説明

レーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測方法及び計測装置

【課題】産業上において重要な分野で利用されているレーザ振動計について、歪ゲージを用いて動的線形性を正確且つ容易に計測し、評価できるようにする。
【解決手段】 金属棒の一端部に二重発射管から同心円上の2個の飛翔体を単独に、及び同時に又は微少な所定時間間隔で衝突させて金属棒内に弾性波パルスを発生させる。各飛翔体の衝突で発生した弾性波パルスが金属棒の他端部に到達したときに生じる端面の運動速度及びひずみを、評価対象となるレーザ振動計で計測する、また金属棒側面に設けた歪ゲージで計測し、計測信号を演算し、また適宜補正を行う。その演算結果とレーザ振動計の計測値を時間領域及び周波数領域で比較することによりレーザ振動計の動的線形性を計測し、評価を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業上広く用いられているレーザ振動計による動的計測の基礎となる、それら計測機器の動的線形性を評価するための計測方法とその方法を実施するための装置に関し、特に、本発明は新しいDCから必要な周波数までの高速広周波数帯域における微小変位発生装置によって発生させた動的変位、速度を、歪ゲージで計測した結果を基礎にして、その性能評価対象であるレーザ振動計の動的線形性の計測を可能とする計測方法とその方法を実施するための装置に関する。
装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ドップラーシフトや光ヘテロダイン干渉等の光干渉を原理とする動的変位や振動を測定するレーザ振動計及びレーザ変位計は、従来から産業界では広く用いられてきている。レーザ振動計及びレーザ変位計は、非接触で微小な面の微小運動や動的変位を計測出来ることから、マイクロ運動デバイスの開発、マイクロ運動メカニズムの開発における計測で、近年広く用いられるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、1MHzをゆうに超える周波数帯域幅の数値がメーカ仕様に示されている一方、実際の計測では注目した周波数での測定結果の信頼性を検証する方法がなく、レーザ振動計、レーザ変位計のデータは未公開のままである。即ち、真実に1MHzをゆうに超える周波数帯域幅をレーザ振動計及びレーザ変位計はもっているのかどうか、また、特定の周波数での感度や位相遅れはどれくらいなのかを、検証する方法がないのが実状である。
【0004】
そのため、動的計測に今後さらに多用されるであろうレーザ振動計及びレーザ変位計の、動的性能の基礎となるべき動的線形性を評価する計測技術の確立は急務となっている。
【0005】
したがって本発明は、レーザ振動計による動的変位もしくは速度の測定において、それらの計測装置に動的線形性が成立するかどうかを計測し、また動的線形性が成立する周波数領域、振幅領域を明らかにする計測方法とその方法を実施するための装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一般に、計測器の線形性が成り立たなければ、本来計測はなりたたない。動的計測における線形性、すなわち動的線形性は、『入力信号x(t)に対する出力信号をX(t)とし、入力信号y(t)に対する出力信号をY(t)とするとき、任意定数a、bを用いて、入力信号a・x(t)+b・y(t)に対する出力信号がa・X(t)+b・Y(t)となること。』と一般的には定義される。しかしながら、この定義に基いて、計測機器やセンサの動的線形性を評価することは、一般には容易ではない。
【0007】
したがって本発明は次に述べるような手段を採用することによって、本発明の上記課題を解決することができる。即ち、請求項1に係る発明は、金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させ、前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を、金属棒側面に設けた歪ゲージと、評価対象となるレーザ振動計とで計測し、前記歪ゲージの信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較することにより、レーザ振動計の動的線形性を計測することを特徴とするレーザ振動計の動的線形性計測方法としたものである。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させ、前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を、該第1端面から各々異なる距離の金属棒側面に設けた複数の歪ゲージと、評価対象となるレーザ振動計とで計測し、前記複数の歪ゲージの信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較することにより、レーザ振動計の動的線形性を計測することを特徴とするレーザ振動計の動的線形性計測方法としたものである。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させ、前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を、金属棒側面に設けた歪ゲージと、評価対象となるレーザ振動計とで計測し、前記歪ゲージの出力を弾性波パルスの伝播理論によって波動の分散、減衰に応じた補正演算を行い、前記歪ゲージの出力を補正演算した信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較することにより、レーザ振動計の動的線形性を計測することを特徴とするレーザ振動計の動的線形性計測方法としたものである。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させ、前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を、該第1端面から各々異なる距離の金属棒側面に設けた複数の歪ゲージと、評価対象となるレーザ振動計とで計測し、前記複数の歪ゲージの出力を弾性波パルスの伝播理論によって波動の分散、減衰に応じた補正演算を行い、前記歪ゲージの出力を補正演算した信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較することにより、レーザ振動計の動的線形性を計測することを特徴とするレーザ振動計の動的線形性計測方法としたものである。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させ、前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を、金属棒側面に設けた歪ゲージと、レーザ干渉計と、評価対象となるレーザ振動計とで計測し、前記歪ゲージの出力を前記レーザ干渉計の信号により補正し、前記歪ゲージの出力を補正した信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較することにより、レーザ振動計の動的線形性を計測することを特徴とするレーザ振動計の動的線形性計測方法としたものである。
【0012】
また、請求項6に係る発明は、金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させ、前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を、該第1端面から各々異なる距離の金属棒側面に設けた複数の歪ゲージと、レーザ干渉計と、評価対象となるレーザ振動計とで計測し、前記複数の歪ゲージの出力を前記レーザ干渉計の信号により補正し、前記歪ゲージの出力を補正した信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較することにより、レーザ振動計の動的線形性を計測することを特徴とするレーザ振動計の動的線形性計測方法としたものである。
【0013】
また、請求項7に係る発明は、多数の歪ゲージを円周方向のみならず軸方向に貼り付け、弾性波動の伝播の位相の違いを弾性波伝播理論により補正して、各ゲージ出力信号から代表位置における歪みを軸方向に貼り付けた歪みの個数だけ算出し、総加平均を取ることによりノイズを抑制する動的歪みの計測手法を用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載のレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測方法。
【0014】
また、請求項8に係る発明は、金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させる発射装置と、前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を測定する、金属棒側面に設けた歪ゲージ、及び評価対象となるレーザ振動計と、前記歪ゲージの信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較し、レーザ振動計の動的線形性を計測する計測手段を備えたことを特徴とするレーザ振動計の動的線形性計測装置としたものである。
【0015】
また、請求項9に係る発明は、金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させる発射装置と、前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を測定する、該第1端面から各々異なる距離の金属棒側面に設けた複数の歪ゲージ、及び評価対象となるレーザ振動計と、前記複数の歪ゲージの信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較し、レーザ振動計の動的線形性を計測する計測手段を備えたことを特徴とするレーザ振動計の動的線形性計測装置としたものである。
【0016】
また、請求項10に係る発明は、金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させる発射装置と、前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を測定する、金属棒側面に設けた歪ゲージ、及び評価対象となるレーザ振動計と、前記歪ゲージの出力を弾性波パルスの伝播理論によって波動の分散、減衰に応じた補正演算を行う演算手段と、前記歪ゲージの出力を補正演算した信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較し、レーザ振動計の動的線形性を計測する計測手段を備えたことを特徴とするレーザ振動計の動的線形性計測装置としたものである。
【0017】
また、請求項11に係る発明は、金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させる発射装置と、前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を測定する、該第1端面から各々異なる距離の金属棒側面に設けた複数の歪ゲージ、及び評価対象となるレーザ振動計と、前記複数の歪ゲージの出力を弾性波パルスの伝播理論によって波動の分散、減衰に応じた補正演算を行う演算手段と、前記歪ゲージの出力を補正演算した信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較し、レーザ振動計の動的線形性を計測する計測手段とを備えたことを特徴とするレーザ振動計の動的線形性計測装置としたものである。
【0018】
また、請求項12に係る発明は、金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させる発射装置と、前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を測定する、金属棒側面に設けた歪ゲージ、及びレーザ干渉計、並びに評価対象となるレーザ振動計と、前記歪ゲージの出力を前記レーザ干渉計の信号により補正する補正手段と、前記歪ゲージの出力を補正した信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較し、レーザ振動計の動的線形性を計測する計測手段とを備えたことを特徴とするレーザ振動計の動的線形性計測装置としたものである。
【0019】
また、請求項13に係る発明は、金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させる発射装置と、前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を測定する、該第1端面から各々異なる距離の金属棒側面に設けた複数の歪ゲージ、及びレーザ干渉計、並びに評価対象となるレーザ振動計と、前記複数の歪ゲージの出力を前記レーザ干渉計の信号により補正する補正手段と、前記歪ゲージの出力を補正した信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較し、レーザ振動計の動的線形性を計測する計測手段とを備えたことを特徴とするレーザ振動計の動的線形性計測装置としたものである。
【0020】
また、請求項14に係る発明は、多数の歪ゲージを円周方向のみならず軸方向に貼り付け、弾性波動の伝播の位相の違いを弾性波伝播理論により補正する。すなわち代表位置における弾性波の歪みを、軸方向に貼り付けた各歪ゲージから得られる信号に伝播理論を応用してゲージの個数分だけ算出し、相加平均をとることによりノイズを抑制する動的歪みの計測手法を用いたことを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか一つに記載のレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測装置。
