説明

不凍液の再生処理方法、及び不凍液の再生処理システム

【課題】グリコールを含む使用済みの不凍液から金属を安価に効率よく分離できる不凍液の再生処理方法、及び不凍液の再生処理システムを提供する。
【解決手段】グリコールを含む不凍液の再生処理方法であって、前記不凍液中に2価のアルカリ水酸化物を添加する第1ステップと、前記第1ステップ後の前記不凍液にカチオン系高分子凝集剤、又はアルギン酸ナトリウムを添加して沈殿処理を行う第2ステップと、前記第2ステップ後の処理液を弱酸性カチオン交換樹脂に通液する第3ステップと、前記第3ステップ後の処理液を弱塩基性アニオン交換樹脂に通液する第4ステップとを備えたことを特徴とする不凍液の再生処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不凍液の再生処理方法、及び不凍液の再生処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、不凍液は自動車エンジンの冷却、冷凍機の熱媒体、建築物の冷暖房用熱媒体などに使用される。熱媒体の主成分はグリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類)である。長期間の使用により不凍液中に金属が溶出し、又はグリコールが酸化する。それ故、一定期間(5〜10年)ごとに新液に交換する必要があった。新液への交換は、交換にかかるコストの他に、使用済み不凍液の廃棄処分が必要である。特にグリコール類は生分解性が低いため、従来技術による分解処理が困難で、環境への大きな負荷が問題となっていた。そこで例えば、逆浸透膜で不凍液を再生する不凍液の再生処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−143851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、グリコールを主成分とする不凍液の粘度は高く、高濃度に汚染された不凍液中には多くの懸濁物質や酸化生成物を含んでいる。このような使用済み不凍液を再生する為に、特許文献1が開示する技術を用いた場合、逆浸透膜がすぐに目詰まりを起こしてしまい、不凍液を効率よく再生することができなかった。さらに逆浸透膜法では回収率が50〜80%となるため、使用できない濃厚廃液が発生する。それ故、大量の不凍液を処理するには適さず、コスト高の懸念もあった。
【0005】
本発明の目的は、グリコールを含む使用済みの不凍液から金属を安価に効率よく分離できる不凍液の再生処理方法、及び不凍液の再生処理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る不凍液の再生処理方法は、グリコールを含む不凍液の再生処理方法であって、前記不凍液中に2価のアルカリ水酸化物を添加する第1ステップと、前記第1ステップ後の前記不凍液にカチオン系高分子凝集剤、又はアルギン酸ナトリウムを添加して沈殿処理を行う第2ステップと、前記第2ステップ後の処理液を弱酸性カチオン交換樹脂に通液する第3ステップと、前記第3ステップ後の処理液を弱塩基性アニオン交換樹脂に通液する第4ステップとを備えている。
【0007】
第1態様に係る不凍液の再生処理方法では、第1ステップにて不凍液中に2価のアルカリ水酸化物を添加する。すると、不凍液中に金属水酸化物が生成する。さらに第2ステップにて不凍液中にカチオン系高分子凝集剤を添加して攪拌を行う。すると、分散した微粒子が凝集し、沈殿性の粒子となって沈殿する。次いで第3ステップにて第2ステップ後の処理液を弱酸性カチオン交換樹脂に通液する。弱酸性カチオン交換樹脂は、第1ステップにて不凍液中に添加した2価のアルカリ水酸化物のみを吸着除去し、中性塩のカチオンは吸着しない。故に不凍液中に残留する余剰のアルカリのみを除去できる。弱酸性カチオン交換樹脂に通液した処理液中には弱酸が遊離している。そこで第4ステップにて第3ステップ後の処理液を弱塩基性アニオン交換樹脂に通液する。弱塩基性アニオン交換樹脂は、処理液中に遊離する弱酸のみを吸着し、中性塩のアニオンは吸着しない。これにより不凍液中に遊離する弱酸のみを除去できる。このようにしてグリコールを含む使用済みの不凍液からFeやCu、Zn等の金属を安価に効率よく分離できる。なお、第1ステップにおいて、カチオン系高分子凝集剤の代わりにアルギン酸ナトリウムを添加しても同様の効果が得られる。
【0008】
