説明

一体型電子機器および支持用スタンド

【課題】電子機器の非使用時には収納姿勢を保持し、使用時には容易に使用姿勢へと筐体姿勢を変化させ、電子機器を安定に保持した状態で使用することができる一体型電子機器を提供する。
【解決手段】一体型電子機器100は、支持部110、逆回転防止ストッパ120および固定式突起130、逆回転防止ストッパ120および伸縮式突起140ならびに固定式突起130および伸縮式突起140を備える。支持部110は、電子機器200を収納姿勢と使用姿勢との間で回転可能に支持する。逆回転防止ストッパ120および固定式突起130は、収納姿勢と使用姿勢との間の90°の範囲に電子機器200の回転を規制する。逆回転防止ストッパ120および伸縮式突起140は、電子機器200を収納姿勢に保持する。固定式突起130および伸縮式突起140は、電子機器200を使用姿勢に保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器および支持用スタンドを備える一体型電子機器ならびにこの一体型電子機器に備えられる支持用スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器分野において一般の事務所に設置されるハブ等の電子機器を収容した筐体は、設置スペース削減のため、アンカーなどで床にボルトで固定して据え付けることをせずに、単に縦置きスタンドに載せて床に立てて置かれている。また、地震等による転倒防止策としては一般的な縦置きスタンドと同様、極力床との接触面積を広く取って設置している。
【0003】
しかし、このような筐体載置用スタンドは、上述のように、床との接触面積を広く取らなければならないため、設置スペースが増大する問題があった。
【0004】
そこで、電子機器の筐体を筐体載置用スタンドに対して回動可能とすることによって、筐体に作用する地震等の外力や転倒モーメントを分散吸収して筐体を安定的に保持することが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−324216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている支持用スタンドは、電子機器を収容した状態において電子機器の姿勢を変化させてから電子機器を使用することについては想定されていない。すなわち、特許文献1に開示されている支持用スタンドは、電子機器を回動可能としているが、電子機器に作用する地震等の外力や転倒モーメントを分散吸収することによって、電子機器を安定的に保持することを目的としている。したがって、電子機器を使用する際に使用しづらいという問題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記課題に鑑み、電子機器の非使用時には収納姿勢を保持し、使用時には容易に使用姿勢へと筐体姿勢を変化させ、電子機器を安定に保持した状態で使用することができる一体型電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一体型電子機器は、電子機器と、電子機器と一体として用いられる支持用スタンドと、を備える。また、本発明の一体型電子機器は、支持部、規制部、第1保持部および第2保持部を備える。支持部は、電子機器を収納姿勢と使用姿勢との間で回転可能に支持する。規制部は、収納姿勢と使用姿勢との間の90°の範囲に電子機器の回転を規制する。第1保持部は、電子機器を収納姿勢に保持する。第2保持部は、電子機器を使用姿勢に保持する。
【0009】
この構成では、電子機器が支持用スタンドと一体として用いられることによって、電子機器を収納姿勢と使用姿勢との間で容易に姿勢変化をさせることができる。また、支持用スタンドの底面のサイズに相当するだけの設置スペースがあれば、電子機器を収納し、使用することができるので、設置スペースのコンパクト化を図ることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明における一体型電子機器は、電子機器の非使用時には収納姿勢を保持し、使用時には容易に使用姿勢へと筐体姿勢を変化させ、電子機器を安定に保持した状態で使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(A)および(B)は、本発明の第1実施形態に係る一体型電子機器の構成を示す正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る一体型電子機器の構成を示す平面図である。
【図3】(A)および(B)は、本発明の第2実施形態に係る一体型電子機器の構成を示す正面図である。
【図4】(A)は、本発明の第3実施形態に係る一体型電子機器の構成を示す左側面図である。(B)は、本発明の第3実施形態に係る一体型電子機器の構成を示す正面図である。
【図5】(A)および(B)は、本発明の第3実施形態に係る一体型電子機器の構成を示す正面図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る一体型電子機器において、支持用スタンドに電子機器を支持させる様子を示す斜視図である。
