説明

ワイヤ状操作対象物制御装置

【課題】カテーテルの送り動作と回転動作を互いに独立して操作・制御でき、2自由度を有する制御装置であって、カテーテルの無限送り・回転が可能で、無限回転させた場合でもアクチュエータの配線がねじれない装置を提供する。
【解決手段】本発明は、ドーナッツ状の親ハイポイドギアと、親ハイポイドギアを開口中心を中心に回転駆動するドーナツ状ステッピングモータと、前記ステッピングモータに電源を供給するためのスリップリングと、軸方向に正送りまたは逆送りするための前記親ハイポイドギアと対となる子ハイポイドギアにより駆動され、前記ギアおよびステッピングモータの開口に挿通されるワイヤ状操作対象物を前記開口中心軸上で送るためのアクティブシャフトと、を有することを特徴とするワイヤ状操作対象物制御装置を提供する。また、アクティブシャフトを回転駆動するローテーションモータをさらに有するワイヤ状操作対象物制御装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤ状の操作対象物の送り動作及び回転動作を、互いに独立して制御可能なワイヤ状操作対象物制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医学・工学の発達及び相互技術交流の結果として、外科手術分野にも先端的工学技術による支援体制の整備が進んでいる。その一つとして、内視鏡、腹腔鏡や長鉗子などの手術器具を患者体内へ挿入し遠隔操作によって患部の治療を行う低侵襲外科手術が新たな治療法として確立されている。当該低侵襲外科手術は腹壁や胸壁等の体腔を極力破壊せずに行えるので、従来の開腹式手術法と比較すると手術侵襲が極めて少なく、患者の手術後の疼痛及び手術創痕の軽減、術後開腹期間の短縮など、患者への負担を極力抑えることができるため有効な治療法である。
【0003】
そして低侵襲外科手術の一つにIVR(Interventional Radiology)がある。IVRは、血管造影像やX線透視像、CT像等を見ながら、カテーテルを用いて治療を行う手術方法であり、例えば狭くなった血管をバルーンカテーテルで拡張させる血管拡張術や、腫瘤等への血流を止めて栄養を遮断する血管塞栓術、カテーテルを腫瘤近くの血管まで挿入して直接薬を投与する動注化学療法などがある。こられの治療法は、低侵襲、短術時間、低コスト、短治療時間など、患者への負担が軽く非常に有効な治療法である。しかしながら、IVRによる治療中は患者に対してX線を連続的に照射することで生体内の動的画像(血管造影像やX線透視像、CT像等)を得るため、長時間のX線照射による医療従事者(医師、看護士、放射線技師など)への職業被曝の問題があった。
【0004】
そこで、現在、職業被曝回避のために、医療従事者が別室からカテーテルを遠隔操作して治療を行うマスタスレーブシステムの開発が進められている。医療従事者がマスタシステムを操作し、スレーブシステムに対して指示を出し、当該指示に基づいてスレーブシステムが患者に対してカテーテルを挿入する。このようなマスタスレーブシステムによれば、医療従事者は患者の側で治療を行う必要がなく、職業被曝を回避できる。
ここで、スレーブシステムには、極めて細い血管に沿ってカテーテルを挿入するため、マスタシステムからの指示に忠実にカテーテルを操作可能なものでなければならない。特に、カテーテルの送り動作、回転動作の操作性は重要である。そこで、非特許文献1に記載のスレーブシステムでは、送り動作と回転動作を互いに独立して操作・制御でき、2自由度を有するスレーブシステムが開発された。当該スレーブシステムについては、送り動作はローラ機構を用い、回転動作はローラ機構全体を回転する。また、利用するカテーテルのサイズに対応させるために、カテーテル把持機構としてバネを用いた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】A New Catheter Operating System for Medical Applications 2007 IEEE/ICME International Conference on Complex Medical Enginnering, pp.82−86, China, 23−27 May, 2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1のスレーブシステムでは、ローラ機構全体を回転させた場合、アクチュエータの配線が当該回転によって捩じれるため、無限回転させることはできない。よって、回転動作の操作性は低かった。また、カテーテルを2点で把持し送り・回転動作を行う構成であるため、カテーテルがすべり易く、マスタシステムからの指示に忠実にカテーテルを操作することが難しかった。更には、機構全体が大型になるという問題もあった。
【0007】
そこで、本発明者らは、カテーテルの送り動作と回転動作を互いに独立して操作・制御でき、2自由度を有する制御装置であって、カテーテルの無限送り、無限回転が可能で、無限回転させた場合でもアクチュエータの配線がねじれない装置を発明するに至った。また、当該装置は、様々なサイズのカテーテルに対応でき、かつカテーテルが滑らずに把持可能な把持機構を有する。また、小型化、軽量化を実現した。更には、滅菌消毒が容易な構成にした。具体的には以下のとおりである。
