説明

一体成形型プラスチックキャップ

【課題】容器口部を外側からシールする外環状シール片が天面壁の内面に突設された一体成形型プラスチックキャップにおいて外環状シール片におけるシール不良の発生を防止する。
【解決手段】天面壁と該天面壁の周縁部から垂下する筒状の周壁とを備え、天面壁の内面には、容器口部50を外側からシールする外環状シール片13が突設されている一体成形型プラスチックキャップにおいて、外環状シール片13の内周面には、上側の主領域20と、周方向に伸びる谷状の区画線15によって前記主領域20と区画された下側の副領域30とが形成されて、外環状シール片13は主領域20において容器口部50に密着すると共に副領域30においては容器口部50から離間するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PETボトル等の容器の口部に密封のために装着される一体成形型プラスチックキャップの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のキャップとしては、下記特許文献1,2のように、天面壁の内面に、容器口部を内側からシールする内環状シール片と、容器口部を外側からシールする外環状シール片とが下方に向けて突設された一体成形型プラスチックキャップが公知である。本出願人も、下記特許文献3のように内環状シール片と外環状シール片を備えた一体成形型プラスチックキャップについて提案している。
【0003】
ワンピースキャップとも称されるこの種のキャップは、容器口部をシールするためのパッキンが別体の構成となった2ピース型とは異なり、天面壁の内面に突設されたシール片で容器口部をシールする構造であり、これらのシール片は成形時に天面壁と共に一体的に形成される。
【0004】
しかしながら、成形条件等によっては、内環状シール片や外環状シール片において成形不良が生じる場合がある。即ち、成形時に金型内を流動する樹脂同士の結合箇所において、樹脂同士が完全に結合するまでに凝固すると、その箇所に割れ目のような上下方向の筋が残る。ウエルド現象あるいはウエルドラインとも言われるこの現象が外環状シール片に生じると、その発生箇所において容器口部の外側との密着度合いが悪化してシール不良の原因にもなる。外環状シール片は内環状シール片に比して下方への突出長さが短く容器口部との密着度合いも弱くなりやすい。従って、外環状シール片にウエルド現象が発生すると、容器口部への装着状態においてシール不良が起こりやすくなるのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−35699号公報
【特許文献1】特開2002−173157号公報
【特許文献1】特開2009−29498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それゆえに本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ、容器口部を外側からシールする外環状シール片が天面壁の内面に突設された一体成形型プラスチックキャップにおいて外環状シール片におけるシール不良の発生を防止することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決すべくなされたものであって、本発明に係る一体成形型プラスチックキャップは、天面壁と該天面壁の周縁部から垂下する筒状の周壁とを備え、天面壁の内面には、容器口部を外側からシールする外環状シール片が突設されている一体成形型プラスチックキャップにおいて、外環状シール片の内周面には、上側の主領域と、周方向に伸びる谷状の区画線によって前記主領域と区画された下側の副領域とが形成されて、外環状シール片は主領域において容器口部に密着すると共に副領域においては容器口部から離間するように構成されていることを特徴とする。
【0008】
ここで、「谷状の区画線によって区画されている」とは、主領域と副領域との境界部分が頂部となっているのではなく谷部となっているものであって、主領域と副領域が上下に滑らかに連続するのではなく、両領域が周方向の区画線によって上下に区分けされた状態を意味する。また、「容器口部を外側からシールする」ことには、容器口部の外周面に密着してシールする場合と容器口部の外周面と上端面との間の境界曲面に密着してシールする場合の他に、容器口部の外周面と境界曲面の双方に密着してシールする場合も含まれる。
【0009】
