説明

ワーク把持装置

【課題】種々のワークに対応でき、軽量化に適している把持装置を提供する。
【解決手段】ロボットアームに装着して種々のワークWを搬送するためのワーク把持装置1であって、ロボットアームに連結する支持プレート22と、支持プレート22に配設されワークWの被把持部Waを把持する把持機構11と、把持機構11を自在移動可能に支持する自在移動機構12と、把持機構11の移動を規制する移動規制装置13と、を備え、把持機構11は凹部からなる被把持部Waを内側から把持するインナータイプ、または凸部からなる被把持部Waを外側から把持するアウタータイプで構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、把持装置に係り、特に、ロボットアームに装着して種々のワークを把持して搬送するための把持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の部品を加工し組み付けて、多様なバリエーションを有する製品を完成させる生産ラインでは、多種類のワークに柔軟に対応して効率よく確実に搬送するための技術が採用されている(例えば、特許文献1,2)。
特許文献1では、ワークを把持するハンド部を交換するハンド部交換機構54により多種多様なワークに対応することができる。
特許文献2では、タレット式のロボットハンドにより複数のハンドを回転し切り換えて選択することで交換時間を短縮している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−262281号公報(図1、図2)
【特許文献1】特開平10−202456号公報(図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のハンド部交換機構54では、ワークの種類に応じて別個のハンドを用意しなければならないので、ハンドの製作コストや置き場の確保が問題となる。また、特許文献2のタレット式のロボットハンドでは構造が複雑になるため、ロボットの先端部が重くなり動作が制約され、切り換える種類にも限界があるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、単一の把持装置で種々のワークに対応でき、軽量化に適したロボットアームに装着する把持装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、ロボットアームに装着して種々のワークを搬送するためのワーク把持装置であって、前記ロボットアームに連結する支持プレートと、この支持プレートに配設され前記ワークの被把持部を把持する把持機構と、この把持機構を自在移動可能に支持する自在移動機構と、前記把持機構の移動を規制する移動規制装置と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項1に係る発明によれば、自在移動機構により把持機構を所定の位置に自在に移動可能であるから、予め把持機構をワークの被把持部に位置合わせしておくことで、被把持部の位置が異なる種々のワークに柔軟に対応することができる。
そして、把持機構の位置合わせは、把持機構に駆動装置を設けてもよいが、外部に設けた位置合わせゲージを使用したり、記録された設定位置に把持機構を移動する外部に設けた把持機構駆動装置を使用したりして実現することもできる。
このため、本発明に係るワーク把持装置は、把持機構の位置合わせをする駆動装置を把持機構に設けずに別体として外部に設けた場合には、より軽量化を実現しながらバリエーションを有する種々のワークに適切に対応することが可能となる。
【0008】
また、「移動規制装置」により、前記ワークの被把持部に前記把持機構を位置合わせした状態で前記把持機構の移動を規制して位置を保持することで、前記把持機構により確実にワークを把持することができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のワーク把持装置であって、前記把持機構は、くさび形状部が形成された駆動部材と、一方の面に前記くさび形状部に適合する勾配部が形成され、他方の面に前記被把持部に接合する接合部が形成された従動部材と、前記くさび形状部と前記勾配部が摺動するように前記駆動部材と前記従動部材とが相対的に一方向に往復移動自在に支持し、前記勾配部が前記くさび形状部に係合し前記接合部が前記被把持部に対面して前記一方向に直交する方向に前記従動部材を往復移動自在に支持するホルダと、前記駆動部材と前記従動部材とが相対的に一方向に移動するように前記駆動部材または前記従動部材を移動させる駆動手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、前記駆動手段により前記駆動部材または前記従動部材を前記一方向に移動させ、前記くさび形状部に前記勾配部が係合した状態で前記接合部を前記被把持部に押圧することで、前記ワークを把持する必要な把持力を確実に発生させることができる。また、ワークの被把持部を適宜複数個所選定し、各被把持部に対応する複数の把持機構で把持することで、重いワークに対しても確実に把持して搬送することができる。
【0011】
このように、本発明は、単一の把持装置で種々のワークに対応でき、把持機構の位置合わせをする駆動装置を把持機構に設けずに別体として外部に設けた場合には、より軽量化することが容易であるため、ロボットアームに装着する把持装置として特に適している。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のワーク把持装置であって、前記被把持部は、凹部からなり、前記把持機構は、前記凹部を内側から前記接合部で押圧して把持するインナータイプの把持機構であること、を特徴とする。