また第1態様において、前記第2ステップにおいて、前記第1ステップ後の前記不凍液に、カチオン系高分子凝集剤、又はアルギン酸ナトリウムに加え、アニオン系高分子凝集剤をさらに添加して沈殿処理を行ってもよい。これにより沈殿性の粒子がさらに巨大粒子となるので、速やかに沈殿させることができる。
【0009】
また第1態様において、前記第3ステップにおいて、前記第2ステップ後の処理液の濾過処理を行い、前記濾過処理で得られた濾液を弱酸性カチオン交換樹脂に通液するようにしてもよい。これにより処理液中の懸濁物が弱酸性カチオン交換樹脂に詰まるのを防止できる。
【0010】
また第1態様において、前記第3ステップにおいて、前記弱酸性カチオン交換樹脂を通過した処理液のpHを計測するようにしてもよい。弱酸性カチオン交換樹脂は不凍液中に遊離するアルカリを吸着するので、吸着が飽和に達すればpHはアルカリ性を示す。これにより弱酸性カチオン交換樹脂がカチオン吸着において飽和に達したか否かを判断できる。
【0011】
また第1態様において、前記弱酸性カチオン交換樹脂をHCl又はHSOで再生する第1再生ステップを備えてもよい。これにより弱酸性カチオン交換樹脂を再利用できる。
【0012】
また第1態様において、前記第4ステップにおいて、前記弱塩基性アニオン交換樹脂を通過した処理液のpHを計測するようにしてもよい。弱塩基性アニオン交換樹脂は、不凍液中に遊離している弱酸のみを吸着する性質があるので飽和に達すると酸を吸着しなくなるためpHが下がり始める。これにより弱塩基性アニオン交換樹脂がアニオン吸着において飽和に達したか否かを判断できる。
【0013】
また第1態様において、前記弱塩基性アニオン交換樹脂をHCl又はHSO、及び
NaOHで再生する第2再生ステップを備えてもよい。第2再生ステップでは、弱塩基性アニオン交換樹脂をHCl又はHSOで先に洗浄することによって、弱塩基性アニオン交換樹脂に吸着した有機物を離脱させることができる。この後で、NaOHによる再生を行うことにより、弱塩基性アニオン交換樹脂を良好に再生できる。
【0014】
本発明の第2態様に係る不凍液の再生処理システムは、グリコールを含む不凍液の再生処理システムであって、前記不凍液中に2価のアルカリ水酸化物を添加するアルカリ添加手段と、前記アルカリ添加手段によって前記2価のアルカリ水酸化物が添加された前記不凍液中にカチオン系高分子凝集剤、又はアルギン酸ナトリウムを添加して沈殿処理を行う沈殿処理手段と、前記沈殿処理手段によって処理された処理液を弱酸性カチオン交換樹脂に通液し、前記濾過液中のアルカリ成分を除去するアルカリ除去手段と、前記アルカリ除去手段によってアルカリ成分が除去された処理液を弱塩基性アニオン交換樹脂に通液し、前記処理液中の酸性成分を除去する酸除去手段とを備えている。
【0015】
第2態様に係る不凍液の再生処理システムでは、アルカリ添加手段によって、不凍液中に2価のアルカリ水酸化物が添加されることで、不凍液中に金属水酸化物が生成する。沈殿処理手段によって、不凍液中にカチオン系高分子凝集剤が添加される。これにより分散した微粒子が凝集し、微粒子は沈殿性の粒子となって沈殿する。さらにアルカリ除去手段によって、沈殿処理手段によって処理された処理液が弱酸性カチオン交換樹脂に通液され、アルカリ成分が除去される。さらに酸除去手段によって、アルカリ除去手段によってアルカリ成分が除去された処理液が弱塩基性アニオン交換樹脂に通液され、処理液中の酸性成分が除去される。このようにしてグリコールを含む使用済みの不凍液からFeやCu、Zn等の金属を安価に効率よく分離できる。なお、沈殿処理手段によって、カチオン系高分子凝集剤の代わりにアルギン酸ナトリウムが添加されても同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】不凍液再生処理の流れを示す工程フローである。
【図2】不凍液再生処理システム1の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態である不凍液の再生処理方法、及び不凍液再生処理システム1について、図面を参照して説明する。参照する図面は本発明が採用し得る技術的特徴を説明する為に用いられるものである。図面に記載した各処理工程、及びシステムの構成等はそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例である。
【0018】
先ず、本実施形態の処理方法で再生可能な廃不凍液について説明する。再生対象とする不凍液は、例えば、自動車エンジンの冷却、冷凍機の熱媒体、建築物の冷暖房用熱媒体等に使用されたものである。熱媒体の主成分は、グリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類)である。
