説明

ロールハンドリング装置

本発明は、複数のスリーブ好ましくは紙のスリーブを、そこに紙ウェブが巻取られる前、巻取られる間、および巻取られた後に保持して取扱う装置において、硬い材料ウェブを曲げて構成されるとともに、実質的にロールの全長に相当する長さを有する少なくとも1つのインサートスリーブが、同時に保持して取扱うためにロール内に挿入され、インサートスリーブは、多角形、すなわち三角形、長方形等からなる装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、添付の請求項1記載のプレアンブル部分による装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野において、紙ウェブが巻取られる前、巻取られる間、および巻取られた後にロール例えば封筒用紙を保持して取扱うことを合理化することが非常に必要とされている。一般に、紙ウェブは、3乃至4つ、場合によってはそれ以上のマガジンリールに同時に巻取られ、また幅500−1000mmの単一のパッケージに一緒に包装される。一緒に包装される複数のロールは、外端のプラグによって所定位置に保持され、または粘着性ストリップによってシールされた緩い内側スリーブ上に配置される。この内側スリーブには、外端をシールすることなくスリーブを所定位置に保持するため、スロットが形成されている場合もある。さらにスリーブはしっかり固定されたプラスチックストリップ等により、所定位置に保持されたり互いに締結されたりする場合もある。これらの異なる方法は、緩い内側スリーブの取扱いが高価であるため、人手による取扱いを広く強いるものである。内側スリーブは嵩張るとともにスペースを必要とすると考えられる。結果として、従来の取扱い工程は全体として非常にコストがかかるであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の基礎をなす課題は、スリーブおよび紙ロールを更に合理的に保持して取扱う(ハンドリングする)装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、添付の請求項1の特徴を有する冒頭に記載した装置である、本発明によって解決される。
【0005】
本発明による装置によれば、スリーブおよび完成した紙ロールの取扱いを高度に合理化することができ、使用時のロール交換に関して内側スリーブを取り除くことが非常に簡単となる。硬い材料ウェブは、ロール形式で保持して取扱うことができるとともに、例えば紙、板紙、またはボール紙からなるという点で、インサートスリーブおよびその他の生じうる紙くずを容易にリサイクルすることができる。十分な硬さがあって取扱いが妨げられないことを前提にすれば、適切な材料を選択することは大きな問題ではないので、当然のことながら、インサートスリーブが紙、板紙、またはボール紙から製造されることは特に要求されない。かくして本発明の結果、ロールを保持して取扱う必要性を完全に除去したに等しい装置を実現することができる。すなわち空のスリーブまたはロールとともにインサートスリーブを保持して取扱うエンドユーザーのみが行なう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
添付図面を参照して、本発明を以下更に詳細に説明する。図1は、本発明によるインサートスリーブ上の複数のロールを概略的に示す斜視図である。図2は、図1の各部材を分離した状態を示す図である。図3は、本発明によるインサートスリーブの他の形態を示す、図1と同様の図である。図4は、図3に示す各部材を互いに分離した状態を示す、図2と同様の図である。図5は、シートを折曲げることにより本発明による二重壁を有する三角形のインサートスリーブをどのように作製するかを連続的に示す図である。図6は、シートを折曲げることにより本発明による対角線状の二重壁を有する矩形のインサートスリーブをどのように作製するかを連続的に示す図である。図7は、本発明による三角形のインサートスリーブ上の複数のロールを示す斜視図である。図8は、本発明による矩形のインサートスリーブ上の複数のロールを示す斜視図である。図9は、本発明による矩形のインサートスリーブ上の複数の紙ロールを示す斜視図である。
【0007】
図1および図2に示される本発明の一実施の形態による装置は、2つの短いスリーブ1、2から構成され、その上に紙ウェブが巻装され、これは例えば封筒用紙ウェブを保持して取扱う(ハンドリングする)ことに関して普通に見られるものである。スリーブ1および2は、三角形形状のインサートスリーブ3上に配置されている。この場合、とりわけインサートスリーブ3は、スリーブ1および2の全長より長くすることは意図していないことを理解されたい。しかしながら、図1および図2において、明確化する目的で、インサートスリーブ3をスリーブ1および2の全長より長く表示している。インサートスリーブ3は実質的にスリーブ1および2の全長に相当する長さを有する。当然のことながら、スリーブ1および2の数が任意であることも更に理解されたい。一般には、3乃至4つのスリーブを1つの同じインサートスリーブ3により保持して取扱う(ハンドリングする)。このような場合、スリーブ1および2の全長の数値は約500−1000mmになるであろう。この場合、インサートスリーブ3はスリーブ1および2全体と同じ長さである。
