説明

ロール体用自動搬送車

【課題】生産設備に配備する作業の簡素化を図ることができるロール体用自動搬送車を提供する。
【解決手段】受け取り装置2に対して受け渡し可能な状態でロール体Aを搬送台車8の上方で支持する搬送車側支持体9と、その搬送車側支持体9に支持されたロール体Aのコアaを搬送台車8に対して移動させる移動操作手段10と、受け渡し箇所に搬送台車8を停止させた状態において、コアaの両端部を一対の装置側支持体6にて支持可能な適正位置にコアaを位置させるべく移動操作手段10の作動を制御する制御手段Hとを搬送台車8に備え、装置側支持体6を撮像するための撮像装置11が搬送台車8に備え、撮像装置11が撮像した撮像情報に基づいてコアaを適正位置に位置させるべく移動操作手段10の作動を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに近接及び離間自在な一対の装置側支持体を互いに近接させた状態で、ロール体の中心に位置するコアの両端部を前記一対の装置側支持体にて支持するように構成されている受け取り装置に対して受け渡し可能な状態でロール体を搬送台車の上方で支持する搬送車側支持体と、その搬送車側支持体に支持されたロール体の前記コアを前記搬送台車に対して移動させる移動操作手段と、ロール体を前記受け取り装置に受け渡す受け渡し箇所に前記搬送台車を停止させた状態において、前記コアの両端部を前記一対の装置側支持体にて支持可能な適正位置に前記コアを位置させるべく前記移動操作手段の作動を制御する制御手段とが前記搬送台車に備えられているロール体用自動搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
かかるロール体用自動搬送車は、印刷原紙や各種フィルム原反の表面に印刷や塗布を行う生産機等に設けられた受け取り装置に、印刷原紙やフィルム原反等を中空の円筒状のコアに巻回させたロール体を受け渡すべく生産設備に配備されるものであり、ロール体を支持した状態で搬送台車を受け渡し箇所まで走行させ、受け渡し箇所に搬送台車を停止させた状態においてロール体のコアを適正位置に位置させるように移動操作手段にてコアを移動させて、適正位置に位置するコアの両端部を装置側支持体にて支持することで、ロール体を受け取り装置に受け渡すことができるようになっている。
このようなロール体用自動搬送車の従来例として、受け取り装置に設置されたレーザ光源からのレーザ光を受光する検出手段が搬送台車に備えられ、制御手段が、受け渡し箇所に搬送台車を停止させた状態において、検出手段の検出情報に基づいてコアを適正位置に移動させるべく移動操作手段の作動を制御するように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1のものでは、受け渡し箇所に搬送台車を停止させた状態において、コアが適正位置に位置しているときはレーザ光源からのレーザ光を検出手段における適正な位置で受光し、コアが適正位置からずれて位置しているときはレーザ光源からのレーザ光を検出手段における適正な位置からずれた位置で受光するように、受け取り装置に備えられたレーザ光源の位置に合わせて検出手段を搬送台車に備え、制御手段にて、検出手段の検出情報としてのレーザ光の受光位置の適正な位置からのずれ量に基づいて、コアを適正位置に移動させるべく移動操作手段の作動を制御するように構成されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−063117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来のロール体用自動搬送車では、レーザ光源が受け取り装置に備えられ、検出手段が搬送台車に備えられているから、レーザ光源と検出手段とを設置する作業が受け取り装置側とロール体用自動搬送車側との両側に亘るとともに、ロール体用自動搬送車を生産設備に配備する際に、受け渡し箇所に搬送台車を停止させ且つコアを適正位置に位置させている状態においてレーザ光源からのレーザ光が検出手段の適正な位置に受光するようにレーザ光源と検出手段との位置調節を行う必要があり、ロール体用自動搬送車を生産設備に配備する作業が煩雑なものであった。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、生産設備に配備する作業の簡素化を図ることができるロール体用自動搬送車を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかるロール体用自動搬送車は、互いに近接及び離間自在な一対の装置側支持体を互いに近接させた状態で、ロール体の中心に位置するコアの両端部を前記一対の装置側支持体にて支持するように構成されている受け取り装置に対して受け渡し可能な状態でロール体を搬送台車の上方で支持する搬送車側支持体と、その搬送車側支持体に支持されたロール体の前記コアを前記搬送台車に対して移動させる移動操作手段と、ロール体を前記受け取り装置に受け渡す受け渡し箇所に前記搬送台車を停止させた状態において、前記コアの両端部を前記一対の装置側支持体にて支持可能な適正位置に前記コアを位置させるべく前記移動操作手段の作動を制御する制御手段とが前記搬送台車に備えられているものであって、その第1特徴構成は、
前記装置側支持体を撮像するための撮像装置が前記搬送台車に備えられ、前記制御手段が、前記撮像装置が撮像した撮像情報に基づいて前記コアを前記適正位置に位置させるべく前記移動操作手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0007】
