不動産取引支援システムおよび不動産取引支援方法
【課題】顧客が氏名や連絡先等の個人を直接識別可能な個人情報を登録することなく、不動産物件の取引のための不動産情報を取得する。
【解決手段】不動産会社を識別可能なIDを伴って顧客の携帯電話機4からサーバ1へアクセスされた際に、当該携帯電話機4の個体識別情報を取得し、不動産会社を識別可能なIDを携帯電話機4の個体識別情報と関連付けて登録し、個体識別情報が登録されている携帯電話機4からアクセスされた際に、個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に関連付けられている不動産物件の情報を提供する。
【解決手段】不動産会社を識別可能なIDを伴って顧客の携帯電話機4からサーバ1へアクセスされた際に、当該携帯電話機4の個体識別情報を取得し、不動産会社を識別可能なIDを携帯電話機4の個体識別情報と関連付けて登録し、個体識別情報が登録されている携帯電話機4からアクセスされた際に、個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に関連付けられている不動産物件の情報を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アパート、マンション、一戸建て、駐車場、店舗、事務所、土地、ビルや倉庫等の不動産物件の売買や賃貸等の取引を支援する不動産取引支援システムおよび不動産取引支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アパート、マンション、一戸建て、駐車場、店舗、事務所、土地、ビルや倉庫等の不動産物件の売買や賃貸等の取引の際は、ユーザが不動産会社を直接訪問して希望する物件を探すことが一般的であった。しかしながら、複数の不動産会社を回ることは大変であり、非効率的であるため、近年では、不動産会社のウェブサイト上で検索して探すことが良く行われている。
【0003】
ところで、不動産会社には、顧客から不動産物件の取引の依頼を直接受けている元付け業者と、不動産物件の取引に応じる顧客を見つける客付け業者とがあり、いずれも顧客間の仲介を行うことにより収益を上げている。ところが、客付け業者は一つの不動産物件に対して複数存在することもあり、ウェブサイト上ではこれらの不動産物件情報が重複して掲載されている。そのため、ウェブサイト上で不動産物件の検索が行われた場合、各ユーザがどの不動産会社を経由してその物件にたどり着いたのか追跡することができない。そこで、各不動産会社のウェブサイトでは、まず顧客に会員登録を求め、会員登録後に不動産情報を提供するようにしている。
【0004】
また、例えば特許文献1には、店舗の表の看板に設けられた短距離無線伝送装置とユーザの携帯電話との間で通信を行うことで、携帯電話からサーバにアクセスし、その店舗に関する情報を容易かつ迅速に取得できる配信情報取得システムが開示されている。この配信情報取得システムを利用しようとする顧客は、予め携帯電話からサーバに顧客の番号、顧客のコード、顧客名、暗証番号、パスワード、携帯電話の電子メールアドレスもしくは電話番号等の顧客情報を登録しておき、サーバは携帯電話から転送されたデータに含まれるこれらの顧客情報に基づいて詳細店舗情報を配信する顧客用端末を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−22398号公報(段落0022〜0031、図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のように、一つの不動産物件に対して複数の客付け業者が重複して存在する場合、ウェブサイト上で不動産物件の検索が行われると、どの不動産会社を経由してその物件にたどり着いたか追跡することができないため、顧客に会員登録を求めているが、顧客は実際に契約するまでは個人を直接識別可能な氏名や連絡先等の登録を行いたくない傾向にある。特許文献1に記載の配信情報取得システムでも、顧客は予め顧客名、電子メールアドレスや電話番号等の個人を直接識別可能な個人情報の登録を行う必要がある。
【0007】
そこで、本発明においては、顧客が氏名や連絡先等の個人を直接識別可能な個人情報を登録することなく、不動産物件の取引のための不動産情報を取得することが可能であり、かつ、一つの不動産物件の不動産情報を提供する不動産業者が重複して存在する場合であっても、顧客が契約する場合にどの不動産会社を経由してその不動産物件にたどり着いたのかを追跡することが可能な不動産取引支援システムおよび不動産取引支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の不動産取引支援システムは、不動産会社を識別可能なIDを伴って顧客の携帯電話機からアクセスされた際に、当該携帯電話機の個体識別情報を取得し、不動産会社を識別可能なIDを携帯電話機の個体識別情報と関連付けて登録する携帯電話機登録手段と、個体識別情報が登録されている携帯電話機からアクセスされた際に、個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に関連付けられている不動産物件の情報を提供する不動産情報提供手段と、個体識別情報が登録されている携帯電話機からアクセスされ、当該携帯電話機からの不動産物件の予約を受け付けるに際し、当該携帯電話機に対して顧客個人を直接識別可能な個人情報の送信を要求し、送信された個人情報を当該携帯電話機の個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に提供するとともに、個体識別情報が登録されている携帯電話機に関連付けて当該不動産物件の予約に関する情報を登録する予約受付手段と、予約受付手段により登録された不動産物件に関して取引が成約した際に、当該不動産物件に関連付けられた個体識別情報が登録されている携帯電話機に当該携帯電話機の個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に関連付けて、当該不動産物件の成約に関する情報を登録する成約情報登録手段とを含むものである。
【0009】
また、本発明の不動産取引支援方法は、不動産会社を識別可能なIDを伴って顧客の携帯電話機からアクセスされた際に、当該携帯電話機の個体識別情報を取得し、不動産会社を識別可能なIDを携帯電話機の個体識別情報と関連付けて登録すること、個体識別情報が登録されている携帯電話機からアクセスされた際に、個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に関連付けられている不動産物件の情報を提供すること、個体識別情報が登録されている携帯電話機からアクセスされ、当該携帯電話機からの不動産物件の予約を受け付けるに際し、当該携帯電話機に対して顧客個人を直接識別可能な個人情報の送信を要求し、送信された個人情報を当該携帯電話機の個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に提供するとともに、個体識別情報が登録されている携帯電話機に関連付けて当該不動産物件の予約に関する情報を登録すること、個体識別情報が登録されている携帯電話機に関連付けて予約に関する情報が登録された不動産物件に関して取引が成約した際に、当該不動産物件に関連付けられた個体識別情報が登録されている携帯電話機に、当該携帯電話機の個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に関連付けて当該不動産物件の成約に関する情報を登録することを含むことを特徴とする。
【0010】
これらの発明によれば、不動産会社を識別可能なIDを伴って顧客の携帯電話機からアクセスされた際に、当該携帯電話機の個体識別情報が取得され、不動産会社を識別可能なIDが携帯電話機の個体識別情報と関連付けて登録される。そして、この個体識別情報が登録されている携帯電話機からアクセスされた際には、個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に関連付けられている不動産物件の情報が、この携帯電話機に提供される。また、個体識別情報が登録されている携帯電話機からアクセスされ、当該携帯電話機からの不動産物件の予約を受け付ける際には、当該携帯電話機に対して顧客個人を直接識別可能な個人情報の送信を要求し、送信された個人情報を当該携帯電話機の個体識別情報が登録されている携帯電話機に関連付けて当該不動産物件の予約に関する情報が登録される。その後、この個体識別情報が登録されている携帯電話機に関連付けて予約に関する情報が登録された不動産物件に関して取引が成約した際に、当該不動産物件に関連付けられた個体識別情報が登録されている携帯電話機に、当該携帯電話機の個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に関連付けて当該不動産物件の成約に関する情報が登録される。これにより、この携帯電話機の個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に関連付けて登録された不動産物件の成約に関する情報によって、顧客がどの不動産会社を経由してその不動産物件にたどり着いたのかを追跡することが可能となる。
【0011】
なお、個人を直接識別可能な個人情報とは、氏名や連絡先(住所、電話番号、電子メールアドレス等)等の特定の個人を直接的に識別できる情報を指すものとし、携帯電話機の個体識別情報等の他の情報と照合することによって特定の個人を間接的に識別することができる情報を除くものとする。携帯電話機の個体識別情報は、携帯電話の通信サービスを提供する会社(キャリア)によって管理されており、通常、不動産会社等は、この携帯電話機の個体識別情報から個人を直接識別することは不可能となっている。
【0012】
ここで、不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLにより顧客の携帯電話機からアクセスされた際に、パラメータと当該携帯電話機の個体識別情報とを取得し、不動産会社を識別可能なIDを、携帯電話機の個体識別情報と関連付けて登録する構成であることが望ましい。
【0013】
これにより、顧客は、この不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLを用いて携帯電話機によりアクセスするだけで良く、この携帯電話機からのアクセスにより不動産会社を識別可能なIDが携帯電話機の個体識別情報と関連付けて登録される。
【0014】
また、本発明は、不動産会社に設置され、顧客の携帯電話機に搭載された非接触ICチップに対して、当該不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLを書き込む非接触端末をさらに含み、顧客の携帯電話機は、非接触端末から非接触ICチップに対して書き込まれた不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLによりアクセスするものであることが望ましい。
【0015】
