説明

ワーク固定式冷熱衝撃試験装置及び方法

【課題】 ワークを所定位置に固定した状態でワークの加熱及び冷却を繰返し行ってワークの冷熱衝撃試験を効率的、かつ確実に行う簡便構造のワーク固定式冷熱衝撃試験装置及び方法を提供する。
【解決手段】 ワーク1はワーク固持部2により所定位置に固持される。加熱室3及び冷却室4は固定位置にあるワーク1に交互に係合し、この加熱及び冷却を繰返し行う。以上によりワークを所定位置に固持した状態で冷熱衝撃試験が行われ、加熱室3及び冷却室4は予熱及び予冷されるため効率的な試験ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの加熱及び冷却を繰返し行ってワークに冷加熱の衝撃を与えてワークの熱ストレス特性や耐久性,熱的強度等の試験を行うための試験装置及び方法に係り、特に、ワークの形態上、その移動が困難なワークに対して前記試験を行うための簡便構造のワーク固定式冷熱衝撃試験装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークの熱的ストレス特性や熱的強度等を試験してワークを評価する試験として冷却衝撃試験装置が従来より採用されている。この冷熱試験としては気体を用いるものや液体を用いるものがあるが、気体を用いたものとして「特許文献1」が一例として挙げられ、液体を用いたものとし「特許文献2」が一例として挙げられる。なお、本発明は気体を用いたものである。
【特許文献1】特開2001−83058号(図1)
【特許文献2】特開平10−332565号(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
「特許文献2」の「特開平10−332565号」の「液槽式熱衝撃試験装置」は前記のように液体を用いたものであり、高温槽と低温層を別々に固定側に配置し、試料(ワーク)を移動させて高温槽と冷温槽に順次繰返し浸漬して衝撃試験を行うものであり、液体を用いたものであると共に試料(ワーク)が移動式であり、本発明と構成において大きく相違するものである。
【0004】
一方、「特許文献1」の「特開2001−83058号」の「冷熱衝撃試験装置」は試料(ワーク)を収納している試験室と高温室及び低温室とを別々に、かつ試験室を挟んで設け、高温室及び冷却室と試験室との間にダンパを配置して試験室内に熱風と冷風を交互に供給する構造のものからなる。この「特許文献1」の場合は試料(ワーク)は固定式であり、後述する本発明と近似する点があるが、前記のように試験室内に熱風と冷風が交互に投入されるものであり、熱風と冷風との切り替えに時間がかかる問題点があると共に試験室内を所定の温度に正確に保持し得る安定性,確実性が劣る問題がある。
【0005】
本発明は、以上の事情に鑑みて発明されたものであり、ワークを所定の温度で交互に迅速に冷加熱でき、冷熱試験精度の向上と試験時間の短縮ができ、装置構造としてコンパクトにまとめられ、移動の困難なすべてのワークに適用できるワーク固定式冷熱衝撃試験装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、試験体(以下、ワークと仮称する)を交互に冷却及び加熱してワークに熱衝撃を与えてワークの衝撃試験を行うための試験装置であって、該装置は、ワークを一定位置に固持するワーク固持部と、ワークを囲みこれを所定温度下で加熱又は冷却するための加熱室又は冷却室と、前記加熱室及び冷却室を前記ワークに係合する位置及びこれから離隔する位置に往復動させる室移動機構部と、前記ワークに係合する前記加熱室及び冷却室に形成される開口部を開閉するためのシャッタ部及びシール部と、前記加熱室及び冷却室内を所定温度に加熱及び冷却するための加熱手段及び冷却手段と、前記各構成要素を制御するコントローラと、前記各構成要素の略全体を被包するケース本体とを有することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の発明は、前記加熱室及び冷却室の前記開口部側にはワーク側に出入時において前記ワーク固持部に干渉しないための切欠き部が形成され、前記シャッタ部は、前記開口部及び前記切欠き部を閉止して前記加熱室及び冷却室を略密閉状態に保持すべく前記加熱室及び冷却室に挿脱自在に一体的に保持されるものからなることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3の発明は、前記ワーク冷熱衝撃試験時における前記加熱室の内部温度は約150℃からなり、前記冷却室の内部温度が約−65℃であることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4の発明は、前記請求項1乃至3に記載されるワーク固定式冷熱衝撃試験装置によるワークの冷熱衝撃試験方法であって、該方法は、まずワークを所定位置に固持する第1工程と、前記ワークを加熱室で囲んでワークの加熱を行う第2工程と、前記ワークから加熱室を離隔させその開口部をシャッタ部により閉止し予熱を行う第3工程と、前記第3工程と同時に行われ前記ワークを冷却室で囲んでワークの冷却を行う第4工程と、前記ワークから前記冷却室を離隔させてその開口部をシャッタ部により閉止し予冷を行う第5工程と、前記第5工程と同時に前記加熱室をワークを囲む位置に位置決めする第6工程とからなり、これ等の工程を順次繰返し行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1の「ワーク固定式冷熱衝撃試験装置」によれば、所定位置に固持されたワークに対し、夫々別々に形成されている加熱室と冷却室とを交互に係合させてこれ等の室内でワークを冷加熱するものであり、熱風と冷風との混在が発生せず、ワークは適正の温度で確実に冷加熱される。また、加熱室と冷却室との交替は短時間で円滑に行われ、試験時間の短縮化が図れる。また、装置の各構成要素はケース本体内に収納され、コンパクトにまとめられる。
【0011】
また、請求項2の「ワーク固定式冷熱衝撃試験装置」によれば、加熱室や冷却室に開口部と切欠き部を形成することによりこれ等をワーク側に出入されることができると共に、シャッタ部により前記加熱室及び冷却室の前記開口部や前記切欠き部を略閉止して加熱室及び冷却室を略密閉状態に保持することができる。
【0012】
本発明の請求項3の「ワーク固定式冷熱衝撃試験装置」によれば、加熱室及び冷却室はこの衝撃試験に必要とされている高温の約150℃及び低温の約−65℃に保持されるため所定の試験を確実に行うことができる。
【0013】
また、本発明の請求項4の「ワーク固定式冷熱衝撃試験装置」によれば、前記第1工程から前記第6工程までで順次行うことにより固定されているワークに対して別々の加熱室や冷却室が交互にコントロールされて係合し、かつ待機時には予熱及び予令されるため試験時間の短縮度の向上が図れる。また、加熱室や冷却室にはこれ等の室をワークに干渉しないで往復動するための開口部があるためシャッタ部やシール部により開口部を閉止し加熱や冷却の熱の放出を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の「ワーク固定式冷熱衝撃試験装置及び方法」の実施の形態を図面を参照して詳述する。図1は本発明の「ワーク固定式冷熱衝撃試験装置」の全体構成図であり、図2は本発明における加熱室や冷却室及びこのシャッタ部の概要構造を示す斜視図であり、図3は加熱室や冷却室とシャッタ部との係合状態を説明するための模式図であり、図4はシール部の概要構造を示す模式図であり、図5及び図7は本発明における「ワーク固定式冷熱衝撃試験装置による試験方法」を説明するための模式図である。
【0015】
図1に示すように、「ワーク固定式冷熱衝撃試験装置」100は、大別してワーク1を一定位置に固持するワーク固持部2と、ワーク1の加熱を行う加熱室3及びワーク1の冷却を行う冷却室4と、これ等に一体的に係合する加熱室用シャッタ部5及び冷却室用シャッタ部6と、前記シャッタ部5,6を開閉するための加熱室3又は冷却室4用のシャッタ部開閉機構部7,8と、加熱室3及び冷却室4をワーク1側に出入させるための加熱室側室移動機構部9及び冷却室側室移動機構部10と、加熱室3や冷却室4を所望の温度に保持するための加熱手段11や冷却手段12と、装置の主要構成部を被包するためケース本体13と、夫々の機構部や手段をコントロールするためのコントローラ部14等とからなる。
【0016】
ワーク1としては夫々多様な形状のものからなるが、本発明に適用されるワーク1としてはワーク本体に各種の付属品が一体的に形成されてワーク1を簡単に移動できないものが主に適用されるが、これに限定するものではない。例えば、ワーク1としてはワーク本体1aとこれに連結されるワイヤ1b等とからなり、ワイヤ1bは後記するワーク固持部2の押圧パイプ2a内に収納されて加熱室3や冷却室4と干渉しないようにしているが、勿論これに限定されるものではない。
