説明

ワクチン

本発明は、ワクチンの分野、特に混合ワクチン及び同時投与計画に関する。本発明者は、小児用ワクチンにおけるCRMの過剰使用によって、特定の抗原に対するバイスタンダー免疫干渉が生じる可能性があることを開示し、またこの課題の解決手段を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワクチンの分野、具体的には一次免疫計画及びこのような免疫計画を実施するためのキットに関する。
【背景技術】
【0002】
常法通りの乳児免疫計画で投与することが推奨されるワクチンの数が増加したので、不快感を最小限に抑え、服薬遵守を高く維持するために欠かせない混合ワクチンが利用されている。現在のワクチンと組み合わせて使用できる場合には、新たに導入されるワクチンの組み込みは非常に容易であろう。しかし、混合ワクチンには抗原がワクチン内のその他の抗原に対する免疫応答を干渉する危険性があり、同様に様々なワクチンの同時投与には類似の危険性がある。WHOは近年、週間疫学調査(12号、2007年3月23日)で、ワクチンは「同時に投与したその他のワクチンに対する免疫応答を著しく干渉してはならない」と言明した。したがって、これらの状況における免疫応答をモニターし、免疫干渉の危険性を最小限に抑えることの重要性は世界中で認識されている。
【0003】
CRM-197は、糖抗原に一般的なキャリアで、例えば、Prevnar(登録商標)及びMeningitec(登録商標)を含めた承認ワクチンの一次免疫計画で既に使用されている。しかし、本発明者は、CRMは、本明細書で感受性抗原と称する特定の抗原に対する免疫応答に負の効果を有し得ることを発見した。本発明者はまた、免疫干渉が感受性抗原で生じ得るその他の新たに評価された手段及びこの免疫干渉を軽減し得る方法を発見した。
【0004】
1940年代に導入された百日咳疾患に対するワクチン接種は、子供及び乳児におけるこの疾患による罹患率及び死亡率の低下に非常に貢献してきた。乳児の百日咳ワクチン接種が広く適用されている国々では、この成功に伴って、ここ数十年において、重篤な合併症の危険性がより高い高齢者及び非常に幼い乳児への疾患の疫学的移動が起きている。
【0005】
6週から8週齢で開始するワクチン接種計画では、非免疫又は部分免疫乳児が密接な接触による百日咳感染に脆弱であり得る数カ月間が存在する。百日咳に対する非常に早期の新生児ワクチン接種は、疾患に脆弱な期間を減少させることによって、非常に幼い乳児を保護する方法となり得る。出生時の免疫系の部分的な未熟さのため、新生児の免疫は一般的に迅速な抗体応答を引き起こさないが、将来的な応答の基礎として作用しうる効果的な免疫学的刺激を引き起こすことができる(Siegrist CA.「Neonatal and early life vaccinology」Vaccine 2001、19:3331-3346)。
【0006】
この取り組みは、60年代に、当時利用可能であったDTPwワクチンを使用して調べられ、古典的な後期ワクチン接種計画と比較して免疫応答が抑制される一過性の「免疫麻痺」を引き起こした(Provenzano W、Wetterlow LH、Sullivan CL、「Immunization and antibody response in the newborn infant.I - Pertussis inoculation within twenty-four hours of birth」1965 NEJM; Vol.273 No.17:959-965)。無細胞百日咳DTPa混合ワクチンを使用した取り組みの実現可能性は、Siegrist及びそのグループによる前臨床試験で後に示された(Roduit C、Bozzotti P、Mielcarek N他「Immunogenicity and protective efficacy of neonatal vaccination against Bordetella pertussis in a murine model:evidence for early control of pertussis」Infect Immun 2002 Jul;70(7):3521-8)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、百日咳に対する抗体応答の発達を促進するために、Paワクチンの出生時接種の実現可能性を評価する臨床研究を考案した。一次免疫計画に対する抗体応答の効果を調べた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、例えば、糖コンジュゲートキャリアとしてのCRM又はその他の強力な抗原(以下の定義参照)の過剰使用は、驚くべきことにCRMが感受性抗原と結合していなくても、そして感受性抗原及びCRMが同一容器に入っていないが一次免疫中に同時投与されるか、又は時間差投与されることによっても、感受性抗原に対して抑制された免疫応答を引き起こし得ることを発見した。
【0009】
したがって、本発明の一実施形態では、少なくとも9の糖コンジュゲートを含み、2〜7(2と7を含む)の糖コンジュゲートがCRMキャリアタンパク質に結合しており、一次免疫計画での使用に適しているワクチンキットであって、
a)CRM、DT又はその他のDT誘導体の存在下であるが、該CRM、DT又はその他のDT誘導体には結合していないHib糖コンジュゲート、
b)場合によって、CRMに結合した少なくとも1の糖コンジュゲート、及び
c)場合によって、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1のその他の糖コンジュゲート
を含む第1の容器と、
d)CRMに結合した少なくとも1の糖コンジュゲート、
e)場合によって、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1のその他の糖コンジュゲート
を含む第2の容器と、
場合によって、少なくとも1の糖コンジュゲートを場合によって含む第3の容器であって、
f)場合によって、少なくとも1の糖コンジュゲートがCRMに結合しており、
g)場合によって、少なくとも1の糖コンジュゲートがCRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していないものである、第3の容器と
を含むキットを提供する。
【0010】
特に前記に定義しない限り、9以上の糖は本発明の容器に何らかの方法で分配することができる。
【0011】
したがって、Hib(感受性抗原)がDT誘導体(例えば、DTPワクチン中の遊離DT)の存在下で本発明の第1の容器内でワクチン内に存在する場合、CRM上にある7までのコンジュゲート(例えば、第2の容器のPrevnar(登録商標))と同時投与することができる。しかし、9番目又は他の糖コンジュゲートを第1、第2又は第3の容器において一次免疫計画に添加する場合(例えば、MenCなどの髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)糖)、CRM以外のキャリアタンパク質に結合させるべきである。
【0012】
したがって、CRMがHib感受性抗原と同一容器内に存在しないとき、第1の容器のDT源はDTPワクチンであってもよい。
【0013】
以下の表は、前記の実施形態で例示したように、本発明のキットを使用して同時投与することができるワクチンの例である。
【0014】

【0015】
糖コンジュゲート当たりの平均CRM用量は、場合によって特定量を超えるべきでなない。したがって、本発明の一実施形態では、前述のキットはCRM結合糖コンジュゲート当たりの平均CRM用量1〜15μg、1〜10μg、1〜5μg又は1〜3μgを含有する。本発明の他の実施形態では、前述のキットは35μg未満、例えば、2〜30μg、5〜25μg又は10〜20μgの全CRM量を含有する。
【0016】
したがって、本発明のキットでは、9(以上)の糖のうち3がCRMに結合することができる。これらの3のうち、1はCRM2μgを有することができ、1はCRM 4μgを有することができ、1はCRM6μgを有することができる。この状況では、キットの平均CRM量は12μg/3=4μgである。
【0017】
同様に、HB表面抗原(HB)は、例えばCRMに対する感受性抗原であることが発見され、本発明者は、例えば、それを超えると感受性抗原に対する免疫応答が抑制される糖のキャリアとしてのCRM使用の限界を発見した。
【0018】
したがって、本発明の他の実施形態では、少なくとも7の糖コンジュゲートを含み、2〜6(2と6を含む)の糖コンジュゲートがCRMキャリアタンパク質に結合しており、一次免疫計画での使用に適しているワクチンキットであって、
a)CRM、DT又はその他のDT誘導体の存在下で、リン酸アルミニウムに吸着していてもよいHB、
b)場合によって、CRMに結合した少なくとも1の糖コンジュゲート、及び
c)場合によって、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1の糖コンジュゲート
を含む第1容器と、
d)CRMに結合した少なくとも1の糖コンジュゲート、
e)場合によって、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1の糖コンジュゲート
を含む第2容器と、
場合によって、少なくとも1の糖コンジュゲートを場合によって含む第3の容器であって、
f)場合によって少なくとも1の糖コンジュゲートがCRMに結合しているものである、第3の容器と
を含み、
場合によって、少なくとも1の糖コンジュゲートがCRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していないものである、上記キットを提供する。
【0019】
したがって、HBは、Infanrix(登録商標)hexaなどのDTPワクチンの場合、第1容器に存在することができ、6以下の糖がCRMに結合している7価の肺炎球菌ワクチンは第2容器に存在することができ、MenC-TTは第3容器に存在することができる。
【0020】
糖コンジュゲート当たりの平均CRM用量は、場合によって特定量を超えるべきではない。したがって、本発明の一実施形態では、前述のキットはCRM結合糖コンジュゲート当たり1〜9μg、1〜6μg、1〜5μg又は1〜3μgの平均CRM用量を含有する。本発明の他の実施形態では、前述のキットは20μg未満、例えば、2〜18μg又は5〜15μgの全CRM量を含有する。
【0021】
さらに、本発明者は、感受性抗原がCRM、DT又はその他DT誘導体を含有するワクチンと同じ容器に入っていないことを特に確かめることによって、HB/Hib感受性抗原に対して7/8を上回る糖をCRMに結合させることができ、感受性抗原(複数可)と共に投与することができる方法を提案する。したがって、本発明の他の実施形態では、CRMキャリアタンパク質に結合した少なくとも8の糖コンジュゲートを含み、一次免疫計画での使用に適したワクチンキットであって、
a)CRM、DT又はその他のDT誘導体の存在下ではない感受性抗原、及び
b)場合によって、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1の糖コンジュゲート
を含む第1の容器と、
c)CRMに結合した少なくとも7、8、10、11、13、14又は15の糖コンジュゲート、
d)場合によって、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1のその他の糖コンジュゲート
を含む第2の容器と、
場合によって、少なくとも1の糖コンジュゲートを場合によって含む第3の容器であって、
e)場合によって、少なくとも1の糖コンジュゲートがCRMに結合しており、
f)場合によって、少なくとも1の糖コンジュゲートがCRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していないものである、第3の容器と
を含むキットを提供する。
【0022】
このキットは、DT誘導体の存在していない、例えば、DTPワクチン又はCRM結合糖の存在していない第1容器内にワクチンを有し、したがって、CRMに関連したバイスタンダー干渉を引き起こしにくく、CRMに結合した8以上のコンジュゲート、例えば、第2容器内のCRMに結合した13価の肺炎球菌糖コンジュゲート又は第2/第3容器内のPrevnar(登録商標)+MenC-CRMと同時投与することができる。
【0023】
以下の表は、前記の実施形態で例示したように、本発明のキットを使用して同時投与することができるワクチンの例である。
【0024】

【0025】
さらに、本発明者は、CRMに結合する糖の数を最小限に抑えることによって、感受性抗原に対する免疫応答の抑制を改善する方法を提案する。したがって、本発明の他の実施形態では、7以上の糖コンジュゲートを含み、7未満(例えば、6、5、4、3、2、1若しくは0)の糖コンジュゲートがCRMキャリアタンパク質と結合しており、一次免疫計画での使用に適しているワクチンキットであって、
a)CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していないHib糖コンジュゲート、
b)場合によって、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1の糖コンジュゲート
を含む第1の容器と、
場合によって少なくとも7の糖コンジュゲートを含む第2の容器であって、
c)CRMに結合した7未満(例えば、6、5、4、3、2、1若しくは0)の糖を含むものである、第2の容器と、
場合によって、
d)場合によって、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1の糖コンジュゲートを含む第3の容器と
を含むキットを提供する。
【0026】
このようなキットは、第1の容器にInfanrix(登録商標)hexa、第2の容器にSynflorix(登録商標)及び第3の容器に髄膜炎菌莢膜糖コンジュゲートワクチンを含むことができる。
【0027】
以下の表は、前記の実施形態で例示したように、抗原がCRM上にない、本発明のキットを使用して同時投与することができるワクチンの例である。
【0028】

