説明

レーザ加工装置

【課題】 高速で高精度の加工が可能なレーザ加工装置。
【解決手段】 加工面と平行な面内で、支点14,24の周りで所定角度範囲で回転可能に各一端を支持された第1,2軸の伸縮アーム10,20の連結点Kで加工ヘッド5が支持される。アーム10,20はボールネジ11,21と伸縮管構造を有するカバー12,22を備えている。加工ヘッド5は、ボールネジ11,12を嵌挿して係合するナットを備え、サーボモータ13,23を動作させると、ボールネジ11,21が回転し、それに応じてアーム10,20の伸縮が起り加工ヘッド5のが移動する。加工ヘッド5の各アーム10,20との結合部と加工ヘッド先端部を形成する加工ノズル6の間に、Z軸調整用ボールネジ31、サーボモータ33等からなるZ軸調整機構が設けられている。これにより、Z軸方向の位置(加工面に対する遠近)を調整出来るようになっている。加工ヘッド5の駆動に3次元の並列駆動系、直列駆動系と並列駆動系の組合せも採用出来る。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ光を利用して材料の加工を行なうレーザ加工装置に関し、更に詳しく言えば、加工ヘッドを移動させる駆動系に改良を加えたレーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ光を利用して材料の切断、穿孔、溶接、表面処理等(本明細書では、これらをまとめて「加工」と言う。)を行なうレーザ加工装置は、加工形状を自由に選択出来る等の利点があるため、特に多品種少量生産に適した加工手段として広く利用されている。図1は、炭酸ガスレーザを利用したレーザ加工装置を例にとり、従来のレーザ加工装置の概略構成を斜視図で示したものである。
【0003】同図において、全体を符号1で表されたレーザ加工装置は、レーザビーム供給源として炭酸ガスレーザ発振器2を備えている。炭酸ガスレーザ発振器2から出力されたレーザビームLBは、図示を省略した遮光ダクトを導光路として加工機本体部4に伝達され、ミラーM1,M2を経て加工機本体部4の加工ヘッド5に伝送される。
【0004】加工ヘッド5の内部には集光レンズ(図示省略)が組み込まれており、ミラーM2により下方に屈曲された光はこの集光レンズによって集光され、加工ヘッド5の先端部に設けられた加工ノズル6から被加工物Wに投射される。なお、加工速度の向上あるいは加工面の面粗度向上のために加工ヘッド5に取付けられたアシストガスノズル(図示省略)から、加工面へ向けてアシストガスが吹き付けられることが通例である。
【0005】レーザビームLBが入射する加工点は、加工ヘッド5の加工ノズル6の直下に位置する。従って、加工ヘッド5をX軸及びY軸に関して位置決めすることによって定められる。自由な加工形状の加工を可能にするために、加工ヘッド5はXY駆動機構上に搭載されている。XY駆動機構は、加工ヘッド5を±X軸及び±Y軸方向に直線移動させる機構で、図示されているように、X軸駆動のためのボールネジ6A、直動ベアリング6B、サーボモータ7、Y軸駆動のためのボールネジ8、サーボモータ9等で構成されるものが代表的である。
【0006】各サーボモータ7,9は、通常、数値制御装置(CNC)3によって制御される。数値制御装置3に加工プログラムを教示して再生運転を行なうと、加工プログラムに含まれる位置データに応じたX軸、Y軸上の位置(場合によっては、X,Y,Z各軸上の位置)に加工ヘッド5が順次位置決めされ、加工プログラムで指定されている形状に従った加工が達成される。
【0007】なお、加工ヘッド5のZ方向位置は、別途、適当なZ軸移動機構によって位置調節可能とされることが多いが、場合によっては、サーボモータと数値制御装置を用いたX軸、Y軸と同様の制御が行なわれることもある。また、加工ヘッド5をXY駆動機構で移動させる方式に代えて、被加工物を載置するワークテーブルをXY駆動機構で移動させる方式を採用したレーザ加工装置も知られている。
【0008】しかし、これら直列XY駆動系を利用した従来型のレーザ加工装置は、加工点の移動を俊敏に行なう上で有利でなく、パンチプレス等の加工装置に比べて加工速度が遅いという問題点があった。即ち、加工ヘッドを高速で移動させようとした場合、構造部材の剛性がこれに追いつかず、加工精度の低下を招いていた。個々の構造部材自体の剛性を高めることで加工精度の低下を回避することも考えられるが、加工ヘッドの移動時に駆動機構にかかる負荷が大きくなり、大がかりな駆動機構を装備する必要が生じ、現実的な解決手段とはなり得なかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決したレーザ加工装置を提供することにある。即ち、本発明は、従来構造のレーザ加工装置に比べて駆動機構の剛性に優れ、従って加工精度を低下させることなく加工ヘッドの高速駆動を行なうことが容易なレーザ加工装置を提供し、そのことを通して、高精度のレーザ加工を効率的に行えるようにする事を企図している。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、加工機本体部の加工ヘッド移動機構の少なくとも一部に並列駆動系を取り入れることによって上記技術課題を解決したものである。即ち、本発明のレーザ加工装置においては、加工ヘッドを移動させるための駆動機構として、少なくとも2本の伸縮アームと、前記少なくとも2本の伸縮アームの各々を伸縮させるためのモータを備えたものが使用される。少なくとも2本の伸縮アームの各基部は支点に回転可能に支持され、加工ヘッドは、それら伸縮アームの伸縮に応じて位置決めされるように継手機構を介して各伸縮アームに支持される。