【0008】
なお、本発明のワイヤ状操作対象物制御装置は、IVRに用いるカテーテルの制御装置に限定されず、広くワイヤ状の操作対象物を制御する制御装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明は、ドーナッツ状の親ハイポイドギアと、親ハイポイドギアを開口中心を中心に回転駆動するドーナツ状ステッピングモータと、前記ステッピングモータに電源を供給するためのスリップリングと、軸方向に正送りまたは逆送りするための前記親ハイポイドギアと対となる子ハイポイドギアにより駆動され、前記ギアおよびステッピングモータの開口に挿通されるワイヤ状操作対象物を前記開口中心軸上で送るためのアクティブシャフトと、を有することを特徴とするワイヤ状操作対象物制御装置を提供する。
【0010】
(2)前記アクティブシャフトを前記開口中心を軸として回転駆動するローテーションモータをさらに有することを特徴とする上記(1)請求項1に記載のワイヤ状操作対象物制御装置を提供する。
【0011】
(3)前記スリップリングは、ステッピングモータ用回転駆動制御信号または/およびローテーションモータ用回転駆動制御信号を伝達することを特徴とする上記(1)または(2)に記載のワイヤ状操作対象物制御装置を提供する。
【0012】
(4)前記ワイヤ状操作対象物を前記アクティブシャフトの支持位置にガイドするためのガイドシリンダー部をさらに有することを特徴とする上記(1)から(3)のいずれか一に記載のワイヤ状操作対象物制御装置を提供する。
【0013】
(5)パッシブシャフトと、アクティブシャフトにはめられる2個のo−リングと、からなり、両者でワイヤ状操作対象物を正逆送り可能に狭持する把持手段を有することを特徴とする上記(1)から(4)いずれか一に記載のワイヤ状操作対象物制御装置を提供する。
【0014】
(6)前記パッシブシャフトは、前記狭持されるべきワイヤ状操作対象物の径に応じてその狭持位置を上下動可能なサスペンション手段を備えている特徴とする上記(5)に記載のワイヤ状操作対象物制御装置を提供する。
【0015】
(7)ワイヤ状操作対象物はカテーテルである上記(1)から(6)のいずれか一に記載のワイヤ状操作対象物制御装置を提供する。
【0016】
(8)上記(1)から(7)のいずれか一に記載のワイヤ状操作対象物制御装置と、前記ワイヤ状操作対象物であるカテーテルの挿入を受けるクランケを固定するための施術台と、施術台のクランケに対して挿入されるカテーテルの体内状況を監視するための放射線観測装置と、を設置した施術室と、前記施術室のワイヤ状操作対象物制御装置のスリップリングに向けてカテーテルの制御のための信号を送信する送信装置と、前記放射線観測装置からの監視映像をモニターするためのモニターと、前記送信装置から送信すべき信号の入力を施術者から受け付けるインターフェイスと、前記施術室との放射線遮断をするためのバリアと、を有する制御室と、からなることを特徴とする施術システムを提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、送り動作と回転動作を独立して操作・制御でき、2自由度を有し、かつ無限送り、無限回転が可能で、無限回転させた場合でもアクチュエータの配線もねじれることもなく、ワイヤ状の操作対象物を制御できる。また、様々径のワイヤ状操作対象物に対応でき、かつ滑らず確実に把持可能である。また、機構全体の小型化、軽量化が可能である。更には、滅菌消毒も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の概念図
【図2A】実施形態1の外観側面図
【図2B】実施形態1の縦断面図
【図2C】実施形態1の横断面図
【図3】実施形態1の機能ブロック図
【図4】ハイポイドギアの概念図
【図5】ドーナツ状ステッピングモータの概念図
【図6】スリップリングの概念図
【図7A】アクティブシャフトの概念図
【図7B】アクティブシャフトの断面図
【図8】アクティブシャフトによるワイア状操作対象物の回転動作を示す概念図
【図9】ローテーションモータの概念図
【図10】実施形態2の機能ブロック図
【図11】把持手段の一例図
【図12】パッシブシャフトのサスペンション手段の概念図
【図13】実施形態4の概念図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本件発明の実施の形態について、添付図面を用いて説明する。なお、本件発明は、これら実施形態に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。なお、実施形態1は主に請求項1、3、4、7などに関する。実施形態2は主に請求項2、3などに関する。実施形態3は主に請求項5、6などに関する。実施形態4は主に請求項8などに関する。
<<実施形態1>>
<実施形態1:概要>
【0020】