【0013】
かかる構成によれば、ワークに形成された穴や窪み等の凹部を利用して内側から接合部を押圧して把持することができるので、把持しにくい形状のワークに対しても安定して確実に把持することができる。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項2に記載のワーク把持装置であって、前記被把持部は、凸部からなり、前記把持機構は、前記凸部を外側から前記接合部で押圧して把持するアウタータイプの把持機構であること、を特徴とする。
【0015】
かかる構成によれば、ワークに形成されたボスやリブ等の凸部を利用して外側から接合部で押圧して把持することができるので、把持しにくい形状のワークに対しても安定して確実に把持することができる。
【0016】
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワーク把持装置であって、前記自在移動支持装置は、互いに直交する3軸方向に移動自在に支持する3軸方向移動機構を備えたことを特徴とする。
【0017】
かかる構成によれば、3軸方向移動機構を備えたことで、バリエーションを有するワークの種類ごとに異なる種々の位置に形成されたワークの被把持部に確実に対応することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るワーク把持装置は、種々のワークに対応でき、軽量化に適しているため、ロボットアームに好適に装着することができる。このため、穴部や凸部を有し、製品のバリエーションに応じて穴部や凸部の位置が変わるトランスミッションケースやトルコンケース等を確実に把持することができるため、特に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る姿勢制御装置をワーク把持装置に適用した場合の使用例を説明するためのワーク搬出工程を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るワーク把持装置の姿勢制御装置の主要部の構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るワーク把持装置における把持機構の動作を示す図であり、(a)は断面図であり、(b)は先端部の側面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るワーク把持装置における把持機構を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は把持する前の状態、(c)は従動部材の分解図、(d)は把持した状態を示す。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る姿勢制御装置における把持機構の位置合わせ治具の構成を示す部分断面正面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る姿勢制御装置における弾性機構の動作(ワークを載置するパレットの剛性が高い場合)を示す模式的正面図であり、(a)はワーク把持部を被把持部に挿入する前の状態、(b)はワーク把持部を被把持部に挿入した後の状態を示す。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る姿勢制御装置における弾性機構の動作(ワークを載置するパレットの剛性が低い場合)を示す模式的正面図であり、(a)はワーク把持部を被把持部に挿入する前の状態、(b)はワーク把持部を被把持部に挿入した後の状態を示す。
【図8】本発明の第1の実施形態に係るワーク把持装置の動作を説明するための部分正面断面図であり、把持装置で把持する前の状態を示す。
【図9】本発明の第1の実施形態に係るワーク把持装置の動作を説明するための部分正面断面図であり、サポートシャフトがワークに当接した状態を示す。
【図10】本発明の実施形態に係るワーク把持装置の動作を説明するための部分正面断面図であり、サポートシャフトの外筒がワークに当接した状態を示す。
【図11】本発明の第1の実施形態に係るワーク把持装置の動作を説明するための部分正面断面図であり、クランプが完了した状態を示す。
【図12】本発明の第1の実施形態に係るワークが過剰に位置ずれを生じている場合のワーク把持装置の動作を説明するための部分正面断面図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係るアウタータイプの把持機構を説明するための斜視図であり、(a)は外観を示し、(b)は内部構造を示す断面図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係るアウタータイプの把持機構の構成および動作を示す断面正面図であり、(a)は把持する前の状態、(b)は把持した状態を示す。
【図15】本発明の第2の実施形態に係るアウタータイプの把持機構を説明するための一部分解斜視図である。
【図16】本発明の第1の実施形態に係る従動部材の変形例を説明するための一部分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の第1の実施形態に係るワーク把持装置1について、主として図1〜図5を参照しながら詳細に説明する。
