説明

レーザーアドレス可能な熱転写画像要素および方法

【課題】画像の品質または解像度を犠牲にすることなく、速い処理速度のレーザーアドレス可能な熱転写画像要素を提供する。
【解決手段】(a) 光- 熱変換層
(b) カラー転写層、および、
(c) 赤外線吸収剤および熱可塑性材料を含む、透明又は半透明である熱転写性赤外線感受性接着剤トップコート、
の順序で基材上に付着した、前記基材を含むカラー熱転写要素。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は熱転写画像要素に関し、特に、赤外線感受性熱可塑性トップコートを有するレーザーアドレス可能な熱転写要素に関する。更に、本発明は、レーザーアドレス可能な装置において熱転写要素を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子画像情報容量および使用の増加とともに、様々な電子源によりアドレス可能な画像形成装置の必要性も増加している。このような画像形成装置の例は、熱転写、アブレーション(または透明化(transparentization) およびアブレーション- 転写画像形成を含む。これらの画像形成装置は様々な用途、例えば、カラープルーフ、カラーフィルターアレー、印刷版および再生マスクにおいて有用であることが示されている。
【0003】
熱転写画像媒体を用いる電子情報を記録するための従来の方法は、熱源としてサーマルプリントヘッドを使用する。情報は電気エネルギーとしてプリントヘッドへ送られ、熱転写ドナーシートの局所加熱が生じ、そして画像データに対応する材料をレセプターシートへ転写する。主な2 種の熱転写ドナーシートは染料昇華( または染料拡散転写) およびサーマルマストランスファーである。これらのタイプの画像形成装置の代表的な例は、米国特許第4,839,224 号および第4,822,643 号に見ることができる。サーマルプリントヘッドの熱源としての使用は幾つかの欠点に悩まされ、例えば、プリントヘッドのサイズの限界、遅い画像記録速度( ミリ秒) 、制限された解像度、制限されたアドレス可能性、およびプリントヘッドと媒体との有害な接触により生じる画像の不自然さなどに悩まされる。
【0004】
可視および特に近赤外および赤外領域の電磁スペクトルを発生する、高出力コンパクトレーザー、半導体光源およびレーザーダイオードの使用可能性が増すにつれ、熱源としてサーマルプリントヘッドに代わる実現可能な代替品としてのこれらの使用が可能になってきた。画像形成源としてのレーザーおよびレーザーダイオードの使用は電子情報を画像記録媒体上に輸送する主な且つ好ましい手段の1 つである。レーザーおよびレーザーダイオードは従来のサーマルプリントヘッド画像形成装置よりも高い解像度を付与し、そして最終画像のフォーマットサイズのフレキシビリティーを提供する。更に、レーザーおよびレーザーダイオードは熱源と媒体との接触による悪影響を排除する利点を有する。結果として、これらの源に効率的に暴露されることができる能力および高い解像度および改良された縁の鋭さを有する画像を形成することができる能力を有する媒体の必要性がある。
【0005】
熱転写構造体に、光- 熱変換体として作用するための光吸収層を含ませ、それによりレーザーまたはレーザーダイオードをエネルギー源として使用して非接触画像形成を行うことができることは当業界において周知である。このタイプの代表的な例は、米国特許第5,308,737 号; 第5,278,023 号; 第5,256,506 号および第5,156,938 号に見ることができる。
【0006】
米国特許第5,171,650 号は、アブレーション- 転写技術を使用する画像形成のための方法および材料を開示している。この画像形成法において使用されるドナーは、支持体、中間動的剥離層、および着色剤を含む融蝕性キャリアトップコートを含む。動的剥離層およびカラーキャリア層の両方は赤外線吸収性( 光から熱への変換) 染料または顔料を含むことができる。カラー画像はレセプターと密に接触してドナー要素を配置し、そしてその後、画像様パターンに干渉光源をドナーに照射することにより製造される。カラーキャリア層は光の当たった領域において同時に剥離され、そして動的剥離層から噴射して、レセプター上にカラー画像を形成する。
【0007】
1992年3 月23日の出願された米国同時係属出願第07/855,799号は、電磁線吸収剤と組み合わせてグリシジルアジドポリマーを含むエネルギー感受性層で一部分上を被覆した基材を含む融蝕性画像要素を開示している。示された画像形成源は赤外線、可視線および紫外線レーザーを含む。レーザーダイオードは特に述べられていなかったが、ソリッドステートレーザーは露光源として開示されていた。この用途は、主として、エネルギー感受性層の融蝕によるレリーフ印刷版およびリトグラフィー版に関する。サーマルマストランスファーに関する使用は特に言及されていなかった。
【0008】
米国特許第5,308,737 号は、照射されたときに比較的に高体積のガスを発生するガス発生性ポリマー層を有するポリマー基材上の黒色金属層の使用を開示している。黒色金属( 例えば、アルミニウム) は電磁線を有効に吸収し、そしてガス発生性材料のための熱に変換する。実施例において、ある場合には、黒色金属は基材から除去され、それにより、基材上にポジティブ画像を残したことが判る。