本実施形態は、親ハイポイドギアと子ハイポイドギアの組合せからなるハイポイドギアと、ドーナツ状ステッピングモータと、スリップリングと、アクティブシャフトを有するワイヤ状操作対象物制御装置について説明する。
【0021】
本実施形態によれば、ワイヤ状操作対象物の送り動作と回転動作とを独立して操作・制御できる。また無限送り、無限回転が可能であり、かつ無限回転させた場合でもドーナツ状ステッピングモータやスリップリングの配線がねじれることがない。
<実施形態1:構成>
【0022】
図1に本実施形態の外観の概念図を示す。本実施形態に係るワイヤ状操作対象物制御装置は、ハイポイドギアと、ドーナツ状ステッピングモータと、アクティブシャフトと、スリップリングを覆う円筒状のケース(0101)と、当該ケースを支持するスタンド(0102)からなり、円筒状のケース(0101)の円筒中心軸付近に挿通されたワイヤ状操作対象物(0103)が示されている。ワイヤ状操作対象物制御装置はマスタシステムから受ける指示に基づいてワイヤ状操作対象物の送り動作及び回転動作を制御する。制御されたワイヤ状操作対象物は、被作用物に対して作用を及ぼす。
【0023】
図2に本実施形態のハイポイドギアと、ドーナツ状ステッピングモータと、アクティブシャフトと、スリップリングの概念図を示す。図2Aは外観図であり、図2Bは、Aのワイヤ状操作対象物上を通る断面図である。ドーナツ状の親ハイポイドギア(0201a、0201b)と、ドーナツ状ステッピングモータ(0203a、0203b)と、スリップリング(0204a、0204b)の順で層を構成するように配置されている。また、これらは全てその中心付近が開口となっており、それぞれの開口中心は、円筒状のケース(0207a、0207b)のほぼ円筒中心軸上に位置し、当該各開口中心をワイヤ状操作対象(0206a、0206b)が挿通されるように構成されている(図2C)。ここで、親ハイポイドギア(0201a、0201b)には対になる子ハイポイドギア(0202a、0202b)が接しており、後述するように子ハイポイドギアの軸は親ハイポイドギアの回転中心から所定量オフセットされているため(図4)、ワイヤ状操作対象物が前記開口中心を挿通するのを妨げない。
【0024】
また、図2A、Bにおいて、アクティブシャフト(0205a、0205b)は図面奥に向かって配置されている。また、ワイヤ状操作対象物(0206a、0206b)は、後述するガイドシリンダー部(0209a、0209b)により、アクティブシャフトの把持手段(0210b)にガイドされ、当該把持手段によって把持される。なお、図2Aにおいては、円筒状のケース(0207a)と当該ケースを支持するスタンド(0208a)は点線で示している。
【0025】
また、図2Cに、親ハイポイドギア(0201c)、ドーナツ状ステッピングモータ(0203c)と、スリップリング(0204c)、及びガイドシリンダー部(0209c)とワイヤ状操作対象物(0206c)の位置関係を示すために図2BのA−A´断面図、B−B´断面図、C−C´断面図を示す。
【0026】
A−A´断面図では、前面に親ハイポイドギア(0201c)が、その奥にドーナツ状ステッピングモータ(0203c)が配置されており、それぞれの開口中心にガイドシリンダー部(0209c)と、当該ガイドシリンダー部(0209c)に挿通されたワイヤ状操作対象物(0206c)が配置されている。また、これらを覆う円筒状のケース(0207c)が配置されている。B−B´断面図では、ドーナツ状ステッピングモータ(0203c)と、その開口中心にガイドシリンダー部(0209c)及びワイヤ状操作対象物(0206c)が配置されている。C−C´断面図では、スリップリング(0204c)と、その開口中心にガイドシリンダー部(0209c)及びワイヤ状操作対象物(0206c)が配置されている。
【0027】
このように、親ハイポイドギアの開口中心と、ドーナツ状ステッピングモータの開口中心と、スリップリングの開口中心とは略直線で結ばれ、これらの開口中心付近にワイヤ状操作対象物が挿通するように構成されている。つまり、親ハイポイドギアとドーナツ状ステッピングモータとスリップリングはワイヤ状操作対象物を中心軸として略対称構造をとる。従って、下記実施形態2においてアクティブシャフト等を当該開口中心を軸として回転駆動し、ワイヤ状操作対象物の回転動作を実行する場合において、当該ワイヤ状操作対象物が回転軸上にあるため、回転のバランスが良く、回転動作の高度な制御が可能である。
【0028】
また、図3に本実施形態のワイヤ状操作対象物制御装置(0300)の機能ブロック図を示す。スリップリング(0301)はドーナツ状ステッピングモータ(0302)に電源を供給する。ドーナツ状ステッピングモータ(0302)は、親ハイポイドギア(0303)をその開口中心を中心に回転駆動する。当該親ハイポイドギアの回転に連動して子ハイポイドギア(0304)が回転する。そして当該子ハイポイドギア(0304)が、ワイヤ状操作対象物を支持し、また軸方向に正送り又は逆送りするためのアクティブシャフト(0305)を駆動し、これによりワイヤ状操作対象物の送り動作が実行される。
【0029】