ワーク把持装置1は、図1に示すように、多関節ロボット100のロボットアーム101の先端部102に装着して種々のバリエーションを有するワークWを把持する把持装置として好適に使用することができる。
本実施形態では、ワーク把持装置1を後記する姿勢制御装置2に搭載して多関節ロボット100に装着する場合について説明する。
多関節ロボット100は、搬送装置200によって取り出し位置まで搬送されてきたパレット201に載置されたワークWをロボットアーム101の先端部102に装着されたワーク把持装置1(図2を併せて参照)によりワークWの被把持部Wa(図2)を3箇所で把持し、ロボットアーム101を旋回させ把持状態を解除して搬出装置300まで搬送(ワークW1参照)する工程を担っている。
【0021】
なお、本実施形態においては、ワーク把持装置1を姿勢制御装置2に搭載して多関節ロボット100に装着する場合について説明するが、これに限定されるものではなく、姿勢制御装置2を介さずにワーク把持装置1をロボットアーム101の先端部102に装着してもよい。
【0022】
ワーク把持装置1は、図2に示すように、ワークWの被把持部Waを把持する把持機構11と、この把持機構11を自在移動可能に支持する自在移動機構である3軸移動機構12と、把持機構11の移動を規制する移動規制装置13と、を備えている。
そして、ワーク把持装置1は、図1に示すように、別途把持機構11を種々のワークに適合させるための把持機構11の位置合わせ治具400を多関節ロボット100の近傍に備えている。
【0023】
なお、本実施形態において、ワーク把持装置1は、同様のワーク把持装置1を3箇所に配設してワークWに形成された貫通穴等の凹部からなる被把持部Waを3箇所で把持しているが(図1参照)、3箇所に限定されるものではなく、ワークWの形状に応じて適宜1箇所でもよく、2箇所以上でもよい。3箇所に配設された把持機構11は同様の構成である。
【0024】
把持機構11は、図3に示すように、くさび形状部111aが形成された駆動部材111と、駆動部材111により拡径方向に移動する従動部材112と、駆動部材111および従動部材112を収容するホルダ113と、駆動部材111を往復移動して従動部材112を駆動させる駆動手段114(図2)と、を備えている。
【0025】
駆動部材111は、図4(b)に示すように、円柱形状をなし、先端部には円周方向に3箇所形成された平坦面からなるくさび形状部111aを備えている。
従動部材112は、図4(c)に示すように、ほぼ矩形形状をなし、円周方向に並べて3箇所に配設されている。従動部材112は、外側の一方の面にくさび形状部111aに適合する勾配部112aが形成され、内側の他方の面に被把持部Waに接合する接合部112bが形成されている。
接合部112bは、被把持部Waの穴形状に適合するように断面視で円弧状に形成されているが、これに限定されるものではなく、摩擦係数の高いゴム部材やローレット等の滑り止め加工を施してもよい。
【0026】
なお、勾配部112aは、平坦面からなるくさび形状部111aに適合するように平坦面で形成され、接合部112bはワークWの被把持部Waに適合するように断面視で円弧状に形成されているが、これに限定されるものではなく、ワークWの重量や摺動部の耐摩耗性、加工性の難易度等を考慮して適宜定めればよく、例えば勾配部112aとくさび形状部111aを断面視で円弧状に形成してもよい。
【0027】
ホルダ113は、図3に示すように、駆動部材111を図3(a)の上下方向に往復移動自在に支持する本体部113aと、この本体部113aの先端に螺合して接合された先端部113bと(図4(b)参照)、を備えている。
そして、ホルダ113は、本体部113aの内周面113cで駆動部材111を往復移動自在に支持し、先端部113bの支持部113d,113e(図3(b)参照)で従動部材112を図3(a)の左右方向(水平方向)に往復移動自在に支持している。
【0028】
駆動手段114は、図2に示すように、エアシリンダ等の往復駆動手段を駆動部材111に連結し、駆動部材111を往復移動できるように構成している。
把持機構11は、駆動手段114により、駆動部材111を図3(a)の上下方向に往復移動することで、従動部材112を図3(a)の左右方向に移動して(図4(b)参照)、ワークWの被把持部Waに従動部材112の接合部112bを押し付けるようにして(図4(d)参照)、ワークWを把持する機構である(図2参照)。
【0029】
3軸移動機構12は、図2に示すように、支持プレート22に配設されたX軸方向移動機構121と、このX軸方向移動機構121に支持されたY軸方向移動機構122と、このY軸方向移動機構122にブラケット124を介して支持されたZ軸方向移動機構123と、を備えている。
3軸移動機構12は、3軸とも同様に構成され、例えば、X軸方向移動機構121では、X軸方向に配設されたガイドレール121aと、このガイドレール121aに沿って移動自在に配設されたホルダ121bと、を備えている。
かかる構成により、ワーク把持装置1は、3軸移動機構12により、ワーク把持機構11を前後(X軸)、左右(Y軸)、上下(Z軸)方向の3軸方向に自在に移動できるように支持している。
【0030】
なお、本実施形態においては3軸移動機構12を採用したが、これに限定されるものではなく、ワークWの被把持部Waの位置関係を考慮して適宜自由度を設定するものであり、1軸や2軸でもよいし、さらに回転軸を備えた移動機構を採用することもできる。
【0031】
