21、第2群レンズ22、第3群レンズ23及び第4群レンズ24からなる光学系部材を保持するように構成されている。なお、レンズ装置1に配設される光学系部材は、レンズに限られるものではなく、NDフィルタ等の光学フィルタ、及びプリズム等を含む形態であってもよい。
【0020】
レンズ装置1は、第1群レンズ21、第2群レンズ22、第3群レンズ23及び第4群レンズ24をそれぞれ保持し移動可能な枠部材である、第1群レンズ保持枠11、第2群レンズ保持枠12、第3群レンズ保持枠13及び第4群レンズ保持枠14を具備して構成されている。第1群レンズ保持枠11、第2群レンズ保持枠12、第3群レンズ保持枠13及び第4群レンズ保持枠14は、固定枠2に対して光軸O方向に相対的に移動可能である。また、レンズ装置1は、図示しない電動モータの駆動力によって光軸O周りに回転しながら光軸O方向に進退移動する回転枠4及びカム枠5と、光軸O周りの回転を規制された状態で光軸O方向に進退移動する移動枠3と、を具備して構成されている。
【0021】
固定枠2は、レンズ装置1を撮像装置に固定するために、撮像装置に固定される部材である。固定枠2は、略筒形状の部材であって、光軸Oを中心軸とした円筒面である内周面にカム溝2aが彫設されている。カム溝2aは、光軸Oに対して斜行するような所定のカムプロファイルを有して設けられている。固定枠2の外周部には、図示しない電動モータが固定されている。また、本実施形態では一例として、固定枠2の後方には、保持板27を介して例えばCCD又はCMOSセンサと称される形態の撮像素子26が固定されている。撮像素子26は、光軸Oに対して受光面が直交するように固定されている。撮像素子26の受光面は矩形状である。なお、撮像素子26は、撮像素子26を光軸Oに対して移動可能に保持するいわゆる像ブレ補正機構を介して固定枠2に固定される形態であってもよい。
【0022】
回転枠4は、固定枠2の内側に収まる略円筒形状の枠部材である。回転枠4は、固定枠2の内周部において、光軸O周りに回転可能かつ、光軸Oに沿って進退可能に配設されている。回転枠4の外周部には、固定枠2のカム溝2aに摺動可能に係合するカムフォロアが設けられている。移動枠3は、回転枠4の内側に収まる略円筒形状の枠部材である移動枠3は、回転枠4の内周部に、光軸O周りの回動が規制された状態で配設されている。移動枠3の内周面には、カム溝3aが彫設されている。カム溝3aは、所定のカムプロファイルを有して設けられている。
【0023】
回転枠4は、電動モータの駆動力によって、固定枠2に対して相対的に光軸O周りに回転駆動される。回転枠4は、カムフォロアと固定枠2のカム溝2aとの係合によって、光軸O周りの回転に伴って光軸Oに沿って進退移動する。
【0024】
カム枠5は、移動枠3の内側に収まる略円筒形状の枠部材である。カム枠5は、移動枠3の内周部において、光軸O周りに回転可能かつ、光軸Oに沿って進退可能に配設されている。カム枠5の外周部には、移動枠3のカム溝3aに摺動可能に係合するカムフォロアが設けられている。
【0025】
カム枠5の内周面には、カム溝5a及び5bと、図示しないレンズ退避用カム溝が彫設されている。また、カム枠5の外周面には、カム溝5cが彫設されている。カム溝5a、5b及び5cとレンズ退避用カム溝は、それぞれ所定のカムプロファイルを有して設けられている。
【0026】
カム枠5は、電動モータの駆動力によって、回転枠3と共に移動枠3に対して相対的に光軸O周りに回転駆動される。カム枠5は、カムフォロアと移動枠3のカム溝3aとの係合によって、光軸O周りの回転に伴って光軸Oに沿って進退移動する。
【0027】
第1群レンズ保持枠11は、第1群レンズ21を光軸O上に保持する略円筒形状の枠部材である。第1群レンズ保持枠11は、移動枠3の内側に収まり、かつカム枠5の外側に所定の隙間を有して嵌合している。第1群レンズ保持枠11は、光軸O周りの回転を規制され、かつカム枠5に対して相対的に光軸Oに沿って進退移動可能に配設されている。
【0028】