これにより、顧客は、不動産会社に設置された非接触端末に携帯電話機を近付けるだけで、当該不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLが携帯電話機に書き込まれ、この不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLを用いて携帯電話機により容易にアクセスすることができ、この携帯電話機からのアクセスによりパラメータに含まれる不動産会社を識別可能なIDが携帯電話機の個体識別情報と関連付けて登録される。
【発明の効果】
【0016】
(1)本発明によれば、顧客は不動産会社を識別可能なIDを伴って携帯電話機からアクセスすることにより、当該携帯電話機の個体識別情報が取得され、この個体識別情報により顧客と不動産会社とが関連付けられて、不動産物件の情報が提供されるので、顧客は個人を直接識別可能な個人情報を登録することなく、不動産取引のための不動産情報を取得することが可能である。また、顧客はこの取得した不動産情報により取引する不動産物件の検討を行い、実際に予約および取引する際に個人を直接識別可能な個人情報を送信すると、この送信された個人情報は、前述の個体識別情報により関連付けられた不動産会社へ提供されるので、この個人情報に基づき、不動産会社は顧客と不動産物件の取引を行うことができる。また、本発明では、一つの不動産物件の不動産情報を提供する不動産業者が重複して存在する場合であっても、携帯電話機の個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に関連付けて登録された不動産物件の成約に関する情報によって、顧客がどの不動産会社を経由してその不動産物件にたどり着いたのかを追跡することが可能となる。
【0017】
(2)不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLにより顧客の携帯電話機からアクセスされた際に、パラメータと当該携帯電話機の個体識別情報とを取得し、不動産会社を識別可能なIDを、携帯電話機の個体識別情報と関連付けて登録する構成により、顧客は、この不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLを用いて携帯電話機によりアクセスするだけで良く、操作が容易である。
【0018】
(3)不動産会社に設置され、顧客の携帯電話機に搭載された非接触ICチップに対して、当該不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLを書き込む非接触端末をさらに含み、顧客の携帯電話機は、非接触端末から非接触ICチップに対して書き込まれた不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLによりアクセスするものであることにより、顧客は、不動産会社に設置された非接触端末に携帯電話機を近付けるだけで、容易にアクセスすることが可能となり、さらに操作が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態における不動産取引支援システムの概略構成図である。
【図2】図1のサーバの機能ブロック図である。
【図3】図1のサーバの記憶手段に構成されるデータベースを示す図である。
【図4A】本発明の実施の形態における不動産取引支援システムによる不動産取引支援の処理の前段を示すシーケンス図である。
【図4B】本発明の実施の形態における不動産取引支援システムによる不動産取引支援の処理の後段を示すシーケンス図である。
【図5A】携帯電話機へ送信されるウェブページの例を示す説明図である。
【図5B】携帯電話機へ送信されるウェブページの例を示す説明図である。
【図5C】携帯電話機へ送信されるウェブページの例を示す説明図である。
【図5D】携帯電話機へ送信されるウェブページの例を示す説明図である。
【図5E】携帯電話機へ送信されるウェブページの例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は本発明の実施の形態における不動産取引支援システムの概略構成図、図2は図1のサーバの機能ブロック図、図3は図1のサーバの記憶手段に構成されるデータベースを示す図である。
【0021】
図1において、本発明の実施の形態における不動産取引支援システムは、アパート、マンション、一戸建て、駐車場、店舗、事務所、土地、ビルや倉庫等の不動産物件の売買や賃貸等の取引を支援するサービス提供者が管理する不動産取引支援サーバ(以下、「サーバ」と称す。)1と、複数の不動産会社にそれぞれ設置される非接触端末2および管理端末3と、複数の顧客(ユーザ)がそれぞれ使用する携帯電話機4等により構成される。管理端末3および携帯電話機4は、それぞれインターネットなどのコンピュータネットワーク5を通じてサーバ1に接続可能となっている。
【0022】
サーバ1は、サーバコンピュータによって構成されており、コンピュータプログラムを実行することにより、図2に示す携帯電話機登録手段10、不動産情報提供手段11、問い合わせ手段12、予約受付手段13、成約情報登録手段14、ユーザ情報記憶手段20、端末情報記憶手段21、不動産情報記憶手段22、物件/部屋情報記憶手段23、問い合わせ情報記憶手段24や予約情報記憶手段25等として機能する。
【0023】
非接触端末2は、携帯電話機4に搭載された非接触ICチップ(図示せず。)に対して非接触で情報を読み書き可能なリーダ・ライタ装置である。非接触端末2は、携帯電話機4の非接触ICチップに対し、キャリアを送信して電磁誘導により電力を供給し、キャリアの変調により通信を行う。このような非接触端末2と携帯電話機4に搭載される非接触ICチップとの通信技術としては、現在FeliCa(登録商標)が普及しているが、これ以外に通信技術を使用することも可能である。
【0024】
各不動産会社に設置される非接触端末2には、それぞれユニークな端末IDが割り当てられている。この端末IDは、各不動産会社に対して割り当てられたユニークな不動産IDと関連付けられて、図3に示すように端末情報記憶手段21に登録されている。したがって、端末IDによって端末情報記憶手段21に照会することで、それぞれの端末IDの非接触端末2がどの不動産会社に設置されたものであるのかを識別することが可能である。また、端末情報記憶手段21には、非接触端末2のファームウェアバージョンなどの端末情報も併せて登録されている。
【0025】
また、不動産会社に関する情報は、不動産情報記憶手段22に記憶されている。図3に示すように、不動産情報記憶手段22には、前述の不動産IDと、それぞれの不動産IDに対応する不動産会社の名前や電話番号などの不動産会社情報が登録されている。なお、非接触端末2は、各不動産会社の店舗の店頭などの顧客が気軽に携帯電話機4により非接触通信を行える位置に設置することが望ましいが、店内のカウンタ上などに設置することも可能である。
【0026】
管理端末3は、各不動産会社がサーバ1にアクセスして、顧客からの問い合わせの内容の確認および回答や、不動産の予約および成約等の処理を行うためのコンピュータである。
【0027】
次に、図2および図3を参照して、サーバ1の詳細について説明する。各非接触端末2には、サーバ1にアクセスするためのURLが登録されている。このURLには、各非接触端末2の端末IDをパラメータとして含んでいる。各非接触端末2は、携帯電話機4と非接触通信を行うことにより、各非接触端末2の端末IDをパラメータとして含むURLを携帯電話機4の非接触ICチップへ書き込むようになっている。
【0028】
これにより、各顧客は、それぞれの携帯電話機4により非接触通信を行った各非接触端末2の端末IDをパラメータとして含むURLによりサーバ1にアクセスすることが可能となっている。サーバ1の携帯電話機登録手段10は、この各非接触端末2の端末IDをパラメータとして含むURLにより顧客の携帯電話機4からアクセスされた際に、パラメータと当該携帯電話機4の個体識別情報とを取得するものである。
【0029】
また、携帯電話機登録手段10は、このパラメータに含まれる端末IDによって端末情報記憶手段21に照会し、対応する不動産IDを取得し、この取得した不動産IDを、非接触通信を行った各非接触端末2が設置された不動産会社を識別可能なIDとしてユーザ情報記憶手段20に登録するものである。このとき、携帯電話機登録手段10は、不動産IDを携帯電話機の個体識別情報と関連付け、さらに各顧客にユニークなユーザIDを割り当てて、ユーザ情報記憶手段20へ登録する。
【0030】
不動産情報提供手段11は、携帯電話機4からアクセスされた際に、この携帯電話機4に対して携帯電話機4の個体識別情報の送信を要求し、送信された個体識別情報がユーザ情報記憶手段20に登録されている携帯電話機4かどうかを判断する。不動産情報提供手段11は、個体識別情報がユーザ情報記憶手段20に登録されている携帯電話機4からアクセスされた際に、個体識別情報に関連付けられた不動産IDにより識別される不動産会社に関連付けられている不動産物件の情報を物件/部屋情報記憶手段23から取得し、携帯電話機4に提供する。また、不動産情報提供手段11は、この不動産IDに基づいて不動産情報記憶手段22から不動産会社に関する情報を取得し、携帯電話機4に提供する。
【0031】
なお、図3に示すように、物件/部屋情報記憶手段23には、アパート、マンション、一戸建て、駐車場、店舗、事務所、土地、ビルや倉庫等の不動産物件の売買や賃貸等の取引の対象となる不動産物件に関する情報として、部屋ID、管理不動産IDおよび部屋情報が登録されている。部屋IDは、各不動産物件の部屋(部屋には限定されないが、便宜上不動産物件の取引単位を「部屋」と称する。)に対するユニークなIDである。管理不動産IDは、管理する不動産会社のユニークなID、すなわち前述の不動産IDであり、対象となる不動産物件に対する元付け不動産会社および客付け不動産会社等がすべて登録される。また、部屋情報は、名前、家賃、状態などである。
【0032】
問い合わせ手段12は、不動産情報提供手段11によって情報が提供された不動産物件に対し、顧客の携帯電話機4からの問い合わせの受け付け等を行う。問い合わせ手段12は、顧客の携帯電話機4に対して問い合わせ内容の送信を要求し、送信された問い合わせ内容を、図3に示すように問い合わせ情報として問い合わせ情報記憶手段24へ登録する。このとき、問い合わせ情報にはユニークな問い合わせナンバが割り当てられ、該当する顧客のユーザID、問い合わせ対象である不動産物件の部屋IDおよび不動産IDと関連付けられて問い合わせ情報記憶手段24へ登録される。
【0033】
また、問い合わせ手段12は、各不動産会社の管理端末3によるアクセスに対し、それぞれの不動産会社の不動産IDにより識別される問い合わせ情報の確認および回答を受け付ける。問い合わせ手段12は、各不動産会社の管理端末3に対してそれぞれの不動産会社の不動産IDにより問い合わせ情報記憶手段24の照会を行い、該当する問い合わせ情報を提供する。また、問い合わせ手段12は、各不動産会社の管理端末3からのそれぞれの問い合わせ内容に対する回答の送信を要求し、送信された回答内容を、問い合わせ情報として問い合わせ情報として問い合わせ情報記憶手段24へ登録する。
【0034】
