説明

上皮改善剤

【課題】各種臓器の上皮の機能を改善し、メラニン色素含有毛髪の発生、歯肉炎、歯周炎の炎症症状の改善、かぜ症候群、気管支喘息の治療改善に、更に性感覚回復に使用する上皮改善剤を提供すること。
【解決手段】 コエンザイムQ10、システイン、ビタミンA,C,E及びワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液を主成分とする上皮改善剤。歯肉炎、歯周炎、かぜ症候群、気管支喘息にはロラタジンを加える。育毛、性感覚回復、に使用する上皮改善剤には流動パラフィンと親水軟膏を加えクリームとすることで上記課題を解決できる

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は
1.外耳道の掻痒感の改善に効果がある。
2.歯肉炎、歯周病の改善に効果がある。
3.かぜ症候群の改善に効果がある。
4.アレルギー性鼻炎の改善に効果がある。
5.気管支喘息の改善に効果がある。
6.陰茎亀頭、陰核、膣の性感覚改善に効果がある。
7.白髪の部位よりメラニン色素含有の有色の髪が発生する育毛効果がある。
上皮改善剤に関する。
【背景技術】
【0002】
外耳道の掻痒には従来綿棒、耳掻き等が使用されてきたが、頻回に使用すると、又は使用方法が悪いと外耳道に障害を与え、ひどい時は鼓膜にまで損傷が起こる事がある。損傷が起こらない方法が待たれる。
【0003】
歯牙の支持をする歯肉組織は、歯肉、歯槽骨、歯根膜、セメント質よりなり、炎症が歯肉部分にしかない状態を歯肉炎と、歯肉から歯槽骨、歯根膜、セメント質まで及んでいる歯周炎と区別している。歯肉炎、更に進行した歯周炎に対する治療法は歯垢、歯石などの歯の汚れをとり、薬物や妊娠による内分泌系からの刺戟で歯肉が腫れた時はその原因を除去する必要がある。歯肉炎、歯周炎に抗炎症作用、抗プラスミン作用のあるアミノカプロン酸で其の症状の発現を抑制する治療法。歯周組織炎症の原因菌のテトラサイクリン耐性葡萄状球菌を除去するのに塩酸ミノサイクリンを用いる方法、また歯周ポケット内原因菌およびバイオフィルム治療にはマクロライド系抗生剤のエリスロマイシンが有用である。また歯周組織の60%はコラーゲンよりなり、コラーゲンの分解が進むと、歯肉の縮小、後退を促す。これらコラーゲンのような細胞外マトリックスに作用して分解をする酵素群をマトリックスメタロプロテアーゼ(以下、単にMMPと称する)と言う。MMPは10種以上あり、この内コラゲナーゼは歯周組織の付着上皮および歯周ポケット上皮周辺に発現しているとの報告があり(非特許文献1参照)。又ゼラチナーゼは歯周病原因菌由来のリポ多糖等の刺戟で上皮細胞から産生され、基底膜の構成成分であるタイプIVコラーゲンを分解すると報告がある。このことはMMP活性上昇が歯周病の進行と密接に関連している事をしめしている。健常者は歯肉炎、歯周炎患者に比べMMP量は少ないとの報告がある(非特許文献2参照)。また歯周病の治療により病状が改善するとMMP活性が低下するとの報告もある(非特許文献3参照)。故にMMP活性や産生を阻害する、赤ぶどう、ローズマリー、イチョウ、セントジョンズワート、アラムの植物抽出成分の歯肉上皮細胞伸展阻害剤がある(特許文献1)。併し現今以上の治療法では十分な治療成績をあげておらず、歯肉炎から歯周炎へと進行し、歯を失う人が多い。
【0004】
かぜ症候群はウイルスによる、かぜに効く治療薬は無く、対症療法のみである。かぜの鼻汁、鼻閉に充血緩和剤のプソイドエフエドリンがあるが其の効果は少ない。オキシメタゾリンやフエニレフリンの鼻内噴霧は速効性あるも使用は数日以内で、長期にわたると慢性鼻閉症になる。鼻汁に対しては抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤があるが、副作用に眠気があり、鼻閉には効果的でない。咳には中枢性のコデイン、デキストロメトルファンがある。コデインは吐き気、嘔吐、便秘、または耐性、身体的依存症が起こる。デキストロメトルファンは高容量で呼吸抑制の副作用がある。気管支拡張薬のエフェドリン、テオフィリンは動悸、震顫、頻脈、頭痛、嘔吐の副作用があり、其の効果も十分ではない。近年咳にN−(ベンゾィル)アミノ酸誘導体があるが(特許文献2)、その臨床的効果、副作用に就いては未知数である。長期間使用しても副作用のない効果のある薬剤が待たれる。
【0005】
アレルギー性鼻炎はIgE媒介の鼻炎で、季節性または通年性のくしゃみ、鼻水、鼻閉、かゆみ、そしてしばしば結膜炎と咽頭炎を発症する。抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬がアレルギー性鼻炎の治療に用いられるが、くしゃみ、鼻水には有効だが、鼻閉に対しては効果が弱い。この鼻閉にはステロイド点鼻液が有効だが、即効性でなく、効果が出るのに1〜2週間かかる。通年性アレルギー性鼻炎にステロイド点鼻液を長期間投与するのは副作用が問題である。副作用のない治療薬が求められている。またボクソナ、ビンロウジが有効であるとの報告がある(特許文献3)。しかし十分な治療効果がなく、現今副作用なく即効性のある長期間使用可能な有効な薬剤が求められている。
【0006】
気管支喘息にはステロイド剤、気管支拡張作用のある交感神経剤、抗アレルギー剤、抗IgE抗体によるIgE中和療法、またユビデカレノンの内服が気管支喘息に効果があり(非特許文献4参照)、呼吸器疾患における呼吸困難に効果を認めた(非特許文献5参照)、さらに肥満細胞、好酸球に有効的に働くジホモーγ―リノレン酸(特許文献4)、cys LT1受容体に拮抗するプランルカスト水和物、モンテルカストナトリウム、ザフィルルカスト(特許文献5)など治療法がある。現今ステロイド剤の吸入療法が主流であり気管支喘息による窒息死の予防に卓効を示している。併しながら気管支喘息の経過は長く、数十年から生涯続くこともあり、ステロイド剤の副作用が問題であり、副作用なく、効果に於いてもステロイド剤に優るとも、劣らない、長期間使用出来る即効性のある薬剤が求められている。
【0007】
亀頭、陰核、膣の性感覚低下に対する従来の精力減退治療薬は経口剤が主であり、その原材料もスッポン、ニンニクの抽出エキス、マムシ、ヨヒンベの末、またはエキス、さらに南米高地産のマカ等がある。最近ではテストステロン経皮吸収貼り薬(特許文献6)、また唐辛子、カプサイシン、メントール等刺戟物質よりなる貼り薬(特許文献7)もあるが、さらに副作用なく性感覚の低下した人に性感覚の感度を高め、長期間使用出来る薬剤が求められている。
【0008】
白髪、脱毛、薄毛は高齢化とともに人々の悩みである。白髪はメラノサイトにおいてメラニン生成の停止が起こる老化現象である。育毛剤薬効成分には血行促進、局所刺戟、毛包賦活、抗男性ホルモン、抗脂漏、角質溶解、殺菌、消炎その他がある。また毛髪は毛周期に従って成長、脱落を繰り返している。この毛周期の内、新たな毛包形成が発毛に重要と考えられており、この際毛乳頭細胞の働きが毛包上皮系細胞の増殖、分化、毛髪形成に重要な役割をしている(非特許文献6)。また従来毛乳頭細胞増殖促進作用のある薬剤としてオウキ、オウレン、クマノギク等の抽出物が知られているが、未だ毛乳頭細胞増殖促進作用を有し、有色のメラニン色素含有毛髪の育毛作用があり、副作用のない、十分満足できる育毛剤は提供されていない。
【0009】