第1群レンズ保持枠11の内周面には、カム枠5のカム溝5cに摺動可能に係合するカムフォロアが設けられている。第1群レンズ保持枠11は、光軸O周りの回転を規制されていることから、カムフォロアとカム枠5のカム溝5cとの係合によって、カム枠5の回転に伴って光軸Oに沿って進退移動する。
【0029】
第2群レンズ保持枠12は、第2群レンズ22を第1群レンズ21よりも後方において光軸O上に保持し、カム枠5内にカム枠5の前方から収まる形状を有する枠部材である。第2群レンズ保持枠12は、光軸O周りの回転を規制され、かつカム枠5に対して相対的に光軸Oに沿って進退移動可能に配設されている。
【0030】
第2群レンズ保持枠12の外周部には、カム枠5のカム溝5aに摺動可能に係合するカムフォロアが設けられている。第2群レンズ保持枠12は、光軸O周りの回転を規制されていることから、カムフォロアとカム枠5のカム溝5aとの係合によって、カム枠5の回転に伴って光軸Oに沿って進退移動する。
【0031】
退避レンズ枠である第3群レンズ保持枠13は、レンズ装置1が繰り出し状態である場合に、第3群レンズ23を第2群レンズ23よりも後方において光軸O上に保持する枠部材である。詳しくは後述するが、図2に示すように、第3群レンズ保持枠13は、レンズ装置1が沈胴状態である場合に、光軸O上から退避するように配設されている。このように、本実施形態のレンズ装置1は、沈胴状態において第3群レンズ保持枠13を光軸O上から退避させることにより、沈胴状態時において、第2群レンズ保持枠12と第4群レンズ保持枠14との光軸O方向の距離を短縮することができ、沈胴状態におけるレンズ装置1の長さを短縮することができる。第3群レンズ保持枠13は、詳しくは後述するが、直進枠7によって保持されている。
【0032】
保持部材である直進枠7は、カム枠5内にカム枠5の後方から収まる形状を有する略円筒形状の枠部材である。直進枠7は、光軸O周りの回転を規制され、かつカム枠5に対して相対的に光軸Oに沿って進退移動可能に配設されている。
【0033】
直進枠7の外周面には、カム枠5のカム溝5bに摺動可能に係合するカムフォロアが設けられている。第1群レンズ保持枠11は、光軸O周りの回転を規制されていることから、カムフォロアとカム枠5のカム溝5cとの係合によって、カム枠5の回転に伴って光軸Oに沿って進退移動する。直進枠7は、光軸O周りの回転を規制されていることから、カムフォロアとカム枠5のカム溝5cとの係合によって、カム枠5の回転に伴って光軸Oに沿って進退移動する。第3群レンズ保持枠13は、この直進枠7の進退移動に伴って、光軸Oに沿って進退移動する。
【0034】
直進枠7は、第3群レンズ保持枠13の他に、第3群レンズ保持枠13の後方にシャッターユニット25及び後述する遮光羽根8を保持している。シャッターユニット25は、撮影光路を開閉するためのシャッター機能と、撮影光量の調整を行うための絞り機能を有して構成されている。
【0035】
シャッターユニット25には、シャッターユニット25の動作を制御する制御部110との電気的な接続を行うための、フレキシブルプリント配線基板(以下、FPCと称する)32が接続されている。
【0036】
直進枠7内には、光軸Oと略平行な円柱形状の図示しない摺動軸が設けられている。一方、シャッターユニット25には、摺動軸に摺動可能に嵌合する貫通孔が設けられている。シャッターユニット25は、直進枠7に対して相対的に光軸Oに沿って移動可能に配設されている。
【0037】
また、シャッターユニット25には、レンズ装置1の沈胴状態において、光軸O方向から見た場合に、第3群レンズ保持枠13と重なる領域に貫通孔25aが設けられている。レンズ装置1が繰り出し状態から沈胴状態へ移る場合には、シャッターユニット25は、第3群レンズ保持枠13に対して前方へ相対的に移動する。このとき、貫通孔25内に、第3群レンズ保持枠13の後端部が挿通される。このように、レンズ装置1の沈胴状態時に、第3群レンズ保持枠13の一部とシャッターユニット25の一部とを、光軸Oに直交する方向から見た場合に重なるようにすることによって、沈胴状態におけるレンズ装置1の長さを短縮することができる。
【0038】