【0021】
また、請求項15に係る発明は、前記発射装置は二重管からなり、前記第1の飛翔体を内側の管内から、前記第2の飛翔体は内側の管と外側の管の間から発射すること、もしくはその逆に第1の飛翔体は内側の管と外側の管の間から、第2の飛翔体は内側の管内から発射することを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか一つに記載のレーザ振動計の動的線形性計測装置としたものである。
【0022】
また、請求項16に係る発明は、前記第1の飛翔体及びそのための発射装置、第2の飛翔体及びそのための発射装置を多重化し、発射の時間差を制御し、金属棒内部に発生する弾性波の周波数帯域を狭帯域化することを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか一つに記載のレーザ振動計の動的線形性計測装置としたものである。
【0023】
また、請求項17に係る発明は、前記歪ゲージは、前記金属棒の表面に対して該金属棒の端部から同一距離に複数設けたことを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか一つに記載のレーザ振動計の動的線形性計測装置としたものである。
【0024】
また、請求項18に係る発明は、飛翔体本体部を異なる材質の積層体で構成し、または飛翔体本体部の先端に該本体部と異なる材質の部材を取り付け、金属棒内部に発生する弾性波パルスの周波数帯域を制御することを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか一つに記載のレーザ振動計の動的線形性計測装置としたものである。
【0025】
また、請求項19に係る発明は、前記歪ゲージの出力を弾性波パルスの伝播理論によって演算を行う演算手段は、解析解の1次の項、または高次の項までを用い、歪ゲージ出力信号から端面に入射する弾性波パルスの過渡歪信号を求めることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のレーザ振動計の動的線形性計測装置としたものである。
【0026】
また、請求項20に係る発明は、前記計測手段は、前記第1及び第2の両飛翔体を微小時間差をもって衝突させるとき、両飛翔体の金属棒に対する衝突時刻の差を、両飛翔体を各々単独で衝突させたときに発生する歪ゲージ出力またはレーザ干渉計による計測結果に基づき、両飛翔体が完全には同時衝突が達成できないための微小時間差をもって衝突させたときに発生する歪ゲージ出力または基準レーザ干渉計による計測結果が最も適合するパラメータとして求め、 第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに両飛翔体を微小時間差をもって各々衝突させた時に得られる評価対象とするレーザ振動計の出力信号から、それらの動的線形性を計測することを特徴とする請求項8〜請求項13のいずれか一つに記載のレーザ振動計の動的線形性計測装置としたものである。
【0027】
また、請求項21に係る発明は、前記金属棒を、軸方向への剛体運動を拘束しないように点接触によって水平に支持したことを特徴とする請求項8〜請求項13のいずれか一つに記載のレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測装置。
【0028】
また、請求項22に係る発明は、前記金属棒の第1端面に接する金属球を取り付け、前記金属球に発射タイミングを精密に制御した飛翔体を衝突させ、金属棒内部に弾性波パルスを発生させることを特徴とする、請求項8〜請求項13のいずれか一つに記載のレーザ振動計の動的線形性計測装置としたものである。
【0029】
また、請求項23に係る発明は、前記金属棒の第2端面に圧電物質を取り付け、前記圧電物質を前記弾性波パルスの第2端面での反射過程の所定の時期に駆動する圧電物質駆動手段を備え、金属棒単体で発生できる棒端面の速度の周波数帯域幅が不足しているときに、前記圧電物質駆動手段により周波数帯域幅を広帯域化することを特徴とする、請求項8〜請求項13のいずれか一つに記載のレーザ振動計の動的線形性計測装置としたものである。
【0030】
また、請求項24に係る発明は、波動の分散、波動の減衰、音速値の不確かさ、ゲージの周波数応答、棒端面に取り付けた圧電物質の高速微小振動、及び高速微小動的変位の少なくとも一つを補正する補正関数を記録したデータと、歪ゲージが貼り付けられた金属棒を必要不可欠な交換部品セットとすることを特徴とする請求項18〜請求項13、請求項23のいずれか一つに記載のレーザ振動計の動的線形性計測装置としたものである。
【0031】
また、請求項25に係る発明は、波動の分散、波動の減衰、音速値の不確かさ、ゲージの周波数応答、棒端面に取り付けた圧電物質の高速微小振動、及び高速微小動的変位の少なくとも一つを補正する補正関数を記録した媒体と、歪ゲージが貼り付けられた金属棒または、圧電物質が端面に取り付けられた金属棒を反復実施可能性の実現手段とすることを特徴とする請求項8〜請求項13、請求項23のいずれか一つに記載のレーザ振動計の動的線形性計測装置としたものである。
【0032】
また、請求項26に係る発明は、上記請求項1〜請求項25のいずれか一つに記載の装置または方法を用いて動的線形性が計測されたレーザ振動計としたものである。
【発明の効果】
【0033】
本発明は、レーザ振動計による速度もしくは動的変位の測定において、それらの計測装置に動的線形性が成立するかどうかを計測し、また動的線形性が成立する周波数領域、振幅領域を明らかにする計測方法とその方法を実施するための装置を得ることができる。
【0034】
それにより、レーザ振動計の一次標準、及び二次標準の確立に貢献し、この分野の国際標準の確立に寄与することができる。また、マイクロデバイス、マイクロメカトロニクスにおける高周波振動計測における計測の信頼性が向上し、更に加速度センサについてもその一次標準校正技術の信頼性を向上させることができ、また国際規格を作成することも可能となる。
【0035】
また、企業内での動的機械量センサの校正の基準の信頼性を向上させることから、動的機械量計測の信頼性が向上し、各計測器の使用に際して、ノイズと信号と区別がつかない等の実用上の問題を解決でき、且つ、歪ゲージを貼り付けた金属丸棒の計測技術上の有用性を、さらに高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明はレーザ振動計による動的変位もしくは速度の測定において、それらの計測装置に動的線形性が成立するかどうかを計測し、また動的線形性が成立する周波数領域、振幅領域を明らかにする計測方法とその方法を実施するための装置を提供するという課題を、金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させ、前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を、金属棒側面に設けた歪ゲージと、評価対象となるレーザ振動計とで計測し、前記歪ゲージの信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較することにより、レーザ振動計の動的線形性を計測することによって実現した。
【実施例1】
【0037】
本発明によるレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測方法及び装置は、ほぼ同様の手法によって本発明以外においても種々の態様で実施することができるので、本発明に関連する各種態様を含めて説明する。図1に示す実施例においては、金属棒1の第1端面2に後述するような飛翔体3を衝突させて衝撃を加え、内部に弾性波パルスを発生させるものであり、内側発射管4、外側発射管5の二重の多重発射管7を用い、この多重発射管7から内外2個の多重の飛翔体3を発射させる。図示実施例では内側発射管4の内部から略円柱状の内側飛翔体8を内側発射装置9により、また内側発射管4と外側発射管5との間の環状空間から環状の外側飛翔体10を外側発射装置11により各々独立して発射できるようにしている。この発射の状態はレーザ光源27からのレーザを金属棒1の前方において、2本間隔を設けて照射し、このレーザ光を遮る状態を受光素子28で検出し、その時間差をカウンタ29によって計測し、そのデータをパソコン26に入力して検出することができる。
【0038】
上記各飛翔体の発射に際しては、弁開閉制御装置15により第1弁16を解放し、第1高圧空気源17からの高圧空気を内側発射装置9に供給することにより、内側発射管4内の内側飛翔体8を金属棒1の第1端面2に向けて発射させる。内側飛翔体8が金属棒1の第1端面2に衝突すると、金属棒1内には衝撃加速度の弾性波が発生して金属棒1内を伝播する。また、弁開閉制御装置15により前記第1弁16の解放後の所定時間後に第2弁18を解放し、第2高圧空気源19からの高圧空気を外側発射装置11に供給することにより、内側発射管4と外側発射管5との間に配置した環状の外側飛翔体10を金属棒1の第1端面2に向けて発射させる。外側飛翔体10が金属棒1の第1端面2に衝突すると、金属棒1内には前記と同様の衝撃加速度の弾性波が前記第1飛翔体8の衝突による弾性波の発生に対して時間遅れで発生し金属棒1内を伝播する。
【0039】
このようにして金属棒1内に発生した弾性波により、金属棒1内には合成された波形が生じることとなり、この波形が金属棒1の第2端面22に対して伝播する。このように、飛翔体を複数用い、各飛翔体の発射時期を任意に設定し発射の位相を制御することにより、重ね合わせの原理により全体として所定の継続時間の衝撃加速度波形を発生することが可能となる。
【0040】
これらの発射管4、5の各飛翔体8、10との接触面、または各飛翔体の外周面には潤滑処理、或いは低摩擦係数化する表面処理層を設けることが好ましい。また、個々の飛翔体の発射により金属棒1内部に発生する弾性波パルスの周波数帯域を狭くするために、飛翔体先端部に高分子材料、プラスティックス、木材などを取り付けても良い。その際には、飛翔体本体部が金属、高分子材料、あるいはプラスティックス、木材など異なる材料との積層構造をもつような多重飛翔体を用いても良い。また金属棒1は軸方向への剛体運動を拘束しないようにボールベアリングやころ軸受等の点接触によって水平に支持し、弾性波の伝播への影響を最小限にすることが好ましい。更に、飛翔体が衝突する金属棒の端面には金属球を接触する状態で取り付けてもよい。
【0041】
上記のような金属棒1の第1端面2において発生した弾性波パルスは、金属棒1内部を伝播してもう一方の第2端面22に到達して反射する。反射の過程で発生する端面に垂直な方向の衝撃速度、及び衝撃ひずみが、その端面に対してレーザを照射しているレーザ振動計23への入力となる。また、衝撃速度の精密な測定は歪ゲージ25、またはレーザ干渉計24により、更には必要に応じて両方を用いることにより測定し、レーザ振動計23の計測値と比較を行う。
【0042】
発生する衝撃速度の検出に際して棒側面に貼り付けた歪ゲージ25を用いる際には、歪ゲージ25を単体で実施することができるが、金属棒の軸線方向に一列に複数配置しても良く、この列を更に複数列配置しても良い。図1に示す例においては、第1端面2から1列に、L、L、・・・Lずつ離れてN個配置し、同図の例ではこれを棒の周面において円周方向に2列配置した例を示している。複数個の歪ゲージを用いる際には、各ゲージの出力信号を演算装置としてのパソコン26に入れ、これを信号処理して代表位置でのゲージ出力の周波数特性を求め、予め求めておいた補正関数を用いてレーザ干渉計24で計測した結果と同等の結果が得られるようにする。なお、上記実施例においては、レーザ干渉計24と歪ゲージ25を用いた例を示しているが、いずれか片方のみでも実施することができる。
【0043】
本発明は更に図2に示すような装置によってもレーザ振動計の測定を行い、その評価を行うことができる。同図の例においては前記図1に示す例と異なり、金属棒1の第2端面22に圧電膜もしくは圧電膜駆動のレーザ光反射膜(材)(以下「圧電膜」と称する)30を設け、図2の例においては歪ゲージの信号を信号入力処理部31で検出して処理し、圧電膜駆動装置32を作動してこの圧電膜30を駆動することができるようにしている。また、評価対象となるレーザ振動計23のレーザ、及び基準となるレーザ干渉計24のレーザは、各々鏡33を介して前記圧電膜30の表面に照射し、この圧電膜30が作動する速度等を検出できるようにしている。また、パソコン26からの指示により、所定の時期に圧電膜を駆動させることもできる。
【0044】
このような圧電膜を用いることにより丸棒内部を伝播する弾性波パルスの端面での反射により発生する速度、動的変位の周波数帯域が十分広くない場合には、圧電物質を端面に付加して、広帯域化をはかることができる。この圧電物質の利用については後にも述べる。図1及び図2に示すような装置において、波動の分散、波動の減衰、音速値の不確かさ、ゲージの周波数応答、棒端面に取り付けた圧電物質の高速微小振動、及び高速微小動的変位の少なくとも一つを補正する補正関数を記録したデータと、歪ゲージが貼り付けられた金属棒を必要不可欠な交換部品セットとすることにより、反復実施を容易に行うことができる装置として、この装置の取り扱いを容易にすることができる。
【0045】
以下に、本発明のより具体的な実施の態様を、本発明と関連する各種態様と共に順に説明する。なお、以下の(1)〜(14)の態様の内、本発明に直接関連する実施の態様は(2)〜(7)である。
(1)基準レーザ干渉計を用いて棒端面の速度を計測し、レーザ振動計の動的線形性を計測する場合。
発射管から発射された飛翔体が、直径に比較して十分に長い金属棒端面に衝突すると、内部に弾性波パルスが発生する。その弾性波パルスが、もう一方の端面に到達して反射するときの端面の運動速度(v(t))は、金属棒内部の縦波弾性波速度(C)と端面での入射弾性波パルスのひずみ(ε(t))とによって、以下の式で表される。
【数1】

