上顎洞膜挙上用ドリル
本発明は、上顎洞膜挙上用ドリルを開示する。
本発明は、上顎洞内膜と面接触をなす曲面処理された枠を持つ接触面と前記接触面に繋がって削除された骨片を保管・排出するための骨保持空間と、を含み、前記骨保持空間は、切削方向に向ける第1の内側壁とこの第1の内側壁と対向する第2の内側壁とが繋がることにより形成され、前記第1の内側壁は、前記第2の内側壁より高く形成されることにより、切削方向に露出する切削面を更に含む構成である。
このように構成される本発明は、上顎骨に接触するドリルの端部であるヘッドが、段差や角の無い丸い形状に提供されることで、前記ヘッドが上顎骨を完全に貫通して、上顎洞内膜に接触する場合にも、上顎洞内膜に対する裂け及び損傷を未然に防止することができ、施術の安全性を高められるだけでなく、施術時間を大幅に短縮できるという利点がある。
本発明は、上顎洞内膜と面接触をなす曲面処理された枠を持つ接触面と前記接触面に繋がって削除された骨片を保管・排出するための骨保持空間と、を含み、前記骨保持空間は、切削方向に向ける第1の内側壁とこの第1の内側壁と対向する第2の内側壁とが繋がることにより形成され、前記第1の内側壁は、前記第2の内側壁より高く形成されることにより、切削方向に露出する切削面を更に含む構成である。
このように構成される本発明は、上顎骨に接触するドリルの端部であるヘッドが、段差や角の無い丸い形状に提供されることで、前記ヘッドが上顎骨を完全に貫通して、上顎洞内膜に接触する場合にも、上顎洞内膜に対する裂け及び損傷を未然に防止することができ、施術の安全性を高められるだけでなく、施術時間を大幅に短縮できるという利点がある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用インプラントの植立のための施術に使われるドリルに関し、より詳細には、上部の顎骨である上顎骨の穿孔を安全かつ精密に実施できるようにして、施術の安全性を保障し、施術の便宜性を保障できるようにする上顎洞膜挙上用ドリルに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、歯科用インプラントとは、人体の歯牙が喪失された時、これを代替する人工構造物を称するものであって、喪失された歯牙の歯根(根)に代われるように、人体に拒否反応のないチタニウム(Titanium)などの合金で作られた人工歯根を、歯が抜け出た歯槽骨に植え込んで癒着させた後、人工歯牙を固定させ、歯牙の元の機能を回復する機能を持つ。
【0003】
このようなインプラントの施術を考察してみると、大きく、インプラント植立のために、軟組織の切開及び剥離手術と、骨削除手術と、インプラント植立手術と、上部補綴物の完成とに大別され、軟組織の切開及び剥離手術は、一般歯周手術の原理と大して違わない。ここで、骨削除手術は、大きく、皮質骨を削除し、海綿骨を削除する過程であり、基本原理は、植立すべき周囲の骨を研磨し、植立部位を表示した後、皮質骨に穴を小さく開け、次第に広げて、植立しようとするインプラントの直径とほぼ同じか、若干小さな大きさまで拡大した後、インプラントを植立するものである。
【0004】
一方、インプラントは、穿孔用工具の一種であるドリルを使用して患者の歯槽骨を穿孔してから植立するが、この場合、歯槽骨の穿孔作業は、多くの時間がかかるだけでなく、施術の難易度が高くて、非常に重要である。
【0005】
ここで、インプラントを植立するための通常のドリル穿孔作業を簡略に考察してみると、まず、歯牙が損失された部位の歯槽骨の上段部を切開して広げた後、インプラントの位置と方向を決定するために製作されたサジカル・ガイド(Surgical Guide)を装着し、初期のドリルとしてポイントドリルを使用して水を供給しながら、歯槽骨の表面にインプラントの植立位置を設定し、次いで、ファースト・ドリル(First Drill)に交替して歯槽骨に水を供給しながら、前記穴を広げた後、パイロット・ドリル(Pilot Drill)に交替して歯槽骨に水を供給しながら、前記穴の上端部を拡張する。このような過程を介して、所定の深さの穴を小さいサイズから大きいサイズに漸次穴を広めてドリリングする。次いで、ファイナル・ドリル(Final Drill)に交替して歯槽骨に水を供給しながら、前記穴の下端部を拡張する。続いて、タップ・ドリル(Tap Drill)に交替して歯槽骨に水を供給しながら、前記穴にねじ山を形成する。そして、前記ねじ山が形成されたねじ孔にフィクスチャーを、所定の機構を用いて結合した後、フィクスチャーに支台柱を締結して、前記支台柱に人工歯牙を接着剤を用いて固定する。
【0006】
特に、患者のうち、相当数は、インプラントを施術し難しい口腔構造を有しており、施術に困難さがあり、代表的に上顎洞が位置した臼歯部での残存骨が不足した場合である。このような場合、上顎洞内膜を持ち上げて、すなわち、挙上させて空間を形成した後、確保された空間に骨移植をし、ここに、インプラントを埋植する方法を用いることになり、この場合の埋植方法としては、垂直接近法と側方接近法との2つに大別される。
【0007】
まず、垂直接近法(osteotome technic)は、インプラント施術部位に残存骨がある程度確保された場合(残存骨の厚さが4mm以上)の方法であって、上顎洞内膜に損傷が発生しないように、オステオトーム(鑿と槌)という機構により上顎骨を複数回叩いて、直径2〜3mmの穴をあけた後、穴を介して移植骨を少しずつ入れる方式であり、これは、施術部位が狭くて、手術後に患者にとって浮腫発生が少ないという長所があるが、施術過程で長い間大変注意深く上顎洞下骨を叩かなければならないため、多くの時間がかかり、施術過程での打撃により、患者にとって相当な不快感を誘発させるという問題点があった。
【0008】
次に、側方接近法は、インプラント施術部位の残存骨が非常に不足する場合(残存骨の厚さ4mm以下)の方法であって、上顎洞の側面に穴(Windows)を形成して上顎洞内膜を挙上させた後、これを介して骨移植をする方式であり、これは、施術中に上顎洞内膜を直接見ながら持ち上げることができ、上顎洞内膜に損傷が発生する場合が少ないだけでなく、もし損傷が発生したとしても、迅速な後処理が可能であり、一度に所望の量の骨移植材を速く入れることができ、施術時間を短縮できるという長所があるが、高度な熟練度を要求して、手術自体が難しいだけでなく、大きい弁膜を形成しなければならないので、手術後、激しい浮腫が発生するという問題点のため、忌避されている実情にある。
【0009】
一方、近来は、上記の方法と共に、一般のインプラント用ドリル及びトレフィン・ドリルを用いた上顎洞挙上術が研究されているが、インプラント用ドリルによる術式は、患者の拒否感を最小化しながら、手術の容易成と時間短縮を図れるという長所はあっても、ドリルの回転により上顎骨の穿孔が完了する瞬間、ドリル刃が上顎洞内膜と接触することを遮断するほどの手段が設けられていないため、結果として、ドリル刃により上顎洞内膜が裂けたり、損傷される危険性が非常に高いので、これによる解決策が要求されている実情にある。
【0010】
これにより、従来には、特許登録第619145号をもって、‘上顎洞挙上術のためのインプラントドリル’が出願されたことがあり、このような先登録特許での前記インプラントドリルは、管状のボディの端部にカッティング溝が形成され、サンクを具備した中心軸が設けられ、歯科用一般ハンドピースに装着されるインプラント用トレフィン・ドリルであって、前記管状のボディに弾力的に設置され、端部のカッティング溝の中央から長さ方向に出没する突出部材を含み、この場合の前記突出部材は、管状のボディ内部にバネによって支持されるように挿入され、前記突出部材には、凸条が形成され、管状のボディ内部には、凹条が形成され、前記凸条と凹条とが互いに噛み合って、突出部材が管状のボディ内部から離脱しないように構成されたことを提案している。
【0011】
しかしながら、従来の上顎洞挙上術のためのドリルは、管状のボディの外周部に突出部材を一体に構成することで、切削のための有効切削面積の減少による弊害があるだけでなく、構造が複雑であるので、製作が難しく、施術後の消毒のための分解・組立が難しいという問題点があった。
【0012】
特に、切削要素である管状のボディ部分がバネにより支持されることで、円滑な切削が困難であるだけでなく、突出部材の先端部が鋭く加工されていることで、上顎洞内膜に対する損傷を誘発する危険性が大きいという短所がある。