第4群レンズ保持枠14は、第4群レンズ24をシャッターユニット25よりも後方において光軸O上に保持する枠部材である。第4群レンズ保持枠14は、光軸O周りの回転が規制された状態で光軸Oに沿って進退可能に配設されている。第4群レンズ枠14は、回転枠3を回転駆動する電動モータとは異なるアクチュエータによって、光軸Oに沿う方向に移動するように構成されている。
【0039】
第4群レンズ24は、フォーカシングレンズであり、撮像装置100の合焦動作時に、第4群レンズ保持枠14は光軸Oに沿って進退駆動される。第4群レンズ24は、合成樹脂を成型することによって形成された、いわゆるプラスチックモールドレンズである。
【0040】
樹脂製レンズである第4群レンズ24には、図4及び図5に示すように、温度センサ30が固定されている。温度センサ30は、FPC31を介して制御部110に電気的に接続されている。FPC31は、シャッターユニット25に接続されたFPC32と同じ部材から分岐する構成であってもよい。
【0041】
温度センサ30は、単体もしくは制御部110との組み合わせによって第4群レンズ24の温度を測定することが可能に構成された部材である。温度センサ30の構成は特に限定されるものではないが、本実施形態では一例として、温度センサ30は、第4群レンズ24の温度の変化に応じて電圧が変化する電圧信号を出力する構成を有する。制御部110は、この電圧信号の電圧値に基づいて、第4群レンズ24の温度を検出ことができる。なお、温度センサ30は、第4群レンズ24の温度の変化に応じて電気抵抗値が変化する、いわゆるサーミスタであってもよい。
【0042】
温度センサ30は、撮像素子26の受光面に結像される像に影響を及ぼさない位置において、第4群レンズ24に固定されている。言い換えれば、温度センサ30は、第4群レンズ24の結像に用いられる有効範囲の外において、第4群レンズ24に固定されている。
【0043】
本実施形態では、撮像素子26は矩形状の受光面を有しているため、図4に二点鎖線で示すように、光軸Oに沿う方向から見た場合に、第4群レンズ24の有効範囲24aは、光軸Oを中心とした略矩形状となる。このため、略矩形状の有効範囲24aの長辺から外側の領域が、一般に円形状である光学レンズにおいて、温度センサ30を固定するのに好適な場所となる。そこで、本実施形態では、温度センサ30は、略矩形状の有効範囲24aの一方の長辺から外側の領域において、第4群レンズ24に固定されている。
【0044】
なお、図4に示すように、第4群レンズ24は、光軸Oに沿う方向から見た場合に、略矩形状の有効範囲24aの他方の長辺の外側において、当該長辺に平行な平面で外形を切り落とした略D字形状を有している。このように、第4群レンズ24の一部が切り落とされた形状であるのは、沈胴状態において、第3群レンズ保持枠14を避けるためである。
【0045】
なお、第4群レンズ24に温度センサ30を固定する位置は、有効範囲24aの外側であればよく、本実施形態に限られるものではない。例えば、第4群レンズ24の有効範囲24aの短辺の外側の領域に、温度センサ30が固定される形態であってもよいし、また第4群レンズ24の側面に固定される形態であってもよい。
【0046】
なお、撮像装置100が、撮像素子26を光軸Oに対して移動可能に保持する像ブレ補正機構を具備する場合には、有効範囲26の形状及び大きさは、撮像素子26の移動範囲を考慮して定められる。
【0047】
また、温度センサ30を第4群レンズ24に固定する構成は特に限定されるものではないが、本実施形態では一例として、温度センサ30は、第4群レンズ24の前方の面に形成された凹部24bの内部に、接着剤によって固定されている。このような構成にすることによって、第4群レンズ24の表面から温度センサ30が突出することがないため、温度センサ30によってレンズ装置1の小型化が妨げられることがない。
【0048】
なお、第4群レンズ24は、樹脂成形によって形成されるものであることから、温度センサ30は、第4群レンズ24の成型時に、有効範囲24aの外側となる場所に埋め込むことによって、第4群レンズ24に固定される構成であってもよい。
