説明

ロール式たわし

【課題】たわし布体を巻いてロール状にしたとき安定した形状を保持することができ、且つ全体強度を向上し、清掃目的に応じて必要な大きさにたわしの布体を切り取ることができるロール式たわしを提供すること。
【解決手段】布体上に一度のみ接着可能な接着剤を添加し、布体を巻いてロール状にしたとき安定した形状を保持することができ、前記布体上に点状形式の融着線をプレスで設けて布体繊維間の強度を向上し、且つ融着線間で相互に複数の矩形図案を形成し、さらに切り取り線が設けられ、使用者が自ら清掃物品の大きさに応じて必要な長さのたわし布体を切り離すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロール式たわしに関し、特に便利に取り出して使用することができるたわしに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に日常生活の中で、キッチン用品やトイレ浴室設備、食器、壁面、床板及び比較的除去しにくい汚れや垢などに対し、通常たわしを使用して清掃用具としている。
たわしは価格が低廉で種類が多いため、各家庭において欠かせない清掃用具となっている。
しかしながら、図1と図2に示すように、一般的に市場で販売されているたわし1は通常規格や大小がさまざまであり、使用者が前記たわし1を使用して清掃しようとするとき、別途必要に応じてはさみやナイフで適切な寸法に裁断する必要があり、往々にして使用者の使用上不便となっている。
さらに、一般的な従来のたわし1はそのものの構造を強化していないため、通常使用寿命が比較的短く、使用者が頻繁に購買して交換する必要が生じる。
特に、たわしは破れるまで使用してから捨てられることが多く、重大な衛生的問題を生んでいる。これは一般のたわしの材質が比較的厚く、単価が高いため、使い捨て用品として適していないためである。
且つ、従来のたわしの多くが折り畳まれて販売されており、布体上に折り痕が付きやすく、布体を平らに保つため裁断時にこの折り痕に沿って切る必要が生じ、裁断の大きさが制限されてしまう。
また、ロール方式でたわしを保存すると、たわしの膨らむ特性によってそのロール形状を保つことが困難であり、保存及び使用上の問題となってしまう。
このため、上述の問題をいかに排除するかが本発明が解決しようとする技術的問題点である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上述した欠点に鑑みて成されたもので、使用者が必要な長さと大きさに切り離して使用することができる、ロール式たわしの開発に至ったものである。
【0004】
本発明の主な目的は、布体上に一度のみ接着可能な接着剤を添加し、布体を巻いてロール状にしたとき安定した形状を保持することができ、且つ前記布体上に熱溶融で形成した点状形式の融着線をプレスして設け、全体強度を向上し、且つ、複数の矩形図案を形成すると共に、布体上に切り取り線を設け、使用者が自ら必要な長さに切ることができ、これにより清掃を行う物品の大きさに応じて必要なたわしの布体を切り取ることができる、ロール式たわしを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本願の第1の発明は、たわしをロール状に巻いて成るロール式たわしであって、前記たわしの布体上に切り取り線が設けられ、使用者が必要な大きさに基づいて切り離す長さを決定し、便利に切り離して使用することができ、前記布体上に一度のみ接着可能な接着剤が添加され、前記布体をロール状に巻いたとき安定した形状を保持することができ、さらに前記布体上に複数の点状形式の融着線が設けられ、これにより布体繊維間の結合強度が向上されて使用時に繊維の解れや分離が発生せず、また前記点状形式の融接線が相互に交差して複数の幾何図案を形成し、布体が融着線箇所で下に凹み、布体の使用時に摩擦力を前記複数の幾何図案上に集中させて汚れを前記複数の融着線の下方向に凹んだ空間内に入り込ませ、清掃効果を向上できるよう構成したことを特徴とする、ロール式たわしを提供する。
本願の第2の発明は、前記一度のみ接着可能な接着剤がアクリルゲルとラテックスの混合物または低溶融繊維であることを特徴とする、前記第1の発明のロール式たわしを提供する。
本願の第3の発明は、前記点状形式の融着線が複数の熱溶融点から成ることを特徴とする、前記第1の発明のロール式たわしを提供する。
本願の第4の発明は、前記複数の幾何図案が矩形であることを特徴とする、前記第1の発明のロール式たわしを提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明にあっては使用者が必要に応じて自らたわし布体3の長さを決定できるため、清掃作業時に清掃物品の大きさによって必要なたわし布体3を切り離して使用することができ、使い捨てにしたとしても浪費の問題がなく、また衛生を維持することができ、特に医療環境や洗浄衛生が非常に重視される場合に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の最良の実施例と図面に基づき本発明の特徴と機能を以下に詳細に説明する。