【0013】
従来のもう一つの技術として、ピエゾ・エレクトリック・ディバイスを用いて上顎洞内膜を挙上するものがあり、これは、回転によって骨を削除することではなく、微細な振動によって骨削除をするため、硬い骨は、削除されるが、軟組織は、削除され難いので、上顎洞内膜を損傷させなく、上顎洞骨を穿孔できるという長所がある。
【0014】
しかしながら、この技術の短所は、骨を削除するのにとても多くの時間がかかるという点と、穿孔時に機構が上顎洞内に挿入される深さを制御する装置がないという点である。緻密骨の厚さが厚い場合、長時間がかかり、時間がかかりすぎると、いつ穿孔されるか分からないために不安であり、力を込め過ぎって、穿孔される瞬間、上顎洞内に機構が入って、物理的な力によって上顎洞内膜が裂けたり、損傷される危険性が大きいという短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するために創出されたものであって、本発明の目的は、インプラント植立のための上顎骨の穿孔時に上顎洞膜の損傷を誘発しないで、安定した穿孔を実施できるようにして、施術の便宜性と患者の不便さを最小化しながら、ドリルのように早く骨を削除して施術時間を短縮できるインプラント施術用ドリルを提供することにある。すなわち、早く骨を削除しながらも、上顎洞内膜に接触しても上顎洞内膜が穿孔されなく、ドリルが上顎洞骨を穿孔した後、上顎洞内部に過度に挿入されて上顎洞内膜を損傷させないように、安全要素を持つ上顎洞専用ドリルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を実現するための本発明の望ましい実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルは、上顎洞内膜と面接触をなす曲面処理された枠を持つ接触面と前記接触面に繋がって削除された骨を保管・排出するための骨保持空間と、を含み、前記骨保持空間は、切削方向に向ける第1の内側壁とこの第1の内側壁と対向する第2の内側壁とが繋がることにより形成され、前記第1の内側壁は、前記第2の内側壁より高く形成されることにより、切削方向に露出する切削面を更に含むことをその特徴とする。
【0017】
本発明の望ましい一つの特徴として、前記接触面は、長尺のボディーの一側に一体に形成されるもので、前記ボディーの直径に比べて拡張された直径を持つか、又は、縮小された直径を持つヘッドに備えられることにある。
【0018】
本発明の望ましい他の特徴として、前記骨保持空間は、軸線を含むことにある。本発明の望ましい更に他の特徴として、前記ボディーは、他側に歯科用ハンドピースに繋がるサンクが一体に形成されることにある。
【0019】
本発明の望ましい更に他の特徴として、前記ボディーは、直径が広がった円筒形の嵌め込み部とこの嵌め込み部の一側に直径が広がった円盤状の後退防止板とが形成され、前記嵌め込み部には、中空の管状を持つもので、前記ヘッドの上顎骨の削除深さを制限するストッパーが選択的に備えられることにある。
【0020】
本発明の望ましい更に他の特徴として、前記骨保持空間は、前記ヘッドからボディーの一側を貫通した穴に形成されることにある。
【0021】
本発明の望ましい更に他の特徴として、前記骨保持空間は、前記ヘッドからボディーの一側に凹んだ溝に形成されることにある。
【0022】
本発明の望ましい更に他の特徴として、前記第1の内側壁と第2の内側壁とは、円形、三角形、多角形状のいずれか一つであることにある。
【0023】
本発明の望ましい更に他の特徴として、前記骨保持空間は、接触面の軸線を中心に1〜3つに形成されることにある。
【0024】
本発明の望ましい更に他の特徴として、前記接触面は、表面が平坦面、凸に突出された曲面、軸線を中心に周辺部に向けて傾斜を持つ傾斜面のいずれか一つであることにある。
【0025】
本発明の望ましい更に他の特徴として、前記骨保持空間は、削除骨が次第に排出され得るように、接触面から後方側へ進みながら、平行又は広がるように形成されることにある。
【0026】
本発明の望ましい更に他の特徴として、前記骨保持空間は、少なくとも2つ以上が備えられ、その一つは、軸線を含むように形成されることにある。
【0027】
本発明の望ましい更に他の特徴として、前記ストッパーは、前記嵌め込み部に弾性的に嵌め込まれるもので、等間隔をおいて長さ方向に沿って形成されるスリットにより分割して備えられる弾性片となる弾性部と;前記弾性部から延長形成される支持管部と;前記支持管部から延長形成され、前記ヘッドを収容できるほど拡張された直径を持つ接触管部と、を含んで形成されることにある。
【0028】
本発明の特徴及び利点は、添付の図面に基づいた以下の詳細な説明により更に明らかになるであろう。これに先立って、本明細書及び請求範囲に使用された用語や単語は、通常的で辞典的な意味で解析されるべきではなく、発明者が彼自身の発明を最も最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義できる旨の原則に立って、本発明の技術的思想に符合する意味と概念として解釈されるべきである。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る上顎洞膜挙上用ドリルは、上顎骨に接触するドリルの端部であるヘッドの先端面が上顎洞内膜に対して幅広く接触、すなわち、面接触をなし得る形状に提供されることで、前記ヘッドが上顎骨を完全に貫通して、上顎洞内膜に接触する場合にも、上顎洞内膜に対する裂け及び損傷を未然に防止することができ、施術の安全性を高められるだけでなく、施術時間を大幅に短縮できるという利点がある。
【0030】
また、ボディーの外周部に弾性的に嵌め込まれるストッパーによりドリリングの深さを制限できるので、施術の安全性を確保できるだけでなく、構造が簡素であり、使用及び取扱上の便宜性の向上と共に、大量量産を可能にして、製品の標準化及び経済的な普及を可能にする効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図17】本発明の第3の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図18】本発明の第3の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図19】本発明の第4の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図20】本発明の第4の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図21】本発明の第4の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図22】本発明の第4の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図23】本発明の第4の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図24】本発明の第4の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図25】本発明の第5の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図26】本発明の第5の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図27】本発明の第5の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図28】本発明の第5の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図29】本発明の第5の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図30】本発明の第5の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図31】本発明の第6の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図32】本発明の第6の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図33】本発明の第6の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図34】本発明の第6の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図35】本発明の第6の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図36】本発明の第6の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付の図面を参照して、本発明に係る上顎洞膜挙上用ドリルを説明すれば、以下の通りである。
