レーザベースの位置合わせツール
【課題】位置合わせのインジケーションを投影するための好適な装置および方法を提供すること。
【解決手段】
本発明は、第1の出力ビームと、第1の出力ビームに対して実質的に垂直である第2の出力ビームとを形成することを特徴とする。第1の出力ビームは水平を示し、第2の出力ビームは鉛直を示し、第1および第2の出力ビームは合わせて直角を示す。本発明はさらに、水平および鉛直方向の精度が損なわれるほどに、装置が傾斜したときに指示を出す、エラーインジケータと、該エラーインジケータを無効化し、それによって、出力ビームが少なくとも直角の位置合わせを示すために使用され得る、オーバーライドとを特徴とする。
【解決手段】
本発明は、第1の出力ビームと、第1の出力ビームに対して実質的に垂直である第2の出力ビームとを形成することを特徴とする。第1の出力ビームは水平を示し、第2の出力ビームは鉛直を示し、第1および第2の出力ビームは合わせて直角を示す。本発明はさらに、水平および鉛直方向の精度が損なわれるほどに、装置が傾斜したときに指示を出す、エラーインジケータと、該エラーインジケータを無効化し、それによって、出力ビームが少なくとも直角の位置合わせを示すために使用され得る、オーバーライドとを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平、鉛直、および/または直角を示すためのレーザベースのツールに関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、建築および内装工事においては、水平、鉛直、および直角の位置合わせを示すことができる、携帯型装置が有用とされてきた。レーザ技術の出現によって、水平および鉛直、ならびに水平、鉛直、および直角の位置合わせを示すことができる、携帯型レーザ放射装置の使用が、見られるようになった。
【0003】
一部の従来技術のツールでは、位置合わせは、ビームが投影される表面上に光の点、すなわち「スポット」を形成する、ビームによって示される。一部の従来技術のツールでは、2つ以上の対向する位置合わせされたスポットの間に、見えない「線」を推測して、位置合わせ線を提供することができる。他のツールは、ビームが投影される表面上に直線の像を形成するビームによって、位置合わせを示す。すなわち、ビームは、直線状の位置合わせビームを投影する。
【0004】
このような装置は、一般的に、非水平表面から操作されたときの誤差を避けるために、ある種の傾斜補償機構または自己水平調節機構を必要とする。しかしながら、傾斜補償機構または自己水平調節機構を用いても、この種のツールは、一般的に、水平に対するツールの傾斜のある範囲内でのみ、水平および鉛直を正確に示すことができる。ユーザが、誤った位置合わせのインジケーションに不注意に頼らないようにするために、一部のツールは、ユーザがツールを所定の傾斜範囲外で使用しようとするときには、例えば位置合わせビームの投影を止めるか、または位置合わせビームを点滅させることによって、ユーザにインジケーションを提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、位置合わせ線を投影するための装置および方法を提供する。概して、一局面では、本発明は、位置合わせのインジケーションを投影するための装置を特徴とする。装置は、ハウジングと、投影ユニットと、投影ユニットの振り子運動を減衰する減衰器とを含む。投影ユニットは、水平、鉛直、および直角を示す出力ビームを投影するように、ハウジング内に振り子状に懸架され、鉛直投影モジュールおよび水平投影モジュールを含む。鉛直および水平投影モジュールのそれぞれは、(1)コリメータに入射するレーザビームを放射するレーザ発光ダイオードと、(2)レーザビームをコリメートビームにコリメートし、かつコリメートビームを平面反射面に投影するように構成されたコリメータと、(3)コリメータから投影されたコリメートビームの経路に対して約45°に配向され、かつコリメートビームの経路の向きを約90°変えて、部分円錐形反射面へと向けるように構成された平面反射面と、(4)円錐の外面の約180°の部分で形成され、向きを変えられたコリメートビームを反射して、約180°の扇形出力ビームとするように構成された部分円錐形反射面とを含む。鉛直投影モジュールは、実質的に鉛直の出力ビームを発生し、水平投影モジュールは、実質的に水平の出力ビームを発生し、鉛直および水平の出力ビームは、ハウジングから異なる方向に、一般に垂直関係にある方向に投影される。出力ビームは、水平、鉛直および直角の位置合わせを示すために使用され得る。
【0006】
本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。鉛直投影モジュールおよび水平投影モジュールは、鉛直出力ビームおよび水平出力ビームの両方が装置の同じ面から発するように、装置内に配置され得る。各コリメータは非球面レンズとすることができ、各コリメートビームは楕円形状の断面を有し得る。装置は、投影ユニットのレーザ発光ダイオードに電力を提供する、少なくとも1つのバッテリをさらに含み得る。
【0007】
装置は、水平および鉛直方向の精度が損なわれる程度にハウジングが傾斜したときには、それを示すエラーインジケータと、エラーインジケータを無効化し、それによって、出力ビームが少なくとも直角の位置合わせを示すために使用できるようにする、オーバーライドとを含み得る。エラーインジケータは、鉛直および水平出力ビームの投影を中断し得る。エラーインジケータは、ハウジングが任意の方向に水平から約±4〜9度の範囲内で傾斜したときに、水平および鉛直方向の精度が損なわれる程度にハウジングが傾斜したことを示し得る。別の実施形態では、エラーインジケータは、ハウジングが任意の方向に水平から約9度を超えて傾斜したときに、水平および鉛直方向の精度が損なわれる程度にハウジングが傾斜したことを示す。オーバーライドは、ユーザの入力に応答して、エラーインジケータを無効化するデジタル回路網を含み得る。
【0008】
減衰器は、ハウジング内の投影ユニットの下に載置された磁石と、投影ユニットから堅固に懸架された減衰板とを含み得、減衰板は磁石の上に配置され、両者の間の間隙は、磁石の上の減衰板の運動によって減衰板内に渦電流が発生するように、十分小さく保持される。
【0009】
装置は、ユーザ入力を受信するように構成されたユーザインターフェースをさらに含み得、第1のユーザ入力に応答して、投影ユニットは、水平を示すために用いられ得る水平出力ビームを投影し、第2のユーザ入力に応答して、投影ユニットは、水平出力ビームに対して一般に垂直な関係を有する鉛直出力ビームを投影し、それによって、鉛直出力ビームは鉛直を示すために使用され得、第3のユーザ入力に応答して、投影ユニットは、水平および鉛直出力ビームを同時に投影し、それによって、出力ビームは、水平、鉛直、および直角を同時に示すために使用され得、第4のユーザ入力に応答して、オーバーライドが使用されてエラーインジケータを無効化し、投影ユニットは、水平および鉛直出力ビームを同時に投影し、それによって、出力ビームは、少なくとも直角を示すために使用され得る。
【0010】
鉛直投影モジュールは、ハウジングの鉛直軸に対して角度γでハウジングに対して載置され得、その結果として、鉛直投影モジュールからの約180°の扇形出力ビームは、鉛直方向からおよそ角度γだけ回転される。一実施形態では、角度γは、約15°である。別の実施形態では、鉛直投影モジュール内に含まれるレーザ発光ダイオードが、そこから放射されるレーザビームが鉛直方向に対して角度γに配向された楕円の長軸を有する実質的に楕円形の断面を有するように、配向され、その結果として、約180°の扇形出力ビームは、鉛直方向からおよそ角度γだけ回転される。
【0011】
概して、別の局面では、本発明は、位置合わせのインジケーションを投影するための方法を特徴とする。方法は、第1のレーザビームおよび第2のレーザビームを投影するステップと、第1のレーザビームを第1のコリメートビームにコリメートし、第2のレーザビームを第2のコリメートビームにコリメートするステップとを含む。第1のコリメートビームは、第1の平面反射面に入射し、約90°向きを変えられて約180°の第1の部分円錐形反射面に向けられ、第1の方向に反射されて約180°の扇形第1出力ビームを形成する。第2のコリメートビームは、第2の平面反射面に入射し、約90°向きを変えられて約180°の第2の部分円錐形の反射面に向けられ、第2の方向に反射されて約180°の扇形第2出力ビームを形成する。第1出力ビームは水平を示し、第2出力ビームは鉛直を示し、第1および第2出力ビームは合わせて直角を示す。
【0012】
本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。方法は、水平および鉛直のそれぞれのインジケータとしての第1および第2出力ビームの、精度におけるエラーを示すためのエラーインジケータを提供するステップと、第1および第2出力ビームが少なくとも直角を示すために使用され得るように、エラーインジケータを無効化するステップとを、さらに含み得る。出力ビームは、実質的に直線の像で投影され得る。
【0013】
概して、別の局面では、本発明は、位置合わせのインジケーションを投影するための装置を特徴とし、該装置は、ハウジングと、投影ユニットと、投影ユニットの振り子運動を減衰するための減衰器とを含む。投影ユニットは、少なくとも1つの出力ビームを投影するように、ハウジング内に振り子状に懸架される。投影ユニットは、少なくとも1つの投影モジュールを含み、該モジュールは、(1)コリメータに入射するレーザビームを放射するレーザ発光ダイオードと、(2)レーザビームをコリメートビームにコリメートし、かつコリメートビームを平面反射面に投影するように構成されたコリメータと、(3)コリメータから投影されたコリメートビームの経路に対して約45°の角度で配向され、かつコリメートビームの経路の向きを約90°変えて、部分円錐形反射面へと向けるように構成された平面反射面と、(4)円錐の外面の約180°の部分から形成され、かつ向きを変えられたビームを反射して、約180°の扇形出力ビームとするように構成された部分円錐形反射面と、を含む。
【0014】
該装置の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。レーザ発光ダイオードは、実質的に楕円形の断面を有するレーザビームを放射し得る。コリメータは、非球面レンズであり得る。
【0015】
概して、別の局面では、本発明は、レーザ投影モジュールを特徴とする。レーザ投影モジュールは、レーザ発光ダイオードと、コリメータと、平面反射面と、部分円錐形反射面とを含む。レーザ発光ダイオードは、コリメータに入射するレーザビームを放射する。コリメータは、レーザビームをコリメートビームにコリメートし、かつコリメートビームを平面反射面に投影するように構成される。平面反射面は、コリメータから投影されたコリメートビームの経路に対して約45°の角度で配向され、かつコリメートビームの経路の向きを約90°変えて、部分円錐形反射面へと向けるように構成される。部分円錐形反射面は、円錐の外面の約180°の部分から形成され、かつ向きを変えられたビームを反射して、約180°の扇形出力ビームとするように構成される。
【0016】
本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。レーザ発光ダイオードは、実質的に楕円形の断面を有するレーザビームを放射し得る。コリメータは、非球面レンズであり得る。平面反射面は、平面鏡であり得る。
【0017】
本発明は、以下の1つ以上の利点を実現するために実装され得る。レーザビーム経路の向きを変えるための平面反射面を、円錐形反射面と関連して使用することで、ツールは、必要な設置面積を比較的小さくしたままで、所望の機能性を提供することができる。ツールは、コンパクトかつ軽量な構成で実装され得、ユーザは、片手でそれを操作することができ、空いている方の手で位置合わせマークを付し、限定された空間(例えば、窓および戸口)での使用を容易にする。加えて、ツールは、より長く投影された位置合わせ像(すなわち、例えば壁の上に投影された、鉛直線および水平直線)を提供する、約180°の扇形出力ビームを提供する。
【0018】
従来技術のレーザ位置合わせツールは、一般的に、製造中および組み立て後に、モジュール内のダイオードと光学要素との間の正確な調整を必要とした。本明細書に記載された位置合わせツールの組み立ては、例えば、鉛直および水平投影モジュールを相互に垂直に、かつ水平および鉛直に設定するための、一部の調整を必要とするが、一部の従来技術のツールに対して必要とされる、いくぶん時間のかかる調整の必要性が軽減される。レーザ位置合わせツールは、ユーザが、ツールが有効に機能しないことを知ることで、水平、鉛直、および直角の位置合わせを正確に示すようにツールを操作できるようにする、エラーインジケータを含み、あるいは、水平および鉛直の位置合わせのインジケーションが不正確になり得るようにツールが置かれた場合には、ユーザはそれを通知される。ユーザは、エラーインジケータを無効化する選択肢を有し、ツールが、水平および鉛直を正確に示さない位置を含む、事実上任意の位置にあるときにも、直角の位置合わせを示すためにツールを使用できる。
【0019】
本発明は、さらに、以下の項目も提供する。
(項目1)
位置合わせのインジケーションを投影するための装置であって、該装置は、
ハウジングと、
水平、鉛直、および直角を示す出力ビームを投影するために、該ハウジング内に振り子状に懸架された投影ユニットであって、該投影ユニットは鉛直投影モジュールおよび水平投影モジュールを含み、該鉛直および水平投影モジュールのそれぞれは、
コリメータに入射するレーザビームを放射するための、レーザ発光ダイオードと、
該レーザビームをコリメートビームにコリメートし、かつ該コリメートビームを平面反射面に投影するように構成された、コリメータと、
該コリメータから投影された該コリメートビームの経路に対して約45°に配向され、かつ該コリメートビームの該経路の向きを約90°変えて、部分円錐形反射面へと向けるように構成された、平面反射面と、
円錐の外面の約180°の部分から形成され、かつ該向きを変えられたコリメートビームを反射して約180°の扇形出力ビームとするように構成された、部分円錐形反射面とを含み、
該鉛直投影モジュールは、実質的に鉛直の出力ビームを生成し、該水平投影モジュールは、実質的に水平の出力ビームを生成し、該鉛直および水平の出力ビームは該ハウジングから、一般に互いに垂直の位置関係をなす異なる方向に投影され、それによって、該出力ビームは、水平、鉛直、および直角の位置合わせを示すために使用され得る、投影ユニットと、
該投影ユニットの振り子運動を減衰するための、減衰器と、
を備える、装置。
(項目2)
前記鉛直投影モジュールおよび前記水平投影モジュールは、前記鉛直出力ビームおよび前記水平出力ビームの両方が前記装置の同じ面から放射されるように、該装置内に配置される、項目1に記載の装置。
(項目3)
各コリメータは非球面レンズであり、各コリメートビームは楕円形状の断面を有する、項目1に記載の装置。
(項目4)
前記投影ユニットのレーザ発光ダイオードに電力を提供するための、少なくとも1つのバッテリをさらに備える、項目1に記載の装置。
(項目5)
水平および鉛直方向の精度が損なわれるほどに、前記ハウジングが傾斜したときに指示を出す、エラーインジケータと、
該エラーインジケータを無効化し、それによって、前記出力ビームが少なくとも直角の位置合わせを示すために使用され得る、オーバーライドと、
をさらに備える、項目1に記載の装置。
(項目6)
前記エラーインジケータは、前記鉛直および水平出力ビームの投影を中断する、項目5に記載の装置。
(項目7)