【0009】
米国特許第5,278,023 号は、カラープルーフ、印刷版、フィルム、プリント回路版および他の媒体を製造するためのレーザーアドレス可能な熱転写材料を開示している。この材料は、噴射剤層を上に被覆している基材を含み、前記噴射剤層は、好ましくは約300 ℃未満の温度で窒素ガス(N2)を生じることができる材料; 電磁線吸収剤; およびサーマルマストランスファー材料を含む。サーマルマストランスファー材料は、噴射剤層中に含まれるか、または、噴射剤層上に被覆される追加の層であることができる。電磁線吸収剤は、上記に開示されたいずれかの層の中で使用されるか、または、別個の層の中で使用されることができ、レーザーのような電磁エネルギー源による局所加熱を達成する。レーザー誘導加熱時に、転写材料は急速なガスの膨張によりレセプターに噴射される。サーマルマストランスファー材料は、例えば、顔料、トナー粒子、樹脂、金属粒子、モノマー、ポリマー、染料またはそれらの組み合わせを含むことができる。画像形成法とともにそれにより製造される画像製品も開示されている。
【発明の開示】
【0010】
レーザー誘導マストランスファー法は非常に短い加熱時間( ナノ秒) という利点を有するが、従来のサーマルマストランスファー法は、プリントヘッドを加熱し、そして熱をドナーに移すために必要な、より長い滞留時間( ミリ秒) のために比較的に遅い。しかし、レーザー誘導装置において生じる画像はしばしば不完全であり、そしてレセプターへの低い付着性を示す。それ故、画像の品質または解像度を犠牲にすることなく、レーザーアドレス可能な装置の速度および効率の利点を利用する熱転写装置が必要である。
【0011】
本発明は、(a) 光- 熱変換層、(b) カラー転写層および(c) 熱転写可能な赤外線感受性接着剤トップコートを基材上に付着して有する、前記基材を含むカラー熱転写要素に関する。赤外線感受性接着剤トップコートは、赤外線吸収剤および赤外線源による照射時に軟化する熱可塑性材料を含む。カラー転写層および/または赤外線感受性接着剤トップコートは更に架橋性または重合性材料を含むことができる。
【0012】
本発明は、上記のカラー熱転写要素を使用してレセプター上に画像を形成するための方法をも提供する。カラー画像は、(a) レセプターと上記のカラー熱転写要素とを密に接触させて配置すること、(b) 画像様パターンで赤外線源により熱転写要素を露光すること、および(c) 画像様パターンに対応して、カラー転写層および接着剤トップコートを同時にレセプターに転写すること、によりレセプター上に転写される。カラー転写層および/または赤外線感受性接着剤トップコートが架橋性または重合性材料を含むときには、転写された画像に対して、画像を架橋するための第二の電磁線源により露光する追加の露光工程を行ってもよい。
【0013】
本明細書中に使用される用語「熱融解粘着性材料」とは、ドナー表面上のサーマルマストランスファー材料であって、それは熱伝達されたときに、ドナー表面に付着するよりも大きな強度でレセプター表面に粘着し、そして両表面が分離されたときに物理的に転写するものであることを意味する。
【0014】
用語「密の接触」とは、材料の転写が画像形成プロセスの間に達成され、それにより、熱伝達領域内での材料の均質な( 完全な) 転写を提供することができるように、2 枚の表面が十分に接触していることを意味する。換言すれば、材料の不完全な転写による画像形成領域における目に見える欠陥が観測されないということである。
【0015】
カラー熱転写要素は、光- 熱変換(LTHC)層、カラー転写層および赤外線感受性接着剤トップコートの順序で上に付着して有する、光に対して透明な基材を含んで提供される。基材は通常ポリエステルフィルムである。しかし、画像形成IR波長( 例えば、720 〜1200ナノメートル(nm)) で十分に透明であり、且つ、十分な機械的安定性を有するどんなフィルムも使用することができる。
【0016】
光- 熱変換(LTHC)層は画像形成電磁線、例えば、赤外線(IR)源の少なくとも一部分を吸収し、そして吸収した電磁線を熱に変換することができる、本質的に、どのような黒色体吸収剤であってもよい。適切な吸収剤、特に、IR吸収剤は、顔料、例えば、カーボンブラック、ボーンブラック、酸化鉄、銅/ クロム錯体黒色アゾ顔料( 即ち、プラゾロンイエロー、ジアニシジンレッドおよびニッケルアゾイエロー) 、および、フタロシアニン顔料、並びに、染料、例えば、ニッケルジチオレン、ニッケルチオヒドリジド、ジラジカルジカチオン染料( 例えば、American Cyanamid, NJ, USAからCyasorb IR-165および126 の商品名で入手可能である) 、ジアルキルアミノチオフェン、ピリリウム、アズレン、インドーリジン、ペリミジン、アザアズレン、および、Matsuoka, M., Absorption Spectra of Dyes for Diode Lasers, Bunchin Publishing Co. Tokyo(1990) にリストされている他の染料を含む。顔料を使用するときに、粒径は好ましくは画像形成電磁線源の波長より短く、それにより、吸収していない電磁線はLTHC層を通してIR感受性熱可塑性トップコートに通過する。染料を使用するならば、染料は、好ましくはコーティング溶剤中に可溶性であり、且つ、層中に使用されるバインダーと相溶性であり、それにより、LTHC層を通して十分な電磁線をIR感受性熱可塑性トップコートに通過させることができる透明若しくは半透明のコーティングを提供することができ、それにより、画像の転写性を改良する。