【0033】
まず、図面のうち、同じ構成要素又は部品は、できるだけ同じ参照符号に示していることを留意するべきである。
【0034】
本発明を説明するに際して、関連した公知の機能、あるいは、構成に関する具体的な説明は、本発明の要旨を曖昧でなくするために省略する。
【0035】
図1から図6は、本発明の第1の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示した図であって、図1は、本実施形態に係る斜視図を示したものであり、図2は、図1を基準に上方から見た平面図を示したものであり、図3は、正面図を示したものである。そして、図4は、図1を基準に下方から見た底面を示したものであり、図5は、背面図であり、最後に、図6は、接触面を説明するための図1を基準に左側から見た左側面図である。
【0036】
これらの図に示しているように、本発明の上顎洞膜挙上用ドリル1は、大きく円柱状を持つもので、所定の長さを持つ管状のボディー20と、ボディー20の一側端に一体に備えられるもので、上顎洞骨に対する削除を実施する切削端部であるヘッド10と、を備え、選択的にヘッド10と対向するボディー20の他側端に、歯科用ハンドピースに繋ぐためのサンク10が形成される。
【0037】
このような構成は、公知の上顎洞膜挙上用ドリルの構成と同様である。但し、本発明は、ヘッド10を形成する際に、インプラント施術のための上顎骨の穿孔時に、上顎骨の上部に位置した上顎洞内膜に対する穿孔及び損傷を防止できるように切削面12aを形成することと、この切削面12aを含むもので、削除された骨片を保管維持及び排出する骨保持空間11を形成することと、ヘッド10を用いた骨削除の深さを制限できるように、ボディー20上にストッパーを選択的に具備させることを主要な技術的特徴とする。
【0038】
ヘッド10は、ボディー20と同じ直径に備えられるか、あるいは、縮小・拡張された大きさを持つように形成され、その枠は、角が無いように丸み加工、すなわち、曲面に形成される。
【0039】
このようなヘッド10は、先端面である接触面10’を前記上顎骨内膜に接触する際に幅広く面接触をなすことができるように、平坦に加工してできた平坦面か、あるいは、凸に突出された曲面か、あるいは、軸線を中心に周辺部に向けて下向傾斜を持つ緩やかな傾斜角を持つ円錐面として提供されてもよい。
【0040】
また、接触面10’には、削除された骨を保管・排出するための一つの骨保持空間11が形成されるが、この場合の骨保持空間11は、切削方向に向ける第1の内側壁12と第1の内側壁12と対向する第2の内側壁13とが繋がることにより形成される。本実施形態では、第1の内側壁12と第2の内側壁13とは、緩やかな曲面を持つように連結形成されることを示している。
【0041】
ここで、第1の内側壁12は、第2の内側壁13より高く形成されることにより切削方向に露出する切削面12aを備え、この場合の切削面12aは、加工方向に回転させた時に、上顎骨に対する削除を実施することになる。このように削除された骨片は、骨保持空間11に一定量だけ満たされた後、外部に排出する。
【0042】
一方、骨保持空間11は、ヘッド10から底板部10の一側まで凹んだ形態に形成され、図から分かるように、ヘッド10の先端面と側面、そしてボディー20の側面に開口した形態を持つ。また、骨保持空間11は、軸線を含むことが望ましく、これは、ドリルの回転時、軸線部分で骨削除が安定的に行われるようにするためである。
【0043】
ボディー20は、ヘッド10と共に骨保持空間11が連結形成され、この骨保持空間11の後方側外周面には、直径が広がった円筒形状を持つ嵌め込み部21が形成され、この嵌め込み部21の一側、すなわち、後方側には、後述するストッパー40が嵌め込まれた時に後退移動することを防止するための後退防止板23が形成される。
【0044】
ストッパー40は、ヘッド10の上顎骨削除深さを制限するための中空の管状を持つ部材であって、嵌め込み部21に弾力的に嵌め込まれる複数の弾性片41aを管状に配置してできた弾性部41と、弾性部41の一側に延長形成されるもので、ボディー20が円滑に挿入され得る程度の内径を持つ支持管部43と、支持管部43の一側に延長形成されるもので、ヘッド10を収容可能な程度の拡張された直径を持つ接触管部45と、から構成される。
【0045】
ここで、弾性部41は、等間隔をおいて長さ方向に沿って形成されるスリットにより複数の弾性片41aからなり、このような弾性部41は、嵌め込み部21に締り嵌めが可能な程度の内径を持つ。
【0046】
このようなストッパー40は、上顎骨の穿孔深さによって多様な長さに用意され、接触管部45がヘッド10の露出程度を制限することで、結果として、ヘッド10による上顎骨の穿孔時に一定の深さを削除すれば、接触管部45が、上顎骨に接触することで、ヘッド10が進行出来なくなり、削除される程度を制限できるようになる。
【0047】
このように構成される本発明の一実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルは、加工方向に回転させた時、切削面12aが上顎骨に対する削除を実施することになり、この場合、削除された骨片は、切削面12aに連結形成された骨保持空間11に満たされることになり、前記空間に一定量の骨片が満たされると、ボディー20側に移動排出される。
【0048】
以後、ヘッド10の接触面10’が上顎骨を穿孔すれば、接触面10’と保持された骨片とにより一つに形成された滑らかな面が、上顎骨内膜に幅広く接触、すなわち、面接触することにより、上顎骨内膜の損傷を防止できるようになる。
【0049】
図7から図12は、本発明の第2の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示した図であって、図7は、本実施形態に係る斜視図を示したものであり、図8は、図7を基準に上方から見た平面図を示したものであり、図9は、正面図を示したものである。そして、図10は、図7を基準に下方から見た底面を示したものであり、図11は、背面図であり、最後に、図12は、接触面を説明するための図7を基準に左側から見た左側面図である。
【0050】
本実施形態での上顎洞膜挙上用ドリル1は、前述した第1の実施形態とその構成面で同様であり、同じ構成要素に対しては、同じ符号を付して、その詳述は、省略する。
【0051】
本実施形態において特徴的な要素は、第1の内側壁12と第2の内側壁13とは、前述した第1の実施形態とは異なり、図から分かるように繋がる。すなわち、第1の内側壁12と第2の内側壁13とは、相互平行に向かい合い、その上、第2の内側壁13が、第1の内側壁12と鋭角を持つように連結形成される。
【0052】
図13から図18は、本発明の第3の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示した図であって、骨保持と膜穿孔をより最小化するための実施例である。図13は、本実施形態に係る斜視図を示したものであり、図14は、図13を基準に上方から見た平面図を示したものであり、図15は、正面図を示したものである。そして、図16は、図13を基準に下方から見た底面を示したものであり、図17は、背面図であり、最後に、図18は、接触面を説明するためのものであり、図13を基準に左側から見た左側面図である。
【0053】
