説明

一体型HIDランプアセンブリ

リフレクタ(12)内に保持したHID(14)と共に構成され得る一体型HIDリフレクタランプが提供される。インナーエレメント(16)がリフレクタに機械的に連結される。インナーエレメントにはリフレクタと合致する第1の機械的連結部と、回路基盤(18)と合致する第2の機械的連結部と、回路基盤に導線の一方を少なくとも電気的に連結する電気的連結部と、が形成される。回路基盤は、インナーエレメントに機械的に連結し且つインナーエレメント上の電気的連結部により導線に電気的に接続する縁部を有する。ヒートシンク(20)が、回路基盤の少なくとも一方側をスパンすると共に、EMIシールドを形成する。アウターカバー(22)が、ヒートシンク、回路基盤、インナーエレメント、を包囲すると共に、リフレクタ、HIDランプ、インナーエレメント、ヒートシンク、からなるアセンブリに連結され、該アセンブリの各前記要素が相互にクリップ止めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電球、特にHID電球に関し、詳しくは、ネジ溝付きソケットで使用するリフレクタを備えるHIDランプに関する。
【背景技術】
【0002】
高輝度放電型(HID)ランプは1ワット当たりルーメン係数が100または100を超える極めて効率的なものであり得る。HIDランプは優れた演色性をも提供し得る。HIDランプは歴史的に、別個のスタート及びバラスト機器を要するため、標準型ソケットでの白熱ランプとの互換使用ができなかった。かくしてその市場はプロ用途に限られ、一般大衆がその技術の恩恵にあずかることは本来なかった。回路小型化技術の到来に伴い、バラスト及びスタートの各回路は小型化されたが、その性能は周囲動作温度に影響される。HIDランプは放熱量が大きいことで知られ、この点及びその他要因からスタート及びバラスト機能部は一般にランプ本体から分離される。従って、隣接するHIDランプの熱の影響を受けない、オンボード制御回路を備える一体型HIDランプに対する需要がある。一体型HIDランプでは高電圧が用いられるため、電気保安上、消費者が日常的に使うことはできなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
日常使用に係わる安全上の問題が殆どまたは全くない一体型HIDランプに対する需要がある。また、白熱ランプ用ソケットで安全に使用できる一体型HIDランプに対する需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
包囲容積を画定する壁と、伸延する少なくとも2つの電気接点を有するシール端部と、を有するHIDランプカプセルを備える一体型HIDランプが提供される。リフレクタは前後の各側部を有する凹型シェル形態とされ、ネック部が貫通路を画定し、ネック部の後側部には1つ以上の整合フェースが、前側部には反射面が夫々形成される。ネック部内にHIDランプカプセルが、リフレクタと、ネック部の、該リフレクタの後側部に隣り合う端部位置に露呈された電気的接続用の電気接点とに面する状態下にネック部内で位置決めされる。リフレクタの後側部には2つまたそれ以上のスナップ凹所と、2つまたはそれ以上の整合ナップと、位置決め用の棚状凸部と、リフレクタのスナップ凹所と合致するべく寸法付けされ且つ離間された少なくとも2つまたはそれ以上のラッチスナップを具備する凹型シェル形態のインナーエレメントと、整合ナップと合致するべく寸法付けされ且つ離間された2つまたはそれ以上の整合ガイドと、ネック部の整合フェースに隣り合って密着するよう寸法付けされ且つ離間された整合フェースと、を有する形態とされる。インナーエレメントには、導線を電気的接続させるべく露呈させ得る貫通路が少なくとも一つ形成される。インナーエレメントはリフレクタの後部に嵌合され、各導線に対し、前側部フェースと平行のしかしオフセットされた少なくとも2つの直立用のブレースブロックを有し、各電気的クリップがネック部でインナーエレメントにその第1フェースが導線の一方に各隣り合う状態で連結され、第2フェースが、ブロック状の直立ブレースの前側部フェースと対向する直線部分に沿って露呈されると共に、バネ張力を持つ形態とされる。各電気的クリップは相当する導線に電気的に連結される。平坦な回路基盤が、HIDランプカプセルへの送電力を制御する制御回路を有し、前記回路基盤が、インナーエレメントの後部に隣り合い且つ電気的クリップの各第2フェースと直立ブレースとの間を伸延する縁部を有し、当該回路基盤上に形成した各電気的接触部が、電気的クリップの各第2フェースと接触する。