ロボット顕微手術のための装置、システムおよび方法
顕微手術のためのシステムは、第1のアセンブリと、第2のアセンブリと、を含み、それぞれ、(1)平面遠隔運動中心(RCM)デバイスであって、手術器具の軸が、RCMを通過する一方で、平面RCMデバイスの回転配向に基づいて画定される平面領域内に残留するように、平面RCMデバイスに取着された手術器具の運動を制約するように構成される、デバイスと、(2)回転デバイスであって、平面RCMデバイスに取着され、回転デバイスの回転軸が、遠隔運動中心を通過するように、構成される、デバイスと、を含む。平面RCMデバイスの回転配向は、回転軸を中心として画定される。第1のアセンブリおよび第2のアセンブリは、第1のアセンブリの遠隔運動中心と第2のアセンブリの遠隔運動中心との間の距離が、2センチメートル未満となるように、位置付けられるように構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2010年1月14日に出願された米国仮特許出願第61/295,153号の利益を主張し、この出願の開示は本明細書においてその全体が参照として援用される。
【0002】
本発明は、概して、顕微手術の分野に関する。より具体的には、本発明は、低侵襲性ロボット顕微手術に関する。
【背景技術】
【0003】
低侵襲性手術は、手の技術における標準的器具からロボット手技への移行によって、恩恵を享受している。具体的には、一般外科、泌尿器科、心臓血管外科、および婦人科等、腹腔鏡下手技は、安全性の向上および回復時間の短縮をもたらす、遠隔操作ロボット手術から恩恵を享受している。しかしながら、標準的腹腔鏡下デバイスは、典型的には、低侵襲性顕微手術に好適ではない。特に、以前のロボット設計のかさばりは、概して、顕微手術のために、遠隔運動中心を伴う2つ以上の手術器具を近接して位置付けることを妨害する。
【0004】
本背景に照らして、本明細書に説明される、ロボット顕微手術のための装置、システム、および方法を開発する必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面は、顕微手術のためのシステムに関する。一実施形態では、システムは、第1のアセンブリおよび第2のアセンブリを備え、それぞれ、(1)平面遠隔運動中心デバイスであって、手術器具の軸が、遠隔運動中心を通過する一方で、平面遠隔運動中心デバイスの回転配向に基づいて画定される平面領域内に残留するように、平面遠隔運動中心デバイスに取着された手術器具の運動を制約するように構成される、デバイスと、(2)回転デバイスであって、平面遠隔運動中心デバイスに取着され、回転デバイスの回転軸が、遠隔運動中心を通過するように、構成される、デバイスと、を含み、平面遠隔運動中心デバイスの回転配向は、回転軸を中心として画定される。第1のアセンブリおよび第2のアセンブリは、第1のアセンブリの遠隔運動中心と第2のアセンブリの遠隔運動中心との間の距離が、2センチメートル以下となるように、位置付けられるように構成される。
【0006】
本発明の別の側面は、手術器具の運動を制御する方法に関する。一実施形態では、方法は、(1)第1のデバイスと関連付けられた第1の遠隔運動中心および第2のデバイスと関連付けられた第2の遠隔運動中心が、空間的に分離し、顕微手術のために接近して維持されるように、第1のデバイスおよび第2のデバイスを位置付けるステップと、(2)第1の手術器具を第1のデバイスに取着するステップであって、第1のデバイスが、第1の手術器具の軸が、第1の遠隔運動中心を通過するように、第1の手術器具の運動を制約する、ステップと、(3)第2の手術器具を第2のデバイスに取着するステップであって、第2のデバイスが、第2の手術器具の軸が、第2の遠隔運動中心を通過するように、第2の手術器具の運動を制約する、ステップと、(4)第1のデバイスおよび第2のデバイスを回転させる一方で、第1のデバイスの第1の回転配向および第2のデバイスの第2の回転配向に基づいて、第1のデバイスと第2のデバイスとの間、および第1の手術器具と第2の手術器具との間の空間分離を維持するステップと、を備える。
【0007】
本発明の他の側面および実施形態もまた、想定される。前述の発明の開示および以下の発明を実施するための形態は、本発明を任意の特定の実施形態に制限することを意味するものではなく、単に、本発明のいくつかの実施形態を説明することを意味するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明のいくつかの実施形態の性質および目的のさらなる理解のために、付随の図面と関連して検討される、以下の発明を実施するための形態を参照されたい。
【図1】図1は、本発明のある実施形態による、ロボット顕微手術のためのシステムを例証する。
【図2】図2は、本発明のある実施形態による、平面遠隔運動中心デバイスを例証する。
【図3】図3は、本発明のある実施形態による、回転デバイスに取着された平面遠隔運動中心デバイスを例証する。
【図4】図4は、本発明のある実施形態による、第2の遠隔運動中心アセンブリに隣接して位置付けられる、第1の遠隔運動中心アセンブリの上面図を例証する。
【図5】図5は、本発明のある実施形態による、第2の遠隔運動中心アセンブリに隣接して位置付けられる、第1の遠隔運動中心アセンブリの上面図を例証しており、2つのアセンブリは、オフセット構成にある。
【図6A】図6Aから6Bは、本発明のある実施形態による、略半円形トラックに取り付けられた搬器を含む、遠隔運動中心アセンブリを例証しており、搬器は、複数の手術器具を保持する。
【図6B】図6Aから6Bは、本発明のある実施形態による、略半円形トラックに取り付けられた搬器を含む、遠隔運動中心アセンブリを例証しており、搬器は、複数の手術器具を保持する。
【図6C】図6Cは、本発明のある実施形態による、略半円形トラックに取り付けられた複数の搬器を含む、遠隔運動中心アセンブリを例証する。
【図7】図7は、本発明のある実施形態による、第2の遠隔運動中心アセンブリに隣接して位置付けられ、第2の遠隔運動中心アセンブリと180度反対に配向される、第1の遠隔運動中心アセンブリを例証しており、2つのアセンブリはそれぞれ、略半円形トラックに取り付けられた搬器を含む。
【図8】図8は、本発明のある実施形態による、図7の第2の遠隔運動中心アセンブリに隣接して位置付けられ、第2の遠隔運動中心アセンブリと略平行に配向される、図7の第1の遠隔運動中心アセンブリの上面図を例証する。
【図9】図9は、本発明のある実施形態による、第1の遠隔運動中心アセンブリおよび第2の遠隔運動中心アセンブリの上面図を例証しており、2つのアセンブリはそれぞれ、XYZステージに取り付けられる。
【図10A】図10Aから10Cは、本発明のある実施形態による、図7の第2の遠隔運動中心アセンブリに隣接して位置付けられる、図7の第1の遠隔運動中心アセンブリの斜視図を例証する。
【図10B】図10Aから10Cは、本発明のある実施形態による、図7の第2の遠隔運動中心アセンブリに隣接して位置付けられる、図7の第1の遠隔運動中心アセンブリの斜視図を例証する。
【図10C】図10Aから10Cは、本発明のある実施形態による、図7の第2の遠隔運動中心アセンブリに隣接して位置付けられる、図7の第1の遠隔運動中心アセンブリの斜視図を例証する。
【図11】図11は、本発明のある実施形態による、ロボット顕微手術のためのシステムにおいて使用するための頭部拘束装置を例証する。
【図12】図12は、本発明のある実施形態による、ロボット顕微手術のためのシステム内に含まれる、コンピュータを例証する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
定義
以下の定義は、本発明のいくつかの実施形態に関連して説明される側面のうちのいくつかに適用される。これらの定義は、同様に、本明細書において、拡張されてもよい。
【0010】
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈において、別様に明確に示されない限り、複数参照も含む。したがって、例えば、文脈において、別様に明確に示されない限り、ある物体の参照は、複数の物体を含む可能性がある。
【0011】
本明細書で使用されるように、用語「一式」とは、一連の1つ以上の物体を指す。したがって、例えば、一式の物体は、単一物体または複数の物体を含むことができる。一式の物体はまた、一式の部材と称され得る。一式の物体は、同一または異なり得る。いくつかの事例では、一式の物体は、1つ以上の共通特色を共有することができる。
【0012】
本明細書で使用されるように、用語「隣接する」とは、近傍または接していることを指す。隣接する物体は、相互から離間し得る、あるいは実際にまたは直接、相互に接触し得る。いくつかの事例では、隣接する物体は、相互に連結することができる、または相互と一体的に形成することができる。
【0013】
本明細書で使用されるように、用語「実質的に」、「略」および「実質的」とは、相当な程度または範囲を指す。ある事象または状況と併用されると、本用語は、その事象または状況が、精密に生じる事例、ならびにその事象または状況が、本明細書に説明される実施形態の典型的許容値レベルまたは変動性等を考慮して、近似して生じるような事例を指す。
【0014】
本明細書で使用されるように、用語「随意の」および「随意に」とは、続いて説明される事象または状況が、生じてもよく、または生じなくてもよく、本説明は、その事象または状況が生じる事例およびそうではない事例を含むことを意味する。
【0015】
本発明の実施形態の説明
最初に、本発明のある実施形態による、ロボット顕微手術のためのシステム110を例証する、図1を参照する。システム110では、外科医は、制御装置(controls)112を操作する。コンピュータ114(図12を参照して、さらに説明される)は、制御装置112、可視化システム116、およびセンサ118から受信した入力を処理する。可視化システム116は、患者および/または患者の環境の撮像を行ってもよい。センサ118は、患者および/または患者の環境を監視してもよい。コンピュータ114による処理に基づいて、出力が、顕微手術アセンブリ120に提供され、また、外科医にも提供されてもよい。外科医は、可視化システム116によって提供される患者情報および/またはコンピュータ114によって提供される出力に基づいて、制御装置112を操作してもよい。例えば、外科医は、可視化システム116を通して、手術を観察し、対応して、制御装置112を操作してもよい。顕微手術アセンブリ120は、コンピュータ114によって制御される、機械的アセンブリである。一実施形態では、顕微手術アセンブリ120は、手術器具101を選択し、コンピュータ114からのコマンドに応答して、手術器具101を患者に適用する。顕微手術アセンブリ120は、ロボットアームを含む、マニピュレータを含んでもよく、それぞれ、手術器具101のうちの1つ以上を平行移動(translate)、回転、および別様に操作する。顕微手術アセンブリ120は、フィードバック制御ループ124を含み、望ましくない外部妨害を拒絶する等によって、手術器具101の運動を安定させてもよい。
【0016】
一実施形態では、制御装置112は、制御コンソールの一部であってもよい。制御コンソールは、顕微手術アセンブリ120および手術部位と相互作用するために、外科医からの可視化および制御インターフェースを格納してもよい。可視化および制御インターフェースは、例えば、全体的、角度付けられた、ズーム、臓器内/内視鏡的、および立体的等のいくつかのビューを可能にする、ビューファインダを含んでもよい。これらのビュー間を切り替え、外科医に、手術野を適切に視覚化するための制御があってもよい。
【0017】
制御コンソールはまた、2つのジョイスティックを含んでもよい。2つのジョイスティックを操作することによって、外科医は、顕微手術アセンブリ120を動作させ、手術器具101を精密に操作することができる。顕微手術アセンブリ120を直感的に動作させる外科医のために、ジョイスティックは、ジョイスティックによって制御されている、顕微手術アセンブリ120のマニピュレータと同一自由度を提供すべきである。外部手術手技のために、ジョイスティックは、6自由度、3平行移動、および3回転を有し、運動の全軸の独立制御を可能にすることができる。内部手術手技の間、ジョイスティックは、最大、4自由度、1平行移動、および3回転を有し、患者の内側の運動を可能にする一方で、遠隔運動中心を整合することができる。一実施形態では、ジョイスティックは、2自由度、1平行移動、および1回転、または3自由度、1平行移動、および2つの回転等、4自由度未満を有することができる。手術器具101の運動は、外科医単独で達成可能なものより高い正確性をもたらすようにスケーリングされてもよいが、外科医によって規定される運動の方向は、顕微手術アセンブリ120によって維持されるべきである。また、ジョイスティックは、外科医が、ジョイスティックを手放す場合、ジョイスティックが、定位置に留まるという点において、平衡が保たれるべきである。これは、マニピュレータ、ひいては、手術器具101が、外科医がジョイスティックを解放する場合、望ましくなく移動することを防止する。
【0018】
