説明

ローン債権のデフォルト発生率の推計方法およびシステム

【課題】
住宅ローン等の個人向けローンのデフォルト発生率は経済環境の変化による収入見込みの変化に強く影響を受けることが予想されるため、過去の個人向けローンの取扱実績情報を用いて将来のデフォルト発生率を推計する際には、将来予想される経済環境の変化による影響も踏まえてデフォルト発生率を推計する必要がある。
【解決手段】
経済環境動向入力ユニット1にて、将来予想される経済環境の変化に関する入力を受け付け、経済環境類似期間検索ユニット2にて、入力された経済環境の変化と類似した変化が発生した過去の期間を抽出し、デフォルト発生率推計ユニット3にて、抽出した過去の期間における個人向けローンの取扱実績情報を将来における仮想的な取扱実績情報とみなして個人向けローンのデフォルト発生率を推計する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅ローン等の個人向けローンのデフォルト発生率を、過去の個人向けローンの取扱実績情報から推計するための方法およびシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な金融商品が取引されている。これら金融商品については、リスクが内在している。特に、証券化商品については、以下の点を考慮する必要がある。投資家が住宅ローン等の個人向けローンを裏付資産とする証券化商品の信用リスクを管理するためには、証券化商品を構成する個人向けローンの将来におけるデフォルト発生率を推計する必要がある。
【0003】
個人向けローンのデフォルト発生率の推計方法としては、例えば、過去の個人向けローンの取扱実績情報から各年度のデフォルト発生確率を算出し、その平均値を将来のデフォルト発生率とする方法が挙げられる。また、別の方法としては、過去の個人向けローンの取扱実績情報からハザードモデル等の統計モデルを用いて推計する方法が挙げられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】日本銀行金融機構局「内部格付制度に基づく信用リスク管理の高度化」2005年7月発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
住宅ローン等の個人向けローンのデフォルト発生率は、経済環境の変化による収入見込みの変化に強く影響を受けることが予想される。従って、将来のデフォルト発生率を推計する際には、将来の経済環境の変化による影響を考慮する必要がある。
【0006】
しかし、従来技術では、過去の個人向けローンの取扱実績情報を用いて将来のデフォルト発生率を推計する。そのため、投資家が将来の経済環境が悪化することを予想している場合、投資家が予想する経済環境の悪化によるデフォルト発生率の上昇が過小評価されてしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、将来の経済環境の変化に関する情報の入力を受付け、この経済環境の変化と類似した変化が発生した過去の期間を抽出し、抽出した過去の期間における個人向けローンの取扱実績情報を将来における仮想的な取扱実績情報とみなして個人向けローンのデフォルト発生率を推計する。本発明の他の態様としては、以下のものが含まれる。経済環境の変化に関する情報として、個人向けローンの開始時期の経済環境の変化に関する情報を用いる。このために、個人向けローンの開始時期の経済環境の変化に関する情報の内容に応じて、デフォルト発生率をその開始時期毎に分類して記憶手段に記憶しておき、入力を受付けた将来の経済環境の変化に関する情報に対応する個人向けローンの開始時期の経済環境の変化に関する情報に対応するデフォルト発生率を記憶手段から抽出する。
【0008】
より具体的には、まず投資家が、将来の経済環境の変化として、経済環境を表す経済指標と、評価期間と、現在から評価期間経過後の経済指標値の変化量を入力する。例えば、投資家が2年後における個人向けローンのデフォルト発生率を推計したいと考えており、経済環境の変化として2年後にGDPが現在の値から10だけ低下すると予想した場合、経済指標はGDPとなり、評価期間は2年となり、評価期間経過後の経済指標値の変化量は−10となる。
【0009】
次に、投資家が入力した将来の経済環境の変化と類似した変化が発生した過去の期間を抽出するが、個人向けローンには、融資開始時における借入者の収入等の信用情報を基準として返済可否が審査されるという特徴がある。
【0010】
そのため、経済指標値の変化が同じ(もしくは類似)であっても、個人向けローンの融資開始時期の経済指標値が異なれば、経済指標値の変化が与える影響は異なると考えられる。例えば、ある経済指標値が90から80に変化した際に、融資開始時期の経済指標値が90であった個人向けローンと60であった個人向けローンが受ける影響は異なると考えられる。
【0011】
