ワゴン収納用ガイド装置並びにワゴン付収納家具
【課題】ワゴンがキャビネットの収納開口部へと誘い込み案内されて収納開口部付近に傷を付けることなく収納可能となるワゴン収納用ガイド装置並びにこのワゴン収納用ガイド装置を具備したワゴン付収納家具を提供すること。
【解決手段】キャビネットCの収納開口部1の左右両側の開口縁2より前記キャビネットCの前方に向けて突設される誘い込みガイド5を備え、この突設された左右の誘い込みガイド5は、対向内側面にガイド面6を設けると共に、この左右のガイド面6は、その突出先端側が収納開口部1の左右両側の開口縁2の外側に位置するように構成し、ワゴンWを収納開口部1内に収納することに連動して、左右の誘い込みガイド5を収納開口部1内に退避させるガイド退避機構8を備えたワゴン収納用ガイド装置。
【解決手段】キャビネットCの収納開口部1の左右両側の開口縁2より前記キャビネットCの前方に向けて突設される誘い込みガイド5を備え、この突設された左右の誘い込みガイド5は、対向内側面にガイド面6を設けると共に、この左右のガイド面6は、その突出先端側が収納開口部1の左右両側の開口縁2の外側に位置するように構成し、ワゴンWを収納開口部1内に収納することに連動して、左右の誘い込みガイド5を収納開口部1内に退避させるガイド退避機構8を備えたワゴン収納用ガイド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワゴン付収納家具のワゴン収納用ガイド装置並びにこのワゴン収納用ガイド装置を具備したワゴン付収納家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、従来からキャスターにより移動可能なワゴンを備えた台所用のキャビネットが実施されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
具体的には、キャビネットの前面の一部にワゴンを収納可能な収納開口部を設け、この収納開口部からワゴンを引き出して使用でき、キャビネットから離れた位置にもワゴンを移動可能としているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−287696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このようなワゴン付収納家具の多くは、移動時の利便性を考慮してワゴンに水平旋回自在な自在キャスターが設けられている。
【0006】
しかしながらこの自在キャスターを備えたワゴンは、自在キャスターの方向が定まらないためにユーザーの意図とは異なる方向に移動してしまうことが往々にしてあり、そのため、例えばユーザーがワゴンをキャビネットの収納開口部に収納しようと真っ直ぐに移動させたつもりでも、ワゴンの移動方向が上手く定まらずにワゴンの後部をキャビネットの収納開口部付近の前面化粧板にぶつけて傷を付けてしまうおそれがあった。
【0007】
本発明は、このような従来のワゴン付収納家具の問題点に鑑み、これを解決しようとするもので、ワゴンをキャビネットの収納開口部に収納しようとする際に、多少位置がずれていてもワゴンが収納開口部へと誘い込み案内されて収納開口部付近に傷を付けることなく収納できるワゴン収納用ガイド装置並びにこのワゴン収納用ガイド装置を具備したワゴン付収納家具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
前面開口形の収納開口部1を備えたキャビネットCと、キャスター4を備え前記キャビネットCの収納開口部1に引き出し入れ自在に収納するワゴンWとから成るワゴン付収納家具に用いるワゴン収納用ガイド装置であって、前記収納開口部1の左右両側の開口縁2に、若しくは収納開口部1の左右両側の開口縁2付近の左右内側面3に、この収納開口部1より前記キャビネットCの前方に向けて突設される誘い込みガイド5を備え、この突設された左右の誘い込みガイド5は、対向内側面にガイド面6を設けると共に、この左右のガイド面6は、その突出先端側が前記収納開口部1の左右両側の開口縁2の外側に位置するように構成して、収納開口部1内へと押入れ移動させた前記ワゴンWの左右の後端部7のいずれかが左右のガイド面6のいずれかに接触すると、このガイド面6に沿ってワゴンWが収納開口部1内へと誘い込み案内されるように構成し、このワゴンWを前記収納開口部1内に収納することに連動して、前記左右の誘い込みガイド5を収納開口部1内に退避させるガイド退避機構8を備えたことを特徴とするワゴン収納用ガイド装置に係るものである。
【0010】
また、前記誘い込みガイド5は、前記左右のガイド面6がその突出先端側ほど左右の対向間隔が徐々に拡大するように設けて、この左右のガイド面6を傾斜ガイド面6に構成し、前記収納開口部1内へと押入れ移動させた前記ワゴンWの左右の後端部7のいずれかが左右の傾斜ガイド面6のいずれかに接触すると、この傾斜ガイド面6に沿ってワゴンWが収納開口部1内へと誘い込み案内されるように構成したことを特徴とする請求項1記載のワゴン収納用ガイド装置に係るものである。
【0011】
また、前記ガイド退避機構8は、ワゴンWの左右の後端部7を支承する支承部9を前記誘い込みガイド5に設け、この支承部9にワゴンWの左右の後端部7を支承した状態でワゴンWが更に収納開口部1内へと押入れられると、支承部9が収納開口部1内の後方へ押動されて左右の誘い込みガイド5が収納開口部1内に退避するように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置に係るものである。
【0012】
また、前記誘い込みガイド5は、前記キャビネットCの収納開口部1の左右両側の開口縁2に、若しくは収納開口部1の左右両側の開口縁2付近の左右内側面3に水平旋回可能に突設設される構成とし、この各誘い込みガイド5を収納開口部1の左右両側の開口縁2の外側に水平旋回させることで前記ガイド面6の突出先端側を前記収納開口部1の左右両側の開口縁2の外側に位置させ得るように構成し、この誘い込みガイド5を、そのガイド面6の突出先端側が前記収納開口部1の左右両側の開口縁2の外側に位置するように付勢保持するガイド付勢手段10を備え、前記ガイド退避機構8は、ワゴンWの左右の後端部7を支承する支承部9を前記誘い込みガイド5に設け、この支承部9にワゴンWの左右の後端部7を支承した状態でワゴンWが更に収納開口部1内へと押入れられて支承部9が収納開口部1内の後方へ押動されると、前記ガイド付勢手段10の付勢力に抗して誘い込みガイド5が収納開口部1の左右両側の開口縁2の内方へ水平旋回しつつ収納開口部1内の後方へ退避するように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置に係るものである。
【0013】
また、前記収納開口部1の前後方向に沿った長さを有しこの収納開口部1の前記左右内側面3に付設可能なスライド用レール11を備え、このスライド用レール11に、このスライド用レール11に沿って前記誘い込みガイド5を前後スライド移動可能に設け、このスライド用レール11若しくは誘い込みガイド5に、前記収納開口部1の左右内側面3に付設したスライド用レール11の前端部に誘い込みガイド5を位置決めしてこの誘い込みガイド5を収納開口部1よりキャビネットC前方へ突設状態に付勢保持するガイド付勢手段10を設け、前記ガイド退避機構8は、ワゴンWの左右の後端部7を支承する支承部9を前記誘い込みガイド5に設け、この支承部9に前記ワゴンWの左右の後端部7を支承した状態でワゴンWが更に収納開口部1内へと押入れられて支承部9が収納開口部1内の後方へ押動されると、誘い込みガイド5が前記ガイド付勢手段10の付勢力に抗して収納開口部1内の後方へと押動されて前記スライド用レール11に沿って収納開口部1内の後方にスライド退避するように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置に係るものである。
【0014】
また、前記収納開口部1の前後方向に沿った長さを有しこの収納開口部1の前記左右内側面3に付設可能なスライド用レール11を備え、このスライド用レール11に、このスライド用レール11に沿って前記誘い込みガイド5を前後スライド移動可能に設け、前記ワゴンWが前記収納開口部1内に押入れられる時に前記誘い込みガイド5とワゴンWの左右の後端部7とを係止し、且つこの係止状態の誘い込みガイド5とワゴンWの左右の後端部7とをワゴンWが収納開口部1内から引き出された時に係脱する係止手段12を備えて、この係止手段12によりワゴンWが収納開口部1内に押入れられる時には、ワゴンWと共に誘い込みガイド5が前記スライド用レール11に沿って収納開口部1内の後方にスライド退避する前記ガイド退避機構8を構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置に係るものである。
【0015】
また、前記収納開口部1の前後方向に沿った長さを有しこの収納開口部1の前記左右内側面3に付設可能なスライド用レール11を備え、このスライド用レール11に沿ってスライド移動可能であって前記ワゴンWの左右部に付設可能なスライド体13を備え、このスライド体13は、前記ワゴンWの前後方向に沿った長さを有する形状に形成すると共に、このスライド体13の長さ寸法を前記ワゴンWの前後幅寸法の1/2以上の長さ寸法に設定したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置に係るものである。
【0016】
また、前記ワゴンWを前記収納開口部1から引き出した際に、このワゴンWを収納開口部1に対し離脱不能状態にロックするロック・解除可能なロック機構14を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置に係るものである。
【0017】
また、前面開口形の収納開口部1を備えたキャビネットCと、キャスター4を備え前記キャビネットCの収納開口部1に引き出し入れ自在に収納するワゴンWとから成るワゴン付収納家具において、前記請求項1〜8のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイドを具備したことを特徴とするワゴン付収納家具に係るものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上述のように構成したから、収納開口部の左右両側からキャビネット前方に向けて誘い込みガイドを突設すると共に、この左右の誘い込みガイドの対向内側面のガイド面の突出先端側を収納開口部の左右両側の開口縁の外側に位置しているため、ワゴンの押し入れ方向が多少ずれても、ワゴンの左右の後端部のいずれかが左右のガイド面のいずれかに接触することでワゴンが収納開口部内へと誘い込み案内されることとなり、従ってたとえ自在キャスターを備えたワゴンであっても、ワゴンの左右の後端部をキャビネットの収納開口部付近にぶつけて傷付けてしまうようなことはなく、確実に且つ容易に収納開口部内へと収納でき、その上本発明では、ワゴンを収納開口部内に収納することに連動して左右の誘い込みガイドを収納開口部内に退避させるガイド退避機構を備えたから、ワゴンを収納開口部内に収納した状態では、左右の誘い込みガイドが収納開口部の前方に突設して邪魔となることがないなど、極めて実用性に優れた画期的なワゴン収納用ガイド装置並びにワゴン付収納家具となる。
【0019】