従来、生体は生体への種々の外的刺激(光特に紫外線、埃、排気ガス、種々の化学物質、煙草等)又はウイルス、細菌、真菌、原虫等微生物や寄生虫の生体への侵入に、又抗原によるアレルギー反応などに対しては、これまでこれらを排除するか、又微生物、寄生虫には殺菌剤、抗菌剤、抗生物質等を使用し、対抗してきた。併し今までこれら外的刺激、微生物、寄生虫等の生体への侵入、アレルギー反応に対して、その侵入を防御するのに一番重要な、且つ生体が生来備えている一番最初の外敵防御機能のある各種上皮機能を再生、活生化して、各種外的刺戟により劣化した上皮機能を健全化する薬剤はこれまで殆どなく、更に老化により衰えた各種上皮機能を再生、活生化し、上皮機能を健全化する薬剤も殆ど無い。いっぽう先に皮膚に塗布することにより、一剤で皮膚がつるつると滑らかに、血色も良くなり、白くなり、皺が浅くなる、又は消失する四つの優れた効果があり、更にアトピー性皮膚炎に効果のある本発明者の外用剤に就いて特許申請(特願2005−380876)をした。更にこの本発明者の外用剤は老人性乾皮症、凍傷、主婦湿疹にも効果がある。これ等効果の機序の詳細は不明であるが、この本発明者の外用剤が皮膚機能の再生、活生化を促し皮膚を健全化する効果によるものであると考えられる。以上の様に皮膚に好影響を及ぼすコエンザイムQ10、システイン、ビタミンA,C,E及びワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液を主成分とする外用剤が、皮膚と発生学的に同一な外胚葉性の外耳道、鼻腔、副鼻腔、口腔、咽頭の上皮、内胚葉性の扁桃、喉頭、気管、気管支、肺胞。中胚葉性の生殖器の上皮、更に毛髪にどの様な効果を示すか、又これ等上皮の老化した時、病的状態の時にどの様な効果があるのか、に就いて検討し良好な治療効果を認めた。
さらに現今副作用なく、長期間使用可能な劣化した上皮機能の再生、活生化による健全化、更に老化した、又は病的状態の上皮機能を改善し、上皮機能を健全化する薬剤が求められている。
【特許文献1】特開2006−306832号公報
【特許文献2】特開2007−8815号公報
【特許文献3】特開2006−169232号公報
【特許文献4】特開2006−306813号公報
【特許文献5】特開2006−21997号公報
【特許文献6】特開平11−228419号公報
【特許文献7】特開2000−86504号公報
【非特許文献1】M.Kylmaniemi,et al:J.Dent R es.,75,pp.919−926(1996)
【非特許文献2】A.Haerian,et al:J.Clin Periodontol.,22pp.505−509(1995)
【非特許文献3】M.Makela,et a:J.Dent Res.,73,pp.1397−1406(1994)
【非特許文献4】根本俊和ら:臨床と研究 54巻9号3027−3029(1977)
【非特許文献5】佐川弥之助ら:日本胸部臨床 44巻9号774−782頁(1985)
【非特許文献6】「Trends Genet」,1992年、第8巻、p56−61
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
先に(特願2005−380876)で皮膚に塗布することにより、一剤で皮膚がつるつると滑らかに、血色も良くなり、白くなり、皺が浅くなる、又は消失する四つの優れた効果があり、更にアトピー性皮膚炎に効果のある外用剤に就いて特許申請をした。これ等の効果は、その機序の詳細は不明であるが、この本発明者の外用剤が皮膚機能の再生、活生化によるものであると考えられる。以上の様に皮膚に好影響を及ぼすコエンザイムQ10、システイン、ビタミンA,C,E及びワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液を主成分とする上皮改善剤が、皮膚と発生学的に同一な外胚葉性の外耳道、鼻腔、副鼻腔、口腔、咽頭の上皮、内胚葉性の扁桃、喉頭、気管、気管支、肺胞、中胚葉性の生殖器の上皮、更に毛髪へどの様な効果を示すかを検討し、副作用無く、各種上皮機能の低下等による病的状態の改善を目的とし、外耳道の掻痒の改善、歯肉炎,歯周炎の炎症症状の改善、かぜ症候群、アレルギー性鼻炎、気管支喘息の症状改善に、また性感覚回復に、更に育毛効果のある上皮改善外用剤の提供を課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明はコエンザイムQ10、システイン、ビタミンA,C,E及びワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液を主成分とする上皮改善剤。
【0012】
(1)外耳道の掻痒、かぜ症候群、アレルギー性鼻炎、気管支喘息用ネブライザー吸入、噴霧用上皮改善外用剤。歯肉炎,歯周炎用の上皮改善外用剤
精製水500重量部に対して、コエンザイムQ10(0.03〜1.2重量部)、Lシステイン(0.48〜2.4重量部)、ビタミンA(0.06〜0.36重量部)、ビタミンC(2.0〜8.0重量部),ビタミンE(0.4〜1.6重量部)及びワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液3.6〜14.4単位、3〜12ml(0.6〜2.4重量部)及びロラタジン(0.01〜0.12重量部)を含有する上皮改善外用剤。ネブライザー吸入、噴霧用上皮改善外用剤は使用時、精製水で3倍に希釈して使用する。
【0013】
(2)性感覚改善、育毛用の上皮改善クリーム
性感覚改善、育毛外用剤には親水軟膏500重量部に対して、コエンザイムQ10(0.03〜1.2重量部)、Lシステイン(0.48〜2.4重量部)、ビタミンA(0.06〜0.36重量部)、ビタミンC(2.0〜8.0重量部),ビタミンE(0.4〜1.6重量部)及びワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液3.6〜14.4単位、3〜12ml(0.6〜2.4重量部)流動パラフィン(4.4〜13.2重量部)を主成分とする上皮改善剤を用いる。
【0014】
各薬剤の相互間が化学的に安定する為、上皮面での薬剤の安定吸収の為ビタミンC、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液以外のコエンザイムQ10、Lシステイン、ビタミンA、ビタミンE、ロラタジンは添加物入りの製剤を用いた。製剤の添加物は、
コエンザイムQ10のアデリール錠10には添加物として乳糖、結晶セルローズ、デンプン、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウムを含有する。
Lシステインのハイチオール散32%には添加物として乳糖、葡萄糖を含有する。
ビタミンAのチョコラA滴には添加物としてサッカリンナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、デヒドロ酢酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、香料、pH調整剤を含有する。
ビタミンEのNEソフトカプセルにはグリセリン脂肪酸エステル、ゼラチン、濃グリセリン、Dソルビトール、酸化チタン、パラオキシ安息香酸プロピル、黄色5号を含有する。ロラタジンのクラリチン錠には添加物として乳糖、トウモロコシ澱粉、ステアリン酸マグネシウムを含有する上皮改善剤。
【発明の効果】
【0015】
本発明の外用剤の使用法:歯肉炎、歯周炎には歯肉炎、歯周炎用外用剤を歯間ブラシを用いて歯間に塗布。外耳道掻痒には噴霧用上皮改善外用剤を超音波ネブラィザーを用いて外耳道に噴霧を、かぜ症候群、アレルギー性鼻炎、気管支喘息には超音波ネブラィザーを用いて吸入用上皮改善外用剤を鼻腔、副鼻腔、口腔、咽頭、扁桃、喉頭、気管、気管支、肺胞に吸入する、性感覚改善には性感覚改善用外用剤を陰茎亀頭、陰核、膣に塗布し、育毛には育毛外用剤を白髪部の皮膚に軽くすりこむ様に塗布する。