一方で、経済指標値の変化が異なっていても、実際の経済指標値と個人向けローンの融資開始時期の経済指標値との差分値の変化が同じであれば、経済指標値の変化が与える影響は同じであると考えられる。例えば、融資開始時期の経済指標値が90であった個人向けローンが経済指標値が90から80に変化した際に受ける影響と、融資開始時期の経済指標値が70であった個人向けローンが経済指標値が70から60に変化した際に受ける影響は同じであると考えられる。
【0012】
そこで、デフォルト発生率を推計する個人向けローンに融資開始時期の経済指標値が異なる個人向けローンが含まれている場合、個人向けローンを融資開始時期の経済指標値で分類し、融資開始時期の経済指標値が異なる分類グループごとに投資家が入力した将来の経済環境の変化と類似した変化が発生した過去の期間を抽出する。
【0013】
また、投資家が入力した将来の経済環境の変化と類似した変化が発生した過去の期間を抽出する際には、実際の経済指標値と個人向けローンの融資開始時期の経済指標値との差分値の変化が同じである期間を抽出する。
【0014】
より具体的には、過去の個人向けローンの取扱実績情報が存在する期間の中から、上記入力された評価期間が経過した際に、上記入力された経済指標の値が、上記入力された変化量だけ変化した期間を検索し、検出された期間を抽出対象期間として登録する。また、過去の個人向けローンの取扱実績情報から、過去に個人向けローンの融資を開始した実績のある時期を抽出し、抽出対象融資開始時期として登録する。そして、抽出対象融資開始時期の中から、抽出対象期間の開始時期の経済指標値と抽出対象融資開始時期の経済指標値との差分値が、現在の経済指標値とデフォルト発生率を推計する個人向けローンの融資開始時期の経済指標値との差分値に等しくなる抽出対象融資開始時期を検索し、検出された抽出対象融資開始時期と抽出対象期間を、現在から評価期間が経過するまでの期間における個人向けローンの取扱実績情報の類似期間情報として登録する。
【0015】
なお、上記処理にて抽出対象期間や抽出対象融資開始時期が検出されなかった場合は、まず、現在から上記評価期間が経過するまでの将来の期間を上記経済指標の更新期間で分割した期間の最終更新期間目における抽出対象融資開始時期と抽出対象期間を検索し、その後、残りの評価期間における抽出対象融資開始時期と抽出対象期間を上記処理にて再検索する。これにより、現在から上記評価期間が経過するまでの将来の期間を複数の期間に分割し、分割した期間ごとに、その期間で発生すると予想される経済環境の変化と類似した変化が発生した過去の期間の個人向けローンの取扱実績情報を抽出することが可能となる。
【0016】
最後に、登録された類似期間情報にもとづき、抽出対象融資開始時期に融資を開始した個人向けローンの抽出対象期間における取扱実績情報を、過去の個人向けローンの取扱実績情報から抽出することにより、現在から評価期間が経過するまでの期間における個人向けローンの取扱実績情報を仮想的に生成する。そして、過去の個人向けローンの取扱実績情報に今回生成した仮想的な個人向けローンの取扱実績情報を含めた取扱実績情報を用いて、個人向けローンのデフォルト発生率を推計する。なお、デフォルト発生率の推計には、どのような推計方法を用いてもよい。また、デフォルト発生率の推計に使用する個人向けローンの取扱実績情報として、今回生成した仮想的な個人向けローンの取扱実績情報のみを使用してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、将来予想される経済指標の変化と類似した変化が発生した過去の期間における個人向けローンの取扱実績情報を将来の仮想的な取扱実績情報として構築することが可能となり、過去の個人向けローンの取扱実績情報に将来の仮想的な取扱実績情報を含めて個人向けローンのデフォルト発生率を推計することで、個人向けローンの将来のデフォルト発生率をより正確に推計できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態におけるシステム構成図。
【図2】経済指標の推移履歴情報のデータ構造図。
【図3】将来予想される経済環境の変化と類似した変化が発生した過去の期間を検索するために使用する1つ目の検索テーブルのデータ構造図。
【図4】将来予想される経済環境の変化と類似した変化が発生した過去の期間を検索するために使用する2つ目の検索テーブルのデータ構造図。
【図5】将来予想される経済環境の変化と類似した変化が発生した過去の期間を登録するために使用するテーブルのデータ構造図。
【図6】将来予想される経済環境の変化と類似した変化が発生した過去の期間を検索する処理のフロー図。
【図7】将来の仮想的なローン取扱実績情報を生成し、生成したローン取扱実績情報を用いてローン債権のデフォルト発生率を推計する処理のフロー図。
【図8】将来予想される経済環境の変化と類似した変化が発生した過去の期間を検索するために使用する3つ目の検索テーブルのデータ構造図。
【図9】将来予想される経済環境の変化と類似した変化が発生した過去の期間を検索するために使用する1つ目の検索テーブルのデータ構造図。
