説明

上皮系細胞シートの作製のための同種皮膚由来フィーダー細胞

【課題】ヒトを含めた被験体での再生医療に用い得る、安全な移植材料を提供する。
【解決手段】本発明によれば、上皮系細胞シートの作製において用いる、同種皮膚由来フィーダー細胞が提供される。また、本発明によれば、同種皮膚由来フィーダー細胞を用いて作製された上皮系細胞シート、及び同種皮膚由来細胞をフィーダー細胞として用いる上皮系細胞シートの作製方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上皮系細胞シートの作製において用いるフィーダー細胞に関する。より詳細には、本発明は、上皮系細胞シートの作製において用いる、同種皮膚由来フィーダー細胞に関する。また、本発明は、同種皮膚由来フィーダー細胞を用いて作製された上皮系細胞シート、及び同種皮膚由来細胞をフィーダー細胞として用いる上皮系細胞シートの作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
再生医療は、近年とみに研究が進展し、その可能性が注目されている。従来の医療は、臓器障害を可能な限り早期に発見し、その原因の除去及び生体防御反応の制御等を助けることにより、障害を受けた臓器の自然回復を待つ手法を採っていた。しかしながら、一定の限度を超えると、臓器障害は不可逆的となり、自然治癒による臓器の機能回復は困難となる。そのような不可逆的障害を受けた細胞、組織又は臓器を体内で再生するか(in vivo法)あるいは目的とする細胞、組織又は臓器を体外で人為的に再生した後に患者に移植する(ex vivo法)ことにより、治療を行う手法が再生医療である。
【0003】
上記のex vivo法では、移植のための細胞又は組織を調製するために、これらを体外で培養することが必要である。再生医療に用いられる細胞又は組織の培養には、多くの場合、フィーダー細胞又はフィーダー層と呼ばれる栄養支持細胞(層)との共培養が必要とされる。従来、このフィーダー細胞として、安定して目的細胞・組織の増殖を支持できるマウス由来線維芽細胞株などが用いられている。しかし、ヒトでの再生医療では、このような異種細胞の使用は、移植材料の外来性感染因子による汚染、及び異種細胞由来の成分による拒絶反応の惹起の可能性などから好ましくない。
【0004】
そのため、ex vivo法での移植材料の調製のために、フィーダー細胞としてヒト由来細胞を用いる試みがなされている。例えば、移植材料として広範な適用が期待されるヒト胚性幹細胞の培養のためのフィーダー細胞として、ヒト成体卵管線維芽細胞及びヒト胎児筋線維芽細胞(特許文献1)、ヒト肺線維芽細胞(特許文献2)、ヒト成体皮膚線維芽細胞(非特許文献1)、並びにヒト骨髄細胞(非特許文献2)を用いることが提案されている。
【0005】
一方、医療技術の著しい発展により、治療困難となった臓器を他人の臓器と置き換える臓器移植が一般化してきた。対象となる臓器も皮膚、角膜、腎臓、肝臓、心臓等と実に多様となり、術後の経過も格段に改善され、医療の一技術として既に確立されつつある。一例として角膜移植を挙げると、約40年前に日本にもアイバンクが設立され、移植活動が始められた。しかしながら、いまだドナー数が少なく、日本国内だけでも角膜移植の必要な患者が年間約2万人発生するのに対し、実際に移植治療を行うことができる患者は約1/10の2千人程度でしかないと言われている。角膜移植というほぼ確立された技術があるにもかかわらず、現状では、ドナー不足という問題のため新たな医療技術の開発が求められている。ドナーの不足によりニーズを満足するだけの移植治療を行うことができない状況は、他の臓器の移植に関してはより深刻である。また、他人の組織又は臓器を移植する場合、周知のとおり、拒絶反応が大きな問題である。
【0006】
このような背景の下で、以前より、人工代替物又は細胞を培養して組織化させたものを患者に移植する技術が注目されている。その代表的な例として、人工皮膚及び培養皮膚が挙げられる。しかしながら、合成高分子を用いた人工皮膚は、拒絶反応等が生じる可能性があり、移植用材料としては好ましくない。一方で、培養皮膚は、本人の正常な皮膚の一部を必要な大きさまで培養したものであるため、これを使用しても拒絶反応等の心配がなく、最も自然な移植用材料(マスキング剤)といえる。
【0007】
移植用培養皮膚に関しては、ヒト新生児由来表皮角化細胞をケラチン組織の膜が容器表面上に形成される条件下で培養し、生成したケラチン組織膜を酵素を用いて剥離させることを特徴とする、移植可能な培養細胞膜を製造する方法が提案されている(特許文献3)。具体的には、マウス線維芽細胞株である3T3細胞をフィーダー層として用いて、播種した表皮細胞を増殖させ、かつ重層化させる。このような方法は、現在では表皮角化細胞を培養する方法の主流となっている。しかしながら、この方法には、上記のように、異種細胞をフィーダー細胞として用いていることに関する問題がある。
