下水処理場の統合運用管理方法
【課題】発生下水量の大幅な変化が生じる場合にも処理後排水の水質を基準水質範囲内に維持することができる下水処理場の統合運用管理方法を提供する。
【解決手段】各下水処理場A〜FにWebサーバ11を設置すると共に、各下水処理場のWebサーバの各々と広域回線網3を介して接続された統合Webサーバ21を統合管理センター2に設置し、各下水処理場のWebサーバで収集された各下水処理場の処理後排水の水質情報を広域回線網を介して統合Webサーバに格納し、統合Webサーバに格納された各下水処理場の処理後排水の水質情報に基づき、同一河川に処理後排水を放出する各下水処理場の処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように統合管理センターから各下水処理場の少なくとも一つへ水質制御指令を出す。
【解決手段】各下水処理場A〜FにWebサーバ11を設置すると共に、各下水処理場のWebサーバの各々と広域回線網3を介して接続された統合Webサーバ21を統合管理センター2に設置し、各下水処理場のWebサーバで収集された各下水処理場の処理後排水の水質情報を広域回線網を介して統合Webサーバに格納し、統合Webサーバに格納された各下水処理場の処理後排水の水質情報に基づき、同一河川に処理後排水を放出する各下水処理場の処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように統合管理センターから各下水処理場の少なくとも一つへ水質制御指令を出す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場の各々の前記処理後排水の水質を管理する下水処理場の統合運用管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大都市においては、大規模マンション、大規模ホテル、大規模オフィス等の大規模ビルが複数箇所に密集している関係上、同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場が存在する。
【0003】
同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場が存在する場合、各々の下水処理場において個別に処理後排水の水質を実測し、各々の下水処理場において個別に所定範囲に入るように処理の制御を行っている。
【0004】
なお、例えば国際公開WO2002−039338号再公表特許公報には、異種の環境関連施設群を統合的に管理し、廃棄物ゼロ状態を実現可能にするコントロールシステムが開示され、前記環境関連施設の事例として、上水処理施設、下水処理施設なども列挙されているが、同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場が存在する場合については
言及されていない。
【0005】
【特許文献1】国際公開WO2002−039338号再公表特許公報(図2及びその説明)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
大都市においては、大規模マンション、大規模ホテル、大規模オフィス等の大規模ビルが密集地に増設された場合、処理すべき下水量は増加するが、下水処理場は広い土地が必要なこともあり、大規模ビルの増設に応じて下水処理場を増設することは簡単にはできないため、当面は既設の下水処理場で対応している。
【0007】
また、大規模オフィス等では昼間の発生下水量が多く、大規模マンション、大規模ホテル等は、昼間以外の時間帯での発生下水量が多い。更に、大規模オフィス等では大規模な行事の有無による一時的な人口の変化も大きく、発生下水量も大幅に変化する。
【0008】
従って、同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場の処理すべき下水量は、時間帯によって、処理能力より可成り少なかったり、処理能力限界であったり、時として処理能力限界を超える場合も発生し、処理後排水の水質を下水処理場における処理後排水の基準水質範囲内に維持することが困難になることがあり得る。
【0009】
この発明は、前述のような実情に鑑みてなされたもので、発生下水量の大幅な変化が生じる場合にも処理後排水の水質を基準水質範囲内に維持することができる下水処理場の統合運用管理方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る下水処理場の統合運用管理方法は、同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場の各々の前記処理後排水の水質を管理する下水処理場の統合運用管理方法であって、前記各下水処理場にWebサーバを設置すると共に、前記各下水処理場のWebサーバの各々と広域回線網を介して接続された統合Webサーバを統合管理センターに設置し、前記各下水処理場のWebサーバで収集された前記各下水処理場の処理後排水の水質情報を広域回線網を介して前記統合Webサーバに格納し、前記統合Webサーバに格納された前記各下水処理場の処理後排水の水質情報に基づき、同一河川に処理後排水を放流する前記各下水処理場の前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合管理センターから前記各下水処理場の少なくとも一つへ水質制御指令を出す下水処理場の統合運用管理方法である。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場の各々の前記処理後排水の水質を管理する下水処理場の統合運用管理方法であって、前記各下水処理場にWebサーバを設置すると共に、前記各下水処理場のWebサーバの各々と広域回線網を介して接続された統合Webサーバを統合管理センターに設置し、前記各下水処理場のWebサーバで収集された前記各下水処理場の処理後排水の水質情報を広域回線網を介して前記統合Webサーバに格納し、前記統合Webサーバに格納された前記各下水処理場の処理後排水の水質情報に基づき、同一河川に処理後排水を放流する前記各下水処理場の前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合管理センターから前記各下水処理場の少なくとも一つへ水質制御指令を出す下水処理場の統合運用管理方法としたので、同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場がある場合、大規模マンション、大規模ホテル、大規模オフィス等の大規模ビルの密集地への増設による発生下水量の増加、昼間の発生下水量の増加、昼間以外の時間帯での発生下水量の増加、大規模な行事の有無による一時的な人口の変化による発生下水量の増加、などが生じる場合にも処理後排水の水質を基準水質範囲内に維持することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
以下この発明の実施の形態1を図1〜図11により説明する。図1は大都市における河川と下水処理場との地理的関係の事例を示す図、図2は下水処理場の統合運用管理方法を実施するシステム構成の事例を示す図、図3は河川Tに処理後排水を放流する下水処理場AのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図、図4は下水処理場Aと同一河川Tに処理後排水を放流する下水処理場BのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図、図5は下水処理場A,Bと同一河川Tに処理後排水を放流する下水処理場CのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図、図6は河川Tとは異なる河川Sに処理後排水を放流する下水処理場DのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図、図7は下水処理場Dと同一河川Sに処理後排水を放流する下水処理場EのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図、図8は下水処理場D,Eと同一河川Sに処理後排水を放流する下水処理場FのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図、図9は統合管理センターのWebサーバにおける河川T区域における下水処理場A〜Cの水質関連データテーブルを示す図、図10は統合管理センターのWebサーバにおける河川S区域における下水処理場D〜Fの水質関連データテーブルを示す図、図11は河川Tの各下水処理場A〜Cにおける水質管理要素の一つであるBODの時間的変化の事例を示す図である。なお、各図中、同一符合は同一部分を示す。
