説明

ロールスクリーン収納ボックス

【課題】連結強度が強く、開口部3を調整する必要もないロールスクリーン収納ボックス。
【解決手段】天板1と、その両側の側板2とを備え、上記天板1の両側端部には係止部10と、その外側方に間隔をおいて配置された支持部12とを形成し、上記側板2は、垂直の側板本体2aとその上部から水平方向に張り出す水平部13とを備え、水平部13の先端を上記天板1の係止部10に下側から係止させ、水平部13の側板本体2a側を上記支持部12上に支持させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に室内の天井から吊るす投影用のロールスクリーンを収納するロールスクリーン収納ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、室内の天井から吊るす投影用のロールスクリーンは、内部に巻き取り装置等を装備しているので、カーテンに比べて重量が重く、この重量に耐えるために大型化しやすいので、ロールスクリーンをコンパクトで収納しやすいロールスクリーン収納ボックスが要望されていた。
【0003】
これに対し、従来は、天板と、その両側の側板とを備え、天板の両側端に側板の上端を係止させて全体を下向きに開口するコ字形とし、下端開口部の一部を目隠し板によって塞ぐものが知られている。これは、側板の上端部を屈曲させて小さな水平部を出し、この水平部の端部を折り曲げて下向きに開口する係止溝を形成し、この係止溝を、天板の両側端部に上向きに突出した突片に係止させることにより、天板と側板とを連結する構成であった。
【特許文献1】特許第3211734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のように、天板と側板とを連結するのに、側板の上端部の側方に形成された下向き開口の係止溝を、天板の両側端部に上向きに突出した突片に係止させるだけでは、側板の下部がぐらつきやすく、十分な連結強度は得られない。また、同様の理由で、下端の開口部の寸法精度を出すことができない。周囲の部材との取り合いが不安定になるので、調整をしなければならない。
【0005】
本発明は上記問題点を解消し、連結強度が強く、開口部を調整する必要も無いロールスクリーン収納ボックスを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、天板と、その両側の側板とを備え、上記天板の両側端部には係止部と、その外側方に間隔をおいて配置された支持部とを形成し、上記側板は、垂直の側板本体とその上部から水平方向に張り出す水平部とを備え、水平部の先端を上記天板の係止部に下側から係止させ、水平部の側板本体側を上記支持部上に支持させたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、上記天板の支持部は断面c字形に形成され、上記側板の水平部には、上記支持部に係合する凹部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、建物の天井躯体から吊りボルトにより水平に配置された吊り金具の下面に対し、上記天板の両側端部の係止部と支持部と側板本体の上端部とを当接させることにより、上記側板を固定することを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、上記側板本体の上端よりも少し下部から傾斜部が分岐形成され、該傾斜部を上記水平部と連続させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、建物の天井躯体から吊りボルトにより水平に配置された吊り金具の下面に対し、上記係止部と側板の支持部と側板の上端部の3点が当接するように設定できる。しかも、水平部は、吊り金具と支持部との間に締め付けられる。したがって、天板と側板との連結強度は高く、また収納ボックスの開口部の幅寸法の精度は向上し、調整は不要となる。
【0011】
また、天板の係止部と側板の支持部との距離が長くなるほど、つまり上記支持部が天板から離れるほど、側板の荷重に対する支持強度は高くなるから、側板も天板から離すことができることになる。したがって、天板自体がコンパクトであっても、全体として大きな収納ボックスを得ることができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、上記水平部は、建物の天井躯体から吊りボルトにより水平に配置された吊り金具と支持部との間に締め付けられ、凹部と断面c字形の支持部とは確実に位置決めされる。したがって、収納ボックスの開口部の幅寸法の精度は向上し、調整は不要となる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、上記吊り金具の下面に対し、上記天板の両側端部の係止部と支持部と側板本体の上端部とを当接させることにより、天板と側板との連結強度をより高くすることができる。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、上記側板本体の上端よりも少し下部から傾斜部が分岐形成され、該傾斜部を上記水平部と連続させたので、上記吊り金具の下面には側板本体の上端部を線状に当接させることができる。したがって、上記3点による当接が明確になり、側板を強固に吊り金具に固定することができ、開口部の寸法精度を保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1はロールスクリーンの収納ボックスの横断面図であり、この収納ボックスAは主に、天板1と、その両側の側板2と、両側板2の下端開口部3の一部を塞ぐ目隠し板4とから構成されている。
【0016】
天板1は図2に示されるように、上壁5と下壁6の二重壁を備え、上下壁6の間に空間部7を形成するとともに、下方に開口するあり溝形開口溝8と上方に開口するあり溝形開口溝9とを有している。また、上壁5の両側端部には先端が下方に傾斜した係止部10が形成され、また、下壁6の両側端部には延長部11が形成され、延長部11の先端は立ち上げられて断面が上向きに開口するc字形の支持部12が形成されている。係止部10と支持部12とは間隔をおいて配置されている。
【0017】
両側の側板2は左右対称に形成され、それぞれ垂直の側板本体2aとその上部から水平方向に張り出す水平部13とを備えている。側板本体2aの先端と水平部13とは同じ高さに形成されている。そして、側板本体2aの上端よりも少し下部から傾斜部14が分岐形成され、側板本体2aはこの傾斜部14を介して上記水平部13に連続している。水平部13の先端13aは上方に傾斜し、またその近傍には逆台形状の凹部15が形成されている。
【0018】