電気的な回路基盤はランプカプセルから離れる軸方向に伸延する。電気的な凹形シェル形態とした導電性のヒートシンクが、電気回路基盤の少なくとも一部分をスパンする形態を有し、回路基盤またはこの回路基盤上の実装部品に隣り合って位置決めした接点にして、回路基盤または実装部品の熱をヒートシンクに伝導させる。ヒートシンクは熱放散特性を持つ形態とされ、そうでなければ、回路基盤上に実装した全ての実質的なEMI放射部品の周囲の導電性エンクロージャを画定する。アウターカバーが、ヒートシンク、回路基盤、インナーエレメント、を包囲し、インナーエレメントの各スナップに密接して位置決めした内側連結部を有し、この内側連結部が前記各スナップを然るべくピン止めする。リムをリフレクタの棚状凸部に合致させ得る。ネジ溝付きベース部をアウターカバーに連結させ得る。アウターカバーは、ネジ溝付きの電気的ソケット内に連結する外側電気的連結部と、回路基盤に連結する内側電気接点とを有する。
【発明の効果】
【0005】
日常使用に係わる安全上の問題が殆どまたは全くない一体型HIDランプが提供され、白熱ランプ用ソケットで安全に使用できる一体型HIDランプが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、HIDリフレクタランプの好ましい実施例の斜視図である。
【図2】図2は、一体型HIDランプ、支持リング及び接点クリップからなるアセンブリの好ましい実施例の側方斜視図である。
【図3】図3は、一体HIDランプリフレクタの好ましい実施例の正面図である。
【図4】図4は、図3の好ましいリフレクタの好ましい実施例の断面図である。
【図5】図5は、図4の好ましいリフレクタを軸中心に90°回転した好ましい実施例の断面図である。
【図6】図6は、インナーカバーの好ましい実施例の正面斜視図である。
【図7】図7は、図6のインナーカバーの好ましい実施例の後方斜視図である。
【図8】図8は、回路基盤の好ましい実施例に連結したインナーカバーの好ましい実施例の後方斜視図である。
【図9】図9は、図8のヒートシンク及びEMIシールドの好ましい実施例により部分的に包囲した回路基盤の好ましい実施例に連結したインナーカバーの好ましい実施例の断面図である。
【図10】図10は、アウターカバーの好ましい実施例の断面図である。
【図11】図11は、導電性のバネタブの好ましい実施例の斜視図である。
【図12】図12は、図3のHIDランプリフレクタの好ましい実施例の後方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1にはHIDリフレクタランプ(以下、一体型HIDランプあるいはHIDランプとも称する)10の好ましい実施例の側方斜視図が示される。HIDリフレクタランプ10はリフレクタ12と、ランプカプセル14と、インナーカバー16等のインナーエレメントと、回路基盤18と、ヒートシンク20と、アウターカバー22と、ネジ溝付きベース部24と、から構成される。フロントカバーレンズを使用してリフレクタ12の前端部を閉鎖しても良い。
【0008】
図2には一体型HIDランプの、ランプカプセル14、支持リング74、接触クリップ52、からなるアセンブリの好ましい実施例の側方斜視図が示される。ランプカプセル14は、包囲容積28を画定する壁26と、シール端30とを有し、シール端は少なくとも2つの長い電気接点と、第1導線32及び第2導線34とを備える。ランプカプセル14はチューブ状で、プレス処理されたシール端30を有することが好ましい。ランプカプセル14はパワーボール等のセラミックランプ36を含むことが好ましいが、任意の類似の小型のセラミックまたはクオーツHIDランプ構造のものを現用のHIDランプカプセル14構造に適合使用させ得る。
好ましい実施例ではセラミックランプ36が軸方向に伸延され、第1端部38がシール端30付近で第1導線32に電気的に連結され、第2端部40が、セラミックランプ36の長手方向側部に沿ってしかしこの側部からオフセットした状態下に伸びる導線42を介して第2導線34に電気的に連結される。第2端部40、導線42、第2導線34からなるこのパスは第1端部38及び第1導線32より成る他方のパスよりも軸方向に長く且つEMI抑制用の2つのパスの内では良好なパスを提供する。
【0009】