【0011】用いる伸縮アームの本数は2本または3本が実際的である。伸縮アームの本数を2本とする場合には、加工ヘッド先端部に設けられた加工ノズルの主軸方向位置を調整するための手段(モータとそれに結合された移動機構)が搭載されていることが好ましい。
【0012】加工ヘッドを移動させる並列駆動系を更に直列駆動系上に搭載することも出来る。その場合、並列駆動系に使用する伸縮アームは2本あるいは3本とすることが出来る。直列駆動系は典型的にはXY直列駆動系とされるが、X,Y,Zの1軸移動の直列駆動系とすることも出来る。直列駆動系の駆動源には、リニアモータが好適に用いられる。
【0013】
【作用】本発明のレーザ加工装置の特徴は、加工ヘッドの移動機構に複数の伸縮アームを用いた並列駆動系を入れたことにある。これにより、XY直列駆動系などを使用していた従来構造のレーザ加工装置と比較して、加工範囲を狭めることなく実質的な剛性を高めることが出来るようになる。その結果、加工ヘッドを高速あるいは高加速度で移動させても加工精度の劣化が生じ難い。加工ヘッドの移動には、低速あるいは低加速度(例えば定速移動)で足りるものも含まれるので、それを直列駆動系に担わせることも可能である。本発明では、直列駆動系上に並列駆動系を搭載することにより、このような加工ヘッド移動方式も採用可能とされている。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の基本的な特徴は、レーザ加工装置の加工ヘッドを移動させるための駆動系として並列駆動系を用いる点にある。加工ヘッドのための並列駆動系としては、2次元あるいは3次元のものが採用可能である。また、並列駆動系を直列XY駆動系上に搭載することで、加工ヘッドの移動範囲を拡張することも可能である。ここでは、次の3つの実施形態について本発明を更に詳しく説明する。
【0015】実施形態1;2次元の並列駆動系を採用したレーザ加工装置の例実施形態2;3次元の並列駆動系を採用したレーザ加工装置の例実施形態3;2次元の並列駆動系を直列XY駆動系上に搭載したレーザ加工装置の例なお、いずれの実施形態においても、加工ヘッドの駆動機構以外の部分は本発明の技術思想に直接の関わるものでなく、従来のレーザ加工装置と同様の構造とすることが出来る。従って、図2以下における構造の描示並びに関連説明は、加工機本体部の要部(加工ヘッド、駆動系並びに関連部分)に適宜限定して行なった。また、各要素の指示について適宜図1に準じた符号を使用した。
【0016】[実施形態1]図2(a),(b)は、2次元の並列駆動系を採用した実施形態1に係るレーザ加工装置の加工機本体部の要部構成を、上面図(a)並びに側面図(b)で示したものである。両図において、符号10,20は各々伸縮自在なアームを表わしており、これら2本の伸縮アーム10,20は一つの加工ヘッド5を支持しつつ、加工ヘッド5によって連結されている。そこで、加工ヘッド5を代表する点(加工ノズル直上)を連結点と呼ぶことにある(実施形態2,3でも同じ)。以下、便宜上、伸縮アーム10で代表される軸を第1軸、伸縮アーム20で代表される軸を第2軸とする。
【0017】加工ヘッド5を連結点Kで支持する第1軸及び第2軸の伸縮アーム10,20は各々支点14,24の周りで回転自在に支持されている。但し、回転が許容されるのは加工ヘッド5を支持している連結点Kにおいて加工面と平行な面内のみであり、それ以外の方向への動きは拘束されている。また、後述するように、各アーム10,20の回転範囲は適宜制限されている。
【0018】アーム10,20は各々ボールネジ11,21とカバー12,22を備え、カバー12,22の各一端は支点14,24に取り付けられ、他端は加工ヘッド5に取り付けられている。アーム10,20の伸縮に適応するために、カバー12,22は伸縮管構造を有している。具体的には、周知の蛇腹管あるいは径が段階的に異なる何本かの管体(例えば、金属管)を順次連結した伸縮管が利用出来る。
【0019】また、第1軸のボールネジ11は支点14に回転自在に取り付けられ、第2軸のボールネジ21は支点24に回転自在に取り付けられている。そして、加工ヘッド5は、ボールネジ11,12の各々を嵌挿してそれらと係合する2つのナットを備えている(加工ヘッド5の支持構造の詳細は後述)。従って、各ボールネジ11,21に結合されたサーボモータ13,23を動作させると、ボールネジ11,21が回転し、それに応じて第1軸アーム10、第2軸アーム20の伸縮が起る。
【0020】これにより、第1軸アーム10と第2軸アーム20の連結点Kに支持された加工ヘッド5の位置が移動する。支点14と連結点Kの間の距離は第1軸アーム10の伸縮位置で決まり、支点24と連結点Kの間の距離は第2軸アーム20の伸縮位置で決まる。従って、平面上で運動を規制されている連結点Kの2次元位置は、これら距離条件を満たすことになる。この関係を利用して、連結点Kに支持された加工ヘッド5の位置を制御することが出来る。