すなわち、搬送台車を受け渡し箇所に停止させた状態において撮像装置にて装置側支持体を撮像し、制御手段が、その撮像装置にて撮像された画像における装置側支持体の撮像位置や、撮像された画像における装置側支持体とこれとともに撮像したコアとの相対位置情報を求めることで、実際の装置側支持体に対するコアの位置を判別することができる。従って、制御手段は、コアが適正位置に位置するように、撮像した撮像情報に基づいて移動操作手段の作動を制御することができる。
このように、制御手段が、撮像手段にて撮像した撮像情報に基づいて移動操作手段の作動を制御することにより、コアを適正位置に位置させることができるため、受け取り装置にコアを受け渡す際にコアを適正位置に位置させて一対の装置側支持体にてコアの両端部を適確に支持させることができる。
【0008】
そして、搬送台車を受け渡し箇所に停止させた状態で装置側支持体を撮像できるように撮像装置を搬送台車に備えればよいため、撮像装置を設置する作業が受取装置側に亘らないので、ロール体用自動搬送車を生産設備に配備する作業の簡素化を図ることができる。また、例えば、撮像装置をコアと一体的に移動するように搬送車に設けた場合では、装置側支持体を撮像するための撮像装置の適正な位置は、コアと撮像装置との位置関係から設定することができる等、生産設備に配備するに先立って装置側支持体を適切に撮像するように撮像装置を予め搬送台車に備えることができるため、これによっても、ロール体用自動搬送車を生産設備に配備する作業の簡素化を図ることができる。
従って、生産設備に配備する作業の簡素化を図ることができるロール体用自動搬送車を提供することができるに至った。
【0009】
本発明にかかるロール体用自動搬送車の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記撮像装置が、1つの撮像装置にて前記装置側支持体と前記コアとを同時に撮像するように前記搬送台車における前記搬送車側支持体を備える台車本体に設けられ、前記制御手段が、前記撮像装置が撮像した前記装置側支持体と前記コアとについての撮像情報に基づいて前記コアを前記適正位置に位置させるべく前記移動操作手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0010】
すなわち、搬送台車を受け渡し箇所に停止させた状態において1つの撮像装置にて装置側支持体とコアとを同時に撮像し、その1つの撮像装置にて同時に撮像した装置側支持体とコアとについての撮像情報に基づいて移動操作手段の作動を制御してコアを移動させることにより、コアを適正位置に位置させることができるため、受け取り装置にコアを受け渡す際にコアを適正位置に位置させて一対の装置側支持体にてコアの両端部を適確に支持させることができる。
説明を加えると、例えば、1つの撮像装置が装置側支持体とコアとを車体前後方向の前方側から水平方向に同時に撮像するように台車本体に備えられている場合では、コアが適正位置に位置しているときは、画像ではコアが装置側支持体に対して適正な位置に撮像され、コアが適正位置から上下方向や車体左右方向にずれているときは、画像ではコアが適正な位置から画像上下方向や画像左右方向にずれた位置に撮像される。そして、その撮像された画像における装置側支持体に対するコアの位置から、実際の装置側支持体に対するコアの上下方向や車体左右方向の位置を判別することができるので、1つの撮像装置にて装置側支持体とコアとを同時に撮像した撮像情報に基づいて移動操作手段の作動を制御することにより、コアを適正位置に位置させることができる。
【0011】
そして、1つの撮像装置にて装置側支持体とコアとを同時に撮像し、その撮像された画像における装置側支持体に対するコアの位置に基づいてコアを適正位置に位置させるべく移動操作手段の作動を制御することができるので、例えば、2つの撮像装置にて装置側支持体とコアとを個別に撮像し、その2つの撮像装置の各々の位置情報と2つの撮像装置にて撮像された画像における装置側支持体及びコアの各々の位置情報に基づいて移動操作手段の作動を制御するものと比べて、撮像装置の数が少ないため安価に構成することができ且つ制御手段による処理が簡素にすることができる。
従って、安価に構成することができ且つ制御手段による処理を簡素にすることができるロール体用自動搬送車を提供することができるに至った。
【0012】
本発明にかかるロール体用自動搬送車の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成において、前記移動操作手段が、前記コアを上下方向、車体左右方向及び車体前後方向に移動させるように構成され、前記撮像装置が、前記コアの軸心方向視において撮像方向が交差する状態に一対設けられ、前記制御手段が、前記一対の撮像装置が撮像した撮像情報に基づいて前記コアの前記適正位置からの上下方向、車体左右方向及び前記車体前後方向についてのずれ量を判別し、前記コアを前記適正位置に位置させるべく前記移動操作手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0013】
すなわち、搬送台車を受け渡し箇所に停止させた状態において一対の撮像装置にて装置側支持体を撮像し、その一対の撮像装置が撮像した撮像情報に基づいて移動操作手段の作動を制御してコアを上下方向、車体左右方向及び車体前後方向に移動させることにより、コアを適正位置に位置させることができ、その適正位置は、上下方向、車体左右方向及び車体前後方向のいずれの方向に対しても一対の装置側支持体にてコアが支持可能な適正な位置であるため、ロール体を受け取り装置に受け渡す際にコアの両端部を一対の装置側支持体にてより適確に支持することができる。