【図10】将来予想される経済環境の変化と類似した変化が発生した過去の期間を検索するために使用する2つ目の検索テーブルのデータ構造図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態におけるシステム構成図である。本実施形態における個人向けローンのデフォルト発生率推計システムは、経済環境動向入力ユニット1と経済環境類似期間検索ユニット2とデフォルト発生率推計ユニット3とで構成される。
【0020】
経済環境動向入力ユニット1は、将来予想される経済環境の変化を示す情報として、経済環境を表す経済指標41と、評価期間42と、現在から評価期間42が経過した際の経済指標41の変化量を表す変化量43の入力を受け付け、経済環境動向情報4に登録する機能を有する。
【0021】
経済環境類似期間検索ユニット2は、経済環境動向情報4と経済指標推移履歴情報5と過去の個人向けローンの取扱実績情報6とデフォルト発生率推計対象個人向けローン情報7から、将来予想される経済環境の変化と類似した変化が発生した過去の期間を検索するための類似期間検索テーブル8を生成して検索を行い、検出された類似期間を類似期間情報9に登録する機能を有する。本機能の詳細は、図6を用いて後で説明する。
【0022】
デフォルト発生率推計ユニット3は、過去の個人向けローンの取扱実績情報6から類似期間情報9で指定される期間の取扱実績情報を抽出して将来の個人向けローンの取扱実績情報10を仮想的に生成し、過去の個人向けローンの取扱実績情報6と将来の個人向けローンの取扱実績情報10から、デフォルト発生率推計対象個人向けローン情報7に登録されている個人向けローンのデフォルト発生率を推計する機能を有する。本機能の詳細は、図7を用いて後で説明する。
【0023】
各ユニットは、実際には、コンピュータシステムの例えばハードディスク等の記録媒体に格納されたソフトウェアプログラムであり、図示しないCPUによってRAM上に展開され実行されることで本発明の実施形態としての機能を発揮する。また、各ユニットならびに各データは、同一のハードウェア上に実装されてもよいし、別々のハードウェア上に実装されてもよい。
【0024】
次に、図1に示した各データのデータ構造を示す。
経済環境動向情報4には、経済環境を表す経済指標41と、評価期間42と、現在から評価期間42が経過した際の経済指標41の変化量を表す変化量43が格納される。経済指標41としては、景気一致指数やGDP等の経済環境を表す指標であれば何でもよい。
【0025】
図2(a)と図2(b)は、経済指標推移履歴情報5のデータ構造図である。経済指標推移履歴情報5は、個人向けローンのデフォルト発生率推計システムがサポートする各種経済指標ごとに用意され、経済指標の更新時期と、各更新時期における値が格納される。なお、本実施形態では、更新期間が1年である経済指標を例として記載しているが、経済指標の更新期間は1年以外の期間でもよい。
【0026】
過去の個人向けローンの取扱実績情報6には、少なくとも、過去に取り扱った各個人向けローンの融資開始時期、ならびに、年度ごとの個人向けローンの取扱件数とデフォルト件数、ならびに、デフォルトした各個人向けローンの融資開始時期からデフォルト発生時期までの経過期間が格納される。なお、本実施形態では、2000年から2010年までの10年間の取扱実績情報が格納されていることとする。また、この10年間は毎年個人向けローンの融資が実施されたこととする。
【0027】
デフォルト発生率推計対象個人向けローン情報7には、デフォルト発生率を推計する各個人向けローンに関して、少なくとも融資開始時期が格納される。なお、本実施形態では、融資開始時期が2006年と2008年の個人向けローンの情報が格納されていることとする。
【0028】
類似期間検索テーブル8には、図3に示す抽出対象期間検索テーブル81と、図4に示す抽出対象融資開始時期検索テーブル82が格納される。
【0029】
図3は、評価期間42が経過した際に経済指標41の値が変化量43だけ変化した期間を検索するために使用する、抽出対象期間検索テーブル81のデータ構造図である。抽出対象期間検索テーブル81には、経済指標41の更新時期と各更新時期における値と、評価期間経過後の変化量811が格納される。評価期間経過後の変化量811は、各更新時期の経済指標41の値と、各更新時期から評価期間42が経過した時期の経済指標41の値との差分値である。
【0030】
図4は、抽出対象期間検索テーブル81を用いて検出された抽出対象期間に存在する過去の個人向けローンの中から、デフォルト発生率推計対象の個人向けローンが将来予想される経済環境の変化によって受ける影響と同じ影響を受ける過去の個人向けローンの融資開始時期を検索するために使用する、抽出対象融資開始時期検索テーブル82のデータ構造図である。抽出対象融資開始時期検索テーブル82には、融資開始時期821と、融資開始時期と各更新時期との差分値822が格納される。融資開始時期821は、過去に個人向けローンの融資を開始した実績のある時期である。融資開始時期と各更新時期との差分値822は、融資開始時期821における経済指標41の値と、経済指標41の各更新時期における値との差分値である。