該構成の一体成形型プラスチックキャップにあっては、外環状シール片の内周面に副領域が形成されていて、容器口部への装着状態においては、主領域が容器口部に密着する一方、その下側に位置する副領域は容器口部には密着せずに離間する。ウエルド現象は先端部分において発生しやすいものであるが、副領域はその上側の主領域とは谷状の区画線によって区画されているので、仮にウエルド現象が外環状シール片の副領域に発生したとしても、谷状の区画線によってウエルド現象が確実に遮られて上側の主領域には到達しない。
【0010】
特に、主領域の下端部は、副領域との間に段差が形成されるように、縦断面視において径方向内側凸の曲面に形成されていることが好ましい。副領域との間に段差が形成されることにより、区画線においてウエルド現象がより一層確実に遮断されて主領域への進行が阻止される。
【0011】
更に、副領域の上部は区画線から略垂直下方に伸び、副領域の下部は径方向外側に向かって湾曲していることが好ましい。副領域の上部が区画線から下側に向かって径方向外側に傾斜していてもよいが、該上部が区画線から略垂直下方に伸びていると径方向外側に傾斜している場合に比して区画線を境にした副領域と主領域との間の段差の効果がより一層発揮されてウエルド現象の上方への進行を阻止できる。また、副領域の上部が略垂直下方に伸びている一方、副領域の下部が径方向外側に向かって湾曲しているので、容器口部へ装着する際において副領域が装着の妨げにならずに容易に装着できる。
【0012】
また更に、主領域は、中間部と該中間部の下側に位置する前記下端部とを有し、容器口部に装着される際に容器口部の上端面と外周面との間の境界曲面に主領域の下端部が当接して外環状シール片が径方向外側に撓み、容器口部への装着状態において容器口部の境界曲面に主領域の中間部が密着することが好ましい。外環状シール片が径方向外側に撓むことで、その弾性復元力によって容器口部との密着力を十分に確保できる。しかも、主領域の下端部によって副領域との間に段差が形成されているので、大きな撓み量を容易に確保できる。また、主領域の下端部が曲面であるので、外環状シール片を径方向外側にスムーズに撓ませることができる。そして、主領域の中間部が容器口部の境界曲面に密着してシールするので、容器口部の外周面をシールする場合に比して、径方向外側への撓みを有効に利用してより一層確実なシールが得られる。
【0013】
その場合、特に、主領域の中間部は下側に向かって径方向外側に傾斜していることが好ましい。主領域の中間部が傾斜していることで、容器口部への装着時に外環状シール片を径方向外側にスムーズに且つ大きく変形させることができる。
【0014】
また、外環状シール片の副領域における厚さは、外環状シール片の主領域における厚さよりも薄いことが好ましい。主領域の厚さと副領域の厚さに差を設けることで、ウエルド現象の主領域への進行をより一層確実に遮断できる。
【0015】
更に、外環状シール片の厚さは区画線を境にして急変することが好ましく、厚さの急激な変化によってウエルド現象の主領域への進行をより一層確実に遮断できる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、外環状シール片に主領域と谷状の区画線によって区画された副領域を設けることによって、仮にウエルド現象が生じたとしてもそれを副領域に留めることができ、主領域におけるシール不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態における一体成形型プラスチックキャップを示す断面図。
【図2】図1の要部拡大図。
【図3】同キャップの使用状態を示す要部拡大断面図であって、(a)は容器口部への装着途中の状態を示し、(b)は装着状態(装着完了状態)を示す。
【図4】本発明の他の実施形態における一体成形型プラスチックキャップを示す要部拡大断面図。
【図5】本発明の他の実施形態における一体成形型プラスチックキャップを示す要部拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態にかかる一体成形型プラスチックキャップについて図1乃至図3を参酌しつつ説明する。本実施形態におけるキャップは容器口部50(図2参照)にその密封のために螺着されるものであって、天面壁1と該天面壁1の周縁部から垂下する筒状の周壁2とを備えている。該キャップは、インジェクション成形やコンプレッション成形によって形成され、柔軟性に優れていて容器との摩擦抵抗が小さい合成樹脂、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)やポリプロピレン(PP)等によって形成されている。
【0019】
