説明

ロードセル式計量装置

【課題】固定ブロック8と、変位可能な可動ブロック12とに亘って薄板材からなる弾性ビーム14を連結し、可動ブロック12の変位に伴う弾性ビーム14の撓み変形を検出するよう構成したロードセルを用いたロードセル式計量装置において、弾性アーム14の撓み変形における支点のずれの発生を阻止して、計量精度の低下を防止する。
【解決手段】固定ブロック8と可動ブロック12とに亘って連結する弾性ビーム14の両端部を、固定ブロック8および可動ブロック12と押圧板16,17とで押圧挟持して連結支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロードセルを用いたロードセル式計量装置に関し、更に詳しくは、ロバーバル機構のロードセルを用いたロードセル式計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
計量装置のロードセルに用いられるロバーバル機構としては、単一の素材を切り抜き切削して、計量装置の筐体等のベースに連結固定される固定部、被計量物が載置される載台に連結される変位可能な可動部、および、撓み変形可能な弾性ビーム部とを一体に形成した一体型のものと、薄板材からなる弾性ビームを固定ブロックと可動ブロックに亘って架設連結した組立て型のもの(例えば、特許文献1参照)とが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−151047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロバーバル機構を有する一体型のロードセルでは、単一の素材を用いた簡素で取り扱いやすい構造であるが、その反面、素材を大きく切り抜き切削するために素材の無駄が多くて材料コストが高いものとなる。また、加工された形状によって特性が画一化されたものとなり、要求される特性が変わればそれに応じたものを製作し直す必要があり、また、弾性ビーム部など一部に損傷が発生したような場合でも全体を取り替える必要があった。
【0005】
これに対して、ロバーバル機構を有する組立て型のロードセルでは、部品数は多くなるが、各部品は歩留まりよく加工することができ、全体としては安価に製作することができる。また、仕様の異なる弾性ビームと可動ブロックとの組み合わせで種々の特性のものを得ることができ、要求される特性に応じたものを容易かつ安価に製作することができる。また、一部の部品が損傷しても容易に交換することができる。
【0006】
このように組立て型のロードセルは、上記したような利点を有するのであるが、例えば、上記特許文献1では、弾性ビームを固定ブロックおよび可動ブロックに亘って架設連結するのに、単純にボルトで弾性ビームを各ブロックに締付け連結した構造であったために、負荷によって弾性ビームが撓み変形する際に、ボルト締付け箇所から外れた箇所で、弾性ビームの一部が固定ブロックや可動ブロックのビーム取付け面から局部的に浮き上がり変形してしまうことがある。このロバーバル機構においては、固定ブロックや可動ブロックのビーム取付け面の端縁を、弾性ビームの撓み変形における支点として設計しているのであるが、上記のように弾性ビームが固定ブロックや可動ブロックのビーム取付け面から浮き上がり変形することで前記支点がずれてしまい、ロバーバル機構のロードセルを用いた計量装置の計量精度が低下してしまう。
【0007】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、組立て型のロバーバル機構のロードセルを用いた計量装置において、弾性ビームの撓み変形時における支点ずれの発生を阻止して、計量精度の低下を防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0009】
(1)本発明に係るロードセル式計量装置は、固定ブロックと、変位可能な可動ブロックと、前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの上部を連結する上ビームと、前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの下部を連結する下ビームとを有するロードセルを備えるロードセル式計量装置であって、前記上ビームの両端部を、前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの各上面に対して各押圧部材の押圧面によってそれぞれ押圧挟持して前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの上部を連結する一方、前記下ビームの両端部を、前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの各下面に対して各押圧部材の押圧面によってそれぞれ押圧挟持して前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの下部を連結する。