前記エラーインジケータは、前記ハウジングが任意の方向に、水平から約±4〜9度の範囲内で傾斜したときに、水平および鉛直方向の精度が損なわれるほどに該ハウジングが傾斜していることを示す、項目5に記載の装置。
(項目8)
前記エラーインジケータは、前記ハウジングが任意の方向に、水平から約9度を超えて傾斜したときに、水平および鉛直方向の精度が損なわれるほどに該ハウジングが傾斜していることを示す、項目5に記載の装置。
(項目9)
前記オーバーライドは、ユーザの入力に応答して前記エラーインジケータを無効化するための、デジタル回路網を含む、項目5に記載の装置。
(項目10)
前記減衰器は、前記ハウジング内の前記投影ユニットの下に載置された磁石と、該投影ユニットから堅固に懸架された減衰板とを含み、該減衰板は該磁石の上に配置され、該磁石の上での該減衰板の運動によって該減衰板内に渦電流が生成されるように、これらの間に十分小さな間隙が保持される、項目1に記載の装置。
(項目11)
ユーザ入力を受信するように構成されたユーザインターフェースをさらに備える、項目1に記載の装置であって、
第1のユーザ入力に応答して、前記投影ユニットは、水平を示すために使用され得る水平出力ビームを投影し、
第2のユーザ入力に応答して、該投影ユニットは、該水平出力ビームに対して一般に垂直の位置関係を有する鉛直出力ビームを投影し、それによって、該鉛直出力ビームは鉛直を示すために使用され得、
第3のユーザ入力に応答して、該投影ユニットは、該水平および鉛直出力ビームを同時に投影し、それによって、該出力ビームは水平、鉛直、および直角を同時に示すために使用され得、
第4のユーザ入力に応答して、オーバーライドがエラーインジケータを無効化するために使用され、該投影ユニットは、該水平および鉛直出力ビームを同時に投影し、それによって、該出力ビームは少なくとも直角を示すために使用され得る、
装置。
(項目12)
前記鉛直投影モジュールは、前記ハウジングの鉛直軸に対する角度γで該ハウジングに載置され、前記鉛直投影モジュールからの前記約180°の扇形出力ビームは、鉛直方向からおよそ角度γだけ回転される、項目1に記載の装置。
(項目13)
前記角度γは約15°である、項目12に記載の装置。
(項目14)
前記鉛直投影モジュール内に含まれる前記レーザ発光ダイオードは、そこから放射される前記レーザビームが実質的に楕円形の断面を有するように配向され、該楕円形の長軸は、前記約180°の扇形出力ビームを鉛直方向からおよそ角度γだけ回転させるために、鉛直方向に対して該角度γで配向される、項目1に記載の装置。
(項目15)
位置合わせのインジケーションを投影するための方法であって、該方法は、
第1のレーザビームおよび第2のレーザビームを投影するステップと、
該第1のレーザビームを第1のコリメートビームにコリメートし、かつ該第2のレーザビームを第2のコリメートビームにコリメートするステップであって、
該第1のコリメートビームは、第1の平面反射面に入射し、約90°向きが変えられて約180°の第1の部分円錐形反射面に向けられ、第1の方向に反射されて約180°の扇形第1出力ビームを形成し、
該第2のコリメートビームは、第2の平面反射面に入射し、約90°向きが変えられて約180°の第2の部分円錐形反射面に向けられ、第2の方向に反射されて約180°の扇形第2出力ビームを形成する、
ステップと、を包含し、
該第1出力ビームは水平を示し、該第2出力ビームは鉛直を示し、該第1および第2出力ビームは合わせて直角を示す、
方法。
(項目16)
水平および鉛直のそれぞれのインジケータとしての、前記第1および第2出力ビームの精度におけるエラーを示すための、エラーインジケータを提供するステップと、
該第1および第2出力ビームが少なくとも直角を示すために使用され得るように、該エラーインジケータを無効化するステップと、
をさらに包含する、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記出力ビームは、実質的に直線の像として投影される、項目15に記載の方法。
(項目18)
位置合わせのインジケーションを投影するための装置であって、該装置は、
ハウジングと、
少なくとも1つの出力ビームを投影するために、該ハウジング内に振り子状に懸架された投影ユニットであって、該投影ユニットは少なくとも1つの投影モジュールを含み、該少なくとも1つの投影モジュールは、
コリメータに入射するレーザビームを放射するための、レーザ発光ダイオードと、
該レーザビームをコリメートビームにコリメートし、かつ該コリメートビームを平面反射面に投影するように構成された、コリメータと、
該コリメータから投影された該コリメートビームの経路に対して約45°に配向され、かつ該コリメートビームの該経路の向きを約90°変えて、部分円錐形反射面へと向けるように構成された、平面反射面と、
円錐の外面の約180°の部分から形成され、かつ該向きを変えられたコリメートビームを反射して約180°の扇形出力ビームとするように構成された、部分円錐形反射面とを含む、投影ユニットと、
該投影ユニットの振り子運動を減衰するための、減衰器と、
を備える、装置。
(項目19)
前記レーザ発光ダイオードは、実質的に楕円形の断面を有するレーザビームを放射し、
前記コリメータは、非球面レンズである、
項目18に記載の装置。
(項目20)
コリメータに入射するレーザビームを放射するための、レーザ発光ダイオードと、
該レーザビームをコリメートビームにコリメートし、かつ該コリメートビームを平面反射面に投影するように構成された、コリメータと、
該コリメータから投影された該コリメートビームの経路に対して約45°に配向され、かつ該コリメートビームの該経路の向きを約90°変えて、部分円錐形反射面へと向けるように構成された、平面反射面と、
円錐の外面の約180°の部分から形成され、かつ該向きを変えられたコリメートビームを反射して約180°の扇形出力ビームとするように構成された、部分円錐形反射面と、
を備える、レーザ投影モジュール。
(項目21)
前記レーザ発光ダイオードは、実質的に楕円形の断面を有するレーザビームを放射する、項目20に記載のレーザ投影モジュール。
(項目22)
前記コリメータは、非球面レンズである、項目20に記載のレーザ投影モジュール。
(項目23)
前記平面反射面は、平面鏡である、項目20に記載のレーザ投影モジュール。
本発明の1つ以上の実施形態の詳細が、添付の図面および以下の説明の中に記載される。本発明の他の特徴および利益は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、レーザベースのツールおよび2つの出力ビームの概略図である。
【図2A】図2Aは、片側に傾斜した図1のレーザベースのツールの正面図である。
【図2B】図2Bは、一端に傾斜した図1のレーザベースのツールの側面図である。
【図3】図3は、位置合わせ線を床面上に投影する、レーザベースのツールの概略図である。
【図4】図4は、図1のレーザベースのツールの背面図である。
【図5A】図5Aは、レーザベースのツールの支持フレームを示す図である。
【図5B】図5Bは、レーザベースのツールの支持フレームを示す図である。
【図5C】図5Cは、レーザベースのツールの投影ユニットを示す図である。
【図6】図6は、2つの出力ビームの概略図を含む、図1のレーザベースのツールの側面図である。
【図7】図7は、水平投影モジュールの分解図である。
【図8】図8Aおよび図8Bは、図7に示された水平投影モジュール内の、レーザビームの経路の概略図である。
【図9A】図9Aは、鉛直投影モジュール内の、レーザビームの経路の概略図である。
【図9B】図9Bは、ある角度で載置された鉛直投影モジュール内の、レーザビームの経路の概略図である。
【図10】図10Aおよび図10Bは、投影モジュール内のレーザビームの経路の概略図である。
【図11A】図11Aは、投影ユニットおよび支持フレームの一部を示す図である。
【図11B】図11Bは、投影ユニットおよび支持フレームの一部を示す図である。
【図12】図12A〜図12Cは、それぞれレーザベースのツールの上面図、正面図、および側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
異なる図面の中の同じ参照符号は、同じ要素を示す。
【0022】
図1を参照すると、水平、鉛直、および直角の位置合わせを示すことができるレーザ位置合わせツール100が示されている。ツール100は、窓116を有するハウジング102を含み、窓から出力ビーム118、120が投影される。ビーム118、120は、互いに実質的に垂直に配置され、それぞれ鉛直および水平の位置合わせインジケータを形成する。一実施形態では、位置合わせインジケータは、出力ビームが投影される表面上の実質的に直線の像であり得る。別の実施形態では、位置合わせインジケータは、出力ビームが投影される表面上の光の点であり得る。代替案として、2つ以上の光の点が投影され得、仮想直線によって結ばれ、この直線は位置合わせ線であり、光の点は、位置合わせインジケータとして使用される。
【0023】
鉛直位置合わせインジケータ118は、鉛直を示すために使用され得、水平位置合わせインジケータ120は、水平を示すために使用され得、位置合わせインジケータ118、120の両方は、直角を示すために使用され得る。示された実施形態では、ハウジングは、上壁104と、基部106と、側壁108、110と、後壁112と、前壁114とを含む。前壁114と、側壁108、110の一部と、上壁104の一部とは、窓116を含む。示された実施形態では、窓116は、複数の面にわたって延在し、鉛直および水平出力ビーム118、120の両方が、ツールの単一の面から放射される。曲線的な壁を含むハウジング、円筒形のハウジング、または異なって構成された窓116(例えば、1つ以上の円形状の窓)のような、他の実施形態が可能である。
【0024】
ツール100は、出力ビーム118、120を投影するための投影システムまたはユニットを含み、出力ビームを投影するための光源およびすべての必要な光学的要素が、互いに固定した関係で、好ましくは単一のユニットとして載置される。自己水平化機能部は、例えばジンバルマウントによって、または従来技術で公知のばねまたはワイヤフレキシャによるような、他の振り子状懸架方法によって、支持フレームから振り子状に懸架した投影ユニットを含む。一実施形態では、サーボモータによって駆動され、1つ以上のセンサによって制御される、自己位置合わせプラットフォームが使用され得る。ツール100は、好ましくは基部106を実質的に水平な面上に置くことによって操作されるが、しかしながら、自己水平化機能部は、ツール100が水平からある程度の範囲内で傾斜したときにも、正確な水平および鉛直の位置合わせインジケータを与えることができ、本明細書ではこの範囲を「確度範囲(accuracy range)」と称する。
【0025】
図2Aおよび図2Bを参照すると、図2Aには、水平面126から角度θで側方に傾斜したツール100が示され、図2Bには、水平面126から角度θで前後方向に傾斜したツール100が示されている。確度範囲は、ツール100が正確な水平なおよび鉛直位置合わせインジケータを提供することができる角度θの範囲を意味し、ツール100の幾何学的形状に部分的に依存する。示された実施形態では、ツール100は、人の手のひらに無理なく適合するようにサイズ設定され、確度範囲は、約0°と、水平から約4〜7度の範囲内の、±の最大傾斜との間である。しかしながら、より大きなハウジングを有する別の実施形態では、例えば、確度範囲は水平から約±0〜9度であり得る。
【0026】
ツール100は、ツール100が水平から確度範囲を超えて傾斜し、それによって、水平および鉛直位置合わせインジケータ118、120の完全性が損なわれるときには、ユーザに通知するように作動するエラーインジケータを含み得る。エラーインジケータは遮断機構を含み得、遮断機構は、ハウジングが確度範囲を超えて傾斜したことを感知すると、レーザ発光ダイオードへの電力を遮断して、出力ビームの投影を中止する。このような遮断機構の実施例は、William Herseyへの米国特許第5,144,487号(1992年9月1日発行)、名称「Portable Laser Device for Alignment Tasks」に記載されており、その内容全体が、本明細書において参考として援用される。このようにして、ユーザは、ツール100が確度範囲を超えて傾斜したことを通知され、ツール100は有効に機能せず、かくして、不正確な水平および鉛直位置合わせインジケータを不用意に使用できなくなる。遮断機構のさらなる実施例は、図11を参照して以下に説明される。別の実施形態では、エラーインジケータは、出力ビームを点滅させる機構であり得る。
【0027】
ツール100が確度範囲を超えて傾斜したときには、位置合わせインジケータ118、120は水平および鉛直を正確に示すことができないが、それでもインジケータ118、120は合わせて、直角位置合わせを正確に示し得る。すなわち、位置合わせインジケータ118、120は、相互の垂直的な関係を保持しており、真の水平または真の鉛直を示さないものの、それでも正しい90°の角度を示し得る。上述のエラーインジケータの欠点は、ツール100がいったん確度範囲を超えると有効に機能せず、それ故に、ユーザは、直角位置合わせを示すために確度範囲外でツール100を使用するという選択肢を行使できないことである。
【0028】
ツール100が確度範囲を超えたときにも、ユーザが、直角位置合わせを示すためにツール100を使用できるように、ツール100は、オーバーライド機構をさらに含み、ユーザがエラーインジケータを無効化できるようにする。したがって、ツール100は、水平および鉛直位置合わせインジケータのみに関連する確度範囲とは関係なく、事実上任意の位置にあっても、直角位置合わせを示すために使用され得る。図3を参照すると、確度範囲を超えて傾斜したときの、ツール100の使用法が例示されている。この実施例では、ユーザは、床面上に互いに直角にタイルを敷設するために、床130上に投影される直角位置合わせインジケータを必要とする。エラーインジケータを無効化することによって、ツール100は水平から90°傾斜され得、その結果として、窓116は床130と実質的に平行となり、出力ビーム118、120は床130に向けられ、床面上に直角位置合わせインジケータ132、134を提供する。照明器具を取り付けるために天井に位置合わせインジケータを投影するというような、例えば、建築および内装工事における様々な他の用途がまた、考えられる。
【0029】
一実施形態では、ツール100は、ユーザと情報をやりとりするための、ユーザフレンドリなインターフェースを含み得る。図4を参照すると、ツール100の後壁112が示されている。後壁は、ボタン140およびライト142を含む傾斜部分138を有する。この実施形態では、ユーザは、以下のようにツール100を操作することができる。ツール100の電源が切られ、ライト142は消灯して、ツール100がオフの状態にあることを示すところから始める。最初にボタン140を押すと、ツール100の電源が入り、水平方向の直線出力ビーム120を投影し、水平位置合わせインジケータを提供し、エラーインジケータが起動する。ライト142が緑色に点灯して、電源がオンであり、エラーインジケータが起動されたことを示す。
【0030】
再度ボタン140を押すと、水平出力ビーム120が消えて、鉛直方向の直線出力ビーム118を投影し、鉛直位置合わせインジケータを提供する。ライト142は緑色の点灯を続け、電源がオンであり、エラーインジケータが起動されたことを示す。
【0031】
三たびボタン140を押すと、水平方向の直線出力ビーム120がオンになり、両方の出力ビームを投影し、水平および鉛直位置合わせインジケータ120、118両方を提供する。ライト142は緑色に点灯し、電源がオンであり、エラーインジケータが起動されたことを示す。