【0029】
以下の表は、どのワクチンが本発明の実施形態に従って同時投与すべきで、同時投与すべきではないかを示す。
【0030】

【0031】
本発明の他の実施形態では、9以上の糖コンジュゲートを含む一次免疫に適した混合ワクチンであって、
a)Hib糖コンジュゲートが存在するが、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合しておらず、
b)2〜7(2と7を含む)の糖コンジュゲートがCRMに結合しており、
c)1又は複数のその他の糖コンジュゲートがCRMに結合していない
ワクチンを提供する。
【0032】
糖コンジュゲート当たりの平均CRM用量は、場合によって特定量を超えるべきではない。したがって、本発明の一実施形態では、前述の混合ワクチンはCRM結合糖コンジュゲート当たり1〜15μg、1〜10μg、1〜5μg又は1〜3μgの平均CRM用量を含有する。本発明の他の実施形態では、前述の組合せ(混合ワクチン)は35μg未満、例えば、2〜30μg、5〜25μg又は10〜20μgの全CRM量を含有する。
【0033】
本発明の他の実施形態では、7以上の糖を含む一次免疫に適した混合ワクチンであって、
a)HBが存在し、
b)2〜6(2と6を含む)の糖コンジュゲートがCRMに結合しており、
c)1又は複数のその他の糖コンジュゲートがCRMに結合していない
ワクチンを提供する。
【0034】
糖コンジュゲート当たりの平均CRM用量は、場合によって特定量を超えるべきではない。したがって、本発明の一実施形態では、前述の混合ワクチンはCRM結合糖コンジュゲート当たり1〜9μg、1〜6μg、1〜5μg又は1〜3μgの平均CRM用量を含有する。本発明の他の実施形態では、前述の組合せは20μg未満、例えば、2〜18μg又は5〜15μgの全CRM量を含有する。
【0035】
IPVは、感受性抗原に対する免疫応答に正の効果を有するので(即ち、免疫調節因子として作用するので、定義参照)、本発明のキット又は混合ワクチン内の感受性抗原と一緒に投与することができる。このような正の効果のためには、IPVワクチンは感受性抗原と同一の容器に存在することが重要である。Pwは同様に免疫調節因子として作用することができる。
【0036】
したがって、一実施形態では、感受性抗原を有する容器がさらにIPVを含む本発明のキット又は混合ワクチンを提供する。
【0037】
他の実施形態では、感受性抗原を有する容器がさらにPwを含む本発明のキット又は混合ワクチンを提供する。
【0038】
別の実施形態では、本発明のキット又は混合ワクチンを投与する方法を提供する。
【0039】
本発明の一実施形態では、ワクチンの一次免疫計画における感受性抗原に対するCRMのバイスタンダー干渉を低減させる方法であって、以下のステップ、
a)ワクチンにおけるCRMの量及び/又はCRM上のコンジュゲートの数を(例えば、7、6、5、4、3、2、1又は0に)減少させるステップ、
b)感受性抗原を含むワクチン中にIPVを含めるステップ、
c)感受性抗原を含むワクチン内にPwを含めるステップ、
d)感受性抗原を含むワクチンにおけるDT用量を減少させるステップ、
e)感受性抗原の用量を増加させるステップ、
f)Paが感受性抗原を含むワクチン中に存在する場合、Pa用量又はPa成分の数を減少させるステップ、
g)感受性抗原を含むワクチンからCRMを除去するか、又はキットからCRMを完全に除去するか、又は感受性抗原を含むワクチンからCRM、DT及びDT誘導体を除去するステップ
の1又は複数のステップを含む方法を提供する。
【0040】
本発明の他の実施形態では、CRMに結合した8以上の糖コンジュゲートを含むキットであって、
a)CRM、DT又はその他のDT誘導体の存在下で感受性抗原(複数可)
を含む第1の容器と、
b)CRMに結合した7以上の糖コンジュゲート、
c)場合によって、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1のその他の糖コンジュゲート
を含む第2の容器と、
場合によって、少なくとも1の糖コンジュゲートを場合によって含む第3の容器であって、
d)場合によってCRMに結合しており、
e)場合によってCRMに結合していないものである、第3の容器と
を含む上記キットを使用するとき、感受性抗原に対するバイスタンダー干渉を低減させる方法であって、
前記感受性抗原を含む容器からCRM、DT又はその他のDT誘導体すべてを除去するか、又はCRMに結合した糖コンジュゲートの数を7以下(例えば、6、5、4、3、2、1又は0に)減少させるステップを含む方法を提供する。
【0041】
本発明の他の実施形態では、本発明のキット又は混合ワクチンを使用して、百日咳菌(Bordetella pertussis)、破傷風菌(Clostridium tetani)、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)、B型肝炎ウイルス、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)b型、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumonia)及び髄膜炎菌(Neisseria Meningitidis)により引き起こされる疾患に対する免疫方法であって、
a)キット又は混合ワクチン内の各抗原が一次免疫計画において2〜3回投与され、
b)HibがCRM、DT又はその他のDT誘導体に結合しておらず、
c)7以上の肺炎連鎖球菌莢膜糖抗原コンジュゲートがあり、
d)1種又は複数の髄膜炎菌莢膜糖抗原コンジュゲートがあり、
e)CRMに結合した肺炎連鎖球菌及び髄膜炎菌莢膜糖抗原の数が8未満である
上記方法を提供する。
【0042】
本発明の他の実施形態では、本発明のキット又は混合ワクチンを使用した百日咳菌、破傷風菌、ジフテリア菌、B型肝炎ウイルス、インフルエンザ菌b型、肺炎連鎖球菌及び髄膜炎菌により引き起こされる疾患に対する免疫方法であって、
a)キット又は混合ワクチンの各抗原が一次免疫計画において2〜3回投与され、
b)Pa用量又はPa成分の数が減少している
上記方法を提供する。
【0043】
本発明者は、Pa抗原が感受性抗原に対する免疫応答に負の効果を有し得ることを見出した。
【0044】
したがって、一実施形態では、PTが存在する場合、PT(又はPT誘導体)が0.5mL用量当たり10μgを超えない、1〜9、1.5〜8、2〜6、2.5〜5μgの用量でPa中に存在する本発明のキット、混合ワクチン又は方法を提供する。
【0045】
他の実施形態では、Paが存在する場合、FHAが0.5mL用量当たり10μgを超えない、1〜9、1.5〜8、2〜6、2.5〜5μgの用量でPa中に存在する本発明のキット、混合ワクチン又は方法を提供する。
【0046】
他の実施形態では、Paが存在する場合、PRNが0.5mL用量当たり6μgを超えない、0.5〜6、0.8〜5、1〜4、2〜3μgの用量でPa中に存在する本発明のキット、混合ワクチン又は方法を提供する。
【0047】
他の実施形態では、Paが存在する場合、0.5mL用量当たりPTが約2.5μgの用量でPa中に存在し、FHAが約2.5μgの用量でPa中に存在し、PRNが約0.8μgの用量でPa中に存在する本発明のキット、混合ワクチン又は方法を提供する。
【0048】
他の実施形態では、Paが存在する場合、0.5mL用量当たりPTが約5μgの用量でPa中に存在し、FHAが約5μgの用量でPa中に存在し、PRNが約2.5μgの用量でPa中に存在する本発明のキット、混合ワクチン又は方法を提供する。
【0049】
定義
約又はおよそ:記載した値の±10%であるが、用途の状況に合わせるべきである。
【0050】
バイスタンダー干渉:CRM197などの強力な抗原(複数可)が感受性抗原(複数可)と一緒に投与されるとき、感受性抗原(例えば、Hib莢膜糖又はB型肝炎表面抗原)に対する免疫応答に対する効果。このような干渉は、強力な感受性抗原が同じワクチン容器で投与されず、同時投与されるか、又は時間差一次免疫計画で投与されても認められ得る。例えば、感受性抗原及びDTを含む組成物と同時投与されたCRM。
【0051】
同時投与:同一通院時に、同一部位又は異なる部位に投与された別のワクチン中の2種以上の抗原の投与。通常、複数のワクチンは異なる箇所、即ち、異なるリンパ節に流出する部位、例えば異なる四肢に投与される。しかし、場合によって、そうである必要はない(ワクチンは、同一リンパ節に流出する部位に投与してもよい)。
【0052】
混合ワクチン:2種類以上の別々の抗原部分を使用して、2種類以上の疾患に対する防御をもたらすワクチン。
【0053】
CRM:野生型毒素を解毒し、化学的には解毒されていないジフテリア毒素の変異体。CRM-197は、通常DT変異体として使用される。その他のDT変異体としては、CRM176、CRM228、CRM45(Uchida他、J.Biol.Chem.218;3838〜3844、1973);CRM9、CRM45、CRM102、CRM103及びCRM107、並びにNicholls and Youle in Genetically Engineered Toxins、Frankel編、Maecel Dekker Inc、1992に記載されたその他の変異体;Glu-148からAsp、Gln又はSer及び/又はAla158からGlyの欠損型若しくは変異体又は米国特許第4,709,017号若しくは米国特許第4,950,740号に開示されたその他の変異体;少なくとも1又は複数の残基Lys516、Lys526、Phe530及び/又はLys534の変異体及び米国特許第5,917,017号又は米国特許第6,455,673号に開示されたその他の変異体;又は米国特許第5,843,711号に開示された断片が挙げられる。CRMは、ジフテリア毒素、ジフテリアトキソイド又はジフテリア変異体のトキソイドを対象としない。
【0054】
DT誘導体:ジフテリア毒素の解毒変異体(例えば、CRM-前記参照)又はジフテリア毒素若しくはCRMの化学的解毒型である抗原あるいは特異的にジフテリア毒素に結合する抗体を惹起する機能を保持しているジフテリア毒素のその他の変異体又は切断型。
【0055】
Hexavac(登録商標):ジフテリア-破傷風-無細胞百日咳-不活性化ポリオワクチン-B型肝炎-インフルエンザ菌b型混合ワクチン(DTPa-IPV-HB/Hibワクチン、Sanofi-Aventis)。DT 20IU、TT 40IU、PT 25μg、FHA 25μg、D抗原単位40のポリオウイルス1型、D抗原単位8のポリオウイルス2型及びD抗原単位32のポリオウイルス3型、PRP 12μg、HBsAg 5μgを含有する。
【0056】
Hib:キャリアタンパク質に結合させたPRP莢膜糖。本発明のキット又は混合ワクチンは、ADHなどのリンカーと共に、又は伴わずに結合させた、用量当たり1〜10μg(例えば、2〜8μg、3〜7μg、4〜6μg)の糖を含むことができる。Hibの例は、Hiberix(登録商標)などの既知のコンジュゲートHibワクチン(GlaxoSmithKline Biologicals s.a.)に含有される抗原である。様々なタンパク質キャリアを本発明のHib、例えば、TT又はNTHi PD(EP0594610)で使用することができる。本発明のHibにおける別の可能なタンパク質キャリアは、(例えば、Merck & Co.Inc製のPedvaxHIB内のHib-OMCコンジュゲートについては)髄膜炎菌のOMC又はOMP(外膜タンパク質複合体)である。
【0057】
免疫調節因子:感受性抗原及び強力な抗原と一緒に投与した場合、感受性抗原を強力な抗原のみと一緒に投与した場合と比較して、感受性抗原が生じる生体によって引き起こされる疾患に対する免疫応答を改善する、ワクチン中で投与される抗原。例にはIPV及びPwが含まれる。
【0058】
Infanrix(登録商標)hexa:ジフテリア-破傷風-無細胞百日咳-B型肝炎-不活性化ポリオワクチン-インフルエンザ菌b型混合ワクチン(DTPa-HBV-IPV/Hibワクチン、GlaxoSmithKline)。DT 少なくとも30国際単位(IU)、TT 少なくとも40IU、PT 25μg、FHA 25μg、PRN 8μg、B型肝炎表面抗原(HBSAg)10μg、D抗原単位40のポリオウイルス1型、D抗原単位8のポリオウイルス2型、D抗原単位32のポリオウイルス3型及びTTに結合したポリリボシルリビトールリン酸(PRP)10μgを含有する。
【0059】
Infanrix(登録商標)penta:ジフテリア-破傷風-無細胞百日咳-B型肝炎-不活性化ポリオ混合ワクチン(DTPa-HBV-IPVワクチン、GlaxoSmithKline)。DT 少なくとも30IU、TT 少なくとも40IU、PT 25μg、FHA 25μg、PRN 8μg、HBsAg 10μg、D抗原単位40のポリオウイルス1型、D抗原単位8のポリオウイルス2型及びD抗原単位32のポリオウイルス3型を含有する。
【0060】
キット:別々の容器に入れたワクチンは、一緒に使用するための指示と一緒に包装することができる(投与前に容器の内容物を混合するという意味ではない)。あるいは、ワクチンは、本発明のキットで記載したその他のワクチンとの使用方法についての指示とは別に包装することができる。本発明のキット内のワクチンは、医師が本発明のキットのどのワクチン/容器を一緒に投与するべきか、どのように、いつ投与するべきか(一次免疫計画で同時投与するべきか、又は時間差投与するべきか)容易に認識できるように、色付けするか、又は数字を付けるか、又は別のシステムを採用することができる。
【0061】
場合によって(場合により):本明細書では、それぞれの場合において、引用した任意選択の特性が存在するか、又は存在しないかの表現規準であるものとする。
【0062】
Pa:一般的に、PT、FHA及びPRN、並びに場合によって凝集原2及び3を含む無細胞百日咳ワクチン。
【0063】
Pediacel(登録商標):ジフテリア-破傷風-無細胞百日咳-不活性化ポリオワクチン-インフルエンザ菌b型混合ワクチン(DTPa-IPV/Hibワクチン、Sanofi-Aventis)。DT 少なくとも30IU、TT 少なくとも40IU、PT 20μg、FHA 20μg、PRN 3μg、FIM2及びFIM3 5μg、D抗原単位40のポリオウイルス1型、D抗原単位8のポリオウイルス2型及びD抗原単位32のポリオウイルス3型及びTTに結合したPRP 10μgを含有する。
【0064】
Prevnar(登録商標):いずれもCRM-197(Wyeth)に結合した以下の血清型:4、6B、9V、14、18C、19F及び23F由来の莢膜糖のコンジュゲートからなる7価の肺炎連鎖球菌ワクチン。
【0065】
13価Prevnar:CRM-197(Wyeth)に結合した莢膜糖からなる13価の肺炎連鎖球菌ワクチン。
【0066】
一次免疫:しばしば、例えば、2、4、6カ月齢又は1、3、5カ月齢又は2、3、4カ月齢に、各抗原について2又は3回免疫することからなる、通常生後1年目における免疫計画。抗原は、同時投与することができるか(同一通院時に、通常異なる四肢に投与され、したがって通常異なるリンパ節に流出する)、又は時間差プロトコールで投与することができる。必要な通院が少なく、したがってより遵守されやすいので、同時投与が通常好ましい。
【0067】
PS6B:肺炎連鎖球菌血清型6B由来の莢膜多糖コンジュゲート。
【0068】
PT誘導体:トキソイド化した百日咳毒素、あるいは解毒されており、したがって化学的に解毒する必要がない変異体。
【0069】
糖:多糖又はオリゴ糖を示し、両方を含むことができる。糖とは、病原性細菌、例えば、インフルエンザ菌b型、髄膜炎菌、肺炎連鎖球菌由来の莢膜糖抗原を意味することが多く、完全長多糖であるか、ワクチン業界において周知(例えば、EP497525参照)の細菌性の「サイズ低減した糖」及び「オリゴ糖」(天然では反復単位の数が少ないか、又は管理を容易にするために大きさが抑制された多糖であるが、宿主においてまだ保護免疫応答を誘導することができる)であることができる。
【0070】
感受性抗原:免疫干渉、特に一次免疫計画においてバイスタンダー干渉を特に受けやすい抗原。強力な抗原(以下参照)と一緒に投与されると、感受性抗原が単独で投与される場合と比較して、抗原が由来する生体によって引き起こされる疾患に対して抑制された免疫応答を生じる、ワクチン内で投与される抗原。例には、B型肝炎表面抗原、インフルエンザ菌b抗原及びPS6Bが含まれる。
【0071】
時間差投与:異なる通院時に、一次免疫計画における別のワクチンによる2種類以上の抗原の投与。これらの投与には通常、1〜4週間以上の間隔をあける。
【0072】
強力な抗原:感受性抗原と一緒に(又は同時に)投与されると、感受性抗原が単独で投与される場合と比較して、抗原が由来する生体によって引き起こされる疾患に対して抑制された免疫応答を生じる、ワクチン内で投与される抗原。例にはPa、CRM-197が含まれる。
【0073】
Synflorix(登録商標):以下のコンジュゲート:PS1-PD、PS4-PD、PS5-PD、PS6B-PD、PS7F-PD、PS9V-PD、PS14-PD、PS18C-TT、PS19F-DT及びPS23F-PDコンジュゲートからなる(例えば、ヒトへの用量当たりそれぞれの糖が1、3、1、1、1、1、1、3、3、1μgの用量である)10価の肺炎連鎖球菌ワクチン(GlaxoSmithKline)(例えば、WO2007/071707号参照)。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】混合DTPa3及びDTPa5ベースのHib-TTワクチンを用いた個々の臨床試験の結果を示す。3回投与の一次ワクチン接種後の抗PRP抗体濃度が≧0.15μg/mlの対象の割合。*は利用可能なデータなし。
【図2】混合DTPa3及びDTPa5ベースのHib-TTワクチンを用いた個々の臨床試験の結果を示す。3回投与の一次ワクチン接種後の抗PRP抗体GMC(μg/ml)。GMCの最小及び最大値は[69]から示された。図1及び2のデータは、[60、63、64、65、66、68、69、70、72、73]から改作した。
【図3】Infanrix hexaの3回目のワクチン投与の1ヶ月後の抗PRP抗体濃度に関する逆累積曲線を示す。
【図4】Infanrix hexaの追加免疫ワクチン投与の1ヶ月後の抗PRP抗体濃度に関する逆累積曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0075】
本発明のキット及び混合ワクチン中の抗原は、「免疫学的有効量」で存在する。すなわち、その量が単回の用量で又は一連の投与の一部としてのいずれかで個体へ投与されると、疾患の治療又は予防に有効である。投与処置は、認可された一次免疫計画と、必要な場合にはそれに続く追加免疫投与によるものである。
【0076】
DTPワクチン成分
本発明のDTPワクチンは、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)、破傷風菌(Clostridium tetani)及び百日咳菌(Bordetella pertussis)により引き起こされる疾患に対する防御を付与する。これは、一般的に、以下に記載する1又は複数の成分から構成される、ジフテリアトキソイド(DT)、破傷風トキソイド(TT)、及び全細胞百日咳菌(Pw)又は無細胞百日咳菌(Pa)を含む。
【0077】
ジフテリア抗原は、典型的にはジフテリアトキソイドである。ジフテリアトキソイド(DT)の調製は、十分に確立されている。任意の好適なジフテリアトキソイドを使用し得る。例えば、DTは、ジフテリア菌の培養物から得られた毒素を精製し、その後化学的に解毒することによって製造することができるるが、別法として、該毒素の組換え体又は遺伝学的に解毒されたアナログ(例えばCRM197、又は米国特許第4,709,017号、米国特許第5,843,711号、米国特許第5,601,827号、及び米国特許第5,917,017号に記載される他の変異体)の精製によって作製される。一実施形態において、本発明のジフテリアトキソイドは、水酸化アルミニウムなどのアルミニウム塩上に吸着させることができる。別の実施形態において、本発明のジフテリアトキソイドは、リン酸アルミニウムなどのアルミニウム塩上に吸着させることができる。他の実施形態において、ジフテリアトキソイドは、水酸化アルミニウムとリン酸アルミニウムの両方の混合物上に吸着させることができる。本発明のキット又は混合ワクチンは通常、DTを10〜120μg、5〜100μg、70〜100μg、又は80〜95μgの用量で含む。
【0078】
本発明の破傷風抗原は、典型的には破傷風トキソイドである。破傷風トキソイド(TT)の調製法は、当技術分野において周知である。一実施形態において、TTは、破傷風菌の培養物から得られた毒素を精製し、その後化学的に解毒することによって製造されるが、別法として、該毒素の組換え体又は遺伝学的に解毒されたアナログの精製によって作製される(例えばEP 209281に記載のとおり)。任意の好適な破傷風トキソイドを使用することができる。「破傷風トキソイド」は、完全長タンパク質の免疫原性フラグメント(例えばフラグメントC、EP 478602参照)を包含し得る。一実施形態において、本発明の破傷風トキソイドは、水酸化アルミニウムなどのアルミニウム塩上に吸着させることができる。別の実施形態において、本発明の破傷風トキソイドは、リン酸アルミニウムなどのアルミニウム塩上に吸着させることができる。他の実施形態において、破傷風トキソイドは、水酸化アルミニウムとリン酸アルミニウムの両方の混合物上に吸着させることができる。本発明のキット又は混合ワクチンは通常、TTを10〜60μg、20〜50μg、又は30〜48μgの用量で含む。
【0079】
本発明の百日咳成分は、精製百日咳抗原を使用する場合には無細胞(Pa)、又は死菌全細胞百日咳を百日咳成分として使用する場合には全細胞(Pw)のいずれかであり得る。
【0080】
本発明のPaは、以下の1又は複数から構成される:百日咳トキソイド(PT)、線維状ヘマグルチニン(FHA)、パータクチン(PRN)、線毛凝集原FIM2及びFIM3。特に、それは、PT、FHA、PRN、FIM2若しくはFIM3、又はPT+FHA、PT+PRN、PT+FIM2、PT+FIM3、FHA+PRN、FHA+FIM2、FHA+FIM3、PRN+FIM2、PRN+FIM3若しくはFIM2+FIM3、又はPT+FHA+PRN、PT+FHA+FIM2、PT+FHA+FIM3、PT+PRN+FIM2、PT+PRN+FIM3、PT+FIM2+FIM3、FHA+PRN+FIM2、FHA+PRN+FIM3、FHA+FIM2+FIM3若しくはPRN+FIM2+FIM3、又はPT+FHA+PRN+FIM2、PT+FHA+PRN+FIM3若しくはFHA+PRN+FIM2+FIM3、又はPT+FHA+PRN+FIM2+FIM3を含み得る。
【0081】
本発明のキット又は混合ワクチンは、ホルムアルデヒド処理の周知の方法によって、又は変異体(PT誘導体)を用いて解毒されたPTを含み得る。該タンパク質のS1サブユニット内の残基の置換は、PTの免疫学的特性及び防御的特性を保持するが、毒性が低減されているか、又は毒性を有さないタンパク質を生じさせることが見出されている(EP 322533)。かかる変異体は、20〜25μgよりも低い用量で使用することができる。
【0082】
本発明の一実施形態において、Pa成分は、認可ワクチン(例えばInfanrix(登録商標))中で一般的に使用されている量、例えばおよそ25μgのPT、25μgのFHA、及び8μgのPRNで存在する。
【0083】
本発明のPwは死菌全細胞百日咳菌を含む。Pwは、幾つかの方法(水銀を含まない方法など)によって不活性化させることができる。このような方法は、熱(例えば56℃で10分間)、ホルムアルデヒド(例えば37℃、24時間で0.1%)、グルタルアルデヒド(例えば、室温、10分間で0.05%)、アセトンI(例えば室温で3回処理)及びアセトンII(例えば室温で3回処理及び37℃で4回処理)による不活性化を含み得る(例えばGuptaら, 1987, J. Biol. Stand. 15:87;Guptaら, 1986, Vaccine, 4:185参照)。本発明に好適な死菌全細胞百日咳菌(Pw)の調製方法は、DT-TT-Pw-HepBワクチンを製造するための好適な製剤方法としてWO 93/24148号に開示されている。従来、死菌全細胞百日咳菌の調製においては、チオメルサールが使用されていた。しかしながら、一実施形態において、本発明のワクチンの製剤過程でチオメルサールは使用されない。
【0084】
典型的に、5〜50 IOU、7〜40 IOU、9〜35 IOU、11〜30 IOU、13〜25 IOU、15〜21 IOU又は約若しくはちょうど20 IOUのPw用量が用いられる。
【0085】
一実施形態において、本発明の百日咳成分は、水酸化アルミニウムなどのアルミニウム塩上に吸着させることができる。別の実施形態において、本発明の百日咳成分は、リン酸アルミニウムなどのアルミニウム塩上に吸着させることができる。他の実施形態において、上記の百日咳成分は、水酸化アルミニウムとリン酸アルミニウムの両方の混合物上に吸着させることができる。
【0086】
IPVワクチン成分
本発明のIPVは、不活性化ポリオウイルス1型(例えばMahoney若しくはBrunhilde)、2型(例えばMEF-I)若しくは3型(例えばSaukett)、又はこれらの型のいずれか2つ又は全3型の組み合わせを含むことができる。本発明のキット又は混合ワクチンは、IPV1型若しくはIPV2型若しくはIPV3型、又はIPV1型と2型、又はIPV1型と3型、又はIPV2型と3型、又はIPV1型と2型と3型を含み得る。
【0087】
不活性化ポリオウイルス(IPV)の作製方法は、当技術分野において周知である。一実施形態において、ワクチン分野において知られているとおり、IPVは1型、2型及び3型を含んでいるはずであり、ホルムアルデヒドで不活性化されたSalkポリオワクチンであってよい(例えば、Sutterら, 2000, Pediatr. Clin. North Am. 47:287;Zimmerman及びSpann 1999, Am Fam Physician 59:113;Salkら, 1954, Official Monthly Publication of the American Public Health Association 44(5):563;Hennesen, 1981, Develop. Biol. Standard 47:139;Budowsky, 1991, Adv. Virus Res. 39:255を参照)。
【0088】
一実施形態において、IPVは(例えば他の成分が存在する場合、その成分と混合する前に)吸着されていない。別の実施形態において、本発明のIPV成分は(例えば他の成分が存在する場合、その成分と混合する前又は後に)水酸化アルミニウムなどのアルミニウム塩上に吸着させることができる。別の実施形態において、IPV成分は、リン酸アルミニウムなどのアルミニウム塩上に吸着させることができる。他の実施形態において、IPV成分は、水酸化アルミニウムとリン酸アルミニウムの両方の混合物上に吸着させることができる。吸着させる場合、1種以上のIPV成分を、個別に又は混合物として一緒に吸着させることができる。IPVは、WO2004/039417号に記載されるとおり特定の乾燥法によって安定化させることができる。
【0089】
ポリオウイルスは、細胞培養液中で増殖させることができる。この細胞培養液は、サルの腎臓に由来する連続細胞系であるVERO細胞系又はPMKCであってよい。VERO細胞は、マイクロキャリアー上で都合良く培養することができる。ウイルス感染の前及び最中のVERO細胞の培養は、仔ウシ血清などのウシ由来物質の使用を含み、この物質はウシ海綿状脳炎(BSE)を含まない供給源から取得されなければならない。培養は、ラクトアルブミン加水分解物などの物質も含む。増殖後、限外ろ過、ダイアフィルトレーション、及びクロマトグラフィーなどの技術を用いてウイルス粒子を精製することができる。患者への投与の前に、ウイルスは不活性化されていなければならず、これはホルムアルデヒドを用いた処理によって達成することができる。
【0090】
ウイルスは、個別に増殖させ、精製し、不活性化させ、その後混合して、IPVワクチンに使用するための、又はDTPw-IPV若しくはDTPa-IPV含有ワクチン用の吸着させたジフテリア及び破傷風抗原及び百日咳成分に加えるためのバルク混合物を得ることができる。
【0091】
現在の標準用量のポリオワクチンは、D抗原単位40の不活性化ポリオウイルス1型、D抗原単位8の不活性化ポリオウイルス2型、及びD抗原単位32の不活性化ポリオウイルス3型を含む傾向にある(例えばInfanrix(登録商標)-IPVTM)。
【0092】
一実施形態において、本発明のIPVワクチン用量は、IPV1型のD抗原単位10〜36を含み得る。
【0093】
一実施形態において、本発明のIPVワクチン用量は、IPV2型のD抗原単位2〜4を含み得る。
【0094】
一実施形態において、本発明のIPVワクチンは、IPV3型のD抗原単位8〜29を含み得る。
【0095】
B型肝炎抗原
B型肝炎表面抗原(HBsAg)の調製は、十分に確立されている。例えば、Hartfordら, 1983, Develop. Biol. Standard 54:125、Greggら, 1987, Biotechnology 5:479、EP0226846、EP0299108を参照されたい。この抗原は、以下のとおりに調製することができる。1つの方法は、HBV感染中に大量のHBsAgが肝臓内で合成されて血流中に放出されるため、慢性B型肝炎保因者の血漿から抗原を特定の形態に精製するステップを含む。別の方法は、組換えDNA法によってタンパク質を発現させるステップを含む。HBsAgは、(サッカロミセス・セレビシエ)酵母、ピヒア、昆虫細胞(例えばHi5)又は哺乳動物細胞中での発現によって調製することができる。HBsAgはプラスミドに挿入することが可能であり、プラスミドからのHBsAgの発現は、「GAPDH」プロモーター(例えばグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子由来)などのプロモーターによって制御することができる。酵母は、合成培地中で培養することができる。その後、HBsAgは、沈殿、イオン交換クロマトグラフィー、及び限外ろ過などのステップを含む方法によって精製することができる。精製後、HBsAgは透析(例えばシステインを用いる)に供し得る。このHBsAgは、微粒子形態で用いることができる。
【0096】
本明細書中で用いられる「B型肝炎表面抗原」又は「HBsAg」という表現は、HBV表面抗原の抗原性を示す任意のHBsAg抗原又はその断片を含む。HBsAg S抗原の226アミノ酸配列(Tiollaisら, 1985, Nature 317:489及びこの文献中で引用されている参考文献参照)に加えて、本明細書中で説明されるHBsAgは、必要に応じて、上記の参考文献及びEP0278940中に記載されるプレ-S配列の全部又は一部を含み得ることが理解されるだろう。特に、このHBsAgは、ad血清型のB型肝炎ウイルス上のオープンリーディングフレームと比較して、HBsAgのL-タンパク質の133〜145残基の後に175〜400残基を含むアミノ酸配列を含有するポリペプチドを含み得る(このポリペプチドはL*と呼ばれる;EP0414374参照)。本発明の範囲内のHBsAgは、EP0198474(Endotronics)に記載のプレS1-プレS2-Sポリペプチド又はEP0304578(McCormick及びJones)に記載されるようなその類似体も含み得る。本明細書中に記載されるHBsAgは、変異体(例えば、WO 91/14703号又はEP0511855A1に記載の「エスケープ変異体」、特に位置145におけるアミノ酸がグリシンからアルギニンに置換されたHBsAg)も指し得る。
【0097】
HBsAgは、粒子形態であり得る。この粒子は、例えばSタンパク質のみを含むものであってよく、又は複合粒子(例えばL*,S、ここでL*は上記に定義したとおりであり、SはHBsAgのSタンパク質を表す)であってよい。上記の粒子は、有利には酵母中で発現される形態を採る。
【0098】
一実施形態において、HBsAgは、EngerixB(登録商標)(GlaxoSmithKline Biologicals S.A.)において用いられる抗原であり、このEngerixB(登録商標)はWO93/24148号においてさらに説明される。
【0099】
B型肝炎表面抗原は、リン酸アルミニウム上に吸着させることが可能であり、これは他の成分と混合する前に行うことができる(WO93/24148号に記載)。このB型肝炎成分は、実質的にチオメルサールを含まないものでなければならない(チオメルサールを含まないHBsAgを作製する方法は、EP1307473中で以前に公表されている)。
【0100】
本発明のキット又は混合ワクチンは、HBを約10μgの用量で含むことができる。
【0101】
インフルエンザ菌b型抗原
インフルエンザ菌b型に由来する抗原を含むワクチンは、WO97/00697号に記載されている。本発明のワクチンは、任意の好適なHib抗原を用いることができる。この抗原は、キャリアタンパク質とコンジュゲートさせた又は混合したHibに由来する莢膜糖(PRP)であり得る。この糖は、リボース、リビトール及びリン酸塩のポリマーである。上記のHib抗原は、場合により、WO97/00697号に記載のようにリン酸アルミニウム上に吸着させてよく、又はWO02/00249号に記載のように吸着させなくてもよく、あるいは特定の吸着プロセスを経なくてもよい。
【0102】
本明細書中の「アルミニウムアジュバント塩上に吸着していない」抗原、という表現によって、組成物を製剤化するプロセスには、新たなアルミニウムアジュバント塩上に該抗原を発現させ又は専ら吸着させるステップが含まれないことを意味する。
【0103】
Hibは、少なくとも1つのTヘルパーエピトープを提供し得る任意のキャリアにコンジュゲートさせることが可能であり、また破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド、プロテインD又は髄膜炎菌(N. meningitidis)OMCにコンジュゲートさせることができる。
【0104】
Hibは、凍結乾燥させ、(例えば、場合により本発明のワクチンの他の抗原性成分を含む希釈剤を用いて)即席で再構成することができる。
【0105】
一実施形態において、Hibは、WO 02/00249号に記載のとおり、低用量(例えば1〜6μg、2〜4μg又は約若しくはちょうど2.5μg)で存在する。
【0106】
一実施形態において、本発明のキット及び混合ワクチンは、Hibを約10μgの用量で含む。別の実施形態において、本発明のキット及び混合ワクチンは、Hibを約2.5μgの用量で含む。
【0107】
髄膜炎菌A型、B型、C型、W-135型又はY型抗原
本発明のキット又は混合ワクチンは、髄膜炎菌(N. meningitidis)A型、髄膜炎菌B型、髄膜炎菌C型、髄膜炎菌Y型、及び髄膜炎菌W-135型(本明細書中、以下「W」と称する)からなる群より選択される細菌の1又は複数の莢膜糖を含むことができる。
【0108】
特に、本発明のキット又は混合ワクチンは、髄膜炎菌のA株、B株、C株、Y株若しくはW株、又は次の株:A+B、A+C、A+Y、A+W、B+C、B+Y、B+W、C+Y、C+W若しくはY+W、又は次の株:A+B+C、A+B+Y、A+B+W、A+C+Y、A+C+W、B+C+Y、B+C+W若しくはC+Y+W、又は次の株:A+B+C+Y、A+B+C+Y、A+C+Y+W、B+C+Y+W、又は次の株A+B+C+Y+Wに由来する髄膜炎菌莢膜糖コンジュゲートを含むことができる。
【0109】
一実施形態において、本発明の髄膜炎菌成分は、水酸化アルミニウムなどのアルミニウム塩上に吸着させることができる。別の実施形態において、本発明の髄膜炎菌成分は、リン酸アルミニウムなどのアルミニウム塩上に吸着させることができる。他の実施形態において、髄膜炎菌成分は、水酸化アルミニウムとリン酸アルミニウムの両方の混合物上に吸着させることができる。一実施形態において、髄膜炎菌成分は、アジュバント(例えばアルミニウムアジュバント塩)上に吸着させなくてもよい。
【0110】
肺炎連鎖球菌抗原
本発明のキット又は混合ワクチンは、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)感染に対する防御を付与するワクチンを含んでもよい。そのようなワクチンは、一般的に、7、8、9、10、11、13又はそれ以上の肺炎連鎖球菌血清型に由来する糖を含むか、あるいは既知の23種全ての肺炎連鎖球菌血清型を含み得る。肺炎連鎖球菌ワクチンの例としては、定義の項において記載したPrevnar(登録商標)及びSynflorix(登録商標)がある。
【0111】
一実施形態において、本発明の肺炎連鎖球菌成分は、水酸化アルミニウムなどのアルミニウム塩上に吸着させることができる。別の実施形態において、本発明の肺炎連鎖球菌成分は、リン酸アルミニウムなどのアルミニウム塩上に吸着させることができる。他の実施形態において、肺炎連鎖球菌成分は、水酸化アルミニウムとリン酸アルミニウムの両方の混合物上に吸着させることができる。一実施形態において、肺炎連鎖球菌成分は、アジュバント(例えばアルミニウムアジュバント塩)上に吸着させなくてもよい。
【0112】
コンジュゲート
