説明

ワイヤレスカメラ接続

【課題】例えば、光源、イメージャおよび/またはメモリ装置を含む各種電子機器を含む、内視鏡上に設置される各種装置にワイヤレス電力供給するためのシステム。
【解決手段】システムはまた、データ送信を達成するため、低減されたEMIおよび改善された在庫追跡、メンテナンスおよび品質保証、および調節の必要性の低減および内視鏡およびカメラの位置合わせとともに、ビデオ信号処理パラメータが、取り付けられた内視鏡の特性に基づいて、内視鏡ビデオカメラシステムに対して自動的に設定されるように提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2006年10月3日に出願されたUS特許出願第11/542461号の一部継続出願であり、それは、2002年3月12日に出願されたUS特許出願第10/095616号の一部継続出願である。
【0002】
本発明は、内視鏡ビデオカメラシステムに関し、ビデオカメラは、取り付けられた内視鏡を電子的に識別し、所定の内視鏡パラメータに従いシステムパラメータを自動的に設定し、内視鏡に電力をワイヤレスに提供する。内視鏡は、内視鏡使用およびメンテナンス、在庫追跡および制御、および各種他の内視鏡パラメータの監視目的で、操作(即ち、内視鏡に対し情報の読み出し、更新、次いで情報の書き込み)をするために電子的に識別されることができる。
【背景技術】
【0003】
内視鏡は、細長い管状の構造をした医療装置であり、体の穴に挿入され、医療の専門家による検診を容易にする。内視鏡は、その遠位端に対物レンズを備えたテレスコープを含む。テレスコープは、画像転送システムを含み、硬性内視鏡では通常、一連の離間レンズである。柔軟内視鏡では通常、画像転送システムは、コヒーレントに集合された1束の微細な光ファイバである。
【0004】
通常、画像転送システムの近位端では、人の直接的な視覚のために仮想イメージを生成する接眼レンズがある。電荷結合装置(CCD)チップまたはCMOS装置のようなカメラ手段はしばしば、内視鏡に搭載される。それは、画像を受信し、ビデオ表示のために信号を生成する。外科医は、接眼レンズを介して内視鏡を直接よく見ることができる一方、取り付けられたカメラを用いてビデオ画面上で画像を観察することがより一般的である。従来のビデオカメラ配置において、カメラ(以下、“カメラヘッド”と称する)は通常、内視鏡へ取り外し可能に接続される。カメラ制御ユニット(CCU)は他の制御の中でとりわけ、カメラヘッドおよびビデオ表示間のリンクを提供するために採用される。
【0005】
カメラヘッドが内視鏡から取り外し可能な時、これは、内視鏡および取り外し可能なカメラ間で例えばデータおよび/または光エネルギーを送信するために、接続メカニズムを必要とする。しかし、接続位置における位置合わせのズレ、汚れ/破片および損傷は、光経路の効率を低減することがあるので、内視鏡および取り外し可能なカメラ間で光エネルギーを送信するための接続メカニズムの必要性を削減するのが有利である。しかし、光源(例えば、バッテリ)が内視鏡上に設置される時に内視鏡の重さが相応して増えるので、内視鏡での光エネルギーの生成は、容易ではない。従って、内視鏡で光エネルギー(照明光)を生成することを提供するシステムが望まれ、内視鏡の重さおよびサイズをあまり増やさないことが望まれる。
【0006】
また、内視鏡は、特定の用途および外科手術のための各種サイズであることが分かる。テレスコープレンズシステムは、各種光学特性を有することができる。例えば、対物レンズは、プリズムを含むので、観察される画像は、テレスコープの軸のそれに関して何度か傾いている。また、異なる内視鏡は、異なる視野(FOV)を有することがある。これらおよび他のバリエーションは、特定の内視鏡の光学特性に悪影響を与える。
【0007】
上記説明の通り、カメラヘッドは通常、内視鏡から取り外し可能であり、異なる光学特性を有する各種内視鏡に取り付けできるよう都合よく構成されていることが多い。このため、取り付けられたカメラヘッドからのビデオ信号を受信するCCUは、ビデオモニタ上に最適な画像を提供するために、内視鏡光学特性を知る必要がある。現在、カメラヘッドおよびCCUの設定は、内視鏡の光学特性に対して手動で調節される。
【0008】
取り付けられた内視鏡に対するビデオカメラシステム設定を最適化するために、カメラヘッドおよび/またはCCUへの手動調節の必要性を削減することによって、内視鏡およびビデオカメラシステムを用いるタスクを単純化するのが有利である。
【0009】
特定の内視鏡を利用する最適なビデオシステム動作を保証するために、内視鏡は、周期的に計画された、および計画されてないメンテナンスを受ける必要もある。また、ほとんどの内視鏡製造者は、信頼性、精度および正確な機能性を確実にするために、自分の製品を適切に維持することを必要とする。これは、製造者の評判および製造者の製品に対する医療業者の信頼性を高める。製造者の視点から、工場の権限のある人だけがその製品をサービスすることが重要であるが、いくつかの医療施設は、権限のない修理サービスを使用できることが市場において現実である。メンテナンスが間違って実行される場合、医療関係者は、間違って実行されたメンテナンスによって引起される問題が製品および/または製造設計に起因すると考えることがあるので、そのような次善メンテナンスを妨げることが製造者にとって有利である。
【0010】
内視鏡のメンテナンスに関して、内視鏡の使用特性がある。製造者にとって、どのくらいその製品が使用されるかは、価値ある情報である。製造者は、例えば各製品が使用される頻度、各使用の経過時間、製品のメンテナンス履歴等を知ることを望む場合がある。これら要素は、耐久性、信頼性、製造過程で使用される構成要素および材料に関する将来の内視鏡設計に影響することがある。
【0011】
当業者であれば、曝露されている内視鏡の認められる安全動作範囲を超える動作範囲を記録するために電子センサを利用することが分かる。内視鏡が曝される圧力、湿度、放射、および/または衝撃または衝突負荷等の条件に関するピーク値は、記録されることができる。内視鏡の故障時、この情報は次いで、故障の確からしい原因を判断するために利用されてもよい。
【0012】