また、請求項2記載の発明においては、左右の傾斜ガイド面によりワゴンが収納開口部内へとスムーズに誘い込み案内されることになる一層実用性に優れたワゴン収納用ガイド装置となる。
【0020】
また、請求項3,4,5記載の発明においては、ワゴンをキャビネットの収納開口部に収納することに連動して、確実に左右の誘い込みガイドを収納開口部内に退避させるガイド退避機構を簡易構成にして容易に設計実現可能となる一層実用性に優れたワゴン収納用ガイド装置となる。
【0021】
また、特に請求項4記載の発明においては、左右の誘い込みガイドを収納開口部の左右両側の開口縁の外側に位置するように付勢保持したため、この付勢保持される誘い込みガイドのガイド面によりワゴンを収納開口部内へと一層良好に誘い込み案内することができる一層実用的な構成のワゴン収納用ガイド装置となる。
【0022】
また、特に請求項5記載の発明においては、左右の誘い込みガイドをスライド用レールの前端部に位置させて収納開口部よりキャビネット前方へ突設状態に付勢保持したため、左右の誘い込みガイドが勝手に収納開口部内へとスライド移動してしまうようなことがなく、この付勢保持される誘い込みガイドのガイド面によりワゴンを収納開口部内へと良好に誘い込み案内することができる一層実用的な構成のワゴン収納用ガイド装置となる。
【0023】
また、請求項6記載の発明においては、ワゴンをキャビネットの収納開口部内に押入れると、誘い込みガイドがワゴンの左右の後端部に係止してワゴンと共に誘い込みガイドが収納開口部内の後方へスライド退避し、逆にワゴンを収納開口部内からキャビネット前方へ引き出すと、誘い込みガイドがワゴンの左右の後端部から係脱してワゴンが自由に移動可能となる一層実用性に優れたワゴン収納用ガイド装置となる。
【0024】
また、請求項7記載の発明においては、ワゴンの引き出し入れ移動に際してワゴンの左右部に設ける長さのあるスライド体がスライド用レールに沿ってスライド移動するように構成したため、たとえ自在キャスターを備えたワゴンであっても、収納開口部内で左右にブレることなく安定的に引き出し入れ移動することになる一層実用性に優れたワゴン収納用ガイド装置となる。
【0025】
また、請求項8記載の発明においては、ロック機構でワゴンを収納開口部に対し離脱不能状態にロックすることができ、これによりワゴンを引き出し感覚で使用することも可能となる一層実用性に優れたワゴン収納用ガイド装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施例の、ワゴンを少し引き出した状態を示す概略説明斜視図である。
【図2】本実施例の、ワゴンをキャビネットから完全に引き出した状態を示す概略説明斜視図である。
【図3】本実施例の、ワゴンをキャビネットから完全に引き出した状態を示す説明平面図である。
【図4】本実施例の、ワゴンをキャビネットの収納開口部から引き出した状態を示す一部を切欠いた要部の説明拡大平断面図である。
【図5】図4の状態から、ワゴンを収納開口部内に押入れようとする状態を示す一部を切欠いた要部の説明拡大平断面図である。
【図6】図5の状態から、ワゴンを収納開口部の更に奥へと押入れた状態を示す一部を切欠いた要部の説明拡大平断面図である。
【図7】図6の状態から、ワゴンを収納開口部の更に奥へと押入れた状態を示す要部の説明拡大平断面図である。
【図8】本実施例の、収納開口部内に収納したワゴンを少し引き出した状態を示す要部の説明拡大平断面図である。
【図9】本実施例の、ワゴンの収納状態における要部の説明拡大正断面図である。
【図10】本実施例の、誘い込みガイドが先に収納開口部内に退避移動してしまった場合の作動を示す説明拡大平断面図である。
【図11】本実施例の、ワゴンの一部が収納開口部内にある状態でのロック機構を示す説明部分拡大斜視図である。
【図12】本実施例の、ワゴンを収納開口部から最大限引き出した状態でのロック機構を示す説明部分拡大斜視図である。
【図13】本実施例の、ロック機構を解除して誘い込みガイドを収納開口部前方へ突出させた状態を示す説明部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0028】
キャビネットCの収納開口部1の左右両側の開口縁2に、若しくは収納開口部1の左右両側の開口縁2付近の左右内側面3に、この収納開口部1より前記キャビネットCの前方に向けて誘い込みガイド5を突設する。
【0029】
キャビネットCの収納開口部1内に収納されているワゴンWは、必要に応じて収納開口部1からキャビネットC前方へ引き出して使用できる。また、引き出したワゴンWは、キャスター4により自由に移動させて所望の位置で使用可能である。
【0030】
また、引き出したワゴンWは、このワゴンWを後部から収納開口部1に向けて押し入れることで再び収納開口部1内に収納できるが、この際、ワゴンWの押し入れ方向が上手く定まらずに左右方向に多少位置ずれしてしまっても、キャビネットCの収納開口部1の左右両側の開口縁2、若しくは収納開口部1の左右両側の開口縁2付近の左右内側面3からキャビネットC前方に向けて誘い込みガイド5が突設していて、この左右の誘い込みガイド5の対向内側面のガイド面6の突出先端側が前記収納開口部1の左右両側の開口縁2の外側に位置しているので、収納開口部1内へと押入れ移動させた前記ワゴンWの左右の後端部7のいずれかが左右のガイド面6のいずれかに接触すると、このガイド面6に沿ってワゴンWが収納開口部1内へと誘い込み案内されることとなる。
【0031】
従って、たとえワゴンWのキャスター4が水平旋回自在で移動方向を定めにくい自在キャスター4であったとしても、ワゴンWの左右の後端部7のいずれかをキャビネットCの収納開口部1付近の前面化粧板にぶつけて傷を付けてしまうようなことはなく、左右の誘い込みガイド5により容易に且つ確実にワゴンWを収納開口部1内へ収納できる。
【0032】
また、ワゴンWをキャビネットCの収納開口部1内に収納すると、これに連動してガイド退避機構8により左右の誘い込みガイド5が収納開口部1内に退避することになる。
【0033】
従って、ワゴンWを収納開口部1内に収納した状態では、左右の誘い込みガイド5が収納開口部1の前方に突設して邪魔となることがない。
【実施例】
【0034】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0035】
本実施例は、前面開口形の収納開口部1を備えたキャビネットCと、水平旋回自在な自在キャスター4を備え前記キャビネットCの収納開口部1に引き出し入れ自在に収納するワゴンWとから成る台所用のワゴン付収納家具に適用したものである。
【0036】
また、本実施例のキャビネットCは、図1,図2に示すように、下部に前面が開口する箱形(直方体形)の前記収納開口部1を備えると共に、この収納開口部1の底面は部屋の床面と面一状態に設けられていて、この収納開口部1からワゴンWを容易に引き出し入れ可能としている。
【0037】
また、本実施例のワゴンWは、略直方体形のフレーム構造体に構成し、このワゴンWの前部には、キャビネットCの前面部に同調する前面化粧板17を設け、左右側部には前後の縦フレーム19間に側壁板18を架設状態に設け、下部四か所に前記自在キャスター4を設けている。尚、図面では、ワゴンWにダストボックス20を複数(図面では三個)収納した場合を示している。
【0038】
本実施例は、前記キャビネットCの収納開口部1の左右両側の開口縁2に、若しくは収納開口部1の左右両側の開口縁2付近の左右内側面3に、ワゴン収納用ガイド装置を設けている。
【0039】
本実施例のワゴン収納用ガイド装置は、前記キャビネットCの収納開口部1の前後方向に沿った長さを有しこの収納開口部1の前記左右内側面3に付設可能なスライド用レール11を備え、このスライド用レール11に、このスライド用レール11に沿って前記誘い込みガイド5を前後スライド移動可能に設け、前記左右内側面3に付設したこのスライド用レール11の前端部に誘い込みガイド5を位置させた際に、収納開口部1の左右両側の開口縁2よりキャビネットC前方へ向けて誘い込みガイド5を突設し得るように構成している。
【0040】
具体的には、本実施例のスライド用レール11は、キャビネットCの左右内側面3の前後長さと同等の長さ寸法を有する正断面コ字形を呈する長尺材で構成し、このスライド用レール11の中間部11Aの外側面を左右内側面3に付設して上下の突出部11Bを収納開口部1の内方へ突出状態に設けている。
【0041】
また、このスライド用レール11の上下の突出部11Bには、この各突出部11B(スライド用レール11)の長さ方向に沿って且つ各突出部11Bの長さ方向の略全域にガイド溝15を刻設している。即ち、このスライド用レール11に沿って誘い込みガイド5を収納開口部1の前後方向の略全域にスライド移動可能に設けている。
【0042】
本実施例の誘い込みガイド5は、図4〜図8に示すように、平面視L字形を呈する部材で構成し、この誘い込みガイド5の角部の上下には、前記ガイド溝15に嵌合可能なスライドピン16を突設している。
【0043】
このスライド用レール11と誘い込みガイド5との取付構造は、誘い込みガイド5の角部上下の前記スライドピン16をスライド用レール11の上下の突出部11Bのガイド溝15に夫々嵌挿することで取付した構造とし(図9参照)、このガイド溝15に沿って誘い込みガイド5がスライド用レール11の長さ方向(収納開口部1の前後方向)にスライド移動可能であって、且つガイド溝15(スライド用レール11)に対しスライドピン16を支点にして誘い込みガイド5を水平方向に旋回可能に設けている。
【0044】
また、誘い込みガイド5をスライド用レール11に取付した際に、この誘い込みガイド5の角部を境にした一側端部の外側面がスライド用レール11の中間部11Aの内側面と小間隙を置いた略平行状態となるように構成し、これにより誘い込みガイド5はスライド用レール11の端部以外の位置では水平旋回不能であって、その一側端部がスライド用レール11と略平行状態を維持したまま前後方向にスライド移動するように構成している。
【0045】
また、この左右の誘い込みガイド5は、スライド用レール11の前端部に位置させた際に夫々の一側端部が収納開口部1から前方へ突出する形状に形成すると共に、この際左右の誘い込みガイド5の夫々の他側端部が収納開口部1の対向内側に向かって突出するようにしてスライド用レール11に取付した構造としている。
【0046】
また、この左右の誘い込みガイド5の角部を境にした一側端部の対向内側面を平坦面形状に形成して、この夫々の平坦面をガイド面6としている。
【0047】
また、左右の誘い込みガイド5は、スライド用レール11の前端部に位置させると、一側端部の外側面の広範囲がスライド用レール11の前方へ露出するために水平旋回可能となるが、この際に一側端部を外側に開くように旋回させると、ガイド面6の反対側の外側面がスライド用レール11の前記中間部11Aの前側端部に当接することで旋回阻止状態となるように構成すると共に、この中間部11Aの前側端部は前端側ほど外向きに傾斜する傾斜面23に形成している。
【0048】
即ち、スライド用レール11の前記中間部11Aの前側端部の傾斜面が誘い込みガイド5の旋回ストッパー23として機能するように構成し、この際、左右のガイド面6がその突出先端側ほど左右の対向間隔が徐々に拡大する傾斜ガイド面6となる状態で旋回阻止されるように旋回ストッパー23の傾斜面形状を設定構成して、左右のガイド面6の突出先端側が前記収納開口部1の左右両側の開口縁2の外側に位置するようにしている(左右の誘い込みガイド5がいずれも外向きに開いて収納開口部1前方へ傾斜したガイド面6が表出するように構成している。)。
