説明

ロール装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はローラ内に配置された電磁コイルによってローラを誘導加熱するロール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13は例えば実公昭58−48797号公報に開示された従来のロール装置を示し、図13において、1は中空のローラ、2、3はローラ1の両側にそれぞれ一体的に連設されローラ1と一体となって回転する中空の第1、第2筒体、4はローラ1の内部に配置された固定軸であり、一方側軸端部4aが第1筒体2内を挿通して外部に延在し、他方側軸端部4bが第2筒体3内に挿通している。5は固定軸4に鉄心(図示せず)を介して巻装された電磁コイルでありローラ1と同心的に配置されている。6、7は第1、第2筒体2、3の外周側にそれぞれ配設された軸受機構であり、それぞれベアリング6a、7aと軸受け台6b、7bとでそれぞれ構成されており、ローラ1を支持すると共にローラ1を回転自在に支承する。8は筒体3と固定軸4の他方側軸端部4bとの間に配設されたベアリング、9は第1筒体2内を挿通して外部に延在する固定軸4の一方側軸端部4aを固定支持する基台である。
【0003】次に動作について説明する。電源をONしてリード線(図示せず)を通じて電磁コイル5を励磁することにより、ローラ1が誘導加熱され、ローラ1は高温となる。そのローラ1は両側に連設された第1、第2筒体2、3の外周側に配置した軸受機構6、7により回転自在に支承されている。ローラ1内の固定軸4の他方側軸端部4bはベアリング8により第2筒体3を介して軸受機構7に支持されると共に外部に延在する固定軸4の一方側軸端部4aは基台9によって固定支持される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来装置では、ローラ1と一体的に連設された第1筒体2と固定軸4の一方側軸端部4aとの間に空隙を生じる。例えば、ロール装置の使用される周囲環境が、塵埃や悪臭ガスなどが浮遊する環境下の場合、周囲に浮遊している塵埃や悪臭ガスなどが第1筒体2と固定軸4の一方側軸端部4aとの間の空隙から侵入し、ローラ1の内の電磁コイル5に悪影響を与え、絶縁破壊等の損傷を招く恐れがあるという信頼性の問題点があった。
【0005】この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、信頼性の高いロール装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係るロール装置は、中空のローラに一体的に連設された中空の第1筒体内を固定軸の一方側軸端部挿通して外部に延在する構成とし、第1筒体内に位置する固定軸の一方側軸端部にその一方側軸端部の外周面と第1筒体の内周面との間の空隙を僅かな空隙とし、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する風止体を設けたものである。
【0007】また、中空のローラに一体的に連設された中空の第1筒体内を固定軸の一方側軸端部挿通して外部に延在し、固定軸の一方側軸端部の表面に沿って電磁コイルのリード線が外部に延在する構成とし、第1筒体内に位置する固定軸の一方側軸端部にリード線を覆いその一方側軸端部の外周面と第1筒体の内周面との間の空隙を僅かな空隙とし、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する風止体を設け、風止体とリード線との間に生じる間隙に充填物を充填したものである。
【0008】また、中空のローラに一体的に連設された中空の第1筒体内を固定軸の一方側軸端部挿通して外部に延在する構成とし、第1筒体にその第1筒体の内周面と固定軸の一方側軸端部の外周面との間の空隙を僅かな空隙とし、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する風止体を設けたものである。
【0009】また、中空のローラに一体的に連設された中空の第1筒体内を固定軸の一方側軸端部挿通して外部に延在し、固定軸の一方側軸端部の表面に沿って電磁コイルのリード線が外部に延在する構成とし、第1筒体にその第1筒体の内周面と固定軸の一方側軸端部の外周面との間の空隙を僅かな空隙とし、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する風止体を設け、風止体内に位置する固定軸の一方側軸端部のリード線周りの間隙にリード線周りの間隙を埋める絶縁材を設けたものである。