【0021】今、加工面に平行なXY平面を持つワーク座標系Σw を定義した時、連結点KはXY平面と平行な面上で移動可能であるものとする。加工ヘッド5の位置を代表する連結点Kの位置を(x,y)で表わし、加工ヘッド支点14,24のXY位置を各々(X1 ,Y1 ),(X2 ,Y2 )とすると、次の関係が成立する。
(x−X1 )2 +(y−Y1 )2 =L12 ・・・(1) (x−X2 )2 +(y−Y2 )2 =L22 ・・・(2) ここで、L1 は支点14と連結点Kの間の距離であり、L2 は支点24と連結点Kの間の距離である。L1 ,L2 は各々第1軸駆動用サーボモータ13、第2軸駆動用サーボモータ23の位置の関数である。この関数をf1 ,f2 、サーボモータ13,23の位置を表わす変数をJ1 ,J2 とすると、 L1 =f1 (J1 ) ・・・(3) L2 =f2 (J2 ) ・・・(4) である。f1 ,f2 の具体形は、設計値に基づく計算あるいは適当なキャリブレーションで定められる。
【0022】上式の関係を利用して、アーム10,20の長さの変化範囲内で届く任意の希望位置へ加工ヘッド5を移動させることが出来る。また、アーム10,20の長さを連続的に制御すれば、加工ヘッド5を希望する経路に沿って移動させることも可能である。希望する加工経路に対応した加工ヘッド5の位置(x,y)は、加工プログラムデータから数値制御装置内で計算され、それに対応したアーム長L1 ,L2 を実現するための移動指令がサーボモータ13,23に送られる。上記式(1)〜(4)は、加工ヘッド5の位置(x,y)から移動指令を作成するための基礎式となる。
【0023】支点14,24は、両者を一致させない限り基本的に任意の位置に配置可能であるが、通常、図2(a)に例示されているように、適当な間隔をとって配置される。また、第1軸、第2軸の長さL1 ,L2 を制御しても加工ヘッド5の位置を一意的に決めることが出来ない場合がある。図3(a)はこれを説明する図で、符号5,5’いずれで示した加工ヘッド位置も、支点14からの距離L1 、支点24からの距離L2 の条件を満たしている。このような加工点位置の2値性の問題に備える方策として、少なくとも一方のアーム10,20について、移動可能な角度範囲に制限を設けることが考えられる。図3(b)は、図2に示した実施形態について、角度範囲制限を設けた例を表わしている。
【0024】同図に示した例では、支点14周りのアーム10の移動角度範囲AR1と支点24周りのアーム20の移動角度範囲AR2を図示されたような範囲(各々90度をやや下回る範囲)に制限することで、上記2値性の問題を回避しながら斜線で表わした加工ヘッド5の存在範囲を実現している。
【0025】なお、通常の加工においては、加工ヘッド5と被加工面との間の距離を加工条件に応じて調整したり、あるいは、加工面の起伏に沿って移動させたりする必要がしばしば生じる。しかし、本実施形態のように2本のみの伸縮アームを用いた並列駆動系にこのようなZ軸方向の位置調整機能を持たせることは出来ない。
【0026】そこで、本実施形態では、加工ヘッド5の各アーム10,20との結合部と加工ヘッド先端部を形成する加工ノズル6の間に、Z軸調整用ボールネジ31、サーボモータ33等からなるZ軸調整機構が設けられている。これにより、Z軸方向の位置(加工面に対する遠近)を調整出来るようになっている。Z軸位置を調整量はサーボモータ33を制御する数値制御装置(図示省略)によって定められる。
【0027】レーザ発振器としてはYAGレーザあるいは炭酸ガスレーザ等が利用出来るが、YAGレーザを用いた場合には、レーザ発振器から加工ノズルまでのレーザ光の伝送に光ファイバが利用出来る。炭酸ガスレーザを用いた場合のように、レーザ光の伝送に光ファイバを利用出来ない場合には、いずれかのアームの支点並びに該アームと加工ヘッドの結合部に、ミラーをアームと一体的な回転運動をするように固定することで光の伝送は可能となる。
【0028】その際、アームのカバー内にミラーを取り付ければ、アームのカバーは、レーザ光が不用意に人の眼に入る事故を防止する防護カバーとして兼用出来る。但し、その場合にはボールネジを中空にするか、ボールネジをアーム外に配置する必要がある。
【0029】アームの長さ(ボールネジの長さ)は、駆動系の剛性と加工範囲を勘案して決めることが好ましい。一般に、アームの長さを長くすれば加工範囲は広がるが、機械の剛性が落ちるので加工精度が低下する。逆に、アームの長さを短くすれば加工範囲は狭まるが、機械の剛性が上昇するので加工精度を高める上で有利である。本実施形態で実際的な一つの最大アーム長を例示すれば、1.2mがある。
【0030】次に、実施形態1で使用されている2本の伸縮アーム10,20の連結点Kにおける加工ヘッド5の支持構造について、図4(a)〜図4(c)を参照して説明する。図4(b)は図2中に示した加工ヘッド5の要部破断図で、図4(a)は図4(b)中に示したA−A’に沿った断面図である。また、図4(c)は図4(b)中に示した構造を加工ノズル6の先端側から図である。
