説明

不同沈下した建築物のレベル調整方法及びその装置

【課題】不同沈下した建築物の調整方法及びその装置を現工法よりも安価で簡便なものを提供する。
【解決手段】基礎の上面に土台を置き、その土台に建てた柱により屋根、外壁等を支持し更に床、内装等を施した建物が前記基礎の不同沈下により傾斜した場合、前記基礎の上面に所定の間隔を置いて下方向且つその基礎の幅方向に貫通する複数の凹部を加工して隙間を設け、その隙間の各々に持上手段を挿入し各持上手段を順次微少ストロークづつ持上げて前記土台が全体として水準を回復する方法であって、前記凹部はその底面の深さが前記基礎の内部に横に配置された鉄筋を保護するコンクリートの被覆を残す深さであり、前記柱の位置では該凹部をその直下に設け、水準回復後は、前記基礎と土台との間に支持具を挿入し且つ支持具と支持具の間は高強度モルタルで埋める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特に一般住宅等の不同沈下したものを極めて安価且つ短い工期でそのレベルを回復する方法及び該方法に使用する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近家屋の耐震構造に関する関心が高まり、且つ新建材等建築材料の開発等により家屋の屋根、外壁等の軽量化が進み家屋全体としての軽量化は進んでいる。この傾向は耐震性の向上及び不同沈下に対して大変好ましいことではあるが、一方で基礎部の施工前に割栗石を入れて突き固める基礎地盤の工事が軽視される傾向にあり、他方で従来家屋を建てなかった軟弱な地盤に家屋を建てる例もあり、経時的に不同沈下の問題が表面化するケースが比較的多く見られるようになってきた。
【0003】
この様な不同沈下に対して現在一般的に基礎部の近傍に鉄柱を深く打ち込みこれに基礎部を固定して基礎部の上面を修復し、建物のレベルを復元している例が多い。この様な例として特許文献1がある。しかしこの工法は工事が大規模となり工期も長く従って高価に過ぎる。
又より簡素な工事として基礎部又は基礎上面の土台を持上手段で持ち上げて建物のレベルを復元する例として特許文献2がある。
【0004】
【特許文献1】特許第3029797号
【特許文献2】特開平8−232284
【0005】
特許文献2の例について図11乃至図15により説明する。図11は基礎部の上に土台を横にして設け、これに柱を建てた建築物の正面図である。図12は図11のX−X断面図である。図13は建築物の水準を回復する別の修正法を説明する図である。図14は土台を直接持ち上げて水準を回復する別の方法を説明する建築物の正面図である。図15は図14のY−Y断面図である。
建築物90は、地面内部に一部埋め込まれた基礎部92と、該基礎部92の上部に備えた建築物本体94とよりなり、前記基礎部92の下方には、割栗石等で基礎地盤93を形成している。
【0006】
前記基礎地盤93とともに前記基礎部92が不同沈下し、前記建築物90が傾くが、この際に前記建築物90を修復するには、まず、前記基礎部92に屋内外を連通する挿通孔95を設ける。この挿通孔95は、基礎部92の比較的地面に近い位置に間隔をおいて複数設ける。
【0007】
そして、複数の前記挿通孔95のそれぞれに持上部材97を挿通する。この持上部材97は、H形鋼等で形成しており、前記挿通孔95に挿通する下側部材98と、該下側部材98の両端より斜め上方に水平に配置した上側部材99と、前記下側部材98の端部と前記上側部材99の端部とを連結する連結部材100より成っている。前記上側部材99の下面に当接するように前記持上手段96を地面G上に設置している。
【0008】
前記持上手段96は、油圧ジャッキ等のジャッキを用いている。また、前記持上手段96は、電動あるいは手動のものを用いることができる。前述の構成により、持上手段96によって持上部材97を持ち上げ、挿通孔95の部分で前記持上部材97を介して基礎部92を持ち上げる。そして、基礎部92の下方の基礎地盤93との間に生じた隙間に、あらかじめ設けておいた注入路102より、コンクリート、モルタル、又は樹脂等の時硬性のグラウト材103を注入する。
【0009】
前記第1公知例において、基礎部92に挿通孔95を複数設け、この複数の挿通孔95で荷重を分配して基礎部92を持ち上げるため、ジャッキやウインチ等の比較的小型の持上手段96を用いることができ、クレーン等の大型機械を使用する必要がないため、狭いスペースで容易に作業をすることが可能である。また、この挿通孔95を地面から近い位置に設けることにより、該挿通孔95から基礎部92の上面まで距離を大きくして、基礎部92を持ち上げる際、基礎部92自身が建築物の荷重に十分に耐え得るようにしている。
【0010】