【0013】
図1において、河川T区域には、当該河川T沿いに複数の下水処理場A、下水処理場B、下水処理場Cが存在し、河川S区域には、当該河川S沿いに複数の下水処理場D、下水処理場E、下水処理場Fが存在している。また、前記河川Tおよび前記河川Sは共通の海(共通の湾)に流れ込んでいる。
【0014】
大都市圏の海(湾)では、海水の水質に目標水質が設定されており、当該海(湾)に流れ込む河川の水質に目標水質が設定されている。例えば、東京湾における現在の水質目標は次の通りである。BOD(Biochemical Oxygen Demand)(生物化学的酸素要求量)は10mg/L、COD(Chemical Oxygen Demand)(化学的酸素要求量)は15mg/L、SS(Suspended Solids)(浮遊物質濃度)は10mg/L、窒素は15mg/L、りんは1.0mg/Lである。そこで、処理後排水を河川に放流する各下水処理場A〜Fにおける処理後排水の現在の水質目標範囲は次の通りである。例えば、BODは1〜10mg/L、窒素は1〜30mg/L、りんは1〜20mg/L、濁度は<0.1〜10NTUとしてある。なお、因みに、処理前の排水原水の現在の水質目標範囲は次の通りである。BODは1〜30mg/L、窒素は1〜30mg/L、りんは1〜20mg/L、濁度は<0.1〜10NTUとしてある。
【0015】
この発明の実施の形態1における下水処理場の統合運用管理方法は、同一河川、例えば図1における前記河川Tに処理後排水を放出する前記複数の下水処理場A〜Cの各々の前記処理後排水の水質を管理する下水処理場の統合運用管理方法であって、前記各下水処理場A〜Cの各々にWebサーバを設置すると共に、前記各下水処理場A〜CのWebサーバの各々と広域回線網を介して接続された統合Webサーバを統合管理センターに設置し、前記各下水処理場A〜Cの各Webサーバで収集された前記各下水処理場A〜Cの処理後排水の水質情報を広域回線網を介して前記統合Webサーバに格納し、前記統合Webサーバに格納された前記各下水処理場A〜Cの処理後排水の水質情報に基づき、同一河川に処理後排水を放出する前記各下水処理場A〜Cの前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合管理センターから前記各下水処理場A〜Cの少なくとも一つへ水質制御指令を出す下水処理場の統合運用管理方法であり、また、同一河川、例えば図1における前記河川Sに処理後排水を放出する前記複数の下水処理場D〜Fの各々の前記処理後排水の水質を管理する下水処理場の統合運用管理方法であって、前記各下水処理場D〜Fの各々にWebサーバを設置すると共に、前記各下水処理場D〜FのWebサーバの各々と広域回線網を介して接続された統合Webサーバを統合管理センターに設置し、前記各下水処理場D〜Fの各Webサーバで収集された前記各下水処理場D〜Fの処理後排水の水質情報を広域回線網を介して前記統合Webサーバに格納し、前記統合Webサーバに格納された前記各下水処理場D〜Fの処理後排水の水質情報に基づき、同一河川に処理後排水を放出する前記各下水処理場D〜Fの前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合管理センターから前記各下水処理場D〜Fの少なくとも一つへ水質制御指令を出す下水処理場の統合運用管理方法である。当該下水処理場の統合運用管理方法を実施するシステムの構成の事例を図2に示してある。
【0016】
図2において、下水処理場A1には、下水処理場Webサーバ11、監視制御装置12、Webカメラ13、ルータ14、プラント内監視制御LAN15、プロセスコントローラ161〜16n、および各種水質センサやポンプや弁等の下水処理プラント機器171〜17nを有した下水処理場内システムが構築されている。
【0017】
前記各種水質センサで検出された処理後排水の水質情報は、前記プロセスコントローラ161〜16nおよび前記プラント内監視制御LAN15を介して前記下水処理場Webサーバ11で収集され、収集された処理後排水の水質情報は、前記下水処理場Webサーバ11内のデータ送信手段111により外部へ送信される。
【0018】
前記前記下水処理場Webサーバ11内の水質情報のデータテーブルには、図3に示すように、例えば、河川名T、下水処理場名A、河川水の実流量(L/秒)TF、処理排水の実排水量(L/秒)AF、処理後排水の水質管理パラメータ(水質管理要素名)BOD,・・・窒素,りん,濁度等、処理後排水の基準水質範囲(BOD1〜10mg/L,・・・窒素1〜30mg/L,りん1〜20mg/L,濁度<0.1〜10NTU等)、処理後排水の水質実測値(BODはAa,・・・窒素はAb,りんはAc,・・・濁度はAd等)、河川Tが流入する海(湾)の水質目標値(BOD10mg/L,・・・窒素15mg/L,りん10mg/L,濁度10NTU等)等が保存されている。
【0019】
前記プロセスコントローラ161〜16nは、自動運転あるいは人為操作により、ポンプの運転制御、処理後排水の流量調節弁の開度制御、等、下水処理場の各種プラント機器の制御も行う。つまり、前記プロセスコントローラ161〜16nは、前記各種水質センサやポンプや弁等の下水処理プラント機器171〜17nの監視制御を、前記監視制御装置12からの監視制御信号により実行する。
【0020】
前記下水処理場B〜F内のシステム構成は図示省略してあるが、前述の下水処理場A内のシステム構成と同じであり、各々のデータテーブルは図4〜図8に例示してある。図4〜図8に例示のデータテーブルは前述の下水処理場Aのデータテーブルと同一構成であり、
前記下水処理場Bの処理後排水の水質実測値は、図4に示すように、BODはBa,・・・窒素はBb,りんはBc,・・・濁度はBdとして例示し、同様に、前記下水処理場Cの処理後排水の水質実測値は、図5に示すように、BODはCa,・・・窒素はCb,りんはCc,・・・濁度はCd、前記下水処理場Dの処理後排水の水質実測値は、図6に示すように、BODはDa,・・・窒素はDb,りんはDc,・・・濁度はDd、前記下水処理場Eの処理後排水の水質実測値は、図7に示すように、BODはEa,・・・窒素はEb,りんはEc,・・・濁度はEd、前記下水処理場Fの処理後排水の水質実測値は、図8に示すように、BODはFa,・・・窒素はFb,りんはFc,・・・濁度はFd、と例示してある。
【0021】
統合管理センター2には、統合Webサーバ21、Web端末(表示装置)22、ルータ23が設けられている。
【0022】
前記統合管理センター2の統合Webサーバ21内の記憶装置等のデータ格納手段211には、前記各下水処理場A〜Fの前記各データテーブルのデータを広域回線網3及び前記ルータ23を介して収集した情報が格納されている。なお、前記統合Webサーバ21内の記憶装置等のデータ格納手段211では、河川毎に別のデータテーブルとしてある。即ち、各下水処理場A〜Cが処理後排水を放流する河川Tのデータテーブルは、図9に示すように前述の各下水処理場A〜Cの処理後排水の水質に関する各データテーブルの情報を全て有するデータテーブルであり、各下水処理場D〜Fが処理後排水を放流する河川Sのデータテーブルは、図10に示すように前述の各下水処理場D〜Fの処理後排水の水質に関する各データテーブルの情報を全て有する別のデータテーブルである。
【0023】
前記統合管理センター2におけるデータ格納手段211内の図9に例示のデータテーブルおよび図10に例示のデータテーブルは、何れも前記Web端末(表示装置)22に画面表示され、統合管理担当者が目視確認できるようになっている。また、前記Web端末(表示装置)22の画面には、図1に示すような河川T,Sと各下水処理場A〜Fとの地理的関係も表示でき、例えば、河川Tにカーソルを合わせてクリックすれば図9のデータテーブルがポップアップ表示され、各下水処理場Aにカーソルを合わせてクリックすれば図3のデータテーブルがポップアップ表示されるように構成してある。また、前記Web端末(表示装置)22に画面には、その他に前記WebカメラのURLも表示されるようにしてあり、当該URLをクリックすれば、Webカメラで撮った例えば曝気槽の水位や状態が画面にポップアップ表示されるように構成してある。