【0031】
図5は、類似期間情報9のデータ構造図である。類似期間情報9には、現在と融資開始時期との差分値91と、融資開始時期92と、類似期間93が格納される。現在と融資開始時期との差分値91は、現在の経済指標41の値とデフォルト発生率推計対象個人向けローン情報7に格納される個人向けローンの融資開始時期における経済指標41の値との差分値である。融資開始時期92は、デフォルト発生率推計対象個人向けローン情報7に格納される個人向けローンの融資開始時期である。類似期間93は、将来予想される経済環境の変化と類似した変化が発生した過去の期間を示す情報であり、現在から評価期間42が経過するまでの将来の期間を経済指標41の更新期間で分割した期間ごとに抽出対象融資開始時期931と抽出対象期間932が格納される。抽出対象融資開始時期931は、将来の個人向けローンの取扱実績情報10を生成するために、過去の個人向けローンの取扱実績情報6から抽出する個人向けローンの融資開始時期であり、抽出対象期間932は、抽出対象融資開始時期931に融資が開始された個人向けローンのどの時期における取扱実績情報を抽出すればよいかを示す情報である。
【0032】
将来の個人向けローンの取扱実績情報10には、少なくとも、現在から評価期間42が経過するまでの将来の期間を経済指標41の更新期間で分割した各期間における、個人向けローンの取扱件数とデフォルト件数、ならびに、デフォルトした各個人向けローンの融資開始時期からデフォルト発生時期までの経過期間が格納される。
【0033】
次に、図1に示した経済環境類似期間検索ユニット2の機能を、図6に示す処理フローを用いて説明する。なお、本実施形態では、現在は2010年とする。また、経済環境動向情報4の経済指標41には1年に1度更新される仮想の経済指標が登録されていることとし、各更新時期における経済指標41の値は図2(a)に示すとおりとする。また、評価期間42には2年が登録されており、変化量43には−20が登録されていることとする。
【0034】
ステップS21において、経済環境類似期間検索ユニット2は、経済環境動向情報4から経済指標41と評価期間42と変化量43を読み出す。
ステップS22において、経済環境類似期間検索ユニット2は、デフォルト発生率推計対象個人向けローン情報7に格納されている各個人向けローンの融資開始時期を読み出し、値が同じ融資開始時期はまとめてリストアップする。その後、リストアップされた各融資開始時期に対して、現在の経済指標41の値と融資開始時期の経済指標41の値との差分値を算出し、算出した差分値は図5に示す類似期間情報9の現在と融資開始時期との差分値91に登録し、算出時に使用した融資開始時期は融資開始時期92に登録する。ただし、上記差分値が既に登録されている場合は、既に登録されている現在と融資開始時期との差分値91に対応する融資開始時期92に上記融資開始時期を追加登録する。これにより、デフォルト発生率を推計する個人向けローンが、融資開始時期の経済指標値で分類される。本実施形態では、デフォルト発生率推計対象個人向けローン情報7に融資開始時期が2006年と2008年の個人向けローンが格納されており、2006年と2008年の経済指標41の値は同じであるため、図5に示す類似期間情報9の現在と融資開始時期との差分値91には+10のみが登録され、融資開始時期92には2006年と2008年が登録される。
【0035】
ステップS23において、経済環境類似期間検索ユニット2は、まず、過去の個人向けローンの取扱実績情報6を参照し、個人向けローンの取扱実績情報が存在する期間を検索対象期間として抽出する。本実施形態では、過去の個人向けローンの取扱実績情報6に2000年から2010年までの取扱実績情報が格納されているため、検索対象期間は2000年から2010年までの10年間となる。
【0036】
次に、経済環境類似期間検索ユニット2は、経済指標41の推移履歴が格納されている経済指標推移履歴情報5を参照し、経済指標41の検索対象期間における推移履歴を読み出す。本実施形態では、2000年から2010年までの推移履歴を読み出す。
【0037】
次に、経済環境類似期間検索ユニット2は、経済指標41の検索対象期間における推移履歴を、図3に示す抽出対象期間検索テーブル81に登録する。その後、登録した各更新時期に対して、更新時期の経済指標41の値と更新時期から評価期間42経過後の経済指標41の値との差分値を算出し、抽出対象期間検索テーブル81の評価期間経過後の変化量811に登録する。これにより、抽出対象期間検索テーブル81が生成される。なお、抽出対象期間検索テーブル81は事前に生成しておいてもよい。ただし、事前に生成する段階では評価期間42が確定していないため、評価期間42として入力可能な全ての期間が経過した場合における評価期間経過後の変化量811を算出して格納しておく等の対応が必要である。
【0038】