【0010】また、中空のローラに一体的に連設された中空の第1筒体内を固定軸の一方側軸端部挿通して外部に延在し、固定軸の一方側軸端部の表面に沿って電磁コイルのリード線が外部に延在する構成とし、第1筒体にその第1筒体の内周面と固定軸の一方側軸端部の外周面との間の空隙を僅かな空隙とし、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する風止体を設け、風止体内に位置するリード線を収容すると共にリード線周りの間隙を埋める絶縁材を設けたものである。
【0011】また、中空のローラに一体的に連設された中空の第1筒体内を固定軸の一方側軸端部挿通して外部に延在し、固定軸の一方側軸端部の表面に沿って電磁コイルのリード線が外部に延在する構成とし、第1筒体にその第1筒体の内周面と固定軸の一方側軸端部の外周面との間の空隙を僅かな空隙とし、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する風止体を設け、風止体内に位置するリード線周りの間隙に絶縁材を配置し、絶縁材を固定する緊縛体を設けたものである。
【0012】また、中空のローラに一体的に連設された中空の第1筒体内を固定軸の一方側軸端部挿通して外部に延在し、固定軸の一方側軸端部の表面に沿って電磁コイルのリード線が外部に延在する構成とし、第1筒体にその第1筒体の内周面と固定軸の一方側軸端部の外周面との間の空隙を僅かな空隙とし、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する風止体を設け、風止体内に位置するリード線の層間に配置され、リード線周りの間隙を埋める絶縁材を設けたものである。
【0013】
【作用】この発明におけるロール装置は、第1筒体内に位置する固定軸の一方側軸端部に設けた風止体により、固定軸の一方側軸端部の外周面と第1筒体の内周面との間の空隙を僅かな空隙とし、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する。
【0014】また、第1筒体内に位置する固定軸の一方側軸端部に設けた風止体と、風止体とリード線との間に生じる間隙に充填した充填物とにより、固定軸の一方側軸端部の外周面と第1筒体の内周面との間の空隙を僅かな空隙とすると共に風止体とリード線との間に生じる間隙を埋め、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する。
【0015】また、第1筒体に設けた風止体により、第1筒体の内周面と固定軸の一方側軸端部の外周面との間の空隙を僅かな空隙とし、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する。
【0016】また、第1筒体に設けた風止体と、風止体内に位置する固定軸の一方側軸端部のリード線周りの間隙に設けた絶縁材とにより、第1筒体の内周面と固定軸の一方側軸端部の外周面との間の空隙を僅かな空隙とすると共にリード線周りの間隙を埋め、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する。
【0017】また、第1筒体に設けた風止体と、風止体内に位置するリード線を収容する絶縁材とにより、第1筒体の内周面と固定軸の一方側軸端部の外周面との間の空隙を僅かな空隙とすると共にリード線周りの間隙を埋め、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する。
【0018】また、第1筒体に設けた風止体と、風止体内に位置するリード線周りの間隙に配置され緊縛体で固定される絶縁材とにより、第1筒体の内周面と固定軸の一方側軸端部の外周面との間の空隙を僅かな空隙とすると共にリード線周りの間隙を埋め、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する。
【0019】また、第1筒体に設けた風止体と、風止体内に位置するリード線の層間に配置される絶縁材とにより、第1筒体の内周面と固定軸の一方側軸端部の外周面との間の空隙を僅かな空隙とすると共にリード線周りの間隙を埋め、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する。