(1.1)
【0046】
そこで、内側発射管から飛翔体が発射される場合に端面に発生する速度と入射弾性波パルスのひずみを、それぞれvin,1(t)、εin,1(t)とする。外側発射管から飛翔体が発射される場合に端面に発生する速度と入射弾性波パルスのひずみを、それぞれvin,2(t)、εin,2(t)とする。以下の式が成立する。
【数2】

(1.2)
【数3】

(1.3)
【0047】
そこで、記号を以下の表のように定める。
【表1】

【0048】
(1.4)式が成立する範囲内で、(1.5) 式が成立する周波数範囲、速度範囲を明らかにすることが評価対象であるレーザ振動計の動的線形性の評価となる。
【数4】

(1.4)
【数5】

(1.5)
【0049】
内側飛翔体と外側飛翔体の衝突が同時でない場合にはその時間差をΔtとすると, (1.6)式が成立する範囲内で、(1.7) 式が成立する周波数範囲、速度範囲を明らかにすることが評価対象であるレーザ振動計の動的線形性の評価となる。
【数6】

(1.6)
【数7】

(1.7)
【0050】
(2)歪ゲージ(軸方向の一個所に貼る)出力をそのまま用いて、レーザ振動計の動的線形性を計測する場合。
図1に示す装置例において飛翔体の衝突する端面から距離L1に貼ってある歪ゲージの出力信号について、内側飛翔体を単独で発射した場合、外側飛翔体を単独で発射した場合、内側飛翔体と外側飛翔体を同時にかつ単独で発射した場合と同一の条件で発射した場合の各々についてεL1,out,1(t)、εL1,out,2(t)、εL1,out,1+2(t)、とする。この場合、歪ゲージの周波数応答特性、弾性波の分散、減衰、音速値の不確かさなどを考慮しないので、ゲージの出力信号であるひずみがそのまま動的線形性を評価するレーザ振動計からのレーザの照射面への入射弾性波パルスのひずみになるとみなす。εL1,out,1(t)、εL1,out,2(t)、εL1,out,1+2(t)に対応する、評価対象のレーザ振動計で計測したレーザ照射面の速度信号を、vL1,out,1(t)、vL1,out,2(t)、vL1,out,1+2(t)とすれば、(2.1)式が成立する範囲内で、(2.2) 式が成立する周波数範囲、速度範囲を明らかにすることがレーザ振動計の動的線形性の評価となる。
【数8】

