説明

一体物の長方形状ブローチ工具の修理再生方法及び修理再生された長方形状ブローチ工具

【課題】 使用時の応力に耐えることの出来る一体物の長方形状ブローチ工具の修理再生方法及び修理再生された長方形状ブローチ工具の提供。
【解決手段】 引き抜き柄1、拡径部2、前ガイド部3、切削刃部本体4、後部柄部5から構成され、引き抜き柄1が破損した場合の一体物の長方形状ブローチ工具の修理再生方法であって、拡径部2と前ガイド部3の境目で切断して分割し、切削刃部本体4の隣る前ガイド部3に相当する部分を加工して凸状段付き構造6を構成する大径雄螺子部7を設け、大径雄螺子部7の段付き面7aに小径雄螺子部8を突出して設け、この二種の雄螺子部に係合する雌螺子部を有し、且つ新たな引き抜き柄9、拡径部10を含む係合部材11を製作して設け、更に係合部位に接着剤Bを施し、雄螺子部と雌螺子部を螺合し合体して凸状段付き構造6と凹状段付き構造12とを一体構造としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一体物の長方形状ブローチ工具の修理再生方法及び修理再生された長方形状ブローチ工具に関する。
【背景技術】
【0002】
ブローチ盤は、構造上、縦型と横型とがあるあが、基本的には軸方向に移動して、鉋のように切削加工する工具であり、工具を銜える部分の例えば、引き抜き柄の部分に加工時の引張、捩れ、による複雑な応力が発生し、引き抜き柄の部分が破損し易いのが通例である。
【0003】
加工する面や部位の形状によって、種々の形状のブローチ工具が用いられているが、長方形状ブローチ工具について、その修理再生方法に関する先行技術は見当たらないが、摩耗を安定させ、再研磨回数を重ねても充分な切削処理ができるブローチ工具として、「粗加工刃および/または中仕上げ刃にニックが施してあり、該ニック形状が円弧または楕円にしたことにより、磨耗を安定させ、再研磨回数を重ねても充分な切削処理ができ、ブローチ工具の長寿命化を図る。」という公報が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平7−195229号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、丸ブローチ工具やキーブローチ工具に比べて長方形状ブローチ工具は高価であり、破損するたびに新品と取り替えていたのでは、不経済である。
【0005】
本発明は、上述の状況に鑑みて成されたもので、使用時の応力に耐えることの出来る一体物の長方形状ブローチ工具の修理再生方法及び修理再生された長方形状ブローチ工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記構成を備えることにより上記課題を解決できるものである。
【0007】
(1)引き抜き柄、立ち上り部を形成する拡径部、前ガイド部、切削刃部本体、後部柄部から構成され、引き抜き柄が破損した場合の一体物の長方形状ブローチ工具の修理再生方法であって、前記拡径部と前ガイド部の境目で切断して二つに分割し、前記切削刃部本体の隣る前ガイド部に相当する部分を加工して切削刃部本体側につながる部分に凸状段付き構造を構成する大径雄螺子部を設け、該大径雄螺子部の段付き面に小径雄螺子部を突出して設けると共に、この二種の雄螺子部に係合する二種の雌螺子部を有し、且つ新たな引き抜き柄と新たな拡径部を含む新たな係合部材を製作して設け、更に係合部位に接着剤を施し、前記雄螺子部と雌螺子部を螺合し合体して凸状段付き構造と凹状段付き構造とを一体構造とした一体物の長方形状ブローチ工具の修理再生方法。
【0008】
(2)前記凸状段付き構造を構成する大径雄螺子部は、長方形状の段付き部を形成し、この段付き部を支持する最外周の接合面を残して前記長方形状の凸状段付き部側面の工具本体の軸心対称の短辺側二面を前記軸心を中心として描いた円弧状曲面に加工すると共に、この二面に共通する雄螺子を螺刻して大径雄螺子部を設け、該大径雄螺子部内側の工具の軸心に直交する段付き面に工具本体の軸心を通る無垢の棒状体を加工して突出した状態に設けると共に、この棒状体に雄螺子を螺刻して小径雄螺子部を形成した前項(1)記載の一体物の長方形状ブローチ工具の修理再生方法。