【0008】
図3と図4に本発明に係るロール式たわし2の立体外観図と部分拡大図を示す。
これらの図面からはっきりと分かるように、ロール式たわし2は複数の布体3から成る。
前記布体3の材質は不織布、ポリエステル繊維、或いはPETの何れかひとつの素材、または複数の素材の組合わせが使用可能である。
前記布体3には複数の切り取り線31が設けられている。
且つ熱溶融で形成された複数の融着線32がプレスで設けられている。
且つ、布体3表面にはアクリルゲルとラテックス混合物または低溶融繊維の一度のみ接着可能な接着剤33が添加されていて、布体3を生産時に巻いてロール状にした後、その安定した形状を保持できるようにする。
【0009】
続いて図5と図6には本発明の最良の実施例図を示す。
これらの図面からはっきりと分かるように、ロール式たわし2を使用者が使用するときには、布体3上に複数の切り取り線31が設けられているため、使用者は清掃物品の大きさに合わせて切り離す方式で自ら布体3の長さを決定し、はさみやナイフを必要とせずに切断することができる。
前記布体3にはアクリルゲルとラテックス混合物または低溶融繊維の一度のみ接着可能な接着剤33が添加されているため、布体3を普段保管しておき使用しないときは、ロール状の安定した形状を保持することができるとともに、ロールが解けたり散乱したりすることがない。
使用者が布体3をロール形状から開くと、前記一度のみ接着可能な接着剤33はすぐにその粘着力を失い、前記布体3がべたつくことはない。
前記布体3上には熱溶融で形成した点状形式の融着線32が設けられているため、布体3繊維間の結合強度が向上され、使用寿命を延長することができ、使用時に布体3の繊維が解れたり、分離したりすることがない。
且つ、融着線32は相互に交差した複数の矩形の幾何図案(模様)が形成されている。
布体3が融着線32の箇所で下に凹み、布体3の使用時に摩擦力を前記矩形図案の区域内に集中させて汚れや垢を前記矩形図案を形成している下方向に凹んだ融着線32内に入り込ませて、布体3の清掃効果を向上することができる。
【0010】
以上説明したように、本発明にあっては使用者が必要に応じて自らたわし布体3の長さを決定できるため、清掃作業時に清掃物品の大きさによって必要なたわし布体3を切り離して使用することができ、使い捨てにしたとしても浪費の問題がなく、また衛生を維持することができ、特に医療環境や洗浄衛生が非常に重視される場合に適用することができる。
【0011】
以上の説明は本発明の最良の実施例について述べたものであり、本発明の範囲を制限するものではなく、本発明の明細書及び図面の内容を運用した同等の効果を有する構造を直接または間接的にその他関連技術領域に運用したものはすべて本発明に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来技術の立体図である。
【図2】従来技術の実施例図である。
【図3】本発明の立体図である。
【図4】本発明の部分拡大図である。
【図5】本発明の実施例の説明図である。
【図6】本発明の実施例の説明図である。
【符号の説明】
【0013】
1 たわし
2 ロール式たわし
3 布体
31 切り取り線
32 融着線
33 一度のみ接着可能な接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
たわしをロール状に巻いて成るロール式たわしであって、
使用者が必要な大きさに基づいて切り離す長さを決定し、便利に切り離して使用することができるように前記たわしの布体上に切り取り線が設けられ、
前記布体をロール状に巻いたとき安定した形状を保持することができるように前記布体上に一度のみ接着可能な接着剤が添加され、
前記布体上に複数の点状形式の融着線が設けられ、これにより布体繊維間の結合強度が向上されて使用時に繊維の解れや分離が発生せず、
前記点状形式の融着線が相互に交差して複数の幾何図案を形成し、布体が融着線箇所で下に凹み、布体の使用時に摩擦力を前記複数の幾何図案上に集中させて汚れを前記複数の融着線の下方向に凹んだ空間内に入り込ませ、清掃効果を向上できるよう構成したことを特徴とする、
ロール式たわし。
【請求項2】
前記一度のみ接着可能な接着剤がアクリルゲルとラテックスの混合物または低溶融繊維であることを特徴とする、請求項1に記載のロール式たわし。
【請求項3】
前記点状形式の融着線が複数の熱溶融点から成ることを特徴とする、請求項1に記載のロール式たわし。
【請求項4】
前記複数の幾何図案が矩形であることを特徴とする、請求項1に記載のロール式たわし。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−160368(P2009−160368A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−111420(P2008−111420)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【出願人】(506276860)
【Fターム(参考)】