予約受付手段13は、不動産情報提供手段11によって情報が提供された不動産物件に対し、顧客の携帯電話機4からの不動産物件の予約の受け付けを行う。予約受付手段13は、携帯電話機4からの不動産物件の予約を受け付けるに際し、携帯電話機4に対して顧客個人を直接識別可能な個人情報の送信を要求し、送信された個人情報を当該携帯電話機4の個体識別情報に関連付けられた不動産IDにより識別される不動産会社に提供する。また、予約受付手段13は、顧客の携帯電話機4に対して訪問日時等の予約に関する情報(予約情報)の送信を要求し、送信された予約情報を、図3に示すように予約情報記憶手段25へ登録する。このとき、予約情報にはユニークな予約ナンバが割り当てられ、該当する顧客のユーザID、予約対象である不動産物件の部屋IDおよび不動産IDと関連付けられて予約情報記憶手段25へ登録される。
【0035】
成約情報登録手段14は、予約受付手段13により登録された不動産物件に関して取引が成約した際に、当該予約ナンバの予約情報として、当該不動産物件の成約に関する情報としての成約コードを登録する。成約コードは、サーバ1にアクセスする各不動産会社の管理端末3から送信され、送信された成約コードを成約情報登録手段14が予約情報記憶手段25へ登録する。
【0036】
次に、図4Aおよび図4Bを参照して、本発明の実施の形態における不動産取引支援システムによる不動産取引支援の処理について説明する。図4Aおよび図4Bは、本発明の実施の形態における不動産取引支援システムによる不動産取引支援の処理の前段および後段を示すシーケンス図である。
【0037】
まず、顧客は携帯電話機4を用いて不動産会社の店頭に設置された非接触端末2と非接触通信を行い、端末IDをパラメータとして含むURLを取得する(S101)。なお、この端末IDをパラメータとして含むURLの取得は、非接触端末2からだけでなく、図1に示すようにQRコード(登録商標)等の2次元コード6を携帯電話機4に入力したり(S102)、紙面からURL文字列7を携帯電話機4に手入力したり(S103)する構成とすることも可能である。これらの場合、2次元コード6やURL文字列7には、端末IDに代えて不動産IDなどの不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLが埋め込まれたものとすることができる。
【0038】
そして、顧客は、この携帯電話機4に取得した端末IDをパラメータとして含むURLを用いてコンピュータネットワーク5を通じてサーバ1にアクセスする(S201)。このとき、携帯電話機4から個体識別情報が送信されるので、サーバ1は、この送信された個体識別情報がユーザ情報記憶手段20に登録されたものであるかどうかユーザ情報記憶手段20を参照して認証を行う(S301)。
【0039】
ここで、送信された個体識別情報がユーザ情報記憶手段20に登録されていない場合、サーバ1の携帯電話機登録手段10は、URLのパラメータから端末IDを取得し(S302)、この端末IDに対応する不動産IDを端末情報記憶手段21から取得して、取得した不動産IDと個体識別情報とを関連付けてユーザ情報記憶手段20に登録する(S303)。
【0040】
このユーザ情報記憶手段20への登録後、または既に登録されている場合には、個体識別情報に関連付けてユーザ情報記憶手段20に登録されている不動産IDに基づいて、不動産情報提供手段11が不動産情報記憶手段22から不動産会社情報を取得し、該当する不動産会社用にカスタマイズしたウェブページを携帯電話機4へ送信する(S304)。
【0041】
また、顧客が携帯電話機4によりサーバ1へアクセスし、各ウェブページへアクセスする際には、携帯電話機4から個体識別情報が送信されるので(S202)、サーバ1の不動産情報提供手段11はその都度個体識別情報の認証を行う(S305)。そして、この個体識別情報に関連付けられた不動産IDをユーザ情報記憶手段20から取得し、この不動産IDに該当する不動産会社が管理する不動産物件に関する情報を物件/部屋情報記憶手段23から取得し、携帯電話機4へ送信する(S306)。
【0042】
ここで、不動産情報提供手段11により携帯電話機4へ送信されるウェブページの例について説明する。図5A〜図5Eは不動産情報提供手段11により携帯電話機4へ送信されるウェブページの例を示す説明図である。
【0043】
図5Aの(a)は、図4AのS304において携帯電話機4へ送信されるウェブページ30を示している。ウェブページ30は、携帯電話機4のユーザ情報記憶手段20への登録後、または既に登録されている場合に最初に提供されるトップページであり、検討中リストボタン30a、物件比較ボタン30b、最近見た物件ボタン30c、物件検索ボタン30d等が配置されている。
【0044】
なお、携帯電話機4のユーザ情報記憶手段20への登録は有効期限が設けられており、この有効期限はウェブページ30の上部30eに掲載されている。有効期限はユーザ情報記憶手段20に個体識別情報が登録された日時を基準に管理されており、所定の期間経過後はユーザ情報記憶手段20から携帯電話機4の情報は一切消去される。また、このウェブページ30の下部30fには、携帯電話機4の個体識別情報に関連付けられた不動産IDに基づいて、取得された不動産会社情報が掲載されている。
【0045】
図5Aの(b)は、同図(a)の検討中リストボタン30a等が携帯電話機4により指示された場合に携帯電話機4へ送信されるウェブページ31を示している。このウェブページ31には、携帯電話機4の顧客が検討中の不動産物件のリストが表示される。携帯電話機4の顧客が検討中の不動産物件については、携帯電話機4の個体識別情報に関連付けてユーザ情報記憶手段20に登録されており、図4AのS305において認証した個体識別情報に基づいて抽出され、該当する不動産物件に関する部屋情報が物件/部屋情報記憶手段23から抽出されて、ウェブページ31へ掲載される。なお、検討中リストへの登録については後述する。
【0046】
図5Aの(c)は、同図(a)の最近見た物件ボタン30c等が携帯電話機4により指示された場合に携帯電話機4へ送信されるウェブページ32を示している。このウェブページ32には、携帯電話機4の顧客が最近見た不動産物件のリストが表示される。携帯電話機4の顧客が最近見た不動産物件は、携帯電話機4の個体識別情報に関連付けてユーザ情報記憶手段20に登録されており、図4AのS305において認証した個体識別情報に基づいて抽出され、該当する不動産物件に関する部屋情報が物件/部屋情報記憶手段23から抽出されて、ウェブページ32へ掲載される。
【0047】
図5Bの(a)は、図5Aの(a)の物件検索ボタン30d等が携帯電話機4により指示された場合に携帯電話機4へ送信されるウェブページ33を示している。このウェブページ33には、図4AのS305において認証した個体識別情報に基づいて、この個体識別情報に関連付けられた不動産IDの不動産会社が管理する不動産物件が物件/部屋情報記憶手段23から抽出される。そして、該当する不動産物件に関する部屋情報が物件/部屋情報記憶手段23から抽出され、物件リストとしてウェブページ33へ掲載される。
【0048】
図5Bの(b)は、図5Aの(b)や(c)に表示されているそれぞれの不動産物件の詳細を見るボタン31a,32a等が携帯電話機4により指示された場合に携帯電話機4へ送信されるウェブページ34を示している。このウェブページ34には、各不動産物件の詳細な部屋情報が物件/部屋情報記憶手段23から抽出されて、ウェブページ34へ掲載される。なお、前述の検討中リストへ登録するための登録ボタン34a,34b,34fは、このウェブページ34上に配置されており、登録ボタン34a,34b,34fのいずれかが携帯電話機4から指示されると、この不動産物件の部屋IDが携帯電話機4の個体識別情報に関連付けてユーザ情報記憶手段20へ登録される。
【0049】
また、このウェブページ34上には、この不動産物件に対して問い合わせを行うために、問い合わせ内容を入力するための質問入力欄34cと、質問入力欄34cに入力した内容をサーバ1へ送信するための送信ボタン34dとが配置されている。また、このウェブページ34上には、この不動産物件の予約を行うためのウェブページ36(図5D参照。)へ移動するためのリンク34eが配置されている。
【0050】
図5Cは、図5Aの(a)物件比較ボタン30b等が携帯電話機4により指示された場合に携帯電話機4へ送信されるウェブページ35を示している。このウェブページ35には、携帯電話機4の顧客が不動産物件を比較検討するためのリストが表示される。比較検討する対象となる不動産物件は、携帯電話機4の個体識別情報に関連付けてユーザ情報記憶手段20に登録される。比較検討する対象となる不動産物件は、物件変更ボタン35a,35bの指定後に携帯電話機4へ送信されるウェブページ(図示せず。)により行うことが可能である。
【0051】
図4Aに戻って、顧客が携帯電話機4により、前述の質問入力欄34cに問い合わせ内容を入力し、送信ボタン34dを指示すると、この携帯電話機4の個体識別情報とともに質問入力欄34cに入力された問い合わせ内容がサーバ1へ送信される(S203)。サーバ1の問い合わせ手段12は、この送信された個体識別情報の認証を行い(S307)、この個体識別情報に関連付けられたユーザIDとともに、問い合わせ対象である不動産物件の部屋ID、不動産IDおよび問い合わせ内容を問い合わせ情報記憶手段24へ登録する(S308)。ここで、個体識別情報に関連付けられた不動産IDの不動産会社の電子メールアドレスが不動産情報記憶手段22に登録されている場合には、問い合わせ手段12は、この電子メールアドレスに対して問い合わせ内容が登録された旨を通知するメールを送信する。
【0052】
なお、顧客は、個体識別情報認証後に携帯電話機4に表示される図5Eの(a)に示すウェブページ39のお問い合わせ履歴の確認のためのリンク39aを指定することにより、問い合わせ履歴を確認することが可能である。リンク39aが指定されると、サーバ1は図5Eの(b)に示す問い合わせ履歴の一覧のウェブページ40を携帯電話機4へ送信する。この問い合わせ履歴の一覧は、不動産物件ごとにリスト表示されており、携帯電話機4によりこのリスト上のリンク40aが指定されると、サーバ1は図5Eの(c)に示す問い合わせ履歴のウェブページ41を携帯電話機4へ送信する。
【0053】
不動産会社は、管理端末3によりサーバ1へアクセスし(S401)、サーバ1はIDやパスワード等により管理端末3のログイン認証を行う(S309)。この認証後、サーバ1の問い合わせ手段12は、問い合わせ情報のウェブページ(図示せず。)を不動産会社の管理端末3へ送信する(S310)。不動産会社は、管理端末3から問い合わせ内容に対する回答を入力してサーバ1へ送信する(S402)。そして、サーバ1の問い合わせ手段12は、該当する顧客のユーザID、問い合わせ対象である不動産物件の部屋IDおよび不動産IDと関連付けて、問い合わせ情報記憶手段24へ登録する(S311)。
【0054】
