説明

三量体マクロ環式置換ハロ−ベンゼン誘導体

一般式I


(式中、Halは臭素またはヨウ素を表し、AおよびAは異なる意味を有する)で示される金属錯体は、造影剤として適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求の範囲に特徴付けられた対象:新規三量体マクロ環式置換トリヨードおよびトリブロモベンゼン誘導体、それらの製法、およびX線診断およびMRT診断における造影剤としての使用に関する。
【0002】
この10年間に、画像診断において目覚しい進歩が成された。DAS、CTおよびMRTのような画像技術は、診断およびインターベンショナルラジオロジーにおける標準的かつ欠くことのできないツールに進歩し、今では1mm未満の空間分解能を提供している。さらに、これらの技術の可能な用途が、造影剤の使用により決定的に増加している。X線診断における造影剤がこのように今では広く普及し許容されているのは、1980年台における非イオン性単量体トリヨード芳香族化合物の導入、および、1990年代に導入された等浸透圧二量体ヨード芳香族化合物に帰することができる。これらの二種の化合物により、造影剤が誘引した副作用の頻度が2〜4%に減少した(Bush,W.H.,Swanson,D.P.:Acute Reactions to Intravascular Contrast Media:Types,Risk Factors,Recognition and Specific Treatment. AJR 第157巻,1153〜1161頁,1991年. Rydberg,J.,Charles,J.,Aspelin,P.:Frequency of Late Allergy−Like Adverse Reactions Following Injection of Intravascular Non−Ionic Contrast Media. Acta Radioloegica 第39巻,219〜222頁,1998年)。近年の画像技術に関する造影剤の使用は、今では、高解像度の血管視覚化による腫瘍の検出から、臓器の灌流の透過性のような生理学的要素の定量的決定にまで及ぶ。X線造影剤(ここでは、ヨウ素原子)の濃度は、コントラストおよび検出感度に決定的である。この技術の更なる進歩にも拘わらず、医療診断に必要な濃度または投与すべき投与量を減少させることはできなかった。すなわち、標準的CT研究において、患者当たり100g以上の物質が注入される。
【0003】
非イオン性トリヨードベンゼンの導入によりX線造影剤の適合性が改良されたが、副作用の数は依然として常に多い。X線診断における一年当たり数百万の非常に多い研究数のために、1万人の患者が影響を受ける。これらの造影剤が誘発する副作用は、悪心、眩暈、嘔吐のような軽い反応から、気管支痙攣のような激しい反応、または腎不全から、ショックのような反応または死にさえ及ぶものである。幸運なことに、これらの深刻な場合は非常に稀であり、1/200000の頻度でしか観察されない(Morcos,S.K.,Thomsen,H.S.:Adverse Reactions to Iodinated Contrast Media. Eur Radiol 第11巻,1267〜1275頁,2001年)。
【0004】
しかしながら、仮性アレルギー性造影剤誘発副作用としても観察されるこれらの副作用の頻度は、アトピー患者においては約3倍増加し、造影剤誘発副作用の既往歴を有する患者においては5倍増加する。喘息は、重症造影剤誘発副作用の危険性を、非イオン性造影剤においては6倍増加させる(Thomsen,H.S.,Morcos,S.K.:Radiographic Contrast Media. BJU 第86巻(補遺1),1〜10頁,2000年. Thomsen,H.S.,Dorph,S.:High−Osmolar and Low−Osmolar Contrast Media. An Update on Frequency of Adverse Drug Reactions. Acta Radiol 第34巻,205〜209頁,1993年. Katayama,H.,Yamaguchi,K.,Kozuka,T.,Takashima,T.,Seez,P.,Matsuura,K.:Adverse Reactions to Ionic and Non−Ionic Contrast Media. Radiology 第175巻,621〜628,1990年. Thomsen,H.S.,Bush,Jr.,W.H.:Adverse Effects on Contrast Media. Incidence,Prevention and Management. Drug Safety 第19巻:313〜324頁、1998年)。これらの状況において、近年のX線診断のための試験者は、コンピュータートポグラフィーにおいて、標準的トリヨード芳香族化合物の代わりに、ヨウ素非含有Gdキレートを使用することが最も多いが、インターベンショナルラジオロジー並びにDSAにおいてもそうである(Gierada,D.S.,Bae,K.T.:Gadolinium as CT Contrast Agent:Assessment in a Porcine Model. Radiology 第210巻,829〜834頁、1999年. Spinosa,D.J.,Matsumoto,A.H.,Hagspiel,K.D.,Angle,J.F.,Hartwell,G.D.:Gadolinium−Based Contrast Agents in Angiography and Interventional Radiology. AJR 第173巻;1403〜1409頁,1999年. Spinosa,D.J.,Kaufmann,J.A.,Hartwell,G.D.:Gadolinium Chelates in Angiography and Interventional Radiology:A Useful Alternative to Iodinated Contrast Media for Angiography. Radiology 第223巻,319〜325頁、2002年)。これは、一方では、MRTで用いられる金属器レートの非常に優れた相溶性により実体化されるが、ランタニドがX線不透過性でもある既知の事実によっても実体化される。ヨウ素と比べて、ガドリニウムおよび他のランタニドは、原理的にX線診断用の不透過性要素として適しているように、特にX線照射の高い電圧/エネルギーにおいて、ヨウ素より大きな吸収性を示す(Schmitz,S.,Wagner,S.,Schuhmann−Giampieri,G.,Wolf,K.J.:Evaluation of Gadobutrol in a Rabbit Model as a New Lanthanide Contrast Agent for Computer Tomography. Invest. Radiol. 第30(11)巻:644〜649頁,1995年)。
【0005】
MRTにおいて最初に用いられていた前記Gd含有キレート化合物は、容易に水に溶けることもでき、優れた相溶性により区別される。ヨウ素含有/非イオン性造影剤と比べて、光仮性アレルギー性反応の割合は著しく減少し、致命的反応の割合は極めて稀であり、1/1000000で示される(Runge,V.M.:Safety of Approved MR Contrast Media for Intravenous Injection. J.Magn Reson Imaging 第12巻,205〜213頁、2000年)。例えば腎適合性のような他の造影剤誘発副作用に対して、仮性アレルギー性反応は、投与量から独立している傾向がより大きい。従って、最も少ない投与量は、仮性アレルギー性反応を既に引き起こしていることがあり得る。
【0006】
二つの化学的に全く異なるクラスの化合物の利点を組み合わせている物質が望ましい。
【0007】
金属キレートの非常に高い親水性は、非相溶性の割合が低いことを示している。ヨード芳香族化合物は、金属キレートよりも、100〜200倍(ブタノール/水の間の大きな分布係数)高い親油性を有する。
【0008】
低い物質濃度および全分子中の画像化金属の特定の低い割合に基づき、X線診断用の前述の既知の金属キレートが最適である(Albrecht,T.,Dawson,P.:Gadolinium−DTPA as X−Ray Contrast Medium in Clinical Studies. BJR 第73巻,878〜882頁,2000年)。この問題を解決するためのより近年の試行において、金属複合共役体の製造が記載されており、そこで、トリヨード芳香族化合物は、開環鎖またはマクロ環式金属複合体に共有結合している(US 5,324,503, US 5,403,576,WO 93/16375,WO 00/75141,WO 97/01359,WO 00/71526、特にUS 5,660,814)。しかし、それらの低い親水性および高い粘度故に、後者は、適度な濃度および合理的な体積で投与することができない。
【0009】
本発明の化合物に比べて、US 5,660,814からの最も近い従来技術に開示されている実施例3からの化合物3および実施例4からの化合物4は、
1)イオン性であり、それにより、本発明による中性化合物と比べて2倍高い浸透圧を有し、そのことは、高い投与量において特に否定的である、
2)後者は、本発明による化合物よりも、著しく親油性である(US 5,660,814の5欄/29行における注釈、従来技術からの化合物を肝造影剤として用いることができる)、
3)US 5,660,814の物質3および4は、本発明による化合物よりも著しく毒性がある(LD50および分配係数を参照)、および
4)MR画像化への緩和性が低い。
【0010】
Gdキレートに匹敵する適度の親水性を有し、さらに、高濃度の不透過性要素を示する化合物を製造することを目的する。約25%(g/g)である金属キレートにおける値より著しく高い値が望まれていた。さらに、より高い濃度において、非常に優れた水溶性が提供されなくてはならない。それらの優れた薬理学的特性に加えて、高濃度溶液は、実用的粘度および低い浸透圧も示さなくてはならない。
【0011】
この目的は、本発明により達成される。
【0012】
本発明による式Iで示される金属錯体:
【0013】
【化1】