本実施形態での上顎洞膜挙上用ドリル1は、前述した第1の実施形態とその構成面で同様である。但し、既骨保持空間11を形成する際に、前述した第1の実施形態では、凹んだ溝形態を提案したが、本実施形態では、貫通された穴状に提供されていることを提案した。これは、上顎洞膜の損傷を最小化するためのより安全な形状であり、但し、外側連結部の切削力の向上のために、外側連結部の切削面は、上部に鋭角に形成されていることが適当である。
【0054】
図19から図24は、本発明の第4の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示した図であって、図19は、本実施形態に係る斜視図を示したものであり、図20は、図19を基準に上方から見た平面図を示したものであり、図21は、正面図を示したものである。そして、図22は、図19を基に下方から見た底面を示したものであり、図23は、背面図であり、最後に、図24は、接触面を説明するための図19を基準に左側から見た左側面図である。
【0055】
本実施形態での上顎洞膜挙上用ドリル1は、前述した第1の実施形態とその構成が同様であり、同じ構成要素に対しては、同じ符号を付して、その詳細な説明は、省略する。
【0056】
本実施形態での特徴的な要素は、骨保持空間11を形成する際に、図から分かるように、等間隔をおいて2つ備えられることを提案している。
【0057】
この場合の骨保持空間11は、第1の内側壁12と第2の内側壁13とが向かい合うように配置され、相互緩やかな曲面を持つように連結形成される。
【0058】
また、前記1対の骨保持空間11を形成する際に、前記2つの骨保持空間のいずれか一つは、上顎骨に対する均一な削除を実施できるように軸線を含むことが望ましい。
【0059】
図25から図30は、本発明の第5の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示した図であって、図25は、本実施形態に係る斜視図を示したものであり、図26は、図25を基準に上方から見た平面図を示したものであり、図27は、正面図を示したものである。そして、図28は、図25を基準に下方から見た底面を示したものであり、図29は、背面図であり、最後に、図30は、接触面を説明するための図25を基準に左側から見た左側面図である。
【0060】
本実施形態での上顎洞膜挙上用ドリル1は、前述した第2の実施形態とその構成が同様であるので、同じ構成要素に対しては、同じ符号を付して、その詳細な説明は、省略する。
【0061】
本実施形態での特徴的な要素は、骨保持空間11を形成する際に、図から分かるように、等間隔をおいて2つ備えられることを提案している。
【0062】
この場合の骨保持空間11は、第1の内側壁12と第2の内側壁13とが向かい合うように配置され、第1の内側壁12と第2の内側壁13とが鋭角を持つように連結形成される。
【0063】
また、前記1対の骨保持空間11を形成する際に、いずれか一つは、上顎骨に対する効果的な削除を実施できるように軸線を含むことが望ましい。
【0064】
図31から図36は、本発明の第6の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示した図であって、図31は、本実施形態に係る斜視図を示したものであり、図32は、図31を基準に上方から見た平面図を示したものであり、図33は、正面図を示したものである。そして、図34は、図31を基準に下方から見た底面を示したものであり、図35は、背面図であり、最後に、図36は、接触面を説明するための図31を基準に左側から見た左側面図である。
【0065】
本実施形態での上顎洞膜挙上用ドリル1は、前述した第3の実施形態とその構成が同様であるので、同じ構成要素に対しては、同じ符号を付して、その詳細な説明は、省略する。
【0066】
本実施形態での特徴的な要素は、前記上顎洞膜挙上用ドリル1は、前述した第3の実施形態とその構成が同様である。
【0067】
但し、本実施形態では、骨保持空間11を形成する際に、図から分かるように、等間隔をおいて2つ備えられることを提案している。
【0068】
この場合の前記各々の骨保持空間11は、貫通された穴状に提供され、2つのいずれか一つは、上顎骨に対する均一で効果的な削除を実施できるように、軸線を含むことが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
一方、本発明は、適用部位を上顎洞として例を上げたが、記載の実施形態に限定されるものではなく、下顎臼歯部等、適用部位を変更して使用することが可能であり、本発明の思想及び範囲を逸脱しないで、多様に修正及び変形できることは、この技術分野において通常の知識を有する者にとっては自明である。したがって、そのような変形例又は修正例は、本発明の特許請求範囲上に属するとすべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用インプラントの植立のための施術に使われるドリルに関し、より詳細には、上部の顎骨である上顎骨の穿孔を安全かつ精密に実施できるようにして、施術の安全性を保障し、施術の便宜性を保障できるようにする上顎洞膜挙上用ドリルに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、歯科用インプラントとは、人体の歯牙が喪失された時、これを代替する人工構造物を称するものであって、喪失された歯牙の歯根(根)に代われるように、人体に拒否反応のないチタニウム(Titanium)などの合金で作られた人工歯根を、歯が抜け出た歯槽骨に植え込んで癒着させた後、人工歯牙を固定させ、歯牙の元の機能を回復する機能を持つ。
【0003】
このようなインプラントの施術を考察してみると、大きく、インプラント植立のために、軟組織の切開及び剥離手術と、骨削除手術と、インプラント植立手術と、上部補綴物の完成とに大別され、軟組織の切開及び剥離手術は、一般歯周手術の原理と大して違わない。ここで、骨削除手術は、大きく、皮質骨を削除し、海綿骨を削除する過程であり、基本原理は、植立すべき周囲の骨を研磨し、植立部位を表示した後、皮質骨に穴を小さく開け、次第に広げて、植立しようとするインプラントの直径とほぼ同じか、若干小さな大きさまで拡大した後、インプラントを植立するものである。
【0004】
一方、インプラントは、穿孔用工具の一種であるドリルを使用して患者の歯槽骨を穿孔してから植立するが、この場合、歯槽骨の穿孔作業は、多くの時間がかかるだけでなく、施術の難易度が高くて、非常に重要である。
【0005】
ここで、インプラントを植立するための通常のドリル穿孔作業を簡略に考察してみると、まず、歯牙が損失された部位の歯槽骨の上段部を切開して広げた後、インプラントの位置と方向を決定するために製作されたサジカル・ガイド(Surgical Guide)を装着し、初期のドリルとしてポイントドリルを使用して水を供給しながら、歯槽骨の表面にインプラントの植立位置を設定し、次いで、ファースト・ドリル(First Drill)に交替して歯槽骨に水を供給しながら、前記穴を広げた後、パイロット・ドリル(Pilot Drill)に交替して歯槽骨に水を供給しながら、前記穴の上端部を拡張する。このような過程を介して、所定の深さの穴を小さいサイズから大きいサイズに漸次穴を広めてドリリングする。次いで、ファイナル・ドリル(Final Drill)に交替して歯槽骨に水を供給しながら、前記穴の下端部を拡張する。続いて、タップ・ドリル(Tap Drill)に交替して歯槽骨に水を供給しながら、前記穴にねじ山を形成する。そして、前記ねじ山が形成されたねじ孔にフィクスチャーを、所定の機構を用いて結合した後、フィクスチャーに支台柱を締結して、前記支台柱に人工歯牙を接着剤を用いて固定する。
【0006】
特に、患者のうち、相当数は、インプラントを施術し難しい口腔構造を有しており、施術に困難さがあり、代表的に上顎洞が位置した臼歯部での残存骨が不足した場合である。このような場合、上顎洞内膜を持ち上げて、すなわち、挙上させて空間を形成した後、確保された空間に骨移植をし、ここに、インプラントを埋植する方法を用いることになり、この場合の埋植方法としては、垂直接近法と側方接近法との2つに大別される。
【0007】