周壁2の外周面には、縦方向のローレット3が全周に亘って形成され、周壁2の内周面には容器口部50の外周面の雄ねじ部51と螺合する雌ねじ部4が形成されている。該周壁2の下端には、複数のブリッジ5を介して環状のバンド6(タンパーエビデンスバンド)が連設されていて、該キャップはピルファープルーフキャップとして構成されている。ブリッジ5は周方向に一定間隔毎に形成されているが、該ブリッジ5は例えば以下のようにして形成されている。即ち、周壁2の内周面からバンド6の内周面にかけて複数の連結片部7が周方向に一定間隔毎に形成され、該連結片部7に対応する部位の外周面に連結片部7の一部を残すようにして全周に亘ってスリット8をカッター等により形成し、残った連結片部7の一部がブリッジ5として構成される。
【0020】
そして、バンド6の内周面には、開栓時にバンド6が容器口部50に残存するように容器口部50の膨出部(図示省略)に係止するフラップ9が形成されている。該フラップ9は、バンド6の下部から内側に折り返されて斜め上方に延びている。該フラップ9は環状であってもよいが、本実施形態では、周方向に所定間隔をあけて複数片形成されている。該フラップ9は、その保有弾性により、基端部(下端部)を支点として径方向外側(即ちバンド6の内周面に接近する方向)に回動するように弾性変形可能である。従って、フラップ9は、キャップを容器口部50に装着する際には径方向外側に弾性変形して容器口部50の膨出部(ビード部)を乗り越え、膨出部を下方に通過するとそれ自身の弾性復元力によって自動的に径方向内側へ回動して膨出部の下方に位置する。
【0021】
一方、天面壁1の内面には、図2に示すように、径方向内側から順に、内環状シール片11と環状突起12と外環状シール片13が成形によって天面壁1と一体的に形成されている。内環状シール片11は、容器口部50の内側に嵌入されて容器口部50の内周面52と密着してシールする。尚、図2においては容器口部50が二点鎖線によって示されており、内環状シール片11等は容器口部50への装着前の状態を示している。内環状シール片11は、全体として下側に向かって径方向外側に広がっていく形状となっており、従って、容器口部50に嵌入される状態では径方向内側に撓んでその弾性復元力によって容器口部50の内周面52に密着する。環状突起12は、外環状シール片13と内環状シール片11との間に位置していて、容器口部50の上端面53に密着してシールする。該環状突起12は、その突出量が小さく、例えば、縦断面視において半円状である。
【0022】
外環状シール片13は、容器口部50を外側からシールするものであって内環状シール片11の1/3〜1/2程度の突出長さに形成されている。具体的には、外環状シール片13の内周面は、上側の主領域20と下側の副領域30とから構成され、両領域20,30は周方向に全周に亘って形成されている谷状の区画線15によって上下に区画されている。主領域20は、全体として、下側ほど径方向外側となる形状であって、基端に位置する上端部21と中間に位置する中間部22と先端に位置する下端部23とから構成されている。主領域20の上端部21は、縦断面視において径方向外側凸の曲面(凹状曲面)であって、天面壁1の内面と前記中間部22とを滑らかにつないでいる。主領域20の中間部22は、容器口部50をシールするシールポイントが形成される部分即ちシール面であって主領域20の大部分を占めている。該主領域20の中間部22は、下側に向かって徐々に径方向外側に傾斜している。主領域20の下端部23は、副領域30との間に段差が形成されるように、縦断面視において径方向内側凸の曲面(凸状曲面)に形成されている。即ち、主領域20の下端部23は、中間部22から区画線15まで径方向外側に向かって湾曲している。そして、区画線15において外環状シール片13の内周面は屈曲してその下側の副領域30が区画線15から下方に延設されている。該副領域30は、その上部31においては区画線15から略垂直下方に伸びていて、その下部32においては径方向外側に向かって湾曲している。尚、図3(a)に示すように、副領域30における内径は、容器口部50の外周面54における外径と略等しいあるいは若干大きい。
【0023】
一方、外環状シール片13の外周面は、上端部41(基端部)と中間部42と下端部43(先端部)とから構成され、上端部41は、縦断面視において径方向内側凸の曲面(凹状曲面)であって、天面壁1の内面と中間部42とを滑らかにつないでいる。外環状シール片13の外周面の中間部42は、外周面の大部分を占める部分であって、下側に向かって徐々に径方向内側に傾斜しており、内周面の区画線15に対向した位置あるいはそれと近い位置まで形成されている。また、外環状シール片13の外周面の下端部43は略垂直下方に伸びている。
【0024】