D’Alfonsoらによる米国特許第5896166号(166特許)およびD’Alfonsoらによる6313868号(868特許)の両方は、カメラヘッドに位置する非揮発性メモリにカメラパラメータおよびカメラ使用特性を格納し、カメラ制御ユニットへのカメラユニットの接続時にデータ接続を介してカメラ接続ユニットにカメラパラメータおよびカメラ使用特性を送信することを開示する。しかし、何れの文献も、単一のカメラユニットが複数の内視鏡と交換でき、カメラユニットの接続時に内視鏡パラメータおよび使用特性を自動的に読み込めるように、内視鏡がその中に位置するメモリ装置を有するシステムを開示していない。また、166特許と868特許の何れも、内視鏡使用特性が特定の内視鏡使用の履歴を記録するために更新できるシステムを開示していない。むしろ、166特許および868特許の両方は、カメラユニットのみを更新することに限定される。また、166特許と868特許の何れも、内視鏡パラメータおよび使用特性が非接触送信を介して自動的に読み込まれることができるシステムを開示していない。
【0013】
内視鏡管理の分野におけるもう1つの問題は、施設全体で使用される複数の異なる内視鏡を追跡し続けることである。内視鏡の位置および在庫を追跡し続けるための各種手法が存在する。単純な在庫制御およびサインアウトシートは、労働集約的であり、正確性がなく、結果として、医療機器に必要な安全レベルを確実にするのに非効率である。また、サインアウトシートでは、機器の監視、例えば内視鏡が適切に機能しているかまたはメンテナンスが必要かを判断できない。
【0014】
バーコードは、追跡目的に使用される。機器のバーコード化により、携帯用バーコードスキャナを用いてバーコードを読み込み、機器の識別および位置決めが可能になる。しかし、バーコード化は、機器が直近にスキャンされてから移動された時、役に立たない。また、バーコードの使用は、内視鏡を捜し求めて1つまたは複数の携帯用スキャナを用いて施設を巡回する労働集約的なステップを要求することがある。また、サインアウトシートのようなバーコードでは、機器の監視、例えば内視鏡が適切に機能しているかまたはメンテナンスが必要かを判断できない。
【0015】
当業者であれば、エネルギーおよびデータ送信は、高周波コイルが、HeinrichらによるUS特許第6092722号(722特許)に開示されているように、疎結合変圧器のように作動する誘電結合を介して行えることが分かる。高周波コイルは、電力がそこに適用される時、高周波の場を生成し、そこに他の装置が接近させられる時に他の装置の高周波コイルに当てられる。
【0016】
722特許で開示されるように、誘電結合の使用による1つの主な問題は、手術室の環境において許容できないレベルの電磁干渉(EMI)を生成しうることである。カメラヘッドからカメラ制御ユニットへ送信されるビデオ信号のように電子機器は、EMIに特に敏感なことがある。従って、EMIの悪影響を低減するために、十分な遮蔽が提供されなければならない。しかしこれは、さらに装置のコストおよび製造時間を追加する。従って、EMIを生成しないシステムがとても望まれる。
【0017】
722特許で開示されるように、誘電結合の使用によるもう1つの不利な点は、内視鏡およびカメラヘッドの両方に誘電コイルの使用を要し、装置のサイズおよび重さをかなり追加することである。誘電コイルの追加されたサイズおよび重さに加えて、誘電コイルによって生成されるEMIに対する必要な遮蔽は次いで、装置のサイズおよび重さを増やす。比較的軽量で、小型で、扱い易い内視鏡およびカメラヘッドが望まれる。
【0018】
722特許で開示されるように、誘電結合技法のもう1つの不利な点は、高周波コイルが疎結合変圧器のように作動するので、高周波コイルの両方は、効率的なデータ送信を実行するために、一方と他方の終端を直接位置合わせしなければならないことである。高周波コイルによって生成される誘電場は、一方向性なので、構成要素の正確な位置合わせが重要である。この状況は、医療業者にとってかなり困難であり、カメラヘッドおよび内視鏡を正確に位置合わせして適切にビデオシステムを機能させるのに時間がかかってしまう。従って、構成要素の正確な位置合わせを要求しないシステムが望まれる。
【0019】
無線周波識別(RFID)は、各種装置および/または機器を発見するために使用される。しかし、手術室環境で使用されるRFIDは、装置を発見するのに必要な広い電力範囲により限定的である。発見目的に利用されるRFIDは、合理的な電力範囲と同じくらい広い電力範囲で送受信器を使用する必要がある。広い電力範囲は不運にも、対象外のRFID受信器による信号の受信を引起すことがある。即ち、内視鏡がルームAで使用中の場合、ルームBにある対象外の内視鏡機器を送受信器に“応答”させることが望まれない。RFIDは、装置および/または機器の位置を追跡し、装置および/または機器から記録または追跡システムへの1方向通信のみ容易にすることに限定される。
【0020】
RFIDは、比較的早い読み込み速度を有する利点があるが、RFIDが直面する1つの特定の限定は、比較的厳しい環境でスキャンする精度である。例えば、RFIDは、液体および金属を介してまたはそれら近傍での正確な読み込みが困難であることが知られている。
【0021】
従って、内視鏡およびビデオカメラの使用を単純化および最適化し、敏感な電子機器に干渉せず、消費者が製造者のパラメータに内視鏡を維持するよう促し、製品の使用およびメンテナンスに関する情報を内視鏡製造者に提供するシステムが必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の1つの実施形態では、システムは、内視鏡および取り外し可能なカメラヘッドを含んで提供される。内視鏡は、中継器/送受信器を備え、取り外し可能なカメラヘッドは、電力がカメラヘッドから内視鏡へ送信されるように対応する中継器/送受信器を備える。内視鏡は、その上に設置される光源(例えば、LED)を備え、電力は、取り外し可能なカメラヘッドから内視鏡へワイヤレス送信され、LEDに電力供給する。また、電力が送信されるだけでなく、(例えば、CCDまたはCMOS装置を介して)内視鏡によって生成された画像データも内視鏡から取り外し可能なカメラヘッドにワイヤレス送信できることが分かる。さらに、コマンドおよび制御データは、内視鏡および取り外し可能なカメラヘッド間で送信されてもよい。