【0017】
LTHC層中での使用に適切なバインダーは、視覚的に透明である被膜形成性ポリマー、例えば、フェノール樹脂( 例えば、ノボラックおよびレゾール樹脂) 、ポリビニル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリビニルアセタール、ポリビニリデンクロリド、ポリアクリレート、セルロースエーテルおよびエステル、ニトロセルロースおよびポリカーボネートを含む。好ましくは、ポリマーは高く感熱性であり、より好ましくは、画像形成条件において熱分解性である。使用するバインダーの量は、IR吸収剤により発生した熱が過度にバインダーにより消費されないように最小レベルに維持される。吸収剤/ バインダー比は、一般に、5:1 〜1:20重量比であり、どのタイプの吸収剤およびバインダーが使用されるかによる。所望により、可溶性IR吸収性染料はポリマーバインダーなしに被覆される。バインダーを含まないコーティングは、熱融蝕性または熱転写性を改良する。従来のコーティング助剤、例えば、界面活性剤および分散剤は塗布工程を容易にするために添加されてよい。LTHC層は、当業界において知られている様々な塗布技術を用いて基材上に塗布されてよい。好ましくはLTHC層は0.05〜5.0 マイクロメートル、より好ましくは0.1 〜2.0 マイクロメートルの厚さで塗布されてよい。最良の結果のために、LTHC層は、画像形成電磁線の少なくとも10% がLTHC層を通過し、それにより、電磁線がIR吸収性接着剤トップコートに吸収されることができる。レーザー波長出力でのLHTC層の光吸収率は、好ましくは、1.3 〜0.1 、より好ましくは1.0 〜0.3 吸収単位(absorbance unit) である。
【0018】
好ましいLTHC層は金属または金属/ 金属酸化物層( 例えば、黒色の視覚外観を有する部分酸化されたアルミニウムである、黒色アルミニウム) である。実質的に、酸化物または硫化物を形成することができるどんな金属も、黒色金属層のために本発明の実施において使用できる。詳細には、アルミニウム、錫、クロム、ニッケル、チタン、コバルト、亜鉛、鉄、鉛、マンガン、銅およびそれらの混合物は使用されうる。これらの全ての金属は、付着法により金属酸化物に転化されるときに、特に望ましい特性( 例えば、光学濃度、光透過率等) の全てを有する材料を形成するわけではないであろう。しかし、これらの金属または金属酸化物を含む層の全ては有用であり、そして、ポリマー材料への結合性を含めた、本発明の多くの利益を提供するであろう。チャンバー内の金属蒸気は特定の金属に適切な様々な既知の技術、例えば、電子線蒸発、抵抗ヒーター等のいずれかにより供給されうる。多くの金属蒸着膜および蒸着技術を提供する手段に関して、Vacuum Deposition Of Thin Films, L. Holland, 1970, ChapmanおよびHall, London, England を参照されたい。
【0019】
本発明による黒色金属層の例示の金属酸化物または金属硫化物を含む層は、分子寸法からマイクロメートルの寸法のできるだけ薄い層として付着されるべきである。厚さ全体にわたる層の組成は、明細書中に記載されるように容易に制御されうる。好ましくは、金属/ 金属酸化物若しくは硫化物層は画像形成用途においては50〜5000Åであろうが、15Å、25Åまたはそれ以下のときに結合特性を付与し、そして5x104 Åまたはそれ以上のときに構造特性を付与するであろう。
【0020】
勾配を有する金属酸化物または金属硫化物への転化は、酸素、硫黄、水蒸気または硫化水素を金属蒸気ストリームに沿った点で導入することにより行われる。このように、蒸着チャンバー中の蒸気ストリームに沿った特定の点でこれらのガスまたは蒸気を導入することにより、連続のまたは勾配を有する組成( 層の全ての厚さに通して) のコーティングを得ることができる。被覆されるべき基材が移動している蒸着チャンバーの長さに沿ってこれらの反応性ガスまたは蒸気の濃度の勾配を選択的に維持することにより、コーティング層( その厚さにわたって) の組成の増加的な勾配が得られる。というのは、蒸着チャンバーの異なる領域において異なる組成が( 酸化物または硫化物の金属に対する異なる比) 蒸着されるからである。実際、片側表面( コーティング層の上面または下面) で100%金属を含み、且つ、反対面で100%金属酸化物または硫化物を含む層が蒸着される。この主の構造は、基材に対して優れた付着性を有する強い干渉性のコーティング層を提供するので、特に望ましいものである。
【0021】