【0032】
四たびボタン140を押すと、オーバーライド機構がエラーインジケータを無効化する。出力ビームは投影され続け、水平および鉛直位置合わせインジケータ両方を提供する。このときライト142は赤色に点灯し、電源はオンであるが、エラーインジケータが無効化されたことを示す。ライト142から放射される色を変えることによって、ユーザは、エラーインジケータが起動していないこと、および、ツール100が不正確な水平および鉛直位置合わせインジケータを提供し得るが、しかし、位置合わせインジケータがやはり、直角位置合わせを提供するために使用され得ることを、通知される。
【0033】
五たびボタン140を押すと、ツール100の電源が切れ、ライト142が消灯し、ツール100がオフの状態にあることを示す。次にボタン140を押すと、上述したサイクルを再び開始する。
【0034】
図4に示されたユーザインターフェースは一実施形態であるが、しかしながら、複数のボタン、LCDなどのような、任意の他の便利な配置が、ユーザと情報をやりとりするために使用され得る。
【0035】
一実施形態では、エラーインジケータおよびオーバーライド機構は、以下のように、ツール100の実施形態の中で具現化され得る。図5Aおよび図5Bを参照すると、ツール100は、ツールハウジング102内に配置された支持フレーム200を含み、支持フレームから、投影ユニット202がジンバルマウント204によって振り子状に懸架し得る。
【0036】
特に図5Aおよび図5Bを参照すると、支持フレーム200は、2つの側壁207および1つの基部209を形成する、概ねU字形の堅固な部分206を含む。上方部分208が、例えばねじを使用してU字形部分206内に取り付けられ、投影ユニット202を懸架するために使用されるジンバルマウント204のための、受け取り面を提供する。U字形部分206および上方部分208は、好ましくは、十分に堅固であるが軽量である、アルミニウムのような金属で作製される。他の材料が、例えばステンレス鋼が、使用され得る。建設および内装工事での使用において一般的な、ツール100への衝撃を吸収するために、軟質のパッド付部材が、上方部分の両側に配置され得る。投影ユニット202が支持フレーム200内に懸架されたときに、その運動を制限するために、エネルギ吸収性のストッパ(図11Aの212を参照のこと)が、U字形部材内に配置され得る。パッド付部材およびストッパは、40デュロメータのEPDMゴムのような、ゴムで作製され得る。下記に記載される減衰システム内で使用される磁石260が、U字形部分206の基部の内側に取り付けられる。
【0037】
特に図5Cを参照すると、投影ユニット202は、鉛直投影モジュール214と、水平投影モジュール216とを含む。鉛直投影モジュール214は、ビーム118を投影して、約180°の扇形に広げる。図示の実施形態では、ビーム118は、より明確に図6に示されるように、鉛直線から角度βで投影される。この実施形態は、ツール100が、ツールの直前の面(例えば、壁)に比較的近く保持されたときにも、鉛直ビームをツール100の上方および後方に投影することができる。このようにビームを上方および後方に投影することは、特定の作業を行う場合に望まれ得る。他の実施形態では、ビーム118は、角度無し(すなわちβ=0)で投影され得、または下方へ、すなわち反対方向に投影され得る。角度βは、ビーム118の所望の投影経路に応じて変化し得る。一実施形態では、角度βは、約15°である。
【0038】
水平投影モジュール216は、ビーム120を投影して、約180°の扇形に広げる。図7を参照すると、水平投影モジュール216の分解図が示されている。水平投影モジュール216は、ダイオードマウント220内に載置されたレーザ発光ダイオード218を含む。ダイオードマウント220は、レンズ224を載置するために使用されるレンズマウント222に連結する。この実施形態では、レンズ224は、非球面レンズである。レンズ224およびレンズマウント222は、水平投影モジュール216の本体226に連結する。レーザ発光ダイオード218から放射されたレーザビームの経路は、以下に詳述されるように、平面鏡228および反射円錐面230によって偏向される。一実施形態では、レーザ発光ダイオード218は、波長が約630〜650ナノメートル(nm)の可視光を放射するように選択され得、例えば、10ミリワットの出力で波長635nmの可視光を放射する、Sanyo Semiconductor Corporation(San Diego、CA)から入手可能なモデルDL−4038−31、およびHitachi Semiconductor(America)Inc.(San Jose、CA)から入手可能なモデルHL6332Gが挙げられる。他の実施形態では、異なるダイオードが使用され得る。
【0039】
図8Aを参照すると、レーザ発光ダイオード218から放射されたレーザビームの経路が示されるとともに、水平投影モジュール216の拡大側面図が示されている。説明の便宜上、水平投影モジュール216のすべての要素が示されているわけではなく、例えば、マウント要素220、222、および本体226は示されていない。レーザビーム232は、最初にレーザ発光ダイオード218から放射されて、レンズ224に入射する。本実施形態では、レーザ発光ダイオード218は、一方の軸において約8度に広がり、それに垂直な軸において30度に広がる、楕円形状のレーザビーム232を放射する。レンズ224を通過したレーザビーム232は、より明確に図8Bに示されるように、楕円形の断面を保持したコリメートビーム234を形成する。ビーム234は、角度Δで平面鏡228に入射する。示された実施形態では、角度Δは約45°である。角度が45°から実質的に外れる場合には、部分円錐形反射面230に入射するビームの強度が影響を受ける。平面鏡228は、ビーム234の向きを下向きに変えて、部分円錐形反射面230に向ける。部分円錐形反射面230は、ビーム234を扇形に広げて、約180°の扇形出力ビーム120とする。
【0040】
示された実施形態では、部分円錐形反射面230は、円錐236の表面の約半分(すなわち180°)である。別の実施形態では、全円錐の表面の半部だけしか使用されないので、半円錐が使用され得る。円錐236は平面鏡228の下に配置され、その結果として、ビーム234は円錐236の前面のみに入射し、該前面が部分円錐形反射面230となる。部分円錐形反射面230(すなわち前面)からビーム234を反射するだけで、ビーム234は、ちょうど180°の扇形に広がる。対照的に、ビーム234が円錐236の頂部に入射する場合には、ビーム234は、360°に広がる。本実施形態では、扇形の出力ビーム120がツール100の前方に投影するので、360°に広がったビームの残りの180°の部分は無駄になる、すなわち、ツール100の方へ反射され、出力ビーム120は、ビーム234が円錐236の前面だけから完全に反射される場合よりも、強度が低下する。したがって、示されるように円錐236を平面鏡228の下に配置することによって、ビーム234が円錐236の前面だけに入射するので、得られた扇形のレーザビームは、所望の180°の扇形の方向に集中される。
【0041】
他の実施形態では、円錐の表面のより多くのまたはより少ない部分を使用して、平面鏡228に対する円錐236の位置を変えることによって、180°よりも小さいまたは大きいビーム234を反射することができる。
【0042】
鉛直投影モジュール214内のレーザビームの経路は、水平投影モジュール216に関して上述したものに類似しているが、しかしながら、モジュール全体が、それ自体の軸の周りに約90度だけ回転されている。図9Aおよび図9Bを参照すると、鉛直投影モジュール214のレーザビームの経路が示されている。同じく、説明の便宜上、鉛直投影モジュール214のすべての要素が示されているわけではなく、特に、マウント要素および本体は示されていない。レーザビーム238は、最初にレーザ発光ダイオード240から放射され、レンズ242に入射する。本実施形態では、レーザビーム238は、楕円形の断面を有する。レンズ242を通過したレーザビーム238は、参照番号245でより明確に示されるように、楕円形の断面を保持したコリメートビーム244を形成する。水平投影モジュール216内のビーム234の長軸が水平に配向されたことと比較して、ビーム244の長軸は鉛直に配向される。ビーム244は、ある角度で平面鏡246に入射する。示された実施形態では、該角度は約45°である。平面鏡246は、ビーム244の向きを横方向に変えて、部分円錐形反射面248に向ける。部分円錐形反射面248は、ビーム244を扇形に広げて、約180°の扇形出力ビーム118とする。
【0043】
水平投影モジュール216を参照して上述したように、示された実施形態では、部分円錐形反射面248は、円錐250の表面の約半分(すなわち180°)である。別の実施形態では、全円錐の表面の半部だけしか使用されないので、半円錐が使用され得る。円錐250は、ビーム244が円錐250の前面のみに入射するように、平面鏡246に対して配置され、該前面が、部分円錐形の反射面248となる。部分円錐形反射面248(すなわち前面)からビーム244を反射するだけで、ビーム244は、ちょうど180°の扇形に広がる。
【0044】
図9Bを参照すると、一実施形態では、鉛直投影モジュール214は、鉛直線に対して角度γで配向され得る。その結果として、投影された出力ビーム118は、角度γで上方へと向かう。上述のように、このように角度を付けた出力ビーム118は、ツール100の直接前方だけでなく、ツール100の上方および後方にも鉛直線を提供する。一部の用途では、鉛直ビームを頭上に(例えば、天井に)投影することが望まれ得る。一実施形態では、角度γは、約0〜30度の間の角度であり得る。
【0045】
図10Aおよび図10Bを参照すると、傾斜出力ビームは、鉛直投影モジュール214全体を傾けるのではなく、レーザ発光ダイオード240を平面鏡246に対して回転させることによって、代替的に達成され得る。図10Aは投影モジュールを示し、それは、鉛直投影モジュールまたは水平投影モジュールのいずれでも良い。説明の便宜上、発明者は鉛直投影モジュール214に関して記述する。図10Aでは、レーザ発光ダイオード240は、出力ビーム118の鉛直方向を示す軸241と平行に配向される。レーザビームは平面鏡246によって向きを変えられ、部分円錐形反射面に入射し、鉛直配向を有する実質的に180°の扇形出力ビーム118として反射される。図10Bでは、レーザ発光ダイオード240は、レンズ242を出射する楕円形状のレーザビームの長軸が図10Aに示されるレーザビームの長軸と比較してある角度をなす、すなわち鉛直方向に対してある角度をなすように、回転されている。その結果として、レーザビームは円錐250の異なる部分に、依然として180°の範囲だけに、入射する。それ故に、反射された扇形の出力ビームは、依然として実質的に180°の扇形ではあるが、図10Aに示される出力ビームに対して同じ角度、すなわち角度Φだけ傾斜する。
【0046】
扇形の鉛直および水平方向線形出力ビーム118、120は、それぞれ鉛直および水平の位置合わせインジケータを投影する。投影された位置合わせインジケータの明るさは、レーザ発光ダイオードから放射されたレーザビームの強さに部分的に依存して、変化し得る。上述のレーザ発光ダイオードを使用した実施形態は、はっきりとした明るい位置合わせインジケータを形成し得る。
【0047】
上述の実施形態では、レーザ発光ダイオード218および240は、楕円形の断面を有するレーザビームを放射した。他の実施形態では、放射されるレーザビームは、異なる断面(例えば、円形または長円形)を有し得る。上述の実施形態では、平面鏡228および248が、レーザ発光ダイオード218、240から放射されたレーザビームの向きを変えるために使用された。平面鏡は、レーザビームの向きを変えるために用いられ得る平面反射面の一例に過ぎず、他の構成の平面反射面が使用され得る。上述の実施形態では、レーザ発光ダイオード218、240から放射されたレーザビームは、レンズ224、242によって、特に非球面レンズでコリメートされた。他の実施形態では、異なる構成の光学素子が、レーザビームをコリメートするために使用され得る。
【0048】
上述の実施形態では、部分円錐形反射面230、248が、円錐236、250上に形成された。円錐236、250は、示されたような完全な円錐であるか、または部分円錐であり得る。一実施形態では、円錐236、250は、ダイヤモンド旋削されたアルミニウムで作製される。他の構成の円錐、例えば、鋳造ガラス円錐またはミラーガラス円錐が、使用され得る。円錐236、250の頂角は、実質的に90°である。頂角が90°から実質的に外れる場合には、得られる出力ビームは平坦ではなくなり、その縁部でフレア状になる。
【0049】
上述の実施形態では、鉛直および水平投影モジュール214、216両方の、2つの投影モジュールが含まれた。他の実施形態では、より多数の、またはより少数の投影モジュールが含まれ得る。投影モジュールの互いに関連する構成は、変化し得る。例えば、記載された実施形態では、両方の出力ビームは、ツールの単一の面から放射されたが、他の実施形態では、1つ以上の出力ビームがツールの異なる面から放射されることが、望まれ得る。
【0050】
携帯型レーザ位置合わせ装置の重要な特徴は、比較的小さなハウジング内に装置を収容することである。ツール100は、ツール100が無理なく人の手のひらに適合し得るように構成され、ユーザが該ツールを片手で保持しながら操作でき、使用しないときにはそれをツール用ベルトに手軽に留めることができるように、十分軽量なものである。レーザビーム経路の向きを変えるための平面反射面の使用は、ツール100がこのような小さな設置面積で構成されるための重要な役割を果たす。鉛直および水平両方の出力ビームがツールの同じ面から投影され得、よりコンパクトなデザインを可能にする。
【0051】
投影ユニット202は、例えば、すでに参考として本明細書において援用された、米国特許第5,144,487号に開示された減衰システムのような、ツールが表面上に設置されたときに振り子運動を制限するための、減衰システムを含み得る。再び図5Bを参照すると、このような減衰システムは、支持フレーム200の基部206の内側に固定された磁石260と、投影ユニット202の下面に取り付けられた銅製の減衰板264とを含み得る。減衰板264が磁石260の上を動くときに、正確な間隙270が所定の幅で保持されるように、減衰板264は形成および配置される。一実施形態では、間隙270は、約0.025インチである。
【0052】
間隙270は、減衰板264の運動が渦電流を板264内に発生させるように、十分に小さいものである。減衰板264内の渦電流と磁石260の磁場との相互作用が、投影ユニット202の振り子運動の減衰を生じさせる。減衰力は、磁石260の質量および厚さ、間隙270の寸法、および銅板264の厚さに依存し得る。好ましくは、磁石260は、直径が約3/4インチで、厚さが1/4インチのネオジム磁石である。減衰板264は、好ましくは、厚さが3/4インチで、その最も広い個所で0.625インチの最大直径、およびその最も狭い個所で0.500インチの最小直径を有する。当該分野において公知のように、減衰機能を達成するために、他の種類の磁石が使用され得、また、1つ以上の磁石の他の配置が使用され得る。加えて、また当該分野において公知のように、減衰板には他の形状および/または材料が使用され得る。代替案として、「板」は、投影ユニットの一体部分であり得る。
【0053】