「ワイヤ状操作対象物」とは、ワイヤ状のものであれば限定しない。例えば、IVRに用いる場合は、ワイヤ状操作対象物とはカテーテルである。かかる場合、被作用物は、IVRにより治療を受ける人、動物などである。また、歴史的建造物など破壊することなくその内部を観察する際に、先に撮像装置を備えたワイヤ状のものを用いることもできる。
【0030】
「親ハイポイドギア」(0401)は、図4に示すとおり、「子ハイポイドギア」(0402)と対になってハイポイドギアを構成し、駆動する。親ハイポイドギア(0401)は中心付近が開口(0403)となっており、その開口中心(0404)を中心に回転する。そして、子ハイポイドギア(0402)は当該親ハイポイドギア(0401)の回転に連動して回転する。なお、ハイポイドギアとは、子ハイポイドギアのギア軸(0405)が親ハイポイドギアの回転中心(0404)から所定量オフセットしている(0405)を特徴とするギアである。本発明は、当該ハイポイドギアの特徴により、親ハイポイドギアの回転中心に上記ワイヤ状操作対象物を通すことを可能とする。なお、図2Aにおいて、0209がオフセット量に相当する。
【0031】
なお、ハイポイドギアに代えて傘歯車を用いた場合、親歯車と子歯車2つの回転軸が直交するため、後述するアクティブシャフトが親歯車の回転軸と直交し、ワイヤ状操作対象物を親歯車の回転中心に通すことができない。かかる場合、図8(b)に示すようにアクティブシャフト(0801b)等を回転駆動し、ワイヤ状操作対象物(0802b)の回転動作を実行する場合において、当該ワイヤ状操作対象物が回転動作の回転軸上からズレているため、慣性力が働き、回転動作の高度な制御が困難になる。よって、本発明においては、ハイポイドギアを用いる。
【0032】
「ドーナツ状ステッピングモータ」とは、図5に示すように中空のステッピングモータであり、前記親ハイポイドギアを回転駆動する機能を有する。ドーナツ状であるために、前述したとおりその開口中心にワイヤ状操作対象物を通すことができる。よって、前述したとおり、下記実施形態2における回転動作の高精度な制御が可能となる。
【0033】
「スリップリング」とは、ドーナツ状ステッピングモータに電源を供給するロータリーコネクターである。図6(a)にその一例を示す。スリップリングは、回転側(0601a)と固定側(0602a)を有し、固定側から回転側へ電気を供給する電気ロータリーコネクタである。回転側の連続回転、反転に関わらず常に通電することができる。また、固定側にはスリップリングの配線(0603a)が接続されている。
【0034】
図6(b)は(a)の側面図を示す。回転側(0601b)はドーナツ状ステッピングモータ(0604b)側に設置され、ドーナツ状ステッピングモータ(0604b)の配線(0605b)が回転側(0601b)の基板に接続されている。また、固定側(0602b)は円筒上のケースを支持するスタンド側に設置され、スリップリングの配線(0603b)が接続されている。当該構成により、下記実施形態2においてアクティブシャフトとともにドーナツ状ステッピングモータをも回転させてワイヤ状操作対象物の回転動作を実行する場合において、ドーナツ状ステッピングモータ(0604b)とその配線(0605b)はスリップリングの回転側(0601b)に接続された状態で回転し、他方でスリップリングの配線(0603b)は固定側(0602b)に接続されているため、ドーナツ状ステッピングモータの回転に連動することなく固定される。よって、ワイヤ状操作対象物の回転動作によるドーナツ状ステッピングモータやスリップリングの配線の捩じれや切断を回避でき、当該回転動作には何ら制限がなく、無限回転、反転等が可能である。
【0035】
なお、当該回転動作において、少なくともドーナツ状ステッピングモータの回転を伴わない場合は、ドーナツ状ステッピングモータへの電源供給源として、回転側と固定側を有するスリップリングに限定されない。ドーナツ状ステッピングモータが回転しない場合、ドーナツ状ステッピングモータの配線と、当該配線が接続された電源供給源の配線の捩じれや切断を考慮する必要がないからである。
【0036】
また、スリップリングは、ステッピングモータ用回転駆動制御信号を伝達するように構成されていてもよい。ここで、「ステッピングモータ用回転駆動制御信号」とは、ステッピングモータの回転方向、回転速度、回転度数などを内容とする信号である。当該信号が、ステッピングモータ及びハイポイドギア(親ハイポイドギア及び子ハイポイドギア)を介してアクティブシャフトに伝わり、ワイヤ状操作対象物の送り動作、つまり送り方向(正送り、逆送り)、送り速度、送り距離が制御される。
【0037】
「アクティブシャフト」とは、軸方向に正送りまたは逆送りするための前記親ハイポイドギアと対となる子ハイポイドギアにより駆動され、親ハイポイドギアおよびステッピングモータの開口に挿通されるワイヤ状操作対象物を前記開口中心軸上で送る機能を有する。