本発明の細菌性莢膜糖のコンジュゲートは、少なくとも1つのTヘルパーエピトープを含む任意のキャリアペプチド、ポリペプチド又はタンパク質を含み得る。使用されるキャリアタンパク質は、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド、CRM(例えばCRM197、CRM176、CRM228、CRM45、CRM9、CRM45、CRM102、CRM103及びCRM107など)、組換えジフテリア毒素(米国特許第4,709,017号、WO 93/25210号、WO 95/33481号、又はWO 00/48638号のいずれかに記載)、肺炎連鎖球菌(S. pneumoniae)に由来するニューモリシン(場合により化学的に解毒され、又は解毒された変異体である)(例えばWO 2004/081515号及びこの文献中で引用される参考文献参照)、髄膜炎菌に由来するOMPC(EP 0372501)、及びインフルエンザ菌に由来するプロテインD(PD)(EP 594610)からなる群から選択することができる。他のキャリアとしては、合成ペプチド(EP 0378881;EP 0427347)、熱ショックタンパク質(WO 93/17712号;WO 94/03208号)、百日咳タンパク質(WO 98/58668号;EP 0471177)、サイトカイン(WO 91/01146号)、リンホカイン(WO 91/01146号)、ホルモン(WO 91/01146号)、成長因子(WO 91/01146号)、多様な病原体由来抗原から得られた多数のヒトCD4+T細胞エピトープを含む人工タンパク質(Falugiら, 2001, Eur. J. Immunol. 31:3816)、肺炎球菌表面タンパク質PspA(WO 02/091998号)、鉄取り込みタンパク質(WO 01/72337号)、クロストリジウム・ディフィシレ(C. difficile)に由来する毒素A又はB(WO 00/61761号)、肺炎球菌PhtD(WO 00/37105号)、肺炎球菌PhtDE(例えばWO 01/98334号及びWO 03/054007号)、PhtX、等が挙げられる。
【0113】
糖は全て同一のキャリア上にあってよく、特にある特定の一つの生物に由来する全ての糖(例えば、MenA、MenC、MenW及びMenYの糖)は、全てTT、DT又はCRM-197にコンジュゲートさせることができる。しかしながら、既知の影響であるキャリア抑制を理由として、本発明の各組成物において、そこに含まれる糖抗原(「n」個の抗原)が2種以上のキャリアにコンジュゲートされていれば有利であり得る。このように、(n-1)個の糖を1種のキャリア上で、また1個の糖を別のキャリア上で、あるいは(n-2)個の糖を1種のキャリア上で、また2個の糖を2種の異なるキャリア上で等、(別々に)保持させることができるだろう。例えば、4種の細菌性糖コンジュゲートを含むワクチンにおいて、1種、2種又は4種全てを、別のキャリアにコンジュゲートさせることができるだろう。しかしながら、プロテインDは、キャリア抑制の顕著な影響を受けることなく組成物中で多様な(2種、3種、4種又はそれ以上の)糖に対して用いることができる。Hibは、TT、DT又はCRM197とのコンジュゲートとして存在することが可能であり、またMenA、MenC、MenY及びMenWもまたTT、DT、CRM197又はPDのいずれかとのコンジュゲートとすることができる。Viは、TT、DT又はCRM197とのコンジュゲートとして存在し得る。プロテインDは、インフルエンザ菌に対する防御を付与し得る他の抗原を提供するため、有用なキャリアである。一実施形態において、全ての糖は、同一のキャリアタンパク質にコンジュゲートされる。
【0114】
Viは、(Vi反復サブユニットがカルボン酸基を含むことを考慮すると)、例えばカルボジイミド(例えばEDAC)濃縮化学を用いる方法によって、キャリアタンパク質にコンジュゲートさせることができる。これは、(i)ViのCOOHとタンパク質のNH2との単一カルボジイミド反応、又は(ii)ViのCOOHとホモ二官能性リンカー分子のNH2及びタンパク質のCOOHとホモ二官能性リンカー分子のNH2の間、若しくはViのCOOHとヘテロ二官能性リンカー分子のNH2及びタンパク質のNH2とヘテロ二官能性リンカー分子のCOOHの間のいずれかで起こり得る二重カルボジイミド反応のいずれかによって達成することができるだろう。
【0115】
コンジュゲーション(結合)は、遊離キャリアタンパク質と共に用いることができる。一実施形態において、所与のキャリアタンパク質が、本発明の組成物中で遊離の形態とコンジュゲートされた形態の両方で存在する場合、コンジュゲートされていない形態は、組成物全体に含まれるキャリアタンパク質の全量のわずか5%にすぎず、又は別の実施形態において、コンジュゲートされていない形態は2重量%未満で存在する。
【0116】
糖は、任意の公知の方法で(例えばLikhiteの米国特許第4,372,945号、及びArmorらの米国特許第4,474,757号)、必要な場合には任意の好適なリンカーを用いて、キャリアタンパク質に結合させることができる。
【0117】
この糖は、通常は、コンジュゲーションの前に活性化され又は官能化される。活性化は、例えば、CDAP(1-シアノ-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレート)などのシアン化剤を含む(WO 95/08348号及びWO 96/29094号)。このシアン化反応は、アルカリ感受性糖の加水分解を回避する比較的穏やかな条件下で行うことができる。この合成は、キャリアタンパク質への直接結合を可能とする。他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC又はTSTUを用いる。
【0118】
リンカー基を介した結合は、任意の公知の方法、例えば米国特許第4,882,317号及び米国特許第4,695,624号に記載の方法を用いて作ることができる。ある種の結合は糖の還元的アミノ化を伴い、結果として得られたアミノ基をアジピン酸リンカー基の一端と結合させ(EP 0477508、Porroら, 1985, Mol. Immunol. 22:907, EP 0208375)、その後タンパク質を上記のアジピン酸リンカー基の他端に結合させる。他のリンカーとして、B-プロピオンアミド(WO 00/10599号)、ニトロフェニル-エチルアミン(Geverら, 1979, Med. Microbiol. Immunol. 165:171)、ハロアシルハロゲン化物(米国特許第4,057,685号)、グリコシド結合(米国特許第4,673,574号;米国特許第4,761,283号;米国特許第4,808,700号)、6-アミノカプロン酸(米国特許第4,459,286号)、ADH(米国特許第4,965,338号)、C4〜C12部分(米国特許第4,663,160号)等が挙げられる。リンカーを用いる代わりに、直接結合を用いることができる。タンパク質への直接結合は、例えば米国特許第4,761,283号及び米国特許第4,356,170号に記載されるように糖を酸化させてその後上記のタンパク質を用いて還元的アミノ化を行うこと、又は直接CDAP反応を含み得る。
【0119】
コンジュゲーション後、遊離の糖とコンジュゲートされた糖は、分離することができる。この分離には、多数の好適な方法があり、例えば疎水性クロマトグラフィー、接線限外ろ過、透析ろ過等が挙げられる(Leiら, 2000, Dev Biol. (Basel). 103:259;WO 00/38711号;米国特許第6,146,902号も参照)。一実施形態において、ワクチンが所与の糖を遊離の形態及びコンジュゲートされた形態の両方の形態で含む場合、コンジュゲートされていない形態は、組成物全体に含まれるその糖の全量の20重量%にすぎない(例えば15%以下、10%以下、5%以下、2%以下、1%以下)。
【0120】
宿主に防御を付与し得る糖の量(有効量)は、当業者が決定し得る。一実施形態において、各用量は0.1〜100μgの糖を含み、別の実施形態において、各用量は0.1〜50μgを含み、他の実施形態において、各用量は0.1〜10μgを含み、さらに別の実施形態においては、各用量は、1〜5μgを含む。
【0121】
アジュバント
本発明のキット及び混合ワクチンは、好適なアジュバントなどの製薬上許容される賦形剤を含み得る。好適なアジュバントとしては、水酸化アルミニウム若しくはリン酸アルミニウムなどのアルミニウム塩が挙げられるが、カルシウム、鉄若しくは亜鉛の塩であってもよく、又はアシル化チロシンの不溶性懸濁液、若しくはアシル化糖であってよく、又はカチオン誘導化糖類若しくはアニオン誘導化糖類、ポリホスファゼン、生分解性ミクロスフェア、モノホスホリルリピドA(MPL)、リピドA誘導体(例えば低毒性リピドA誘導体)、3-O-脱アシル化MPL、quil A、サポニン、QS21、フロイント不完全アジュバント(Difco Laboratories, Detroit, MI)、Merckアジュバント65(Merck and Company, Inc., Rahway, NJ)、AS-2(Smith-Kline Beecham, Philadelphia, PA)、CpGオリゴヌクレオチド、生体接着性物質及び粘膜付着性物質、微粒子、リポソーム、ポリオキシエチレンエーテル製剤、ポリオキシエチレンエステル製剤、ムラミルペプチド又はイミダゾキノロン化合物(例えばイミクアモド(imiquamod)及びその同族体)であってよい。本発明におけるアジュバントとしての使用に適したヒト免疫賦活剤としては、インターロイキン(例えばIL-1、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-12等)などのサイトカイン、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)が挙げられ、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)もまたアジュバントとして用いることができる。
【0122】
本発明の一実施形態において、製剤のアジュバント組成物は、主にTH1型の免疫応答を誘導する。高レベルのTH1型サイトカイン(例えばIFN-γ、TNFα、IL-2及びIL-12)は、投与される抗原に対する細胞介在免疫応答の誘導を促進する傾向にある。応答が主にTH1型である一実施形態の範囲内において、TH1型サイトカインのレベルは、TH2型サイトカインのレベルを超える程度まで増加するだろう。これらのサイトカインのレベルは、標準アッセイを用いて簡単に評価することができる。サイトカインファミリーの概説については、Mosmann及びCoffman, 1989, Ann. Rev. Immunol. 7:145を参照のこと。
【0123】
従って、主にTH1応答を促進する好適なアジュバント系としては、リピドA誘導体(例えば低毒性リピドA誘導体)、モノホスホリルリピドA(MPL)又はこれらの誘導体、特に3-脱-O-アシル化モノホスホリルリピドA(3D-MPL)、及びモノホスホリルリピドA(場合により3-脱-O-アシル化モノホスホリルリピドA)とアルミニウム塩との組み合わせが挙げられる。増強された系は、モノホスホリルリピドAとサポニン誘導体との組み合わせ(特にWO 94/00153号に開示されるQS21と3D-MPLとの組み合わせ)を含むか、又はWO 96/33739号に開示される、QS21がコレステロールでクエンチされている反応原性の低い組成物を含む。WO 95/17210号には、QS21、3D-MPL及びトコフェロールを水中油型エマルション中に含む特に強力なアジュバント製剤が記載されている。このワクチンは、サポニン(QS21であってよい)をさらに含み得る。本発明の製剤は、水中油型エマルション及びトコフェロール(WO 95/17210号)も含み得る。非メチル化CpG含有オリゴヌクレオチド(WO 96/02555号)もまた、TH1応答の選択的誘導剤であり、本発明における使用に適している。
【0124】
本発明のワクチンは、上記で特定されたアジュバントの1種以上の態様の組み合わせも含み得る。
【0125】
Al(OH)3/AlPO4の比は、0/115、23/92、69/46、46/69、92/23又は115/0であり得る。
【0126】
あるいは、本発明のワクチンの特定の成分は、アジュバント(特にアルミニウム塩)上に明確に吸着されていなくてもよい。
【0127】
IPVはAl(OH)3に吸着されていてよく、DTはAl(OH)3又はAlPO4に吸着されていてよく、TTはAl(OH)3又はAlPO4に吸着されていてよく、PwはAlPO4に吸着されていてよく、PRNはAl(OH)3に吸着されていてよく、HBはAlPO4に吸着されていてよく、HibはAlPO4上に吸着されているか又は吸着されていなくてよく、Men ACWYはAl(OH)3又はAlPO4に吸着されているかあるいは吸着されていなくてよく、MenBはAl(OH)3又はAlPO4に吸着されているかあるいは吸着されていなくてよく、ViはAl(OH)3又はAlPO4に吸着されているかあるいは吸着されていなくてよく、HepAはAl(OH)3又はAlPO4に吸着されていてよい。
【0128】
アルミニウム塩に予め吸着させた抗原を、混合の前に個別に予め吸着させることができる。別の実施形態において、抗原の混合物は、他のアジュバントと混合する前に予め吸着させることができる。一実施形態において、IPVは、個別に又はIPV1型、2型及び3型の混合物として吸着させることができる。
【0129】
「吸着させた抗原」の意味は、例えば30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%超吸着させたことを意味すると解される。
【0130】
本明細書中で用いられる「リン酸アルミニウム」及び「水酸化アルミニウム」という用語の意味は、ワクチンにアジュバント添加するのに好適な水酸化アルミニウム又はリン酸アルミニウムの全ての形態を包含する。例えば、リン酸アルミニウムは、不溶性リン酸アルミニウムの沈殿物(非晶質、半結晶質又は結晶質)であってよく、これは、限定するものではないが、場合により可溶性アルミニウム塩とリン酸塩とを混合することによって調製することができる。「水酸化アルミニウム」は、不溶性(非晶質、半結晶質又は結晶質)水酸化アルミニウムの沈殿物であってよく、これは、限定するものではないが、場合によりアルミニウム塩の溶液を中和することによって調製することができる。特に好適なのは、商業的供給源から入手可能な多様な形態の水酸化アルミニウムゲルとリン酸アルミニウムゲル、例えばSuperfos(Vedbeck, 2950 Denmark)から供給されるAlhydrogel(水酸化アルミニウム、3%水中懸濁液)及びAdju-for(リン酸アルミニウム、2%生理食塩水中懸濁液)である。
【0131】
本発明のワクチンの非免疫学的成分
本発明の混合ワクチンは、典型的には、上記の抗原性成分及びアジュバント成分に加えて、1種以上の「製薬上許容される担体又は賦形剤」を含み、これらは、該組成物の投与を受ける個人に対して有害な抗体の産生をそれ自体では誘導しない任意の賦形剤を包含する。好適な賦形剤は、典型的には、大きく、ゆっくりと代謝される高分子、例えばタンパク質、糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、アミノ酸コポリマー、スクロース(Paolettiら, 2001, Vaccine, 19:2118)、トレハロース(WO 00/56365号)、ラクトース及び脂質凝集体(油滴又はリポソームなど)である。かかる担体は、当業者に周知である。ワクチンは、希釈剤(例えば水、生理食塩水、グリセロール等)も含む。さらに、補助物質(例えば湿潤剤又は乳化剤)、pH緩衝物質等が含まれ得る。滅菌発熱物質非含有リン酸緩衝生理食塩水は、一般的な担体である。製薬上許容される賦形剤の詳細な検討は、参考文献Gennaro, 2000, Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 第20版, ISBN:0683306472中に見ることができる。
【0132】
本発明の組成物は凍結乾燥させることが可能であり、又は水性形態(すなわち溶液若しくは懸濁液)であってよい。この種の液体製剤は、水性溶媒中に再構成する必要なく、パッケージされた形態から組成物を直接投与することを可能とし、これにより注射に最適となる。組成物はバイアル中に含めることができ、又は予め充填された注射器中に含めることができる。この注射器には、針が備えられていても、備えられていなくてもよい。注射器は本発明の組成物の単回用量を含むが、バイアルは単回用量又は複数回用量(例えば2回用量)を含むことができる。
【0133】
本発明の液体ワクチンは、他のワクチンを凍結乾燥形態から再構成するためにも適している。ワクチンをこのような即席の再構成用に用いる場合、本発明は、2つのバイアルを含み得る、又は1つの既に充填された注射器と1つのバイアル(この注射器の内容物は、注射前に該バイアルの内容物を再活性化するために用いられる)を含み得るキットを提供する。
【0134】
本発明の混合ワクチンは、単位投与剤形又は複数回投与剤形(例えば2回用量)でパッケージすることができる。複数回投与剤形用には、バイアルは予め充填された注射器であることが好ましい。有効用量の量は慣用的に確立することができるが、典型的な注射用組成物のヒト用量は、0.5mL量である。
【0135】
一実施形態において、本発明の混合ワクチンは6.0〜8.0のpHを有し、別の実施形態において、本発明のワクチンは、6.3〜6.9(例えば6.6±0.2)のpHを有する。ワクチンは、このpHで緩衝することができる。安定なpHは、緩衝液の使用によって維持することができる。組成物が水酸化アルミニウム塩を含む場合、ヒスチジン緩衝液を使用し得る(WO03/009869号)。組成物は、滅菌及び/又は発熱原非含有でなければならない。
【0136】
本発明の組成物は、ヒトに関して等張性であり得る。
【0137】
本発明の混合ワクチンは、特に複数回投与剤形でパッケージされている場合、抗菌剤を含み得る。チオメルサールはIPV成分を沈殿させるため、その使用は避けるべきである。2-フェノキシエタノールなどの他の抗菌剤を使用することができる。任意の保存剤は、低レベルで存在することが好ましい。保存剤は外から加えることができ、及び/又は本発明の組成物を形成するために混合されるバルク抗原の一成分であり得る(例えば百日咳抗原中に保存剤として含まれる)。
【0138】
一実施形態において、本発明の混合ワクチンは、チオメルサールを含まないか、実質的にチオメルサールを含まない。「チオメルサールを含まない」又は「実質的にチオメルサールを含まない」という用語は、最終製剤中に、IPV成分の効力に悪影響を与えるのに十分なチオメルサールは含まれていないことを意味する。例えば、チオメルサールがPw又はB型肝炎表面抗原の精製プロセス中に用いられる場合、IPVと混合する前に、チオメルサールを実質的に除去しなければならない。最終ワクチン中のチオメルサール含量は、タンパク質1μg当たり、0.025μg、0.02μg、0.01μg又は0.001μg、例えば0μg未満でなければならない。一実施形態において、チオメルサールは、任意の成分の精製において添加されず、使用もされない。例えば、B型肝炎に関するEP1307473、及びチオメルサールの存在下では死菌が達成されないPwプロセスに関する上記を参照されたい。
【0139】
本発明の混合ワクチンは、洗浄剤(例えばTween80などのTween(ポリソルベート))を含み得る。洗浄剤は、通常、低レベル(例えば0.01%未満)で存在する。
【0140】
本発明の混合ワクチンは、張度を与えるためのナトリウム塩(例えば塩化ナトリウム)を含み得る。本発明の組成物は塩化ナトリウムを含むことができる。一実施形態において、本発明の組成物中の塩化ナトリウムの濃度は、0.1〜100mg/mL(例えば1〜50mg/mL、2〜20mg/mL、5〜15mg/mL)の範囲内であり、また他の実施形態において、塩化ナトリウムの濃度は、10±2mg/mL NaCl(例えば約9mg/mL)である。
【0141】
本発明の混合ワクチンは、通常は緩衝液を含む。リン酸緩衝液又はヒスチジン緩衝液が典型的である。
【0142】
本発明の混合ワクチンは、抗原の非吸着を促進するために(例えばリン酸緩衝液の使用によって)溶液中に遊離のリン酸イオンを含み得る。本発明の組成物中の遊離リン酸イオンの濃度は、一実施形態において0.1〜10.0mMであり、又は別の実施形態において1〜5mMであり、又は他の実施形態において約2.5mMである。
【0143】
本発明の混合ワクチンの特性
一実施形態において、本発明の混合ワクチンは、個々の成分の免疫原性が、本発明の組成物の他の個別の成分によって実質的に損なわれないように組成物の個々の成分が製剤化されるように、宿主にin vivo投与するためのワクチンとして製剤化される。「実質的に損なわれない」という語句は、免疫接種すると、抗原が単独で投与される場合に得られる力価の60%、70%、80%、若しくは90%、又は95〜100%超の、各成分に対する抗体力価が得られることを意味する。このように、好適な実施形態において、単独投与と比較すると、混合ワクチン中の他の成分に対しては、(防御効力の点において)(著しく)有害な影響は生じない。
【0144】
ワクチン製剤
一実施形態において、本発明の混合ワクチンは、許容可能な割合のヒト被験体に対して各抗原成分の血清防御の基準より優れた抗体力価を与えるように、宿主に対するin vivo投与用のワクチンとして製剤化される。これは、集団中のワクチンの有効性の評価において重要な試験である。関連抗体の力価を有する抗原であって、当該力価を上回るときにはその抗原に対して宿主を血清転換すべきであると考えられる上記の抗原がよく知られており、またかかる力価はWHOなどの機関によって公表されている。一実施形態においては80%超の統計的に有意な被験体のサンプルが血清転換され、別の実施形態においては90%超の統計的に有意な被験体のサンプルが血清転換され、他の実施形態においては93%超の統計的に有意な被験体のサンプルが血清転換され、さらに別の実施形態においては96〜100%の統計的に有意な被験体のサンプルが血清転換される。
【0145】
各ワクチン用量中の抗原の量は、典型的なワクチンにおいて顕著な副作用を伴うことなく免疫防御応答を誘導する量として選択される。かかる量は、どの特異的免疫原を用いるかによって異なる。通常、各用量は、1〜1000μg、又は1〜100μg、又は1〜40μg、又は1〜5μgの全免疫原を含むことが期待される。特定のワクチンの最適量は、被験体における抗体力価及び他の応答の観察を含む研究によって確定することができる。一次ワクチン接種のプロセスは、例えばDTP免疫接種に関するWHOの提言に従って、1〜2ヶ月間隔をおくことを前提として2〜3回用量のワクチンを含み得る。
【0146】
本発明のワクチンのパッケージング
本発明の混合ワクチンは、様々な種類の容器中(例えばバイアル中、注射器中等)にパッケージすることができる。多用量バイアルは、典型的には、1回用量のワクチンを取り出すために滅菌針を通して挿入することができ、この針が取り除かれると再密封する、再密封可能なプラスチックポートを含む。
【0147】
ワクチンは、各種の容器(例えば2個又は3個)に入れて提供することができる。これらの容器の内容物は、単回注射で宿主に投与する前に即席で混合することが可能であり、又は異なる部位に同時に投与することができる。このワクチンの用量は、典型的には、0.5mLである。
【0148】
本発明者らは、上記の方法で提供されるキットは、多様な抗原を宿主の免疫系に対して最適な方法で有利に提示するという驚くべき知見を得た。このキットは、医師に、全抗原に対する防御効果、最小限の反応原性、最小限のキャリア抑制干渉、最小限のアジュバント/抗原干渉、又は最小限の抗原/抗原干渉という利点を1つ以上有する、宿主を免疫する最適な方法を提供する。このような方法で、これらの目的は、場合により医師の診察と同時に、最小限の回数(2回)の投与で達成することができる。
【0149】
一実施形態において、第1の容器及び第2の容器の混合ワクチンは、異なる部位に同時に投与され(以下の「本発明のワクチンの投与」の下に記載のとおり)、また別の実施形態において、本発明者らは、第1の容器と第2の容器の内容物を、単一のワクチンとして投与する前に(場合により即席で)混合し得ることを想定する。
【0150】
本発明のワクチンの作製
本発明はまた、ワクチンの成分を製薬上許容される賦形剤と共に混合するステップを含む、ワクチン製剤を製造する方法も提供する。
【0151】
本発明の一実施形態において、百日咳菌、破傷風菌、ジフテリア菌、B型肝炎ウイルス、インフルエンザ菌b型、肺炎連鎖球菌、及び髄膜炎菌による感染によって引き起こされる疾患の治療用又は予防用医薬において使用するための、本明細書中に記載のワクチンが提供される。
【0152】
さらに、百日咳菌、破傷風菌、ジフテリア菌、B型肝炎ウイルス、インフルエンザ菌b型、肺炎連鎖球菌、及び髄膜炎菌によって引き起こされる疾患に対してヒト宿主を免疫する方法であって、免疫防御量の本発明のワクチンを宿主に投与するステップを含んでなる上記方法も提供される。
【0153】
各ワクチン用量中の抗原の量は、典型的なワクチン中で顕著な副作用を伴うことなく免疫防御応答を誘導する量として選択される。かかる量は、どの特異的免疫原を用いるか及びそれをどのように提供するかによって異なる。一実施形態において、各用量は0.1〜100μgの糖を含み、別の実施形態において、各用量は0.1〜50μgの糖を含み、他の実施形態において、各用量は0.1〜10μgの糖を含み、さらに別の実施形態において、各用量は1〜5μgの糖を含む。
【0154】
一実施形態において、ワクチン中のタンパク質抗原の含有量は1〜100μgの範囲内であり、別の実施形態において、ワクチン中のタンパク質抗原の含有量は5〜50μgの範囲内であり、他の実施形態において、ワクチン中のタンパク質抗原の含有量は5〜25μgの範囲内である。
【0155】
ワクチンの作製は、通常、Vaccine Design(“The subunit and adjuvant approach”(Powell M.F.及びNewman M.J.編)(1995) Plenum Press New York)に記載されている。リポソーム内への封入は、Fullertonによって米国特許第4,235,877号に記載されている。高分子へのタンパク質のコンジュゲーションは、例えば、Likhiteによって米国特許第4,372,945号に、またArmorらによって米国特許第4,474,757号に開示されている。Quil Aの使用は、Dalsgaardらによって1977, Acta Vet Scand. 18:349に開示されている。3D-MPLは、Ribi immunochem, USAから入手可能であり、英国特許出願第2220211号及び米国特許第4,912,094号に開示されている。QS21は、米国特許第5,057,540号に開示されている。
【0156】
一実施形態において、バルクワクチンの0.5mL用量当たりのコンジュゲートの量は10μg未満(のコンジュゲート中の糖)であり、別の実施形態において、コンジュゲートの量は1〜7μgであり、別の実施形態において、コンジュゲートの量は2〜6μgであり、又は他の実施形態において、約2.5、3、4又は5μgである。
【0157】
特定の成分、例えばDTPw成分は、吸着させたHBsAg又は他の成分を加える前に、個別に組み合わせ得ることが理解されるだろう。
【0158】
抗原を製薬上許容される賦形剤と混合するステップを含んでなる、本発明の混合ワクチンを作製する方法も提供される。
【0159】
本発明のワクチンの投与
本発明は、本発明のワクチンの有効量を投与するステップを含んでなる、哺乳動物において免疫応答を高める方法を提供する。このワクチンは、予防的に(すなわち感染を予防するために)又は治療的に(すなわち感染を治療するために)投与することができる。上記の免疫応答は、防御的であることが好ましく、また好ましくは抗体を含む。この方法は、追加免疫応答を高めることができる。
【0160】
最初のワクチン接種の後、被験体は、十分に間隔を開けて1回又は数回の追加免疫を受けることができる。投与治療は、単回用量計画又は複数回用量計画であり得る。複数回用量は、一次免疫計画及び/又は追加免疫計画において用いることができる。一次投与計画(生後1年以内であってよい)を実施し、その後追加免疫投与計画を実施することができる。初回刺激の間(例えば4〜16週間)、及び初回刺激と追加免疫間の適切なタイミングは、慣用的に決定し得る。
【0161】
一実施形態において、哺乳動物はヒトである。ワクチンを予防的に使用する場合、上記のヒトは、子供(例えば幼児若しくは乳児)又は10代の若者であることが好ましく、このワクチンを治療的に使用する場合、上記のヒトは成人であることが好ましい。例えば安全性、用量、免疫原性等を評価するために子供向けワクチンを成人に投与することもできる。
【0162】
本発明のワクチン製剤は、このワクチンを患者に直接投与することにより、感染に感受性の哺乳動物を防御又は治療するために使用することができる。直接送達は、非経口注射(筋肉内、腹腔内、皮内、皮下、静脈内、若しくは組織の間質腔)により;又は直腸、経口、膣、局所、経皮、鼻腔内、眼、耳、肺若しくは他の粘膜投与によって達成し得る。一実施形態において、投与は、大腿又は上腕への筋肉内注射によって行う。注射は針(例えば皮下注射針)によって行うことができるが、代わりに無針注射を用いてもよい。典型的な筋肉内用量は0.5mLである。
【0163】
細菌性感染は、身体の様々な領域に影響を及ぼすため、本発明の組成物は多様な形態で調製することができる。例えば、この組成物は、溶液又は懸濁液のいずれかとして、注射剤として調製し得る。組成物は、微粉末又はスプレーを用いて肺投与用に(例えば吸入剤として)調製することができる。組成物は、坐薬又はペッサリーとして調製し得る。この組成物は、鼻、耳又は眼への投与用に(例えばスプレー、液滴、ゲル又は粉末として)調製することができる。(例えばAlmeida & Alpar, 1996, J Drug Targeting, 3:455; Bergquistら, 1998, APMIS, 106:800参照)。DTPワクチンの鼻腔内投与に成功したことが報告されている(Ryanら, 1999, Infect. Immun., 67:6270;Nagaiら, 2001, Vaccine, 19:4824)。
【0164】
一実施形態において、第1及び第2(並びに当てはまる場合、第3)の容器のワクチンを異なる部位に同時に投与し、また別の実施形態において、本発明者らは、第1の容器と第2の容器の内容物を、単一のワクチンとして投与する前に(場合により即席で)混合し得ることを想定する。
【0165】
本発明は、全身性免疫及び/又は粘膜免疫を誘発するために用いることができる。
【0166】
治療処置の有効性を確認するための1つの方法は、本発明の組成物の投与後の細菌性感染をモニタリングするステップを含んでなる。予防的治療の有効性を確認するための1つの方法は、本発明の組成物の投与後の抗原に対する免疫応答をモニタリングするステップを含んでなる。本発明の組成物の免疫原性は、この組成物を試験被験体(例えば生後12〜16ヵ月の子供、又は動物モデル-WO 01/30390号)に投与し、その後標準的な免疫学的パラメータを測定することによって測定することができる。これらの免疫応答は、通常、組成物の投与後約4週間後に測定し、この組成物の投与前に測定した値と比較する。患者における実際の防御効力を評価するよりもむしろ、DTPワクチンの有効性を評価するための標準的な動物モデル及びin vitroモデル並びに防御の相関の方がよく知られている。
【0167】
引用した参考文献及び刊行物は全て、参照により本明細書に援用される。
【実施例】
【0168】
[実施例1]
概要
DTPa-Hib(HBV及びIPVを含む、又は含まない)組合せによる乳児のワクチン接種は一般的に、コンジュゲートで免疫した後に、Hib疾患に対する高い防御レベルに関連した規準である抗PRP抗体濃度≧0.15μg/ml抗PRPの乳児の高い割合を導く。近年、DTPa3-Hibによるワクチン接種が英国における非定型的な低い抗体レベルと関連しており、このことがHib症状の解明と関係があることが認められた。幼児に追加免疫を行わないことがHib疾患の制御低下を説明する重要な要因と一般的に考えられているが、本明細書では、英国においてDTPa3-Hibの導入と同時にMenC-CRM197コンジュゲートを同時投与することが、低下した抗PRP免疫応答に寄与していると考えられたことを示唆する。DTPa3ワクチンとIPVの組合せは、B型肝炎及びHibなどのいくつかの抗原に対する応答を増強するものと思われる。このようなDTPa(HBV)IPV-Hibの組合せは、Hib応答に対するCRM197同時投与の影響を受けないものと思われる。このような観察結果は、やがて登場する小児用コンジュゲートワクチンを、同時投与されたDTPa、HBV、IPV及びHib抗原に対する干渉効果の可能性について注意深く、特にB型肝炎及びHib-TTに注意して、評価する必要性を強調する。
【0169】
キーワード:インフルエンザ菌b型、Hib、ワクチン、免疫、干渉、コンジュゲートワクチン、混合ワクチン、追加免疫、不活性化ポリオワクチン(IPV)。
【0170】
重要課題
・ DTPaをベースにしたHib混合ワクチンは免疫原性があり、Hib疾患の予防に有効である。防御には、1)一次免疫後、防御抗体レベルが0.15μgに達する対象を高割合誘導する能力、2)幼児に追加免疫した後の抗体の力価と量の両方の増加、及び3)主に幼児に追加免疫した後で認められる集団免疫効果が関連する。様々な市販のDTPaをベースにしたHib-TTの組合せの間には、一次免疫後に0.15μgカットオフに達する対象の割合に関して差異は認められなかった。
【0171】
・ 1990年代後半、英国における初期の一斉接種(catch-up campaign)の効果は衰え、Hibに対する集団免疫は低下した。衰えた免疫は、生後2年目に追加免疫投与しても補われず、Hibコンジュゲートワクチン不全が1999年から増加した。追加免疫の欠如が、英国におけるHib制御の低下を説明する重要な要因であると一般的に考えられる。Hib制御が低下した期間中、英国はDTPw-HibからDTPa3-Hibへ転換し、MenC-CRM197小児免疫が、ほぼ同時に導入された。
【0172】
・ CRM197含有ワクチンと同時投与されたDTPaをベースにしたHib混合ワクチンの臨床試験によって、PRP抗体応答に対するバイスタンダー干渉と一致した効果が示唆された。集団免疫が衰え、一貫して集団応答規準が観察された抗PRP抗体範囲の下端である状況において、MenC-CRM197と同時投与されたDTPa3-Hibによって誘導された異常に低い抗体濃度では、何人かのワクチン接種された子供に適切な防御をもたらすには不十分で、おそらくDTPa3-Hib使用中に認められるHibワクチン不全の数の増加に関与したであろう。
【0173】
・ MenC-CRM197又は7vPCV-CRM197コンジュゲートワクチンと同時投与されたDTPa3(HBV)IPV-Hib混合ワクチンの臨床試験では、同時投与のバイスタンダー干渉は明らかではなく、このことはおそらくIPVによる防御効果を示唆している。IPVを含む、及び含まないHib含有混合ワクチンを比較した少数の1対1研究によって、IPVが組合せの一部であるとき、抗PRP及び抗HBsレベルが高くなることが示された。さらに、DTPa3-Hibの組合せは、別々に投与したHibコンジュゲートと比較して親和性が低い抗PRP抗体を誘導するが、DTPa3-HBV-IPV-Hibコンジュゲートは誘導しないことがわかった。これによって、DTPa3-HibはCRM197コンジュゲートバイスタンダー干渉に感受性があり、一方DTPa3(HBV)IPV-HibはCRM197コンジュゲートバイスタンダー干渉に感受性がないか、又は感受性が低いことを説明することができる。
【0174】
・ Hib-MenCY-TT、ACWY-DT、ACWY-CRM197、ACWY-TT、10vPCV-プロテインD及び13vPCV-CRM197などのコンジュゲートワクチンの数の増加は、乳児DTPa、HBV、IPV、Hibワクチン接種プログラムで組み合わせるために評価されているので、公衆医療の場で実施する前に特異的免疫応答を評価するために、適切に管理された試験を実施することが必要不可欠である。
【0175】
背景:インフルエンザ菌b型
毎年、インフルエンザ菌b型(Hib)は世界中で300万例の重篤な疾患の原因となっており、400000例から700000例の死を引き起こしていると推定される[1]。効果的なコンジュゲートワクチンが利用可能になる前は、0歳から4歳の子供のHib髄膜炎の発生率は100000当たり32から60の範囲で、開発途上国において最も高い発生率及び致死率(30%に至る)が認められた[2]。Hibコンジュゲートワクチンによる乳児のワクチン接種が導入された後、多くの国々では現在、髄膜炎発症率は100000当たり2未満という低さが記録されている。
【0176】
Hibは個体の15%までは上気道において無症候性で保有されるが[3]、集団化した個体では少数ではあるが重篤な侵襲性の疾患を発症する。疾患は、呼吸上皮を介して血流中に細菌が侵入し、中枢神経系及びその他の部位に伝播することによって発症する。髄膜炎及び敗血症は、最も頻繁に観察される臨床的な症候群で、喉頭蓋炎、関節炎、蜂巣炎及び骨髄炎も生じ得る。
【0177】