レーザ発光ダイオード218、240は、ハウジング102内のバッテリコンパートメント内に配置された充電式バッテリによって電力を供給され得る。バッテリは、バッテリ端子から延在するコネクタによって、ダイオード218、240に接続される。コネクタは、New England Electric Wire Company(Lisbon、NH)から入手可能な、極めて柔軟な超小型の導体であり得る。コネクタは、ハウジング102に取り付けられたオン−オフスイッチに導かれる。コネクタは、次いでジンバルマウント204を経由して導かれ、レーザ発光ダイオード218、240に接続される。ジンバルマウント204を経由してコネクタを導くことは、コネクタが投影ユニット202のバランスにほとんど影響を及ぼさないようにするための、1つの手法である。
【0054】
ツール100が水平から著しく外れた表面上に設置されたときの、投影ユニット202の過度の運動を防止するための備えがなされる。図11Aを参照すると、エネルギ吸収性のストッパ212が配置され、その結果として、ツール100が水平から約±7度(7°)以上傾斜したときには、減衰板264がストッパ212に接触し、かくして、投影ユニット202と支持フレーム200との間のさらなる相対運動を制限する。
【0055】
上述のように、ツール100は、ハウジング102が任意の方向に、水平からプラスまたはマイナスの所定の角度に傾斜したときには、レーザ発光ダイオード218、240への電力を遮断する、遮断スイッチを含み得る。示された実施形態では、所定の角度は約±6°であり得るが、しかしながら、該角度は、ツール100の幾何学的形状に基づいて変化し得、上述したように、約±4〜9度の範囲内にあり得る。
【0056】
図11Aおよび図11Bを参照すると、支持フレーム200および投影ユニット202の図が示されている。より具体的には、図11Bに、支持フレーム200および投影ユニット202の一部の部分的な分解図が示されている。遮断機構は、投影ユニット202の上方部分に取り付けられ、その上に突出したワイヤフレキシャ272を含み得る。遮断機構は、支持フレーム200の頂部に取り付けられた小さな金属板274をさらに含み、金属板274は、開口部276を含む。開口部276は、投影ユニット202が支持フレーム200から懸架されたときに、ワイヤフレキシャ272が開口部276の中央を通って突き出るように、サイズ設定および配置される。ワイヤフレキシャ272は、投影ユニット202から電荷を担送するが、それは、レーザ発光ダイオード218、240に電力を供給する充電式バッテリによって荷電される。ハウジング102が、水平から確度範囲(例えば、7°)を超えて傾斜したときには、ワイヤフレキシャ272は、開口部276の内側の金属と接触し、それは、実質的に接触スイッチとして機能し、レーザ発光ダイオード218、240への電力供給が遮断されねばならないことを、レーザ電力駆動装置に指示するが、これは、一例では、従来型のデジタル論理回路によって達成され得る。異なる遮断スイッチ、例えば、全方向性水銀スイッチ、を使用した他の実施形態が可能である。
【0057】
上述のように、ツール100は、ユーザが上述の遮断スイッチを無効化することができる、オーバーライド機構を含む。図4を参照してすでに記述したように、一実施形態では、ユーザは、投影ユニット202の中心コアに載置された回路基板と電気的に接続されたボタンを押すことによって、遮断スイッチを無効化することができる。回路基板内のデジタル回路網が、ボタンから受信した電気入力に応答して遮断スイッチを無効化または再開するために、使用され得る。遮断スイッチを無効化するための他の手段、例えば、ファームウェアが、また使用され得る。回路基板はまた、レーザ発光ダイオード218、240への電力を制御し得る。
【0058】
上述のように、平面鏡を円錐形反射面とともに使用してレーザビームを導き、減衰システムと組み合わせることで、好都合にも、ツール100は、比較的軽い総重量で、比較的コンパクトなハウジング内で具現化される。図12A〜図12Cを参照すると、一実施形態では、ツール100の寸法は、約3.3インチの高さX、約2インチの幅Y、および約2.8インチの長さZを有する。本構成では、ツール100は、約10オンスのツール重量を有し得る。
【0059】
本発明の多数の実施形態が説明された。それでもなお、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、種々の修正形態がなされ得ることが理解される。したがって、他の実施形態は、以下の請求項の範囲内に含まれる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平、鉛直、および/または直角を示すためのレーザベースのツールに関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、建築および内装工事においては、水平、鉛直、および直角の位置合わせを示すことができる、携帯型装置が有用とされてきた。レーザ技術の出現によって、水平および鉛直、ならびに水平、鉛直、および直角の位置合わせを示すことができる、携帯型レーザ放射装置の使用が、見られるようになった。
【0003】
一部の従来技術のツールでは、位置合わせは、ビームが投影される表面上に光の点、すなわち「スポット」を形成する、ビームによって示される。一部の従来技術のツールでは、2つ以上の対向する位置合わせされたスポットの間に、見えない「線」を推測して、位置合わせ線を提供することができる。他のツールは、ビームが投影される表面上に直線の像を形成するビームによって、位置合わせを示す。すなわち、ビームは、直線状の位置合わせビームを投影する。
【0004】
このような装置は、一般的に、非水平表面から操作されたときの誤差を避けるために、ある種の傾斜補償機構または自己水平調節機構を必要とする。しかしながら、傾斜補償機構または自己水平調節機構を用いても、この種のツールは、一般的に、水平に対するツールの傾斜のある範囲内でのみ、水平および鉛直を正確に示すことができる。ユーザが、誤った位置合わせのインジケーションに不注意に頼らないようにするために、一部のツールは、ユーザがツールを所定の傾斜範囲外で使用しようとするときには、例えば位置合わせビームの投影を止めるか、または位置合わせビームを点滅させることによって、ユーザにインジケーションを提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、位置合わせ線を投影するための装置および方法を提供する。概して、一局面では、本発明は、位置合わせのインジケーションを投影するための装置を特徴とする。装置は、ハウジングと、投影ユニットと、投影ユニットの振り子運動を減衰する減衰器とを含む。投影ユニットは、水平、鉛直、および直角を示す出力ビームを投影するように、ハウジング内に振り子状に懸架され、鉛直投影モジュールおよび水平投影モジュールを含む。鉛直および水平投影モジュールのそれぞれは、(1)コリメータに入射するレーザビームを放射するレーザ発光ダイオードと、(2)レーザビームをコリメートビームにコリメートし、かつコリメートビームを平面反射面に投影するように構成されたコリメータと、(3)コリメータから投影されたコリメートビームの経路に対して約45°に配向され、かつコリメートビームの経路の向きを約90°変えて、部分円錐形反射面へと向けるように構成された平面反射面と、(4)円錐の外面の約180°の部分で形成され、向きを変えられたコリメートビームを反射して、約180°の扇形出力ビームとするように構成された部分円錐形反射面とを含む。鉛直投影モジュールは、実質的に鉛直の出力ビームを発生し、水平投影モジュールは、実質的に水平の出力ビームを発生し、鉛直および水平の出力ビームは、ハウジングから異なる方向に、一般に垂直関係にある方向に投影される。出力ビームは、水平、鉛直および直角の位置合わせを示すために使用され得る。
【0006】
本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。鉛直投影モジュールおよび水平投影モジュールは、鉛直出力ビームおよび水平出力ビームの両方が装置の同じ面から発するように、装置内に配置され得る。各コリメータは非球面レンズとすることができ、各コリメートビームは楕円形状の断面を有し得る。装置は、投影ユニットのレーザ発光ダイオードに電力を提供する、少なくとも1つのバッテリをさらに含み得る。
【0007】
装置は、水平および鉛直方向の精度が損なわれる程度にハウジングが傾斜したときには、それを示すエラーインジケータと、エラーインジケータを無効化し、それによって、出力ビームが少なくとも直角の位置合わせを示すために使用できるようにする、オーバーライドとを含み得る。エラーインジケータは、鉛直および水平出力ビームの投影を中断し得る。エラーインジケータは、ハウジングが任意の方向に水平から約±4〜9度の範囲内で傾斜したときに、水平および鉛直方向の精度が損なわれる程度にハウジングが傾斜したことを示し得る。別の実施形態では、エラーインジケータは、ハウジングが任意の方向に水平から約9度を超えて傾斜したときに、水平および鉛直方向の精度が損なわれる程度にハウジングが傾斜したことを示す。オーバーライドは、ユーザの入力に応答して、エラーインジケータを無効化するデジタル回路網を含み得る。
【0008】
減衰器は、ハウジング内の投影ユニットの下に載置された磁石と、投影ユニットから堅固に懸架された減衰板とを含み得、減衰板は磁石の上に配置され、両者の間の間隙は、磁石の上の減衰板の運動によって減衰板内に渦電流が発生するように、十分小さく保持される。
【0009】
装置は、ユーザ入力を受信するように構成されたユーザインターフェースをさらに含み得、第1のユーザ入力に応答して、投影ユニットは、水平を示すために用いられ得る水平出力ビームを投影し、第2のユーザ入力に応答して、投影ユニットは、水平出力ビームに対して一般に垂直な関係を有する鉛直出力ビームを投影し、それによって、鉛直出力ビームは鉛直を示すために使用され得、第3のユーザ入力に応答して、投影ユニットは、水平および鉛直出力ビームを同時に投影し、それによって、出力ビームは、水平、鉛直、および直角を同時に示すために使用され得、第4のユーザ入力に応答して、オーバーライドが使用されてエラーインジケータを無効化し、投影ユニットは、水平および鉛直出力ビームを同時に投影し、それによって、出力ビームは、少なくとも直角を示すために使用され得る。
【0010】
鉛直投影モジュールは、ハウジングの鉛直軸に対して角度γでハウジングに対して載置され得、その結果として、鉛直投影モジュールからの約180°の扇形出力ビームは、鉛直方向からおよそ角度γだけ回転される。一実施形態では、角度γは、約15°である。別の実施形態では、鉛直投影モジュール内に含まれるレーザ発光ダイオードが、そこから放射されるレーザビームが鉛直方向に対して角度γに配向された楕円の長軸を有する実質的に楕円形の断面を有するように、配向され、その結果として、約180°の扇形出力ビームは、鉛直方向からおよそ角度γだけ回転される。
【0011】
概して、別の局面では、本発明は、位置合わせのインジケーションを投影するための方法を特徴とする。方法は、第1のレーザビームおよび第2のレーザビームを投影するステップと、第1のレーザビームを第1のコリメートビームにコリメートし、第2のレーザビームを第2のコリメートビームにコリメートするステップとを含む。第1のコリメートビームは、第1の平面反射面に入射し、約90°向きを変えられて約180°の第1の部分円錐形反射面に向けられ、第1の方向に反射されて約180°の扇形第1出力ビームを形成する。第2のコリメートビームは、第2の平面反射面に入射し、約90°向きを変えられて約180°の第2の部分円錐形の反射面に向けられ、第2の方向に反射されて約180°の扇形第2出力ビームを形成する。第1出力ビームは水平を示し、第2出力ビームは鉛直を示し、第1および第2出力ビームは合わせて直角を示す。
【0012】
本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。方法は、水平および鉛直のそれぞれのインジケータとしての第1および第2出力ビームの、精度におけるエラーを示すためのエラーインジケータを提供するステップと、第1および第2出力ビームが少なくとも直角を示すために使用され得るように、エラーインジケータを無効化するステップとを、さらに含み得る。出力ビームは、実質的に直線の像で投影され得る。
【0013】
概して、別の局面では、本発明は、位置合わせのインジケーションを投影するための装置を特徴とし、該装置は、ハウジングと、投影ユニットと、投影ユニットの振り子運動を減衰するための減衰器とを含む。投影ユニットは、少なくとも1つの出力ビームを投影するように、ハウジング内に振り子状に懸架される。投影ユニットは、少なくとも1つの投影モジュールを含み、該モジュールは、(1)コリメータに入射するレーザビームを放射するレーザ発光ダイオードと、(2)レーザビームをコリメートビームにコリメートし、かつコリメートビームを平面反射面に投影するように構成されたコリメータと、(3)コリメータから投影されたコリメートビームの経路に対して約45°の角度で配向され、かつコリメートビームの経路の向きを約90°変えて、部分円錐形反射面へと向けるように構成された平面反射面と、(4)円錐の外面の約180°の部分から形成され、かつ向きを変えられたビームを反射して、約180°の扇形出力ビームとするように構成された部分円錐形反射面と、を含む。
【0014】
該装置の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。レーザ発光ダイオードは、実質的に楕円形の断面を有するレーザビームを放射し得る。コリメータは、非球面レンズであり得る。
【0015】
概して、別の局面では、本発明は、レーザ投影モジュールを特徴とする。レーザ投影モジュールは、レーザ発光ダイオードと、コリメータと、平面反射面と、部分円錐形反射面とを含む。レーザ発光ダイオードは、コリメータに入射するレーザビームを放射する。コリメータは、レーザビームをコリメートビームにコリメートし、かつコリメートビームを平面反射面に投影するように構成される。平面反射面は、コリメータから投影されたコリメートビームの経路に対して約45°の角度で配向され、かつコリメートビームの経路の向きを約90°変えて、部分円錐形反射面へと向けるように構成される。部分円錐形反射面は、円錐の外面の約180°の部分から形成され、かつ向きを変えられたビームを反射して、約180°の扇形出力ビームとするように構成される。
【0016】
本発明の実施形態は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。レーザ発光ダイオードは、実質的に楕円形の断面を有するレーザビームを放射し得る。コリメータは、非球面レンズであり得る。平面反射面は、平面鏡であり得る。
【0017】
本発明は、以下の1つ以上の利点を実現するために実装され得る。レーザビーム経路の向きを変えるための平面反射面を、円錐形反射面と関連して使用することで、ツールは、必要な設置面積を比較的小さくしたままで、所望の機能性を提供することができる。ツールは、コンパクトかつ軽量な構成で実装され得、ユーザは、片手でそれを操作することができ、空いている方の手で位置合わせマークを付し、限定された空間(例えば、窓および戸口)での使用を容易にする。加えて、ツールは、より長く投影された位置合わせ像(すなわち、例えば壁の上に投影された、鉛直線および水平直線)を提供する、約180°の扇形出力ビームを提供する。
【0018】
従来技術のレーザ位置合わせツールは、一般的に、製造中および組み立て後に、モジュール内のダイオードと光学要素との間の正確な調整を必要とした。本明細書に記載された位置合わせツールの組み立ては、例えば、鉛直および水平投影モジュールを相互に垂直に、かつ水平および鉛直に設定するための、一部の調整を必要とするが、一部の従来技術のツールに対して必要とされる、いくぶん時間のかかる調整の必要性が軽減される。レーザ位置合わせツールは、ユーザが、ツールが有効に機能しないことを知ることで、水平、鉛直、および直角の位置合わせを正確に示すようにツールを操作できるようにする、エラーインジケータを含み、あるいは、水平および鉛直の位置合わせのインジケーションが不正確になり得るようにツールが置かれた場合には、ユーザはそれを通知される。ユーザは、エラーインジケータを無効化する選択肢を有し、ツールが、水平および鉛直を正確に示さない位置を含む、事実上任意の位置にあるときにも、直角の位置合わせを示すためにツールを使用できる。