このように外環状シール片13の内周面と外周面が形成されることにより、外環状シール片13は、内周面の副領域30における厚さが内周面の主領域20における厚さよりも薄くなっており、その厚さは区画線15を境にして上下で急変している。特に、区画線15の上側に段差が形成されているので区画線15の下側に比べるとその部分で厚さが急増している。しかも、外環状シール片13の内周面における主領域20の中間部22が下側に向かって径方向外側に傾斜していると共に外周面の中間部22が下側に向かって径方向内側に傾斜しているので、区画線15まで下側に向けて徐々に厚さが薄くなっている。尚、区画線15よりも下側の副領域30における厚さは、区画線15よりも上側の主領域20における厚さに比べると約半分程度と薄くなっていて弾性変形しやすい。外環状シール片13は環状であることから径方向に拡縮変形するので、区画線15よりも下側の部分は、上側の部分に比して拡縮変形が容易な易変形環状突片16を構成している。
【0025】
以上のように構成されたキャップは、容器口部50に所定のトルクにて巻き締めされて装着される。容器口部50への装着過程において、まず内環状シール片11が径方向内側に撓みながら容器口部50に嵌入していき、その後、外環状シール片13が容器口部50に当接する。この容器口部50には、図3のように、略水平で略平坦な上端面53と略垂直な外周面54との間に円弧状の境界曲面55が形成されており、外環状シール片13の主領域20の下端部23が容器口部50の境界曲面55に当接する。その際、外環状シール片13の副領域30における内径は容器口部50の外周面54における外径と略等しいかそれよりも若干大きいので、図3(a)に示すように容器口部50への装着途中において、外環状シール片13の副領域30は容器口部50には接触しないあるいは若干接触する程度である。更に外環状シール片13の副領域30の下部32が径方向外側に向かって湾曲していることも相まって、内環状シール片11に続いて外環状シール片13が容器口部50に装着していく際において装着抵抗が大きくなり過ぎることがなく、スムーズに容器に装着できる。
【0026】
このように外環状シール片13の主領域20の下端部23が容器口部50の境界曲面55に当接した後、キャップの下側への相対移動によって外環状シール片13は徐々に径方向外側に撓んでいく。即ち、外環状シール片13は徐々に径方向外側に拡径していく。その際、主領域20の下端部23が曲面であるので、キャップの下側への相対移動に伴って外環状シール片13は径方向外側にスムーズに撓んでいく。また、主領域20の下端部23が容器口部50の境界曲面55に当接するので、主領域20の中間部22が当接する場合に比して外環状シール片13を外側に大きく撓ませることができる。しかも、主領域20の下端部23によって副領域30との間に段差が形成されているので、大きな撓み量を容易に確保することができる。そして、図3(b)のように完全に容器口部50に装着されると、外環状シール片13の主領域20の中間部22が境界曲面55に密着して容器口部50を外側からシールする。外環状シール片13が径方向外側に撓んでいるので、その弾性復元力によって容器口部50との密着力が十分に確保される。また、外環状シール片13が径方向外側に撓んで傾斜した状態となっているが、容器口部50の外周面54ではなく境界曲面55に密着するので、径方向外側への撓みによる弾性復元力が効率よく容器口部50に作用してより一層確実なシールが得られる。尚、図3(b)において点Sが主たるシールポイントであるが、実際には、それよりも下側に位置する外環状シール片13の部分もその弾性復元力によって縮径しようとしており、従って、点Sより下側の中間部22は図3(b)に実線で示した位置から若干径方向内側に縮径して容器口部50の外周面54に接触する場合もある。また、外環状シール片13の下端(先端)における易変形環状突片16は厚さが薄いので、図3(b)に二点鎖線で示すように上側の部分よりも比較的大きく径方向内側に復元する。この易変形環状突片16の径方向内側への縮径作用によってその上側の部分が影響を受けて径方向内側に縮径しようとする。従って、かかる易変形環状突片16の縮径作用によっても容器口部50へのシール力が増強される。また、易変形環状突片16が比較的大きく縮径できるので、外環状シール片13全体を厚くしなくても十分なシール力が確保できると共に装着時において変形しやすく、従って、容器への装着時に所定の位置まで確実に巻き締めできる。
【0027】
以上のようにして容器口部50に装着されるのであるが、本実施形態のキャップにおいては、外環状シール片13の内周面に、谷状の区画線15によって主領域20と区画された副領域30が設けられているので、成形時に仮に外環状シール片13にウエルド現象が生じたとしてもそれを副領域30に留めることができる。即ち谷状の区画線15によってウエルド現象が確実に遮られて上側の主領域20には進行しない。副領域30は容器口部50には密着せずに離間する箇所であるのでシール性には影響がなく、主領域20におけるシール不良を防止することができる。