而して、持上部材97は、挿通孔95に挿通し、基礎部92を持ち上げる際の作用部分となる下側部材98よりも上方に、持上手段96の作用部分となる上側部材99を配置しているので、地面と近い位置に挿通孔95を設けた場合にも、ジャッキ等の持上手段96を地面上に設置するスペースを確保することができ、地面を掘って持上手段96を設置するスペースを作る作業等の必要がなく、作業工程の低減を図っている。
【0011】
図13は、本公知例の第2実施例を示しており、第1実施例と異なる所は、持上部材97は、挿通孔95に挿通する下側部材98と、該下側部材98の屋外側の端部から斜め上方に配置した上側部材99と、前記下側部材98の端部と前記上側部材99の端部とを連結する連結部材100とよりなり、該上側部材99は、持上手段96の作用点から下側部材98の自由端までの長さと比べて持上手段96の作用点から上側部材99の自由端までの長さが長くなるように形成しており、上側部材99の自由端の荷重が大きくなるように、例えばウエイト104等を自由端に設けている。
【0012】
本公知例においては、持上手段96を作動させると、上側部材99の自由端はウエイト104等により荷重を大きくし動きを規制しているため、下側部材98を上方へと持ち上げることとなり、よって基礎部92を持ち上げることができるようにしている。第2公知例では、持上手段96を建築物90の屋外のみに設置するため、屋内に持上手段96を設置するための作業、例えば、屋内の床板を剥がす作業等を行う必要がなく、また、持上手段96の数を減らすことができる。
【0013】
図14、図15は、本公知例の第3実施例を示しており、建築物90は、基礎部92と、該基礎部92の上面に土台105を設け、該土台105の上面に柱106を立てて枠組みを形成した建物本体94よりなり、主に、木造建築物に見られる構造である。前記土台105は、木、又は溝型鋼等の型鋼を用いて形成している。この建築物90が基礎部92の沈下により傾いた場合に、建築物90を修復する際には、前記土台105に、屋内外を連通する挿通孔107を間隔をおいて複数設け、それぞれの挿通孔107に持上部材108を挿通し、該持上部材108の屋内外両側の下面に当接するように地面G上に持上手段96を設置する。
【0014】
そして、持上手段96を作動することにより、土台105部分より建物本体94を持ち上げ、土台105と基礎部92との間に生じた隙間にコンクリート、モルタル、又は樹脂等の時硬性のグラウト材103を注入する。前記挿通孔107は、水平方向に幅広のスリット状で、前記持上部材108は、挿通孔107の形状に適合した平鋼を用いている。
【0015】
そして、前記持上部材108の曲げを防ぐために、持上手段96を基礎部92に近づけて設置している。本公知例の第3例においては、基礎部92の上面又は土台105に挿通孔107を設け、この挿通孔107の位置で土台105を持ち上げるようにしているため、持上手段96を設置するスペースを充分に確保することができ、また、基礎部92より上の土台105から建物本体94を持ち上げるため、持ち上げる重量を小さくすることができ、持上手段96の数を減らすことができるとしている。
【0016】
本公開特許の第4例で、建築物90は、第3例と同様に基礎部92と、該基礎部92の上面に土台105を設け、土台105の上面に柱106を立てて骨組みを形成した建物本体94とよりなり、建築物90の傾きを修複する際に、基礎部92の上部の土台105に、該基礎部92の屋内外方向の幅に亘る複数の切欠凹部を間隔をおいて設け、該切欠凹部と土台105の下面とに囲まれた空間に持上部材97を挿通している。
【0017】
本公知例においては、前記第3例と同様に、基礎部92上部に設けた切欠凹部の位置より土台105を持ち上げるようにしているため、持上手段96を設置するスペースを充分に確保するとともに、基礎部92より上の土台105から建物本体94を持ち上げるとしている。その内容は第3例と同じであるため、第4例の図面及び説明は省略する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
発明が解決しようとする課題は、前記公知例よりも更に工期を短く且つ費用も極少なく且つ土台等の家の骨格部分に破損、歪みの発生を最小限に止ながら不同沈下して傾斜した建築物のレベルを回復しょうとするものである。
【0019】
発明者はこの様な不同沈下した家屋の多くの実状を具に観察し、検討した結果、前記の如く比較的軽量な家屋に於ける不同沈下した基礎部は、その状態で安定に近い状態にあるものが多く基礎部はそのままにして基礎部の上にある土台ごと建築物本体のレベルを回復し、基礎部の上面と土台の間に生じた隙間を支持材で支持し且つ隙間をドライモルタルで埋めることにより多くの家屋はその後、そのままレベルを維持できるか又再度不同沈下してもその程度は前回に比べて少なく、この様な水準回復工事を数回繰り返すことにより不同沈下は収束するものが多いこと。