【0008】
この点を解決すべく、これまでに種々の検討がなされてきた。例えば、3T3細胞の馴化培地を用いて培養基材上で表皮角化細胞を培養する方法が提案されている(特許文献4及び5)。しかしながら、この方法では、異種動物の細胞自体の混入を防ぐことはできるが、馴化培地中に外来性感染因子が混入する危険性は回避することができず、また移植材料中に異種細胞由来の成分が取り込まれることが予想されるため、基本的に同様な問題が残される。
【0009】
その他に、ヒト由来の細胞をフィーダー層として、組織培養に利用しようとする試みもなされている。例えば、ヒトの皮下脂肪組織由来細胞をフィーダー細胞として用いて、上皮細胞を培養する方法が提案されている(特許文献6)。この方法では、移植材料を患者自身から採取した細胞から調製し、かつ移植材料の調製に用いるフィーダー細胞として同じ患者由来の細胞を用いることができるため、上記のような外来性感染因子による汚染及び異種細胞由来成分の混入の問題は最小限にすることができる。しかしながら、この方法は、ヒトの皮下組織の採取を必要とし、このステップでの侵襲が非常に大きいため、最良の方法であるとは言えない。
【0010】
【特許文献1】特表2005−503822号公報
【特許文献2】国際公開第2005/078070号パンフレット
【特許文献3】特公平2−23191号公報
【特許文献4】特開平9−313172号公報
【特許文献5】特開2001−149070号公報
【特許文献6】国際公開第2005/035739号パンフレット
【非特許文献1】Richardsら,Stem Cells,2003,21,p.546−556
【非特許文献2】Chengら,Stem Cells,2003,21,p.131−142
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記のとおり、再生医療に用いる移植材料の調製のために、安全かつ入手容易なフィーダー細胞の供給が必要とされている。特に、ヒトでの再生医療での使用のための、ヒト由来移植材料用のヒト自己由来フィーダー細胞であって、現実的に利用可能であるために低侵襲で入手することができるものが求められている。しかしながら、現状では、ヒトでの適用に要求される安全性を満たし、フィーダー細胞として十分に機能し、かつ低侵襲であるという必要な条件をすべて満たすそのようなシステムは開発されていない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題に鑑み、移植材料として有用な上皮系細胞シートの培養において、ヒト自己由来皮膚細胞をフィーダー細胞として用いるシステムを開発した。本発明で用いる皮膚由来細胞は、極めて侵襲性の低い方法により採取可能である。また、本発明者らが開発したシステムを用いれば、自己由来の移植材料の調製に際して、自己由来の細胞をフィーダー細胞として使用することができるため、外来性感染因子による汚染の危険性、並びに異種細胞由来成分の混入及びそれによる拒絶反応の惹起の危険性を最小限にすることができる。したがって、本発明は、再生医療の実用化において非常に有利である。
【0013】
すなわち、本発明は、以下の特徴を有する。
(1)上皮系細胞シートの作製において用いるフィーダー細胞であって、前記上皮系細胞と同種の個体の皮膚に由来する、上記フィーダー細胞。
(2)前記上皮系細胞に対して自己由来である、上記(1)に記載のフィーダー細胞。
(3)ヒト由来である、上記(1)又は(2)に記載のフィーダー細胞。
(4)線維芽細胞である、上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のフィーダー細胞。
(5)前記上皮系細胞が、角膜上皮細胞、口腔粘膜上皮細胞、及び/又は結膜上皮細胞である、上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載のフィーダー細胞。
(6)同種皮膚由来細胞をフィーダー細胞として用いて培養された、上皮系細胞シート。
(7)前記皮膚由来細胞が、前記上皮系細胞に対して自己由来である、上記(6)に記載の細胞シート。
(8)前記皮膚由来細胞がヒト由来である、上記(6)又は(7)に記載の細胞シート。
(9)前記上皮系細胞が、角膜上皮細胞、口腔粘膜上皮細胞、及び/又は結膜上皮細胞である、上記(6)〜(8)のいずれか1つに記載の細胞シート。
(10)組織の一部若しくは全部の欠損を伴う疾患又は状態を治療若しくは処置するためのものである、上記(6)〜(9)のいずれか1つに記載の細胞シート。
(11)前記疾患又は状態が、角膜上皮幹細胞疲弊症又は屈折矯正手術後の角膜上皮欠損である、上記(10)に記載の細胞シート。
(12)同種皮膚由来細胞をフィーダー細胞として用いて上皮系細胞を培養するステップを含む、上皮系細胞シートの作製方法。
(13)前記皮膚由来細胞が、前記上皮系細胞に対して自己由来である、上記(12)に記載の方法。