【0019】
長期間使用した不凍液には、主成分であるグリコールの他、以下のような不純物質も含まれている。
(1)金属酸化物・・・Fe、CuO、ZnO
これらは不凍液中ではコロイド状の微細な粒子となっている。
(2)グリコール類が酸化して生じる有機酸・・・ギ酸、シュウ酸
これらは不凍液を酸性化し金属の腐食を早める。シュウ酸は金属と結合し、金属の分離性を阻害する。
(3)不凍液に添加されている化学物質の変性物・・・亜硝酸塩、アミン類、トリアゾール等の酸化物。
本実施形態はこれらの効率的な除去を可能とするものである。
【0020】
次に、本実施形態の不凍液再生処理について、図1の工程フローを参照して説明する。不凍液再生処理は、アルカリ添加工程(S10)と、第1沈殿工程(S11)と、第2沈殿工程(S12)と、濾過工程(S13)と、カチオン吸着工程(S14)と、アニオン吸着工程(S15)と、を備えている。さらに本処理は、第1再生工程(S21)と、第2再生工程(S22)とを備えている。これらは後述するカチオン吸着工程(S14)と、アニオン吸着工程(S15)とにおいて使用される弱酸性カチオン交換樹脂、及び弱塩基性アニオン交換樹脂を再生する為に実行される。以下、各処理内容について、図1の工程フローに沿って説明する。
【0021】
先ず、アルカリ添加工程(S10)を行う。Fe、Cu、Zn等の酸化物は、廃不凍液中において有機化合物と強固な結合をしている。それ故、これらは通常の凝集沈殿では分離できない。そこでアルカリ添加工程において、廃不凍液中に2価のアルカリ水酸化物を加え、廃不凍液のpHを10以上とする。2価のアルカリ水酸化物として、例えば、水酸化カルシウム(Ca(OH))、又は水酸化マグネシウム(Mg(OH))等を利用できる。例えば、廃不凍液中にCa(OH)を1g/L加え、5分間攪拌する。このときの反応をCa(OH)を添加した場合で以下に模式的に示す。
【化1】

【化2】

【0022】
反応式(1)に示すように、有機物と結合した金属イオン(M2+)は、過剰の
Ca(OH)のCaイオンと入れ替わり、M2+イオンとして遊離する。さらに反応式(2)に示すように、遊離した金属イオンM2+がアルカリと反応し金属水酸化物を生成する。これでアルカリ添加工程が終了する。なお、この状態での金属水酸化物は、高濃度の有機物の妨害により分散しているので、沈殿物となるにはかなりの時間がかかる。
【0023】
次に、第1沈殿工程(S11)を行う。第1沈殿工程では、カチオン系高分子凝集剤を加えて攪拌を行うことによって分散した微粒子を凝集させる。例えば、アルカリ添加工程においてCa(OH)が添加された不凍液中に、カチオン系高分子凝集剤を10mg/L加え、5分間攪拌する。なお、カチオン系高分子凝集剤として、例えば、ポリメタクリル酸エステルを主成分とするカチオン系ポリマー(商品名「エバグロースC−317B」:荏原エンジニアリングサービス株式会社製)が利用できる。この凝集反応によって微粒子は沈殿性の粒子となり沈殿する。また、カチオン系高分子凝集剤の代わりに、アルギン酸ナトリウムを30mg/L添加してもよい。アルギン酸ナトリウムは食品添加物として認められている。アルギン酸ナトリウムを添加することによっても、カチオン系高分子凝集剤と同様の効果が得られる。これで第1沈殿工程が終了する。
【0024】
次に、第2沈殿工程(S12)を行う。第2沈殿工程では、アニオン系高分子凝集剤を更に加えて攪拌を行い、沈殿速度を大きくさせる。例えば、第1沈殿工程においてカチオン系高分子凝集剤が添加された不凍液中に、アニオン系高分子凝集剤を3mg/L加え、5分間攪拌して静置する。なお、アニオン系高分子凝集剤として、例えば、ポリアクリルアミドを主成分とするアニオン系ポリマー(商品名「エバグロースA−201C」:荏原エンジニアリングサービス株式会社製)が利用できる。これにより沈殿性の粒子がさらに巨大粒子となるので速やかな沈殿が起きる。これで第2沈殿工程が終了する。以上のS11〜S13の工程により、本実施例では、廃不凍液中に含有される金属の99%以上の除去率が得られることが分かっている。
【0025】
次に、濾過工程(S13)を行う。濾過工程では、第2沈殿工程によって得られた処理液の上澄み液を濾過する。本実施例では、アドバンテック社製のNo5Aの濾紙を用いている。これにより処理液中に含まれる不純物を除去できる。これで濾過工程が終了する。
【0026】