【0049】
また、この際本実施例では、ガイド面6の突出先端部が、収納開口部1の左右の開口縁2より10〜15mm程度開口縁2の外側に位置すると共に、収納開口部1の左右の開口縁2より30〜35mm程度キャビネットCの前方に位置するように構成している。出願人の試作実験によれば、ガイド面6の左右の開口縁2からの突出長を上記のように設定することでワゴンWの良好な誘い込み作用が発揮されると共に、収納開口部1の枠外へ誘い込みガイド5が突出せずに他の家具などの邪魔にならないことが確認されている。
【0050】
従って、収納開口部1内へと押入れ移動させた前記ワゴンWの左右の後端部7のいずれかが左右の傾斜ガイド面6のいずれかに接触すると、この平坦な傾斜ガイド面6に沿ってワゴンWが収納開口部1内へとスムーズに誘い込み案内されるように構成している。
【0051】
本実施例では、前記誘い込みガイド5を、そのガイド面6の突出先端側が前記収納開口部1の左右両側の開口縁2の外側に位置するように付勢保持すると共に、この誘い込みガイド5をスライド用レール11の前端部に位置決めして誘い込みガイド5の一側端部を収納開口部1よりキャビネットC前方へ突設状態に付勢保持するガイド付勢手段10を備えている。
【0052】
具体的には、ガイド付勢手段10は、図4〜図6に示すように、誘い込みガイド5の角部付近に弾性体21(コイルバネ21)と摩擦ピン22とを内装して、この弾性体21により摩擦ピン22が誘い込みガイド5の外側面から外方へ常に突出付勢されるように構成し、この突出付勢される摩擦ピン22の突出先端部が前記スライド用レール11の中間部11Aの内側面に圧接摩擦当接することで誘い込みガイド5のスライド移動に抵抗を付与し、この移動抵抗(摩擦抵抗)により誘い込みガイド5をスライド用レール11の前端部に位置決めして誘い込みガイド5の一側端部を収納開口部1よりキャビネットC前方へ突設状態に付勢保持できる構成としている。
【0053】
また、摩擦ピン22は、前記誘い込みガイド5のスライドピン16よりやや後側に位置するように設ける一方、前記左右のスライド用レール11の前記ガイド溝15の前端側を、平面視で夫々対向内側方向に傾斜するように形成し、これによりこの前端側の傾斜ガイド溝15Aの前端部に誘い込みガイド5の前記スライドピン16が位置すると、誘い込みガイド5の外側面とスライド用レール11の中間部11Aの内側面との隙間が広くなることで誘い込みガイド5がスライドピン16を支点に水平旋回可能となり、この際、摩擦ピン22の突出付勢力によってスライドピン16を支点に誘い込みガイド5が前記旋回ストッパー23に当接するまで自動的に旋回し、誘い込みガイド5が外向きに開くように付勢保持されてワゴンWを収納するための待機状態をこのガイド付勢手段10で保持できる構成としている。
【0054】
また、本実施例のワゴン収納用ガイド装置は、ワゴンWを前記収納開口部1に収納することに連動して、前記左右の誘い込みガイド5を収納開口部1内に退避させるガイド退避機構8を備えている。
【0055】
本実施例のガイド退避機構8は、ワゴンWの左右の後端部7を支承する支承部9を前記誘い込みガイド5に設け、この支承部9にワゴンWの左右の後端部7を支承した状態でワゴンWが更に収納開口部1内へと押入れられると、支承部9が収納開口部1内の後方へ押動されて左右の誘い込みガイド5が収納開口部1内に退避するように構成している。
【0056】
具体的には、図4〜図8に示すように、左右の誘い込みガイド5の、収納開口部1の対向内側に向かって突出する他側端部の前記ガイド面6と連設する側の面を前記支承部9としている。
【0057】
また、この支承部9は、ワゴンWの左右の後端部7(後述する嵌着部25)の外形状に合わせて凹湾曲面状に形成している。
【0058】
従って、ワゴンWを収納開口部1内に押入れると、ワゴンWの左右の後端部7が支承部9に支承されることとなる構成とし(ワゴンWの左右の後端部7がガイド面6に沿って収納開口部1内へと誘い込み案内された場合も、やがてこの後端部7が支承部9に支承されることとなる構成とし)、この支承部9に後端部7を支承した状態でワゴンWが更に収納開口部1内へと押入れられると支承部9も収納開口部1内の後方へと押動されることになり、これにより誘い込みガイド5が前記ガイド付勢手段10の付勢力に抗してスライド用レール11に沿って収納開口部1内の後方へと押動されて前記スライド用レール11に沿って収納開口部1内の後方にスライド退避すると共に、この際、支承部9が後方へ押されることで誘い込みガイド5が収納開口部1の左右両側の開口縁2の内方へ水平旋回し、誘い込みガイド5の外側面がスライド用レール11の中間部11Aの内側面に当接することで内方への旋回が阻止されて最終的にガイド面6がスライド用レール11と略平行となった状態で収納開口部1内の後方に退避する構成としている(図5〜図8参照)。
【0059】
また、本実施例のワゴン収納用ガイド装置は、前記スライド用レール11に沿ってスライド移動可能であって前記ワゴンWの左右部に付設可能なスライド体13を備え、このスライド体13は、ワゴンWの前後方向に沿った長さを有する形状に形成すると共に、このスライド体13の長さ寸法を前記ワゴンWの前後幅寸法の1/2以上(好ましくは2/3程度)の長さ寸法に設定している。
【0060】
具体的には、ワゴンWの左右部の前後の縦フレーム19間に架設可能な補強桟24を備え、この補強桟24に前記スライド体13を設けている。
【0061】
また、このスライド体13は、前記スライド用レール11の上下の突出部11B間にスライド可能に配設する帯板状にして補強桟24の両端側を除いた側面部に一体的に突設している。
【0062】
また、この補強桟24の、ワゴンWの左右部の前後の縦フレーム19への付設構造は、補強桟24の両端部に縦フレーム19に被嵌可能な平面視C状の嵌着部25を設け、この両端部の嵌着部24を前後の縦フレーム19に嵌着することによって前後の縦フレーム19間に架設した構造としている。
【0063】
また、この嵌着部25と前記スライド体13とは、嵌着部25の開口方向とスライド体13の突出方向とが互いに逆向きとなるようにして補強桟24に設け、嵌着部24をワゴンWの左右外側から縦フレーム19に嵌着すると、スライド体13がワゴンWの左右部から外側水平方向へ突設する構成としている。
【0064】
また、補強桟24は、例えば樹脂製として、スライド体13と嵌着部25とを一体成形している。
【0065】
従って、自在キャスター4を備えた本実施例のワゴンWは、移動方向を定めづらいが、ワゴンWを収納開口部1に対し引き出し入れする際に、ワゴンWの左右部の長さのあるスライド体13が収納開口部1の左右内側面3のスライド用レール11に沿ってスライド移動することで、この収納開口部11内でワゴンWが左右にブレずに安定的に移動できる構成としている。
【0066】
また、本実施例では、前記ワゴンWが前記収納開口部1内に押入れられる時に前記誘い込みガイド5とワゴンWの左右の後端部7とを係止し、且つこの係止状態の誘い込みガイド5とワゴンWの左右の後端部7とをワゴンWが収納開口部1内から引き出された時に係脱する係止手段12を誘い込みガイド5とワゴンWの左右の後端部7とに設けている。
【0067】
従って、この係止手段12によりワゴンWが収納開口部1内に押入れられる時には、ワゴンWと共に誘い込みガイド5が収納開口部1内の後方にスライド退避する前記ガイド退避機構8を構成している。
【0068】
本実施例の係止手段12は、図4〜図8に示すように、誘い込みガイド5の前記ガイド面6に、このガイド面6の先端部から基端部(角部)にかけての中ほどに抜け止め用突起26を設けると共に、この抜け止め突起26は、ガイド面6より左右の誘い込みガイド5の対向内側に向けて突出状態に設けている。
【0069】
また、この抜け止め用突起26は、ガイド面6の先端側に位置する表面部位を、ガイド面6から緩やかな傾斜角度で立ち上がる緩傾斜面形状に形成してこの部位を乗り上がり面26Aとすると共に、ガイド面6の基端側に位置する表面部位を、ガイド面6Aから直角に近い急角度で立ち上がる急傾斜面形状に形成してこの部位をストッパ面26Bとし、この乗り上がり面26Aとストッパ面26BとをR面取りした連設角部を介して連設した構成としている。
【0070】
また、この抜け止め用突起26の前記ストッパ面26Bと、このストッパ面26Bより基端側(角部側)に位置するガイド面6とこの基端側ガイド面に角部を介して連設する前記支承部9の基端側面(角部側面)とで、係合凹部27を構成している。
【0071】
一方、ワゴンWには、後部左右の縦フレーム9に被嵌着する前記嵌着部25の外側面に前記スライド体13と同じ方向に向けて前記係合凹部27に係止可能な係止凸部28を一体的に突設し、この嵌着部25並びに係止凸部28をワゴンWの前記後端部7としている。
【0072】
従って、ワゴンWの左右の後端部7の係止凸部28が係合凹部27に嵌合配置することでワゴンWの左右の後端部7に誘い込みガイド5が係止することとなり、これによりワゴンWの引き出し入れ移動に連動して誘い込みガイド5も収納開口部1内を前後方向に移動する構成としている。
【0073】
また、誘い込みガイド5のスライドピン16がスライド用レール11の前記傾斜ガイド溝15Aの前端部に位置して誘い込みガイド5が最大限外方へ開いた状態では、係止凸部28が係合凹部27に係止できないように、誘い込みガイド5の開き角度並びに抜け止め突起26の突出度並びに係止凸部28の突出度を設定構成し、ワゴンWの後端部7(嵌着部25)を前記支承部9に支承した状態でワゴンWを収納開口部1内へと更に押入れると、支承部9が後方に押されることでガイド面6がスライド用レール11と略平行となるまで内方へ水平旋回して係止凸部28と係合凹部27とが係止するように構成し、これによりワゴンWと一緒に誘い込みガイド5が収納開口部1内に退避すると共に、誘い込みガイド5が収納開口部1内に退避した状態では、ワゴンWを前方へ引動しても係止凸部28が抜け止め突起26の前記ストッパ面26Bに当たって抜け止め保持されてワゴンWと共に誘い込みガイド5が前方に移動することになる構成としている(図4〜図8参照)。
【0074】
また、収納状態のワゴンWを収納開口部1から前方へ引き出せば、誘い込みガイド5がスライド用レール11の前端部に達したところで、収納開口部1の開口縁から突出して外方へ自動的に開き、誘い込みガイド5が最大限開くと、係止凸部28が係合凹部27から係脱してワゴンWを更に前方へと引き出す(ワゴンWをキャビネットCから分離する)ことができるように構成している。
【0075】
更に、本実施例の抜け止め突起26は、誘い込みガイド5の外側面の方向へ没動可能(ガイド面6に対し没入可能)に設けると共に、弾性体29により常に突出付勢されるように構成している。
【0076】
具体的には、誘い込みガイド5に、そのガイド面6側が開口する凹所30を設け、この凹所30に抜け止め突起26を収納すると共に、この抜け止め突起26は、その先端側(前記乗り上がり面26Aの先端側)を支軸31により凹所30(誘い込みガイド5)に枢着して、この抜け止め突起26の基端側がガイド面6に対して起伏するように回動可能に設けている。
【0077】