莢膜多糖(CP)は、補体と相互作用することによって宿主の抗菌防御系の回避を可能にする、Hibの最も重要な病原性決定因子と考えられている[4]。CPに対して特異的な抗体を産生する宿主の能力が、ほとんどの被包性細菌に対する防御において中心的な役割を果たしている[5]。しかし、多糖(PS)に対する免疫応答の特徴は、個体発生における発達が遅いことである。多糖類の中には早期に免疫応答を誘発できるものもあるが、多糖類は一般的に、18〜21カ月齢までの乳児では免疫原性が不十分である。ヒト新生児で欠如している脾臓の周辺部が、多糖T依存性抗原応答の惹起及び発達において重要な役割を果たすと考えられている[6]。周辺部の樹状細胞は、CP抗原を成熟した非再循環周辺部B細胞に提示する[7]。脾臓の周辺部は、比較的成熟したB細胞(IL-2受容体陽性)、表面IgM、IgD及びより重要な高密度のCD21抗原、B細胞活性化を媒介する補体成分C3dの受容体を含有する[8]。これは、被包性細菌の免疫原性が、C3の生成物をC3b及びC3dに分割することによって、そしてB細胞を活性化してPSに対する抗体産生に影響を及ぼすことによって、PS莢膜の補体活性化特性に関与しているという所見に対応する[9、10]。特定の、又は交差反応性の細菌の保因による天然の刺激はまた、単純多糖類に応答する能力に必要な要素であると一般的に考えられている。一旦幼児が天然の刺激に応答してしまうと、単純多糖類による免疫が可能になる。
【0178】
Hib多糖ワクチン
Hib CPワクチンの開発は1970年代に開始し、侵襲性疾患に対する年齢依存性の効果が示され、18カ月齢以下でワクチン接種された子供では防御は認められなかった[11]。乳児はHib CPワクチンに対してまれにしか応答せず、抗体レベルは低く、免疫記憶の発達の証拠は見つかっていない[12]。免疫応答は18カ月後に強まるが、18〜23カ月の月齢の子供並びに2歳以上の子供は応答しない。ワクチン接種後に成人の抗体レベルになるのは、約6歳の年齢に達してからである。
【0179】
Hib CPワクチンの主な限界は、侵襲性Hib疾患が最も頻繁に生じる集団である2歳未満の乳児において免疫応答を誘発できないことである。その他のPSワクチンのように、Hib CPワクチンは長期の防御も、生体の鼻咽頭における保因の減少も、集団免疫ももたらさない。Hib CPワクチンの欠点を克服するために、Hib CPポリ-リボース-リビトール-リン酸(PRP)をT細胞依存性キャリアタンパク質に化学的に結合させることによって改善されたワクチンが開発された。
【0180】
Hibコンジュゲートワクチン
PRPのタンパク質キャリアへの結合は、PRPによって刺激されたB細胞がTヘルパー細胞によって活性化されるのを可能にし、徐々に早期乳児の抗体応答成熟を誘導し、PRPに対するB細胞記憶の並行誘導をもたらした。様々なタンパク質キャリアを有する4種類のHibコンジュゲートワクチン、すなわちジフテリアトキソイドに結合したPRP(PRP-D)、破傷風トキソイドに結合したPRP(PRP-T)、CRM197(変異した非毒性ジフテリア毒素(このワクチンはHbOCとも呼ばれる))に結合したオリゴ糖Hib及び髄膜炎菌外膜タンパク質複合体に結合したPRP(PRP-OMP)は、以前に承認されている。タンパク質の性質の差異はもちろん、これらのワクチンは多糖の長さ、糖-タンパク質結合方法及び糖-タンパク質比が異なる。
【0181】
いずれのHibコンジュゲートワクチンに対する免疫応答も、天然CPに対する免疫応答とまったく異なっている。コンジュゲートワクチンはいずれも成人では免疫原性が高く、若年の子供においては単純なHib CPよりも免疫原性があることがわかった[14、15、16、17、18、19]。コンジュゲートワクチン又は天然CPのいずれかで再度ワクチン接種すると[20]、再接種時の抗体レベルには関係なく追加免疫応答が誘導される[15、18、19]。
【0182】
成人における抗体応答及び抗体サブクラス分布は、Hib CPコンジュゲート又はHib CPによる免疫後では差異がない[21]。2歳未満の年齢の子供では、Hib CP及びHibコンジュゲートワクチンの両方に対するIgG1応答が主に示され、一方、IgG1及びIgG2抗体の両方が成人では誘導される[21]。この年齢による違いは、8〜12歳でやっと成人レベルに達するIgG2サブクラス抗体応答の成熟の遅さによる[22]。IgG1及びIgG2抗PRP応答の分布に関して成人で認められる大きな差異は、既存の天然抗体のレベルと相関しており、天然の初回刺激では遅いIgG2応答を促進することが示唆される[23]。Hib CPによるワクチン接種と比較して、Hibコンジュゲートワクチンによる乳児のワクチン接種は、産生されるIgG抗体の量を増加させ、反復ワクチン接種に対する、IgMに対するIgGの比率を増加させる。IgG1サブクラスの優勢はさらに、追加免疫によって増大する[24]。
【0183】
承認Hibコンジュゲートワクチン
コンジュゲートワクチンはすべて、若年の子供で免疫原性であるが、達成される抗体レベル、イディオタイプ発現、乳児で惹起される抗体応答の時期及び経時的な親和性成熟度に関して、承認されたHibコンジュゲートワクチン間で差異を認めることができる[25]。
【0184】
Hibコンジュゲートワクチンの臨床研究によって、達成されるワクチン接種後の抗体幾何平均濃度(GMC)の程度に関してワクチン間で実質的な変動が示され[26]、2カ月齢から6カ月齢の乳児にPRP-Dを3回ワクチン接種した後のGMCは最低であった(0.28〜0.73μg/ml)[13、27、28]。防御抗体レベルの維持はまた変化し、PRP-OMPと比較して、PRP-T後では抗体レベルはより高く持続することが1研究で示されている[29]。PRP-OMPの特徴は、その他のコンジュゲートワクチンと比較して最初の一次免疫後の抗体応答が高いことであるが、初回免疫及び追加免疫後の応答ではPRP-T及びHib-CRM197と比較してあまりはっきりしない[28]。この早期応答は、ヘルパーT細胞活性化能力に加えて、PRP-OMPコンジュゲートに本来備わっているB細胞分裂促進特性を示唆している[20]。
【0185】
3種類の承認Hibコンジュゲートワクチンの研究では、Hib-CRM197はPRP-D及びPRP-OMPと比較して最高のIgG1レベル及びIgG1/IgG2比を生じ[30]、Hib-CRM197によって高い全抗体レベルが誘導されることを反映している[31]。Hibコンジュゲートワクチンによって誘導される抗PRP抗体の機能的活性に関しては、PRP-TTはPRP-OMPと比較して多量の抗PRP抗体を誘導する[32、33]。4種類のHibコンジュゲートワクチンはすべて、防御効果の研究(表1)において評価され、免疫原性特性は著しく異なっているが、PRP-Dを除きいずれも乳児に少なくとも2回接種して投与すると侵襲性Hib疾患に対して有効性を示した。PRP-Dは、フィンランドにおいては高い効果があったが、出生後非常に早期における疾患率が高いことが特徴である先住アラスカ人の子供では、大部分はこの集団におけるHib疾患の疫学が特有であるため防御できなかった[34]。PRP-OMPを1回投与した後に達成される抗体応答が早くて高いので、アラスカ並びにオーストラリアのアボリジニなど類似の疫学を有するその他の主要な現地住民において、PR-OMPの使用は今まで成功している。
【0186】
保因及び集団免疫
慣用のHibコンジュゲートワクチン接種を導入して最初の年には、ワクチン接種した集団には不均衡な疾患罹患の減少が認められた。米国において、18カ月齢を超える子供にPRP-Dを導入した後、慣用のワクチン接種に含まれなかった18カ月齢未満の子供でHib疾患発生率が減少した[39]。これらのデータは、Hibコンジュゲートワクチン接種はワクチン接種した幼児及び年長の子供に防御をもたらすだけでなく、免疫していない罹患しやすい乳児へのHibの伝染も減少させることを示唆した[40、41]。
【0187】
単純なHib CPワクチンではなくHibコンジュゲートワクチンで免疫した子供は、ワクチン接種していない子供よりもHibの鼻咽頭におけるコロニー形成の危険性が低い[40、41、42、43]。原因となる機構は、鼻咽頭粘膜におけるHib CP抗体の存在であることを示唆している[44]。高い血清抗PRP抗体濃度(3〜7μg/ml)は、侵襲性疾患の防御よりもコロニー形成の防御に必要であると考えられ[20]、これはほとんどの集団免疫は幼児の追加免疫によって誘導されることを示唆している。ワクチン接種した成人では、鼻咽頭分泌物及び唾液中で検出される抗PRP IgG抗体はおそらく高い血清抗体濃度に由来する[44]。ワクチンを2〜4回接種したが追加免疫はしていない乳児における低い抗体濃度は、保因防御の不完全さと関連があった[42、45、46]。抗体は免疫直後においてのみ高いので、免疫記憶はまた、コロニー形成の防御又は短縮に役割を担うことができる。
【0188】
防御の血清学的関係
受動免疫研究によって、防御的な抗Hib CP抗体濃度は0.05と0.15μg/mlの間であることが推定された[5]。Hib CPワクチンを使用した有効性試験の分析によって、18〜23カ月齢に免疫した乳児の90%がワクチン接種して1年半後でもまだHib CP抗体が≧0.15μgであり、観察された防御有効性と相関していたことが示された[11、12]。これらの研究によって、Hib CPの血清抗体保有(seroprotection)がパーセンテージとして≧0.15μg/mlで表される標準的方法に役立つ、疾患を予防するためにコロニー形成に対して曝露する時に必要な抗体濃度は0.05〜0.15μg/mlであることが確立された[47、48]。Finnish単純PRP有効性試験では、免疫して3週間後の免疫後抗体レベルが≧1μg/mlである18カ月齢を超える子供の割合は、その年齢の群で認められた有効性を反映していた。抗体濃度は免疫後に減少するので、ワクチン接種後の濃度1μg/mlは翌年少なくとも0.1μg/mlの最少濃度を確保するために必要であると推定された。
【0189】
Hib PS研究で得られた長期防御の推定抗PRP抗体レベルは、反復ワクチン接種によって抗体の機能的活性が改善し(アイソタイプ及び親和性の成熟)、記憶B細胞が生成するため、Hibコンジュゲートワクチン接種後の長期防御に必要な抗PRP抗体濃度を過大評価している可能性がある[47、49]。Hibコンジュゲートワクチンによる現場試験の観察はこの仮説を支持するが、Hib疾患に対して防御をもたらすのに十分な血清抗体の正確な濃度は、抗Hib CP抗体の機能的活性が濃度、Igアイソタイプ及び親和性に左右されるので、明確に規定することが困難である。
【0190】
表1は、防御効果並びに免疫原性のデータが利用可能なコンジュゲートHibワクチンの有効性試験をまとめて示している。多くの研究において、一連の一次免疫後に1μg/mlの推定防御閾値を超える子供の割合は、実証した防御有効性を実質的に過小評価していた。対照的に、抗PRP抗体濃度≧0.15μg/mlを達成した乳児の割合は、観察されたワクチン有効性推定値をより厳密に反映していた[13、49、50]。抗PRP抗体の量は、一次免疫後経時的に増加するので[51]、成熟した抗体の防御レベルは実際に0.15μg/mlより低く、0.05μg/mlの範囲であってもよい[20、52]。
【0191】
Eskola他(1990)[35]は、記憶の存在下ではいかなる測定可能な抗体レベルでも防御に十分であることを指摘している。フィンランドにおいて、観察された90%の防御有効性は、一次免疫後の抗PPR抗体濃度≧0.15μg/ml(70%)と比較して≧0.06μg/ml(85%)の対象の割合により密接に近似していた。
【0192】
全体的に見て、Hibコンジュゲートワクチンを接種された子供の5%から68%が一次免疫後に≧1μg/mlの抗体レベルを達成しないが、ワクチン接種後に検出可能な抗体が存在し、Hib疾患に対して防御されていることからも明らかなように、そのほとんどすべてがHib CPに対する抗体応答を刺激されている。
【0193】
抗PRP抗体の機能的活性
Hibコンジュゲートワクチンによって生じた抗PRP抗体は、in vitroにおいてはオプソニン化貪食作用及び殺菌試験の両方において有効で、in vivoにおいては幼少ラットの受動免疫及びその後のHib曝露を介して有効である[52、53]。健康な成体におけるIgG1及びIgG2画分の補体活性は、Hibに曝露すると変化するが、大部分においてIgG1の方が活性は大きい[54]。その他の研究によって、親和性の高いIgG1と比較して、親和性の低いIgG2抗PRP抗体では幼少ラットモデルにおいて防御をもたらすためには高用量が必要であることが示された[33、35]。
【0194】
抗PRP抗体の親和性は、コンジュゲート免疫後の初回免疫後から追加免疫前まで増加するが[51、52]、出生後2年目の追加免疫後にはあまり増加しない。親和性の増加及び記憶の誘導はおそらく、かなりの数の子供が追加免疫前の期間に抗PRP抗体濃度<0.15μg/mlを示すときでも、Hib疾患に対する防御が存続している理由を説明するであろう。親和性の増加は、Ig遺伝子の体細胞高頻度変異のプロセス及びT細胞依存性応答の後に胚中心で生じた高親和性B細胞のその後の選択を反映している[56]。いくつかの研究において、抗体親和性の増加とより有効な抗体機能との間の関係が示された[32、57]。抗体親和性は、殺菌活性[32]に相関しているものと考えられ[32]、免疫記憶の代替マーカーであることが示唆された[56]。
【0195】
PRP-OMPコンジュゲートワクチンはその他のワクチンと比較して親和性及び抗殺菌活性の低い異なる抗体レパートリーを誘導するが[32]、PRP-OMPは有効であることがわかった。これは、Hib CP抗体の抗菌活性に関して閾値レベルが存在することを示している。ヒトの抗Hib防御機構における直接的殺菌活性又はオプソニン貪食活性の相対的重要性は未だに疑問である。Hib疾患が終末補体成分が欠損した個体で発症することは非常に稀であるが、この欠損は通常髄膜炎菌性疾患に関連している[58]。C5欠損マウスにおけるHib髄膜炎の研究では正常なHib排除能力が示されたが、一方C3欠損の場合は排除障害が認められ、オプソニン貪食作用の能力が非常に重要であることを示している。実質的にすべての正常な成体は、オプソニン貪食作用の能力を備えているものと考えられ、Hib CP抗体に依存しており、一方、成体のほぼ半分で殺菌活性が示されている[59]。
【0196】
DTPaをベースにしたHib混合ワクチン
Hib保因及び侵襲性Hib疾患の両方の迅速且つ優れた減少をもたらした承認Hibコンジュゲートワクチンの導入が成功した後、DTPw及びDTPaをベースにしたHib混合ワクチンが製造され、多くの国々で導入された。DTPaをベースにしたワクチンとPRP-T又はHib-CRM197を混合すると、このワクチンを別々の部位に投与したときよりも、抗PRP抗体濃度≧1μg/mlで、抗体GMCが低い乳児の割合が低くなる[60、61、62]。しかし、ピークの抗PRP抗体濃度≧0.15μg/mlを達成する乳児の割合には変化がないことは重要である。
【0197】
4種類の様々なDTPaをベースにしたHib混合ワクチンが開発された。1つはHib-CRM197(もはや使用不可である)を使用し、3つは、基本的なDTPaの相手としてDTPa2(2成分Pa[百日咳トキソイド-PT+繊維状ヘマグルチニン-FHA])、DTPa3(3成分Pa[PT、FHA+パータクチン-PRN])又はDTPa5(5成分Pa[PT、FHA、PRN、線毛FIM2+FIM3])のいずれかと一緒にしたHib-TTをベースにしており、時々HBV及び/又はIPV成分が追加される。2種類の最も広く使用されている混合DTPa3(HB)IPV-Hib(Infanrix(登録商標)IPV+Hib)及びDTPa5-IPV-Hib(PentacelTM若しくはPediacelTM)は最近論評が出された[63]。同程度の抗PRP抗体レベルは、DTPa3及びDTPa5の組合せによって誘導され(図1及び2)、別々に投与されたHibワクチンと比較すると低い。PentacelTMについて公表された1研究では[70]、PentacelTMとHibそれぞれの間では差がないことが示された。利用可能なデータをすべて吟味しても、別々に投与されたHibと比較してPediacelTM及びPentacelTM混合ワクチンによる一次ワクチン接種の後では、その他のDTPa-Hibの組合せで見られたように、抗PRP応答が低下する[71、72、73]。
【0198】
達成される抗PRP抗体濃度が低いにもかかわらず、DTPaをベースにしたHib混合ワクチンは、広く受け入れられており、疾患の防御に有効性が高いことが示された。DTPaをベースにしたHib組合せの防御有効性に寄与する要因は、Eskola及びその他によって1999年に検討された[13]。簡単に説明すると、DTPaをベースにしたHib混合ワクチン又はHibとは別に投与されたDTPaをベースにしたワクチンによる免疫では、一次ワクチン接種後に防御及び免疫記憶の指標となる抗体レベル(≧0.15μg/ml)の対象が95%を超える。追加免疫後の同様の抗体レベルによって立証されるように、同様の免疫記憶応答がHibを別に投与するか、又はDTPaをベースにしたワクチンと混合して投与すると生じ、Finnish有効性研究において一次ワクチン接種後の検出可能な抗体応答が刺激成功の証拠である所見と一致している[35、74]。Hibワクチンと一緒に投与したDTPaをベースにしたワクチンの機能的活性は、抗体親和性、殺菌活性、ラットモデルでのin vivoにおける受動防御及びオプソニン貪食作用に関して示された[52、53]。
【0199】
Hib疾患の予防におけるDTPaをベースにしたHib組合せの臨床的有効性は、ドイツなどの総合的調査機構が進行している国においてはっきりと示された。ドイツでは、DTPaをベースにしたHib(PRP-T)ワクチンは、2、3及び4カ月齢に投与され、生後2年目に追加免疫が投与される。DTPaをベースにしたHib混合ワクチンは、専ら1996年から使用されており(1996年:DTPa-Hib、1998年:DTPa-IPV-Hib、2000年:DTPa-HBV-IPV-Hib)、一次免疫後継続したワクチン有効性は96.7%と推定された[62、75]。
【0200】
DTPwをベースにしたHib混合ワクチンの研究では、DTPaをベースにしたHib組合せと比較して一次免疫後は抗PRP抗体濃度が高いが、いずれの計画も追加免疫後では抗体濃度は高いことが示されている[76]。近年、DTPa-(HBV)-IPV-Hib組合せ並びに髄膜炎菌コンジュゲートワクチン及び肺炎球菌コンジュゲートワクチンとの同時投与が導入された。これは、個々の成分に対する免疫応答の複雑さに影響を及ぼし、様々な成分間に起こり得る干渉の危険性を増強する。
【0201】
DTPaをベースにしたHib混合ワクチンにおける不活性型ポリオウイルスワクチン(IPV)の増強効果
混合DTPa-Hibワクチンは、Hibコンジュゲートワクチンを別々に投与する場合と同等の機能的活性を示すことが繰り返し示されてきたが[13、52]、いくつかのDTPaをベースにしたHib混合ワクチンではIPVが存在するとHibコンジュゲート成分によって誘導される免疫応答が調節されることを示唆する証拠がある。
【0202】
スウェーデンで実施された治験では、抗PRP抗体濃度は、DT単独と混合したときよりもDT-IPVと混合したPRP-Tを2回筋肉内注射後で統計学的に有意に高いことに注意されたい[77](表2)。ドイツで実施された臨床試験では(1996〜1998年)、対象は無作為化され、様々なDTPa3をベースにしたHib混合ワクチンで3、4及び5カ月齢に一次ワクチン接種を受けた。IPVの存在又は非存在のみが異なるワクチンを投与された対象における抗PRP抗体濃度を表2に表す(今まで公表されなかった結果)。0.15μg/mlカットオフに達した子供の割合に関して、IPV含有ワクチンと非IPV含有ワクチンの間に差異はなかったが、IPV含有DTPa3をベースにしたHib組合せを投与された対象において抗PRP抗体レベルが高かった(DTPa3-HBV-Hib対DTPa3-HBV-IPV-Hibでは統計学的に有意であった)。B型肝炎に対する抗体応答は、IPVを含まないDTPaの組合せと比較して、DTPa-IPVとの組合せの方が高いことも認められている(表3)[80、81]。
【0203】
PRP応答に対するIPVの増強効果は常に観察されるわけではなく、合衆国における研究では、別々の注射によるDTPa2-Hib(PRP-T)とIPVとの同時投与は、OPVとの同時投与と比較して抗PRP応答の減少と関連していた[78]。このことは、IPVがDT[Pa]Hib組合せの一部であるとき、したがってIPVを別々に投与した場合には生じない免疫賦活剤/アジュバント効果を示唆しいる。
【0204】
抗体親和性は、別々のDTPa3及びHibと比較してDTPa3-Hibによる一次ワクチン接種後に減少しており[53、76]、IPVを含有するより大きなDTPa3をベースにしたHib組合せでは認められない現象であることが発見された[52、53]。3種類の臨床試験に参加した乳児から得られた親和性の結果によって、混合して投与されたDTPa-HBV-IPV及びHibワクチンと別々に投与されたDTPa-HBV-IPV及びHibワクチンとの間、又はDTPa-HBV-IPV-HibワクチンとDTPwをベースにしたHibワクチンとの間には抗PRP抗体の親和性成熟における差はないことが示される(表4)。対照的に、DTPa3-HBV-IPV-Hibと比較してDTPa3-Hibで一次ワクチン接種した後の親和性の成熟には明白な差があり、別々に投与されたDTPa3及びHibワクチンと比較してDTPa3-Hibで追加免疫接種した前後では親和性係数は低かった。受動幼少ラット防御アッセイでは、Hib曝露後の疾患を防御する能力には差異は認められなかった[53]。最近の報告では、Johnson他[76]はまた、DTPw-Hibと比較してDTPa3-Hibで一次ワクチン接種した後、Hibコンジュゲートワクチンで追加ワクチン接種した後では抗体親和性が減少していることを指摘した。全体的に見て、利用可能なデータによって、IPVを含有するワクチンと比較して、DTPa3-HibなどのIPVを含まないワクチンは抗PRP抗体及び親和性成熟を誘導する能力が減少しているが、防御の指標となる抗PRP抗体レベルに到達する対象の割合は変化していないことが示唆される。最近のオーストラリアの報告では、DTPa3-IPVは、DTPa3と比較してIgG応答の増強を含むより多くのTh1偏向応答を導き、IPVの潜在的アジュバント活性が裏付けられることが示唆された[79]。
【0205】
Hibコンジュゲートワクチン不全
Hibコンジュゲートワクチンは免疫記憶、機能的抗体を誘導し、集団免疫効果を示すので、ワクチン不全は一次免疫後に時折記載されるのみであった。いくつかの研究では、抗体濃度が低いか、又は検出できない数人のコンジュゲートワクチンを接種された乳児でも疾患に対して防御されていることが示された[35、39]。このように防御程度が予想よりも大きいことは、一部には集団免疫が関与していた。しかし、いくつかの役割はまた、刺激及び記憶の防御効果、即ち英国で採用されている2、3、4カ月齢計画などの早期前倒し計画によってワクチン接種された非常に幼少の乳児においてさえも明らかな効果によるものとされた[13、82]。他方で、予備ワクチン段階で侵襲性Hibに感染していた子供又はHibコンジュゲートワクチンを投与された子供における抗体応答の分析によって、免疫記憶単独では侵襲性疾患から数人の個体を防御するには不十分であることが明らかに示された[83、84]。英国におけるMenCコンジュゲートワクチン接種後の場合もそうであった[85]。英国におけるHibワクチン不全の最近の増加は、計画の効果、ワクチンの種類、免疫応答に対する集団特異的干渉及び潜在的キャリア特異的干渉又はバイスタンダー干渉並びにHibコンジュゲートワクチンによって付与される防御機構に対する関心を再燃させた。
【0206】
Hibコンジュゲートワクチンに対する免疫応答に対する干渉
キャリア特異的干渉又は増強は、Tヘルパー特異的効果によって説明することができ、以下にさらに説明する。バイスタンダー干渉は、あまり容易に理解されない。リンパ節で局所的にT細胞によって産生されるサイトカイン及びサイトカイン阻害因子は、抗原に対して特異的ではなく、したがって1抗原に対して活性のある免疫応答は同部位に投与されたワクチン組合せ中の同時投与された別の抗原に対する免疫応答を干渉し得る[120]。バイスタンダー効果はまた、類似の成分を含有する同時投与ワクチンを一連の免疫において、例えば、キャリアとしてDTPa及びジフテリア及び/又は破傷風トキソイド(DT/TT)を使用した併用コンジュゲートによる小児での計画において適用したときに生じることもある。後者の場合、DT及び/又はTTに特異的なT細胞は、T細胞が移動して、同時投与ワクチンが注射された所属リンパ節に到達するので、免疫応答に影響を及ぼすことができる[121]。
【0207】
英国におけるHibコンジュゲートワクチン不全
英国において、2、3及び4カ月齢にDTPw-Hibを使用し、追加免疫を投与しないHibに対する慣用のワクチン接種は最初、5歳までの子供に及ぶように一斉接種と組み合わせられた。この接種は、非常に成功し、1989年と1992年の間のDTPw-Hib(Hib-CRM197又はPRP-T)の全体的なワクチン有効性は87.1%(95%CI 65.5%;95.2%、[86])であった。歴史的な症例対照研究では、1歳以後のDTPw-Hibワクチンの有効性が97.3%であることは、英国で使用された追加免疫を行わない方針の継続を支持するものと考えられた[87]。しかし、より感受性の高いスクリーニング方法では、2年後のDTPw-Hibのワクチン有効性は、一斉接種中の71.7%(3.4%;91.7%)から1998〜1999年の-17.0%(-272%、63.2%)にまで減少することが後に明らかになった[86]。1歳未満の子供におけるHibワクチン不全は、1999年からますます報告されており[88]、血清型C型髄膜炎菌コンジュゲートワクチンMenC-CRM197の導入及び同時投与と同時にDTPw-HibワクチンをDTPa3-Hibで置換した後、2000年と2002年の間で悪化した[89]。Hibワクチン不全の増加が認められたことに応じて、2回目の一斉接種が2003年に開始され、6カ月と4年の間の子供はすべて、コンジュゲートHib追加免疫投与を受けた。Hibコンジュゲートワクチンの追加免疫投与は、現在では慣用の計画の一部として12カ月齢に推奨されている[90]。
【0208】
英国では、最終的に認められたHibワクチン不全の増加の引き金となる事象が多かった。追加免疫を投与せず、使用したDTPa3-Hibワクチンに完全に任せることは魅力的であるが、Hibコンジュゲートワクチンによる英国での実例は、いくつかの設定では有効性の高い混合ワクチンであってもどのように有効性が少なくなり得るのかを例示している。
【0209】
Hibコンジュゲートワクチンに対する免疫応答に対する計画及び追加免疫の効果
Hibコンジュゲートワクチンが最小限の抗体レベルを維持し、記憶を誘導する能力は、長期防御には追加免疫の投与は必要ないという認識を支持し、生後2年目の追加免疫を行わない免疫計画がその後英国で採用された[91]。現在、多くの研究によって、感染、保因に対する長期防御の発生、及び免疫記憶の強化には一連の一次ワクチン接種後にHib追加免疫が重要であることが立証された[20、92、93、94]。追加免疫投与の欠如は、ドイツにおけるHib疾患の増加[94]及びHibコロニー形成の防御の抑制と関連した[20]。ドイツでは、DTPa3をベースにしたHib(PRP-T)ワクチンを英国で使用されたのと同様に早期前倒しの2、3及び4カ月齢の計画で投与したが、1996年からは生後2年目の間に追加免疫を投与した。DTPaをベースにしたHib混合ワクチンの独占的使用にもかかわらず、Hibワクチン不全の増加は報告されなかった[62、75]。HibコンジュゲートワクチンとMenCコンジュゲートワクチンの間に多くの類似点が引き出され、英国では非常に早くから、追加免疫投与をしない場合乳児に投与されたMenCワクチンのワクチン有効性は1年後に迅速に低下することが明らかになっていた[85]。
【0210】
ドイツにおける追加免疫の効果の評価は、DTPa3-Hibは1996年と1998年の間に広く使用されたが、1999年から使用されたワクチンの組合せにはIPVが含まれたという事実によって混乱に陥る可能性がある[62]。一般的な状況では、Hib応答に対するIPVの効果の増強は、集団レベルでは最小限であると思われ、防御の指標(≧0.15μg/mlの割合[図1]及び幼少のラットHib曝露モデルにおける防御[53])は、DTPa3-Hib及びIPV含有DTPa-Hib組合せの後では同様である。対照的に、保因の抑制、抗体濃度の増加、集団免疫の改善及び不適切に刺激された子供における免疫応答の改善に対する追加免疫の影響は、集団レベルでは十分である。IPVの役割は、英国において、以下に記載したように、DTPa3-Hibの免疫原性がいくつかの理由のために損なわれ、追加免疫が投与されない状況での集団免疫にはより重要であり得る。
【0211】
DTPa3-Hibワクチン
英国において、Hibコンジュゲートワクチン及びMenCコンジュゲートワクチンの両方について、時々生じる防御不全は、血清抗CP抗体の規準レベルが防御的と考えられるレベルに対して低いと思われる集団に関連していた[85、95、96]。特定の抗体のレベルがこのように低く、又は検出不可能でさえある場合、個体は、刺激された応答が効力を発揮できるようになる前に、迅速な侵襲の影響を受けやすくなる可能性がある。英国では認められなかったが、低いHib抗体濃度は、より高いHibコロニー形成速度及び集団免疫の抑制という結果となり、それにより、免疫された、部分免疫された、及び免疫不全の子供が曝露する危険性を増加させ得る。
【0212】
DTPa3をベースにしたHibワクチンの防御的有効性が示され、英国を含めて、MenC-CRM197を同時投与せずに投与したとき、DTPa3-Hibで一次ワクチン接種した後に達成された抗PRP抗体濃度は、その他のDTPa3及びDTPa5をベースにしたHib混合ワクチンと同様の範囲である[63](図1及び2)。したがって、英国で使用された明らかに免疫原性のDTPa3-Hibワクチンが、増加するHibコンジュゲートワクチン不全の根底にある傾向を悪化させる理由は、注意深く評価することが必要である。1996〜1997年に英国で実施された臨床試験では、DTPa3-Hibによる一次ワクチン接種後の抗PRP応答は満足できるものであり(GMC1.56)、子供の96.0%が抗PRP抗体濃度≧0.15μg/mlを達成した(表5)。批判的にいうと、実際には英国におけるDTPa3-Hibワクチンは、1999〜2000年の間はMenC-CRM197ワクチンと同時投与され、今日までこの同時投与は比較臨床試験で評価されていない。
【0213】
英国で実施されたその後の研究では、抗PRP抗体濃度に対するMenC-CRM197(MeningitecTM Wyeth Lederle Vaccines、Pearl River NY)の免疫干渉(表5)が強く示唆され、DTPa3-Hibを単独で投与した研究よりもMenC-CRM197と同時投与したDTPa3-Hibによってワクチン接種された英国の対象では[65、96]、抗PRP抗体GMCが著しく低く、0.15μg/mlカットオフに到達する対象の割合が低かった。Slack他によって実施された研究[96]の試料をGlaxoSmithKline Biologicalsで試験したとき、抗PRP抗体GMCは、有効試験(以前の未公表データ)を使用して同様の研究所でまた実施されたDTPa3-Hibの1996年の研究における1.56μg/ml(1.19;2.04)に対して0.54μg/ml(95%CI 0.34;0.59)であった。DTPa3-HibをMeningitecTM(MenC-CRM197)、さらにタンパク質コンジュゲートとしてCRM197も使用する実験的9価肺炎球菌ワクチン(9vPCV)と同時投与した研究[65]では、抗PRP抗体GMC及び濃度が≧0.15μg/ml(英国の研究所で試験された)の対象の割合はまた、例外的に低いことがわかった(図1及び2)。
【0214】
抗PRP抗体濃度及び親和性成熟度は、IPVを含有する混合ワクチンよりもDTPa3-Hibで刺激した後ではいくらか低くなり得る[53]。DTPa3-HBV-Hib対DTPa3-HBV-IPV-Hibの1対1試験では、IPV含有ワクチンによる一次ワクチン接種後に有意に高い抗PRP抗体濃度が示された(表2)。臨床試験では、ドイツ[67]及び英国[89、97]でMenC-CRM197(MeningitecTM)と同時投与されたDTPa3-HBV-IPV-Hib又はDTPa5-IPV-Hib混合ワクチンによって、DTPa-Hibを単独で使用して認められた濃度と同様の抗PRP抗体濃度が生じた。特に、2-3-4計画におけるDTPa3-HBV-IPV-Hib+MenC-CRM197の2つのドイツでの研究([68]でのMenjugateTM、Chiron Emeryville、CA及び[67]でのMeningitecTM)の結果は、同様の計画で投与されたDTPa3-Hib+MenC-CRM197(MeningitecTM)の英国での研究とははっきり対照的である(抗PRP抗体GMCそれぞれ2.60μg/ml[68]又は2.78μg/ml[67]に対して0.54μg/ml(表5)である)。これらのデータは、IPVの存在はHib応答に対するCRM197の干渉を遮蔽するのに十分であったことを示している。抗PRP応答がIPVの存在下で増強され得るという所見(表2)と一致して、スペイン及びドイツにおける、6価のDTPa3-HBV-IPV-Hibワクチンを乳児に、MenC-CRM197(MeningitiecTM)と一緒に、又は一緒にせずに2、4及び6カ月齢に投与する(スペイン[98])か、又は7vPCV-CRM197と一緒に若しくは一緒にせずに2、3及び4カ月齢に投与する(ドイツ[99、100])その他の対照試験は、抗PRP抗体≧0.15μg/mlである対象の割合に関してHib応答において群間に差がないことを示した。研究の一つでは[100]、1.0μg/mlカットオフに達した対象の割合が低いことが発見された。
【0215】
カナダの研究では、DTPa5-IPV-Hib及び7vPCV-CRM197ワクチンを1カ月間隔で時間差投与したとき、抗PRP抗体応答は著しく抑制された[102](図1、図2)。さらに、ドイツにおいてDTPa2-HBV-IPV-Hibを7vPCV-CRM197と同時投与したとき、B型肝炎応答は有意に減少し[103](p<0.05、両側t検定)、これはDTPa3-HBV-IPV-Hibを7vPCV-CRM197と同時投与したときには生じないこと[99]が発見された。
【0216】
要するに、5価及び6価の混合ワクチンにIPVが存在すると、DTPa3-HibとCRM197含有ワクチンの間に認められる干渉が大部分回避されることを示唆する、間接的ではあるが強力な証拠がある。このアジュバント効果(77)は、DTPaをベースにしたHib(PRP-TT)ワクチンと同時投与したとき、CRM197コンジュゲートに関連したバイスタンダー干渉の大部分を補うものと思われる。それにもかかわらず、IPVの免疫増強効果は、CRM197含有ワクチン及びHib含有ワクチンの時間差投与などの特定の環境では発揮されないのは明らかなようである。さらに、CRM197の効果は、投与量に関連する場合があり、MenC-CRM197及び7vPNCワクチンの両方がHibと一緒に同時投与されると、より大きく干渉される(図1)。IPVが存在するにもかかわらず、DTPa2-HBV-IPV-Hibは7vPCV-CRM197と同時投与するとB型肝炎応答の抑制を示した。
【0217】
キャリア特異的干渉又は増強は、Tヘルパー特異的効果によって説明することができ、以下にさらに説明する。バイスタンダー干渉は、あまり容易には理解されない。リンパ節で局所的にT細胞によって産生されるサイトカイン及びサイトカイン阻害因子は、抗原に対して特異的ではなく、したがって1抗原に対して活性のある免疫応答は同部位に投与されたワクチン組合せ中の同時投与された別の抗原に対する免疫応答に干渉し得る(Insel、1995、Ann NY Acad.Sci 754、35)。バイスタンダー効果はまた、類似の成分を含有する同時投与ワクチンを一連の免疫において、例えば、キャリアとしてDTPa及びジフテリアトキソイド(DT)又は破傷風トキソイド(TT)を使用した併用コンジュゲートによる小児での計画において適用したときに生じることもある。後者の場合、DT及び/又はTTに特異的なT細胞は、T細胞が移動して、同時投与ワクチンが注射された所属リンパ節に到達するので、免疫応答に影響を及ぼすことができる(Insel、1995、Ann.NY Acad.Sci 754、35)。
【0218】
複数のコンジュゲートワクチンの同時投与はこれまでは予期せぬ効果を引き起こした:PRP-TをMenC-TTと同時投与すると、抗PRP及び抗TT免疫応答は高いが、MenCに対する応答の抑制が認められた[97]。反対に、4vPCV-TTをDTPw-PRP-Tと同時投与すると、TT及びHibの両方に対する免疫応答が、投与されたTTの用量に反比例するように阻害された[104]。TTによる抗原特異的増強又は干渉の機構はおそらく、Tヘルパー細胞活性と同様にキャリアタンパク質及び投与された多糖の量の関数である[105]。7のTTコンジュゲートを含有する11価の肺炎球菌コンジュゲートは、DTPa-Hib組合せと同時投与したとき、DTPw-Hib組合せと比較して、7のTTコンジュゲートに対して不十分な応答を示し、このことはTTのT細胞応答はDTPwIPVHibと比較してDTPa5IPVHibでは異なったことを示唆している[105]。この効果は、11vPCVに含めた4のDTコンジュゲートについては認められなかった。
【0219】
特異的抗原に対する免疫応答の増強又は干渉は、T細胞特異的効果並びに非特異的「バイスタンダー」効果によって媒介されることができ、複数のコンジュゲートワクチンの同時投与の免疫応答に対する結果は複雑で、予測が困難であることを示唆している。CRM197コンジュゲートとの同時投与に関連したバイスタンダー干渉はおそらく、DTPa(HBV)(IPV)Hib-TTの組合せにも存在するジフテリアトキソイドに特異的なT細胞調節機構に関係している。