【0023】
本発明のもう1つの実施形態では、システムは、内視鏡パラメータデータおよび内視鏡使用履歴データにアクセスできる取り外し可能なカメラを用いて、必要に応じて、格納のために内視鏡に内視鏡使用履歴データを更新および再書き込みし、内視鏡読み出し/書き込み装置が内視鏡パラメータおよび内視鏡使用履歴データを格納および提供するように提供される。中継器/送受信器は、内視鏡に付加され、内視鏡中継器/送受信器は、ワイヤレス信号を送受信できる。内視鏡中継器/送受信器は、内視鏡パラメータおよび内視鏡使用履歴データの電子表示を格納するメモリ装置に接続され、問合せ時、内視鏡中継器/送受信器に電子表示を供給する。ワイヤレス信号を送信して内視鏡中継器/送受信器との通信をするために、カメラ中継器/送受信器は、カメラに付加され、内視鏡中継器/送受信器が送信したワイヤレス信号を受信するよう設定される。
【0024】
もう1つの実施形態では、本発明は、RFID形式またはIEEE1902.1と呼ばれ、また“Rubee”形式としても知られる規格を用いてワイヤレス中継器/送受信器を利用する。そのように、放射されたEMI、位置合わせ条件、および装置発見の不能等の、誘電結合に関する問題が無い。
【0025】
本願では、以下の用語および定義が適用される。
【0026】
本明細書で用いる用語“データ”は、永久または一時的に、視覚、聴覚、音響、電子、磁気、電磁気または別のものとして、任意のインダイシア(indicia)、信号、印、シンボル、ドメイン、シンボルセット、表示、および任意の他の物理形式を意味し、または表示情報の形式をとる。1つの物理形式で所定の情報を示すのに用いる用語“データ”は、異なる物理形式または複数の形式での同一の所定の情報に対する任意および全ての表示を含むと見なされる。
【0027】
本明細書で用いる用語“ネットワーク”は、インターネットを含むネットワークおよび全種類のインターネットワークを含み、任意の特定のネットワークまたはインターネットワークに限定されない。
【0028】
本明細書で用いる用語“接続”、“に接続”および“と接続”は各々、2つまたは複数の間の装置、機器、ファイル、プログラム、メディア、構成要素、ネットワーク、システム、サブシステム、および/または手段の関係を意味し、任意の1つまたは複数の(a)直接または間接的に1つまたは複数の他の装置、機器、ファイル、プログラム、メディア、構成要素、ネットワーク、システム、サブシステム、または手段との接続、(b)直接または間接的に1つまたは複数の他の装置、機器、ファイル、プログラム、メディア、構成要素、ネットワーク、システム、サブシステム、または手段との通信関係、および/または(c)任意の1つまたは複数の装置、機器、ファイル、プログラム、メディア、構成要素、ネットワーク、システム、サブシステム、または手段の動作がそれらの他の任意の1つまたは複数の動作上の全部または一部に依存する機能的関係を意味する。
【0029】
本明細書で用いる用語“処理”および“処理する”は各々例えば、連続または非連続、同期または非同期の、データの方向、修正、データのフォーマットおよび/または変換、データのタグまたは注釈、測定、データの比較および/または閲覧を含む作動または一連の作動を意味するがそれらに限定されず、プログラムを含むかまたは含まなくてよい。
【0030】
本明細書で用いる用語“第1”および“第2”は、要素、設定、データ、物体または事象を区別し、時間内の相対位置または配置を区別するのに用いない。
【0031】
本明細書で用いる用語“共振”作用は、2つの実質的に同一の周波数の物体(例えば、送信器/受信器)間に生じる比較的強い接続のほかに、他の非共振環境物体との比較的弱い相互作用をも記載するのに用いる。“共振”作用はまた、共振エバネッセント結合を含み、それは、共振結合が、2つの物体の非放射近接場の重複を介して生ずる。
【0032】
本発明の1つの有利な実施形態では、内視鏡ビデオシステムは、内視鏡および取り外し可能なカメラ間の通信のために提供され、第1の中継器/送受信器は、内視鏡に付加され、内視鏡パラメータおよび内視鏡使用履歴データを含むワイヤレス信号を送信するために設定され、修正された内視鏡使用履歴データを含むワイヤレス信号を受信するように設定され、第2の中継器/送受信器は、修正された内視鏡使用履歴データを含むワイヤレス信号を送信するように設定され、内視鏡パラメータおよび内視鏡使用履歴データを含むワイヤレス信号を受信するように設定された取り外し可能なカメラに付加され、メモリ装置は、ワイヤレス信号に含まれたデータを格納するためのメモリ記憶域を有し第1の中継器/送受信器に接続され、カメラ制御ユニットは、内視鏡パラメータおよび内視鏡使用履歴データを受信および処理するためにカメラに接続される。
【0033】
本発明のもう1つの有利な実施形態では、内視鏡ビデオシステムは、内視鏡からのデータの送信のために提供され、中継器/送受信器は、内視鏡に付加され、内視鏡パラメータおよび内視鏡使用履歴データを含むワイヤレス信号を送信するように設定され、修正された内視鏡使用履歴データを含むワイヤレス信号を受信するように設定され、メモリ装置は、ワイヤレス信号に含まれるデータを格納するためのメモリ記憶域を有し中継器/送受信器に接続される。
【0034】
本発明のさらにもう1つの有利な実施形態では、内視鏡ビデオシステムは、複数の内視鏡のパラメータに自動的に調節するために提供され、修正された内視鏡使用履歴データの送信のために提供され、中継器/送受信器は、カメラヘッド上に設置され、修正された内視鏡使用履歴データを含むワイヤレス信号を送信するように設定され、内視鏡パラメータおよび内視鏡使用履歴データを含むワイヤレス信号を受信するように設定され、カメラ制御ユニットは、カメラに接続され、内視鏡パラメータおよび内視鏡使用履歴データを受信および処理する。
【0035】