被覆しようとする基材は、蒸着チャンバーの内側領域から外側領域へのチャンバーの長さに沿って連続的に移動する。金属蒸気はチャンバーの実質的な長さにわたって蒸着され、そしてチャンバーの長さに沿ったある点で、金属と同時蒸着されている金属酸化物若しくは硫化物の比率( または100%酸化物若しくは硫化物として蒸着) は、チャンバーの長さに沿ったその点で蒸着されている金属蒸気ストリームの一部分に入る反応性ガスまたは蒸気の量に依存する。例示の目的として、同数の金属原子( 金属または酸化物若しくは硫化物として) がチャンバーの長さに沿ったどの点でもどの時にも蒸着されると仮定すると、チャンバーの長さに沿った様々な点または領域で金属蒸気と接触する、酸素または硫黄を含む反応性ガスまたは蒸気の量を変化させることにより蒸着膜中の勾配が期待される。チャンバーの長さに沿って、反応性ガスの量の増加の勾配があると、蒸着された酸化物または硫化物の増加した比率での対応した勾配が得られる。金属蒸気の蒸着は、仮定したように均質になることは稀であるが、実際上、基材が移動されているときに、被覆されるべき基材の表面の長さに沿って前記金属蒸気の異なる領域に導入される酸素、水、硫黄または硫化水素の量を局所的に変化させることは困難でなく、それにより、厚さを通して金属/(金属酸化物若しくは硫化物) の比が変化している層を有して表面を被覆することができる。反応性ガスまたは蒸気がストリーム中に拡散するだけでなく、ストリーム自体の中に入ることが望ましい。拡散するだけであると、ストリーム中の酸化物の制御できない分布を生じる傾向がある。反応性ガスまたは蒸気をストリームへ注入し、または入る所を合わせることにより、ストリームのその点でのより均質な混合が行われる。
【0022】
遷移的な特性は、黒色金属製品の特性の幾つかへの重要な関係を生じる。コーティングはその中に材料の分散した相を有し、一方は金属で、そしてもう一方は金属酸化物若しくは硫化物である。後者の材料は、しばしば透明または半透明であるが、前者は不透明である。透明な酸化物若しくは硫化物相中に残る粒状金属の量を制御することにより、コーティングの透明性は大きく変化する。黄色がかった色、褐色およびグレーのトーンの透明コーティングは提供されることができ、そして実質的に不透明な黒色膜は、コーティング層の蒸着の間の金属の酸化物への転化の割合を変化させることにより、単一の金属から得ることができる。
【0023】
カラー転写層は少なくとも1 種の有機または無機着色剤( 即ち、顔料または染料) および熱可塑性バインダーを含む。他の添加剤、例えば、IR吸収剤、分散剤、界面活性剤、安定剤、可塑剤およびコーティング助剤をも含んでよい。あらゆる顔料は使用されてよいが、良好な色永久性および透明性を有するとしてNPIRI Raw Materials Data Handbook,第4 巻( 顔料) にリストされているものは好ましい。非水性または水性顔料分散体のいずれも使用されてよい。顔料は、一般に、バインダーとともに分散され、そして溶剤または溶剤混合物中に懸濁されている顔料を含むミルベースの形態でのカラー配合物中に導入される。顔料タイプおよびカラーは、カラーコーティングが予備設定されたカラーターゲットまたは産業界で設定された仕様に適合するように選択される。分散性樹脂のタイプおよび顔料/ 樹脂比はミルベースを製造するのに使用される顔料タイプ、顔料上の表面処理、分散溶剤およびミル加工法によるであろう。適切な分散性樹脂はビニルクロリド/ ビニルアセテートコポリマー、ポリ( ビニルアセテート)/クロトン酸コポリマー、スチレン無水マレイン酸半エステル樹脂、( メタ) アクリレートポリマーおよびコポリマー、ポリ( ビニルアセタール) 、酸無水物およびアミンで変性したポリ( ビニルアセタール) 、ヒドロキシアルキルセルロース樹脂およびスチレンアクリル樹脂を含む。好ましいカラー転写コーティング組成物は30〜80重量% の顔料、15〜35重量% の樹脂および0 〜20重量% の分散剤を含む。
【0024】
カラー転写層中に存在するバインダーの量は、カラー転写層中の過度の干渉のによる画像解像度の損失を避けるために最小量に維持される。顔料- バインダー比は、使用する顔料およびバインダーのタイプにより、通常、4:1 〜1:2 重量比である。バインダー系は、重合性エチレン系不飽和材料( 即ち、モノマー、オリゴマーまたはプレポリマー) および開始剤系をも含んでよい。モノマーまたはオリゴマーを使用することは、カラー転写層中のバインダー凝集力を減じることを助け、それにより、転写される画像の解像度が改良される。重合性組成物をカラー転写層に含むことにより、より耐久性であり、且つ、耐溶剤性の画像を製造することが可能である。高度に架橋した画像は、最初に、画像をレセプターに転写し、そしてその後に、転写された画像を電磁線に露光させて、重合性材料を架橋することにより形成される。架橋工程は光開始または熱開始のいずれかにより行われうる。重合性組成物中に使用される開始剤系により吸収される、どんな電磁線源も使用されてよく、好ましくは紫外線源とともに紫外線感受性光開始剤系が使用される。紫外線感受性開始剤系は当業界で周知であり、そして様々な供給源から市販されている。熱開始剤も当業界において周知である。好ましくは、開始剤系は、電磁線源への露光の前後で色に対して最小の効果を与えるものである。適切な熱開始剤は、市販の過酸化物および金属触媒系を含む。適切な光開始剤系はトリアジン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、インドニウム塩、スルホニウム塩およびチオキサントンを含む。適切なモノマーは多官能性アクリレート若しくはメタクリレートを含み、例えば、1,3-ブタンジオールジアクリレート、テトラメチルグリコールジアクリレートおよびプロピレングリコールジアクリレートである。適切なオリゴマーは、不飽和カルボン酸および脂肪族多価アルコールのエステル化合物、アクリル化ウレタン( 例えば、米国特許第4,304,923 号に開示されているもの) およびエチレン系不飽和アズラクトン( 例えば、米国特許第4,304,705 号に開示されているもの) のような材料を含む。