【0024】
また、前記Web端末(表示装置)22の画面上のグラフ表示ボタンをクリックすれば、水質の時間的変化を示すグラフを表示することができる。図11は河川Tの各下水処理場A〜Cにおける水質管理要素の一つであるBODの時間的変化を示すグラフが前記クリックにより選択された場合の表示例である。
【0025】
この図11の事例では、下水処理場Aの処理後排水の実測BODはBOD-Aで示されるように、午前9時の時点(現時点)では処理後排水の基準水質範囲の上限10mg/L以下であるが、午前6時半から急激に増加しており、18時には一点鎖線で示すように処理後排水の基準水質範囲の上限10mg/Lを超えた推定値13mg/Lとなる。
下水処理場Bの処理後排水の実測BODはBOD-Bで示されるように、午前9時の時点(現時点)では処理後排水の基準水質範囲の上限10mg/L以下の8mg/Lであり、時間的な変化はなく、18時において一点鎖線で示すように処理後排水の基準水質範囲の上限10mg/L以下の推定値8mg/Lとなる。
下水処理場Cの処理後排水の実測BODはBOD-Cで示されるように、午前9時の時点(現時点)では処理後排水の基準水質範囲の上限10mg/L以下であるが、時間の経過と共に漸増しており、18時には一点鎖線で示すように推定値は処理後排水の基準水質範囲の上限である10mg/Lとなる。
【0026】
ここで、現時点の各下水処理場A〜Cの処理後排水の実測BODの平均値は、処理後排水の基準水質範囲の上限10mg/L以下であるが、18時の時点での各下水処理場A〜Cの処理後排水の実測BODの推測平均値は、(13mg/L+8mg/L+10mg/L)/3であり、10.33mg/Lとなって処理後排水の基準水質範囲の上限値10mg/Lを超えることになる。
そこで、処理負荷の小さい余裕の有る下水処理場BのBODを18時の所定時間の前に例えば6mg/Lに低下するように制御し、18時の時点での各下水処理場A〜Cの処理後排水の実測BODの推測平均値が処理後排水の基準水質範囲の上限10mg/L以下になるようにする。各下水処理場A〜Cの処理後排水の実測BODの推測平均値が処理後排水の基準水質範囲の上限10mg/L以下にすれば、海(湾)に流れ込む河川Tの河口でのBODは、海(湾)の目標水質10mg/L以下にすることができる。
【0027】
前記下水処理場Bの処理後排水のBODや流量を制御した場合、その実測値が前記水質センサ171〜17n、前記プロセスコントローラ161〜16n、前記下水処理場Webサーバ11、前記広域回線網3、前記統合Webサーバ21にリアルタイムに格納され、前記制御後の前記下水処理場Bの処理後排水のBOD実測値が、統合管理センター2の前記Web端末(表示装置)22の画面上に、例えば図11の2点鎖線で示すように表示され、各下水処理場A〜Cの処理後排水の実測BODの平均値が処理後排水の基準水質範囲の上限値10mg/Lになるかどうか目視により確認できる。
【0028】
前述の各下水処理場A〜Cの処理後排水の実測BODの平均値や推定値は、前記Web端末(表示装置)22のCPU(図示省略)あるいは前記統合Webサーバ21のCPU(図示省略)で演算により求める。前記平均値や前記推定値は前記統合管理センター2の前記Web端末(表示装置)22の画面上に表示される。前記統合管理センター2では、統合管理担当者が前記Web端末(表示装置)22の画面表示に基づいて或いは画面表示から判断して、電話等によりBODを下げる前記下水処理場へ、処理後排水のBODを下げる制御指令を出す。
【0029】
なお、処理後排水の基準水質範囲の上限値10mg/Lを超える下水処理場Aから河川Tへの処理後排水の放出量が前記下水処理場Bから河川Tへの処理後排水の放出量より多い場合は、処理後排水の放出量も考慮し、前記下水処理場Bから河川Tへの処理後排水の放出量を増加する制御も行い、海(湾)に流れ込む河川Tの河口でのBODが海(湾)の目標水質10mg/L以下になるようにする。この、処理後排水の放出量も考慮した前述の各下水処理場A〜Cの処理後排水の実測BODの平均値や推定値は、前記Web端末(表示装置)22のCPUあるいは前記統合Webサーバ21のCPUで演算により求める。
【0030】
なお、BODだけでなく、前記窒素、りん、濁度、COD、SS等も前述のBODの場合と同様に管理制御する。
【0031】
同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場がある場合、前述のような管理制御を行うので、前述のように、大都市における大規模マンション、大規模ホテル、大規模オフィス等の大規模ビルの密集地への増設による発生下水量の増加、昼間の発生下水量の増加、昼間以外の時間帯での発生下水量の増加、大規模な行事の有無による一時的な人口の変化による発生下水量の増加、などが生じる場合にも処理後排水の水質を基準水質範囲内に維持することができる。
【0032】
実施の形態2.
以下この発明の実施の形態2を、下水処理場の統合運用管理方法を実施する他のシステム構成の事例を示す図12によって説明する。なお、図12において、前述の図2と同一または相当部分には図2と同一符号を付し、この発明の実施の形態2については、前述のこの発明の実施の形態1と異なる点を主体に説明し、他の説明は割愛する。
【0033】
この発明の実施の形態2は、図12に示すように、下水処理場A〜Cの各々にIP電話18を設けると共に、統合管理センター2にIP電話24を設け、前記統合管理センター2の前記IP電話24を使って、前記下水処理場Bの前記IP電話18を介して、前記統合管理センター2から、前記下水処理場Bへ、前述の下水処理場Bの処理後排水のBODを下げる指令を出すようにしたものであり、前述のこの発明の実施の形態1の場合と同様に、同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場がある場合、前述のような管理制御を行うので、前述のように、大都市における大規模マンション、大規模ホテル、大規模オフィス等の大規模ビルの密集地への増設による発生下水量の増加、昼間の発生下水量の増加、昼間以外の時間帯での発生下水量の増加、大規模な行事の有無による一時的な人口の変化による発生下水量の増加、などが生じる場合にも処理後排水の水質を基準水質範囲内に維持することができる。
【0034】
実施の形態3.
以下この発明の実施の形態3を、下水処理場の統合運用管理方法を実施する他のシステム構成の事例を示す図13によって説明する。なお、図13において、前述の図2および図12と同一または相当部分には図2と同一符号を付し、この発明の実施の形態3については、前述のこの発明の実施の形態1および2と異なる点を主体に説明し、他の説明は割愛する。
【0035】
この発明の実施の形態3は、図13に示すように、下水処理場A〜Cの各々にテレビ会議システム19を設けると共に、統合管理センター2にテレビ会議システム25を設け、前記統合管理センター2の前記テレビ会議システム25および前記下水処理場Bの前記テレビ会議システム19を使って、前記統合管理センター2の管理担当者と前記下水処理場A〜Cの各管理担当者とで、処理後排水の水質に関するテレビ会議を行い、前記統合管理センター2の管理担当者が前述の下水処理場Bの処理後排水のBODを下げることを決定し、前記統合管理センター2の管理担当者から、前記下水処理場Bの管理担当者へ、前述の下水処理場Bの処理後排水のBODを下げる指令を出すようにしたものであり、前述のこの発明の実施の形態1の場合と同様に、同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場がある場合、前述のような管理制御を行うので、前述のように、大都市における大規模マンション、大規模ホテル、大規模オフィス等の大規模ビルの密集地への増設による発生下水量の増加、昼間の発生下水量の増加、昼間以外の時間帯での発生下水量の増加、大規模な行事の有無による一時的な人口の変化による発生下水量の増加、などが生じる場合にも処理後排水の水質を基準水質範囲内に維持することができる。
【0036】
実施の形態4.