最後に、経済環境類似期間検索ユニット2は、過去の個人向けローンの取扱実績情報6を参照して、過去に個人向けローンの融資を開始した実績のある時期を抽出し、図4に示す抽出対象融資開始時期検索テーブル82の融資開始時期821に登録する。本実施形態では、2000年から2010年までの10年間に毎年個人向けローンの融資が実施されていること、および、経済指標41の更新期間が1年であることから、融資開始時期821には、図4に示すとおり2000年から2010年までの各年が登録される。その後、登録した各融資開始時期821に対して、融資開始時期821における経済指標41の値と経済指標41の各更新時期における値との差分値をそれぞれ算出し、各融資開始時期と各更新時期との差分値822に登録する。これにより、抽出対象融資開始時期検索テーブル82が生成される。なお、抽出対象融資開始時期検索テーブル82は事前に生成しておいてもよい。
【0039】
ステップS24において、経済環境類似期間検索ユニット2は、抽出対象期間検索テーブル81の評価期間経過後の変化量811を参照して、そこに格納されている値が変化量43と等しくなる更新時期を抽出し、抽出対象期間の開始時期として保持する。これにより、評価期間42が経過した際に経済指標41の値が変化量43だけ変化した期間の開始時期が、抽出対象期間の開始時期として抽出される。本実施形態では、評価期間経過後の変化量811の値が−20である2000年と2001年と2005年が抽出対象期間の開始時期として抽出される。
【0040】
ここで、ステップS24において、抽出対象期間の開始時期が抽出されなかった場合に使用される再検索テーブル11について図8を用いて説明する。図8は、再検索テーブル11のデータ構造図である。再検索用テーブル11には、現在と融資開始時期との差分値91と、類似期間93と、再検索用評価期間111と、再検索用変化量112が格納される。再検索用テーブル11の現在と融資開始時期との差分値91と類似期間93は、それぞれ図5に示した類似期間情報9の現在と融資開始時期との差分値91と類似期間93と同じ意味を持つデータである。再検索用評価機関111は、再検索時に使用する評価期間である。再検索用変化量112は、現在から再検索用評価期間111が経過した際の経済指標41の変化量である。
【0041】
以下、ステップS24において、抽出対象期間の開始時期が抽出されなかった場合の処理を説明する。経済環境類似期間検索ユニット2は、類似期間情報9の現在と融資開始時期との差分値91と、再検索用テーブル11の現在と融資開始時期との差分値91を参照し、再検索用テーブル11の現在と融資開始時期との差分値91に格納されていない差分値が、類似期間情報9の現在と融資開始時期との差分値91に存在する場合は、その差分値と評価期間42と変化量43を、それぞれ再検索用テーブル11の在と融資開始時期との差分値91と再検索用評価期間111と再検索用変化量112に登録する。そして、ステップS26へ進む。
【0042】
ステップS25において、経済環境類似期間検索ユニット2は、類似期間情報9の現在と融資開始時期との差分値91に登録されている各差分値に対して、以下の処理を実行する。
【0043】
まず、経済環境類似期間検索ユニット2は、類似期間情報9の現在と融資開始時期との差分値91から、そこに登録されている値を1つ読み出す。
【0044】
次に、経済環境類似期間検索ユニット2は、抽出対象融資開始時期検索テーブル82の融資開始時期と各更新時期との差分値822のうち、更新時期がステップS24で抽出された抽出対象期間の開始時期である部分を参照して、そこに格納されている値が、一つ前の処理にて類似期間情報9の現在と融資開始時期との差分値91から読み出した値と等しくなる融資開始時期821を抽出する。これにより、抽出対象期間に存在する過去の個人向けローンのうち、デフォルト発生率推計対象の個人向けローンが将来予想される経済環境の変化によって受ける影響と同じ影響を受ける過去の個人向けローンの融資開始時期が検索される。本実施形態では、融資開始時期との差分値91は+10であり、抽出対象期間の開始時期は2000年と2001年と2005年であるため、融資開始時期と各更新時期との差分値822のうち、更新時期が2005年である部分を検索した際に、2002年と2004年が融資開始時期として抽出される。
【0045】
最後に、経済環境類似期間検索ユニット2は、抽出した融資開始時期821と、抽出時に参照した抽出対象期間の開始時期を、類似期間情報9の類似期間93に登録する。このとき、図5に示すとおり、抽出した融資開始時期821は、各更新期間目の抽出対象融資開始時期931に登録する。抽出時に参照した抽出対象期間の開始時期は、1更新期間目の抽出対象時期932に登録する。2更新期間目以降の抽出対象時期932には、1更新期間目の抽出対象時期932に登録した値を、順次1更新期間分インクリメントした値を登録する。
【0046】
そして、類似期間情報9の現在と融資開始時期との差分値91に登録されている差分値のそれぞれに対して上記処理を実行したら、経済環境類似期間検索ユニット2は、現在から評価期間42が経過するまでの期間における類似期間情報9の類似期間93を参照し、抽出対象融資開始時期931と抽出対象期間932に値が格納されていない箇所が存在するかどうかを検索する。
