説明

ワイヤーライン地質調査ボーリング装置及びワイヤーライン掘削工法

【課題】地中削孔でコア採取を行うワイヤーライン地質調査ボーリング装置に於いて、断層等の破砕層や軟質の崩壊層に遭遇した時の掘削を円滑に行うことができるワイヤーライン地質調査ボーリング装置を提供する。
【解決手段】ワイヤーラインロット2、ロッキングカップリング3、第1リーミングオープナー4、アダプターカップリング5、第1アウターチューブ6、第2リーミングオープナー7、第2アウターチューブ8、第3リーミングオープナー9及びコアビット10が順次連結されてなるワイヤライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部1を提供する。そして、前記第1リーミングオープナー4、第2リーミングオープナー7及び第3リーミングオープナー9は、略同外径寸法に形成され、コアビット10のビット径D1の106%乃至125%の外径寸法D2に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中削孔でコア採取に使用するワイヤーライン掘削工法に用いるワイヤーライン地質調査ボーリング装置に於いて、断層等の破砕層や軟質の崩壊層に遭遇した時の掘削を円滑に行うことができると共に、容易に掘削孔曲がり修正を可能にしたワイヤーライン地質調査ボーリング装置及びワイヤーライン掘削工法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のワイヤーライン掘削工法に於いて用いられるワイヤーライン地質調査ボーリング装置は、例えば、特許文献1に示すように、ボーリング装置部と、ワイヤーライン部とを備え、ボーリング装置部は、アウタ部とインナ部から構成され、アウタ部は、試錐力伝達鋼管であるロットと、ロットの下端に連結されたアウターチューブと、アウターチューブの下端先端に装着された掘削用ビットとを備えている。
【0003】
そして、掘削用ビット交換後の掘削孔内挿入時にビットの破損を防止するため、特許文献2及び3に示すように、アウターチューブの先端部と掘削用ビットとの間に、ビットより所定寸法、例えば0.5mm程度大きく加工されたリーミングシェルが取付けられている。
然しながら、リーミングシェルが取付けられている場合に於いても、掘削孔と、アウターチューブ及びロットとの間隙(クリアランス)が狭く、断層等で破砕層や軟質の崩壊層に遭遇したときに、送水に異常な負荷がかかり送水が出来なくなり掘削に困難をきたしたことがよくあった。
又、地質状況が悪化して掘削孔が曲がる等の障害が発生し、掘削効率が異常に低下したこともあった。
更に、精度を求められる地震計設置工事では設置位置で掘削孔の傾斜3度以内と定められており、傾斜が2度を超えた場合、掘削孔曲がり修正の協議を行なうことが多く、通常の孔曲がり修正では掘削圧力を抑えて座掘防止をして孔曲がり修正を行なっている。
然し、修正出来ない時には孔曲がり修正器のナビドリルやホイップを使用するが、指定された寸法のコアを採取しなければいけないので、そのまま孔曲がり修正作業を行なえずセメントで埋め戻してから孔曲がり修正を行うため時間とコストが大きくかかるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−196266号公報
【特許文献2】特公平5−32554号公報
【特許文献3】特開平1−24240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、リーミングシェルはビット交換後掘削孔内挿入時にビットの破損を防止するが、ビット及びリーミングシェルによる掘削孔と、アウターチューブ及びロットとの間隙が狭く、断層等で破砕層や軟質の崩壊層に遭遇したときに、送水に異常な負荷がかかり送水が出来なくなり掘削に困難をきたしたことがよくあった。
又、地質状況が悪化して掘削孔が曲がる等の障害が発生し掘削効率が異常に低下したこともあった。
更に、掘削孔の孔曲がり修正に時間とコストが大きくかかるという問題があった。
【0006】
以上の現状に鑑み、本発明は、地中削孔でコア採取を行うワイヤーライン地質調査ボーリング装置に於いて、断層等の破砕層や軟質の崩壊層に遭遇した時の掘削を円滑に行うことができると共に、容易に孔曲がり修正を可能にしたワイヤーライン地質調査ボーリング装置を提供すると共に、そのワイヤーライン地質調査ボーリング装置を用いたワイヤーライン掘削工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決すべく、本発明は以下の構成を提供する。
請求項1に係る発明は、地中削孔でコア採取を行うワイヤーライン地質調査ボーリング装置に於いて、
ワイヤーラインロットの先端部に連結されるロッキングカップリングと、
前記ロッキングカップリングの先端部に連結される第1リーミングオープナーと、
前記第1リーミングオープナーの先端部に連結されるアダプターカップリングと、
前記アダプターカップリングの先端部に連結される第1アウターチューブと、
前記第1アウターチューブの先端部に連結される第2リーミングオープナーと、
前記第2リーミングオープナーの先端部に連結される第2アウターチューブと、
前記第2アウターチューブの先端部に連結される第3リーミングオープナーと、
前記第3リーミングオープナーの先端部に装着されるコアビットとを備え、
前記第1リーミングオープナー、第2リーミングオープナー及び第3リーミングオープナーは、外径寸法が、前記コアビットのビット径の106%乃至125%の寸法に形成されていることを特徴とするワイヤーライン地質調査ボーリング装置を提供するものである。