【0016】
(I)外耳道への効果
正常の外耳道への本発明者の噴霧用上皮改善外用剤の1日、1回、3分間の超音波ネブライザー噴霧7日間で外耳道の掻痒感が少なくなり、耳掃除の回数も減り、耳掃除による外耳道、鼓膜の損傷が減少する効果がある。
外耳道への上皮改善外用剤超音波ネブライザー噴霧による外耳道の掻痒感減少の効果については、男性3名、女性2名について検討した。
5名中4名に効果を認め、掻痒感は減少したが、女性の1名は常日頃外耳道に掻痒感が殆どないため、その効果は不明確である。
【0017】
(II)歯肉炎、歯周炎への効果
歯肉炎、歯周炎に本発明者の歯肉炎、歯周炎用上皮改善外用剤を歯間に歯間ブラシを用いて塗布すると、歯肉炎、歯周炎の炎症の疼痛、発赤、腫脹が早く治癒し、特に疼痛が早くとれて、喜ばれる。また歯のグラツキに就いては、歯周炎の程度が軽度であれば改善されるが、歯周炎の程度が重いとその回復には時間がかかるか、効果のないときもある。故に歯周炎予防の目的で歯肉炎が歯周炎になる前に、または炎症のない正常なときから歯間ブラシを用いて歯肉炎、歯周炎用上皮改善外用剤を継続使用すると、歯周炎予防の効果の期待がもてる。症例12例中6例の継続して歯肉炎、歯周炎用上皮改善外用剤を歯間に歯間ブラシを用いて塗布した症例は約1年間歯肉炎、歯周炎の再発をまだ見ていない。
【0018】
歯肉炎、歯周炎への効果に就いては、男性6名、女性6名について検討した。
▲1▼女性 69歳 2006年8月23日左下顎第2大臼歯に疼痛、発赤、腫脹、歯のグラツキあり、歯肉炎、歯周炎用上皮改善外用剤の病巣部位への塗布と、歯間ブラシを用いて歯肉炎用、歯周炎上皮改善外用剤を病巣部位へ塗布をする、を併用して、7日間で腫脹、発赤とれ、疼痛も軽減し、所属リンパ腺の疼痛も無くなり、2週間で疼痛はすっかり無くなり、同年10月4日歯のグラツキも改善している。
又同年9月15日右下顎第2臼歯に疼痛、発赤、腫脹あり、同様処置10日間で疼痛、発赤、腫脹は無くなり治癒した。
更に同年10月11日左上顎第1番目小臼歯に疼痛、発赤、腫脹、歯のグラツキあり、同様処置で翌日に痛み軽減し、7日後炎症症状無くなり、歯のグラツキも改善している。同年12月24日右下第2大臼歯の疼痛、腫脹、歯のグラツキあり。3日間の歯肉炎、歯周炎用外用剤の病巣部位への塗布で疼痛はなくなり、歯のグラツキも改善されつつある。
この間抗生物質、消炎鎮痛剤は使用しておらず、その後歯肉炎、歯周炎用上皮改善外用剤を歯肉炎、歯周炎予防の目的で歯間ブラシを用いて継続使用し、予防効果について検討中。2007年8月現在歯の疼痛、発赤、腫脹は全く無く、歯のグラツキも更に改善している。
【0019】
▲2▼女性 75歳 右下顎第1大臼歯に疼痛、発赤、腫脹あり、歯間ブラシを用いて歯肉炎、歯周炎用上皮改善外用剤を病巣部位へ塗布をすることにより、4日間で疼痛、発赤、腫脹なくなり、3ヶ月后再発はない。この間抗生物質、消炎鎮痛剤は使用しておらず、その歯肉炎、歯周炎用上皮改善外用剤を歯肉炎、歯周炎予防の目的で歯間ブラシを用いて継続使用し、予防効果について検討中。その後2007年8月まで歯の疼痛、発赤、腫脹は全く無い。
【0020】
▲3▼男性 55歳 2年前歯周炎で左上顎第1大臼歯1本抜歯、2006年9月14日右上顎第1大臼歯に2年前と同様の疼痛、発赤、腫脹あり、歯間ブラシを用いて歯肉炎、歯周炎用上皮改善外用剤を病巣部位へ塗布をすることにより、7日間で疼痛は軽くなり、同年10月11日疼痛、発赤、腫脹は完治した。この間抗生物質、消炎鎮痛剤は使用しておらず。その後歯肉炎、歯周炎用上皮改善外用剤を歯肉炎、歯周炎予防の目的で歯間ブラシを用いて継続使用し、予防効果について検討中。2007年8月歯肉炎、歯周炎の再発はない。
【0021】
▲4▼女性 62歳 左下額第2臼歯の疼痛、発赤、腫脹あり、歯間ブラシを用いて歯肉炎、歯周炎用上皮改善外用剤を病巣部位へ塗布をすることにより、4日で痛み少なくなり、7日で疼痛、発赤、腫脹は完治した。この間抗生物質、消炎鎮痛剤は使用していない。
【0022】
▲5▼男性 49歳 右上顎第2大臼歯の疼痛、発赤、腫脹あり、歯間ブラシを用いて歯肉炎、歯周炎用上皮改善外用剤を病巣部位へ塗布をすることにより、5日で疼痛、発赤、腫脹なくなり治癒した。消炎鎮痛剤は使用したが、抗生物質は使用していない。
【0023】
▲6▼男性 80歳 60〜70歳台に歯周炎で12本の歯を失っている。2006年9月右下顎犬歯に疼痛、発赤、腫脹あり、歯のグラツキ顕著、歯肉炎用、歯周炎用上皮改善外用剤の病巣部位への塗布と、歯間ブラシを用いて歯肉炎、歯周炎用上皮改善外用剤を病巣部位へ塗布をする、を併用して、7日間で疼痛、発赤、腫脹なくなり、歯のグラツキはなくなり、硬いものも噛めるようになった。また右下顎第2大臼歯に疼痛と、グラツキあり、上記治療法2ヶ月で疼痛はまったく無かったが、病創が古いためか右下顎第2大臼歯は抜け落ちた。その後歯肉炎、歯周炎用上皮改善外用剤を歯肉炎、歯周炎予防の目的で歯間ブラシを用いて継続使用し、予防効果について検討中。2007年8月まで歯肉炎、歯周炎の再発はない。
【0024】
▲7▼女性 76歳 以前(期日不明)より右上顎犬歯の疼痛、発赤、腫脹あり、歯のグラツキ顕著、2006年10月11日より歯間ブラシを用いて歯肉炎、歯周炎用外用剤の病巣部位への塗布をすることにより、3〜4日間で疼痛は軽減し、1ヶ月後疼痛、発赤、腫脹は無くなり、歯のグラツキも少し改善されている。この間抗生物質、消炎鎮痛剤は使用していない。その後本発明者の外用剤を歯肉炎、歯周炎予防の目的で歯間ブラシを用いて継続使用し、予防効果について検討中。2007年8月末まで歯肉炎、歯周炎の再発はない。
【0025】
▲8▼男性 62歳 右下側切歯の疼痛、発赤、腫脹あり、歯のグラツキ顕著、2006年10月7日より歯間ブラシを用いて歯肉炎、歯周炎用上皮改善外用剤の病巣部位への塗布をすることにより、3〜4日間で疼痛、発赤、腫脹は無くなったが、処置7日後歯のグラツキは改善されず。治療継続中。この間抗生物質、消炎鎮痛剤は使用していない。
【0026】
▲9▼男性57歳 右上顎大臼歯の疼痛、発赤、腫脹あり、歯間ブラシを用いて歯肉炎、歯周病用上皮改善外用剤の病巣部位への塗布をすることにより、4日間で疼痛、発赤、腫脹は無くなる。この間抗生物質、消炎鎮痛剤は使用していない。その後歯肉炎、歯周炎用上皮改善外用剤は使用していない。
【0027】
▲10▼女性 60歳 2006年8月より右下顎第2大臼歯の疼痛、発赤、腫脹あり、2006年10月までに6回歯科医を受診、其のつど軽快していたが、同年10月同じ右下顎第2大臼歯に出血、疼痛、発赤、腫脹あり、歯間ブラシを用いて歯肉炎、歯周炎用上皮改善外用剤の病巣部位への塗布をすることにより、5日間で疼痛、発赤、腫脹は無くなる。この間抗生物質、消炎鎮痛剤は使用していない。その後歯肉炎、歯周炎用上皮改善外用剤を使用し続けることで2007年8月まで再発はなく、歯肉炎、歯周炎用上皮改善外用剤を歯肉炎、歯周炎予防の目的で歯間ブラシを用いて継続使用中。2006年10月より2007年8月まで歯科医を受診していない。
【0028】
▲11▼男性 84歳 2006年1月右下第1小臼歯の疼痛、発赤、腫脹あり歯科医に受診した。歯が抜ける可能性ありと言われて治療を受けたが疼痛、発赤、腫脹が継続した。歯間ブラシを用いて歯肉炎、歯周病用上皮改善外用剤の病巣部位への塗布をすることにより、約半日で疼痛はとれ、発赤、腫脹も軽快している。この間抗生物質、消炎鎮痛剤は使用していない。
【0029】