【0020】
【実施例】実施例1.以下、この発明の実施例1を図1に基づいて説明する。図1において、1は中空のローラ、2は第1筒体、4は固定軸、4aは固定軸4の一方側軸端部、5は電磁コイル、6は軸受機構、6aはベアリング、6bは軸受け台、9は基台である。10は第1筒体2内に位置する固定軸4の一方側軸端部4aに設けられ、その一方側軸端部4aの外周面と第1筒体2の内周面との間の空隙を僅かな空隙とし、ローラ1内にパージされる媒体の漏れを抑制する風止体であり、例えば絶縁材などから構成されている。なお、図示しないが、ローラ1内にパージされる媒体としては、例えば工場エアあるいはコンプレッサなどによる圧縮されたエアがパージされる。
【0021】次に、動作について説明する。ローラ1内を工場エアあるいはコンプレッサなどによる圧縮されたエアによりパージする。このパージされたエアの一部は、回転体である第1筒体2の内周面と第1筒体2内に位置する固定軸4の一方側軸端部4aに設けた風止体10の外周面との間の僅かな空隙から外部に漏出する。このエアの漏出量は、風止体10を設け、固定軸4の一方側軸端部4aの外周面と第1筒体2の内周面との間の空隙を僅かな空隙とすることにより抑制される。以上のように、ローラ1内にパージしたエアの一部が第1筒体2の内周面と風止体10の外周面との間の僅かな空隙から外部に漏出することにより、周囲に浮遊している塵埃や悪臭ガスなどがローラ1内に侵入するのが阻止され、ローラ1の内の電磁コイル5に何等悪影響が作用しないので、絶縁破壊等の損傷を全く招く恐れのない極めて信頼性の高いロール装置を得ることができる。また、パージしたエアにより電磁コイル5の冷却効果も生じる。ところで、エアのパージ方法としては、図示しないが、例えば固定軸4の一方側軸端部4aまたは他方側軸端部4bの何れか一方を中空とし、その中空部を通してローラ1内をエアパージするようにしてもよく、その他方法によりエアパージするようにしてもよい。
【0022】実施例2.この発明の実施例2を図2に基づいて説明する。図2は要部側断面図であり、図2において、2は第1筒体、4は固定軸、4aは固定軸4の一方側軸端部、11は固定軸4の一方側軸端部4aの表面に沿って外部に延在する電磁コイル5のリード線、12は第1筒体2内に位置する固定軸4の一方側軸端部4aにリード線11を覆って設けられ、その一方側軸端部4aの外周面と第1筒体2の内周面との間の空隙を僅かな空隙とし、ローラ1内にパージされる媒体、例えば工場エアあるいはコンプレッサなどによる圧縮されたエアの漏れを抑制する風止体であり、例えば絶縁材などから構成されている。
【0023】次に、動作について説明する。電磁コイル5のリード線11が固定軸4の一方側軸端部4aの表面に沿って外部に延在する場合においても、上記実施例1と同様にローラ1内が圧縮されたエアによりパージされる。このパージされたエアの一部は、第1筒体2の内周面と第1筒体2内に位置する固定軸4の一方側軸端部4aに設けた風止体12の外周面との間の僅かな空隙及び風止体12の内周面とリード線11との間の間隙から外部に漏出する。以上のように、ローラ1内にパージしたエアの一部が第1筒体2の内周面と風止体12の外周面との間の僅かな空隙及び風止体12の内周面とリード線11との間の間隙から外部に漏出することにより、周囲に浮遊している塵埃や悪臭ガスなどがローラ1内に侵入するのが阻止され、ローラ1の内の電磁コイル5に何等悪影響が作用しないので、絶縁破壊等の損傷を全く招く恐れのない極めて信頼性の高いロール装置を得ることができる。
【0024】実施例3.この発明の実施例3を図3に基づいて説明する。図3は要部側断面図であり、図3において、2は第1筒体、4は固定軸、4aは固定軸4の一方側軸端部、11は固定軸4の一方側軸端部4aの表面に沿って外部に延在する電磁コイル5のリード線、12は第1筒体2内に位置する固定軸4の一方側軸端部4aにリード線11を覆って設けられ、その一方側軸端部4aの外周面と第1筒体2の内周面との間の空隙を僅かな空隙とし、ローラ1内にパージされる媒体、例えば工場エアあるいはコンプレッサなどによる圧縮されたエアの漏れを抑制する風止体であり、例えば絶縁材などから構成されている。13は風止体12とリード線11との間に生じる間隙に充填された充填物であり、例えば絶縁材などから構成されている。