(式中
Halは臭素またはヨウ素を表し、
は基:−CONR−(CH−NR−(CO−CHZ−NH)−CO−CHZ−Kを表し、
は基:−NR−CO−CHZ−Kを表し
ここで、RおよびRは、独立して、水素原子、C−C−アルキル基またはモノヒドロキシ−C−C−アルキル基であり、
およびZは、独立して、水素原子またはメチル基であり
nは2〜4の数であり、
mは0または1の数であり、
Kは式Iで示されるマクロ環式化合物を表し、
【0014】
【化2】

【0015】
Xは水素または原子番号20〜29、39、42、44または57〜83の金属イオン当量(Metallionenaequivalent)であり、少なくも二つのXは金属イオン当量を表し、任意に存在する遊離カルボキシ基は任意に有機および/または無機塩基またはアミノ酸もしくはアミノ酸アミドの塩として存在し、Gdキレートに匹敵する非常に優れた溶解性および分布係数を示す。さらに、新規化合物は、不透過性要素の含量が特異的に高く、粘度および浸透圧が低く、よって、優れた許容性/適合性を有しており、そのために、X線およびMR画像化用の造影剤として極めて適している。
【0016】
Halは好ましくはヨウ素を表し、RおよびRは水素およびメチル基を表し、mは0の数を表し、nは2の数を表す。
【0017】
例として述べられる基Aは、
−CONH(CH2;3NHCOCHNHCOCH(CH)−K、
−CONH(CH2;3NHCOCHNHCOCH−K、
−CONH(CH2;3NHCOCH−K、
−CONH(CH2;3NHCOCH(CH)−K、
−CON(CHCHOH(CHNHCOCH−Kである。
【0018】
例として述べられる基Aは、
−NHCOCH(CH)−K、
−NHCOCH−K、
−N(CH)COCH−K、
−N(CH)COCH(CH)−K、
−N(CHCHOH)COCH−K、
−N(CHCHOH)COCH(CH)−Kである。
【0019】
本発明による式Iで示される化合物は、当業者に公知のように、一般式II
【0020】
【化3】

で示されるトリヨードまたはトリブロモ芳香族化合物を、自体公知のように、一般式III
【0021】
【化4】

(式中、
Wは保護基または−CHCOOX’基を表し、X’はXまたは保護基であり、A'は−CO−NR−(CH−NR−(CO−CHZ−NH)−CO−CHZ−HalでありA'は−NR−CO−CHZ−Hal’であり、Hal’は塩基または臭素である。)
で示されるマクロ環式化合物と反応させ、次に、任意に保護基Wを除去し自体公知のようにCHCOOXを導入する、または任意にX’を表す保護基を除去し次に自体公知のように、原子番号20〜29、39、42、44または57〜83の元素の金属酸化物または金属塩と反応させることにより製造することができる。
【0022】
アミノ保護基Wとしては、当業者に良く知られているベンジロキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フルオレニルメトキシカルボニル、ベンジル、ホルミル、4−メトキシベンジル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、フタロイル、1,2−オキサゾリン、トシル、ジチアスクシノイル、アリロキシカルボニル、スルフェート、ペント−4−エンカルボニル、2−クロロアセトキシメチル(エチル)ベンゾイル、テトラクロロフタロイルおよびアルキロキシカルボニル基を挙げることができる[Th.W.Greene,P.G.Wuts,Protective Groups in Organic Syntheses,第2版,John Wiley and Sons(1991年),309〜385頁;E.Meinjohannsら、J.Chem.Soc.Pekin Trans 1,1995年,405頁;U.Ellensikら,Carbohydrate Research 第280巻,1996年,251頁;R.Madsenら,J.Org.Chem. 第60巻,1995年,7920頁;R.R.Schmidt,Tetrahedron Letters 1995年、5343頁]。
【0023】
保護基の分解は、当業者に公知のように(例えば、E.Wuensch,Methoden der Org.Chemie[Methods of Organic Chemistry]、Houben−Weyl,第XY/1巻,第4版,1974年、315頁を参照されたい)、例えば、加水分解、水素化分解、0℃〜50℃の温度でアルコール水溶液中でのアルカリによるエステルのアルカリ性ケン化、鉱酸による酸性ケン化、またはBoc基の場合、トリフルオロ酢酸を用いて成される。
【0024】
X’が酸保護基を表す場合、低級アルキル、アリールおよびアラルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、ビス−(p−ニトロフェニル)−メチル基、並びにトリアルキルシリル基が適している。
【0025】
t−ブチル基およびベンジル基が好ましい。
【0026】
保護基の分解は、当業者に公知のように(例えば、E.Wuensch,Methoden der Org.Chemie、Houben−Weyl,第XY/1巻,第4版,1974年、315頁を参照されたい)、例えば、加水分解、水素化分解、0℃〜50℃の温度でアルコール水溶液中でのエステルのアルカリ性ケン化、鉱酸による酸ケン化、またはtert−ブチルエステルの場合、トリフルオロ酢酸を用いて成される(Protective Groups in Organic Synthesis,第2版,Th.W.Greene und P.G.M.Wuts,John Wiley and Sons,Inc.,New York,1991年)。
【0027】
所望の金属イオンの導入は、特許EP 71564、EP 130934およびDE−OS 34 01 052に開示されているように行うことができる。この目的で、所望の元素の金属酸化物または金属塩(例えば、塩化物、硝酸塩、炭酸塩または硫酸塩)を、水および/または低級アルコール(例えば、メタノール、エタノールまたはイソプロパノール)に溶解または懸濁し、当量の錯化剤の溶液または懸濁液と反応させる。
【0028】
任意になお存在している遊離カルボキシル基を、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウムまたはカルシウムの無機塩基(例えば、水酸化物、炭酸塩、または重炭酸塩)、および/または、無機塩基、例えば、第一、第二および第三アミン、例えば、エタノールアミン、モルホリン、グルカミン、N−メチルおよびN,N−ジメチルグルカミン、並びに、塩基性アミノ酸、例えば、リシン、アルギニンおよびアルニチン、または最初の中性または酸性アミノ酸のアミドを用いて中和する。
【0029】
例えば水溶性または懸濁液中の酸性錯体塩中において、中性錯体化合物を製造するために、充分な所望の塩基を添加して中性点に達することができる。得られる溶液を、次に、真空中で乾燥状態まで蒸発させることができる。例えば、低級アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール等)、低級ケトン(アセトン等)、または極性エーテル(テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等)のような水混和性溶媒を添加することにより形成される中性塩を沈殿させ、それにより、容易に単離され容易に精製される結晶を得ることが有利であることが多い。反応混合物の錯化中にできるだけ早期に所望の塩基を添加し、それによりプロセス段階を省略することが特に有利であると分かった。
【0030】
このように得られた錯体の精製は、酸または塩基の添加により任意にpHを6〜8、好ましくは約7に設定した後に、好ましくは、適当な孔径の膜(例えば、Amicon(登録商標)YM1,Amicon(登録商標)YM3)を用いる限外濾過、例えば適当なSephadex(登録商標)ゲル上でのゲル濾過、あるいは、シリカゲルまたは逆相材料上でのHPLCにより行われる。
【0031】
精製は、メタノール、エタノール、i−プロパノール、アセトンまたは、それらの水との混合物のような溶媒からの結晶化により行うこともできる。
【0032】
中性錯体化合物の場合、アニオン交換器、例えばIRA67(OH−形)を介して、および任意に、それに加えて、カチオン交換器、例えばIRC50(H+形)を介してオリゴマー錯体を添加して、イオン性化合物を分離することが有利であることが多い。
【0033】
本発明による一般式Iで示される化合物の製造は、前述のように行うことができる。
【0034】
一般式IIで示されるトリヨードまたはトリブロモ芳香族化合物化合物と、一般式IIIで示される化合物との反応は、当業者に公知のN含有マクロ環式化合物のアルキル化法により行われる。
【0035】
これに関して、一般式IIで示される化合物(A'は−CO−NR−(CH−NR−(CO−CHZ−NH)−CO−CHZ−Hal’でありA'は−NR−CO−CHZHal’であり、Hal’は塩基または臭素である)を、0℃〜80℃の温度で、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、DMF、DMA、THF、ジオキサンまたはトルエンのような非プロトン性溶媒中で、任意にNEt、ピリジン、DMAP、ヒューニッヒ塩基、NaCOまたはCaCOのような有機または無機塩基を加えて、反せることにより、遊離アミンIIIでアルキル化する。
【0036】
一般式IIで示される化合物(A'は−CO−NR−(CH−NR−(CO−CHZ−NH)−CO−CHZ−Hal’でありA'は−NR−CO−CHZHal’であり、Hal’は塩基または臭素である)の製造は、当業者に知られている一般式IIで示されるアミン(A'は−CO−NR−(CH−NR−(CO−CHZ−NH)HでありA'は−NRHである)を、0℃〜40℃の温度で、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、DMF、DMA、THF、ジオキサンまたはトルエンのような非プロトン性溶媒中で、任意にNEt、ピリジン、DMAP、ヒューニッヒ塩基、NaCOまたはCaCOのような有機または無機塩基を加えて、クロロアセチルクロライド、クロロアセチルブロミド、ブロモアセチルブロミド、2−ブロモプロピオニルブロミド、2−ブロモプロピオニルクロライドまたは2−クロロプロピオニルクロライドでアシル化するプロセスに従って行われる。
【0037】
一般式IIで示されるアミン(A'は−CO−NR−(CH−NR−CO−CHZ−NH)−HでありA'は−NRHである)の製造は、0℃〜100℃の温度で、DMF、DMA、THF、ジオキサン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、ジクロロメタンまたはトルエンのような非プロトン性溶媒中で、任意にNEt、ピリジン、DMAP、ヒューニッヒ塩基、NaCO、KCOまたはCaCOのような有機または無機塩基を加えて、当業者に知られているアミド形成の方法(前述参照)に従って、一般式IV
【0038】
【化5】