次に、カチオン吸着工程(S14)を行う。濾過工程で得られた濾液中には、アルカリ添加工程で加えた水酸化物のかなりの部分が残留している。そのため処理液のpHは10以上である。不凍液として再利用するにはこの余剰のアルカリを除去する必要がある。そこで本工程において、弱酸性型のカチオン交換樹脂を封入したカラムに、濾過工程で得られた処理液を通液させる。故に、アルカリ添加工程で廃不凍液に加えたCa(OH)分のカチオン(Ca2+)のみを吸着除去できる。弱酸性カチオン交換樹脂はアルカリ分のみを吸着し、NaClのような中性塩のカチオン(Na)は吸着しない性質がある。この原理を模式的に表す。
【化3】

なお、Rは樹脂の母体でCOOH基を持っている。この反応によりCaが弱酸性カチオン交換樹脂に吸着され、HOが生成する。これでカチオン吸着工程が終了する。
【0027】
なお、カチオン吸着工程では、弱酸性型カチオン交換樹脂によってカチオンが吸着除去された処理液のpHを計測する。弱酸性型カチオン交換樹脂は遊離するアルカリのみを吸着するものである。吸着が飽和に達すればpHはアルカリ性を示す。それ故、吸着が飽和に達した場合は、後述する第1再生工程を行う。
【0028】
次に、アニオン吸着工程(S15)を行う。カチオン吸着工程では、濾液中のCaイオン以外のカチオン(例えばNaイオン)も一部吸着されるので、カチオン交換後の処理液にはギ酸やシュウ酸等の弱酸が遊離する。そのため、カチオン吸着後の処理液は弱酸性を示す。本工程では、この弱酸イオンを吸着するため、弱塩基性アニオン交換樹脂を使用する。弱塩基性アニオン交換樹脂は遊離酸のみを吸着し、NaClのような中性塩のアニオン(Cl)は吸着しない性質がある。ギ酸をモデルにこの原理を模式的に表す。
【化4】

なお、Rは樹脂の母体で−OH基を持っている。この反応によりHCOO基が樹脂に吸着され、HOが生成する。ギ酸が除去されることにより元の不凍液の成分に戻る。これでアニオン吸着工程が終了する。
【0029】
なお、アニオン吸着工程では、弱塩基性アニオン交換樹脂によってアニオンが吸着除去された処理液のpHを計測する。弱塩基性アニオン交換樹脂は遊離する酸のみを吸着するものである。吸着が飽和に達する前後でpHの変化がなくなる。それ故、吸着が飽和に達した場合は、後述する第2再生工程を行う。
【0030】
以上のように、S11〜S16の各工程を順次行うことにより、不凍液再生処理が終了する。本実施形態の不凍液再生処理を行うことによって、廃不凍液を安価に効率よく再生することができる。
【0031】
次に、第1再生工程(S21)について説明する。第1再生工程は、上述の通り、カチオン吸着工程(S15)における処理液のpHの計測により、弱酸性型カチオン交換樹脂によるカチオン吸着が飽和に達した場合に適宜行われる。なお、再生方法は、以下の(1)〜(4)の順で行う。
(1)逆洗:線速度5〜10m/hで15〜20分間洗浄する。
(2)薬注:樹脂1Lに対しHClを50〜150gを注入する。通常は、4〜10%のHClを空塔速度3〜10/hで通液する。
(3)押出し:薬注と同じ速度で樹脂量の2〜3倍の水を流す。
(4)水洗:線速度5〜10m/hで樹脂量の3〜5倍の水で洗浄する。
以上の処理を行うことにより、弱酸性型カチオン交換樹脂を良好に再生できる。
【0032】
次に、第2再生工程(S22)について説明する。第2再生工程は、上述の通り、アニオン吸着工程(S16)における処理液が予め決められた定体積に達したとき、若しくはpHの計測により、弱塩基性アニオン交換樹脂によるアニオン吸着が飽和に達した場合に適宜行われる。なお、再生方法は、以下の(1)〜(4)の順で行う。
(1)逆洗:線速度5〜10m/hで15〜20分間洗浄する
(2)薬注1:樹脂1Lに対しHClを50〜100gを注入する。通常は4〜10%のHCl液を空塔速度3〜10/hで通液する。
(3)押出1:薬注と同じ速度で樹脂量の2〜3倍の水を流す。
(4)薬注2:樹脂1Lに対しNaOHを50〜150gを注入する。通常は4〜10%のNaOH液を空塔速度3〜10で通液する。
(5)押出2:薬注と同じ速度で樹脂量の2〜3倍の水を流す。
(6)水洗:線速度5〜10m/hで樹脂量の3〜5倍の水で洗浄する。
【0033】
なお、第2再生工程での再生は、弱アニオン交換樹脂において、先ずHClで洗浄を行い、次いでNaOHで再生する。つまり、薬注1によって、アニオン交換樹脂に吸着した酸に可溶性の有機物を離脱させる。その後、薬注2において、NaOHによる再生を行う。以上の手順を行うことにより、弱アニオン交換樹脂を良好に再生できる。
【0034】