【0017】
ワーク固持部2は、ワーク1に当接してこれを固持する押圧パイプ2aと、これをワーク1側に移動又は離隔するための押圧手段2b等とからなり、押圧手段2bはケース本体13側に固持される。また、ワーク固持部2はコントローラ14に連結されてコントロールされる。
【0018】
加熱室3及び冷却室4は図2に示すように加熱室本体3aと加熱室用シャッタ部5及び冷却室本体4aと冷却室用シャッタ部6を合体したものからなる。なお、加熱室3や冷却室4は全体構造としては同一のものからなり、以下の説明では加熱室3によりその詳細構造を説明するが以下における括弧内の符号は同一構造の冷却室4側の構成要素を示すものである。
【0019】
図3に示すように、加熱室本体3a(4a)は、立方体状のものからなり、一方側に開口部3b(4b)を有すると共に開口部3b(4b)側に形成される切欠き部3c(4c)等とからなる。なお、切欠き部3c(4c)は、ワーク1を固持する押圧パイプ1aに嵌り込む形状のものからなり、前記開口部3b(4b)と切欠き部3c(4c)の形成により加熱室3や冷却室4は円滑にワーク1を被包し得る位置に移動可能となる。
【0020】
一方、加熱室用シャッタ部5(冷却室用シャッタ部6も同じ)は図2に示すように前記加熱室本体3a(4a)を被包し得る2つ割りのコ字形状の加熱室用シャッタ部本体5a(6a)と開口部5b(6b)と切欠き部5c(6c)等とからなる。なお、切欠き部5c(6c)等は半割りの加熱室用シャッタ部本体5a(6a)を合体した場合にワーク固持部2の押圧パイプ2aに丁度嵌り込む寸法のものからなる。また、加熱室用シャッタ部本体5a(6a)には底板5d(6d)が一体的に形成され、合体した底板5d(6d)により加熱室本体3a(4a)の開口部3b(4b)は閉止される。
【0021】
図3(a),(b)は前記の加熱室本体3a(4a)と加熱室用シャッタ部5(6)との係合状態を示すものである。図3(a)は加熱室本体3a(4a)と加熱室用シャッタ部5(6)とが合体し、加熱室3(4)を略密閉状態にした状態を示し、図3(b)は加熱室3(4)の開放状態を示す。この開放状態により加熱室3(4)はワーク1及びワーク固持部2と干渉しないで移動し得る状態となる。また、加熱室3(4)は図3(a)の状態で加熱(冷却)されることになる。また、加熱室用シャッタ部5(6)の開閉は後に説明する加熱室用開閉機構部7(8)により行われる。また、図1に示すように加熱室本体3a(4a)と加熱室用シャッタ部5(6)との間には加熱室用シャッタ部5(6)を所定位置に保持するための係止具15(16)が設けられている。
【0022】
加熱室用開閉機構部7(8)は、図1及び図3に示すように加熱室本体3aに固持されるシリンダ7a(8a)と、シリンダ7a(8a)のピストンロッド7b(8b)とからなり、ピストンロッド7b(8b)は加熱室用シャッタ部5(6)に連結される。このシリンダ7a(8a)の作動により2つ割りの加熱室用シャッタ部本体5a(6a)が開閉動作されることになる。
【0023】
加熱室側室移動機構部9(10)は図1に示すようにケース本体13側に固持されるシリンダ9a(10a)とピストンロッド9b(10b)等とからなり、ピストンロッド9a(10a)は加熱室本体3a(4a)に連結される。このシリンダ9a(10b)の作動により加熱室3(4)はワーク1と係合する位置又は離隔する位置に挿脱動作される。
【0024】
加熱手段11及び冷却手段12は加熱室3及び冷却室4の加熱(予熱)及び冷却(予冷却)を行うためのものであり、加熱室3や冷却室4とは例えばフレキシブルチューブ(図略)により連結される。本実施例では加熱室3はワーク1と係合時には約150℃に保持され、冷却室4はワーク1と係合時に約−65℃に保持される。勿論、この温度条件は限定するものではないが、冷熱衝撃試験としては前記の温度条件が一応設定されている。また、加熱室3や冷却室4はワーク1に係合しないで離隔している状態では係合時において前記の150℃や−65℃に只ちになるように加熱手段11や冷却手段12により予加熱又は予冷却される。
【0025】