【0020】
公知例の如く持ち上げ手段を基礎部の近傍の地面に設置するためには、当該地面の耐荷重能力を確保するために当該地面に補強工事が必要である。又基礎部の屋内側に持ち上げ手段を設置することは畳等の内装及び、床を剥ぐ必要があり必然的に家具等の移動を伴い工事中は家を空けざるを得ない状況に置かれ、事前準備にも手間が掛かり住人には負担が大きい。又前記持ち上げ手段で基礎部を持ち上げ基礎部と基礎地盤との間を埋める工法においては水準回復工事が複数回行う必要が生じた場合には住人の負担は更に大きくなる。
【0021】
以上の検討から持ち上げ手段は本来堅い基礎部の上面を活用することが好ましく、これにより持ち上げ手段はより軽便な構造のものとすることができる。但し基礎部の上面を使用して上記実施例と同様に基礎部の上面から凹部を加工する場合基礎部のコンクリートの補強材である鉄筋に傷を付け、又は腐食させると、基礎部の耐久性が落ちるため凹部の底の深さには前記鉄筋を保護するコンクリート層を残すという制限を設ける必要があること。
【0022】
本来土台は建築物本体の最も下側の構造部材であるが、建築物の重量を支える剛性部材である基礎部に建築物本体の荷重を配分する機能も兼備している。従って土台を剛性部材である基礎部から浮かせて持ち上げる場合、出来るだけ短い間隔で配置した持ち上げ手段により土台が変形しないように、持上げ手段全体を同時に持ち上げて水準を回復することが最も望ましい。
【0023】
こうして水準を回復した建物は、土台、柱を始め建築物全体に狂い又は亀裂等の損傷なしに復旧が可能である。この様な条件を実現するために所定の間隔を置いて設けた持上手段の、毎回の最大持ち上げ量は1mm多くても3mmが限度である。この様な微量の持ち上げ量を正確に制御できる持上げ手段は回転量とリードが正確に比例関係にあり且つ、滑らかに作動するものはネジ機構を用いた持ち上げ手段、具体的にはネジジャッキが有利である。
又持上手段の設置位置は、柱の近傍又は真下に配置する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の各手段は上記考察から誘導されたものである。
本発明の第1の手段は請求項1に該当し、基礎部の上面に土台を載置し、該土台に立設した柱により屋根、上部構造、外板等を支持し更に床、内装等を施した建築物が前記基礎部の不同沈下により傾斜したものにおいて、前記基礎部の上面に所定の間隔を置いて下方向且つ前記基礎部の幅方向に貫通する複数の凹部を加工して前記土台の下面との間に隙間を設け、該隙間の各々に持上手段を挿入し、各持上手段を順次微少ストロークづつ持上げて前記土台が全体として水平となるように持ち上げる方法であって、前記凹部はその底面の深さが前記基礎部の内部の最上部に横に配置された鉄筋を保護するコンクリートの被覆を残す深さであり、前記柱の位置では該凹部をその直下に設け、前記持上手段は持上げ方向のストロークを、微量且つ正確に制御可能な機構を用いて不同沈下した建築物のレベルを調整するようにしている。
【0025】
本発明の第2の手段は請求項2に該当し、前記持上手段は、裁頭楔と、該裁頭楔の二面の各々と対向した滑り面を有する台形をなす二個の別体を前記裁頭楔の二面に接した際前記二個の別体各々の外側面が互いに平行な平面をなし、且つ最小間隔が50mm以下となり、且つ該裁頭楔を該滑り面に沿って前記2個の別体の平行な平面の間隔を拡げる方向に押圧するネジ機構を少なくとも1組有するようにしている。
【0026】
本発明の第3の手段は、請求項3に該当し、本発明の第1の手段を達成するため器具として裁頭楔及びこれに両側から対向する二個の別体は共に鉄又はアルミニウム等の金属又は表面を鉄板で被覆された高強度モルタル又は硬質樹脂の複合体で構成され、各滑り面に潤滑処理を施すようにしている。
【0027】
本発明の第4の手段は請求項4に該当し、本発明の第1の手段達成する器具として、基礎部と土台との間に生じた隙間に挿入する支持具は硬質樹脂より成り厚さは1mmから10mm,20mm、30mm等の飛び級的な厚さの長方形をなし、厚さが10mmを越えるものについてはその断面形状がその対角線で裁断し、前記対角線を相互に接触させて長方形となるように重ねて使用するものも併用して如何様な隙間も支持できる様にしている。
【0028】
本発明の第5の手段は請求項5に該当し、本発明の第1の手段は、土台、柱等が、木材と軽量鉄骨又は木材と重量鉄骨の複合体又は、軽量鉄骨又は重量鉄骨よりなる建築物又は柱等の構造部材に替えて外板に強度を持たせたプレハブ工法による建築物でにも及ぶようにしている。
【発明の効果】
【0029】