まず、垂直接近法(osteotome technic)は、インプラント施術部位に残存骨がある程度確保された場合(残存骨の厚さが4mm以上)の方法であって、上顎洞内膜に損傷が発生しないように、オステオトーム(鑿と槌)という機構により上顎骨を複数回叩いて、直径2〜3mmの穴をあけた後、穴を介して移植骨を少しずつ入れる方式であり、これは、施術部位が狭くて、手術後に患者にとって浮腫発生が少ないという長所があるが、施術過程で長い間大変注意深く上顎洞下骨を叩かなければならないため、多くの時間がかかり、施術過程での打撃により、患者にとって相当な不快感を誘発させるという問題点があった。
【0008】
次に、側方接近法は、インプラント施術部位の残存骨が非常に不足する場合(残存骨の厚さ4mm以下)の方法であって、上顎洞の側面に穴(Windows)を形成して上顎洞内膜を挙上させた後、これを介して骨移植をする方式であり、これは、施術中に上顎洞内膜を直接見ながら持ち上げることができ、上顎洞内膜に損傷が発生する場合が少ないだけでなく、もし損傷が発生したとしても、迅速な後処理が可能であり、一度に所望の量の骨移植材を速く入れることができ、施術時間を短縮できるという長所があるが、高度な熟練度を要求して、手術自体が難しいだけでなく、大きい弁膜を形成しなければならないので、手術後、激しい浮腫が発生するという問題点のため、忌避されている実情にある。
【0009】
一方、近来は、上記の方法と共に、一般のインプラント用ドリル及びトレフィン・ドリルを用いた上顎洞挙上術が研究されているが、インプラント用ドリルによる術式は、患者の拒否感を最小化しながら、手術の容易成と時間短縮を図れるという長所はあっても、ドリルの回転により上顎骨の穿孔が完了する瞬間、ドリル刃が上顎洞内膜と接触することを遮断するほどの手段が設けられていないため、結果として、ドリル刃により上顎洞内膜が裂けたり、損傷される危険性が非常に高いので、これによる解決策が要求されている実情にある。
【0010】
これにより、従来には、特許登録第619145号をもって、‘上顎洞挙上術のためのインプラントドリル’が出願されたことがあり、このような先登録特許での前記インプラントドリルは、管状のボディの端部にカッティング溝が形成され、サンクを具備した中心軸が設けられ、歯科用一般ハンドピースに装着されるインプラント用トレフィン・ドリルであって、前記管状のボディに弾力的に設置され、端部のカッティング溝の中央から長さ方向に出没する突出部材を含み、この場合の前記突出部材は、管状のボディ内部にバネによって支持されるように挿入され、前記突出部材には、凸条が形成され、管状のボディ内部には、凹条が形成され、前記凸条と凹条とが互いに噛み合って、突出部材が管状のボディ内部から離脱しないように構成されたことを提案している。
【0011】
しかしながら、従来の上顎洞挙上術のためのドリルは、管状のボディの外周部に突出部材を一体に構成することで、切削のための有効切削面積の減少による弊害があるだけでなく、構造が複雑であるので、製作が難しく、施術後の消毒のための分解・組立が難しいという問題点があった。
【0012】
特に、切削要素である管状のボディ部分がバネにより支持されることで、円滑な切削が困難であるだけでなく、突出部材の先端部が鋭く加工されていることで、上顎洞内膜に対する損傷を誘発する危険性が大きいという短所がある。
【0013】
従来のもう一つの技術として、ピエゾ・エレクトリック・ディバイスを用いて上顎洞内膜を挙上するものがあり、これは、回転によって骨を削除することではなく、微細な振動によって骨削除をするため、硬い骨は、削除されるが、軟組織は、削除され難いので、上顎洞内膜を損傷させなく、上顎洞骨を穿孔できるという長所がある。
【0014】
しかしながら、この技術の短所は、骨を削除するのにとても多くの時間がかかるという点と、穿孔時に機構が上顎洞内に挿入される深さを制御する装置がないという点である。緻密骨の厚さが厚い場合、長時間がかかり、時間がかかりすぎると、いつ穿孔されるか分からないために不安であり、力を込め過ぎって、穿孔される瞬間、上顎洞内に機構が入って、物理的な力によって上顎洞内膜が裂けたり、損傷される危険性が大きいという短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するために創出されたものであって、本発明の目的は、インプラント植立のための上顎骨の穿孔時に上顎洞膜の損傷を誘発しないで、安定した穿孔を実施できるようにして、施術の便宜性と患者の不便さを最小化しながら、ドリルのように早く骨を削除して施術時間を短縮できるインプラント施術用ドリルを提供することにある。すなわち、早く骨を削除しながらも、上顎洞内膜に接触しても上顎洞内膜が穿孔されなく、ドリルが上顎洞骨を穿孔した後、上顎洞内部に過度に挿入されて上顎洞内膜を損傷させないように、安全要素を持つ上顎洞専用ドリルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を実現するための本発明の望ましい実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルは、上顎洞内膜と面接触をなす曲面処理された枠を持つ接触面と前記接触面に繋がって削除された骨を保管・排出するための骨保持空間と、を含み、前記骨保持空間は、切削方向に向ける第1の内側壁とこの第1の内側壁と対向する第2の内側壁とが繋がることにより形成され、前記第1の内側壁は、前記第2の内側壁より高く形成されることにより、切削方向に露出する切削面を更に含むことをその特徴とする。
【0017】
本発明の望ましい一つの特徴として、前記接触面は、長尺のボディーの一側に一体に形成されるもので、前記ボディーの直径に比べて拡張された直径を持つか、又は、縮小された直径を持つヘッドに備えられることにある。
【0018】
本発明の望ましい他の特徴として、前記骨保持空間は、軸線を含むことにある。本発明の望ましい更に他の特徴として、前記ボディーは、他側に歯科用ハンドピースに繋がるサンクが一体に形成されることにある。
【0019】
本発明の望ましい更に他の特徴として、前記ボディーは、直径が広がった円筒形の嵌め込み部とこの嵌め込み部の一側に直径が広がった円盤状の後退防止板とが形成され、前記嵌め込み部には、中空の管状を持つもので、前記ヘッドの上顎骨の削除深さを制限するストッパーが選択的に備えられることにある。
【0020】
本発明の望ましい更に他の特徴として、前記骨保持空間は、前記ヘッドからボディーの一側を貫通した穴に形成されることにある。
【0021】
本発明の望ましい更に他の特徴として、前記骨保持空間は、前記ヘッドからボディーの一側に凹んだ溝に形成されることにある。
【0022】
本発明の望ましい更に他の特徴として、前記第1の内側壁と第2の内側壁とは、円形、三角形、多角形状のいずれか一つであることにある。
【0023】
本発明の望ましい更に他の特徴として、前記骨保持空間は、接触面の軸線を中心に1〜3つに形成されることにある。
【0024】
本発明の望ましい更に他の特徴として、前記接触面は、表面が平坦面、凸に突出された曲面、軸線を中心に周辺部に向けて傾斜を持つ傾斜面のいずれか一つであることにある。
【0025】
本発明の望ましい更に他の特徴として、前記骨保持空間は、削除骨が次第に排出され得るように、接触面から後方側へ進みながら、平行又は広がるように形成されることにある。
【0026】
本発明の望ましい更に他の特徴として、前記骨保持空間は、少なくとも2つ以上が備えられ、その一つは、軸線を含むように形成されることにある。
【0027】
本発明の望ましい更に他の特徴として、前記ストッパーは、前記嵌め込み部に弾性的に嵌め込まれるもので、等間隔をおいて長さ方向に沿って形成されるスリットにより分割して備えられる弾性片となる弾性部と;前記弾性部から延長形成される支持管部と;前記支持管部から延長形成され、前記ヘッドを収容できるほど拡張された直径を持つ接触管部と、を含んで形成されることにある。
【0028】
本発明の特徴及び利点は、添付の図面に基づいた以下の詳細な説明により更に明らかになるであろう。これに先立って、本明細書及び請求範囲に使用された用語や単語は、通常的で辞典的な意味で解析されるべきではなく、発明者が彼自身の発明を最も最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義できる旨の原則に立って、本発明の技術的思想に符合する意味と概念として解釈されるべきである。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る上顎洞膜挙上用ドリルは、上顎骨に接触するドリルの端部であるヘッドの先端面が上顎洞内膜に対して幅広く接触、すなわち、面接触をなし得る形状に提供されることで、前記ヘッドが上顎骨を完全に貫通して、上顎洞内膜に接触する場合にも、上顎洞内膜に対する裂け及び損傷を未然に防止することができ、施術の安全性を高められるだけでなく、施術時間を大幅に短縮できるという利点がある。