【0008】
請求項2に係る発明は、 地中削孔でコア採取を行うワイヤーライン地質調査ボーリング装置に於いて、
ワイヤーラインロットの先端部に連結されるロッキングカップリングと、
前記ロッキングカップリングの先端部に連結される第1リーミングオープナーと、
前記第1リーミングオープナーの先端部に連結されるアダプターカップリングと、
前記アダプターカップリングの先端部に連結される第1アウターチューブと、
前記第1アウターチューブの先端部に連結される第2リーミングオープナーと、
前記第2リーミングオープナーの先端部に連結される第2アウターチューブと、
前記第2アウターチューブの先端部に連結されるリーミングシェル、又は、前記第1及び第2リーミングオープナーよりも外径が小径に形成された第4リーミングオープナーと、
前記リーミングシェル又は第4リーミングオープナーの先端部に装着されるコアビットとを備え、
前記第1リーミングオープナー及び第2リーミングオープナーは、前記コアビットのビット径の106%乃至125%の外径寸法に形成されていることを特徴とするワイヤーライン地質調査ボーリング装置を提供するものである。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1記載のワイヤライン地質調査ボーリング装置の第3リーミングオープナーは、リーミングシェル、又は、前記第1及び第2リーミングオープナーよりも外径が小径に形成された第4リーミングオープナーに取り替え自在に構成されていることを特徴とするワイヤーライン地質調査ボーリング装置を提供するものである。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1記載のワイヤライン地質調査ボーリング装置を用いて、断層の破壊層や、軟質の崩壊層を掘削することを特徴とするワイヤーライン掘削工法を提供するものである。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項2記載のワイヤライン地質調査ボーリング装置を用いて、断層の破壊層や、軟質の崩壊層のない安定地層を掘削することを特徴とするワイヤーライン掘削工法を提供するものである。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項1記載のワイヤライン地質調査ボーリング装置を用いて、掘削中の掘削孔に曲がりが発生した場合に、請求項2記載のワイヤライン地質調査ボーリング装置を用いて、曲がりが発生した掘削孔部分の再掘削を行い、掘削孔の曲がりを修正することを特徴とするワイヤーライン掘削工法を提供するものである。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項3記載のワイヤライン地質調査ボーリング装置に前記第3リーミングオープナーを取付けて、断層の破壊層や、軟質の崩壊層を掘削し、
請求項3記載のワイヤライン地質調査ボーリング装置に前記リーミングシェル、又は、前記第4リーミングオープナーを取付けて、断層の破壊層や、軟質の崩壊層のない安定地層を掘削し、
請求項3記載のワイヤライン地質調査ボーリング装置に前記第3リーミングオープナーを取付けて、掘削中の掘削孔に曲がりが発生した場合に、前記第3リーミングオープナーを、前記リーミングシェル、又は、前記第4リーミングオープナーに取り替えて、曲がりが発生した掘削孔部分の再掘削を行い、掘削孔の曲がりを修正することを特徴とするワイヤーライン掘削工法を提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1記載の発明によれば、地中削孔でコア採取を行うワイヤーライン地質調査ボーリング装置に於いて、掘削孔と、アウターチューブ及びロットとの間隙を比較的広くすることにより、断層等の破砕層や軟質の崩壊層に遭遇した時に、送水負荷がかからず、掘削を円滑に行うことができるワイヤーライン地質調査ボーリング装置を提供することができる。
【0015】
本発明の請求項2記載の発明によれば、地中削孔でコア採取を行うワイヤーライン地質調査ボーリング装置に於いて、断層の破壊層や、軟質の崩壊層のない比較的安定地層の掘削を円滑に行うことができるワイヤーライン地質調査ボーリング装置を提供することができる。
又、請求項1記載のワイヤライン地質調査ボーリング装置を用いた掘削中の掘削孔に曲がりが発生した場合に、曲がりが発生した掘削孔部分の再掘削を行い、掘削孔の曲がりを、セメントを使用することなく、容易に修正することができるワイヤーライン地質調査ボーリング装置を提供することができる。
【0016】
本発明の請求項3記載の発明によれば、地中削孔でコア採取を行うワイヤーライン地質調査ボーリング装置に於いて、第3リーミングオープナーを取り付けることにより、断層の破壊層や、軟質の崩壊層の掘削を円滑に行うことができると共に、リーミングシェルを取り付けることにより、断層の破壊層や、軟質の崩壊層のない比較的安定地層の掘削を円滑に行うことができ、且つ、第3リーミングオープナーを取り付けて、掘削中の掘削孔に曲がりが発生した場合に、第3リーミングオープナーをリーミングシェル、又は、第1及び第2リーミングオープナーよりも外径が小径に形成された第4リーミングオープナーに取り替えて曲がりが発生した掘削孔部分の再掘削を行い、掘削孔の曲がりを、セメントを使用することなく、容易に修正することができるワイヤーライン地質調査ボーリング装置を提供することができる。
【0017】