移動規制装置13は、3軸とも同様に構成され、それぞれX軸方向移動機構121、Y軸方向移動機構122、およびZ軸方向移動機構123に設けられている。例えば、X軸方向移動機構121では、ガイドレール121aをクランプしてホルダ121bの移動を規制するロック機構を採用している。ただし、移動規制装置13におけるロック方式は、特に限定されるものではなく、エア式、電磁式等の種々の形態を採用することができる。
【0032】
かかる構成により、ワーク把持装置1は、移動規制装置13より、把持機構11をワークWの被把持部Waに位置合わせした状態でロックして移動しないように保持することができる。
このため、ワーク把持装置1は、後記する把持機構11の位置合わせ治具200により(図5参照)、把持機構11を自在な位置に調整して被把持位置が異なる種々のワークに柔軟に対応することができる。
【0033】
<姿勢制御装置>
姿勢制御装置2は、図2に示すように、ロボットアーム101の先端部102に固定する固定プレート21と、ワーク把持装置1を支持する支持プレート22と、支持プレート22を弾性支持する弾性機構3と、支持プレート22の変位検知手段4と、ワーク把持装置1の姿勢を検知する姿勢検知装置6と、を備えている。
なお、本実施形態においては、姿勢検知装置6を備えた場合について説明するが、これに限定されるものではなく、ワークWがパレット201(図1)に正規の状態で位置決めされている場合には姿勢検知装置6を備えなくともよい。
【0034】
固定プレート21は、支持プレート22を支持するベースとなる部材であり、平面視で矩形形状をなしている(図1参照)。
支持プレート22は、固定プレート21に四隅に配設された弾性機構3(図1を併せて参照)を介して弾性支持されている。支持プレート22には、ワーク把持装置1および姿勢検知装置6がワークWの所定の箇所(本実施形態では3箇所)を把持できるように所定の箇所(本実施形態では3箇所)に配設されている。
【0035】
弾性機構3は、図2に示すように、固定プレート21と支持プレート22の間に配設されたコイルスプリング31により、支持プレート22を固定プレート21から離れる方向(図2の下方向)に付勢して、支持プレート22を固定プレート21に対して弾性支持している。
【0036】
なお、本実施形態においては、弾性機構3のばね部材としてコイルスプリング31を採用したが、これに限定されるものではなく、姿勢制御に必要な荷重および撓み量が確保できるものであれば、ねじりコイルばね、板ばね、皿ばね等の種々のばね部材を採用することができる。また、ばね部材に限定されるものではなく、ガススプリングを採用することもできる。
【0037】
すなわち、ワーク作業装置の作業内容に応じて、その姿勢制御に必要な荷重や撓み量(ストローク)を考慮して、適宜適切なばね部材またはガスプリングを選択して好適な姿勢制御を実現するが、ばね部材は、たわみ量に応じて荷重が比例するので、姿勢制御力を徐々に増大させる用途に適し、ガススプリングは、たわみ量が変化しても一定の荷重を発生することができるので、当初から安定した一定の姿勢制御力を確保する用途に適する。
【0038】
変位検知手段4は、支持プレート22の固定プレート21に対する変位を検知する検知装置であり、近接センサ等の検知装置が使用される。
変位検知手段4は、支持プレート22の原位置を検知する第1検知器41および第1被検知部41aと、ワーク把持装置1による把持位置を検知する第2検知器42および第2被検知部42aと、支持プレート22の過剰変位を検知する第3検知器43および第3被検知部43aと、を備えている。
【0039】
かかる構成により、支持プレート22が図8に示す原位置から固定プレート21に近づく方向に移動し、第2被検知部42aが第2検知器42の位置までくるとワーク把持装置1による把持位置にあることを検知し(図9参照)、支持プレート22が把持位置を行き過ぎて第3被検知部43aが第3検知器43の位置までくると支持プレート22の過剰変位を検知することができる(図12(c)参照)。
【0040】
姿勢検知装置6は、図2に示すように、ワークWに当接させるサポートシャフト5と、サポートシャフト5の先端に設けられた可撓性部材5aと、サポートシャフト5を出没自在に内装する外筒61と、サポートシャフト5をワークWに押し付ける方向に付勢する付勢手段62と、サポートシャフト5がワークWに当接していることを検知する当接検知手段63と、外筒61を図3の上下方向に移動するエアシリンダ64と、を備えている。
【0041】
ここで、可撓性部材5aは、例えば、ゴム、発泡スチロール、スポンジ等を使用して、サポートシャフト5をワークWに当接させたときの衝撃力を緩和しワークWの損傷を防止することができる。
また、エアシリンダ64は、ワーク把持装置1の位置決めの際に姿勢検知装置6がワークWに干渉しないように外筒61およびサポートシャフト5を上方に逃がすための装置であり、外筒61およびサポートシャフト5を下方に下げた状態でサポートシャフト5がワークWと当接可能になる。
【0042】
当接検知手段63は、光センサ等からなり、サポートシャフト5がワークWに当接してから所定の移動量sだけ移動し(図9(a)参照)、外筒61の先端面とサポートシャフト5の先端面が面一となった状態で(図10(a)参照)、対面する位置に移動してきた被検知部63aにより、サポートシャフト5がワークWに当接してから所定の移動量だけ移動したことを検知する。
【0043】
付勢手段62は、特に限定されず、コイルスプリング等を採用することができるが、付勢手段62の弾性係数は、弾性機構3のコイルスプリング31の弾性係数よりも小さく(弾性機構3の弾性係数が付勢手段62の弾性係数よりも大きく)なるように設定されている。