【0031】先ず、特に図4(b)に示されているように、加工ヘッド5は第1軸のボールネジ11を嵌挿してこれと係合するナット111を設けた加工ヘッド基部51を有している。これにより、ボールネジ11が図2に示したサーボモータ13で駆動された時、基部51は第1軸の伸縮方向(ボールネジ11の軸方向)に沿って移動することが出来るようになっている(第1軸の伸縮動作)。
【0032】一方、第2軸のボールネジ21を取り囲む第2軸加工ヘッド外筒54のボールネジ嵌挿孔の内面にはナット211が形成され、ボールネジ21と係合している。
【0033】ナット211と加工ヘッド基部51の間にはベアリングBR1が設けられ、ナット211と加工ヘッド回転軸52の間にはベアリングBR2が設けられている。
【0034】加工ヘッド回転軸52は、図4(a)を参照すると理解されるように、ボールネジ21を迂回するように形成された連結部53を介して加工ヘッド基部51と連結された部分である。符号55は第2軸加工ヘッド外筒54とベアリングBR2を覆う部材で、加工ヘッド回転軸52を受け入れて固定する加工ヘッド回転軸固定用ナット56を備えている。
【0035】第1軸の伸縮動作と同様、サーボモータ23(図2参照)が動作すると、ボールネジ21が駆動され、ナット211は第2軸の伸縮方向(ボールネジ21の軸方向)に沿って移動する(第2軸の伸縮動作)。加工ヘッド5を移動させるためには第1軸あるいは第2軸の一方または両方が駆動され、L1 または/及びL2が変化する。この時、図2から容易に理解されるように、一般に、ボールネジ11とボールネジ21のなす角度が変化する。図4(b)で言えば、両者の軸B−B’周りの相対姿勢が変化する。
【0036】即ち、軸B−B’周りの姿勢について、基部51はナット111と一体的にボールネジ11の姿勢変化に追随し、ナット211は外筒54と一体的にボールネジ21の姿勢変化に追随するが、特別の条件以外では、ボールネジ11の姿勢変化とボールネジ21の姿勢変化は一致しない。従って、ナット111と一体的に動く加工ヘッド基部51と、ナット211と一体的に動く外筒54との間には軸B−B’周りの相対姿勢の変化が許容されなければならない。上記ベアリングBR1,BR2を含む構造は、これを可能にするための回転自由度を与えている。なお、図4(a)に示された連結部53を設ける位置、大きさ等は、図3(b)に示した加工ヘッド5の移動範囲を許容するように設計される。
【0037】加工ヘッド5の上下位置調整(Z軸位置調整)は、加工ヘッド5の先端部を形成する加工ノズル6を加工ヘッド基部51に対して上下位置調整することで行なわれる。符号33は上下調整のために基部51の側部に搭載されたサーボモータ33を表わしている。このサーボモータ33は、上下調整用のボールネジ31に結合され、ボールネジ31にはナット311が係合されている。ナット311と一体の加工ノズル支持部材63がガイド孔62を介してリニアガイド61で案内されている。この構造により、サーボモータ33の動作時にボールネジ31が回転駆動され、加工ノズル6の上下移動(Z軸位置調整)が達成される。
【0038】[実施形態2]図5(a),(b)は、3次元の並列駆動系を採用した実施形態2に係るレーザ加工装置の加工機本体部の要部構成を、上面図(a)並びに側面図(b)で示したものである。両図において、符号10,20,40は各々伸縮自在なアームを表わしており、これら3本の伸縮アーム10,20,40の連結点Sに1つの加工ヘッド5が支持されている。以下、便宜上、伸縮アーム10で代表される軸を第1軸、伸縮アーム20で代表される軸を第2軸、伸縮アーム40で代表される軸を第3軸とする。
【0039】アーム10,20,40は各々ボールネジ11,21,41とカバー12,22,42を備え、カバー12,22,42の各一端は支点14,24,44に取り付けられ、他端は加工ヘッド5に取り付けられている。実施形態1の場合と同じく、アーム10,20,40の伸縮に適応するために、カバー12,22,42は伸縮管構造を有している。具体的には、周知の蛇腹管あるいは径が段階的に異なる何本かの管体(例えば、金属管)を順次連結した伸縮管が利用出来る。
【0040】加工ヘッド5を連結点Sで支持する第1軸〜第3軸の伸縮アーム10,20,40の基端部は、各々支点14,24,44に継手で結合されている。各軸の支点は、各伸縮アーム10,20,40(ボールネジ11,21,41とカバー12,22,42)にZ軸(鉛直軸)周りの回転と水平軸周りの回転を許容する継手を有している。即ち、図5(b)に示したように、第1軸の支点14は、支柱15と支柱15の軸周りで回転自在な支柱側回転軸16を備え、この支柱側回転軸16上には支柱側スイングアーム軸17が搭載されている。そして、支柱側スイングアーム軸17にボールネジ11を枢軸支持することで、第1軸の伸縮アーム10に鉛直軸周りと水平軸周りの回転を許容する2自由度の継手が構成されている。
【0041】同様に、第2軸の支点24は、支柱25と支柱25の軸周りで回転自在な支柱側回転軸26を備え、この支柱側回転軸26上には支柱側スイングアーム軸27が搭載されている。そして、支柱側スイングアーム軸27にボールネジ21を枢軸支持することで、第2軸の伸縮アーム20に鉛直軸周りと水平軸周りの回転を許容する2自由度の継手が構成されている。第3軸の支点44の構造については図示を省略したが、同様の継手構造によって、鉛直軸周りと水平軸周りの回転が許容されている。