【0030】
また、ボディーの外周部に弾性的に嵌め込まれるストッパーによりドリリングの深さを制限できるので、施術の安全性を確保できるだけでなく、構造が簡素であり、使用及び取扱上の便宜性の向上と共に、大量量産を可能にして、製品の標準化及び経済的な普及を可能にする効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図17】本発明の第3の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図18】本発明の第3の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図19】本発明の第4の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図20】本発明の第4の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図21】本発明の第4の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図22】本発明の第4の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図23】本発明の第4の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図24】本発明の第4の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図25】本発明の第5の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図26】本発明の第5の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図27】本発明の第5の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図28】本発明の第5の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図29】本発明の第5の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図30】本発明の第5の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図31】本発明の第6の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図32】本発明の第6の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図33】本発明の第6の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図34】本発明の第6の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図35】本発明の第6の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【図36】本発明の第6の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付の図面を参照して、本発明に係る上顎洞膜挙上用ドリルを説明すれば、以下の通りである。
【0033】
まず、図面のうち、同じ構成要素又は部品は、できるだけ同じ参照符号に示していることを留意するべきである。
【0034】
本発明を説明するに際して、関連した公知の機能、あるいは、構成に関する具体的な説明は、本発明の要旨を曖昧でなくするために省略する。
【0035】
図1から図6は、本発明の第1の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示した図であって、図1は、本実施形態に係る斜視図を示したものであり、図2は、図1を基準に上方から見た平面図を示したものであり、図3は、正面図を示したものである。そして、図4は、図1を基準に下方から見た底面を示したものであり、図5は、背面図であり、最後に、図6は、接触面を説明するための図1を基準に左側から見た左側面図である。
【0036】
これらの図に示しているように、本発明の上顎洞膜挙上用ドリル1は、大きく円柱状を持つもので、所定の長さを持つ管状のボディー20と、ボディー20の一側端に一体に備えられるもので、上顎洞骨に対する削除を実施する切削端部であるヘッド10と、を備え、選択的にヘッド10と対向するボディー20の他側端に、歯科用ハンドピースに繋ぐためのサンク10が形成される。
【0037】
このような構成は、公知の上顎洞膜挙上用ドリルの構成と同様である。但し、本発明は、ヘッド10を形成する際に、インプラント施術のための上顎骨の穿孔時に、上顎骨の上部に位置した上顎洞内膜に対する穿孔及び損傷を防止できるように切削面12aを形成することと、この切削面12aを含むもので、削除された骨片を保管維持及び排出する骨保持空間11を形成することと、ヘッド10を用いた骨削除の深さを制限できるように、ボディー20上にストッパーを選択的に具備させることを主要な技術的特徴とする。
【0038】
ヘッド10は、ボディー20と同じ直径に備えられるか、あるいは、縮小・拡張された大きさを持つように形成され、その枠は、角が無いように丸み加工、すなわち、曲面に形成される。
【0039】
このようなヘッド10は、先端面である接触面10’を前記上顎骨内膜に接触する際に幅広く面接触をなすことができるように、平坦に加工してできた平坦面か、あるいは、凸に突出された曲面か、あるいは、軸線を中心に周辺部に向けて下向傾斜を持つ緩やかな傾斜角を持つ円錐面として提供されてもよい。
【0040】
また、接触面10’には、削除された骨を保管・排出するための一つの骨保持空間11が形成されるが、この場合の骨保持空間11は、切削方向に向ける第1の内側壁12と第1の内側壁12と対向する第2の内側壁13とが繋がることにより形成される。本実施形態では、第1の内側壁12と第2の内側壁13とは、緩やかな曲面を持つように連結形成されることを示している。
【0041】
ここで、第1の内側壁12は、第2の内側壁13より高く形成されることにより切削方向に露出する切削面12aを備え、この場合の切削面12aは、加工方向に回転させた時に、上顎骨に対する削除を実施することになる。このように削除された骨片は、骨保持空間11に一定量だけ満たされた後、外部に排出する。
【0042】
一方、骨保持空間11は、ヘッド10から底板部10の一側まで凹んだ形態に形成され、図から分かるように、ヘッド10の先端面と側面、そしてボディー20の側面に開口した形態を持つ。また、骨保持空間11は、軸線を含むことが望ましく、これは、ドリルの回転時、軸線部分で骨削除が安定的に行われるようにするためである。
【0043】
ボディー20は、ヘッド10と共に骨保持空間11が連結形成され、この骨保持空間11の後方側外周面には、直径が広がった円筒形状を持つ嵌め込み部21が形成され、この嵌め込み部21の一側、すなわち、後方側には、後述するストッパー40が嵌め込まれた時に後退移動することを防止するための後退防止板23が形成される。
【0044】
ストッパー40は、ヘッド10の上顎骨削除深さを制限するための中空の管状を持つ部材であって、嵌め込み部21に弾力的に嵌め込まれる複数の弾性片41aを管状に配置してできた弾性部41と、弾性部41の一側に延長形成されるもので、ボディー20が円滑に挿入され得る程度の内径を持つ支持管部43と、支持管部43の一側に延長形成されるもので、ヘッド10を収容可能な程度の拡張された直径を持つ接触管部45と、から構成される。
【0045】
ここで、弾性部41は、等間隔をおいて長さ方向に沿って形成されるスリットにより複数の弾性片41aからなり、このような弾性部41は、嵌め込み部21に締り嵌めが可能な程度の内径を持つ。
【0046】