図7Aにアクティブシャフト(0701a、0701b)と、子ハイポイドギア(0702a、0702b)、親ハイポイドギア(0707a、0707b)の概観図を、図7BにAのA−A´切断面を示す。親ハイポイドギア(0707a、0707b)の回転に連動して、子ハイポイドギア(0702a、0702b)が回転し、当該子ハイポイドギア(0702a、0702b)の回転がアクティブシャフト(0701a、0701b)を駆動する。ワイヤ状操作対象物(0704a、0704b)の送り動作は、当該アクティブシャフト(0701a、0701b)の駆動により実行される。0703aは円筒状のケースを示し、0708a、0708bはドーナツ状ステッピングモータを示す。
【0038】
ここで、「親ハイポイドギア及びステッピングモータの開口に挿通されるワイヤ状操作対象物を当該開口中心軸上で送る」とは、前述のとおりワイヤ状操作対象物を親ハイポイドギアとドーナツ状ステッピングモータとの開口中心軸上で送り動作を実行することをいう。また、「軸方向に正送りする」とは、親ハイポイドギア及びステッピングモータの回転軸上を、被作用物に向けて送り出すことをいい、「逆送りする」とは、被作用物から遠ざかる向きに引き戻すことをいう。当該正送り及び逆送りの動作を本明細書において送り動作といい、当該送り動作をはアクティブシャフトにより行われる。
【0039】
なお、ワイヤ状操作対象物を把持する把持手段はワイヤ状操作対象物が滑らずに確実に把持でき、かつ送り動作を妨げないものであれば特に限定しない。図7はその一例であり、アクティブシャフトに備えられた断面が略凹形状のリング(0705a、0705b)と、当該リングとワイヤ状操作対象物を狭持するパッシブシャフト(0706a、0706b)とで把持する。なお、好ましくは、下記実施形態3及び図11に示すような、アクティブシャフトに備えられた2個のo−リング(1102、1103)とパッシブシャフト(1104)の3点でワイヤ状操作対象物(1101)を把持し、送る手段である。当該把持手段については実施形態3にて説明する。
【0040】
なお、本実施形態のワイヤ状操作対象物制御装置は、図2に示すようにワイヤ状操作対象物を上記アクティブシャフトの支持位置にガイドするためのガイドシリンダー部(0209)を備えていてもよい。ここで、「アクティブシャフトの支持位置にガイドする」とは、親ハイポイドギア(0201a、0201b、0201c)及びステッピングモータ(0203a、0203b、0203c)のほぼ開口中心軸上にワイヤ状操作対象物(0206a、0206b、0206c)が配置されるように誘導することをいう。換言すれば、ワイヤ状操作対象物を把持する把持手段(0210b)に誘導することをいう。
【0041】
ガイドシリンダー部の形状は、ワイヤ状操作対象物を上記アクティブシャフトの支持位置にガイドするものであれば特に限定しないが、ワイヤ状操作対象物を挿通できる中空の管が好ましい。ワイヤ状操作対象物がワイヤ状操作対象物制御装置内の開口空間を弛むことなく直線状に保持されるためである。
【0042】
なお、把持手段がワイヤ状操作対象物を直接把持できるように、ガイドシリンダー部は、ワイヤ状操作対象物を把持する把持手段の前後に分かれて構成されているのが好ましい。換言すれば、ワイヤ状操作対象物制御装置を構成する各構成と、ワイヤ状操作対象物とが直接接触するのは、当該ガイドシリンダー部内部と把持手段のみであり、その他の構成はワイヤ状操作対象物がガイドシリンダー部で覆われているため、直接接触することはない。かかる場合、ガイドシリンダー部と把持手段のみを洗浄、滅菌等の処理を行えば、ワイヤ状操作対象物を清潔に使用することができる。つまり、ワイヤ状操作対象物制御装置をカテーテル制御装置としてIVRに用いる場合、カテーテルは体内に挿入するため当然滅菌等の処理が施された清潔な状態でなければならないが、ガイドシリンダー部を設けることにより、カテーテル制御装置の全構成を洗浄、滅菌処理等しなくても、ガイドシリンダー部と把持手段のみを洗浄、滅菌処理等施せばよいため、管理が容易である。更には、例えば機械油やハイポイドギアの磨耗によるチリ等で、装置内を挿通するワイヤ状操作対象物が汚染されるのを防ぐこともできる。
<実施形態1:効果>
【0043】
本実施形態によれば、ワイヤ状操作対象物の送り動作と回転動作を独立して操作・制御できる。また無限送り、無限回転が可能であり、かつ無限回転させた場合でもドーナツ状ステッピングモータやスリップリングの配線がねじれることがない。また、滅菌処理等の管理が容易である。
<<実施形態2>>
<実施形態2:概要>
【0044】
本実施形態は、実施形態1に、アクティブシャフトを回転駆動するローテーションモータを更に有するワイヤ状操作対象物制御装置について説明する。
【0045】
本実施形態によれば、送り動作と回転動作が互いに干渉しない。また安定した回転動作が可能である。
<実施形態2:構成>
【0046】
本実施形態のワイヤ状操作対象物制御装置は、アクティブシャフトを前記開口中心を軸として回転駆動するローテーションモータを更に備える。図8(a)にその概念図を示す。アクティブシャフト(0801a)を、前記開口中心を軸として回転させると、当該アクティブシャフト(0801a)の回転に連動してワイヤ状操作対象物(0802a)を把持する把持手段(0803a)とともにワイヤ状操作対象物(0802a)が回転する。なお、図8(a)に示す把持手段はその一部分のみである。また、図8(b)は前述したとおり、ワイヤ状操作対象物が前記開口中心からズレた位置に挿通されている場合の回転動作を示す概念図である。当該ワイヤ状操作対象物が回転動作の回転軸上からズレているため、慣性力が働き、回転動作の高度な制御が困難になる。