で示される化合物を一般式A
HNR−(CH−NRH (A)
(式中、C*Oは、−COOH基または活性化カルボキシル基を表し、Hal、R1、R2およびnは、前述の意味を有する)
で示されるジアミンと反応させることによりなされる。
【0039】
多くの場合、ジアミン自体を溶媒として用いることが有利であると分かった。時には、保護された状態(例えば、Mono−Boc、Mono−Z)の2つの末端アミノ基の一方を用いて、この保護基を、カップリングが完了した後に、当業者に知られている方法に従って分解することが有利なことがある(T.W.Greene、前述参照)。
【0040】
ジアミンおよびモノ保護ジアミンは文献において知られており、購入することができる(例えば、Aldrich,Fluka)。一般式IVで示される化合物の酸塩化物が好ましく用いられる。
【0041】
化合物
【0042】
【化6】

の製造が、DE 2943777に記載されている。
【0043】
化合物
【0044】
【化7】

の製造が、EP 0033426に記載されている。
【0045】
対応する三臭素化合物の製造は、EP 0073715に記載と同様にして行われる。
【0046】
例えばTri−Bocサイクレン、Tri−Zサイクレン、Tri−TFAサイクレンまたはtris−tert−ブチル−DO3Aのような一般式IIIで示される化合物は文献に知られている。
【0047】
本発明による化合物は、X線診断およびMR診断の両方において用いることができる。
【0048】
ハロゲン化X線造影剤の優れた水溶性と対になっている高いX線不透過性は、金属キレートの強い親水性およびその中で固有の優れた分子内適合性と組み合わされる。新規化合物の非常に高い親水性により、MR画像形成において用いられる際に副作用プロフィールが許容性の優れたGd化合物の副作用プロフィールに相当する。従って、この特性により、ヨウ化化合物へのアレルギーが証明された患者においてまたはアトピーが存在している場合に用いるのに特に適しているようになる。特に、気管支痙攣およびショックまたは死のような重度の副作用の出現率は、MR造影剤の低い水準へ低下する。
【0049】
組成物の低い浸透圧は、新規化合物の一般的に非常に優れた適合性を示している。従って、それは、血管内(非経口)使用に特に適している。
【0050】
医薬組成物によっては、X線診断に専ら造影剤を用いることができる(反磁性体金属を有するトリハロゲン錯体)が、同時にX線診断とMRT診断とに用いることもできる(常磁性原子、好ましくはGdを有するトリハロゲン錯体)。この化合物は、例えば、尿路造影、コンピューター断層撮影、血管造影、胃撮影、マンモグラフィー、心臓病および神経放射線学において非常に有利に用いることができる。放射線治療の場合でも、用いられる錯体は有利である。この化合物は、全ての潅流測定に適している。血管内注入後に、血液が充分に供給される領域と虚血領域とに分かれることができる。かなり一般的に、従来の造影剤がX線診断またはMR診断に用いられる全ての状況において、これらの化合物を用いることができる。
【0051】
新規造影剤は、その化学構造中に可動性プロトンを含むなら、磁化移動技術(例えば、Journ.Chem..Phys. 第39(11)巻、2892頁(1963年)、および、WO 03/013616)にも用いることができる。
【0052】
脳梗塞と肝臓の腫瘍または肝臓内の占拠性過程、並びに腹部(腎臓を含む)の腫瘍と筋骨格系の対比は、特に診断的に価値がある。低い浸透圧に基づき、動脈内注射または静脈内注射の後に血管を特に有利に視覚化することができる。
【0053】
本発明による化合物がMR診断において用いられることを意図する場合、信号を出す基の金属イオンは常磁性でなくてはならない。これらは、特に、原子番号21〜29、42、44および58〜70の元素の二価および三価イオンである。
【0054】
適当なイオンは、例えば、クロム(III)、鉄(II)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、プラセオジム(III)、ネオジム(III)、サマリウム(III)およびイッテルビウム(III)イオンである。その強度の磁性モーメント故に、ガドリニウム(III)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(III)、ホルミウム(III)、エルビウム(III)、鉄(III)およびマンガン(II)イオンが好ましく、ガドリニウム(III)およびマンガン(II)イオンが特に好ましい。
【0055】
本発明の化合物が、X線診断において用いることを意図する場合、X線の適度の吸収を達成するために、金属イオンは、好ましくは、より大きな原子番号の元素から誘導される。この目的のために、原子番号25、26および39並びに57〜83の元素の金属イオンとの、生理学的適合性錯体塩を含む診断薬が適している。
【0056】
マンガン(II)、鉄(II)、鉄(III)、プラセオジム(III)、ネオジム(III)、サマリウム(III),ガドリニウム(III)、イッテルビウム(III)またはビスマス(III)イオン、特に、ジスプロシウム(III)イオンおよびイットリウム(III)イオンが好ましい。
【0057】
本発明による医薬組成物の製造は、自体公知のように、本発明による錯体化合物を、任意にガレヌス製剤において一般的に用いられている添加剤を加えて、水性媒体中に懸濁または溶解し、次に、懸濁液または溶液を任意に滅菌することにより成される。適当な添加剤は、例えば、生理学的に無害な干渉剤(例えば、トロメタミン)、錯化剤または弱錯体の添加剤(例えば、ジエチレントリアミンペンタ酢酸または、本発明による金属錯体に相当するCa錯体)または、要すれば、電解質、例えば、塩化ナトリウム、あるいは要すれば、酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸である。
【0058】
水または生理学的塩溶液中の本発明による医薬組成物の懸濁液または溶液が、腸管または非経口投与あるいは他の目的に望まれる場合、これらは、ガレヌス製剤において一般的に用いられるアジュバント[例えば、メチルセルロース、ラクトース、マンニトール]、および/または界面活性剤[例えば、レシチン、Tween(登録商標)、Myrj(登録商標)]および/または味の調整のための風味物質[例えば、エーテル油]の一種または二種以上と混合される。
【0059】
原理的に、錯体を単離することなく、本発明による医薬組成物を製造することも可能である。いずれにせよ、毒性効果を有する非錯化金属イオンを本発明による錯体が実質的に含まないようにキレートを行うように特別の注意を払わなければならない。
【0060】
これは、例えば、製造プロセス中に、キシレノールオレンジのような色指示薬を用いて、制御下に滴定することにより確保することができる。従って、本発明は、錯体化合物およびその塩を製造する方法にも関する。最終的予防策として、単離された錯体の精製が残っている。
【0061】
本発明による医薬組成物の生体内投与において、後者を、例えば血清または生理学的食塩溶液のような適当なビヒクルと共に、および、例えばヒト血清アルブミン(HSA)のようなもう一つの蛋白と共に、投与することができる。
【0062】
本発明による医薬組成物は、通常、非経口的に、好ましくは静脈内に投与される。医薬組成物は、血管/器官が視覚化され選択的に対比される(例えば、動脈内注射後の冠動脈の視覚化)か、組織または病因(例えば、静脈内注射後の脳腫瘍の診断)に依存して、動脈内または間質内/皮内に投与することもできる。
【0063】
本発明による医薬組成物は、好ましくは、0.001〜1モル/リッターの前記化合物を含み、通常、0.001〜5ミリモル/kgの量で投与される。
【0064】
本発明による医薬組成物は、核磁気共鳴断層撮影のための造影剤としての適合性への多くの要求事項を満たす。信号強度を増加させることにより経口または非経口投与した後、それらは、MR断層撮影を利用して得られる画像の情報的価値を高めるのに極めて適している。それらは、また、最低限の可能な量の異物を体に負荷するのに必要な高い効率、および研究の非侵襲性を維持するのに必要な優れた適合性も示す。本発明による常磁性化合物の高い効率(緩和性)は、磁気共鳴断層撮影における使用に特に有利である。すなわち、緩和性(ガドリニウム含有化合物のL/mmol−1*sec−1)は、通常、従来のGd錯体(例えば、ガドブトロール)より2〜4倍大きい。
