説明

三次元形状造形物の製造方法

【課題】焼結層の形成後にそれまでに製造した造形物における表面部または不要部分の少なくとも一方の切削除去を行うにあたり、細い切削工具を用いても、効率の良い切削を行うことができる三次元形状造形物の製造方法を提供する。
【解決手段】切削除去に使用する切削工具41の工具径に応じて、焼結層11を形成するために供給する粉末材料の被覆厚さおよび照射する光ビームLのエネルギー量、集光径、さらに被覆する粉末の粒径を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末材料の層に光ビームを照射して焼結層を形成する工程を繰り返すことにより、複数の焼結層が積層一体化された三次元形状造形物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光造形法として知られている三次元形状造形物の製造方法がある。例えば、特許文献1に示された該製造方法は、粉末材料の層の所定箇所に光ビームを照射して該当箇所の粉末を焼結することで焼結層を形成し、この焼結層の上に粉末材料の新たな層を被覆して該粉末層の所定箇所に光ビームを照射して該当箇所の粉末を焼結することで下層の焼結層と一体になった新たな焼結層を形成するということを繰り返すことで、複数の焼結層が積層一体化された粉末焼結部品(三次元形状造形物)を製造するものであり、三次元形状造形物の設計データ(CADデータ)であるモデルを所望の層厚みにスライスして生成する各層の断面形状データをもとに光ビームを照射することから、任意形状の三次元形状造形物を製造することができるほか、切削加工などによる製造方法に比して、迅速に所望の形状の造形物を得ることができる。
【0003】
ところで、光ビームを照射して、焼結硬化させた部分の周囲には、伝達された熱が原因となって、不要な粉末が付着し、密度の低い表面層が造形物に形成されてしまう。この密度の低い表面層を除去して滑らかな表面の三次元形状造形物を得るために、例えば、特許文献2には、焼結層の形成後に、それまでに製造した造形物における表面部または不要部分の少なくとも一方の除去を行う工程を複数回の焼結層の製造工程中に挿入する方法が記載されている。この方法を採用することにより、焼結層の製造とそれまでに製造した造形物における表面部または不要部分の少なくとも一方の除去とを繰り返し行うことで、ドリル長などの制約を受けることなく表面を仕上げることができる。
【特許文献1】特許2620353号公報
【特許文献2】特許3446733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献2に記載の方法を採用する場合、各焼結層はその大きさ(水平断面積)を本来の値より大きくしておき、それまでに製造した造形物における表面部または不要部分の少なくとも一方を除去する際に本来の寸法となるようにすることで、滑らかで且つ硬度の高い表面を確実に得ることができるものとなるが、次のような問題が新たに生ずる。
【0005】
すなわち、それまでに製造した造形物の表面部に付着している不要粉末量が多かったり、その不要粉末のサイズが大きかったりした場合、細い切削工具で切削除去を行うと、少しずつしか切削除去できないため非常に効率が悪い。しかし、三次元形状造形物の形状によっては、細い切削工具でしか形状加工できないような細い溝形状や複雑形状は存在する。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、除去工程において、細い切削工具を用いても、効率の良い切削を行うことができる三次元形状造形物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の三次元形状造形物の製造方法は、粉末材料の層の所定箇所に光ビームを照射して該当箇所の粉末を焼結することで焼結層を形成し、当該焼結層の上に粉末材料の新たな層を被覆して所定箇所に光ビームを照射して該当箇所の粉末を焼結することで下層の焼結層と一体になった新たな焼結層を形成することを繰り返して、複数の焼結層が積層一体化された三次元形状造形物を製造するにあたり、焼結層の形成後にそれまでに製造した造形物における表面部または不要部分の少なくとも一方の除去を行う除去工程を含み、当該除去工程が切削工程である三次元形状造形物の製造方法において、除去工程で、使用する切削工具の工具径に応じて、焼結層を形成するために供給する粉末材料の被覆厚さおよび照射する光ビームのエネルギー量を設定することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