【0047】
ここで、ワイヤ状操作対象物の回転動作は、少なくともアクティブシャフトが回転すれば足りるが、ハイポイドギア、ドーナツ状ステッピングモータ、及びスリップリングの回転側のいずれか一以上をともに回転させて実行するように構成されていてもよい。例えば、アクティブシャフトとともに子ハイポイドギア及び親ハイポイドギアがローテーションモータにより前記開口中心を軸として回転駆動され、ワイヤ状操作対象物の回転動作を実行する。かかる場合、実施形態1に記載したとおりドーナツ状ステッピングモータへの電源供給源はスリップリングに限定されない。また、アクティブシャフトとともにハイポイドギア、ドーナツ状ステッピングモータ、及びスリップリングの回転側と円筒状のケースが一体となり、ローテーションモータにより前記開口中心を軸として回転駆動され、ワイヤ状操作対象物の回転動作を実行するように構成されていてもよい。
【0048】
なお、当該ローテーションモータは、スリップリングからローテーションモータ用回転駆動制御信号を伝達されるように構成されていてもよい。ここで、「ローテーションモータ用回転駆動制御信号」とは、ローテーションモータの回転方向、回転速度、回転度数などを内容とする信号である。
【0049】
図9にアクティブシャフトとともにハイポイドギア、ドーナツ状ステッピングモータ、及びスリップリングの回転側と円筒状のケースが一体となり回転駆動される場合の態様を示す。図9(a)はワイヤ状操作対象物制御装置の外観側面図であり、ローテーションモータ(0901a)は、円筒状のケース(0902a)の外にあって、当該ケースを支持するスタンド(0903a)に固定されている。
【0050】
また、図9(b)は(a)のA−A´断面図を示す。ローテーションモータにより駆動される第一タイミングプーリー(0904b)が、タイミングベルト(0905b)を介して第二タイミングプーリー(0906b)を回転駆動し、当該第二タイミングプーリーの回転により、アクティブシャフトを回転駆動し、本実施形態にかかるワイヤ状操作対象物制御装置の回転動作を実行する。
【0051】
図10に本実施形態のワイヤ状操作対象物制御装置(1000)の機能ブロック図を示す。固定側と回転側を備えるスリップリング(1001)はドーナツ状ステッピングモータ(1002)に電源を供給し、またステッピングモータ用回転駆動制御信号を送信する。ドーナツ状ステッピングモータ(1002)は、親ハイポイドギア(1003)をその開口中心を中心に回転駆動する。当該親ハイポイドギアの回転に連動して子ハイポイドギア(1004)が回転する。そして当該子ハイポイドギア(1004)が、ワイヤ状操作対象物を支持し、また軸方向に正送り又は逆送りするためのアクティブシャフト(1005)を駆動し、送り動作を実行する。また、スリップリング(1001)はローテーションモータ(1006)に電源を供給し、またローテーションモータ用回転駆動制御信号を送信する。ローテーションモータ(1006)は、受信したローテーションモータ用回転駆動制御信号に基づいて第一タイミングプーリー(1007)を回転駆動し、当該回転によりタイミングベルト(1008)及び第二タイミングプーリー(1009)を駆動し、回転体(1010)の回転動作を実行する。
<実施形態2:効果>
【0052】
本実施形態によれば、ワイヤ状操作対象物の送り動作と回転動作が互いに干渉しない。また安定した回転動作が可能である。
<<実施形態3>>
<実施形態3:概要>
【0053】
本実施形態は、前記実施形態に、パッシブシャフトと2個のo−リングからなるワイヤ状操作対象物を狭持する把持手段を有するワイヤ状操作対象物制御装置について説明する。
【0054】
本実施形態によれば、滑らずに確実にワイヤ状操作対象物を狭持できるため、マスタシステムからの指示に基づいて高精度にワイヤ状操作対象物の送り動作および回転動作を制御できる。
<実施形態3:構成>
【0055】
図11に本実施形態の把持手段の断面図を示す。把持手段は、パッシブシャフト(1104)と、アクティブシャフト(1105)にはめられる2個のo−リング(1102、1103)と、からなり、3点でワイヤ状操作対象物(1101)を正逆送り可能に狭持する。なお、o−リングは、アクティブシャフトと一体で回転し、当該回転によりワイヤ状操作対象物を正送り又は逆送りする。ここで、パッシブシャフトと2個のo−リングは、ワイヤ状操作対象物の材質によってはワイヤ状操作対象物が滑らないように所定の摩擦係数を有している必要がある。例えば、ポリ塩化ビニルやポリウレタン、ポリオレフィン、シリコン樹脂、フッ素樹脂などからなるカテーテルは表面が滑らかですべりやすいため、パッシブシャフトとo−リングは、カテーテルが滑らず確実に狭持でき、かつ正逆送りがスムーズに行えるものでなければならない。また、前記のとおりパッシブシャフトと2個のo−リングはワイヤ状操作対象物と直接接するため、洗浄、滅菌等の処理を頻繁に行われる場合もあるため、洗浄、滅菌等の処理に対して耐久性を有するものが好ましい。