【0025】次に、動作について説明する。この実施例3においても、上記各実施例と同様にローラ1内が圧縮されたエアによりパージされる。このパージされたエアの一部は、第1筒体2の内周面と第1筒体2内に位置する固定軸4の一方側軸端部4aに設けた風止体12の外周面との間の僅かな空隙から外部に漏出する。以上のように、ローラ1内にパージしたエアの一部が第1筒体2の内周面と風止体12の外周面との間の僅かな空隙から外部に漏出することにより、周囲に浮遊している塵埃や悪臭ガスなどがローラ1内に侵入するのが阻止され、ローラ1の内の電磁コイル5に何等悪影響が作用しないので、絶縁破壊等の損傷を全く招く恐れのない極めて信頼性の高いロール装置を得ることができる。この場合は、風止体12の内周面とリード線11との間の間隙を充填物13により埋めており、上述した実施例2よりもさらに信頼性の高いロール装置を得ることができる。
【0026】実施例4.この発明の実施例4を図4に基づいて説明する。図4において、1はローラ、2は第1筒体、4は固定軸、4aは固定軸4の一方側軸端部、5は電磁コイル、6は軸受機構、6aはベアリング、9は基台、14は第1筒体2の例えば端部に取り付けられ、その第1筒体2の内周面と固定軸4の一方側軸端部4aの外周面との間の空隙を僅かな空隙とし、ローラ1内にパージされる媒体、例えば工場エアあるいはコンプレッサなどによる圧縮されたエアの漏れを抑制する風止体であり、環状に形成されている。
【0027】次に、動作について説明する。この実施例4においても、上記各実施例と同様にローラ1内が圧縮されたエアによりパージされる。このパージされたエアの一部は、第1筒体2に設けた風止体14の内周面と固定軸4の一方側軸端部4aの外周面との間の僅かな空隙から外部に漏出する。以上のように、ローラ1内にパージしたエアの一部が第1筒体2に設けた風止体14の内周面と固定軸4の一方側軸端部4aの外周面との間の僅かな空隙から外部に漏出することにより、周囲に浮遊している塵埃や悪臭ガスなどがローラ1内に侵入するのが阻止され、ローラ1の内の電磁コイル5に何等悪影響が作用しないので、絶縁破壊等の損傷を全く招く恐れのない極めて信頼性の高いロール装置を得ることができる。さらに、回転体である第1筒体2に風止体14を設けたことにより、固定軸側に設ける場合と比し、取り付け易く且つ分解作業も容易となる。
【0028】実施例5.この発明の実施例5を図5および図6に基づいて説明する。これら各図は上述した実施例4における固定軸4周りの他の実施例であり、その他の構成は同様なので省略する。これら各図において、4は固定軸、4aは風止体14内に位置する固定軸4の一方側軸端部、15は固定軸4の一方側軸端部4aの表面に沿って外部に延在する電磁コイル5のリード線、16は風止体14内に位置する固定軸4の一方側軸端部4aのリード線15周りの間隙にボルト等で取り付けられ、リード線15周りの間隙を埋める絶縁材であり、図は一例として、リード線15の両側に取り付けた場合を示している。
【0029】次に、動作について説明する。この実施例5においても、上記各実施例と同様にローラ1内が圧縮されたエアによりパージされる。このパージされたエアの一部は、第1筒体2に設けた風止体14の内周面と固定軸4の一方側軸端部4a、およびリード線15、絶縁材16の外周面との間の僅かな空隙から外部に漏出する。以上のように、ローラ1内にパージしたエアの一部が第1筒体2に設けた風止体14の内周面と固定軸4の一方側軸端部4a、およびリード線15、絶縁材16の外周面との間の僅かな空隙から外部に漏出することにより、周囲に浮遊している塵埃や悪臭ガスなどがローラ1内に侵入するのが阻止され、ローラ1の内の電磁コイル5に何等悪影響が作用しないので、絶縁破壊等の損傷を全く招く恐れのない極めて信頼性の高いロール装置を得ることができる。また、絶縁材16はボルト等で簡単に取り付けおよび取り外しができ作業も容易となる。
【0030】実施例6.この発明の実施例6を図7および図8に基づいて説明する。これら各図は上述した実施例4における固定軸4周りの他の実施例であり、その他の構成は同様なので省略する。これら各図において、4は固定軸、4aは風止体14内に位置する固定軸4の一方側軸端部、15は固定軸4の一方側軸端部4aの表面に沿って外部に延在する電磁コイル5のリード線、17は風止体14内に位置する固定軸4の一方側軸端部4aのリード線15周りの間隙にボルト等で取り付けられ、リード線15周り全体を覆ってその周りの間隙を埋める絶縁材である。