次に、アルカリ添加工程(S10)における2価のアルカリ水酸化物の添加量について検討を行った。実験方法は以下の通りである。先ず、5つの容器内に入れた廃不凍液中に、Ca(OH)を200、400、600、800、1000mg/Lずつそれぞれ添加し、10分間攪拌した。さらに各容器内に、カチオン系高分子凝集剤を10mg/L、アニオン系高分子凝集剤を2mg/Lをそれぞれ添加し、5分間攪拌して静置し、凝集沈殿させた。その後、アドバンテック社製のNo5Aの濾紙を用いて、処理液中に含まれる不純物を濾過した。このときの濾液のpHと、透明度とをそれぞれ計測及び観察した。濾液の透明度は、沈殿状態の指標となる。
【0035】
試験結果は以下の表1の通りである。
【表1】

【0036】
表1に示すように、Ca(OH)を200mg/L添加した場合の濾液のpHは9.8、Ca(OH)を400mg/L添加した場合の濾液のpHは10.5、
Ca(OH)を600mg/L添加した場合の濾液のpHは11.5、Ca(OH)を800mg/L添加した場合の濾液のpHは11.9、Ca(OH)を1000mg/L添加した場合の濾液のpHは12.2であった。そして、Ca(OH)を200mg/L添加した場合の濾液の透明度は濁りが多く、Ca(OH)を400mg/L添加した場合の濾液の透明度はやや濁りがあり、Ca(OH)を600mg/L以上添加した場合の濾液の透明度は透明であった。
【0037】
以上の結果より、Ca(OH)の添加量が多いほど、金属水酸化物を良好に沈殿させることができた。pHが10以下では濁りが多く、濾過処理における濾紙の目詰まりが速かった。故に、廃不凍液のpHが少なくとも10.5を超えるように、Ca(OH)を添加すればよいことがわかった。
【0038】
次に、上記の不凍液再生処理を実行するための不凍液再生処理システム1について、図2を参照して説明する。不凍液再生処理システム1は、廃不凍液槽2と、凝集沈殿槽3と、中継槽4と、フィルタ装置5と、C吸着塔6と、A吸着塔7とを備えている。廃不凍液槽2には、使用済みの廃不凍液が貯留される。凝集沈殿槽3には、攪拌機3Bが設けられている。凝集沈殿槽3には、廃不凍液槽2から供給された廃不凍液が貯留される。凝集沈殿槽3に貯留された廃不凍液中には、Ca(OH)、カチオン系高分子凝集剤、及びアニオン系高分子凝集剤がそれぞれ添加される。さらにこれらは攪拌機3Bによって攪拌される。その結果、廃不凍液中の金属水酸化物を凝集沈殿させることができる。中継槽4は、凝集沈殿槽3における上澄み液を一旦貯留する。フィルタ装置5は、中継槽4から供給され上澄み液の濾過を行う。C吸着塔6は、弱酸性カチオン交換樹脂を封入し、フィルタ装置5から供給される濾液中のカチオンを吸着除去する。A吸着塔7は、弱塩基性アニオン交換樹脂を封入し、C吸着塔6からカチオン除去された処理液中のアニオンを吸着除去する。
【0039】
不凍液再生処理システム1は、さらに、アルカリ供給槽10と、C供給槽11と、A供給槽12と、汚泥脱水槽14と、汚泥濾液槽15と、再生廃液槽19と、HCl供給槽17と、NaOH供給槽18とを備えている。アルカリ供給槽10は凝集沈殿槽3に添加するCa(OH)を収容する。C供給槽11は、凝集沈殿槽3に添加するカチオン系高分子凝集剤を収容する。A供給槽12は、凝集沈殿槽3に添加するアニオン系高分子凝集剤を収容する。汚泥脱水槽14は、凝集沈殿槽3から回収された汚泥を受ける。汚泥濾液槽15は、汚泥脱水槽14において濾過された汚泥濾液を受ける。再生廃液槽19は、C吸着塔6と、A吸着塔7との各再生工程時に排出される再生廃液を受ける。HCl供給槽17は、C吸着塔6とA吸着塔7との各再生工程時において添加するHClを収容する。
NaOH供給槽18は、A吸着塔7の再生工程時において添加するNaOHを収容する。
【0040】
廃不凍液槽2と凝集沈殿槽3との間には配管21が設けられている。凝集沈殿槽3と中継槽4との間には配管22が設けられている。中継槽4とフィルタ装置5との間には配管23が設けられている。フィルタ装置5とC吸着塔6との間には配管24が設けられている。C吸着塔6とA吸着塔7との間には配管25が設けられている。A吸着塔7の出口には、再生した不凍液を流出する流出管26が接続されている。
【0041】