【0056】
なお、パッシブシャフトはワイヤ状操作対象物の径に応じてその位置を上下動可能なサスペンション手段を備えていてもよい。「狭持位置を上下動可能」とは、2個のo−リングとパッシブシャフトとの距離を変動可能なことをいう。つまり、図11においては、アクティブシャフト(1105)にはめられている2個のo−リング(1102、1103)に対してパッシブシャフトの軸(1106)が図中横方向(矢印方向)に変動するように構成されているため、2個のo−リングとパッシブシャフトとの距離を調整でき、当該距離に応じたワイヤ状操作対象物の狭持が可能である。例えば、ワイヤ状操作対象物がカテーテルの場合、少なくともカテーテル径が4〜11(Fr)で狭持できる。
【0057】
図12にサスペンション手段の一例を示す。アクティブシャフト(1205)とパッシブシャフト(1204)の軸(1206)を支持する支持体(1209)には、アクティブシャフトを支持するための略円形の穴(1207)と、パッシブシャフトの軸を支持するための略楕円形の穴(1208)を有する。そして、アクティブシャフト(1205)は、略円形の穴(1207)に固定されるが、パッシブシャフトの軸は略楕円形の穴(1208)を長手方向(図中矢印方向)に変動可能である。よって、アクティブシャフトにはめられている2個のo−リング(1202、1203)と、パッシブシャフト(1204)との距離を調整できる。
<実施形態3:効果>
【0058】
本実施形態によれば、ワイヤ状操作対象物を滑らず確実に狭持可能で、また様々な径のワイヤ状操作対象物に対応できる。
<<実施形態4>>
<実施形態4:概要>
【0059】
本実施形態は、施術室と、制御室からなる施術システムであって、施術室には、ワイヤ状操作対象物制御装置と、施術台と、放射線観測装置が設置され、制御室は、施術室に設置されたワイヤ状操作対象物制御装置に制御信号を送信する送信装置と、モニターと、送信装置が送信する制御信号を施術者から受け付けるインターフェースを有する、施術システムについて説明する。
【0060】
本実施形態によれば、ワイヤ状操作対象物の遠隔操作が可能であり、ワイヤ状操作対象物制御装置を制御する施術者の職業被曝を回避することができる。
<実施形態4:構成>
【0061】
図13に本実施形態の概念図を示す。施術室(1311)には、前記実施形態に記載のワイヤ状操作対象物制御装置(1301)と、ワイヤ状操作対象物であるカテーテル(1302)の挿入を受けるクランケ(1303)を固定するための施術台(1304)と、施術台のクランケに対して挿入されるカテーテルの体内状況を監視するための放射線観測装置(1305)が設置されている。また、制御室(1312)には、施術室(1310)のワイヤ状操作対象物制御装置(1301)のスリップリングに向けてカテーテル(1302)の制御のための信号を送信する送信装置(1306)と、放射線観測装置(1305)からの監視映像をモニターするためのモニター(1307)と、記送信装置(1306)から送信すべき信号の入力を施術者(1309)から受け付けるインターフェイス(1308)と、施術室(1311)との放射線遮断をするためのバリア(1310)を有する。
【0062】
ワイヤ状操作対象物制御装置は、施術台上に設置されてもよく、別途当該装置を設置するための設置台を設けてもよい。本実施形態のワイヤ状操作対象物制御装置は小型で持ち運びも容易であるため、施術台にクランケを固定した後、クランケのカテーテル挿入位置の近くに設置することも可能であり、クランケと施術者双方にとって有効である。
【0063】
放射線観測装置は、クランケの体内画像を放射線を用いて取得する装置である。特に血管の形体や血管内の病変を診断、施術する場合は、例えばDSA(Digital Subtraction Angiography、減算血管造影)装置を用いる。DSA装置は、造影剤を注入する前に撮影された画像(マスク画像)と、注入後に撮影された画像(コントラスト画像)の間で画像間減算処理(時間差分処理)を行うことにより、血管以外の骨や臓器を消去して血管だけの画像を得ることができるため有効である。なお、当該画像は、デジタルラジオグラフィ手法により、X線テレビカメラからのビデオ信号をデジタル化し、血管像のみをリアルタイムで鮮明に描出するなどのデジタル画像処理技術を利用して得られる。また、高速で繰り返し画像を取り込み、リアルタイムで血管像のみを強調し、定量解析することも可能である。
【0064】
なお、当該放射線観測装置で得られる体内画像は、制御室のモニターに出力され、出力された画像を見ながら施術者はインターフェイスにカテーテル制御信号を入力する。
【0065】
送信装置は、インターフェイスを介して施術者から受け付けるカテーテル制御のための信号を、ワイヤ状操作対象物制御装置のスリップリングに送信する。ここで、「カテーテル制御のための信号」とは、カテーテルの送り動作、回転動作の制御信号のことであり、具体的には、カテーテルの送る向き(正送り又は逆送り)や、送る距離、回転方向、回転角度などである。
【0066】