▲12▼女性 92歳 2006年1月右上第1小臼歯の疼痛、発赤、腫脹あり、歯間ブラシを用いて歯肉炎、歯周病用上皮改善外用剤の病巣部位への塗布をすることにより、3日間で疼痛は無くなる。継続治療中。この間抗生物質、消炎鎮痛剤は使用していない。歯肉炎、歯周炎用上皮改善外用剤を歯肉炎、歯周炎予防の目的で歯間ブラシを用いて継続使用中。
【0030】
(III)かぜ症候群
(イ)吸入用上皮改善外用剤の超音波ネブライザー吸入1回によるかぜ症候群への効果かぜ症候群の鼻汁、鼻閉、咳、咽頭痛への効果に就いて、男性24名、女性32名で検討した。かぜ薬服用前に吸入用上皮改善外用剤を使用時に精製水で3倍に希釈して使用し、10分間の超音波ネブライザー吸入1回のみでの効果を吸入直後に検討した。
鼻汁:56人中26人に鼻汁あり。14人に効果あり、10人に少し効果あり、効果なし2名。
鼻閉:56人中26人に鼻閉あり。17人に効果あり、8人に少し効果あり、効果なし1名。
咳 :56人中31人に咳あり。14人に効果あり、12人に少し効果あり、不明5人。
咽頭痛:56人中41人に咽頭痛あり。24人に効果あり、10人に少し効果あり、不明7人。
の結果を得た。かぜ症候群に、吸入用上皮改善外用剤10分の超音波ネブライザー吸入1回のみで、即効性のかなりの効果をしめした。症状発現毎に、1日3〜4回吸入用上皮改善外用剤の超音波ネブライザー吸入が出来れば更に効果が出るものと考察する。
【0031】
(ロ)吸入用上皮改善外用剤吸入のみでかぜ症候群の治療をした症例
1.男性 13才 体温37.0℃発熱、疲労倦怠感、咽頭乾燥感、咽頭痛、乾性痙攣性咳、くしゃみ、鼻のむずむず感、鼻汁、鼻閉あり。発病2日目に来院、吸入用上皮改善外用剤超音波ネブライザー吸入10分間で鼻閉、咳に効果あり、その日の3時間後と翌朝1回、計3回の同吸入後、解熱、かぜの諸症状は取れ、発病後3日で全治した。
【0032】
2.女性 47才 体温36.4℃平熱、疲労倦怠感、咽頭かゆい、鼻汁、鼻閉あり。発病2日目に来院。1回目の吸入用上皮改善外用剤超音波ネブライザー吸入10分間で鼻閉に効果あり片方通り、鼻汁止まるも、咽頭への効果不明。約3時間後上記症状なくなり、治癒したものと感じた。7時間後咽頭の痒み、鼻閉あり、2回目の吸入用上皮改善外用剤超音波ネブライザー吸入10分間で上記症状改善される。翌日咽頭痛あり、3回目の吸入用上皮改善外用剤超音波ネブライザー吸入10分間で咽頭痛良くなり、発病4日目症状無くなり、発病後4日で全治した。
【0033】
3.女性 52才 疲労倦怠感、咽頭乾燥感、咽頭痛、くしゃみ、悪寒あるも体温36.8℃、3日間3回の吸入用上皮改善外用剤超音波ネブライザー吸入10分間で上記症状改善され、発病後4日で全治した。
【0034】
4.女性 41才 体温36.6℃平熱、疲労倦怠感、咳、鼻汁、鼻閉あり、吸入用上皮改善外用剤超音波ネブライザー吸入10分で鼻閉に効果あり、咳、鼻汁に少し効果あり、1日1回、3日間、3回の吸入用上皮改善外用剤超音波ネブライザー吸入後、3日で全治した。
【0035】
5.女性 70才 疲労倦怠感、咽頭こそばい感じ、咳、悪寒あるも体温35.4℃、1回目の吸入用上皮改善外用剤超音波ネブライザー吸入10分で咽頭痛に効果あり、1日1回、3日間、3回の吸入用上皮改善外用剤超音波ネブライザー吸入後、3日で全治した。
【0036】
6.女性 63才 かぜをひいた感じ、咽頭痛あり。吸入用上皮改善外用剤超音波ネブライザー吸入10分で咽頭痛改善され、1日1回、3日間、3回の吸入用上皮改善外用剤超音波ネブライザー吸入後、3日で全治した。
【0037】
7.女性 66才 2日前よりかぜをひいた感じ、咳が激しく来院、吸入用上皮改善外用剤超音波ネブライザー吸入10分、1回の吸入用上皮改善外用剤超音波ネブライザー吸入で咳は止まり、2日間で全治した。
【0038】
8.女性 1才2ヶ月
▲1▼ 来院7日前より鼻汁、2日前より咳あり、来院時体温38.5℃鼻汁、咳あり、吸入用上皮改善外用剤超音波ネブライザー吸入10分で鼻汁、咳に効果あり、4時間ほど薬を飲まずに熟睡し、体温も平熱に、この間かぜ薬、解熱剤は使用せず、吸入10分のみの治療。3日後来院、平熱、咳、鼻汁あり吸入10分で咳、鼻汁に効果あり、来院後4日で全治。
【0039】
▲2▼ 3日前より咳、鼻汁あり、朝来院時体温37.5℃、吸入用上皮改善外用剤超音波ネブライザー吸入10分で咳、鼻汁に効果あり、その後良く寝ていた。午後5時39.1℃の発熱、再度来院、吸入10分の後体温38.4℃、来院2日目朝体温36.8℃となる。夕刻体温37.8℃、同吸入10分、その翌日来院3日目で発熱なくなり、症状もとれ、発病後6日で治癒。この間解熱剤は使用せず。扁桃腺炎併発の為セフポドキシムプロキセチルを投薬した。
【0040】
9.女性 52才 いがらっぽい咽頭痛、鼻のむずむず感、鼻閉あり、体温35.8℃両側顎下リンパ腺圧痛あり。1日目1回、2日目朝夕2回吸入用上皮改善外用剤超音波ネブライザー吸入10分、3回で、吸入ごとに症状軽快して、咽頭痛、鼻のむずむず感、鼻閉、顎下リンパ腺圧痛無くなり、発病後3日で全治した。
【0041】
まだ小数例で明確なことは言えませんが、かぜ症候群の諸症状にかなりの効果があり、その経過日数も3〜5日と短縮している。
【0042】
(IV)アレルギー性鼻炎
本発明者の吸入用上皮改善外用剤のネブライザー吸入により鼻水、鼻閉、くしゃみ、かゆみに効果がある。鼻閉には抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤の効果は弱く、ステロイド剤はその効果が出るのに1〜2週間かかる、本発明者の吸入用上皮改善外用剤の超音波ネブライザー吸入は特に鼻閉には効果が早く、吸入直後から10分位で効果を発揮する。
【0043】
(試験例4)
アレルギー性鼻炎への効果に就いては男性3名、女性4名に就いて検討した。上皮改善外用剤の超音波ネブライザー吸入により7例とも鼻水、鼻閉、くしゃみ、かゆみに効果があり、特に鼻閉は吸入直後から10分位で、早期に効果を発揮し、くしゃみは寒冷による生理的なくしゃみのみになる。7名中1名は通年性のアレルギー性鼻炎であるが、効果が良く、1日3回吸入用上皮改善外用剤の超音波ネブライザー吸入により、鼻水、鼻閉、くしゃみ、むずむず感が取れ、たまに寒冷による生理的なくしゃみが出るだけになっている。
【0044】
(V)気管支喘息への効果 男性3名、女性4名に就いて検討した。
【0045】
▲1▼ 女性 63歳 4年前の59才頃より喘息発作、アレルギー性鼻炎があり、2006年1月来院までプロピオン酸フルチカゾン、ブランルカスト水和物、テオフィリンその他抗生剤,鎮咳剤、去痰剤の治療を受けたが咳、痰、喘鳴、呼吸困難が常にあり、時々喘息発作があり、治療によっても症状の改善は見られず4年間一進一退であった。2006年1月31日来院、来院時咳、喀痰、呼吸困難あり、胸部に乾性ラ音あり。内服、外用に
モンテルカストナトリウム錠10mg 1錠
塩酸エピナスチン錠20mg 1錠
ベタメタゾン錠0.5mg 2錠 当初朝夕2回 発作治まれば 夕1回に漸減、発 作無くなれば緊急用に保管。
塩酸プロカテロール吸入液 1日 2呼吸 4回まで
プロピオン酸フルチカゾン吸入 1日 2回
2006年2月20日 重い発作なくなるも、軽度の呼吸困難、咳、喀痰あり。胸部に乾性ラ音少し聴取する。ベタメタゾン錠の内服は中止し、緊急時用に保管する。
2006年2月20日より吸入用上皮改善外用剤1ml、クロモグリック酸ナトリウム吸入液2mlを1日 2〜3回超音波ネブライザー吸入開始。
2006年4月18日よりプロピオン酸フルチカゾン吸入を1日1回とし、同年6月2日で中止する。同年6月初めより喘息状態まったく無く、胸部所見も正常化している。