【0042】3軸伸縮アームを使用したレーザ加工装置においては、各軸アーム10,20,40の加工ヘッド5側の支持構造について、3軸の内の2軸が支点側と同様の2つの回転自由度(垂直軸周りと水平軸周り)を与え、他の1軸は1つの回転自由度(水平軸周り)を与える構造とされる。本実施形態では、第2軸と第3軸の加工ヘッド側の継手には、支点側と同様に各々鉛直軸周りの回転軸と水平軸周りのスイングアームを組み合わせた継手を採用し、第1軸には水平軸周りのスイングアーム101からなる1自由度の継手を採用し、鉛直軸周りの回転自由度を与えない継手構造とした。
【0043】このような回転自由度の制限を設ける理由は、加工ヘッド側のジョイントに過剰な回転自由度を与えると、加工ヘッド5の姿勢が不安定となり、一定の姿勢(加工ノズル6を鉛直下向き)を維持し難くなるからである。例えば、全軸に自在第1軸にも鉛直軸周りの回転自由度を与えると、自由度が過剰となり、加工ヘッド5を一定の姿勢(加工ノズル6が鉛直下向き)に保つことが事実上不可能になる。
【0044】第1〜第3軸の各ボールネジ11,21,41は、実施形態1の第1軸、第2軸の各ボールネジの場合と同様に、各アーム基部に組み込まれたサーボモータ13,23,24によって駆動される。これらサーボモータを動作させると、ボールネジ11,21,41が回転し、それに応じて第1軸アーム10、第2軸アーム20、第3軸アーム40の伸縮が起る。
【0045】これにより、3本のアームの連結点Sで代表される加工ヘッド5の位置が移動する。支点14,24,44と連結点Sの間の各距離は各アーム10,20,40の伸縮位置で決まる。従って、連結点Sの3次元位置はこれら距離条件を満たす位置となる。この関係を利用して、支持された加工ヘッド5の位置を制御することが出来る。なお、3次元の並列駆動系を採用した実施形態2においても、実施形態1と同様、アームの伸縮位置で加工ヘッドの位置が一意的に決まらない点を考慮して、アーム10,20,40について回転角度範囲に適当な制限が設けられている。
【0046】今、加工面に平行なXY平面を持つワーク座標系Σw を定義した時、3本のアーム10,20,40のXY平面上への射影は、各アーム10,20,40の伸縮位置に関わらず常に1点S’で交わるものとする。この点S’は加工点(レーザビームLBの入射点)に相当する点であるから、加工ヘッド5の位置を代表する連結点Sは、この点S’の直上にある加工ヘッド5上の定点と考えることが出来る。このような前提の下で、加工ヘッド5の位置を代表する連結点Sの位置を(x,y,z)で表わし、加工ヘッド支点14,24,44のXYZ位置を各々(X1 ,Y1 ,Z1 ),(X2 ,Y2 ,Z2 ),(X3 ,Y3 ,Z3 ),とすると、次の関係が成立する。
(x−X1 )2 +(y−Y1 )2 +(z−Z1 )2 =L12 ・・・(5) (x−X2 )2 +(y−Y2 )2 +(z−Z2 )2 =L22 ・・・(6) (x−X3 )2 +(y−Y3 )2 +(z−Z3 )2 =L32 ・・・(7) ここで、L1 は支点14と連結点Sの間の距離、L2 は支点24と連結点Sの間の距離、L3 は支点44と連結点Sの間の距離である。L1 ,L2 ,L3 は各々第1軸駆動用サーボモータ13、第2軸駆動用サーボモータ23、第3軸駆動用サーボモータ43の位置の関数である。
【0047】この関数をg1 ,g2 ,g3 、サーボモータ13,23,43の位置を表わす変数をJ1 ,J2 ,J3 とすると、 L1 =g1 (J1 ) ・・・(8) L2 =g2 (J2 ) ・・・(9) L3 =g3 (J3 ) ・・・(10)
である。g1 ,g2 ,g3 の具体形は、設計値に基づく計算あるいは適当なキャリブレーションで定められる。
【0048】上式の関係を利用して、アーム10,20,40の長さの変化範囲内で届く任意の希望位置(3次元位置)へ加工ヘッド5を移動させることが出来る。また、アーム10,20,40の長さを連続的に制御すれば、加工ヘッド5を希望する経路に沿って3次元的に移動させることも可能である。希望する加工経路に対応した加工ヘッド5の位置(x,y,z)は、加工プログラムデータから数値制御装置内で計算され、それに対応したアーム長L1 ,L2 を実現するための移動指令がサーボモータ13,23,44に送られる。上記式(5)〜(10)は、加工ヘッド5の位置(x,y,z)から移動指令を作成するための基礎式となる。
【0049】3次元の並列駆動系を用いた実施形態2では、支点14,24,44は、三者(正確に言えば、三者のXY平面上への射影)を一直線上に並べない限り、基本的に任意の位置に配置可能であるが、通常、図5(a)に例示されているように、三者相互に適当な間隔をとって配置される。
【0050】本実施形態では、実施形態1と異なり、加工ヘッド5上に上下位置調整用の駆動装置(サーボモータ33など)を設ける必要ばなくなるため、加工ヘッド全体の重量を減らすことが出来る。従って、駆動系の剛性が実施形態1のレーザ加工装置より更に向上し、高い加工精度を確保する上で有利となる。なお、使用するレーザ発振器、レーザ光の伝送方法については、実施形態1と同様なので繰り返し説明は省略する。