次に、図4Bに示すように、顧客は不動産物件の予約を行う(S204)。顧客が携帯電話機4により前述の予約のためのリンク34eを指示すると、図5Dの(a)に示す不動産物件の予約のためのウェブページ36が携帯電話機4へ送信される。ここで、携帯電話機4によりウェブページ36上の名前入力欄36a、電話番号入力欄36bにそれぞれ氏名、連絡先を入力し、来店希望日指定欄36cにより訪問日時を指定し、確認ボタン36dを指定すると、図5Dの(b)に示す予約内容確認のためのウェブページ37が生成され、携帯電話機4へ表示される。このウェブページ37上の送信ボタン37aが指定されると、名前入力欄36aおよび電話番号入力欄36bに入力された内容と来店希望日指定欄36cにより指定された内容とが、携帯電話機4の個体識別情報とともにサーバ1へ送信される。図5Dの(c)は予約が受け付けられたことを示すためにサーバ1から携帯電話機4へ送信されるウェブページ38である。
【0055】
一方、サーバ1の予約受付手段13は、送信された個体識別情報の認証を行い(S312)、この個体識別情報に関連付けられたユーザIDとともに、予約対象である不動産物件の部屋IDおよび不動産IDと、来店希望日指定欄36cにより指定された訪問日時とを予約情報記憶手段25へ登録する(S313)。ここで、名前入力欄36aおよび電話番号入力欄36bに入力された内容と来店希望日指定欄36cにより指定された内容とは、この個体識別情報に関連付けられた不動産IDの不動産会社の電子メールアドレスが不動産情報記憶手段22に登録されている場合には、この電子メールアドレスに対して送信される。また、予約受付手段13は物件/部屋情報記憶手段23の該当する部屋IDの部屋情報の状態を予約済みに更新する(S314)。
【0056】
次に、不動産会社は、管理端末3によりサーバ1へアクセスし(S403)、サーバ1はIDやパスワード等によりログイン認証を行う(S315)。この認証後、サーバ1の予約受付手段13は、予約情報のウェブページ(図示せず。)を不動産会社の管理端末3へ送信する(S316)。なお、顧客は、個体識別情報認証後に携帯電話機4に表示される図5Eの(a)に示すウェブページ39の予約内容の確認のためのリンク39bを指定することにより、予約内容を確認することが可能である。リンク39bが指定されると、サーバ1は図5Eの(d)に示す予約内容確認のウェブページ42を携帯電話機4へ送信する。
【0057】
そして、顧客は予約した訪問日時に不動産会社を訪問し(S205)、不動産物件の部屋等の内覧、契約条件等の確認を行う(S404)。このとき、客付け不動産会社は元付け不動産会社と随時連絡を取り合う。また、不動産会社は、管理端末3によりサーバ1へアクセスし(S405)、サーバ1はIDやパスワード等によりログイン認証を行う(S317)。そして、サーバ1は、部屋情報更新のためのウェブページ(図示せず。)を管理端末へ送信し(S318)、不動産会社は、管理端末3から部屋情報として成約または破談を入力し、送信する(S406)。
【0058】
サーバ1は、入力された部屋情報としての成約または破談を物件/部屋情報記憶手段23の部屋情報の状態として更新し、元付け不動産会社の電子メールアドレスが不動産情報記憶手段22に登録されている場合には、この電子メールアドレス宛てに更新通知を行う(S319)。また、サーバ1の成約情報登録手段14は、成約時に成約に関する情報を入力するためのウェブページ(図示せず。)を管理端末3へ送信し(S320)、不動産会社は管理端末3により成約情報としての成約コードを入力し、送信する(S407)。
【0059】
サーバ1の成約情報登録手段14は、この送信された成約コードを予約情報記憶手段25の予約情報として登録する(S321)。そして、顧客は成約特典を取得する(S206)。
【0060】
以上のように、本実施形態における不動産取引支援システムでは、不動産会社の店頭に設置された非接触端末2から顧客の携帯電話機4の非接触ICチップに対して、不動産会社を識別可能なIDとして非接触端末2の端末IDをパラメータとして含むURLを書き込むことで、顧客の携帯電話機4からこの端末IDを伴ってサーバ1へアクセスすることができる。このとき、パラメータとしての端末IDとともに当該携帯電話機4の個体識別情報が取得され、端末IDから識別される不動産会社の不動産IDが携帯電話機4の個体識別情報と関連付けてユーザ情報記憶手段20に登録される。
【0061】
これにより、当該携帯電話機4からサーバ1へアクセスされた際には、この携帯電話機4の個体識別情報に関連付けられた不動産IDにより識別される不動産会社に関連付けられている不動産物件の情報が、この携帯電話機4に提供されるので、顧客は個人を直接識別可能な氏名や連絡先(住所、電話番号、電子メールアドレス等)等の特定の個人を識別できる個人情報を登録することなく、不動産取引のための不動産情報を取得することが可能である。
【0062】
なお、図3に示すように、本実施形態における不動産取引支援システムでは、ユーザ情報記憶手段20へユーザ情報としてのメールアドレスを登録可能となっているが、これは希望する顧客が任意に登録するものである。メールアドレスを登録した顧客は、希望条件に適合した物件情報や物件に対する質問への返信通知などのシステムの新着情報を電子メールにより受信することができるようになっている。登録を希望しない顧客については上述のように特定の個人を識別できる個人情報を登録することなく、不動産取引のための不動産情報を取得することが可能であることに変わりない。
【0063】
また、顧客はこの取得した不動産情報により取引する不動産物件の検討を行い、実際に予約および取引する際に個人を直接識別可能な氏名や連絡先等の個人情報を送信すると、この送信された個人情報は、前述の個体識別情報により関連付けられた不動産会社へ提供されるので、この個人情報に基づき、不動産会社は顧客と不動産物件の取引を行うことができる。
【0064】
また、本実施形態における不動産取引支援システムでは、一つの不動産物件の不動産情報を提供する不動産業者が重複して存在する場合であっても、携帯電話機の個体識別情報に関連付けられた不動産IDにより識別される不動産会社に関連付けて予約情報記憶手段25に登録された不動産物件の成約コードによって、顧客がどの不動産会社を経由してその不動産物件にたどり着いたのかを追跡することが可能であり、客付けを行った不動産会社に対するマージンの支払いが可能となる。
【0065】
また、本実施形態における不動産取引支援システムでは、顧客は、自身の携帯電話機4を不動産会社の店頭に設置された非接触端末2に近付けて非接触通信を行うだけで、顧客の携帯電話機4に搭載された非接触ICチップに対して、非接触端末2により当該不動産会社を識別可能なIDとしての端末IDをパラメータとして含むURLが書き込まれ、これにより携帯電話機4によってサーバ1に容易にアクセスして上述のような取引を行うことが可能であり、不動産会社の店舗に入る必要がなく、気軽に不動産物件を探すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の不動産取引支援システムおよび不動産取引支援方法は、アパート、マンション、一戸建て、駐車場、店舗、事務所、土地、ビルや倉庫等の不動産物件の売買や賃貸等の取引を支援するシステムおよび方法として有用である。
【符号の説明】
【0067】
1 不動産取引支援サーバ(サーバ)
2 非接触端末
3 管理端末
4 携帯電話機
5 コンピュータネットワーク
10 携帯電話機登録手段
11 不動産情報提供手段
12 問い合わせ手段
13 予約受付手段
14 成約情報登録手段
20 ユーザ情報記憶手段
21 端末情報記憶手段
22 不動産情報記憶手段
23 物件/部屋情報記憶手段
24 問い合わせ情報記憶手段
25 予約情報記憶手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、アパート、マンション、一戸建て、駐車場、店舗、事務所、土地、ビルや倉庫等の不動産物件の売買や賃貸等の取引を支援する不動産取引支援システムおよび不動産取引支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アパート、マンション、一戸建て、駐車場、店舗、事務所、土地、ビルや倉庫等の不動産物件の売買や賃貸等の取引の際は、ユーザが不動産会社を直接訪問して希望する物件を探すことが一般的であった。しかしながら、複数の不動産会社を回ることは大変であり、非効率的であるため、近年では、不動産会社のウェブサイト上で検索して探すことが良く行われている。
【0003】
ところで、不動産会社には、顧客から不動産物件の取引の依頼を直接受けている元付け業者と、不動産物件の取引に応じる顧客を見つける客付け業者とがあり、いずれも顧客間の仲介を行うことにより収益を上げている。ところが、客付け業者は一つの不動産物件に対して複数存在することもあり、ウェブサイト上ではこれらの不動産物件情報が重複して掲載されている。そのため、ウェブサイト上で不動産物件の検索が行われた場合、各ユーザがどの不動産会社を経由してその物件にたどり着いたのか追跡することができない。そこで、各不動産会社のウェブサイトでは、まず顧客に会員登録を求め、会員登録後に不動産情報を提供するようにしている。
【0004】
また、例えば特許文献1には、店舗の表の看板に設けられた短距離無線伝送装置とユーザの携帯電話との間で通信を行うことで、携帯電話からサーバにアクセスし、その店舗に関する情報を容易かつ迅速に取得できる配信情報取得システムが開示されている。この配信情報取得システムを利用しようとする顧客は、予め携帯電話からサーバに顧客の番号、顧客のコード、顧客名、暗証番号、パスワード、携帯電話の電子メールアドレスもしくは電話番号等の顧客情報を登録しておき、サーバは携帯電話から転送されたデータに含まれるこれらの顧客情報に基づいて詳細店舗情報を配信する顧客用端末を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−22398号公報(段落0022〜0031、図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のように、一つの不動産物件に対して複数の客付け業者が重複して存在する場合、ウェブサイト上で不動産物件の検索が行われると、どの不動産会社を経由してその物件にたどり着いたか追跡することができないため、顧客に会員登録を求めているが、顧客は実際に契約するまでは個人を直接識別可能な氏名や連絡先等の登録を行いたくない傾向にある。特許文献1に記載の配信情報取得システムでも、顧客は予め顧客名、電子メールアドレスや電話番号等の個人を直接識別可能な個人情報の登録を行う必要がある。
【0007】