【図7】(A)は、本発明の第4実施形態に係る一体型電子機器の構成を示す左側面図である。(B)は、本発明の第4実施形態に係る一体型電子機器の構成を示す正面図である。
【図8】(A)および(B)は、本発明の第4実施形態に係る一体型電子機器の構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る一体型電子機器を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
最初に、本発明の第1実施形態について説明する。
【0014】
図1(A)および(B)は、本発明の第1実施形態に係る一体型電子機器100の構成を示す正面図である。
【0015】
一体型電子機器100は、電子機器200および支持用スタンド300を備える。電子機器200は、本実施形態では、可搬型の画像形成装置を示す。支持用スタンド300は、電子機器200と一体として用いられる。
【0016】
また、一体型電子機器100は、支持部110、逆回転防止ストッパ120、固定式突起130および伸縮式突起140を備える。固定式突起130は、伸縮不可の突起である。伸縮式突起140は、突出方向に付勢されている突起である。したがって、伸縮式突起140は、その先端部に所定の力が加えられると、その長さが短くなる構成をしている。
【0017】
逆回転防止ストッパ120および固定式突起130は、電子機器200を収納姿勢と使用姿勢との間の90°の範囲に電子機器200の回転を規制する規制部である。逆回転防止ストッパ120および伸縮式突起140は、電子機器200を収納姿勢に保持する第1保持部である。固定式突起130および伸縮式突起140は、電子機器200を使用姿勢に保持する第2保持部に相当する。
【0018】
支持部110は、電子機器200を収納姿勢と使用姿勢との間で回転可能に支持する。図1(A)は、電子機器200の収納姿勢を示し、図1(B)は、電子機器200の使用姿勢を示す。支持部110は、電子機器200に形成された凹部に嵌合する突起または電子機器200に形成された突起に嵌合する孔部である。
【0019】
図1(A)に示すように、逆回転防止ストッパ120は、支持用スタンド300に形成されており、電子機器200の収納姿勢において電子機器200の下端部に位置するように配置されている。また、固定式突起130は、電子機器200に形成されており、電子機器200の収納姿勢において支持部110の斜め上方に位置するように配置されている。さらに、伸縮式突起140は、電子機器200に形成されており、電子機器200の収納姿勢において支持部110の斜め下方に位置するように配置されている。
【0020】
したがって、電子機器200が収納姿勢から使用姿勢に回転すると、図1(B)に示すように、固定式突起130および伸縮式突起140が支持用スタンド300の側面に当接する位置に移動する。固定式突起130と伸縮式突起140の位置関係は、電子機器200の長手方向と垂直な線であって支持部110を通過する線について線対称の関係にある。
【0021】
図1(A)に示すように、電子機器200は、逆回転防止ストッパ120によって、収納姿勢の状態から反時計回りに回転することができない。また、図1(B)に示すように、電子機器200は、固定式突起130によって、使用姿勢の状態から時計回りに回転することができない。したがって、逆回転防止ストッパ120および固定式突起130は、電子機器200を収納姿勢と使用姿勢との間の90°の範囲に電子機器200の回転を規制する。
【0022】
図1(A)に示すように、電子機器200は、逆回転防止ストッパ120によって、収納姿勢の状態から反時計回りに回転することができない。また、図1(A)に示すように、伸縮式突起140は、電子機器200の収納姿勢において、支持用スタンド300を押圧している。したがって、電子機器200は、伸縮式突起140と支持用スタンド300との摩擦によって、収納姿勢の状態から時計回りにふらつかない。なお、支持用スタンド300は、伸縮式突起140の先端部に対応する凹部を形成していてもよい。よって、逆回転防止ストッパ120および伸縮式突起140は、電子機器200を収納姿勢に保持する。
【0023】
図1(B)に示すように、電子機器200は、固定式突起130によって、使用姿勢の状態から時計回りに回転することができない。また、図1(B)に示すように、伸縮式突起140は、電子機器200の使用姿勢の状態では、支持用スタンド300への押圧が解除されて、支持用スタンド300の側面に当接する状態となる。したがって、電子機器200は、伸縮式突起140によって、使用姿勢の状態から反時計回りにふらつかない。よって、固定式突起130および伸縮式突起140は、電子機器200を使用姿勢に保持する。
【0024】
図2は、本発明の第1実施形態に係る一体型電子機器100の構成を示す平面図である。
【0025】
図2は、電子機器200が収納姿勢にある状態を示す。電子機器200は、支持部110を中心に、すなわち、回転軸線210を中心に回転する。
【0026】