説明を加えると、例えば、一対の撮像装置夫々の位置情報と、一方の撮像装置の光軸と他方の撮像装置の光軸との間の交差角情報を制御手段に予め記憶させておき、一方の撮像装置にて撮像された画像における装置側支持体の位置と、他方の撮像装置にて撮像された画像における装置側支持体の位置と、上記一対の撮像装置の位置情報と、上記交差角情報とに基づいて、コアの適正位置からの上下方向、車体左右方向及び車体前後方向のずれ量を判別することができる。よって、一対の撮像装置にて撮像された撮像情報に基づいて移動操作手段の作動を制御することにより、上下方向、車体左右方向及び車体前後方向のいずれの方向においてもコアを適正位置に位置させることができる。そして、このようにコアを適正位置に位置させることによって、搬送台車の停止精度が高くなくても、搬送中の振動により装置側支持体に対するコアの位置がずれても、また、搬送開始前から装置側支持体に対するコアの位置がずれていても、ロール体を受け取り装置に受け渡す際にコアの両端部を一対の装置側支持体にて適確に支持することができる。
従って、上下方向、車体左右方向及び車体前後方向のいずれの方向においてもコアを適正位置に位置させることができるため、ロール体を受け取り装置に受け渡す際にコアの両端部を一対の装置側支持体にて適確に支持することができるロール体用自動搬送車を提供することができるに至った。
【0014】
本発明にかかるロール体用自動搬送車の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれか1つにおいて、前記移動操作手段が、前記コアの両端部を各別に上下方向、車体左右方向及び車体前後方向に移動させるように構成され、前記撮像装置として、前記一対の装置側支持体の一方を撮像する一方側撮像装置と他方を撮像する他方側撮像装置とが設けられ、前記制御手段が、前記一方側撮像装置が撮像した撮像情報に基づいて前記コアの一端部を前記適正位置に対応した一端部適正位置に位置させ、且つ、前記他方側撮像装置が撮像した撮像情報に基づいて前記コアの他端部を前記適正位置に対応した他端部適正位置に位置させるべく前記移動操作手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0015】
すなわち、搬送台車を受け渡し箇所に停止させた状態において一方側撮像装置にて一対の装置側支持体の一方を撮像し、その一方側撮像装置にて撮像した撮像情報に基づいて移動操作手段の作動を制御してコアの一端部を移動させることにより、コアの一端部を一端部適正位置に位置させることができる。また、搬送台車を受け渡し箇所に停止させた状態において他方側撮像装置にて一対の装置側支持体の他方を撮像し、その他方側撮像装置にて撮像した撮像情報に基づいて移動操作手段の作動を制御してコアの他端部を移動させることにより、コアの他端部を他端部適正位置に位置させることができる。
そして、コアの一端部を一端部適正位置に位置させ且つ他端部を他端部適正位置に位置させることにより、コアの傾きを変更させてコアを適正位置に位置させることができる。よって、搬送台車が受け渡し位置に停止した際にコアが適正姿勢(適正位置に位置するコアの姿勢)に対して傾いていたとしても、その傾きを解消するべくコアの姿勢を修正することでコアの姿勢を適正姿勢としてコアを適正位置に位置させることができるため、ロール体を受け取り装置に受け渡す際にコアの両端部を一対の装置側支持体にてより適確に支持することができる。
従って、適正姿勢に対して傾いたコアの姿勢を修正してコアを適正位置に位置させることができるため、ロール体を受け取り装置に受け渡す際にコアの両端部を一対の装置側支持体にてより適確に支持することができるロール体用自動搬送車を提供することができるに至った。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】搬送台車の斜視図
【図2】搬送台車の側面図
【図3】搬送台車の正面図
【図4】ロール体と一対の装置側支持体とを示す図
【図5】正面視用撮像装置による正面視画像を示す図
【図6】斜視用撮像装置による斜視画像を示す図
【図7】一方の支持ピンとコアの一端部とを示す図
【図8】制御ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るロール体用自動搬送車1の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1〜図3に示すように、ロール体用自動搬送車1は、印刷原紙や各種フィルム原反の表面に印刷や塗布を行う生産機等に設けられた受け取り装置としてのチャッキング装置2にロール体Aを受け渡すべく生産設備に配備されており、床面に敷設された誘導ラインに沿って受け渡し箇所まで自動走行し、受け渡し箇所においてロール体Aをチャッキング装置2に受け渡すように構成されている。
ちなみに、ロール体用自動搬送車1の受け渡し箇所への走行は、図1に示すように矢印方向からの前進により移動する。また、ロール体Aは、コアaと、そのコアaに巻回された紙やフィルム等のシート材bとで構成されており、そのロール体Aの中心に位置するコアaはシート材bから軸心方向両側に突出している。
【0018】
ロール体用自動搬送車1について説明する前に、まず、生産設備のチャッキング装置2について説明する。