図12には導電性のバネクリップ52の好ましい実施例の斜視図が示される。当該好ましい実施例では第2導線34には、リフレクタ12上に形成したメタル層44と接触する電気タップが電気的に連結される。電気タップは、バネアーム54、56をランプカプセル14のプレス処理したシール端30にクリップ止めしたバネ鋼製のクリップ52であることが好ましい。クリップ52は穴58及びタブ60を有し、タブ60はクリップ52のその他部分がランプカプセル14のプレス処理したシール端30と合致(クリップ止め)する際に第2導線34上を摺動移動して当該第2導線34とラッチ係合する。タブ60はバネアームとしてクリップ52から伸延し、リフレクタ12上に形成したメタル層44に第2導線34を接続させる。
【0010】
図3には一体型HIDランプのリフレクタ12の好ましい実施例の正面図が示される。図4には好ましいリフレクタ12の好ましい実施例の断面図が示される。図5には同じ好ましいリフレクタ12の好ましい実施例の断面図が、軸中心に90°回転した状態で示される。リフレクタ12は前側部62及び後側部64を持つ凹形シェル状を有する。ネック部66がリフレクタの軸37に沿って後方に伸び、前側部62から後側部64に伸びる貫通路68を画定する。ネック部66の後側部64は、インナーカバー16等のインナーエレメントの内側上に形成した相当するフェースと合致する、傾斜平坦面70等の整合フェースを1つ以上形成したものであることが好ましい。リフレクタ12は前側部62上に反射性のメタル層44を有する。好ましい実施例では反射性のメタル層44は貫通路68内に伸延され、メタル層44の当該伸延部分に、例えば、クリップ52のバネアーム、タブ60が電気的に接触する。好ましい実施例ではメタル層44はランプカプセル14の胴部の実質的に周囲を、または実用的である限りにおいて胴部の周囲を伸延し、ネック部66及び貫通路68の領域に入り、リフレクタ12の前方端部位置で外側リムに達する。次いでメタル層44は、セラミックランプ36の実質的に周囲を伸延するEMI捕捉ケージを画定する。メタル層44は、ネック部66領域での充分な電気的接触を可能とするべく、リフレクタ12のネック部66及び貫通路68領域において実質的に厚いことが電気的接続上有益である。
【0011】
ネック部66内のメタル層44は、薄いと掻き傷が付きまたはそうでなければ充分な導電接触が得られなくなる。本件出願人はネック部66の、メタル層44との電気的接触部分の内側上に導電性テープ(図示せず)の小片を配置するのが有益であることを見出した。導電性テープによれば、貫通路68内のコーティング、即ちメタル層44への十分な導電的接触及び耐久性のある電気的接触に関わる問題が回避される。ネック部66の内側(貫通路68)をアルミ化すれば導電性テープは不要であると考えられる。HIDランプカプセル14は、その発光領域を反射性のメタル層44に向け或いは露呈させ、そうでなければリフレクタのネック部66内で軸方向37に整列させた状態で位置決めする。好ましい実施例ではリフレクタ12の前側部62に、ランプカプセル14の外壁とリフレクタ12の前側部62との間部分を補強するスぺーサリング74を位置決めする段部または突出ナブ72を貫通路68の開口部周囲に形成する。スぺーサリング74はランプカプセル14をリフレクタ12内で軸方向に位置決めし且つ補強する。ランプカプセル14の電気的接触部32、34は、ネック部66の一端位置でリフレクタ12の後側部64に隣り合う位置で電気的接触部に対して露呈するよう位置決めされる。
【0012】
図11には一体型HIDランプのリフレクタ12の好ましい実施例の後方斜視図が示される。好ましいリフレクタ12の後側部64は、2つまたはそれ以上のスナップ凹所76と、2つ以上の整合ナブ77と、位置決め用棚部84とを含む構成を有する。スナップ凹所76には、インナーカバー16上に形成した相当するラッチ82のラッチフェース90を受け且つ保持する凹部78を形成し得る。凹部78は、リフレクタ12の中心軸37方向に向けて内側に伸延するのが好ましい。スナップ凹所76の各側の、凹部78に隣り合う平坦セクションであり得る外側面は、リフレクタの中心軸から離れる方向を向き且つ中心軸37と平行であることが好ましい。リフレクタ12は、後側部64に形成されて中心軸37の周囲でスナップ凹所72から半径方向外側に伸延する円形リブまたは円形棚部84にして、アウターカバー22の前側部リム86を座着させ得る、または補強し得る円形リブまたは円形の棚部84を含むことが好ましい。リフレクタ12には、アウターカバー22上に形成したノッチ140にキー止めさせるナブ88を円形リブまたは円形棚部84に沿って形成することも好ましい。