本発明の第1の手段によれば基礎部の上面に幅150mm深さ約60mmの凹部を0.6mから1.8mの間隔で設ければ良く、且つ基礎近傍の地面で荷重を支える必要がない。また、床を壊して基礎部の内側に持上手段を設置する等の予備的工事を必要としない。従って極めて短期間且つ安価に不同沈下の修復工事に取り掛かることが出来る。又水準回復の持ち上げ作業は1mm以下の持上げストロークで行うため建材に過度の変形や亀裂、破損の恐れはなく、建築物の床を剥ぐ等の手間を掛ける必要がないため原則として家具等を移動する必要はなく、施工主は水準回復工事の作業時間中のみ、安全のために家を空けていればよい。
【0030】
本発明の第2の手段によれば本発明の第1の手段を達成するための持上手段は構造が簡単でナットの回転で正確且つ微量の持ち上げストロークを精度良く調整できること及び、潤滑の効果により手動で滑らかで、大きい持ち上げ力を発生できることから本工事の設備投資は僅少で済み、且つ作業に過大な労力を費やすこともない。なお基礎部の上面の凹部の深さを50mm以内としたのは、基礎部の最上側の鉄筋は一般に上面に沿って約50mmの位置に設けてあるため、この鉄筋を露出させて傷つけ、又は本工事施工後も長期に亘り鉄筋の腐食による劣化を避けるために設けた値である。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
【0031】
本発明を実施する最良の形態の第1例として図1乃至図8により説明する。図1は建築物の基礎部分の前面である。図2は図1のA−A断面図である。図3(a)は本実施例で使用する持上手段の側面図である。図3(b)は図3(a)のB矢視図、図3(c)は図3(a)のC矢視図である。図4は建築物の基礎部分が不同沈下して建築物と共に傾斜した状態を示す図である。
図5は実施例の説明図であり、図6は不同沈下した建築物の水準回復の手順を示すフロー図である。図7(a)は厚みの薄い支持具の斜視図であり、図7(b)は厚い支持具の斜視図であり、図7(c)は水準回復作業により基礎部と土台の上面との間に生じた隙間に前記支持具の厚さの異なるものを組み合わせて支持した状態を示す説明図である。
尚従来例と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0032】
図1,図2及び図4、に於いて1は建築物である。該建築物1は不同沈下のため既に左に傾斜している。2は該基礎部である。該基礎部2は建築物1と共に左に傾斜している。3は前記基礎部2の上面である。4は基礎部の上面3に所定の間隔を置いて設けた凹部である。5は鉄筋である。該鉄筋5の最上位置は一般に基礎部の上面3より約50mm下方にあるため前記凹部4の深さは長期に亘り此の鉄筋に損傷又は腐食をによる劣化を避けるため40mm程度が適当である。幅を約150mmとしたのは土台の単位面積当たりに掛かる荷重の大きさからから持上手段が土台を支える必要面積から決めたものである。なお基礎部2内の鉄筋の位置はその外部よりRCレーダーにより非破壊的に確定できるので、該鉄筋に損傷を与える恐れなく凹部を加工する作業を進めることができる。
【0033】
6は根太である。該根太6は土台の上に略450mm間隔で部屋一面に配置され、各々土台105に固定されている。7は床板である。該床板7は前記根太6の上に隙間なく一面に敷き詰められ、各々その根太6に固定されている。8は畳又はカーペット等の内装である。9は壁又は扉等より成る仕切である。該壁は、部屋の端に立接された複数の柱の間に機密に設けられた部屋の仕切9であり、扉は該柱と柱の間にあって該部屋の仕切9と共に開閉可能な部屋への出入り口の機能をなしており、閉じた状態では出来るだけ機密に且つ開閉はスムースに行われるように注意深く施工されている。
【0034】
図3(a)において10はネジジャッキである。該ネジジャッキ10に於いて、11は裁頭楔である。該裁頭楔11の12は上面であり、13は下面である。該上面12、下面13のなす角度は約10度である。14は上側片である該上側片14の下面15は前記裁頭楔の上面12に平行な滑り面で、その両端の突起24、24は裁頭楔の上面12から上側片14がずり落ちることを防止する案内をなしている。17は下側片である。該下側片17において18は前記裁頭楔11の下面13との滑り面で、その両端の突起24,24は前記上側片14と同様裁頭楔の下面13が下側片17からずり落ちることを防止する案内である。上側片14、下側片17は図の如く裁頭楔11の上下から組み立てられて、上側片14の上面と下側片17の下面との間隔が最小40mm以下となるように設計されている。16はボルトである。該ボルト16は、図示の如くワッシャ20を介して左側より裁頭楔11を貫通して右側でワッシャ23を介してナット21をそのネジ部22にねじ込んでいる。