2006年10月24日より、1日1〜2回本発明者の吸入用上皮改善剤1mのみを超音波ネブラィザーで吸入し続け、同年12月まで喘息症状はなかったが、旅行の為5日間吸入用上皮改善剤の吸入をせず、其の為か12月12日より軽度の喘息発作あり、塩酸プロカテロール製剤、クロモグリック酸ナトリウム吸入液、本吸入用上皮改善剤の治療2日で喘息状態は治癒した。その後吸入用上皮改善外用剤の吸入のみの治療で喘息発作なく経過していたが、2007年1月右上腕打撲で7日間吸入用上皮改善外用剤の吸入を中止、再度軽度の喘息発作あり塩酸プロカテロール製剤、クロモグリック酸ナトリウム吸入液、本吸入用上皮改善剤の治療3日で喘息状態は治癒した。その後吸入用上皮改善外用剤の吸入のみの治療で喘息発作なく2007年8月まで経過している。気管支喘息の治療中、吸入用上皮改善外用剤の治療を中断すると喘息発作が出ることは吸入用上皮改善外用剤の超音波ネブライザー吸入が気管支喘息に効果のあることを示している。
【0046】
▲2▼ 80才 男性 40才頃より月に2〜3回強度の喘息発作あり、又軽度の発作は夜間、又は朝方毎日のようにあり、アミノフィリンの靜脈注射、ステロイドホルモン剤の内服、吸入。更に塩酸イソプレナリン吸入液を用いた。
クロモグリク酸ナトリウムカプセル発売以来それの使用で重い発作は少なくなり、2〜3日に1回位、朝方又は夜間軽度の発作あり、クロモグリク酸ナトリウムカプセルの吸入で軽快して、アミノフイリンの靜脈注射、ステロイドホルモン剤の内服を必用としなくなった。携帯用ステロイドホルモン吸入剤発売以来、プロピオン酸ベクロメゾン、又はプロピオン酸フルチカゾン吸入剤1日1〜2回の吸入で重い発作はなくなり、夜間又は朝方の発作は少なくなったが、咳、くしゃみ等のあと軽度の発作があった。
2005年10月10日より吸入用上皮改善外用剤1mlとクロモグリック酸ナトリウム吸入液2mlを1日、3〜4回ネブライザー吸入開始、2006年2月1日より吸入ステロイド喘息治療剤を中止。その後3〜4日に1回位夜間、咳、くしゃみがあると、胸部に軽い喘鳴が発症する、塩酸プロカテロール1回の吸入で喘鳴は治癒する。通年性アレルギー性鼻炎にも効果があり鼻閉、鼻水、鼻のむずむず感、くしゃみも改善され、寒さによる生理的なくしゃみのみに改善されている。40年からの気管支喘息の発作、アレルギー性鼻炎が、2006年10月現在本吸入液とクロモグリック酸ナトリウムの吸入、咳が出た時に7〜10日に1回の塩酸プロカテロールの吸入で、ステロイド剤使用せずに治癒する。
2006年11月初めよりクロモグリック酸ナトリウム、塩酸プロカテロールを使用せず、吸入用上皮改善外用剤のみ1ml、1日3回の吸入で経過観察中。それまで5〜6日に1回位夜間咳、くしゃみのあと軽度の喘鳴が出たが、2007年1月初旬より咳、くしゃみ後の胸部の喘鳴は出なくなり、2007年6月初旬まで吸入用上皮改善外用剤吸入のみで気管支喘息発作なく経過している。又本発明者の吸入用上皮改善外用剤吸入の前後での肺機能検査の肺活量、努力性肺活量ともに軽度の改善を認めた。肺機能検査は気管支喘息状態でない、胸部所見に異常の無い時に測定した。
ステロイド剤、気管支拡張剤、抗アレルギー剤等の抗喘息剤を使用せずに、本発明者の吸入用上皮改善外用剤の吸入のみで40年来の喘息発作が殆ど無く経過しているのは、本発明者の吸入用上皮改善外用剤の効果によるものと考察する。
【0047】
▲3▼女性 55歳10才頃より気管支喘息 公害認定、1994年5月来院 それまで
塩酸クレンプテロ−ル 4T
テオフィリン顆粒200 2T クロモグリック酸ナトリウム吸入4回
塩酸アンプロキソ−ル 3T 臭化水素酸フエノテロ−ル吸入 4回
塩酸ホミノペン 6T プロピオン酸ベクロメタゾン吸入4回
トリルダン 2T
来院后殆ど同様の処方で
テオフィリン200 2T クロモグリック酸ナトリウム吸入4回
ブランルカスト水和物 4T 塩酸プロカテロール吸入 2呼吸4回
又はモンテルカストナトリウム2T
塩酸プルカテロール 2T プロピオン酸ベクロメタゾン吸入4回
フスコデ 6T 又はプロピオン酸フルチカゾン吸入2回
塩酸アンプロキソール 3T
緊急発作時用に内服用ベタメタゾン0.5mg2週間に10錠投与。
喘息発作は毎朝方にあり、昼間も時々あり、吸入ステロイド喘息治療剤、気管支拡張剤、クロモグリック酸ナトリウムの吸入で治療、2,000年8月重い発作で入院歴あり。
2,006年4月21日より本発明者の吸入用上皮改善外用剤1ml、クロモグリック酸ナトリウム吸入液2ml、1日2〜3回の超音波ネブライザー吸入を開始。毎早朝の喘息発作は毎日でなく、2〜3日に1回となり、症状も軽く,回復しやすくなった。又その間の薬剤使用量が過去3年間の平均使用量に比べて30%少なくなっており、2,006年9月15日より副腎皮質ホルモン剤ベタメタゾンの内服使用を必要としなくなった。
2006年4月より10月まで6ヶ月の短期間で45年間続いた喘息発作の軽減、薬剤使用量の減少、特にステロイドホルモン内服薬の投薬の中止は特筆すべき事柄であり、この効果は本吸入用上皮改善外用剤の効果によるものと考察する。その後吸入用上皮改善外用剤の吸入を続け、2,007年8月現在、喘息発作は少なくなり、仕事上温度差のある冷凍庫の出入りした時、又たまに朝方に軽い喘息発作があるのみになっている。また吸入用上皮改善外用剤吸入の前後での肺機能検査の肺活量は軽度の改善、努力性肺活量は変化を認めなかった。肺機能検査は気管支喘息状態でない、胸部所見に異常の無い時に測定した。
【0048】
▲4▼ 76才 女性 気管支喘息、心不全
2004年2月来院 2003年夏より咳、痰、喘鳴、呼吸困難あり。胸部乾性ラ音あり、浮腫下腿にあり、タバコ 20本×30年 =600 2004年4月に禁煙。
内服、外用に
ジゴキシン1〜0.5T キシナホ酸サルメテロール吸入 2回
スピノラクトン1T 塩酸プロカテロール吸入2呼吸4回まで
塩酸ジルチアゼム3T
ユビデカレノン3T
塩酸アンプロキソール1T
マレイン酸エナラプリル 1T
2005年10月19日より吸入用上皮改善外用剤1mlとクロモグリック酸ナトリウム吸入液2ml、 1日 2回吸入し、呼吸困難時には塩酸プロカテロール使用、使用後2ヶ月ぐらいで咳、痰、喘鳴、呼吸困難、浮腫、胸部の乾性ラ音もなくなり、経過良好であったが2006年6月大腸癌で手術。退院後軽度の咳があるのみで、呼吸困難等の喘息発作はない。又吸入用上皮改善外用剤吸入中と、最近の検査との、前後での肺機能検査で、この肺機能検査の間に大腸癌で2ヶ月の入院、手術と悪条件が重なったにもかかわらず、肺活量は増加し、努力性肺活量も改善された。肺機能検査は気管支喘息状態でない、胸部所見に異常の無い時に測定した。
【0049】
▲5▼ 男性 7歳 気管支喘息
3歳頃より喘息発作時々あり、1日前より鼻汁、咳、呼吸困難あり、来院時胸部聴診で著明な乾性ラ音を認める。吸入用上皮改善外用剤の超音波ネブラィザー10分間吸入により、胸部聴診で乾性ラ音殆ど聴取出来ず、呼吸困難は無くなり、咳、鼻汁も軽快した。
【0050】
▲6▼ 女性 (イ)1歳5ヶ月 気管支喘息
生来風邪を引きやすく、時に喘息発作があった。来院時胸部に乾性ラ音著明、吸入用上皮改善外用剤超音波ネブラィザー10分間の吸入により、胸部聴診で乾性ラ音殆ど聴取出来ず、呼吸困難は無くなり、咳、鼻汁も軽快、3日間3回の上皮改善外用剤の吸入で治癒した。
【0051】