(14)前記皮膚由来細胞がヒト由来である、上記(12)又は(13)に記載の方法。
(15)前記上皮系細胞が、角膜上皮細胞、口腔粘膜上皮細胞、及び/又は結膜上皮細胞である、上記(12)〜(14)のいずれか1つに記載の方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、公知の方法と比較して極めて低侵襲で同種由来フィーダー細胞を入手することが可能となるため、異種細胞をフィーダー細胞として用いることなく移植材料を調製することが非常に容易になる。すなわち、本発明により、安全な移植材料の入手可能性が画期的に高まり、これは再生医療の普及に対して大きな原動力となり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明は上皮系細胞シートの作製において用いる、同種皮膚由来フィーダー細胞に関する。また、本発明は、同種皮膚由来フィーダー細胞を用いて作製された上皮系細胞シート、及び同種皮膚由来細胞をフィーダー細胞として用いる上皮系細胞シートの作製方法に関する。
【0016】
一態様において、本発明は、上皮系細胞シートの作製において用いる、同種皮膚由来フィーダー細胞を提供する。
【0017】
本発明において、「フィーダー細胞」とは、動物組織/細胞から誘導された移植材料の培養において、該移植材料の形成を支援する支持細胞(群)を意味する。本明細書中では、「フィーダー細胞」及び「フィーダー層」との用語は、相互に交換可能に用いられる。通常用いられるフィーダー細胞は、形態及びタンパク質発現などの特徴から線維芽細胞と特徴付けられる細胞からなる。したがって、本発明におけるフィーダー細胞もまた、細胞分類上は線維芽細胞に属する細胞からなるものであり得る。線維芽細胞の特徴は、当業者に周知であるが、例えば、ディッシュ上での培養で紡錘形に近い形態を有すること、コラーゲンなどの細胞外マトリックスタンパク質を発現することなどが挙げられる。
【0018】
移植材料の調製においては、多くの場合、まずフィーダー細胞を構成する細胞を培養基材上に播種し、該細胞を基材に接着させた後、目的とする移植材料のための細胞をその上に播種し、適切な条件下で培養することにより細胞分化/組織形成させる。このとき、フィーダー細胞と移植材料との間には、メンブレン等のさらなる支持材を挿入してもよい。培養を培養ディッシュ上で行う場合には、さらなる支持材は培養インサートの形状となっているのが有利である。目的とする移植材料が上皮系細胞シートである場合、支持材としてカルチャーインサートタイプの温度応答性培養皿(セルシード社から入手可能;Hirose,M.,ら,Biomacromolecules,2000,1,p.377−381などを参照されたい)を用いることができる。
【0019】
本明細書中では、「皮膚細胞」及び「皮膚由来細胞」との用語は、相互に交換可能に用いられ、いずれも、フィーダー細胞を構成する、皮膚組織由来の培養細胞を意味する。上記のとおり、移植材料の培養のためのフィーダー細胞は、通常は線維芽細胞の特徴を有する細胞からなるので、本発明における皮膚由来細胞もまた線維芽細胞の特徴を有する細胞からなるものであり得る。
【0020】
皮膚から細胞を取得し、培養する方法は当業者に周知であるが、例えば、真皮を含む皮膚組織を直径3mm程度採取するステップ、採取した皮膚組織から表皮層を除去し、真皮層を得るステップ、真皮層を細切し、適切な培地中に播種し、インキュベートするステップを含む。皮膚組織の採取は、体表面の皮膚を極めて小さな範囲にわたって採取することにより行われ、したがって侵襲が少なく、創傷治癒は早い。しかしながら、ヒトから皮膚組織を採取する場合には、組織採取の部位及び大きさ、並びに術後の痛みについて被験者から予め同意を得る必要がある。皮膚由来フィーダー細胞を培養するために用いる培地は、皮膚由来の線維芽細胞が正常に増殖し得るものであれば特に制約されないが、それを用いて作製した上皮系細胞シートをヒトに使用する場合には、培地成分の由来が明確なもの、又は医薬品としての使用が認められている成分からなるものが望ましい。培地には、該皮膚由来細胞を採取した個体に由来する血清を加えることもできる。
【0021】
本発明のフィーダー細胞は、上皮系細胞との共培養の前に、2回以上、好ましくは3〜5回継代することができる。好ましくは本発明のフィーダー細胞は、さらに、上皮系細胞との共培養の前に増殖を止めるための処理を施される。該処理とは、限定するものではないが、例えば放射線処理、マイトマイシンC処理等を含み、好ましくは放射線処理である。放射線処理は、例えば40グレイの線量で行うことができる。
【0022】
上皮系細胞シートの作製のための本発明のフィーダー細胞は、例えば、上記のようにして得た皮膚由来の培養細胞を、増殖を止めるために放射線照射し、適切な密度(例えば、5×10〜2×10細胞/60mmディッシュ)で細胞培養ディッシュに播種し、12〜36時間インキュベートすることにより調製することができる。