以下この発明の実施の形態4を、下水処理場の統合運用管理方法を実施する他のシステム構成の事例を示す図14によって説明する。なお、図14において、前述の図2、図12、および図13と同一または相当部分には図2と同一符号を付し、この発明の実施の形態4については、前述のこの発明の実施の形態1〜3と異なる点を主体に説明し、他の説明は割愛する。
【0037】
この発明の実施の形態4は、図14に示すように、水質や流量などのプロセス量管理は統合Webサーバ21で行い、プロセス量管理には無関係な各下水処理場A〜Fの設備や機器の保守記録、保守計画、下水処理薬品在庫量、等の情報を格納する情報サーバ26を設け、当該情報サーバ26の保有情報をWeb端末22の画面上に表示できるようにしたものである。前記情報サーバ26は、前記統合Webサーバ21とは別に設けてあるので、プロセス量管理を行う前記統合Webサーバ21での水質管理やサーバ処理速度に悪影響を与えることはない。
【0038】
なお、前述のこの発明の実施の形態1〜4において、前記統合管理センター2から、前記下水処理場Bへの前述の下水処理場Bの処理後排水のBODを下げる指令に基づく当該下水処理場Bの処理後排水のBOD制御は、人為的に行っても、前述のこの発明の実施の形態1〜4における効果と同等な効果を奏する。
【0039】
また、前述の説明は河川Tを主体に説明したが、河川Sの場合における各下水処理場D〜Fについても、前記河川Tとは独立して個別に前記統合管理センター2と各下水処理場D〜Fとの間の管理制御が、前述の統合管理センター2と各下水処理場A〜Cとの間の管理制御と同様に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、大都市における河川と下水処理場との地理的関係の事例を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1を示す図で、下水処理場の統合運用管理方法を実施するシステム構成の事例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1を示す図で、河川Tに処理後排水を放流する下水処理場AのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1を示す図で、下水処理場Aと同一河川Tに処理後排水を放流する下水処理場BのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1を示す図で、下水処理場A,Bと同一河川Tに処理後排水を放流する下水処理場CのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1を示す図で、河川Tとは異なる河川Sに処理後排水を放流する下水処理場DのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1を示す図で、下水処理場Dと同一河川Sに処理後排水を放流する下水処理場EのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1を示す図で、下水処理場D,Eと同一河川Sに処理後排水を放流する下水処理場FのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1を示す図で、統合管理センターのWebサーバにおける河川T区域における下水処理場A〜Cの水質関連データテーブルを示す図である。
【図10】この発明の実施の形態1を示す図で、統合管理センターのWebサーバにおける河川S区域における下水処理場D〜Fの水質関連データテーブルを示す図である。
【図11】この発明の実施の形態1を示す図で、河川Tの各下水処理場A〜Cにおける水質管理要素の一つであるBODの時間的変化の事例を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態2を示す図で、下水処理場の統合運用管理方法を実施する他のシステム構成の事例を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態3を示す図で、下水処理場の統合運用管理方法を実施する他のシステム構成の事例を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態4を示す図で、下水処理場の統合運用管理方法を実施する他のシステム構成の事例を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1 下水処理場、
11 下水処理場Webサーバ、
111 データ送信手段、
12 監視制御装置、
13 Webカメラ、
14 ルータ、
15 プラント内監視制御LAN、
161〜16n プロセスコントローラ、
171〜17n 水質センサ等の機器、
18 IP電話、
19 テレビ会議システム、
2 統合管理センター、
21 統合Webサーバ、
211 データ格納手段、
22 Web端末(表示装置)、
23 ルータ、
24 IP電話、
25 テレビ会議システム、
26 情報サーバ、
3 広域回線網、
T,S 河川、
A〜F 下水処理場。
【技術分野】
【0001】
この発明は、同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場の各々の前記処理後排水の水質を管理する下水処理場の統合運用管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
大都市においては、大規模マンション、大規模ホテル、大規模オフィス等の大規模ビルが複数箇所に密集している関係上、同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場が存在する。
【0003】
同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場が存在する場合、各々の下水処理場において個別に処理後排水の水質を実測し、各々の下水処理場において個別に所定範囲に入るように処理の制御を行っている。
【0004】
なお、例えば国際公開WO2002−039338号再公表特許公報には、異種の環境関連施設群を統合的に管理し、廃棄物ゼロ状態を実現可能にするコントロールシステムが開示され、前記環境関連施設の事例として、上水処理施設、下水処理施設なども列挙されているが、同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場が存在する場合については
言及されていない。
【0005】
【特許文献1】国際公開WO2002−039338号再公表特許公報(図2及びその説明)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
大都市においては、大規模マンション、大規模ホテル、大規模オフィス等の大規模ビルが密集地に増設された場合、処理すべき下水量は増加するが、下水処理場は広い土地が必要なこともあり、大規模ビルの増設に応じて下水処理場を増設することは簡単にはできないため、当面は既設の下水処理場で対応している。
【0007】
また、大規模オフィス等では昼間の発生下水量が多く、大規模マンション、大規模ホテル等は、昼間以外の時間帯での発生下水量が多い。更に、大規模オフィス等では大規模な行事の有無による一時的な人口の変化も大きく、発生下水量も大幅に変化する。
【0008】
従って、同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場の処理すべき下水量は、時間帯によって、処理能力より可成り少なかったり、処理能力限界であったり、時として処理能力限界を超える場合も発生し、処理後排水の水質を下水処理場における処理後排水の基準水質範囲内に維持することが困難になることがあり得る。
【0009】