本発明のさらにもう1つの実施形態では、メモリ装置およびメモリ装置に接続された第1の中継器/送受信器を有する内視鏡からの内視鏡パラメータおよび使用特性をカメラ制御ユニットに通信し、カメラ制御ユニットから修正された内視鏡使用特性を内視鏡に通信するための方法が提供され、メモリ装置に複数の内視鏡パラメータおよび内視鏡使用特性を格納するステップと、第2の中継器/送受信器をカメラに提供するステップと、カメラ制御ユニットに第2の中継器/送受信器を接続するステップと、メモリ装置から内視鏡パラメータおよび内視鏡使用特性を抽出するステップと、第1の中継器/送受信器から内視鏡パラメータおよび内視鏡使用特性を含む第1のワイヤレス信号を送信するステップと、第2の中継器/送受信器で第1のワイヤレス信号を受信するステップと、カメラヘッドからカメラ制御ユニットへ第1のワイヤレス信号に含まれる内視鏡パラメータおよび内視鏡使用特性を送信するステップと、カメラ制御ユニットからカメラへ修正された内視鏡使用特性を送信するステップと、第2の中継器/送受信器から第1の中継器/送受信器へ修正された内視鏡使用特性を含む第2のワイヤレス信号を送信するステップと、修正された内視鏡使用特性を含む第2のワイヤレス信号を受信するステップと、メモリ装置のメモリ記憶域に修正された内視鏡使用特性を格納するステップとを含む。
【0036】
本発明のさらに有利な実施形態では、内視鏡ビデオシステムは、内視鏡および取り外し可能なカメラ間の通信のために提供され、第1の中継器/送受信器は、第1のデータを送受信するために内視鏡に取り付けられ、第2の中継器/送受信器は、第2のデータを送受信するために取り外し可能なカメラに取り付けられ、メモリ装置は、データを格納するためにメモリ記憶域を有する第1の中継器/送受信器に接続される。
【0037】
本発明のさらにもう1つの実施形態では、取り外し可能なカメラに接続された内視鏡をワイヤレスに電力供給するための内視鏡ビデオシステムが提供され、内視鏡は、その上に第1の中継器/送受信器を有し、第1の中継器/送受信器は、ワイヤレスエネルギーを送受信し、カメラは、その上に設置された第2の中継器/送受信器を有し、第2の中継器/送受信器は、エネルギーを送信するためにそこに接近させられる時に第1の中継器/送受信器にワイヤレス接続する。システムはまた、内視鏡上に設置された内視鏡光源を有し、内視鏡光源は、第1の中継器/送受信器に接続され、第1の中継器/送受信器から電力を受信する。システムは、内視鏡光源が照明光を生成するように提供され、それは、観察すべきエリアに送信される。システムはさらに、エリアを示す画像信号を生成するイメージャと、カメラに接続されたカメラ制御ユニットとを含み、カメラ制御ユニットは、画像データを受信および処理する。
【0038】
本発明のさらにもう1つの実施形態では、取り外し可能なカメラに接続された内視鏡にワイヤレスに電力供給するための方法は、内視鏡上に第1の中継器/送受信器を設置し、カメラ制御ユニット上に第2の中継器/送受信器を設置し、内視鏡上に内視鏡光源を設置するステップを含んで提供される。方法はまた、第1の中継器/送受信器に内視鏡光源を接続し、内視鏡上にイメージャを設置するステップを含む。方法はまた、第2の中継器/送受信器から第1の中継器/送受信器にエネルギーをワイヤレスに送信し、第1の中継器/送受信器から内視鏡光源に提供された電力で内視鏡光源を用いて照明光を生成するステップを含む。最後に、方法は、照明光で観察すべきエリアを照明し、エリアを示す画像データを生成し、画像データを受信および処理するためにカメラ制御ユニットに画像信号を送信するステップを含む。
【0039】
本発明およびその特定の特徴および利点は、添付図面を参照して考えられる以下の詳細な説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、内視鏡に対する取り外し可能なカメラの組み立てを図示する。
【図2】図2は、内視鏡メモリ装置のプログラミングおよび取り外し可能なカメラヘッドとの通信を図示する。
【図3】図3は、本発明の方法を実行するブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
ここで図を参照すると、同一の参照番号は、図面全体にわたって対応する構造を示す。
【0042】
図1は、例えば内視鏡特性の電子表示を格納および送信することを含む、ワイヤレスでエネルギーおよびデータを送信するための内視鏡システム10を示す。1つの有利な実施形態によると、内視鏡中継器/送受信器20は、内視鏡12上に搭載され、取外し可能なカメラヘッド14上に搭載されたカメラヘッド中継器/送受信器24と交信する。内視鏡中継器/送受信器20およびカメラヘッド中継器/送受信器24は、当業者にとって周知な任意タイプの比較的近距離通信装置の1つでもよい。内視鏡中継器/送受信器20およびカメラヘッド中継器/送受信器24は、各々が互いにワイヤレス信号を送受信できるように設定できる。
【0043】
1つの有利な実施形態では、中継器/送受信器20および24は、RFID高周波(HF)または極超短波(UHF)に関係なくRF信号を生成、送信および受信できる無線周波(RF)送受信器として提供される。
【0044】
もう1つの有利な実施形態では、中継器/送受信器20および24は、“RuBee”形式としても知られる、IEEE1902.1と称する規格を介してワイヤレス信号を生成、送信および受信するために提供されてもよい。従来のRFIDタグは、後方散乱中継器であり、RuBeeは、アクティブ送受信器として動作する。RuBeeは、450KHzを下回る波長で動作する、双方向、オンデマンド、ピアツーピア、放射、送受信器プロトコルである。このプロトコルは、何千ものタグからなるネットワークという厳しい環境で有利であり、10フィートから約50フィートまでのエリア範囲を有することができる。
【0045】
RuBeeは、IPv4アドレスおよびサブネットアドレスを用いる、リアルタイム、タグ検索可能プロトコルであり、それは、300から9600Baudの速度で動作するアセットタクソノミ(asset taxonomy)にリンクされる。RuBee Visibility Networkはまた、低コストのEthernet(登録商標)が有効なルータによって管理されることができる。個々のタグおよびタグデータは、世界中のどこからでもスタンドアロン、ウェブサーバとしてみなされることができる。各RuBeeタグは、適切に有効にされる場合、良く知られた検索エンジン(例えば、Google)を用いてWorld Wide Webにわたって、またはVisible Asset`s.tag Tag Name Serverを介して発見および監視されることができる。
【0046】