【0023】
本発明において、「同種」とは、生物学的な分類上、同一の種に属することを意味する。また、同様に「異種」とは、生物学的な分類上、異なる種に属することを意味する。例えば、マウス由来細胞は、ヒトに対して「異種」である。同種由来のフィーダー細胞を用いて上皮系細胞シートなどの移植材料を調製することは、上記のとおり、異種細胞に由来する外来性感染因子、特に人畜共通感染症の原因病原体などによる移植材料の汚染防止につながり、また、移植材料に異種細胞由来成分が混入することによる拒絶反応の惹起を防ぐ。
【0024】
本発明において「上皮系細胞シート」及び「上皮細胞シート」との用語は相互に交換可能に用いられ、上皮組織に由来する細胞若しくはその子孫、又は上皮細胞に分化させた細胞(以下、単に「上皮系細胞」と記す。)を、フィーダー層を含むか含まない平面状の培養基材上で培養することにより、シート状構造を形成させたものを意味する。個々の上皮組織及び上皮細胞の特徴は標準的な組織学の教科書などに記載されており、当業者は容易に知得することができる。典型的には、上皮組織は、基底層に近い部分では小型の未分化な細胞により構成され、表層に近い部分は分化した比較的大型で扁平な細胞から構成されている。最表部は角化している場合がある。上記のようにシート状構造を形成した上皮系細胞同士は、細胞間接着により十分に接着しており、移植に耐え得る強度を有する。
【0025】
上皮系細胞シートの作製方法は、当業者には周知であり、国際公開第2005/035739号パンフレット及びNishida,K.,ら,N Engl J Med.,2004,351(12),p.1187−1196などに詳細に記載されている。例えば口腔粘膜上皮から作製する場合には、限定するものではないが、以下のステップを含むことができる:対象動物の口腔をポビドン・ヨードで消毒し、キシロカイン等で局所麻酔した後、頬粘膜から3mm平方の粘膜組織を切除するステップ、得られた粘膜組織片にディスパーゼ処理を施し、上皮層を基底膜から剥離するステップ、トリプシン処理などにより、細胞を分散させ、単一細胞懸濁液を調製するステップ、フィーダー層上の細胞培養インサートに口腔粘膜由来細胞を播種するステップ、該細胞を10〜20日間、好ましくは14〜17日間培養するステップ、及び培養インサートから上皮系細胞シートを回収するステップを含む。上皮系細胞を培養するために用いる培地は、KCM培地など、上皮細胞が正常に増殖し得るものであれば特に制約されないが、該細胞から形成される上皮系細胞シートをヒトに使用する場合には、培地成分の由来が明確なもの、又は医薬品としての使用が認められている成分からなるものが望ましい。口腔粘膜は再生能力が高いので、組織採取による傷は瘢痕を残すことなく迅速に治癒する。口腔粘膜組織の採取は、口腔機能に影響を与えないことはもちろん、痛みも軽度である。組織採取後は、鎮痛剤、抗生物質及び消炎剤などを用いた処置を行うことが好ましい。
【0026】
上皮系細胞シートは、重層化していることが好ましい。ここで「重層化」とは、細胞が何層か重なって肥厚した平面を形成していることを意味する。上皮系細胞シートが重層化している場合、表層に近い細胞は比較的扁平な形状を有し、培養基材に近い側の細胞は丈の高い立方体ないし多面体になっていること、すなわち、生体内に存在する重層扁平上皮の形態に近い形態的特徴を示す。上皮系細胞シートの重層化は、該シートを包埋してブロックを作製し、それを薄切して切片を作製し、該切片をヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)することにより、構造を調べることによって確認することができる。
【0027】
好ましい実施形態では、本発明の皮膚由来フィーダー細胞は、それを用いて培養される上皮系細胞に対して自己由来である。
【0028】
本発明において「自己由来」とは、それぞれの細胞が同じ個体に由来することを意味する。例えば、上皮系細胞シート作製のために上皮系細胞を採取した患者自身から、皮膚細胞を採取し、それをフィーダー細胞として用いる場合、該フィーダー細胞は該上皮系細胞に対して「自己由来」である。自己由来の細胞同士は、同一の個体から採取するのであれば、同時期に採取されてもよいし、異なる時期に採取されてもよい。
【0029】
好ましい実施形態では、本発明のフィーダー細胞はヒト由来である。上記のとおり、本発明のフィーダー細胞とそれを用いて培養される上皮系細胞とは同種由来であるため、該フィーダー細胞がヒト由来であれば、該上皮系細胞もヒト由来である。ヒト由来のフィーダー細胞を用いて調製された上皮系細胞シートは、外来性感染因子による汚染及び異種細胞由来成分による拒絶反応の心配なく、ヒトに対して好適に用いることができる。
【0030】