また、この抜け止め突起26を伏動回動させて凹所30に最大限収納すると、抜け止め突起26の前記乗り上がり面26Aがガイド面6と略面一状態となるように、抜け止め突起26の形状並びに凹所30の形状を設定構成している。
【0078】
また、この抜け止め突起26には、前記弾性体29としてのトーションバネ29を内装し、このトーションバネ29の一端を抜け止め突起26に当接すると共に、他端を前記凹所30の底部に当接するように配置して、トーションバネ29の付勢力により抜け止め突起26が常時ガイド面6より突出付勢されるように構成している。
【0079】
また、抜け止め突起26と凹所30には、互いに当接し合うことで、突出付勢される抜け止め突起26の突出方向への過回動を阻止する回動限ストッパー34を設けている。
【0080】
この抜け止め突起26の没動構造は、ワゴンWを収納開口部1内に収納する際に、上手く係止凸部28が係合凹部27に係止することができず(ワゴンWの後端部7と誘い込みガイド5とが係止せず)に、先に誘い込みガイド5が収納開口部1内の後方へ退避移動してしまった場合でも、最終的には係止凸部28が係合凹部27に係止するようにしたものである。即ち、収納開口部1内に退避してスライド用レール11と略平行となったガイド面6に沿って後端部7(係止凸部28)が後方へ移動すると抜け止め突起26にぶつかるが、この抜け止め突起26はガイド面6と隣接する先端側が緩やかな乗り上がり面26Aであるためにこの乗り上がり面26Aに乗り上がり易い上、この際に抜け止め突起26が前記弾性体29の付勢力に抗して没動することで抵抗となりにくいので、係止凸部28が係合凹部27に係止することになる構成としている(図10参照)。
【0081】
また、本実施例では、前記ワゴンWを前記収納開口部1から引き出した際に、このワゴンWを収納開口部1に対し離脱不能状態にロックするロック・解除可能なロック機構14を前記スライド用レール11と前記誘い込みガイド5とに設けている。
【0082】
具体的には、本実施例のロック機構14は、図11〜図13に示すように、スライド用レール11の上側の突出部11Bの前端部上面に、ストッパースイッチ32を起伏回動自在に設けている。
【0083】
また、このストッパースイッチ32は、スライド用レール11の後部側が鋭角状に先細る形状に形成してこの鋭角状先端部の前記収納開口部1の内方に位置する側の側面を阻止傾斜面32Aとすると共に、この鋭角状先端部が上側の突出部11Bの上面に伏した状態から、上方へ起立した状態に至るまでの略90度範囲で起伏回動自在に設けている。
【0084】
一方、前記誘い込みガイド5の他側端部を、前記スライド用レール11の上側の突出部11Bより上方へ突出する形状に形成すると共に、この他側端部の上部に、スライド用レール11の上側の突出部11Bの前端部上面に伏した前記ストッパースイッチ32の阻止傾斜面32Aに対応する傾斜角度の傾斜当接部33を一体的に突設し、この傾斜当接部33が伏状態のストッパースイッチ32の阻止傾斜面32Aに当接することで、誘い込みガイド5の前方へのスライド移動が阻止されると共に、誘い込みガイド5が外方へ開くことが阻止される構成としている(図12参照)。
【0085】
このストッパースイッチ32を上方へ起動回動して起立させると、阻止傾斜面32Aに傾斜当接部33が当接できない状態となり、これにより誘い込みガイド5が外方へ開きつつ前方へ移動すると、傾斜当接部33がストッパースイッチ32を避けて収納開口部1前方へ誘い込みガイド5の一側端部が突出することになる構成としている(図13参照)。
【0086】
従って、ストッパースイッチ32を伏状態としておくことで、ワゴンWを収納開口部1(キャビネットC)から分離できないロック状態とでき、このロック状態からストッパースイッチ32を起立状態に切り替えることで、ワゴンWをロック解除してキャビネットCから分離できる構成としている。
【0087】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【0088】
また、本実施例では、前面開口形の収納開口部1を備えたキャビネットCと、キャスター4を備え前記キャビネットCの収納開口部1に引き出し入れ自在に収納するワゴンWとから成るワゴン付収納家具に用いるワゴン収納用ガイド装置とした場合を示したが、前記キャビネットCの収納開口部1の左右両側の開口縁2に、若しくは収納開口部1の左右両側の開口縁2付近の左右内側面3に、この収納開口部1よりキャビネットC前方へ向けて誘い込みガイド5を突設し、この左右の誘い込みガイド5の対向内側面にガイド面6を設けると共に、この左右のガイド面6は、その突出先端側が前記収納開口部1の左右両側の開口縁2の外側に位置するように構成して、収納開口部1内へと押入れ移動させた前記ワゴンWの左右の後端部7のいずれかが左右のガイド面6のいずれかに接触すると、このガイド面6に沿ってワゴンWが収納開口部1内へと誘い込み案内されるように構成し、このワゴンWを前記収納開口部1内に収納することに連動して、前記左右の誘い込みガイド5を収納開口部1内に退避させるガイド退避機構8を備えたワゴン付収納家具を構成しても良い。
【符号の説明】
【0089】
1 収納開口部
2 開口縁
3 内側面
4 キャスター
5 誘い込みガイド
6 ガイド面
7 後端部
8 ガイド退避機構
9 支承部
10 ガイド付勢手段
11 スライド用レール
12 係止手段
13 スライド体
14 ロック機構
C キャビネット
W ワゴン
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワゴン付収納家具のワゴン収納用ガイド装置並びにこのワゴン収納用ガイド装置を具備したワゴン付収納家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、従来からキャスターにより移動可能なワゴンを備えた台所用のキャビネットが実施されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
具体的には、キャビネットの前面の一部にワゴンを収納可能な収納開口部を設け、この収納開口部からワゴンを引き出して使用でき、キャビネットから離れた位置にもワゴンを移動可能としているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−287696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このようなワゴン付収納家具の多くは、移動時の利便性を考慮してワゴンに水平旋回自在な自在キャスターが設けられている。
【0006】
しかしながらこの自在キャスターを備えたワゴンは、自在キャスターの方向が定まらないためにユーザーの意図とは異なる方向に移動してしまうことが往々にしてあり、そのため、例えばユーザーがワゴンをキャビネットの収納開口部に収納しようと真っ直ぐに移動させたつもりでも、ワゴンの移動方向が上手く定まらずにワゴンの後部をキャビネットの収納開口部付近の前面化粧板にぶつけて傷を付けてしまうおそれがあった。
【0007】
本発明は、このような従来のワゴン付収納家具の問題点に鑑み、これを解決しようとするもので、ワゴンをキャビネットの収納開口部に収納しようとする際に、多少位置がずれていてもワゴンが収納開口部へと誘い込み案内されて収納開口部付近に傷を付けることなく収納できるワゴン収納用ガイド装置並びにこのワゴン収納用ガイド装置を具備したワゴン付収納家具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0009】
前面開口形の収納開口部1を備えたキャビネットCと、キャスター4を備え前記キャビネットCの収納開口部1に引き出し入れ自在に収納するワゴンWとから成るワゴン付収納家具に用いるワゴン収納用ガイド装置であって、前記収納開口部1の左右両側の開口縁2に、若しくは収納開口部1の左右両側の開口縁2付近の左右内側面3に、この収納開口部1より前記キャビネットCの前方に向けて突設される誘い込みガイド5を備え、この突設された左右の誘い込みガイド5は、対向内側面にガイド面6を設けると共に、この左右のガイド面6は、その突出先端側が前記収納開口部1の左右両側の開口縁2の外側に位置するように構成して、収納開口部1内へと押入れ移動させた前記ワゴンWの左右の後端部7のいずれかが左右のガイド面6のいずれかに接触すると、このガイド面6に沿ってワゴンWが収納開口部1内へと誘い込み案内されるように構成し、このワゴンWを前記収納開口部1内に収納することに連動して、前記左右の誘い込みガイド5を収納開口部1内に退避させるガイド退避機構8を備えたことを特徴とするワゴン収納用ガイド装置に係るものである。
【0010】
また、前記誘い込みガイド5は、前記左右のガイド面6がその突出先端側ほど左右の対向間隔が徐々に拡大するように設けて、この左右のガイド面6を傾斜ガイド面6に構成し、前記収納開口部1内へと押入れ移動させた前記ワゴンWの左右の後端部7のいずれかが左右の傾斜ガイド面6のいずれかに接触すると、この傾斜ガイド面6に沿ってワゴンWが収納開口部1内へと誘い込み案内されるように構成したことを特徴とする請求項1記載のワゴン収納用ガイド装置に係るものである。
【0011】
また、前記ガイド退避機構8は、ワゴンWの左右の後端部7を支承する支承部9を前記誘い込みガイド5に設け、この支承部9にワゴンWの左右の後端部7を支承した状態でワゴンWが更に収納開口部1内へと押入れられると、支承部9が収納開口部1内の後方へ押動されて左右の誘い込みガイド5が収納開口部1内に退避するように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置に係るものである。
【0012】
また、前記誘い込みガイド5は、前記キャビネットCの収納開口部1の左右両側の開口縁2に、若しくは収納開口部1の左右両側の開口縁2付近の左右内側面3に水平旋回可能に突設設される構成とし、この各誘い込みガイド5を収納開口部1の左右両側の開口縁2の外側に水平旋回させることで前記ガイド面6の突出先端側を前記収納開口部1の左右両側の開口縁2の外側に位置させ得るように構成し、この誘い込みガイド5を、そのガイド面6の突出先端側が前記収納開口部1の左右両側の開口縁2の外側に位置するように付勢保持するガイド付勢手段10を備え、前記ガイド退避機構8は、ワゴンWの左右の後端部7を支承する支承部9を前記誘い込みガイド5に設け、この支承部9にワゴンWの左右の後端部7を支承した状態でワゴンWが更に収納開口部1内へと押入れられて支承部9が収納開口部1内の後方へ押動されると、前記ガイド付勢手段10の付勢力に抗して誘い込みガイド5が収納開口部1の左右両側の開口縁2の内方へ水平旋回しつつ収納開口部1内の後方へ退避するように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置に係るものである。
【0013】