【0035】
図3(a)の状態に於いて、ナット21をネジ込む事により裁頭楔11を上側片14、下側片17の間に割り込ませ該上側片14と下側片17の各上下面の間隔を拡げることにより持上手段の機能を発揮させる。なおワッシャ20は上側片14と下側片17の位置決めをし、且つ裁頭楔11がこれら上側片14、下側片17の間に確実に入るように支えている。なお前記ネジ部22のリードは1mmである。従って持ち上げストロークはナット21を65mmネジ込んだ時に約10mmであり、従ってナット21を6.5回転させた時に持ち上げストロークは1mmとなる。なお本裁頭楔11には更に5mmの追い込み代を有する。これは持ち上げストロークで約0,8mmに相当する。
【0036】
本持上手段を用いた建築物1のレベル調整方法について図4乃至図6により説明する。図5は6台のネジジャッキ10を用いて不同沈下を回復する例の説明図で、図5(a)がその全容を示し、図5(b)は右端より最初のネジジャヤッキ1で土台を持ち上げた状態を誇張して示してある。
図に於いて基礎部2の上面に設けた凹部4の間隔は0.9mである。j1からj6は何れも前記ネジジャッキ10である。該ジャッキ10の位置は柱106がある部分はその真下となるように設けた。
【0037】
図5(a)は最大沈下部分40mmを回復する例を示す。此の図に於いては説明を簡単にするために基礎部はその上面が直線的に左傾斜しているとした。従ってJ1からJ6までの各ネジジャッキ10の持ち上げストロークは左からの位置と比例しているものとした。図において左側のL1からL4は水準回復作業を4回に分けて行う事を示し、その各回の持ち上げ作業を更に10サイクルに分けて行うと、右端のジャッキJ6の1サイクル当たり限界最大持ち上げストロークが約1mmとなる。
先ずネジジャッキj1からj6を深さ40mmの凹部に挿入し各持上手段が同じ力で土台105を支えるように追い込み代の範囲内でナットを締め上げる。
【0038】
上記作業で始まる本水準回復作業の過程を図6の作業フローにより示す。なお本フローにおいて矢印は夫々次の作業の方向を示す。
作業ステップ30は作業の開始点である。作業ステップ31ではカウンターm,nをゼロにセットする。なおmは前記作業の回数L1からL4を示し、nは前記各回の持ち上げ作業のサイクル数を示す。
【0039】
作業ステップ32はサイクル開始に当たりカウンタnに1を加算する。作業ステップ33はネジジャッキJ1のナット21を1.1回転進める。
本来上記条件でJ6が1mmであるためにはj1のナット21の進める回転数は、
6.5/6=1.0833回転であるが作業性を勘案して1,1回転とした。
図5(b)はJ1のナットを1.1回転させて約0.17mm持ち上げた所を示す。なお本図は土台105が基礎部の上面3より浮き上がった状態を示すために、持ち上げ量を拡大して書いている。
【0040】
以下同様にして図5(a)と図6を参照して
作業ステップ34ではJ2のナット2mを2.2回転進める。
作業ステップ35ではJ3のナット2mを3.3回転進める。
作業ステップ36ではJ4のナット2mを4.4回転進める。
作業ステップ37ではJ5のナット2mを5.5回転進める。
作業ステップ38ではJ6のナット2mを6.6回転進める。
【0041】
作業ステップ39はサイクル数nによる判断である。nが10未満の場合には矢印40に進み、作業ステップ32でサイクルカウンタnに1を追加し更に作業ステップ33から作業ステップ38までの作業を行い作業ステップ39でサイクル数がn=10となるまで繰り返す。
【0042】
作業ステップ39でn=10に到達すると矢印41より進む。作業ステップ42ではサイクルカウンタnにゼロを入れる。又回数カウンタmに1を追加する。作業ステップ43では回数カウンタmによる判断を行う。
mが4未満の時矢印44より進む。
【0043】
作業ステップ45ではJ6,J5,J4各ネジジャッキ10近傍の基礎部2の上面3と土台105との隙間に図7(a)に示す支持具55をその隙間の高さに応じて重ね、更に図8(b)に示す勾配面を有する支持具を打ち込み、前記3台のネジジャッキ10の夫々を上面と下面間の幅が40mmとなるようにもどす。更にネジジャッキ10の上面と土台との間に生じた隙間にも同じく支持具を挿入する。(本段落でJ6、J5,J4の各々に対して行った作業を各々J6のリセット、J5のリセット、J4のリセットと略称する。又、J3,J2,J1に対して行う同様な作業も夫々J3のリセット、J2のリセット、J1のリセットと略称する。)
【0044】
本発明の方法により不同沈下を修正した場合基礎部の上面と土台の隙間は殆どゼロから40mmに亘る。この隙間に適正な予圧を与えてスペーサで暫定的に支持させるためにも図7に示した支持具を用いる。