本発明の請求項4記載の発明によれば、掘削孔と、アウターチューブ及びロットとの間隙が比較的広いことにより、断層等の破砕層や軟質の崩壊層に遭遇した時に、送水負荷がかからないようにして掘削を円滑に行うことができるワイヤーライン掘削工法を提供することができる。
【0018】
本発明の請求項5記載の発明によれば、断層の破壊層や、軟質の崩壊層のない比較的安定地層の掘削も円滑に行うことができるワイヤーライン掘削工法を提供することができる。
【0019】
本発明の請求項6記載の発明によれば、掘削中の掘削孔に曲がりが発生した場合に、曲がりが発生した掘削孔部分の再掘削を行い、掘削孔の曲がりを、セメントを使用することなく、容易に修正することができるワイヤーライン掘削工法を提供することができる。
【0020】
本発明の請求項7記載の発明によれば、断層等の破砕層や軟質の崩壊層、及び、断層の破壊層や、軟質の崩壊層のない比較的安定地層の掘削も円滑に行うことができると共に、第3リーミングオープナーを用いた掘削中の掘削孔に曲がりが発生した場合に、第3リーミングオープナーを、リーミングシェル、又は、第1及び第2リーミングオープナーよりも外径が小径に形成された第4リーミングオープナーに取り替えることにより、掘削孔の曲がりを、セメントを使用することなく、容易に修正することができるワイヤーライン掘削工法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施例に係るワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部の正面図である。
【図2】本発明の第2実施例に係るワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部の正面図である。
【図3】本発明の第2実施例によるワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部を用いて、掘削孔の曲がりを修正するワイヤーライン掘削工法のフローチャート図である。
【図4】本発明の第3実施例に係るワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部の正面図である。
【図5】本発明の第3実施例に係るワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部を用いて、掘削孔の曲がりを修正するワイヤーライン掘削工法のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施例を示した図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1に於いて、1は、地中削孔で地質調査用のコア採取を行う本発明の第1実施例によるワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部を示し、ワイヤライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部1は、ワイヤーラインロット2の先端部に連結されるロッキングカップリング3と、ロッキングカップリング3の先端部に連結される第1リーミングオープナー4と、第1リーミングオープナー4の先端部に連結されるアダプターカップリング5と、アダプターカップリング5の先端部に連結される約3mの第1アウターチューブ6と、第1アウターチューブ6の先端部に連結される第2リーミングオープナー7と、第2リーミングオープナー7の先端部に連結される約3mの第2アウターチューブ8と、第2アウターチューブ8の先端部に連結される第3リーミングオープナー9と、第3リーミングオープナー9の先端部に装着されるコアビット10とを備えている。
尚、ロッキングカップリング3は、ワイヤーラインロット2と、第1リーミングオープナー4を連結するものであり、アダプターカップリング5は、インナーチューブをアウターチューブ内で固定する装置であり、第1アウターチューブ6に連結するものである。
又、第1リーミングオープナー4、第2リーミングオープナー7及び第3リーミングオープナー9は、掘削孔を拡掘する掘削刃である。
【0023】
前記アダプターカップリング5下部の雄螺子は、第1アウターチューブ6の最上部に連結される、第1アウターチューブ6最上部の雌螺子部に嵌合したランディング(図示せず)を固定する部位である。
地上部から投下されたインナーチューブ(図示せず)はこのアダプターカップリング5を通過するが、インナーチューブヘッド(図示せず)の最大径部のランディング(図示せず)がランディングリング(図示せず)と合致することによりインナーチューブはこれ以上降下しない。
この部位を利用しコアビット10とインナーチューブの間隙調整を行う。
アダプターカップリング5上部は雌螺子であるが螺子下部に同径の溝が形成されており、この部位にインナーチューブが確実に装着された時、ロッキングカップリング3の雄螺子下に形成された溝(図示せず)でラッチ(図示せず)が開きインナーチューブが固定される。
アウターチューブアッセンブリーに形成された螺子部は、ロッキングカップリング3の雌螺子以外、同じピッチ及びサイズに形成されている。
ロッキングカップリング3は試錐機(図示せず)から続くワイヤーラインロット2と接続される。
【0024】
尚、前記ワイヤライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部1の実際の組立に於ける連結順序は次のとおりである。
(1) コアビット10
(2) 第3リーミングオープナー9
(3) 第2アウターチューブ8
(4) 第2リーミングオープナー7
(5) 第1アウターチューブ6