(2.1)
【数9】

(2.2)
【0051】
内側飛翔体と外側飛翔体の衝突が同時でない場合には、その時間差をΔtとすると、(2.3)式が成立する範囲内で、(2.4) 式が成立する周波数範囲、速度範囲を明らかにすることがレーザ振動計の動的線形性の評価となる。
【数10】

(2.3)
【数11】

(2.4)
【0052】
(3)複数個の歪ゲージ(軸方向に複数個貼る)の出力をそのまま用いて、レーザ振動計の動的線形性を計測する場合。
金属丸棒の軸方向に複数個貼られている歪ゲージは、丸棒の衝撃端面から、Ln(n=1・・・N)だけ離れた位置に貼られているとする。また、棒の軸方向の複数位置に貼り付けたゲージの代表位置をL1とする。この場合、各Ln(n=1・・・N)位置において、照射端面への弾性波入射パルスと、反射弾性波パルスは分離して観察されなければならない。
【0053】
弾性波の伝ぱ理論から衝撃端面から十分離れた丸棒断面での弾性波パルスのひずみは、平面波となるため衝撃端面からの距離zと時間t(t=0で飛翔体の衝突が始まるとする)で解析的に表すことが可能である。そこで、平面波としての丸棒内部のひずみ(ε(z,t))を次式で表すことにする。
【数12】

(3.1)
【0054】
但し、F(z,t)は次のように表される。(Skalakの解、級数展開の第一項目)
【数13】

(3.2)
ただしここで、
t:時刻
lp:飛翔体の長さ
Cp:飛翔体の中の縦波弾性波の伝ぱ速度
εt(t,z):スカラクの解析解の一次項
【数14】

(3.3)
【数15】

(3.4)
【数16】

(3.5)
ただしここで、
V1:飛翔体の衝突速度
t:衝突後の経過時間
ν:ポアソン比
Da:金属棒の直径
z:金属棒の軸方向の座標
【0055】
多数の歪ゲージを用いて感度を上げるために、以下の手順を取る。位置L(n=1…N)における複数個のゲージ出力の断面での平均値を、εLn(t=0は衝突開始時間)とする。波動伝ぱに時間がかかり、位置L(n=1…N)における歪ゲージの出力信号は同相ではないので、以下の手順により(3)式を用いて代表位置L1に貼ってあるゲージの出力と等価な出力に変換することができる。
【数17】

(n=2…N) (3.6)
ここで、L,L−1は、ラプラス演算子、逆ラプラス演算子である。したがって、代表位置における弾性波パルスのひずみεr(L1,t)は以下の式で表される。
【数18】

(3.7)
複数の歪ゲージを用い出力信号の加算平均を計算することにより、ノイズの影響を減らし微小動的ひずみの計測が可能になる。
【0056】
この(3)においては、代表位置からビーム照射端面までの弾性波パルスの伝ぱによる弾性波動の分散、減衰などは考慮しない。歪ゲージの動特性を考慮した補正も行わない。そこで、内側飛翔体を単独で発射した場合、外側飛翔体を単独で発射した場合、内側飛翔体と外側飛翔体を同時にかつ単独で発射した場合と同一の条件で発射した場合の各々について、代表位置における代表ひずみ信号を、εr,1(L1,t)、εr,2(L1,t)、εr,1+2(L1,t)とすると、複数個の歪ゲージの代表位置からレーザ振動計からのレーザ光が照射する端面までの距離は、L−L1であるから、それぞれの場合にビーム照射端面に発生する速度v(t)は,次式で表される。
【数19】

(3.8)
【数20】

(3.9)
【数21】

(3.10)
【0057】
(3.8), (3.9), (3.10)の入力速度に対応する動的線形性を評価するレーザ振動計の出力速度信号をそれぞれ、vrout,1(t)、vrout,2(t)、vrout,1+2(t)とすると、(3.11)式が成立する範囲内で(3.12)式が成立することが、そのレーザ振動計が動的線形性を備えていることを示している。
【数22】

(3.11)
【数23】

(3.12)
【0058】
内側飛翔体と外側飛翔体の衝突が同時でない場合には、その時間差をΔtとすると(3.13)式が成立する範囲内で、(3.14)式が成立する周波数範囲、速度範囲を明らかにすることが動的線形性の計測となる。
【数24】

(3.13)
【数25】

(3.14)
【0059】
(4)歪ゲージ(軸方向の一個所に貼る)出力を理論的に補正して端面への入射弾性波パルスのひずみを求め、レーザ振動計の動的線形性を計測する場合。
軸方向の一箇所に貼り付けた歪ゲージ出力を、弾性波理論で補正して端面への入射弾性波パルスを求める。しかし、ゲージの周波数応答は無視される。(1.2)式、(1.3)式で示されるひずみ信号は、衝突端面から距離L1の位置に貼られているとし、内側飛翔体のみの衝突で発生したひずみ信号をεin,1(L1,t)、外側飛翔体のみの衝突で発生したひずみ信号をεin,2(L1,t)、内側飛翔体と外側飛翔体が同時に衝突した時のひずみ信号をεin,1+2(L1,t)とすると以下の式が成立する。
【数26】

(4.1)
【0060】
εin,1+2(t)、εin,1+2(L1,t)を、内側飛翔体と外側飛翔体を同時に発射した時の、レーザ振動計からのビームで照射される端面への入射弾性波パルスのひずみ、衝突端面から距離L1に貼られた歪ゲージの出力信号とする。(4.1)式から求まるεin,1(t)、εin,2(t)、εin,1+2(t)および各々に対応する評価対象のレーザ振動計の出力信号、vout,1(t)、vout,2(t)、vout,1+2(t)を用いると(4)における評価対象のレーザ振動計の動的線形性の計測とは、(4.2)式が成立する周波数、速度範囲内において、(4.3)式が成立する周波数範囲、速度範囲を明らかにすることである。
【数27】

(4.2)
【数28】

(4.3)
【0061】
内側飛翔体と外側飛翔体の衝突が同時でない場合には、その時間差をΔtとすると、(4.4)式が成立する周波数範囲、速度範囲内において、(4.5)式が成立する周波数範囲、速度範囲を明らかにすることが動的線形性の計測である。
【数29】

(4.4)
【数30】

(4.5)
【0062】
(5)歪ゲージ(軸方向の複数個所に貼る)の出力を理論的に補正して端面への入射弾性波パルスのひずみを求め、レーザ振動計の動的線形性を計測する場合。
軸方向に複数個貼り付けた歪ゲージ出力から代表値を計算する方法として上記(3)の(3.7)式に示す方法を用い、代表位置(衝撃端面から距離L1)における歪ゲージ出力信号を、内側飛翔体を単独で発射する場合(εr,1(L1,t))、外側飛翔体を単独で発射する場合(εr,2(L1,t))、内側飛翔体と外側飛翔体を同時に金属棒に衝突させる場合(εr,1+2(L1,t))について、それぞれに対応するレーザビーム照射面への入射弾性波パルスのひずみを、(5.1)式から求める。
【数31】

(5.1)
【0063】
εr,1(L1,t)、εr,2(L1,t)、εr,1+2(L1,t)のそれぞれに対応する動的線形性を評価する対象のレーザ振動計の出力をvrcout,1(t)、vrcout,2(t)、vrcout,1+2(t)とする。このように決めれば、この(5)においてレーザ振動計の動的線形性を測定することは、(5.2)式が成立する周波数、速度範囲内において、(5.3)式が成立する周波数範囲、速度範囲を明らかにすることである。
【数32】

(5.2)
【数33】

(5.3)
【0064】
内側飛翔体と外側飛翔体の衝突が同時でない場合には、その時間差をΔtとすると、(5.4)式が成立する周波数、速度範囲内において、(5.5)式が成立する周波数範囲、速度範囲を明らかにすることにより動的線形性を計測することができる。
【数34】