【0010】
本発明のロードセル式計量装置によると、上ビームおよび下ビームの両端部は、押圧部材の押圧面と、固定ブロックまたは可動ブロックの上面または下面との間に強固に挟持されることになり、被計量物の荷重を受けて各ビームが撓み変形する際に、固定ブロックおよび可動ブロックの上面または下面からの浮き上がり変形が、押圧面によって阻止され、固定ブロックおよび可動ブロックの各ビームに対する支点の位置がずれることがなく、計量精度が低下するのを防止することができる。
【0011】
(2)本発明のロードセル式計量装置の好ましい実施態様では、前記固定ブロックは、筐体に固定され、前記可動ブロックは、被計量物が載置される載台に連結され、前記上ビームおよび前記下ビームは、撓み変形可能な弾性を有する薄板材からなると共に、一対の起歪部をそれぞれ有し、前記上ビームおよび前記下ビームの少なくともいずれか一方のビームの前記起歪部には、歪検出素子が取付けられ、前記各押圧部材は、前記固定ブロックまたは前記可動ブロックの上面または下面に締付け固定される板材からなる。
【0012】
この実施態様によると、固定ブロックおよび可動ブロックの上面または下面と、各押圧部材の押圧面とによって、薄板材からなる上下の各ビームの両端部をそれぞれ挟み、前記各押圧部材を、前記各ブロックの上面または下面にそれぞれ締付け固定することによって、各ビームの両端部を、各ブロック体と各押圧部材とによって面で強固に押圧挟持することができると共に、載台に載置された被計量物の荷重を受けて各ビームが撓み変形すると、その変形量を起歪部に取付けられた歪検出素子によって検出することができる。
【0013】
(3)本発明のロードセル式計量装置の別の実施態様では、前記上ビームの前記一対の起歪部の間には、リブが上方へ折り曲げ突設され、前記下ビームの前記一対の起歪部の間には、リブが下方へ折り曲げ突設され、前記固定ブロックと前記可動ブロックと前記上下の両ビームとによって囲まれた空間内に部品を設ける。
【0014】
この実施態様によると、リブの突設によって両起歪部の間のビーム部分の剛性を高めて、ここでの撓み変形を抑制し、起歪部に一層効率よく撓み変形を集中させて計測することができる。また、上ビームのリブは上方へ、下ビームのリブは下方へそれぞれ突設されるので、固定ブロックと可動ブロックと上下の両ビームとによって囲まれた空間内に、リブが突出することがなく、前記空間内を有効に利用して部品を設けることができる。
【0015】
(4)上記(3)の実施態様では、前記上ビームおよび前記下ビームの各一端部を、前記固定ブロックの上面および下面に対してそれぞれ押圧挟持する二つの押圧部材の少なくともいずれか一方の押圧部材には、前記可動ブロックに連結された前記部品の変位限界を当接規制するストッパを設けてもよい。
【0016】
この実施態様によると、可動ブロックに連結されると共に、固定ブロックと可動ブロックと上下の両ビームとによって囲まれた空間内に配置された部品の変位限界を当接規制することで、上ビームまたは下ビームの変形量を制限し、過負荷によって各ビームや歪検出素子が損傷するのを回避することができる。
【0017】
しかも、ストッパは、ビームの端部を押圧するための押圧部材に設けられると共に、部品との当接によって変位を規制するので、過負荷によるビームの変形量を制限して保護する過負荷保護装置を構成するための部品として、押圧部材及び部品を兼用することになり、その分、部品点数を削減することができる。
【発明の効果】
【0018】
このように、本発明によれば、組立て型のロバーバル機構のロードセルを用いたロードセル式計量装置において、弾性ビームの撓み変形時における支点ずれの発生を阻止して、計量精度の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は本発明の実施形態に係るロードセル式計量装置としてのデジタル秤の斜視図である。
【図2】図2は図1の内部構成を示す概略断面図である。
【図3】図3は図2のロードセルの斜視図である。
【図4】図4は図3のロードセルの側面図である。
【図5】図5は図3のロードセルの平面図である。
【図6】図6は図3のロードセルの分解斜視図である。
【図7】図7は本発明の他の実施形態に係るロードセルの斜視図である。
【図8】図8は図7のロードセルの側面図である。
【図9】図9は図7のロードセルの平面図である。
【図10】図10は本発明の更に他の実施形態に係るロードセルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面によって本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0021】