の三次元形状造形物の製造方法において、除去工程で、使用する切削工具の工具径に応じて、さらに光ビームの集光径も設定することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に記載の三次元形状造形物の製造方法において、除去工程で、使用する切削工具の工具径に応じて、さらに被覆する粉末の粒径も設定することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の三次元形状造形物の製造方法は、粉末材料の層の所定箇所に光ビームを照射して該当箇所の粉末を焼結することで焼結層を形成し、当該焼結層の上に粉末材料の新たな層を被覆して所定箇所に光ビームを照射して該当箇所の粉末を焼結することで下層の焼結層と一体になった新たな焼結層を形成することを繰り返して、複数の焼結層が積層一体化された三次元形状造形物を製造するにあたり、焼結層の形成後にそれまでに製造した造形物における表面部または不要部分の少なくとも一方の除去を行う除去工程を含み、当該除去工程が切削工程である三次元形状造形物の製造方法において、除去工程で、使用する切削工具の工具径が小さい場合には、被覆する粉末材料の粒径を細かくし、被覆する粉末厚さを薄くし、焼結層を形成する時の光ビームの照射エネルギー量を小さくし、その集光径も小さくすることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、上記請求項1〜4のいずれか1項に記載の三次元形状造形物の製造方法において、粉末材料が金属粉末を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、細い切削工具を用いても、効率の良い切削を行うことができる三次元形状造形物の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。以下の説明では具体例を挙げて本発明を説明する場合があるが、本発明は以下の具体例に限定されない。
【0014】
図1に実施形態に係る三次元形状造形物の製造装置(以下、単に「製造装置」と呼ぶ)を示す。
【0015】
製造装置は、シリンダーで外周が囲まれた空間内を上下に昇降する昇降テーブル20上に供給した粉末材料をスキージング用ブレード21でならすことで所定厚みΔt1(図2参照)の粉末材料の層(粉末層)10を形成する粉末層形成手段2と、粉末層形成手段2の上方に設けられレーザー発振器30から出力された光ビーム(レーザー)Lをガルバノミラー31等のスキャン光学系を介して上記粉末層10の所定箇所に照射することで当該箇所を焼結して焼結層11を形成する焼結層形成手段3と、ボールエンドミルを備え上記粉末層形成手段2のベース部にXY駆動機構(高速化の点で直動リニアモータ駆動のものが好ましい)40を介して設けられた切削工具41によりそれまでに製造された造形物における表面部または不要部分の少なくとも一方を除去する除去手段4と、を基本構成とする。
【0016】
このものにおける三次元形状造形物の製造は、図2に示すように、焼結層形成手段3と焼結層11との相対距離を調整する調整手段であるところの昇降テーブル20上面の造形用ベース22表面に粉末材料を供給してブレード21でならすことで第1層目の粉末層10を形成し、この粉末層10の硬化させたい箇所に光ビームLを照射して粉末を焼結させてベース22と一体化した焼結層11を形成する。
【0017】
この後、昇降テーブル20を少し下げて再度粉末材料を供給してブレード21でならすことで第2層目の粉末層10を形成し、この粉末層10の硬化させたい箇所に光ビームLを照射して粉末を焼結させて下層の焼結層11と一体化した焼結層11を形成する。
【0018】
上記工程を繰り返すことにより、目的とする三次元形状造形物が製造される。
【0019】
ここで、粉末材料は、粒径が1〜100μmの細かい金属粉末を含む。具体的には、粉末材料は、クロムモリブデン鋼(SCM440)、ニッケル(Ni)、銅マンガン合金(CuMnNi)および黒鉛(C)の混合粉末であり、その配合割合は、(70重量%SCM440−20重量%Ni−9重量%CuMnNi)+0.3重量%Cである。
【0020】