特定の実施形態では、上皮系細胞は、角膜上皮細胞、口腔粘膜上皮細胞、及び結膜上皮細胞のいずれか、あるいはこれらのうち2つ以上を混合した細胞である。本発明では、上皮細胞は特に口腔粘膜上皮細胞である。これらには、上記の「上皮系細胞」の定義と同様に、角膜上皮、口腔粘膜上皮、又は結膜上皮に由来する上皮細胞、その子孫、又は未分化な細胞からそれらの細胞に分化させた細胞が含まれる。
【0031】
口腔粘膜上皮細胞を用いて調製された上皮系細胞シートは、無縫合移植術を用いてそれを移植することにより、角膜表面を再構築することができ、重症の両眼性眼表面疾患の治療に有効であることが示されている(Nishida,K.,ら、上掲)。
【0032】
好ましい実施形態では、上皮系細胞シートは、組織の一部若しくは全部の欠損を伴う疾患又は状態を治療若しくは処置するためのものである。そのような疾患としては、眼科疾患、特に角膜疾患、皮膚疾患、消化管疾患、気道疾患、生殖器疾患などが挙げられる。特定の実施形態では、該疾患又は状態は、角膜移植を必要とする角膜疾患又は状態である。例えば、該角膜疾患又は状態は、角膜びらん及び/又は角膜潰瘍を伴うものである。あるいは、該角膜疾患又は状態は、角膜上皮に大きな損傷を伴うものである。そのような疾患又は状態としては、特に、角膜上皮幹細胞疲弊症又は屈折矯正手術後(例えば、PRK手術後)の角膜上皮欠損が挙げられる。角膜上皮疲弊症には、熱傷による角膜傷害、薬剤への直接曝露による角膜傷害、スティーブンス・ジョンソン症候群によるものなどが含まれる。代表的にはエキシマレーザーを用いる屈折矯正手術(例えば、PRK手術)では、角膜上皮が損傷し、その治癒の過程で角膜の濁り(“haze”)が生じることがあるため、それを防ぐために角膜上皮損傷の迅速な治癒が求められる。
【0033】
別の態様では、本発明は、同種由来皮膚細胞をフィーダー細胞として用いて作製された上皮系細胞シートを提供する。該上皮系細胞シートは、典型的には重層化している。好ましくは、該皮膚細胞は、それをフィーダー細胞として用いて培養される上皮系細胞に対して自己由来である。
【0034】
好ましい実施形態では、上記皮膚細胞はヒト由来である。該皮膚細胞とそれを用いて培養される上皮系細胞とは同種由来であるため、該皮膚細胞がヒト由来であれば、該上皮系細胞もヒト由来である。ヒト由来のフィーダー細胞を用いて調製された上皮系細胞シートは、外来性感染因子による汚染及び異種細胞由来成分による拒絶反応の心配なく、ヒトに対して好適に用いることができる。
【0035】
特定の実施形態では、上皮系細胞は、角膜上皮細胞、口腔粘膜上皮細胞、及び結膜上皮細胞のいずれか、あるいはこれらのうち2つ以上を混合した細胞である。本発明では、上皮細胞は特に角膜上皮細胞又は口腔粘膜上皮細胞である。
【0036】
好ましい実施形態では、本発明の上皮系細胞シートは、組織の一部若しくは全部の欠損を伴う疾患又は状態を治療若しくは処置するためのものである。そのような疾患又は状態としては、眼科疾患、特に角膜疾患、皮膚疾患、消化管疾患、気道疾患、生殖器疾患などが挙げられる。特定の実施形態では、該疾患は、角膜移植を必要とする角膜疾患又は状態である。例えば、該角膜疾患又は状態は、角膜びらん及び/又は角膜潰瘍を伴うものである。あるいは、該角膜疾患又は状態は、角膜上皮に大きな損傷を伴うものである。そのような疾患又は状態としては、特に、角膜上皮幹細胞疲弊症又は屈折矯正手術後(例えば、PRK手術後)の角膜上皮欠損が挙げられる。角膜上皮疲弊症には、熱傷による角膜傷害、薬剤への直接曝露による角膜傷害、スティーブンス・ジョンソン症候群によるものなどが含まれる。代表的にはエキシマレーザーを用いる屈折矯正手術(例えば、PRK手術)では、角膜上皮が損傷し、その治癒の過程で角膜の濁り(“haze”)が生じることがあるため、それを防ぐために角膜上皮損傷の迅速な治癒が求められる。
【0037】
別の態様では、本発明は、同種皮膚由来細胞をフィーダー細胞として用いる上皮系細胞シートの作製方法を提供する。典型的には、該上皮系細胞シートは重層化している。好ましくは、該皮膚由来細胞は、それをフィーダー細胞として用いて培養される上皮系細胞に対して自己由来である。
【0038】
好ましい実施形態では、上記皮膚細胞はヒト由来である。該皮膚細胞とそれを用いて培養される上皮系細胞とは同種由来であるため、該皮膚細胞がヒト由来であれば、該上皮系細胞もヒト由来である。ヒト由来のフィーダー細胞を用いて調製された上皮系細胞シートは、外来性感染因子による汚染及び異種細胞由来成分による拒絶反応の心配なく、ヒトに対して好適に用いることができる。
【0039】
特定の実施形態では、上皮系細胞は、角膜上皮細胞、口腔粘膜上皮細胞、及び結膜上皮細胞のいずれか、あるいはこれらのうち2つ以上を混合した細胞である。本発明では、上皮細胞は特に角膜上皮細胞又は口腔粘膜上皮細胞である。
【0040】