【0047】
検索した結果、抽出対象融資開始時期931と抽出対象期間932に値が格納されていない箇所が存在しなかった場合、経済環境類似期間検索ユニット2は、ステップS26には進まず、処理を終了する。
【0048】
また、検索した結果、抽出対象融資開始時期931と抽出対象期間932に値が格納されていない箇所が存在した場合、経済環境類似期間検索ユニット2は、検出された箇所に対応する現在と融資開始時期との差分値91に格納されている差分値を読出し、本差分値が再検索用テーブル11テーブルの現在と融資開始時期との差分値91に既に格納されているかどうかを確認する。確認した結果、既に格納されていれば、何も処理を行わずにステップS26へ進む。確認した結果、まだ格納されていなければ本差分値と評価期間42と変化量42を、それぞれ再検索用テーブル11の現在と融資開始時期との差分値91と再検索用評価期間111と再検索用変化量112に登録してから、ステップS26へ進む。
【0049】
なお、本実施形態では、現在から評価期間42が経過するまでの期間における類似期間情報9の類似期間93の中に、抽出対象融資開始時期931と抽出対象期間932に値が格納されていない箇所が存在しない場合はステップS26へ進まないこととしたが、ステップS26へ進むかどうかを、例えば類似期間情報9を提示して、テップS26へ進むかどうかを投資家等のデフォルト発生率推計者に選択させてもよい。デフォルト発生率推計者がステップS26へ進むことを選択した場合、経済環境類似期間検索ユニット2は、類似期間情報9の現在と融資開始時期との差分値91と、再検索用テーブル11の現在と融資開始時期との差分値91を参照し、再検索用テーブル11の現在と融資開始時期との差分値91に格納されていない差分値が、類似期間情報9の現在と融資開始時期との差分値91に存在する場合は、その差分値と評価期間42と変化量43を、それぞれ再検索用テーブル11の現在と融資開始時期との差分値91と再検索用評価期間111と再検索用変化量112に登録してからステップS26へ進む。
【0050】
ステップS26において、経済環境類似期間検索ユニット2は、再検索用テーブル11の現在と融資開始時期との差分値91に格納されている各差分値に対して、以下の処理を実行する。
【0051】
まず、経済環境類似期間検索ユニット2は、抽出対象融資開始時期検索テーブル82の融資開始時期と各更新時期との差分値822を参照して、そこに登録されている差分値が、再検索用テーブル11の現在と融資開始時期との差分値91に再検索用変化量112を加算した値と等しい箇所を検索する。そして、検出された箇所の1更新期間前の箇所に格納されている差分値から、再検索用テーブル11の現在と融資開始時期との差分値91を減算した値を、再検索用変化量112に格納する。また、検出された箇所の1更新期間前の箇所における融資開始時期821と更新時期を、再検索用テーブル11の類似期間93のうち、現在から再検索用評価期間111が経過するまでの将来の期間を経済指標41の更新期間で分割した期間の最終更新期間目における抽出対象融資開始時期931と抽出対象期間932にそれぞれ登録する。また、再検索用評価期間111を経済指標41の1更新期間分デクリメントする。なお、再検索用評価期間111をデクリメントした結果、再検索用評価期間111がゼロとなった場合は、以降の処理は実施せず、再検索用テーブル11の現在と融資開始時期との差分値91に格納されている次の差分値を読み出して、ステップS26を実行する。
【0052】
これにより、現在から再検索用評価期間111が経過するまでの将来の期間を経済指標41の更新期間で分割した期間の最終更新期間目における抽出対象融資開始時期と抽出対象期間の候補と、各候補の残りの評価期間における経済指標41の変化量がリストアップされる。なお、図8の類似期間93に示す具体的な値は、経済指標41の推移履歴として図2(a)ではなく図2(b)に示す値を使用し、これまで記載した処理を実行した結果である。経済指標41の推移履歴として図2(b)に示す値を使用すると、ステップS23にて、図9に示す抽出対象期間検索テーブル81と図10に示す抽出対象融資開始時期検索テーブル82が生成される。図9の抽出対象期間検索テーブル81の評価期間経過後の変化量811を見ると2年間で−20推移した期間は存在しないため、ステップS24からステップS26に推移する。このとき、再検索用テーブル11の現在と融資開始時期との差分値91には+10が登録され、再検索用評価期間111には2が登録され、再検索用変化量112には−20が登録される。そして、ステップS26にて、図10に示す抽出対象融資開始時期検索テーブル82の融資開始時期と各更新時期との差分値822から、まず値が+10となる箇所が抽出され(図中の太枠で囲った箇所)、各箇所の1年前の箇所の融資開始時期と更新時期が図6の類似期間93に格納される。
【0053】