顕微手術アセンブリ120のマニピュレータは、2つ以上のロボットアームを有してもよい。マニピュレータが、3つ以上のアームを有する場合、制御コンソールは、外科医に、外科医によって制御されるアームを選択させ、対応して、ジョイスティックを含むが、それらに限定されない、制御を切り替えさせてもよい。
【0019】
一実施形態では、制御コンソールは、1つ以上のフットペダルを含んでもよい。フットペダルは、可視化デバイスの位置、使用されるデバイスの作動(手術器具101および他のデバイスの両方を含む)、および/またはマニピュレータの許容可能自由度を制御してもよい。
【0020】
可視化システム116は、外科医に、手術野を視認可能にする、カメラを含んでもよい。カメラは、手術野の光学画像を、処理のために、コンピュータ114に提供することができる、デジタル信号に変換してもよい。可視化システム116はまた、眼科用顕微鏡、内視鏡、および顕微手術のために使用される、他の可視化ツール等の顕微鏡を含んでもよい。可視化システムは、患者の光学画像を提供することに限定されない。一実施形態では、可視化システム116はまた、X線、CT、OCT、およびMRIを含むが、それらに限定されない、他の撮像モダリティに対応する器具を含んでもよい。
【0021】
センサ118は、患者または患者の環境を監視する、任意のセンサを含む。例えば、センサ118は、患者による運動を検出および測定してもよい。一実施形態では、眼科用顕微手術等の場合、センサ118は、頭部拘束装置(図11および12を参照して、さらに説明される)と関連付けられてもよい。
【0022】
手術器具101は、手術手技の間、組織、薬物、流体、光または他のエネルギービーム、データ、および固体(針または異物等)を使用および/または操作するためのツールである。手術器具101は、鉗子、鋏、焼灼器、マニピュレータ、チョッパ、フック、注入カニューレ等のカニューレ、キャリパ、クランプ、レンズ、針、針ホルダ、刃、スパチュラ、注射器、硝子体切除器、内視鏡、光プローブおよびレーザプローブを含むが、それらに限定されない、光源、センサ、ならびにカメラを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0023】
顕微手術アセンブリ120はさらに、図2から図10を参照して、説明される。図2は、本発明のある実施形態による、平面遠隔運動中心デバイス100を例証する。顕微手術アセンブリ120(図1参照)は、手術器具101を保持する、および/または別様にそれに取着され得る、平面遠隔運動中心デバイス100を含んでもよい。平面遠隔運動中心デバイス100は、手術器具101の軸105が、平面領域内に残留するように、手術器具101の運動を制約する。一実施形態では、平面遠隔運動中心デバイス100は、手術器具101の軸105が、平面領域から外に平行移動または回転できないように、手術器具101を制約する。平面遠隔運動中心デバイス100は、1つ以上の回転関節102および/または直動関節103を含んでもよい。これらの関節は、直列方式、並列方式、または両方に配向されてもよい。平面遠隔運動中心デバイス100はまた、手術器具101が、遠隔運動中心104と称される、空間内のある点を通過するように、構成される。
【0024】
図3は、本発明のある実施形態による、回転デバイス200に取着された平面遠隔運動中心デバイス100を例証する。顕微手術手技を可能にする遠隔運動中心アセンブリ210を達成するために、平面遠隔運動中心デバイス100は、回転デバイス200の回転軸201が、実質的に、平面遠隔運動中心デバイス100の遠隔運動中心104を通過するように、回転デバイス200に取り付けられる。回転デバイス200は、回転軸201を中心として、平面遠隔運動中心デバイス100、ひいては、手術器具101を回転させることができる。図3の構成では、したがって、平面遠隔運動中心デバイス100に対応する平面領域は、回転軸201を中心として画定される、平面遠隔運動中心デバイス100の回転配向に基づいて画定される。
【0025】
図2および3を参照すると、遠隔運動中心104は、手術器具101の運動が、手術器具101の軸105に沿った運動を除き、患者に対して、定常のままである、本場所の影響下にあるように、手術器具101の軸105上の場所にある。例えば、本場所は、手術器具101が、遠隔運動中心104を通過する軸を中心として回転されると、患者に対して、定常のままである。遠隔運動中心104の場所は、患者の侵入部位にあってもよく、または、手術の種類に応じて、その他の場所にあってもよい。例えば、遠隔運動中心104は、内部顕微手術のために整合されてもよく、外部顕微手術のために逸脱されてもよい。一実施形態では、手術器具101は、軸105に沿って、単一平行移動自由度を有してもよい。例えば、軸105の第1の方向に沿った、手術器具101の運動は、患者に侵入するためのものであってもよく、第1の方向と反対の軸105の第2の方向に沿った運動は、侵入部位から引抜されるためのものであってもよい。手術器具101はまた、最大、3回転自由度を有してもよい。例えば、平面遠隔運動中心デバイス100、ひいては、手術器具101は、回転軸201を中心として、回転されてもよい。平面遠隔運動中心デバイス100はまた、平面領域に略垂直な軸を中心として、かつ手術器具101を通過する軸105を中心として、手術デバイス101を回転させてもよい。
【0026】
遠隔運動中心104の整合の精度は、手術の必要性に適合すべきである。例えば、内部顕微手術の場合、遠隔運動中心104は、ミリメートル未満の精度で整合することができる。遠隔運動中心104の精密な制御は、患者の侵入部位における不必要な手術器具101の運動を減少させることによって、手術から生じる患者組織への損傷を低減させることができる。
【0027】
一実施形態では、各手術器具101に対して、別個の遠隔運動中心が存在してもよく、これらの複数の遠隔運動中心は、同時に、整合することができる。遠隔運動中心104は、手術の間、修正することができる、または手技を通して、定常のままであることができる。遠隔運動中心104は、平面遠隔運動中心デバイス100の運動の制御によって、および/またはコンピュータ114(図12を参照して、さらに説明される)上で実行するソフトウェアによって等、機械的に制御されてもよい。
【0028】
顕微手術を行うために、遠隔運動中心アセンブリ210のうちの2つが、典型的には、使用される。顕微手術では、例えば、眼科顕微手術の間、眼上で手術される組織は、典型的には、小さい。その結果、2つの遠隔運動中心アセンブリの遠隔運動中心104は、空間的に分離し、顕微手術のために接近すべきである。一実施形態では、2つの遠隔運動中心アセンブリ210の遠隔運動中心104は、約0.5センチメートルから約2センチメートル、約1センチメートルから約2センチメートル、および約1.5センチメートルから2センチメートルの範囲等、2センチメートル以下において、分離されるべきである。近接する遠隔運動中心104を有する、2つの遠隔運動中心アセンブリ210を含む、顕微手術アセンブリ120(図1参照)は、遠隔顕微手術、遠隔モニタリング、合同手術、および自動化眼内顕微手術手技を促進するであろう。
【0029】
図4は、本発明のある実施形態による、第2の遠隔運動中心アセンブリ210B隣接して位置付けられる、第1の遠隔運動中心アセンブリ210Aの上面図を例証する。第1の遠隔運動中心アセンブリ210Aは、回転軸201A上に第1の遠隔運動中心104Aを有し、第2の遠隔運動中心アセンブリ210Bは、回転軸201B上に第2の遠隔運動中心104Bを有する。第1の遠隔運動中心104Aおよび第2の遠隔運動中心104Bは、距離301によって分離される。図4では、2つの遠隔運動中心アセンブリ210Aおよび210Bは、それぞれ、アセンブリ210Aおよび210Bの回転関節102Aと102Bならびに回転関節300Aと300Bが、平行に整列されるように、整列される。2つの遠隔運動中心アセンブリ210Aおよび210Bの本整列は、手術器具101Aおよび101Bの運動の範囲が、大きなままである一方、2つのアセンブリ210Aと210Bとの間の衝突回避が、本質的に、回転軸201Aを中心とする第1の角度および回転軸201Bを中心とする第2の角度を比較して、低減されるという点において、有利である(図7を参照して、さらに説明される)。また、図4では、2つの遠隔運動中心アセンブリ210Aおよび210Bは、それぞれ、軸201Aおよび201Bに対して、略対称的に構成される。一実施形態では、距離301は、遠隔運動中心アセンブリ210の直径303に等しい最小値を有することができる。直径303は、遠隔運動中心アセンブリ210の本体308および回転関節102に及ぶ。典型的遠隔運動中心アセンブリ210のかさばりによって、距離301の最小値は、依然として、顕微手術のための遠隔運動中心104の所望の間隔より大きくあり得る。
【0030】
遠隔運動中心104Aおよび104Bを近接して位置付けることが望ましいことを前提とすると、遠隔運動中心104Aと104Bとの間の距離が、遠隔運動中心アセンブリ210の最大直径303より小さくあり得るように、それぞれ、回転軸201Aおよび201Bから、遠隔運動中心アセンブリ210の一部をオフセットすることが有利となり得る。図5は、本発明のある実施形態による、第2の遠隔運動中心アセンブリ310Bに隣接して位置付けられる、第1の遠隔運動中心アセンブリ310Aの上面図を例証しており、2つのアセンブリ310は、オフセット構成にある。一実施形態では、第1の遠隔運動中心アセンブリ310Aの部分312Aは、回転軸201Aからオフセットされ、第2の遠隔運動中心アセンブリ310Bの部分312Bは、回転軸201Bからオフセットされる。部分312Aおよび312Bは、それぞれ、反対方向に、軸201Aおよび201Bからオフセットされてもよい。部分312Aおよび312Bをオフセットすることによって、遠隔運動中心104Aと104Bとの間の距離305は、直径303から短縮され、したがって、距離301より小さくなることができる。例えば、図5の構成では、距離305は、回転関節320の直径313と等しい最小値を有することができる。その結果、図5の構成は、2センチメートル未満の距離305の最小値を可能にし、したがって、顕微手術のための遠隔運動中心104の所望の間隔の範囲内である。
【0031】
図6Aから図6Bは、本発明のある実施形態による、略半円形トラック400に取り付けられた搬器402を含む、遠隔運動中心アセンブリ410を例証しており、搬器402は、複数の手術器具101を保持する。代替として、搬器402は、単一手術器具101を保持してもよい。遠隔運動中心アセンブリは、実質的に、略半円形トラック400の中心に位置する、遠隔運動中心404を有する。略半円形トラック400の中心に遠隔運動中心400を位置付けることは、図2および3を参照して説明されるような遠隔運動中心404の整合を簡略化する。搬器402は、直動関節であってもよい。半円形トラック400は、軸受405内に圧入される、小径シャフト401に取着される。図6Aを参照すると、手術器具101Aは、シャフト401の回転軸406および遠隔運動中心404を通過するように、搬器402に取着される。図6Bを参照すると、手術器具101Aは、その軸105Aに沿った平行移動を通して、遠隔運動中心404(図6Aの構成に対して)から引抜される。手術器具101Bは、回転軸406および遠隔運動中心404を通過し、図6Aの構成に対して、その軸105Bに沿って、平行移動される。
【0032】
一実施形態では、遠隔運動中心アセンブリ410は、図3の遠隔運動中心アセンブリ210同様に、手術器具101に対して、1平行移動および3回転自由度を提供する。軸105に沿った平行移動および軸406を中心とする回転に加え、手術器具101は、手術器具101を通して、軸105を中心として、回転することができる。略半円形トラック400に沿った、搬器402の平行移動を通して、手術器具101はまた、軸406および軸105によって画定される、平面領域に略垂直の軸を中心として、回転することができる。
【0033】
図6Cは、本発明のある実施形態による、略半円形トラック400に取り付けられる、複数の搬器402Aおよび402Cを含む、遠隔運動中心アセンブリ410を例証する。略半円形トラック400上に搬器402Aおよび402Cを位置付けることは、空間分離の維持を簡略化し、例えば、搬器402Aと402Cとの間の衝突を防止する。トラック400上の搬器402Aの位置は、第1の角度410によって画定されてもよく、トラック400上の搬器402Cの位置は、第2の角度412によって画定されてもよい。一実施形態では、コントローラ(図示せず)は、第1の角度410および第2の角度412を制御し、搬器402Aと402Cとの間の空間分離を維持してもよい。コントローラは、トラック400上の搬器402Aおよび402Cの角度幅を考慮して、第1の角度410および第2の角度412を比較することによって、搬器402Aと402Cとの間の空間分離を維持してもよい。例えば、コントローラは、第1の角度410と第2の角度412との間の差異の絶対値が、トラック400上の搬器402Aおよび402Cの角度幅の合計の少なくとも半分より大きいように、第1の角度410および第2の角度412を制御してもよい。代替として、コンピュータ114上で実行するソフトウェアが、本制御を行ってもよい。