【0031】次に、動作について説明する。この実施例6においても、上記各実施例と同様にローラ1内が圧縮されたエアによりパージされる。このパージされたエアの一部は、第1筒体2に設けた風止体14の内周面と固定軸4の一方側軸端部4a、および絶縁材17の外周面との間の僅かな空隙から外部に漏出する。以上のように、ローラ1内にパージしたエアの一部が第1筒体2に設けた風止体14の内周面と固定軸4の一方側軸端部4aおよび絶縁材17の外周面との間の僅かな空隙から外部に漏出することにより、周囲に浮遊している塵埃や悪臭ガスなどがローラ1内に侵入するのが阻止され、ローラ1の内の電磁コイル5に何等悪影響が作用しないので、絶縁破壊等の損傷を全く招く恐れのない極めて信頼性の高いロール装置を得ることができる。また、絶縁材17はボルト等で簡単に取り付けおよび取り外しができ作業も容易となる。さらに、1個の絶縁材17なので上述した実施例5と比し部品点数の少ない構成とすることができる。
【0032】実施例7.この発明の実施例7を図9に基づいて説明する。図9は上述した実施例4における固定軸4周りの他の実施例であり、その他の構成は同様なので省略する。これら各図において、4は固定軸、4aは風止体14内に位置する固定軸4の一方側軸端部、15は固定軸4の一方側軸端部4aの表面に沿って外部に延在する電磁コイル5のリード線、18は風止体14内に位置するリード線15を収容すると共にリード線15周りの間隙を埋める絶縁材である。19はこの絶縁材18を保持するために巻回したバインドであり、必ずしも設ける必要はない。
【0033】次に、動作について説明する。この実施例7においても、上記各実施例と同様にローラ1内が圧縮されたエアによりパージされる。このパージされたエアの一部は、第1筒体2に設けた風止体14の内周面と固定軸4の一方側軸端部4a、およびリード線15、絶縁材18の外周面との間の僅かな空隙から外部に漏出する。以上のように、ローラ1内にパージしたエアの一部が第1筒体2に設けた風止体14の内周面と固定軸4の一方側軸端部4aおよびリード線15、絶縁材18の外周面との間の僅かな空隙から外部に漏出することにより、周囲に浮遊している塵埃や悪臭ガスなどがローラ1内に侵入するのが阻止され、ローラ1の内の電磁コイル5に何等悪影響が作用しないので、絶縁破壊等の損傷を全く招く恐れのない極めて信頼性の高いロール装置を得ることができる。また、絶縁材18はリード線15と固定軸4の一方側軸端部4aとの間に設けることにより保持されるので、特別な保持もしなくてもよい。
【0034】実施例8.この発明の実施例8を図10に基づいて説明する。図10は上述した実施例4における固定軸4周りの他の実施例でありその他の構成は同様なので省略する。これら各図において、2は第1筒体、4は固定軸、4aは固定軸4の一方側軸端部、14は風止体、15は固定軸4の一方側軸端部4aの表面に沿って外部に延在する電磁コイル5のリード線、20は風止体14内に位置するリード線15周りの間隙に配置された絶縁材、21は絶縁材20を固定する緊縛体である。
【0035】次に、動作について説明する。この実施例8においても、上記各実施例と同様にローラ1内が圧縮されたエアによりパージされる。このパージされたエアの一部は、第1筒体2に設けた風止体14の内周面と固定軸4の一方側軸端部4a、およびリード線15、絶縁材20の外周面との間の僅かな空隙から外部に漏出する。以上のように、ローラ1内にパージしたエアの一部が第1筒体2に設けた風止体14の内周面と固定軸4の一方側軸端部4aおよびリード線15、絶縁材20の外周面との間の僅かな空隙から外部に漏出することにより、周囲に浮遊している塵埃や悪臭ガスなどがローラ1内に侵入するのが阻止され、ローラ1の内の電磁コイル5に何等悪影響が作用しないので、絶縁破壊等の損傷を全く招く恐れのない極めて信頼性の高いロール装置を得ることができる。また、絶縁材20はリード線15の両側及び表面、即ちリード線15周り全体に配置されており、上述した実施例5、7よりもエア漏出の抑制効果が高いものが得られる。
【0036】実施例9.この発明の実施例9を図11に基づいて説明する。図11は上述した実施例8における固定軸4周りの他の実施例でありその他の構成は同様なので省略する。これら各図において、4は固定軸、4aは固定軸4の一方側軸端部、15は電磁コイル5のリード線、21は緊縛体、22は風止体14内に位置するリード線15周りの間隙に配置され、リード線15周り全体を覆ってその周りの間隙を埋める絶縁材である。