この発明は、前述のような実情に鑑みてなされたもので、発生下水量の大幅な変化が生じる場合にも処理後排水の水質を基準水質範囲内に維持することができる下水処理場の統合運用管理方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る下水処理場の統合運用管理方法は、同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場の各々の前記処理後排水の水質を管理する下水処理場の統合運用管理方法であって、前記各下水処理場にWebサーバを設置すると共に、前記各下水処理場のWebサーバの各々と広域回線網を介して接続された統合Webサーバを統合管理センターに設置し、前記各下水処理場のWebサーバで収集された前記各下水処理場の処理後排水の水質情報を広域回線網を介して前記統合Webサーバに格納し、前記統合Webサーバに格納された前記各下水処理場の処理後排水の水質情報に基づき、同一河川に処理後排水を放流する前記各下水処理場の前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合管理センターから前記各下水処理場の少なくとも一つへ水質制御指令を出す下水処理場の統合運用管理方法である。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場の各々の前記処理後排水の水質を管理する下水処理場の統合運用管理方法であって、前記各下水処理場にWebサーバを設置すると共に、前記各下水処理場のWebサーバの各々と広域回線網を介して接続された統合Webサーバを統合管理センターに設置し、前記各下水処理場のWebサーバで収集された前記各下水処理場の処理後排水の水質情報を広域回線網を介して前記統合Webサーバに格納し、前記統合Webサーバに格納された前記各下水処理場の処理後排水の水質情報に基づき、同一河川に処理後排水を放流する前記各下水処理場の前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合管理センターから前記各下水処理場の少なくとも一つへ水質制御指令を出す下水処理場の統合運用管理方法としたので、同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場がある場合、大規模マンション、大規模ホテル、大規模オフィス等の大規模ビルの密集地への増設による発生下水量の増加、昼間の発生下水量の増加、昼間以外の時間帯での発生下水量の増加、大規模な行事の有無による一時的な人口の変化による発生下水量の増加、などが生じる場合にも処理後排水の水質を基準水質範囲内に維持することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
以下この発明の実施の形態1を図1〜図11により説明する。図1は大都市における河川と下水処理場との地理的関係の事例を示す図、図2は下水処理場の統合運用管理方法を実施するシステム構成の事例を示す図、図3は河川Tに処理後排水を放流する下水処理場AのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図、図4は下水処理場Aと同一河川Tに処理後排水を放流する下水処理場BのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図、図5は下水処理場A,Bと同一河川Tに処理後排水を放流する下水処理場CのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図、図6は河川Tとは異なる河川Sに処理後排水を放流する下水処理場DのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図、図7は下水処理場Dと同一河川Sに処理後排水を放流する下水処理場EのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図、図8は下水処理場D,Eと同一河川Sに処理後排水を放流する下水処理場FのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図、図9は統合管理センターのWebサーバにおける河川T区域における下水処理場A〜Cの水質関連データテーブルを示す図、図10は統合管理センターのWebサーバにおける河川S区域における下水処理場D〜Fの水質関連データテーブルを示す図、図11は河川Tの各下水処理場A〜Cにおける水質管理要素の一つであるBODの時間的変化の事例を示す図である。なお、各図中、同一符合は同一部分を示す。
【0013】
図1において、河川T区域には、当該河川T沿いに複数の下水処理場A、下水処理場B、下水処理場Cが存在し、河川S区域には、当該河川S沿いに複数の下水処理場D、下水処理場E、下水処理場Fが存在している。また、前記河川Tおよび前記河川Sは共通の海(共通の湾)に流れ込んでいる。
【0014】
大都市圏の海(湾)では、海水の水質に目標水質が設定されており、当該海(湾)に流れ込む河川の水質に目標水質が設定されている。例えば、東京湾における現在の水質目標は次の通りである。BOD(Biochemical Oxygen Demand)(生物化学的酸素要求量)は10mg/L、COD(Chemical Oxygen Demand)(化学的酸素要求量)は15mg/L、SS(Suspended Solids)(浮遊物質濃度)は10mg/L、窒素は15mg/L、りんは1.0mg/Lである。そこで、処理後排水を河川に放流する各下水処理場A〜Fにおける処理後排水の現在の水質目標範囲は次の通りである。例えば、BODは1〜10mg/L、窒素は1〜30mg/L、りんは1〜20mg/L、濁度は<0.1〜10NTUとしてある。なお、因みに、処理前の排水原水の現在の水質目標範囲は次の通りである。BODは1〜30mg/L、窒素は1〜30mg/L、りんは1〜20mg/L、濁度は<0.1〜10NTUとしてある。
【0015】
この発明の実施の形態1における下水処理場の統合運用管理方法は、同一河川、例えば図1における前記河川Tに処理後排水を放出する前記複数の下水処理場A〜Cの各々の前記処理後排水の水質を管理する下水処理場の統合運用管理方法であって、前記各下水処理場A〜Cの各々にWebサーバを設置すると共に、前記各下水処理場A〜CのWebサーバの各々と広域回線網を介して接続された統合Webサーバを統合管理センターに設置し、前記各下水処理場A〜Cの各Webサーバで収集された前記各下水処理場A〜Cの処理後排水の水質情報を広域回線網を介して前記統合Webサーバに格納し、前記統合Webサーバに格納された前記各下水処理場A〜Cの処理後排水の水質情報に基づき、同一河川に処理後排水を放出する前記各下水処理場A〜Cの前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合管理センターから前記各下水処理場A〜Cの少なくとも一つへ水質制御指令を出す下水処理場の統合運用管理方法であり、また、同一河川、例えば図1における前記河川Sに処理後排水を放出する前記複数の下水処理場D〜Fの各々の前記処理後排水の水質を管理する下水処理場の統合運用管理方法であって、前記各下水処理場D〜Fの各々にWebサーバを設置すると共に、前記各下水処理場D〜FのWebサーバの各々と広域回線網を介して接続された統合Webサーバを統合管理センターに設置し、前記各下水処理場D〜Fの各Webサーバで収集された前記各下水処理場D〜Fの処理後排水の水質情報を広域回線網を介して前記統合Webサーバに格納し、前記統合Webサーバに格納された前記各下水処理場D〜Fの処理後排水の水質情報に基づき、同一河川に処理後排水を放出する前記各下水処理場D〜Fの前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合管理センターから前記各下水処理場D〜Fの少なくとも一つへ水質制御指令を出す下水処理場の統合運用管理方法である。当該下水処理場の統合運用管理方法を実施するシステムの構成の事例を図2に示してある。
【0016】
図2において、下水処理場A1には、下水処理場Webサーバ11、監視制御装置12、Webカメラ13、ルータ14、プラント内監視制御LAN15、プロセスコントローラ161〜16n、および各種水質センサやポンプや弁等の下水処理プラント機器171〜17nを有した下水処理場内システムが構築されている。
【0017】
前記各種水質センサで検出された処理後排水の水質情報は、前記プロセスコントローラ161〜16nおよび前記プラント内監視制御LAN15を介して前記下水処理場Webサーバ11で収集され、収集された処理後排水の水質情報は、前記下水処理場Webサーバ11内のデータ送信手段111により外部へ送信される。
【0018】
前記前記下水処理場Webサーバ11内の水質情報のデータテーブルには、図3に示すように、例えば、河川名T、下水処理場名A、河川水の実流量(L/秒)TF、処理排水の実排水量(L/秒)AF、処理後排水の水質管理パラメータ(水質管理要素名)BOD,・・・窒素,りん,濁度等、処理後排水の基準水質範囲(BOD1〜10mg/L,・・・窒素1〜30mg/L,りん1〜20mg/L,濁度<0.1〜10NTU等)、処理後排水の水質実測値(BODはAa,・・・窒素はAb,りんはAc,・・・濁度はAd等)、河川Tが流入する海(湾)の水質目標値(BOD10mg/L,・・・窒素15mg/L,りん10mg/L,濁度10NTU等)等が保存されている。