図7(a)において55は支持具である。該支持具55は長さ150mm。幅約100mm。厚さ56は1、3,5,8,10、20、30mmの厚さを揃え組み合わせにより1mm単位の厚さをカバーできるようにしている。図7(b)に於いて57は支持具である。該支持具57は下側片58と上側片59とから成り、下側片58は長さ150mm,幅100mm左の端の厚さが約8mm右端が約2mm、その上面60が勾配面をなしている。上側片59は長さ200mm幅100mmで左の端の厚さが2mmで、その下面が前記下側片58の上面60と同じ勾配の勾配面61をなしており右端の高さが約10mmである。前記下側片58の上面の勾配面60に前記上側片59の下面の勾配面61を重ねた時支持具57の上面と下面とは平行な平面となるように構成されている。
図7(c)に示した如く、数種類の厚さの支持具55と、残りの隙間より僅かに大きい厚みの支持具57の組み合わせを選択して下側片58を予め基礎部と土台の隙間に挿入しておき、上側片59を後から打ち込んで隙間に固定する。
【0045】
図6に戻り作業ステップ46で回数カウンタmの判断を行う。m=1の場合、矢印47より作業ステップ32に戻りサイクルカウンタnに1を加え本フローに従い本明細書の項目番号39から項目番号44までの作業を繰り返す。
作業ステップ46で回数カウンタm=2の場合、作業ステップ48でJ3をリセットして作業ステップ32に戻りサイクルカウンタnに1を加え、本フローに従い本明細書の項目番号39から項目番号44までの作業を繰り返す。
作業ステップ46で回数カウンタm=3の場合、作業ステップ49でJ2をリセットして作業ステップ32に戻りサイクルカウンタnに1を加え本フローに従い項目番号41から項目番号44までの作業を繰り返す。
作業ステップ43の回数カウンタm=4の場合、本作業は50で終了である。
【0046】
この様にして水準を回復した建築物は図8に示す如く支持具55及び57の組み合わせにより土台105を基礎部2の上面3に支持させ、ネジジャッキ10及びその上に使用した支持具55及び57の組み合わせも除去する。
【0047】
土台105と傾斜した基礎部2の上面3との間に生じた隙間の処理において、基礎部2に植えられた公知のアンカボルトが短くて再使用が適わぬ場合には、公知のアダプタ110を使用してナットで固定する。
更に基礎部2の上面3、及び先に加工した凹部4と土台105の隙間は、モルタル62を基礎部2の外周側から詰めて埋め、本工事を終了する。
【0048】
なお、より安価且つ軽量化するために図9に示す裁頭楔によるネジジャッキについて説明する。図に於いて53はネジジャッキである。該ネジジャッキ53の基本構造は、図3に示すネジジャッキ10が有する幅方向両端の案内24を欠き、この機能に替わるものとしてボルト19及びナット21を2組持つことである。これにより幅が減り軽量化が図られている。その他の諸元は全く同じであるため同じ部分に同じ符号を付して説明は省略する。
尚使用に当たっては、この二組のボルトを同じ回転数だけ進めることにより案内24に替わる機能を果たす。
【0049】
図10において65はネジジャッキである。該ネジジャッキ65の基本機能は、図3に示すネジジャッキ10と同じであるが、特に軽量且つ低コスト化のために形状を異にしている。
66は裁頭楔である該裁頭楔66の71は鉄又はアルミニウム等の金属板製の被覆である。該被覆71の上面及び下面は裁頭楔66の楔面71aをなしており該楔面71aの頂角は約10度である。楔面をなす被覆71の内部72は高強度モルタル又はエンジニアリングプラスチックで構成された複合材である。図10(b)において73は裁頭楔66の先端である。74は裁頭楔の先端の切り込みである。裁頭楔の先端73からの切り込み74までの深さは約70mmである。
【0050】
67は上側片である。該上側片67において70は鉄又はアルミニウム等の金属板製の被覆である。該被覆70は外周を取り巻いており、下面は前記裁頭楔66の上側の楔面71aと平行となる勾配面70aをなしている。該被覆70の内部69は高強度モルタル又はエンジニアリングプラスチックで構成された複合材である。80は案内である。該案内80は上側片69の幅方向の両端に裁頭楔66の楔面より下方に突出して設けてあり、前記裁頭楔66の楔面71aを収容できる組幅を有し、ネジジャッキ65として使用する際には上側片67が裁頭楔66の楔面71aからずり落ちない様に案内の機能を有する。下側片68は上下の向きが異なるだけで上側片と同じ形状で且つ同じ機能であるから同じ符号を付して説明を省略する。
【0051】