(5.4)
【数35】

(5.5)
【0065】
(6)歪ゲージ(軸方向の一個所に貼る)出力をレーザ干渉計で計測した結果を用いて補正し端面への入射弾性波パルスのひずみを求め、レーザ振動計の動的線形性を計測する場合。
この場合は、軸方向の一箇所に貼り付けた歪ゲージの出力を、レーザ干渉計で計測した結果により補正してレーザ照射端面への入射弾性波パルスのひずみを求め、入力信号の線形性をチェックする方法に関するものである。
【0066】
干渉計により棒端面の運動速度(vL(t))が測定され、入射弾性波パルスのひずみ(εiL(t))との関係は、vL(t)=2CεiL(t)で表される。この(6)においては、動的線形性検証が必要とする入力信号の線形性を検証するために、歪ゲージ出力からレーザ振動計への入力速度を推定するときに、ゲージの周波数応答を補正し、弾性波動の伝ぱの分散、減衰、音速値推定の不確かさなどを基準レーザ干渉計出力を用いて補正する。軸方向に一箇所に貼り付けてある歪ゲージの衝突端面からの位置を、L1とする。ゲージからの出力信号について、内側飛翔体が単独で発射された場合をεL1,out,1(t)、外側飛翔体が単独で発射された場合をεL1,out,2(t)、内側飛翔体と外側飛翔体が同時に発射される場合をεL1,out,1+2(t)とする。このとき、ゲージの出力信号をレーザ振動計からのレーザが照射する端面への入射弾性波パルスのひずみに変換する以下の補正関数(GCL(jω))を求める。
【数36】

(6.1)
【0067】
このように決めれば、内側飛翔体が単独で発射された場合の動的線形性を評価するレーザ振動計出力をvCL1out,1(t)、外側飛翔体が単独で発射された場合の動的線形性を評価するレーザ振動計出力をvCL1out,2(t)、内側飛翔体と外側飛翔体が同時に発射される場合の動的線形性を評価するレーザ振動計出力をvCL1out,1+2(t)として、ここでレーザ振動計の動的線形性を測定することは、(6.2)式が成立する周波数、速度範囲内において、(6.3)式が成立する周波数範囲、速度範囲を明らかにすることである。
【数37】

(6.2)
【数38】

(6.3)
【0068】
内側飛翔体と外側飛翔体の衝突が同時でない場合には、その時間差をΔtとすると、(6.4)式が成立する周波数、速度範囲内において、(6.5)式が成立する周波数範囲、速度範囲を明らかにすることにより動的線形性を計測する。
【数39】

(6.4)
【数40】

(6.5)
【0069】
(7)歪ゲージ(軸方向の複数個所に貼る)出力をレーザ干渉計で計測した結果を用いて補正し端面への入射弾性波パルスのひずみを求め、レーザ振動計の動的線形性を計測する場合。
この場合は複数個の歪ゲージの出力を基準レーザ干渉計で計測した結果により補正してレーザ照射端面への入射弾性波パルスのひずみを求め、動的線形性の検証が必要とする入力信号の線形性を求める。(3.7)式で求められる代表位置における歪ゲージ出力信号に関して、内側飛翔体が単独で発射された場合をεNr,1(L1,t)、外側飛翔体が単独で発射された場合をεNr,2(L1,t)、内側飛翔体と外側飛翔体が同時に発射される場合をεNr,1+2(L1,t)とする。内側飛翔体が単独で発射された場合のレーザ振動計出力をvCLNout,1(t)、外側飛翔体が単独で発射された場合のレーザ振動計出力をvCLNout,2(t)、内側飛翔体と外側飛翔体が同時に発射される場合のレーザ振動計出力出力をvCLNout,1+2(t)とするならば、この(7)において動的線形性とは、(7.1)式が成立する周波数、速度範囲内において、(7.2)式が成立する周波数範囲、速度範囲を明らかにすることにより動的線形性を計測する。
【数41】

(7.1)
【数42】

(7.2)
【0070】
内側飛翔体と外側飛翔体の衝突が同時でない場合には、その時間差をΔtとすると、(7.3)式が成立する周波数、速度範囲内において、(7.4)式が成立する周波数範囲、速度範囲を明らかにすることが、動的線形性を測定することとなる。
【数43】

(7.3)
【数44】

(7.4)
【0071】
(8)基準レーザ干渉計を用いて棒端面の動的変位を計測し、レーザ変位計の動的線形性を求める場合。
この場合においては、発射管から発射された飛翔体が、直径に比較して十分に長い金属棒端面に衝突すると、内部に弾性波パルスが発生する。その弾性波パルスが、もう一方の端面に到達して反射するときの端面の動的変位(d(t))は、金属棒内部の縦波弾性波速度(C)と端面での入射弾性波パルスのひずみ(ε(t))とによって、以下の式で表される。
【数45】

(8.1)
【0072】
そこで、内側発射管から飛翔体が発射される場合に端面に発生する動的変位と入射弾性波パルスのひずみを、それぞれdin,1(t)、εin,1(t)とする。外側発射管から飛翔体が発射される場合に端面に発生する動的変位と入射弾性波パルスのひずみを、それぞれdin,2(t)、εin,2(t)、とする。以下の式が成立する。
【数46】

(8.2)
【数47】

(8.3)
【0073】
そこで、記号を以下の表のように定める。
【表2】


(8.4)式が成立する範囲内で、(8.5) 式が成立する周波数範囲、動的変位範囲を明らかにすることが評価対象であるレーザ変位計の動的線形性の評価である。
【数48】

(8.4)
【数49】

(8.5)
【0074】
内側飛翔体と外側飛翔体の衝突が同時でない場合にはその時間差をΔtとすると, (8.6)式が成立する範囲内で、(8.7) 式が成立する周波数範囲、動的変位範囲を明らかにすることが評価対象であるレーザ変位計の動的線形性の評価である。
【数50】

(8.6)
【数51】

(8.7)
【0075】
(9)歪ゲージ(軸方向の一個所に貼る)出力をそのまま用いて、レーザ変位計の動的線形性を計測する場合
図1に示す装置例において飛翔体の衝突する端面から距離L1に貼ってある歪ゲージの出力信号について、内側飛翔体を単独で発射した場合、外側飛翔体を単独で発射した場合、内側飛翔体と外側飛翔体を同時にかつ単独で発射した場合と同一の条件で発射した場合の各々について、εL1,out,1(t)、εL1,out,2(t)、εL1,out,1+2(t)、とする。この場合、歪ゲージの周波数応答特性、弾性波の分散、減衰、音速値の不確かさなどを考慮しないので、ゲージの出力信号であるひずみがそのまま動的線形性を評価するレーザ変位計からのレーザ光の照射面への入射弾性波パルスのひずみになるとみなす。εL1,out,1(t)、εL1,out,2(t)、εL1,out,1+2(t)に対応する、評価対象のレーザ変位計で計測したレーザ照射面の動的変位信号を、dL1,out,1(t)、dL1,out,2(t)、dL1,out,1+2(t)とすれば、(9.1)式が成立する範囲内で、(9.2) 式が成立する周波数範囲、動的変位範囲を明らかにすることがレーザ変位計の動的線形性の評価である。
【数52】

(9.1)
【数53】

(9.2)
【0076】
内側飛翔体と外側飛翔体の衝突が同時でない場合には、その時間差をΔtとすると、(9.3)式が成立する範囲内で、(9.4) 式が成立する周波数範囲、動的変位範囲を明らかにすることがレーザ変位計の動的線形性の評価となる。
【数54】

(9.3)
【数55】

(9.4)
【0077】
(10)複数個の歪ゲージの出力をそのまま用いて、レーザ変位計の動的線形性を計測する場合。
金属丸棒の軸方向に複数個貼られている歪ゲージは、丸棒の衝撃端面から、Ln(n=1・・・N)だけ離れた位置に貼られているとする。また、棒の軸方向の複数位置に貼り付けたゲージの代表位置をL1とする。この場合、各Ln(n=1・・・N)位置において、照射端面への弾性波入射パルスと、反射弾性波パルスは分離して観察されなければならない。
弾性波の伝ぱ理論により、衝撃端面から十分離れた丸棒断面での弾性波パルスのひずみは、平面波となるため衝撃端面からの距離zと時間t(t=0で飛翔体の衝突が始まるとする)で解析的に表すことが可能である。そこで、平面波としての丸棒内部のひずみ(ε(z,t))を次式で表すことにする。
【数56】