そこで、本発明においては、顧客が氏名や連絡先等の個人を直接識別可能な個人情報を登録することなく、不動産物件の取引のための不動産情報を取得することが可能であり、かつ、一つの不動産物件の不動産情報を提供する不動産業者が重複して存在する場合であっても、顧客が契約する場合にどの不動産会社を経由してその不動産物件にたどり着いたのかを追跡することが可能な不動産取引支援システムおよび不動産取引支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の不動産取引支援システムは、不動産会社を識別可能なIDを伴って顧客の携帯電話機からアクセスされた際に、当該携帯電話機の個体識別情報を取得し、不動産会社を識別可能なIDを携帯電話機の個体識別情報と関連付けて登録する携帯電話機登録手段と、個体識別情報が登録されている携帯電話機からアクセスされた際に、個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に関連付けられている不動産物件の情報を提供する不動産情報提供手段と、個体識別情報が登録されている携帯電話機からアクセスされ、当該携帯電話機からの不動産物件の予約を受け付けるに際し、当該携帯電話機に対して顧客個人を直接識別可能な個人情報の送信を要求し、送信された個人情報を当該携帯電話機の個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に提供するとともに、個体識別情報が登録されている携帯電話機に関連付けて当該不動産物件の予約に関する情報を登録する予約受付手段と、予約受付手段により登録された不動産物件に関して取引が成約した際に、当該不動産物件に関連付けられた個体識別情報が登録されている携帯電話機に当該携帯電話機の個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に関連付けて、当該不動産物件の成約に関する情報を登録する成約情報登録手段とを含むものである。
【0009】
また、本発明の不動産取引支援方法は、不動産会社を識別可能なIDを伴って顧客の携帯電話機からアクセスされた際に、当該携帯電話機の個体識別情報を取得し、不動産会社を識別可能なIDを携帯電話機の個体識別情報と関連付けて登録すること、個体識別情報が登録されている携帯電話機からアクセスされた際に、個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に関連付けられている不動産物件の情報を提供すること、個体識別情報が登録されている携帯電話機からアクセスされ、当該携帯電話機からの不動産物件の予約を受け付けるに際し、当該携帯電話機に対して顧客個人を直接識別可能な個人情報の送信を要求し、送信された個人情報を当該携帯電話機の個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に提供するとともに、個体識別情報が登録されている携帯電話機に関連付けて当該不動産物件の予約に関する情報を登録すること、個体識別情報が登録されている携帯電話機に関連付けて予約に関する情報が登録された不動産物件に関して取引が成約した際に、当該不動産物件に関連付けられた個体識別情報が登録されている携帯電話機に、当該携帯電話機の個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に関連付けて当該不動産物件の成約に関する情報を登録することを含むことを特徴とする。
【0010】
これらの発明によれば、不動産会社を識別可能なIDを伴って顧客の携帯電話機からアクセスされた際に、当該携帯電話機の個体識別情報が取得され、不動産会社を識別可能なIDが携帯電話機の個体識別情報と関連付けて登録される。そして、この個体識別情報が登録されている携帯電話機からアクセスされた際には、個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に関連付けられている不動産物件の情報が、この携帯電話機に提供される。また、個体識別情報が登録されている携帯電話機からアクセスされ、当該携帯電話機からの不動産物件の予約を受け付ける際には、当該携帯電話機に対して顧客個人を直接識別可能な個人情報の送信を要求し、送信された個人情報を当該携帯電話機の個体識別情報が登録されている携帯電話機に関連付けて当該不動産物件の予約に関する情報が登録される。その後、この個体識別情報が登録されている携帯電話機に関連付けて予約に関する情報が登録された不動産物件に関して取引が成約した際に、当該不動産物件に関連付けられた個体識別情報が登録されている携帯電話機に、当該携帯電話機の個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に関連付けて当該不動産物件の成約に関する情報が登録される。これにより、この携帯電話機の個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に関連付けて登録された不動産物件の成約に関する情報によって、顧客がどの不動産会社を経由してその不動産物件にたどり着いたのかを追跡することが可能となる。
【0011】
なお、個人を直接識別可能な個人情報とは、氏名や連絡先(住所、電話番号、電子メールアドレス等)等の特定の個人を直接的に識別できる情報を指すものとし、携帯電話機の個体識別情報等の他の情報と照合することによって特定の個人を間接的に識別することができる情報を除くものとする。携帯電話機の個体識別情報は、携帯電話の通信サービスを提供する会社(キャリア)によって管理されており、通常、不動産会社等は、この携帯電話機の個体識別情報から個人を直接識別することは不可能となっている。
【0012】
ここで、不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLにより顧客の携帯電話機からアクセスされた際に、パラメータと当該携帯電話機の個体識別情報とを取得し、不動産会社を識別可能なIDを、携帯電話機の個体識別情報と関連付けて登録する構成であることが望ましい。
【0013】
これにより、顧客は、この不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLを用いて携帯電話機によりアクセスするだけで良く、この携帯電話機からのアクセスにより不動産会社を識別可能なIDが携帯電話機の個体識別情報と関連付けて登録される。
【0014】
また、本発明は、不動産会社に設置され、顧客の携帯電話機に搭載された非接触ICチップに対して、当該不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLを書き込む非接触端末をさらに含み、顧客の携帯電話機は、非接触端末から非接触ICチップに対して書き込まれた不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLによりアクセスするものであることが望ましい。
【0015】
これにより、顧客は、不動産会社に設置された非接触端末に携帯電話機を近付けるだけで、当該不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLが携帯電話機に書き込まれ、この不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLを用いて携帯電話機により容易にアクセスすることができ、この携帯電話機からのアクセスによりパラメータに含まれる不動産会社を識別可能なIDが携帯電話機の個体識別情報と関連付けて登録される。
【発明の効果】
【0016】
(1)本発明によれば、顧客は不動産会社を識別可能なIDを伴って携帯電話機からアクセスすることにより、当該携帯電話機の個体識別情報が取得され、この個体識別情報により顧客と不動産会社とが関連付けられて、不動産物件の情報が提供されるので、顧客は個人を直接識別可能な個人情報を登録することなく、不動産取引のための不動産情報を取得することが可能である。また、顧客はこの取得した不動産情報により取引する不動産物件の検討を行い、実際に予約および取引する際に個人を直接識別可能な個人情報を送信すると、この送信された個人情報は、前述の個体識別情報により関連付けられた不動産会社へ提供されるので、この個人情報に基づき、不動産会社は顧客と不動産物件の取引を行うことができる。また、本発明では、一つの不動産物件の不動産情報を提供する不動産業者が重複して存在する場合であっても、携帯電話機の個体識別情報に関連付けられたIDにより識別される不動産会社に関連付けて登録された不動産物件の成約に関する情報によって、顧客がどの不動産会社を経由してその不動産物件にたどり着いたのかを追跡することが可能となる。
【0017】
(2)不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLにより顧客の携帯電話機からアクセスされた際に、パラメータと当該携帯電話機の個体識別情報とを取得し、不動産会社を識別可能なIDを、携帯電話機の個体識別情報と関連付けて登録する構成により、顧客は、この不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLを用いて携帯電話機によりアクセスするだけで良く、操作が容易である。
【0018】
(3)不動産会社に設置され、顧客の携帯電話機に搭載された非接触ICチップに対して、当該不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLを書き込む非接触端末をさらに含み、顧客の携帯電話機は、非接触端末から非接触ICチップに対して書き込まれた不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLによりアクセスするものであることにより、顧客は、不動産会社に設置された非接触端末に携帯電話機を近付けるだけで、容易にアクセスすることが可能となり、さらに操作が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態における不動産取引支援システムの概略構成図である。
【図2】図1のサーバの機能ブロック図である。
【図3】図1のサーバの記憶手段に構成されるデータベースを示す図である。
【図4A】本発明の実施の形態における不動産取引支援システムによる不動産取引支援の処理の前段を示すシーケンス図である。
【図4B】本発明の実施の形態における不動産取引支援システムによる不動産取引支援の処理の後段を示すシーケンス図である。
【図5A】携帯電話機へ送信されるウェブページの例を示す説明図である。
【図5B】携帯電話機へ送信されるウェブページの例を示す説明図である。
【図5C】携帯電話機へ送信されるウェブページの例を示す説明図である。
【図5D】携帯電話機へ送信されるウェブページの例を示す説明図である。
【図5E】携帯電話機へ送信されるウェブページの例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は本発明の実施の形態における不動産取引支援システムの概略構成図、図2は図1のサーバの機能ブロック図、図3は図1のサーバの記憶手段に構成されるデータベースを示す図である。
【0021】
図1において、本発明の実施の形態における不動産取引支援システムは、アパート、マンション、一戸建て、駐車場、店舗、事務所、土地、ビルや倉庫等の不動産物件の売買や賃貸等の取引を支援するサービス提供者が管理する不動産取引支援サーバ(以下、「サーバ」と称す。)1と、複数の不動産会社にそれぞれ設置される非接触端末2および管理端末3と、複数の顧客(ユーザ)がそれぞれ使用する携帯電話機4等により構成される。管理端末3および携帯電話機4は、それぞれインターネットなどのコンピュータネットワーク5を通じてサーバ1に接続可能となっている。
【0022】
サーバ1は、サーバコンピュータによって構成されており、コンピュータプログラムを実行することにより、図2に示す携帯電話機登録手段10、不動産情報提供手段11、問い合わせ手段12、予約受付手段13、成約情報登録手段14、ユーザ情報記憶手段20、端末情報記憶手段21、不動産情報記憶手段22、物件/部屋情報記憶手段23、問い合わせ情報記憶手段24や予約情報記憶手段25等として機能する。