75はボルトである。76はワッシャである。該ボルト75は前記ワッシャ76を介して裁頭楔66の中心を左から右方向に挿入されている。ワッシャ76は上側片67及び下側片68をその左端で位置決めしており且つ裁頭楔66の先端73,73を避けた形状をなしている。77は丸ワッシャである又78はナットである。該ナット78は前記丸ワッシャ77を介して裁頭楔66の右側に突き出たボルトのネジ部79にねじ込まれている。尚ネジ部79のリードは1mmである。
【0052】
図10(a)、図10(b)、図10(c)において裁頭楔66の先端73,73が上側片69、下側片69の左端と一致する位置に組み立てた際、上側片69の上面と下側片69の下面は平行で且つ組幅は40mmである。この位置よりナット78を65mm追い込んだ時に該平行な2面の組み幅は50mmとなっており更に5mmの追い込み代を有している。
即ち、ネジジャッキの機能としては図3に示すネジジャッキ10と同じであるが全長が70mm短縮されている。又金属板の被覆と高強度モルタル又はエンジニアリングプラスチックの複合体であるために重量は大幅に軽減されている。当然の事ながら被覆された金属の表面の潤滑により作動の滑らかさは保証されている。
【0053】
以上説明した如く本発明の方法は事前の準備工事が基礎部の上面に所定の間隔で深さが約40mmの凹部を設けるのみで、内装及び床をはぎ取り、その内側に持ち上げ手段を設置することもなく又、建築物の基礎部の外周にしてもジャッキの足場となる地面を補強する手間もない極めて簡単で容易な作業で目的を達成することが出来るという効果を奏する。
【0054】
然も裁頭楔を用いたネジジャッキは構造が極めて簡単小型であるため、油圧による持ち上げ手段に比べて極めて安価で初期投資が極小ですみ、取付の準備作業もなく又床板を剥ぎ根太に手を掛ける必要もなく、凡てが手作業で済み克つ、極短期間の工期で済む。その上ネジジャッキは持ち上げ作動が滑らかであるため、土台に衝撃的な荷重を及ぼすことがなく滑らかに作動し、土台、柱に歪みを与える量が少なく且つ各回の持ち上げ量が最大1mmであるために各相隣る柱間の相対変位が壁や外板に亀裂や歪を発生させる恐れも極めて少ない。従って本来持ち合わせている柱と壁との間の機密を損ねる恐れも少ない。又柱と扉の間に関しても開閉のスムーズさを損ねたり、閉時の機密性を損ねる恐れも少ない等、多くの効果を奏する安全にして安直に不同沈下に伴う種々の悩みの解消に貢献できる。
【0055】
なお本実施例においては、建築物の構造部材は凡て木材で構成された例を示したが、構造部材の一部又は全部を軽量鉄骨又は重量鉄骨を採用している例がある。又外壁パネルに強度を持たせたパネル方式の所謂るプレハブ住宅等の建築物も開発されているが、これらについても本発明の手法は適用できる他、特許請求範囲の要旨を逸脱しない範囲において変更は自由であることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0056】
1. 従来非常に高価であり工事に長い期間を要した不同沈下した建築物の水準回復が極めて安価且つ極短期間の工事で済むようになる。
2. 持ち上げ手段が簡単且つ安価であるため工事のための初期投資が極めて少なく作業準備が最小で作業が手動で簡単に行えるので極小規模の工務店でも十分に市場に参入できる。
3. 極短期間且つ少額の出費で不同沈下に伴う問題が解決するので一般の家庭でも特別な意識なしに施工を依頼できる。
4. 上記の如く安価且つ容易に作業が出来るために万一回復工事後に不同沈下が再発しても容易に回復することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明のネジジャッキを設置した建物の正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】(a)本発明で使用するネジジャッキの一例を示す側面断面図である。(b)図3(a)のB矢視図(左前面図)である。(c)図3(a)のC矢視図(右側面図)である。
【図4】不同沈下した建築物の基礎部の上面にネジジャッキを配置した例を示す正面図である。
【図5】本発明になるネジジャッキを用いた水準回復の手順を示す説明図である。(a)基礎部の上面にジャッキを配置した状態の説明用模式図である。(b)J1のネジジャッキJ1のナットを1.1回転させて土台を持ち上げた状態を示す模式図である。状況を判り易くするために持ち上げ量を拡大している。
【図6】本発明になるネジジャッキを使用した水準回復作業の手順を示すフロー図である。
【図7】(a)本発明に使用する支持具の一例の斜視図である。(b)本発明に使用する支持具の別の例を示す斜視図である。(c)本発明で使用する支持具の使用例を示す断面図である。
【図8】本発明の方法により水準回復後の処理を説明するための模式図である。
【図9】(a)本発明で使用するネジジャッキの第2例を示す側面断面図である。(b)図9(a)のD矢視図(左側面図)である。(c)図9(a)のE矢視図(右側面図)である