【0009】
(3)引き抜き柄、立ち上り部を形成する拡径部、前ガイド部、切削刃部本体、後部柄部から構成され、引き抜き柄が破損した場合の修理再生された長方形状ブローチ工具であって、前記拡径部と前ガイド部の境目で切断して二つに分割し、前記切削刃部本体の隣る前ガイド部に相当する部分を加工して切削刃部本体側につながる部分を段付き部とし、この段付き部を支持する最外周の接合面を残して1段目の凸状段付き構造を長方形状とし、該凸状段付き部側面の工具本体の軸心対称の短辺側二面を前記軸心を中心として描いた円弧状曲面に加工すると共に、この二面に共通する雄螺子を螺刻して大径雄螺子部を形成し、この1段目の凸状段付き部の工具本体の軸心に直交する面に前記軸心を通る無垢の棒状体を加工して突出した状態に設けると共に、この棒状体に雄螺子を螺刻して小径雄螺子部を設け、凸状段付き構造の二種の雄螺子部に係合可能に二種の雌螺子部を有し且つ新たな引き抜き柄と新たな拡径部を含む新たな凹状段付き構造の係合部材を製作して設け、更に係合部位に接着剤を施し、前記雄螺子部と雌螺子部とを螺合し合体して凸状段付き構造と凹状段付き構造とを一体構造として成る修理再生された長方形状ブローチ工具。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、引き抜き柄が破損した場合、接合部を大小二段構造の螺子部を螺合し接着剤と併合して各種の応力に耐え得ると共に高精度,且つ安価な修理再生方法を提供でき、更に該修理再生方法で新品同様に蘇った修理再生された長方形状ブローチ工具を提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明に係る一体物の長方形状ブローチ工具の修理再生方法及び修理再生された長方形状ブローチ工具の実施の形態を説明する。
【0012】
図1(a)は、本発明に係る一体物の長方形状ブローチ工具の修理加工前の外観斜視図の一例、(b)は、本発明に係る一体物の長方形状ブローチ工具の修理再生方法を説明する斜視図、(c)は、本発明に係る修理再生された長方形状ブローチ工具の全体斜視図、図2は、凸状段付き構造の拡大詳細図、(a)は側面図、(b)は正面図、図3は、凹状段付き構造の拡大詳細図、(a)は正面図、(b)は一部破断側面図、図4は、接合部と接着剤との関係の一例を示す部分拡大断面図である。
【実施例1】
【0013】
図1において、ブローチ盤に取付けてブローチ加工を行う長方形状ブローチ工具の構成要素が、例えば、引き抜き柄1、立ち上り部を形成する拡径部2、前ガイド部3、切削刃部本体4、後部柄部5から成り、引き抜き柄1が破損した場合、拡径部2と前ガイド部3の境目で切断して二つに分割し、前記切削刃部本体4の隣る前ガイド部に相当する部分を加工して切削刃部本体4側につながる部分に凸状段付き構造6を構成する大径雄螺子部7を設け、該大径雄螺子部7の段付き面7aに小径雄螺子部8を突出して設けると共に、この二種の雄螺子部7、8に係合する二種の雌螺子部7−1、8−1を有し、且つ新たな引き抜き柄9と新たな拡径部10を含む新たな係合部材11を製作して設け、更に係合部位に接着剤Bを施し、前記雄螺子部7、8と雌螺子部7−1、8−1を螺合し合体して凸状段付き構造6と凹状段付き構造12とを一体構造とした一体物の長方形状ブローチ工具の修理再生方法。
【0014】
尚、図2、(a)、(b)及び図3、(a)、(b)に示すように、凸状段付き構造6を構成する大径雄螺子部7は、長方形状の段付き部を形成し、この段付き部を支持する最外周の接合面13を残して前記長方形状の凸状段付き部側面の工具本体の軸心対称の短辺側二面を前記軸心を中心として描いた円弧状曲面に加工すると共に、この二面に共通する雄螺子を螺刻して大径雄螺子部7を設け、該大径雄螺子部7内側の工具の軸心に直交する段付き面7aに工具本体の軸心を通る無垢の棒状体を加工して突出した状態に設けると共に、この棒状体に雄螺子を螺刻して小径雄螺子部8を形成した構成としてある。