(ロ) 1歳6ヶ月来院前日より鼻汁、咳等かぜの症状と喘鳴あり、来院時胸部聴診で著明な乾性ラ音を認める。吸入用上皮改善外用剤超音波ネブラィザー10分間吸入、吸入後30分頃より喘鳴よくなり熟睡した。夕刻再度来院胸部乾性ラ音中等度あり、同吸入10分間施行、その夜は軽度の喘鳴があったがよく寝た。翌朝更に1回吸入用上皮改善外用剤超音波ネブラィザー10分間吸入、その後喘息発作は治まり元気になった。その間ツロプテロール貼付剤、扁桃腺炎にセフポドキシムプロキセチルを投薬した。
【0052】
▲5▼,▲6▼の症例で吸入用上皮改善外用剤超音波ネブラィザー10分間の吸入により、吸入直後から30分位で、呼吸困難の改善、乾性ラ音の減退は吸入用上皮改善外用剤の効果が気管支喘息に速効性があり、吸入用上皮改善外用剤の組成より、副作用は考えられず、今後すぐれた気管支喘息治療薬になるものと考察する。
【0053】
▲7▼ 男性 5歳 気管支喘息、アトピー性皮膚炎
1才7ヶ月頃より喘息発作あり、アトピー性皮膚炎を伴う、1才8ヶ月強度の喘息発作あり、内服副腎皮質ホルモン剤ベタメタゾン、気管支拡張剤ツロプテロール貼付剤の短期間投与で軽快した。その後風邪をひきやすく、1ヶ月間に6〜9回来院、時々胸部に乾性ラ音を聴取し、リン酸ベタメタゾン、クロモグリック酸ナトリウム吸入液の超音波ネブラィザー5分間の吸入、ツロプテロール貼付剤の投薬により強い喘息発作はなかった。2005年10月より吸入用上皮改善剤1.0ml(精製水で3倍に希釈)、クロモグリック酸ナトリウム吸入液2mlの割合の吸入液、5分間の超音波ネブラィザー吸入1年1ヶ月、88回。2006年11月より2007年7月までに吸入用上皮改善剤のみの超音波ネブラィザー吸入5分〜10分間、44回吸入した。この間よく風邪に罹り来院したが、喘息発作はなく、胸部に乾性ラ音を2回のみ聴取した。アトピー性皮膚炎も時々発症するが実施例2の外用剤の塗布により治癒している。最近は来院も少なくなっている。2歳前後で発症する気管支喘息は、発作毎に悪化する症例が多く、難渋することが多いが、強度の発作には、短期間の内服副腎皮質ホルモン剤の投薬、その後リン酸ベタメタゾン、クロモグリック酸ナトリウム吸入液の吸入、更に吸入用上皮改善外用剤とクロモグリック酸ナトリウム吸入液の吸入、最近では吸入用上皮改善外用剤のみの治療で喘息発作なく経過している。良好な治療効果を示した好例と考察する。
【0054】
吸入用上皮改善外用剤の気管支喘息への効果については表1に示した。肺機能検査に就いては表2と図面1,2に示した。肺機能検査表中吸入前、中、何年何月目とは吸入用上皮改善外用剤の吸入開始時期と期間を示した
【0055】
【表1】

【0056】
【表2】

【0057】
(VI)性感覚改善の効果に就いては男性7名、女性3名で検討した。
陰茎亀頭、陰核、膣に本発明者の性感覚改善外用剤を日に1〜4回、1乃至2ヶ月以上の塗布により、老化その他種々の原因で低下した性感覚の人のみ感覚が改善され、性感覚が良くなる。10名中男性3名、女性1名の性感覚の著しい改善がみられ、男性1名、女性1名の性感覚は軽度の改善がみられ、女性1名の性感覚は以前より良くなり、男性3名は性感覚の低下がない為効果は見られなかった。
【0058】
1.男性 60歳 約1ヶ月半の塗布で、最近どうでもよかった性交が、1ヶ月1回が、其の気がでて2回となった。塗布継続中
【0059】
2.男性 76歳 約1ヶ月、1日3〜4回の塗布により陰茎亀頭の感覚が改善され性交時間が短縮し、中休みを必要としなくなり、性感覚も改善し、陰茎の存在感が出てきた。塗布継続中。
【0060】
3.男性 55歳 年令が若く、性感覚の衰えが少ないので、塗布による性感覚の向上の効果は認められなかった。塗布継続中。
【0061】
4.男性 68歳 約2ヶ月の塗布で著しく性感覚の改善が見られ、尿の出も良くなり、陰茎亀頭の感覚も改善されている。塗布継続中。
【0062】
5.男性 59歳 約2ヶ月の塗布、年齢が若く、性感覚の衰えがないので効果は見られなかった。塗布継続中。
【0063】
6.女性 60歳 約2ヶ月の塗布により、本来性感覚は良好でしたが更に良くなった。塗布継続中
【0064】
7.女性 60歳 性交時疼痛あり、2.5ヶ月の塗布により疼痛は少なくなり、性感覚
【0065】
8,女性 51歳 約2ヶ月の塗布により、現在性感覚の衰えは少ないが、更に性感覚は良くなり、性器がつるつると滑らかに、柔らかくなる。塗布継続中。
【0066】
9.男性 55歳 約2ヶ月の塗布により、性感覚の衰えはないが、性感覚の軽度の亢進を認める。塗布継続中
【0067】
10.男性 60歳 2ヶ月の塗布により、性感覚の衰えがないので効果は明確ではない。塗布継続中
【0068】
(VII)育毛効果 女性4名、皮膚に上皮改善クリーム塗布中有色の毛髪発生に気付く。
【0069】
▲1▼女性 77才 頭部に上皮改善クリームをこすり気味に塗布約6ヶ月目頃、5ミリから1センチの細い黒髪が生えてきたのを本人が気付く、白髪(この時は白髪を茶色に染色)の間に僅か細い黒髪が認められる。2年5ヶ月目黒髪は5〜10cmと成長し、本数も増え、一目瞭然の変化で、育毛効果は著明である。この間大腸癌の手術施行。上皮改用クリーム塗布2年目頃本人が教えてくれた。
【0070】
▲2▼女性 70才 約11ヶ月間頭部に上皮改善クリーム塗布、塗布前、頭にも塗るとの事、冗談で頭頂部を撮影、11ヶ月目再度撮影後比較して初めて、頭頂部の白髪部が黒髪になっているのに気付く。白髪の染色(茶色に)を止め、現在更に上皮改善クリーム塗布中。
【0071】
▲3▼女性 97才 約2年以上顔に上皮改善クリーム塗布の際、前髪の辺りまで塗れていた。
約8ヶ月前(2007年1月)白髪部に黒髪が発生、娘さんが気付き教えてくれた。前髪の白髪部に約3〜5cmの細い黒髪が見られる。
【0072】
▲4▼女性 75才 前髪を金髪に染色するため上皮改善クリームを塗布中、約1ヶ月前(2007年7月)前髪の白髪部に1cm位の黒髪が10〜20本出ているのに気付く。約1週後には抜けて無くなっていた。本人が教えてくれた。現在再度黒髪が発生するか上皮改善クリームを軽くこすって前髪部に塗布中。
【0073】
効果のまとめ
【0074】
(I)外耳道の掻痒がとれ、耳掃除の回数が減り、外耳道の傷害が減る特徴がある。
【0075】
(II)歯肉炎の歯肉の疼痛、発赤、腫脹に、歯周炎の歯のグラツキにも効果があり、完全に元通りになる歯もある。疼痛、発赤、腫脹に効果が早く最速の人は約半日、大概の人は3〜4日、長い人で7日間の治療で治癒している。疼痛が早く取れるのは非常に喜ばれる。疼痛、発赤、腫脹に消炎鎮痛剤、抗生剤をあまり必要とせず、▲1▼の症例では抗生剤を使用せずに所属リンパ線の腫脹、疼痛も治癒している。
歯肉炎、歯周炎の予防効果を見るため継続して歯肉炎、歯周炎用上皮改善外用剤を歯間に歯間ブラシを用いて塗布した▲1▼▲2▼▲3▼▲6▼▲7▼▲10▼の6例の症例は約1年間歯肉炎、歯周炎の再発を見ていない。更なる検討が必要。
【0076】
(III)かぜ症候群の鼻汁、鼻閉、咳、咽頭痛に即効性あり、吸入用上皮改善外用剤のネブライザー吸入直後に効果を示す。本試験例はかぜ薬服用前に、ネブライザー吸入1回の成ライザー吸入直後に効果を示す。本試験例はかぜ薬服用前に、ネブライザー吸入1回の成績で、1日3〜4回吸入出来れば更に効果が出るものと考察する。吸入による副作用は無い。
【0077】
(IV)アレルギー性鼻炎への効果
吸入用上皮改善外用剤のネブライザー吸入でアレルギー性鼻炎の鼻汁、くしゃみ、鼻閉、むずむず感に効果があり、其の効果は即効性で、鼻閉に対しては、他の薬剤では見られない、吸入直後から10分位で効果が出る、即効性がある。吸入による副作用は無い。
【0078】
(V)気管支喘息への効果