(6) アダプターカップリング5
(7) 第1リーミングオープナー4
(8) ロッキングカップリング3
この編成で3m以上のコアを採取可能になり、第2アウターチューブ8と、第1アウターチューブ6とは入れ替えが可能である。
【0025】
そして、前記第1リーミングオープナー4、第2リーミングオープナー7及び第3リーミングオープナー9は、外径寸法D2が、コアビット10のビット径D1の106%乃至125%の大きさの寸法に形成されている。但し、前記外径寸法は、使用する後述のガイドケーシング(図示せず)の内径以内とする。
尚、第1リーミングオープナー4、第2リーミングオープナー7及び第3リーミングオープナー9は、図1に示すように互いに略同外径寸法に形成されても良く、異なる外径寸法であっても良い。異なる外径寸法の場合は、通常、コアビット10に近い側のリーミングオープナーの外径寸法が小さくなる。
この外径寸法D2は、ワイヤライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部1が、後述する断層等の破砕層や軟質の崩壊層に遭遇した時に、送水負荷がかからず、掘削を円滑に行うことができる最適な寸法である。
【0026】
次に、通常掘削とリーミングオープナー掘削の使用例について説明する。
通常掘削は従来のリーミングシェルを用いたワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部を用いて行う。リーミングオープナー掘削は、本発明の第1実施例によるワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部1を用いて行う。
ワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部1の第1〜第3リーミングオープナー4,7,9の外径寸法D2、コアビット10のビット径D1は、次のように設定される。
<使用例1>
掘削ロット名称 HQWL 外径88.9mmの場合の例
(A)通常掘削時の例
ケーシング 4インチ使用 外径114.3mm
内径102.3mm
ビット 100.5mm
リーミングシェル 101mm
アウターチューブ 92mm
【0027】
(B)リーミングオープナー掘削時の例
ケーシング 5インチ使用 外径139.8mm
内径(a)127mm(ビット径D1の126.4%)
(b)130.8mm
注:ケーシングの肉厚で寸法は多少異なる
ビット 100.5mm(ビット径D1)
リーミングオープナー (a)114.3mm(D2:ビット径D1の113.7%)
(b)120.6mm(D2:ビット径D1の120.0%)
アウターチューブ 92mm
注:この寸法は他の製品の規格にありメーカーが製作しやすく他の同業者も理解できる寸法であるが孔内状況に合わせて製作するなら使用するケーシングの内径以内なら製作可能である。
【0028】
<使用例2>
掘削ロット名称 PQWL 外径 ボディ 114.3mmの場合の例
カップリング 117.5mm
(A)通常掘削時の例
ケーシング 5インチ使用 外径139.8mm
内径(a)127mm
(b)130.8mm
ケーシングの厚さによりビット径は変化する
ビット (a)122mm
(b)129mm
リーミングシェル (a)123mm
(b)130mm
アウターチューブ 117.5mm
【0029】
(B)リーミングオープナー掘削時の例
ケーシング 6インチ使用 外径165.2mm
内径151mm{D2:ビット径D1(122mm)の123.8%、ビット径D1(129mm)の117.1%}
ビット 122〜129mm(ビット径D1)
リーミングオープナー (a)139.8mm{ビット径D1(122mm)の114.6%、ビット径D1(129mm)の108.4%}
(b)142mm{ビット径D1(122mm)の116.4%、ビット径D1(129mm)の110.1%}
(c)149mm{ビット径D1(129mm)の115.5%}
アウターチューブ 117.5mm
注:リーミングオープナーは6インチケーシング内の寸法なら製作可能である。
【0030】
この場合、第1リーミングオープナー4及び第2リーミングオープナー7は、主としてブレ止め及び座屈防止の機能をもつものであり、掘削用の刃がなくても良く、或いは、掘削能力が低下した古いリーミングオープナーを用いても良い。
尚、図1に於いて、11は第1〜3リーミングオープナー4,7,9に形成された通水溝である。
【0031】
そして、アウターチューブ6,8と、リーミングオープナー4,7,9とは、ガイドケーシングに合わせて選定される。
尚、ガイドケーシングは、円筒鉄管等から成るケーシングであり、ワイヤライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部1よりも先に地中に挿入され、ガイドケーシング内にボーリング装置部1が挿入されると、挿入されたボーリング装置部1を掘削方向に案内するものである。ボーリング装置部1は、ガイドケーシングに挿入されたボーリング装置部1の先端側が、ガイドケーシングの下端から突出して掘削を行い、その時、ガイドケーシング内に収納されている部分がガイドケーシングにより掘削方向に向かって案内される。
【0032】
ガイドケーシングと、アウターチューブ6,8と、リーミングオープナー4,7,9とは、例えば、次ぎのように組み合わされて使用される。
(A)ガイドケーシング外径139.8mm、内径127mm使用の場合、アウターチューブは外径92.1mmのものを使用し、
(1)安定層が硬軟入れ混じった断層等でも崩壊物を排除可能と想定した時、