インターフェイスは、送信装置から送信すべきカテーテル制御信号を施術者から受け付けるものであれば特に限定しないが、施術者が当該インターフェイスに対して行う動作と、カテーテルの動作が連動するように構成されるのが好ましい。例えば、施術者がインターフェイスの一部分又は全体を正送りする動作を行った場合、カテーテルも正送り動作を行う。また、インターフェイスの一部分又は全体を右回転させた場合、カテーテルも右回転動作を行う。かかる場合、施術者は、カテーテルを直接送り・回転動作させているような感覚で操作できるため、操作性が非常に優れている。
【0067】
なお、本実施形態の施術システムは力覚機構を備えているのが好ましい。カテーテルにかかる負荷を当該力覚機構により施術者が認識することができるため、モニターに出力される体内画像を見ながらのカテーテル遠隔操作の操作性が向上する。なお、力覚精度は0.1N以下が好ましい。50〜60歳代の胸大動脈血管窄通荷重が0.12Nであるためである。そのためには、力覚センサを直接カテーテルに接触させるように構成されているのが好ましい。
<実施形態4:効果>
【0068】
本実施形態によれば、施術者は職業被曝することなく、クランケに対してカテーテルを用いた施術ができる。また、カテーテル遠隔操作の高い操作性を実現し、カテーテルを高度に制御できる。
【符号の説明】
【0069】
0201a、0201b、0201c 親ハイポイドギア
0202a 子ハイポイドギア
0203a、0203b、0203c ドーナツ状ステッピングモータ
0204a、0204b、0204c スリップリング
0205a、0205b アリティブシャフト
0206a、0206b、0206c ワイヤ状操作対象物
0207a、0207b、0207c 円筒状のケース
0208a、0208b スタンド
0209a、0209b、0209c ガイドシリンダー部
02010b、02010c 把持手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドーナッツ状の親ハイポイドギアと、
親ハイポイドギアを開口中心を中心に回転駆動するドーナツ状ステッピングモータと、
前記ステッピングモータに電源を供給するためのスリップリングと、
軸方向に正送りまたは逆送りするための前記親ハイポイドギアと対となる子ハイポイドギアにより駆動され、前記ギアおよびステッピングモータの開口に挿通されるワイヤ状操作対象物を前記開口中心軸上で送るためのアクティブシャフトと、
を有するワイヤ状操作対象物制御装置。
【請求項2】
前記アクティブシャフトを前記開口中心を軸として回転駆動するローテーションモータをさらに有する請求項1に記載のワイヤ状操作対象物制御装置。
【請求項3】
前記スリップリングは、ステッピングモータ用回転駆動制御信号または/およびローテーションモータ用回転駆動制御信号を伝達する請求項1または2に記載のワイヤ状操作対象物制御装置。
【請求項4】
前記ワイヤ状操作対象物を前記アクティブシャフトの支持位置にガイドするためのガイドシリンダー部をさらに有する請求項1から3のいずれか一に記載のワイヤ状操作対象物制御装置。
【請求項5】
パッシブシャフトと、
アクティブシャフトにはめられる2個のo−リングと、からなり、
両者でワイヤ状操作対象物を正逆送り可能に狭持する把持手段を有する請求項1から4のいずれか一に記載のワイヤ状操作対象物制御装置。
【請求項6】
前記パッシブシャフトは、前記狭持されるべきワイヤ状操作対象物の径に応じてその狭持位置を上下動可能なサスペンション手段を備えている請求項5に記載のワイヤ状操作対象物制御装置。
【請求項7】
ワイヤ状操作対象物はカテーテルである請求項1から6のいずれか一に記載のワイヤ状操作対象物制御装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一に記載のワイヤ状操作対象物制御装置と、
前記ワイヤ状操作対象物であるカテーテルの挿入を受けるクランケを固定するための施術台と、
施術台のクランケに対して挿入されるカテーテルの体内状況を監視するための放射線観測装置と、を設置した施術室と、
前記施術室のワイヤ状操作対象物制御装置のスリップリングに向けてカテーテルの制御のための信号を送信する送信装置と、
前記放射線観測装置からの監視映像をモニターするためのモニターと、
前記送信装置から送信すべき信号の入力を施術者から受け付けるインターフェイスと、
前記施術室との放射線遮断をするためのバリアと、
を有する制御室と、
からなる施術システム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−253168(P2010−253168A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109234(P2009−109234)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 発行者名 : 学校法人 芝浦工業大学 刊行物名 : 学校法人 芝浦工業大学大学院工学研究科機械工学専攻 修士論文概要 発行年月日 : 平成21年2月10日
【出願人】(599016431)学校法人 芝浦工業大学 (109)