【0013】
図6には好ましい形態のインナーカバー16における好ましいエレメント実施例の前方斜視図が示される。図7には、インナーカバー16の好ましい同一実施例の後方斜視図が示される。インナーカバー16等の好ましいインナーエレメントは成型プラスチックから作製し得、リフレクタ12に連結してリフレクタ12の後方部分を覆う凹形シェル形態を有する。インナーカバー16には、ラッチフェース90を具備する少なくとも1つのラッチ82を形成することが好ましい。インナーカバー16にはスロット部96等の2つまたはそれ以上の整合ガイドを同様に形成し、各整合ガイドはリフレクタ12の後側部64上に形成した整合ナブ77と合致するサイズ及び間隔に配置する。インナーカバー16は、ネック部66の整合フェース70に密着状態で嵌合するサイズ及び間隔を有する整合フェース98をも含む。インナーカバー16は、スナップ凹所76にスナップ嵌合し、スロット部96により整合ナブ77に抗回転状態にキー止めされることが好ましい。
【0014】
インナーカバー16には少なくとも1つの貫通路100が形成され、当該貫通路が、ランプカプセル14の導線32、34をインナーカバー16の後側部102に沿って電気的接続上露呈させる。導線32、34をインナーカバー16の厚みを通して伸延させるのが好都合である。次いで、インナーカバー16はリフレクタ12の後側部64に嵌合して整合フェース70、ナブ77、に各接触し、スナップ凹所76内に嵌入する。インナーカバー16の貫通路100に隣り合う後側部102上に、少なくとも2つの直立ブレース104、フェース106を有するブロック状突起、をも形成することが好ましい。インナーカバー16の後側部には、アウターカバー22の内壁上に形成した相当するラッチフェース136と連結し得るバネタブラッチ108等のラッチを1つまたはそれ以上形成する。インナーカバー16の好ましい実施例には、このインナーカバー16の前方リムの周囲で90°の角度間隔で位置決めした4つのバネタブラッチが形成される。
【0015】
好ましい実施例ではインナーカバー16を貫いて1つまたはそれ以上の電気的クリップ110が伸延され、導線32、34の各一方に隣り合う第1フェース112と、回路基盤18の連結部パッド122の各1つに隣り合うバネ引張された第2フェース114とを有し、当該第2フェースはバネ引張されてフェース106と共にクランピングトラップを形成する。好ましい実施例では各導線32、34用の相当する電気的クリップ110が設けられる。各電気的クリップ110はインナーカバーのネック部内でインナーカバー16に連結され、第1フェース112が各導線32、34に隣り合い、第2フェース114が直線状のスロット部分116に沿って露呈され、直立ブレース104の前側部のフェース106に対向して位置決めされる。電気的クリップ110の第2フェース114は、直立ブレース104の方向にバネ引張される形態であることが好ましい。各電気的クリップ110は第1フェース112に沿って、相当する導線32、34に、例えば、溶接、ハンダ付け、または各導線32、34を各第1フェース112に沿って電気的クリップ110にクリンピングすることにより電気的に連結される。電気的クリップ110は各相当する導線32、34に電気的に連結され、回路基盤18に対するソケット様連結部を形成する。好ましい実施例では電気的な第2フェース114が各対向方向に面して整合され、直線状のスロット部116から離間され且つオフセットされ、かくして、回路基盤18の縁部をそこに沿って挟み込むチャネルを画定する。
【0016】
図8には好ましい実施例における回路基盤18に連結した好ましい実施例のインナーカバー16の後方斜視図が示される。平坦な回路基盤18は、HIDランプカプセル36への送電量を制御する制御回路118を有し、回路基盤18の縁部120がインナーカバー16に機械的に連結されると共に、インナーカバー16上に支持された電気的連結用の第2フェース114と電気的に接触するよう位置決めされる。好ましい実施例では回路基盤18は平坦胴部として形成され、回路基盤18の縁部120が電気的クリップ110と直立ブレース104との間にしっかりと収まり且つピンチ止めされ得るよう、直立ブレースのフェース106と、電気的クリップ110のバネ引張された第2フェース114との間の距離に相当する厚さを有する。
【0017】