【0025】
カラー転写層は当業界において知られている従来の塗布方法のいずれかにより塗布されることができる。均質な塗膜を提供するために界面活性剤および分散剤のようなコーティング助剤を加えることは望ましいであろう。好ましくは、層は約0.4 〜4.0 マイクロメートル、より好ましくは、0.5 〜2.0 マイクロメートルの厚さを有する。
【0026】
赤外線吸収剤および熱活性化接着剤を含む赤外線(IR)感受性接着剤トップコートはカラー転写層に隣接している。IR感受性接着剤トップコートは、熱活性化接着剤の手段により、レセプターにカラー転写層の改良された転写を提供する。接着剤トップコートは、好ましくは無色であるが、幾つかの用途では、半透明または不透明の接着剤は、画像のカラー濃度を改良し、または、特殊な効果を与えるために望ましいであろう。液晶ディスプレーの用途では、接着剤は好ましくは無色透明である。接着剤トップコートは好ましくは室温で不粘着性であり、そして接着剤が画像形成された層のレセプターへの付着性を阻害しないかぎり、粘着性を下げるためにスリップ助剤( 即ち、ワックス、シリカ、ポリマービーズ) を含むことができる。好ましい接着剤は、約30℃〜110 ℃の間の溶融温度を有する熱可塑性材料を含む。適切な熱可塑性接着剤は、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリビニル樹脂、そのコポリマーおよび組み合わせのような材料を含む。接着剤は、転写された画像に熱安定性および耐溶剤性を付与するために熱若しくは光化学架橋剤を含んでよい。架橋剤はモノマー、オリゴマーおよびポリマーを含み、外部開始剤系または内部開始性基のいずれかにより、熱的にまたは光化学的に架橋されてよい。熱架橋剤は、熱エネルギーを受けたときに架橋することができる材料を含む。
【0027】
どのようなIR吸収性材料が接着剤トップコート中で使用されてもよいが、IR吸収剤は、好ましくは、無色で且つカラー転写層上に接着剤トップコートを付着させるために使用される塗布溶剤中に可溶性である。適切なIR吸収剤は、Cyasorb IR-165およびIR126 のようなジラジカルジカチオン性染料を含む。IR吸収剤の濃度は接着剤を活性化するために必要な熱量により変化することができる。IR吸収剤を含まずに接着剤トップコートが使用されるときには、接着剤の活性化は隣接層からの熱の伝導による。接着剤層中にIR吸収剤を含ませることにより、接着剤トップコートは画像形成プロセスの間に直接的に活性化されうる。接着剤の直接活性化は画像のレセプターへのより有効な転写を提供する。接着剤中に含まれるIR吸収剤の量は、過度の加熱なしに十分な熱が発生して接着剤を活性化するように選択される。過剰の加熱は層内にバブルを生じさせ、または層の分解をもたらしうる。IR吸収剤のバインダーに対する比は、一般に、1:50〜1:8 の重量比である。通常、低いTg( ガラス転移温度) またはTm( 溶融温度) を有する接着剤は、接着剤材料の低い熱活性化エネルギーのために、低いIR吸収剤の濃度が要求される。IR吸収剤は接着剤材料中に分散され、または溶解されることができる。最良の性能のためには、IR吸収剤は接着剤トップコートを通して均質に分散している。
【0028】
IR感受性接着剤トップコートは当業界において知られている従来の塗布法のいずれかによりカラー転写層上に塗布されてよい。溶液からキャストされるときには、溶剤は下層のカラー転写層との相互作用が最小になるように選択される。接着剤トップコートの厚さは、好ましくは2.0 〜0.05ミクロンであり、より好ましくは1.0 〜0.05ミクロンであり、そして最も好ましくは0.5 〜0.1 ミクロンである。
【0029】
本発明の方法は、かなり単純な工程により行われうる。画像形成の間に、ドナーシートは圧力下または真空下でレセプターシートと密の接触がなされる。赤外線レーザーまたはレーザーアレーは、画像様にIR吸収剤層を加熱するために使用され、ドナーからレセプターへの画像の同時剥離および転写を行う。レーザー誘導熱転写法の間に、LTHC層は入射光の主要部分を熱に変換し、LTHC層の画像様の除去を行い、そして上にあるカラー転写層および接着剤トップコートの剥離を行う。同時に、IR吸収剤接着剤トップコートは入射光の一部分を吸収し、そして熱に転化し、これにより、接着剤を活性化して、画像をレセプターに付着させる。
【0030】
赤外線、可視線および紫外線レーザーを含めた様々な発光源は本発明において使用されてよい。本発明における使用に好ましいレーザーは、高出力(>100mW)の単一モードのレーザーダイオード、ファイバー結合レーザーダイオードおよびダイオードポンプドソリッドステートレーザー( 例えば、Nd:YAPおよびNd:YLF) を含む。レーザー露光は熱転写媒体の温度を150 ℃より高く上昇させ、そして最も好ましくは200 ℃より高く上昇させるべきである。レーザー露光の滞留時間は約0.1 〜5 マイクロ秒であるべきであり、そしてレーザー流束は約0.01〜約1 ジュール/cm2であるべきである。