前記したシリンダ7a(8a)やシリンダ9a(10a)や加熱手段11及び冷却手段12や前記した装置の各構成部はコントローラ部14により適宜コントロールされるが、この詳細説明は省略する。
【0026】
図4はシール部(18)を説明するものである。加熱室本体3a(4a)は加熱室用シャッタ部5(6)により閉止された状態においても図3(a)に示すように押圧パイプ2aの直径に相当する丸孔19(20)が生ずる。この丸孔19(20)は加熱室3や冷却室4がワーク1に係合している状態では押圧パイプ2aにより閉止される。しかしながら、ワーク1から開放された予加熱や予冷却の状態では開放状態にあるため、これを閉止するシール部17(18)が必要になる。このシール部17(18)は図4に示すように、例えば、丸孔19(20)を塞ぐ円盤21(22)と、これを保持する支持部23(24)と、支持部23(24)内に収納されるバネ25(26)等とからなる。加熱室3や冷却室4のワーク1への係合時には押圧パイプ2aに押圧されて円盤21(22)は支持部23(24)をバネ25(26)のバネ力に抗して押し上げて係合を円滑に行われしめるように作動するが、ワーク1から離隔した状態ではバネ25(26)のバネ力により元の位置に戻されて丸孔19(20)を円盤21(22)により閉止してその開放を防止するように機能する。
【0027】
次に、本発明の「ワーク固定式冷熱衝撃試験装置」100によるワーク1の冷熱衝撃試験方法について主に図5乃至図7により説明する。
図5は加熱室3によってワーク1を加熱している状態を示す。加熱室3は加熱室本体3aを加熱室用シャッタ部5により被包し略密閉状態に保持されるこの状態で加熱室3は加熱手段11により約150℃に加熱され加熱テストが行われる。この状態では図5に示すように冷却室4は冷却室本体4aを冷却室用シャッタ部6により閉止され、略密閉状態に保持されて予冷却される。勿論、この場合、冷却室4の丸孔20は円盤22により閉止されている。また、冷却室4は本実施例ではその開口部6bや切欠き部6cを上方に向けて配置されている。
【0028】
図6はワーク1の加熱が終了し、加熱室3が上方に移動し、冷却室4がワーク1に係合しようとしている状態を示す。即ち、加熱室3は、加熱室本体3aから加熱室用シャッタ部5が離れ、開口部5bや切欠き部5cを開放した状態となり、この状態で加熱室3はワーク1及びワーク固持部2から離隔する位置に移動される。一方、冷却室4は冷却室用シャッタ部6を冷却室本体4aから離隔する位置に開きその開口部6bや切欠き部6cを開放した状態となる。この状態で冷却室4はワーク1と係合し得る位置に移動可能となる。
【0029】
図7は、冷却室4がワーク1に係合した状態を示す。冷却室本体4aは冷却室用シャッタ部6により閉止され略密閉状態となり、冷却手段12により冷却室4内を約−65℃に冷却される。これにより、冷却テストが行われる。この状態では図7に示すように加熱室3も略密閉状態に保持されて加熱手段11により予加熱が行われる。
【0030】
次に、図7の状態から図5に戻されてワーク1は再び加熱され、加熱テストが引き続き行われ、以下、同様の冷却テスト及び加熱テストが繰返し行われ、ワーク1の冷熱衝撃試験が終了することになる。
【0031】
以上のように、移動が困難(又は移動しにくい)ワーク1の冷熱衝撃試験が行われるが、加熱室3や冷却室4は前記のように予加熱及び予冷却された状態からワーク1に係合する位置に順次移動されるため、試験時間の短縮と加熱及び冷却の効率化が図れる。また、前記のような装置はケース本体13内にコンパクトにまとめられ、移動も比較的容易に行われる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、移動困難なワークを気体を持ちいて冷熱衝撃試験を行うために便利な装置に関するものであるが、ワークの形態としては任意の形状のものに容易に対応でき、その利用範囲は広い。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のワーク固定式衝撃試験装置の全体構造を説明する構成図。
【図2】本発明における加熱室(冷却室)とこれに係合する加熱室用シャッタ部(冷却室用シャッタ部)の構造を説明するための模式的斜視図。
【図3】本発明における加熱室(冷却室)と加熱室用シャッタ部(冷却室用シャッタ部)との係合状態を示す模式図(図3(a)はワークの加熱(冷却)時の状態を示し、図3(b)はワークから離隔する状態を示すもの)。