また、前記収納開口部1の前後方向に沿った長さを有しこの収納開口部1の前記左右内側面3に付設可能なスライド用レール11を備え、このスライド用レール11に、このスライド用レール11に沿って前記誘い込みガイド5を前後スライド移動可能に設け、このスライド用レール11若しくは誘い込みガイド5に、前記収納開口部1の左右内側面3に付設したスライド用レール11の前端部に誘い込みガイド5を位置決めしてこの誘い込みガイド5を収納開口部1よりキャビネットC前方へ突設状態に付勢保持するガイド付勢手段10を設け、前記ガイド退避機構8は、ワゴンWの左右の後端部7を支承する支承部9を前記誘い込みガイド5に設け、この支承部9に前記ワゴンWの左右の後端部7を支承した状態でワゴンWが更に収納開口部1内へと押入れられて支承部9が収納開口部1内の後方へ押動されると、誘い込みガイド5が前記ガイド付勢手段10の付勢力に抗して収納開口部1内の後方へと押動されて前記スライド用レール11に沿って収納開口部1内の後方にスライド退避するように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置に係るものである。
【0014】
また、前記収納開口部1の前後方向に沿った長さを有しこの収納開口部1の前記左右内側面3に付設可能なスライド用レール11を備え、このスライド用レール11に、このスライド用レール11に沿って前記誘い込みガイド5を前後スライド移動可能に設け、前記ワゴンWが前記収納開口部1内に押入れられる時に前記誘い込みガイド5とワゴンWの左右の後端部7とを係止し、且つこの係止状態の誘い込みガイド5とワゴンWの左右の後端部7とをワゴンWが収納開口部1内から引き出された時に係脱する係止手段12を備えて、この係止手段12によりワゴンWが収納開口部1内に押入れられる時には、ワゴンWと共に誘い込みガイド5が前記スライド用レール11に沿って収納開口部1内の後方にスライド退避する前記ガイド退避機構8を構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置に係るものである。
【0015】
また、前記収納開口部1の前後方向に沿った長さを有しこの収納開口部1の前記左右内側面3に付設可能なスライド用レール11を備え、このスライド用レール11に沿ってスライド移動可能であって前記ワゴンWの左右部に付設可能なスライド体13を備え、このスライド体13は、前記ワゴンWの前後方向に沿った長さを有する形状に形成すると共に、このスライド体13の長さ寸法を前記ワゴンWの前後幅寸法の1/2以上の長さ寸法に設定したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置に係るものである。
【0016】
また、前記ワゴンWを前記収納開口部1から引き出した際に、このワゴンWを収納開口部1に対し離脱不能状態にロックするロック・解除可能なロック機構14を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置に係るものである。
【0017】
また、前面開口形の収納開口部1を備えたキャビネットCと、キャスター4を備え前記キャビネットCの収納開口部1に引き出し入れ自在に収納するワゴンWとから成るワゴン付収納家具において、前記請求項1〜8のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイドを具備したことを特徴とするワゴン付収納家具に係るものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上述のように構成したから、収納開口部の左右両側からキャビネット前方に向けて誘い込みガイドを突設すると共に、この左右の誘い込みガイドの対向内側面のガイド面の突出先端側を収納開口部の左右両側の開口縁の外側に位置しているため、ワゴンの押し入れ方向が多少ずれても、ワゴンの左右の後端部のいずれかが左右のガイド面のいずれかに接触することでワゴンが収納開口部内へと誘い込み案内されることとなり、従ってたとえ自在キャスターを備えたワゴンであっても、ワゴンの左右の後端部をキャビネットの収納開口部付近にぶつけて傷付けてしまうようなことはなく、確実に且つ容易に収納開口部内へと収納でき、その上本発明では、ワゴンを収納開口部内に収納することに連動して左右の誘い込みガイドを収納開口部内に退避させるガイド退避機構を備えたから、ワゴンを収納開口部内に収納した状態では、左右の誘い込みガイドが収納開口部の前方に突設して邪魔となることがないなど、極めて実用性に優れた画期的なワゴン収納用ガイド装置並びにワゴン付収納家具となる。
【0019】
また、請求項2記載の発明においては、左右の傾斜ガイド面によりワゴンが収納開口部内へとスムーズに誘い込み案内されることになる一層実用性に優れたワゴン収納用ガイド装置となる。
【0020】
また、請求項3,4,5記載の発明においては、ワゴンをキャビネットの収納開口部に収納することに連動して、確実に左右の誘い込みガイドを収納開口部内に退避させるガイド退避機構を簡易構成にして容易に設計実現可能となる一層実用性に優れたワゴン収納用ガイド装置となる。
【0021】
また、特に請求項4記載の発明においては、左右の誘い込みガイドを収納開口部の左右両側の開口縁の外側に位置するように付勢保持したため、この付勢保持される誘い込みガイドのガイド面によりワゴンを収納開口部内へと一層良好に誘い込み案内することができる一層実用的な構成のワゴン収納用ガイド装置となる。
【0022】
また、特に請求項5記載の発明においては、左右の誘い込みガイドをスライド用レールの前端部に位置させて収納開口部よりキャビネット前方へ突設状態に付勢保持したため、左右の誘い込みガイドが勝手に収納開口部内へとスライド移動してしまうようなことがなく、この付勢保持される誘い込みガイドのガイド面によりワゴンを収納開口部内へと良好に誘い込み案内することができる一層実用的な構成のワゴン収納用ガイド装置となる。
【0023】
また、請求項6記載の発明においては、ワゴンをキャビネットの収納開口部内に押入れると、誘い込みガイドがワゴンの左右の後端部に係止してワゴンと共に誘い込みガイドが収納開口部内の後方へスライド退避し、逆にワゴンを収納開口部内からキャビネット前方へ引き出すと、誘い込みガイドがワゴンの左右の後端部から係脱してワゴンが自由に移動可能となる一層実用性に優れたワゴン収納用ガイド装置となる。
【0024】
また、請求項7記載の発明においては、ワゴンの引き出し入れ移動に際してワゴンの左右部に設ける長さのあるスライド体がスライド用レールに沿ってスライド移動するように構成したため、たとえ自在キャスターを備えたワゴンであっても、収納開口部内で左右にブレることなく安定的に引き出し入れ移動することになる一層実用性に優れたワゴン収納用ガイド装置となる。
【0025】
また、請求項8記載の発明においては、ロック機構でワゴンを収納開口部に対し離脱不能状態にロックすることができ、これによりワゴンを引き出し感覚で使用することも可能となる一層実用性に優れたワゴン収納用ガイド装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施例の、ワゴンを少し引き出した状態を示す概略説明斜視図である。
【図2】本実施例の、ワゴンをキャビネットから完全に引き出した状態を示す概略説明斜視図である。
【図3】本実施例の、ワゴンをキャビネットから完全に引き出した状態を示す説明平面図である。
【図4】本実施例の、ワゴンをキャビネットの収納開口部から引き出した状態を示す一部を切欠いた要部の説明拡大平断面図である。
【図5】図4の状態から、ワゴンを収納開口部内に押入れようとする状態を示す一部を切欠いた要部の説明拡大平断面図である。
【図6】図5の状態から、ワゴンを収納開口部の更に奥へと押入れた状態を示す一部を切欠いた要部の説明拡大平断面図である。
【図7】図6の状態から、ワゴンを収納開口部の更に奥へと押入れた状態を示す要部の説明拡大平断面図である。
【図8】本実施例の、収納開口部内に収納したワゴンを少し引き出した状態を示す要部の説明拡大平断面図である。
【図9】本実施例の、ワゴンの収納状態における要部の説明拡大正断面図である。
【図10】本実施例の、誘い込みガイドが先に収納開口部内に退避移動してしまった場合の作動を示す説明拡大平断面図である。
【図11】本実施例の、ワゴンの一部が収納開口部内にある状態でのロック機構を示す説明部分拡大斜視図である。
【図12】本実施例の、ワゴンを収納開口部から最大限引き出した状態でのロック機構を示す説明部分拡大斜視図である。
【図13】本実施例の、ロック機構を解除して誘い込みガイドを収納開口部前方へ突出させた状態を示す説明部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0028】
キャビネットCの収納開口部1の左右両側の開口縁2に、若しくは収納開口部1の左右両側の開口縁2付近の左右内側面3に、この収納開口部1より前記キャビネットCの前方に向けて誘い込みガイド5を突設する。
【0029】
キャビネットCの収納開口部1内に収納されているワゴンWは、必要に応じて収納開口部1からキャビネットC前方へ引き出して使用できる。また、引き出したワゴンWは、キャスター4により自由に移動させて所望の位置で使用可能である。
【0030】
また、引き出したワゴンWは、このワゴンWを後部から収納開口部1に向けて押し入れることで再び収納開口部1内に収納できるが、この際、ワゴンWの押し入れ方向が上手く定まらずに左右方向に多少位置ずれしてしまっても、キャビネットCの収納開口部1の左右両側の開口縁2、若しくは収納開口部1の左右両側の開口縁2付近の左右内側面3からキャビネットC前方に向けて誘い込みガイド5が突設していて、この左右の誘い込みガイド5の対向内側面のガイド面6の突出先端側が前記収納開口部1の左右両側の開口縁2の外側に位置しているので、収納開口部1内へと押入れ移動させた前記ワゴンWの左右の後端部7のいずれかが左右のガイド面6のいずれかに接触すると、このガイド面6に沿ってワゴンWが収納開口部1内へと誘い込み案内されることとなる。
【0031】
従って、たとえワゴンWのキャスター4が水平旋回自在で移動方向を定めにくい自在キャスター4であったとしても、ワゴンWの左右の後端部7のいずれかをキャビネットCの収納開口部1付近の前面化粧板にぶつけて傷を付けてしまうようなことはなく、左右の誘い込みガイド5により容易に且つ確実にワゴンWを収納開口部1内へ収納できる。
【0032】
また、ワゴンWをキャビネットCの収納開口部1内に収納すると、これに連動してガイド退避機構8により左右の誘い込みガイド5が収納開口部1内に退避することになる。
【0033】
従って、ワゴンWを収納開口部1内に収納した状態では、左右の誘い込みガイド5が収納開口部1の前方に突設して邪魔となることがない。
【実施例】
【0034】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0035】
本実施例は、前面開口形の収納開口部1を備えたキャビネットCと、水平旋回自在な自在キャスター4を備え前記キャビネットCの収納開口部1に引き出し入れ自在に収納するワゴンWとから成る台所用のワゴン付収納家具に適用したものである。
【0036】
また、本実施例のキャビネットCは、図1,図2に示すように、下部に前面が開口する箱形(直方体形)の前記収納開口部1を備えると共に、この収納開口部1の底面は部屋の床面と面一状態に設けられていて、この収納開口部1からワゴンWを容易に引き出し入れ可能としている。
【0037】
また、本実施例のワゴンWは、略直方体形のフレーム構造体に構成し、このワゴンWの前部には、キャビネットCの前面部に同調する前面化粧板17を設け、左右側部には前後の縦フレーム19間に側壁板18を架設状態に設け、下部四か所に前記自在キャスター4を設けている。尚、図面では、ワゴンWにダストボックス20を複数(図面では三個)収納した場合を示している。