生産設備のチャッキング装置2は、長手方向の中心に位置する回転軸心周りに回転自在な一対の回転アーム4と、ロール体Aを支持して回転アーム4と一体的に回転移動する支持具5とを備えて構成されている。支持具5は、一対の回転アーム4の夫々における長手方向の端部に支持された一対の装置側支持体としての支持ピン6を備えて構成され、これら一対の支持ピン6にてコアaの両端部を各別に支持することによりロール体Aを支持するように構成されている。また、支持具5(一対の支持ピン6)は、一対の回転アーム4を回転位相が一致した状態で回転及び停止されることにより、受け取り位置(図2における回転アーム4の回転軸心の左下の位置)と処理位置(図2における回転アーム4の回転軸心の右上の位置)とに位置切り換えされる。支持具5を受け取り位置に位置させた状態ではロール体用自動搬送車1からロール体Aを受け取り、支持具5を処理位置に位置させた状態では支持しているロール体Aからシート材bが繰り出されてそのシート材bに対して生産機にて印刷や塗布等の処理が行われる。
そして、回転アーム4における長手方向の両端部夫々に支持ピン6が設けられており、支持具5は、一方の支持具5が受け取り位置に位置している状態では他方の支持具5が処理位置に位置するように一対設けられている。
【0019】
図4に示すように、一対の支持ピン6は、図外の電動モータの作動により互いに近接及び離間自在に回転アーム4に支持されている。そして、コアaの両端部を一対の支持ピン6にて支持可能な適正位置にコアaを位置させ且つ支持具5を受け取り位置に位置させた状態で、離間させた状態(図4(a)参照)の支持ピン6を近接させた状態(図4(b))とすることにより、一対の支持ピン6にてコアaの両端部が支持され、近接させた状態の支持ピン6を離間させた状態とすることにより、一対の支持ピン6によるコアaの両端部に対する支持は解除される。
支持ピン6の夫々の先端部は、その外形がコアaの内径より小径な円柱形状に形成されており、一対の支持ピン6を互いに近接させた状態とすることにより支持ピン6の先端部がコアa内に挿入される。また、支持ピン6の先端部は、小径な円柱形状から大径化するように構成されており、先端部がコアa内に挿入させた状態で支持ピン6の先端部を大径化させることにより支持ピン6にてコアaの端部が支持される。
ちなみに、一対の支持ピン6の近接及び離間方向及び回転アーム4の回転軸心の方向は、適正位置に位置するコアaの軸心(ロール体Aの軸心)が沿う方向と同じ方向である。また、コアaの適正位置は、具体的には、受け取り位置に位置する一対の支持ピン6の軸心が直線上に並ぶ状態では、それら一対の支持ピン6の軸心とコアaの軸心とが軸心方向に直線状に並ぶ位置である。
【0020】
次に、ロール体用自動搬送車1について説明する。
図1〜図3に示すように、ロール体用自動搬送車1は、ロール体Aを搬送台車8の上方で支持する搬送車側支持体としての載置台9と、その載置台9に支持されたロール体Aのコアaを搬送台車8に対して移動させる移動操作手段10と、チャッキング装置2の支持ピン6を撮像するための撮像装置11と、撮像装置11にて撮像された撮像情報に基づいて移動操作手段10の作動を制御する制御手段としての制御装置Hと、走行用車輪13を備えた台車本体12とを搬送台車8に備えて構成されている。
ちなみに、搬送台車8は、台車本体12に載置台9、移動操作手段10、撮像装置11及び制御装置Hを備えて構成されている。
【0021】
載置台9は、コアaにおけるシート材bから突出した両端部を各別に支持するように車体左右方向に一対並べて設けられており、一対の載置台9の夫々は、その上端部が車体左右方向視でV字状に形成されており、そのV字状の上端部にコアaの端部を載置支持することにより、ロール体Aを載置台9に対して位置固定状態で載置支持するように構成されている。
そして、載置台9は、上述のようにコアaの端部を載置支持するように構成されているため、載置台9に支持されたコアa内に横側方から支持ピン6の先端部を挿入可能であり、チャッキング装置2に対して受け渡し可能な状態でロール体Aを支持している。
【0022】
移動操作手段10は、台車本体12に対して車体左右方向及び車体前後方向にスライド移動自在なスライドテーブル14と、このスライドテーブル14に固定状態で立設され且つ上端部に載置台9を上下方向に移動自在に支持する昇降支持アーム15とを備えて構成されている。昇降支持アーム15は、一対の載置台9を各別に昇降自在に支持するべく車体左右方向に一対並べて設けられており、スライドテーブル14は、一対の昇降支持アーム15を各別に支持するように車体左右方向に一対並べて設けられている。
つまり、移動操作手段10は、一対のスライドテーブル14を各別に車体左右方向及び車体前後方向にスライド移動させることにより、一対の昇降支持アーム15ひいては一対の載置台9を各別に車体左右方向及び車体前後方向に移動させることができ、一対の昇降支持アーム15にて一対の載置台9を各別に上下方向に移動させることができるように構成されている。
このように、移動操作手段10は、一対の載置台9を移動させることにより、コアaを移動させるように構成されている。具体的には、一対の載置台9を一体的に移動させることにより、コアaの姿勢を維持した状態でコアaの両端部を台車本体12に対して上下方向、車体左右方向及び車体前後方向に移動させるように構成されている。また、移動操作手段10は、一対の載置台9を各別に上下方向、車体左右方向及び車体前後方向に各別に移動させることにより、コアaの両端部を台車本体12に対して各別に上下方向、車体左右方向及び車体前後方向に移動させて、コアaの姿勢を変更させるように構成されている。
【0023】