【0220】
環境的及び集団的要因
免疫応答に対する環境要因の効果は十分には理解されていないが、よく認識されている現象である。ActHibTM(PRP-T)で実施した146回の臨床試験を概説する出版物[107]では、一次ワクチン接種後に抗PRP抗体濃度≧0.15μg/mlを達成した英国における対象の割合は、提示されたその他の研究における90%を上回る率と比較して69%(PRP-T単独)及び73%(DTPw-PRP-T)であった。DTPa2-Hib(ActHibTM)の研究では英国における対象の82%が0.15μg/mlカットオフに達し、この数字は、他の場合のDTPa3-及びDTPa5をベースにした組合せでも報告された範囲の下端であった。ワクチン接種に対する弱い、又は低い免疫応答の考え得る原因は、免疫プログラムの集団効果の結果としての鼻咽頭コロニー形成の減少による天然刺激の低下である可能性がある[42、95、108、109]。
【0221】
Hibコンジュゲートワクチン不全を経験した英国の子供の30%が、多糖類に対するB細胞の応答性の成熟の遅れと関連があり得る免疫グロブリン又はサブクラスのわずかな欠乏を示した[95]。母乳栄養は、Hibコンジュゲートワクチンに対する免疫応答に対して正の効果を有する[110]。英国での母乳栄養の実践から生じる免疫に対する可能性のある集団効果についてはわかっていない。
【0222】
疾患及びHibコンジュゲートワクチン接種後の抗体動力学の研究によって、血清IgG抗体応答は、刺激を受けた個体であっても、抗原曝露の3〜4日より前では検出できないことが示される[111、112、113]。これは、親和性成熟障害のため抗体の機能が不十分である場合に特に重要であろう。したがって、免疫記憶によって防御することができない個体もいることは驚くことではない[114]。未熟児をコンジュゲートワクチンでワクチン接種した後のいくつかの研究では、一次抗体応答の低下[96]及び持続性の抑制が認められた[115]。しかし、12カ月齢にコンジュゲートワクチンを追加免疫投与した後、早産乳児及び満期出産乳児では同様の抗体レベルが達成された。
【0223】
Hib菌株効果
個々のHib菌株の侵襲性は、CPの産生に関連しており、Hib莢膜発現に関与する遺伝子、capb遺伝子配列の複数コピーの産生と関係があった[116]。Cerquetti他の研究では[117]、capb遺伝子配列の複数コピー(反復>2回)を有する菌株の非常に大きな割合が、英国におけるワクチン未接種の子供と比較して実際にワクチン不全(true vaccine failure)の患者から単離され、莢膜多糖発現のレベルは菌株の病原性に役割を果たすことが示唆された。
【0224】
英国とは異なり、オランダでは、2002年からHibワクチン不全における2、3倍の増加が認められ、全年齢に影響が及んだ[108]。オランダの子供達は、2、3及び4カ月齢に(別々に)DTPw-IPV+Hibで一次ワクチン接種を受け、11カ月齢に追加免疫を受けた。今日まで、この増加の説明は十分に明らかにはなっていないが、Hibの遺伝的多様性の増加が関与し得ることが示唆されてきた。臨床的Hib菌株の遺伝子型の調査によって、様々なHib菌株を保有する成人が子供のHib感染の源となる証拠が提供された[118]。遺伝子多様性におけるこのような変化は、英国では記録されなかった[119]。これらのデータは、オランダにおいて、伝染様式が、ワクチン接種前の期間における子供から子供への伝染に対して、ワクチン接種期間における成人から子供への伝染に変化したことを示唆している。
【0225】
専門家の意見
Hibコンジュゲートワクチンは、広く使用された国々におけるHib疾患の疫学に大いに影響を及ぼした。現在存在するHibコンジュゲートワクチンの有効性は幅広く示されており、抗PRP抗体応答の大きさ及び抗体親和性に関するワクチン間の差異は、若年齢で疾患に罹り、単回投与後の高い抗体濃度の達成を利用している先住民などの特定の群を除いて、有効性に影響を及ぼさなかった。組み合わせたDTPaをベースにしたHib(PRP-T)ワクチンは広く使用されており、指示した有効性を有する単独型PRP-OMPによって生じる濃度と同程度の抗体濃度を誘導する。組み合わせたDTPaをベースにしたHibワクチンは、別々に投与されたHibワクチンと同様の機能的特性を備えた抗PRPを誘導する。文献を総合的に再検討した後[63]、カナダの国家諮問委員会は最近、「抗PRP応答は、ワクチンの種類よりも年齢及びワクチン投与計画に関連するようである」と結論を下した[120、p11]。
【0226】
同時投与コンジュゲートワクチンは、よく立証されているキャリア特異的相互作用、又はその機構がまだ十分に理解されていない、あまり立証されていないバイスタンダー増強若しくは干渉によって増強若しくは干渉を生じ得る。DTPa-HibとCRM-197含有コンジュゲートとの間のバイスタンダー干渉は、用量依存性で、並びにワクチン接種計画によって影響を受けるものと考えられる。正確な機構はまだに明らかにする必要があるが、CRM197/ジフテリアトキソイド応答のT細胞調節が可能性のある原因である。DTPa3及びDTPa5をベースにした(HBV)-IPV-Hibの組合せをCRM197コンジュゲートと同時に(即ち、時間差ではなく)同時投与すると、干渉は認められなかった(表5)。DTPa-(HBV)-IPV-Hib組合せと一緒にMenC-CRM197及びPCV-CRM197コンジュゲートを一緒に同時投与することはまだ解明されていない。英国におけるDTPwとPRP-Tと同時投与された新規混合9vPCV-MenCワクチン(いずれもCRM197に結合)の最近の研究では、DTPwの既知のアジュバント効果にもかかわらず、Hib、ジフテリア及びMenCに対する応答が抑制された[106]。同時投与したコンジュゲートワクチン間の免疫干渉の予測不可能な性質は、公衆衛生プログラムにおいて遂行する前にコンジュゲートワクチン同時投与を適切に評価することの重要性を強調している。
【0227】
追加免疫投与の欠如及びHib疾患の制御が最適以下である期間中のDTPa3-Hibの実施はいずれも、イギリスにおけるHibコンジュゲートワクチン不全の増加に明らかに関与していたが、DTPa3-HibをMenC-CRM197と同時投与したとき生じる免疫干渉は、既に多く認められているHibコンジュゲートワクチン不全の数をさらに増加させたことを示唆する有力な証拠がある。
【0228】
興味深いことに、CRM197含有ワクチンとHibコンジュゲートワクチンの間の免疫干渉は、IPVが投与されたDTPa3-Hib組合せに存在するとき、調節されるようである。より大きな組合せについてのこの特性はさらに調査することが必要であり、1回のワクチン接種訪問でいくつかのコンジュゲートワクチンを同時投与することを希望する当局にとって非常に実用的な結果をもたらすことができる。Hib-TTに加えて、B型肝炎に対する抗体応答はまた、IPVがDTPa-HBV-Hib組合せに存在するとき、増強されるようである。しかし、IPVのアジュバント効果は、DTPa2-HBV-IPV-Hibを7vPCV-CRM197と同時投与したときB型肝炎干渉を防御するには不十分であるようである。
【0229】
多糖-タンパク質でワクチンを接種されたヒトに対する細胞性及び体液性抗体応答並びに混合ワクチンに対する免疫学的応答の複雑さの理解には、まだ多くの疑問が解明されないままである。したがって、進行中の承認後試験及びHibコンジュゲートワクチンの調査は、投与したワクチンの有効性に影響を及ぼし得る環境の変化の早期検出のために依然として重要である。
【0230】
5年間の取り組み
次の5年で、含有する抗原が少なく、新たな組合せにおけるHibコンジュゲートワクチンの使用の増加が予測され得るが、現在使用可能な有効性の高いHib-TTコンジュゲート及びB型肝炎ワクチンについては重大な変化はないようである。発展途上国におけるDTPw-HBV-Hib組合せのさらなる導入が期待されており、起こる可能性がある。コンジュゲートワクチンを同時投与する決定は、広範な負の公衆衛生学的結果を回避するために適切に実施された臨床試験の証拠によって支持される必要がある。小児用同時投与の部位及び潜在的干渉はよりよく記載される。小児用Hib-MenCY-TT、ACWY-DT、ACWY-CRM197、ACWY-TT、10vPCV-プロテインD及び13vPCV-CRMI97コンジュゲートの承認はおそらく得られる。特定のDTPa組合せと特定のコンジュゲートワクチンの同時投与は、干渉を回避するため、又はDTPa(HBV)IPV-Hib組合せにおけるワクチン成分に対する免疫応答を増強するために推奨することができる。
【0231】
InfanrixTMは、GlaxoSmithKlineグループ会社の商標である。ActHibTM、PediacelTM及びPentacelTMは、Sanofi Aventisの商標である。PrevenarTM及びMeningitecTMは、Wyeth Lederle Vaccinesの商標である。Menjugate(登録商標)は、Chironの商標である。
【0232】
参照文献
1. World Health Organization (WHO). WHO position paper on Haemophilus influenzae type b conjugate vaccines. WER. 81, 445-52 (2006).
* Hibの疫学及びワクチン使用の総括
2. Peltola H. Worldwide Haemophilus influenzae type b disease at the beginning of the 21st century: global analysis of the disease burden 25 years after the use of the polysaccharide vaccine and a decade after the advent of conjugates. Clin Microbiol Rev. 13, 302-17 (2000).
3. World Health Organization. Global Programme for Vaccines and Immunization (GPV): The WHO position paper on Haemophilus influenzae type b conjugate vaccines. WER. 73, 64-8 (1998).
4. Weller PF, Smith AL, Smith DH, Anderson P. Role of immunity in the clearance of bacteremia due to Haemophilus influenzae. J Infect Dis. 138(4), 427-36 (1978).
5. Santosham M, Reid R, Ambrosino DMet al. Prevention of Haemophilus influenzae type b infections in high-risk infants treated with bacterial polysaccharide immune globulin. N Engl J Med. 317, 923-9 (1987)
6. Humphrey JH. Splenic macrophages: antigen presenting cells for T1-2 antigens. Immunol Lett. 11(3-4), 149-52 (1985).
7. and presentation in vivo: the microenvironment as a crucial factor. Immunol Today. 11(12), 436-9 (1990).
8. Hsu SM. Phenotypic expression of B lymphocytes. III. Marginal zone B cells in the spleen are characterized by the expression of Tac and alkaline phosphatase. J Immunol. 135(1), 123-30 (1985).
9. BJ. Pneumococcal polysaccharides complexed with C3d bind to human B lymphocytes via complement receptor type 2. Infect Immun. 59(5), 1839-45 (1991).
10. Hostetter MK. Serotypic variations among virulent pneumococci in deposition and degradation of covalently bound C3b: implications for phagocytosis and antibody production. J Infect Dis. 153(4), 682-93 (1986).
11. Peltola H, Kayhty H, Sivonen A, Makela H. Haemophilus influenzae type b capsular polysaccharide vaccine in children: a double-blind field study of 100,000 vaccinees 3 months to 5 years of age in Finland. Pediatrics. 60(5), 730-7 (1977).
* Hib CPワクチンの重要な有効性
12. Kayhty H, Karanko V, Peltola H, Makela PH. Serum antibodies after vaccination with Haemophilus influenzae type b capsular polysaccharide and responses to reimmunization: no
13. Eskola J, Ward J, Dagan R, Goldblatt D, Zepp F, Siegrist CA. Combined vaccination of Haemophilus influenzae type b conjugate and diphtheria-tetanus-pertussis containing acellular pertussis. Lancet. 354(9195), 2063-8 (1999).
* DTPaベースのHib混合ワクチンによるワクチン接種後の低い抗PRP抗体応答の有意性の重要な概説
14. Schneerson R, Robbins JB, Szu SC, Yang Y. Vacines composed of polysachardie-protein conjugates:current status, unanswered questions, and prospects for the future. 「Towards better carbohydrate vaccines」 Bell R, Torrigiani G (編). John Wiley & Sons, New York. 307-31 (1987).
15. Anderson PW, Pichichero ME, Stein EC et al. Effect of oligosaccharide chain length, exposed terminal group, and hapten loading on the antibody response of human adults and infants to vaccines consisting of Haemophilus influenzae type b capsular antigen unterminally coupled to the diphtheria protein CRM197. J Immunol. 142(7), 2464-8 (1989).
16. Berkowitz CD, Ward JI, Meier K et al. Safety and immunogenicity of Haemophilus influenzae type b polysaccharide and polysaccharide diphtheria toxoid conjugate vaccines in children 15 to 24 months of age. J Pediatr. 110(4), 509-14 (1987).
17. Shackelford PG, Granoff DM, Nelson SJ, Scott MG, Smith DS, Nahm MH. Subclass distribution of human antibodies to Haemophilus influenzae type b capsular polysaccharide. J Immunol. 138(2), 587-92 (1987).
18. Granoff DM, Sheetz KE, Nahm MH, Madassery JV, Shackelford PG. Further immunologic evaluation of children who develop haemophilus disease despite previous vaccination with type b polysaccharide vaccine. Monogr Allergy. 23, 256-68 (1988).
19. Weinberg GA, Einhorn MS, Lenoir AA, Granoff PD, Granoff DM. Immunologic priming to capsular polysaccharide in infants immunized with Haemophilus influenzae type b polysaccharide-Neisseria meningitidis outer membrane protein conjugate vaccine. J Pediatr. 111(1), 22-7 (1987).
20. Kayhty H. Difficulties in establishing a serological correlate of protection after immunization with Haemophilus influenzae conjugate vaccines. Biologicals. 22(4), 397-402 (1994).
** 臨床データと血清抗体データを相関させる主要な概説
21. Makela O, Mattila P, Rautonen N, Seppala I, Eskola J, Kayhty H. Isotype concentrations of human antibodies to Haemophilus influenzae type b polysaccharide (Hib) in young adults immunized with the polysaccharide as such or conjugated to a protein (diphtheria toxoid). J Immunol. 139(6), 1999-2004 (1987).
22. Morell A, Skvaril F, Hitzig WH, Barandun S. IgG subclasses: development of the serum concentrations in "normal" infants and children. J Pediatr. 80(6), 960-4 (1972).
23. Barington T, Juul L, Gyhrs A, Heilmann C. Heavy-chain isotype patterns of human antibody-secreting cells induced by Haemophilus influenzae type b conjugate vaccines in relation to age and preimmunity. Infect Immun. 62(8), 3066-74 (1994).
24. Ambrosino DM, Sood SK, Lee MC et al. IgG1, IgG2 and IgM responses to two Haemophilus influenzae type b conjugate vaccines in young infants. Pediatr Infect Dis J. 11, 855-9 (1992).
25. Granoff DM, Shackelford PG, Holmes SJ, Lucas AH. Variable region expression in the antibody responses of infants vaccinated with Haemophilus influenzae type b polysaccharide-protein conjugates. Description of a new lambda light chain-associated idiotype and the relation between idiotype expression, avidity, and vaccine formulation. The Collaborative Vaccine Study Group. J Clin Invest. 91(3), 788-96 (1993).
26. Bulkow LR, Wainwright RB, Letson GW, Chang SJ, Ward JI. Comparative immunogenicity of four Haemophilus influenzae type b conjugate vaccines in Alaska Native infants. Pediatr Infect Dis J. 1993 Jun;12(6):484-92.
27. Eskola J, Kayhty H, Peltola H et al. Antibody levels achieved in infants by course of Haemophilus influenzae type B polysaccharide/diphtheria toxoid conjugate vaccine. Lancet. 1(8439),1184-6 (1985).
28. Decker MD, Edwards KM, Bradley R, Palmer P. Comparative trial in infants of four conjugate Haemophilus influenzae type b vaccines. J Pediatr. 120(2 Pt 1), 184-9 (1992).
29. Carlsson RM, Claesson BA, Lagergard T, Kayhty H. Serum antibodies against Haemophilus influenzae type b and tetanus at 2.5 years of age: a follow-up of 2 different regimens of infant vaccination. Scand J Infect Dis. 28(5), 519-23 (1999).
30. Jelonek MT, Chang SJ, Chiu CY, Park MK, Nahm MH, Ward JI. Comparison of naturally acquired and vaccine-induced antibodies to Haemophilus influenzae type b capsular polysaccharide. Infect Immun. 61(12), 5345-50 (1993).
31. Decker MD, Edwards KM, Bradley R, Palmer P. Responses of children to booster immunization with their primary conjugate Haemophilus influenzae type B vaccine or with polyribosylribitol phosphate conjugated with diphtheria toxoid. J Pediatr. 122(3), 410-3 (1993).
32. Schlesinger Y, Granoff DM. Avidity and bactericidal activity of antibody elicited by different Haemophilus influenzae type b conjugate vaccines. The Vaccine Study Group. JAMA. 267(11), 1489-94 (1992).
33. Lucas AH, Granoff DM. Functional differences in idiotypically defined IgG1 anti-polysaccharide antibodies elicited by vaccination with Haemophilus influenzae type B polysaccharide-protein conjugates. J Immunol. 154(8), 4195-202 (1995).
34. Ward J, Brenneman G, Letson GW, Heyward WL. Limited efficacy of a Haemophilus influenzae type b conjugate vaccine in Alaska Native infants. The Alaska H. influenzae Vaccine Study Group. N Engl J Med. 323(20), 1393-401 (1990).
35. Eskola J, Kayhty H, Takala AK, et al. A randomized, prospective field trial of a conjugate vaccine in the protection of infants and young children against invasive Haemophilus influenzae type b disease. N Engl J Med. 323(20), 1381-7 (1990).
36. Peltola H, Eskola J, Kayhty H, Takala AK, Makela PH. Clinical comparison of the Haemophilus influenzae type B polysaccharide-diphtheria toxoid and the oligosaccharide-CRM197 protein vaccines in infancy. Arch Pediatr Adolesc Med. 148(6), 620-5 (1994).
37. Black SB, Shinefield HR, Fireman B, Hiatt R, Polen M, Vittinghoff E. Efficacy in infancy of oligosaccharide conjugate Haemophilus influenzae type b (HbOC) vaccine in a United States population of 61,080 children. The Northern California Kaiser Permanente Vaccine Study Center Pediatrics Group. Pediatr Infect Dis J. 10(2), 97-104 (1991).
38. Santosham M, Rivin B, Wolff M, et al. Prevention of Haemophilus influenzae type b infections in Apache and Navajo children. J Infect Dis. 165 Suppl 1, S144-51 (1992).
39. Adams WG, Deaver KA, Cochi SL et al. Decline of childhood Haemophilus influenzae type b (Hib) disease in the Hib vaccine era. JAMA. 269(2), 221-6 (1993).
40. Barbour ML. Conjugate vaccines and the carriage of Haemophilus influenzae type b. Emerg Infect Dis. 2(3), 176-82 (1996).
41. Takala AK, Eskola J, Leinonen M et al. Reduction of oropharyngeal carriage of Haemophilus influenzae type b (Hib) in children immunized with an Hib conjugate vaccine. J Infect Dis. 164(5), 982-6 (1991).
42. Murphy TV, Pastor P, Medley F, Osterholm MT, Granoff DM. Decreased Haemophilus colonization in children vaccinated with Haemophilus influenzae type b conjugate vaccine. J Pediatr. 122(4), 517-23 (1993).
43. Adegbola RA, Mulholland EK, Secka O, Jaffar S, Greenwood BM. Vaccination with a Haemophilus influenzae type b conjugate vaccine reduces oropharyngeal carriage of H. influenzae type b among Gambian children. J Infect Dis. 177(6), 1758-61 (1998).
44. Kauppi M, Eskola J, Kayhty H. Anti-capsular polysaccharide antibody concentrations in saliva after immunization with Haemophilus influenzae type b conjugate vaccines. Pediatr Infect Dis J. 14(4), 286-94 (1995).
45. Barbour ML, Booy R, Crook DW et al. Haemophilus influenzae type b carriage and immunity four years after receiving the Haemophilus influenzae oligosaccharide-CRM197 (HbOC) conjugate vaccine. Pediatr Infect Dis J. 12(6), 478-84 (1993).
46. Mohle-Boetani JC, Ajello G, Breneman E et al. Carriage of Haemophilus influenzae type b in children after widespread vaccination with conjugate Haemophilus influenzae type b vaccines. Pediatr Infect Dis J. 12(7), 589-93 (1993).
47. Kayhty H, Peltola H, Karanko V, Makela PH. The protective level of serum antibodies to the capsular polysaccharide of Haemophilus influenzae type b. J Infect Dis. 147, 1100 (1983).
48. Anderson P. The protective level of serum antibodies to the capsular polysaccharide of Haemophilus influenzae type b. J Infect Dis. 149(6), 1034-5 (1984).
49. Granoff DM. Assessing efficacy of Haemophilus influenzae type b combination vaccines. Clin Infect Dis. 33 Suppl 4, S278-87 (2001).
50. Singleton R, Hammitt L, Hennessy T et al. The Alaska Haemophilus influenzae type b experience: lessons in controlling a vaccine-preventable disease. Pediatrics. 118(2), e421-9 (2006).
51. Pichichero ME, Voloshen T, Zajac D, Passador S. Avidity maturation of antibody to Haemophilus influenzae type b (Hib) after immunization with diphtheria-tetanus-acellular pertussis-hib-hepatitis B combined vaccine in infants. J Infect Dis. 180(4), 1390-3 (1999).
52. Poolman J, Kaufhold A, De Grave D, Goldblatt D. Clinical relevance of lower Hib response in DTPa-based combination vaccines. Vaccine. 19(17-19), 2280-5 (2001).
** 抗体親和性及び殺菌活性が、別々に投与された又は混合した、IPVを含有するDTPaベースHibワクチンの間に差がないことを示す主要な論文
53. Denoel PA, Goldblatt D, Vleeschauwer I, Jacquet J-M, Pichichero ME, Poolman JT. Quality of the Haemophilus influenzae type b antibody response induced by DTPa/Hib combination vaccines. Clin Vacc Immunol.
** in vitroパラメータにおいて、IPV含有ワクチンと非IPV含有ワクチンとの相違点を示す
54. Bredius RG, Driedijk PC, Schouten MF, Weening RS, Out TA. Complement activation by polyclonal immunoglobulin G1 and G2 antibodies against Staphylococcus aureus, Haemophilus influenzae type b, and tetanus toxoid. Infect Immun. 60(11), 4838-47 (1992).
55. Amir J, Scott MG, Nahm MH, Granoff DM. Bactericidal and opsonic activity of IgG1 and IgG2 anticapsular antibodies to Haemophilus influenzae type b. J Infect Dis. 162(1), 163-71 (1990).
56. Goldblatt D, Miller E, McCloskey N, Cartwright K., Immunological response to conjugate vaccines in infants: follow up study. BMJ. 316, 1570-1 (1998).
57. Richmond P, Borrow R, Goldblatt D et al. Ability of 3 different meningococcal C conjugate vaccines to induce immunologic memory after a single dose in UK toddlers. J Infect Dis. 183(1), 160-3 (2001).
58. Pallares DE, Figueroa JE, Densen P, Giclas PC, Marshall GS. Invasive Haemophilus influenzae type b infection in a child with familial deficiency of the beta subunit of the eighth component of complement. J Pediatr. 128(1), 102-3 (1996).