この構成では、電子機器200が支持用スタンド300と一体として用いられることによって、電子機器200を収納姿勢と使用姿勢との間で容易に姿勢変化をさせることができる。また、支持用スタンド300の底面のサイズに相当するだけの設置スペースがあれば、電子機器200を収納し、使用することができるので、設置スペースのコンパクト化を図ることができる。
【0027】
支持部110は、電子機器200の重心位置において電子機器200を支持すると好ましい。
【0028】
この構成では、支持部110と電子機器200の重心とが一致するので、電子機器200の収納姿勢および使用姿勢が安定的に保持される。また、支持部110と電子機器200の重心とが一致するので、電子機器200に対して少ない力を作用するだけで、電子機器200の姿勢を変化させることができる。
【0029】
固定式突起130および伸縮式突起140は、電子機器200の重心位置よりも鉛直下方に、かつ、電子機器200の重心位置を通過する鉛直線に対して電子機器200の長手方向の両側に、配置されると好ましい。
【0030】
この構成では、電子機器200は、固定式突起130によって、使用姿勢の状態から時計回りに回転することができない。また、電子機器200は、伸縮式突起140によって、使用姿勢の状態から反時計回りにふらつかない。したがって、固定式突起130および伸縮式突起140によって、電子機器200の使用姿勢の状態を保持することができる。
【0031】
支持部110は、支持用スタンド300の上部に位置すると好ましい。
【0032】
この構成では、電子機器200の姿勢を収納姿勢と使用姿勢との間で変化させる場合に、電子機器200の一部が設置床面との干渉や接触が発生することを防止することができる。
【0033】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態以降の各実施形態においては、第1実施形態と重複する部分の説明を適宜省略する。
【0034】
図3(A)および(B)は、本発明の第2実施形態に係る一体型電子機器100の構成を示す正面図である。
【0035】
一体型電子機器100は、電子機器200および支持用スタンド300を備える。また、一体型電子機器100は、支持部110、固定式突起130、トーションスプリング150および図示しないロック機構を備える。
【0036】
固定式突起130およびロック機構は、電子機器200を収納姿勢と使用姿勢との間の90°の範囲に電子機器200の回転を規制する規制部である。ロック機構は、電子機器200を収納姿勢に保持する第1保持部である。固定式突起130およびトーションスプリング150は、電子機器200を使用姿勢に保持する第2保持部である。
【0037】
支持部110および固定式突起130は、第1実施形態と同様のものである。トーションスプリング150は、電子機器200を収納姿勢から使用姿勢に変化させるように付勢している。ロック機構は、例えば、電子機器200と支持用スタンド300との係合によって、電子機器200を収納姿勢に保持する機能を有する。
【0038】
図3(A)は、電子機器200の収納姿勢を示し、図3(B)は、電子機器200の使用姿勢を示す。支持部110は、電子機器200を収納姿勢と使用姿勢との間で回転可能に支持する。
【0039】
図3(A)に示すように、電子機器200は、ロック機構によって、収納姿勢の状態から反時計回りに回転することができない。また、図3(B)に示すように、電子機器200は、固定式突起130によって、使用姿勢の状態から時計回りに回転することができない。したがって、固定式突起130およびロック機構は、電子機器200を収納姿勢と使用姿勢との間の90°の範囲に電子機器200の回転を規制する。
【0040】
図3(A)に示すように、電子機器200は、ロック機構によって、収納姿勢の状態に保持される。したがって、ロック機構は、電子機器200を収納姿勢に保持する。
【0041】
図3(B)に示すように、電子機器200は、固定式突起130によって、使用姿勢の状態から時計回りに回転することができない。また、図3(B)に示すように、トーションスプリング150は、電子機器200の使用姿勢の状態では、弾性エネルギーが解放されているので、電子機器200を使用姿勢に保持しようとする。したがって、固定式突起130およびトーションスプリング150は、電子機器200を使用姿勢に保持する。
【0042】
この構成では、電子機器200が支持用スタンド300と一体として用いられることによって、電子機器200を収納姿勢と使用姿勢との間で容易に姿勢変化をさせることができる。また、支持用スタンド300の底面のサイズに相当するだけの設置スペースがあれば、電子機器200を収納し、使用することができるので、設置スペースのコンパクト化を図ることができる。
【0043】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0044】
図4(A)は、本発明の第3実施形態に係る一体型電子機器100の構成を示す左側面図である。図4(B)は、本発明の第3実施形態に係る一体型電子機器100の構成を示す正面図である。図5(A)および(B)は、本発明の第3実施形態に係る一体型電子機器100の構成を示す正面図である。