(10.1)
【0078】
但し、F(z,t)は次のように表される。(Skalakの解、級数展開の第一項目)
【数57】

(10.2)
ただしここで、
t:時刻
lp:飛翔体の長さ
Cp:飛翔体の中の縦波弾性波の伝ぱ速度
εt(t,z):スカラクの解析解の一次項
【数58】

(10.3)
【数59】

(10.4)
【数60】

(10.5)
ただしここで、
V1:飛翔体の衝突速度
t:衝突後の経過時間
ν:ポアソン比
Da:金属棒の直径
z:金属棒の軸方向の座標
【0079】
多数の歪ゲージを用いて感度を上げるために、以下の手順を取る。位置Ln(n=1…N)における複数個のゲージ出力の断面での平均値を、εLn(t)(t=0は衝突開始時間)とする。波動伝ぱに時間がかかり、位置Ln(n=1…N)における歪ゲージの出力信号は同相ではないので、以下の手順により(3)式を用いて代表位置L1に貼ってあるゲージの出力と等価な出力に変換することができる。
【数61】

(n=2…N) (10.6)
ここで、L、L−1は、ラプラス演算子、逆ラプラス演算子である。したがって、代表位置における弾性波パルスのひずみεr(L1,t)は以下の式で表される。
【数62】

(10.7)
【0080】
(11)複数の歪ゲージを用い出力信号の加算平均を計算することにより、ノイズの影響を減らし微小動的ひずみを計測する場合。
代表位置からビーム照射端面までの弾性波パルスの伝ぱによる弾性波動の分散、減衰などは考慮しない。歪ゲージの動特性を考慮した補正も行わない。そこで、内側飛翔体を単独で発射した場合、外側飛翔体を単独で発射した場合、内側飛翔体と外側飛翔体を同時にかつ単独で発射した場合と同一の条件で発射した場合の各々について、代表位置における代表ひずみ信号を、εr,1(L1,t)、εr,2(L1,t)、εr,1+2(L1,t)とすると、複数個の歪ゲージの代表位置から評価対象のレーザ変位計のレーザ光が照射する端面までの距離は、L−L1であるから、それぞれの場合にビーム照射端面に発生する動的変位drin,1(t),drin,2(t),drin,1+2(t)は,次式で表される。
【数63】

(11.1)
【数64】

(11.2)
【数65】

(11.3)
【0081】
(11.1), (11.2), (11.3)の入力動的変位に対応する動的線形性を評価するレーザ変位計の出力である動的変位信号をそれぞれ、drout,1(t)、drout,2(t)、drout,1+2(t)とすると、(11.4)式が成立する範囲内で(11.5)式が成立することが、レーザ変位計の動的線形性である。
【数66】

(11.4)
【数67】

(11.5)
【0082】
内側飛翔体と外側飛翔体の衝突が同時でない場合には、その時間差をΔtとすると(11.6)式が成立する範囲内で、(11.7)式が成立する周波数範囲、動的変位範囲を明らかにすることがレーザ変位計の動的線形性の評価を行うこととなる。
【数68】

(11.6)
【数69】

(11.7)
【0083】
(12)歪ゲージ(軸方向の一個所に貼る)出力を理論的に補正して端面への入射弾性波パルスのひずみを求め、レーザ変位計の動的線形性を計測する場合。
この場合においては、軸方向の一箇所に貼り付けた歪ゲージ出力を、弾性波理論で補正して端面への入射弾性波パルスを求める。しかし、ゲージの周波数応答は無視される。(1.2)式、(1.3)式で示されるひずみ信号は、衝突端面から距離L1の位置に貼られているとし、内側飛翔体のみの衝突で発生したひずみ信号をεin,1(L1,t)、外側飛翔体のみの衝突で発生したひずみ信号をεin,2(L1,t)、内側飛翔体と外側飛翔体が同時に衝突した時のひずみ信号をεin,1+2(L1,t)とすると、以下の式が成立する。
【数70】

(12.1)
【0084】
εin,1+2(t)、εin,1+2(L1,t)を、内側飛翔体と外側飛翔体を同時に発射した時の、レーザ振動計からのビームで照射される端面への入射弾性波パルスのひずみ、衝突端面から距離L1に貼られた歪ゲージの出力信号とする。(12.1)式から求まるεin,1(t)、εin,2(t)、εin,1+2(t)および各々に対応する評価対象のレーザ変位計の出力信号、dout,1(t)、dout,2(t)、dout,1+2(t)、を用いると、この(12)における評価対象のレーザ変位計の動的線形性を測定することは、(12.2)式が成立する周波数、動的変位範囲内において、(12.3)式が成立する周波数範囲、動的変位範囲を明らかにすることである。
【数71】

(12.2)
【数72】

(12.3)
【0085】
内側飛翔体と外側飛翔体の衝突が同時でない場合には、その時間差をΔtをとすると、(12.4)式が成立する周波数範囲、動的変位領域において、(12.5)式が成立する周波数範囲、動的変位範囲を明らかにすることが動的線形性の計測である。
【数73】

(12.4)
【数74】

(12.5)
【0086】
(13)歪ゲージ(軸方向の複数個所に貼る)の出力を理論的に補正して端面への入射弾性波パルスのひずみを求め、レーザ変位計の動的線形性を計測する場合。
軸方向に複数個貼り付けた歪ゲージ出力から代表値を計算する方法として前記(10)の(10.7)式に示す方法を用い、代表位置(衝撃端面から距離L1)における歪ゲージ出力信号を、内側飛翔体を単独で発射する場合(εr,1(L1,t))、外側飛翔体を単独で発射する場合(εr,2(L1,t))、内側飛翔体と外側飛翔体を同時に金属棒に衝突させる場合(εr,1+2(L1,t))について、それぞれに対応するレーザビーム照射面への入射弾性波パルスのひずみを、(13.1)式から求める。
【数75】

(13.1)
【0087】
εr,1(L1,t)、εr,2(L1,t)、εr,1+2(L1,t)のそれぞれに対応する動的線形性を評価する対象のレーザ変位計の出力を、drcout,1(t)、drcout,2(t)、drcout,1+2(t)とする。このように決めれば、この(13)においてレーザ変位計の動的線形性を測定することとは、(13.2)式が成立する周波数、動的変位範囲内において、(13.3)式が成立する周波数範囲、動的変位範囲を明らかにすることである。
【数76】

(13.2)
【数77】

(13.3)
【0088】
内側飛翔体と外側飛翔体の衝突が同時でない場合には、その時間差をΔtとすると、(13.4)式が成立する周波数、動的変位範囲内において、(13.5)式が成立する周波数範囲、動的変位範囲を明らかにすることにより動的線形性を測定することができる。
【数78】

(13.4)
【数79】

(13.5)
【0089】
(14)歪ゲージ(軸方向の一個所に貼る)出力をレーザ干渉計で計測した結果を用いて補正し端面への入射弾性波パルスのひずみを求め、レーザ変位計の動的線形性を計測する場合。
軸方向の一箇所に貼り付けた歪ゲージの出力を、レーザ干渉計で計測した結果により補正してレーザ照射端面への入射弾性波パルスのひずみを求め、入力信号の線形性をチェックするには次のようにして行う。
【0090】
干渉計により棒端面の運動速度(vL(t))が測定され、入射弾性波パルスのひずみ(εiL(t))との関係は、vL(t)=2CεiL(t)で表される。この(14)では、動的線形性検証が必要とする入力信号の線形性を検証するために、歪ゲージ出力からレーザ変位計への過渡的入力変位信号を推定するときに、ゲージの周波数応答を補正し、弾性波動伝ぱの分散、減衰、音速値推定の不確かさなどを基準レーザ干渉計出力を用いて補正する。軸方向に一箇所に貼り付けてある歪ゲージの衝突端面からの距離を、L1とする。ゲージからの出力信号について、内側飛翔体が単独で発射された場合をεL1,out,1(t)、外側飛翔体が単独で発射された場合をεL1,out,2(t)、内側飛翔体と外側飛翔体が同時に発射される場合をεL1,out,1+2(t)とする。このとき、ゲージの出力信号をレーザ振動計からのレーザが照射する端面への入射弾性波パルスのひずみに変換する以下の補正関数(GCL(jω)を求める。
【数80】