【0044】
かかる構成により、図9に示すように、サポートシャフト5がワークWに当接してから移動する移動量s(図9(a)参照)よりも、その間にコイルスプリング31(図5参照)が撓む移動量s′(図9(b)参照)の方が小さくなる。
【0045】
姿勢検知装置6は、ブラケット124に支持されて、ワーク把持装置1の把持機構11の近傍に配設されている。
姿勢検知装置6は、当接検知手段63により、ワークWを把持する従動部材112がワークWの被把持部Waに適正に挿入された状態であることを検知することができる。
【0046】
つまり、ロボットアーム101(図1参照)の先端部102を近づけてサポートシャフト5がワークWに当接した状態で、さらに先端部102をワークWに近づける方向に移動させると、ワーク把持装置1とともに外筒61が図3の下方に移動してサポートシャフト5が付勢手段62の付勢力に抗して外筒61内に収容され、外筒61の先端面とサポートシャフト5の先端面が面一となってワークWに当接する。
【0047】
このとき、同時に把持機構11の先端部(ワーク把持部)では、ワークWを把持する従動部材112がワークWの被把持部Waに適正に挿入された状態となるように把持機構11に対して姿勢検知装置6が適正な位置および高さに配設されている。
【0048】
このため、姿勢検知装置6は、サポートシャフト5がワークWに当接してから所定の移動量だけ移動し外筒61の先端面とサポートシャフト5の先端面が面一となった状態を当接検知手段63によって検知することで、ワークWを把持する従動部材112がワークWの被把持部Waに適正に挿入された状態となっていることを確認することができる。
【0049】
把持機構11の位置合わせ治具400は、図5に示すように、多種類のワークに対応する被把持部Wa(図2参照)である穴部201aが形成された治具プレート401と、この治具プレート401に立設されたガイドポスト402と、を備えている。
【0050】
かかる構成により、位置合わせ治具400のガイドポスト402に支持プレート22に配設されたガイド部材221を嵌合させることで、ロボットアーム101の先端部102に装着されたワーク把持装置1を位置合わせ治具400に位置決めできるようになっている。
【0051】
そして、ワーク把持装置1を位置合わせ治具400に位置決めした状態で、把持機構11の先端部(ワーク把持部)を所定のワークに対応する穴部401aに挿入し、移動規制装置13により3軸移動機構12の移動を規制することで、把持機構11を位置決めした状態でロックすることができる。
【0052】
続いて、本発明の実施形態に係るワーク把持装置1を姿勢制御装置2に搭載して多関節ロボット100に装着して適用する場合の動作について図6から図12を参照しながら説明する。
<弾性機構3の動作>
まず、弾性機構3の動作について、主として図6と図7を参照しながら説明する。参照する図6はワークを載置するパレットの剛性が高い場合の弾性機構3の動作を示す模式的正面図であり、(a)は把持機構11の先端部(ワーク把持部)を被把持部に挿入する前の状態、(b)はワーク把持部を被把持部に挿入した後の状態を示す。図7はワークを載置するパレットの剛性が低い場合の弾性機構3の動作を示す模式的正面図である。
なお、図6と図7では、説明の便宜上、ワークWの傾き等を誇張して表現するが、実際には微小な変形量である。
【0053】
ここで、パレット201(図1参照)は、目的や用途に応じて種々の形態が採用されるが、例えば、金属製のアングル材等で構成する場合には一般的に剛性が高く、合成樹脂等で構成する場合には剛性が低くなるため、弾性機構3の付勢力(弾性支持力)とパレット201の剛性との関係により以下のように弾性機構3は異なる機能を奏する。
【0054】
<パレットの剛性が高い場合>
ワークWを載置するパレット201の剛性が高い場合には、弾性機構3は、ワークWの姿勢に合わせてワーク把持装置1の姿勢を制御するように動作する傾向を示す。
すなわち、弾性機構3は、図1に示すように、例えば、パレット201に載置されたワークWを把持機構11で把持しようとする際に、パレット201に載置されたワークWが所定の位置からずれていたり傾いていたりしている場合には、このずれ等によるずれ量に応じてワークWに対するワーク把持装置1の姿勢を制御する。
【0055】
具体的には、図6(a)に示すように、ワークWに角度αの傾きがある場合には、ロボットアーム101(図1参照)によりワーク把持装置1をワークWに対して所定の位置に配置し、把持機構11の先端部(ワーク把持部)をワークWの被把持部Waに挿入する際に、ワークWの傾き角度αに応じてワークWの被把持部Waから支持プレート22を時計回りに回転させようとするモーメントMが反作用的に加えられる。
【0056】
そして、図6(b)に示すように、このようにして加えられたモーメントMがワークWに対するワーク把持装置1の角度αの傾きを適宜柔軟に吸収し、傾き角度αに応じて支持プレート22の位置や傾斜角度を補正することで、姿勢制御装置2は、ワークWに対するワーク把持装置1の姿勢を好適に制御することができる。
【0057】
<パレットの剛性が低い場合>
ワークWを載置するパレット201(図1参照)の剛性が低い場合には、弾性機構3は、ワークWの姿勢をワーク把持装置1に合わせるように動作する傾向を示す。
すなわち、弾性機構3は、図1に示すように、例えば、パレット201に載置されたワークWを把持機構11で把持しようとする際に、パレット201に載置されたワークWが所定の位置からずれていたり傾いていたりしている場合には、このずれ等を補正して、ワークWの姿勢をワーク把持装置1に合わせるように機能する。
