説明

レーザポインタ

【課題】本発明は、レーザーポインタにおいて、使用環境に合わせて、明るさを優先させたモード、或いは動作時間を優先させた低消費電力モードを選択可能とし、また、使用の途中に必要な輝度が失われても、動作を中断することなく、使用可能とすることを目的としている。
【解決手段】本発明は、上記課題を解決するため、レーザー光源と、このレーザー光源を内臓するケース体と、前記レーザ光源に電力を供給する第1のバッテリと、この第1のバッテリに直列、又は並列に接続する第2のバッテリと、この直列又は並列に接続するスイッチとを有することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザポインタ、特に明るさを変更することが可能なレーザポインタに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザポインタは、プロジェクタによる投影画像の所定の箇所を指し示すために、レーザ光を照射するものであるが、低消費電力であり、例えば単三の電池が電源として用いられている。
従来、充電可能な電池を用いるレーザポインタが知られている。
例えば、下記特許文献1では、プロジェクタによって電源を充電可能なレーザポインタが示されている。
【0003】
また、レーザ出力光の明るさを一定にするために、レーザダイオードの出力光を検出する受光素子を用いてレーザ出力光を検出し、フィードバック制御を行っている。
【0004】
【特許文献1】特開2008−3191号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、レーザポインタは、レーザ光を一定出力で照射するように制御される。
しかしながら、例えば、暗い室内環境で使用する場合、必要以上に明るい場合がある。また、明るい室内環境で使用する場合、輝度が足りないと感じる場合がある。
【0006】
また、プレゼンテーションを行っている途中で、レーザポインタの電池切れとなったり、レーザ出力光の必要な輝度が失われることがある。
【0007】
本発明は、レーザーポインタにおいて、使用環境に合わせてレーザ光の出力を変更可能とし、或いは、使用の途中に必要な輝度が失われることなく、使用可能とすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明に係るレーザポインタは、レーザー光源と、このレーザー光源を内臓するケース体と、前記レーザ光源に電力を供給する第1のバッテリと、この第1のバッテリに直列、又は並列に接続する第2のバッテリと、この直列又は並列に接続するスイッチとを有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、レーザポインタにおいて、連続使用可能時間を優先したモードと、明るさを優先したモードを、利用者が簡単に選択可能とするものであり、また例えば、使用途中に、必要な輝度が減少したような場合でも、モードを切り替えることによって、レーザポインタの使用の継続を可能とするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0011】
以下、図に沿って本発明の一実施例を説明する。
図1は本発明の一実施例を示す回路ブロック図である。
1は半導体レーザダイオード、2は半導体受光素子、3はレーザダイオード1を駆動するためのトランジスタ、4はレーザ光出力を制御するためのレーザポインタ制御回路、5は第1のバッテリ、6は第2のバッテリ、7は第1のバッテリ5と第2のバッテリ6を直列、或いは並列にレーザポインタ制御回路4に接続するスイッチ、8はレーザダイオードの動作状態を表示するインジケータである。
【0012】
レーザ光源2は、赤色、或いは緑色の光を発する半導体レーザを用いている。
光出力を小さくしたい場合、スイッチ7によって、第1のバッテリ5と第2のバッテリ6を並列に接続する。
第1のバッテリ5と第2のバッテリ6が並列に接続されると、レーザポインタ制御回路4の、光出力安定化回路の基準値が低く設定される。
この低い基準値でレーザダイオード1が発光すると、受光素子2によりレーザダイオード1の光出力に比例した電流が流れ、この電流を電圧に変換して、光出力が小さい第1のモードで光出力が一定になるように、トランジスタ3がフィードバック制御される。
【0013】
光出力を大きくしたい場合、スイッチ7によって、第1のバッテリ5と第2のバッテリ6を直列に接続する。
第1のバッテリ5と第2のバッテリ6が直列に接続されると、前述の基準値が大きく設定される。
受光素子2の出力電圧が大きい状態を保つようにフィードバック制御され、レーザダイオード1は光出力が大きい第2のモードで出力が一定になるように駆動される。
【0014】
インジケータ8は発光ダイオードで構成される。
バッテリ5,6を並列接続して、光出力が小さい第1のモードで動作させている場合、インジケータ8は、一定出力で常時発光される。
バッテリ5,6を直列接続して、光出力が大きい第2のモードで動作させている場合、インジケータ8は点滅発光される。
尚、インジケータ8を種類の異なる発光素子で構成し、例えば、第1のモードで動作させている場合は、緑色の発光素子を点灯し、第2のモードで動作されている場合は、赤色の発光素子を点灯してもよい。
【0015】
図2に、第2の実施例を示す。
第1の実施例では、通常の使い捨て電池を用いるものであるが、本実施例では、充電が可能な電池を用いている。
充電用制御回路8と充電用入力端子9を追加した以外は、実施例1と同じ構成である。
【0016】
この充電制御回路8、及び入力端子9は、USB方式を用いており、例えば、図示しないパソコンに接続して、充電することが可能である。