【0049】
以上のような構成を有する撮像装置100では、合成樹脂からなる第4群レンズ24に、直接、温度センサ30が固定されているため、制御部110は、温度センサ30の出力に基づいて第4群レンズ24自体の温度を正確に検出することができる。このため、制御部110は、検出した第4群レンズ24の温度に基づいて、合焦動作時に第4群レンズ24を駆動することによって、素早くかつ正確に合焦動作を終えることが可能となる。
【0050】
なお、上述した実施形態では、レンズ装置1は撮像装置100と一体である構成を有しているが、レンズ装置1は撮像装置100に着脱可能な構成であってもよい。また、上述した実施形態では、温度センサ30は第4群レンズ24のレンズ面に固定されているが、レンズがコバを有する形状である場合には、コバに温度センサ30が固定される構成であってもよい。
【0051】
なお、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うレンズ装置及び撮像装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に係るレンズ装置は、実施形態で説明した撮像装置に限らず、フィルムカメラのレンズ装置にも適用可能である。また、本発明に係る撮像装置は、上述の実施形態で説明した撮像装置の形態に限らず、撮像機能を備えた録音機器、携帯電話、PDA、パーソナルコンピューター、ゲーム機、デジタルメディアプレーヤー、テレビ、GPS、時計等の電子機器にも適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 レンズ装置、
2 固定枠、
3 移動枠、
4 回転枠、
5 カム枠、
7 直進枠、
8 遮光羽根、
9 付勢部材、
10 回動軸、
11 第1群レンズ保持枠、
12 第2群レンズ保持枠、
13 第3群レンズ保持枠(退避レンズ枠)、
14 第4群レンズ保持枠、
21 第1群レンズ、
22 第2群レンズ、
23 第3群レンズ、
24 第4群レンズ(樹脂製レンズ)、
24a 第4群レンズの有効範囲、
24b 凹部、
25 シャッターユニット、
26 撮像素子、
27 保持板、
30 温度センサ、
31 フレキシブルプリント配線基板(FPC)、
32 フレキシブルプリント配線基板(FPC)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂からなる樹脂製レンズを有するレンズ装置であって、
前記樹脂製レンズに固定された温度センサを具備することを特徴とするレンズ装置。
【請求項2】
前記温度センサは、前記樹脂製レンズの有効範囲の外側に固定されることを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項3】
前記有効範囲は略矩形であって、前記温度センサは、前記有効範囲の一方の長辺の外側に固定されることを特徴とする請求項2に記載のレンズ鏡筒。
【請求項4】
前記温度センサは、前記樹脂製レンズの表面よりも前記樹脂製レンズの内側に固定されることを特徴とする請求項2又は3に記載のレンズ装置。
【請求項5】
前記温度センサは、前記樹脂製レンズの表面に形成された凹部内に固定されることを特徴とする請求項4に記載のレンズ装置。
【請求項6】
前記樹脂製レンズは成型によって形成されるものであって、
前記温度センサは、前記樹脂製レンズの成型時に、前記樹脂製レンズ内に埋め込まれることを特徴とする請求項4に記載のレンズ装置。
【請求項7】
前記請求項1から6のいずれか一項に記載のレンズ装置を備えた撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−18364(P2012−18364A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157171(P2010−157171)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】