ネットワーク接続29が利用されると、ネットワークは、例えばインターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、フレームリレー接続、Advanced Intelligent Network(AIN)接続、同期光ネットワーク(SONET)接続、デジタルT1、T3またはE1ライン、Digital Data Service(DDS)接続、DSL(Digital Subscriber Line)接続、Ethernet(登録商標)接続、ATM(Asynchronous Transfer Mode)接続、FDDI(Fiber Distributed Data Interface)またはCDDI(Copper Distributed Data Interface)接続等のうち任意の1つまたは複数を含んでもよいことが分かる。このように、カメラ制御ユニット16は、例えば内視鏡12に送信またはそこから送信されるデータおよび/または情報へリモートアクセスするために、ネットワーク接続29を介してリモートコンピュータ31に接続されてもよい。
【0047】
RuBeeのもう1つの利点は、液体および金属を介してよく作動でき、低電力を消費する。価格の観点から、RuBeeおよび従来のRFIDは、コストにおいて類似する。
【0048】
内視鏡中継器/送受信器20は、メモリ装置22に接続される。メモリ装置22は、内視鏡中継器/送受信器20に内視鏡12のパラメータの電子表示を格納および提供することができる。メモリ装置22は、電子的、磁気的な手段によって、光周波数によってプログラム可能な任意タイプ、または当業者にとって良く知られた任意形式でもよい。
【0049】
また、内視鏡12の中または上に設置されるものとして示されるのは、内視鏡光源21、内視鏡電子機器23およびイメージャ25である。1つの実施形態では、内視鏡光源21は、例えば内視鏡12の遠位端の前に、照明光を提供するためにLEDを含む。内視鏡中継器/送受信器20は、カメラ中継器/送受信器24からワイヤレス接続を介して電力を受ける。電力送信のためのワイヤレス接続は、医療機器上に位置する任意タイプの電子格納装置を必要とすることなく機能するために、例えば共振結合配置を含んでもよい。もう1つの実施形態では、軽量電子格納装置19は、ワイヤレス電力接続からの一時的接続解除のイベントで、一定限度の電力を格納するために医療装置のそばに設置できる。第2の実施形態では、医療装置は、ワイヤレス電力送信ユニットの近隣の入る時、再充電を自動的に開始する。
【0050】
1つの有利な実施形態では、カメラ中継器/送受信器(送信器/受信器)24および内視鏡中継器/送受信器(送信器/受信器)20は、共振送信器および受信器を含むことができる。例えば、共振送信器は、共振磁場を生成することができる。中継器/送受信器は、強力な共振結合がカメラ中継器/送受信器24と内視鏡中継器/送受信器20との間で発生するよう、同一の周波数に“調節”されることができる。1つの有利な実施形態における共振結合は、エバネッセント定常近接場(evanescent stationary near−field)を含む。中継器/送受信器が任意タイプの共振構造を実質的に含むことができる一方、有利な実施形態では、電磁共振システムは、誘電体ディスクおよび容量負荷導線ループ(capacitively−loaded conducting−wire loops)を含みうることが分かる。この配置は、比較的大きい効率的な電力送信のためだけでなく、付近における他の非共振環境物体(off−resonant environmental objects)との比較的弱い相互作用のための強力な接続という利点を提供する。
【0051】
従って、共振結合環境では、カメラ中継器/送受信器24は、内視鏡中継器/送受信器20によって受信される共振磁場を生成する。内視鏡中継器/送受信器20は次いで、内視鏡光源21に電力を送信し、またイメージャ25を含んでもよい内視鏡電子機器23に電力を送信することができる。また、内視鏡は、医療手順が実行されるべき体の穴に挿入される硬性または柔軟なシャフト27を含むことが分かる。1つの実施形態では、内視鏡光源21は、(図1に示す)内視鏡の取っ手部に設置され、照明光は、シャフト前のエリアを照明するために、シャフト27の遠位端へ(シャフト27の)光経路の下に送信される。イメージャ25は、反射光を受光または抽出して画像データを生成するために、(図1に示す)内視鏡の取っ手部またはシャフト27の遠位端に設置されてもよい。イメージデータは次いで、カメラ制御ユニット(“CCU”)16に送信されてもよい。
【0052】
画像データは、1秒に約30から60フレームまでのデータを含むビデオ画像データストリームとして提供されることが分かる。これは、内視鏡送受信器208に十分な電力を送信できるようにする共振結合として可能となる。
【0053】
上記説明の通り、カメラヘッド14は、内視鏡12から取外し可能であり、他の内視鏡に取り付けてもよい。カメラヘッド14は、ケーブル18によってCCU16に接続される。しかし、カメラヘッド14は、例えばアナログ、デジタル、または光を含むケーブル接続、またはワイヤレス接続によってCCU16に接続されることができる。ケーブル18は、CCU16をカメラヘッド14に接続するので、カメラヘッド中継器/送受信器24に接続する。警報器28は、内視鏡システム10を操作する人に内視鏡パラメータを通信する目的でCCU16に組込まれることができる。警報器28は、内視鏡に関する情報が機器を操作する人に通信される手段を提供する。警報器は、ランプ、音声信号、文字表示、または他のそのような通信装置でもよい。好ましくは、CCU16によって受信される適用可能な内視鏡パラメータは、内視鏡システム10の操作者が観察するために、後続的に復号されビデオモニタ上へ表示される。メモリ装置22は、外部コンピュータ(図示せず)によって本発明を介して問合わされ、編集および分析のために回収されたデータをメモリ装置22に格納できることが分かる。内視鏡に搭載された回路、中継器/送受信器20およびメモリ装置22のための電力は、カメラヘッド14から、または外部コンピュータからの信号から到来する、カメラヘッド中継器/送受信器24からの電力信号によって供給されてもよい。
【0054】