【0058】
具体的には、図7(a)に示すように、把持機構11の先端部(ワーク把持部)をワークWの被把持部Waに挿入する際に、弾性機構3はその付勢力(弾性支持力)により、傾き角度αでパレット201(図1参照)に載置されているワークWに付勢力(押圧力)を付与するため、パレット201のしなりや変形等によりワークWを反時計回りに回転させようとするモーメントM′が加えられる。
【0059】
そして、図7(b)に示すように、このようにして加えられたモーメントM′は、ワークWの姿勢が傾き角度αよりも小さいα′になるように作用するため、ワーク把持装置1とワークWとのずれを好適に補正してワークWの姿勢をワーク把持装置1に合わせることができる。
【0060】
なお、本実施形態においては、便宜上、パレット201の剛性が高い場合と低い場合に分けて説明したが、実際には厳格に区別されるものではなく、弾性機構3による付勢力(弾性支持力)とパレット201の剛性との関係等により複合的に動作するが、弾性機構3による付勢力を適宜調整することで好適にワークWにワーク把持装置1が正対するように制御することができる。
【0061】
<ワーク把持装置の動作>
ワーク把持装置1の動作について、図8から図11を参照しながら説明する。参照する図において、図8は把持装置でワークを把持する前の状態、図9はサポートシャフトがワークに当接した状態、図10はサポートシャフトの外筒がワークに当接した状態、図11はクランプが完了した状態を示す部分正面断面図である。
【0062】
ワーク把持装置1がワークWに当接しない状態から(図8(a))、ロボットアーム101の先端部102をサポートシャフト5がワークWに当接するまで近づけた状態で(図9(a))、さらに先端部102をワークWに近づける方向にsだけ移動させると、図10(a)に示すように、ワーク把持装置1とともに外筒61が図3の下方に移動してサポートシャフト5が付勢手段62の付勢力に抗して外筒61内に収容され、外筒61の先端面とサポートシャフト5の先端面が面一となってワークWに当接する。
【0063】
そして、このようにして外筒61の先端面とサポートシャフト5の先端面が面一となった状態を当接検知手段63によって検知する。つまり、当接検知手段63は、サポートシャフト5がワークWに当接してから所定の移動量だけ移動したことを対面する位置に移動してきた被検知部63aにより検知する。
【0064】
一方、変位検知手段4は、図10(b)に示すように、ワーク把持装置1による把持位置を検知する第2検知器42が対面する位置に移動してきた第2被検知部42aの存在を検知する。このようにして、姿勢制御装置2は、ワーク把持装置1が正規の把持位置に位置決めされたことを確認する。
【0065】
このとき、ワーク把持装置1が正規の把持位置に位置決めされた状態であれば、同時に把持機構11の先端部(ワーク把持部)では、ワークWを把持する従動部材112が所定の隙間δ(図10(a)参照)を形成してワークWの被把持部Waに適正に挿入された状態となっている。
【0066】
このようにして、姿勢検知装置6は、サポートシャフト5がワークWに当接してから所定の移動量だけ移動し外筒61の先端面とサポートシャフト5の先端面が面一となった状態を当接検知手段63によって検知することで、ワークWを把持する従動部材112がワークWの被把持部Waに適正に挿入された状態となっていることを確認することができる。
【0067】
そして、図11に示すように、ワークWに対してワーク把持装置1が所定の姿勢で位置決めされた状態で、把持機構11は、駆動手段114により、駆動部材111を従動部材112に押し込むように移動して(図11(a)参照)、ワークWの被把持部Waに従動部材112を押し付けるようにしてワークWを把持する。
【0068】
<ワークが過剰にずれている場合の動作>
図1におけるパレット201に載置されたワークWが振動や外的要因により過剰な位置ずれを生じている場合におけるワーク把持装置1の姿勢制御装置2の動作について図12を参照しながら説明する。
姿勢制御装置2は、弾性機構3によっても姿勢制御しきれないようなワークWが過剰な位置ずれを生じている場合には、その状態を姿勢検知装置6および変位検知手段4によって検知する。
【0069】
ワークWが所定の載置状態から過剰にずれている場合には、図12(a)に示すように、把持機構11の先端部がワークWの被把持部Waに接近しようとすると、ワークWが過剰にずれているため把持機構11の先端部をワークWの被把持部Waに挿入することができずに把持機構11の先端部がワークWに当接する。
【0070】
把持機構11の先端部がワークWに当接した状態では、ロボットアーム101の先端部102を移動させて、サポートシャフト5がワークWに当接するまで近づけようとしても、図12(b)に示すように、サポートシャフト5をワークWに当接させることができない。
【0071】
このため、当接検知手段63は、サポートシャフト5が所定の移動量sだけ移動して、外筒61の先端面とサポートシャフト5の先端面が面一となった状態を検知することができない。
【0072】
そして、サポートシャフト5がワークWに当接していることを検知しない状態のままで、変位検知手段4により第2検知器42が対面する位置に移動してきた第2被検知部42aにより支持プレート22がワーク把持位置まで変位したことを検知する。
【0073】