59. Musher D, Goree A, Murphy T et al. Immunity to Haemophilus influenzae type b in young adults: correlation of bactericidal and opsonizing activity of serum with antibody to polyribosylribitol phosphate and lipooligosaccharide before and after vaccination. J Infect Dis. 154(6), 935-43 (1986).
60. Schmitt HJ, Zepp F, Muschenborn S et al. Immunogenicity and reactogenicity of a Haemophilus influenzae type b tetanus conjugate vaccine when administered separately or mixed with concomitant diphtheria-tetanus-toxoid and acellular pertussis vaccine for primary and for booster immunizations. Eur J Pediatr. 157(3), 208-14 (1998).
61. Halperin SA, King J, Law B, Mills E, Willems P. Safety and immunogenicity of Haemophilus influenzae-tetanus toxoid conjugate vaccine given separately or in combination with a three-component acellular pertussis vaccine combined with diphtheria and tetanus toxoids and inactivated poliovirus vaccine for the first four doses. Clin Infect Dis. 28(5), 995-1001 (1999).
62. Schmitt HJ, von Kries R, Hassenpflug B et al. Haemophilus influenzae type b disease: impact and effectiveness of diphtheria-tetanus toxoids-acellular pertussis (-inactivated poliovirus)/H. influenzae type b combination vaccines. Pediatr Infect Dis J. 2001 Aug;20(8):767-74.
63. Gilca V, Duval B. Literature review on DTaP based penta- and hexavalent vaccines approved for clinical use in Canada. Institut national de sante publique du Quebec, Canada (2006).
64. Schmitt HJ, Faber J, Lorenz I, Schmole-Thoma B, Ahlers N. The safety, reactogenicity and immunogenicity of a 7-valent pneumococcal conjugate vaccine (7VPnC) concurrently administered with a combination DTaP-IPV-Hib vaccine. Vaccine. 21(25-26), 3653-62 (2003).
65. Goldblatt D, Southern J, Ashton L et al. Immunogenicity and boosting after a reduced number of doses of a pneumococcal conjugate vaccine in infants and toddlers. Pediatr Infect Dis J. 25(4), 312-9 (2006).
* CRM197によるバイスタンダー干渉の証拠を示す臨床試験
66. Schmitt HJ, Knuf M, Ortiz E, Sanger R, Uwamwezi MC, Kaufhold A. Primary vaccination of infants with diphtheria-tetanus-acellular pertussis-hepatitis B virus- inactivated polio virus and Haemophilus influenzae type b vaccines given as either separate or mixed injections. J Pediatr. 137(3), 304-12 (2000).
67. Schmitt HJ, Maechler G, Habermehl P, et al. Immunogenicity, reactogenicity and immune memory after primary vaccination with a novel Haemophilus influenzae-Neisseria meningitidis serogroup C conjugate vaccine. Clin Vaccine Immunol. Feb 7, (2007).
68. Habermehl P, Leroux-Roels G, Sanger R, Machler G, Boutriau D. Immunogenicity and Reactogenicity of a combined Haemophilus influenzae Type b and Neisseria meningitidis serogroup C and Y-tetanus toxoid conjugate (Hib-MenCY-TT) vaccine administered as a primary at 2, 3 and 4 months and as a booster at second year of life. Abstract. 15th International Pathogenic Neisseria Conference, Cairns, Australia, September 10-15 (2006).
69. Halperin BA, Halperin SA, McGrath P, Smith B, Houston T. Use of lidocaine-prilocaine patch to decrease intramuscular injection pain does not adversely affect the antibody response to diphtheria-tetanus-acellular pertussis-inactivated poliovirus-Haemophilus influenzae type b conjugate and hepatitis B vaccines in infants from birth to six months of age. Pediatr Infect Dis J. 21(5), 399-405 (2002).
70. Mills E, Gold R, Thipphawong J, et al. Safety and immunogenicity of a combined five-component pertussis-diphtheria-tetanus-inactivated poliomyelitis-Haemophilus b conjugate vaccine administered to infants at two, four, and six months of age. Vaccine. 16(6), 576-85 (1998).
71. Lin TY, Wang YH, Chang LY et al. A fully liquid diphtheria-tetanus-five component acellular pertussis-inactivated poliomyelitis-Haemophilus influenzae type b conjugate vaccine: immunogenicity and safety of primary vaccination in Taiwanese infants. Int J Infect Dis. Jun 9 (2006).
72. Lee CY, Thipphawong J, Huang LM, et al. An evaluation of the safety and immunogenicity of a five-component acellular pertussis, diphtheria, and tetanus toxoid vaccine (DTaP) when combined with a Haemophilus influenzae type b-tetanus toxoid conjugate vaccine (PRP-T) in Taiwanese infants. Pediatrics 103(1), 25-30 (1999).
73. Pentacel(R) DTaP-IPV/Hib Combined Diphtheria and Tetanus Toxoids and Acellular Pertussis Adsorbed, Inactivated Poliovirus and Haemophilus b Conjugate (Tetanus Toxoid Conjugate) Vaccine Combined. VRBPAC Briefing Document. Version 2: 2006.
74. Kayhty H, Eskola J, Peltola H, Saarinen L, Makela PH. High antibody responses to booster doses of either Haemophilus influenzae capsular polysaccharide or conjugate vaccine after primary immunization with conjugate vaccines. J Infect Dis. 165 Suppl 1, S165-6 (1992).
75. Kalies H, Verstraeten T, Grote V et al. Four and one-half-year follow-up of the effectiveness of diphtheria-tetanus toxoids-acellular pertussis/Haemophilus influenzae type b and diphtheria-tetanus toxoids-acellular pertussis-inactivated poliovirus/H. influenzae type b combination vaccines in Germany. Pediatr Infect Dis J. 23(10), 944-50 (2004).
* 論文は、ドイツでのHib疾患の予防における、DTPaベースのHib混合ワクチンの継続している有効性を示す(2-3-4ヶ月齢計画)
76. Johnson NG, Ruggeberg JU, Balfour GF et al. Haemophilus influenzae type b reemergence after combination immunization. Emerg Infect Dis. 12(6), 937-41 (2006).
77. Carlsson RM, Claesson BA, Kayhty H, Selstam U, Iwarson S. Studies on a Hib-tetanus toxoid conjugate vaccine: effects of co-administered tetanus toxoid vaccine, of administration route and of combined administration with an inactivated polio vaccine. Vaccine. 18(5-6), 468-78 (1999).
78. Rennels MB, Englund JA, Bernstein DI et al. Diminution of the anti-polyribosylribitol phosphate response to a combined diphtheria-tetanus-acellular pertussis/Haemophilus influenzae type b vaccine by concurrent inactivated poliovirus vaccination. Pediatr Infect Dis J. 19(5), 417-23 (2000).
79. Rowe J, Yerkovich ST, Richmond P et al. Th2-associated local reactions to the acellular diphtheria-tetanus-pertussis vaccine in 4- to 6-year-old children. Infect Immun. 73(12), 8130-5 (2005).
80. Yeh SH, Ward JI, Partridge S, et al. Safety and immunogenicity of a pentavalent diphtheria, tetanus, pertussis, hepatitis B and polio combination vaccine in infants. Pediatr Infect Dis J. 20(10), 973-80 (2001).
81. Blatter MM, Reisinger KS, Terwelp DR, DelBuono FJ, Howe BJ. Immunogenicity of a combined diphtheria-tetanus-acellular pertussis (DT-tricomponent Pa) - hepatitis B (HB)-inactivated poliovirus (IPV) admixed with Haemophilus influenzae type b (Hib) vaccine in infants. Abstract 813. American Pediatric Society and the Society for Pediatric Research. New Orleans, USA. May 1-5 (1998).
82. Kelly DF, Moxon ER, Pollard AJ. Haemophilus influenzae type b conjugate vaccines. Immunology. 113(2), 163-74 (2004).
83. Anderson P, Ingram DL, Pichichero ME, Peter G. A high degree of natural immunologic priming to the capsular polysaccharide may not prevent Haemophilus influenzae type b meningitis. Pediatr Infect Dis J. 19(7), 589-91 (2000).
84. McVernon J, Andrews N, Slack MP, Ramsay ME. Risk of vaccine failure after Haemophilus influenzae type b (Hib) combination vaccines with acellular pertussis. Lancet. 361(9368), 1521-3 (2003).
85. Trotter CL, Andrews NJ, Kaczmarski EB, Miller E, Ramsay ME. Effectiveness of meningococcal serogroup C conjugate vaccine 4 years after introduction. Lancet. 364(9431), 365-7 (2004).
* 追加免疫を行わない、MenCコンジュゲートワクチンによる一次ワクチン接種後の徐々に失われる免疫を示す
86. Ramsay ME, McVernon J, Andrews NJ, Heath PT, Slack MP. Estimating Haemophilus influenzae type b vaccine effectiveness in England and Wales by use of the screening method. J Infect Dis. 188(4), 481-5 (2003).
* Hibワクチンが、コンジュゲートワクチンを導入したために英国において失敗したことを概説する主要な論文
87. Heath PT, Booy R, Azzopardi HJ et al. Antibody concentration and clinical protection after Hib conjugate vaccination in the United Kingdom. JAMA. 284(18), 2334-40 (2000).
88. Heath PT, McVernon J. The UK Hib vaccine experience. Arch Dis Child. 86(6), 396-9 (2002).
89. Slack MH, Cade S, Schapira D et al. DT5aP-Hib-IPV and MCC vaccines: preterm infants' response to accelerated immunization. Arch Dis Child. 90(4), 338-41 (2005).
* CRM197によるバイスタンダー干渉の証拠を示す臨床試験
90. Cameron C, Pebody R. Introduction of pneumococcal conjugate vaccine to the UK childhood immunization programme, and changes to the meningitis C and Hib schedules. Euro Surveill. 11(3), E060302.4 (2006).
91. Booy R, Heath PT, Slack MP, Begg N, Moxon ER. Vaccine failures after primary immunization with Haemophilus influenzae type-b conjugate vaccine without booster. Lancet. 349(9060), 1197-202 (1997).
92. Steinhoff M, Goldblatt D. Conjugate Hib vaccines. Lancet. 361(9355), 360-1 (2003).
93. Makela PH, Kayhty H. Evolution of conjugate vaccines. Expert Rev Vaccines. 1(3), 399-410 (2002).
94. von Kries R, Bohm O, Windfuhr A. Haemophilus influenzae b-vaccination: the urgency for timely vaccination. Eur J Pediatr. 156(4), 282-7 (1997).
* Hibワクチンの失敗の防止における追加免疫ワクチン接種の重要性を示す
95. Heath PT, Booy R, Griffiths H et al. Clinical and immunological risk factors associated with Haemophilus influenzae type b conjugate vaccine failure in childhood. Clin Infect Dis. 31(4), 973-80 (2000).
96. Slack MH, Schapira D, Thwaites RJ et al. Immune response of premature infants to meningococcal serogroup C and combined diphtheria-tetanus toxoids-acellular pertussis-Haemophilus influenzae type b conjugate vaccines. J Infect Dis. 184(12), 1617-20 (2001).
* CRM197によるバイスタンダー干渉の証拠を示す臨床試験
97. Kitchin N, Southern J, Morris R et al. Evaluation of a diphtheria-tetanus-acellular pertussis- inactivated poliovirus-Hib vaccine given concurrently with meningococcal group C conjugate vaccine at 2, 3 and 4 months of age. Arch Dis Child. May 2 (2006)
98. Tejedor JC, Omenaca F, Garcia-Sicilia J et al. Immunogenicity and reactogenicity of a three-dose primary vaccination course with a combined diphtheria-tetanus-acellular pertussis-hepatitis B-inactivated polio-haemophilus influenzae type b vaccine coadministered with a meningococcal C conjugate vaccine. Pediatr Infect Dis J. 23(12), 1109-15 (2004).
99. Knuf M, Habermehl P, Cimino C, Petersen G, Schmitt HJ. Immunogenicity, reactogenicity and safety of a 7-valent pneumococcal conjugate vaccine (PCV7) concurrently administered with a DTPa-HBV-IPV/Hib combination vaccine in healthy infants. Vaccine. 24(22), 4727-36 (2006)
100. Tichmann-Schumann I, Soemantri P, Behre U, Disselhoff J, Mahler H, Maechler G, Sanger R, Jacquet JM, Schuerman L. Immunogenicity and reactogenicity of four doses of diphtheria-tetanus-three-component acellular pertussis-hepatitis B-inactivated polio virus-Haemophilus influenzae type b vaccine coadministered with 7-valent pneumococcal conjugate Vaccine. Pediatr Infect Dis J. 24(1), 70-7 (2006).
101. Halperin SA, McDonald J, Samson L et al. Simultaneous administration of meningococcal C conjugate vaccine and diphtheria-tetanus-acellular pertussis-inactivated poliovirus-Haemophilus influenzae type b conjugate vaccine in children: a randomized double-blind study. Clin Invest Med. 25(6):243-51 (2002).
102. Scheifele DW, Halperin SA, Smith B, Ochnio J, Meloff K, Duarte-Monteiro D. Assessment of the compatibility of co-administered 7-valent pneumococcal conjugate, DTaP.IPV/PRP-T Hib and hepatitis B vaccines in infants 2-7 months of age. Vaccine. 24(12), 2057-64 (2006).
* CRM197によるバイスタンダー干渉の証拠を示す臨床試験
103. Olivier C, Liese JG, Stojanov S, Tetelboum R, Cottard M , Fritzell B, Laufer D, Petersen G, Corsaro B, Belohradsky. Immunogenicity and safety of the 7-valent pneumococcal conjugate vaccine (7vPNC-Prevenar(R)) coadministered with a hexavalent DTaP-IPV-HBV-Hib Vaccine (Hexavac(R)). Poster G-836. The 42nd Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy, San Diego, California. September 27-30 (2002).
104. Dagan R, Eskola J, Leclerc C, Leroy O. Reduced response to multiple vaccines sharing common protein epitopes that are administered simultaneously to infants. Infect Immun. 66(5), 2093-8 (1998).
105. Dagan R, Goldblatt D, Maleckar JR, Yaich M, Eskola J. Reduction of antibody response to an 11-valent pneumococcal vaccine coadministered with a vaccine containing acellular pertussis components. Infect Immun. 72(9), 5383-91 (2004).
106. Buttery JP, Riddell A, McVernon J et al. Immunogenicity and safety of a combination pneumococcal-meningococcal vaccine in infants: a randomized controlled trial. JAMA. 293(14), 1751-8 (2005).
107. Vidor E, Hoffenbach A, Fletcher MA. Haemophilus influenzae type b vaccine: reconstitution of lyophilised PRP-T vaccine with a pertussis-containing paediatric combination vaccine, or a change in the primary series immunization schedule, may modify the serum anti-PRP antibody responses. Curr Med Res Opin. 17(3), 197-209 (2001).
108. Spanjaard L, van den Hof S, de Melker HE, Vermeer-de Bondt PE, van der Ende A, Rijkers GT. Increase in the number of invasive Haemophilus influenzae type b infections. Ned Tijdschr Geneeskd. 149(49), 2738-42 (2005).
109. McVernon J, Howard AJ, Slack MP, Ramsay ME. Long-term impact of vaccination on Haemophilus influenzae type b (Hib) carriage in the United Kingdom. Epidemiol Infect. 132(4), 765-7 (2004).
110. Pabst HF, Spady DW. Effect of breast-feeding on antibody response to conjugate vaccine. Lancet. 1990 Aug 4;336(8710):269-70.
111. Borrow R, Southern J, Andrews N et al. Comparison of antibody kinetics following meningococcal serogroup C conjugate vaccine between healthy adults previously vaccinated with meningococcal A/C polysaccharide vaccine and vaccine-naive controls. Vaccine. 19(23-24), 3043-50 (2001).
112. Madore DV, Johnson-Kraines CL, Rothstein EP, Smith DH. Kinetics of antibody response to Haemophilus influenzae type b vaccines. Pennridge Pediatric Associates. Curr Med Res Opin. 15(2), 105-12 (1999).
113. Pichichero ME, Voloshen T, Passador S. Kinetics of booster responses to Haemophilus influenzae type B conjugate after combined diphtheria-tetanus-acelluar pertussis-Haemophilus influenzae type b vaccination in infants. Pediatr Infect Dis J. 18(12), 1106-8 (1999).
114. Lucas AH, Granoff DM. Imperfect memory and the development of Haemophilus influenzae type B disease. Pediatr Infect Dis J. 20(3), 235-9 (2001).
115. Heath PT, Booy R, McVernon J et al. Hib vaccination in infants born prematurely. Arch Dis Child. 88(3), 206-10 (2003).
116. Corn PG, Anders J, Takala AK, Kayhty H, Hoiseth SK. Genes involved in Haemophilus influenzae type b capsule expression are frequently amplified. J Infect Dis. 167(2), 356-64 (1993).
117. Cerquetti M, Cardines R, Ciofi Degli Atti ML et al. Presence of multiple copies of the capsulation b locus in invasive Haemophilus influenzae type b (Hib) strains isolated from children with Hib conjugate vaccine failure. J Infect Dis. 192(5), 819-23 (2005).
118. Schouls LM, van der Ende A, van de Pol I, Schot C, Spanjaard L, Vauterin P, Wilderbeek D, Witteveen S. Increase in genetic diversity of Haemophilus influenzae serotype b (Hib) strains after introduction of Hib vaccination in The Netherlands. J Clin Microbiol. 43(6), 2741-9 (2005).
119. Aracil B, Slack M, Perez-Vazquez M, Roman F, Ramsay M, Campos J. Molecular epidemiology of Haemophilus influenzae type b causing vaccine failures in the United Kingdom. J Clin Microbiol. 44(5), 1645-9 (2006).
120. National Advisory Committee on Immunization (NACI). Statement on the recommended use of pentavalent and hexavalent vaccines. CCDR: 33 (2007).
121. Insel RA. Potential alterations in immunogenicity by combining or simultaneously administering vaccine components. Ann N Y Acad Sci. 754, 35-47 (1995).
122. Avdicova M, Prikazsky V, Hudeckova H, Schuerman L, Willems P. Immunogenicity and reactogenicity of a novel hexavalent DTPa-HBV-IPV/Hib vaccine compared to separate concomitant injections of DTPa-IPV/Hib and HBV vaccines, when administered according to a 3, 5 and 11 month vaccination schedule. Eur J Pediatr. 2002 Nov;161(11):581-7.
123. Pichichero ME, Bernstein H, Blatter MM, Schuerman L et al. Immunogenicity and safety of a combination diphtheria, tetanus toxoid, acellular pertussis, hepatitis b, and inactivated poliovirus vaccine coadministered with a 7-valent pneumococcal conjugate vaccine and a Haemophilus influenzae type b conjugate vaccine. J Pediatr. 印刷中.
124. Aristegui J, Dal-Re R, Diez-Delgado J et al. Comparison of the reactogenicity and immunogenicity of a combined diphtheria, tetanus, acellular pertussis, hepatitis B, inactivated polio (DTPa-HBV-IPV) vaccine, mixed with the Haemophilus influenzae type b (Hib) conjugate vaccine and administered as a single injection, with the DTPa-IPV/Hib and hepatitis B vaccines administered in two simultaneous injections to infants at 2, 4 and 6 months of age. Vaccine. 2003 Sep 8;21(25-26):3593-600。
【表1】