内視鏡中継器/送受信器20、カメラヘッド中継器/送受信器24およびメモリ装置22等の構成要素は、内視鏡12またはカメラヘッド14の殺菌中に損傷されないように選択および保護される。殺菌は、その分野で通常用いる高温殺菌、薬品殺菌または照射殺菌からなる任意または全ての方法を含んでもよい。内視鏡中継器/送受信器20、メモリ装置22およびカメラヘッド中継器/送受信器24で用いる構成要素は、加圧減菌器で通常用いる温度、グルタルアルデヒドまたはエチレンオキシド等の薬品、ガンマ照射、または当業者の知る任意の他の殺菌技法によって劣化してはならない。
【0055】
また、内視鏡22に搭載される各種センサは、内視鏡22が曝されるピーク値をメモリ装置22上に記録できることが分かる。これにより製造者およびメンテナンスする者は、使用に基づく必要なメンテナンス期間および内視鏡の故障に関する理由を判断することができる。
【0056】
また、内視鏡システム10のユーザは、特定の内視鏡のメンテナンスが必要と判断する場合、“メンテナンス必要”信号で特定の内視鏡を手動で“マーク”できることが分かる。“マーキング”は、システムに局所的に搭載されたボタンまたはスイッチによって容易にされることができる。代わりに、“マーキング”は、所定の基準に基づきシステムによって自動的に行なってもよい。基準は、使用経過時間、ピークを超過した測定値の受信時における所定の作動数、または直近のメンテナンスからの期間を含んでよいが、それらに限定されない。この“マーク”は、内視鏡によってCCUに送信され、後ほどユーザが観察するためにビデオ画面上に目立つ形で現れることができる。
【0057】
メモリ装置22は、工員および/または機器のみが“メンテナンス必要”表示を除去できるように書き込み防止される。これは例えば、“メンテナンス必要”表示を消去するよう特定機器に要求することによって、または“メンテナンス必要”表示を除去できるようにするために先ず入力される必要がある所定コードを用いて、達成されてもよい。これは、内視鏡システム10のユーザが内視鏡システム10を修理および維持するために工場権限者のみ利用することを保証することで、高いサービス基準の保証に寄与する。
【0058】
図2を参照すると、メモリ装置22は、内視鏡パラメータおよび内視鏡使用履歴データからなる電子表示を格納および供給する。これらパラメータおよびデータは、内視鏡に関する各種情報を提供する。内視鏡に格納される情報は、内視鏡の最適使用のために全ての必要なデータを提供する。このように、CCU16または他の接続されてる関連医療機器は、ありとあらゆる各種内視鏡に関するデータに対して局所的または遠隔から格納およびアクセスする必要がない。また、内視鏡が修理および/または改修される時、対応するパラメータおよびデータは、内視鏡の使用時に直ちにアクセス可能である。
【0059】
内視鏡パラメータは、固定または不変情報として広く分類される。固定または不変の内視鏡パラメータの例は、内視鏡モデル、シリアル番号、画像リレー光学タイプ(例えば、ロッドレンズ、石英ガラス、光ファイバ)、内視鏡サイズ、視野等の光学的性質、ビデオ信号の最適化のためにCCU16に用いる信号処理データ、メンテナンス条件および間隔、通信バスを介してCCU16によって接続および/または制御される(高輝度光源または吸入器等)他の医療機器に対する設定情報、または内視鏡、ビデオカメラシステム、および他の医療機器の使用に役立ちうる任意の各種特性を含んでもよい。
【0060】
内視鏡の使用履歴データは、可変または更新可能として広く分類される。可変または更新可能な内視鏡の使用履歴データは、例えば内視鏡の使用数、各内視鏡の使用時間、内視鏡の全動作時間、作動数、(内視鏡と用いる)医療機器の識別および設定情報を含むことができる。
【0061】
メモリ装置22の記憶域は、書き込み有効54および書き込み防止56として広く分類される。メモリ装置22は、所定の条件が満たされるまで、メモリ記憶域への変更を許可しないことができる。これら条件は、メモリ装置の記憶域に対する権限のない変更を防止するために、既知の信号または一連の信号の入力を要求するような電子的、またはパスワードまたは任意の類似のそのような方法のようなプログラム的であってよい。書き込み防止記憶域は、工場プログラミング52の間のみ、または工場の権限のある者/機器50によって変更できるパラメータを格納する。これら内視鏡パラメータは通常、上記説明のとおり固定または不変であるが、それに限定されない。書き込み有効記憶域は、工場の権限のある者/機器50によって工場プログラミング52の間に、または内視鏡中継器/送受信器20から受信したデータの電子表示で変更されてもよい。
【0062】
内視鏡中継器/送受信器20は、一度カメラヘッド中継器/送受信器24が接近すると、カメラヘッド中継器/送受信器24と交信する。先に説明した通り、内視鏡中継器/送受信器20の電力は、カメラヘッド中継器/送受信器24から供給される。この方法で電力が供給された送受信器は、独自の電源で供給される類似の装置と比較して短い通信範囲を有する。内視鏡中継器/送受信器20とカメラヘッド中継器/送受信器24との送信の効率的な通信範囲は、有利なことにかなり狭いことが分かる。これは利点であって、なぜなら不都合にも広い送信エリアによって、内視鏡が関連のないカメラヘッドと交信することをもたらし、または手術室において他の機器に対する他の通信上の問題をもたらす可能性があるからである。例えば、RuBee信号形式が利用される場合、信号範囲は、略10フィートから略50フィートまで広がることが分かる。
【0063】
カメラヘッド中継器/送受信器24はまた、ケーブル18を介してCCU16と信号を交わす。CCU16は、警報器28上に受信信号を提供することができる。例えば、内視鏡のメンテナンスが必要であると示すデータは、内視鏡中継器/送受信器20によってカメラヘッド中継器/送受信器24に提供されることができ、それは、CCU16に転送され、次いで内視鏡メンテナンスが要求される警報を警報器28に提供する。
【0064】
図3は、本発明のもう1つの実施形態を示す。100で、内視鏡の製造中、内視鏡内またはその上に搭載されるメモリ装置は、特定の内視鏡に固有なパラメータおよびデータの電子表示でプログラムされる(105)。これらパラメータは、光学特性、シリアル番号、モデル番号、メンテナンススケジュール、必要なカメラ設定、必要な機器設定、製造コード、他のそのような特性およびパラメータを含んでもよい。メモリ装置は、以下説明の通り、他のデータを格納するのに十分な追加のメモリ記憶域を有する。