【0037】次に、動作について説明する。この実施例9においても、上記各実施例と同様にローラ1内が圧縮されたエアによりパージされる。このパージされたエアの一部は、風止体14の内周面と固定軸4の一方側軸端部4aおよびリード線15、絶縁材22の外周面との間の僅かな空隙から外部に漏出する。以上のように、ローラ1内にパージしたエアの一部が風止体14の内周面と固定軸4の一方側軸端部4aおよびリード線15、絶縁材22の外周面との間の僅かな空隙から外部に漏出することにより、周囲に浮遊している塵埃や悪臭ガスなどがローラ1内に侵入するのが阻止され、ローラ1の内の電磁コイル5に何等悪影響が作用しないので、絶縁破壊等の損傷を全く招く恐れのない極めて信頼性の高いロール装置を得ることができる。また、1個の絶縁材22なので上述した実施例8と比し部品点数の少ない構成とすることができる。さらに、緊縛体21による絶縁材22の固定作業も容易となる。
【0038】実施例10.この発明の実施例10を図12R>2に基づいて説明する。図12は上述した実施例4における固定軸4周りの他の実施例であり、その他の構成は同様なので省略する。これら各図において、4は固定軸、4aは固定軸4の一方側軸端部、15は電磁コイル5のリード線、21は緊縛体、23は風止体14内に位置するリード線15の層間に配置され、リード線15周りの間隙を埋める絶縁材である。
【0039】次に、動作について説明する。この実施例10においても、上記各実施例と同様にローラ1内が圧縮されたエアによりパージされる。このパージされたエアの一部は、風止体14の内周面と固定軸4の一方側軸端部4a、およびリード線15、絶縁材23の外周面との間の僅かな空隙から外部に漏出する。以上のようにローラ1内にパージしたエアの一部が風止体14の内周面と固定軸4の一方側軸端部4aおよびリード線15、絶縁材23の外周面との間の僅かな空隙から外部に漏出することにより、周囲に浮遊している塵埃や悪臭ガスなどがローラ1内に侵入するのが阻止され、ローラ1の内の電磁コイル5に何等悪影響が作用しないので、絶縁破壊等の損傷を全く招く恐れのない極めて信頼性の高いロール装置を得ることができる。また、1個の絶縁材23であり且つリード線15の層間に配置したので上述した実施例8と比し部品点数の少ない構成で且つ特別な固定作業がいらない構成とすることができる。
【0040】
【発明の効果】この発明は以上説明したとおり、第1筒体内に位置する固定軸の一方側軸端部に設けた風止体により、固定軸の一方側軸端部の外周面と第1筒体の内周面との間の空隙を僅かな空隙とし、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制するようにしたので、周囲に浮遊する塵埃や悪臭ガスなどのローラ内への侵入を阻止することができ、信頼性の高いロール装置を得ることができる。
【0041】また、第1筒体内に位置する固定軸の一方側軸端部に設けた風止体と、風止体とリード線との間に生じる間隙に充填した充填物とにより、固定軸の一方側軸端部の外周面と第1筒体の内周面との間の空隙を僅かな空隙とすると共に風止体とリード線との間に生じる間隙を埋め、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制するようにしたので、周囲に浮遊する塵埃や悪臭ガスなどのローラ内への侵入を阻止することができ、信頼性の高いロール装置を得ることができる。この場合、風止体の内周面とリード線との間の間隙を充填物により埋めており、さらに信頼性の高いロール装置を得ることができる。
【0042】また、第1筒体に設けた風止体により、第1筒体の内周面と固定軸の一方側軸端部の外周面との間の空隙を僅かな空隙とし、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制するようにしたので、周囲に浮遊する塵埃や悪臭ガスなどのローラ内への侵入を阻止することができ、信頼性の高いロール装置を得ることができる。この場合、回転体である第1筒体に風止体を設けたことにより、固定軸側に設ける場合と比し、取り付け易く且つ分解作業も容易となる。