【0031】
本発明の実施において、焦点深さは、好ましくは、光- 熱変換層、カラー層および赤外線感受性接着剤トップコートの合計厚さ以上である。画像形成層の合計の厚さは、通常、10μm 未満であり、そして好ましくは5 μm 未満である。画像形成層はLTHC層、カラー転写層およびIR感受性接着剤トップコートを含む。
【0032】
レーザー露光の間に、画像形成した材料からの多重反射による干渉パターンの形成を最小限にすることは望ましいであろう。このことは様々な方法により達成されうる。最も一般的な方法は、米国特許第5,089,372 号に記載される通り、入射電磁線のスケールでドナー材料の表面を有効に粗くすることである。このことは、入射電磁線の空間的な干渉を阻害する効果を有し、これにより、自己干渉を最小にする。別の方法は入射光が遭遇する第二の界面上で反射防止コーティングを使用することである。反射防止コーティングの使用は当業界において周知であり、そして米国特許第5,171,650 号に記載される通り、フッ化マグネシウムのような1/4 波長厚さのコーティングからなる。コストおよび製造の制約により、表面粗さ付与のアプローチは多くの用途で好ましい。
【0033】
適切なレセプターは当業界において周知である。本発明において使用できるレセプターの制限しない例は、陽極酸化されたアルミニウムおよび他の金属、透明なポリエステルフィルム( 例えば、PET)および様々な異なるタイプの紙( 例えば、充填剤入りまたは充填剤入りでない、カレンダー加工された、塗工された紙) を含む。
【0034】
次の制限しない例は、更に本発明を説明するものである。

次の例において使用される材料は、特に指示がないかぎり、Aldrich Chemical Co.(Milwaukee, WI) のような標準的な市販元から入手可能である。
次の例で使用されるIR吸収剤IR-165は次の構造を有し、American Cyanamid, Wayne, NJから入手可能である。
【0035】
【化1】

【0036】
黒色アルミニウム被覆されたポリエステルフィルムの製造
黒色アルミニウム(酸化アルミニウム)を4ミル(0.1mm)のポリエステル基材の片面上に蒸着した。アルミニウムをポリエステルフィルム上にアルゴン/ 酸素雰囲気下で、次の条件下で真空コーター中でスパッタリングした。
スパッタリング電圧 455 ボルト
真空系圧力 1.3x10 -2トル
酸素/ アルゴン流量比 0.008
基材輸送速度 3.0ft/ 分
【0037】
上記コーティング条件はShimadzu MPC-3100 Spectrometer(Shimadzu Scientific Inc., Columbia, MD)上に測定される、1064nmで0.77に等しい吸収率を有する黒色アルミニウム被覆フィルムを生じた。
【0038】
次の例において記載されるカラー熱転写ドナーシートをガラスレセプター上への熱画像転写に関して試験した。各例の中に示したカラードナーシートは、逐次画像形成され、そして1.1mm の厚さの2 インチx2インチのガラスレセプターシート上に転写された。画像形成はフラットベッド画像形成装置で、Nd:YAGレーザーを用い、140 ミクロンのレーザースポットサイズを有するドナーフィルム平面上で7.5 ワットの操作電圧で行った。レーザースキャン速度は12メートル/ 秒であった。画像形成データをマスメモリー装置から送り、そして、レーザーの画像様変調を行うアコスト- オプティックモジュレーターに供給した。画像形成法の間に、ドナーシートおよびレセプターは真空の助けにより密の接触を維持した。
【0039】
次の比較例は接着剤トップコートを有しない転写カラードナーを例示する。
【0040】
例1(比較)
CRY-SO89赤顔料分散体溶液(Fuji-Hunt Electronics Technology Co. LTD., Tokyo, JapanからColor Mosaicの商品名で入手可能) を、黒色アルミニウム蒸着した4 ミル(0.1mm) ポリエステルフィルムの22.9cmx29.5cm(9inchx12inch) シート上に塗布することにより赤の熱転写ドナーを製造した。溶液を#5ワイヤー巻きバーを用いて塗布し、熱対流炉中で80℃で2 分間乾燥して約1.0マイクロメートルの重量の膜を生じた。Color Mosaic CRY-SO89 はC.I.顔料レッド177 、C.I.顔料イエロー139 、ベンジルメタクリレート/ メタクリル酸コポリマーおよびジペンタエリトリトールヘキサアクリレートモノマーをエチル3-エトキシプロピオネート、メトキシプロピルアセテートおよびシクロヘキサノン溶剤混合物中に含んだ。
【0041】
上記のレーザー誘導熱転写法を用いて、平行であるが別個のライン状の画像を生じるようにガラスレセプター上に赤ドナーを画像形成した。得られるドナーおよびレセプターの視覚試験は、ドナー上の画像形成は完全であるが、カラー画像のレセプター上への転写は不完全であることを示した。ガラスレセプターからドナーを分離した後に、形成した画像の約40% はドナーシート上に残存した。しかし、残存したドナー上の画像はScotch(商標)ブランド感圧接着テープでドナーシートから容易に分離され、カラー層のレセプター表面への低い転写性を示した。画像は主としてレセプターへの付着性の欠如により良好に転写しなかった。