撮像装置11は、搬送台車8を受け渡し箇所に停止させた状態において、1つの撮像装置11にて支持ピン6とコアaとを同時に一つの撮像範囲内に収めて撮像するように台車本体12に備えられている。
そして、撮像装置11として、搬送台車8を受け渡し箇所に停止させた状態において一対の支持ピン6の一方とコアaの一端部とを撮像する一方側正面用撮像装置11a及び一方側斜視用撮像装置11bと、搬送台車8を受け渡し箇所に停止させた状態において一対の支持ピン6の他方とコアaの他端部とを撮像する他方側正面用撮像装置11c及び他方側斜視用撮像装置11dとの計4台が台車本体12に備えられている。
これら4台の撮像装置11の夫々は、台車本体12に固定状態に立設された支持棒16の上端部に高さ調節並びに向き調節可能に支持されている。
一方側撮像用撮像装置11aと一方側斜視用撮像装置11bとの一対、並びに、他方側正面用撮像装置11cと他方側斜視用撮像装置11dとの一対は、コアaの軸心方向視において撮像方向が交差する状態に設けられている。
ちなみに、一方側撮像用撮像装置11a及び一方側斜視用撮像装置11bが一方側撮像装置に相当し、他方側正面用撮像装置11c及び他方側斜視用撮像装置11dが他方側撮像装置に相当する。また、コアaの軸心方向視の軸心方向とは、受け取り位置に位置する一対の支持ピン6に対応する適正位置に位置しているコアaの軸心方向であり、搬送台車8が受け渡し位置に停止した状態における車体左右方向と同じ方向となる。
【0024】
図1〜図3に示すように、一方側正面用撮像装置11aは、移動操作手段10にて移動するコアaより後方で且つ移動操作手段10にて移動するコアaの上下移動範囲内の高さに位置し、一方側の載置台9よりも車体左右方向の外方側に位置するように、台車本体12における車体左右方向一端側の後部に備えられている。また、一方側斜視用撮像装置11bは、移動操作手段10にて移動するコアaより下側前方に位置し、一方側の載置台9よりも車体左右方向の外方側に位置するように、台車本体12における車体左右方向一端側の前部に備えられている。また、他方側正面用撮像装置11cは、移動操作手段10にて移動するコアaより後方で且つ移動操作手段10にて移動するコアaの上下移動範囲内の高さに位置し、他方側の載置台9よりも車体左右方向の外方側に位置するように、台車本体12における車体左右方向他端側の後部に備えられている。また、他方側斜視用撮像装置11dは、移動操作手段10にて移動するコアaより下側前方に位置し、他方側の載置台9よりも車体左右方向の外方側に位置するように、台車本体12における車体左右方向他端側の前部に備えられている。
【0025】
そして、一方側正面用撮像装置11a及び他方側正面用撮像装置11cは、その撮像方向が水平前方に向けて撮像する姿勢で設けられている。一方側斜視用撮像装置11b及び他方側斜視用撮像装置11dは、その撮像方向が斜上後方に向けて撮像する姿勢で設けられている。
また、一方側正面用撮像装置11a及び一方側斜視用撮像装置11bは、搬送台車8が受け渡し箇所に停止させた状態で、受け取り位置に位置する一方側の支持ピン6の先端部と適正位置のコアaの一端部とを撮像するよう設けられている。他方側正面用撮像装置11c及び他方側斜視用撮像装置11dは、搬送台車8が受け渡し箇所に停止させた状態で、受け取り位置に位置する他方側の支持ピン6の先端部と適正位置のコアaの他端部とを撮像するよう設けられている。
ちなみに、図5は、一方側正面用撮像装置11aにて撮像された画像であり、図6は、一方側斜視用撮像装置11bにて撮像された画像である。
【0026】
一方側正面用撮像装置11a及び一方側斜視用撮像装置11bによる支持ピン6の撮像について説明を加えると、図5及び図6に実線で示すように、一方側の支持ピン6が受け取り位置に位置し、且つ、搬送台車8が受け渡し箇所に停止しているとき撮像することにより、一方側正面用撮像装置11aにて撮像された画像(以下、正面視画像と称する)や、一方側斜視用撮像装置11bにて撮像された画像(以下、斜視画像と称する)においては一方側の支持ピン6の先端部が適正な位置に適正な大きさで撮像される。
そして、図5及び図6に仮想線で示すように、一方側の支持ピン6が受け取り位置からずれて位置している又は搬送台車8が受け渡し箇所からずれて停止する又は搬送中の振動によってコアaが載置台9にて適正な支持位置からずれて支持されている等により、一方側の支持ピン6と搬送台車8とが相対的に上下方向又は車体左右方向にずれているときは、正面視画像や斜視画像においては一方側の支持ピン6の先端部が適正な位置から画像上下方向又は画像左右方向にずれて撮像され、一方側の支持ピン6と搬送台車8とが相対的に車体前後方向にずれているときは、正面視画像や斜視画像においては一方側の支持ピン6の先端部が適正な大きさより小さく又は大きく撮像される。
【0027】
また、一方側正面用撮像装置11a及び一方側斜視用撮像装置11bによるコアaの一端部の撮像について説明を加えると、図5及び図6に実線で示すように、一方側の支持ピン6が受け取り位置に位置し、搬送台車8が受け渡し箇所に停止し、且つ、コアaが適正位置に位置しているときは、正面視画像及び斜視画像においてはコアaの一端部が適正な位置に適正な大きさで撮像される。
そして、図5及び図6に仮想線で示すように、コアaが適正位置から上下方向や車体左右方向にずれて位置しているときや、コアaは適正位置に位置しているものの一方側の支持ピン6と搬送台車8とが相対的に上下方向や車体左右方向にずれることによりコアaの適正位置が搬送台車8に対して上下方向や車体左右方向にずれているときは、正面視画像及び斜視画像においてはコアaの一端部が適正な位置から画像上下方向や画像左右方向にずれて撮像され、コアaが適正位置から車体前後方向にずれているときやコアaの適正位置が搬送台車8に対して車体前後方向にずれたときは、正面視画像や斜視画像においてはコアaの一端部が適正な大きさより小さく又は大きく撮像される。