【0043】また、第1筒体に設けた風止体と、風止体内に位置する固定軸の一方側軸端部のリード線周りの間隙に設けた絶縁材とにより、第1筒体の内周面と固定軸の一方側軸端部の外周面との間の空隙を僅かな空隙とすると共にリード線周りの間隙を埋め、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制することができ、信頼性の高いロール装置を得ることができる。この場合、絶縁材は簡単に取り付けおよび取り外しができ作業も容易となる。
【0044】また、第1筒体に設けた風止体とこの風止体内に位置するリード線を収容する絶縁材とにより、第1筒体の内周面と固定軸の一方側軸端部の外周面との間の空隙を僅かな空隙とすると共にリード線周りの間隙を埋め、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制することができ、信頼性の高いロール装置を得ることができる。この場合、絶縁材はリード線と固定軸の一方側軸端部との間に設けることにより保持され、特別な保持もしなくてもよい。
【0045】また、第1筒体に設けた風止体と、風止体内に位置するリード線周りの間隙に配置され緊縛体で固定される絶縁材とにより、第1筒体の内周面と固定軸の一方側軸端部の外周面との間の空隙を僅かな空隙とすると共にリード線周りの間隙を埋め、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制することができ、信頼性の高いロール装置を得ることができる。この場合、絶縁材はリード線の周り全体に配置されており、ローラ内にパージされる媒体漏出の抑制効果がさらに高いものが得られる。
【0046】また、第1筒体に設けた風止体と、風止体内に位置するリード線の層間に配置される絶縁材とにより、第1筒体の内周面と固定軸の一方側軸端部の外周面との間の空隙を僅かな空隙とすると共にリード線周りの間隙を埋め、ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制することができ、信頼性の高いロール装置を得ることができる。この場合、絶縁材はリード線の層間に配置したので、特別な固定作業がいらない構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す断面図である。
【図2】この発明の実施例2を示す要部側断面図である。
【図3】この発明の実施例3を示す要部側断面図である。
【図4】この発明の実施例4を示す断面図である。
【図5】この発明の実施例5を示す要部側断面図である。
【図6】この発明の実施例5を示す要部断面図である。
【図7】この発明の実施例6を示す要部側断面図である。
【図8】この発明の実施例6を示す要部断面図である。
【図9】この発明の実施例7を示す要部側断面図である。
【図10】この発明の実施例8を示す要部側断面図である。
【図11】この発明の実施例9を示す要部側断面図である。
【図12】この発明の実施例10を示す要部側断面図である。
【図13】従来のロール装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ローラ
2 第1筒体
4 固定軸
4a 固定軸の一方側軸端部
5 電磁コイル
10 風止体
11 リード線
12 風止体
13 充填物
14 風止体
15 リード線
16 絶縁材
17 絶縁材
18 絶縁材
20 絶縁材
21 緊縛体
22 絶縁材
23 絶縁材

【特許請求の範囲】
【請求項1】 中空のローラに一体的に連設された中空の第1筒体と、上記ローラの内部に配置され、一方側軸端部が上記第1筒体内を挿通して外部に延在し、電磁コイルが巻装される固定軸と、上記第1筒体内に位置する上記固定軸の一方側軸端部に設けられ、その一方側軸端部の外周面と上記第1筒体の内周面との間の空隙を僅かな空隙とし、上記ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する風止体とを備えたことを特徴とするロール装置。
【請求項2】 中空のローラのに一体的に連設された中空の第1筒体と、上記ローラの内部に配置され、一方側軸端部が上記第1筒体内を挿通して外部に延在し、電磁コイルが巻装される固定軸と、上記固定軸の一方側軸端部の表面に沿って外部に延在する上記電磁コイルのリード線と、上記第1筒体内に位置する上記固定軸の一方側軸端部に上記リード線を覆って設けられ、その一方側軸端部の外周面と上記第1筒体の内周面との間の空隙を僅かな空隙とし、上記ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する風止体と、上記風止体と上記リード線との間に生じる間隙に充填された充填物とを備えたことを特徴とするロール装置。