回路基盤18には、HIDランプカプセル14への送電量を制御する制御回路118が形成される。斯界には様々な制御回路が知られており、ユーザーの好みに応じた任意の好都合なものを利用できる。回路基盤18上には、電気的クリップ110の各第2フェース114と接触するための、メタルパッド122またはトレースライン等の各電気的接触部が形成される。電気的接触部122は、回路基盤18の各側に形成されることが好ましい。ランプカプセル14が高電圧電源により運転されることから、導線の各入出力部を絶縁部及び距離を置くことでオフセットさせることが好ましい。好ましい実施例では電気的接触部は回路基盤18の各側部上のメタルパッド122として形成され、回路基盤18の縁部120に沿って直線方向に離間される。この高抵抗材料が導線連結部間に高抵抗パスを形成し、かくして、高クリープ及び接点クリアランスを提供する。これにより回路基盤を一層接近させての位置決めが可能となる。電気的回路基盤18は、そうでなければその後方平坦部を、ランプカプセル14から遠い方に中心軸37と平行に伸延する延長部を有することが好ましい。そうでなければ回路基盤18は、その縁部領域の周囲に、また必要であれば回路基盤118の中央部分を横断する開放トラック124にして、ヒートシンク20の縁部壁126を回路基盤18の動作に干渉せずに回路基盤18にピンチ止めさせ得るに充分な幅の開放トラック124を残すよう全ての回路118部品を空けた構成を有することが好ましい。ヒートシンク20はヒートシンクとして機能し、また回路基盤18の各関連部品を包囲して、回路基盤18に関するフローティングまたは疑似グラウンドEMIシールドを提供する。
【0018】
図9にはインナーカバー16の好ましい実施例の断面図が示され、ヒートシンク及びEMIシールド20の好ましい実施例により部分的に包囲された回路基盤18の好ましい実施例に連結されている。好ましい実施例では、回路基盤18は導電性のヒートシンク20により包囲される。ヒートシンク20は、回路基盤18の少なくとも一方の側部をスパンする凹形シェル形態を有することが好ましい。好ましい実施例ではヒートシンク20は回路基盤18を支える2つの半分体に形成される。回路基盤18の両側は2つの半分体の凹形シェルに包囲されたヒートシンク20の孔増を形成することが好ましい。ヒートシンク20はその内側部分128に、回路基盤18または回路基盤上の実装部品に隣り合って位置決めした機械的接点130にして、回路基盤18または実装部品の熱を逃がすべく伝導させる機械的接点を含むことが好ましい。ヒートシンク20は、フィン134等の熱消散特徴部を形成した、またそうでなければ、回路基盤18上に担持した少なくとも任意の有意のEMI放出コンポーネンツの周囲を実質的に完全に包囲する外側部分132を有することが好ましい。
【0019】
有意のEMI放出部品は、ユーザーが最終製品、例えば、近くのラジオまたはテレビ受信器、電話、CRTコンピュータまたは類似装置を、それらへのユーザーのアクセスを妨害するに十分なEMIを放出するものである。かくして、回路基盤18はヒートシンク20アセンブリにより包囲され、実質的に閉じた電磁妨害(EMI)ブロック用ハウジングを構成する。ヒートシンク及びEMIシールド20の組合せ体は、回路基盤118に関するフローティングまたは疑似グラウンドを提供する。ヒートシンク20構造の包囲容積を越えて伸延する重要ではないEMIエミッタまたは幾つかの電気的接続部または回路基盤部品が存在し得、回路基盤18とヒートシンク20構造との間に完全密封シールが無い場合があり得るが、それらの開口部を狭くすることで包囲キャビティ138からのEMI漏出の恐れを最小化させ得る。ヒートシンク20は、その外側表面132に沿って軸方向に伸延してアウターカバー22と整列し且つキー止めされる、1つまたはそれ以上の、例えば軸方向に伸延するスロット部の如きキー止め特徴部を含むことが好ましい。本件出願人は、ヒートシンク20を構成する凹形シェルの2つの半分体をアウターカバー22の内壁に隣り合う部分で密着状態にピンチ止めすることが好都合であることを見出した。
【0020】
図10にはアウターカバー22の好ましい実施例の断面図が示される。アウターカバー22は、インナーカバー16と、回路基盤18と、ヒートシンク20アセンブリとを包囲する。アウターカバー22はベース部24に連結されまたはベース部により閉鎖され、ベース部は、図示しない電気ソケット、例えば、代表的なランプソケット内の電気接点32、34に回路基盤18を介して連結する外側電気接続部130、132を有する。ベース部24はアウターカバー22の端部にクリンプ止め、ネジ止め、リベット止め、接着され、そうでなければ装着される。