【0028】
尚、他方側正面用撮像装置11c及び他方側斜視用撮像装置11dは、一方側正面用撮像装置11a又は一方側斜視用撮像装置11bが一方側の支持ピン6の先端部とコアaの一方部とを撮像するのと同様に、他方側の支持ピン6の先端部とコアaの他端部とを撮像するため、他方側正面用撮像装置11c及び他方側斜視用撮像装置11dによる撮像についての説明は省略する。
【0029】
制御装置Hは、搬送台車8を誘導ラインに沿って走行させて受け渡し箇所まで自動走行させるべく台車本体12の作動を制御し、搬送台車8を受け渡し箇所に停止させた状態において、4台の撮像装置11を同時に作動させてその4台の撮像装置11の夫々にて支持ピン6とコアaとを一つの撮像範囲内に収まる状態で撮像させるべく撮像装置11の作動を制御し、且つ、4台の撮像装置11にて撮像された撮像情報に基づいて適正位置にコアaを位置させるべく移動操作手段10の作動を制御するように構成されている。ちなみに、図8はロール体用自動搬送車の制御ブロック図である。
【0030】
上述した制御装置Hによる移動操作手段10の作動の制御を図7に基づいて説明すると、一方側正面用撮像装置11a及び一方側斜視用撮像装置11bにて撮像された撮像情報に基づいて、コアaの一端部における一端部適正位置a’に対する上下方向のずれ量y、車体左右方向のずれ量z、及び、車体前後方向のずれ量xを求め、このコアaの一端部のずれ量x,y,zに基づいて一方の載置台9を上下方向、車体左右方向及び車体前後方向に移動させて、コアaの一端部を一端部適正位置a’に位置させる。また、他方側正面用撮像装置11c及び他方側斜視用撮像装置11dにて撮像された撮像情報に基づいて、コアaの他端部における他端部適正位置a’に対する上下方向のずれ量y、車体左右方向のずれ量z、及び、車体前後方向のずれ量xを求め、このコアaの他端側のずれ量x,y,zに基づいて他方の載置台9を上下方向、車体左右方向及び車体前後方向に移動させて、コアaの他端部を他端部適正位置に位置させる。
このようにして、制御装置Hにより移動操作手段10の作動を制御することにより、コアaの一端部を一端部適正位置に位置させ、コアaの他端部を他端部適正位置に位置させて、コアaを適正位置に位置させることができる。
【0031】
コアaの一端部における一端側適正位置a’に対する上下方向及び車体前後方向のずれ量xは次のようにして求められる。
つまり、一方側正面用撮像装置11aにて撮像された画像情報に基づいて、正面視画像における支持ピン6の上辺位置及び下辺位置から正面視画像における支持ピン6の軸心位置P1の画像上下方向での位置が求められ、一方側斜視用撮像装置11bにて撮像された画像情報に基づいて、斜視画像における支持ピン6の上辺位置及び下辺位置から斜視画像における支持ピン6の軸心位置P1の画像上下方向での位置が求められる。そして、正面視画像における画像上下方向での支持ピン6の軸心位置P1、斜視画像における画像上下方向での支持ピン6の軸心位置P1、予め設定された一方側正面用撮像装置11aと一方側斜視用撮像装置11bとの交差角情報、及び、予め設定された一方側正面用撮像装置11aと一方側斜視用撮像装置11bとの夫々の位置情報に基づいて、一方の支持ピン6の軸心の台車本体12に対する上下方向及び車体前後方向の位置が求められる。
また、一方側正面用撮像装置11aにて撮像された画像情報に基づいて、正面視画像におけるコアaの上辺位置及び下辺位置から正面視画像におけるコアaの軸心位置P2の画像上下方向での位置が求められ、一方側斜視用撮像装置11bにて撮像された画像情報に基づいて、斜視画像におけるコアaの上辺位置及び下辺位置から斜視画像におけるコアaの軸心位置P2の画像上下方向での位置が求められる。そして、正面視画像における画像上下方向でのコアaの軸心位置P2、斜視画像における画像上下方向でのコアaの軸心位置P2、及び、予め設定された交差角情報に基づいて、コアaの一端部の軸心の走行台車12に対する上下方向及び車体前後方向の位置が求められる。
そして、上述のように求められた一方の支持ピン6の軸心位置P1とコアaの一端部の軸心位置P2とに基づいて、コアaの一端部における一方の支持ピン6に対する上下方向のずれ量y及び車体前後方向のずれ量x、つまりは、コアaの一端部における一端側基準位置a’からの上下方向のずれ量y及び車体前後方向のずれ量xが求められる。
ちなみに、一方側正面用撮像装置11a及び一方側斜視用撮像装置11bの夫々は、光軸が鉛直面に沿うように設けられている。
【0032】
また、コアaの一端部における一端側適正位置a’に対する車体左右方向のずれ量zは次のようにして求められる。
つまり、一方側正面用撮像装置11aにて撮像された画像情報に基づいて、正面視画像における支持ピン6の先端位置から正面視画像における画像左右方向での支持ピン6の位置が求められ、一方側正面用撮像装置11aにて撮像された画像情報に基づいて、正面視画像におけるコアaの先端位置から正面視画像における画像左右方向でのコアaの位置が求められる。これら正面視画像における画像左右方向での支持ピン6の位置、及び、正面視画像における画像左右方向でのコアaの位置に基づいて、一方の支持ピン6に対するコアaの一端部の車体左右方向でのずれ量が求められ、これからコアaの一端部における一端側基準位置a’からの車体左右方向のずれ量zが求められる。
【0033】