しかしながら、変位検知手段4は、第2検知器42により支持プレート22がワーク把持位置まで変位したことを検知しても、当接検知手段63によりサポートシャフト5がワークWに当接していることを検知しないので、ワーク把持装置1がワークWに対して正規の位置に位置決めされたと判定することができない。
【0074】
このため、ロボットアーム101の先端部102をさらに移動させると、図12(c)に示すように、姿勢制御装置2は、変位検知手段4により第3検知器43が対面する位置に移動してきた第3被検知部43aにより支持プレート22の過剰変位を検知する。
【0075】
このようにして、姿勢制御装置2は、当接検知手段63によりサポートシャフト5がワークWに当接していることを検知しない状態で、変位検知手段4により支持プレート22の過剰変位を検知することで、ワークWが過剰にずれていると判断し、ワーク把持装置1によりワークWを把持しようとする際に生じる過度な負荷を未然に検知して回避することができる。
【0076】
<第2の実施形態>
本発明の第1の実施形態においては、被把持部WaがワークWに形成された貫通穴等の凹部であり、凹部を内側から押圧して把持するインナータイプの把持機構を採用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、被把持部Waが円柱形状のボスや衝立形状のリブ等の凸部である場合には、この凸部を外側から押圧して把持するコレットチャック方式のアウタータイプの把持機構を採用することもできる。
以下、被把持部Waがボスである場合と(図13〜図15参照)、リブである場合(図16参照)とに分けて説明する。
【0077】
<被把持部Wa′が円柱形状のボスである場合>
本発明の第2の実施形態に係る把持装置1′におけるアウタータイプの把持機構11′について図13〜図15を参照しながら説明する。参照する図13は本発明の第2の実施形態に係るアウタータイプの把持機構を説明するための斜視図であり、(a)は外観を示し、(b)は内部構造を示す断面図である。図14はアウタータイプの把持機構の構成および動作を示す断面正面図であり、(a)は把持する前の状態、(b)は把持した状態を示す。図15はアウタータイプの把持機構の構成を説明するための一部分解斜視図である。
なお、以下の説明において、第2の実施形態に係る把持装置1′においては、第1の実施形態における把持機構11との相違のみであるので他の構成の詳細な説明は省略する。
【0078】
把持機構11′は、図14に示すように、くさび形状部111a′が形成された駆動部材111′と、くさび形状部111a′に適合する勾配部112a′が形成され拡径および縮径方向に移動する従動部材112′と(図15を併せて参照)、駆動部材111′に内設され従動部材112′を軸方向に移動自在に支持するホルダ113′と、従動部材112′を往復移動して従動部材112′を拡径および縮径させる駆動手段114(図2参照)に連結されたコレットバー114a′と、を備えている。
【0079】
駆動部材111′は、従動部材112′を拡径縮径するように駆動する部材であり、第1の実施形態におけるホルダ113(図3参照)と同様に3軸移動機構12側に固定されている。
駆動部材111′は、図14(a)に示すように、内部に凹部111b′が形成された筒状の胴部111c′と、胴部111c′の先端部に螺入して結合されたリング形状の蓋部111d′と、蓋部111d′の内周部に形成された前記くさび形状部111a′と、を備えている。
【0080】
従動部材112′は、図15に示すように、円周方向に隙間を挟んで3体を並べて全体としてコレット形状をなすように鍔状をなした根元部112c′で連結されている。
従動部材112′の外周部は、図14(a)に示すように、先端側が拡径されたテーパからなる勾配部112a′が形成されている。従動部材112′の内周部は、被把持部Wa′である凸部に適合させた貫通穴からなる被把持部Wa′との接合部112b′が形成されている。
【0081】
ホルダ113′は、図15に示すように、円周方向に隙間が形成されるようにして3体を並べて配設され、全体としてリング状をなして駆動部材111′内に軸方向(図14における上下方向)に摺動自在に内設されている。ホルダ113′の内周部には、周方向に沿ってリング溝113a′が形成され、このリング溝113a′内に従動部材112′の根元部112c′とコレットバー114a′の先端部114b′が埋設されている。
ホルダ113′は、従動部材112′とコレットバー114′を一体として連結するように保持し、駆動部材111′に対して、従動部材112′を軸方向(図14における上下方向)に摺動自在に支持するとともに、縮径および拡径方向に移動自在に支持している。
【0082】
コレットバー114′は、棒状の形状をなし、円盤状に拡径された先端部114b′と、駆動部材111′の凹部に摺動自在に内設されるガイドリング114c′と、を備えている。コレットバー114a′の先端部114b′は、従動部材112′の根元部112c′に当接した状態でホルダ113′の内周部に埋設されている。
【0083】
かかる構成により、把持機構11′は、図14(a)に示すように、駆動手段114(図2参照)により、コレットバー114a′を図14(a)の下方向に移動すると、従動部材112を図3(a)の拡径方向に移動して、非把持状態にすることができる。
一方、図14(b)に示すように、把持機構11′は、駆動手段114(図2参照)により、コレットバー114a′を図14(a)の上方向に移動すると、従動部材112′を縮径方向に移動して、ワークW′の被把持部Wa′に従動部材112′の接合部112b′を押し付けるようにして、ワークW′を把持することができる。
【0084】