【0045】
一体型電子機器100は、電子機器200および支持用スタンド300を備える。また、一体型電子機器100は、支持部110、トーションスプリング150、溝220、トーション内蔵レール310、レールストッパ320および図示しないロック機構を備える。なお、本実施形態の一体型電子機器100は、電子機器200と支持用スタンド300とを分離できる。
【0046】
トーション内蔵レール310およびロック機構は、電子機器200を収納姿勢と使用姿勢との間の90°の範囲に電子機器200の回転を規制する規制部である。ロック機構は、電子機器200を収納姿勢に保持する第1保持部である。トーション内蔵レール310は、電子機器200を使用姿勢に保持する第2保持部である。
【0047】
支持部110は、第1実施形態と同様のものである。トーションスプリング150およびロック機構は、第2実施形態と同様のものである。溝220は、トーション内蔵レール310に対応する切欠である。トーション内蔵レール310は、トーションスプリング150の一部を格納しており、トーションスプリング150の付勢力によって支持部110を中心に回転可能である。トーション内蔵レール310は、90°の範囲でのみ回転可能に構成されている。
【0048】
レールストッパ320は、伸縮可能な突起である。レールストッパ320は、支持用スタンド300に電子機器200が支持されていないときには、図4(A)に示すように、トーション内蔵レール310側に突出して、トーション内蔵レール310が回転することを抑制している。
【0049】
図5(A)は、電子機器200の収納姿勢を示し、図5(B)は、電子機器200の使用姿勢を示す。支持部110は、電子機器200を収納姿勢と使用姿勢との間で回転可能に支持する。
【0050】
図5(A)に示すように、電子機器200は、ロック機構によって、収納姿勢の状態から反時計回りに回転することができない。また、図5(B)に示すように、電子機器200は、トーション内蔵レール310によって、使用姿勢の状態から時計回りに回転することができない。したがって、トーション内蔵レール310およびロック機構は、電子機器200を収納姿勢と使用姿勢との間の90°の範囲に電子機器200の回転を規制する。
【0051】
図5(A)に示すように、電子機器200は、ロック機構によって、収納姿勢の状態に保持される。したがって、ロック機構は、電子機器200を収納姿勢に保持する。
【0052】
図5(B)に示すように、電子機器200は、トーション内蔵レール310によって、使用姿勢の状態から時計回りに回転することができない。また、図5(B)に示すように、トーションスプリング150(トーション内蔵レール310)は、電子機器200の使用姿勢の状態では、弾性エネルギーが解放されているので、電子機器200を使用姿勢に保持しようとする。したがって、トーション内蔵レール310は、電子機器200を使用姿勢に保持する。
【0053】
図6は、本発明の第3実施形態に係る一体型電子機器100において、支持用スタンド300に電子機器200を支持させる様子を示す斜視図である。
【0054】
支持用スタンド300に電子機器200を支持させる際には、図6に示すように、電子機器200に形成された溝220を支持用スタンド300のトーション内蔵レール310にはめ合わせるように、矢印230方向に電子機器200を移動させる。そうすると、レールストッパ320が電子機器200の筐体に当たって退避し、図5(A)の状態になったときには、トーション内蔵レール310が回転可能な状態となる。
【0055】
この構成では、電子機器200が支持用スタンド300と一体として用いられることによって、電子機器200を収納姿勢と使用姿勢との間で容易に姿勢変化をさせることができる。また、支持用スタンド300の底面のサイズに相当するだけの設置スペースがあれば、電子機器200を収納し、使用することができるので、設置スペースのコンパクト化を図ることができる。
【0056】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
【0057】
図7(A)は、本発明の第4実施形態に係る一体型電子機器100の構成を示す左側面図である。図7(B)は、本発明の第4実施形態に係る一体型電子機器100の構成を示す正面図である。図8(A)および(B)は、本発明の第4実施形態に係る一体型電子機器100の構成を示す正面図である。
【0058】
一体型電子機器100は、電子機器200および支持用スタンド300を備える。また、一体型電子機器100は、溝240、伸縮式突起250、ボス330および図示しないロック機構を備える。なお、本実施形態の一体型電子機器100は、電子機器200と支持用スタンド300とを分離できる。
【0059】
ボス330は、電子機器200を収納姿勢と使用姿勢との間で回転可能に支持する支持部である。溝240およびボス330は、電子機器200を収納姿勢と使用姿勢との間の90°の範囲に電子機器200の回転を規制する規制部である。溝240、ボス330およびロック機構は、電子機器200を収納姿勢に保持する第1保持部である。溝240、伸縮式突起250およびボス330は、電子機器200を使用姿勢に保持する第2保持部である。