このようなストッパー40は、上顎骨の穿孔深さによって多様な長さに用意され、接触管部45がヘッド10の露出程度を制限することで、結果として、ヘッド10による上顎骨の穿孔時に一定の深さを削除すれば、接触管部45が、上顎骨に接触することで、ヘッド10が進行出来なくなり、削除される程度を制限できるようになる。
【0047】
このように構成される本発明の一実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルは、加工方向に回転させた時、切削面12aが上顎骨に対する削除を実施することになり、この場合、削除された骨片は、切削面12aに連結形成された骨保持空間11に満たされることになり、前記空間に一定量の骨片が満たされると、ボディー20側に移動排出される。
【0048】
以後、ヘッド10の接触面10’が上顎骨を穿孔すれば、接触面10’と保持された骨片とにより一つに形成された滑らかな面が、上顎骨内膜に幅広く接触、すなわち、面接触することにより、上顎骨内膜の損傷を防止できるようになる。
【0049】
図7から図12は、本発明の第2の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示した図であって、図7は、本実施形態に係る斜視図を示したものであり、図8は、図7を基準に上方から見た平面図を示したものであり、図9は、正面図を示したものである。そして、図10は、図7を基準に下方から見た底面を示したものであり、図11は、背面図であり、最後に、図12は、接触面を説明するための図7を基準に左側から見た左側面図である。
【0050】
本実施形態での上顎洞膜挙上用ドリル1は、前述した第1の実施形態とその構成面で同様であり、同じ構成要素に対しては、同じ符号を付して、その詳述は、省略する。
【0051】
本実施形態において特徴的な要素は、第1の内側壁12と第2の内側壁13とは、前述した第1の実施形態とは異なり、図から分かるように繋がる。すなわち、第1の内側壁12と第2の内側壁13とは、相互平行に向かい合い、その上、第2の内側壁13が、第1の内側壁12と鋭角を持つように連結形成される。
【0052】
図13から図18は、本発明の第3の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示した図であって、骨保持と膜穿孔をより最小化するための実施例である。図13は、本実施形態に係る斜視図を示したものであり、図14は、図13を基準に上方から見た平面図を示したものであり、図15は、正面図を示したものである。そして、図16は、図13を基準に下方から見た底面を示したものであり、図17は、背面図であり、最後に、図18は、接触面を説明するためのものであり、図13を基準に左側から見た左側面図である。
【0053】
本実施形態での上顎洞膜挙上用ドリル1は、前述した第1の実施形態とその構成面で同様である。但し、既骨保持空間11を形成する際に、前述した第1の実施形態では、凹んだ溝形態を提案したが、本実施形態では、貫通された穴状に提供されていることを提案した。これは、上顎洞膜の損傷を最小化するためのより安全な形状であり、但し、外側連結部の切削力の向上のために、外側連結部の切削面は、上部に鋭角に形成されていることが適当である。
【0054】
図19から図24は、本発明の第4の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示した図であって、図19は、本実施形態に係る斜視図を示したものであり、図20は、図19を基準に上方から見た平面図を示したものであり、図21は、正面図を示したものである。そして、図22は、図19を基に下方から見た底面を示したものであり、図23は、背面図であり、最後に、図24は、接触面を説明するための図19を基準に左側から見た左側面図である。
【0055】
本実施形態での上顎洞膜挙上用ドリル1は、前述した第1の実施形態とその構成が同様であり、同じ構成要素に対しては、同じ符号を付して、その詳細な説明は、省略する。
【0056】
本実施形態での特徴的な要素は、骨保持空間11を形成する際に、図から分かるように、等間隔をおいて2つ備えられることを提案している。
【0057】
この場合の骨保持空間11は、第1の内側壁12と第2の内側壁13とが向かい合うように配置され、相互緩やかな曲面を持つように連結形成される。
【0058】
また、前記1対の骨保持空間11を形成する際に、前記2つの骨保持空間のいずれか一つは、上顎骨に対する均一な削除を実施できるように軸線を含むことが望ましい。
【0059】
図25から図30は、本発明の第5の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示した図であって、図25は、本実施形態に係る斜視図を示したものであり、図26は、図25を基準に上方から見た平面図を示したものであり、図27は、正面図を示したものである。そして、図28は、図25を基準に下方から見た底面を示したものであり、図29は、背面図であり、最後に、図30は、接触面を説明するための図25を基準に左側から見た左側面図である。
【0060】
本実施形態での上顎洞膜挙上用ドリル1は、前述した第2の実施形態とその構成が同様であるので、同じ構成要素に対しては、同じ符号を付して、その詳細な説明は、省略する。
【0061】
本実施形態での特徴的な要素は、骨保持空間11を形成する際に、図から分かるように、等間隔をおいて2つ備えられることを提案している。
【0062】
この場合の骨保持空間11は、第1の内側壁12と第2の内側壁13とが向かい合うように配置され、第1の内側壁12と第2の内側壁13とが鋭角を持つように連結形成される。
【0063】
また、前記1対の骨保持空間11を形成する際に、いずれか一つは、上顎骨に対する効果的な削除を実施できるように軸線を含むことが望ましい。
【0064】
図31から図36は、本発明の第6の実施形態に係る上顎洞膜挙上用ドリルを示した図であって、図31は、本実施形態に係る斜視図を示したものであり、図32は、図31を基準に上方から見た平面図を示したものであり、図33は、正面図を示したものである。そして、図34は、図31を基準に下方から見た底面を示したものであり、図35は、背面図であり、最後に、図36は、接触面を説明するための図31を基準に左側から見た左側面図である。
【0065】
本実施形態での上顎洞膜挙上用ドリル1は、前述した第3の実施形態とその構成が同様であるので、同じ構成要素に対しては、同じ符号を付して、その詳細な説明は、省略する。
【0066】
本実施形態での特徴的な要素は、前記上顎洞膜挙上用ドリル1は、前述した第3の実施形態とその構成が同様である。
【0067】
但し、本実施形態では、骨保持空間11を形成する際に、図から分かるように、等間隔をおいて2つ備えられることを提案している。
【0068】
この場合の前記各々の骨保持空間11は、貫通された穴状に提供され、2つのいずれか一つは、上顎骨に対する均一で効果的な削除を実施できるように、軸線を含むことが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
一方、本発明は、適用部位を上顎洞として例を上げたが、記載の実施形態に限定されるものではなく、下顎臼歯部等、適用部位を変更して使用することが可能であり、本発明の思想及び範囲を逸脱しないで、多様に修正及び変形できることは、この技術分野において通常の知識を有する者にとっては自明である。したがって、そのような変形例又は修正例は、本発明の特許請求範囲上に属するとすべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上顎洞内膜と面接触をなす曲面処理された枠を持つ接触面と前記接触面に繋がって削除された骨を保管・排出するための骨保持空間と、を含み、前記骨保持空間は、切削方向に向ける第1の内側壁とこの第1の内側壁と対向する第2の内側壁とが繋がることにより形成され、前記第1の内側壁は、前記第2の内側壁より高く形成されることにより、切削方向に露出する切削面を更に含むことを特徴とする上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項2】