【0065】
一度カメラヘッドに給電、即ち電力オンすると、短距離ワイヤレス信号がカメラヘッド中継器/送受信器から放射される。給電されたカメラヘッドが特定の内視鏡に取り付けられると(110)、カメラヘッド中継器/送受信器から放射されたワイヤレス信号は、内視鏡中継器/送受信器に電力供給する。結果として、内視鏡中継器/送受信器は、内視鏡メモリ装置に給電し、内視鏡中継器/送受信器からの内視鏡パラメータの電子表示を含むワイヤレス信号を受信するカメラヘッド中継器/送受信器とともに内視鏡中継器/送受信器へ内視鏡パラメータの電子表示を提供する(115)。カメラヘッドに接続されるCCUは、内視鏡パラメータの電子表示を復号し、故に使用中の内視鏡を“識別”する。特定の情報は次いで、内視鏡タイプ/モデルまたはシリアル番号のようなものとして、システムユーザへ交信されてもよいが、それらに限定されない(120)。交信は、視覚表示、文字表示、印刷、音声信号、または任意のそのような通信技法でもよい。好ましくは、情報は、システムビデオモニタ上に表示される。カメラヘッドに取り付けられる内視鏡が中継器/送受信器およびプログラムメモリ装置を有さない場合、ビデオシステム構成は、変更されないままである。
【0066】
一度内視鏡が識別され、内視鏡パラメータがCCUに読み込まれると、CCUは、内視鏡が内視鏡読み込み互換ビデオシステムと何回使用されたかを追跡および更新するために分析を行い、125で“使用時間”カウンタ(データ)を増加する。更新された使用カウントデータは次いで、カメラヘッド中継器/送受信器および内視鏡中継器/送受信器を用いて修正された内視鏡使用履歴データとして内視鏡メモリ装置に書き込まれる(130)。
【0067】
内視鏡が使用中の時間量は、メンテナンスの必要性を判断するほかに、工場で設計および販売するために統計データも提供する。“使用時間”カウンタの増加と同時に、CCUはまた、経過時間(使用時間)クロックを開始する(135)。経過時間は、カメラヘッドが内視鏡に取り付けられる限り、蓄積し続ける。周期的に、内視鏡の現在の使用にわたって、CCUは、カメラヘッド中継器/送受信器および内視鏡中継器/送受信器を用いて、135で、新たに蓄積した“使用時間”データを含む修正された内視鏡使用履歴データで内視鏡メモリ装置を、130において更新する。このようにして、内視鏡の特定使用に相当する全“使用中の時間”は、内視鏡メモリ装置に格納される。
【0068】
内視鏡メモリ装置から抽出される内視鏡パラメータに基づき、内視鏡のメンテナンス状態は、CCUによって判断される(140)。内視鏡の現在状態をCCUが判断するのに必要な、メンテナンス条件基準、内視鏡使用履歴データおよび任意の他のデータ項目は、内視鏡メモリからCCUによって予め受信された(115)。内視鏡メンテナンスが必要であるとCCUが判断する場合(145)、メンテナンス関連情報は、ユーザに通信される(150)。通信は、視覚表示、文字表示、印刷、音声信号または任意のそのような通信技法でもよい。好ましくは、情報は、システムビデオモニタ上に表示される。
【0069】
必要な内視鏡メンテナンスのタイプに従い、ユーザは、内視鏡の使用継続のオプションが提供されてもよい(160)。ユーザが継続を望む場合、継続に関する情報は次いで、カメラヘッド中継器/送受信器および内視鏡中継器/送受信器を用いて内視鏡メモリ装置に書き込まれる(130)。ユーザが内視鏡の使用継続を望まないか(165)または継続オプションがユーザに提供されない場合(155)、内視鏡は、工場の権限のあるメンテナンスのために送信されることが分かる(170)。メンテナンスが完了すると、メモリ装置は、ルーチンのメンテナンス条件がリセットされ、ビデオシステムがもはやメンテナンスの必要性を報告しないように更新される(105)。内視鏡は再び、カメラヘッドアタッチメントおよび使用に備える(110)。
【0070】
内視鏡メンテナンスが140で要求されない(175)かまたはユーザが155で内視鏡の使用継続を望む場合(160)、CCUは、115で予め抽出された内視鏡パラメータに従ってビデオシステムを最適化するために、ビデオ処理設定を調節する(180)。従って、光源または吸入器の設定のような他の医療機器は、先に説明した通り、内視鏡パラメータに従って最適化されてもよい(180)。
【0071】
さらに収集、分析および編集された情報は、内視鏡メモリ装置に格納するためにCCUによって内視鏡使用履歴データに含まれることができる(130)。内視鏡使用履歴データは、(機器のシリアル番号、モデル番号、ソフトウェア更新番号等を含むために)カメラヘッド、CCUおよび他の医療機器が内視鏡とともに使用されたことに関するデータを含むことができる。どのくらい内視鏡が問題なく機能したかまたはどの条件で内視鏡が機能したかを判断するのに役立ちうる任意の情報は、内視鏡使用履歴データに含まれてもよい。内視鏡使用履歴データは、人口統計または機能分析目的のために後で抽出されてもよい。以下の一例がある。特定の内視鏡により多数のCCUが通常レベルを上回る曝露レベルを設定する場合、これは、内視鏡がカメラヘッドに適切に画像をリレーしていないことを示す。このCCUの曝露レベルデータは、内視鏡使用履歴データに含まれ、内視鏡メモリ装置に格納される。格納されたデータの確認は、この動作上の“傾向”を明らかにし、内視鏡は、検査され、必要な場合、深刻な故障が生ずる前に修理されることができる。
【0072】
先に説明した通り、CCUは135で、新たに蓄積した“使用時間”データを含む修正された内視鏡使用履歴データで内視鏡メモリ装置を更新する(130)。カメラヘッドが内視鏡から取り外される時(190)、直近に蓄積された“使用時間”データは既に、内視鏡メモリ装置に格納される。“使用時間”が内視鏡メモリ装置で更新される間隔は、カメラヘッドが内視鏡から取り外されるのに先立ち、データの精度を保証するのに十分な頻度である(即ち、数秒毎または毎分)。
【0073】
本発明は、一部の特定の配置および特徴等を参照して説明したが、これらは、全ての可能な配置または特徴を排除することを意図せず、実際に多くの他の修正および変更が当業者にとって確認できる。