【0060】
ロック機構は、第2実施形態と同様のものである。溝240は、ボス330に対応する切欠である。伸縮式突起250は、突出方向に付勢され、伸縮自在に構成されている。ボス330は、図7(A)および(B)に示すように、非円柱状を呈している。
【0061】
支持用スタンド300に電子機器200を支持させる際には、電子機器200に形成された溝240を支持用スタンド300のボス330にはめ合わせるように、矢印230方向に電子機器200を移動させる。そうすると、伸縮式突起250が電子機器200の筐体に当たって退避し、図8(A)の状態になったときには、電子機器200が回転可能な状態となる。
【0062】
図8(A)は、電子機器200の収納姿勢を示し、図8(B)は、電子機器200の使用姿勢を示す。ボス330は、電子機器200を収納姿勢と使用姿勢との間で回転可能に支持する。
【0063】
図8(A)に示すように、電子機器200は、溝240とボス330とのはめ合わせによって、収納姿勢の状態から時計回りに回転することができない。また、図8(B)に示すように、電子機器200は、溝240とボス330とのはめ合わせによって、使用姿勢の状態から反時計回りに回転することができない。したがって、溝240およびボス330は、電子機器200を収納姿勢と使用姿勢との間の90°の範囲に電子機器200の回転を規制する。
【0064】
図8(A)に示すように、電子機器200は、溝240とボス330とのはめ合わせおよびロック機構によって、収納姿勢の状態に保持される。したがって、溝240、ボス330およびロック機構は、電子機器200を収納姿勢に保持する。
【0065】
図8(B)に示すように、電子機器200は、溝240とボス330とのはめ合わせによって、使用姿勢の状態から反時計回りに回転することができない。また、図8(B)に示すように、伸縮式突起250の位置は、支持用スタンド300を押圧する位置から付勢力によって十分に伸びた位置まで移動する。すなわち、伸縮式突起250の位置は、支持用スタンド300の側面に当接する位置まで移動する。
【0066】
したがって、伸縮式突起250は、電子機器200が使用姿勢の状態から時計回りに回転することを抑制する。よって、溝240、伸縮式突起250およびボス330は、電子機器200を使用姿勢に保持する。
【0067】
この構成では、電子機器200が支持用スタンド300と一体として用いられることによって、電子機器200を収納姿勢と使用姿勢との間で容易に姿勢変化をさせることができる。また、支持用スタンド300の底面のサイズに相当するだけの設置スペースがあれば、電子機器200を収納し、使用することができるので、設置スペースのコンパクト化を図ることができる。
【0068】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0069】
100−一体型電子機器
110−支持部
120−逆回転防止ストッパ
130−固定式突起
140−伸縮式突起
150−トーションスプリング
200−電子機器
240−溝
250−伸縮式突起
300−支持用スタンド
310−トーション内蔵レール
330−ボス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器と、
前記電子機器と一体として用いられる支持用スタンドと、
を備える一体型電子機器であって、
前記電子機器を収納姿勢と使用姿勢との間で回転可能に支持する支持部と、
前記収納姿勢と前記使用姿勢との間の90°の範囲に前記電子機器の回転を規制する規制部と、
前記電子機器を前記収納姿勢に保持する第1保持部と、
前記電子機器を前記使用姿勢に保持する第2保持部と、
を備える一体型電子機器。
【請求項2】
前記支持部は、前記電子機器の重心位置において該電子機器を支持する
請求項1に記載の一体型電子機器。
【請求項3】
前記第2保持部は、前記電子機器の重心位置よりも鉛直下方に、かつ、前記電子機器の重心位置を通過する鉛直線に対して前記電子機器の長手方向の両側に、配置される
請求項1または2に記載の一体型電子機器。
【請求項4】
前記支持部は、前記支持用スタンドの上部に位置する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の一体型電子機器。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の一体型電子機器に備えられる
支持用スタンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−74224(P2013−74224A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213786(P2011−213786)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】