(14.1)
【0091】
このように決めれば、内側飛翔体が単独で発射された場合の動的線形性を評価するレーザ変位計出力をdCL1out,1(t)、外側飛翔体が単独で発射された場合の動的線形性を評価するレーザ変位計出力をdCL1out,2(t)、内側飛翔体と外側飛翔体が同時に発射される場合の動的線形性を評価するレーザ変位計出力をdCL1out,1+2(t)として、この(14)においてレーザ変位計の動的線形性を評価することは、(14.2)式が成立する周波数、動的変位範囲内において、(14.3)式が成立する周波数範囲、動的変位範囲を明らかにすることである。
【数81】

(14.2)
【数82】

(14.3)
【0092】
内側飛翔体と外側飛翔体の衝突が同時でない場合には、その時間差をΔtとすると、(14.4)式が成立する周波数、動的変位範囲内において、(14.5)式が成立する周波数範囲、動的変位範囲を明らかにすることにより動的線形性を測定することができる。
【数83】

(14.4)
【数84】

(14.5)
【0093】
(15)歪ゲージ(軸方向の複数個所に貼る)出力をレーザ干渉計で計測した結果を用いて補正し端面への入射弾性波パルスのひずみを求め、レーザ変位計の動的線形性を計測する場合。
複数個の歪ゲージの出力を基準レーザ干渉計で計測した結果により補正してレーザ照射端面への入射弾性波パルスのひずみを求め、動的線形性の検証が必要とする入力信号の線形性を求める。(10.7)式で求められる代表位置における歪ゲージ出力信号に関して、内側飛翔体が単独で発射された場合をεNr,1(L1,t)、外側飛翔体が単独で発射された場合をεNr,2(L1,t)、内側飛翔体と外側飛翔体が同時に発射される場合をεNr,1+2(L1,t)とする。内側飛翔体が単独で発射された場合のレーザ変位計出力をdCLNout,1(t)、外側飛翔体が単独で発射された場合のレーザ変位計出力をdCLNout,2(t)、内側飛翔体と外側飛翔体が同時に発射される場合のレーザ変位計出力をdCLNout,1+2(t)とするならば、この(15)において動的線形性を測定することは、(15.1)式が成立する周波数、動的変位範囲内において、(15.2)式が成立する周波数範囲、動的変位範囲を明らかにすることとなる。
【数85】

(15.1)
【数86】

(15.2)
【0094】
内側飛翔体と外側飛翔体の衝突が同時でない場合には、その時間差をΔtとすると、(15.3)式が成立する周波数、動的変位範囲内において、(15.4)式が成立する周波数範囲、速度範囲を明らかにすることが動的線形性を測定することとなる。
【数87】

(15.3)
【数88】

(15.4)
【0095】
丸棒内部を伝ぱする弾性波パルスの端面での反射により発生する速度、動的変位の周波数帯域が十分広くない場合には、圧電物質(圧電膜や圧電スタックなど)を端面に付加して、広帯域化を図る。この場合には、ゲージ出力を理論補正しても、端面の速度を導くことは出来ないことを考慮し、前記(1)〜(15)の各態様において、レーザ干渉計を用いる態様である(1)、(6)〜(8)、(14)、(15)については、次のようにこの圧電物質を用いる。
【0096】
(1)及び(8)の態様においては、内側発射管のみから飛翔体を発射する場合、もしくは、外側発射管のみから飛翔体を発射する場合のどちらか一方の場合にのみ、金属棒のレーザ光照射端面に取り付けた圧電物質を駆動する。また、内側飛翔体、外側飛翔体を同時に発射する場合には、個別に発射した時とすべて同じ条件で、圧電物質を駆動する。
【0097】
(6)及び(14)の態様においては、圧電物質(圧電膜)もしくは圧電膜駆動のレーザ光反射膜(材)の表面の速度を基準干渉計で計測した結果を用いて、軸方向に同一距離の1箇所に貼り付けたゲージ出力を補正関数求めておけば、同じ考え方を用いることができる。すなわち、歪ゲージの出力に補正関数を適用することにより、ゲージの周波数応答、波動の分散、波動の減衰、音速値の不確かさ、圧電物質(圧電膜)が弾性波パルスの反射に及ぼす影響を、すべて補正する関数となる。
【0098】
(7)及び(15)の態様においては、圧電物質(圧電膜)もしくは圧電膜駆動のレーザ光反射膜(材)の表面の速度を基準干渉計で計測した結果を用いて、軸方向に複数箇所に貼り付けたゲージ出力を補正関数を求めておけば、同じ考え方を用いることができる。すなわち、歪ゲージの出力に補正関数を適用することにより、ゲージの周波数応答、波動の分散、波動の減衰、音速値の不確かさ、圧電物質(圧電膜)が弾性波パルスの反射に及ぼす影響を、すべて補正する関数となる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明を実施するシステム概要を示す構成図である。
【図2】本発明を実施する他のシステム概要を示す構成図である。
【符号の説明】
【0100】
1 金属棒
2 第1端面
3 飛翔体
4 内側発射管
5 外側発射管
6 多重発射管
7 内側飛翔体
8 内側発射装置
10 外側飛翔体
11 外側発射装置
15 弁開閉制御装置
16 第1弁
17 第1高圧空気源
18 第2弁
19 第2高圧空気源
22 第2端面
23 レーザ振動計
24 レーザ干渉計
25 歪ゲージ
26 パソコン
27 またはレーザ光源
28 受光素子
29 カウンタ
30 鏡面をもつ圧電物質(圧電膜)
31 シグナルコンデンショナ
32 圧電膜駆動装置
33 鏡