【0017】
図3(1)及び(2)に本実施例のレーザポインタの外形を示す。
図3(1)は上面図であり、(2)は正面図である。
レーザ光源駆動用のスイッチ7はスライド式のスイッチであり、中央に位置した場合は、電源がオフの状態で、前述した第1及び第2のバッテリは、レーザポインタ制御回路と切離されている。
スイッチ7を、図中左側にスライド移動した場合、前述の第1のバッテリと第2のバッテリはレーザポインタ制御回路に並列接続され、光出力の小さい第1のモードで、レーザ光がレーザ光照射開口投影レンズ14を介して出力される。
また、スイッチ7を、図中右側にスライド移動した場合、前述の第1のバッテリと第2のバッテリはレーザポインタ制御回路に直列接続され、光出力の大きい第2のモードで、レーザ光がレーザ光照射開口投影レンズ14を介して出力される。
【0018】
本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、例えば、回路ブロックの構成、スイッチなどは異なるものであってもよい。
また、本体ケースの外形は、上述の実施例に限定されない。
【0019】
尚、上述の実施例では、第1のバッテリと、第2のバッテリを一般的な例えば単三の電池を想定しているが、これを、電気二重層コンデンサに変更してもよい。
この場合、連続動作時間は短くなるが、急速充電が可能となり、また電源として高寿命化が可能となる。
【0020】
また、図4に示すように、通常時はバッテリでレーザポインタを制御し、電力が低下して必要な輝度が得られなくなった場合に、電気二重層コンデンサを利用して動作を継続可能となるように構成してもよい。
逆に、通常時は電気二重層コンデンサでレーザポインタを制御し、電力が低下して必要な輝度が得られなくなった場合に、バッテリを利用して動作を継続可能となるように構成してもよい。
【0021】
更に、図5に示すように、スイッチは単純なメカニカルなスイッチではなく、マイコン制御で動作する構成にしてもよい。
例えば、スイッチを一度押すと、電気二重層コンデンサ6のみで通常モードとして動作し、電力が低下して必要な輝度が得られなくなった場合に、スイッチを二度押すと、緊急モードで、バッテリ5を利用して動作が継続可能となるように構成してもよい。
また、第1のモード、第2のモード毎に専用のスイッチを設けても良い。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、使用場所の照度に合わせて、明るさを優先させたモード、或いは動作時間を優先させた低消費電力モードの選択が可能となり、レーザポインタの利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明の第1実施例に係る回路構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の第2実施例に係る回路構成を示すブロック図である。
【図3】図3(1)、(2)は、本発明の実施例の形態に係る構成を示す上面図、及び正面図である。
【図4】図4は、本発明の第3実施例に係る回路構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、本発明の第4実施例に係る回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0024】
1:レーザダイオード
4:レーザポインタ制御回路
5:第1のバッテリ
6:第2のバッテリ
7:スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体レーザーダイオードと、このレーザーダイオードを内臓するケース体と、前記レーザダイオードを制御する制御回路と、この制御回路にに電力を供給する第1のバッテリと、この第1のバッテリに直列、又は並列に接続される第2のバッテリと、この直列及び並列に接続するためのスイッチとを有することを特徴とするレーザポインタ。
【請求項2】
半導体レーザーダイオードと、このレーザーダイオードを内臓するケース体と、前記レーザダイオードを制御する制御回路と、この制御回路にに電力を供給する第1の電気二重層コンデンサと、この第1の電気二重層コンデンサに直列、又は並列に接続される第2の電気二重層コンデンサと、この直列及び並列に接続するためのスイッチとを有することを特徴とするレーザポインタ。
【請求項3】
前記第1及び第2のバッテリに充電する充電回路を有することを特徴とする請求項1項記載のレーザポインタ。
【請求項4】
前記第1及び第2の電気二重層コンデンサに充電する充電回路を有することを特徴とする請求項2項記載のレーザポインタ。
【請求項5】
半導体レーザーダイオードと、このレーザーダイオードを内臓するケース体と、前記レーザダイオードを制御する制御回路と、この制御回路にに電力を供給する電気二重層コンデンサと、この電気二重層コンデンサに直列、又は並列に接続されるバッテリと、この直列及び並列に接続するためのスイッチとを有することを特徴とするレーザポインタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−186948(P2009−186948A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55513(P2008−55513)
【出願日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(000113034)プラスビジョン株式会社 (70)
【Fターム(参考)】