【0023】
非接触端末2は、携帯電話機4に搭載された非接触ICチップ(図示せず。)に対して非接触で情報を読み書き可能なリーダ・ライタ装置である。非接触端末2は、携帯電話機4の非接触ICチップに対し、キャリアを送信して電磁誘導により電力を供給し、キャリアの変調により通信を行う。このような非接触端末2と携帯電話機4に搭載される非接触ICチップとの通信技術としては、現在FeliCa(登録商標)が普及しているが、これ以外に通信技術を使用することも可能である。
【0024】
各不動産会社に設置される非接触端末2には、それぞれユニークな端末IDが割り当てられている。この端末IDは、各不動産会社に対して割り当てられたユニークな不動産IDと関連付けられて、図3に示すように端末情報記憶手段21に登録されている。したがって、端末IDによって端末情報記憶手段21に照会することで、それぞれの端末IDの非接触端末2がどの不動産会社に設置されたものであるのかを識別することが可能である。また、端末情報記憶手段21には、非接触端末2のファームウェアバージョンなどの端末情報も併せて登録されている。
【0025】
また、不動産会社に関する情報は、不動産情報記憶手段22に記憶されている。図3に示すように、不動産情報記憶手段22には、前述の不動産IDと、それぞれの不動産IDに対応する不動産会社の名前や電話番号などの不動産会社情報が登録されている。なお、非接触端末2は、各不動産会社の店舗の店頭などの顧客が気軽に携帯電話機4により非接触通信を行える位置に設置することが望ましいが、店内のカウンタ上などに設置することも可能である。
【0026】
管理端末3は、各不動産会社がサーバ1にアクセスして、顧客からの問い合わせの内容の確認および回答や、不動産の予約および成約等の処理を行うためのコンピュータである。
【0027】
次に、図2および図3を参照して、サーバ1の詳細について説明する。各非接触端末2には、サーバ1にアクセスするためのURLが登録されている。このURLには、各非接触端末2の端末IDをパラメータとして含んでいる。各非接触端末2は、携帯電話機4と非接触通信を行うことにより、各非接触端末2の端末IDをパラメータとして含むURLを携帯電話機4の非接触ICチップへ書き込むようになっている。
【0028】
これにより、各顧客は、それぞれの携帯電話機4により非接触通信を行った各非接触端末2の端末IDをパラメータとして含むURLによりサーバ1にアクセスすることが可能となっている。サーバ1の携帯電話機登録手段10は、この各非接触端末2の端末IDをパラメータとして含むURLにより顧客の携帯電話機4からアクセスされた際に、パラメータと当該携帯電話機4の個体識別情報とを取得するものである。
【0029】
また、携帯電話機登録手段10は、このパラメータに含まれる端末IDによって端末情報記憶手段21に照会し、対応する不動産IDを取得し、この取得した不動産IDを、非接触通信を行った各非接触端末2が設置された不動産会社を識別可能なIDとしてユーザ情報記憶手段20に登録するものである。このとき、携帯電話機登録手段10は、不動産IDを携帯電話機の個体識別情報と関連付け、さらに各顧客にユニークなユーザIDを割り当てて、ユーザ情報記憶手段20へ登録する。
【0030】
不動産情報提供手段11は、携帯電話機4からアクセスされた際に、この携帯電話機4に対して携帯電話機4の個体識別情報の送信を要求し、送信された個体識別情報がユーザ情報記憶手段20に登録されている携帯電話機4かどうかを判断する。不動産情報提供手段11は、個体識別情報がユーザ情報記憶手段20に登録されている携帯電話機4からアクセスされた際に、個体識別情報に関連付けられた不動産IDにより識別される不動産会社に関連付けられている不動産物件の情報を物件/部屋情報記憶手段23から取得し、携帯電話機4に提供する。また、不動産情報提供手段11は、この不動産IDに基づいて不動産情報記憶手段22から不動産会社に関する情報を取得し、携帯電話機4に提供する。
【0031】
なお、図3に示すように、物件/部屋情報記憶手段23には、アパート、マンション、一戸建て、駐車場、店舗、事務所、土地、ビルや倉庫等の不動産物件の売買や賃貸等の取引の対象となる不動産物件に関する情報として、部屋ID、管理不動産IDおよび部屋情報が登録されている。部屋IDは、各不動産物件の部屋(部屋には限定されないが、便宜上不動産物件の取引単位を「部屋」と称する。)に対するユニークなIDである。管理不動産IDは、管理する不動産会社のユニークなID、すなわち前述の不動産IDであり、対象となる不動産物件に対する元付け不動産会社および客付け不動産会社等がすべて登録される。また、部屋情報は、名前、家賃、状態などである。
【0032】
問い合わせ手段12は、不動産情報提供手段11によって情報が提供された不動産物件に対し、顧客の携帯電話機4からの問い合わせの受け付け等を行う。問い合わせ手段12は、顧客の携帯電話機4に対して問い合わせ内容の送信を要求し、送信された問い合わせ内容を、図3に示すように問い合わせ情報として問い合わせ情報記憶手段24へ登録する。このとき、問い合わせ情報にはユニークな問い合わせナンバが割り当てられ、該当する顧客のユーザID、問い合わせ対象である不動産物件の部屋IDおよび不動産IDと関連付けられて問い合わせ情報記憶手段24へ登録される。
【0033】
また、問い合わせ手段12は、各不動産会社の管理端末3によるアクセスに対し、それぞれの不動産会社の不動産IDにより識別される問い合わせ情報の確認および回答を受け付ける。問い合わせ手段12は、各不動産会社の管理端末3に対してそれぞれの不動産会社の不動産IDにより問い合わせ情報記憶手段24の照会を行い、該当する問い合わせ情報を提供する。また、問い合わせ手段12は、各不動産会社の管理端末3からのそれぞれの問い合わせ内容に対する回答の送信を要求し、送信された回答内容を、問い合わせ情報として問い合わせ情報として問い合わせ情報記憶手段24へ登録する。
【0034】
予約受付手段13は、不動産情報提供手段11によって情報が提供された不動産物件に対し、顧客の携帯電話機4からの不動産物件の予約の受け付けを行う。予約受付手段13は、携帯電話機4からの不動産物件の予約を受け付けるに際し、携帯電話機4に対して顧客個人を直接識別可能な個人情報の送信を要求し、送信された個人情報を当該携帯電話機4の個体識別情報に関連付けられた不動産IDにより識別される不動産会社に提供する。また、予約受付手段13は、顧客の携帯電話機4に対して訪問日時等の予約に関する情報(予約情報)の送信を要求し、送信された予約情報を、図3に示すように予約情報記憶手段25へ登録する。このとき、予約情報にはユニークな予約ナンバが割り当てられ、該当する顧客のユーザID、予約対象である不動産物件の部屋IDおよび不動産IDと関連付けられて予約情報記憶手段25へ登録される。
【0035】
成約情報登録手段14は、予約受付手段13により登録された不動産物件に関して取引が成約した際に、当該予約ナンバの予約情報として、当該不動産物件の成約に関する情報としての成約コードを登録する。成約コードは、サーバ1にアクセスする各不動産会社の管理端末3から送信され、送信された成約コードを成約情報登録手段14が予約情報記憶手段25へ登録する。
【0036】
次に、図4Aおよび図4Bを参照して、本発明の実施の形態における不動産取引支援システムによる不動産取引支援の処理について説明する。図4Aおよび図4Bは、本発明の実施の形態における不動産取引支援システムによる不動産取引支援の処理の前段および後段を示すシーケンス図である。
【0037】
まず、顧客は携帯電話機4を用いて不動産会社の店頭に設置された非接触端末2と非接触通信を行い、端末IDをパラメータとして含むURLを取得する(S101)。なお、この端末IDをパラメータとして含むURLの取得は、非接触端末2からだけでなく、図1に示すようにQRコード(登録商標)等の2次元コード6を携帯電話機4に入力したり(S102)、紙面からURL文字列7を携帯電話機4に手入力したり(S103)する構成とすることも可能である。これらの場合、2次元コード6やURL文字列7には、端末IDに代えて不動産IDなどの不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLが埋め込まれたものとすることができる。
【0038】
そして、顧客は、この携帯電話機4に取得した端末IDをパラメータとして含むURLを用いてコンピュータネットワーク5を通じてサーバ1にアクセスする(S201)。このとき、携帯電話機4から個体識別情報が送信されるので、サーバ1は、この送信された個体識別情報がユーザ情報記憶手段20に登録されたものであるかどうかユーザ情報記憶手段20を参照して認証を行う(S301)。
【0039】
ここで、送信された個体識別情報がユーザ情報記憶手段20に登録されていない場合、サーバ1の携帯電話機登録手段10は、URLのパラメータから端末IDを取得し(S302)、この端末IDに対応する不動産IDを端末情報記憶手段21から取得して、取得した不動産IDと個体識別情報とを関連付けてユーザ情報記憶手段20に登録する(S303)。
【0040】
このユーザ情報記憶手段20への登録後、または既に登録されている場合には、個体識別情報に関連付けてユーザ情報記憶手段20に登録されている不動産IDに基づいて、不動産情報提供手段11が不動産情報記憶手段22から不動産会社情報を取得し、該当する不動産会社用にカスタマイズしたウェブページを携帯電話機4へ送信する(S304)。
【0041】
また、顧客が携帯電話機4によりサーバ1へアクセスし、各ウェブページへアクセスする際には、携帯電話機4から個体識別情報が送信されるので(S202)、サーバ1の不動産情報提供手段11はその都度個体識別情報の認証を行う(S305)。そして、この個体識別情報に関連付けられた不動産IDをユーザ情報記憶手段20から取得し、この不動産IDに該当する不動産会社が管理する不動産物件に関する情報を物件/部屋情報記憶手段23から取得し、携帯電話機4へ送信する(S306)。
【0042】
ここで、不動産情報提供手段11により携帯電話機4へ送信されるウェブページの例について説明する。図5A〜図5Eは不動産情報提供手段11により携帯電話機4へ送信されるウェブページの例を示す説明図である。
【0043】
図5Aの(a)は、図4AのS304において携帯電話機4へ送信されるウェブページ30を示している。ウェブページ30は、携帯電話機4のユーザ情報記憶手段20への登録後、または既に登録されている場合に最初に提供されるトップページであり、検討中リストボタン30a、物件比較ボタン30b、最近見た物件ボタン30c、物件検索ボタン30d等が配置されている。
【0044】
なお、携帯電話機4のユーザ情報記憶手段20への登録は有効期限が設けられており、この有効期限はウェブページ30の上部30eに掲載されている。有効期限はユーザ情報記憶手段20に個体識別情報が登録された日時を基準に管理されており、所定の期間経過後はユーザ情報記憶手段20から携帯電話機4の情報は一切消去される。また、このウェブページ30の下部30fには、携帯電話機4の個体識別情報に関連付けられた不動産IDに基づいて、取得された不動産会社情報が掲載されている。
【0045】