【図4】本発明におけるシール部の構造及び作用を説明するための模式図。
【図5】本発明の冷熱衝撃試験方法を説明するための説明用模式図。
【図6】本発明の冷熱衝撃試験方法を説明するための説明用模式図。
【図7】本発明の冷熱衝撃試験方法を説明するための説明用模式図。
【符号の説明】
【0034】
1 ワーク
1a ワーク本体
1b ワイヤ
2 ワーク固持部
2a 押圧パイプ
2b 押圧手段
3 加熱室
3a 加熱室本体
3b 開口部
3c 切欠き部
4 冷却室
4a 冷却室本体
4b 開口部
4c 切欠き部
5 加熱室用シャッタ部
5a 加熱室用シャッタ部本体
5b 開口部
5c 切欠き部
5d 底板
6 冷却室用シャッタ部
6a 冷却室用シャッタ部本体
6b 開口部
6c 切欠き部
6d 底板
7 加熱室用開閉機構部
7a シリンダ
7b ピストンロッド
8 冷却室用開閉機構部
8a シリンダ
8b ピストンロッド
9 加熱室側室移動機構部
9a シリンダ
9b ピストンロッド
10 冷却室側室移動機構部
10a シリンダ
10b ピストンロッド
11 加熱手段
12 冷却手段
13 ケース本体
14 コントローラ部
15 係止具
16 係止具
17 シール部
18 シール部
19 丸孔
20 丸孔
21 円盤
22 円盤
23 支持部
24 支持部
25 バネ
26 バネ
100 ワーク固定式冷熱衝撃試験装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験体(以下、ワークと仮称する)を交互に冷却及び加熱してワークに熱衝撃を与えてワークの衝撃試験を行うための試験装置であって、該装置は、ワークを一定位置に固持するワーク固持部と、ワークを囲みこれを所定温度下で加熱又は冷却するための加熱室又は冷却室と、前記加熱室及び冷却室を前記ワークに係合する位置及びこれから離隔する位置に往復動させる室移動機構部と、前記ワークに係合する前記加熱室及び冷却室に形成される開口部を開閉するためのシャッタ部及びシール部と、前記加熱室及び冷却室内を所定温度に加熱及び冷却するための加熱手段及び冷却手段と、前記各構成要素を制御するコントローラと、前記各構成要素の略全体を被包するケース本体とを有することを特徴とするワーク固定式冷熱衝撃試験装置。
【請求項2】
前記加熱室及び冷却室の前記開口部側にはワーク側に出入時において前記ワーク固持部に干渉しないための切欠き部が形成され、前記シャッタ部は、前記開口部及び前記切欠き部を閉止して前記加熱室及び冷却室を略密閉状態に保持すべく前記加熱室及び冷却室に挿脱自在に一体的に保持されるものからなることを特徴とする請求項1に記載のワーク固定式冷熱衝撃試験装置。
【請求項3】
前記ワーク冷熱衝撃試験時における前記加熱室の内部温度は約150℃からなり、前記冷却室の内部温度が約−65℃であることを特徴とする請求項1に記載のワーク固定式冷熱衝撃試験装置。
【請求項4】
前記請求項1乃至3に記載されるワーク固定式冷熱衝撃試験装置によるワークの冷熱衝撃試験方法であって、該方法は、まずワークを所定位置に固持する第1工程と、前記ワークを加熱室で囲んでワークの加熱を行う第2工程と、前記ワークから加熱室を離隔させその開口部をシャッタ部により閉止し予熱を行う第3工程と、前記第3工程と同時に行われ前記ワークを冷却室で囲んでワークの冷却を行う第4工程と、前記ワークから前記冷却室を離隔させてその開口部をシャッタ部により閉止し予冷を行う第5工程と、前記第5工程と同時に前記加熱室をワークを囲む位置に位置決めする第6工程とからなり、これ等の工程を順次繰返し行うことを特徴とするワーク固定式冷熱衝撃試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−178135(P2007−178135A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−373709(P2005−373709)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【特許番号】特許第3851987号(P3851987)
【特許公報発行日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(502391600)株式会社テクノコア (4)