【0019】
前記プロセスコントローラ161〜16nは、自動運転あるいは人為操作により、ポンプの運転制御、処理後排水の流量調節弁の開度制御、等、下水処理場の各種プラント機器の制御も行う。つまり、前記プロセスコントローラ161〜16nは、前記各種水質センサやポンプや弁等の下水処理プラント機器171〜17nの監視制御を、前記監視制御装置12からの監視制御信号により実行する。
【0020】
前記下水処理場B〜F内のシステム構成は図示省略してあるが、前述の下水処理場A内のシステム構成と同じであり、各々のデータテーブルは図4〜図8に例示してある。図4〜図8に例示のデータテーブルは前述の下水処理場Aのデータテーブルと同一構成であり、
前記下水処理場Bの処理後排水の水質実測値は、図4に示すように、BODはBa,・・・窒素はBb,りんはBc,・・・濁度はBdとして例示し、同様に、前記下水処理場Cの処理後排水の水質実測値は、図5に示すように、BODはCa,・・・窒素はCb,りんはCc,・・・濁度はCd、前記下水処理場Dの処理後排水の水質実測値は、図6に示すように、BODはDa,・・・窒素はDb,りんはDc,・・・濁度はDd、前記下水処理場Eの処理後排水の水質実測値は、図7に示すように、BODはEa,・・・窒素はEb,りんはEc,・・・濁度はEd、前記下水処理場Fの処理後排水の水質実測値は、図8に示すように、BODはFa,・・・窒素はFb,りんはFc,・・・濁度はFd、と例示してある。
【0021】
統合管理センター2には、統合Webサーバ21、Web端末(表示装置)22、ルータ23が設けられている。
【0022】
前記統合管理センター2の統合Webサーバ21内の記憶装置等のデータ格納手段211には、前記各下水処理場A〜Fの前記各データテーブルのデータを広域回線網3及び前記ルータ23を介して収集した情報が格納されている。なお、前記統合Webサーバ21内の記憶装置等のデータ格納手段211では、河川毎に別のデータテーブルとしてある。即ち、各下水処理場A〜Cが処理後排水を放流する河川Tのデータテーブルは、図9に示すように前述の各下水処理場A〜Cの処理後排水の水質に関する各データテーブルの情報を全て有するデータテーブルであり、各下水処理場D〜Fが処理後排水を放流する河川Sのデータテーブルは、図10に示すように前述の各下水処理場D〜Fの処理後排水の水質に関する各データテーブルの情報を全て有する別のデータテーブルである。
【0023】
前記統合管理センター2におけるデータ格納手段211内の図9に例示のデータテーブルおよび図10に例示のデータテーブルは、何れも前記Web端末(表示装置)22に画面表示され、統合管理担当者が目視確認できるようになっている。また、前記Web端末(表示装置)22の画面には、図1に示すような河川T,Sと各下水処理場A〜Fとの地理的関係も表示でき、例えば、河川Tにカーソルを合わせてクリックすれば図9のデータテーブルがポップアップ表示され、各下水処理場Aにカーソルを合わせてクリックすれば図3のデータテーブルがポップアップ表示されるように構成してある。また、前記Web端末(表示装置)22に画面には、その他に前記WebカメラのURLも表示されるようにしてあり、当該URLをクリックすれば、Webカメラで撮った例えば曝気槽の水位や状態が画面にポップアップ表示されるように構成してある。
【0024】
また、前記Web端末(表示装置)22の画面上のグラフ表示ボタンをクリックすれば、水質の時間的変化を示すグラフを表示することができる。図11は河川Tの各下水処理場A〜Cにおける水質管理要素の一つであるBODの時間的変化を示すグラフが前記クリックにより選択された場合の表示例である。
【0025】
この図11の事例では、下水処理場Aの処理後排水の実測BODはBOD-Aで示されるように、午前9時の時点(現時点)では処理後排水の基準水質範囲の上限10mg/L以下であるが、午前6時半から急激に増加しており、18時には一点鎖線で示すように処理後排水の基準水質範囲の上限10mg/Lを超えた推定値13mg/Lとなる。
下水処理場Bの処理後排水の実測BODはBOD-Bで示されるように、午前9時の時点(現時点)では処理後排水の基準水質範囲の上限10mg/L以下の8mg/Lであり、時間的な変化はなく、18時において一点鎖線で示すように処理後排水の基準水質範囲の上限10mg/L以下の推定値8mg/Lとなる。
下水処理場Cの処理後排水の実測BODはBOD-Cで示されるように、午前9時の時点(現時点)では処理後排水の基準水質範囲の上限10mg/L以下であるが、時間の経過と共に漸増しており、18時には一点鎖線で示すように推定値は処理後排水の基準水質範囲の上限である10mg/Lとなる。
【0026】
ここで、現時点の各下水処理場A〜Cの処理後排水の実測BODの平均値は、処理後排水の基準水質範囲の上限10mg/L以下であるが、18時の時点での各下水処理場A〜Cの処理後排水の実測BODの推測平均値は、(13mg/L+8mg/L+10mg/L)/3であり、10.33mg/Lとなって処理後排水の基準水質範囲の上限値10mg/Lを超えることになる。
そこで、処理負荷の小さい余裕の有る下水処理場BのBODを18時の所定時間の前に例えば6mg/Lに低下するように制御し、18時の時点での各下水処理場A〜Cの処理後排水の実測BODの推測平均値が処理後排水の基準水質範囲の上限10mg/L以下になるようにする。各下水処理場A〜Cの処理後排水の実測BODの推測平均値が処理後排水の基準水質範囲の上限10mg/L以下にすれば、海(湾)に流れ込む河川Tの河口でのBODは、海(湾)の目標水質10mg/L以下にすることができる。
【0027】
前記下水処理場Bの処理後排水のBODや流量を制御した場合、その実測値が前記水質センサ171〜17n、前記プロセスコントローラ161〜16n、前記下水処理場Webサーバ11、前記広域回線網3、前記統合Webサーバ21にリアルタイムに格納され、前記制御後の前記下水処理場Bの処理後排水のBOD実測値が、統合管理センター2の前記Web端末(表示装置)22の画面上に、例えば図11の2点鎖線で示すように表示され、各下水処理場A〜Cの処理後排水の実測BODの平均値が処理後排水の基準水質範囲の上限値10mg/Lになるかどうか目視により確認できる。
【0028】
前述の各下水処理場A〜Cの処理後排水の実測BODの平均値や推定値は、前記Web端末(表示装置)22のCPU(図示省略)あるいは前記統合Webサーバ21のCPU(図示省略)で演算により求める。前記平均値や前記推定値は前記統合管理センター2の前記Web端末(表示装置)22の画面上に表示される。前記統合管理センター2では、統合管理担当者が前記Web端末(表示装置)22の画面表示に基づいて或いは画面表示から判断して、電話等によりBODを下げる前記下水処理場へ、処理後排水のBODを下げる制御指令を出す。
【0029】
なお、処理後排水の基準水質範囲の上限値10mg/Lを超える下水処理場Aから河川Tへの処理後排水の放出量が前記下水処理場Bから河川Tへの処理後排水の放出量より多い場合は、処理後排水の放出量も考慮し、前記下水処理場Bから河川Tへの処理後排水の放出量を増加する制御も行い、海(湾)に流れ込む河川Tの河口でのBODが海(湾)の目標水質10mg/L以下になるようにする。この、処理後排水の放出量も考慮した前述の各下水処理場A〜Cの処理後排水の実測BODの平均値や推定値は、前記Web端末(表示装置)22のCPUあるいは前記統合Webサーバ21のCPUで演算により求める。
【0030】
なお、BODだけでなく、前記窒素、りん、濁度、COD、SS等も前述のBODの場合と同様に管理制御する。
【0031】
同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場がある場合、前述のような管理制御を行うので、前述のように、大都市における大規模マンション、大規模ホテル、大規模オフィス等の大規模ビルの密集地への増設による発生下水量の増加、昼間の発生下水量の増加、昼間以外の時間帯での発生下水量の増加、大規模な行事の有無による一時的な人口の変化による発生下水量の増加、などが生じる場合にも処理後排水の水質を基準水質範囲内に維持することができる。
【0032】
実施の形態2.