リーミングオープナーは、外径114.3mmのものを使用する。
(2)固結していない砂礫層や豆砂利の崩壊等ロットとリーミングオープナーの間隙よりも大きく比重の大きな崩壊物を排除不可能と想定した時、
リーミングオープナーは、外径120.6mmのものを使用する。
又、(B)ガイドケーシング外径165.2mm、内径151mm使用の場合、アウターチューブは外径117.5mmのものを使用し、
(1)安定層が硬軟入れ混じった断層等でも崩壊物を排除可能と想定した時、
リーミングオープナーは、外径139.8mmのものを使用する。
(2)固結していない砂礫層や豆砂利の崩壊等ロットとリーミングオープナーの間隙よりも大きく比重の大きな崩壊物を排除不可能と想定した時、
リーミングオープナーは、外径142mmと外径149mmのいずれかを使用する。
【0033】
上記のリーミングオープナーの外径寸法はメーカーが販売している他の種類のビットトリコンビット等と同じ外径で製作されており、坑内トラブルが発生した時、同径であるため、代替作業に使用できメーカーも製作しやすいという利点もある。製作に関してはガイドケーシング内に挿入可能ならどのような外径でも製作可能である。
【0034】
尚、リーミングオープナーの制作上の外径の目安については、通常のワイヤーライン掘削では使用するロット、アウターチューブよりも10mm程度大きな内径のガイドケーシング(外管)を使用し、アウターチューブの外径に一番近い外径で製作したコアビット、リーミングシェルをスタンダードといい、ガイドケーシング内径ぎりぎりまでいろいろな外径で製作したものをオーバーサイズと呼んでいるが、リーミングオープナーを使用する時にビットは上記の寸法のガイドケーシングに納まる位のものを使用し、リーミングオープナーはビットより更に外径が大きい為、上記のガイドケーシングより一段大きな寸法のガイドケーシングを使用してワイヤーライン掘削を行う。
【0035】
而して、主として、断層の破壊層や、軟質の崩壊層を掘削する場合に、図1に示す、本発明の第1実施例によるワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部1を用いて、ガイドケーシングの案内により、掘削を行い、ボーリング装置部1を回転させながら掘削孔を掘削する方向に進ませると、コアビット10によって、ビット径D1に相当する孔径の掘削を行い、次に、第3リーミングオープナー9によって、第3リーミングオープナー9の外径寸法D2に相当する孔径の掘削を行う。
【0036】
第1リーミングオープナー4及び第2リーミングオープナー7は、主として掘削時のブレ止め及び座屈防止の機能をもつものであるが、掘削用の刃を有する場合は、第3リーミングオープナー9による掘削の後を同径で掘削する。
本発明の第1実施例によるワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部1を用いて掘削を行うと、約6mのコア採取が可能である。
【0037】
掘削時に、コアビット10近傍から水が突出されるが、水は、掘削孔と、第2アウターチューブ8及び第1アウターチューブ6との間、及び、第1〜3リーミングオープナー4,7,9に形成された通水溝11,11…を介して上方に流れていく。
【0038】
本発明の第1実施例によるワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部1によれば、地中削孔でコア採取を行う場合に、掘削孔と、第1アウターチューブ6、第2アウターチューブ8及びワイヤーラインロット2との間隙(クリアランス)が、主として第3リーミングオープナー9による掘削により、比較的広くなることにより、断層等の破砕層や軟質の崩壊層に遭遇した時に、送水負荷がかからず、掘削を円滑に行うことができる。
又、断層等の破砕層や軟質の崩壊層に遭遇した時に、掘削壁面が崩れないように例えばベントナイト等を加えた比重の重い水を入れて掘削し、或いは、ガスが出てきた時に、水の比重をあげてガスを抑制するが、そのような場合に於いても、本発明の第1実施例によるワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部1によれば、掘削孔と、第1アウターチューブ6、第2アウターチューブ8及びワイヤーラインロット2との間隙が比較的広いことにより、送水負荷がかからず、掘削を円滑に行うことができる。
【0039】
図2に於いて、21は、地中削孔で地質調査用のコア採取を行う本発明の第2実施例によるワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部を示し、ワイヤライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部21は、前記ワイヤライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部(図1に於いて1)に於いて、第3リーミングオープナー(図1に於いて9)に代えてリーミングシェル、又は、前記第1及び第2リーミングオープナー4,7よりも外径が小径に形成された第4リーミングオープナー22を設けたものである。