【0065】
本発明による医薬組成物の優れた水溶性および低い浸透圧は、高濃度溶液の製造を可能にし、それにより、循環系の体積負荷を合理的限界内に維持し、体液による希釈を弱める。さらに、本発明による医薬組成物は、生体外で高い安定性を示すのみならず、生体内で驚くべき高い安定性を示すので、元来毒性で錯体内で結合するイオンの放出または交換が、新規造影剤が再び完全に排出されるのにかかる時間内で極めてゆっくりにしか行われない。
【0066】
通常、本発明の医薬組成物は、MRT診断薬としての使用に、Gd0.001〜5mmol/kg、好ましくはGd0.005〜0.5mmol/kgの量で投与される。
【0067】
本発明による医薬組成物は、X線造影剤として極めて適しており、よって、それを用いると、ヨウ素含有造影剤から知られているアナフィラキシー様反応のサインを、生化学−薬理学的研究において検出することができないことを特に強調すべきである。強いX線吸収の場合、それらは、高管体積の領域において特に効果的である(例えば、CTおよびDSA)。
通常、本発明による医薬組成物は、X線造影剤として、同様の方法で、例えば、メグルミン−ジアトリゾエートに0.01〜5mmol/kg、好ましくは0.02〜1mmol/kgの量で投与され、これは、例えばヨウ素−Dy化合物の場合、0.06〜6mmol(I+Dy)/kgに相当する。診断の必要性に依り、X線診断とMR診断との両方で用いることができる組成物を選択することができる。両方の画像形成様式に最適の結果を達成するために、常磁性イオンの割合が低い組成物を選択するのが有利である。何故ならば、多くのMR診断用途において、常磁性イオンの割合が高すぎるときに、収益遁減点に達するからである。
【0068】
二重用途のために、常磁性物質(例えば、Gd)の割合が0.05〜50、好ましくは2〜20%に低下している組成物を用いることができる。例えば、心臓診断用途を挙げることができる。試験のために、合計濃度が例えば0.25mol/リッターで本発明による物質からなる組成物が用いられる。Gd含有錯体の割合は20%であり、残りの80%の金属は、例えば、Dy原子である。動脈内または静脈内投与後のX線冠状動脈血管造影において、例えば、50mlが用いられる、すなわち、70kgの患者において体重1kg当たり0.18mmolの物質が用いられる。冠状動脈血管のX線視覚化が行われた直後に、心臓のMR診断により、壊死した心筋領域から生きている心筋領域を区別することができるようになる。この目的において、試験のために予め投与された約110mμGd/kgの量が最適である。
【0069】
さらに苦労することなく、当業者は、前記記載を用いて、本発明を最大限に利用することができると考えられる。従って、以下の好ましい特定の態様は、単なる説明的なものであり、開示の残りの部分をいかなる場合にも限定するものではないと解される。
【0070】
前記および以下の例において、全ての温度は補正されず摂氏で表され、全ての部および百分率は特記しない限り質量基準である。
【0071】
実施例
実施例1
a) N,N−ビス−(2−アミノエチル)−5−(メチルアミノ)−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド
2,4,6−トリヨードー5−(メチルアミノ)−イソフタル酸ジクロライド(EP 003426、Sovak,1/80 US)10g(16.4mmol)をテトラヒドロフラン100ml中に含む溶液を、液滴として、室温で1時間かけてエチレンジアミン26.7ml(399mmol)に添加し、14時間以上攪拌する。沈殿した固形物を濾去し、エタノールで再度洗い、水100mlに取り込み、1M水酸化リチウム溶液でpH8.0に設定する。真空中で蒸発して濃縮した後、エタノールから再結晶する。
【0072】
収率:無色固形物8.7g(理論量の81%)
元素分析
【0073】
【表1】

【0074】
b) N,N−ビス−[2−(2−ブロモプロピオニルアミノ)エチル)−5−[(2−ブロモプロピオニル)メチルアミノ]−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド
N,N−ビス−(2−アミノエチル)−5−(メチルアミノ)−2,4,6−トリヨードフタル酸アミド50g(76.1mmol)をジメチルアセトアミド500mlに溶解し、2−ブロモプロピオン酸ブロミド(Aldrich製)75.5g(350mmol)を0℃で15分間かけて滴加する。次に、これを40℃で20時間攪拌する。反応混合物を、氷水4000ml中に注ぎ、沈降してくる固形物を濾去し、酢酸エチル800mlに溶解し、各250mlの水で3回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を乾燥状態まで蒸発する。粗生成物を、メチル−tert−ブチルエーテルから再結晶する。
【0075】
収率:無色固形物57g(理論量の71%)
元素分析
【0076】
【表2】

【0077】
c) 2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}−プロピオニル)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス(ベンジロキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド
1,4,7−トリス(ベンジロキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(Delaneyら、J.Chem.Soc.Perkin Trans.1991年、3329頁)111.6g(194.2mmol)をアセトニトリル800mlに溶解し、炭酸ナトリウム53.7g(388.4mmol)と混合する。次に、激しく攪拌しつつ、N,N−ビス−[2−(2−ブロモプロピオニルアミノ)エチル)−5−[(2−ブロモプロピオニル)メチルアミノ]−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド55g(51.8mmol)を添加し、20時間還流する。不溶性成分を濾去し、乾燥状態まで蒸発し、残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含むフラクションを併せ、蒸発により濃縮する。
【0078】
収率:無色固形物51.1g(理論量の39%)
元素分析
【0079】
【表3】

【0080】
d) 2,4,6−トリヨード−5−[2−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)プロピオニル]メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−[3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)]アミド
2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}−プロピオニル)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジロキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド50g(19.7mmol)を、0〜5℃で、HBr/AcOH(33%)500mlと注意深く混合し、室温で3時間攪拌する。次に、反応混合物をジエチルエーテル2500ml中に注ぎ、この場合に沈殿する固形物を吸引除去し、ジエチルエーテルで再び数回洗う。残渣を激しく攪拌しつつ水300mlおよびジクロロメタン300mlに溶解し、32%NaOH溶液をpH10に達するまで加える。有機相を分離し、水相をジクロロメタン各150mlで3回抽出し、併せた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥状態まで蒸発する。
【0081】
収率:無色固形物24.4g(理論量の93%)
元素分析
【0082】
【表4】