【0015】
その他の符号について、7−1は大径雄螺子部7に螺合する大径雌螺子部、7a−1は段付き面7aに係合する凹状段付き構造12の段付き面、8−1は小径雄螺子部8に螺合する小径雌螺子部、13−1は切削刃部本体4側の接合面13と密着接合する凹状段付き構造12の接合面である。
【0016】
21は切削刃、22は切削時に発生する切り屑を逃がす為の刃溝である。23は、元の前ガイド部であり、凸状段付き構造6を切削加工する際に切削除去される部分である。
【0017】
図2(a)、(b)において、大径雄螺子部7の有効径をD、小径雄螺子部8の有効径をd、大径雄螺子部7の螺子部の長さをJ、小径雄螺子部8の長さをK、大径雄螺子部7の根本にあたる嵌合部7bの外径をX、長さをYとし、切削刃部本体4側の長方形状の長辺をH、短辺をTとする。
【0018】
本実施例では、要部の寸法及び許容寸法差を以下のように定めて加工基準とした。即ち、凸状段付き構造において、大径雄螺子部7の根本に位置する嵌合部7bの外径X=D+1+0/−0.03、嵌合部の長さY=0.2D、

大径雄螺子部の螺子部の有効長さJ=0.2D、小径雄螺子部の有効径d=T−3、小径雄螺子部の有効長さK=15〜20とし、単位はmm(ミリメートル)である。凹状段付き構造においては、嵌合部7bの外径Xに対応する嵌合部の内径をD+1+0.03/−0、小径雌螺子部の長さを(15〜20)+0.5として実施した。
【0019】
再生修理の加工方法としては、切削刃本体側の凸状段付き構造6の接合面13と新たな材料で製作する引き抜き柄1側の凹状段付き構造12の接合面13−1とが強固に圧接するように、段付き面7aと7a−1とには隙間をもたせるようにし、また螺子部の根本は、例えば、図2、図4中の符号24、25に示すように螺子きり逃げとなる溝を設ける。
【0020】
加工の基本として、上述のように凸状段付き構造6の大径雄螺子部7と嵌合部7bからなるオス側の長さ寸法Q(図2(a)参照)の許容差を+0/−0.03とし、これに対し、係合する引き抜き柄側の大径雌螺子部7−1と嵌合部からなるメス側の許容差を+0.03/−0とし、極力隙間を減らし、接続面、接合面が強固に圧接するように構成してある。
【0021】
上述の寸法を基準にして、切削刃部本体4側と引き抜き柄部側とを機械加工する。このとき、切削刃部本体4側は元の前ガイド3に相当する部分を切削加工し、引き抜き柄部1側と拡径部2を含む係合部材11を新たな材料を用いて機械加工を行うが、素材は無垢の丸棒材料から切削加工し、また接続部や接合面を精度良く加工し、外形部分は、仕上げ代を残して加工する。次いで雄螺子部、雌螺子部及び接合面を螺合、合体して一旦仮組立てを実施し、接合面13、13−1の圧接状態を確認し、メス側の接続面の仕上げ代として残しておいた余肉部分にオス側となる切削刃部本体4側に倣って罫書き線を入れた後、オス側となる本体側とメス側となる柄部側を分離解体する。
【0022】
実施例では、仕上げ代として3mm程度残しておいた周囲の余肉を削り落とし、メス側となる柄部側を所定の形状に加工する。
【0023】
次いで、メス側となる柄部側を焼き入れして歪を除去し、螺子部、接続部、接合面の精度及び許容差寸法を確認した上で、焼き入れ後の修正工程として再度組立てを実施し、余分な隙間が無いことを更に確認し螺子部を弛めて取外す。
【0024】
この後で、最終工程となる柄つなぎ工程に入る。先ず、メス側となる凹状段付き構造12の小径雌螺子部8−1内部に適量の、例えば、ほぼ1/3容量の接着剤となる液状ボンド(登録商標)を注入し、更に凹状段付き構造12の接続部位に適量注入し、接合面13−1を上向きにし、切削刃部本体4側の接合面13を下向きにして、双方を螺合して組み付けを行う。ねじ込みが進むにつれて、小径雌螺子部8−1から、更に接続部や接合面から、空気と共に余分な接着剤となる液状ボンド(登録商標)がはみ出してくる、引き続き切削刃部本体4側と柄部側1の接合面が一致するところまで締め付ける。