また、光ビームLとしては炭酸ガスレーザーが用いられる。光ビームLの照射経路は、予め三次元CADデータから作成しておく。すなわち、三次元CADモデルから生成したSTLデータを等ピッチでスライスした各断面の輪郭形状データを用いる。このとき、三次元形状造形物の少なくとも最表面が高密度(気孔率5%以下)となるように焼結させることができるように光ビームLの照射を行うのが好ましい。除去手段4によって後述する表面除去を行っても、露出した部分がポーラスであれば、除去加工後の表面もポーラスな状態となるためである。このために予め形状モデルデータを図3に示すように、表層部Sと内部Nとに分割しておき、内部Nについてはポーラスとなるような焼結条件、表層部Sはほぼ粉末が溶融して高密度となる条件で光ビームLを照射する。図4に、高密度部12と前述の付着粉末によるところの低密度表面層16を示す。
【0021】
ここで、粉末層10の厚さおよび照射する光ビームLのエネルギー量は、切削工具41の工具径に応じて設定される。具体的には、工具径が1.0mmの切削工具41を用いる場合には、粉末層10の厚みΔt1として0.05mm、光ビームLのエネルギー量として10.0J/mm2が好適である。一方、工具径が0.5mmの切削工具41を用いる場合には、粉末層10の厚みΔt1として0.025mm、光ビームLのエネルギー量として5.0J/mm2が好適である。
【0022】
また、光ビームLの集光径についても、切削工具41の工具径に応じて設定することが好ましい。具体的には、工具径が1.0mmの切削工具41を用いる場合には、光ビームLの集光径として0.6mmが好適である。一方、工具径が0.5mmの切削工具41を用いる場合には、光ビームLの集光径として0.4mmが好適である。
【0023】
さらに、粉末材料の粒径についても、切削工具41の工具径に応じて設定することが好ましい。具体的には、工具径が1.0mmの切削工具41を用いる場合には、粉末材料の平均粒径として30μmが好適である。一方、工具径が0.5mmの切削工具41を用いる場合には、粉末材料の平均粒径として15μmが好適である。
【0024】
なお、粉末層10の厚さおよび照射する光ビームLのエネルギー量、光ビームLの集光径、粉末材料の粒径は、切削工具41の工具径に応じて自動的に制御されるようにしてもよい。
【0025】
そして、上記粉末層10を形成しては光ビームLを照射して焼結層11を形成することを繰り返していくのであるが、焼結層11の全厚みが例えば切削工具41の工具長さなどから求めた所要の値になれば、いったん除去手段4を作動させてそれまでに造形した造形物の表面を切削する。たとえば、工具径1.0mm、有効刃長3.0mmで深さ3.0mmの切削加工が可能である切削工具41を用いる場合には、粉末層10の厚みΔt1を0.05mmとしているので、60層の焼結層11を形成した時点で、除去手段4を作動させる。
【0026】
この除去手段4による切削加工により、図4に示すように、造形物表面に付着した粉末による低密度表面層16を除去すると同時に、高密度部12まで削り込むことで、造形物表面に高密度部12を全面的に露出させる。これにより、造形物表面の面粗度を高くすることができる。このために、所望の形状Mよりも焼結層11が少し大きくなるようにしておく。
【0027】
この除去手段4による切削加工経路は、光ビームLの照射経路と同様に、予め三次元CADデータから作成しておく。この時、等高線加工を適用して加工経路を決定するが、Z方向ピッチは焼結時の積層ピッチにこだわる必要はなく、緩い傾斜の場合はZ方向ピッチをより細かくして補間することで、滑らかな表面を得られるようにしておく。切削加工を工具径1mmの切削工具41で行う場合は、切り込み量を0.1〜0.5mm、送り速度を5m/min〜50m/min、工具回転数を20,000rpm〜100,000rpmとするのが好ましい。
【0028】
なお、切削による除去に際しては、図5に示すように、切削加工の直前の部分にエネルギー密度を小さくした光ビームLを照射して加熱することで軟化させておき、この軟化した状態の部分を切削工具41が切削していくようにすると、切削抵抗が小さくなるために切削加工時間を短くできるとともに切削工具41の寿命を延ばすことができる。
【0029】
また、図6に示すように、切削除去直後の部分に再度光ビームLを照射して、溶融硬化させたり、熱処理したりすることで、表面密度を高めるようにすることも好ましい。
【0030】
ところで、除去手段4による造形物表面および不要部分の除去に際して、未焼結粉末や除去手段4による切削屑が除去作業の邪魔になる上に、次の粉末層10の形成に際して、ブレード21に切削屑が引っかかって平坦な粉末層10を形成することができなかったり、ブレード21と造形物との間に切削屑が挟まってブレード21が停止してしまったりすることがある。このために、図7および図8(a)あるいは図8(b)に示すように、例えば、エアポンプ50および吸引ノズル51からなる排除手段5を設けることが好ましい。ここで、エアポンプ50に接続した吸引ノズル51を切削工具41に隣接させて配置し、切削と同時に未焼結粉末および切削屑を吸引してしまうとよい。吸引ノズル51で切削工具41を囲んでいる図8(b)に示すものでは、切削工具41にスピンドルヘッドを好ましく用いることができる。