アルカリ供給槽10には供給管31が接続されている。供給管31は、凝集沈殿槽3にCa(OH)を供給する。C供給槽11には供給管32が接続されている。供給管32は凝集沈殿槽3にHClを供給する。A供給槽12には供給管33が接続されている。供給管33は凝集沈殿槽3にNaOHを供給する。凝集沈殿槽3の底部には汚泥管34が接続されている。汚泥管34は凝集沈殿槽3から引き抜かれた汚泥を汚泥脱水槽14に排出する。汚泥濾液槽15には供給管35が接続されている。供給管35は汚泥濾液槽15内の汚泥濾液を凝集沈殿槽3に供給する。HCl供給槽17には供給管36が接続されている。供給管36は供給管37,38に分岐している。供給管37はC吸着塔6にHClを供給する。供給管38はA吸着塔7にHClを供給する。NaOH供給槽18には供給管39が接続されている。供給管39はNaOHをA吸着塔7に供給する。C吸着塔6には排出管61が接続されている。排出管61は再生工程時に排出される再生廃液を再生廃液槽19に排出する。A吸着塔7には送出管62が接続されている。送出管62は再生工程時に排出される再生廃液を再生廃液槽19に送出する。
【0042】
配管21にはポンプ40が設けられている。供給管31にはポンプ41が設けられている。供給管32にはポンプ42が設けられている。供給管33にはポンプ43が設けられている。供給管35にはポンプ46が設けられている。配管23にはポンプ48が設けられている。供給管37にはポンプ52が設けられている。供給管38にはポンプ53が設けられている。供給管39にはポンプ54が設けられている。凝集沈殿槽3には、廃不凍液のpHを計測するpH計3Aが設けられている。中継槽4には水位計47が設けられている。配管24には流量計49が設けられている。配管25にはpH計50が設けられている。流出管26にはpH計51が設けられている。配管45には汚泥の流路を開閉する開閉弁45が設けられている。
【0043】
上記の構成を有する不凍液再生処理システム1は、上述の不凍液再生処理を行う。具体的には、先ずポンプ40が駆動すると、廃不凍液槽2から配管21を介して廃不凍液が凝集沈殿槽3に供給される。攪拌機3Bが駆動すると、ポンプ41が駆動し、アルカリ供給槽10から供給管31を介してCa(OH)が凝集沈殿槽3に添加される。ポンプ42が駆動すると、C供給槽11から供給管32を介してカチオン系高分子凝集剤が凝集沈殿槽3に添加される。ポンプ43が駆動すると、A供給槽12から供給管33を介してアニオン系高分子凝集剤が凝集沈殿槽3に添加される。攪拌機3Bが停止したあと、静置により沈殿分離がなされる。このようにして、凝集沈殿槽3において、アルカリ添加工程(S10)と、第1沈殿工程(S11)と、第2沈殿工程(S12)とが行われる。なお、具体的な処理内容は上記の通りである。
【0044】
次いで、凝集沈殿槽3内の上澄み液は、配管22を介して中継槽4に一旦貯留される。水位計47によって中継槽4内の水位が所定レベル以上になると、ポンプ48が駆動する。ポンプ48が駆動すると、中継槽4から配管23を介して上澄み液がフィルタ装置5に流れる。そして、フィルタ装置5において、上述の濾過工程(S13)が行われる。フィルタ装置5で濾過された濾液は配管24を介してC吸着塔6に流れる。そしてC吸着塔6において上述のカチオン吸着工程(S14)が行われる。さらにC吸着塔6から流出した処理液は配管25を介してA吸着塔7に流れる。そしてA吸着塔7において上述のアニオン吸着工程(S15)が行われる。なお、これら具体的な処理内容は上記の通りである。A吸着塔7から流出した処理液は再生済みの不凍液として流出管26を介して外部に供給される。こうして不凍液再生処理が終了する。
【0045】
ところで、カチオン吸着工程(S14)では、C吸着塔6によってカチオンが吸着除去された処理液のpHは、配管24に設けられたpH計50によってオンライン計測される。処理液のpHがアルカリ性を示した場合、弱酸性型カチオン交換樹脂のカチオン吸着が飽和に達している。この場合、第1再生工程(S21)が行われる。第1再生工程では、ポンプ52が駆動して、HCl供給槽17から供給管36,37を介してHClがC吸着塔6に通液される。なお、具体的な再生手順は上記の通りである。
【0046】
また、アニオン吸着工程(S15)では、A吸着塔7によってアニオンが吸着除去された処理液のpHは、流出管26に設けられたpH計51によってオンライン計測される。カチオン吸着工程後の処理液は弱酸性を示すので、弱塩基性アニオン交換樹脂により酸を吸着すれば中性になる。飽和に達すると酸を吸着しなくなるので、吸着が飽和に達すればアニオン吸着の後でpHが下がり始める。処理液のpHが酸性に変化した場合、弱塩基性型アニオン交換樹脂のアニオン吸着が飽和に達している。この場合、第2再生工程(S22)が行われる。第2再生工程では、先ず、ポンプ53が駆動して、HCl供給槽17から供給管36,38を介してHClがA吸着塔7に通液される。次いで、ポンプ54が駆動して、NaOH供給槽18から供給管39を介してNaOHがA吸着塔7に通液される。なお、具体的な再生手順は上記の通りである。