【0034】
一実施形態では、複数の手術器具101は、器具を変更するために、任意の手動介入を伴うことなく、完全手術手技を促進するために、各搬器402に取着されてもよい。図6に示されるように、手術器具101は、軸方向に移動されると、遠隔運動中心404を通過するように、搬器402に取着される。搬器402は、使い捨てまたは再使用可能であるかに関わらず、任意の器具の使用を可能にする、汎用カートリッジを含んでもよい。搬器402は、カートリッジを保持し、手術器具に一般的有用性、例えば、真空、ビデオ、光、レーザ等を供給可能な一標準的インターフェースを有してもよい。各カートリッジは、片側において、要求される手術器具を保持し、反対側において、標準的インターフェースに適合するように作製される。
【0035】
一実施形態では、手術器具101は、器具変更のために、適切な器具を段階分けする、格納箱内に保持される。器具変更の間、器具は、搬器402から除去されてもよく、格納箱からのある器具と交換されてもよい。また、格納箱からの器具は、次いで、搬器402からの器具と交換されてもよい。これは、滅菌環境内で行われてもよく、自動化されてもよい。
【0036】
図7は、第2の遠隔運動中心アセンブリ410Bに隣接して位置付けられ、第2の遠隔運動中心アセンブリ410Bの180度反対に配向される、第1の遠隔運動中心アセンブリ410Aを例証しており、2つのアセンブリ410はそれぞれ、本発明のある実施形態による、略半円形トラック400Aおよび400Bに取り付けられる、搬器402Aおよび402Bを含む。図6Aから6C同様に、トラック400Aおよび400Bは、それぞれ、軸受503Aおよび503B内に圧入され、モータ500に接続される、小径シャフト501Aおよび501Bに取着される。トラック400Aおよび400Bは、それぞれ、シャフト501Aおよび501Bを通過する、回転軸406Aおよび406Bを中心として、回転することができる。遠隔運動中心404Aおよび404Bを相互に近接して設置するために、2つの対称的に反対のアセンブリ410Aおよび410Bは、シャフト501Aおよび501Bの回転軸406Aならびに406Bが平行であるように、相互に隣接して設置されてもよい。図5を参照した前述の議論同様に、シャフト501Aの一部は、遠隔運動中心404Aと404Bとの間の距離522が、モータ500の直径524より小さくなり得るように、モータ500Bを取り除くために、回転軸406Aからオフセットされる。オフセットは、回転軸406Bから回転軸406Aの方向においてであってもよい。オフセットのため、遠隔運動中心404Aおよび404Bがとり得る最も近い距離は、典型的には、直径524より小さい、軸受503の直径520である。
【0037】
一実施形態では、シャフト501Aおよび501Bは、クランクシャフトによって、駆動されてもよい。クランクシャフトは、モータ500から軸受503まで延在してもよい。これは、滑りまたは緩みが殆どまたは全く追加されないため、有利となり得る。代替として、シャフト501Aおよび501Bは、ベルト、摩擦駆動、またはギアによって、駆動されてもよい。
【0038】
一実施形態では、受動ダンパまたは能動アクチュエータを、シャフト501に取着することができる。遠隔操作顕微手術用途では、アクチュエータが、使用される。合同手術器具操作の間、アクチュエータまたは受動ダンパは、手術時の震えを低減させるために使用することができる。
【0039】
図8は、本発明のある実施形態による、図7の第2の遠隔運動中心アセンブリ410Bに隣接して位置付けられ、第2の遠隔運動中心アセンブリ410Bと略平行に配向される、図7の第1の遠隔運動中心アセンブリ410Aの上面図を例証する。図8を参照すると、一実施形態では、遠隔運動中心アセンブリ410Bのモータ500Bは、遠隔運動中心アセンブリ410Aの回転軸406Aを交差してもよい。
【0040】
図7の構成は、多くの顕微手術手技の間、必要とされる、大規模な範囲の運動を可能にする。手術器具101は、その中心線105が、単一平面502内にあるように、配向することができる。本構成では、回転軸406Aを中心とする第1の角度510と回転軸406Bを中心とする第2の角度512との間の差異の絶対値は、180度である。図8を参照すると、手術器具101はまた、軸受503の直径520によって分離される、平行平面600内にあるように、配向されてもよい。本構成では、回転軸406Aを中心とする第1の角度510と回転軸406Bを中心とする第2の角度512との間の差異の絶対値は、0度であってもよい。
【0041】
図7および8を参照すると、一実施形態では、コントローラ(図示せず)は、第1の角度510および第2の角度512を制御し、搬器402Aと402Bとの間の空間分離を維持してもよい。コントローラは、第1の角度510および第2の角度512を比較することによって、搬器402Aと402Bとの間の空間分離を維持してもよい。一実施形態では、遠隔運動中心間の距離522は、図8の構成では、搬器402Aおよび402Bが、ほとんど物理的に接触しないように、構成されてもよい。例えば、コントローラは、第1の角度510が、第2の角度512未満であるように、第1の角度510および第2の角度512を制御してもよい。代替として、第1の角度510および第2の角度512が測定される基準に応じて、コントローラは、第1の角度510が、第2の角度512より大きくなるように、第1の角度510および第2の角度512を制御してもよい。代替として、コンピュータ114上で実行するソフトウェアが、本制御を行ってもよい。
【0042】
図7および8の構成では、略半円形トラック400に沿った、搬器402の平行移動を通して、手術器具101は、軸406および軸105によって画定される、平面領域に略垂直に、軸を中心として、最大、約180度の回転運動範囲を有する。本運動範囲は、同一トラック400上に配置される、複数の搬器402が存在する場合、縮小されてもよく、手術の間、ヒトの組織の位置付けによって、さらに縮小され得る。手術器具101は、軸406および軸105を中心として、最大、360度の回転運動範囲を有する。これらの運動範囲は、手術の間、ヒトの組織の位置付けによって、縮小され得る。図7および8の構成によって可能となる、運動範囲は、顕微手術用途のために十分であって、少なくとも150度の回転運動範囲が、望ましくあり得る。
【0043】
図9は、本発明のある実施形態による、第1の遠隔運動中心アセンブリの上面図410Aおよび第2の遠隔運動中心アセンブリ410Bを例証しており、2つのアセンブリ410はそれぞれ、XYZステージ700に取り付けられる。手術の間、遠隔運動中心を移動させることが望ましい場合がある。これは、患者に対して、アセンブリ410Aおよび410Bを移動させることを伴う。これは、アセンブリ410Aおよび410Bのそれぞれを、それぞれ、その対応するXYZステージ700Aおよび700Bに取り付けられることによって、達成することができる。各XYZステージ700が、対向するアセンブリまたはステージと衝突するのを防止するために、各XYZステージ700は、例えば、XYZステージ700Aが、アセンブリ410Aの背後に来て、対向するアセンブリ410Bに直面する軸受表面702と同一平面に来るように、取り付けられることができる。
【0044】
図10Aから図10Cは、本発明のある実施形態による、図7の第2の遠隔運動中心アセンブリ410Bに隣接して位置付けられる、図7の第1の遠隔運動中心アセンブリ410Aの斜視図を例証する。これらのビューは、遠隔運動中心アセンブリ410の回転運動範囲の実施例を示す。
【0045】
図11は、本発明のある実施形態による、ロボット顕微手術のためのシステム110において使用するための頭部拘束装置1100を例証する。頭部拘束装置1100は、頭部拘束装置1100の運動が、患者の頭部の運動に対応するように、患者に取着されるように構成されてもよい。一実施形態では、コントローラは、遠隔運動中心404(図7参照)が、患者の運動に対応して移動するように、拘束装置1100の運動に基づいて、遠隔運動中心アセンブリ410(図7参照)を移動させるように構成されてもよい。コントローラは、拘束装置の運動1100に応答して、遠隔運動中心404の運動を制御するように、減衰させる、および/または別様に、フィルタリングを行ってよい。一実施形態では、拘束装置1100によって検出される患者の運動が、閾値を超える場合、コントローラは、手術を中止してもよい。代替として、コンピュータ114上で実行するソフトウェアが、本制御を行ってもよい。
【0046】
図12は、本発明のある実施形態による、ロボット顕微手術のために、システム110内に含まれる、コンピュータ114を例証する。図1を参照して前述のように、コンピュータ114は、外科医によって操作される、制御装置112から入力を受信する。プリプロセッサモジュール1200は、制御装置112からの入力を処理する。本処理の結果は、手術器具変更が要求されたという判定であってもよい(図6を参照して前述のように)。加えて、プリプロセッサモジュール1200は、外科医が、手術器具の平行移動および/または回転運動を要求したという判定であってもよく、本入力を経路プランナモジュール1202に提供してもよい。経路プランナモジュール1202はまた、センサ118から入力を受信してもよい。例えば、頭部拘束装置1100(図11参照)と関連付けられたセンサは、患者の頭部の運動を報告してもよい。経路プランナモジュール1202はまた、遠隔運動中心追跡器モジュール1206および自動化運動判定器モジュール1208から、入力を受信してもよい。経路プランナモジュール1202は、運動コントローラモジュール1204に提供するための入力を判定する時、これらの種々の入力を考慮する。
【0047】
一実施形態では、遠隔運動中心追跡器モジュール1206は、例えば、患者運動による、遠隔運動中心の運動を予測してもよい。本予測は、特徴抽出器モジュール1210によって抽出される特徴に基づいてもよい。特徴抽出器モジュール1210は、当業者に周知の画像処理および/または機械視覚アルゴリズムに基づいて、デジタル画像から特徴を抽出してもよい。一実施形態では、自動化運動判定器モジュール1208は、顕微手術アセンブリ120の1つ以上のロボットアームの自動運動を制御してもよい。例えば、自動化運動判定器モジュール1208は、顕微手術アセンブリ120のロボットアームを使用して、内視鏡によって、手術手技の部位を追跡してもよい。本追跡は、特徴抽出器モジュール1210によって抽出される特徴に基づいてもよい。本実施例では、特徴抽出器モジュール1210は、内視鏡によって提供される、デジタル画像から、特徴を抽出してもよい。
【0048】
一実施形態では、グラフィック生成器モジュール1212は、外科医によって視認するための画像を生成してもよい。例えば、生成される画像は、特徴抽出器モジュール1210によって検出される、着目面積を強調する、合成画像であってもよい。これらの生成された画像は、外科医に、手術野の視野の向上をもたらし得る。
【0049】
一実施形態では、経路プランナモジュール1202は、外科医、遠隔運動中心追跡器モジュール1206、および自動化運動判定器モジュール1208からの運動要求に基づいて、顕微手術アセンブリ120の運動を要求する。次いで、経路プランナモジュール1202によって提供される、本基準軌跡は、例えば、当業者に周知のフィードバック制御アルゴリズムを使用して、運動コントローラ1204によって、精密に追跡される。
【0050】
一実施形態では、コンピュータ114は、入力/出力インターフェース、中央処理ユニット、およびメモリ等、標準的構成要素を含む。メモリは、図12を参照して説明される、種々のモジュールを確立する、実行可能命令を含む。図12に示されるモジュールは、例示的である。個々のモジュールの機能が、組み合わせられてもよい。加えて、モジュールは、ネットワークにわたって、分布されてもよい。
【0051】
本発明の実施形態は、種々のコンピュータ実装動作を行うために、そこにコンピュータコードを有する、コンピュータ可読媒体を伴う、コンピュータ記憶製品に関する。用語「コンピュータ可読媒体」は、本明細書では、本明細書に説明される動作を行うための一連の命令またはコンピュータコードを記憶あるいはエンコード可能である、任意の媒体を含むために使用される。媒体およびコンピュータコードは、本発明の目的のために、特殊設計され、構築されたものであってもよく、またはコンピュータソフトウェア技術における当業者に周知および利用可能な種類のものであってもよい。コンピュータ可読媒体の実施例として、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、および磁気テープ等の磁気媒体、CD−ROMおよびホログラフィック装置等の光学媒体、フロプティカルディスク等の磁気光学媒体、ならびに特定用途向け集積回路(「ASIC」)、プログラム可能論理デバイス(「PLD」)、ならびにROMおよびRAMデバイス等のプログラムコードを記憶および実行するように特殊に構成される、ハードウェアデバイスが挙げられるが、それらに限定されない。コンピュータコードの実施例として、を含むコンパイラ等によって生成される機械コード、およびインタプリタまたはコンパイラを使用して、コンピュータによって実行される、高次コードを含有するファイルが挙げられる。例えば、本発明の実施形態は、Java(登録商標)、C++、または他のオブジェクト指向プログラミング言語および開発ツールを使用して、実装されてもよい。コンピュータコードの付加的実施例として、暗号コードおよび圧縮コードが挙げられる。さらに、本発明の実施形態は、伝送チャネルを介して、遠隔コンピュータ(例えば、サーバコンピュータ)から、要求コンピュータ(例えば、クライアントコンピュータまたは異なるサーバコンピュータ)に転送され得る、コンピュータプログラム製品として、ダウンロードされてもよい。本発明の別の実施形態は、機械実行可能ソフトウェア命令の代わりに、またはそれと組み合わせて、有線回路内に実装されてもよい。