【0051】次に、実施形態2で使用されている3本の伸縮アーム10,20,40の連結点における加工ヘッド5の支持構造(継手構造)について、図6(a),図6R>6(b)を参照して説明する。図6(b)は図5中に示した加工ヘッド5の要部破断図で、図6(a)は図6(b)中に示したA−A’に沿った断面図である。
【0052】先ず、特に図6(b)に示されているように、加工ヘッド5には前記1回転自由度の継手を介して第1軸のボールネジ11を嵌挿する加工ヘッド基部51を有している。即ち、基部51の加工ヘッド側スイングアーム回転軸102にスイングアーム101が枢軸支持されおり、このスイングアーム101の内部にボールネジ11と係合するナット(図示省略)が設けられている。
【0053】従って、ボールネジ11が図5に示したサーボモータ13で駆動された時、スイングアーム101は第1軸の伸縮方向(ボールネジ11の軸方向)に沿って移動することが出来る(第1軸の伸縮動作)。これにより、ボールネジ11が支柱側スイングアーム軸17(図5(b)参照)周りで回転しても、加工ヘッド5の姿勢(鉛直下向き)はそれに拘束されない。但し、第1軸の加工ヘッド5側の継手の回転自由度は1であり、ボールネジ11の支柱側回転軸16(図5(b)参照)周りの回転に対しては、加工ヘッド5の姿勢は拘束を受け、加工ノズル6の主軸B−B’(鉛直下向き)の周りの回転を起こす。
【0054】第1軸と同様に、第2軸のボールネジ21を取り囲む第2軸加工ヘッド外筒54はスイングアーム(図示省略)を備え、このスイングアームの内部にボールネジ21と係合するナット(図示省略)が設けられている。従って、ボールネジ21が図5に示したサーボモータ23で駆動された時、第2軸のスイングアームは外筒54と一体的に第2軸の伸縮方向(ボールネジ21の軸方向)に沿って移動することが出来る(第2軸の伸縮動作)。
【0055】そして、加工ヘッド5の移動時にボールネジ21が第2軸の支柱側スイングアーム軸周りで回転しても、加工ヘッド5の姿勢はそれには拘束されない。また、実施形態1の場合と同様に、ボールネジ21を迂回するように形成された連結部(図示省略)を介して加工ヘッド基部51と連結されているが、外筒54はベアリングBR1,BR2によって、基部51と加工ヘッド回転軸52のいずれとも相対回転(軸B−B’周り)が許容されている。従って、外筒54の軸B−B周りの姿勢と、基部51の軸B−B周りの姿勢は拘束し合わない。
【0056】加工ヘッド回転軸52に対して、第3軸加工ヘッド回転軸用のベアリングBR3,BR4を介して第3軸加工ヘッド外筒57が設けられている。特に図6(a)を合わせて参照すると理解されるように、この外筒57にはスイングアーム回転軸402,402’を介して第3軸の加工ヘッド側のスイングアーム401が枢軸支持されている。これらベアリングBR3,BR4とスイングアーム401により、回転自由度2の継手が形成されている。
【0057】スイングアーム401は、第3軸のボールネジ41を嵌挿してナット411を介して、ボールネジ41と係合している。従って、ボールネジ41が図5に示したサーボモータ43で駆動された時、第3軸のスイングアーム401は外筒57と一体的に第3軸の伸縮方向(ボールネジ41の軸方向)に沿って移動することが出来る(第3軸の伸縮動作)。そして、加工ヘッド5の移動時にボールネジ41が第3軸の支柱側スイングアーム軸周りで回転しても、加工ヘッド5の姿勢はそれには拘束されない。
【0058】また、外筒54はベアリングBR3,BR4によって、加工ヘッド回転軸52との間の相対回転(軸B−B’周り)が許容されている。従って、外筒57の軸B−B周りの姿勢と、加工ヘッド回転軸52の軸B−B周りの姿勢は拘束し合わない。
【0059】符号58は第3軸加工ヘッド外筒57とベアリングBR4を覆う部材で、加工ヘッド回転軸52を受け入れて固定する加工ヘッド回転軸固定用ナット59を備えている。また、符号BR5,BR6は、スイングアーム401を回転軸402,402’で第3軸加工ヘッド外筒57に対して枢軸支持するためのベアリングを表わしており、第1軸のスイングアーム101の加工ヘッド基部51に対する枢軸支持、第2軸のスイングアームの第2軸加工ヘッド外筒54に対する枢軸支持についても同様のベアリングが使用されている。
【0060】以上説明した構造により、加工ヘッド5の姿勢(加工ノズル6を鉛直下向き)に保つ条件で伸縮運動をアーム10,20,40に行なわせた時に各支点14,24,44側及び加工ヘッド5側で必要とされる運動の自由度はすべて保証される。従って、前記基礎式(5)〜(8)に即して、各軸のサーボモータ13,23,43を制御するこで、加工ヘッド5の3次元的な位置決めが円滑に達成される。
【0061】[実施形態3]図7は、実施形態3に係るレーザ加工装置の加工機本体部の要部構成を上面図で示したものである。本実施形態は、3次元の並列駆動系を更に直列XY駆動系上に搭載してレーザ加工装置の加工範囲を拡張したものである。並列駆動系の構造及び機能については、実施形態2で説明したものと基本的に変わるところはない。また、直列XY駆動系についてもそれ自体は周知のものである。