【0038】
本実施例は、前記キャビネットCの収納開口部1の左右両側の開口縁2に、若しくは収納開口部1の左右両側の開口縁2付近の左右内側面3に、ワゴン収納用ガイド装置を設けている。
【0039】
本実施例のワゴン収納用ガイド装置は、前記キャビネットCの収納開口部1の前後方向に沿った長さを有しこの収納開口部1の前記左右内側面3に付設可能なスライド用レール11を備え、このスライド用レール11に、このスライド用レール11に沿って前記誘い込みガイド5を前後スライド移動可能に設け、前記左右内側面3に付設したこのスライド用レール11の前端部に誘い込みガイド5を位置させた際に、収納開口部1の左右両側の開口縁2よりキャビネットC前方へ向けて誘い込みガイド5を突設し得るように構成している。
【0040】
具体的には、本実施例のスライド用レール11は、キャビネットCの左右内側面3の前後長さと同等の長さ寸法を有する正断面コ字形を呈する長尺材で構成し、このスライド用レール11の中間部11Aの外側面を左右内側面3に付設して上下の突出部11Bを収納開口部1の内方へ突出状態に設けている。
【0041】
また、このスライド用レール11の上下の突出部11Bには、この各突出部11B(スライド用レール11)の長さ方向に沿って且つ各突出部11Bの長さ方向の略全域にガイド溝15を刻設している。即ち、このスライド用レール11に沿って誘い込みガイド5を収納開口部1の前後方向の略全域にスライド移動可能に設けている。
【0042】
本実施例の誘い込みガイド5は、図4〜図8に示すように、平面視L字形を呈する部材で構成し、この誘い込みガイド5の角部の上下には、前記ガイド溝15に嵌合可能なスライドピン16を突設している。
【0043】
このスライド用レール11と誘い込みガイド5との取付構造は、誘い込みガイド5の角部上下の前記スライドピン16をスライド用レール11の上下の突出部11Bのガイド溝15に夫々嵌挿することで取付した構造とし(図9参照)、このガイド溝15に沿って誘い込みガイド5がスライド用レール11の長さ方向(収納開口部1の前後方向)にスライド移動可能であって、且つガイド溝15(スライド用レール11)に対しスライドピン16を支点にして誘い込みガイド5を水平方向に旋回可能に設けている。
【0044】
また、誘い込みガイド5をスライド用レール11に取付した際に、この誘い込みガイド5の角部を境にした一側端部の外側面がスライド用レール11の中間部11Aの内側面と小間隙を置いた略平行状態となるように構成し、これにより誘い込みガイド5はスライド用レール11の端部以外の位置では水平旋回不能であって、その一側端部がスライド用レール11と略平行状態を維持したまま前後方向にスライド移動するように構成している。
【0045】
また、この左右の誘い込みガイド5は、スライド用レール11の前端部に位置させた際に夫々の一側端部が収納開口部1から前方へ突出する形状に形成すると共に、この際左右の誘い込みガイド5の夫々の他側端部が収納開口部1の対向内側に向かって突出するようにしてスライド用レール11に取付した構造としている。
【0046】
また、この左右の誘い込みガイド5の角部を境にした一側端部の対向内側面を平坦面形状に形成して、この夫々の平坦面をガイド面6としている。
【0047】
また、左右の誘い込みガイド5は、スライド用レール11の前端部に位置させると、一側端部の外側面の広範囲がスライド用レール11の前方へ露出するために水平旋回可能となるが、この際に一側端部を外側に開くように旋回させると、ガイド面6の反対側の外側面がスライド用レール11の前記中間部11Aの前側端部に当接することで旋回阻止状態となるように構成すると共に、この中間部11Aの前側端部は前端側ほど外向きに傾斜する傾斜面23に形成している。
【0048】
即ち、スライド用レール11の前記中間部11Aの前側端部の傾斜面が誘い込みガイド5の旋回ストッパー23として機能するように構成し、この際、左右のガイド面6がその突出先端側ほど左右の対向間隔が徐々に拡大する傾斜ガイド面6となる状態で旋回阻止されるように旋回ストッパー23の傾斜面形状を設定構成して、左右のガイド面6の突出先端側が前記収納開口部1の左右両側の開口縁2の外側に位置するようにしている(左右の誘い込みガイド5がいずれも外向きに開いて収納開口部1前方へ傾斜したガイド面6が表出するように構成している。)。
【0049】
また、この際本実施例では、ガイド面6の突出先端部が、収納開口部1の左右の開口縁2より10〜15mm程度開口縁2の外側に位置すると共に、収納開口部1の左右の開口縁2より30〜35mm程度キャビネットCの前方に位置するように構成している。出願人の試作実験によれば、ガイド面6の左右の開口縁2からの突出長を上記のように設定することでワゴンWの良好な誘い込み作用が発揮されると共に、収納開口部1の枠外へ誘い込みガイド5が突出せずに他の家具などの邪魔にならないことが確認されている。
【0050】
従って、収納開口部1内へと押入れ移動させた前記ワゴンWの左右の後端部7のいずれかが左右の傾斜ガイド面6のいずれかに接触すると、この平坦な傾斜ガイド面6に沿ってワゴンWが収納開口部1内へとスムーズに誘い込み案内されるように構成している。
【0051】
本実施例では、前記誘い込みガイド5を、そのガイド面6の突出先端側が前記収納開口部1の左右両側の開口縁2の外側に位置するように付勢保持すると共に、この誘い込みガイド5をスライド用レール11の前端部に位置決めして誘い込みガイド5の一側端部を収納開口部1よりキャビネットC前方へ突設状態に付勢保持するガイド付勢手段10を備えている。
【0052】
具体的には、ガイド付勢手段10は、図4〜図6に示すように、誘い込みガイド5の角部付近に弾性体21(コイルバネ21)と摩擦ピン22とを内装して、この弾性体21により摩擦ピン22が誘い込みガイド5の外側面から外方へ常に突出付勢されるように構成し、この突出付勢される摩擦ピン22の突出先端部が前記スライド用レール11の中間部11Aの内側面に圧接摩擦当接することで誘い込みガイド5のスライド移動に抵抗を付与し、この移動抵抗(摩擦抵抗)により誘い込みガイド5をスライド用レール11の前端部に位置決めして誘い込みガイド5の一側端部を収納開口部1よりキャビネットC前方へ突設状態に付勢保持できる構成としている。
【0053】
また、摩擦ピン22は、前記誘い込みガイド5のスライドピン16よりやや後側に位置するように設ける一方、前記左右のスライド用レール11の前記ガイド溝15の前端側を、平面視で夫々対向内側方向に傾斜するように形成し、これによりこの前端側の傾斜ガイド溝15Aの前端部に誘い込みガイド5の前記スライドピン16が位置すると、誘い込みガイド5の外側面とスライド用レール11の中間部11Aの内側面との隙間が広くなることで誘い込みガイド5がスライドピン16を支点に水平旋回可能となり、この際、摩擦ピン22の突出付勢力によってスライドピン16を支点に誘い込みガイド5が前記旋回ストッパー23に当接するまで自動的に旋回し、誘い込みガイド5が外向きに開くように付勢保持されてワゴンWを収納するための待機状態をこのガイド付勢手段10で保持できる構成としている。
【0054】
また、本実施例のワゴン収納用ガイド装置は、ワゴンWを前記収納開口部1に収納することに連動して、前記左右の誘い込みガイド5を収納開口部1内に退避させるガイド退避機構8を備えている。
【0055】
本実施例のガイド退避機構8は、ワゴンWの左右の後端部7を支承する支承部9を前記誘い込みガイド5に設け、この支承部9にワゴンWの左右の後端部7を支承した状態でワゴンWが更に収納開口部1内へと押入れられると、支承部9が収納開口部1内の後方へ押動されて左右の誘い込みガイド5が収納開口部1内に退避するように構成している。
【0056】
具体的には、図4〜図8に示すように、左右の誘い込みガイド5の、収納開口部1の対向内側に向かって突出する他側端部の前記ガイド面6と連設する側の面を前記支承部9としている。
【0057】
また、この支承部9は、ワゴンWの左右の後端部7(後述する嵌着部25)の外形状に合わせて凹湾曲面状に形成している。
【0058】
従って、ワゴンWを収納開口部1内に押入れると、ワゴンWの左右の後端部7が支承部9に支承されることとなる構成とし(ワゴンWの左右の後端部7がガイド面6に沿って収納開口部1内へと誘い込み案内された場合も、やがてこの後端部7が支承部9に支承されることとなる構成とし)、この支承部9に後端部7を支承した状態でワゴンWが更に収納開口部1内へと押入れられると支承部9も収納開口部1内の後方へと押動されることになり、これにより誘い込みガイド5が前記ガイド付勢手段10の付勢力に抗してスライド用レール11に沿って収納開口部1内の後方へと押動されて前記スライド用レール11に沿って収納開口部1内の後方にスライド退避すると共に、この際、支承部9が後方へ押されることで誘い込みガイド5が収納開口部1の左右両側の開口縁2の内方へ水平旋回し、誘い込みガイド5の外側面がスライド用レール11の中間部11Aの内側面に当接することで内方への旋回が阻止されて最終的にガイド面6がスライド用レール11と略平行となった状態で収納開口部1内の後方に退避する構成としている(図5〜図8参照)。
【0059】
また、本実施例のワゴン収納用ガイド装置は、前記スライド用レール11に沿ってスライド移動可能であって前記ワゴンWの左右部に付設可能なスライド体13を備え、このスライド体13は、ワゴンWの前後方向に沿った長さを有する形状に形成すると共に、このスライド体13の長さ寸法を前記ワゴンWの前後幅寸法の1/2以上(好ましくは2/3程度)の長さ寸法に設定している。
【0060】
具体的には、ワゴンWの左右部の前後の縦フレーム19間に架設可能な補強桟24を備え、この補強桟24に前記スライド体13を設けている。
【0061】
また、このスライド体13は、前記スライド用レール11の上下の突出部11B間にスライド可能に配設する帯板状にして補強桟24の両端側を除いた側面部に一体的に突設している。
【0062】
また、この補強桟24の、ワゴンWの左右部の前後の縦フレーム19への付設構造は、補強桟24の両端部に縦フレーム19に被嵌可能な平面視C状の嵌着部25を設け、この両端部の嵌着部24を前後の縦フレーム19に嵌着することによって前後の縦フレーム19間に架設した構造としている。
【0063】
また、この嵌着部25と前記スライド体13とは、嵌着部25の開口方向とスライド体13の突出方向とが互いに逆向きとなるようにして補強桟24に設け、嵌着部24をワゴンWの左右外側から縦フレーム19に嵌着すると、スライド体13がワゴンWの左右部から外側水平方向へ突設する構成としている。
【0064】
また、補強桟24は、例えば樹脂製として、スライド体13と嵌着部25とを一体成形している。
【0065】
従って、自在キャスター4を備えた本実施例のワゴンWは、移動方向を定めづらいが、ワゴンWを収納開口部1に対し引き出し入れする際に、ワゴンWの左右部の長さのあるスライド体13が収納開口部1の左右内側面3のスライド用レール11に沿ってスライド移動することで、この収納開口部11内でワゴンWが左右にブレずに安定的に移動できる構成としている。
【0066】
また、本実施例では、前記ワゴンWが前記収納開口部1内に押入れられる時に前記誘い込みガイド5とワゴンWの左右の後端部7とを係止し、且つこの係止状態の誘い込みガイド5とワゴンWの左右の後端部7とをワゴンWが収納開口部1内から引き出された時に係脱する係止手段12を誘い込みガイド5とワゴンWの左右の後端部7とに設けている。