【0019】
本発明は、さらに、以下の項目も提供する。
(項目1)
位置合わせのインジケーションを投影するための装置であって、該装置は、
ハウジングと、
水平、鉛直、および直角を示す出力ビームを投影するために、該ハウジング内に振り子状に懸架された投影ユニットであって、該投影ユニットは鉛直投影モジュールおよび水平投影モジュールを含み、該鉛直および水平投影モジュールのそれぞれは、
コリメータに入射するレーザビームを放射するための、レーザ発光ダイオードと、
該レーザビームをコリメートビームにコリメートし、かつ該コリメートビームを平面反射面に投影するように構成された、コリメータと、
該コリメータから投影された該コリメートビームの経路に対して約45°に配向され、かつ該コリメートビームの該経路の向きを約90°変えて、部分円錐形反射面へと向けるように構成された、平面反射面と、
円錐の外面の約180°の部分から形成され、かつ該向きを変えられたコリメートビームを反射して約180°の扇形出力ビームとするように構成された、部分円錐形反射面とを含み、
該鉛直投影モジュールは、実質的に鉛直の出力ビームを生成し、該水平投影モジュールは、実質的に水平の出力ビームを生成し、該鉛直および水平の出力ビームは該ハウジングから、一般に互いに垂直の位置関係をなす異なる方向に投影され、それによって、該出力ビームは、水平、鉛直、および直角の位置合わせを示すために使用され得る、投影ユニットと、
該投影ユニットの振り子運動を減衰するための、減衰器と、
を備える、装置。
(項目2)
前記鉛直投影モジュールおよび前記水平投影モジュールは、前記鉛直出力ビームおよび前記水平出力ビームの両方が前記装置の同じ面から放射されるように、該装置内に配置される、項目1に記載の装置。
(項目3)
各コリメータは非球面レンズであり、各コリメートビームは楕円形状の断面を有する、項目1に記載の装置。
(項目4)
前記投影ユニットのレーザ発光ダイオードに電力を提供するための、少なくとも1つのバッテリをさらに備える、項目1に記載の装置。
(項目5)
水平および鉛直方向の精度が損なわれるほどに、前記ハウジングが傾斜したときに指示を出す、エラーインジケータと、
該エラーインジケータを無効化し、それによって、前記出力ビームが少なくとも直角の位置合わせを示すために使用され得る、オーバーライドと、
をさらに備える、項目1に記載の装置。
(項目6)
前記エラーインジケータは、前記鉛直および水平出力ビームの投影を中断する、項目5に記載の装置。
(項目7)
前記エラーインジケータは、前記ハウジングが任意の方向に、水平から約±4〜9度の範囲内で傾斜したときに、水平および鉛直方向の精度が損なわれるほどに該ハウジングが傾斜していることを示す、項目5に記載の装置。
(項目8)
前記エラーインジケータは、前記ハウジングが任意の方向に、水平から約9度を超えて傾斜したときに、水平および鉛直方向の精度が損なわれるほどに該ハウジングが傾斜していることを示す、項目5に記載の装置。
(項目9)
前記オーバーライドは、ユーザの入力に応答して前記エラーインジケータを無効化するための、デジタル回路網を含む、項目5に記載の装置。
(項目10)
前記減衰器は、前記ハウジング内の前記投影ユニットの下に載置された磁石と、該投影ユニットから堅固に懸架された減衰板とを含み、該減衰板は該磁石の上に配置され、該磁石の上での該減衰板の運動によって該減衰板内に渦電流が生成されるように、これらの間に十分小さな間隙が保持される、項目1に記載の装置。
(項目11)
ユーザ入力を受信するように構成されたユーザインターフェースをさらに備える、項目1に記載の装置であって、
第1のユーザ入力に応答して、前記投影ユニットは、水平を示すために使用され得る水平出力ビームを投影し、
第2のユーザ入力に応答して、該投影ユニットは、該水平出力ビームに対して一般に垂直の位置関係を有する鉛直出力ビームを投影し、それによって、該鉛直出力ビームは鉛直を示すために使用され得、
第3のユーザ入力に応答して、該投影ユニットは、該水平および鉛直出力ビームを同時に投影し、それによって、該出力ビームは水平、鉛直、および直角を同時に示すために使用され得、
第4のユーザ入力に応答して、オーバーライドがエラーインジケータを無効化するために使用され、該投影ユニットは、該水平および鉛直出力ビームを同時に投影し、それによって、該出力ビームは少なくとも直角を示すために使用され得る、
装置。
(項目12)
前記鉛直投影モジュールは、前記ハウジングの鉛直軸に対する角度γで該ハウジングに載置され、前記鉛直投影モジュールからの前記約180°の扇形出力ビームは、鉛直方向からおよそ角度γだけ回転される、項目1に記載の装置。
(項目13)
前記角度γは約15°である、項目12に記載の装置。
(項目14)
前記鉛直投影モジュール内に含まれる前記レーザ発光ダイオードは、そこから放射される前記レーザビームが実質的に楕円形の断面を有するように配向され、該楕円形の長軸は、前記約180°の扇形出力ビームを鉛直方向からおよそ角度γだけ回転させるために、鉛直方向に対して該角度γで配向される、項目1に記載の装置。
(項目15)
位置合わせのインジケーションを投影するための方法であって、該方法は、
第1のレーザビームおよび第2のレーザビームを投影するステップと、
該第1のレーザビームを第1のコリメートビームにコリメートし、かつ該第2のレーザビームを第2のコリメートビームにコリメートするステップであって、
該第1のコリメートビームは、第1の平面反射面に入射し、約90°向きが変えられて約180°の第1の部分円錐形反射面に向けられ、第1の方向に反射されて約180°の扇形第1出力ビームを形成し、
該第2のコリメートビームは、第2の平面反射面に入射し、約90°向きが変えられて約180°の第2の部分円錐形反射面に向けられ、第2の方向に反射されて約180°の扇形第2出力ビームを形成する、
ステップと、を包含し、
該第1出力ビームは水平を示し、該第2出力ビームは鉛直を示し、該第1および第2出力ビームは合わせて直角を示す、
方法。
(項目16)
水平および鉛直のそれぞれのインジケータとしての、前記第1および第2出力ビームの精度におけるエラーを示すための、エラーインジケータを提供するステップと、
該第1および第2出力ビームが少なくとも直角を示すために使用され得るように、該エラーインジケータを無効化するステップと、
をさらに包含する、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記出力ビームは、実質的に直線の像として投影される、項目15に記載の方法。
(項目18)
位置合わせのインジケーションを投影するための装置であって、該装置は、
ハウジングと、
少なくとも1つの出力ビームを投影するために、該ハウジング内に振り子状に懸架された投影ユニットであって、該投影ユニットは少なくとも1つの投影モジュールを含み、該少なくとも1つの投影モジュールは、
コリメータに入射するレーザビームを放射するための、レーザ発光ダイオードと、
該レーザビームをコリメートビームにコリメートし、かつ該コリメートビームを平面反射面に投影するように構成された、コリメータと、
該コリメータから投影された該コリメートビームの経路に対して約45°に配向され、かつ該コリメートビームの該経路の向きを約90°変えて、部分円錐形反射面へと向けるように構成された、平面反射面と、
円錐の外面の約180°の部分から形成され、かつ該向きを変えられたコリメートビームを反射して約180°の扇形出力ビームとするように構成された、部分円錐形反射面とを含む、投影ユニットと、
該投影ユニットの振り子運動を減衰するための、減衰器と、
を備える、装置。
(項目19)
前記レーザ発光ダイオードは、実質的に楕円形の断面を有するレーザビームを放射し、
前記コリメータは、非球面レンズである、
項目18に記載の装置。
(項目20)
コリメータに入射するレーザビームを放射するための、レーザ発光ダイオードと、
該レーザビームをコリメートビームにコリメートし、かつ該コリメートビームを平面反射面に投影するように構成された、コリメータと、
該コリメータから投影された該コリメートビームの経路に対して約45°に配向され、かつ該コリメートビームの該経路の向きを約90°変えて、部分円錐形反射面へと向けるように構成された、平面反射面と、
円錐の外面の約180°の部分から形成され、かつ該向きを変えられたコリメートビームを反射して約180°の扇形出力ビームとするように構成された、部分円錐形反射面と、
を備える、レーザ投影モジュール。
(項目21)
前記レーザ発光ダイオードは、実質的に楕円形の断面を有するレーザビームを放射する、項目20に記載のレーザ投影モジュール。
(項目22)
前記コリメータは、非球面レンズである、項目20に記載のレーザ投影モジュール。
(項目23)
前記平面反射面は、平面鏡である、項目20に記載のレーザ投影モジュール。
本発明の1つ以上の実施形態の詳細が、添付の図面および以下の説明の中に記載される。本発明の他の特徴および利益は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、レーザベースのツールおよび2つの出力ビームの概略図である。
【図2A】図2Aは、片側に傾斜した図1のレーザベースのツールの正面図である。
【図2B】図2Bは、一端に傾斜した図1のレーザベースのツールの側面図である。
【図3】図3は、位置合わせ線を床面上に投影する、レーザベースのツールの概略図である。
【図4】図4は、図1のレーザベースのツールの背面図である。
【図5A】図5Aは、レーザベースのツールの支持フレームを示す図である。
【図5B】図5Bは、レーザベースのツールの支持フレームを示す図である。
【図5C】図5Cは、レーザベースのツールの投影ユニットを示す図である。
【図6】図6は、2つの出力ビームの概略図を含む、図1のレーザベースのツールの側面図である。
【図7】図7は、水平投影モジュールの分解図である。
【図8】図8Aおよび図8Bは、図7に示された水平投影モジュール内の、レーザビームの経路の概略図である。
【図9A】図9Aは、鉛直投影モジュール内の、レーザビームの経路の概略図である。
【図9B】図9Bは、ある角度で載置された鉛直投影モジュール内の、レーザビームの経路の概略図である。
【図10】図10Aおよび図10Bは、投影モジュール内のレーザビームの経路の概略図である。
【図11A】図11Aは、投影ユニットおよび支持フレームの一部を示す図である。
【図11B】図11Bは、投影ユニットおよび支持フレームの一部を示す図である。
【図12】図12A〜図12Cは、それぞれレーザベースのツールの上面図、正面図、および側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
異なる図面の中の同じ参照符号は、同じ要素を示す。
【0022】
図1を参照すると、水平、鉛直、および直角の位置合わせを示すことができるレーザ位置合わせツール100が示されている。ツール100は、窓116を有するハウジング102を含み、窓から出力ビーム118、120が投影される。ビーム118、120は、互いに実質的に垂直に配置され、それぞれ鉛直および水平の位置合わせインジケータを形成する。一実施形態では、位置合わせインジケータは、出力ビームが投影される表面上の実質的に直線の像であり得る。別の実施形態では、位置合わせインジケータは、出力ビームが投影される表面上の光の点であり得る。代替案として、2つ以上の光の点が投影され得、仮想直線によって結ばれ、この直線は位置合わせ線であり、光の点は、位置合わせインジケータとして使用される。
【0023】
鉛直位置合わせインジケータ118は、鉛直を示すために使用され得、水平位置合わせインジケータ120は、水平を示すために使用され得、位置合わせインジケータ118、120の両方は、直角を示すために使用され得る。示された実施形態では、ハウジングは、上壁104と、基部106と、側壁108、110と、後壁112と、前壁114とを含む。前壁114と、側壁108、110の一部と、上壁104の一部とは、窓116を含む。示された実施形態では、窓116は、複数の面にわたって延在し、鉛直および水平出力ビーム118、120の両方が、ツールの単一の面から放射される。曲線的な壁を含むハウジング、円筒形のハウジング、または異なって構成された窓116(例えば、1つ以上の円形状の窓)のような、他の実施形態が可能である。
【0024】
ツール100は、出力ビーム118、120を投影するための投影システムまたはユニットを含み、出力ビームを投影するための光源およびすべての必要な光学的要素が、互いに固定した関係で、好ましくは単一のユニットとして載置される。自己水平化機能部は、例えばジンバルマウントによって、または従来技術で公知のばねまたはワイヤフレキシャによるような、他の振り子状懸架方法によって、支持フレームから振り子状に懸架した投影ユニットを含む。一実施形態では、サーボモータによって駆動され、1つ以上のセンサによって制御される、自己位置合わせプラットフォームが使用され得る。ツール100は、好ましくは基部106を実質的に水平な面上に置くことによって操作されるが、しかしながら、自己水平化機能部は、ツール100が水平からある程度の範囲内で傾斜したときにも、正確な水平および鉛直の位置合わせインジケータを与えることができ、本明細書ではこの範囲を「確度範囲(accuracy range)」と称する。
【0025】
図2Aおよび図2Bを参照すると、図2Aには、水平面126から角度θで側方に傾斜したツール100が示され、図2Bには、水平面126から角度θで前後方向に傾斜したツール100が示されている。確度範囲は、ツール100が正確な水平なおよび鉛直位置合わせインジケータを提供することができる角度θの範囲を意味し、ツール100の幾何学的形状に部分的に依存する。示された実施形態では、ツール100は、人の手のひらに無理なく適合するようにサイズ設定され、確度範囲は、約0°と、水平から約4〜7度の範囲内の、±の最大傾斜との間である。しかしながら、より大きなハウジングを有する別の実施形態では、例えば、確度範囲は水平から約±0〜9度であり得る。
【0026】
ツール100は、ツール100が水平から確度範囲を超えて傾斜し、それによって、水平および鉛直位置合わせインジケータ118、120の完全性が損なわれるときには、ユーザに通知するように作動するエラーインジケータを含み得る。エラーインジケータは遮断機構を含み得、遮断機構は、ハウジングが確度範囲を超えて傾斜したことを感知すると、レーザ発光ダイオードへの電力を遮断して、出力ビームの投影を中止する。このような遮断機構の実施例は、William Herseyへの米国特許第5,144,487号(1992年9月1日発行)、名称「Portable Laser Device for Alignment Tasks」に記載されており、その内容全体が、本明細書において参考として援用される。このようにして、ユーザは、ツール100が確度範囲を超えて傾斜したことを通知され、ツール100は有効に機能せず、かくして、不正確な水平および鉛直位置合わせインジケータを不用意に使用できなくなる。遮断機構のさらなる実施例は、図11を参照して以下に説明される。別の実施形態では、エラーインジケータは、出力ビームを点滅させる機構であり得る。
【0027】