尚、コアaの他端部における他端側適正位置に対する上下方向、車体左右方向及び車体前後方向のずれ量は、コアaの一端部における一端側適正位置に対する上下方向、車体左右方向及び車体前後方向のずれ量x,y,zと同様に求められるため、説明は省略する。また、他方側正面視撮像装置11c及び他方側斜視用撮像装置11dの夫々は、光軸が鉛直面に沿うように設けられ、且つ、これらの光軸の交差角は一方側正面視撮像装置11aの光軸と一方側斜視用撮像装置11bの光軸との交差角と同じになるように設けられている。
【0034】
そして、制御装置Hは、移動操作手段10の作動を制御してコアaを適正位置に位置させた後、図外の通信手段にて受け渡し準備完了の信号をチャッキング装置2に送信する。チャッキング装置2は、受け渡し準備完了の信号を受信すると、受け取り位置に位置する一対の支持ピン6を近接させ、その後、一対の支持ピン6の先端部の夫々をエアー封入等により大径化させてロール体Aの両端部を支持する。
【0035】
〔別実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、移動操作手段10を、コアaの両端部を各別に移動させてコアaの移動に加えてコアaの姿勢を変更可能に構成し、撮像装置11として、コアaの軸心方向視において撮像方向が交差する状態に設けられた一方側正面用撮像装置11aと一方側斜視用撮像装置11bとの一対の一方側撮像装置と、同じくコアaの軸心方向視において撮像方向が交差する状態に設けられた他方側正面用撮像装置11cと他方側斜視用撮像装置11dとの一対の他方側撮像装置とを設け、制御手段Hを、一方側撮像装置の撮像情報に基づいてコアaの一端部を上下方向、車体左右方向及び車体前後方向に移動させて一端部適正位置にコアaの一端部を位置させ、且つ、他方側撮像装置の撮像情報に基づいてコアaの他端部を上下方向、車体左右方向及び車体前後方向に移動させて他端部適正位置にコアaの他端部を位置させて、コアaを適正位置に位置させるべく移動操作手段10の作動を制御するように構成したが、これら移動操作手段10、撮像装置11及び制御手段Hの構成は適宜変更しても良い。
【0036】
つまり、例えば、移動操作手段10を、コアの両端部aを一体的に上下方向、車体左右方向及び車体前後方向に移動させて姿勢を維持させた状態でのコアaの移動のみを可能に構成し、撮像装置11として、コアaの軸心方向視において撮像方向が交差する状態に設けられた一方側正面用撮像装置11aと一方側斜視用撮像装置11bとを設け、制御手段Hを、一方側正面用撮像装置11aと一方側斜視用撮像装置11bとの撮像情報に基づいてコアaの両端部を一体的に上下方向、車体左右方向及び車体前後方向に移動させてコアaを適正位置に位置させるべく移動操作手段10の作動を制御するように構成してもよい。
【0037】
また、例えば、撮像装置11として、一方側正面用撮像装置11aと他方側正面用撮像装置11cとの正面用撮像装置のみを設ける。そして、制御手段Hを、一方側正面用撮像装置11aにて撮像された正面視画像におけるコアaと支持ピン6との画像上下方向及び画像左右方向の位置並びに大きさを判別し、他方側正面用撮像装置11cにて撮像された正面視画像におけるコアaと支持ピン6との画像上下方向及び画像左右方向の位置並びに大きさを判別し、これらの一方側正面用撮像装置11aの撮像情報に基づいてコアaの一端部を一端部適正位置に位置させ、且つ、他方側正面用撮像装置11cの撮像情報に基づいてコアaの他端部を他端部適正位置に位置させて、コアaを適正位置に位置させるべく移動操作手段10の作動を制御するように構成してもよい。
【0038】
要するに、移動操作手段10を、コアaの両端部を各別に上下方向、車体左右方向及び車体前後方向に移動自在に構成したが、移動操作手段10を、コアaの両端部を一体的に上下方向、車体左右方向及び車体前後方向に移動自在に構成してもよく、また、コアaの両端部を上下方向、車体左右方向及び車体前後方向のうちの一方向又は二方向に移動自在に構成してもよい。
また、撮像装置11として4台の撮像装置を設けたが、撮像装置11として4台の撮像装置のうちの1台又は2台或いは3台の撮像装置を設けてもよい。
【0039】
(2) 上記実施の形態では、1つの撮像装置11にて装置側支持体6とコアaとを同時に撮像するように設けたが、1つの撮像装置11にて装置側支持体6とコアaとのうちの一方を撮像し、その後、その1つの撮像装置11の撮像方向を変更させる又は移動させて、装置側支持体6とコアaとのうちの他方を撮像するようにして、1つの撮像装置11にて装置側支持体6とコアaとを時間をずらして撮像するようにしてもよい。
また、撮像装置11を、装置側支持体6を撮像するための装置用の撮像機とコアaを撮像するためのコア用の撮像機とを備えて構成し、これら2つの撮像機にて装置側支持体6とコアaとを各別に同時に又は時間をずらして撮像するようにしてもよい。
【0040】
(3) 上記実施の形態では、制御手段Hを、正面用撮像装置(一方側正面用撮像装置11aや他方側正面用撮像装置11c)にて撮像された撮像情報に基づいて、適正位置に対するコアaの車体左右方向のずれ量zを求め、正面用撮像装置11a,11cにて撮像された撮像情報と斜視用撮像装置(一方側斜視用撮像装置11bや他方側斜視用撮像装置11d)にて撮像された撮像情報との両方の撮像情報に基づいて、適正位置に対するコアaの上下方向のずれ量y及び車体前後方向ずれ量xを求めるように構成したが、例えば、制御手段Hを、正面用撮像装置11a,11cにて撮像された撮像情報に基づいて、適正位置に対するコアaの上下方向のずれ量y及び車体左右方向のずれ量zを求め、正面用撮像装置11a,11cにて撮像された撮像情報と斜視用撮像装置11b,11dにて撮像された撮像情報との両方の撮像情報に基づいて、適正位置に対するコアaの車体前後方向のずれ量xを求めるように構成する等、制御手段Hの構成は適宜変更してもよい。