【0083】
e) 2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}プロピオニル)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド
2,4,6−トリヨード−5−[2−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)プロピオニル]メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−[3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)]アミド23.8g(17.8mmol)を、水200mlに溶解し、クロロ酢酸25.7g(272.7mmol)を添加し、60℃で32%NaOHでpHを9.5に設定する。これを70℃に10時間加熱し、それにより反応混合物のpHを連続的に9.5に再設定する。室温まで冷却後、濃HClでpH1に設定し、溶液を真空中で蒸発させることにより濃縮する。残渣をメタノール300mlを用いて吸収沈降させ、不溶性成分を濾去し、濾液を蒸発により乾燥する。残渣を水200mlに溶解し、イオン交換カラム(1200ml、IR120、H形)に加える。次に、水5リッターで洗い、酸溶出液を蒸発により濃縮する。残渣をメタノール150mlに溶解し、ジエチルエーテル2500ml中に滴加し、この場合に沈殿する固形物を吸引除去し、ジエチルエーテルで再び数回洗い、真空中で乾燥する。
【0084】
収率:無色固形物24.1g(理論量の73%)
元素分析
【0085】
【表5】

【0086】
f) 2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}プロピオニル,Gd−錯体)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル,Gd錯体]}アミド
2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}プロピオニル)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド12.8g(6.9mmol)を、水100mlに溶解し、酢酸3mlを添加することにより酸性化し、酸化ガドリニウム3.7g(10.4mmol)を添加し、6時間還流する。錯化の完了後、アンモニアでpH7.4に設定し、シリカゲル上のクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含むフラクションを併せ、イオン交換物質(IR267 H形)10gを用いて2時間吸収沈殿し、濾去し、次に、イオン交換物質(IRA67 OH形)10gを用いて2時間吸収沈殿し、濾去し、活性炭2gと混合し、60℃に2時間加熱し、濾去し、凍結乾燥する。
【0087】
収率:無色固形物9.9g(理論値の58%)
水含量(Karl−Fischer):6.4%
元素分析(無水物質に対して)
【0088】
【表6】

【0089】
実施例2
2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}プロピオニル,Dy−錯体)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル,Dy錯体]}アミド
2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}プロピオニル)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド(表記化合物1e)12.8g(6.9mmol)を、水100mlに溶解し、酢酸3mlを添加することにより酸性化する。酸化ジスプロシウム3.9g(10.4mmol)を添加し、6時間還流する。錯化の完了後、アンモニアでpH7.4に設定し、シリカゲル上のクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含むフラクションを併せ、イオン交換物質(IR267 H形)10gを用いて2時間吸収沈殿し、濾去し、次に、イオン交換物質(IRA67 OH形)10gを用いて2時間吸収沈殿し、濾去し、活性炭2gと混合し、60℃に2時間加熱し、濾去し、凍結乾燥する。
【0090】
収率:無色固形物11.2g(理論値の64%)
水含量(Karl−Fischer):7.5%
元素分析(無水物質に対して)
【0091】
【表7】

【0092】
実施例3
2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}プロピオニル,Yb−錯体)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル,Yb錯体]}アミド
2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}プロピオニル)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド(表記化合物1e)12.8g(6.9mmol)を、水100mlに溶解し、酢酸3mlを添加することにより酸性化する。酸化イッテルビウム4.1g(10.4mmol)を添加し、6時間還流する。錯化の完了後、アンモニアでpH7.4に設定し、シリカゲル上のクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含むフラクションを併せ、イオン交換物質(IR267 H形)10gを用いて2時間吸収沈殿し、濾去し、次に、イオン交換物質(IRA67 OH形)10gを用いて2時間吸収沈殿し、濾去し、活性炭2gと混合し、60℃に2時間加熱し、濾去し、凍結乾燥する。
【0093】
収率:無色固形物9.5g(理論値の54%)
水含量(Karl−Fischer):6.7%
元素分析(無水物質に対して)
【0094】
【表8】

【0095】
実施例4
2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}プロピオニル,Y−錯体)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル,Y錯体]}アミド
2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}プロピオニル)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド(表記化合物1e)12.8g(6.9mmol)を、水100mlに溶解し、酢酸3mlを添加することにより酸性化する。酸化イットリウム2.35g(10.4mmol)を添加し、6時間還流する。錯化の完了後、アンモニアでpH7.4に設定し、シリカゲル上のクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含むフラクションを併せ、イオン交換物質(IR267 H形)10gを用いて2時間吸収沈殿し、濾去し、次に、イオン交換物質(IRA67 OH形)10gを用いて2時間吸収沈殿し、濾去し、活性炭2gと混合し、60℃に2時間加熱し、濾去し、凍結乾燥する。
【0096】
収率:無色固形物7.8g(理論値の50%)
水含量(Karl−Fischer):5.9%
元素分析(無水物質に対して)
【0097】
【表9】

【0098】
実施例5
a) N,N−ビス−[2−(ブロモアセチルアミノ)エチル)−5−[(ブロモアセチル)メチルアミノ]−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド
N,N−ビス−(2−アミノエチル)−5−(メチルアミノ)−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド(表記化合物1a)50g(76.1mmol)をジメチルアセトアミド500mlに溶解し、0℃でブロモアセチルブロミド(Aldrich製)70.6g(350mmol)を15分間かけて滴加する。次に、これを40℃で20時間攪拌する。反応混合物を氷水4000ml中に注ぎ、沈殿してくる固形物を濾去し、酢酸エチル800mlに溶解し、各250mlの水で3回抽出する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶媒を乾燥状態まで蒸発させる。粗生成物をメチル−tert−ブチルエーテルから再結晶する。
【0099】
収率:無色固形物60g(理論量の77%)
元素分析
【0100】
【表10】

【0101】
b) 2,4,6−トリヨード−5−({10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}−アセチル)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジロキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド
1,4,7−トリス−(ベンジロキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(Delaneyら、J.Chem.Soc.Perkin Trans.1991年、3329頁)122.5g(213.2mmol)をアセトニトリル800mlに溶解し、炭酸ナトリウム60g(426.4mmol)と混合する。次に、激しく攪拌しつつ、N,N−ビス−[2−(ブロモアセチルアミノ)エチル)−5−[(ブロモアセチル)メチルアミノ]−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド58g(56.9mmol)を添加し、20時間還流する。不溶性成分を濾去し、乾燥状態まで蒸発し、残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含むフラクションを併せ、蒸発により濃縮する。
【0102】
収率:無色固形物142g(理論量の54%)
元素分析
【0103】
【表11】

【0104】
c) 2,4,6−トリヨード−5−[(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)アセチル]メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−[3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)]アミド
2,4,6−トリヨード−5−({10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アセチル)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジロキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド100g(40mmol)を、0〜5℃で、HBr/AcOH(33%)800mlと注意深く混合し、室温で3時間攪拌する。次に、反応混合物をジエチルエーテル4000ml中に注ぎ、この場合に沈殿する固形物を吸引除去し、ジエチルエーテルで再び数回洗う。残渣を激しく攪拌しつつ水500mlおよびジクロロメタン500mlに溶解し、32%NaOH溶液をpH10に達するまで加える。有機相を分離し、水相をジクロロメタン各250mlで3回抽出し、併せた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥状態まで蒸発する。
【0105】
収率:無色固形物48.7g(理論量の94%)
元素分析
【0106】
【表12】

【0107】
d) 2,4,6−トリヨード−5−({10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アセチル)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド
2,4,6−トリヨード−5−[(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)アセチル]メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス[3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)]アミド45g(34.8mmol)を、水400mlに溶解し、クロロ酢酸50.2g(532.8mmol)を添加し、60℃で32%NaOHでpHを9.5に設定する。これを70℃に10時間加熱し、それにより反応混合物のpHを連続的に9.5に再設定する。室温まで冷却後、濃HClでpH1に設定し、溶液を真空中で蒸発させることにより濃縮する。残渣をメタノール300mlを用いて吸収沈降させ、不溶性成分を濾去し、濾液を蒸発により乾燥する。残渣を水300mlに溶解し、イオン交換カラム(1200ml、IR120、H形)に加える。次に、水5リッターで洗い、酸溶出液を蒸発により濃縮する。残渣をメタノール250mlに溶解し、ジエチルエーテル4500ml中に滴加し、この場合に沈殿する固形物を吸引除去し、ジエチルエーテルで再び数回洗い、真空中で乾燥する。
【0108】
収率:無色固形物49.9g(理論量の79%)
元素分析
【0109】
【表13】