好ましい実施形態では、上皮系細胞シートは、組織の一部若しくは全部の欠損を伴う疾患又は状態を治療若しくは処置するためのものである。そのような疾患又は状態としては、眼科疾患、特に角膜疾患、皮膚疾患、消化管疾患、気道疾患、生殖器疾患などが挙げられる。特定の実施形態では、該疾患は、角膜移植を必要とする角膜疾患又は状態である。例えば、該角膜疾患又は状態は、角膜びらん及び/又は角膜潰瘍を伴うものである。あるいは、該角膜疾患又は状態は、角膜上皮に大きな損傷を伴うものである。そのような疾患又は状態としては、特に、角膜上皮幹細胞疲弊症又は屈折矯正手術後(例えば、PRK手術後)の角膜上皮欠損が挙げられる。角膜上皮疲弊症には、熱傷による角膜傷害、薬剤への直接曝露による角膜傷害、スティーブンス・ジョンソン症候群によるものなどが含まれる。代表的にはエキシマレーザーを用いる屈折矯正手術(例えば、PRK手術)では、角膜上皮が損傷し、その治癒の過程で角膜の濁り(“haze”)が生じることがあるため、それを防ぐために角膜上皮損傷の迅速な治癒が求められる。
【0041】
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、これにより本発明の範囲が何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0042】
ヒト皮膚由来フィーダー細胞の調製
ヒト皮膚組織から細胞を調製した。ヒト被験者には、組織採取の部位及び大きさ、並びに術後の痛みについて十分に説明し、予め同意を得た。被験者皮膚から、直径3mmのデルマパンチ(ニプロ社製)を用いて、皮膚組織を真皮を含めて採取した。
【0043】
組織採取後の培養ステップは、すべてクリーンベンチ内で無菌操作により行った。採取した皮膚組織から表皮層を切除し、残った真皮層を細切した。真皮片を培地中に入れ、35mmディッシュに播種し、培養した。培地は、10%の被験者由来自己血清を添加したDMEM(インビトロジェン社製)に、さらにファンギゾン(ブリストル・マイヤーズ社製)及びゲンタシン(シェリング・プラウ社製)を添加したものを用いた。このようにして得た皮膚由来線維芽細胞の初代培養を、3〜4回継代し、増殖させて、フィーダー細胞とした。得られた細胞は、形態学的な特徴から線維芽細胞であると考えられた。下記の粘膜上皮との共培養の前に、増殖を抑えるために、得られたフィーダー細胞を放射線照射した(40グレイ)。
【実施例2】
【0044】
口腔粘膜上皮細胞の調製
ヒト口腔粘膜上皮細胞を調製した。実施例1で皮膚組織を採取したのと同一のヒト被験者から口腔粘膜組織を採取した。口腔粘膜組織採取は、被験者の口腔内をポビドン・ヨードで消毒し、シタネストで局所麻酔を施したあと、頬粘膜から3〜5mm平方の粘膜組織を切除することにより行った。粘膜組織採取後には、被験者に鎮痛剤、抗生物質及び消炎剤を投与した。
【0045】
採取した口腔粘膜組織をディスパーゼ(インビトロジェン社製)で処理し(2.4U/mL、4℃、4時間)、上皮層を基底膜から剥離した。上皮層をトリプシン・EDTA溶液(インビトロジェン社製)を用いて処理して、細胞層を分散させ、単一細胞懸濁液を得た。
【実施例3】
【0046】
コロニーアッセイ
実施例1で調製したヒト皮膚由来細胞が、上皮系細胞シート作製のためのフィーダー細胞として機能し得ることを確認するために、コロニーアッセイを行った。対照として、既に上皮細胞シート作製のフィーダー細胞として報告されている(Nishida,K.,ら、上掲)NIH/3T3細胞を用いた。
【0047】
コロニーアッセイの方法は以下のとおりとした。増殖を抑制するためにともに40グレイの線量で放射線処理した、実施例1で調製した皮膚由来細胞(2.5×10細胞/mL、10%自己血清DMEM)及びNIH/3T3細胞(1×10細胞/mL、10%FBS DMEM)を60mmディッシュに播種した(培地:4mL/ディッシュ)。約24時間のインキュベーション(37℃、5%CO)後、実施例2で調製した口腔粘膜上皮細胞3,000個又は5,000個を、フィーダー細胞層の上に直接播種し、培養した(培地:KCM、37℃、5%CO)。約10日間培養した後、ホルマリン固定し、ローダミンでコロニーを染色し、コロニー形成率を調べた。
【0048】
ローダミン染色の結果を図1に示す。コロニー形成率は、直径2mm以上の細胞集団をコロニーとして目視によりコロニー数を計数し、形成されたコロニー数/播種した口腔粘膜細胞数(%)として算出した。皮膚由来細胞及びNIH/3T3細胞をフィーダー細胞として得られたコロニー形成率は、それぞれ1.0%及び2.3%であった。このことから、実施例1で調製した皮膚由来細胞が、既に報告されているフィーダー細胞(NIH/3T3細胞)と比較して遜色なく、口腔粘膜上皮に対するフィーダー細胞として機能し得ることが示された。
【実施例4】
【0049】
口腔粘膜上皮シートの作製