【0008】
図2は、インサートスリーブ3上に配置される前のスリーブ1、2を示す。いくつかの、例えば5つのスリーブ1、2を基材上に配置してその中にインサートスリーブ3を挿入することは当然容易であり、その後、インサートスリーブ3によって一緒に保持されるので、全てのスリーブ1、2を極めて容易な態様で保持して取扱うことができる。スリーブ1、2およびインサートスリーブ3のパッケージは、紙ウェブをスリーブ1、2上に巻取るため、紙巻取機内に配置されても良い。インサートスリーブ3とスリーブまたは紙ロール1、2とからなるパッケージは、その後一緒に包装され、最終製品における紙ロール交換のために使用される場所にハンドリングされても良い。
【0009】
重要なことは、インサートスリーブ3が硬い材料から作製され、かつインサートスリーブ3は、スリーブ1、2の内側寸法と同一か、スリーブ1、2の内側寸法よりわずかに大きいか、またはスリーブ1、2の内側寸法よりわずかに小さい寸法を有しても良いことである。
【0010】
図3および図4に示す本発明による装置の実施の形態は、インサートスリーブが三角形ではなく矩形であるという事柄を除いて図1および図2に示す形態に一致する。
【0011】
インサートスリーブは、円形、または例えば三角形、四角形等の多角形からなっていても良い。スリーブが多角形の場合、1つの側壁が二重壁からなっていても良く、図1および図2に示す三角形インサートスリーブ3の場合、1つの側壁が二重である。この二重壁の間には、壁を互いに固定するための接着ひも状部を配置することが適当である。
【0012】
また、図3および図4に示す実施の形態において、1つの側壁は二重であるとともに、その壁を互いに固定するための接着ひも状部が設けられている。
【0013】
インサートスリーブを作製するための硬い材料ウェブはロールの形状からなっていれば効果的であり、材料ウェブは、インサートスリーブ3用として巻き出され、折り目が形成され、切断され、その後形状を起こされるとともにスリーブ1、2内に挿入される。折り目の形成は切断後に行なわれる可能性が高い。この場合、最終形状が起こされてスリーブ1、2内に挿入される前に、二重壁がある場所に接着ひも状部が設けられても良い。図中部分的に示されるように、完全な二重壁部の代わりに部分的な二重壁部を形成するため、2つの会合する壁が互いに部分的に重なる可能性が更に高い。
【0014】
重要なことは、インサートスリーブ3上のスリーブ1、2の数は当然任意であり、上述しかつ図示したスリーブ1、2の数に限定されないことを強調しておく。
【0015】
図5は、無地紙またはシートAを示し、これは、ロールあるいは、より大きい無地紙またはシートを切断したものから作製されるとともに、いくつかの折り目Bによっていくつかの領域またはパネルF1−F4に分割される。これらパネルは実質的に同一のサイズであり、パネルF1は、パネルF2に対して角度Vをなす構造とするために起こされあるいは曲げられ、それからパネルF1およびF2は、パネルF3とF4との間の折り目Bに対して起こされあるいは曲げられ、三角形スリーブの構造となる。スリーブは、パネルF1およびF4が二重壁を形成するようにパネルF4がパネルF1に対して起こされることにより、完成する。パネルF1およびF4間にある1つ以上の接着ひも状部により、二重壁を接着することができる。
【0016】
図6は、無地紙またはシートAを示し、これは図5と同様、ロールあるいは、より大きい無地紙またはシートを切断したものから作製されるとともに、いくつかの折り目Bによっていくつかの領域またはパネルF1−F6に分割される。この実施の形態において、パネルF1およびF6は、完成した矩形または方形のスリーブにおける対角線の長さに相当する幅を有するため、パネルF2−F5よりわずかに大きい。この実施の形態において、パネルF1およびF6は、パネルF2およびF5に対して角度Vをなす構造とするために起こされあるいは曲げられ、その外端がF4およびF5間の折り目で会合するようになっており、それから三角形状のスリーブ部分は、パネルF1およびF6が二重壁を形成するように互いに起こされる。またこの実施の形態において、1つ以上の接着ひも状部により、この二重壁を接着することができる。仮にインサートスリーブを再利用することが望ましいのであれば、接着は不適当であるかも知れないことが理解されうる。これは、完全な二重壁または部分的な二重壁のみを有する他の実施の形態にも当てはまる。