気管支喘息の全症例で本吸入液は気管支喘息発作にかなりの効果があったと考える。▲1▼の症例で吸入用外用剤の治療を中断すると気管支喘息発作が出るのは吸入用外用剤が気管支喘息に効果がある事を示している。また肺機能検査で3例全例の肺活量の改善は注目すべき事柄です。更に本発明者の吸入液が気管支喘息治療に際してステロイドホルモン剤使用量を減らすことが出来、又は使用せずとも良好な経過を示したことは気管支喘息治療上画期的なことである。▲7▼▲8▼の症例で約10分の超音波ネブライザー吸入により、胸部所見の改善、呼吸困難の解消の速効性は、更なる症例が必要だが、気管支喘息治療上優れた治療法になるものと確信する。かぜ症候群、アレルギー性鼻炎など、鼻粘膜の炎症症状のむずむず感、くしゃみ、鼻汁、鼻閉への効果と同様、気管、気管支の喘息による炎症、気道粘膜の浮腫、平滑筋のれん縮、分泌物の増加による気道の閉塞に対して、同様の作用機序による気管、気管支への効果によるものと考察する。吸入による副作用は無い。
【0079】
(IV)生殖器性感覚への効果:老化または種々な原因で衰えた性器上皮の性感覚受容器の再生、活性化によるものと考えられ、性感覚の減退した人に効果がある。塗布による副作用は殆ど無い。
【0080】
(V)育毛効果:少数例なので更なる検討が必要だが、白髪部より黒髪の発生効果はある。と考察する。
【0081】
皮膚に四つ優れた効能、皮膚を滑らかに、白く、血色を良くし、皺に効果のあるコエンザイムQ10、システイン、ビタミンA,C,E及びワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液を主成分とする本発明者の上皮改善外用剤は、外耳、鼻腔、副鼻腔、口腔、咽頭、扁桃、喉頭、気管、気管支、肺胞上皮への超音波ネブライザー吸入、噴霧、又は歯間ブラシでの歯間塗布、性器上皮、白髪部の皮膚への塗布によって、今まで開示されなかった効果のある、即ち外耳道の掻痒、歯肉炎、歯周炎、かぜ症候群、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、性感覚改善、メラニン色素含有毛髪の発生に効果のあるまったく新しい上皮改善治療剤である。
【0082】
以上詳述した効能については、今後組織学的に精査が必要である。また本発明者の外用剤の毛髪、皮膚への優れた効果と同様に、詳細は不明であるが、外的刺激、微生物感染、アレルギー反応、老化、病的状態等により劣化した、更に生体が生来備えている外敵からの攻撃に対する防御機能の低下した外耳、鼻腔、副鼻腔、口腔、咽頭、扁桃、喉頭、気管、気管支、肺胞上皮等の上皮機能の活性化、再生を促し、上皮を健全化した結果かと考察する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0083】
本発明において使用されるコエンザイムQ10は補酵素として生物活性を有し、ミトコンドリアの電子伝達系の構成成分で、ATPの生合成賦活成分としてエネルギーを生み出す働きがある。コエンザイムQ10はユビキノン類(2.3―ジメトキシー5―メチルー6ポリプレニルー1、4ベンゾキノン)の側鎖のイソプレン単位が10である人特有のユビキノン類であり、ユビデカレノン又は補酵素UQ10とも呼ばれている。分子量は863.36で、融点が約48度の黄色から橙黄色の結晶性の粉末で、匂い及び味はない。エーテルに溶けやすく、光によって分解し、着色が強くなる。コエンザイムQ10の添加量としては特に制限されることはないが、好ましくは0.001〜4.0重量部、より好ましくは0.03〜1.2重量部である。これ以上の濃度では上皮への好影響が向上することが期待できず、又これ以下の濃度では上皮への好影響が期待されない。
【0084】
本発明において使用されるシステインは、生体内代謝系において、SH供与体としての役割を果たし、SH酵素の賦活剤として作用する。皮膚代謝の正常化、抗アレルギー、解毒作用がある。システインもしくはその誘導体としても特に限定されるものではないが、L―システインの誘導体としては、N―アセチルーL―システイン、L―ホモシステイン、L―システイン酸、L―ホモシステイン酸、L―システインスルフィン酸、S−スルフイノーL―システイン、S−スルホーL―システイン、シスチンなどを挙げる事が出来る。又L―システインおよびその誘導体の塩としては、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩を挙げることが出来る。本発明において、L―システイン、その誘導体またはそれらの塩としてはL―システインが好ましい。
【0085】
本発明において使用されるビタミンAは網膜の暗順応を高める作用、皮膚、粘膜の異常乾燥、角化を改善し、疾病に対する抵抗力を増す作用がある。ビタミンA類としては特に限定されるものではないが、その具体例として、レチノール、デヒドロレチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールもしくはこれらの誘導体等が挙げられ、レチノールの類縁化合物であるレチノイドとしてはレチナール、レチニールエステル、レチノイン酸等の誘導体が挙げられる。本発明において、レチノール、その誘導体としてはパルミチン酸レチノールが好ましい。
【0086】
本発明において使用されるアスコルビン酸もしくはその塩は、当初は抗壊血病作用を有すると考えられてきたが、更に生体内における細胞間基質とコラーゲンの形成維持に必要で、アスコルビン酸の投与により、コラーゲンの増加が見られる。又メラニン色素生成に関与し、チロジンからメラニンへの生成過程を抑制する。更に酸化型の濃色メラニンを還元型の淡色メラニンに変える作用があり、色素の異常沈着を防ぐ。更に蛋白質の代謝、内分泌機能にも関与する重用な物質である。ビタミンC類としては特に限定されるものではないが、その具体例として、L−アスコルビン酸およびその誘導体またはそれらの塩としては、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を挙げることが出来る。L−アスコルビン酸、およびその誘導体またはそれらの塩としては、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カリウム、L−アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸マグネシウムなどのL−アスコルビン酸塩、L−アスコルビン酸モノステアレート、L−アスコルビン酸モノパルミテート、L−アスコルビン酸モノオレエート等のアスコルビン酸モノアルキルまたはモノアルケニルエステル類;L−アスコルビン酸ジステアレート、L−アスコルビン酸ジパルミテート、L−アスコルビン酸ジオレエート等のL−アスコルビン酸ジアルキルまたはジアルケニルエステル類;L−アスコルビン酸トリステアレート、L−アスコルビン酸トリパルミテート、L−アスコルビン酸トリオレエート等のL−アスコルビン酸トリアルキルまたはトリアルケニルエステル類;L−アスコルビル硫酸、L−アスコルビル硫酸ナトリウム、L−アスコルビル硫酸カリウム、L−アスコルビル硫酸マグネシウム、L−アスコルビル硫酸カルシウム等のL−アスコルビン酸硫酸エステル類;L−アスコルビルリン酸、L−アスコルビルリン酸ナトリウム、L−アスコルビルリン酸カリウム、L−アスコルビルリン酸マグネシウム、L−アスコルビルリン酸カルシウム等のL−アスコルビン酸リン酸エステル類など;L−アスコルビン酸グリコシド等のアスコルビン酸配糖体などを挙げることが出来る。本発明において、L−アスコルビン酸、その誘導体またはそれらの塩としてはL−アスコルビン酸が好ましい。