【0052】
本発明は、その具体的実施形態を参照して、説明および例証されたが、これらの説明および例証は、本発明を限定するものではない。当業者は、種々の変更が行われてもよく、同等物が、添付の請求項によって定義される、発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、代用されてもよいことを理解されたい。例証は、必ずしも、正確な縮尺で描かれていない場合があり、製造上の公差は、本明細書の技術上の描出からの逸脱をもたらされ得る。具体的には、例証されない、本発明の他の実施形態も存在し得る。したがって、明細書および図面は、制限ではなく、例証として、見なされるべきである。加えて、本発明の実施形態を例証する図面は、明確にするために、ある主要な特色特徴に焦点を当て得る。さらに、修正が、特定の状況、材料、物質組成、方法、またはプロセスを発明の目的、精神および範囲に適応するように、行われてもよい。すべてのそのような修正は、本明細書に添付の請求項の範囲内であることが意図される。特に、本明細書に開示される方法は、特定の順番で行われる、特定の動作を参照して説明されているが、これらの動作は、本発明の教示から逸脱することなく、同等方法を形成するように、組み合わせられる、再分割される、または再順序付けされてもよいことを理解されるであろう。故に、本明細書に、具体的に示されない限り、動作の順番および群化は、本発明の限定ではない。
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2010年1月14日に出願された米国仮特許出願第61/295,153号の利益を主張し、この出願の開示は本明細書においてその全体が参照として援用される。
【0002】
本発明は、概して、顕微手術の分野に関する。より具体的には、本発明は、低侵襲性ロボット顕微手術に関する。
【背景技術】
【0003】
低侵襲性手術は、手の技術における標準的器具からロボット手技への移行によって、恩恵を享受している。具体的には、一般外科、泌尿器科、心臓血管外科、および婦人科等、腹腔鏡下手技は、安全性の向上および回復時間の短縮をもたらす、遠隔操作ロボット手術から恩恵を享受している。しかしながら、標準的腹腔鏡下デバイスは、典型的には、低侵襲性顕微手術に好適ではない。特に、以前のロボット設計のかさばりは、概して、顕微手術のために、遠隔運動中心を伴う2つ以上の手術器具を近接して位置付けることを妨害する。
【0004】
本背景に照らして、本明細書に説明される、ロボット顕微手術のための装置、システム、および方法を開発する必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面は、顕微手術のためのシステムに関する。一実施形態では、システムは、第1のアセンブリおよび第2のアセンブリを備え、それぞれ、(1)平面遠隔運動中心デバイスであって、手術器具の軸が、遠隔運動中心を通過する一方で、平面遠隔運動中心デバイスの回転配向に基づいて画定される平面領域内に残留するように、平面遠隔運動中心デバイスに取着された手術器具の運動を制約するように構成される、デバイスと、(2)回転デバイスであって、平面遠隔運動中心デバイスに取着され、回転デバイスの回転軸が、遠隔運動中心を通過するように、構成される、デバイスと、を含み、平面遠隔運動中心デバイスの回転配向は、回転軸を中心として画定される。第1のアセンブリおよび第2のアセンブリは、第1のアセンブリの遠隔運動中心と第2のアセンブリの遠隔運動中心との間の距離が、2センチメートル以下となるように、位置付けられるように構成される。
【0006】
本発明の別の側面は、手術器具の運動を制御する方法に関する。一実施形態では、方法は、(1)第1のデバイスと関連付けられた第1の遠隔運動中心および第2のデバイスと関連付けられた第2の遠隔運動中心が、空間的に分離し、顕微手術のために接近して維持されるように、第1のデバイスおよび第2のデバイスを位置付けるステップと、(2)第1の手術器具を第1のデバイスに取着するステップであって、第1のデバイスが、第1の手術器具の軸が、第1の遠隔運動中心を通過するように、第1の手術器具の運動を制約する、ステップと、(3)第2の手術器具を第2のデバイスに取着するステップであって、第2のデバイスが、第2の手術器具の軸が、第2の遠隔運動中心を通過するように、第2の手術器具の運動を制約する、ステップと、(4)第1のデバイスおよび第2のデバイスを回転させる一方で、第1のデバイスの第1の回転配向および第2のデバイスの第2の回転配向に基づいて、第1のデバイスと第2のデバイスとの間、および第1の手術器具と第2の手術器具との間の空間分離を維持するステップと、を備える。
【0007】
本発明の他の側面および実施形態もまた、想定される。前述の発明の開示および以下の発明を実施するための形態は、本発明を任意の特定の実施形態に制限することを意味するものではなく、単に、本発明のいくつかの実施形態を説明することを意味するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明のいくつかの実施形態の性質および目的のさらなる理解のために、付随の図面と関連して検討される、以下の発明を実施するための形態を参照されたい。
【図1】図1は、本発明のある実施形態による、ロボット顕微手術のためのシステムを例証する。
【図2】図2は、本発明のある実施形態による、平面遠隔運動中心デバイスを例証する。
【図3】図3は、本発明のある実施形態による、回転デバイスに取着された平面遠隔運動中心デバイスを例証する。
【図4】図4は、本発明のある実施形態による、第2の遠隔運動中心アセンブリに隣接して位置付けられる、第1の遠隔運動中心アセンブリの上面図を例証する。
【図5】図5は、本発明のある実施形態による、第2の遠隔運動中心アセンブリに隣接して位置付けられる、第1の遠隔運動中心アセンブリの上面図を例証しており、2つのアセンブリは、オフセット構成にある。
【図6A】図6Aから6Bは、本発明のある実施形態による、略半円形トラックに取り付けられた搬器を含む、遠隔運動中心アセンブリを例証しており、搬器は、複数の手術器具を保持する。
【図6B】図6Aから6Bは、本発明のある実施形態による、略半円形トラックに取り付けられた搬器を含む、遠隔運動中心アセンブリを例証しており、搬器は、複数の手術器具を保持する。
【図6C】図6Cは、本発明のある実施形態による、略半円形トラックに取り付けられた複数の搬器を含む、遠隔運動中心アセンブリを例証する。
【図7】図7は、本発明のある実施形態による、第2の遠隔運動中心アセンブリに隣接して位置付けられ、第2の遠隔運動中心アセンブリと180度反対に配向される、第1の遠隔運動中心アセンブリを例証しており、2つのアセンブリはそれぞれ、略半円形トラックに取り付けられた搬器を含む。
【図8】図8は、本発明のある実施形態による、図7の第2の遠隔運動中心アセンブリに隣接して位置付けられ、第2の遠隔運動中心アセンブリと略平行に配向される、図7の第1の遠隔運動中心アセンブリの上面図を例証する。
【図9】図9は、本発明のある実施形態による、第1の遠隔運動中心アセンブリおよび第2の遠隔運動中心アセンブリの上面図を例証しており、2つのアセンブリはそれぞれ、XYZステージに取り付けられる。
【図10A】図10Aから10Cは、本発明のある実施形態による、図7の第2の遠隔運動中心アセンブリに隣接して位置付けられる、図7の第1の遠隔運動中心アセンブリの斜視図を例証する。
【図10B】図10Aから10Cは、本発明のある実施形態による、図7の第2の遠隔運動中心アセンブリに隣接して位置付けられる、図7の第1の遠隔運動中心アセンブリの斜視図を例証する。
【図10C】図10Aから10Cは、本発明のある実施形態による、図7の第2の遠隔運動中心アセンブリに隣接して位置付けられる、図7の第1の遠隔運動中心アセンブリの斜視図を例証する。
【図11】図11は、本発明のある実施形態による、ロボット顕微手術のためのシステムにおいて使用するための頭部拘束装置を例証する。
【図12】図12は、本発明のある実施形態による、ロボット顕微手術のためのシステム内に含まれる、コンピュータを例証する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
定義
以下の定義は、本発明のいくつかの実施形態に関連して説明される側面のうちのいくつかに適用される。これらの定義は、同様に、本明細書において、拡張されてもよい。
【0010】
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈において、別様に明確に示されない限り、複数参照も含む。したがって、例えば、文脈において、別様に明確に示されない限り、ある物体の参照は、複数の物体を含む可能性がある。
【0011】
本明細書で使用されるように、用語「一式」とは、一連の1つ以上の物体を指す。したがって、例えば、一式の物体は、単一物体または複数の物体を含むことができる。一式の物体はまた、一式の部材と称され得る。一式の物体は、同一または異なり得る。いくつかの事例では、一式の物体は、1つ以上の共通特色を共有することができる。
【0012】
本明細書で使用されるように、用語「隣接する」とは、近傍または接していることを指す。隣接する物体は、相互から離間し得る、あるいは実際にまたは直接、相互に接触し得る。いくつかの事例では、隣接する物体は、相互に連結することができる、または相互と一体的に形成することができる。
【0013】
本明細書で使用されるように、用語「実質的に」、「略」および「実質的」とは、相当な程度または範囲を指す。ある事象または状況と併用されると、本用語は、その事象または状況が、精密に生じる事例、ならびにその事象または状況が、本明細書に説明される実施形態の典型的許容値レベルまたは変動性等を考慮して、近似して生じるような事例を指す。
【0014】
本明細書で使用されるように、用語「随意の」および「随意に」とは、続いて説明される事象または状況が、生じてもよく、または生じなくてもよく、本説明は、その事象または状況が生じる事例およびそうではない事例を含むことを意味する。
【0015】
本発明の実施形態の説明
最初に、本発明のある実施形態による、ロボット顕微手術のためのシステム110を例証する、図1を参照する。システム110では、外科医は、制御装置(controls)112を操作する。コンピュータ114(図12を参照して、さらに説明される)は、制御装置112、可視化システム116、およびセンサ118から受信した入力を処理する。可視化システム116は、患者および/または患者の環境の撮像を行ってもよい。センサ118は、患者および/または患者の環境を監視してもよい。コンピュータ114による処理に基づいて、出力が、顕微手術アセンブリ120に提供され、また、外科医にも提供されてもよい。外科医は、可視化システム116によって提供される患者情報および/またはコンピュータ114によって提供される出力に基づいて、制御装置112を操作してもよい。例えば、外科医は、可視化システム116を通して、手術を観察し、対応して、制御装置112を操作してもよい。顕微手術アセンブリ120は、コンピュータ114によって制御される、機械的アセンブリである。一実施形態では、顕微手術アセンブリ120は、手術器具101を選択し、コンピュータ114からのコマンドに応答して、手術器具101を患者に適用する。顕微手術アセンブリ120は、ロボットアームを含む、マニピュレータを含んでもよく、それぞれ、手術器具101のうちの1つ以上を平行移動(translate)、回転、および別様に操作する。顕微手術アセンブリ120は、フィードバック制御ループ124を含み、望ましくない外部妨害を拒絶する等によって、手術器具101の運動を安定させてもよい。
【0016】
一実施形態では、制御装置112は、制御コンソールの一部であってもよい。制御コンソールは、顕微手術アセンブリ120および手術部位と相互作用するために、外科医からの可視化および制御インターフェースを格納してもよい。可視化および制御インターフェースは、例えば、全体的、角度付けられた、ズーム、臓器内/内視鏡的、および立体的等のいくつかのビューを可能にする、ビューファインダを含んでもよい。これらのビュー間を切り替え、外科医に、手術野を適切に視覚化するための制御があってもよい。
【0017】