また、側板本体2aの下端から外側方に水平の天井板の受け部16が形成されている。また、側板本体2aの内側面下部にはL字形の係止片17が形成されている。さらに、側板2の外側面下部には2つの側板2を長手方向に連結する場合の連結溝18が形成されている。一方の側板2の連結溝18の端部に連結板(図示せず)の半分をきつく嵌合させ、他方の側板2の連結溝18の端部に連結板の他方の半分をきつく嵌合させることにより、2つの側板2を整合状態で連結させることができる。なお、19はビスホールである。
【0019】
次に、上記天板1に側板2を組み付けるときは、図3に示されるように、側板2の水平部13の端部を天板1の係止部10と支持部12との間に差し込み、側板2を回動させながら水平部13の先端を係止部10の裏側に係止させ、凹部15を天板1の支持部12上に係合させる。これにより、側板2は天板1に組みつけられて一体に連結される。
【0020】
次に、上記構成の収納ボックスにロールスクリーンBを取付けるときは、図3に示されるように、ロールボックス20の両端部をL字形の取付金具21とZ字形の取付金具22を介してボルト23で天板1の下面に固定する。このとき、図1に示されるように、ボルト頭部24は天板1の下方に開口した開口溝8に収納する。ボルト頭部24は6角形であるから、内部で回転できないので、下方からナット25を締め付けることができる。その後、側板2のL字形係止片17に目隠し板4の端部のフック26を係止させて取付け、また両端部には上記ビスホール19を利用して小口蓋27を固定する(図3参照)。この場合、上記支持部12もビスホールを兼用する。なお、28はロールスクリーンBが振れるのを防止する棒で、重錘の役目をするものである。
【0021】
上記構成のロールスクリーン収納ボックスを天井に取付けるときは、躯体30から垂下した吊りボルト31の下部に約1m間隔に取付けられたL字形の吊り金具32にボルト33、ナット34を介して固定する。ボルトの頭部35は予め上記天板1の上向き開口溝9に摺動自在に嵌合しておき、ボルト33の軸部を上記吊り金具32のボルト挿通孔から挿通させ、その上からナット34を締め付けて固定すればよい。ボルト頭部35は開口部3の両側に邪魔されて回動できないので、確実に締め付け固定することができる。さらに、側板2の下端部の受け部16に天井板36の端部を係合可能に配置すればよい。
【0022】
なお、37は野縁、38は野縁受けであり、39は吊りボルトである。
【0023】
上記取り付け構成によれば、天板1は図1のように、ボルト33、ナット34で吊り金具32に強固に固定される。また、側板2は水平部13の先端13aが天板1の係止部10に係止され、水平部13の凹部15が天板1の支持部12に支持され、また側板2の垂直の上端部40が吊り金具32の下面に当接する。そして、吊り金具32の下面に対し、上記係止部10と側板2の支持部12と側板2の上端部40の3点が当接する。しかも、水平部13は、吊り金具32と支持部12との間に締め付けられる。したがって、天板1と側板2との連結強度は高く、また収納ボックスの開口部3の幅寸法の精度は向上し、調整は不要となる。
【0024】
また、天板1の係止部10と側板2の支持部12との距離が長くなるほど、つまり上記支持部12が天板1から離れるほど、側板2の荷重に対する支持強度は高くなるから、側板2も天板1から離すことができることになる。したがって、天板1自体がコンパクトであっても、全体として大きな収納ボックスを得ることができる。特に、重量のあるロールボックスを支持する収納ボックスは大型化しやすい傾向にあるので、好適な収納ボックスを提供することができる。
【0025】
また、上記水平部13は、建物の天井躯体から吊りボルトにより水平に配置された吊り金具32と支持部12との間に締め付けられ、凹部15と断面c字形の支持部12とは確実に位置決めされる。したがって、収納ボックスの開口部3の幅寸法の精度は向上し、調整は不要となる。
【0026】
さらに、上記吊り金具32の下面に対し、上記天板1の両側端部の係止部10と支持部12と側板本体2aの上端部40とを当接させることにより、天板1と側板2との連結強度をより高くすることができる。
【0027】
さらにまた、上記側板本体2aの上端よりも少し下部から傾斜部14が分岐形成され、該傾斜部14を上記水平部13と連続させたので、上記吊り金具32の下面には側板本体2aの上端部を線状に当接させることができる。したがって、上記3点による当接が明確になり、側板2を強固に吊り金具32に固定することができ、開口部3の寸法精度を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るロールスクリーン収納ボックスとその取付態様を示す横断面図である。
【図2】上記ロールスクリーン収納ボックスの分解断面図である。
【図3】上記ロールスクリーン収納ボックスの端部の縦断面図である。
【図4】側板の取付態様説明図である。
【符号の説明】
【0029】
1 天板
2 側板
2a 側板本体
10 係止部
12 支持部
13 水平部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、その両側の側板とを備え、上記天板の両側端部には係止部と、その外側方に間隔をおいて配置された支持部とを形成し、
上記側板は、垂直の側板本体とその上部から水平方向に張り出す水平部とを備え、水平部の先端を上記天板の係止部に下側から係止させ、水平部の側板本体側を上記支持部上に支持させた
ことを特徴とするロールスクリーン収納ボックス。
【請求項2】
上記天板の支持部は断面c字形に形成され、上記側板の水平部には、上記支持部に係合する凹部が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のロールスクリーン収納ボックス。
【請求項3】
建物の天井躯体から吊りボルトにより水平に配置された吊り金具の下面に対し、上記天板の両側端部の係止部と支持部と側板本体の上端部とを当接させることにより、上記側板を固定することを特徴とする、請求項1に記載のロールスクリーン収納ボックス。
【請求項4】
上記側板本体の上端よりも少し下部から傾斜部が分岐形成され、該傾斜部を上記水平部と連続させたことを特徴とする、請求項1に記載のロールスクリーン収納ボックス。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−72073(P2007−72073A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−257673(P2005−257673)
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【出願人】(000250432)理研軽金属工業株式会社 (89)
【Fターム(参考)】