【0087】
ビタミンEは妊娠、出産と関係あり、不老長寿の薬と言われ、末梢血管を拡張し血液循環をよくする働きがあり、ビタミンEとコエンザイムQ10は両成分が協力して電子の移動を調整し、体内の酸化反応を抑制するなど、非常に関係の強い成分同士として知られている。ビタミンE類としては、特に限定されるものではないが、その具体例としてはコハク酸トコフエロール、酢酸トコフエロール、ニコチン酸トコフエロールもしくはこれらの誘導体が挙げられる。本発明において、ビタミンE、その誘導体としてはニコチン酸トコフエロールが好ましい。
【0088】
ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液は皮膚の掻痒、冷感、異常知覚に、腰痛症、神経痛等の痛みに効果があり、抗アレルギー作用もある、本発明の必須成分である。
【0089】
抗アレルギー剤としては塩酸アゼラスチン、塩酸エピナスチン、塩酸オザグレル、塩酸オロバタジン、塩酸セチリジン、塩酸フェキソフエナジン、ロラタジン等を挙げることが出来る。ロラタジンはヒスタミンH1受容体拮抗作用と抗原誘発反応抑制作用があり、皮膚疾患の掻痒に効果があり、抗アレルギー作用もある抗アレルギー剤である。本発明においてはロラタジンが好ましい。
【0090】
以下に実施例を示して本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0091】
(実施例1)
外耳道掻痒感、かぜ症候群、アレルギー性鼻炎、気管支喘息用超音波ネブライザー噴霧、吸入用外用剤。 歯肉炎、歯周炎用外用剤の製法
噴霧、吸入液及び歯肉炎、歯周炎用外用剤は以下の組成で、常法により製造した。
NEソフトカプセル(ニコチン酸トコフエロール200mg) 20錠(軟カプセルは除く)
チョコラA(パルミチン酸レチノール) 30ml
アデリール錠10mg(コエンザイムQ10) 300錠
ハイチオール散32%(Lシステイン) 15g
アスコルビン酸(日本薬局方) 20g
ナブトピン(ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液)7.2単位 6ml
クラリチン錠10mg(ロラタジン) 20錠
精製水 500ml
【0092】
(実施例2)
性感覚改善、育毛用の上皮改善クリームの製法
以下の組成で、常法により本外用剤を製造した。
NEソフトカプセル(ニコチン酸トコフエロール200mg) 20錠(軟カプセルは除く)
チョコラA(パルミチン酸レチノール) 30ml
アデリール錠10mg(コエンザイムQ10) 300錠
ハイチオール散32%(Lシステイン) 15g
アスコルビン酸(日本薬局方) 20g
ナブトピン(ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液 7.2単位 6ml
流動パラフィン(日本薬局方) 50ml
親水軟膏 500g
【図面の簡単な説明】
【0093】
【0094】
【図1】 吸入用上皮改善剤の超音波ネブライザー吸入による気管支喘息患者の肺活量変動の図面である。吸入用上皮改善剤の吸入前又は吸入中より4ヶ月から1年4ヶ月吸入後の肺活量変化の図面である。3例は増加を示した。
【0095】
【図2】 吸入用上皮改善剤の超音波ネブライザー吸入による気管支喘息患者の努力性肺活量変動の図面である。吸入用上皮改善剤の吸入前又は吸入中より4ヶ月から1年4ヶ月吸入後の努力性肺活量変化の図面である。3例は変化を認めなかった。 *4黄色線は測定期間中に大腸癌手術。
【符号の説明】
【0096】
前:肺機能検査 1回目 吸入前2,3,
中:肺機能検査 1回目 吸入中4,
後:肺機能検査 2回目 吸入後
1:1000ml
VC:肺活量 FVC:努力性肺活量 FEV1.0%:1秒率 MMF:最大中間呼気流量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コエンザイムQ10、システイン、ビタミン及びワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液を含有する上皮改善剤。
【請求項2】
前記ビタミンがビタミンA,C,E,もしくはこれらの誘導体である請求項1に記載の上皮改善剤。
【請求項3】
外耳道、鼻腔、副鼻腔、口腔、咽頭、扁桃、喉頭、気管、気管支、肺胞、生殖器の上皮、及び毛髪の機能改善に使用する請求項1又は2記載の上皮改善剤。
【請求項4】
外耳道の掻痒感の改善に使用する請求項1又は3記載の上皮改善剤。
【請求項5】
歯肉炎、歯周炎の改善に使用する請求項1又は4記載の上皮改善剤。
【請求項6】
かぜ症候群の改善に使用する請求項1又は5記載の上皮改善剤。
【請求項7】
アレルギー性鼻炎の改善に使用する請求項1又は6記載の上皮改善剤。
【請求項8】
気管支喘息の改善に使用する請求項1又は7記載の上皮改善剤。
【請求項9】
性感覚改善に使用する請求項1又は8記載の上皮改善剤。
【請求項10】
白髪の部位よりメラニン色素含有の有色の毛髪が発生する育毛効果に使用する請求項1又は請求項9記載の上皮改善剤。
【請求項11】
システインが、Lシステインもしくはこの誘導体である請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の上皮改善剤。
【請求項12】
ビタミンAが、パルミチン酸レチノールもしくはこの誘導体である請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の上皮改善剤。
【請求項13】
ビタミンCが、アスコルビン酸もしくはこの誘導体である請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の上皮改善剤。
【請求項14】
ビタミンEが、トコフエロールもしくはこの誘導体である請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の上皮改善剤。
【請求項15】
請求項1ないし請求項14記載の上皮改善剤において、親水軟膏500重量部に対して、コエンザイムQ10(0.03〜1.2重量部)、Lシステイン(0.48〜2.4重量部)、ビタミンA(0.06〜0.36重量部)、ビタミンC(2.0〜8.0重量部)、ビタミンE(0.4〜1.6重量部)、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液3.6〜14.4単位、3ml〜12ml、(0.6〜2.4重量部)、流動パラフィン(4.4〜13.2重量部)、又は精製水500重量部に対して、コエンザイムQ10(0.03〜1.2重量部)、Lシステイン(0.48〜2.4重量部)、ビタミンA(0.06〜0.36重量部)、ビタミンC(2.0〜8.0重量部)、ビタミンE(0.4〜1.6重量部)、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液3.6〜14.4単位、3ml〜12ml、(0.6〜2.4重量部)、ロラタジン(0.01〜0.12重量部)を含有する上皮改善剤。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−255089(P2008−255089A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−279618(P2007−279618)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(506013092)
【Fターム(参考)】