【0021】
アウターカバー22はインナーカバー16、回路基盤18、ヒートシンク20、を包囲する形状を有する。アウターカバー22は内側接点と、例えば、インナーカバーのスナップ82の外側部分に密着して位置決めした直立タブ134等の連結部または壁部分とを有する。このように、アウターカバー22のタブ134はインナーカバー16のスナップ82を、リフレクタ12上に形成したスナップ凹所76に然るべく接触する状態にピン止めする。これによりスナップ82はその各後側部分(半径方向外側の)に沿ってアウターカバー22のタブ134等の内壁部分により閉鎖され、かくしてスナップ凹所76に然るべく押し当てられた状態に固定されると共に、アウターカバー22を外してスナップ82を非拘束状態としない限り抜けなくなる。アウターカバー22はまた、インナーカバー16上の相当する単数または複数のラッチ108と連結する内側のまたは隠れラッチ136を1つまたはそれ以上含む。好ましい実施例ではアウターカバー22は、インナーカバー16上の4つのラッチ108と夫々ラッチ止めする、軸中心に90°間隔で位置決めした4つの内側ラッチ136を有する。かくしてインナーカバー16はアウターカバー22により覆われると共に、見えない位置でアウターカバーにラッチ止めされる。インナーカバー16とアウターカバー22とが見えない位置でラッチ止めされることから、相互スナップ止めしたインナーカバー16及びアウターカバー22は分離不可能である。好ましい実施例ではアウターカバーは、ヒートシンク20の外側表面132上で軸方向に伸延する状態に形成されたガイド138にして、ヒートシンク20の外側表面132上に形成した軸方向に伸びる相当するスロット部(図示せず)等にキー止めされるリブ等の、1つ以上のガイドをも含む。
【0022】
アウターカバー22をインナーカバー16を覆って位置決めすると、ガイド138は摺動してヒートシンク20のスロット部等の合致するキーとキー止めされ、内側アセンブリとアウターカバー22とを整合させる。アウターカバー22は、リフレクタ12上に形成した直立ナブ88等の相当するキー特徴部と合致する形態を有するノッチ140等のキーをも含む。次いで、リフレクタ12とアウターカバー22とが相互にキー止めされ、正しく位置決めされると軸方向に別個に回転し得なくなる。好ましい実施例ではアウターカバー22は、リフレクタの棚部84と接触するその前方リム86部分に沿った部分をリフレクタ12に関して一層安定化させるべく更に補強される。或いはアウターカバー22をリフレクタ12の前方リム85に沿って連結させ得る。アウターカバー22はリフレクタ12に接着する必要はない。アセンブリの、外側に面するシーム部分に沿って防水上、接着剤またはウォーターシーラントを設け得るが、アセンブリの機械的連結部にはそれらは不要である。
【0023】
次いで、リフレクタ12、インナーカバー16、ヒートシンク20、の各構造部分からなるアセンブリ上に形成したラッチエレメントにアウターカバー22を軸方向にスナップ嵌合させてこのラッチエレメントに整合させる。アウターカバー22は更に、回路基盤18の露呈縁部を挿通または整合させ得るスロット部またはノッチ等の、一体形成したガイドを1つまたはそれ以上含み得る。次いで、然るべく位置決めされたアウターカバー22を、リフレクタ、インナーカバー、回路基盤、ヒートシンク、からなるアセンブリに恒久的に整合させ且つクリップ止めする。アウターカバーは、リフレクタ、インナーカバー、回路基盤、ヒートシンク、からなるアセンブリからアンクリップまたはこのアセンブリに関して回転させ得ない。
ベース部24はアウターカバー22に連結され得、ネジ溝付きソケット等のランプソケットに連結させるための外側電気接続部130、132を持つ形態を有し得る。代表的なネジ溝付きベース連結部を使用できる。ベース部24はそうでなければ、回路基盤18への内側電気接続部を提供する。
【0024】