口腔粘膜上皮シートの作製方法は以下のとおりとした。増殖を抑制するためにともに40グレイの線量で放射線処理した、実施例1で調製した皮膚由来細胞(2.5×10細胞/mL、10%自己血清DMEM)及びNIH/3T3細胞(1×10細胞/mL、10%FBS DMEM)を6ウェルプレートに播種した(培地:2mL/ウェル)。約24時間のインキュベーション(37℃、5%CO)後、フィーダー細胞の上に、6ウェルプレート用温度応答性細胞培養インサート(セルシード社製)をセットし、その上に実施例2で調製した口腔粘膜上皮細胞を播種した(2×10細胞/ウェル、培地:KCM)。上記培養インサートには、温度応答性インテリジェントポリマーがコーティングされており、該ポリマーは37℃では薄膜状となり、その上での細胞の接着及び増殖を支援するが、30℃未満に温度を下げると親水化する。これにより、その上で形成された細胞シートを、タンパク質分解酵素による処理などを行うことなく、インタクトなまま回収することができる(特開2004−261532号公報;特開平2006−261533号公報;Hirose,M.,ら、上掲)。
【0050】
37℃、5%COにて培養を開始し、7日後及び10日後に、播種した口腔粘膜上皮細胞がシートを形成していることが確認された。その後、培養を継続し、14日後には重層化した上皮細胞シートが得られた。上皮細胞シートの重層化は、位相差顕微鏡での観察によって、例えば、細胞の並び方、焦点の合い具合などから判断することができる。
【0051】
重層化した上皮細胞シートの回収方法は以下のとおりとした。上皮細胞シートを、培養プレートごと20℃で30分間冷却した。培地を静かに吸引し、中心を直径1.5cmの同心円状に切り抜いた直径2.1cmのドーナツ型のフッ化ポリビニリデン(PVDF)メンブレンキャリアを、形成された上皮細胞シートにかぶせた。続いて、上皮細胞シートをキャリアとともに培養インサートから剥離させた。得られた上皮細胞シートは移植等の操作に耐え得る強度を有しているようであった。
【0052】
形態学的観察
形成された上皮細胞シートについて、形態学的観察を行った。上皮細胞シートをパラフィン包埋し、厚さ方向に薄切し、10μm厚の切片を得た。得られた切片について、常法に従いヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)を施した。結果を図2に示す。皮膚由来細胞をフィーダー細胞として用いた場合(図2、左パネル)とNIH/3T3細胞をフィーダー細胞として用いた場合(図2、右パネル)のいずれにおいても、上皮細胞は重層化した細胞シートを形成しており、ここで、基底部には未分化な小型の細胞が観察され、表層には分化した比較的大型で扁平な細胞が観察された。これにより、形成された上皮細胞シートは、いずれのフィーダー細胞を用いた場合でも、正常な上皮様の形態を有することが示された。
【0053】
免疫組織化学
また、上皮細胞シートについて免疫組織化学的分析を行った。上皮細胞シートをOCTコンパウンドに包埋し、3μm厚の凍結切片を得た。得られた切片について、それぞれケラチン3(K3)(モノクローナル、AE5、Progen Biotechnik)、ケラチン10(K10)(モノクローナル、Dako)、ZO−1(モノクローナル、ZYMED)、p63(モノクローナル、4A4、Santa Cruz Biotechnology)及びMUC−16(モノクローナル、abcam)に対する抗体を用いて免疫染色を行い、蛍光標識二次抗体により可視化し、蛍光顕微鏡観察により染色像を得た。細胞核はHoechst33342を用いて対比染色されている。結果を図3に示す。角膜上皮に特異的に発現するケラチン3(K3)は、いずれの上皮細胞シートにおいても強く発現していた(図3、最上段)。角化上皮で発現するケラチン10(K10)は、培養上皮細胞シートでは発現していなかった(図3、2段目)。上皮の幹細胞マーカーであるp63は、いずれの上皮細胞シートにおいても基底部の細胞で発現していたことが見て取れる(図3、3段目)。上皮組織において細胞間に形成されるタイトジャンクションを構成する膜の裏打ちタンパク質であるZO−1は、いずれの上皮細胞シートにおいても最表層の細胞間において検出された(図3、4段目)。上皮細胞に発現する膜貫通型ムチンであるMUC−16は、最表層の細胞において検出された(図3、最下段)。以上より、皮膚細胞をフィーダー細胞として形成された上皮細胞シートは、NIH/3T3細胞をフィーダー細胞として用いた場合とまったく同様のタンパク質発現を示し、これにより、これら2種のフィーダー細胞を用いた上皮細胞シートが互いに機能的に同等であることが示唆された。
【0054】
シート中に含まれる細胞数
形成された口腔粘膜上皮細胞シートに含まれる細胞数は、異なる2人の被験者から採取した口腔粘膜組織由来細胞について、皮膚由来細胞をフィーダーとして用いた場合、それぞれ8.0×10及び8.0×10細胞/シート、並びにNIH/3T3細胞をフィーダー細胞として用いた場合、1.1×10及び1.6×10細胞/シートであった。この結果からも、皮膚由来のフィーダー細胞が、NIH/3T3細胞に対して遜色なく、口腔粘膜上皮細胞シートの形成を支援することが示された。
【0055】
まとめ