制御コンソールはまた、2つのジョイスティックを含んでもよい。2つのジョイスティックを操作することによって、外科医は、顕微手術アセンブリ120を動作させ、手術器具101を精密に操作することができる。顕微手術アセンブリ120を直感的に動作させる外科医のために、ジョイスティックは、ジョイスティックによって制御されている、顕微手術アセンブリ120のマニピュレータと同一自由度を提供すべきである。外部手術手技のために、ジョイスティックは、6自由度、3平行移動、および3回転を有し、運動の全軸の独立制御を可能にすることができる。内部手術手技の間、ジョイスティックは、最大、4自由度、1平行移動、および3回転を有し、患者の内側の運動を可能にする一方で、遠隔運動中心を整合することができる。一実施形態では、ジョイスティックは、2自由度、1平行移動、および1回転、または3自由度、1平行移動、および2つの回転等、4自由度未満を有することができる。手術器具101の運動は、外科医単独で達成可能なものより高い正確性をもたらすようにスケーリングされてもよいが、外科医によって規定される運動の方向は、顕微手術アセンブリ120によって維持されるべきである。また、ジョイスティックは、外科医が、ジョイスティックを手放す場合、ジョイスティックが、定位置に留まるという点において、平衡が保たれるべきである。これは、マニピュレータ、ひいては、手術器具101が、外科医がジョイスティックを解放する場合、望ましくなく移動することを防止する。
【0018】
顕微手術アセンブリ120のマニピュレータは、2つ以上のロボットアームを有してもよい。マニピュレータが、3つ以上のアームを有する場合、制御コンソールは、外科医に、外科医によって制御されるアームを選択させ、対応して、ジョイスティックを含むが、それらに限定されない、制御を切り替えさせてもよい。
【0019】
一実施形態では、制御コンソールは、1つ以上のフットペダルを含んでもよい。フットペダルは、可視化デバイスの位置、使用されるデバイスの作動(手術器具101および他のデバイスの両方を含む)、および/またはマニピュレータの許容可能自由度を制御してもよい。
【0020】
可視化システム116は、外科医に、手術野を視認可能にする、カメラを含んでもよい。カメラは、手術野の光学画像を、処理のために、コンピュータ114に提供することができる、デジタル信号に変換してもよい。可視化システム116はまた、眼科用顕微鏡、内視鏡、および顕微手術のために使用される、他の可視化ツール等の顕微鏡を含んでもよい。可視化システムは、患者の光学画像を提供することに限定されない。一実施形態では、可視化システム116はまた、X線、CT、OCT、およびMRIを含むが、それらに限定されない、他の撮像モダリティに対応する器具を含んでもよい。
【0021】
センサ118は、患者または患者の環境を監視する、任意のセンサを含む。例えば、センサ118は、患者による運動を検出および測定してもよい。一実施形態では、眼科用顕微手術等の場合、センサ118は、頭部拘束装置(図11および12を参照して、さらに説明される)と関連付けられてもよい。
【0022】
手術器具101は、手術手技の間、組織、薬物、流体、光または他のエネルギービーム、データ、および固体(針または異物等)を使用および/または操作するためのツールである。手術器具101は、鉗子、鋏、焼灼器、マニピュレータ、チョッパ、フック、注入カニューレ等のカニューレ、キャリパ、クランプ、レンズ、針、針ホルダ、刃、スパチュラ、注射器、硝子体切除器、内視鏡、光プローブおよびレーザプローブを含むが、それらに限定されない、光源、センサ、ならびにカメラを含んでもよいが、それらに限定されない。
【0023】
顕微手術アセンブリ120はさらに、図2から図10を参照して、説明される。図2は、本発明のある実施形態による、平面遠隔運動中心デバイス100を例証する。顕微手術アセンブリ120(図1参照)は、手術器具101を保持する、および/または別様にそれに取着され得る、平面遠隔運動中心デバイス100を含んでもよい。平面遠隔運動中心デバイス100は、手術器具101の軸105が、平面領域内に残留するように、手術器具101の運動を制約する。一実施形態では、平面遠隔運動中心デバイス100は、手術器具101の軸105が、平面領域から外に平行移動または回転できないように、手術器具101を制約する。平面遠隔運動中心デバイス100は、1つ以上の回転関節102および/または直動関節103を含んでもよい。これらの関節は、直列方式、並列方式、または両方に配向されてもよい。平面遠隔運動中心デバイス100はまた、手術器具101が、遠隔運動中心104と称される、空間内のある点を通過するように、構成される。
【0024】
図3は、本発明のある実施形態による、回転デバイス200に取着された平面遠隔運動中心デバイス100を例証する。顕微手術手技を可能にする遠隔運動中心アセンブリ210を達成するために、平面遠隔運動中心デバイス100は、回転デバイス200の回転軸201が、実質的に、平面遠隔運動中心デバイス100の遠隔運動中心104を通過するように、回転デバイス200に取り付けられる。回転デバイス200は、回転軸201を中心として、平面遠隔運動中心デバイス100、ひいては、手術器具101を回転させることができる。図3の構成では、したがって、平面遠隔運動中心デバイス100に対応する平面領域は、回転軸201を中心として画定される、平面遠隔運動中心デバイス100の回転配向に基づいて画定される。
【0025】
図2および3を参照すると、遠隔運動中心104は、手術器具101の運動が、手術器具101の軸105に沿った運動を除き、患者に対して、定常のままである、本場所の影響下にあるように、手術器具101の軸105上の場所にある。例えば、本場所は、手術器具101が、遠隔運動中心104を通過する軸を中心として回転されると、患者に対して、定常のままである。遠隔運動中心104の場所は、患者の侵入部位にあってもよく、または、手術の種類に応じて、その他の場所にあってもよい。例えば、遠隔運動中心104は、内部顕微手術のために整合されてもよく、外部顕微手術のために逸脱されてもよい。一実施形態では、手術器具101は、軸105に沿って、単一平行移動自由度を有してもよい。例えば、軸105の第1の方向に沿った、手術器具101の運動は、患者に侵入するためのものであってもよく、第1の方向と反対の軸105の第2の方向に沿った運動は、侵入部位から引抜されるためのものであってもよい。手術器具101はまた、最大、3回転自由度を有してもよい。例えば、平面遠隔運動中心デバイス100、ひいては、手術器具101は、回転軸201を中心として、回転されてもよい。平面遠隔運動中心デバイス100はまた、平面領域に略垂直な軸を中心として、かつ手術器具101を通過する軸105を中心として、手術デバイス101を回転させてもよい。
【0026】
遠隔運動中心104の整合の精度は、手術の必要性に適合すべきである。例えば、内部顕微手術の場合、遠隔運動中心104は、ミリメートル未満の精度で整合することができる。遠隔運動中心104の精密な制御は、患者の侵入部位における不必要な手術器具101の運動を減少させることによって、手術から生じる患者組織への損傷を低減させることができる。
【0027】
一実施形態では、各手術器具101に対して、別個の遠隔運動中心が存在してもよく、これらの複数の遠隔運動中心は、同時に、整合することができる。遠隔運動中心104は、手術の間、修正することができる、または手技を通して、定常のままであることができる。遠隔運動中心104は、平面遠隔運動中心デバイス100の運動の制御によって、および/またはコンピュータ114(図12を参照して、さらに説明される)上で実行するソフトウェアによって等、機械的に制御されてもよい。
【0028】
顕微手術を行うために、遠隔運動中心アセンブリ210のうちの2つが、典型的には、使用される。顕微手術では、例えば、眼科顕微手術の間、眼上で手術される組織は、典型的には、小さい。その結果、2つの遠隔運動中心アセンブリの遠隔運動中心104は、空間的に分離し、顕微手術のために接近すべきである。一実施形態では、2つの遠隔運動中心アセンブリ210の遠隔運動中心104は、約0.5センチメートルから約2センチメートル、約1センチメートルから約2センチメートル、および約1.5センチメートルから2センチメートルの範囲等、2センチメートル以下において、分離されるべきである。近接する遠隔運動中心104を有する、2つの遠隔運動中心アセンブリ210を含む、顕微手術アセンブリ120(図1参照)は、遠隔顕微手術、遠隔モニタリング、合同手術、および自動化眼内顕微手術手技を促進するであろう。
【0029】
図4は、本発明のある実施形態による、第2の遠隔運動中心アセンブリ210B隣接して位置付けられる、第1の遠隔運動中心アセンブリ210Aの上面図を例証する。第1の遠隔運動中心アセンブリ210Aは、回転軸201A上に第1の遠隔運動中心104Aを有し、第2の遠隔運動中心アセンブリ210Bは、回転軸201B上に第2の遠隔運動中心104Bを有する。第1の遠隔運動中心104Aおよび第2の遠隔運動中心104Bは、距離301によって分離される。図4では、2つの遠隔運動中心アセンブリ210Aおよび210Bは、それぞれ、アセンブリ210Aおよび210Bの回転関節102Aと102Bならびに回転関節300Aと300Bが、平行に整列されるように、整列される。2つの遠隔運動中心アセンブリ210Aおよび210Bの本整列は、手術器具101Aおよび101Bの運動の範囲が、大きなままである一方、2つのアセンブリ210Aと210Bとの間の衝突回避が、本質的に、回転軸201Aを中心とする第1の角度および回転軸201Bを中心とする第2の角度を比較して、低減されるという点において、有利である(図7を参照して、さらに説明される)。また、図4では、2つの遠隔運動中心アセンブリ210Aおよび210Bは、それぞれ、軸201Aおよび201Bに対して、略対称的に構成される。一実施形態では、距離301は、遠隔運動中心アセンブリ210の直径303に等しい最小値を有することができる。直径303は、遠隔運動中心アセンブリ210の本体308および回転関節102に及ぶ。典型的遠隔運動中心アセンブリ210のかさばりによって、距離301の最小値は、依然として、顕微手術のための遠隔運動中心104の所望の間隔より大きくあり得る。
【0030】
遠隔運動中心104Aおよび104Bを近接して位置付けることが望ましいことを前提とすると、遠隔運動中心104Aと104Bとの間の距離が、遠隔運動中心アセンブリ210の最大直径303より小さくあり得るように、それぞれ、回転軸201Aおよび201Bから、遠隔運動中心アセンブリ210の一部をオフセットすることが有利となり得る。図5は、本発明のある実施形態による、第2の遠隔運動中心アセンブリ310Bに隣接して位置付けられる、第1の遠隔運動中心アセンブリ310Aの上面図を例証しており、2つのアセンブリ310は、オフセット構成にある。一実施形態では、第1の遠隔運動中心アセンブリ310Aの部分312Aは、回転軸201Aからオフセットされ、第2の遠隔運動中心アセンブリ310Bの部分312Bは、回転軸201Bからオフセットされる。部分312Aおよび312Bは、それぞれ、反対方向に、軸201Aおよび201Bからオフセットされてもよい。部分312Aおよび312Bをオフセットすることによって、遠隔運動中心104Aと104Bとの間の距離305は、直径303から短縮され、したがって、距離301より小さくなることができる。例えば、図5の構成では、距離305は、回転関節320の直径313と等しい最小値を有することができる。その結果、図5の構成は、2センチメートル未満の距離305の最小値を可能にし、したがって、顕微手術のための遠隔運動中心104の所望の間隔の範囲内である。
【0031】
図6Aから図6Bは、本発明のある実施形態による、略半円形トラック400に取り付けられた搬器402を含む、遠隔運動中心アセンブリ410を例証しており、搬器402は、複数の手術器具101を保持する。代替として、搬器402は、単一手術器具101を保持してもよい。遠隔運動中心アセンブリは、実質的に、略半円形トラック400の中心に位置する、遠隔運動中心404を有する。略半円形トラック400の中心に遠隔運動中心400を位置付けることは、図2および3を参照して説明されるような遠隔運動中心404の整合を簡略化する。搬器402は、直動関節であってもよい。半円形トラック400は、軸受405内に圧入される、小径シャフト401に取着される。図6Aを参照すると、手術器具101Aは、シャフト401の回転軸406および遠隔運動中心404を通過するように、搬器402に取着される。図6Bを参照すると、手術器具101Aは、その軸105Aに沿った平行移動を通して、遠隔運動中心404(図6Aの構成に対して)から引抜される。手術器具101Bは、回転軸406および遠隔運動中心404を通過し、図6Aの構成に対して、その軸105Bに沿って、平行移動される。
【0032】
一実施形態では、遠隔運動中心アセンブリ410は、図3の遠隔運動中心アセンブリ210同様に、手術器具101に対して、1平行移動および3回転自由度を提供する。軸105に沿った平行移動および軸406を中心とする回転に加え、手術器具101は、手術器具101を通して、軸105を中心として、回転することができる。略半円形トラック400に沿った、搬器402の平行移動を通して、手術器具101はまた、軸406および軸105によって画定される、平面領域に略垂直の軸を中心として、回転することができる。