従って、ワイヤライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部21は、ワイヤーラインロット2の先端部に連結されるロッキングカップリング3と、ロッキングカップリング3の先端部に連結される第1リーミングオープナー4と、第1リーミングオープナー4の先端部に連結されるアダプターカップリング5と、アダプターカップリング5の先端部に連結される第1アウターチューブ6と、第1アウターチューブ6の先端部に連結される第2リーミングオープナー7と、第2リーミングオープナー7の先端部に連結される第2アウターチューブ8と、第2アウターチューブ8の先端部に連結されるリーミングシェル、又は、第4リーミングオープナー22と、リーミングシェル、又は、第4リーミングオープナー22の先端部に装着されるコアビット10とを備えている。
【0040】
そして、リーミングシェル、又は、第4リーミングオープナー22のうち、リーミングシェルは、コアビット10のビット径D1の100.3%乃至100.9%の外径寸法D3に形成されている。
例えば、第1,2アウターチューブの外径が92.1mmであった場合、ビット径D1は100.5mm、リーミングシェルの外径寸法D3は101.0mm(ビット径D1の100.5%)、第1リーミングオープナー4及び第2リーミングオープナー7の外径寸法D2は114.3mm(ビット径D1の113.7%)に形成される。
又、例えば、余りにも大きな豆砂利等の崩壊の時等に好適に適用するものとして、例えば、117.5mmの第1、第2アウターチューブ6,8を使用した時、コアビット径129mmとし、第1リーミングオープナー4と、第2リーミングオープナー7とに夫々外径149mm(ビット径D1の115.5%)のリーミングオープナーを取付け、コアビット10上部のリーミングシェル、又は、第4リーミングオープナー22として外径130mm(ビット径D1の100.8%)のリーミングシェルか、外径139.8mm(ビット径D1の108.4%)のリーミングオープナーを取り付ける。
尚、前記リーミングシェルは、軸方向の長さが、前記第1,2リーミングオープナー4,7と略同長さに形成されている。
【0041】
更に、例えば、コアビット径100.5mmとし、第1リーミングオープナー4と第2リーミングオープナー7に125mm(ビット径D1の124.4%)のリーミングオープナーを取り付け、リーミングシェル又は第4リーミングオープナー22に101mm(ビット径D1の100.5%)のリーミングシェルか114.3mm(ビット径D1の113.7%)又は120.6mm(ビット径D1の120%)のリーミングオープナーを取り付けても良い。
リーミングシェル又は第4リーミングオープナー22を101mm又は114.3mmにした時には第2リーミングオープナー7で拡孔するため掘削用の刃が必要だが第1リーミングオープナー4には刃は必要ではない。
【0042】
図2に示す、ワイヤライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部21に於いて、第2リーミングオープナー7は、実質的に掘削を行うので、掘削用の刃を備えるが、第1リーミングオープナー4は、第2リーミングオープナー7と同外径で、主としてブレ止め及び座屈防止の機能をもつものであり、掘削用の刃がなくても良く、或いは、掘削能力が低下した古いリーミングオープナーを用いても良い。
図2に於いて、23はリーミングシェル22に形成された通水溝である。
【0043】
而して、主として、断層の破壊層や、軟質の崩壊層のない安定地層を掘削する場合に、図2に示す、本発明の第2実施例によるワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部21を用いて、ガイドケーシングの案内により、掘削を行い、ボーリング装置部21を回転させながら掘削孔を掘削する方向に進ませると、コアビット10によって、ビット径D1に相当する孔径の掘削を行い、次に、リーミングシェル22によって、リーミングシェル22の外径寸法D3に相当する孔径の掘削を行い、次に、第2リーミングオープナー7によって、第2リーミングオープナー7の外径寸法D2に相当する孔径の掘削を行う。
【0044】
掘削時に、コアビット10近傍から水が突出されるが、水は、掘削孔と、第2アウターチューブ8及び第1アウターチューブ6との間、及び、リーミングシェル22に形成された通水溝23、第1,2リーミングオープナー4,7に形成された通水溝11,11を介して上方に流れていく。
【0045】
図3は、前記本発明の第1実施例によるワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部1を用いて、主として断層の破壊層や、軟質の崩壊層を掘削している時、掘削中の掘削孔に曲がりが発生した場合に、前記本発明の第2実施例によるワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部21を用いて、掘削孔の曲がりを修正するワイヤーライン掘削工法のフローチャートを示している。
【0046】
ワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部1を用いて、主として断層の破壊層や、軟質の崩壊層を掘削している時(ステップS1)、掘削中の掘削孔に曲がりが発生した場合に(ステップS2)、ワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部1に代えて、ワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部21を用いて掘削する(ステップS3)。
ボーリング装置部1の第3リーミングオープナー9の外径寸法D2に比較して、ボーリング装置部21のリーミングシェル22の外径寸法D3は小径となっているため、リーミングシェル22を取付けた状態で、ボーリング装置部21の先端部(コアビット10から第2アウターチューブ8までの部分)の自重によりボーリング装置部21の先端部を鉛直方向下方に向けることができ、そのまま、鉛直方向下方に向かって再掘削すれば主としてリーミングオープナー7が掘削孔の真芯で拡孔を行うことによって掘削孔の曲がりを修正することができる。