ランプは、ヒートシンク及びEMIシールドを回路基盤に緩くクランプ止めすることにより組み立て得る。次いで、回路基盤とヒートシールドアセンブリとをアウターカバー内に挿入し、ヒートシールドのガイド特徴部(スロット部)を、アウターカバーの内側に形成した相当する特徴部(タブ)と整合させる。次いでヒートシンク及びEMIシールドを、アウターカバーからの楔圧力により回路基盤に密着状態でピン止めまたはピンチ止めする。リフレクタの後方上に形成した整合フェース及びナブにより、リフレクタの後部上に形成したラッチ特徴部にインナーカバーを整合させ且つクリップ止めする。次いで、ランプカプセルと、整合リング、設置用のクリップのアセンブリをリフレクタの前側部から中に入れ、カプセルの導線をインナーカバー内の開口を通して溶接ポイント付近に送る。同時に、EMI接触アームをリフレクタの金属表面と導電接触せしめ、位置決めリングをリフレクタの前側部に沿って整合する状態にセットする。次いで、ランプ導線をインナーカバー上に支持されたクリップ上の接点ポイントに溶接(ハンダ付け、またはクリンプ付け)する。次いで、アウターカバーアセンブリをリフレクタアセンブリに整合させ且つこのアセンブリ上に押し付ける。これにより回路基盤は整合するチャネル(スロット部)内に捕捉され、かくして回路基盤の縁部を把持またはクランプするクリップを介してランプ導線に電気的に連結される。次いで、アウターカバーがインナーカバーにラッチ止めされると同時にインナーカバーのラッチの後方に接近して位置決めされ、リフレクタからの脱ラッチが阻止される。かくして、アウターカバーアセンブリはリフレクタアセンブリに恒久的にラッチ止めされる。回路基盤からの導線をネジ溝付きのベース部に連結し、このネジ溝付きのベース部を、例えばその縁部をアウターカバーにクリンプ止めすることにより、カバーに固定する。次いでカバーレンズをリフレクタの前部に嵌着させ、例えば、シリコーンセメント、エポキシ、またはフレームシーリングにより然るべく固定し得る。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0025】
10 HIDリフレクタランプ
12 リフレクタ
14 ランプカプセル
16 インナーカバー
18 回路基盤
20 ヒートシンク及びEMIシールド
22 アウターカバー
24 ベース部
26 壁
28 包囲容積
30 シール端部
32 第1導線
34 第2導線
36 HIDランプカプセル
37 中心軸
38 第1端部
40 第2端部
42 導線
44 メタル層
52 接触クリップ
52 バネクリップ
54 バネアーム
58 穴
60 タブ
62 前側部
64 後側部
66 ネック部
68 貫通路
70 整合フェース
72 突出ナブ
74 支持リング
76 スナップ凹所
77 整合ナブ
78 凹部
82 ラッチ
84 円形棚部
85 前方リム
86 前側部リム
88 ナブ
90 ラッチフェース
96 スロット部
98 整合フェース
100 貫通路
102 後側部
104 直立ブレース
106 フェース
108 ラッチ
110 電気的クリップ
112 第1フェース
114 第2フェース
116 スロット部
118 回路基盤
120 縁部
122 電気的接触部
124 開放トラック
126 縁部壁
128 内側部分
130、132 外側電気接続部
134 タブ
136 内側ラッチ
138 ガイド
140 ノッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体型HIDランプアセンブリであって、
前側部及び後側部を有するリフレクタと、
第1ランプ導線及び第2ランプ導線を有するランプカプセルと、
第1側部及び第2側部を有するインナーエレメントと、
回路基盤と、
アウターカバーと、
を含み、
リフレクタの後側部がインナーエレメントにラッチ止めされることによりインナーエレメントのアセンブリが構成され、
前記インナーエレメントがランプソケットを画定し、且つ、該画定されたランプソケットによりその第1側部において第1ランプ導線及び第2ランプ導線に連結され、その第2側部には、該第2側部上で回路基盤に機械的及び電気的に連結するための回路基盤ソケットを画定し、
前記アウターカバーが、リフレクタ及びインナーエレメントにラッチ止めした内側ラッチを含み且つインナーエレメント及び回路基盤を包囲する一体型HIDアセンブリ。
【請求項2】
一体型HIDランプアセンブリであって、
引込み式のリフレクタラッチによりリフレクタの後側部にラッチ止めした内側エレメントにして、外部に面するフェースを有する少なくとも1つの外側ラッチを有するインナーエレメントにして、その前側部上にランプソケットを確定し、その第2側部上には回路基盤との機械的及び電気的連結を確立するための回路基盤ソケットを画定するインナーエレメントと、
インナーエレメントを覆って嵌合する寸法形状を有するアウターカバーにして、インナーエレメントの外側ラッチと合致する少なくとも1つのラッチをその内側に有し、リフレクタのラッチに隣り合って位置決めしたカバーの内壁上に形成した少なくとも1つのブロックを有し、該ブロックが、外側ラッチによりインナーエレメントをアウターカバーにラッチ止めした場合にリフレクタのラッチのハズレを阻止するアウターカバーと、