【図10】(a)本発明で使用するネジジャッキの第3例を示す側面断面図である。(b)図10(a)のF矢視図(上面図)である。(c)図10(a)のG矢視図(左側面図)である
【図11】従来技術の一例を示す正面図である。
【図12】図11のX−X断面図である。
【図13】従来技術の第2例を示す断面図である。
【図14】従来技術の第3例を示す正面図である。
【図15】図14のY−Y断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1、90 建築物
2、92 基礎部
3 基礎上面
4、107 凹部
5 鉄筋
6 根太
7 床
8 内装(畳又はカーペット)
9 仕切(壁又は扉)
10,53,65 ネジジャッキ
11、66 裁頭楔
12 上面
13 下面
14、67 上側片
15,70a 上側片滑り面
17、68 下側片
18,70a 下側滑り面
19、75 ボルト
20、76 ワッシャ
21、78 ナット
22、79 ネジ部
23、77 丸ワッシャ
24、80 案内
30〜50 作業フロー図の作業工程説明
55、57 支持具
56 厚み
60、61 滑り面
62 モルタル
69、71 被覆
69a,71a 楔面
70,72 高強度モルタル又はエンジニアリングプラスチック
73 先端
74 切り込み
93 基礎地盤
94 建物本体
95 挿通孔
96 持上手段
97 持上部材
98 下側部材
99 上側部材
100 連結部材
102 流入路
103 クラウト材
104 ウエイト
105 土台
106 柱
110 アンカボルトアダップタ
G 地面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎の上面に土台を載置し、該土台に立設した柱により屋根、上部構造、外板等を支持し更に床、内装等を施した建築物が前記基礎の不同沈下により傾斜したものにおいて、前記基礎の上面に所定の間隔を置いて下方向且つ前記基礎の幅方向に貫通する凹部を加工して前記土台の下面との間に隙間を設け、該隙間の各々に持上手段を挿入し、各持上手段を順次微少ストロークづつ持上げて前記土台が全体として水平となるように持ち上げる方法であって、前記凹部はその底面の深さが前記基礎の最上部に横に配置された鉄筋を保護するコンクリートの被覆を残す深さであり、前記柱の位置では該凹部をその直下に設け、前記持上手段は持上げ方向のストロークを、微量且つ正確に制御可能な機構を用い且つ該持ち上げ手段により土台と基礎の間に生じた隙間の保持は、支持具により支持することを特徴とする不同沈下した建築物のレベル調整方法。
【請求項2】
裁頭楔と、該裁頭楔の二面の各々と対向した滑り面を有する台形をなす二個の別体を前記裁頭楔の二面に接した際、前記二個の別体各々の外側面が互いに平行な平面をなし、該平行な面の最小間隔が50mm以下となり、且つ該裁頭楔を該滑り面に沿って前記2個の別体の平行な平面の間隔を拡げる方向に押圧するネジ機構を少なくとも1組有する請求項1に記載の不同沈下した建築物のレベル調整に用いる持上手段。
【請求項3】
裁頭楔及びこれに両側から対向する二個の別体は共に鉄又はアルミニウム等の金属又は表面を該金属板で被覆された高強度モルタル又は硬質樹脂の複合体で構成され、各滑り面に潤滑処理を施した請求項1又は請求項2に記載の不同沈下した建築物のレベル調整に用いる持上手段。
【請求項4】
基礎と土台との間に生じた隙間に挿入する支持具は、鉄又はアルミニウム等の金属又は硬質樹脂より成り厚さは1mmから10mm,20mm,30mmの飛び級的な厚さの長方形をなし、厚さが5mmを越えるものについてはその断面形状がその対角線で裁断したものも併用し、前記対角線を相互に接触させて長方形となるように重ねて如何なる寸法の隙間も埋めて支持を可能とした請求項1に記載の建築物の不同沈下した建築物のレベル調整に用いる支持具。
【請求項5】
土台、柱等が木材と軽量鉄骨又は木材と重量鉄骨の複合体又は、軽量鉄骨又は重量鉄骨よりなる建築物又は柱等の構造部材に替えて外板に強度を持たせたプレハブ工法による建築物である請求項1に記載の不同沈下した建築物のレベル調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−231707(P2007−231707A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−86493(P2006−86493)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(503433763)
【出願人】(591270268)
【出願人】(506102499)
【Fターム(参考)】