前記接触面は、長尺のボディーの一側に一体に形成されるもので、前記ボディーの直径に比べて同一又は拡張された直径を持つか、又は、縮小された直径を持つヘッドに備えられることを特徴とする請求項1に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項3】
前記骨保持空間は、軸線を含むことを特徴とする請求項1に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項4】
前記ボディーは、選択的に歯科用ハンドピースに繋がるサンクが一体に形成されることを特徴とする請求項2に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項5】
前記ボディーは、直径が広がった円筒形の嵌め込み部とこの嵌め込み部の一側に直径が広がった円盤状の後退防止板とが形成され、前記嵌め込み部には、中空の管状を持つもので、前記ヘッドの上顎骨の削除深さを制限するストッパーが選択的に備えられることを特徴とする請求項2に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項6】
前記骨保持空間は、前記ヘッドからボディーの一側を貫通した穴に形成されることを特徴とする請求項2に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項7】
前記骨保持空間は、前記ヘッドからボディーの一側に凹んだ溝に形成されることを特徴とする請求項2に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項8】
前記第1の内側壁と第2の内側壁とを含む骨保持空間は、接触面から見た場合、円形、三角形、多角形状のいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項9】
前記骨保持空間は、接触面の軸線を中心に1〜3つに形成されることを特徴とする請求項1に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項10】
前記接触面は、表面が平坦面、凸に突出された曲面、軸線を中心に周辺部に向けて傾斜を持つ傾斜面のいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項11】
骨保持空間は、削除骨が次第に排出され得るように、接触面から後方側へ進みながら、平行又は広がるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項12】
前記骨保持空間は、少なくとも2つ以上が備えられ、その一つは、軸線を含むように形成されることを特徴とする請求項1に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項13】
前記ストッパーは、
前記嵌め込み部に弾性的に嵌め込まれるもので、等間隔をおいて長さ方向に沿って形成されるスリットにより分割して備えられる弾性片となる弾性部と;前記弾性部から延長形成される支持管部と;前記支持管部から延長形成され、前記ヘッドを収容できるほど拡張された直径を持つ接触管部と、
を含んで構成されることを特徴とする請求項5に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項1】
上顎洞内膜と面接触をなす曲面処理された枠を持つ接触面と前記接触面に繋がって削除された骨を保管・排出するための骨保持空間と、を含み、前記骨保持空間は、切削方向に向ける第1の内側壁とこの第1の内側壁と対向する第2の内側壁とが繋がることにより形成され、前記第1の内側壁は、前記第2の内側壁より高く形成されることにより、切削方向に露出する切削面を更に含むことを特徴とする上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項2】
前記接触面は、長尺のボディーの一側に一体に形成されるもので、前記ボディーの直径に比べて同一又は拡張された直径を持つか、又は、縮小された直径を持つヘッドに備えられることを特徴とする請求項1に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項3】
前記骨保持空間は、軸線を含むことを特徴とする請求項1に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項4】
前記ボディーは、選択的に歯科用ハンドピースに繋がるサンクが一体に形成されることを特徴とする請求項2に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項5】
前記ボディーは、直径が広がった円筒形の嵌め込み部とこの嵌め込み部の一側に直径が広がった円盤状の後退防止板とが形成され、前記嵌め込み部には、中空の管状を持つもので、前記ヘッドの上顎骨の削除深さを制限するストッパーが選択的に備えられることを特徴とする請求項2に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項6】
前記骨保持空間は、前記ヘッドからボディーの一側を貫通した穴に形成されることを特徴とする請求項2に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項7】
前記骨保持空間は、前記ヘッドからボディーの一側に凹んだ溝に形成されることを特徴とする請求項2に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項8】
前記第1の内側壁と第2の内側壁とを含む骨保持空間は、接触面から見た場合、円形、三角形、多角形状のいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項9】
前記骨保持空間は、接触面の軸線を中心に1〜3つに形成されることを特徴とする請求項1に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項10】
前記接触面は、表面が平坦面、凸に突出された曲面、軸線を中心に周辺部に向けて傾斜を持つ傾斜面のいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項11】
骨保持空間は、削除骨が次第に排出され得るように、接触面から後方側へ進みながら、平行又は広がるように形成されることを特徴とする請求項1に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項12】
前記骨保持空間は、少なくとも2つ以上が備えられ、その一つは、軸線を含むように形成されることを特徴とする請求項1に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【請求項13】
前記ストッパーは、
前記嵌め込み部に弾性的に嵌め込まれるもので、等間隔をおいて長さ方向に沿って形成されるスリットにより分割して備えられる弾性片となる弾性部と;前記弾性部から延長形成される支持管部と;前記支持管部から延長形成され、前記ヘッドを収容できるほど拡張された直径を持つ接触管部と、
を含んで構成されることを特徴とする請求項5に記載の上顎洞膜挙上用ドリル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【公表番号】特表2010−533539(P2010−533539A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516933(P2010−516933)
【出願日】平成20年7月21日(2008.7.21)
【国際出願番号】PCT/KR2008/004242
【国際公開番号】WO2009/099267
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(510018524)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月21日(2008.7.21)
【国際出願番号】PCT/KR2008/004242
【国際公開番号】WO2009/099267
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(510018524)
【Fターム(参考)】
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