掘削孔の曲がりが修正された場合に(ステップS4)、ボーリング装置部1を用いて掘削を再開する(ステップS1)。掘削終了となった場合は(ステップS5)、ボーリング装置部1の掘削を停止する。
【0047】
図4に於いて、31は、地中削孔で地質調査用のコア採取を行う本発明の第3実施例によるワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部を示し、図4の上図は、ワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部31の一形態として、前記ワイヤライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部(図1に於いて1)の第3リーミングオープナー(図1に於いて9)に代えて、取り外し自在の第3リーミングオープナー32を設けたワイヤライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部31Aを示し、図4の下図は、ワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部31の一形態として、前記ワイヤライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部31Aの第3リーミングオープナー32をリーミングシェル又は第1及び第2リーミングオープナー4,7よりも外径が小径に形成された第4リーミングオープナー33に取り替えたワイヤライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部31Bを示したものである。リーミングシェル又は第4リーミングオープナー33は、前記リーミングシェル又は第4リーミングオープナー(図2に於いて22)と同じ特徴を有するものである。
即ち、ワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部31は、第3リーミングオープナー32と、リーミングシェル又は第4リーミングオープナー33とを取り替え自在に構成されている。
尚、図4に於いて、34は、第3リーミングオープナー32に形成された通水溝、35は、リーミングシェル又は第4リーミングオープナー33に形成された通水溝である。
【0048】
これにより、図4の上図の如く、ワイヤライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部31Aは、第3リーミングオープナー32を取付けられて、前記第1実施例のワイヤライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部1と同様の機能を有し、主として、断層の破壊層や、軟質の崩壊層を掘削することが可能になり、図4の下図の如く、ワイヤライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部31Bは、リーミングシェル又は第4リーミングオープナー33を取付けられて、前記第2実施例のワイヤライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部21と同様の機能を有し、主として、断層の破壊層や、軟質の崩壊層のない安定地層を掘削することが可能になる。
【0049】
図5は、前記本発明の第3実施例によるワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部31に於いて、ワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部31Aの形態で、主として断層の破壊層や、軟質の崩壊層を掘削している時、掘削中の掘削孔に曲がりが発生した場合に、掘削孔の曲がりを修正するワイヤーライン掘削工法のフローチャートを示している。
【0050】
第3リーミングオープナー32を取付けたワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部31Aの形態で、主として断層の破壊層や、軟質の崩壊層を掘削している時(ステップS11)、掘削中の掘削孔に曲がりが発生した場合に(ステップS12)、第3リーミングオープナー32に代えて、リーミングシェル又は第4リーミングオープナー33に取り替えて(ステップS13)、ワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部31Bの形態で、再掘削する(ステップS14)。
この時、第3リーミングオープナー32の外径寸法D2に比較して、リーミングシェル又は第4リーミングオープナー33の外径寸法D3は小径となっているため、リーミングシェル又は第4リーミングオープナー33を取付けた状態で、ボーリング装置部21の先端部(コアビット10から第2アウターチューブ8までの部分)の自重により、ボーリング装置部31の先端部を鉛直方向下方に向けることができ、そのまま、鉛直方向下方に向かって再掘削すれば主としてリーミングオープナー7が掘削孔の真芯で拡孔を行うことによって掘削孔の曲がりを修正することができる。