【0031】
図9に示すように、切削加工前に、未焼結粉末のみを吸引回収し、切削加工と同時に切削屑を吸引排除するようにしてもよく、この場合、未焼結粉末に切削屑が混入することがないために、未焼結粉末の再利用が容易となる。
【0032】
ところで、未焼結粉末を吸引回収してしまった場合、除去工程後にさらに粉末層10を積層する時、多量の粉末が必要となり、除去工程を複数回繰り返す場合、その都度、未焼結粉末がなくなった全空間に粉末を埋めなくてはならず、時間的なロスが大きくなる。このために、未焼結粉末がなくなった空間には、図10に示すように、樹脂あるいはろう材を流し込んで固化させることで固化部18を形成し、次の粉末層10は最上層の焼結層11と上記固化部18の上面に形成するとよい。使用する粉末量を削減することができる。
【0033】
なお、上記排除手段5における吸引ノズル51は、除去工程に先だって未焼結粉末を吸引回収するものについては、図11に示すように、粉末層形成手段2におけるブレード21の駆動部に取り付けておくと、全域の未焼結粉末の吸引回収を行うことができるとともに吸引ノズル51のための専用の駆動機構を必要としなくなるために、装置構成を簡単にすることができる。
【0034】
また、図12に示すように、吸引ノズル51を専用のXY駆動機構55、もしくは除去手段4におけるXY駆動機構40に取り付けた場合には、造形物の断面輪郭線形状に沿って吸引ノズル51を移動させることができる。
【0035】
未焼結粉末については、除去工程前に吸引回収してしまうのではなく、例えば液体窒素などを吹き付ける(必要とあれば湿気を含んだガスを同時に吹き付ける)ことで未焼結粉末を冷凍して固化させたり、樹脂やろう材などを流し込んで固化させたりしておき、この状態で除去手段4を動作させるようにしてもよい。切削屑が未焼結粉末内に入り込んでしまうことがないために、粉末の再充填などを必要とすることなく、切削屑のみを容易に吸引排除することができる。
【0036】
図13に示すものは、焼結直後もしくは除去加工直後の造形物の形状および位置を測定するための計測手段6を設けたものである。光ビームの照射精度や除去加工の加工精度をオンマシンで計測することができるものであり、計測結果をフィードバックして、測定データ(位置座標データ)とCADデータを比較することで、造形精度を算出することができるとともに、比較結果に基づいて次の光ビーム照射経路データを修正したり、次の除去加工経路データを修正したりすることで、より高精度な造形が可能となる。
【0037】
上記計測手段6が例えば圧電型接触センサである場合には、除去手段4におけるXY駆動機構40に計測手段6を設けると、計測手段6のための専用駆動機構を必要とすることなく、計測を行うことができる。
【0038】
また、計測手段6としてはCCDカメラのような撮像手段を用いてもよい。測定しようとする点が画像の中心となるように撮像手段を移動させて、画像中心と造形物中の測定しようとしている点とのずれた画素数からずれ量を計測するのである。
【0039】
なお、除去部分は造形物の表面部に限るものではなく、造形の都合上、本来ならば不要である部分も造形しなくてはならない場合、この不要部分の除去も行うことができる。
【0040】
したがって、除去工程で使用する切削工具41の工具径に応じて、粉末材料の被覆厚さおよび照射する光ビームLのエネルギー量を設定することにより、造形物の表面に付着する不要な粉末の量を切削工具41の工具径に応じた量に設定することができるため、効率的に切削除去加工を行うことができ、その結果、表面の外観がよい三次元形状造形物を短時間で製造することができる。
【0041】
また、除去工程で使用する切削工具41の工具径に応じて、光ビームLの集光径も設定することにより、造形物の表面に付着する不要な粉末の量を切削工具41の工具径に応じた量に設定することができるため、さらに効率的に三次元形状造形物を製造することができる。
【0042】
そして、除去工程で使用する切削工具41の工具径に応じて、被覆する粉末の粒径も設定することにより、造形物の表面に付着する不要な粉末の粒径を切削工具41の工具径に応じた粒径に設定することができるため、さらに効率的に三次元形状造形物を製造することができる。
【0043】