【0047】
また、凝集沈殿槽3に沈殿する汚泥は、汚泥管34に設けられた開閉弁45を開くことによって底部から抜き取られ、汚泥脱水槽14に排出される。汚泥脱水槽14に溜まった汚泥は濾過され、汚泥濾液のみが汚泥濾液槽15に供給される。ポンプ46が駆動することにより、汚泥濾液槽15内の汚泥濾液が凝集沈殿槽3に供給される。それ故、廃不凍液の再生率が向上する。
【0048】
次に、上記の不凍液再生処理システム1によって実際に再生処理したときの不凍液の化学的性状の変化について調べた。本試験では、廃不凍液槽2内の廃不凍液(原液)と、凝集沈殿槽3において凝集沈殿させた処理液の上澄み液(凝集沈殿液)と、最終的に処理された不凍液(再生液)とについて、外観、pH、全有機炭素濃度(mg/L)、Fe濃度(mg/L)、Cu濃度(mg/L)、Ca濃度(mg/L・CaCO)とについて分析した。なお、再生処理は、不凍液再生処理システム1を用いて上記した不凍液再生処理の条件下で行い、最終的に10Lの再生した不凍液を得ることができた。
【0049】
【表2】

【0050】
表2の結果に示すように、原液の外観は茶褐色、高濁度であり、pHは8.3、全有機炭素濃度は約150,000(mg/L)、Fe濃度は1,500(mg/L)、Cu濃度は13(mg/L)、Ca濃度は8.0(mg/L・CaCO)であった。凝集沈殿液の外観は茶褐色、透明であり、pHは12.0、全有機炭素濃度は約150,000(mg/L)、Fe濃度は150(mg/L)、Cu濃度は1.2(mg/L)、Ca濃度は630(mg/L・CaCO)であった。これらに対し、再生液の外観は薄赤色、透明であり、pHは7.5、全有機炭素濃度は約150,000(mg/L)、Fe濃度は4.7(mg/L)、Cu濃度は<0.1(mg/L)、Ca濃度は8.4(mg/L・CaCO)であった。
【0051】
以上の結果に示すように、最も多い汚染成分であるFeが99.7%除去されており、十分な処理効果が得られた。全有機炭素から換算すると、不凍液の主成分であるエチレングリコールは約39%であり、この数値はほぼ新品に近いものであった。新液には腐食抑制剤として亜硝酸塩やリン酸塩が含まれるが、これらのうちリン酸塩が沈殿およびイオン吸着により殆ど除去されている。従ってこれを補うことにより、不凍液再生処理システム1によって再生した不凍液は再利用可能であると判断できた。
【0052】
以上説明において、図1に示す不凍液再生処理のアルカリ添加工程(S10)が本発明の「第1ステップ」の一例である。第1沈殿工程(S11)が本発明の「第2ステップ」の一例である。カチオン吸着工程(S14)が本発明の「第3ステップ」の一例である。アニオン吸着工程(S15)が本発明の「第4ステップ」の一例である。第1再生工程(S21)が本発明の「第1再生ステップ」の一例である。第2再生工程(S22)が本発明の「第2再生ステップ」の一例である。
【0053】
また、図2に示す不凍液再生処理システム1において、アルカリ供給槽10、供給管31、及びポンプ41が「アルカリ添加手段」の一例である。C供給槽11、供給管32、及びポンプ42が「沈殿処理手段」の一例である。C吸着塔6が「アルカリ除去手段」の一例である。A吸着塔7が「酸除去手段」の一例である。
【0054】
以上説明したように、本実施形態の不凍液再生処理は、グリコールを含む廃不凍液を再生処理の対象とする。不凍液再生処理は、アルカリ添加工程と、第1沈殿工程と、第2沈殿工程と、濾過工程と、カチオン吸着工程と、アニオン吸着工程と、を少なくとも備えている。アルカリ添加工程では、廃不凍液中に2価の廃不凍液中に2価のアルカリ水酸化物を加え、廃不凍液のpHを10以上とする。これにより有機物と結合した金属イオンを液中に遊離させることができる。遊離した金属イオンはアルカリと反応して金属水酸化物を生成する。そこで第1沈殿工程及び第2沈殿工程にて、カチオン系高分子凝集剤、及びアニオン系高分子凝集剤をそれぞれ添加する。これにより廃不凍液中の金属水酸化物を速やかに凝集沈殿させることができる。さらに濾過工程において処理液が濾過される。濾液中のカチオン及びアニオンは、カチオン吸着工程及びアニオン吸着工程において吸着除去される。このようして廃不凍液中に含有される金属を安価に簡単かつ効率よく除去できる。故に、グリコールを含む不凍液を安価に効率よく再生できる。なお、本再生処理を実行できる不凍液再生処理システム1についても同様の効果を得ることができる。