掘削孔の曲がりが修正された場合に(ステップS15)、リーミングシェル又は第4リーミングオープナー33を第3リーミングオープナー32に交換して(ステップS16)、ワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部31Aの形態で、掘削を再開する(ステップS17)。掘削終了となった場合は(ステップS18)、ボーリング装置部1による掘削を停止する。
【実施例】
【0051】
本発明のワイヤーライン地質調査ボーリング装置及びワイヤーライン掘削工法を用いて、ボーリング地質調査を北海道手塩郡幌延町浜里100−1において試験的に行った。深度1000mまで掘削を試みた結果、断層等の破砕層や軟質の崩壊層の多い230mまでの深度においても問題なく掘削することができ、1000mまでの掘削を無事に行うことができた。
【符号の説明】
【0052】
1,21,31 ワイヤーライン地質調査ボーリング装置のボーリング装置部
2 ワイヤーラインロット
3 ロッキングカップリング
4 第1リーミングオープナー
5 アダプターカップリング
6 第1アウターチューブ
7 第2リーミングオープナー
8 第2アウターチューブ
9,32 第3リーミングオープナー
10 コアビット
22,33 リーミングシェル又は第4リーミングオープナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中削孔でコア採取を行うワイヤーライン地質調査ボーリング装置に於いて、
ワイヤーラインロットの先端部に連結されるロッキングカップリングと、
前記ロッキングカップリングの先端部に連結される第1リーミングオープナーと、
前記第1リーミングオープナーの先端部に連結されるアダプターカップリングと、
前記アダプターカップリングの先端部に連結される第1アウターチューブと、
前記第1アウターチューブの先端部に連結される第2リーミングオープナーと、
前記第2リーミングオープナーの先端部に連結される第2アウターチューブと、
前記第2アウターチューブの先端部に連結される第3リーミングオープナーと、
前記第3リーミングオープナーの先端部に装着されるコアビットとを備え、
前記第1リーミングオープナー、第2リーミングオープナー及び第3リーミングオープナーは、前記コアビットのビット径の106%乃至125%の外径寸法に形成されていることを特徴とするワイヤーライン地質調査ボーリング装置。
【請求項2】
地中削孔でコア採取を行うワイヤーライン地質調査ボーリング装置に於いて、
ワイヤーラインロットの先端部に連結されるロッキングカップリングと、
前記ロッキングカップリングの先端部に連結される第1リーミングオープナーと、
前記第1リーミングオープナーの先端部に連結されるアダプターカップリングと、
前記アダプターカップリングの先端部に連結される第1アウターチューブと、
前記第1アウターチューブの先端部に連結される第2リーミングオープナーと、
前記第2リーミングオープナーの先端部に連結される第2アウターチューブと、
前記第2アウターチューブの先端部に連結されるリーミングシェル、又は、前記第1及び第2リーミングオープナーよりも外径が小径に形成された第4リーミングオープナーと、
前記リーミングシェル又は第4リーミングオープナーの先端部に装着されるコアビットとを備え、
前記第1リーミングオープナー及び第2リーミングオープナーは、前記コアビットのビット径の106%乃至125%の外径寸法に形成されていることを特徴とするワイヤーライン地質調査ボーリング装置。
【請求項3】
請求項1記載のワイヤライン地質調査ボーリング装置の第3リーミングオープナーは、リーミングシェル、又は、前記第1及び第2リーミングオープナーよりも外径が小径に形成された第4リーミングオープナーに取り替え自在に構成されていることを特徴とするワイヤーライン地質調査ボーリング装置。
【請求項4】
請求項1記載のワイヤライン地質調査ボーリング装置を用いて、断層の破壊層や、軟質の崩壊層を掘削することを特徴とするワイヤーライン掘削工法。
【請求項5】
請求項2記載のワイヤライン地質調査ボーリング装置を用いて、断層の破壊層や、軟質の崩壊層のない安定地層を掘削することを特徴とするワイヤーライン掘削工法。
【請求項6】
請求項1記載のワイヤライン地質調査ボーリング装置を用いて、掘削中の掘削孔に曲がりが発生した場合に、請求項2記載のワイヤライン地質調査ボーリング装置を用いて、曲がりが発生した掘削孔部分の再掘削を行い、掘削孔の曲がりを修正することを特徴とするワイヤーライン掘削工法。
【請求項7】
請求項3記載のワイヤライン地質調査ボーリング装置に前記第3リーミングオープナーを取付けて、断層の破壊層や、軟質の崩壊層を掘削し、
請求項3記載のワイヤライン地質調査ボーリング装置に前記リーミングシェル、又は、前記第4リーミングオープナーを取付けて、断層の破壊層や、軟質の崩壊層のない安定地層を掘削し、
請求項3記載のワイヤライン地質調査ボーリング装置に前記第3リーミングオープナーを取付けて、掘削中の掘削孔に曲がりが発生した場合に、前記第3リーミングオープナーを、前記リーミングシェル、又は、前記第4リーミングオープナーに取り替えて、曲がりが発生した掘削孔部分の再掘削を行い、掘削孔の曲がりを修正することを特徴とするワイヤーライン掘削工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−214388(P2011−214388A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273679(P2010−273679)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(509044095)アーストラストエンジニアリング株式会社 (4)