特に、工具径が小さい切削工具41を用いた場合には、被覆する粉末材料の粒径を細かくし、被覆する粉末厚さを薄くし、焼結層を形成する時の光ビームの照射エネルギー量を小さくし、その集光径も小さくすることにより、効率的に三次元形状造形物を製造することができるとともに、切削工具41の破損を少なくすることができる。
【0044】
なお、粉末材料が粒径の細かい金属粉末を含むことにより、粉末材料の表面積が大きくなり光ビームLの吸収率も大きくなるので、エネルギー密度の低い照射条件でも粉末材料が焼結しやすく、造形速度が向上する。また、ある程度の造形強度を得るためには、隣接する焼結層11どうしの密着強度を高くする必要があるが、粉末材料であれば、粉末間にある隙間を通して、光ビームLが下の焼結層11にも照射され、下の焼結層11も加熱されて密着強度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態の一例に係る概略斜視図である。
【図2】同上の動作説明図である。
【図3】同上の表面高密度部に関する説明図である。
【図4】同上の除去工程を示す断面図である。
【図5】同上の他例の動作を示す斜視図である。
【図6】同上のさらなる他例の動作を示す斜視図である。
【図7】同上の他例の概略斜視図である。
【図8】排除手段の一例を示す概略断面図である。
【図9】排除手段の他例の動作を示す概略断面図である。
【図10】排除後の処理を示す概略断面図である。
【図11】排除手段の他例を示す概略断面図である。
【図12】排除手段のさらなる他例を示す概略斜視図である。
【図13】計測手段を備えた例の概略斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
4 除去手段
10 粉末層
11 焼結層
41 切削工具
L 光ビーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末材料の層の所定箇所に光ビームを照射して該当箇所の粉末を焼結することで焼結層を形成し、当該焼結層の上に粉末材料の新たな層を被覆して所定箇所に光ビームを照射して該当箇所の粉末を焼結することで下層の焼結層と一体になった新たな焼結層を形成することを繰り返して、複数の焼結層が積層一体化された三次元形状造形物を製造するにあたり、
焼結層の形成後にそれまでに製造した造形物における表面部または不要部分の少なくとも一方の除去を行う除去工程を含み、当該除去工程が切削工程である三次元形状造形物の製造方法において、
除去工程で、使用する切削工具の工具径に応じて、焼結層を形成するために供給する粉末材料の被覆厚さおよび照射する光ビームのエネルギー量を設定することを特徴とする三次元形状造形物の製造方法。
【請求項2】
除去工程で、使用する切削工具の工具径に応じて、さらに光ビームの集光径も設定することを特徴とする請求項1に記載の三次元形状造形物の製造方法。
【請求項3】
除去工程で、使用する切削工具の工具径に応じて、さらに被覆する粉末の粒径も設定することを特徴とする請求項1または2に記載の三次元形状造形物の製造方法。
【請求項4】
粉末材料の層の所定箇所に光ビームを照射して該当箇所の粉末を焼結することで焼結層を形成し、当該焼結層の上に粉末材料の新たな層を被覆して所定箇所に光ビームを照射して該当箇所の粉末を焼結することで下層の焼結層と一体になった新たな焼結層を形成することを繰り返して、複数の焼結層が積層一体化された三次元形状造形物を製造するにあたり、
焼結層の形成後にそれまでに製造した造形物における表面部または不要部分の少なくとも一方の除去を行う除去工程を含み、当該除去工程が切削工程である三次元形状造形物の製造方法において、
除去工程で、使用する切削工具の工具径が小さい場合には、被覆する粉末材料の粒径を細かくし、被覆する粉末厚さを薄くし、焼結層を形成する時の光ビームの照射エネルギー量を小さくし、その集光径も小さくすることを特徴とする三次元形状造形物の製造方法。
【請求項5】
粉末材料が金属粉末を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の三次元形状造形物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−291315(P2008−291315A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−138031(P2007−138031)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】