【0025】
接着剤となる液状ボンド(登録商標)が或る程度硬化した時点で、嵌合部分や大径螺子部の合わせ目の隙間を、予め残しておいた0.5mm程度の余肉部分を利用してかしめ操作をして、隙間を極力減らすようにする。
【0026】
接着剤となる液状ボンド(登録商標)が完全に硬化した後に仕上げ加工を実施し、一体物の長方形状ブローチ工具の修理再生が完了する。
【0027】
図4は、接合部と接着剤との関係の一例を示す部分拡大断面図であり、図示するように、螺子の裏側や、逃げ溝、全ての隙間に接着剤となる液状ボンド(登録商標)が進入し、加工精度と相俟って凸状段付き構造と凹状段付き構造とが一体構造化し強固な長方形状ブローチ工具の修理再生が出来る。
【実施例2】
【0028】
実施例2は、修理再生された長方形状ブローチ工具について述べる。
【0029】
引き抜き柄1、立ち上り部を形成する拡径部2、前ガイド部3、切削刃部本体4、後部柄部5から構成され、引き抜き柄1が破損した場合の修理再生された長方形状ブローチ工具であって、前記拡径部2と前ガイド部3の境目で切断して二つに分割し、前記切削刃部本体4の隣る前ガイド部3に相当する部分を加工して切削刃部本体4側につながる部分を段付き部とし、この段付き部を支持する最外周の接合面13を残して1段目の凸状段付き構造を長方形状とし、該凸状段付き部側面の工具本体の軸心対称の短辺側二面を前記軸心を中心として描いた円弧状曲面に加工すると共に、この二面に共通する雄螺子を螺刻して大径雄螺子部7を形成し、この1段目の凸状段付き部の工具本体の軸心に直交する面7aに前記軸心を通る無垢の棒状体を加工して突出した状態に設けると共に、この棒状体に雄螺子を螺刻して小径雄螺子部8を設け、凸状段付き構造の二種の雄螺子部7、8に係合可能に二種の雌螺子部7−1、8−1を有し且つ新たな引き抜き柄9と新たな拡径部10を含む新たな凹状段付き構造の係合部材11を製作して設け、更に係合部位に接着剤Bを施し、前記雄螺子部と雌螺子部とを螺合し合体して凸状段付き構造6と凹状段付き構造12とを一体構造として成る修理再生された長方形状ブローチ工具。
【0030】
その他は実施例1と同様なので、説明を省略する。
【0031】
因みに、長さ1500mmの一体物の長方形状ブローチ工具の修理再生方法の実施例を説明する。主要各部の諸元は以下の通り、
大径雄螺子部7の根本にあたる嵌合部7bの外径 X=65+0/−0.03
大径雄螺子部7の長さ ・・・・・・・・・・・ Y=12.8
大径雄螺子部7の有効径 ・・・・・・・・・・ D=64
大径雄螺子部7の螺子部の長さ ・・・・・・・ J=12.8
小径雄螺子部8の有効径 ・・・・・・・・・・ d=22
小径雄螺子部8の長さ ・・・・・・・・・・・ K=20
であり、数値の単位はmm(ミリメートル)である。
【0032】
上記の数値条件で引張強さ(引張荷重を与えて破断するまでの抗力)は、大径雄螺子部7が9.216トン(ton)、小径雄螺子部8が4.356トン(ton)であり合計引張強さは13.572トン(ton)を示し、目標値9.6トン(ton)を遥かに超えた結果が得られた。
【0033】
以上説明したように、引き抜き柄が破損した場合、接合部を大小二段構造の螺子部を螺合して合体する構造とし、接着剤と併合して目標引張強さを満足すると共に高精度,且つ安価な修理再生方法を提供でき、更に該修理再生方法で新品同様に蘇った修理再生された長方形状ブローチ工具を提供することが出来るようになった。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】(a)本発明に係る一体物の長方形状ブローチ工具の修理加工前の外観斜視図の一例、(b)本発明に係る一体物の長方形状ブローチ工具の修理再生方法を説明する斜視図、(c)本発明に係る修理再生された長方形状ブローチ工具の全体斜視図
【図2】凸状段付き構造の拡大詳細図、(a)側面図、(b)正面図
【図3】凹状段付き構造の拡大詳細図、(a)正面図、(b)一部破断側面図