【0067】
従って、この係止手段12によりワゴンWが収納開口部1内に押入れられる時には、ワゴンWと共に誘い込みガイド5が収納開口部1内の後方にスライド退避する前記ガイド退避機構8を構成している。
【0068】
本実施例の係止手段12は、図4〜図8に示すように、誘い込みガイド5の前記ガイド面6に、このガイド面6の先端部から基端部(角部)にかけての中ほどに抜け止め用突起26を設けると共に、この抜け止め突起26は、ガイド面6より左右の誘い込みガイド5の対向内側に向けて突出状態に設けている。
【0069】
また、この抜け止め用突起26は、ガイド面6の先端側に位置する表面部位を、ガイド面6から緩やかな傾斜角度で立ち上がる緩傾斜面形状に形成してこの部位を乗り上がり面26Aとすると共に、ガイド面6の基端側に位置する表面部位を、ガイド面6Aから直角に近い急角度で立ち上がる急傾斜面形状に形成してこの部位をストッパ面26Bとし、この乗り上がり面26Aとストッパ面26BとをR面取りした連設角部を介して連設した構成としている。
【0070】
また、この抜け止め用突起26の前記ストッパ面26Bと、このストッパ面26Bより基端側(角部側)に位置するガイド面6とこの基端側ガイド面に角部を介して連設する前記支承部9の基端側面(角部側面)とで、係合凹部27を構成している。
【0071】
一方、ワゴンWには、後部左右の縦フレーム9に被嵌着する前記嵌着部25の外側面に前記スライド体13と同じ方向に向けて前記係合凹部27に係止可能な係止凸部28を一体的に突設し、この嵌着部25並びに係止凸部28をワゴンWの前記後端部7としている。
【0072】
従って、ワゴンWの左右の後端部7の係止凸部28が係合凹部27に嵌合配置することでワゴンWの左右の後端部7に誘い込みガイド5が係止することとなり、これによりワゴンWの引き出し入れ移動に連動して誘い込みガイド5も収納開口部1内を前後方向に移動する構成としている。
【0073】
また、誘い込みガイド5のスライドピン16がスライド用レール11の前記傾斜ガイド溝15Aの前端部に位置して誘い込みガイド5が最大限外方へ開いた状態では、係止凸部28が係合凹部27に係止できないように、誘い込みガイド5の開き角度並びに抜け止め突起26の突出度並びに係止凸部28の突出度を設定構成し、ワゴンWの後端部7(嵌着部25)を前記支承部9に支承した状態でワゴンWを収納開口部1内へと更に押入れると、支承部9が後方に押されることでガイド面6がスライド用レール11と略平行となるまで内方へ水平旋回して係止凸部28と係合凹部27とが係止するように構成し、これによりワゴンWと一緒に誘い込みガイド5が収納開口部1内に退避すると共に、誘い込みガイド5が収納開口部1内に退避した状態では、ワゴンWを前方へ引動しても係止凸部28が抜け止め突起26の前記ストッパ面26Bに当たって抜け止め保持されてワゴンWと共に誘い込みガイド5が前方に移動することになる構成としている(図4〜図8参照)。
【0074】
また、収納状態のワゴンWを収納開口部1から前方へ引き出せば、誘い込みガイド5がスライド用レール11の前端部に達したところで、収納開口部1の開口縁から突出して外方へ自動的に開き、誘い込みガイド5が最大限開くと、係止凸部28が係合凹部27から係脱してワゴンWを更に前方へと引き出す(ワゴンWをキャビネットCから分離する)ことができるように構成している。
【0075】
更に、本実施例の抜け止め突起26は、誘い込みガイド5の外側面の方向へ没動可能(ガイド面6に対し没入可能)に設けると共に、弾性体29により常に突出付勢されるように構成している。
【0076】
具体的には、誘い込みガイド5に、そのガイド面6側が開口する凹所30を設け、この凹所30に抜け止め突起26を収納すると共に、この抜け止め突起26は、その先端側(前記乗り上がり面26Aの先端側)を支軸31により凹所30(誘い込みガイド5)に枢着して、この抜け止め突起26の基端側がガイド面6に対して起伏するように回動可能に設けている。
【0077】
また、この抜け止め突起26を伏動回動させて凹所30に最大限収納すると、抜け止め突起26の前記乗り上がり面26Aがガイド面6と略面一状態となるように、抜け止め突起26の形状並びに凹所30の形状を設定構成している。
【0078】
また、この抜け止め突起26には、前記弾性体29としてのトーションバネ29を内装し、このトーションバネ29の一端を抜け止め突起26に当接すると共に、他端を前記凹所30の底部に当接するように配置して、トーションバネ29の付勢力により抜け止め突起26が常時ガイド面6より突出付勢されるように構成している。
【0079】
また、抜け止め突起26と凹所30には、互いに当接し合うことで、突出付勢される抜け止め突起26の突出方向への過回動を阻止する回動限ストッパー34を設けている。
【0080】
この抜け止め突起26の没動構造は、ワゴンWを収納開口部1内に収納する際に、上手く係止凸部28が係合凹部27に係止することができず(ワゴンWの後端部7と誘い込みガイド5とが係止せず)に、先に誘い込みガイド5が収納開口部1内の後方へ退避移動してしまった場合でも、最終的には係止凸部28が係合凹部27に係止するようにしたものである。即ち、収納開口部1内に退避してスライド用レール11と略平行となったガイド面6に沿って後端部7(係止凸部28)が後方へ移動すると抜け止め突起26にぶつかるが、この抜け止め突起26はガイド面6と隣接する先端側が緩やかな乗り上がり面26Aであるためにこの乗り上がり面26Aに乗り上がり易い上、この際に抜け止め突起26が前記弾性体29の付勢力に抗して没動することで抵抗となりにくいので、係止凸部28が係合凹部27に係止することになる構成としている(図10参照)。
【0081】
また、本実施例では、前記ワゴンWを前記収納開口部1から引き出した際に、このワゴンWを収納開口部1に対し離脱不能状態にロックするロック・解除可能なロック機構14を前記スライド用レール11と前記誘い込みガイド5とに設けている。
【0082】
具体的には、本実施例のロック機構14は、図11〜図13に示すように、スライド用レール11の上側の突出部11Bの前端部上面に、ストッパースイッチ32を起伏回動自在に設けている。
【0083】
また、このストッパースイッチ32は、スライド用レール11の後部側が鋭角状に先細る形状に形成してこの鋭角状先端部の前記収納開口部1の内方に位置する側の側面を阻止傾斜面32Aとすると共に、この鋭角状先端部が上側の突出部11Bの上面に伏した状態から、上方へ起立した状態に至るまでの略90度範囲で起伏回動自在に設けている。
【0084】
一方、前記誘い込みガイド5の他側端部を、前記スライド用レール11の上側の突出部11Bより上方へ突出する形状に形成すると共に、この他側端部の上部に、スライド用レール11の上側の突出部11Bの前端部上面に伏した前記ストッパースイッチ32の阻止傾斜面32Aに対応する傾斜角度の傾斜当接部33を一体的に突設し、この傾斜当接部33が伏状態のストッパースイッチ32の阻止傾斜面32Aに当接することで、誘い込みガイド5の前方へのスライド移動が阻止されると共に、誘い込みガイド5が外方へ開くことが阻止される構成としている(図12参照)。
【0085】
このストッパースイッチ32を上方へ起動回動して起立させると、阻止傾斜面32Aに傾斜当接部33が当接できない状態となり、これにより誘い込みガイド5が外方へ開きつつ前方へ移動すると、傾斜当接部33がストッパースイッチ32を避けて収納開口部1前方へ誘い込みガイド5の一側端部が突出することになる構成としている(図13参照)。
【0086】
従って、ストッパースイッチ32を伏状態としておくことで、ワゴンWを収納開口部1(キャビネットC)から分離できないロック状態とでき、このロック状態からストッパースイッチ32を起立状態に切り替えることで、ワゴンWをロック解除してキャビネットCから分離できる構成としている。
【0087】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【0088】
また、本実施例では、前面開口形の収納開口部1を備えたキャビネットCと、キャスター4を備え前記キャビネットCの収納開口部1に引き出し入れ自在に収納するワゴンWとから成るワゴン付収納家具に用いるワゴン収納用ガイド装置とした場合を示したが、前記キャビネットCの収納開口部1の左右両側の開口縁2に、若しくは収納開口部1の左右両側の開口縁2付近の左右内側面3に、この収納開口部1よりキャビネットC前方へ向けて誘い込みガイド5を突設し、この左右の誘い込みガイド5の対向内側面にガイド面6を設けると共に、この左右のガイド面6は、その突出先端側が前記収納開口部1の左右両側の開口縁2の外側に位置するように構成して、収納開口部1内へと押入れ移動させた前記ワゴンWの左右の後端部7のいずれかが左右のガイド面6のいずれかに接触すると、このガイド面6に沿ってワゴンWが収納開口部1内へと誘い込み案内されるように構成し、このワゴンWを前記収納開口部1内に収納することに連動して、前記左右の誘い込みガイド5を収納開口部1内に退避させるガイド退避機構8を備えたワゴン付収納家具を構成しても良い。
【符号の説明】
【0089】
1 収納開口部
2 開口縁
3 内側面
4 キャスター
5 誘い込みガイド
6 ガイド面
7 後端部
8 ガイド退避機構
9 支承部
10 ガイド付勢手段
11 スライド用レール
12 係止手段
13 スライド体
14 ロック機構
C キャビネット
W ワゴン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面開口形の収納開口部を備えたキャビネットと、キャスターを備え前記キャビネットの収納開口部に引き出し入れ自在に収納するワゴンとから成るワゴン付収納家具に用いるワゴン収納用ガイド装置であって、前記収納開口部の左右両側の開口縁に、若しくは収納開口部の左右両側の開口縁付近の左右内側面に、この収納開口部より前記キャビネットの前方に向けて突設される誘い込みガイドを備え、この突設された左右の誘い込みガイドは、対向内側面にガイド面を設けると共に、この左右のガイド面は、その突出先端側が前記収納開口部の左右両側の開口縁の外側に位置するように構成して、収納開口部内へと押入れ移動させた前記ワゴンの左右の後端部のいずれかが左右のガイド面のいずれかに接触すると、このガイド面に沿ってワゴンが収納開口部内へと誘い込み案内されるように構成し、このワゴンを前記収納開口部内に収納することに連動して、前記左右の誘い込みガイドを収納開口部内に退避させるガイド退避機構を備えたことを特徴とするワゴン収納用ガイド装置。
【請求項2】
前記誘い込みガイドは、前記左右のガイド面がその突出先端側ほど左右の対向間隔が徐々に拡大するように設けて、この左右のガイド面を傾斜ガイド面に構成し、前記収納開口部内へと押入れ移動させた前記ワゴンの左右の後端部のいずれかが左右の傾斜ガイド面のいずれかに接触すると、この傾斜ガイド面に沿ってワゴンが収納開口部内へと誘い込み案内されるように構成したことを特徴とする請求項1記載のワゴン収納用ガイド装置。
【請求項3】
前記ガイド退避機構は、ワゴンの左右の後端部を支承する支承部を前記誘い込みガイドに設け、この支承部にワゴンの左右の後端部を支承した状態でワゴンが更に収納開口部内へと押入れられると、支承部が収納開口部内の後方へ押動されて左右の誘い込みガイドが収納開口部内に退避するように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置。