【0042】
次の例は、ドナーシートの熱転写層上への接着剤トップコートの追加の効果を示す。
【0043】
例2(比較)
例1 に記載した赤熱転写ドナーに次の接着剤トップコート溶液をオーバーコートした。
接着剤トップコート溶液
ICI Acrylics Inc., Wilmington, DE からElvacite 2776
の商品名で入手可能なポリアクリル樹脂 10.0g
メチルエチルケトン 90.0g
#6ワイヤー巻きバーを用いて接着剤溶液を熱転写層上に塗布し、そして80℃で2 分間乾燥した。
得られた赤熱転写ドナーをガラスレセプターに対して画像形成した。結果は、例1 に示したよりもレセプター上への完全な画像の転写性を示した。20x 出力の顕微鏡検査のもとで、レセプター上に得られた画像は55〜100 ミクロンの範囲のライン幅を有し、そして画像ラインの両側で破壊されたパターンを有する、非常に粗いライン縁を有した。転写は完全であったが、画像の解像度は低かった。
【0044】
次の例は、熱転写性赤外線感受性トップコートをカラー熱転写ドナーシート上に追加することの効果を示す。
【0045】
例3
例1 に記載した赤熱転写ドナーシートを、次の熱転写性赤外線感受性接着剤トップコート溶液を用いてオーバーコートした。
熱転写性赤外線感受性接着剤トップコート
IR165 染料(MEK中8 重量%) 1.875g
Elvacite 2776 ポリアクリル樹脂、MEK 中10重量% 5.0g
#6ワイヤー巻きバーを用いて接着剤溶液をカラー熱転写層上に塗布し、そして80℃で2 分間乾燥した。接着剤層は1068nmで0.8 の吸収率を有した。
得られた赤熱転写ドナーを、上記の画像形成法を用いてガラスレセプターに対して画像形成した。結果は、ガラスレセプターへの画像の非常に良好な転写を示した。比較結果は、例1 および2 よりも有意に良好であった。200x出力の顕微鏡検査のもとで、レセプター上に得られた画像は105 ミクロンのライン幅を有し、そして画像ラインのいずれの側でも破壊されたパターンの兆候を示さない鋭いライン縁を有した。
【0046】
次の例は接着剤層を有しない異なるタイプの比較の熱転写ドナーを例示する。
【0047】
例4(比較)
4 ミル(0.001mm)のポリエステルフィルムに次の光- 熱変換層溶液を塗布した。
光- 熱変換層溶液
IR-165染料(MEK中8 重量%) 1.32g
Borden Chemical, Columbus, OH からBorden SP-126A
の商品名で入手可能なノボラック樹脂; MEK 中 10 重量% 1.3g
3M, St. Paul, MNからFC-431の商品名で入手可能な
フルオロケミカル界面活性剤; MEK 中 10 重量% 0.2g
光- 熱変換層溶液を#4ワイヤー巻きバーで塗布し、そして80℃で2 分間乾燥した。乾燥したフィルムはShimadzu MPC-3100Spectrophotometerで測定して、1064nmで0.59の吸収率を有した。
例1 に記載した赤熱転写溶液を上記の光- 熱変換層に#5ワイヤー巻きバーを用いて塗布し、そして80℃で2 分間、加熱空気を用いて乾燥し、約1.5 マイクロメートルの重量の膜を生じた。得られたドナーシートを上記の画像形成法を用いてガラスレセプターに対して画像形成した。顕微鏡写真試験のもとで、ガラスレセプター上に得られた画像は90ミクロンのライン幅を有し、そして幾分、破壊したライン縁を有した。
【0048】
次の例は例4 のドナーシートの熱転写層上に接着剤トップコートを追加することの効果を示す。
【0049】
例5(比較)
例4 に記載した赤熱転写ドナーシートを次の熱転写性赤外線感受性接着剤トップコート溶液でオーバーコートした。
熱転写性赤外線感受性接着剤トップコート溶液
Elvacite 2776 ポリアクリル樹脂; MEK 中10重量% 5.0g
#6ワイヤー巻きバーを用いて接着剤溶液をカラー熱転写層上に塗布し、そして80℃で2 分間乾燥した。得られたドナーシートを上記の画像形成法を用いてガラスレセプター上に画像形成した。顕微鏡試験のもとで、レセプター上に得られた画像は、90〜98ミクロンのライン幅を有し、そしてライン画像の両側の縁で破壊されたパターンを有する粗いラインを有した。
【0050】
次の例は例4 のカラー熱転写ドナーシート上に熱転写性赤外線感受性接着剤トップコートを追加することの効果を示す。
【0051】
例6
例4 に記載した赤熱転写ドナーシートを、次の熱転写性赤外線感受性接着剤トップコート溶液でオーバーコートした。
熱転写性赤外線感受性接着剤トップコート溶液
IR-165染料(MEK中10重量%) 1.875g
Elvacite 2776 ポリアクリル樹脂; MEK 中10重量% 5.0g
接着剤溶液をカラー熱転写層上に、#6ワイヤー巻きバーを用いて塗布し、そして80℃で2 分間乾燥した。接着剤層は1064nmで0.8 の吸収率を有した。得られた赤ドナーシートを、上記の画像形成法を用いてガラスレセプター上に画像形成した。得られた結果はレセプター上への非常に良好な転写性を示した。顕微鏡検査のもとで、レセプター上に得られた画像は110 ミクロンのライン幅を有し、そして鋭いライン縁を有した。ラインの鋭さは例5 よりも有意に良好であった。
【0052】
表1 に例1 〜6 で観測した画像形成結果を要約する。