以下この発明の実施の形態2を、下水処理場の統合運用管理方法を実施する他のシステム構成の事例を示す図12によって説明する。なお、図12において、前述の図2と同一または相当部分には図2と同一符号を付し、この発明の実施の形態2については、前述のこの発明の実施の形態1と異なる点を主体に説明し、他の説明は割愛する。
【0033】
この発明の実施の形態2は、図12に示すように、下水処理場A〜Cの各々にIP電話18を設けると共に、統合管理センター2にIP電話24を設け、前記統合管理センター2の前記IP電話24を使って、前記下水処理場Bの前記IP電話18を介して、前記統合管理センター2から、前記下水処理場Bへ、前述の下水処理場Bの処理後排水のBODを下げる指令を出すようにしたものであり、前述のこの発明の実施の形態1の場合と同様に、同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場がある場合、前述のような管理制御を行うので、前述のように、大都市における大規模マンション、大規模ホテル、大規模オフィス等の大規模ビルの密集地への増設による発生下水量の増加、昼間の発生下水量の増加、昼間以外の時間帯での発生下水量の増加、大規模な行事の有無による一時的な人口の変化による発生下水量の増加、などが生じる場合にも処理後排水の水質を基準水質範囲内に維持することができる。
【0034】
実施の形態3.
以下この発明の実施の形態3を、下水処理場の統合運用管理方法を実施する他のシステム構成の事例を示す図13によって説明する。なお、図13において、前述の図2および図12と同一または相当部分には図2と同一符号を付し、この発明の実施の形態3については、前述のこの発明の実施の形態1および2と異なる点を主体に説明し、他の説明は割愛する。
【0035】
この発明の実施の形態3は、図13に示すように、下水処理場A〜Cの各々にテレビ会議システム19を設けると共に、統合管理センター2にテレビ会議システム25を設け、前記統合管理センター2の前記テレビ会議システム25および前記下水処理場Bの前記テレビ会議システム19を使って、前記統合管理センター2の管理担当者と前記下水処理場A〜Cの各管理担当者とで、処理後排水の水質に関するテレビ会議を行い、前記統合管理センター2の管理担当者が前述の下水処理場Bの処理後排水のBODを下げることを決定し、前記統合管理センター2の管理担当者から、前記下水処理場Bの管理担当者へ、前述の下水処理場Bの処理後排水のBODを下げる指令を出すようにしたものであり、前述のこの発明の実施の形態1の場合と同様に、同一河川に処理後排水を放流する複数の下水処理場がある場合、前述のような管理制御を行うので、前述のように、大都市における大規模マンション、大規模ホテル、大規模オフィス等の大規模ビルの密集地への増設による発生下水量の増加、昼間の発生下水量の増加、昼間以外の時間帯での発生下水量の増加、大規模な行事の有無による一時的な人口の変化による発生下水量の増加、などが生じる場合にも処理後排水の水質を基準水質範囲内に維持することができる。
【0036】
実施の形態4.
以下この発明の実施の形態4を、下水処理場の統合運用管理方法を実施する他のシステム構成の事例を示す図14によって説明する。なお、図14において、前述の図2、図12、および図13と同一または相当部分には図2と同一符号を付し、この発明の実施の形態4については、前述のこの発明の実施の形態1〜3と異なる点を主体に説明し、他の説明は割愛する。
【0037】
この発明の実施の形態4は、図14に示すように、水質や流量などのプロセス量管理は統合Webサーバ21で行い、プロセス量管理には無関係な各下水処理場A〜Fの設備や機器の保守記録、保守計画、下水処理薬品在庫量、等の情報を格納する情報サーバ26を設け、当該情報サーバ26の保有情報をWeb端末22の画面上に表示できるようにしたものである。前記情報サーバ26は、前記統合Webサーバ21とは別に設けてあるので、プロセス量管理を行う前記統合Webサーバ21での水質管理やサーバ処理速度に悪影響を与えることはない。
【0038】
なお、前述のこの発明の実施の形態1〜4において、前記統合管理センター2から、前記下水処理場Bへの前述の下水処理場Bの処理後排水のBODを下げる指令に基づく当該下水処理場Bの処理後排水のBOD制御は、人為的に行っても、前述のこの発明の実施の形態1〜4における効果と同等な効果を奏する。
【0039】
また、前述の説明は河川Tを主体に説明したが、河川Sの場合における各下水処理場D〜Fについても、前記河川Tとは独立して個別に前記統合管理センター2と各下水処理場D〜Fとの間の管理制御が、前述の統合管理センター2と各下水処理場A〜Cとの間の管理制御と同様に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、大都市における河川と下水処理場との地理的関係の事例を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1を示す図で、下水処理場の統合運用管理方法を実施するシステム構成の事例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1を示す図で、河川Tに処理後排水を放流する下水処理場AのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1を示す図で、下水処理場Aと同一河川Tに処理後排水を放流する下水処理場BのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1を示す図で、下水処理場A,Bと同一河川Tに処理後排水を放流する下水処理場CのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1を示す図で、河川Tとは異なる河川Sに処理後排水を放流する下水処理場DのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1を示す図で、下水処理場Dと同一河川Sに処理後排水を放流する下水処理場EのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1を示す図で、下水処理場D,Eと同一河川Sに処理後排水を放流する下水処理場FのWebサーバにおける水質関連データテーブルを示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1を示す図で、統合管理センターのWebサーバにおける河川T区域における下水処理場A〜Cの水質関連データテーブルを示す図である。
【図10】この発明の実施の形態1を示す図で、統合管理センターのWebサーバにおける河川S区域における下水処理場D〜Fの水質関連データテーブルを示す図である。
【図11】この発明の実施の形態1を示す図で、河川Tの各下水処理場A〜Cにおける水質管理要素の一つであるBODの時間的変化の事例を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態2を示す図で、下水処理場の統合運用管理方法を実施する他のシステム構成の事例を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態3を示す図で、下水処理場の統合運用管理方法を実施する他のシステム構成の事例を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態4を示す図で、下水処理場の統合運用管理方法を実施する他のシステム構成の事例を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1 下水処理場、
11 下水処理場Webサーバ、
111 データ送信手段、
12 監視制御装置、
13 Webカメラ、
14 ルータ、
15 プラント内監視制御LAN、
161〜16n プロセスコントローラ、
171〜17n 水質センサ等の機器、
18 IP電話、
19 テレビ会議システム、
2 統合管理センター、
21 統合Webサーバ、
211 データ格納手段、
22 Web端末(表示装置)、
23 ルータ、
24 IP電話、
25 テレビ会議システム、
26 情報サーバ、
3 広域回線網、
T,S 河川、