【0110】
e) 2,4,6−トリヨード−5−({10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アセチル,Gd−錯体)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル,Gd錯体]}アミド
2,4,6−トリヨード−5−({10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アセチル)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド12.5g(6.9mmol)を、水100mlに溶解し、酢酸3mlを添加することにより酸性化する。酸化ガドリニウム3.7g(10.4mmol)を添加し、6時間還流する。錯化の完了後、アンモニアでpH7.4に設定し、シリカゲル上のクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含むフラクションを併せ、イオン交換物質(IR267 H形)10gを用いて2時間吸収沈殿し、濾去し、次に、イオン交換物質(IRA67 OH形)10gを用いて2時間吸収沈殿し、濾去し、活性炭2gと混合し、60℃に2時間加熱し、濾去し、凍結乾燥する。
【0111】
収率:無色固形物8.7g(理論値の52%)
水含量(Karl−Fischer):5.8%
元素分析(無水物質に対して)
【0112】
【表14】

【0113】
実施例6
a) N,N−ビス−(2−アミノエチル)−5−アミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド
5−アミノ−2,4,6−トリヨードイソフタル酸ジクロライド(DE 2943777、Schering AG,(優先権:1979年10月26日)10g(16.8mmol)をテトラヒドロフラン100ml中に含む溶液を、液滴として、室温で1時間かけてエチレンジアミン26.7ml(399mmol)に添加し、14時間以上攪拌する。沈殿した固形物を濾去し、エタノールで再度洗い、水100mlに取り込み、1M水酸化リチウム溶液でpH8.0に設定する。真空中で蒸発して濃縮した後、エタノールから再結晶する。
【0114】
収率:無色固形物8.3g(理論量の77%)
元素分析
【0115】
【表15】

【0116】
b) N,N−ビス−[2−(2−ブロモプロピオニルアミノ)エチル)−5−[(2−ブロモプロピオニル)アミノ]−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド
N,N−ビス−(2−アミノエチル)−5−アミノ−2,4,6−トリヨードフタル酸アミド50g(77.8mmol)をジメチルアセトアミド500mlに溶解し、2−ブロモプロピオン酸ブロミド(Aldrich製)75.5g(350mmol)を0℃で15分間かけて滴加する。次に、これを40℃で20時間攪拌する。反応混合物を、氷水4000ml中に注ぎ、沈降してくる固形物を濾去し、酢酸エチル800mlに溶解し、各250mlの水で3回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を乾燥状態まで蒸発する。粗生成物を、メチル−tert−ブチルエーテルから再結晶する。
【0117】
収率:無色固形物45g(理論量の55%)
元素分析
【0118】
【表16】

【0119】
c) 2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}−プロピオニル)アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジロキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド
1,4,7−トリス(ベンジロキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(Delaneyら、J.Chem.Soc.Perkin Trans.1991年、3329頁)90.5g(157.5mmol)をアセトニトリル800mlに溶解し、炭酸ナトリウム43.6g(315mmol)と混合する。次に、激しく攪拌しつつ、N,N−ビス−[2−(2−ブロモプロピオニルアミノ)エチル)−5−[(2−ブロモプロピオニル)アミノ]−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド44g(42mmol)を添加し、20時間還流する。不溶性成分を濾去し、乾燥状態まで蒸発し、残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含むフラクションを併せ、蒸発により濃縮する。
【0120】
収率:無色固形物48.9g(理論量の46%)
元素分析
【0121】
【表17】

【0122】
d) 2,4,6−トリヨード−5−[2−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)プロピオニル]アミノイソフタル酸−N,N−ビス−[3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)]アミド
2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}−プロピオニル)アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジロキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド48g(19mmol)を、0〜5℃で、HBr/AcOH(33%)500mlと注意深く混合し、室温で3時間攪拌する。次に、反応混合物をジエチルエーテル2500ml中に注ぎ、この場合に沈殿する固形物を吸引除去し、ジエチルエーテルで再び数回洗う。残渣を激しく攪拌しつつ水300mlおよびジクロロメタン300mlに溶解し、32%NaOH溶液をpH10に達するまで加える。有機相を分離し、水相をジクロロメタン各150mlで3回抽出し、併せた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥状態まで蒸発する。
【0123】
収率:無色固形物24.3g(理論量の97%)
元素分析
【0124】
【表18】

【0125】
e) 2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}−プロピオニル)アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド
2,4,6−トリヨード−5−[2−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)プロピオニル]アミノイソフタル酸−N,N−ビス−[3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)]アミド20g(15.1mmol)を、水200mlに溶解し、クロロ酢酸21.8g(231.8mmol)を添加し、60℃で32%NaOHでpHを9.5に設定する。これを70℃に10時間加熱し、それにより反応混合物のpHを連続的に9.5に再設定する。室温まで冷却後、濃HClでpH1に設定し、溶液を真空中で蒸発させることにより濃縮する。残渣をメタノール300mlを用いて吸収沈降させ、不溶性成分を濾去し、濾液を蒸発により乾燥する。残渣を水200mlに溶解し、イオン交換カラム(1200ml、IR120、H形)に加える。次に、水5リッターで洗い、酸溶出液を蒸発により濃縮する。残渣をメタノール150mlに溶解し、ジエチルエーテル2500ml中に滴加し、この場合に沈殿する固形物を吸引除去し、ジエチルエーテルで再び数回洗い、真空中で乾燥する。
【0126】
収率:無色固形物18.7g(理論量の67%)
元素分析
【0127】
【表19】

【0128】
f) 2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}プロピオニル,Gd−錯体)アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル,Gd錯体]}アミド
2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}プロピオニル)アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−5−メチル−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド12.7g(6.9mmol)を、水100mlに溶解し、酢酸3mlを添加することにより酸性化する。酸化ガドリニウム3.7g(10.4mmol)を添加し、6時間還流する。錯化の完了後、アンモニアでpH7.4に設定し、シリカゲル上のクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含むフラクションを併せ、イオン交換物質(IR267 H形)10gを用いて2時間吸収沈殿し、濾去し、次に、イオン交換物質(IRA67 OH形)10gを用いて2時間吸収沈殿し、濾去し、活性炭2gと混合し、60℃に2時間加熱し、濾去し、凍結乾燥する。
【0129】
収率:無色固形物11g(理論値の64%)
水含量(Karl−Fischer):7.3%
元素分析(無水物質に対して)
【0130】
【表20】

【0131】
実施例7
a) N,N−ビス−[2−(ブロモアセチルアミノ)エチル)−5−[(ブロモアセチル)アミノ]−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド
N,N−ビス−(2−アミノエチル)−5−アミノ−2,4,6−トリヨードフタル酸アミド(表記化合物6a)50g(77.8mmol)をジメチルアセトアミド500mlに溶解し、ブロモアセチルブロミド(Aldrich製)70.6g(350mmol)を0℃で15分間かけて滴加する。次に、これを40℃で20時間攪拌する。反応混合物を、氷水4000ml中に注ぎ、沈降してくる固形物を濾去し、酢酸エチル800mlに溶解し、各250mlの水で3回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を乾燥状態まで蒸発する。粗生成物を、メチル−tert−ブチルエーテルから再結晶する。
【0132】
収率:無色固形物60g(理論量の77%)
収率:無色固形物33.1g(理論量の42%)
元素分析
【0133】
【表21】