【0062】図7において、符号70は3次元の並列駆動系を載置する並列駆動系載置テーブルで、Y軸駆動リニアモータMYが装備されており、このY軸駆動リニアモータMYを動作させることにより、並列駆動系載置テーブル70はY軸リニアガイドGY上を移動する。更に、Y軸リニアガイドGYにはX軸駆動リニアモータMXが装備されており、このX軸駆動リニアモータMXを動作させることにより、並列駆動系載置テーブル70を載置したY軸リニアガイドGYがX軸ガイドGX上を移動する。各リニアモータMX,MYは数値制御装置に接続されており、数値制御装置によってその位置が制御される。
【0063】並列駆動系載置テーブル70上には、第1軸、第2軸、及び第3軸の伸縮アーム10,20,40のための支点14,24,44が設けられ、3本の伸縮アーム10,20,40の連結点Sに1つの加工ヘッド5が支持されている。アーム10,20,40は、実施形態2で説明したと同じく、各々ボールネジ、カバーを備え、カバーの各一端は支点14,24,44に取り付けられ、他端は加工ヘッド5に取り付けられている。
【0064】アーム10,20,40の伸縮に適応するために、各カバーは実施形態1、実施形態2の場合と同様の伸縮管構造を有している。加工ヘッド5を連結点Sで支持するアーム10,20,40は、加工ヘッド5側並びに支点14,24,44側で各々継手を用いて結合されている。各継手の構造、機能(回転の自由度)等は、実施形態2で述べた通りであるから繰り返し説明は省略する。
【0065】アーム10,20,40の伸縮によって、連結点Sで代表される加工ヘッド5の位置が移動することは実施形態2の場合と同様である。但し、実施形態3におけるアーム10,20,40の伸縮による加工ヘッド5の移動は、並列駆動系載置テーブル70上で行なわれる。符号71は、加工ヘッド5の被加工物Wへの接近あるいはレーザビームの照射を可能にするために並列駆動系載置テーブル70のほぼ中央部に設けられた開口部である。この開口部71の大きさと形状は、加工ヘッド5の移動範囲を余裕を以てカバー出来るように設計される。
【0066】実施形態2で述べたように、各支点14,24,44と連結点Sの間の各距離は各アーム10,20,40の伸縮位置で決まる。従って、連結点Sの3次元位置はこれら距離条件を満たす位置となる。この関係を利用して、支持された加工ヘッド5の位置を制御することが出来る。なお、実施形態1,2と同様、アームの伸縮位置で加工ヘッドの位置が一意的に決まらない点を考慮して、アーム10,20,40について回転角度範囲に適当な制限が設けられている。
【0067】本実施形態のレーザ加工装置は、直列駆動系と並列駆動系を合わせ持っているので、加工ヘッド5の移動形態に応じて両者を使い分けることが出来る。即ち、低速度の移動や定速度移動のように大きな加速度が要求されない移動については直列駆動系を用い、加速度の大きな高速移動、曲率の大きな経路移動等には並列駆動系を用いるという使い分けが出来る。例えば、直列駆動系を定速で駆動しながら、同時に並列駆動系を高速(高加速度)で駆動すれば、無理なく高範囲の加工が高精度で実行出来る。このような低加速度条件で使用する限り、直列駆動系の剛性の低さは問題にならない。
【0068】また、実施形態1や実施形態2のレーザ加工装置では加工範囲が不足するような大きな被加工物に対しても、(1)直列駆動系を用いて大まかな加工ヘッド位置を選択するための移動を行い、(2)直列駆動系を一旦停止させた後に、並列駆動系を起動し、加工ヘッドを移動させながらその周辺の加工を実行する、というプロセスを何度か繰り返すことで実質的に大きな加工範囲を確保出来る。この場合も、並列駆動系による移動中に行なわれる加工は高速且つ高精度とすることが出来る。但し、このような使用法を採用する場合には、直列駆動系の始動、停止時に振動が発生しない程度の剛性を持たせることが好ましい。
【0069】本実施形態では、大きな加工範囲を確保するために並列駆動系の伸縮アーム10,20,40のアーム長を無理に延ばす必要がないので、大きな加工範囲と加工精度とを両立させることが容易である。なお、直列駆動系上に搭載する並列駆動系として、実施形態1で説明した型のものを採用することも出来る。また、細長い被加工物専用の加工範囲や、Z軸方向のみ大きな位置調整が要求されるような場合には、直列駆動系として1次元のものを採用しても良いことは言うまでもない。使用するレーザ発振器、レーザ光の伝送方法については、実施形態1,2と同様なので繰り返し説明は省略する。
【0070】
【発明の効果】本発明のレーザ加工装置は、従来構造のレーザ加工装置と比較して、加工範囲を狭めることなく実質的な剛性を高めた構造を有しているので、高い加工精度を保ちながら高速の加工を行なうことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭酸ガスレーザを利用したレーザ加工装置を例にとり、従来のレーザ加工装置の概略構成を斜視図で示したものである。
【図2】2次元の並列駆動系を採用した実施形態1に係るレーザ加工装置の加工機本体部の要部構成を、上面図(a)並びに側面図(b)で示したものである。