【0028】
特に、主領域20の下端部23が縦断面視において径方向内側凸の曲面に形成されて副領域30との間に段差が形成されているので、区画線15においてウエルド現象の進行を確実に阻止することができる。また、副領域30の上部31が区画線15から略垂直下方に伸びているので、区画線15を境にした副領域30と主領域20との間の段差の効果がより一層発揮される。しかも、外環状シール片13の副領域30における厚さが主領域20における厚さよりも薄く、特に、区画線15を境にして急変しているので、ウエルド現象の主領域20への進行をより一層確実に遮断できる。また、それと同時に先端部を易変形環状突片16として利用してシール性を向上させると共に容器への装着時に所定位置まで確実に巻き締めできる。
【0029】
尚、本実施形態では、外環状シール片13において、主領域20の下端部23が副領域30との間に段差が形成されるように縦断面視において径方向内側凸の曲面に形成されていたが、例えば、主領域20の下端部23を傾斜面としてもよく、その場合には図4のように中間部22と連続一体化した傾斜面としてもよい。
【0030】
また、図5のように、主領域20の中間部22を傾斜させずに略垂直下方に伸びる形状としてもよい。その場合、外環状シール片13が、容器口部50に当接しても径方向外側に大きく撓まない、あるいは、実質上撓まないで、容器口部50の外周面54のみに密着する構成としてもよい。このように外環状シール片13の内周面の形状については種々の設計変更が可能である。
【0031】
また、外環状シール片13の外周面についても種々の変更が可能であって、例えば、図5に示すように中間部42と下端部43を一体として略垂直下方に伸びる形状としてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 天面壁
2 周壁
3 ローレット
4 雌ねじ部
5 ブリッジ
6 バンド
7 連結片部
8 スリット
9 フラップ
11 内環状シール片
12 環状突起
13 外環状シール片
15 区画線
16 易変形環状突片
20 主領域
21 上端部
22 中間部
23 下端部
30 副領域
31 上部
32 下部
41 上端部
42 中間部
43 下端部
50 容器口部
51 雄ねじ部
52 内周面
53 上端面
54 外周面
55 境界曲面
S シールポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天面壁と該天面壁の周縁部から垂下する筒状の周壁とを備え、天面壁の内面には、容器口部を外側からシールする外環状シール片が突設されている一体成形型プラスチックキャップにおいて、
外環状シール片の内周面には、上側の主領域と、周方向に伸びる谷状の区画線によって前記主領域と区画された下側の副領域とが形成されて、外環状シール片は主領域において容器口部に密着すると共に副領域においては容器口部から離間するように構成されていることを特徴とする一体成形型プラスチックキャップ。
【請求項2】
主領域の下端部は、副領域との間に段差が形成されるように、縦断面視において径方向内側凸の曲面に形成されている請求項1記載の一体成形型プラスチックキャップ。
【請求項3】
副領域の上部は区画線から略垂直下方に伸び、副領域の下部は径方向外側に向かって湾曲している請求項2記載の一体成形型プラスチックキャップ。
【請求項4】
主領域は、中間部と該中間部の下側に位置する前記下端部とを有し、容器口部に装着される際に容器口部の上端面と外周面との間の境界曲面に主領域の下端部が当接して外環状シール片が径方向外側に撓み、容器口部への装着状態において容器口部の境界曲面に主領域の中間部が密着する請求項2又は3記載の一体成形型プラスチックキャップ。
【請求項5】
主領域の中間部は下側に向かって径方向外側に傾斜している請求項4記載の一体成形型プラスチックキャップ。
【請求項6】
外環状シール片の副領域における厚さは、外環状シール片の主領域における厚さよりも薄い請求項1乃至5の何れかに記載の一体成形型プラスチックキャップ。
【請求項7】
外環状シール片の厚さは区画線を境にして急変する請求項6記載の一体成形型プラスチックキャップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−201590(P2011−201590A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73019(P2010−73019)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000178826)日本山村硝子株式会社 (140)
【Fターム(参考)】