【符号の説明】
【0074】
20 内視鏡中継器/送受信器
21 内視鏡光源
22 メモリ装置
23 内視鏡電子機器
24 カメラ中継器/送受信器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り外し可能なカメラに接続される内視鏡にワイヤレス電力供給するための内視鏡ビデオシステムであって、
その上に設置される第1の中継器/送受信器を有し、第1の中継器/送受信器は、ワイヤレスエネルギーを送信および受信する、内視鏡と、
その上に設置される第2の中継器/送受信器を有し、第2の中継器/送受信器は、エネルギーを送信するためにそこに接近させられる時、第1の中継器/送受信器にワイヤレスに接続する、カメラと、
前記内視鏡上に設置され、前記第1の中継器/送受信器に接続され、前記第1の中継器/送受信器から電力を受信し、観察されるエリアに送信される照明光を生成する内視鏡光源と、
エリアを示す画像信号を生成するイメージャと、
カメラに接続され、画像データを受信し、処理するカメラ制御ユニットと
を具備することを特徴とする内視鏡ビデオシステム。
【請求項2】
前記内視鏡は、エネルギー格納装置をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ビデオシステム。
【請求項3】
前記第1の中継器/送受信器からの電力の供給の中断時、前記電気格納装置は、前記内視鏡光源に電力を提供することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡ビデオシステム。
【請求項4】
前記エネルギー格納装置は、前記第1の中継器/送受信器からの電力の受信時、再充電を自動的に開始することを特徴とする請求項4に記載の内視鏡ビデオシステム。
【請求項5】
前記内視鏡は、前記内視鏡上に設置され、第1の中継器/送受信器に接続されるメモリ装置をさらに具備し、前記メモリ装置は、その上に格納される内視鏡パラメータデータおよび内視鏡使用履歴データを有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ビデオシステム。
【請求項6】
格納される前記内視鏡パラメータデータおよび内視鏡使用履歴データは、前記カメラ制御ユニットに送信され、前記カメラ制御ユニットは、修正された内視鏡使用履歴データを生成し、前記メモリ装置に送信および保存されることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡ビデオシステム。
【請求項7】
前記カメラ制御ユニットに接続されるディスプレイをさらに具備し、前記ディスプレイは、ユーザに前記画像データを提供することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ビデオシステム。
【請求項8】
前記カメラ制御ユニットに接続されるネットワーク接続をさらに具備し、前記画像データは、表示および/または保存のために遠隔位置へ前記ネットワークを介して送信されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡ビデオシステム。
【請求項9】
取り外し可能なカメラに接続される内視鏡にワイヤレス電力供給するための方法であって、
内視鏡上に第1の中継器/送受信器を設置するステップと、
カメラ制御ユニット上に第2の中継器/送受信器を設置するステップと、
内視鏡上に内視鏡光源を設置するステップと、
第1の中継器/送受信器に内視鏡光源を接続するステップと、
内視鏡上にイメージャを設置するステップと、
第1の中継器/送受信器に第2の中継器/送受信器からエネルギーをワイヤレス送信するステップと、
第1の中継器/送受信器から内視鏡光源に提供される電力で内視鏡光源により照明光を生成するステップと、
照明光で観察すべきエリアを照明するステップと、
エリアを示す画像信号を生成するステップと、
画像データの受信および処理のためにカメラ制御ユニットに画像信号を送信するステップと
を具備することを特徴とする方法。
【請求項10】
内視鏡上にエネルギー格納装置を設置し、第1の中継器/送受信器および内視鏡光源にエネルギー格納装置を接続するステップをさらに具備することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1の中継器/送受信器からの電力の供給の中断時、電気格納装置は、内視鏡光源に電力を提供することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
エネルギー格納装置は、第1の中継器/送受信器からの電力の受信時、再充電を自動的に開始することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
内視鏡上にメモリ装置を設置し、メモリ装置に第1の中継器/送受信器を接続するステップをさらに具備し、メモリ装置は、その上に格納される内視鏡パラメータデータおよび内視鏡使用履歴データを有することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項14】
格納された内視鏡パラメータデータおよび内視鏡使用履歴データは、カメラ制御ユニットに送信され、カメラ制御ユニットは、修正された内視鏡使用履歴データを生成し、メモリ装置に送信されその上に保存されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
カメラ制御ユニットにディスプレイを接続し、ディスプレイ上に画像データを提供するステップをさらに具備することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項16】
ネットワークにカメラ制御ユニットを接続するステップをさらに具備し、画像データは、表示および/または保存のために遠隔位置にネットワーク接続を介して送信されることを特徴とする請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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