【0134】
b) 2,4,6−トリヨード−5−({10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}−アセチル)アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジロキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド
1,4,7−トリス−(ベンジロキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(Delaneyら、J.Chem.Soc.Perkin Trans.1991年、3329頁)68.5g(199.2mmol)をアセトニトリル500mlに溶解し、炭酸ナトリウム33.5g(238.4mmol)と混合する。次に、激しく攪拌しつつ、N,N−ビス−[2−(2−ブロモアセチルアミノ)エチル)−5−[(2−ブロモアセチル)アミノ]−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド32g(31.8mmol)を添加し、20時間還流する。不溶性成分を濾去し、乾燥状態まで蒸発し、残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含むフラクションを併せ、蒸発により濃縮する。
【0135】
収率:無色固形物60.7g(理論量の77%)
元素分析
【0136】
【表22】

【0137】
c) 2,4,6−トリヨード−5−[(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)アセチル]アミノイソフタル酸−N,N−ビス−[3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)]アミド
2,4,6−トリヨード−5−({10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アセチル)アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジロキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド60g(24.1mmol)を、0〜5℃で、HBr/AcOH(33%)500mlと注意深く混合し、室温で3時間攪拌する。次に、反応混合物をジエチルエーテル2500ml中に注ぎ、この場合に沈殿する固形物を吸引除去し、ジエチルエーテルで再び数回洗う。残渣を激しく攪拌しつつ水300mlおよびジクロロメタン300mlに溶解し、32%NaOH溶液をpH10に達するまで加える。有機相を分離し、水相をジクロロメタン各150mlで3回抽出し、併せた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥状態まで蒸発する。
【0138】
収率:無色固形物29.4g(理論量の95%)
元素分析
【0139】
【表23】

【0140】
d) 2,4,6−トリヨード−5−({10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アセチル)アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド
2,4,6−トリヨード−5−[2−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)アセチル]アミノイソフタル酸−N,N−ビス−[3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)]アミド28g(21.7mmol)を、水300mlに溶解し、クロロ酢酸31.3g(332.3mmol)を添加し、60℃で32%NaOHでpHを9.5に設定する。これを70℃に10時間加熱し、それにより反応混合物のpHを連続的に9.5に再設定する。室温まで冷却後、濃HClでpH1に設定し、溶液を真空中で蒸発させることにより濃縮する。残渣をメタノール200mlを用いて吸収沈降させ、不溶性成分を濾去し、濾液を蒸発により乾燥する。残渣を水300mlに溶解し、イオン交換カラム(1200ml、IR120、H形)に加える。次に、水5リッターで洗い、酸溶出液を蒸発により濃縮する。残渣をメタノール150mlに溶解し、ジエチルエーテル3000ml中に滴加し、この場合に沈殿する固形物を吸引除去し、ジエチルエーテルで再び数回洗い、真空中で乾燥する。
【0141】
収率:無色固形物28.6g(理論量の73%)
元素分析
【0142】
【表24】

【0143】
e) 2,4,6−トリヨード−5−({10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アセチル,Gd−錯体)アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル,Gd錯体]}アミド
2,4,6−トリヨード−5−({10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}プロピオニル)アミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3−アザ−4−オキソペンタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド12.4g(6.9mmol)を、水100mlに溶解し、酢酸3mlを添加することにより酸性化する。酸化ガドリニウム3.7g(10.4mmol)を添加し、6時間還流する。錯化の完了後、アンモニアでpH7.4に設定し、シリカゲル上のクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含むフラクションを併せ、イオン交換物質(IR267 H形)10gを用いて2時間吸収沈殿し、濾去し、次に、イオン交換物質(IRA67 OH形)10gを用いて2時間吸収沈殿し、濾去し、活性炭2gと混合し、60℃に2時間加熱し、濾去し、凍結乾燥する。
【0144】
収率:無色固形物8.1g(理論値の48%)
水含量(Karl−Fischer):6.9%
元素分析(無水物質に対して)
【0145】
【表25】

【0146】
実施例8
a) N,N−ビス−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノアセチル−(2−アミノエチル)]−5−(メチルアミノ)−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド
2,4,6−トリヨード−5−(メチルアミノ)−イソフタル酸ジクロライド(EP 0033426、Sovak,1/80 US)10g(16.4mmol)をテトラヒドロフラン100ml中に含む溶液を、液滴として、[(2−アミノエチルカルバノイル)メチル]カルバミン酸−tert−ブチルエステル(Sobirovら,Russ.J.Bioorg.Chem.(Engl.Transl.)1994年、397頁)7.82g(36mmol)およびトリエチルアミン10mlをテトラヒドロフラン200ml中に含む溶液に、室温で1時間かけて添加し、14時間攪拌する。不溶性成分を濾去し、乾燥状態まで蒸発させ、残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィー(移動溶媒:酢酸エチル/ヘキサン 1:1)にかける。生成物を含むフラクションを併せ、蒸発により濃縮する。
【0147】
収率:無色固形物13.5g(理論量の85%)
元素分析
【0148】
【表26】

【0149】
b) N,N−ビス−[2−(2−アミノアセチルアミノ)エチル]−5−(メチルアミノ)−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド
N,N−ビス−[2−tert−ブトキシカルボニルアミノアセチル−(2−アミノエチル])−5−(メチルアミノ)−2,4,6−トリヨードフタル酸アミド13g(13.4mmol)を、トリフルオロ酢酸100mlと0〜5℃で注意深く混合し、室温で3時間攪拌する。次に、反応混合物をジエチルエーテル1500ml中に注ぎ、この場合に沈殿する固形物を吸引除去し、ジエチルエーテルで再び数回洗う。残渣を激しく攪拌しつつ水200mlおよびジクロロメタン200mlに溶解し、32%NaOH溶液をpH10に達するまで加える。有機相を分離し、水相をジクロロメタン各100mlで3回抽出し、併せた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥状態まで蒸発する。
【0150】
収率:無色固形物9.9g(理論量の96%)
元素分析
【0151】
【表27】

【0152】
c) N,N−ビス−[2−(2−ブロモプロピオニルアミノアセチルアミノ)エチル)−5−[(2−ブロモプロピオニル)メチルアミノ]−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド
N,N−ビス−[2−(2−アミノアセチルアミノ)エチル]5−(メチルアミノ)−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド57.8g(75mmol)をジメチルアセトアミド500mlに溶解し、2−ブロモプロピオン酸ブロミド(Aldrich製)75.5g(350mmol)を0℃で15分間かけて滴加する。次に、これを40℃で20時間攪拌する。反応混合物を、氷水4000ml中に注ぎ、沈降してくる固形物を濾去し、酢酸エチル800mlに溶解し、各250mlの水で3回抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を乾燥状態まで蒸発する。粗生成物を、メチル−tert−ブチルエーテルから再結晶する。
【0153】
収率:無色固形物54.8g(理論量の62%)
元素分析
【0154】
【表28】

【0155】
d) 2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}−プロピオニル)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3,6−ジアザ−4,7−ジオキソ−8−メチルオクタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジロキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド
1,4,7−トリス−(ベンジロキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(Delaneyら、J.Chem.Soc.Perkin Trans.1991年、3329頁)98.9g(172.1mmol)をアセトニトリル800mlに溶解し、炭酸ナトリウム47.6g(344.3mmol)と混合する。次に、激しく攪拌しつつ、N,N−ビス−[2−(2−ブロモプロピオニルアミノアセチルアミノ)エチル)−5−[(2−ブロモプロピオニル)メチルアミノ]−2,4,6−トリヨードイソフタル酸アミド54g(45.9mmol)を添加し、20時間還流する。不溶性成分を濾去し、乾燥状態まで蒸発し、残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール 20:1)。生成物を含むフラクションを併せ、蒸発により濃縮する。
【0156】
収率:無色固形物52.6g(理論量の43%)
元素分析
【0157】
【表29】

【0158】
e) 2,4,6−トリヨード−5−[2−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)プロピオニル]メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−[3,6−ジアザ−4,7−ジオキソ−8−メチルオクタン−1,5−ジイル−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)]アミド
2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジルオキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}−プロピオニル)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3,6−ジアザ−4,7−ジオキソ−8−メチルオクタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(ベンジロキシカルボニル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド51.5g(19.4mmol)を、0〜5℃で、HBr/AcOH(33%)500mlと注意深く混合し、室温で3時間攪拌する。次に、反応混合物をジエチルエーテル2500ml中に注ぎ、この場合に沈殿する固形物を吸引除去し、ジエチルエーテルで再び数回洗う。残渣を激しく攪拌しつつ水300mlおよびジクロロメタン300mlに溶解し、32%NaOH溶液をpH10に達するまで加える。有機相を分離し、水相をジクロロメタン各150mlで3回抽出し、併せた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥状態まで蒸発する。
【0159】
収率:無色固形物26.7g(理論量の95%)
元素分析
【0160】
【表30】