最後に、経済環境類似期間検索ユニット2は、再検索用テーブル11の再検索用変化量112に格納されている各値に対して、評価期間42と変化量43の変わりに、それぞれ再検索用評価期間111と再検索用変化量112を用いて、ステップS23からステップS25の処理を実行する。ただし、ステップS25に記載されている類似期間情報9に対する処理は、全て再検索用テーブル11に対して実行する。
【0054】
そして、再検索用テーブル11の現在と融資開始時期との差分値91に登録されている全ての差分値に対して上記処理を実行したら、経済環境類似期間検索ユニット2は、再検索用テーブル11の類似期間93を、類似期間情報9の類似期間93に追加登録する。
【0055】
ステップS26までを実行しても、類似期間情報9の類似期間93に、抽出対象融資開始時期931と抽出対象期間932に値が格納されていない箇所が存在する場合、経済環境類似期間検索ユニット2は、その旨を投資家等のデフォルト発生率推計者に提示する。このとき、例えば変化量43を保守的に見積もった上で再度ステップS26までを実施し、検出された抽出対象融資開始時期931と抽出対象期間932を参考情報として提示してもよい。
【0056】
次に、図1に示したデフォルト発生率推計ユニット3の機能を、図7に示す処理フローを用いて説明する。
【0057】
ステップS31において、デフォルト発生率推計ユニット3は、現在から評価期間42が経過するまでの将来の期間を経済指標41の更新期間で分割した各期間に対して、以下の処理を実行することにより、将来の個人向けローンの取扱実績情報10を生成する。なお、将来の個人向けローンの取扱実績情報10は、類似期間情報9の現在と融資開始時期との差分値91ごとに生成してもよいし、1つの取扱実績情報として生成してもよい。
【0058】
まず、デフォルト発生率推計ユニット3は、類似期間情報9の類似期間93から、各期間に対応する抽出対象融資開始時期931と抽出対象期間932を読み出す。なお、図5に示すように抽出対象融資開始時期931と抽出対象期間932が複数個登録されている場合は、例えば類似期間情報9を提示して、投資家等のデフォルト発生率推計者が読み出す抽出対象融資開始時期931と抽出対象期間932を選択できるようにしてもよい。類似期間情報9を提示する際には、現在から評価期間42が経過するまでの将来の期間に経済指標41の値がどのように変化するかをグラフィカルに表示した情報等を付加してもよい。
【0059】
次に、デフォルト発生率推計ユニット3は、過去の個人向けローンの取扱実績情報6を参照し、融資開始時期が抽出対象融資開始時期931である個人向けローンの抽出対象期間932における取扱実績情報を抽出する。抽出する取扱実績情報には、少なくとも、融資開始時期が抽出対象融資開始時期931である個人向けローンの抽出対象期間932における取扱件数とデフォルト件数、ならびに、抽出対象期間932中にデフォルトした融資開始時期が抽出対象融資開始時期931である各個人向けローンの融資開始時期からデフォルト発生時期までの経過期間を含める。
【0060】
最後に、デフォルト発生率推計ユニット3は、抽出した取扱実績情報を、将来の個人向けローンの取扱実績情報10の各期間における取扱実績情報として登録する。
【0061】
ステップS32において、デフォルト発生率推計ユニット3は、過去の個人向けローンの取扱実績情報6と、ステップS31にて生成した将来の個人向けローンの取扱実績情報10を用いて、デフォルト発生率推計対象個人向けローン情報7に格納されている個人向けローンのデフォルト発生率を推計する。なお、デフォルト発生率の推計には、どのような推計方法を用いてもよい。また、デフォルト発生率の推計に使用する個人向けローンの取扱実績情報として、将来の個人向けローンの取扱実績情報10のみを使用してもよい。
【0062】
以上、本発明の実施形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 経済環境動向入力ユニット
2 経済環境類似期間検索ユニット
3 デフォルト発生率推計ユニット
4 経済環境動向情報
5 経済指標推移履歴情報
6 過去の個人向けローンの取扱実績情報
7 デフォルト発生率推計対象個人向けローン情報
8 類似期間検索テーブル
9 類似期間情報
10 将来の個人向けローンの取扱実績情報
41 経済指標
42 評価期間
43 変化量
931 抽出対象融資開始時期
932 抽出対象期間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去のローン取扱実績情報を用いて将来におけるローン債権のデフォルト発生率を推計する方法であって、
記憶装置に、過去のローン実績情報を記憶しておき、
将来予想される経済環境の変化として、経済環境を表す経済指標と、評価期間と、現在から評価期間経過後の経済指標値の変化量の入力を受け付けるステップと、
前記過去のローン取扱実績情報が存在する期間の中から、前記評価期間が経過した際に前記経済指標の値が前記変化量だけ変化した期間を検索するステップと、
検索された前記期間を抽出対象期間として保持するステップと、