【請求項4】
前記誘い込みガイドは、前記キャビネットの収納開口部の左右両側の開口縁に、若しくは収納開口部の左右両側の開口縁付近の左右内側面に水平旋回可能に突設設される構成とし、この各誘い込みガイドを収納開口部の左右両側の開口縁の外側に水平旋回させることで前記ガイド面の突出先端側を前記収納開口部の左右両側の開口縁の外側に位置させ得るように構成し、この誘い込みガイドを、そのガイド面の突出先端側が前記収納開口部の左右両側の開口縁の外側に位置するように付勢保持するガイド付勢手段を備え、前記ガイド退避機構は、ワゴンの左右の後端部を支承する支承部を前記誘い込みガイドに設け、この支承部にワゴンの左右の後端部を支承した状態でワゴンが更に収納開口部内へと押入れられて支承部が収納開口部内の後方へ押動されると、前記ガイド付勢手段の付勢力に抗して誘い込みガイドが収納開口部の左右両側の開口縁の内方へ水平旋回しつつ収納開口部内の後方へ退避するように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置。
【請求項5】
前記収納開口部の前後方向に沿った長さを有しこの収納開口部の前記左右内側面に付設可能なスライド用レールを備え、このスライド用レールに、このスライド用レールに沿って前記誘い込みガイドを前後スライド移動可能に設け、このスライド用レール若しくは誘い込みガイドに、前記収納開口部の左右内側面に付設したスライド用レールの前端部に誘い込みガイドを位置決めしてこの誘い込みガイドを収納開口部よりキャビネット前方へ突設状態に付勢保持するガイド付勢手段を設け、前記ガイド退避機構は、ワゴンの左右の後端部を支承する支承部を前記誘い込みガイドに設け、この支承部に前記ワゴンの左右の後端部を支承した状態でワゴンが更に収納開口部内へと押入れられて支承部が収納開口部内の後方へ押動されると、誘い込みガイドが前記ガイド付勢手段の付勢力に抗して収納開口部内の後方へと押動されて前記スライド用レールに沿って収納開口部内の後方にスライド退避するように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置。
【請求項6】
前記収納開口部の前後方向に沿った長さを有しこの収納開口部の前記左右内側面に付設可能なスライド用レールを備え、このスライド用レールに、このスライド用レールに沿って前記誘い込みガイドを前後スライド移動可能に設け、前記ワゴンが前記収納開口部内に押入れられる時に前記誘い込みガイドとワゴンの左右の後端部とを係止し、且つこの係止状態の誘い込みガイドとワゴンの左右の後端部とをワゴンが収納開口部内から引き出された時に係脱する係止手段を備えて、この係止手段によりワゴンが収納開口部内に押入れられる時には、ワゴンと共に誘い込みガイドが前記スライド用レールに沿って収納開口部内の後方にスライド退避する前記ガイド退避機構を構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置。
【請求項7】
前記収納開口部の前後方向に沿った長さを有しこの収納開口部の前記左右内側面に付設可能なスライド用レールを備え、このスライド用レールに沿ってスライド移動可能であって前記ワゴンの左右部に付設可能なスライド体を備え、このスライド体は、前記ワゴンの前後方向に沿った長さを有する形状に形成すると共に、このスライド体の長さ寸法を前記ワゴンの前後幅寸法の1/2以上の長さ寸法に設定したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置。
【請求項8】
前記ワゴンを前記収納開口部から引き出した際に、このワゴンを収納開口部に対し離脱不能状態にロックするロック・解除可能なロック機構を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置。
【請求項9】
前面開口形の収納開口部を備えたキャビネットと、キャスターを備え前記キャビネットの収納開口部に引き出し入れ自在に収納するワゴンとから成るワゴン付収納家具において、前記請求項1〜8のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイドを具備したことを特徴とするワゴン付収納家具。
【請求項1】
前面開口形の収納開口部を備えたキャビネットと、キャスターを備え前記キャビネットの収納開口部に引き出し入れ自在に収納するワゴンとから成るワゴン付収納家具に用いるワゴン収納用ガイド装置であって、前記収納開口部の左右両側の開口縁に、若しくは収納開口部の左右両側の開口縁付近の左右内側面に、この収納開口部より前記キャビネットの前方に向けて突設される誘い込みガイドを備え、この突設された左右の誘い込みガイドは、対向内側面にガイド面を設けると共に、この左右のガイド面は、その突出先端側が前記収納開口部の左右両側の開口縁の外側に位置するように構成して、収納開口部内へと押入れ移動させた前記ワゴンの左右の後端部のいずれかが左右のガイド面のいずれかに接触すると、このガイド面に沿ってワゴンが収納開口部内へと誘い込み案内されるように構成し、このワゴンを前記収納開口部内に収納することに連動して、前記左右の誘い込みガイドを収納開口部内に退避させるガイド退避機構を備えたことを特徴とするワゴン収納用ガイド装置。
【請求項2】
前記誘い込みガイドは、前記左右のガイド面がその突出先端側ほど左右の対向間隔が徐々に拡大するように設けて、この左右のガイド面を傾斜ガイド面に構成し、前記収納開口部内へと押入れ移動させた前記ワゴンの左右の後端部のいずれかが左右の傾斜ガイド面のいずれかに接触すると、この傾斜ガイド面に沿ってワゴンが収納開口部内へと誘い込み案内されるように構成したことを特徴とする請求項1記載のワゴン収納用ガイド装置。
【請求項3】
前記ガイド退避機構は、ワゴンの左右の後端部を支承する支承部を前記誘い込みガイドに設け、この支承部にワゴンの左右の後端部を支承した状態でワゴンが更に収納開口部内へと押入れられると、支承部が収納開口部内の後方へ押動されて左右の誘い込みガイドが収納開口部内に退避するように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置。
【請求項4】
前記誘い込みガイドは、前記キャビネットの収納開口部の左右両側の開口縁に、若しくは収納開口部の左右両側の開口縁付近の左右内側面に水平旋回可能に突設設される構成とし、この各誘い込みガイドを収納開口部の左右両側の開口縁の外側に水平旋回させることで前記ガイド面の突出先端側を前記収納開口部の左右両側の開口縁の外側に位置させ得るように構成し、この誘い込みガイドを、そのガイド面の突出先端側が前記収納開口部の左右両側の開口縁の外側に位置するように付勢保持するガイド付勢手段を備え、前記ガイド退避機構は、ワゴンの左右の後端部を支承する支承部を前記誘い込みガイドに設け、この支承部にワゴンの左右の後端部を支承した状態でワゴンが更に収納開口部内へと押入れられて支承部が収納開口部内の後方へ押動されると、前記ガイド付勢手段の付勢力に抗して誘い込みガイドが収納開口部の左右両側の開口縁の内方へ水平旋回しつつ収納開口部内の後方へ退避するように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置。
【請求項5】
前記収納開口部の前後方向に沿った長さを有しこの収納開口部の前記左右内側面に付設可能なスライド用レールを備え、このスライド用レールに、このスライド用レールに沿って前記誘い込みガイドを前後スライド移動可能に設け、このスライド用レール若しくは誘い込みガイドに、前記収納開口部の左右内側面に付設したスライド用レールの前端部に誘い込みガイドを位置決めしてこの誘い込みガイドを収納開口部よりキャビネット前方へ突設状態に付勢保持するガイド付勢手段を設け、前記ガイド退避機構は、ワゴンの左右の後端部を支承する支承部を前記誘い込みガイドに設け、この支承部に前記ワゴンの左右の後端部を支承した状態でワゴンが更に収納開口部内へと押入れられて支承部が収納開口部内の後方へ押動されると、誘い込みガイドが前記ガイド付勢手段の付勢力に抗して収納開口部内の後方へと押動されて前記スライド用レールに沿って収納開口部内の後方にスライド退避するように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置。
【請求項6】
前記収納開口部の前後方向に沿った長さを有しこの収納開口部の前記左右内側面に付設可能なスライド用レールを備え、このスライド用レールに、このスライド用レールに沿って前記誘い込みガイドを前後スライド移動可能に設け、前記ワゴンが前記収納開口部内に押入れられる時に前記誘い込みガイドとワゴンの左右の後端部とを係止し、且つこの係止状態の誘い込みガイドとワゴンの左右の後端部とをワゴンが収納開口部内から引き出された時に係脱する係止手段を備えて、この係止手段によりワゴンが収納開口部内に押入れられる時には、ワゴンと共に誘い込みガイドが前記スライド用レールに沿って収納開口部内の後方にスライド退避する前記ガイド退避機構を構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置。
【請求項7】
前記収納開口部の前後方向に沿った長さを有しこの収納開口部の前記左右内側面に付設可能なスライド用レールを備え、このスライド用レールに沿ってスライド移動可能であって前記ワゴンの左右部に付設可能なスライド体を備え、このスライド体は、前記ワゴンの前後方向に沿った長さを有する形状に形成すると共に、このスライド体の長さ寸法を前記ワゴンの前後幅寸法の1/2以上の長さ寸法に設定したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置。
【請求項8】
前記ワゴンを前記収納開口部から引き出した際に、このワゴンを収納開口部に対し離脱不能状態にロックするロック・解除可能なロック機構を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイド装置。
【請求項9】
前面開口形の収納開口部を備えたキャビネットと、キャスターを備え前記キャビネットの収納開口部に引き出し入れ自在に収納するワゴンとから成るワゴン付収納家具において、前記請求項1〜8のいずれか1項に記載のワゴン収納用ガイドを具備したことを特徴とするワゴン付収納家具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【公開番号】特開2012−90678(P2012−90678A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238707(P2010−238707)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(506360631)株式会社三条工機製作所 (4)
【出願人】(000172787)オークス株式会社 (14)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(506360631)株式会社三条工機製作所 (4)
【出願人】(000172787)オークス株式会社 (14)
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