【請求項3】 中空のローラに一体的に連設された中空の第1筒体と、上記ローラの内部に配置され、一方側軸端部が上記第1筒体内を挿通して外部に延在し、電磁コイルが巻装される固定軸と、上記第1筒体に設けられ、その第1筒体の内周面と上記固定軸の一方側軸端部の外周面との間の空隙を僅かな空隙とし、上記ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する風止体とを備えたことを特徴とするロール装置。
【請求項4】 中空のローラに一体的に連設された中空の第1筒体と、上記ローラの内部に配置され、一方側軸端部が上記第1筒体内を挿通して外部に延在し、電磁コイルが巻装される固定軸と、上記固定軸の一方側軸端部の表面に沿って外部に延在する上記電磁コイルのリード線と、上記第1筒体に設けられ、その第1筒体の内周面と上記固定軸の一方側軸端部の外周面との間の空隙を僅かな空隙とし、上記ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する風止体と、上記風止体内に位置する上記固定軸の一方側軸端部の上記リード線周りの間隙に取り付けられ、上記リード線周りの間隙を埋める絶縁材とを備えたことを特徴とするロール装置。
【請求項5】 中空のローラに一体的に連設された中空の第1筒体と、上記ローラの内部に配置され、一方側軸端部が上記第1筒体内を挿通して外部に延在し、電磁コイルが巻装される固定軸と、上記固定軸の一方側軸端部の表面に沿って外部に延在する上記電磁コイルのリード線と、上記第1筒体に設けられ、その第1筒体の内周面と上記固定軸の一方側軸端部の外周面との間の空隙を僅かな空隙とし、上記ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する風止体と、上記風止体内に位置する上記リード線を収容すると共に上記リード線周りの間隙を埋める絶縁材とを備えたことを特徴とするロール装置。
【請求項6】 中空のローラに一体的に連設された中空の第1筒体と、上記ローラの内部に配置され、一方側軸端部が上記第1筒体内を挿通して外部に延在し、電磁コイルが巻装される固定軸と、上記固定軸の一方側軸端部の表面に沿って外部に延在する上記電磁コイルのリード線と、上記第1筒体に設けられ、その第1筒体の内周面と上記固定軸の一方側軸端部の外周面との間の空隙を僅かな空隙とし、上記ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する風止体と、上記風止体内に位置する上記リード線周りの間隙に配置される絶縁材と、上記絶縁材を固定する緊縛体とを備えたことを特徴とするロール装置。
【請求項7】 中空のローラに一体的に連設された中空の第1筒体と、上記ローラの内部に配置され、一方側軸端部が上記第1筒体内を挿通して外部に延在し、電磁コイルが巻装される固定軸と、上記固定軸の一方側軸端部の表面に沿って外部に延在する上記電磁コイルのリード線と、上記第1筒体に設けられ、その第1筒体の内周面と上記固定軸の一方側軸端部の外周面との間の空隙を僅かな空隙とし、上記ローラ内にパージされる媒体の漏れを抑制する風止体と、上記風止体内に位置する上記リード線の層間に配置され、上記リード線周りの間隙を埋める絶縁材とを備えたことを特徴とするロール装置。

【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【特許番号】第2546094号
【登録日】平成8年(1996)8月8日
【発行日】平成8年(1996)10月23日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−257814
【出願日】平成3年(1991)10月4日
【公開番号】特開平5−101877
【公開日】平成5年(1993)4月23日
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【参考文献】
【文献】特開平1−140584(JP,A)
【文献】特開昭57−115794(JP,A)
【文献】特開平4−95379(JP,A)
【文献】実開昭48−54349(JP,U)