【0233】
【表2】

【0234】
【表3】

【0235】
【表4】

【0236】
【表5】

【0237】
[実施例2]
以下の表6に詳述したように、Infanrix-Hexaと、異なる量のTTを含有する様々な肺炎球菌コンジュゲートワクチンとを同時投与したとき、HibのPRPに対する免疫応答を調べるために研究を実施した。
【0238】
・ 実験計画:単純盲検、無作為化、11群間並行(1群当たり対象60人)による多施設試験;全群は3回投与の一次ワクチン計画を受けた。
・ 9群それぞれは、表6に示したように各多糖の用量と候補11Pn-PD-DiTワクチンの様々な製剤を投与された。さらに、1群は第1世代11Pn-PDワクチン(比較として)を投与され、1群はPrevenar(登録商標)(対照として)を投与された。
・ 全群はまた、DTPa-HBV-IPV/Hibワクチンの同時注射を受けた。
・ 盲検:単純盲検であるが、9群の11Pn-PD-DiT群は2重盲検であった。
・ 比較:11Pn-PD+DTPa-HBV-IPV/Hib
・ 対照:Prevenar+DTPa-HBV-IPV/Hib。
【0239】
・ ワクチン接種計画:2-3-4カ月齢計画に従って3回投与する一次免疫方法を乳児に行った。3回のワクチン接種方法の第1回投与は、8週〜16週齢(56〜118日齢)の間に投与し、一次ワクチン接種投与間の許容間隔は28〜42日であった。
・ 各ワクチン投与後の、局所的及び全身的な非自発的徴候の8日間追跡及び自発的有害事象の31日間追跡。重篤な有害事象は、全研究期間を通じて記録した。
【0240】
・ 2種類の血液試料:
- 第1回投与の直前(4mLを採取)
- 第3回投与の1カ月後(4mLを採取)
・ 研究期間:3カ月の登録期間を有する約6カ月。各対象について、研究期間は約3カ月であった。
【表6】

【0241】
表7は、3回目のワクチン接種(III)の1カ月後のHib多糖PRP抗原に対する抗体の血清抗体保有率(seroprotection rate)及びGMCを示す。3回目のワクチン接種の1カ月後、全群の全対象は、Prevenar(登録商標)(Wyeth)群の1対象を除き、血清防御抗体濃度≧0.15μg/mlに達し、11Pn-PD-DiT製剤を投与された対象の少なくとも83.9%は血清防御抗体濃度≧1μg/mlに達した。11Pn-PD-DiT製剤で見とめられた抗PRP GMCは、11Pn-PD(プロテインDに結合させた多糖全11種)及びPrevenar(登録商標)群で見とめられたものより高い。
【表7】

【0242】
以前に、EP983087に記載された7種の糖をTTと結合させた11価のワクチンは、DTPaと同時に投与したとき、あまり成果が得られなかった(GAVI Immunisation Focus、March 2002、page 4)。
【0243】
本発明者等は、抗PRP GMCの増加と肺炎球菌コンジュゲートワクチン中のTTの増加には、GMCが下降し始めるTT上のコンジュゲートが3〜4になるまでは相関があることを示した。したがって、少量のTTを同時投与に組み込むと、改善されたHib PRP-TT免疫応答が導かれることは明らかである。
【0244】
[実施例3]
百日咳に対する免疫応答の発達の促進における、出産後まもなく投与されたGlaxoSmithKline(GSK)Biologicalsの無細胞百日咳ワクチン(Pa)の出生時接種、その後のGSK BiologicalsのInfanrix hexaTMによる3回の一次ワクチン接種の実現可能性を評価するための無作為化2重盲検第2相対照試験。一次ワクチン接種の後、生後2年目にInfanrix hexaTMの追加免疫接種を行う。
【0245】
研究計画:ドイツにおける2群間並行で実施された2重盲検無作為化(1:1)自己完結型(self-contained)単一施設試験
- 出生時Pa群は、出生時に3成分無細胞百日咳(Pa)ワクチン(百日咳トキソイド(PT)25μg、繊維状ヘマグルチニン(FHA)25μg及びパータクチン(PRN)8μgを含む)の投与を受けた。
- 出生時HepB群は、出生時にB型肝炎ワクチンの投与を受けた。
【0246】
2、4及び6カ月齢に、両群はGSK BiologicalsのInfanrix hexaTM(DTPa-HBV-IP/Hib)ワクチンを受けた。
【0247】
全部で4種類の血液試料を研究中以下の時点で採取した。Pa又はHBVの出生時接種前(接種1前)、DTPa-HBV-IPV/Hibワクチンの1回目の接種の1カ月後、2回目の接種の1カ月後及び3回目の接種の1カ月後(それぞれ、hexa接種1後、hexa接種2後及びhexa接種3後)。
【0248】
注:この研究では、全部で4回の研究用ワクチン接種を投与した(出生時接種+Infanrix hexaTMの3回接種)。ワクチン接種に関して明らかにするために、出生時接種を接種1と称し、Infanrix hexaTMによるワクチン接種後のワクチン接種後時点はhexa接種1後、hexa接種2後及びhexa接種3後と称する。
【0249】

【0250】
この探求的研究の目的は、出生後まもなく投与されたPaワクチン接種の免疫原性及び安全性を評価することで、血清学的結果が利用可能であった各時点の全抗原に関して、Infanrix hexaTMを2カ月齢から開始して慣用的に3回接種する方法と比較したPaの出生時接種及びその後のInfanrix hexaTMの3回接種の免疫原性の調査が含まれた。
【0251】
免疫原性の結果
Hib多糖PRPに対する抗体はすべてELISAで測定した。試験のカットオフは0.15μg/mlであった。
【0252】
抗PRP抗体応答
抗PRP抗体の血清抗体保有率及びGMCを表8に表す。hexa接種3後1カ月、
抗PRP抗体の血清抗体保有レベル(≧0.15μg/ml)は、出生時Pa群の対象の88.7%及び出生時HepBの対象の98.2%に認められた。
【0253】
各群の対象の少なくとも49.1%の抗PRP抗体濃度は≧1μg/mlであった。
【表8】

【0254】
Infanrix hexaTMの1回目及び2回目の接種から1カ月後の標準化された漸近的な95%CIによる出生時Pa群と出生時HepB群の間の抗PRP血清抗体保有率(≧0.15μg/ml及び≧1μg/ml)の差は、≧0.15μg/mlカットオフについては表9に、≧1μg/mlカットオフについては表10に表す。
【0255】
有意な差は、hexa接種1後又は接種2後の時点での抗PRP抗体の血清抗体保有率(≧0.15μg/ml)に関して、出生時Pa群と出生時HepB群の間に認められなかった(表9)。抗PRP抗体≧1μg/mlである対象のパーセンテージは、hexa接種2後の出生時HBV群よりも出生時Pa群の方が統計学的有意に低かった(表10)。
【表9】

【0256】
【表10】

【0257】
出生時Pa群及び出生時HepB群のInfanrix hexaTM1回目及び2回目接種から1カ月後の95%CIによるGMC比を表11に表す。
【0258】
有意な差は、hexa接種1後の抗PRP抗体のGMCについて出生時Pa群と出生時HepB群の間に認められなかった。
【0259】
hexa接種2後に、PRPに対する抗体のGMCは、出生時HBV群よりも出生時Pa群の方が有意に低かった。
【表11】

【0260】
一次ワクチンのHib成分(破傷風トキソイドに結合したPRP)に対する免疫応答は、出生時にPaワクチンを投与されたレシピエントにおいて有意に減少した。また、抗破傷風抗体GMCは、出生時Pa群では有意に低かったが、血清抗体保有率は2群において同一(100%)であった。この効果の根底にある機構はわかっていないが、Paと組み合わせた一次免疫中におけるPRP-TTに対して出生時のPaによって引き起こされるバイスタンダー干渉によるものである可能性がある。Paワクチン及びDTPa-HBV-IPV/Hibワクチンの出生時投与は同じ大腿部に投与した事実も部分的に関与し得る。
【0261】
Infanrix hexaTMの3回目の接種から1カ月後の抗PRP抗体濃度のRCCを図3に表す。
【0262】
追加免疫研究による免疫原性の結果
【表12】