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施形態に係るロードセル式計量装置の外観を示す斜視図である。
【0022】
この実施形態では、ロードセル式計量装置として、卓上型のデジタル秤に適用して説明する。
【0023】
この実施形態のデジタル秤1は、筐体2を備えており、この筐体2の上部には、被計量物が載置される載台としての載皿3が装備され、筐体2の底面には、高さを調節して水平に設置するための4本の脚部4が設けられている。また、筐体2の正面には、計量値などを表示する液晶表示パネルからなる表示部5が設けられると共に、電源のオンオフや被計量物を入れる容器の質量を「0」にする風袋引きのための操作キー6が設けられている。
【0024】
図2は、図1のデジタル秤1の内部の概略構成を示す断面図であり、図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0025】
このデジタル秤1は、組立て型のロバーバル機構のロードセル7を内蔵している。筐体2の底部には、L型のロードセル取付けステー9の水平部9aが、取付ボルト10によって取付けられる一方、このロードセル取付けステー9の鉛直部9bには、ロードセル7の固定ブロック8が、取付ボルト11によって取付けられる。すなわち、ロードセル7の固定ブロック8は、ロードセル取付けステー9を介して筐体2の底部に固定される。
【0026】
また、ロードセル7の可動ブロック12は、載皿3の底面から下方へ延びる連結部3aに、取付ボルト13によって取付けられる。
【0027】
図3は、図2のロードセル7の斜視図であり、図4は、その側面図であり、図5は、その平面図であり、図6は、その分解斜視図である。
【0028】
この実施形態のロードセル7は、上述のように筐体2の底部に固定される固定ブロック8と、載皿3に連結される変位可能な可動ブロック12と、両ブロック8,12の上部および下部をそれぞれ連結する上ビームおよび下ビームとしての上下一対の弾性ビーム14と、各弾性ビーム14の前後方向(図4及び図5の左右方向)の二箇所にそれぞれ貼り付けられた歪検出素子としてのストレインゲージ15と、ビーム固定用の押圧部材としての上下各一対の押圧板16,17とを備える組立て型のロバーバル機構で構成されている。
【0029】
前記固定ブロック8及び前記可動ブロック12は、直方体状に切削された金属ブロック体からなり、共用可能な同一仕様となっている。
【0030】
図6に示すように、固定ブロック8の矩形の上下面は、ビーム取付け面として各弾性ビーム14の各一端部をそれぞれ連結するための四つの取付け孔18が矩形の各角部にそれぞれ形成されている。また、固定ブロック8の背面には、図4に示すように、該固定ブロック8をロードセル取付けステー9に連結するための二つの取付け孔19が上下方向に沿って間隔をあけてそれぞれ形成されている。
【0031】
前記可動ブロック12も、その矩形の上下面は、ビーム取付け面として各弾性ビーム14の各他端部をそれぞれ連結するための四つの取付け孔20が矩形の各角部にそれぞれ形成されている。可動ブロック12の前面には、該可動ブロック12を載皿3の連結部3aに締付け固定するための二つの取付け孔21が上下方向に沿って間隔をあけてそれぞれ形成されている。
【0032】
平行な上下一対の弾性ビーム14は、板バネ材などの金属、例えば、アルミニウム製の薄板材を打抜きプレス加工して形成されたものであり、同一仕様のものが表裏反転して各ブロック8,12に装着される。
【0033】
各弾性ビーム14は、撓み変形可能な弾性を有する薄板材からなると共に、固定ブロック8と可動ブロック12との間に、前後一対の起歪部14aが所定の前後スパンをもってくびれ形成されると共に、両起歪部14aの間においてはビームの両側辺からリブ14bがそれぞれ折り曲げ突設され、両起歪部14aの間におけるビーム部分の剛性を高めて変形を抑制することで起歪部14aに撓み変形が集中されるようになっている。上側の弾性ビーム14のリブ14bは、下方へ、下側の弾性ビーム14のリブ14bは、上方へそれぞれ突出するように各ブロック8,12にそれぞれ連結される。
【0034】
また、前記ストレインゲージ15は、起歪部14aの表面に貼付け固定され、起歪部14aに生じる歪が電気抵抗値の変動に変換される。
【0035】
このようにストレインゲージ15は、弾性ビーム14を構成する薄板材に貼付ければよく、一体型のロードセルのように、その上面および下面にストレインゲージをそれぞれ貼付ける必要がなく、貼付け作業が容易となる。
【0036】
図6に示すように、各弾性ビーム14の各端部は、各ブロック8,12の上下面に対応して矩形に形成されると共に、各ブロック8,12の四つの取付け孔18,20にそれぞれ取付けられるボルト22,23がそれぞれ挿通する四つの挿通孔24,25をそれぞれ有している。