前記過去のローン取扱実績情報から、過去にローン債権の融資を開始した実績を含む時期を抽出し、抽出対象融資開始時期として保持するステップと、
前記抽出対象融資開始時期の中から、前記抽出対象期間の開始時期における前記経済指標の値と前記抽出対象融資開始時期における前記経済指標の値との差分値が、現在における前記経済指標の値とデフォルト発生率推計対象ローン債権の融資開始時期における前記経済指標の値との差分値に等しくなる前記抽出対象融資開始時期を検索し、検出された前記抽出対象融資開始時期と前記抽出対象期間を、現在から前記評価期間が経過するまでの期間における前記デフォルト発生率推計対象ローン債権の取扱実績情報の類似期間情報として登録するステップと、
前記類似期間情報にもとづき、前記抽出対象融資開始時期に融資を開始したローン債権の前記抽出対象期間における取扱実績情報を前記過去のローン取扱実績情報から抽出することにより、現在から前記評価期間が経過するまでの期間における前記デフォルト発生率推計対象ローン債権の取扱実績情報を仮想的に生成するステップとを含むことを特徴とするローン債権のデフォルト発生率推計方法。
【請求項2】
請求項1に記載のローン債権のデフォルト発生率推計方法において、
現在から前記評価期間が経過するまでの将来の期間を前記経済指標の更新期間で分割した期間の最終更新期間目における前記抽出対象融資開始時期と前記抽出対象期間を検索し、残りの前記評価期間における前記抽出対象融資開始時期と前記抽出対象期間を、前記検索するステップでの検索により再検索するステップをさらに含むことを特徴とするローン債権のデフォルト発生率推計方法。
【請求項3】
過去のローン取扱実績情報を用いて将来におけるローン債権のデフォルト発生率を推計するシステムであって、
前記過去のローン取扱実績情報を格納する手段と、
将来予想される経済環境の変化と類似した変化が発生した過去の期間を登録する類似期間情報格納手段と、
将来予想される経済環境の変化として、経済環境を表す経済指標と、評価期間と、現在から評価期間経過後の経済指標値の変化量の入力を受け付ける手段と、
前記過去のローン取扱実績情報が存在する期間の中から、前記評価期間が経過した際に前記経済指標の値が前記変化量だけ変化した期間を検索する手段と、
検索された前記期間を抽出対象期間として保持する手段と、
前記過去のローン取扱実績情報から、過去にローン債権の融資を開始した実績を含む時期を抽出し、抽出対象融資開始時期として保持する手段と、
前記抽出対象融資開始時期の中から、前記抽出対象期間の開始時期における前記経済指標の値と前記抽出対象融資開始時期における前記経済指標の値との差分値が、現在における前記経済指標の値とデフォルト発生率推計対象ローン債権の融資開始時期における前記経済指標の値との差分値に等しくなる前記抽出対象融資開始時期を検索し、検出された前記抽出対象融資開始時期と前記抽出対象期間を、現在から前記評価期間が経過するまでの期間における前記デフォルト発生率推計対象ローン債権の取扱実績情報の類似期間情報として登録する手段と、
前記類似期間情報にもとづき、前記抽出対象融資開始時期に融資を開始したローン債権の前記抽出対象期間における取扱実績情報を前記過去のローン取扱実績情報から抽出することにより、現在から前記評価期間が経過するまでの期間における前記デフォルト発生率推計対象ローン債権の取扱実績情報を仮想的に生成する手段とを備えることを特徴とするローン債権のデフォルト発生率推計システム。
【請求項4】
請求項3に記載のローン債権のデフォルト発生率推計システムにおいて、
前記検索する手段は、現在から前記評価期間が経過するまでの将来の期間を前記経済指標の更新期間で分割した期間の最終更新期間目における前記抽出対象融資開始時期と前記抽出対象期間を検索した後、残りの前記評価期間における前記抽出対象融資開始時期と前記抽出対象期間を再検索することを特徴とするローン債権のデフォルト発生率推計システム。
【請求項5】
過去のローン取扱実績情報を用いて将来におけるローン債権のデフォルト発生率を算出するシステムにおいて、
個人向けローンの開始時期の経済環境の変化に関する情報の内容に応じて、デフォルト発生率をその開始期間毎に分類して記憶する手段と、
将来の経済環境の変化に関する情報の入力を受付ける手段と、
受付けた経済環境の変化に関する情報に対応する経済環境の変化に関する情報に対応する個人向けローンの開始時期を記憶手段から抽出する手段と、
抽出された前記開始時期における個人向けローンの取扱実績情報を、将来における取扱実績情報として、個人向けローンのデフォルト発生率を算出する手段とを有することを特徴とするローン債権のデフォルト発生率推計システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−238145(P2011−238145A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110730(P2010−110730)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)