なお、前記した第2の実施形態においては、駆動部材111′を軸(上下)方向で移動しないように固定し、駆動手段114(図2参照)により従動部材112′が駆動部材111′に対して軸方向に移動することで縮径して把持するようにしたが、これに限定されるものではなく、従動部材112′を軸方向で移動しないように固定し、駆動手段114により駆動部材111′を従動部材112′に対して軸方向に移動して従動部材112′を縮径して把持してもよい。
【0085】
<被把持部がリブである場合>
図16に示すように、被把持部Wa′′がワークW′′の表面に沿って衝立状に突出して形成されたリブである場合には、2体の従動部材112′′を対向するように配設して構成する。
前記した第2の実施形態における被把持部Wa′がボスである場合は、従動部材112′を円周方向に隙間を挟んで3体を並べて配設したが(図15参照)、被把持部Wa′′がリブである場合は、2体の従動部材112′′を対向するように配設したものである。
このため、以下の説明において、前記した被把持部Wa′がボスである場合と同様の構成については、重複するため詳細な説明は省略する。
【0086】
従動部材112′′は、先端側が拡径されたテーパからなる勾配部112a′′を有する円柱を縦割りに半分に割ったような形状をなし、一方の面に勾配部112a′′が形成され、他方の面に平坦面からなる接合面112b′′が形成されている。そして、従動部材112′′は、隙間を挟んで互いに接合面112b′′を向かい合わせにして2体が配設され、根元部112c′′で連結されている。
【0087】
かかる構成により、把持機構11′は、従動部材112′′をそれぞれの接合面112b′′がワークW′′の被把持部Wa′′からなるリブに外側から接合するように挟持して確実に把持することができる。
【0088】
従動部材112′′の外周部は、先端側が拡径されたテーパからなる勾配部112a′′と、軸方向に沿って細長く形成された断面が半円状の凸状部112d′′と、を備えている。凸状部112d′′は、駆動部材111′′のくさび形状部111a′に形成された断面が半円状の凹状部111e′′に係合して軸方向に摺動することで、回り止めの機能を奏する。このため、被把持部Wa′′からなるリブの向きに合わせて位置合わせすることができる。
【符号の説明】
【0089】
1,1′ ワーク把持装置
2 姿勢制御装置
3 弾性機構
4 変位検知手段
5 サポートシャフト
5a 可撓性部材
6 姿勢検知装置
11,11′,11′′ 把持機構
12 3軸移動機構(自在移動機構)
13 移動規制装置
21 固定プレート
22 支持プレート
31 コイルスプリング
61 外筒
62 付勢手段
63 当接検知手段
100 多関節ロボット
101 ロボットアーム
111,111′ 駆動部材
111a,111a′ くさび形状部
112,112′ 従動部材
112a,112a′ 勾配部
112b,112b′ 接合部
113,113′ ホルダ
113a 本体部
113b 先端部
114 駆動手段
114a′ コレットバー
400 位置合わせ治具
401 治具プレート
W,W′,W′′ ワーク
Wa,Wa′,Wa′′ 被把持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームに装着して種々のワークを搬送するためのワーク把持装置であって、
前記ロボットアームに連結する支持プレートと、
この支持プレートに配設され前記ワークの被把持部を把持する把持機構と、
この把持機構を自在移動可能に支持する自在移動機構と、
前記把持機構の移動を規制する移動規制装置と、を備えたことを特徴とするワーク把持装置。
【請求項2】
前記把持機構は、
くさび形状部が形成された駆動部材と、
一方の面に前記くさび形状部に適合する勾配部が形成され、他方の面に前記被把持部に接合する接合部が形成された従動部材と、
前記くさび形状部と前記勾配部が摺動するように前記駆動部材と前記従動部材とが相対的に一方向に往復移動自在に支持し、前記勾配部が前記くさび形状部に係合し前記接合部が前記被把持部に対面して前記一方向に直交する方向に前記従動部材を往復移動自在に支持するホルダと、
前記駆動部材と前記従動部材とが相対的に一方向に移動するように前記駆動部材または前記従動部材を移動させる駆動手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のワーク把持装置。
【請求項3】
前記被把持部は、凹部からなり、
前記把持機構は、前記凹部を内側から前記接合部で押圧して把持するインナータイプの把持機構であることを特徴とする請求項2に記載のワーク把持装置。
【請求項4】
前記被把持部は、凸部からなり、
前記把持機構は、前記凸部を外側から前記接合部で押圧して把持するアウタータイプの把持機構であることを特徴とする請求項2に記載のワーク把持装置。
【請求項5】
前記自在移動支持装置は、互いに直交する3軸方向に移動自在に支持する3軸方向移動機構を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワーク把持装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2013−103289(P2013−103289A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247538(P2011−247538)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】