説明

上下着脱式ウェーダー

【課題】 ズボンとシューズが一体に連結された水作業及び釣り用ウェーダーにおいて、ズボンとシューズとに分離し、必要に応じて容易に着脱が行える上下着脱式ウェーダーを提供すること。
【解決手段】 シューズ1の上部附近の外周に、ゴムからなる開閉自在の保持帯2を配置し、ズボン4の裾部には伸縮自在の装着帯3を連結し、装着帯3の下端部に設けた凸部10と前記保持帯2の内側面に施した凹溝11とが係合して着脱を容易にし、上下の抜け止めと、水の浸入を防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水作業用及び釣用ウェーダーの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の水作業用ウェーダー、あるいは釣用ウェーダーにおいては、図5で示すようにズボンとシューズが一体的に連結されており、サイズにおいてもウェーダー本体は、シューズのサイズに比例して、規格化されている。
【0003】
このため、着用する人の体型に合わせる目的で、ズボンの裾部と股を引きあげる工夫もなされている(例えば特許文献1参照)また、上下着脱式水長靴の考案として、タイツ式細身のズボンと、履口が細身タイプの専用シューズを重ねて折り返えす方法もみられる(例えば特許文献2参照)
【0004】
【特許文献1】特開平12−256908号
【特許文献2】実開昭61−147003号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ズボンとシューズが一体のウェーダーにおいては、下半身が水浸しになることや、水中の作業等を目的として着用するものであり、前記作業が終了したとき、あるいは、さほど水が溢れない所で作業を行うときは、通常の長靴の方が好ましく、その都度履きかえるのが面倒であった。
【0006】
また、サイズにおいても規格化されているため、標準の体型以外の人にとっては着用しずらい面があり、ましてや子供用の商品については未だ製造されていないのが現状である。
【0007】
本発明は、ズボンとシューズを分離し、シューズにおいては日常、降雨時や降雪時に長靴として、また釣り用として常用し、必要に応じてズボンを装着することで、従来のウェーダーとかわらぬはたらきをなすことを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、シューズ上部履き口附近の外周にゴムからなる開閉自在の保持帯を配置し、前記保持帯の密閉時における内側、開閉部に凹溝を施し、ズボンの裾部に伸縮自在の装着帯を連結し、前記装着帯の下端部の周囲に凸部を設け、前記凸部と前記凹溝が係合することで、シューズとズボンの抜け止めと水の浸入を防ぐことができる。
【0009】
前記保持帯は開閉自在であるがズボンを装着せず、シューズのみ使用するときは、ゴミ等が侵入しないよう密着状態にあるため、前記保持帯上縁部に開閉をたすけるためのツマミを設ける。
【発明の効果】
【0010】
上述したように、本発明の着脱式ウェーダーにおいては、一般的に降雨時や降雪時に、または水が溢れることのない場所ではシューズのみを着用することが圧倒的に多いため、前記シューズを常用し、ズボンは災害など緊急時のために備えておけば素早く対応でき便利である。
【0011】
また、シューズとズボンを個別に調達できるようになれば、前記シューズはもとより前記ズボンにおいても自分の体型に合わせやすくなり、破損または消耗したときも片方のみ調達でき経済的である。
【0012】
従来の一体式ウェーダーにおいては、使用上の強度を重視して製造されているため、ズボンの生地も厚く重量感もあり大人向けに限られているが、本発明のズボンの場合は通常の雨合羽の生地に前述の装着帯を連結したものであり、コストも下げることもでき、子供向けも生産しやすくなる。
【0013】
したがって、着用感も軽快になり、サイズが多少大きめであっても、だぶついて歩行しにくいという問題も解消される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0015】
図においては、1はシューズ本体で、上部附近の外周には、硬質ゴムによる保持板6が囲繞して張り付けられ、前記保持板6の外周には、天然ゴム等からなる保持帯2が配置されている。前記保持帯2は密閉時における内側周囲の側面に凹溝11が施されており、前記凹溝11より下方が前記保持板6と連結されているため、前記保持帯2の上方部は開閉自在となる。また前記保持帯2の上縁部には開閉をたすける保持帯ツマミ21が設けられている。
【0016】
また、4はズボン本体であり、その裾部には伸縮自在の天然ゴム等による装着帯3が、前記ズボン本体4と連結部5によって周囲を連結されており、前記装着帯3の下端部周囲には同質ゴムによる凸部10が一体的に形成されている。
【0017】
次に上記構成の動作を説明する。
図2(a)で示すように、保持帯2の上縁部の前後及び左右附近に設けられた保持帯ツマミ21を外に開きながら前記保持帯2を下方に半転させると、前記保持帯2は全開となる。
【0018】
次に装着帯3を伸ばしながら、円周を広げ保持板6に被ぶせていき、凸部10の先端が凹溝11の屈折面にあたる位置で止めると、前記装着帯3の内側面と前記保持板6の外周面は密着される。そして前記保持帯2を開いたときと逆方向に反転させると、図2(b)及び図3で示すように凸部10が凹溝11と係合して、ズボンとシューズの抜け止めとなり、水の浸入を防ぐことができる。
【0019】
また、硬質のゴム等により形成された前記保持板6においては、シューズ本体の履き口の軟らかなゴム質によるたわみを少なくし、剛性をもたせて、前記装着帯3の密着度を高め、且つ装着しやすくするはたらきをなすものである。
【0020】
また、水作業等に係わらず、土砂等に埋まるような作業のときは、図4で示すようにズボン本体4を連結部5より延長したガード帯20を設け、前記保持帯2の下方附近でひも、またはバンドなどで縛り、前記保持帯2及び前記装着帯3を保護するタイプも提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例を示す斜視図
【図2】(a)上・下装着前の図1におけるA−A線一部断面図 (b)上・下装着後の図1におけるB−B線一部断面図
【図3】図2(b)における装着部拡大図
【図4】本発明のガード帯付タイプの実施例を示す一部断面図
【図5】(a)従来のウェーダーにおけるウエストタイプの斜視図 (b)従来のウェーダーにおけるチェストタイプの斜視図
【符号の説明】
【0022】
1 シューズ本体
2 保持帯
3 装着帯
4 ズボン本体
5 連結部
6 保持板
10 凸部
11 凹溝
20 ガード帯
21 保持帯ツマミ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シューズと、前記シューズと着脱自在としたズボンからなる着脱式ウェーダーにおいて、前記シューズ上部履き口附近の外周にゴムからなる開閉自在の保持帯を配置し、前記保持帯の密閉時における内側開閉部に凹溝を施し、前記ズボンの裾部に伸縮自在の装着帯を連結し、前記装着帯の下端部の周囲に凸部を設け、前記凸部と前記凹溝が係合することで、シューズとズボンの抜け止め及び、水の浸入を防ぐ着脱式ウェーダー。
【請求項2】
前記保持帯の上縁部に前記保持帯の開閉をたすけるツマミを設けた請求項1に記載の着脱式ウェーダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−121156(P2008−121156A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−307463(P2006−307463)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【特許番号】特許第4027404号(P4027404)
【特許公報発行日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(306006096)
【Fターム(参考)】