【0055】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では、第1再生工程(S21)において、弱酸性カチオン交換樹脂をHClで再生しているが、これ以外の酸(例えばHSO等)でもよい。さらに、第2再生工程(S22)にて、弱塩基性アニオン交換樹脂をHCl及びNaOHで再生しているが、これ以外の酸(例えばHSO等)やアルカリ(例えばKOH)でもよい。
【0056】
また上記実施形態の不凍液再生処理(図1参照)は、第2沈殿工程(S12)を備えなくてもよい。つまり、第1沈殿工程(S11)にて沈殿処理した処理液の上澄み液を、濾過工程(S13)で濾過してもよい。若しくは、第1沈殿工程(S11)にて沈殿処理した処理液の上澄み液を、そのままカチオン吸着工程(S14)で処理してもよい。
【0057】
また上記実施形態の不凍液再生処理(図1参照)は、濾過工程(S13)を備えなくてもよい。つまり、第1沈殿工程(S11)、若しくは第2沈殿工程(S12)後の処理液を静置して得られる上澄み液を、カチオン吸着工程(S14)で処理してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 不凍液再生処理システム
3 凝集沈殿槽
6 C吸着塔
7 A吸着塔
10 アルカリ供給槽
11 C供給槽
12 A供給槽
31〜33 供給管
40〜43 ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリコールを含む不凍液の再生処理方法であって、
前記不凍液中に2価のアルカリ水酸化物を添加する第1ステップと、
前記第1ステップ後の前記不凍液にカチオン系高分子凝集剤、又はアルギン酸ナトリウムを添加して沈殿処理を行う第2ステップと、
前記第2ステップ後の処理液を弱酸性カチオン交換樹脂に通液する第3ステップと、
前記第3ステップ後の処理液を弱塩基性アニオン交換樹脂に通液する第4ステップと
を備えたことを特徴とする不凍液の再生処理方法。
【請求項2】
前記第2ステップにおいて、
前記第1ステップ後の前記不凍液に、カチオン系高分子凝集剤、又はアルギン酸ナトリウムに加え、アニオン系高分子凝集剤をさらに添加して沈殿処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の不凍液の再生処理方法。
【請求項3】
前記第3ステップにおいて、
前記第2ステップ後の処理液の濾過処理を行い、前記濾過処理で得られた濾液を弱酸性カチオン交換樹脂に通液することを特徴とする請求項1又は2に記載の不凍液の再生処理方法。
【請求項4】
前記第3ステップにおいて、
前記弱酸性カチオン交換樹脂を通過した処理液のpHを計測することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の不凍液の再生処理方法。
【請求項5】
前記弱酸性カチオン交換樹脂をHCl又はHSOで再生する第1再生ステップを備えたことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の不凍液の再生処理方法。
【請求項6】
前記第4ステップにおいて、
前記弱塩基性アニオン交換樹脂を通過した処理液のpHを計測することを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の不凍液の再生処理方法。
【請求項7】
前記弱塩基性アニオン交換樹脂をHCl又はHSO、及びNaOHで再生する第2再生ステップを備えたことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の不凍液の再生処理方法。
【請求項8】
グリコールを含む不凍液の再生処理システムであって、
前記不凍液中に2価のアルカリ水酸化物を添加するアルカリ添加手段と、
前記アルカリ添加手段によって前記2価のアルカリ水酸化物が添加された前記不凍液中にカチオン系高分子凝集剤、又はアルギン酸ナトリウムを添加して沈殿処理を行う沈殿処理手段と、
前記沈殿処理手段によって処理された処理液を弱酸性カチオン交換樹脂に通液し、前記濾過液中のアルカリ成分を除去するアルカリ除去手段と、
前記アルカリ除去手段によってアルカリ成分が除去された処理液を弱塩基性アニオン交換樹脂に通液し、前記処理液中の酸性成分を除去する酸除去手段と
を備えたことを特徴とする不凍液の再生処理システム。

【図1】
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【図2】
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