以上より、自己由来皮膚から得たフィーダー細胞は、口腔粘膜上皮細胞からの細胞シートの形成を良好に支援し得ることが示された。上記のとおり、口腔粘膜上皮細胞を用いて作製された細胞シートは、無縫合移植術を用いてそれを移植することにより、角膜表面を再構築することができ、重症の両眼性眼表面疾患の治療に有効であることが示されている(Nishida,K.,ら、上掲)。また、屈折矯正手術後の角膜上皮欠損については、ウサギを用いた実験において、フィーダー細胞を用いない系で作製した角膜上皮細胞シートによる処置が有効であることが示されている(Hayashida,Y.,ら,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.,2006,47,2,552−557)。したがって、本実施例において作製された上皮系細胞シートもまた、角膜上皮幹細胞疲弊症等の重症眼疾患の治療及び屈折矯正手術後の角膜上皮欠損の処置に有効であることが予想される。ここで、同種由来、さらには自己由来フィーダー細胞を用いて作製された本実施例の上皮系細胞シートは、異種細胞を用いて作製された既報の細胞シートよりも明らかに有用であることが当業者には容易に理解されるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、安全な移植材料を提供することにより、再生医療及びそのための治療用医薬品の製造などにおいて有用性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】皮膚由来細胞(左パネル)及びNIH/3T3細胞(右パネル)をフィーダー細胞として用いた場合の、口腔粘膜上皮細胞のコロニー形成を示す写真である。
【図2】皮膚由来細胞(左パネル)及びNIH/3T3細胞(右パネル)をフィーダー細胞として用いた場合の、口腔粘膜上皮細胞からの上皮系細胞シートのHE染色像である。
【図3】皮膚由来細胞(左パネル)及びNIH/3T3細胞(右パネル)をフィーダー細胞として用いた場合の、口腔粘膜上皮細胞からの上皮系細胞シートについての種々のタンパク質の発現を表す免疫染色像である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上皮系細胞シートの作製において用いるフィーダー細胞であって、前記上皮系細胞と同種の個体の皮膚に由来する、上記フィーダー細胞。
【請求項2】
前記上皮系細胞に対して自己由来である、請求項1に記載のフィーダー細胞。
【請求項3】
ヒト由来である、請求項1又は2に記載のフィーダー細胞。
【請求項4】
線維芽細胞である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィーダー細胞。
【請求項5】
前記上皮系細胞が、角膜上皮細胞、口腔粘膜上皮細胞、及び/又は結膜上皮細胞である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィーダー細胞。
【請求項6】
同種皮膚由来細胞をフィーダー細胞として用いて培養された、上皮系細胞シート。
【請求項7】
前記皮膚由来細胞が、前記上皮系細胞に対して自己由来である、請求項6に記載の細胞シート。
【請求項8】
前記皮膚由来細胞がヒト由来である、請求項6又は7に記載の細胞シート。
【請求項9】
前記上皮系細胞が、角膜上皮細胞、口腔粘膜上皮細胞、及び/又は結膜上皮細胞である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の細胞シート。
【請求項10】
組織の一部若しくは全部の欠損を伴う疾患又は状態を治療若しくは処置するためのものである、請求項6〜9のいずれか1項に記載の細胞シート。
【請求項11】
前記疾患又は状態が、角膜上皮幹細胞疲弊症又は屈折矯正手術後の角膜上皮欠損である、請求項10に記載の細胞シート。
【請求項12】
同種皮膚由来細胞をフィーダー細胞として用いて上皮系細胞を培養するステップを含む、上皮系細胞シートの作製方法。
【請求項13】
前記皮膚由来細胞が、前記上皮系細胞に対して自己由来である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記皮膚由来細胞がヒト由来である、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記上皮系細胞が、角膜上皮細胞、口腔粘膜上皮細胞、及び/又は結膜上皮細胞である、請求項12〜14のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2009−225675(P2009−225675A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−71677(P2008−71677)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【Fターム(参考)】