【0033】
図6Cは、本発明のある実施形態による、略半円形トラック400に取り付けられる、複数の搬器402Aおよび402Cを含む、遠隔運動中心アセンブリ410を例証する。略半円形トラック400上に搬器402Aおよび402Cを位置付けることは、空間分離の維持を簡略化し、例えば、搬器402Aと402Cとの間の衝突を防止する。トラック400上の搬器402Aの位置は、第1の角度410によって画定されてもよく、トラック400上の搬器402Cの位置は、第2の角度412によって画定されてもよい。一実施形態では、コントローラ(図示せず)は、第1の角度410および第2の角度412を制御し、搬器402Aと402Cとの間の空間分離を維持してもよい。コントローラは、トラック400上の搬器402Aおよび402Cの角度幅を考慮して、第1の角度410および第2の角度412を比較することによって、搬器402Aと402Cとの間の空間分離を維持してもよい。例えば、コントローラは、第1の角度410と第2の角度412との間の差異の絶対値が、トラック400上の搬器402Aおよび402Cの角度幅の合計の少なくとも半分より大きいように、第1の角度410および第2の角度412を制御してもよい。代替として、コンピュータ114上で実行するソフトウェアが、本制御を行ってもよい。
【0034】
一実施形態では、複数の手術器具101は、器具を変更するために、任意の手動介入を伴うことなく、完全手術手技を促進するために、各搬器402に取着されてもよい。図6に示されるように、手術器具101は、軸方向に移動されると、遠隔運動中心404を通過するように、搬器402に取着される。搬器402は、使い捨てまたは再使用可能であるかに関わらず、任意の器具の使用を可能にする、汎用カートリッジを含んでもよい。搬器402は、カートリッジを保持し、手術器具に一般的有用性、例えば、真空、ビデオ、光、レーザ等を供給可能な一標準的インターフェースを有してもよい。各カートリッジは、片側において、要求される手術器具を保持し、反対側において、標準的インターフェースに適合するように作製される。
【0035】
一実施形態では、手術器具101は、器具変更のために、適切な器具を段階分けする、格納箱内に保持される。器具変更の間、器具は、搬器402から除去されてもよく、格納箱からのある器具と交換されてもよい。また、格納箱からの器具は、次いで、搬器402からの器具と交換されてもよい。これは、滅菌環境内で行われてもよく、自動化されてもよい。
【0036】
図7は、第2の遠隔運動中心アセンブリ410Bに隣接して位置付けられ、第2の遠隔運動中心アセンブリ410Bの180度反対に配向される、第1の遠隔運動中心アセンブリ410Aを例証しており、2つのアセンブリ410はそれぞれ、本発明のある実施形態による、略半円形トラック400Aおよび400Bに取り付けられる、搬器402Aおよび402Bを含む。図6Aから6C同様に、トラック400Aおよび400Bは、それぞれ、軸受503Aおよび503B内に圧入され、モータ500に接続される、小径シャフト501Aおよび501Bに取着される。トラック400Aおよび400Bは、それぞれ、シャフト501Aおよび501Bを通過する、回転軸406Aおよび406Bを中心として、回転することができる。遠隔運動中心404Aおよび404Bを相互に近接して設置するために、2つの対称的に反対のアセンブリ410Aおよび410Bは、シャフト501Aおよび501Bの回転軸406Aならびに406Bが平行であるように、相互に隣接して設置されてもよい。図5を参照した前述の議論同様に、シャフト501Aの一部は、遠隔運動中心404Aと404Bとの間の距離522が、モータ500の直径524より小さくなり得るように、モータ500Bを取り除くために、回転軸406Aからオフセットされる。オフセットは、回転軸406Bから回転軸406Aの方向においてであってもよい。オフセットのため、遠隔運動中心404Aおよび404Bがとり得る最も近い距離は、典型的には、直径524より小さい、軸受503の直径520である。
【0037】
一実施形態では、シャフト501Aおよび501Bは、クランクシャフトによって、駆動されてもよい。クランクシャフトは、モータ500から軸受503まで延在してもよい。これは、滑りまたは緩みが殆どまたは全く追加されないため、有利となり得る。代替として、シャフト501Aおよび501Bは、ベルト、摩擦駆動、またはギアによって、駆動されてもよい。
【0038】
一実施形態では、受動ダンパまたは能動アクチュエータを、シャフト501に取着することができる。遠隔操作顕微手術用途では、アクチュエータが、使用される。合同手術器具操作の間、アクチュエータまたは受動ダンパは、手術時の震えを低減させるために使用することができる。
【0039】
図8は、本発明のある実施形態による、図7の第2の遠隔運動中心アセンブリ410Bに隣接して位置付けられ、第2の遠隔運動中心アセンブリ410Bと略平行に配向される、図7の第1の遠隔運動中心アセンブリ410Aの上面図を例証する。図8を参照すると、一実施形態では、遠隔運動中心アセンブリ410Bのモータ500Bは、遠隔運動中心アセンブリ410Aの回転軸406Aを交差してもよい。
【0040】
図7の構成は、多くの顕微手術手技の間、必要とされる、大規模な範囲の運動を可能にする。手術器具101は、その中心線105が、単一平面502内にあるように、配向することができる。本構成では、回転軸406Aを中心とする第1の角度510と回転軸406Bを中心とする第2の角度512との間の差異の絶対値は、180度である。図8を参照すると、手術器具101はまた、軸受503の直径520によって分離される、平行平面600内にあるように、配向されてもよい。本構成では、回転軸406Aを中心とする第1の角度510と回転軸406Bを中心とする第2の角度512との間の差異の絶対値は、0度であってもよい。
【0041】
図7および8を参照すると、一実施形態では、コントローラ(図示せず)は、第1の角度510および第2の角度512を制御し、搬器402Aと402Bとの間の空間分離を維持してもよい。コントローラは、第1の角度510および第2の角度512を比較することによって、搬器402Aと402Bとの間の空間分離を維持してもよい。一実施形態では、遠隔運動中心間の距離522は、図8の構成では、搬器402Aおよび402Bが、ほとんど物理的に接触しないように、構成されてもよい。例えば、コントローラは、第1の角度510が、第2の角度512未満であるように、第1の角度510および第2の角度512を制御してもよい。代替として、第1の角度510および第2の角度512が測定される基準に応じて、コントローラは、第1の角度510が、第2の角度512より大きくなるように、第1の角度510および第2の角度512を制御してもよい。代替として、コンピュータ114上で実行するソフトウェアが、本制御を行ってもよい。
【0042】
図7および8の構成では、略半円形トラック400に沿った、搬器402の平行移動を通して、手術器具101は、軸406および軸105によって画定される、平面領域に略垂直に、軸を中心として、最大、約180度の回転運動範囲を有する。本運動範囲は、同一トラック400上に配置される、複数の搬器402が存在する場合、縮小されてもよく、手術の間、ヒトの組織の位置付けによって、さらに縮小され得る。手術器具101は、軸406および軸105を中心として、最大、360度の回転運動範囲を有する。これらの運動範囲は、手術の間、ヒトの組織の位置付けによって、縮小され得る。図7および8の構成によって可能となる、運動範囲は、顕微手術用途のために十分であって、少なくとも150度の回転運動範囲が、望ましくあり得る。
【0043】
図9は、本発明のある実施形態による、第1の遠隔運動中心アセンブリの上面図410Aおよび第2の遠隔運動中心アセンブリ410Bを例証しており、2つのアセンブリ410はそれぞれ、XYZステージ700に取り付けられる。手術の間、遠隔運動中心を移動させることが望ましい場合がある。これは、患者に対して、アセンブリ410Aおよび410Bを移動させることを伴う。これは、アセンブリ410Aおよび410Bのそれぞれを、それぞれ、その対応するXYZステージ700Aおよび700Bに取り付けられることによって、達成することができる。各XYZステージ700が、対向するアセンブリまたはステージと衝突するのを防止するために、各XYZステージ700は、例えば、XYZステージ700Aが、アセンブリ410Aの背後に来て、対向するアセンブリ410Bに直面する軸受表面702と同一平面に来るように、取り付けられることができる。
【0044】
図10Aから図10Cは、本発明のある実施形態による、図7の第2の遠隔運動中心アセンブリ410Bに隣接して位置付けられる、図7の第1の遠隔運動中心アセンブリ410Aの斜視図を例証する。これらのビューは、遠隔運動中心アセンブリ410の回転運動範囲の実施例を示す。
【0045】
図11は、本発明のある実施形態による、ロボット顕微手術のためのシステム110において使用するための頭部拘束装置1100を例証する。頭部拘束装置1100は、頭部拘束装置1100の運動が、患者の頭部の運動に対応するように、患者に取着されるように構成されてもよい。一実施形態では、コントローラは、遠隔運動中心404(図7参照)が、患者の運動に対応して移動するように、拘束装置1100の運動に基づいて、遠隔運動中心アセンブリ410(図7参照)を移動させるように構成されてもよい。コントローラは、拘束装置の運動1100に応答して、遠隔運動中心404の運動を制御するように、減衰させる、および/または別様に、フィルタリングを行ってよい。一実施形態では、拘束装置1100によって検出される患者の運動が、閾値を超える場合、コントローラは、手術を中止してもよい。代替として、コンピュータ114上で実行するソフトウェアが、本制御を行ってもよい。
【0046】
図12は、本発明のある実施形態による、ロボット顕微手術のために、システム110内に含まれる、コンピュータ114を例証する。図1を参照して前述のように、コンピュータ114は、外科医によって操作される、制御装置112から入力を受信する。プリプロセッサモジュール1200は、制御装置112からの入力を処理する。本処理の結果は、手術器具変更が要求されたという判定であってもよい(図6を参照して前述のように)。加えて、プリプロセッサモジュール1200は、外科医が、手術器具の平行移動および/または回転運動を要求したという判定であってもよく、本入力を経路プランナモジュール1202に提供してもよい。経路プランナモジュール1202はまた、センサ118から入力を受信してもよい。例えば、頭部拘束装置1100(図11参照)と関連付けられたセンサは、患者の頭部の運動を報告してもよい。経路プランナモジュール1202はまた、遠隔運動中心追跡器モジュール1206および自動化運動判定器モジュール1208から、入力を受信してもよい。経路プランナモジュール1202は、運動コントローラモジュール1204に提供するための入力を判定する時、これらの種々の入力を考慮する。
【0047】
一実施形態では、遠隔運動中心追跡器モジュール1206は、例えば、患者運動による、遠隔運動中心の運動を予測してもよい。本予測は、特徴抽出器モジュール1210によって抽出される特徴に基づいてもよい。特徴抽出器モジュール1210は、当業者に周知の画像処理および/または機械視覚アルゴリズムに基づいて、デジタル画像から特徴を抽出してもよい。一実施形態では、自動化運動判定器モジュール1208は、顕微手術アセンブリ120の1つ以上のロボットアームの自動運動を制御してもよい。例えば、自動化運動判定器モジュール1208は、顕微手術アセンブリ120のロボットアームを使用して、内視鏡によって、手術手技の部位を追跡してもよい。本追跡は、特徴抽出器モジュール1210によって抽出される特徴に基づいてもよい。本実施例では、特徴抽出器モジュール1210は、内視鏡によって提供される、デジタル画像から、特徴を抽出してもよい。
【0048】
一実施形態では、グラフィック生成器モジュール1212は、外科医によって視認するための画像を生成してもよい。例えば、生成される画像は、特徴抽出器モジュール1210によって検出される、着目面積を強調する、合成画像であってもよい。これらの生成された画像は、外科医に、手術野の視野の向上をもたらし得る。
【0049】
一実施形態では、経路プランナモジュール1202は、外科医、遠隔運動中心追跡器モジュール1206、および自動化運動判定器モジュール1208からの運動要求に基づいて、顕微手術アセンブリ120の運動を要求する。次いで、経路プランナモジュール1202によって提供される、本基準軌跡は、例えば、当業者に周知のフィードバック制御アルゴリズムを使用して、運動コントローラ1204によって、精密に追跡される。
【0050】
一実施形態では、コンピュータ114は、入力/出力インターフェース、中央処理ユニット、およびメモリ等、標準的構成要素を含む。メモリは、図12を参照して説明される、種々のモジュールを確立する、実行可能命令を含む。図12に示されるモジュールは、例示的である。個々のモジュールの機能が、組み合わせられてもよい。加えて、モジュールは、ネットワークにわたって、分布されてもよい。