【図3】(a)は第1軸、第2軸の長さL1 ,L2 を制御しても加工ヘッド5の位置を一意的に決めることが出来ない場合があることを説明する図であり、(b)は、図2に示した実施形態について、この問題を回避するための角度範囲制限について説明する図である。
【図4】実施形態1で使用されている2本の伸縮アーム10,20の連結点Kにおける加工ヘッド5の支持構造について説明する図で、(b)は図2中に示した加工ヘッド5の要部破断図、(a)は図4(b)中に示したA−A’に沿った断面図である。また、(c)は(b)中に示した構造を加工ノズル6の先端側から図である。
【図5】3次元の並列駆動系を採用した実施形態2に係るレーザ加工装置の加工機本体部の要部構成を、上面図(a)並びに側面図(b)で示したものである。
【図6】実施形態2で使用されている3本の伸縮アーム10,20,40の連結点における加工ヘッド5の支持構造(継手構造)について説明する図で、(b)は図5中に示した加工ヘッド5の要部破断図、(a)は図6(b)中に示したA−A’に沿った断面図である。
【図7】実施形態3に係るレーザ加工装置の加工機本体部の要部構成を上面図で示したものである。
【符号の説明】
1 レーザ加工装置
2 炭酸ガスレーザ発振器
3 数値制御装置(CNC)
4 レーザ加工装置本体部
5 加工ヘッド
6 加工ノズル
6A,8,11,21,31,41 ボールネジ
6B 直動ベアリング
7,9,13,23,33,43 サーボモータ
10,20,40 伸縮アーム
12,22,42 カバー
14,24,44 支点
15 第1軸の支点14の支柱
16 支柱15の軸周りで回転自在な支柱側回転軸
17 第1軸支柱側スイングアーム軸
25 第2軸の支点24の支柱
26 支柱25の軸周りで回転自在な支柱側回転軸
27 第2軸支柱側スイングアーム軸
51 加工ヘッド基部
52 加工ヘッド回転軸
53 連結部
54 第2軸加工ヘッド外筒
55 第2軸加工ヘッド外筒54とベアリングBR2を覆う部材
56,59 加工ヘッド回転軸固定用ナット
57 第3軸加工ヘッド外筒
58 第3軸加工ヘッド外筒57とベアリングBR4を覆う部材
59 加工ヘッド回転軸固定用ナット
61 リニアガイド
63 加工ノズル支持部材
70 並列駆動系載置テーブル
71 開口部
111,211,311,411 ナット
401 第3軸加工ヘッド側スイングアーム
402,402’ スイングアーム401の回転軸
BR1,BR2,BR3,BR4,BR5,BR6 ベアリング
K,S 連結点
LB レーザビーム
M1,M2 ミラー
MX X軸駆動リニアモータ
MY Y軸駆動リニアモータ
S’ 加工点(レーザビームLBの入射点)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 レーザ光を被加工物に照射する加工ヘッドと、該加工ヘッドを移動させるための駆動機構を有する加工機本体部を備えたレーザ加工装置であって、前記加工ヘッドを移動させるための駆動機構は、少なくとも2本の伸縮アームと、前記少なくとも2本の伸縮アームの各々を伸縮させるためのモータを備え、前記少なくとも2本の伸縮アームの各基部は支点に回転可能に支持され、前記加工ヘッドは、前記少なくとも2本の伸縮アームの伸縮に応じて位置決めされるように継手機構を介して前記少なくとも2本の伸縮アームに支持されている、前記レーザ加工装置。
【請求項2】 前記伸縮アームが2本設けられている、請求項1に記載されたレーザ加工装置。
【請求項3】 前記伸縮アームが2本設けられており、前記加工ヘッドには加工ヘッド先端部に設けられた加工ノズルの主軸方向位置を調整するための手段が搭載されている、請求項1に記載されたレーザ加工装置。
【請求項4】 前記伸縮アームが3本設けられている、請求項1に記載されたレーザ加工装置。
【請求項5】 レーザ光を被加工物に照射する加工ヘッドと、該加工ヘッドを移動させるための駆動機構を有する加工機本体部を備えたレーザ加工装置であって、前記加工ヘッドを移動させるための駆動機構は、並列駆動系と該並列駆動系を搭載した直列駆動系からなり、前記並列駆動系は、少なくとも2本の伸縮アームと、前記少なくとも2本の伸縮アームの各々を伸縮させるためのモータを備え、前記少なくとも2本の伸縮アームの各基部は支点に回転可能に支持され、前記加工ヘッドは、前記少なくとも2本の伸縮アームの伸縮に応じて位置決めされるように継手機構を介して前記少なくとも2本の伸縮アームに支持されている、前記レーザ加工装置。
【請求項6】 前記並列駆動系に伸縮アームが2本設けられている、請求項1に記載されたレーザ加工装置。
【請求項7】 前記並列駆動系に伸縮アームが3本設けられている、請求項1に記載されたレーザ加工装置。
【請求項8】 前記直列駆動系がXY直列駆動系である、請求項5に記載されたレーザ加工装置。
【請求項9】 前記直列駆動系を駆動する駆動源にリニアモータが用いられている、請求項5に記載されたレーザ加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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