【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させ、
前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を、金属棒側面に設けた歪ゲージと、評価対象となるレーザ振動計とで計測し、
前記歪ゲージの信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較することにより、レーザ振動計の動的線形性を計測することを特徴とするレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測方法。
【請求項2】
金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させ、
前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を、該第1端面から各々異なる距離の金属棒側面に設けた複数の歪ゲージと、評価対象となるレーザ振動計とで計測し、
前記複数の歪ゲージの信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較することにより、レーザ振動計の動的線形性を計測することを特徴とするレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測方法。
【請求項3】
金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させ、
前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を、金属棒側面に設けた歪ゲージと、評価対象となるレーザ振動計とで計測し、
前記歪ゲージの出力を弾性波パルスの伝播理論によって波動の分散、減衰に応じた補正演算を行い、
前記歪ゲージの出力を補正演算した信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較することにより、レーザ振動計の動的線形性を計測することを特徴とするレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測方法。
【請求項4】
金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させ、
前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を、該第1端面から各々異なる距離の金属棒側面に設けた複数の歪ゲージと、評価対象となるレーザ振動計とで計測し、
前記複数の歪ゲージの出力を弾性波パルスの伝播理論によって波動の分散、減衰に応じた補正演算を行い、
前記歪ゲージの出力を補正演算した信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較することにより、レーザ振動計の動的線形性を計測することを特徴とするレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測方法。
【請求項5】
金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させ、
前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を、金属棒側面に設けた歪ゲージと、レーザ干渉計と、評価対象となるレーザ振動計とで計測し、
前記歪ゲージの出力を前記レーザ干渉計の信号により補正し、
前記歪ゲージの出力を補正した信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較することにより、レーザ振動計の動的線形性を計測することを特徴とするレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測方法。
【請求項6】
金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させ、
前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を、該第1端面から各々異なる距離の金属棒側面に設けた複数の歪ゲージと、レーザ干渉計と、評価対象となるレーザ振動計とで計測し、
前記複数の歪ゲージの出力を前記レーザ干渉計の信号により補正し、
前記歪ゲージの出力を補正した信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較することにより、レーザ振動計の動的線形性を計測することを特徴とするレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測方法。
【請求項7】
多数の歪ゲージを円周方向のみならず軸方向に貼り付け、弾性波動の伝播の位相の違いを弾性波伝播理論により補正して、各ゲージ出力信号から代表位置における歪みを軸方向に貼り付けた歪みの個数だけ算出し、総加平均を取ることによりノイズを抑制する動的歪みの計測手法を用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載のレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測方法。
【請求項8】
金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させる発射装置と、
前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を測定する、金属棒側面に設けた歪ゲージ、及び評価対象となるレーザ振動計と、
前記歪ゲージの信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較し、レーザ振動計の動的線形性を計測する計測手段を備えたことを特徴とするレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測装置。
【請求項9】
金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させる発射装置と、
前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を測定する、該第1端面から各々異なる距離の金属棒側面に設けた複数の歪ゲージ、及び評価対象となるレーザ振動計と、
前記複数の歪ゲージの信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較し、レーザ振動計の動的線形性を計測する計測手段を備えたことを特徴とするレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測装置。
【請求項10】
金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させる発射装置と、
前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を測定する、金属棒側面に設けた歪ゲージ、及び評価対象となるレーザ振動計と、
前記歪ゲージの出力を弾性波パルスの伝播理論によって波動の分散、減衰に応じた補正演算を行う演算手段と、
前記歪ゲージの出力を補正演算した信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較し、レーザ振動計の動的線形性を計測する計測手段を備えたことを特徴とするレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測装置。
【請求項11】
金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させる発射装置と、
前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を測定する、該第1端面から各々異なる距離の金属棒側面に設けた複数の歪ゲージ、及び評価対象となるレーザ振動計と、
前記複数の歪ゲージの出力を弾性波パルスの伝播理論によって波動の分散、減衰に応じた補正演算を行う演算手段と、
前記歪ゲージの出力を補正演算した信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較し、レーザ振動計の動的線形性を計測する計測手段とを備えたことを特徴とするレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測装置。
【請求項12】
金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させる発射装置と、
前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を測定する、金属棒側面に設けた歪ゲージ、及びレーザ干渉計、並びに評価対象となるレーザ振動計と、
前記歪ゲージの出力を前記レーザ干渉計の信号により補正する補正手段と、
前記歪ゲージの出力を補正した信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較し、レーザ振動計の動的線形性を計測する計測手段とを備えたことを特徴とするレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測装置。
【請求項13】
金属棒の第1端面に第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに前記第1及び第2の両飛翔体を同時に或いは微小時間差をもって衝突させて金属棒内部に弾性波パルスを発生させる発射装置と、
前記各衝突により発生した弾性波パルスが金属棒の前記第1端面の反対側の第2端面に到達したときに生じる第2端面の運動速度を測定する、該第1端面から各々異なる距離の金属棒側面に設けた複数の歪ゲージ、及びレーザ干渉計、並びに評価対象となるレーザ振動計と、
前記複数の歪ゲージの出力を前記レーザ干渉計の信号により補正する補正手段と、
前記歪ゲージの出力を補正した信号と、前記レーザ振動計の信号とを、時間領域または周波数領域で比較し、レーザ振動計の動的線形性を計測する計測手段とを備えたことを特徴とするレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測装置。
【請求項14】
多数の歪ゲージを円周方向のみならず軸方向に貼り付け、弾性波動の伝播の位相の違いを弾性波伝播理論により補正して、各ゲージ出力信号から代表位置における歪みを軸方向に貼り付けた歪みの個数だけ算出し、総加平均を取ることによりノイズを抑制する動的歪みの計測手法を用いたことを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか一つに記載のレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測装置。
【請求項15】
前記発射装置は二重管からなり、前記第1の飛翔体を内側の管内から、前記第2の飛翔体は内側の管と外側の管の間から発射すること、もしくはその逆に第1の飛翔体は内側の管と外側の管の間から、第2の飛翔体は内側の管内から発射することを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか一つに記載のレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測装置。
【請求項16】
前記第1の飛翔体及びそのための発射装置、第2の飛翔体及びそのための発射装置を多重化し、発射の時間差を制御し、金属棒内部に発生する弾性波の周波数帯域を狭帯域化することを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか一つに記載のレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測装置。
【請求項17】
前記歪ゲージは、前記金属棒の表面に対して該金属棒の端部から同一距離に複数設けたことを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか一つに記載のレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測装置。
【請求項18】
飛翔体本体部を異なる材質の積層体で構成し、または飛翔体本体部の先端に該本体部と異なる材質の部材を取り付け、金属棒内部に発生する弾性波パルスの周波数帯域を制御することを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか一つに記載のレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測装置。
【請求項19】
前記歪ゲージの出力を弾性波パルスの伝播理論によって演算を行う演算手段は、解析解の1次の項、または高次の項までを用い、歪ゲージ出力信号から端面に入射する弾性波パルスの過渡歪信号を求めることを特徴とする請求項10または請求項11に記載のレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測装置。
【請求項20】
前記計測手段は、前記第1及び第2の両飛翔体を微小時間差をもって衝突させるとき、両飛翔体の金属棒に対する衝突時刻の差を、両飛翔体を各々単独で衝突させたときに発生する歪ゲージ出力による計測結果に基づき、両飛翔体が完全には同時衝突が達成できないための微小時間差をもって衝突させたときに発生する歪ゲージ出力による計測結果が最も適合するパラメータとして求め、 第1の飛翔体のみ、及び第2の飛翔体のみ、並びに両飛翔体を微小時間差をもって各々衝突させた時に得られる評価対象とするレーザ振動計の出力信号から、それらの動的線形性を計測することを特徴とする請求項8〜請求項13のいずれか一つに記載のレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測装置。
【請求項21】
前記金属棒を、軸方向への剛体運動を拘束しないように点接触によって水平に支持したことを特徴とする請求項8〜請求項13のいずれか一つに記載のレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測装置。
【請求項22】
前記金属棒の第1端面に接する金属球を取り付け、
前記金属球に発射タイミングを精密に制御した飛翔体を衝突させ、金属棒内部に弾性波パルスを発生させることを特徴とする、請求項8〜請求項13のいずれか一つに記載のレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測装置。
【請求項23】
前記金属棒の第2端面に圧電物質を取り付け、
前記圧電物質を前記弾性波パルスの第2端面での反射過程の所定の時期に駆動する圧電物質駆動手段を備え、
金属棒単体で発生できる棒端面の速度の周波数帯域幅が不足しているときに、前記圧電物質駆動手段により周波数帯域幅を広帯域化することを特徴とする、請求項8〜請求項13のいずれか一つに記載のレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測装置。
【請求項24】
波動の分散、波動の減衰、音速値の不確かさ、ゲージの周波数応答、棒端面に取り付けた圧電物質の高速微小振動、及び高速微小動的変位の少なくとも一つを補正する補正関数を記録したデータと、歪ゲージが貼り付けられた金属棒を必要不可欠な交換部品セットとすることを特徴とする請求項8〜請求項13、請求項23のいずれか一つに記載のレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測装置。
【請求項25】
波動の分散、波動の減衰、音速値の不確かさ、ゲージの周波数応答、棒端面に取り付けた圧電物質の高速微小振動、及び高速微小動的変位の少なくとも一つを補正する補正関数を記録した媒体と、歪ゲージが貼り付けられた金属棒または、圧電物質が端面に取り付けられた金属棒を反復実施可能性の実現手段とすることを特徴とする請求項8〜請求項13、請求項23のいずれか一つに記載のレーザ振動計の歪ゲージを用いた動的線形性計測装置。
【請求項26】
上記請求項1〜請求項25のいずれか一つに記載の方法または装置を用いて動的線形性が計測されたレーザ振動計。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−300959(P2006−300959A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−161886(P2006−161886)
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【分割の表示】特願2003−115453(P2003−115453)の分割
【原出願日】平成15年4月21日(2003.4.21)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】