【0051】
本発明の実施形態は、種々のコンピュータ実装動作を行うために、そこにコンピュータコードを有する、コンピュータ可読媒体を伴う、コンピュータ記憶製品に関する。用語「コンピュータ可読媒体」は、本明細書では、本明細書に説明される動作を行うための一連の命令またはコンピュータコードを記憶あるいはエンコード可能である、任意の媒体を含むために使用される。媒体およびコンピュータコードは、本発明の目的のために、特殊設計され、構築されたものであってもよく、またはコンピュータソフトウェア技術における当業者に周知および利用可能な種類のものであってもよい。コンピュータ可読媒体の実施例として、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、および磁気テープ等の磁気媒体、CD−ROMおよびホログラフィック装置等の光学媒体、フロプティカルディスク等の磁気光学媒体、ならびに特定用途向け集積回路(「ASIC」)、プログラム可能論理デバイス(「PLD」)、ならびにROMおよびRAMデバイス等のプログラムコードを記憶および実行するように特殊に構成される、ハードウェアデバイスが挙げられるが、それらに限定されない。コンピュータコードの実施例として、を含むコンパイラ等によって生成される機械コード、およびインタプリタまたはコンパイラを使用して、コンピュータによって実行される、高次コードを含有するファイルが挙げられる。例えば、本発明の実施形態は、Java(登録商標)、C++、または他のオブジェクト指向プログラミング言語および開発ツールを使用して、実装されてもよい。コンピュータコードの付加的実施例として、暗号コードおよび圧縮コードが挙げられる。さらに、本発明の実施形態は、伝送チャネルを介して、遠隔コンピュータ(例えば、サーバコンピュータ)から、要求コンピュータ(例えば、クライアントコンピュータまたは異なるサーバコンピュータ)に転送され得る、コンピュータプログラム製品として、ダウンロードされてもよい。本発明の別の実施形態は、機械実行可能ソフトウェア命令の代わりに、またはそれと組み合わせて、有線回路内に実装されてもよい。
【0052】
本発明は、その具体的実施形態を参照して、説明および例証されたが、これらの説明および例証は、本発明を限定するものではない。当業者は、種々の変更が行われてもよく、同等物が、添付の請求項によって定義される、発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、代用されてもよいことを理解されたい。例証は、必ずしも、正確な縮尺で描かれていない場合があり、製造上の公差は、本明細書の技術上の描出からの逸脱をもたらされ得る。具体的には、例証されない、本発明の他の実施形態も存在し得る。したがって、明細書および図面は、制限ではなく、例証として、見なされるべきである。加えて、本発明の実施形態を例証する図面は、明確にするために、ある主要な特色特徴に焦点を当て得る。さらに、修正が、特定の状況、材料、物質組成、方法、またはプロセスを発明の目的、精神および範囲に適応するように、行われてもよい。すべてのそのような修正は、本明細書に添付の請求項の範囲内であることが意図される。特に、本明細書に開示される方法は、特定の順番で行われる、特定の動作を参照して説明されているが、これらの動作は、本発明の教示から逸脱することなく、同等方法を形成するように、組み合わせられる、再分割される、または再順序付けされてもよいことを理解されるであろう。故に、本明細書に、具体的に示されない限り、動作の順番および群化は、本発明の限定ではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顕微手術のためのシステムであって、
第1のアセンブリおよび第2のアセンブリを備え、それぞれ、
平面遠隔運動中心デバイスであって、手術器具の軸が、遠隔運動中心を通過する一方で、前記平面遠隔運動中心デバイスの回転配向に基づいて画定される平面領域内に残留するように、前記平面遠隔運動中心デバイスに取着された手術器具の運動を制約するように構成される、デバイスと、
回転デバイスであって、前記平面遠隔運動中心デバイスに取着され、前記回転デバイスの回転軸が、前記遠隔運動中心を通過するように、構成され、前記平面遠隔運動中心デバイスの回転配向は、回転軸を中心として画定される、デバイスと、
を含み、
前記第1のアセンブリおよび前記第2のアセンブリは、前記第1のアセンブリの遠隔運動中心と前記第2のアセンブリの遠隔運動中心との間の距離が、2センチメートル以下となるように、位置付けられるように構成される、システム。
【請求項2】
前記第1のアセンブリは、前記第1のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスの少なくとも一部が、前記第1のアセンブリの回転デバイスの回転軸からオフセットされるように、前記第2のアセンブリに隣接して位置付けられるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のアセンブリは、前記第1のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスの少なくとも一部および前記第2のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスの少なくとも一部が、反対方向にオフセットされるように、前記第2のアセンブリに隣接して位置付けられるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のアセンブリは、前記第1のアセンブリの回転デバイスの少なくとも一部が、前記第1のアセンブリの回転デバイスの回転軸からオフセットされるように、前記第2のアセンブリに隣接して位置付けられるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のアセンブリの回転デバイスの少なくとも一部は、前記第2のアセンブリの回転デバイスの回転軸から、前記第1のアセンブリの回転デバイスの回転軸までの方向に、前記第1のアセンブリの回転デバイスの回転軸からオフセットされる、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2のアセンブリの回転デバイスは、前記第1のアセンブリの遠隔運動中心と前記第2のアセンブリの遠隔運動中心との間の距離より大きい直径を有する、モータを含み、
前記第1のアセンブリの回転デバイスの少なくとも一部は、シャフトを含み、前記シャフトは、前記モータを収容するようにオフセットされる、
請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスは、略半円形トラックに取り付けられた搬器を含み、
前記搬器は、前記手術器具を含む、複数の手術器具に取着されるように構成され、
前記複数の手術器具はそれぞれ、前記第1のアセンブリの遠隔運動中心を通過するように制約される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の手術器具は、光源、レーザプローブ、注入カニューレ、および硝子体切除器のうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスの回転配向および前記第2のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスの回転配向を制御することによって、前記第1のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスと前記第2のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスとの間の空間分離を維持する、コントローラをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のアセンブリの回転デバイスの回転軸を中心とする前記第1のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスの回転配向は、第1の角度によって画定され、
前記第2のアセンブリの回転デバイスの回転軸を中心とする前記第2のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスの回転配向は、第2の角度によって画定され、
前記コントローラは、前記第1の角度が、前記第2の角度未満であるように、前記第1のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスの回転配向および前記第2のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスの回転配向を制御する、
請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスは、略半円形トラックに取り付けられた第1の搬器および第2の搬器を含み、
前記第1の搬器および前記第2の搬器はそれぞれ、前記第1のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスと関連付けられた遠隔運動中心を通過するように制約される、手術器具に取着されるように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記略半円形トラック上の第1の搬器の第1の位置は、第1の角度によって画定され、
前記略半円形トラック上の第2の搬器の第2の位置は、第2の角度によって画定され、
前記平面遠隔運動中心デバイスはさらに、前記第1の角度および前記第2の角度を制御することによって、前記第1の搬器と前記第2の搬器との間の空間分離を維持する、コントローラを含む、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のアセンブリおよび前記第2のアセンブリのそれぞれの回転デバイスは、前記第1のアセンブリの遠隔運動中心と前記第2のアセンブリの遠隔運動中心との間の距離未満の直径を有する、第1の部分を含み、
前記第1のアセンブリの回転デバイスの回転軸は、前記第2のアセンブリの回転デバイスの回転軸に略平行である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記平面遠隔運動中心デバイスは、前記手術器具を平行移動、回転、および作動させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
患者に取着されるように構成される、拘束装置であって、前記拘束装置の運動は、前記患者の運動に対応する、拘束装置と、
前記第1のアセンブリの遠隔運動中心および前記第2のアセンブリの遠隔運動中心が、前記患者の運動に対応して移動するように、前記拘束装置の運動に基づいて、前記第1のアセンブリおよび前記第2のアセンブリを移動させるように構成される、コントローラと、
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
手術器具の運動を制御する方法であって、
前記第1のデバイスと関連付けられた第1の遠隔運動中心および前記第2のデバイスと関連付けられた第2の遠隔運動中心が、空間的に分離し、顕微手術のために接近して維持されるように、第1のデバイスおよび第2のデバイスを位置付けるステップと、
第1の手術器具を前記第1のデバイスに取着するステップであって、前記第1のデバイスは、前記第1の手術器具の軸が、前記第1の遠隔運動中心を通過するように、前記第1の手術器具の運動を制約する、ステップと、
第2の手術器具を前記第2のデバイスに取着するステップであって、前記第2のデバイスは、前記第2の手術器具の軸が、前記第2の遠隔運動中心を通過するように、前記第2の手術器具の運動を制約する、ステップと、
前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスを回転させる一方で、前記第1のデバイスの第1の回転配向および前記第2のデバイスの第2の回転配向に基づいて、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間、および前記第1の手術器具と前記第2の手術器具との間の空間分離を維持するステップと、
を備える、方法。
【請求項17】
前記第1の回転配向は、第1の回転軸を中心として、第1の角度によって画定され、
前記第2の回転配向は、第2の回転軸を中心として、第2の角度によって画定され、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間、および前記第1の手術器具と前記第2の手術器具との間の空間分離を維持するステップは、前記第1の角度が、前記第2の角度未満であるように、前記第1のデバイスの回転配向および前記第2のデバイスの回転配向を制御するステップを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のデバイスは、略半円形トラックに取り付けられた第1の搬器および第2の搬器を含み、