ツール100が確度範囲を超えて傾斜したときには、位置合わせインジケータ118、120は水平および鉛直を正確に示すことができないが、それでもインジケータ118、120は合わせて、直角位置合わせを正確に示し得る。すなわち、位置合わせインジケータ118、120は、相互の垂直的な関係を保持しており、真の水平または真の鉛直を示さないものの、それでも正しい90°の角度を示し得る。上述のエラーインジケータの欠点は、ツール100がいったん確度範囲を超えると有効に機能せず、それ故に、ユーザは、直角位置合わせを示すために確度範囲外でツール100を使用するという選択肢を行使できないことである。
【0028】
ツール100が確度範囲を超えたときにも、ユーザが、直角位置合わせを示すためにツール100を使用できるように、ツール100は、オーバーライド機構をさらに含み、ユーザがエラーインジケータを無効化できるようにする。したがって、ツール100は、水平および鉛直位置合わせインジケータのみに関連する確度範囲とは関係なく、事実上任意の位置にあっても、直角位置合わせを示すために使用され得る。図3を参照すると、確度範囲を超えて傾斜したときの、ツール100の使用法が例示されている。この実施例では、ユーザは、床面上に互いに直角にタイルを敷設するために、床130上に投影される直角位置合わせインジケータを必要とする。エラーインジケータを無効化することによって、ツール100は水平から90°傾斜され得、その結果として、窓116は床130と実質的に平行となり、出力ビーム118、120は床130に向けられ、床面上に直角位置合わせインジケータ132、134を提供する。照明器具を取り付けるために天井に位置合わせインジケータを投影するというような、例えば、建築および内装工事における様々な他の用途がまた、考えられる。
【0029】
一実施形態では、ツール100は、ユーザと情報をやりとりするための、ユーザフレンドリなインターフェースを含み得る。図4を参照すると、ツール100の後壁112が示されている。後壁は、ボタン140およびライト142を含む傾斜部分138を有する。この実施形態では、ユーザは、以下のようにツール100を操作することができる。ツール100の電源が切られ、ライト142は消灯して、ツール100がオフの状態にあることを示すところから始める。最初にボタン140を押すと、ツール100の電源が入り、水平方向の直線出力ビーム120を投影し、水平位置合わせインジケータを提供し、エラーインジケータが起動する。ライト142が緑色に点灯して、電源がオンであり、エラーインジケータが起動されたことを示す。
【0030】
再度ボタン140を押すと、水平出力ビーム120が消えて、鉛直方向の直線出力ビーム118を投影し、鉛直位置合わせインジケータを提供する。ライト142は緑色の点灯を続け、電源がオンであり、エラーインジケータが起動されたことを示す。
【0031】
三たびボタン140を押すと、水平方向の直線出力ビーム120がオンになり、両方の出力ビームを投影し、水平および鉛直位置合わせインジケータ120、118両方を提供する。ライト142は緑色に点灯し、電源がオンであり、エラーインジケータが起動されたことを示す。
【0032】
四たびボタン140を押すと、オーバーライド機構がエラーインジケータを無効化する。出力ビームは投影され続け、水平および鉛直位置合わせインジケータ両方を提供する。このときライト142は赤色に点灯し、電源はオンであるが、エラーインジケータが無効化されたことを示す。ライト142から放射される色を変えることによって、ユーザは、エラーインジケータが起動していないこと、および、ツール100が不正確な水平および鉛直位置合わせインジケータを提供し得るが、しかし、位置合わせインジケータがやはり、直角位置合わせを提供するために使用され得ることを、通知される。
【0033】
五たびボタン140を押すと、ツール100の電源が切れ、ライト142が消灯し、ツール100がオフの状態にあることを示す。次にボタン140を押すと、上述したサイクルを再び開始する。
【0034】
図4に示されたユーザインターフェースは一実施形態であるが、しかしながら、複数のボタン、LCDなどのような、任意の他の便利な配置が、ユーザと情報をやりとりするために使用され得る。
【0035】
一実施形態では、エラーインジケータおよびオーバーライド機構は、以下のように、ツール100の実施形態の中で具現化され得る。図5Aおよび図5Bを参照すると、ツール100は、ツールハウジング102内に配置された支持フレーム200を含み、支持フレームから、投影ユニット202がジンバルマウント204によって振り子状に懸架し得る。
【0036】
特に図5Aおよび図5Bを参照すると、支持フレーム200は、2つの側壁207および1つの基部209を形成する、概ねU字形の堅固な部分206を含む。上方部分208が、例えばねじを使用してU字形部分206内に取り付けられ、投影ユニット202を懸架するために使用されるジンバルマウント204のための、受け取り面を提供する。U字形部分206および上方部分208は、好ましくは、十分に堅固であるが軽量である、アルミニウムのような金属で作製される。他の材料が、例えばステンレス鋼が、使用され得る。建設および内装工事での使用において一般的な、ツール100への衝撃を吸収するために、軟質のパッド付部材が、上方部分の両側に配置され得る。投影ユニット202が支持フレーム200内に懸架されたときに、その運動を制限するために、エネルギ吸収性のストッパ(図11Aの212を参照のこと)が、U字形部材内に配置され得る。パッド付部材およびストッパは、40デュロメータのEPDMゴムのような、ゴムで作製され得る。下記に記載される減衰システム内で使用される磁石260が、U字形部分206の基部の内側に取り付けられる。
【0037】
特に図5Cを参照すると、投影ユニット202は、鉛直投影モジュール214と、水平投影モジュール216とを含む。鉛直投影モジュール214は、ビーム118を投影して、約180°の扇形に広げる。図示の実施形態では、ビーム118は、より明確に図6に示されるように、鉛直線から角度βで投影される。この実施形態は、ツール100が、ツールの直前の面(例えば、壁)に比較的近く保持されたときにも、鉛直ビームをツール100の上方および後方に投影することができる。このようにビームを上方および後方に投影することは、特定の作業を行う場合に望まれ得る。他の実施形態では、ビーム118は、角度無し(すなわちβ=0)で投影され得、または下方へ、すなわち反対方向に投影され得る。角度βは、ビーム118の所望の投影経路に応じて変化し得る。一実施形態では、角度βは、約15°である。
【0038】
水平投影モジュール216は、ビーム120を投影して、約180°の扇形に広げる。図7を参照すると、水平投影モジュール216の分解図が示されている。水平投影モジュール216は、ダイオードマウント220内に載置されたレーザ発光ダイオード218を含む。ダイオードマウント220は、レンズ224を載置するために使用されるレンズマウント222に連結する。この実施形態では、レンズ224は、非球面レンズである。レンズ224およびレンズマウント222は、水平投影モジュール216の本体226に連結する。レーザ発光ダイオード218から放射されたレーザビームの経路は、以下に詳述されるように、平面鏡228および反射円錐面230によって偏向される。一実施形態では、レーザ発光ダイオード218は、波長が約630〜650ナノメートル(nm)の可視光を放射するように選択され得、例えば、10ミリワットの出力で波長635nmの可視光を放射する、Sanyo Semiconductor Corporation(San Diego、CA)から入手可能なモデルDL−4038−31、およびHitachi Semiconductor(America)Inc.(San Jose、CA)から入手可能なモデルHL6332Gが挙げられる。他の実施形態では、異なるダイオードが使用され得る。
【0039】
図8Aを参照すると、レーザ発光ダイオード218から放射されたレーザビームの経路が示されるとともに、水平投影モジュール216の拡大側面図が示されている。説明の便宜上、水平投影モジュール216のすべての要素が示されているわけではなく、例えば、マウント要素220、222、および本体226は示されていない。レーザビーム232は、最初にレーザ発光ダイオード218から放射されて、レンズ224に入射する。本実施形態では、レーザ発光ダイオード218は、一方の軸において約8度に広がり、それに垂直な軸において30度に広がる、楕円形状のレーザビーム232を放射する。レンズ224を通過したレーザビーム232は、より明確に図8Bに示されるように、楕円形の断面を保持したコリメートビーム234を形成する。ビーム234は、角度Δで平面鏡228に入射する。示された実施形態では、角度Δは約45°である。角度が45°から実質的に外れる場合には、部分円錐形反射面230に入射するビームの強度が影響を受ける。平面鏡228は、ビーム234の向きを下向きに変えて、部分円錐形反射面230に向ける。部分円錐形反射面230は、ビーム234を扇形に広げて、約180°の扇形出力ビーム120とする。
【0040】
示された実施形態では、部分円錐形反射面230は、円錐236の表面の約半分(すなわち180°)である。別の実施形態では、全円錐の表面の半部だけしか使用されないので、半円錐が使用され得る。円錐236は平面鏡228の下に配置され、その結果として、ビーム234は円錐236の前面のみに入射し、該前面が部分円錐形反射面230となる。部分円錐形反射面230(すなわち前面)からビーム234を反射するだけで、ビーム234は、ちょうど180°の扇形に広がる。対照的に、ビーム234が円錐236の頂部に入射する場合には、ビーム234は、360°に広がる。本実施形態では、扇形の出力ビーム120がツール100の前方に投影するので、360°に広がったビームの残りの180°の部分は無駄になる、すなわち、ツール100の方へ反射され、出力ビーム120は、ビーム234が円錐236の前面だけから完全に反射される場合よりも、強度が低下する。したがって、示されるように円錐236を平面鏡228の下に配置することによって、ビーム234が円錐236の前面だけに入射するので、得られた扇形のレーザビームは、所望の180°の扇形の方向に集中される。
【0041】
他の実施形態では、円錐の表面のより多くのまたはより少ない部分を使用して、平面鏡228に対する円錐236の位置を変えることによって、180°よりも小さいまたは大きいビーム234を反射することができる。
【0042】
鉛直投影モジュール214内のレーザビームの経路は、水平投影モジュール216に関して上述したものに類似しているが、しかしながら、モジュール全体が、それ自体の軸の周りに約90度だけ回転されている。図9Aおよび図9Bを参照すると、鉛直投影モジュール214のレーザビームの経路が示されている。同じく、説明の便宜上、鉛直投影モジュール214のすべての要素が示されているわけではなく、特に、マウント要素および本体は示されていない。レーザビーム238は、最初にレーザ発光ダイオード240から放射され、レンズ242に入射する。本実施形態では、レーザビーム238は、楕円形の断面を有する。レンズ242を通過したレーザビーム238は、参照番号245でより明確に示されるように、楕円形の断面を保持したコリメートビーム244を形成する。水平投影モジュール216内のビーム234の長軸が水平に配向されたことと比較して、ビーム244の長軸は鉛直に配向される。ビーム244は、ある角度で平面鏡246に入射する。示された実施形態では、該角度は約45°である。平面鏡246は、ビーム244の向きを横方向に変えて、部分円錐形反射面248に向ける。部分円錐形反射面248は、ビーム244を扇形に広げて、約180°の扇形出力ビーム118とする。
【0043】
水平投影モジュール216を参照して上述したように、示された実施形態では、部分円錐形反射面248は、円錐250の表面の約半分(すなわち180°)である。別の実施形態では、全円錐の表面の半部だけしか使用されないので、半円錐が使用され得る。円錐250は、ビーム244が円錐250の前面のみに入射するように、平面鏡246に対して配置され、該前面が、部分円錐形の反射面248となる。部分円錐形反射面248(すなわち前面)からビーム244を反射するだけで、ビーム244は、ちょうど180°の扇形に広がる。
【0044】
図9Bを参照すると、一実施形態では、鉛直投影モジュール214は、鉛直線に対して角度γで配向され得る。その結果として、投影された出力ビーム118は、角度γで上方へと向かう。上述のように、このように角度を付けた出力ビーム118は、ツール100の直接前方だけでなく、ツール100の上方および後方にも鉛直線を提供する。一部の用途では、鉛直ビームを頭上に(例えば、天井に)投影することが望まれ得る。一実施形態では、角度γは、約0〜30度の間の角度であり得る。
【0045】
図10Aおよび図10Bを参照すると、傾斜出力ビームは、鉛直投影モジュール214全体を傾けるのではなく、レーザ発光ダイオード240を平面鏡246に対して回転させることによって、代替的に達成され得る。図10Aは投影モジュールを示し、それは、鉛直投影モジュールまたは水平投影モジュールのいずれでも良い。説明の便宜上、発明者は鉛直投影モジュール214に関して記述する。図10Aでは、レーザ発光ダイオード240は、出力ビーム118の鉛直方向を示す軸241と平行に配向される。レーザビームは平面鏡246によって向きを変えられ、部分円錐形反射面に入射し、鉛直配向を有する実質的に180°の扇形出力ビーム118として反射される。図10Bでは、レーザ発光ダイオード240は、レンズ242を出射する楕円形状のレーザビームの長軸が図10Aに示されるレーザビームの長軸と比較してある角度をなす、すなわち鉛直方向に対してある角度をなすように、回転されている。その結果として、レーザビームは円錐250の異なる部分に、依然として180°の範囲だけに、入射する。それ故に、反射された扇形の出力ビームは、依然として実質的に180°の扇形ではあるが、図10Aに示される出力ビームに対して同じ角度、すなわち角度Φだけ傾斜する。
【0046】
扇形の鉛直および水平方向線形出力ビーム118、120は、それぞれ鉛直および水平の位置合わせインジケータを投影する。投影された位置合わせインジケータの明るさは、レーザ発光ダイオードから放射されたレーザビームの強さに部分的に依存して、変化し得る。上述のレーザ発光ダイオードを使用した実施形態は、はっきりとした明るい位置合わせインジケータを形成し得る。
【0047】
上述の実施形態では、レーザ発光ダイオード218および240は、楕円形の断面を有するレーザビームを放射した。他の実施形態では、放射されるレーザビームは、異なる断面(例えば、円形または長円形)を有し得る。上述の実施形態では、平面鏡228および248が、レーザ発光ダイオード218、240から放射されたレーザビームの向きを変えるために使用された。平面鏡は、レーザビームの向きを変えるために用いられ得る平面反射面の一例に過ぎず、他の構成の平面反射面が使用され得る。上述の実施形態では、レーザ発光ダイオード218、240から放射されたレーザビームは、レンズ224、242によって、特に非球面レンズでコリメートされた。他の実施形態では、異なる構成の光学素子が、レーザビームをコリメートするために使用され得る。
【0048】
上述の実施形態では、部分円錐形反射面230、248が、円錐236、250上に形成された。円錐236、250は、示されたような完全な円錐であるか、または部分円錐であり得る。一実施形態では、円錐236、250は、ダイヤモンド旋削されたアルミニウムで作製される。他の構成の円錐、例えば、鋳造ガラス円錐またはミラーガラス円錐が、使用され得る。円錐236、250の頂角は、実質的に90°である。頂角が90°から実質的に外れる場合には、得られる出力ビームは平坦ではなくなり、その縁部でフレア状になる。
【0049】