図5Aの(b)は、同図(a)の検討中リストボタン30a等が携帯電話機4により指示された場合に携帯電話機4へ送信されるウェブページ31を示している。このウェブページ31には、携帯電話機4の顧客が検討中の不動産物件のリストが表示される。携帯電話機4の顧客が検討中の不動産物件については、携帯電話機4の個体識別情報に関連付けてユーザ情報記憶手段20に登録されており、図4AのS305において認証した個体識別情報に基づいて抽出され、該当する不動産物件に関する部屋情報が物件/部屋情報記憶手段23から抽出されて、ウェブページ31へ掲載される。なお、検討中リストへの登録については後述する。
【0046】
図5Aの(c)は、同図(a)の最近見た物件ボタン30c等が携帯電話機4により指示された場合に携帯電話機4へ送信されるウェブページ32を示している。このウェブページ32には、携帯電話機4の顧客が最近見た不動産物件のリストが表示される。携帯電話機4の顧客が最近見た不動産物件は、携帯電話機4の個体識別情報に関連付けてユーザ情報記憶手段20に登録されており、図4AのS305において認証した個体識別情報に基づいて抽出され、該当する不動産物件に関する部屋情報が物件/部屋情報記憶手段23から抽出されて、ウェブページ32へ掲載される。
【0047】
図5Bの(a)は、図5Aの(a)の物件検索ボタン30d等が携帯電話機4により指示された場合に携帯電話機4へ送信されるウェブページ33を示している。このウェブページ33には、図4AのS305において認証した個体識別情報に基づいて、この個体識別情報に関連付けられた不動産IDの不動産会社が管理する不動産物件が物件/部屋情報記憶手段23から抽出される。そして、該当する不動産物件に関する部屋情報が物件/部屋情報記憶手段23から抽出され、物件リストとしてウェブページ33へ掲載される。
【0048】
図5Bの(b)は、図5Aの(b)や(c)に表示されているそれぞれの不動産物件の詳細を見るボタン31a,32a等が携帯電話機4により指示された場合に携帯電話機4へ送信されるウェブページ34を示している。このウェブページ34には、各不動産物件の詳細な部屋情報が物件/部屋情報記憶手段23から抽出されて、ウェブページ34へ掲載される。なお、前述の検討中リストへ登録するための登録ボタン34a,34b,34fは、このウェブページ34上に配置されており、登録ボタン34a,34b,34fのいずれかが携帯電話機4から指示されると、この不動産物件の部屋IDが携帯電話機4の個体識別情報に関連付けてユーザ情報記憶手段20へ登録される。
【0049】
また、このウェブページ34上には、この不動産物件に対して問い合わせを行うために、問い合わせ内容を入力するための質問入力欄34cと、質問入力欄34cに入力した内容をサーバ1へ送信するための送信ボタン34dとが配置されている。また、このウェブページ34上には、この不動産物件の予約を行うためのウェブページ36(図5D参照。)へ移動するためのリンク34eが配置されている。
【0050】
図5Cは、図5Aの(a)物件比較ボタン30b等が携帯電話機4により指示された場合に携帯電話機4へ送信されるウェブページ35を示している。このウェブページ35には、携帯電話機4の顧客が不動産物件を比較検討するためのリストが表示される。比較検討する対象となる不動産物件は、携帯電話機4の個体識別情報に関連付けてユーザ情報記憶手段20に登録される。比較検討する対象となる不動産物件は、物件変更ボタン35a,35bの指定後に携帯電話機4へ送信されるウェブページ(図示せず。)により行うことが可能である。
【0051】
図4Aに戻って、顧客が携帯電話機4により、前述の質問入力欄34cに問い合わせ内容を入力し、送信ボタン34dを指示すると、この携帯電話機4の個体識別情報とともに質問入力欄34cに入力された問い合わせ内容がサーバ1へ送信される(S203)。サーバ1の問い合わせ手段12は、この送信された個体識別情報の認証を行い(S307)、この個体識別情報に関連付けられたユーザIDとともに、問い合わせ対象である不動産物件の部屋ID、不動産IDおよび問い合わせ内容を問い合わせ情報記憶手段24へ登録する(S308)。ここで、個体識別情報に関連付けられた不動産IDの不動産会社の電子メールアドレスが不動産情報記憶手段22に登録されている場合には、問い合わせ手段12は、この電子メールアドレスに対して問い合わせ内容が登録された旨を通知するメールを送信する。
【0052】
なお、顧客は、個体識別情報認証後に携帯電話機4に表示される図5Eの(a)に示すウェブページ39のお問い合わせ履歴の確認のためのリンク39aを指定することにより、問い合わせ履歴を確認することが可能である。リンク39aが指定されると、サーバ1は図5Eの(b)に示す問い合わせ履歴の一覧のウェブページ40を携帯電話機4へ送信する。この問い合わせ履歴の一覧は、不動産物件ごとにリスト表示されており、携帯電話機4によりこのリスト上のリンク40aが指定されると、サーバ1は図5Eの(c)に示す問い合わせ履歴のウェブページ41を携帯電話機4へ送信する。
【0053】
不動産会社は、管理端末3によりサーバ1へアクセスし(S401)、サーバ1はIDやパスワード等により管理端末3のログイン認証を行う(S309)。この認証後、サーバ1の問い合わせ手段12は、問い合わせ情報のウェブページ(図示せず。)を不動産会社の管理端末3へ送信する(S310)。不動産会社は、管理端末3から問い合わせ内容に対する回答を入力してサーバ1へ送信する(S402)。そして、サーバ1の問い合わせ手段12は、該当する顧客のユーザID、問い合わせ対象である不動産物件の部屋IDおよび不動産IDと関連付けて、問い合わせ情報記憶手段24へ登録する(S311)。
【0054】
次に、図4Bに示すように、顧客は不動産物件の予約を行う(S204)。顧客が携帯電話機4により前述の予約のためのリンク34eを指示すると、図5Dの(a)に示す不動産物件の予約のためのウェブページ36が携帯電話機4へ送信される。ここで、携帯電話機4によりウェブページ36上の名前入力欄36a、電話番号入力欄36bにそれぞれ氏名、連絡先を入力し、来店希望日指定欄36cにより訪問日時を指定し、確認ボタン36dを指定すると、図5Dの(b)に示す予約内容確認のためのウェブページ37が生成され、携帯電話機4へ表示される。このウェブページ37上の送信ボタン37aが指定されると、名前入力欄36aおよび電話番号入力欄36bに入力された内容と来店希望日指定欄36cにより指定された内容とが、携帯電話機4の個体識別情報とともにサーバ1へ送信される。図5Dの(c)は予約が受け付けられたことを示すためにサーバ1から携帯電話機4へ送信されるウェブページ38である。
【0055】
一方、サーバ1の予約受付手段13は、送信された個体識別情報の認証を行い(S312)、この個体識別情報に関連付けられたユーザIDとともに、予約対象である不動産物件の部屋IDおよび不動産IDと、来店希望日指定欄36cにより指定された訪問日時とを予約情報記憶手段25へ登録する(S313)。ここで、名前入力欄36aおよび電話番号入力欄36bに入力された内容と来店希望日指定欄36cにより指定された内容とは、この個体識別情報に関連付けられた不動産IDの不動産会社の電子メールアドレスが不動産情報記憶手段22に登録されている場合には、この電子メールアドレスに対して送信される。また、予約受付手段13は物件/部屋情報記憶手段23の該当する部屋IDの部屋情報の状態を予約済みに更新する(S314)。
【0056】
次に、不動産会社は、管理端末3によりサーバ1へアクセスし(S403)、サーバ1はIDやパスワード等によりログイン認証を行う(S315)。この認証後、サーバ1の予約受付手段13は、予約情報のウェブページ(図示せず。)を不動産会社の管理端末3へ送信する(S316)。なお、顧客は、個体識別情報認証後に携帯電話機4に表示される図5Eの(a)に示すウェブページ39の予約内容の確認のためのリンク39bを指定することにより、予約内容を確認することが可能である。リンク39bが指定されると、サーバ1は図5Eの(d)に示す予約内容確認のウェブページ42を携帯電話機4へ送信する。
【0057】
そして、顧客は予約した訪問日時に不動産会社を訪問し(S205)、不動産物件の部屋等の内覧、契約条件等の確認を行う(S404)。このとき、客付け不動産会社は元付け不動産会社と随時連絡を取り合う。また、不動産会社は、管理端末3によりサーバ1へアクセスし(S405)、サーバ1はIDやパスワード等によりログイン認証を行う(S317)。そして、サーバ1は、部屋情報更新のためのウェブページ(図示せず。)を管理端末へ送信し(S318)、不動産会社は、管理端末3から部屋情報として成約または破談を入力し、送信する(S406)。
【0058】
サーバ1は、入力された部屋情報としての成約または破談を物件/部屋情報記憶手段23の部屋情報の状態として更新し、元付け不動産会社の電子メールアドレスが不動産情報記憶手段22に登録されている場合には、この電子メールアドレス宛てに更新通知を行う(S319)。また、サーバ1の成約情報登録手段14は、成約時に成約に関する情報を入力するためのウェブページ(図示せず。)を管理端末3へ送信し(S320)、不動産会社は管理端末3により成約情報としての成約コードを入力し、送信する(S407)。
【0059】
サーバ1の成約情報登録手段14は、この送信された成約コードを予約情報記憶手段25の予約情報として登録する(S321)。そして、顧客は成約特典を取得する(S206)。
【0060】
以上のように、本実施形態における不動産取引支援システムでは、不動産会社の店頭に設置された非接触端末2から顧客の携帯電話機4の非接触ICチップに対して、不動産会社を識別可能なIDとして非接触端末2の端末IDをパラメータとして含むURLを書き込むことで、顧客の携帯電話機4からこの端末IDを伴ってサーバ1へアクセスすることができる。このとき、パラメータとしての端末IDとともに当該携帯電話機4の個体識別情報が取得され、端末IDから識別される不動産会社の不動産IDが携帯電話機4の個体識別情報と関連付けてユーザ情報記憶手段20に登録される。
【0061】
これにより、当該携帯電話機4からサーバ1へアクセスされた際には、この携帯電話機4の個体識別情報に関連付けられた不動産IDにより識別される不動産会社に関連付けられている不動産物件の情報が、この携帯電話機4に提供されるので、顧客は個人を直接識別可能な氏名や連絡先(住所、電話番号、電子メールアドレス等)等の特定の個人を識別できる個人情報を登録することなく、不動産取引のための不動産情報を取得することが可能である。
【0062】
なお、図3に示すように、本実施形態における不動産取引支援システムでは、ユーザ情報記憶手段20へユーザ情報としてのメールアドレスを登録可能となっているが、これは希望する顧客が任意に登録するものである。メールアドレスを登録した顧客は、希望条件に適合した物件情報や物件に対する質問への返信通知などのシステムの新着情報を電子メールにより受信することができるようになっている。登録を希望しない顧客については上述のように特定の個人を識別できる個人情報を登録することなく、不動産取引のための不動産情報を取得することが可能であることに変わりない。
【0063】