前記第1の搬器および前記第2の搬器のうちの少なくとも1つは、前記第1の手術器具に取着されるように構成され、
前記略半円形トラック上の第1の搬器の第1の位置は、第1の角度によって画定され、
前記略半円形トラック上の第2の搬器の第2の位置は、第2の角度によって画定され、
前記第1のデバイスを位置付けるステップは、前記第1の角度および前記第2の角度を制御することによって、前記第1の搬器と前記第2の搬器との間の空間分離を維持するステップを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のデバイスは、前記第1の遠隔運動中心と前記第2の遠隔運動中心との間の距離より大きい直径を有する、第1の部分を含み、
前記第2のデバイスは、前記第1のデバイスの第1の部分を取り除くように、オフセットされる第2の部分を含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスを位置付けるステップは、前記前記第1のデバイスと関連付けられた第1の遠隔運動中心と前記第2のデバイスと関連付けられた第2の遠隔運動中心との間において、2センチメートル以下の距離を維持するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項1】
顕微手術のためのシステムであって、
第1のアセンブリおよび第2のアセンブリを備え、それぞれ、
平面遠隔運動中心デバイスであって、手術器具の軸が、遠隔運動中心を通過する一方で、前記平面遠隔運動中心デバイスの回転配向に基づいて画定される平面領域内に残留するように、前記平面遠隔運動中心デバイスに取着された手術器具の運動を制約するように構成される、デバイスと、
回転デバイスであって、前記平面遠隔運動中心デバイスに取着され、前記回転デバイスの回転軸が、前記遠隔運動中心を通過するように、構成され、前記平面遠隔運動中心デバイスの回転配向は、回転軸を中心として画定される、デバイスと、
を含み、
前記第1のアセンブリおよび前記第2のアセンブリは、前記第1のアセンブリの遠隔運動中心と前記第2のアセンブリの遠隔運動中心との間の距離が、2センチメートル以下となるように、位置付けられるように構成される、システム。
【請求項2】
前記第1のアセンブリは、前記第1のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスの少なくとも一部が、前記第1のアセンブリの回転デバイスの回転軸からオフセットされるように、前記第2のアセンブリに隣接して位置付けられるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のアセンブリは、前記第1のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスの少なくとも一部および前記第2のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスの少なくとも一部が、反対方向にオフセットされるように、前記第2のアセンブリに隣接して位置付けられるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のアセンブリは、前記第1のアセンブリの回転デバイスの少なくとも一部が、前記第1のアセンブリの回転デバイスの回転軸からオフセットされるように、前記第2のアセンブリに隣接して位置付けられるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のアセンブリの回転デバイスの少なくとも一部は、前記第2のアセンブリの回転デバイスの回転軸から、前記第1のアセンブリの回転デバイスの回転軸までの方向に、前記第1のアセンブリの回転デバイスの回転軸からオフセットされる、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2のアセンブリの回転デバイスは、前記第1のアセンブリの遠隔運動中心と前記第2のアセンブリの遠隔運動中心との間の距離より大きい直径を有する、モータを含み、
前記第1のアセンブリの回転デバイスの少なくとも一部は、シャフトを含み、前記シャフトは、前記モータを収容するようにオフセットされる、
請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスは、略半円形トラックに取り付けられた搬器を含み、
前記搬器は、前記手術器具を含む、複数の手術器具に取着されるように構成され、
前記複数の手術器具はそれぞれ、前記第1のアセンブリの遠隔運動中心を通過するように制約される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の手術器具は、光源、レーザプローブ、注入カニューレ、および硝子体切除器のうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスの回転配向および前記第2のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスの回転配向を制御することによって、前記第1のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスと前記第2のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスとの間の空間分離を維持する、コントローラをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のアセンブリの回転デバイスの回転軸を中心とする前記第1のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスの回転配向は、第1の角度によって画定され、
前記第2のアセンブリの回転デバイスの回転軸を中心とする前記第2のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスの回転配向は、第2の角度によって画定され、
前記コントローラは、前記第1の角度が、前記第2の角度未満であるように、前記第1のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスの回転配向および前記第2のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスの回転配向を制御する、
請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスは、略半円形トラックに取り付けられた第1の搬器および第2の搬器を含み、
前記第1の搬器および前記第2の搬器はそれぞれ、前記第1のアセンブリの平面遠隔運動中心デバイスと関連付けられた遠隔運動中心を通過するように制約される、手術器具に取着されるように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記略半円形トラック上の第1の搬器の第1の位置は、第1の角度によって画定され、
前記略半円形トラック上の第2の搬器の第2の位置は、第2の角度によって画定され、
前記平面遠隔運動中心デバイスはさらに、前記第1の角度および前記第2の角度を制御することによって、前記第1の搬器と前記第2の搬器との間の空間分離を維持する、コントローラを含む、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のアセンブリおよび前記第2のアセンブリのそれぞれの回転デバイスは、前記第1のアセンブリの遠隔運動中心と前記第2のアセンブリの遠隔運動中心との間の距離未満の直径を有する、第1の部分を含み、
前記第1のアセンブリの回転デバイスの回転軸は、前記第2のアセンブリの回転デバイスの回転軸に略平行である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記平面遠隔運動中心デバイスは、前記手術器具を平行移動、回転、および作動させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
患者に取着されるように構成される、拘束装置であって、前記拘束装置の運動は、前記患者の運動に対応する、拘束装置と、
前記第1のアセンブリの遠隔運動中心および前記第2のアセンブリの遠隔運動中心が、前記患者の運動に対応して移動するように、前記拘束装置の運動に基づいて、前記第1のアセンブリおよび前記第2のアセンブリを移動させるように構成される、コントローラと、
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
手術器具の運動を制御する方法であって、
前記第1のデバイスと関連付けられた第1の遠隔運動中心および前記第2のデバイスと関連付けられた第2の遠隔運動中心が、空間的に分離し、顕微手術のために接近して維持されるように、第1のデバイスおよび第2のデバイスを位置付けるステップと、
第1の手術器具を前記第1のデバイスに取着するステップであって、前記第1のデバイスは、前記第1の手術器具の軸が、前記第1の遠隔運動中心を通過するように、前記第1の手術器具の運動を制約する、ステップと、
第2の手術器具を前記第2のデバイスに取着するステップであって、前記第2のデバイスは、前記第2の手術器具の軸が、前記第2の遠隔運動中心を通過するように、前記第2の手術器具の運動を制約する、ステップと、
前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスを回転させる一方で、前記第1のデバイスの第1の回転配向および前記第2のデバイスの第2の回転配向に基づいて、前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間、および前記第1の手術器具と前記第2の手術器具との間の空間分離を維持するステップと、
を備える、方法。
【請求項17】
前記第1の回転配向は、第1の回転軸を中心として、第1の角度によって画定され、
前記第2の回転配向は、第2の回転軸を中心として、第2の角度によって画定され、
前記第1のデバイスと前記第2のデバイスとの間、および前記第1の手術器具と前記第2の手術器具との間の空間分離を維持するステップは、前記第1の角度が、前記第2の角度未満であるように、前記第1のデバイスの回転配向および前記第2のデバイスの回転配向を制御するステップを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のデバイスは、略半円形トラックに取り付けられた第1の搬器および第2の搬器を含み、
前記第1の搬器および前記第2の搬器のうちの少なくとも1つは、前記第1の手術器具に取着されるように構成され、
前記略半円形トラック上の第1の搬器の第1の位置は、第1の角度によって画定され、
前記略半円形トラック上の第2の搬器の第2の位置は、第2の角度によって画定され、
前記第1のデバイスを位置付けるステップは、前記第1の角度および前記第2の角度を制御することによって、前記第1の搬器と前記第2の搬器との間の空間分離を維持するステップを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のデバイスは、前記第1の遠隔運動中心と前記第2の遠隔運動中心との間の距離より大きい直径を有する、第1の部分を含み、
前記第2のデバイスは、前記第1のデバイスの第1の部分を取り除くように、オフセットされる第2の部分を含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のデバイスおよび前記第2のデバイスを位置付けるステップは、前記前記第1のデバイスと関連付けられた第1の遠隔運動中心と前記第2のデバイスと関連付けられた第2の遠隔運動中心との間において、2センチメートル以下の距離を維持するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2013−517068(P2013−517068A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549140(P2012−549140)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/021405
【国際公開番号】WO2011/088400
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(506115514)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (87)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/021405
【国際公開番号】WO2011/088400
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(506115514)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (87)
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