【0017】
図7は、本発明による二重壁を有する三角形のインサートスリーブ上にある複数のスリーブを示し、図8は、本発明による対角線状の二重壁を有する矩形または方形のインサートスリーブ上にある複数のスリーブを示す。図9は、本発明による矩形または方形のインサートスリーブ上にある複数の紙ロールを示す。これらの紙ロールは、言ってみれば幅が狭く、かつその取扱いが本発明によるインサートスリーブにより大幅に促進される。
【0018】
本発明による三角形インサートスリーブを修正し、外側のパネルF1およびF4を折曲げ、これらが等しい大きさからなる2つの単一壁パネル間における角の二等分線となるように延びる二重壁の形態として構成することも可能である。
【0019】
添付の請求の範囲に規定する発明の概念の射程から離れることなく、様々な修正を加えることは、当然可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明によるインサートスリーブ上の複数のロールを概略的に示す斜視図。
【図2】図2は、図1の各部材を分離した状態を示す図。
【図3】図3は、本発明によるインサートスリーブの他の形態を示す、図1と同様の図。
【図4】図4は、図3に示す各部材を互いに分離した状態を示す、図2と同様の図。
【図5】図5は、シートを折曲げることにより本発明による二重壁を有する三角形のインサートスリーブをどのように作製するかを連続的に示す図。
【図6】図6は、シートを折曲げることにより本発明による対角線状の二重壁を有する矩形のインサートスリーブをどのように作製するかを連続的に示す図。
【図7】図7は、本発明による三角形のインサートスリーブ上の複数のロールを示す斜視図。
【図8】図8は、本発明による矩形のインサートスリーブ上の複数のロールを示す斜視図。
【図9】図9は、本発明による矩形のインサートスリーブ上の複数の紙ロールを示す斜視図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスリーブ好ましくは紙のスリーブを、そこに紙ウェブが巻取られる前、巻取られる間、および巻取られた後に保持して取扱う装置において、
硬い材料ウェブを曲げて構成されるとともに、実質的に前記スリーブの全長に相当する長さを有する少なくとも1つのインサートスリーブが、同時に保持して取扱うために前記スリーブ内に挿入され、
前記インサートスリーブは、多角形、すなわち三角形、長方形等からなることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記インサートスリーブは、少なくとも部分的に二重壁を有することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記多角形のインサートスリーブのうち、少なくとも1つの側壁が二重であることを特徴とする請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記二重壁は、矩形のインサートスリーブ内で対角線状に延びていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の装置。
【請求項5】
前記材料ウェブは、折り目を有するとともに、実質的に前記スリーブの全長に相当する長さに切断されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の装置。
【請求項6】
前記インサートスリーブは、前記スリーブの内側寸法と同一、前記スリーブの内側寸法よりわずかに小さい、または前記スリーブの内側寸法よりわずかに大きい寸法を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項記載の装置。
【請求項7】
前記二重壁の間に、それらを互いに固定するための接着ひも状部が配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−539150(P2008−539150A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508802(P2008−508802)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際出願番号】PCT/SE2006/000509
【国際公開番号】WO2006/118523
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(591117424)コアー、リンク、アクチエボラーグ (2)
【氏名又は名称原語表記】CORE LINK AKTIE BOLAGET
【Fターム(参考)】