【0041】
(4) 上記実施の形態では、撮像装置11を台車本体12に設けたが、撮像装置11が搬送車側支持体9と一体的に移動するように撮像装置11を搬送車側支持体9に備えてもよい。
このように搬送車側支持体9に撮像装置11を設けた場合では、撮像装置11を、装置側支持体6とコアaとのうちのコアaのみを撮像するように設け、制御手段Hを、撮像装置11にてコアaのみが撮像された撮像情報に基づいて適正位置にコアaを位置させるべく移動操作手段10の作動を制御するように構成することができる。
【0042】
(5) 上記実施の形態では、コアaの軸心方向視において撮像方向が交差する一対の撮像装置11として、正面用撮像装置と斜視用撮像装置とを設けたが、一対の撮像装置11の位置や向きは適宜変更可能である。
つまり、例えば、一対の撮像装置11として、移動操作手段10にて移動するコアaより下側前方に位置して斜上後方に向けて撮像する姿勢で設けられた撮像装置11(一方側斜視用撮像装置11bや他方側斜視用撮像装置11d)と移動操作手段10にて移動するコアaより下側後方に位置して斜上前方に向けて撮像する姿勢で設けられた撮像装置11とを設けてもよく、また、移動操作手段10にて移動するコアaより後方で且つ移動操作手段10により移動するコアaの上下範囲内に位置して水平前方に向けて撮像する姿勢で設けられている撮像装置(一方側正面用撮像装置11aや他方側正面用撮像装置11c)と移動操作手段10にて移動するコアaより下方で且つ移動操作手段10により移動するコアaの車体前後範囲内に位置して鉛直上方に向けて撮像する姿勢で設けられている撮像装置11とを設けてもよい。
【0043】
(6) 上記実施の形態では、搬送台車8を、床面に敷設された誘導ラインに沿って自動走行する無軌道式に構成したが、搬送台車8を、床面に敷設されたガイドレールに案内される形態でガイドレールに沿って自動走行する有軌道式に構成してもよい。
【符号の説明】
【0044】
2 受け取り装置
6 装置側支持体
8 搬送台車
9 搬送車側支持体
10 移動操作手段
11 撮像装置
11a,11b 一方側撮像装置(一対の撮像装置)
11c,11d 他方側撮像装置(一対の撮像装置)
12 台車本体
A ロール体
a コア
H 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに近接及び離間自在な一対の装置側支持体を互いに近接させた状態で、ロール体の中心に位置するコアの両端部を前記一対の装置側支持体にて支持するように構成されている受け取り装置に対して受け渡し可能な状態でロール体を搬送台車の上方で支持する搬送車側支持体と、その搬送車側支持体に支持されたロール体の前記コアを前記搬送台車に対して移動させる移動操作手段と、ロール体を前記受け取り装置に受け渡す受け渡し箇所に前記搬送台車を停止させた状態において、前記コアの両端部を前記一対の装置側支持体にて支持可能な適正位置に前記コアを位置させるべく前記移動操作手段の作動を制御する制御手段とが前記搬送台車に備えられているロール体用自動搬送車であって、
前記装置側支持体を撮像するための撮像装置が前記搬送台車に備えられ、
前記制御手段が、前記撮像装置が撮像した撮像情報に基づいて前記コアを前記適正位置に位置させるべく前記移動操作手段の作動を制御するように構成されているロール体用自動搬送車。
【請求項2】
前記撮像装置が、1つの撮像装置にて前記装置側支持体と前記コアとを同時に撮像するように前記搬送台車における前記搬送車側支持体を備えた台車本体に設けられ、
前記制御手段が、前記撮像装置が撮像した前記装置側支持体と前記コアとについての撮像情報に基づいて前記コアを前記適正位置に位置させるべく前記移動操作手段の作動を制御するように構成されている請求項1記載のロール体用自動搬送車。
【請求項3】
前記移動操作手段が、前記コアを上下方向、車体左右方向及び車体前後方向に移動させるように構成され、
前記撮像装置が、前記コアの軸心方向視において撮像方向が交差する状態に一対設けられ、
前記制御手段が、前記一対の撮像装置が撮像した撮像情報に基づいて前記コアの前記適正位置からの上下方向、車体左右方向及び前記車体前後方向についてのずれ量を判別し、前記コアを前記適正位置に位置させるべく前記移動操作手段の作動を制御するように構成されている請求項1又は2記載のロール体用自動搬送車。
【請求項4】
前記移動操作手段が、前記コアの両端部を各別に上下方向、車体左右方向及び車体前後方向に移動させるように構成され、
前記撮像装置として、前記一対の装置側支持体の一方を撮像する一方側撮像装置と他方を撮像する他方側撮像装置とが設けられ、
前記制御手段が、前記一方側撮像装置が撮像した撮像情報に基づいて前記コアの一端部を前記適正位置に対応した一端部適正位置に位置させ、且つ、前記他方側撮像装置が撮像した撮像情報に基づいて前記コアの他端部を前記適正位置に対応した他端部適正位置に位置させるべく前記移動操作手段の作動を制御するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のロール体用自動搬送車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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