【0263】
【表13】

【0264】
【表14】

【0265】
【表15】

【0266】
【表16】

【0267】
【表17】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも9の糖コンジュゲートを含み、2〜7(2と7を含む)の糖コンジュゲートがCRMキャリアタンパク質に結合しており、一次免疫計画での使用に適しているキットであって、
a)CRM、DT又はその他のDT誘導体の存在下であるが、該CRM、DT又はその他のDT誘導体には結合していないHib糖コンジュゲート、
b)場合によって、CRMに結合した少なくとも1の糖コンジュゲート、及び
c)場合によって、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1のその他の糖コンジュゲート
を含む第1の容器と、
d)CRMに結合した少なくとも1の糖コンジュゲート、
e)場合によって、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1のその他の糖コンジュゲート
を含む第2の容器と、
場合によって、少なくとも1の糖コンジュゲートを場合によって含む第3の容器であって、
f)場合によって、少なくとも1の糖コンジュゲートがCRMに結合しており、
g)場合によって、少なくとも1の糖コンジュゲートがCRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していないものである、第3の容器と
を含むキット。
【請求項2】
キット内に存在するCRM結合糖コンジュゲート当たりの平均CRM用量が1〜15μg、1〜10μg、1〜5μg又は1〜3μgである、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
キット内の全CRM量が35μg未満、例えば、2〜30μg、5〜25μg又は10〜20μgである、請求項1又は2に記載のキット。
【請求項4】
Hib糖コンジュゲートが糖1〜15、2〜10、3〜8又は4〜6μg、例えば、糖約10μgの用量で存在する、請求項1から3のいずれかに記載のキット。
【請求項5】
Hib糖コンジュゲートが糖約2.5μgの用量で存在する、請求項1から4のいずれかに記載のキット。
【請求項6】
Hib糖コンジュゲートがアルミニウム塩に吸着していないか、又はリン酸アルミニウムに吸着している、請求項1から5のいずれかに記載のキット。
【請求項7】
第1の容器又は第3の容器が、リン酸アルミニウムに吸着していてもよいB型肝炎表面抗原(HB)をさらに含む、請求項1から6のいずれかに記載のキット。
【請求項8】
HB表面抗原が約10μgの用量で存在する、請求項7に記載のキット。
【請求項9】
少なくとも7の糖コンジュゲートを含み、2〜6(2と6を含む)の糖コンジュゲートがCRMキャリアタンパク質に結合しており、一次免疫計画での使用に適しているキットであって、
a)CRM、DT又はその他のDT誘導体の存在下で、リン酸アルミニウムに吸着していてもよいHB、
b)場合によって、CRMに結合した少なくとも1の糖コンジュゲート、及び
c)場合によって、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1の糖コンジュゲート
を含む第1の容器と、
d)CRMに結合した少なくとも1の糖コンジュゲート、
e)場合によって、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1の糖コンジュゲート
を含む第2の容器と、
場合によって、少なくとも1の糖コンジュゲートを場合によって含む第3の容器であって、
f)場合によって、少なくとも1の糖コンジュゲートがCRMに結合しており、
g)場合によって、少なくとも1の糖コンジュゲートがCRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していないものである、第3の容器と
を含むキット。
【請求項10】
キット内に存在するCRM結合糖コンジュゲート当たりの平均CRM用量が1〜9μg、1〜6μg、1〜5μg又は1〜3μgである、請求項9に記載のキット。
【請求項11】
キット内の全CRM量が20μg未満、例えば、2〜18μg又は5〜15μgである、請求項9又は10に記載のキット。
【請求項12】
HB表面抗原が約10μgの用量で存在する、請求項9から11のいずれかに記載のキット。
【請求項13】
第1、第2又は第3の容器にHib糖コンジュゲートをさらに含む、請求項9から12のいずれかに記載のキット。
【請求項14】
Hib糖コンジュゲートが糖1〜15、2〜10、3〜8又は4〜6μg、例えば、糖約10μgの用量で存在する、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
Hib糖コンジュゲートが糖約2.5μgの用量で存在する、請求項13又は14に記載のキット。
【請求項16】
Hib糖コンジュゲートがアルミニウム塩に吸着していないか、又はリン酸アルミニウムに吸着している、請求項13から15のいずれかに記載のキット。
【請求項17】
第1の容器がCRMに結合した少なくとも1の糖コンジュゲートを含む、請求項1から16のいずれかに記載のキット。
【請求項18】
CRMキャリアタンパク質に結合した少なくとも8の糖コンジュゲートを含み、一次免疫計画での使用に適したキットであって、
a)CRM、DT又はその他のDT誘導体の存在下ではない感受性抗原、及び
b)場合によって、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1の糖コンジュゲート
を含む第1の容器と、
c)CRMに結合した少なくとも7、8、10、11又は13の糖コンジュゲート、
d)場合によって、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1のその他の糖コンジュゲート
を含む第2の容器と、
場合によって、少なくとも1の糖コンジュゲートを場合によって含む第3の容器であって、
e)場合によって、少なくとも1の糖コンジュゲートがCRMに結合しており、
f)場合によって、少なくとも1の糖コンジュゲートがCRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していないものである、第3の容器と
を含むキット。
【請求項19】
感受性抗原がCRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していないHib糖コンジュゲートである、請求項18に記載のキット。
【請求項20】
Hib糖コンジュゲートが糖1〜15、2〜10、3〜8又は4〜6μg、例えば、糖約10μgの用量で存在する、請求項19に記載のキット。
【請求項21】
Hib糖コンジュゲートが糖約2.5μgの用量で存在する、請求項19又は20に記載のキット。
【請求項22】
Hib糖コンジュゲートがアルミニウム塩に吸着していないか、又はリン酸アルミニウムに吸着している、請求項19から21のいずれかに記載のキット。
【請求項23】
感受性抗原がリン酸アルミニウムに吸着していてもよいHBである、請求項18から22のいずれかに記載のキット。
【請求項24】
HB表面抗原が約10μgの用量で存在する、請求項23に記載のキット。
【請求項25】
第1の容器がCRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1の糖コンジュゲートを含む、請求項1から24のいずれかに記載のキット。
【請求項26】
第2の容器がCRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1の糖コンジュゲートを含む、請求項1から25のいずれかに記載のキット。
【請求項27】
第3の容器を含む、請求項1から26のいずれかに記載のキット。
【請求項28】
第3の容器がCRMに結合した少なくとも1の糖コンジュゲートを含む、請求項27に記載のキット。
【請求項29】
第3の容器がCRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1の糖コンジュゲートを含む、請求項27又は28に記載のキット。
【請求項30】
第1の容器が(適切ならば)DTPワクチンをさらに含み、第3の容器がキット内に存在し、DTPワクチンを含む、請求項1から29のいずれかに記載のキット。
【請求項31】
DTが、場合によって10〜120μg、50〜100μg、70〜100μg又は80〜95μgの用量で、存在する、請求項30に記載のキット。
【請求項32】
TTが、場合によって10〜60μg、20〜50μg又は30〜48μgの用量で、存在する、請求項30又は31に記載のキット。
【請求項33】
DTPワクチンがPaを含む、請求項30から32のいずれかに記載のキット。
【請求項34】
PaがPT(又はPT誘導体)、FHA及びパータクチン(PRN)を含む、請求項33に記載のキット。
【請求項35】
PT(又はPT誘導体)がPa中に存在し、0.5mL用量当たり10μgを超えない、1〜9、1.5〜8、2〜6、2.5〜5μgの用量である、請求項33又は34に記載のキット。
【請求項36】
FHAがPa中に存在し、0.5mL用量当たり10μgを超えない、1〜9、1.5〜8、2〜6、2.5〜5μgの用量である、請求項33から35のいずれかに記載のキット。
【請求項37】
PRNがPa中に存在し、0.5mL用量当たり6μgを超えない、0.5〜6、0.8〜5、1〜4、2〜3μgの用量である、請求項33から36のいずれかに記載のキット。
【請求項38】
0.5mL用量当たりPTが約2.5μgの用量で存在し、FHAが約2.5μgの用量で存在し、PRNが約0.8μgの用量で存在する、請求項33から37のいずれかに記載のキット。
【請求項39】
0.5mL用量当たりPTが約5μgの用量で存在し、FHAが約5μgの用量で存在し、PRNが約2.5μgの用量で存在する、請求項33から37のいずれかに記載のキット。
【請求項40】
DTPワクチンがPwを含む、請求項30から32のいずれかに記載のキット。
【請求項41】
第1又は第3の容器がIPVをさらに含む、請求項1から40のいずれかに記載のキット。
【請求項42】
IPVがD抗原単位約40のIPV-1、D抗原単位8のIPV-2及びD抗原単位32のIPV-3の用量で存在する、請求項41に記載のキット。
【請求項43】
第2の容器内のCRMに結合した糖コンジュゲート(複数可)が肺炎球菌莢膜糖コンジュゲートである、請求項1から42のいずれかに記載のキット。
【請求項44】
第2の容器が13価の肺炎球菌莢膜糖コンジュゲートワクチンを含む、請求項43に記載のキット。
【請求項45】
第2の容器内のCRMに結合した糖コンジュゲート(複数可)が髄膜炎菌莢膜糖コンジュゲートである、請求項1から44のいずれかに記載のキット。
【請求項46】
第3の容器がDTPワクチンを含む、請求項1から45のいずれかに記載のキット。
【請求項47】
DTが、場合によって10〜120μg、50〜100μg、70〜100μg又は80〜95μgの用量で、存在する、請求項46に記載のキット。
【請求項48】
TTが、場合によって10〜60μg、20〜50μg又は30〜48μgの用量で、存在する、請求項46又は47に記載のキット。
【請求項49】
DTPワクチンがPaを含む、請求項46から48のいずれかに記載のキット。
【請求項50】
PaがPT(又はPT誘導体)、FHA及びパータクチン(PRN)を含む、請求項49に記載のキット。
【請求項51】
PT(又はPT誘導体)がPa中に存在し、0.5mL用量当たり10μgを超えない、1〜9、1.5〜8、2〜6、2.5〜5μgの用量である、請求項49又は50に記載のキット。
【請求項52】
FHAがPa中に存在し、0.5mL用量当たり10μgを超えない、1〜9、1.5〜8、2〜6、2.5〜5μgの用量である、請求項49から51のいずれかに記載のキット。
【請求項53】
PRNがPa中に存在し、0.5mL用量当たり6μgを超えない、0.5〜6、0.8〜5、1〜4、2〜3μgの用量である、請求項49から52のいずれかに記載のキット。
【請求項54】
0.5mL用量当たりPTが約2.5μgの用量で存在し、FHAが約2.5μgの用量で存在し、PRNが約0.8μgの用量で存在する、請求項49から53のいずれかに記載のキット。
【請求項55】
0.5mL用量当たりPTが約5μgの用量で存在し、FHAが約5μgの用量で存在し、PRNが約2.5μgの用量で存在する、請求項49から53のいずれかに記載のキット。
【請求項56】
DTPワクチンがPwを含む、請求項46から48のいずれかに記載のキット。
【請求項57】
第3の容器がIPVをさらに含む、請求項43から56のいずれかに記載のキット。
【請求項58】
IPVがD抗原単位約40のIPV-1、D抗原単位8のIPV-2及びD抗原単位32のIPV-3の用量で存在する、請求項57に記載のキット。
【請求項59】
第3の容器がCRMに場合により結合した1又は複数の髄膜炎菌莢膜糖コンジュゲートを含み、且つ/又は第1の容器がCRM、DT又はその他のDT誘導体に場合により結合していない1又は複数の髄膜炎菌莢膜糖コンジュゲートを含む、請求項1から58のいずれかに記載のキット。
【請求項60】
第1の容器がCRM、DT又はその他のDT誘導体に結合しておらず、場合によってTTに結合しているHib-MenC莢膜糖コンジュゲートを含む、請求項18に記載のキット。
【請求項61】
第2の容器がCRMに結合した13価の肺炎球菌莢膜糖コンジュゲートワクチンを含む、請求項60に記載のキット。
【請求項62】
第3の容器がDTPワクチンを含む、請求項60又は61に記載のキット。
【請求項63】
7以上の糖コンジュゲートを含み、7未満の糖コンジュゲートがCRMキャリアタンパク質と結合しており、一次免疫計画での使用に適しているキットであって、
a)CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していないHib糖コンジュゲート、
b)場合によって、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1の糖コンジュゲート
を含む第1の容器と、
c)CRMに結合した7未満の糖
を含む第2の容器と、
場合によって、
d)場合によって、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1の糖コンジュゲート
を含む第3の容器と
を含むキット。
【請求項64】
第1の容器内の少なくとも1の糖コンジュゲートが存在し、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない、請求項63に記載のキット。
【請求項65】
CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1の糖コンジュゲートを含む第3の容器を含む、請求項63又は64に記載のキット。
【請求項66】
第1の容器内で、Hib糖コンジュゲートがCRM、DT又はその他のDT誘導体の存在下でない、請求項63から65のいずれかに記載のキット。
【請求項67】
第1の容器内で、Hib糖コンジュゲートがCRM、DT又はその他のDT誘導体の存在下である、請求項63から65のいずれかに記載のキット。
【請求項68】
第1の容器がCRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない髄膜炎菌莢膜糖コンジュゲートを含む、請求項63から67のいずれかに記載のキット。
【請求項69】
第1の容器内の髄膜炎菌莢膜糖コンジュゲートがTTに結合している、請求項68に記載のキット。
【請求項70】
DTが、独立したDTとしてのみキット内に存在する、請求項63から69のいずれかに記載のキット。
【請求項71】
第1の容器がDTPワクチンをさらに含むか、又は第3の容器がキット内に存在し、DTPワクチンを含む、請求項63から70のいずれかに記載のキット。
【請求項72】
DTが、場合によって10〜120μg、50〜100μg、70〜100μg又は80〜95μgの用量で、存在する、請求項71に記載のキット。
【請求項73】
TTが、場合によって10〜60μg、20〜50μg又は30〜48μgの用量で、存在する、請求項71又は72に記載のキット。
【請求項74】
DTPワクチンがPaを含む、請求項71から73のいずれかに記載のキット。
【請求項75】
PaがPT(又はPT誘導体)、FHA及びパータクチン(PRN)を含む、請求項74に記載のキット。
【請求項76】
PT(又はPT誘導体)がPa中に存在し、0.5mL用量当たり10μgを超えない、1〜9、1.5〜8、2〜6、2.5〜5μgの用量である、請求項74又は75に記載のキット。
【請求項77】
FHAがPa中に存在し、0.5mL用量当たり10μgを超えない、1〜9、1.5〜8、2〜6、2.5〜5μgの用量である、請求項74から76のいずれかに記載のキット。
【請求項78】
PRNがPa中に存在し、0.5mL用量当たり6μgを超えない、0.5〜6、0.8〜5、1〜4、2〜3μgの用量である、請求項74から77のいずれかに記載のキット。
【請求項79】
0.5mL用量当たりPTが約2.5μgの用量で存在し、FHAが約2.5μgの用量で存在し、PRNが約0.8μgの用量で存在する、請求項74から78のいずれかに記載のキット。
【請求項80】
0.5mL用量当たりPTが約5μgの用量で存在し、FHAが約5μgの用量で存在し、PRNが約2.5μgの用量で存在する、請求項74から78のいずれかに記載のキット。
【請求項81】
DTPワクチンがPwを含む、請求項71から73のいずれかに記載のキット。
【請求項82】
第1の容器又は第3の容器がIPVをさらに含む、請求項63から81のいずれかに記載のキット。
【請求項83】
IPVがD抗原単位約40のIPV-1、D抗原単位8のIPV-2及びD抗原単位32のIPV-3の用量で存在する、請求項82に記載のキット。
【請求項84】
第1の容器又は第3の容器が、リン酸アルミニウムに吸着していてもよいHBをさらに含む、請求項63から83のいずれかに記載のキット。
【請求項85】
HB表面抗原が約10μgの用量で存在する、請求項84に記載のキット。
【請求項86】
第3の容器を含む、請求項63から85のいずれかに記載のキット。
【請求項87】
第3の容器がCRMを含有しない、請求項86に記載のキット。
【請求項88】
第3の容器がTTに場合により結合した1又は複数の髄膜炎菌莢膜糖コンジュゲートを含む、請求項86又は87に記載のキット。
【請求項89】
第3の容器がDTPワクチンをさらに含む、請求項86から88のいずれかに記載のキット。
【請求項90】
DTが、場合によって10〜120μg、50〜100μg、70〜100μg又は80〜95μgの用量で、存在する、請求項89に記載のキット。
【請求項91】
TTが、場合によって10〜60μg、20〜50μg又は30〜48μgの用量で、存在する、請求項89又は90に記載のキット。
【請求項92】
DTPワクチンがPaを含む、請求項89から91のいずれかに記載のキット。
【請求項93】
PaがPT(又はPT誘導体)、FHA及びパータクチン(PRN)を含む、請求項92に記載のキット。
【請求項94】
PT(又はPT誘導体)がPa中に存在し、0.5mL用量当たり10μgを超えない、1〜9、1.5〜8、2〜6、2.5〜5μgの用量である、請求項92又は93に記載のキット。
【請求項95】
FHAがPa中に存在し、0.5mL用量当たり10μgを超えない、1〜9、1.5〜8、2〜6、2.5〜5μgの用量である、請求項92から94のいずれかに記載のキット。
【請求項96】
PRNがPa中に存在し、0.5mL用量当たり6μgを超えない、0.5〜6、0.8〜5、1〜4、2〜3μgの用量である、請求項92から95のいずれかに記載のキット。
【請求項97】
0.5mL用量当たりPTが約2.5μgの用量で存在し、FHAが約2.5μgの用量で存在し、PRNが約0.8μgの用量で存在する、請求項92から96のいずれかに記載のキット。
【請求項98】
0.5mL用量当たりPTが約5μgの用量で存在し、FHAが約5μgの用量で存在し、PRNが約2.5μgの用量で存在する、請求項92から96のいずれかに記載のキット。
【請求項99】
DTPワクチンがPwを含む、請求項89から91のいずれかに記載のキット。
【請求項100】
第3の容器がIPVをさらに含む、請求項86から99のいずれかに記載のキット。
【請求項101】
IPVがD抗原単位約40のIPV-1、D抗原単位8のIPV-2及びD抗原単位32のIPV-3の用量で存在する、請求項100に記載のキット。
【請求項102】
第3の容器が、リン酸アルミニウムに吸着していてもよいHBをさらに含む、請求項86から101のいずれかに記載のキット。
【請求項103】
HB表面抗原が約10μgの用量で存在する、請求項102に記載のキット。
【請求項104】
キット内の糖コンジュゲートのいずれもCRMに結合していない、請求項63から103のいずれかに記載のキット。
【請求項105】
キット内の1、2又は3の糖コンジュゲートが、場合によって第2の容器内で、DTに結合している、請求項63から104のいずれかに記載のキット。
【請求項106】
キット内の1、2、3又は4の糖コンジュゲートが、場合によって第2の容器内で、TTに結合している、請求項63から105のいずれかに記載のキット。
【請求項107】
Synflorixを場合によって第2の容器内に含む、請求項63から106のいずれかに記載のキット。
【請求項108】
DTPaワクチンがInfanrix-Hexaである、請求項71から107のいずれかに記載のキット。
【請求項109】
DTPaワクチンがPediacelである、請求項71から107のいずれかに記載のキット。
【請求項110】
9以上の糖コンジュゲートを含む一次免疫に適した混合ワクチンであって、
a)Hib糖コンジュゲートが存在するが、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合しておらず、
b)2〜7(2と7を含む)の糖コンジュゲートがCRMに結合しており、
c)1又は複数のその他の糖コンジュゲートがCRMに結合していない、
上記ワクチン。
【請求項111】
キット内に存在するCRM結合糖コンジュゲート当たりの平均CRM用量が1〜15μg、1〜10μg、1〜5μg又は1〜3μgである、請求項110に記載の混合ワクチン。
【請求項112】
キット内の全CRM量が35μg未満、例えば、2〜30μg、5〜25μg又は10〜20μgである、請求項110又は111に記載の混合ワクチン。
【請求項113】
リン酸アルミニウムに吸着していてもよいHBをさらに含む、請求項110から112のいずれかに記載の混合ワクチン。
【請求項114】
HB表面抗原が約10μgの用量で存在する、請求項113に記載の混合ワクチン。
【請求項115】
7以上の糖を含む一次免疫に適した混合ワクチンであって、
a)HBが存在し、
b)2〜6(2と6を含む)の糖コンジュゲートがCRMに結合しており、
c)1又は複数のその他の糖コンジュゲートがCRMに結合していない、
上記ワクチン。
【請求項116】
キット内に存在するCRM結合糖コンジュゲート当たりの平均CRM用量が1〜9μg、1〜6μg、1〜5μg又は1〜3μgである、請求項115に記載の混合ワクチン。
【請求項117】
キット内の全CRM量が20μg未満、例えば、2〜18μg又は5〜15μgである、請求項115又は116に記載の混合ワクチン。
【請求項118】
HB表面抗原がリン酸アルミニウムに吸着しており、場合によって約10μgの用量で存在する、請求項115から117のいずれかに記載の混合ワクチン。
【請求項119】
Hib糖コンジュゲートをさらに含む、請求項115から118のいずれかに記載の混合ワクチン。
【請求項120】
Hib糖コンジュゲートが糖1〜15、2〜10、3〜8又は4〜6μg、例えば、糖約10μgの用量で存在する、請求項110から119のいずれかに記載の混合ワクチン。
【請求項121】
Hib糖コンジュゲートが糖約2.5μgの用量で存在する、請求項110から120のいずれかに記載の混合ワクチン。
【請求項122】
Hib糖コンジュゲートがTTに結合している、請求項110から121のいずれかに記載の混合ワクチン。
【請求項123】
Hib糖コンジュゲート以外の1、2又は3の糖コンジュゲートがTTに結合している、請求項110から122のいずれかに記載の混合ワクチン。
【請求項124】
Hib糖コンジュゲートがアルミニウム塩に吸着していないか、又はリン酸アルミニウムに吸着している、請求項110から123のいずれかに記載の混合ワクチン。
【請求項125】
CRMに結合した糖コンジュゲートが肺炎球菌莢膜糖コンジュゲートである、請求項110から124のいずれかに記載の混合ワクチン。
【請求項126】
1又は複数のその他の糖コンジュゲートが髄膜炎菌莢膜糖コンジュゲートである、請求項110から125のいずれかに記載の混合ワクチン。
【請求項127】
DTPワクチンをさらに含む、請求項110から126のいずれかに記載の混合ワクチン。
【請求項128】
DTが、場合によって10〜120μg、50〜100μg、70〜100μg又は80〜95μgの用量で、存在する、請求項127に記載の混合ワクチン。
【請求項129】
TTが、場合によって10〜60μg、20〜50μg又は30〜48μgの用量で、存在する、請求項127又は128に記載の混合ワクチン。
【請求項130】
DTPワクチンがPaを含む、請求項127から129のいずれかに記載の混合ワクチン。
【請求項131】
PaがPT(又はPT誘導体)、FHA及びパータクチン(PRN)を含む、請求項130に記載の混合ワクチン。
【請求項132】
PT(又はPT誘導体)がPa中に存在し、0.5mL用量当たり10μgを超えない、1〜9、1.5〜8、2〜6、2.5〜5μgの用量である、請求項130又は131に記載の混合ワクチン。
【請求項133】
FHAがPa中に存在し、0.5mL用量当たり10μgを超えない、1〜9、1.5〜8、2〜6、2.5〜5μgの用量である、請求項130から132のいずれかに記載の混合ワクチン。
【請求項134】
PRNがPa中に存在し、0.5mL用量当たり6μgを超えない、0.5〜6、0.8〜5、1〜4、2〜3μgの用量である、請求項130から133のいずれかに記載の混合ワクチン。
【請求項135】
0.5mL用量当たりPTが約2.5μgの用量で存在し、FHAが約2.5μgの用量で存在し、PRNが約0.8μgの用量で存在する、請求項130から134のいずれかに記載の混合ワクチン。
【請求項136】
0.5mL用量当たりPTが約5μgの用量で存在し、FHAが約5μgの用量で存在し、PRNが約2.5μgの用量で存在する、請求項130から134のいずれかに記載の混合ワクチン。
【請求項137】
DTPワクチンがPwを含む、請求項127から129のいずれかに記載の混合ワクチン。
【請求項138】
IPVをさらに含む、請求項110から137のいずれかに記載の混合ワクチン。
【請求項139】
IPVがD抗原単位約40のIPV-1、D抗原単位8のIPV-2及びD抗原単位32のIPV-3の用量で存在する、請求項138に記載の混合ワクチン。
【請求項140】
一次免疫計画における請求項1から139のいずれかに記載のキット又は混合ワクチンの投与方法。
【請求項141】
Paが出生時に投与され、DTPa-Hibが一次免疫計画内で投与される、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
第1の容器の内容物を第2の容器の内容物と同時投与する、請求項1から109のいずれかに記載のキットの成分の投与方法。
【請求項143】
第1の容器の内容物を第2の容器の内容物と時間差投与する、請求項1から109のいずれかに記載のキットの成分の投与方法。
【請求項144】
第3の容器の内容物を第1及び第2の容器の内容物と同時投与する、請求項142に記載の方法。
【請求項145】
第3の容器の内容物を第1の容器の内容物と同時投与する、請求項143に記載の方法。
【請求項146】
第3の容器の内容物を第2の容器の内容物と同時投与する、請求項143に記載の方法。
【請求項147】
第3の容器の内容物を第1及び第2の容器の内容物と時間差投与する、請求項143に記載の方法。
【請求項148】
ワクチンの一次免疫計画における感受性抗原に対するCRMのバイスタンダー干渉を低減させる方法であって、以下のステップ、
a)ワクチンにおけるCRMの量及び/又はCRM上のコンジュゲートの数を減少させるステップ、
b)前記感受性抗原を含むワクチン中にIPVを含めるステップ、
c)前記感受性抗原を含むワクチン中にPwを含めるステップ、
d)前記感受性抗原を含むワクチンにおけるDT用量を減少させるステップ、
e)前記感受性抗原の用量を増加させるステップ、
f)Paが感受性抗原を含むワクチン中に存在するならば、Pa用量又はPa成分の数を減少させるステップ、
g)前記感受性抗原を含むワクチンからCRMを除去するか、又はキットからCRMを完全に除去するか、又は前記感受性抗原を含むワクチンからCRM、DT及びDT誘導体を除去するステップ
の1又は複数のステップを含む方法。
【請求項149】
感受性抗原がCRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していないHib、あるいはHBである、請求項148に記載の方法。
【請求項150】
Hib糖コンジュゲートが存在し、TTに結合しているならば、ワクチン中にさらにTTを含める追加的ステップを含む、請求項148又は149に記載の方法。
【請求項151】
追加されたTTが同時投与のためにHib糖コンジュゲートとは別の容器に供給される、請求項150に記載の方法。
【請求項152】
追加されたTTが3以下のその他の糖に結合している、請求項150又は151に記載の方法。
【請求項153】
Paが存在するならば、PT(又はPT誘導体)がPa中に存在し、0.5mL用量当たり10μgを超えない、1〜9、1.5〜8、2〜6、2.5〜5μgの用量である、請求項148から152のいずれかに記載の方法。
【請求項154】
Paが存在するならば、FHAがPa中に存在し、0.5mL用量当たり10μgを超えない、1〜9、1.5〜8、2〜6、2.5〜5μgの用量である、請求項148から153のいずれかに記載の方法。
【請求項155】
Paが存在するならば、PRNがPa中に存在し、0.5mL用量当たり6μgを超えない、0.5〜6、0.8〜5、1〜4、2〜3μgの用量である、請求項148から154のいずれかに記載の方法。
【請求項156】
Paが存在するならば、0.5mL用量当たりPTが約2.5μgの用量で存在し、FHAが約2.5μgの用量で存在し、PRNが約0.8μgの用量で存在する、請求項148から155のいずれかに記載の方法。
【請求項157】
Paが存在するならば、0.5mL用量当たりPTが約5μgの用量で存在し、FHAが約5μgの用量で存在し、PRNが約2.5μgの用量で存在する、請求項148から155のいずれかに記載の方法。
【請求項158】
PTが組換体である、請求項148から157のいずれかに記載の方法。
【請求項159】
PTの用量が減少している、請求項158に記載の方法。
【請求項160】
追加されたTTがSynflorixを同時投与することによって提供される、請求項148から159のいずれかに記載の方法。
【請求項161】
追加されたTTがMenC-TT及びInfanrix-hexaを同時投与することによって提供される、請求項148から160のいずれかに記載の方法。
【請求項162】
IPVがInfanrix-hexaによって提供される、請求項148から161のいずれかに記載の方法。
【請求項163】
Hib糖コンジュゲートがDTP-IPV-HBワクチンと別に投与される、請求項148から162のいずれかに記載の方法。
【請求項164】
CRMに結合した8以上の糖コンジュゲートを含むキットであって、
a)CRM、DT又はその他のDT誘導体の存在下で感受性抗原(複数可)
を含む第1の容器と、
b)CRMに結合した7以上の糖コンジュゲート、
c)場合によって、CRM、DT又はその他のDT誘導体に結合していない少なくとも1のその他の糖コンジュゲート
を含む第2の容器と、
場合によって、少なくとも1の糖コンジュゲートを場合によって含む第3の容器であって、
d)場合によってCRMに結合しており、
e)場合によってCRMに結合していないものである、第3の容器と
を含む上記キットを使用するとき、感受性抗原に対するバイスタンダー干渉を低減させる方法であって、前記感受性抗原を含む前記容器からCRM、DT又はその他のDT誘導体すべてを除去するか、又はCRMに結合した糖コンジュゲートの数を7以下に減少させるステップを含む方法。
【請求項165】
請求項1から156のいずれかに記載のキット又は混合ワクチンを使用した百日咳菌、破傷風菌、ジフテリア菌、B型肝炎ウイルス、インフルエンザ菌b型、肺炎連鎖球菌及び髄膜炎菌により引き起こされる疾患に対する免疫方法であって、
a)前記キット又は混合ワクチン内の各抗原が一次免疫計画において2〜3回投与され、
b)HibがCRM、DT又はその他のDT誘導体に結合しておらず、
c)7以上の肺炎連鎖球菌莢膜糖抗原コンジュゲートがあり、
d)CRMに結合した肺炎連鎖球菌及び髄膜炎菌莢膜糖抗原の数が8未満である、
上記方法。
【請求項166】
肺炎連鎖球菌糖抗原コンジュゲートがSynflorix中に含まれる、請求項165に記載の方法。
【請求項167】
SynflorixがInfanrix-Hexa及びMenCコンジュゲート含有ワクチンと同時投与されるか、又は時間差投与される、請求項165又は166に記載の方法。
【請求項168】
SynflorixがInfanrix-Penta及びHib-MenCコンジュゲート含有ワクチンと同時投与されるか、又は時間差投与される、請求項165又は166に記載の方法。
【請求項169】
SynflorixがInfanrix-Hexa-MenC含有ワクチンと同時投与されるか、又は時間差投与される、請求項165又は166に記載の方法。
【請求項170】
請求項1から139のいずれかに記載のキット又は混合ワクチンを使用した百日咳菌、破傷風菌、ジフテリア菌、B型肝炎ウイルス、インフルエンザ菌b型、肺炎連鎖球菌及び髄膜炎菌により引き起こされる疾患に対する免疫方法であって、
a)前記キット又は混合ワクチン内の各抗原が一次免疫計画において2〜3回投与され、
b)Pa用量又はPa成分の数が減少している、
上記方法。
【請求項171】
CRMがCRM-197である、請求項1から170に記載のキット、混合ワクチン又は方法。
【請求項172】
二つ以上の容器を含む同時投与用ワクチンのキットであって、
第1の容器が、
a)TTに結合したPRPを含むHib、
b)場合によってDTP、
c)場合によって1又は複数の他の抗原を含み、
第2の容器が、
d)1又は複数のタンパク質結合細菌糖を含み、前記1又は複数のタンパク質結合細菌糖がTTに結合しているワクチン、
e)場合によって1又は複数の他の抗原を含み、
場合によって、第3の容器が、
f)TTを含むワクチンを含み、
Hibに結合していないキット内のTTの全量が31μから55μg、35μgから50μg、又は40μgから45μgである、上記キット。
【請求項173】
二つ以上の容器を含む同時投与用ワクチンのキットであって、
第1の容器が、
a)TTに結合したPRPを含むHib、
b)場合によってDTP、
c)場合によって1又は複数の他の抗原を含み、
第2の容器が、
d)1又は複数のタンパク質結合細菌糖を含み、前記1又は複数のタンパク質結合細菌糖がTTに結合しているワクチン、
e)場合によって1又は複数の他の抗原を含み、
場合によって、第3の容器が、
f)TTを含むワクチンを含み、
第1の容器に入っていないキット内のTTの全量が1μgから25μg、5μgから20μg、又は10μgから15μgである、上記キット。
【請求項174】
請求項172に記載のキットである、請求項173に記載のキット。
【請求項175】
二つ以上の容器を含む同時投与用ワクチンのキットであって、
第1の容器が、
a)TTに結合したPRPを含むHib、
b)場合によってDTP、
c)場合によって1又は複数の他の抗原を含み、
第2の容器が、
d)1又は複数のタンパク質結合細菌糖を含み、前記1又は複数のタンパク質結合細菌糖がTTに結合しているワクチン、
e)場合によって1又は複数の他の抗原を含み、
場合によって、第3の容器が、
f)TTを含むワクチンを含み、
第1の容器に存在するが、Hib中のPRPに結合していないTTの量が20μgから40μg又は25から35μg又はおよそ若しくは正確に30μgである、上記キット。
【請求項176】
請求項172から174のいずれかに記載のキットである、請求項175に記載のキット。
【請求項177】
二つ以上の容器を含む同時投与用ワクチンのキットであって、
第1の容器が、
a)TTに結合したPRPを含むHib、
b)場合によってDTP、
c)場合によって1又は複数の他の抗原を含み、
第2の容器が、
d)1又は複数のタンパク質結合細菌糖を含み、前記1又は複数のタンパク質結合細菌糖がTTに結合しているワクチン、
e)場合によって1又は複数の他の抗原を含み、
場合によって、第3の容器が、
f)TTを含むワクチンを含み、
Hib中のPRPに結合したTTの量が10μgから40μg、15μgから35μg、20μgから30μg又はおよそ若しくは正確に25μgである、上記キット。
【請求項178】
請求項172から176のいずれかに記載のキットである、請求項177に記載のキット。
【請求項179】
Hib中のPRPがADHリンカーを介してTTに結合している、請求項172から178のいずれかに記載のキット。
【請求項180】
TTに結合した第2の容器内の異なるタンパク質結合細菌糖の数が1、2、3又は4である、請求項172から176のいずれかに記載のキット。
【請求項181】
第1の容器がb)DTPa又はDTPwを含む、請求項172から180のいずれかに記載のキット。
【請求項182】
第1の容器がc)IPV及び/又はHBを含む、請求項172から181のいずれかに記載のキット。
【請求項183】
f)DTPa又はDTPwを含む第3の容器を含む、請求項172から180のいずれかに記載のキット。
【請求項184】
第3の容器がIPV及び/又はHBをさらに含む、請求項183に記載のキット。
【請求項185】
第1の容器がc)TTに結合したMenC莢膜糖及び/又はTTに結合したMenY莢膜糖を含む、請求項172から184のいずれかに記載のキット。
【請求項186】
第3の容器がf)TTに結合したMenC莢膜糖及び/又はTTに結合したMenY莢膜糖を含む、請求項172から184のいずれかに記載のキット。
【請求項187】
第2の容器がd)タンパク質キャリアに結合した9、10、11、12、13、14又は15以上の異なる肺炎球菌莢膜糖を含む肺炎球菌ワクチンを含む、請求項172から186のいずれかに記載のキット。
【請求項188】
第2の容器がd)TTに結合した血清型18C莢膜糖を含む、請求項187に記載のキット。
【請求項189】
第2の容器がd)TTに結合したMenC莢膜糖及び/又はTTに結合したMenY莢膜糖を含む、請求項172から184のいずれかに記載のキット。
【請求項190】
請求項1から109のいずれか一項に記載の通りのキットである、請求項172から189のいずれかに記載のキット。
【請求項191】
出生時にPaを投与することによって引き起こされる、一次免疫計画において投与された感受性抗原を含むワクチンに対するバイスタンダー干渉を低減させる方法であって、以下のステップ、
h)出生時に接種するPa又はPa成分の数を減少させるステップ、
a)前記感受性抗原を含むワクチンにIPVを含めるステップ、
b)前記感受性抗原を含むワクチンにPwを含めるステップ、
c)前記感受性抗原を含むワクチン中のDT用量を減少させるステップ、
d)前記感受性抗原の用量を増加させるステップ、
e)CRMが存在するならば、CRMの量及び/又はCRM上の糖コンジュゲートの数を減少させるステップ、
f)Hibが前記感受性抗原ならば、DTPaを含む混合ワクチンと別にHibを投与するステップ、
g)HBが前記感受性抗原ならば、DTPaを含む混合ワクチンと別にHBを投与するステップ、
h)HBに対する免疫干渉を低減させるために出生時にPa-HBを投与するステップ
の1又は複数のステップを含む方法。
【請求項192】
感受性抗原がキャリアタンパク質に結合した肺炎球菌莢膜糖PS6B、Hib及び/又はHBである、請求項191に記載の方法。
【請求項193】
感受性抗原がHibであり、かつTTに結合したPRPを含み、バイスタンダー干渉を低減させる方法がワクチン中にさらにTTを含める追加的ステップを含む、請求項191に記載の方法。
【請求項194】
さらなるTTが別の容器に供給される、請求項193に記載の方法。
【請求項195】
さらなるTTが、3以下のその他の糖に結合している、請求項193又は194に記載の方法。
【請求項196】
出生時にPa及び一次免疫計画においてHibを患者に投与する方法であって、
Paが出生時に投与され、
一次免疫計画におけるHibがDTPaを含まないワクチンで投与される、上記方法。
【請求項197】
HibがMenC及び/又はMenY莢膜糖コンジュゲートと組み合わせて投与される、請求項196に記載の方法。
【請求項198】
出生時にPa及び一次免疫計画においてHBを患者に投与する方法であって、
Paが出生時に投与され、
一次免疫計画におけるHBがDTPaを含まないワクチンで投与される、上記方法。
【請求項199】
PT(又はPT誘導体)が出生時のPa中に存在し、0.5mL用量当たり10μgを超えない、1〜9、1.5〜8、2〜6、2.5〜5μgの用量である、請求項191から198のいずれかに記載の方法。
【請求項200】
FHAが出生時のPa中に存在し、0.5mL用量当たり10μgを超えない、1〜9、1.5〜8、2〜6、2.5〜5μgの用量である、請求項191から199のいずれかに記載の方法。
【請求項201】
PRNが出生時のPa中に存在し、0.5mL用量当たり6μgを超えない、0.5〜6、0.8〜5、1〜4、2〜3μgの用量である、請求項191から200のいずれかに記載のキット。
【請求項202】
PTが出生時のPa中に約2.5μgの用量で存在し、0.5mL用量当たりFHAが約2.5μgの用量で存在し、PRNが約0.8μgの用量で存在する、請求項191から201のいずれかに記載の方法。
【請求項203】
PTが出生時のPa中に約5μgの用量で存在し、0.5mL用量当たりFHAが約5μgの用量で存在し、PRNが約2.5μgの用量で存在する、請求項191から201のいずれかに記載の方法。
【請求項204】
出生時Pa中のPTが組換体である、請求項191から203のいずれかに記載の方法。
【請求項205】
出生時のPaがPTを含む、請求項191から204に記載の方法。
【請求項206】
出生時のPaがFHAを含む、請求項191から205に記載の方法。
【請求項207】
出生時のPaがPRNを含む、請求項191から206に記載の方法。
【請求項208】
出生時のPaがPTを含まない、請求項191から207に記載の方法。
【請求項209】
出生時のPaがFHAを含まない、請求項191から208に記載の方法。
【請求項210】
出生時のPaがPRNを含まない、請求項1から19に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2010−525035(P2010−525035A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504749(P2010−504749)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【国際出願番号】PCT/EP2008/055383
【国際公開番号】WO2008/135514
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(305060279)グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム (169)
【Fターム(参考)】