【0161】
f) 2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}プロピオニル)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3,6−ジアザ−4,7−ジオキソ−8−メチルオクタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド
2,4,6−トリヨード−5−[2−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)プロピオニル]メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−[3,6−ジアザ−4,7−ジオキソ−8−メチルオクタン−1,5−ジイル−(1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル)]アミド25.8g(17.8mmol)を、水200mlに溶解し、クロロ酢酸25.7g(272.7mmol)を添加し、60℃で32%NaOHでpHを9.5に設定する。これを70℃に10時間加熱し、それにより反応混合物のpHを連続的に9.5に再設定する。室温まで冷却後、濃HClでpH1に設定し、溶液を真空中で蒸発させることにより濃縮する。残渣をメタノール300mlを用いて吸収沈降させ、不溶性成分を濾去し、濾液を蒸発により乾燥する。残渣を水200mlに溶解し、イオン交換カラム(1200ml、IR120、H形)に加える。次に、水5リッターで洗い、酸溶出液を蒸発により濃縮する。残渣をメタノール150mlに溶解し、ジエチルエーテル2500ml中に滴加し、この場合に沈殿する固形物を吸引除去し、ジエチルエーテルで再び数回洗い、真空中で乾燥する。
【0162】
収率:無色固形物23.2g(理論量の66%)
元素分析
【0163】
【表31】

【0164】
g) 2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}プロピオニル,Gd−錯体)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3,6−ジアザ−4,7−ジオキソ−8−メチルオクタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル,Gd錯体]}アミド
2,4,6−トリヨード−5−(2−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}プロピオニル)メチルアミノイソフタル酸−N,N−ビス−(3,6−ジアザ−4,7−ジオキソ−8−メチルオクタン−1,5−ジイル−{10−[1,4,7−トリス−(カルボキシメチル)−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカニル]}アミド13.6g(6.9mmol)を、水100mlに溶解し、酢酸3mlを添加することにより酸性化する。酸化ガドリニウム3.7g(10.4mmol)を添加し、6時間還流する。錯化の完了後、アンモニアでpH7.4に設定し、シリカゲル上のクロマトグラフィーにかける(移動溶媒:ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:10/10/1)。生成物を含むフラクションを併せ、イオン交換物質(IR267 H形)10gを用いて2時間吸収沈殿し、濾去し、次に、イオン交換物質(IRA67 OH形)10gを用いて2時間吸収沈殿し、濾去し、活性炭2gと混合し、60℃に2時間加熱し、濾去し、凍結乾燥する。
【0165】
収率:無色固形物11.1g(理論値の61%)
水含量(Karl−Fischer):7.5%
元素分析(無水物質に対して)
【0166】
【表32】

【0167】
実施例9
比較例
本発明により化合物と比べて、US 5,660,814の最も近い従来技術に開示されている実施例3からの化合物3、実施例4からの化合物4は
5)イオン性であり、それにより、本発明による中性化合物と比べて2倍高い浸透圧を有し、そのことは、高い投与量において特に否定的である、
6)後者は、本発明による化合物よりも、著しく親油性である(US 5,660,814の5欄/29行における注釈、従来技術からの化合物を肝造影剤として用いることができる)、
7)US 5,660,814の物質3および4は、本発明による化合物よりも著しく毒性がある(LD50および分配係数を参照)、および
8)MR画像化への緩和性が低い。
【0168】
【表33】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
【化1】

[式中
Halは臭素またはヨウ素を表し、
は基:−CONR−(CH−NR−(CO−CHZ−NH)−CO−CHZ−Kを表し、
A2は基:−NR−CO−CHZ−Kを表し
ここで、RおよびRは、独立して、水素原子、C−C−アルキル基またはモノヒドロキシ−C−C−アルキル基であり、
およびZは、独立して、水素原子またはメチル基であり
nは2〜4の数であり、
mは0または1の数であり、
Kは式Iで示されるマクロ環式化合物
【化2】

(式中、
Xは水素または原子番号20〜29、39、42、44または57〜83の金属イオン当量であり、少なくも二つのXは金属イオン当量を表し、任意に存在する遊離カルボキシ基は任意に有機および/または無機塩基またはアミノ酸もしくはアミノ酸アミドの塩として存在する)を表す]で示される金属錯体。
【請求項2】
が、
−CONH(CH2;3NHCOCHNHCOCH(CH)−K、
−CONH(CH2;3NHCOCHNHCOCH−K、
−CONH(CH2;3NHCOCH−K、
−CONH(CH2;3NHCOCH(CH)−K、または
−CON(CHCHOH(CHNHCOCH−Kを表す、請求項1に記載の金属錯体。
【請求項3】
が、
−NHCOCH(CH)−K、
−NHCOCH−K、
−N(CH)COCH−K、
−N(CH)COCH(CH)−K、
−N(CHCHOH)COCH−K、または
−N(CHCHOH)COCH(CH)−Kを表す、請求項1に記載の金属錯体。
【請求項4】
Xが原子番号21〜29、42、44または58〜70の金属イオン当量を表す、請求項1に記載の金属錯体。
【請求項5】
Xが、ガドリニウム(III)、ジスプロシウム(III),ユーロピウム(III)、鉄(III)またはマンガン(II)の金属イオン当量を表す、請求項4に記載の金属錯体。
【請求項6】
請求項1に記載の一般的Iで示される少なくとも一種の金属錯体を含み、任意に、ガレヌス製剤において一般的に用いられる添加剤を含む医薬品。
【請求項7】
請求項1に記載の少なくとも一種の金属錯体を、X線診断用の薬剤の製造のために用いる使用。
【請求項8】
請求項4に記載の少なくとも一種の金属錯体を、MRT診断用の薬剤の製造のために用いる使用。
【請求項9】
請求項1及び4に記載の各金属錯体を2000:1〜1:1、好ましくは49:1〜4:1のモル比で含む医薬品。
【請求項10】
請求項6に記載の医薬品であって、水または生理食塩水に溶解または懸濁した金属錯体が0.001〜1mol/lの濃度で存在することを特徴とする医薬品。
【請求項11】
請求項1に記載の少なくとも一種の金属錯体を、脳梗塞と肝臓の腫瘍または肝臓内の占拠性過程、並びに腹部(腎臓を含む)の腫瘍と筋骨格系のX線およびMR診断、および動脈内注射または静脈内注射による血管の視覚化ための薬剤の製造のために用いる使用。
【請求項12】
請求項1に記載の一般式Iで示される金属錯体を製造する方法において、一般式II
【化3】

で示されるトリヨード芳香族化合物またはトリブロモ芳香族化合物を、自体公知のように、一般式III
【化4】

(式中、
Wは保護基または−CHCOOX’基を表し、X’はXまたは保護基であり、A'は−CO−NR−(CH−NR−(CO−CHZ−NH)−CO−CHZ−Hal’でありA'は−NR−CO−CHZ−Hal’であり、Hal’は塩基または臭素である。)で示されるマクロ環式化合物と反応させ、次に、任意に保護基Wを除去し自体公知のように基CHCOOXを導入する、または任意にX’を表す保護基を除去し次に自体公知のように、原子番号20〜29、39、42、44または57〜83の元素の金属酸化物または金属塩と反応させることを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項6に記載の医薬品を製造する方法において、水または生理食塩水に溶解または懸濁している錯体化合物を、任意にガレヌス製剤において一般的に用いられている添加剤と共に、腸管または非経口投与に適した形状にすることを特徴とする方法。

【公表番号】特表2007−536295(P2007−536295A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511925(P2007−511925)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【国際出願番号】PCT/EP2005/004319
【国際公開番号】WO2005/108379
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(390014166)シエーリング アクチエンゲゼルシヤフト (12)
【氏名又は名称原語表記】Schering Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−13353 Berlin, Germany
【Fターム(参考)】