【0037】
上下の各弾性ビーム14の各端部を、固定ブロック8及び可動ブロック12の上下面に対してそれぞれ押圧挟持する上下一対の押圧板16,17は、共用可能な同一仕様となっている。
【0038】
上下の各弾性ビーム14の各一端部を、固定ブロック8の上下面に対してそれぞれ押圧挟持する上下一対の押圧板16は、固定ブロック8の上下面に対応した矩形板状であって、固定ブロック8の上下面の四つの取付け孔18に取付けられるボルト22が挿通する四つの挿通孔26を有している。
【0039】
上下の各弾性ビーム14の各他端部を、可動ブロック12の上下面に対してそれぞれ押圧挟持する上下一対の押圧板17は、可動ブロック12の上下面に対応した矩形板状であって、可動ブロック12の上下面の四つの取付け孔20に取付けられるボルト23が挿通する四つの挿通孔27を有している。
【0040】
このデジタル秤1では、固定ブロック8を、ロードセル取付けステー9を介して筐体2の底部に固定し、可動ブロック12に作用する載皿3に載置された被計量物の荷重によって弾性ビーム14が撓み変形することで、4個のストレインゲージ15をブリッジ接続した演算回路からの出力に基づいて、載皿3に載置された被計量物の重量を検出することができる。
【0041】
この実施形態のロードセル7では、上下の各弾性ビーム14の一端部を、固定ブロック8の上下面と各押圧板16の押圧面とでそれらの端縁を揃えた状態で挟持してボルト22で締付け固定する一方、各弾性ビーム14の他端部を、可動ブロック12の上下面と各押圧板17の押圧面とでそれらの端縁を揃えた状態で挟持してボルト23で締付け固定するので、載皿3に載置された被計量物の荷重を受けて各弾性ビーム14が撓み変形する際に、固定ブロック8および可動ブロック12の上面または下面から浮き上がり変形するのが押圧板16,17によって阻止され、固定ブロック8および可動ブロック12の各弾性ビーム14に対する支点の位置が不変となり、図5に示されるように起歪部間の距離Dが一定となり、計量精度の低下を防止することができる。
【0042】
また、この実施形態では、固定ブロック8と可動ブロック12とを共用可能な同一仕様にすると共に、押圧板16,17も共用可能な同一仕様にしているので、取付け時における部品の方向性がなく、組付け作業性が高まると共に、部品の種類を少なくして加工コストを低減するのに有効となる。
【0043】
(実施形態2)
図7は本発明の他の実施形態のデジタル秤のロードセルの斜視図であり、図8はその側面図であり、図9はその平面図であり、上述の実施形態に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0044】
この実施形態では、可動ブロック12には、自由状態における可動系の重心位置を起歪部間の中心に近づけると共に、固有振動数を調整するためにウェイト部品28を装着している。このウェイト部品28は、所望の重量となるように直方体形に切削された金属ブロック体からなり、固定ブロック8と可動ブロック12との間に形成された空間スペースに収納され、図8に示すように、ボルト29によって可動ブロック12に締め付け固定される。
【0045】
固定ブロック8と可動ブロック12との間に形成された空間スペースに、ウェイト部品28を収納する妨げとならないように、上側の弾性ビーム14のリブ14bは、上方へ、下側の弾性ビーム14のリブ14bは、下方へそれぞれ突出するように各ブロック8,12にそれぞれ連結される。
【0046】
このように、自由状態における可動系の重心位置を起歪部間の中心に近づけることによって、モーメント誤差を少なくして計量誤差を低減することができる。
【0047】
更に、この実施形態では、上下の各弾性ビーム14の各一端部を、固定ブロック8の上下面に対してそれぞれ押圧挟持する上下一対の押圧板16は、固定ブロック8の上下面に対応した矩形板状の角部からウエイト部品28側へ向けてアーム部16aが、延出され、その延出端部にナット31を介してねじ込み装着したストッパ30がウエイト部品28の上面および下面に所定の間隙をもってそれぞれ対向するように配備される。
【0048】
このように、固定ブロック8に固定される押圧板16のアーム部16aには、ストッパ30が設けられているので、このストッパ30によってウエイト部品28の上方および下方への変位限界を当接規制することができ、これによって、弾性ビーム14の変形量を制限して、過負荷によって弾性ビーム14やストレインゲージ15が損傷するのを回避することができる。しかも、ストッパ30は、弾性ビーム14を押圧するための押圧板16に設けられると共に、重量を調整するウエイト部品28との当接によって変位を規制するので、過負荷による弾性ビーム14の変形量を制限して保護する過負荷保護装置を構成する部品として、押圧板16及びウエイト部品28を兼用することになり、専用の部品を設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。