【図4】接合部と接着剤との関係の一例を示す部分拡大断面図
【符号の説明】
【0035】
1 引き抜き柄
2 拡径部
3 前ガイド部
4 切削刃部本体
5 後部柄部
6 凸状段付き構造
7 大径雄螺子部
7a 段付き面
7b 嵌合部
8 小径雄螺子部
9 引き抜き柄
10 拡径部
11 係合部材
12 凹状段付き構造
13 接合面
21 切削刃
22 刃溝
23 切削除去される部分
24、25 螺子きり逃げとなる溝
D 大径雄螺子部7の有効径
d 小径雄螺子部8の有効径
J 大径雄螺子部7の螺子部の長さ
K 小径雄螺子部8の長さ
X 大径雄螺子部7の根本にあたる嵌合部7bの外径
Y 嵌合部7bの長さ
H 切削刃部本体4側の長方形状の長辺
T 切削刃部本体4側の長方形状の短辺
B 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き抜き柄、立ち上り部を形成する拡径部、前ガイド部、切削刃部本体、後部柄部から構成され、引き抜き柄が破損した場合の一体物の長方形状ブローチ工具の修理再生方法であって、前記拡径部と前ガイド部の境目で切断して二つに分割し、前記切削刃部本体の隣る前ガイド部に相当する部分を加工して切削刃部本体側につながる部分に凸状段付き構造を構成する大径雄螺子部を設け、該大径雄螺子部の段付き面に小径雄螺子部を突出して設けると共に、この二種の雄螺子部に係合する二種の雌螺子部を有し、且つ新たな引き抜き柄と新たな拡径部を含む新たな凹状段付き構造の係合部材を製作して設け、更に係合部位に接着剤を施し、前記雄螺子部と雌螺子部を螺合し合体して凸状段付き構造と凹状段付き構造とを一体構造としたことを特徴とする一体物の長方形状ブローチ工具の修理再生方法。
【請求項2】
前記凸状段付き構造を構成する大径雄螺子部は、長方形状の段付き部を形成し、この段付き部を支持する最外周の接合面を残して前記長方形状の凸状段付き部側面の工具本体の軸心対称の短辺側二面を前記軸心を中心として描いた円弧状曲面に加工すると共に、この二面に共通する雄螺子を螺刻して大径雄螺子部を設け、該大径雄螺子部内側の工具の軸心に直交する段付き面に工具本体の軸心を通る無垢の棒状体を加工して突出した状態に設けると共に、この棒状体に雄螺子を螺刻して小径雄螺子部を形成したことを特徴とする請求項1記載の一体物の長方形状ブローチ工具の修理再生方法。
【請求項3】
引き抜き柄、立ち上り部を形成する拡径部、前ガイド部、切削刃部本体、後部柄部から構成され、引き抜き柄が破損した場合の修理再生された長方形状ブローチ工具であって、前記拡径部と前ガイド部の境目で切断して二つに分割し、前記切削刃部本体の隣る前ガイド部に相当する部分を加工して切削刃部本体側につながる部分を段付き部とし、この段付き部を支持する最外周の接合面を残して1段目の凸状段付き構造を長方形状とし、該凸状段付き部側面の工具本体の軸心対称の短辺側二面を前記軸心を中心として描いた円弧状曲面に加工すると共に、この二面に共通する雄螺子を螺刻して大径雄螺子部を形成し、この1段目の凸状段付き部の工具本体の軸心に直交する面に前記軸心を通る無垢の棒状体を加工して突出した状態に設けると共に、この棒状体に雄螺子を螺刻して小径雄螺子部を設け、凸状段付き構造の二種の雄螺子部に係合可能に二種の雌螺子部を有し且つ新たな引き抜き柄と新たな拡径部を含む新たな凹状段付き構造の係合部材を製作して設け、更に係合部位に接着剤を施し、前記雄螺子部と雌螺子部とを螺合し合体して凸状段付き構造と凹状段付き構造とを一体構造として成ることを特徴とする修理再生された長方形状ブローチ工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−167870(P2006−167870A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−364366(P2004−364366)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(593186596)
【Fターム(参考)】