A〜F 下水処理場。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一河川に処理後排水を放出する複数の下水処理場の各々の前記処理後排水の水質を管理する下水処理場の統合運用管理方法であって、前記各下水処理場にWebサーバを設置すると共に、前記各下水処理場のWebサーバの各々と広域回線網を介して接続された統合Webサーバを統合管理センターに設置し、前記各下水処理場のWebサーバで収集された前記各下水処理場の処理後排水の水質情報を広域回線網を介して前記統合Webサーバに格納し、前記統合Webサーバに格納された前記各下水処理場の処理後排水の水質情報に基づき、同一河川に処理後排水を放出する前記各下水処理場の前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合管理センターから前記各下水処理場の少なくとも一つへ水質制御指令を出す下水処理場の統合運用管理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の下水処理場の統合運用管理方法において、河川が複数ある場合、前記河川毎に、同一河川に処理後排水を放出する前記各下水処理場の前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合管理センターから前記各下水処理場の少なくとも一つへ水質制御指令を出す下水処理場の統合運用管理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の下水処理場の統合運用管理方法において、前記統合Webサーバに格納された前記各下水処理場の処理後排水の水質情報を表示装置に表示し、この表示装置に表示された前記各下水処理場の処理後排水の水質情報に基づき、同一河川に処理後排水を放出する前記各下水処理場の前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合管理センターから前記各下水処理場の少なくとも一つへ水質制御指令を出すことを特徴とする下水処理場の統合運用管理方法。
【請求項4】
請求項3に記載の下水処理場の統合運用管理方法において、前記各下水処理場の処理後排水の水質情報を表示装置にグラフで表示することを特徴とする下水処理場の統合運用管理方法。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか一に記載の下水処理場の統合運用管理方法において、同一河川に処理後排水を放出する前記各下水処理場の前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合管理センターのWeb端末から前記各下水処理場の監視制御装置の少なくとも一つへ水質制御指令を出す下水処理場の統合運用管理方法。
【請求項6】
請求項1〜請求項4の何れか一に記載の下水処理場の統合運用管理方法において、前記実測値の平均値が前記統合Webサーバで自動的に導出され、前記同一河川に処理後排水を放出する前記各下水処理場の前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合Webサーバから前記各下水処理場のWebサーバの少なくとも一つへ水質制御指令を出すことを特徴とする下水処理場の統合運用管理方法。
【請求項7】
請求項1〜請求項4の何れか一に記載の下水処理場の統合運用管理方法において、前記統合管理センターおよび前記各下水処理場にIP電話を設置し、前記IP電話を使って同一河川に処理後排水を放出する前記各下水処理場の前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合管理センターから前記各下水処理場の少なくとも一つへ水質制御指令を出す下水処理場の統合運用管理方法。
【請求項8】
請求項1〜請求項4の何れか一に記載の下水処理場の統合運用管理方法において、前記統合管理センターおよび前記各下水処理場にテレビ会議システムを設置し、前記テレビ会議システムを使って同一河川に処理後排水を放出する前記各下水処理場の前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合管理センターから前記各下水処理場の少なくとも一つへ水質制御指令を出す下水処理場の統合運用管理方法。
【請求項1】
同一河川に処理後排水を放出する複数の下水処理場の各々の前記処理後排水の水質を管理する下水処理場の統合運用管理方法であって、前記各下水処理場にWebサーバを設置すると共に、前記各下水処理場のWebサーバの各々と広域回線網を介して接続された統合Webサーバを統合管理センターに設置し、前記各下水処理場のWebサーバで収集された前記各下水処理場の処理後排水の水質情報を広域回線網を介して前記統合Webサーバに格納し、前記統合Webサーバに格納された前記各下水処理場の処理後排水の水質情報に基づき、同一河川に処理後排水を放出する前記各下水処理場の前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合管理センターから前記各下水処理場の少なくとも一つへ水質制御指令を出す下水処理場の統合運用管理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の下水処理場の統合運用管理方法において、河川が複数ある場合、前記河川毎に、同一河川に処理後排水を放出する前記各下水処理場の前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合管理センターから前記各下水処理場の少なくとも一つへ水質制御指令を出す下水処理場の統合運用管理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の下水処理場の統合運用管理方法において、前記統合Webサーバに格納された前記各下水処理場の処理後排水の水質情報を表示装置に表示し、この表示装置に表示された前記各下水処理場の処理後排水の水質情報に基づき、同一河川に処理後排水を放出する前記各下水処理場の前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合管理センターから前記各下水処理場の少なくとも一つへ水質制御指令を出すことを特徴とする下水処理場の統合運用管理方法。
【請求項4】
請求項3に記載の下水処理場の統合運用管理方法において、前記各下水処理場の処理後排水の水質情報を表示装置にグラフで表示することを特徴とする下水処理場の統合運用管理方法。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか一に記載の下水処理場の統合運用管理方法において、同一河川に処理後排水を放出する前記各下水処理場の前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合管理センターのWeb端末から前記各下水処理場の監視制御装置の少なくとも一つへ水質制御指令を出す下水処理場の統合運用管理方法。
【請求項6】
請求項1〜請求項4の何れか一に記載の下水処理場の統合運用管理方法において、前記実測値の平均値が前記統合Webサーバで自動的に導出され、前記同一河川に処理後排水を放出する前記各下水処理場の前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合Webサーバから前記各下水処理場のWebサーバの少なくとも一つへ水質制御指令を出すことを特徴とする下水処理場の統合運用管理方法。
【請求項7】
請求項1〜請求項4の何れか一に記載の下水処理場の統合運用管理方法において、前記統合管理センターおよび前記各下水処理場にIP電話を設置し、前記IP電話を使って同一河川に処理後排水を放出する前記各下水処理場の前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合管理センターから前記各下水処理場の少なくとも一つへ水質制御指令を出す下水処理場の統合運用管理方法。
【請求項8】
請求項1〜請求項4の何れか一に記載の下水処理場の統合運用管理方法において、前記統合管理センターおよび前記各下水処理場にテレビ会議システムを設置し、前記テレビ会議システムを使って同一河川に処理後排水を放出する前記各下水処理場の前記処理後排水の水質の実測値の平均値が基準水質範囲内に入るように前記統合管理センターから前記各下水処理場の少なくとも一つへ水質制御指令を出す下水処理場の統合運用管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−2474(P2007−2474A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−182341(P2005−182341)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(505236872)
【出願人】(000220675)東京都下水道サービス株式会社 (98)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(505236872)
【出願人】(000220675)東京都下水道サービス株式会社 (98)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]