〔表1〕
例 ライン幅 縁鋭さ
1(比較) 不完全な転写 不完全な転写
2(比較) 55 〜100 ミクロン 破壊
3 105ミクロン 均一
4(比較) 90ミクロン 破壊
5(比較) 90〜98ミクロン 破壊
6 110ミクロン 均一
【0053】
表1 の結果は、赤外線吸収性接着剤トップコートの追加が画像転写効率および転写された画像の解像度の両方を改良することを明らかに示した。
【0054】
実施形態
(1)(a) 光- 熱変換層
(b) カラー転写層、および、
(c) 赤外線吸収剤および熱可塑性材料を含む、熱転写性赤外線感受性接着剤トップコート、
の順序で基材上に付着した、前記基材を含むカラー熱転写要素。
(2)前記光- 熱変換層が金属または金属/ 金属酸化物を含む、上記(1)記載のカラー熱転写要素。
(3)前記光- 熱変換層が赤外線吸収剤およびバインダーを含む、上記(1)記載のカラー熱転写要素。
(4)前記カラー転写層が顔料を含む、上記(1)記載のカラー熱転写要素。
(5)前記カラー転写層が重合性材料および開始剤系を更に含む、上記(1)記載のカラー熱転写要素。
(6)前記赤外線感受性接着剤トップコートが0.05〜2.0ミクロンの厚さである、上記(1)記載のカラー熱転写要素。
(7)前記赤外線感受性接着剤トップコートが架橋剤を更に含む、上記(1)記載のカラー熱転写要素。
(8)レセプター上に画像を転写する方法であって、
(a) 前記レセプターと、
(i) 光- 熱変換層
(ii)カラー転写層、および、
(ii)赤外線吸収剤および熱可塑性材料を含む、熱転写性赤外線感受性接着剤トップコート、
の順序で基材上に付着した、前記基材を含むカラー熱転写要素とを密に接触させて配置すること、ここで、前記接着剤トップコートが前記レセプターと接触する、
(b) (iii) を加熱する赤外線源により、前記熱転写要素を画像様パターンで露光すること、および、
(c) 前記画像様パターンに対応して、前記カラー転写層および前記熱転写性接着剤トップコートを前記レセプター上に同時に転写して、転写画像を形成させること、
を含む方法。
(9)前記光- 熱変換層が金属または金属/ 金属酸化物を含む、上記(8)記載の方法。
(10)前記光- 熱変換層が赤外線吸収剤およびバインダーを含む、上記(8)記載の方法。
(11)前記カラー転写層が顔料を含む、上記(8)記載の方法。
(12)前記カラー転写層が重合性材料および開始剤系を更に含む、上記(8)記載の方法。
(13)d)前記転写画像を第二の電磁線源に露光させること、を更に含む、上記(12)記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 光- 熱変換層
(b) カラー転写層、および、
(c) 赤外線吸収剤および熱可塑性材料を含む、透明又は半透明である熱転写性赤外線感受性接着剤トップコート、
の順序で基材上に付着した、前記基材を含むカラー熱転写要素。
【請求項2】
(a) 光- 熱変換層
(b) カラー転写層、および、
(c) 赤外線吸収剤および熱可塑性材料を含む、室温で不粘着性である熱転写性赤外線感受性接着剤トップコート、
の順序で基材上に付着した、前記基材を含むカラー熱転写要素。
【請求項3】
レセプター上に画像を転写する方法であって、
(a) 前記レセプターと、
(i) 光- 熱変換層
(ii)カラー転写層、および、
(iii)赤外線吸収剤および熱可塑性材料を含む、透明又は半透明である熱転写性赤外線感受性接着剤トップコートの順序で基材上に付着した、前記基材を含むカラー熱転写要素とを、前記接着剤トップコートが前記レセプターと接触するようにして密に接触させて配置すること、
(b) (iii) を加熱する赤外線源により、前記熱転写要素を画像様パターンで露光すること、および、
(c) 前記画像様パターンに対応して、前記カラー転写層および前記熱転写性接着剤トップコートを前記レセプター上に同時に転写して、転写画像を前記レセプター上に形成させること、
を含む方法。
【請求項4】
レセプター上に画像を転写する方法であって、
(a) 前記レセプターと、
(i) 光- 熱変換層
(ii)カラー転写層、および、
(iii)赤外線吸収剤および熱可塑性材料を含む、室温で不粘着性である熱転写性赤外線感受性接着剤トップコートの順序で基材上に付着した、前記基材を含むカラー熱転写要素とを、前記接着剤トップコートが前記レセプターと接触するようにして密に接触させて配置すること、
(b) (iii) を加熱する赤外線源により、前記熱転写要素を画像様パターンで露光すること、および、
(c) 前記画像様パターンに対応して、前記カラー転写層および前記熱転写性接着剤トップコートを前記レセプター上に同時に転写して、転写画像を前記レセプター上に形成させること、
を含む方法。

【公開番号】特開2006−297954(P2006−297954A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−217346(P2006−217346)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【分割の表示】特願平9−59087の分割
【原出願日】平成9年3月13日(1997.3.13)
【出願人】(590000422)スリーエム カンパニー (144)
【Fターム(参考)】