上述の実施形態では、鉛直および水平投影モジュール214、216両方の、2つの投影モジュールが含まれた。他の実施形態では、より多数の、またはより少数の投影モジュールが含まれ得る。投影モジュールの互いに関連する構成は、変化し得る。例えば、記載された実施形態では、両方の出力ビームは、ツールの単一の面から放射されたが、他の実施形態では、1つ以上の出力ビームがツールの異なる面から放射されることが、望まれ得る。
【0050】
携帯型レーザ位置合わせ装置の重要な特徴は、比較的小さなハウジング内に装置を収容することである。ツール100は、ツール100が無理なく人の手のひらに適合し得るように構成され、ユーザが該ツールを片手で保持しながら操作でき、使用しないときにはそれをツール用ベルトに手軽に留めることができるように、十分軽量なものである。レーザビーム経路の向きを変えるための平面反射面の使用は、ツール100がこのような小さな設置面積で構成されるための重要な役割を果たす。鉛直および水平両方の出力ビームがツールの同じ面から投影され得、よりコンパクトなデザインを可能にする。
【0051】
投影ユニット202は、例えば、すでに参考として本明細書において援用された、米国特許第5,144,487号に開示された減衰システムのような、ツールが表面上に設置されたときに振り子運動を制限するための、減衰システムを含み得る。再び図5Bを参照すると、このような減衰システムは、支持フレーム200の基部206の内側に固定された磁石260と、投影ユニット202の下面に取り付けられた銅製の減衰板264とを含み得る。減衰板264が磁石260の上を動くときに、正確な間隙270が所定の幅で保持されるように、減衰板264は形成および配置される。一実施形態では、間隙270は、約0.025インチである。
【0052】
間隙270は、減衰板264の運動が渦電流を板264内に発生させるように、十分に小さいものである。減衰板264内の渦電流と磁石260の磁場との相互作用が、投影ユニット202の振り子運動の減衰を生じさせる。減衰力は、磁石260の質量および厚さ、間隙270の寸法、および銅板264の厚さに依存し得る。好ましくは、磁石260は、直径が約3/4インチで、厚さが1/4インチのネオジム磁石である。減衰板264は、好ましくは、厚さが3/4インチで、その最も広い個所で0.625インチの最大直径、およびその最も狭い個所で0.500インチの最小直径を有する。当該分野において公知のように、減衰機能を達成するために、他の種類の磁石が使用され得、また、1つ以上の磁石の他の配置が使用され得る。加えて、また当該分野において公知のように、減衰板には他の形状および/または材料が使用され得る。代替案として、「板」は、投影ユニットの一体部分であり得る。
【0053】
レーザ発光ダイオード218、240は、ハウジング102内のバッテリコンパートメント内に配置された充電式バッテリによって電力を供給され得る。バッテリは、バッテリ端子から延在するコネクタによって、ダイオード218、240に接続される。コネクタは、New England Electric Wire Company(Lisbon、NH)から入手可能な、極めて柔軟な超小型の導体であり得る。コネクタは、ハウジング102に取り付けられたオン−オフスイッチに導かれる。コネクタは、次いでジンバルマウント204を経由して導かれ、レーザ発光ダイオード218、240に接続される。ジンバルマウント204を経由してコネクタを導くことは、コネクタが投影ユニット202のバランスにほとんど影響を及ぼさないようにするための、1つの手法である。
【0054】
ツール100が水平から著しく外れた表面上に設置されたときの、投影ユニット202の過度の運動を防止するための備えがなされる。図11Aを参照すると、エネルギ吸収性のストッパ212が配置され、その結果として、ツール100が水平から約±7度(7°)以上傾斜したときには、減衰板264がストッパ212に接触し、かくして、投影ユニット202と支持フレーム200との間のさらなる相対運動を制限する。
【0055】
上述のように、ツール100は、ハウジング102が任意の方向に、水平からプラスまたはマイナスの所定の角度に傾斜したときには、レーザ発光ダイオード218、240への電力を遮断する、遮断スイッチを含み得る。示された実施形態では、所定の角度は約±6°であり得るが、しかしながら、該角度は、ツール100の幾何学的形状に基づいて変化し得、上述したように、約±4〜9度の範囲内にあり得る。
【0056】
図11Aおよび図11Bを参照すると、支持フレーム200および投影ユニット202の図が示されている。より具体的には、図11Bに、支持フレーム200および投影ユニット202の一部の部分的な分解図が示されている。遮断機構は、投影ユニット202の上方部分に取り付けられ、その上に突出したワイヤフレキシャ272を含み得る。遮断機構は、支持フレーム200の頂部に取り付けられた小さな金属板274をさらに含み、金属板274は、開口部276を含む。開口部276は、投影ユニット202が支持フレーム200から懸架されたときに、ワイヤフレキシャ272が開口部276の中央を通って突き出るように、サイズ設定および配置される。ワイヤフレキシャ272は、投影ユニット202から電荷を担送するが、それは、レーザ発光ダイオード218、240に電力を供給する充電式バッテリによって荷電される。ハウジング102が、水平から確度範囲(例えば、7°)を超えて傾斜したときには、ワイヤフレキシャ272は、開口部276の内側の金属と接触し、それは、実質的に接触スイッチとして機能し、レーザ発光ダイオード218、240への電力供給が遮断されねばならないことを、レーザ電力駆動装置に指示するが、これは、一例では、従来型のデジタル論理回路によって達成され得る。異なる遮断スイッチ、例えば、全方向性水銀スイッチ、を使用した他の実施形態が可能である。
【0057】
上述のように、ツール100は、ユーザが上述の遮断スイッチを無効化することができる、オーバーライド機構を含む。図4を参照してすでに記述したように、一実施形態では、ユーザは、投影ユニット202の中心コアに載置された回路基板と電気的に接続されたボタンを押すことによって、遮断スイッチを無効化することができる。回路基板内のデジタル回路網が、ボタンから受信した電気入力に応答して遮断スイッチを無効化または再開するために、使用され得る。遮断スイッチを無効化するための他の手段、例えば、ファームウェアが、また使用され得る。回路基板はまた、レーザ発光ダイオード218、240への電力を制御し得る。
【0058】
上述のように、平面鏡を円錐形反射面とともに使用してレーザビームを導き、減衰システムと組み合わせることで、好都合にも、ツール100は、比較的軽い総重量で、比較的コンパクトなハウジング内で具現化される。図12A〜図12Cを参照すると、一実施形態では、ツール100の寸法は、約3.3インチの高さX、約2インチの幅Y、および約2.8インチの長さZを有する。本構成では、ツール100は、約10オンスのツール重量を有し得る。
【0059】
本発明の多数の実施形態が説明された。それでもなお、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、種々の修正形態がなされ得ることが理解される。したがって、他の実施形態は、以下の請求項の範囲内に含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置合わせのインジケーションを投影するための装置であって、該装置は、
ハウジングであって、該ハウジングは、該装置が人の手のひらに適合し得るように寸法設定されている、ハウジングと、
水平、鉛直、および直角を示す出力ビームを投影するために該ハウジング内に振り子状に懸架された投影ユニットであって、該投影ユニットは鉛直投影モジュールおよび水平投影モジュールを含み、該鉛直および水平投影モジュールのそれぞれは、
コリメータに直接入射するレーザビームを放射するためのレーザ発光ダイオードであって、該コリメータは、単一のレンズを備え、該コリメータは、該レーザビームをコリメートビームにコリメートし、かつ該コリメートビームを平面反射面に投影するように構成されている、レーザ発光ダイオードと、
該コリメータから投影された該コリメートビームの経路に対して約45°に配向され、かつ該コリメートビームの該経路の向きを約90°変えて、部分円錐形反射面へと向けるように構成された平面反射面と、
少なくとも円錐の外面の約180°の部分から形成され、かつ該向きを変えられたコリメートビームを反射して約180°の扇形出力ビームとするように構成された円錐形反射面であって、該円錐形反射面は、該コリメートビームの中心が該円錐の前面に入射するが該円錐の頂部に入射しないように該平面反射面に対して配置されている、円錐形反射面と
を含み、該鉛直投影モジュールは、実質的に鉛直の出力ビームを生成し、該水平投影モジュールは、実質的に水平の出力ビームを生成し、該鉛直および水平の出力ビームは該ハウジングから、一般に互いに垂直の位置関係をなす異なる方向に投影され、それによって、該出力ビームは、水平、鉛直、および直角の位置合わせを示すために使用され得る、投影ユニットと、
該投影ユニットの振り子運動を減衰するための減衰器と
を備える、装置。
【請求項2】
前記鉛直投影モジュールおよび前記水平投影モジュールは、前記鉛直出力ビームおよび前記水平出力ビームの両方が前記装置の同じ面から放射されるように該装置内に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
各コリメータは非球面レンズであり、各コリメートビームは楕円形状の断面を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記投影ユニットのレーザ発光ダイオードに電力を提供するための少なくとも1つのバッテリをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
水平および鉛直方向の精度が損なわれるほどに前記ハウジングが傾斜したときを示すエラーインジケータと、
該エラーインジケータを無効化し、それによって、前記出力ビームが少なくとも直角の位置合わせを示すために使用され得るようにするオーバーライドと
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記エラーインジケータは、前記鉛直および水平出力ビームの投影を中断する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記エラーインジケータは、前記ハウジングが水平から約±4〜9度の範囲内の任意の方向に傾斜したときに、水平および鉛直方向の精度が損なわれるほどに該ハウジングが傾斜していることを示す、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記エラーインジケータは、前記ハウジングが水平から約9度を超えた任意の方向に傾斜したときに、水平および鉛直方向の精度が損なわれるほどに該ハウジングが傾斜していることを示す、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記オーバーライドは、ユーザの入力に応答して前記エラーインジケータを無効化するためのデジタル回路網を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項10】
前記減衰器は、前記ハウジング内の前記投影ユニットの下に載置された磁石と、該投影ユニットから堅固に懸架された減衰板とを含み、該減衰板は該磁石の上に配置され、該磁石の上での該減衰板の運動によって該減衰板内に渦電流が生成されるように、これらの間に十分小さな間隙が保持される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
ユーザ入力を受信するように構成されたユーザインターフェースをさらに備え、
第1のユーザ入力に応答して、前記投影ユニットは、水平を示すために使用され得る水平出力ビームを投影し、
第2のユーザ入力に応答して、該投影ユニットは、該水平出力ビームに対して一般に垂直の位置関係を有する鉛直出力ビームを投影し、それによって、該鉛直出力ビームは鉛直を示すために使用され得、
第3のユーザ入力に応答して、該投影ユニットは、該水平および鉛直出力ビームを同時に投影し、それによって、該出力ビームは水平、鉛直、および直角を同時に示すために使用され得、
第4のユーザ入力に応答して、オーバーライドがエラーインジケータを無効化するために使用され、該投影ユニットは、該水平および鉛直出力ビームを同時に投影し、それによって、該出力ビームは少なくとも直角を示すために使用され得る、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記鉛直投影モジュールは、前記ハウジングの鉛直軸に対する角度γで該ハウジングに載置され、前記鉛直投影モジュールからの前記約180°の扇形出力ビームは、鉛直方向からおよそ角度γだけ回転される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記角度γは約15°である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記鉛直投影モジュール内に含まれる前記レーザ発光ダイオードは、そこから放射される前記レーザビームが実質的に楕円形の断面を有するように配向され、該楕円形の長軸は、前記約180°の扇形出力ビームを鉛直方向からおよそ角度γだけ回転させるように、鉛直方向に対して該角度γで配向される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
位置合わせのインジケーションを投影するための方法であって、該方法は、
第1のレーザダイオードから第1のレーザビームを投影し、かつ第2のレーザダイオードから第2のレーザビームを投影することであって、該第1のレーザビームおよび該第2のレーザビームは、単一のレンズを備えるコリメータに直接投影される、ことと、
該第1のレーザビームを第1のコリメートビームにコリメートし、かつ該第2のレーザビームを第2のコリメートビームにコリメートすることであって、
該第1のコリメートビームは、第1の平面反射面に入射し、約90°向きが変えられて少なくとも第1の円錐の外面の約180°の部分から形成された約180°の第1の円錐形反射面に向けられ、該第1のコリメートビームの中心は、該第1の円錐形反射面の前面に入射するが該第1の円錐の頂部に入射せず、該第1のコリメートビームは、第1の方向に反射されて約180°の扇形第1出力ビームを形成し、
該第2のコリメートビームは、第2の平面反射面に入射し、約90°向きが変えられて少なくとも第2の円錐の外面の約180°の部分から形成された約180°の第2の円錐形反射面に向けられ、該第2のコリメートビームの中心は、該第2の円錐形反射面の前面に入射するが該第2の円錐の頂部に入射せず、該第2のコリメートビームは、第2の方向に反射されて約180°の扇形第2出力ビームを形成する、ことと
を包含し、
該第1出力ビームは水平を示し、該第2出力ビームは鉛直を示し、該第1および第2出力ビームは合わせて直角を示す、方法。
【請求項16】
水平および鉛直のそれぞれのインジケータとしての、前記第1および第2出力ビームの精度におけるエラーを示すためのエラーインジケータを提供することと、
該第1および第2出力ビームが少なくとも直角を示すために使用され得るように、該エラーインジケータを無効化することと
をさらに包含する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記出力ビームは、実質的に直線の像として投影される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