【0049】
なお、他の実施形態として、固定ブロック8と可動ブロック12と上下の各弾性ビーム14とによって囲まれた空間に、A/D変換回路などの回路部品、あるいは、それら回路部品を収納した部品ケース等を設け、ロードセルを用いたセンサ全体のコンパクト化を図ることもできる。
【0050】
(その他の実施形態)
上述の各実施形態では、上下の両弾性ビーム14にストレインゲージ15をそれぞれ取付けたけれども、本発明の他の実施形態として、いずれか一方の弾性ビーム14のみにストレインゲージ15を取付けてもよい。
【0051】
上述の各実施形態では薄板材からなる弾性ビーム14の撓み変形をストレインゲージ15で直接に検出するようにしているが、弾性ビーム14の撓み変形を可動ブロック12の変位として検出する形態とすることもできる。例えば、図10に示すように、固定ブロック8に取付け部32を介して固定電極板33を取付ける一方、この固定電極33に対向するように取付け部34を介して可動ブロック12に可動電極板35を取付け、可動ブロック12の変位を両電極板33,35の間の静電容量変化として検出することも可能である。
【0052】
上述の各実施形態では、デジタル秤に適用して説明したけれども、本発明は、デジタル秤に限らず、例えば、組合せ秤やその他のロードセルを使用する計量装置に適用できるものである。
【符号の説明】
【0053】
1 デジタル秤(ロードセル式計量装置)
2 筐体
3 載皿
7 ロードセル
8 固定ブロック
12 可動ブロック
14 弾性ビーム
14a 起歪部
14b リブ
15 ストレインゲージ
16,17 押圧板
28 ウェイト部品
30 ストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定ブロックと、変位可能な可動ブロックと、前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの上部を連結する上ビームと、前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの下部を連結する下ビームとを有するロードセルを備えるロードセル式計量装置であって、
前記上ビームの両端部を、前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの各上面に対して各押圧部材の押圧面によってそれぞれ押圧挟持して前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの上部を連結する一方、
前記下ビームの両端部を、前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの各下面に対して各押圧部材の押圧面によってそれぞれ押圧挟持して前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの下部を連結する、
ことを特徴とするロードセル式計量装置。
【請求項2】
前記固定ブロックは、筐体に固定され、
前記可動ブロックは、被計量物が載置される載台に連結され、
前記上ビームおよび前記下ビームは、撓み変形可能な弾性を有する薄板材からなると共に、一対の起歪部をそれぞれ有し、
前記上ビームおよび前記下ビームの少なくともいずれか一方のビームの前記起歪部には、歪検出素子が取付けられ、
前記各押圧部材は、前記固定ブロックまたは前記可動ブロックの上面または下面に締付け固定される板材からなる、
請求項1に記載のロードセル式計量装置。
【請求項3】
前記上ビームの前記一対の起歪部の間には、リブが上方へ折り曲げ突設され、前記下ビームの前記一対の起歪部の間には、リブが下方へ折り曲げ突設され、
前記固定ブロックと前記可動ブロックと前記上下の両ビームとによって囲まれた空間内に部品を設ける、
請求項1または2に記載のロードセル式計量装置。
【請求項4】
前記上ビームおよび前記下ビームの各一端部を、前記固定ブロックの上面および下面に対してそれぞれ押圧挟持する二つの押圧部材の少なくともいずれか一方の押圧部材には、前記可動ブロックに連結された前記部品の変位限界を当接規制するストッパを設ける、
請求項3に記載のロードセル式計量装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−127894(P2012−127894A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281350(P2010−281350)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000208444)大和製衡株式会社 (535)