また、顧客はこの取得した不動産情報により取引する不動産物件の検討を行い、実際に予約および取引する際に個人を直接識別可能な氏名や連絡先等の個人情報を送信すると、この送信された個人情報は、前述の個体識別情報により関連付けられた不動産会社へ提供されるので、この個人情報に基づき、不動産会社は顧客と不動産物件の取引を行うことができる。
【0064】
また、本実施形態における不動産取引支援システムでは、一つの不動産物件の不動産情報を提供する不動産業者が重複して存在する場合であっても、携帯電話機の個体識別情報に関連付けられた不動産IDにより識別される不動産会社に関連付けて予約情報記憶手段25に登録された不動産物件の成約コードによって、顧客がどの不動産会社を経由してその不動産物件にたどり着いたのかを追跡することが可能であり、客付けを行った不動産会社に対するマージンの支払いが可能となる。
【0065】
また、本実施形態における不動産取引支援システムでは、顧客は、自身の携帯電話機4を不動産会社の店頭に設置された非接触端末2に近付けて非接触通信を行うだけで、顧客の携帯電話機4に搭載された非接触ICチップに対して、非接触端末2により当該不動産会社を識別可能なIDとしての端末IDをパラメータとして含むURLが書き込まれ、これにより携帯電話機4によってサーバ1に容易にアクセスして上述のような取引を行うことが可能であり、不動産会社の店舗に入る必要がなく、気軽に不動産物件を探すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の不動産取引支援システムおよび不動産取引支援方法は、アパート、マンション、一戸建て、駐車場、店舗、事務所、土地、ビルや倉庫等の不動産物件の売買や賃貸等の取引を支援するシステムおよび方法として有用である。
【符号の説明】
【0067】
1 不動産取引支援サーバ(サーバ)
2 非接触端末
3 管理端末
4 携帯電話機
5 コンピュータネットワーク
10 携帯電話機登録手段
11 不動産情報提供手段
12 問い合わせ手段
13 予約受付手段
14 成約情報登録手段
20 ユーザ情報記憶手段
21 端末情報記憶手段
22 不動産情報記憶手段
23 物件/部屋情報記憶手段
24 問い合わせ情報記憶手段
25 予約情報記憶手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産会社を識別可能なIDを伴って顧客の携帯電話機からアクセスされた際に、当該携帯電話機の個体識別情報を取得し、前記不動産会社を識別可能なIDを前記携帯電話機の個体識別情報と関連付けて登録する携帯電話機登録手段と、
前記個体識別情報が登録されている携帯電話機からアクセスされた際に、前記個体識別情報に関連付けられた前記IDにより識別される不動産会社に関連付けられている不動産物件の情報を提供する不動産情報提供手段と、
前記個体識別情報が登録されている携帯電話機からアクセスされ、当該携帯電話機からの不動産物件の予約を受け付けるに際し、当該携帯電話機に対して顧客個人を直接識別可能な個人情報の送信を要求し、送信された前記個人情報を当該携帯電話機の個体識別情報に関連付けられた前記IDにより識別される不動産会社に提供するとともに、前記個体識別情報が登録されている携帯電話機に関連付けて当該不動産物件の予約に関する情報を登録する予約受付手段と、
前記予約受付手段により登録された不動産物件に関して取引が成約した際に、当該不動産物件に関連付けられた前記個体識別情報が登録されている携帯電話機に当該携帯電話機の個体識別情報に関連付けられた前記IDにより識別される不動産会社に関連付けて、当該不動産物件の成約に関する情報を登録する成約情報登録手段と
を含む不動産取引支援システム。
【請求項2】
前記携帯電話機登録手段は、不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLにより顧客の携帯電話機からアクセスされた際に、前記パラメータと当該携帯電話機の個体識別情報とを取得し、前記不動産会社を識別可能なIDを、前記携帯電話機の個体識別情報と関連付けて登録するものである請求項1記載の不動産取引支援システム。
【請求項3】
不動産会社に設置され、前記顧客の携帯電話機に搭載された非接触ICチップに対して、当該不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLを書き込む非接触端末をさらに含み、
前記顧客の携帯電話機は、前記非接触端末から前記非接触ICチップに対して書き込まれた前記不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLによりアクセスするものである
請求項2記載の不動産取引支援システム。
【請求項4】
前記不動産会社を識別可能なIDは、前記非接触端末に対して割り当てられたユニークな端末IDであり、
前記端末IDは、前記不動産会社に対して割り当てられたユニークな不動産IDと関連付けられたものである
請求項3記載の不動産取引支援システム。
【請求項5】
不動産会社を識別可能なIDを伴って顧客の携帯電話機からアクセスされた際に、当該携帯電話機の個体識別情報を取得し、前記不動産会社を識別可能なIDを前記携帯電話機の個体識別情報と関連付けて登録すること、
前記個体識別情報が登録されている携帯電話機からアクセスされた際に、前記個体識別情報に関連付けられた前記IDにより識別される不動産会社に関連付けられている不動産物件の情報を提供すること、
前記個体識別情報が登録されている携帯電話機からアクセスされ、当該携帯電話機からの不動産物件の予約を受け付けるに際し、当該携帯電話機に対して顧客個人を直接識別可能な個人情報の送信を要求し、送信された前記個人情報を当該携帯電話機の個体識別情報に関連付けられた前記IDにより識別される不動産会社に提供するとともに、前記個体識別情報が登録されている携帯電話機に関連付けて当該不動産物件の予約に関する情報を登録すること、
前記個体識別情報が登録されている携帯電話機に関連付けて予約に関する情報が登録された不動産物件に関して取引が成約した際に、当該不動産物件に関連付けられた前記個体識別情報が登録されている携帯電話機に、当該携帯電話機の個体識別情報に関連付けられた前記IDにより識別される不動産会社に関連付けて当該不動産物件の成約に関する情報を登録すること
を含む不動産取引支援方法。
【請求項1】
不動産会社を識別可能なIDを伴って顧客の携帯電話機からアクセスされた際に、当該携帯電話機の個体識別情報を取得し、前記不動産会社を識別可能なIDを前記携帯電話機の個体識別情報と関連付けて登録する携帯電話機登録手段と、
前記個体識別情報が登録されている携帯電話機からアクセスされた際に、前記個体識別情報に関連付けられた前記IDにより識別される不動産会社に関連付けられている不動産物件の情報を提供する不動産情報提供手段と、
前記個体識別情報が登録されている携帯電話機からアクセスされ、当該携帯電話機からの不動産物件の予約を受け付けるに際し、当該携帯電話機に対して顧客個人を直接識別可能な個人情報の送信を要求し、送信された前記個人情報を当該携帯電話機の個体識別情報に関連付けられた前記IDにより識別される不動産会社に提供するとともに、前記個体識別情報が登録されている携帯電話機に関連付けて当該不動産物件の予約に関する情報を登録する予約受付手段と、
前記予約受付手段により登録された不動産物件に関して取引が成約した際に、当該不動産物件に関連付けられた前記個体識別情報が登録されている携帯電話機に当該携帯電話機の個体識別情報に関連付けられた前記IDにより識別される不動産会社に関連付けて、当該不動産物件の成約に関する情報を登録する成約情報登録手段と
を含む不動産取引支援システム。
【請求項2】
前記携帯電話機登録手段は、不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLにより顧客の携帯電話機からアクセスされた際に、前記パラメータと当該携帯電話機の個体識別情報とを取得し、前記不動産会社を識別可能なIDを、前記携帯電話機の個体識別情報と関連付けて登録するものである請求項1記載の不動産取引支援システム。
【請求項3】
不動産会社に設置され、前記顧客の携帯電話機に搭載された非接触ICチップに対して、当該不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLを書き込む非接触端末をさらに含み、
前記顧客の携帯電話機は、前記非接触端末から前記非接触ICチップに対して書き込まれた前記不動産会社を識別可能なIDをパラメータとして含むURLによりアクセスするものである
請求項2記載の不動産取引支援システム。
【請求項4】
前記不動産会社を識別可能なIDは、前記非接触端末に対して割り当てられたユニークな端末IDであり、
前記端末IDは、前記不動産会社に対して割り当てられたユニークな不動産IDと関連付けられたものである
請求項3記載の不動産取引支援システム。
【請求項5】
不動産会社を識別可能なIDを伴って顧客の携帯電話機からアクセスされた際に、当該携帯電話機の個体識別情報を取得し、前記不動産会社を識別可能なIDを前記携帯電話機の個体識別情報と関連付けて登録すること、
前記個体識別情報が登録されている携帯電話機からアクセスされた際に、前記個体識別情報に関連付けられた前記IDにより識別される不動産会社に関連付けられている不動産物件の情報を提供すること、
前記個体識別情報が登録されている携帯電話機からアクセスされ、当該携帯電話機からの不動産物件の予約を受け付けるに際し、当該携帯電話機に対して顧客個人を直接識別可能な個人情報の送信を要求し、送信された前記個人情報を当該携帯電話機の個体識別情報に関連付けられた前記IDにより識別される不動産会社に提供するとともに、前記個体識別情報が登録されている携帯電話機に関連付けて当該不動産物件の予約に関する情報を登録すること、
前記個体識別情報が登録されている携帯電話機に関連付けて予約に関する情報が登録された不動産物件に関して取引が成約した際に、当該不動産物件に関連付けられた前記個体識別情報が登録されている携帯電話機に、当該携帯電話機の個体識別情報に関連付けられた前記IDにより識別される不動産会社に関連付けて当該不動産物件の成約に関する情報を登録すること
を含む不動産取引支援方法。
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図1】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図1】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【公開番号】特開2011−96044(P2011−96044A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250103(P2009−250103)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(504169083)株式会社システック (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(504169083)株式会社システック (3)
【Fターム(参考)】
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