を含む一体型HIDアセンブリ。
【請求項3】
第1アセンブリ要素がリフレクタにラッチ止めされ、前記要素が一定部分を通して引き込み自在の少なくとも1つの引込み自在のラッチ要素を有し、阻止要素を有する第2アセンブリ要素が第1アセンブリ要素を覆って位置決めされ、前記阻止要素が、前記一定部分の、ラッチ要素の引込みを阻止するに十分な部分を専有するべく位置決めされ、前記第2アセンブリ要素が前記第1アセンブリ要素にラッチ止めされるブラインドラッチを有する請求項1または2の一体型HIDアセンブリ。
【請求項4】
リフレクタが、軸方向に伸延する整合キーを含み、第1アセンブリ要素が相当するキー部分を含み、該キー部分に位置決めされたキーが第1アセンブリ要素のリフレクタに関する軸中心回転を阻止する請求項3の一体型HIDアセンブリ。
【請求項5】
リフレクタが、軸方向に伸延する整合キーを含み、第2アセンブリ要素が相当するキー部分を含み、該キー部分に位置決めされたキーが第2アセンブリ要素のリフレクタに関する軸中心回転を阻止する請求項3の一体型HIDアセンブリ。
【請求項6】
インナーエレメントが、リフレクタの後側部上に形成したラッチ要素に整合され且つ該ラッチ要素により軸方向にスナップ嵌合する請求項2の一体型HIDアセンブリ。
【請求項7】
インナーエレメントが、リフレクタ及びインナーエレメントから成るアセンブリ上に形成したラッチ要素に整合され且つ該ラッチ要素により軸方向にスナップ嵌合する請求項2の一体型HIDアセンブリ。
【請求項8】
HIDリフレクタランプアセンブリであって、
包囲容積を画定する壁と、伸延する電気接続部を少なくとも2つ備えるシール端部とを有する一体型HIDランプカプセルと、
凹形シェル形態を有するリフレクタにして、前側部及び後側部と、貫通路を画定するネック部と、前側部上の反射性表面にして、ネック部内で位置決めされた前記一体型HIDランプカプセルが対面する反射性表面と、ネック部の、後側部に隣り合う端部位置で電気的に接続するべく露呈された電気的接続部と、を有するリフレクタと、
該リフレクタに連結されて該リフレクタの一部を覆う凹形シェル形態を有するインナーエレメントにして、リフレクタと合致する第1の機械的連結部と、回路基盤の2つの対向する主たるフェースと合致する第2の機械的連結部と、回路基盤への導線の1つと少なくとも電気的に連結するための少なくとも1つの電気的連結部と、を有するインナーエレメントと、
HIDランプカプセルに送る電力を制御するための制御回路を有する平坦な回路基盤にして、インナーエレメントの第2の機械的連結部に機械的に連結され且つインナーエレメント上の少なくとも1つの電気的連結部と電気的に接触するべく位置決めした縁部を有する回路基盤と、
該回路基盤の少なくとも一方側をスパンする第2の凹形シェル形態を有する導電性のヒートシンクにして、回路基盤または実装部品の熱をヒートシンクに伝達させるための、回路基盤上の実装部品に隣り合って位置決めした機械的接点と、熱消散特徴部を形成し及びそうでなければ、回路基盤上に担持した少なくとも任意のEMI放出部品の周囲を実質的に完全に包囲する導電体を画定する外側側部とをその内側側部を有するヒートシンクと、
該ヒートシンク、回路基盤、インナーエレメント、を包囲し且つ、リフレクタ、HIDランプ、インナーエレメント、ヒートシンク、からなるアセンブリに連結したアウターカバーと、
該アウターカバーに連結したネジ溝付きのベース部にして、ネジ溝付きの電気ソケット内に連結した外側電気接続部と、回路基盤に連結した内側電気接続部とを有するベース部と、
を含むHIDリフレクタランプアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2011−520236(P2011−520236A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508527(P2011−508527)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/038623
【国際公開番号】WO2009/137185
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(394001685)オスラム・シルバニア・インコーポレイテッド (68)
【Fターム(参考)】