位置合わせのインジケーションを投影するための装置であって、該装置は、
ハウジングであって、該ハウジングは、該装置が人の手のひらに適合し得るように寸法設定されている、ハウジングと、
少なくとも1つの出力ビームを投影するために該ハウジング内に振り子状に懸架された投影ユニットであって、該投影ユニットは少なくとも1つの投影モジュールを含み、該少なくとも1つの投影モジュールは、
コリメータに直接入射するレーザビームを放射するためのレーザ発光ダイオードであって、該コリメータは、単一のレンズを備え、該コリメータは、該レーザビームをコリメートビームにコリメートし、かつ該コリメートビームを平面反射面に投影するように構成されている、レーザ発光ダイオードと、
該コリメータから投影された該コリメートビームの経路に対して約45°に配向され、かつ該コリメートビームの該経路の向きを約90°変えて、部分円錐形反射面へと向けるように構成された平面反射面と、
少なくとも円錐の外面の約180°の部分から形成され、かつ該向きを変えられたコリメートビームを反射して約180°の扇形出力ビームとするように構成された円錐形反射面であって、該円錐形反射面は、該コリメートビームの中心が該円錐の前面に入射するが該円錐の頂部に入射しないように該平面反射面に対して配置されている、円錐形反射面と
を含む、投影ユニットと、
該投影ユニットの振り子運動を減衰するための減衰器と
を備える、装置。
【請求項19】
前記レーザ発光ダイオードは、実質的に楕円形の断面を有するレーザビームを放射し、
前記コリメータは、非球面レンズである、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
レーザ投影モジュールであって、該レーザ投影モジュールは、
単一のレンズを備えるコリメータに直接入射するレーザビームを放射するためのレーザ発光ダイオードであって、該コリメータは、該レーザビームをコリメートビームにコリメートし、かつ該コリメートビームを平面反射面に投影するように構成されている、レーザ発光ダイオードと、
該コリメータから投影された該コリメートビームの経路に対して約45°に配向され、かつ該コリメートビームの該経路の向きを約90°変えて、部分円錐形反射面へと向けるように構成された平面反射面と、
少なくとも円錐の外面の約180°の部分から形成され、かつ該向きを変えられたコリメートビームを反射して約180°の扇形出力ビームとするように構成された部分円錐形反射面であって、該円錐形反射面は、該コリメートビームの中心が該円錐の前面に入射するが該円錐の頂部に入射しないように該平面反射面に対して配置されている、部分円錐形反射面と
を備える、レーザ投影モジュール。
【請求項21】
前記レーザ発光ダイオードは、実質的に楕円形の断面を有するレーザビームを放射する、請求項20に記載のレーザ投影モジュール。
【請求項22】
前記コリメータは、非球面レンズである、請求項20に記載のレーザ投影モジュール。
【請求項23】
前記平面反射面は、平面鏡である、請求項20に記載のレーザ投影モジュール。
【請求項1】
位置合わせのインジケーションを投影するための装置であって、該装置は、
ハウジングであって、該ハウジングは、該装置が人の手のひらに適合し得るように寸法設定されている、ハウジングと、
水平、鉛直、および直角を示す出力ビームを投影するために該ハウジング内に振り子状に懸架された投影ユニットであって、該投影ユニットは鉛直投影モジュールおよび水平投影モジュールを含み、該鉛直および水平投影モジュールのそれぞれは、
コリメータに直接入射するレーザビームを放射するためのレーザ発光ダイオードであって、該コリメータは、単一のレンズを備え、該コリメータは、該レーザビームをコリメートビームにコリメートし、かつ該コリメートビームを平面反射面に投影するように構成されている、レーザ発光ダイオードと、
該コリメータから投影された該コリメートビームの経路に対して約45°に配向され、かつ該コリメートビームの該経路の向きを約90°変えて、部分円錐形反射面へと向けるように構成された平面反射面と、
少なくとも円錐の外面の約180°の部分から形成され、かつ該向きを変えられたコリメートビームを反射して約180°の扇形出力ビームとするように構成された円錐形反射面であって、該円錐形反射面は、該コリメートビームの中心が該円錐の前面に入射するが該円錐の頂部に入射しないように該平面反射面に対して配置されている、円錐形反射面と
を含み、該鉛直投影モジュールは、実質的に鉛直の出力ビームを生成し、該水平投影モジュールは、実質的に水平の出力ビームを生成し、該鉛直および水平の出力ビームは該ハウジングから、一般に互いに垂直の位置関係をなす異なる方向に投影され、それによって、該出力ビームは、水平、鉛直、および直角の位置合わせを示すために使用され得る、投影ユニットと、
該投影ユニットの振り子運動を減衰するための減衰器と
を備える、装置。
【請求項2】
前記鉛直投影モジュールおよび前記水平投影モジュールは、前記鉛直出力ビームおよび前記水平出力ビームの両方が前記装置の同じ面から放射されるように該装置内に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
各コリメータは非球面レンズであり、各コリメートビームは楕円形状の断面を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記投影ユニットのレーザ発光ダイオードに電力を提供するための少なくとも1つのバッテリをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
水平および鉛直方向の精度が損なわれるほどに前記ハウジングが傾斜したときを示すエラーインジケータと、
該エラーインジケータを無効化し、それによって、前記出力ビームが少なくとも直角の位置合わせを示すために使用され得るようにするオーバーライドと
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記エラーインジケータは、前記鉛直および水平出力ビームの投影を中断する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記エラーインジケータは、前記ハウジングが水平から約±4〜9度の範囲内の任意の方向に傾斜したときに、水平および鉛直方向の精度が損なわれるほどに該ハウジングが傾斜していることを示す、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記エラーインジケータは、前記ハウジングが水平から約9度を超えた任意の方向に傾斜したときに、水平および鉛直方向の精度が損なわれるほどに該ハウジングが傾斜していることを示す、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記オーバーライドは、ユーザの入力に応答して前記エラーインジケータを無効化するためのデジタル回路網を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項10】
前記減衰器は、前記ハウジング内の前記投影ユニットの下に載置された磁石と、該投影ユニットから堅固に懸架された減衰板とを含み、該減衰板は該磁石の上に配置され、該磁石の上での該減衰板の運動によって該減衰板内に渦電流が生成されるように、これらの間に十分小さな間隙が保持される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
ユーザ入力を受信するように構成されたユーザインターフェースをさらに備え、
第1のユーザ入力に応答して、前記投影ユニットは、水平を示すために使用され得る水平出力ビームを投影し、
第2のユーザ入力に応答して、該投影ユニットは、該水平出力ビームに対して一般に垂直の位置関係を有する鉛直出力ビームを投影し、それによって、該鉛直出力ビームは鉛直を示すために使用され得、
第3のユーザ入力に応答して、該投影ユニットは、該水平および鉛直出力ビームを同時に投影し、それによって、該出力ビームは水平、鉛直、および直角を同時に示すために使用され得、
第4のユーザ入力に応答して、オーバーライドがエラーインジケータを無効化するために使用され、該投影ユニットは、該水平および鉛直出力ビームを同時に投影し、それによって、該出力ビームは少なくとも直角を示すために使用され得る、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記鉛直投影モジュールは、前記ハウジングの鉛直軸に対する角度γで該ハウジングに載置され、前記鉛直投影モジュールからの前記約180°の扇形出力ビームは、鉛直方向からおよそ角度γだけ回転される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記角度γは約15°である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記鉛直投影モジュール内に含まれる前記レーザ発光ダイオードは、そこから放射される前記レーザビームが実質的に楕円形の断面を有するように配向され、該楕円形の長軸は、前記約180°の扇形出力ビームを鉛直方向からおよそ角度γだけ回転させるように、鉛直方向に対して該角度γで配向される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
位置合わせのインジケーションを投影するための方法であって、該方法は、
第1のレーザダイオードから第1のレーザビームを投影し、かつ第2のレーザダイオードから第2のレーザビームを投影することであって、該第1のレーザビームおよび該第2のレーザビームは、単一のレンズを備えるコリメータに直接投影される、ことと、
該第1のレーザビームを第1のコリメートビームにコリメートし、かつ該第2のレーザビームを第2のコリメートビームにコリメートすることであって、
該第1のコリメートビームは、第1の平面反射面に入射し、約90°向きが変えられて少なくとも第1の円錐の外面の約180°の部分から形成された約180°の第1の円錐形反射面に向けられ、該第1のコリメートビームの中心は、該第1の円錐形反射面の前面に入射するが該第1の円錐の頂部に入射せず、該第1のコリメートビームは、第1の方向に反射されて約180°の扇形第1出力ビームを形成し、
該第2のコリメートビームは、第2の平面反射面に入射し、約90°向きが変えられて少なくとも第2の円錐の外面の約180°の部分から形成された約180°の第2の円錐形反射面に向けられ、該第2のコリメートビームの中心は、該第2の円錐形反射面の前面に入射するが該第2の円錐の頂部に入射せず、該第2のコリメートビームは、第2の方向に反射されて約180°の扇形第2出力ビームを形成する、ことと
を包含し、
該第1出力ビームは水平を示し、該第2出力ビームは鉛直を示し、該第1および第2出力ビームは合わせて直角を示す、方法。
【請求項16】
水平および鉛直のそれぞれのインジケータとしての、前記第1および第2出力ビームの精度におけるエラーを示すためのエラーインジケータを提供することと、
該第1および第2出力ビームが少なくとも直角を示すために使用され得るように、該エラーインジケータを無効化することと
をさらに包含する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記出力ビームは、実質的に直線の像として投影される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
位置合わせのインジケーションを投影するための装置であって、該装置は、
ハウジングであって、該ハウジングは、該装置が人の手のひらに適合し得るように寸法設定されている、ハウジングと、
少なくとも1つの出力ビームを投影するために該ハウジング内に振り子状に懸架された投影ユニットであって、該投影ユニットは少なくとも1つの投影モジュールを含み、該少なくとも1つの投影モジュールは、
コリメータに直接入射するレーザビームを放射するためのレーザ発光ダイオードであって、該コリメータは、単一のレンズを備え、該コリメータは、該レーザビームをコリメートビームにコリメートし、かつ該コリメートビームを平面反射面に投影するように構成されている、レーザ発光ダイオードと、
該コリメータから投影された該コリメートビームの経路に対して約45°に配向され、かつ該コリメートビームの該経路の向きを約90°変えて、部分円錐形反射面へと向けるように構成された平面反射面と、
少なくとも円錐の外面の約180°の部分から形成され、かつ該向きを変えられたコリメートビームを反射して約180°の扇形出力ビームとするように構成された円錐形反射面であって、該円錐形反射面は、該コリメートビームの中心が該円錐の前面に入射するが該円錐の頂部に入射しないように該平面反射面に対して配置されている、円錐形反射面と
を含む、投影ユニットと、
該投影ユニットの振り子運動を減衰するための減衰器と
を備える、装置。
【請求項19】
前記レーザ発光ダイオードは、実質的に楕円形の断面を有するレーザビームを放射し、
前記コリメータは、非球面レンズである、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
レーザ投影モジュールであって、該レーザ投影モジュールは、
単一のレンズを備えるコリメータに直接入射するレーザビームを放射するためのレーザ発光ダイオードであって、該コリメータは、該レーザビームをコリメートビームにコリメートし、かつ該コリメートビームを平面反射面に投影するように構成されている、レーザ発光ダイオードと、
該コリメータから投影された該コリメートビームの経路に対して約45°に配向され、かつ該コリメートビームの該経路の向きを約90°変えて、部分円錐形反射面へと向けるように構成された平面反射面と、
少なくとも円錐の外面の約180°の部分から形成され、かつ該向きを変えられたコリメートビームを反射して約180°の扇形出力ビームとするように構成された部分円錐形反射面であって、該円錐形反射面は、該コリメートビームの中心が該円錐の前面に入射するが該円錐の頂部に入射しないように該平面反射面に対して配置されている、部分円錐形反射面と
を備える、レーザ投影モジュール。
【請求項21】
前記レーザ発光ダイオードは、実質的に楕円形の断面を有するレーザビームを放射する、請求項20に記載のレーザ投影モジュール。
【請求項22】
前記コリメータは、非球面レンズである、請求項20に記載のレーザ投影モジュール。
【請求項23】
前記平面反射面は、平面鏡である、請求項20に記載のレーザ投影モジュール。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【公開番号】特開2013−92536(P2013−92536A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−7010(P2013−7010)
【出願日】平成25年1月18日(2013.1.18)
【分割の表示】特願2009−512321(P2009−512321)の分割
【原出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(508348635)ピーエルエス−パシフィック レーザー システムズ, エルエルシー (2)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年1月18日(2013.1.18)
【分割の表示】特願2009−512321(P2009−512321)の分割
【原出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(508348635)ピーエルエス−パシフィック レーザー システムズ, エルエルシー (2)
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