説明

不在宅巡視システムと検針端末

【課題】 不在宅の状況を的確かつ柔軟に点検し、その点検結果を不在者に伝える。
【解決手段】 ホストコンピュータ2に、不在宅Hの所在地情報や不在宅Hの状況を点検すべき巡視項目などを記憶する顧客データベース21を備え、検針端末4に巡視結果を入力する入力部を備える。巡視すべき不在宅Hの所在地情報や巡視項目などをホストコンピュータ2から検針端末4にダウンロードし、この巡視項目に基づいて点検、入力された巡視結果を検針端末4からホストコンピュータ2にアップロードする。そして、この巡視結果をホストコンピュータ2から不在宅Hの顧客(不在者)の情報端末Uに、インターネットN2を介して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住居者が長期間不在(留守)である不在宅などを巡視、点検し、その居住者(不在者)に点検結果を伝える不在宅巡視システムに関し、特に、電力メータ、ガスメータなどの検針時に不在宅を巡視、点検し、その結果を不在者に伝える不在宅巡視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
住居者(家の所有者など)が仕事などの理由によって、長期間家を不在しなければならない場合、その居住者すなわち不在者は、その不在宅が不法侵入されていないか、自然災害などで荒れていないかなど、心配するものである。このため、不在者は定期的にその不在宅に帰り、家の状況を確認したいと思うのが心情である。
【0003】
一方、家の要所にセンサや監視カメラを配置して、不審者の侵入などを監視するホームセキュリティシステムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このホームセキュリティシステムは、センサによって異常状態を検知すると、異常発生の旨などを含んだ電子メールを利用者の電子メールアドレス(携帯電話など)に送信して、異常を知らせるものである。
【特許文献1】特開2004−128821号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、不在者が定期的に不在宅に帰り、家の状況を確認しようとすると、多くの時間と経費がかかり、不在者への負担が大きい。また、仕事などの事情や不在宅までの距離などによっては、不在宅に帰ることができない場合もある。
【0005】
一方、上記の特許文献1に記載されているようなホームセキュリティシステムでは、不審者の侵入などの異常を検知し、利用者に異常を知らせることができるものの、長期不在者が望む情報を提供できるものではない。すなわち、不在者は、不在宅全体の状況を知りたく、また、不在宅が自然災害などで荒れていないか、不審者の侵入の痕跡がないかなど、詳細かつ柔軟な情報を知りたいものである。つまり、不在者は、不在宅が安心できる状況であるのか、あるいは不在宅に異常が生じているのか、ということを的確に判断できる判断材料がほしいものである。これに対し、上記のようなホームセキュリティシステムでは、センサや監視カメラが配置された特定の場所のみを監視するにすぎず、また、センサや監視カメラでは、異常の発生を検知したり、その場所をモニタリングするのみである。このため、このようなホームセキュリティシステムでは、長期不在者が不在宅の状況を総合的に判断できる判断材料を提供することができない。この結果、不在者は不在宅に帰り、家の状況を自らで確認せざるを得ないこととなる。
【0006】
そこで本発明は、不在宅の状況を的確かつ柔軟に点検し、その点検結果を不在者に伝えることができる不在宅巡視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、顧客が不在である不在宅に関する情報の管理などを行うホストコンピュータと、このホストコンピュータとの間でデータのダウンロードとアップロードとを行える携帯端末とを備えた不在宅巡視システムであって、ホストコンピュータは、不在宅の所在地情報や不在宅の状況を点検すべき巡視項目などを記憶する顧客データベースと、不在宅の顧客へ情報を送信する送信手段とを有し、携帯端末は、ホストコンピュータからのデータやホストコンピュータへのデータなどを記憶する記憶部と、ホストコンピュータからの巡視項目などを表示する表示部と、巡視結果などを入力する入力部とを有し、巡視すべき不在宅の所在地情報や巡視項目などをホストコンピュータから携帯端末にダウンロードし、この巡視項目に基づいて点検、入力された巡視結果を携帯端末からホストコンピュータにアップロードし、この巡視結果をホストコンピュータから不在宅の顧客に送信することを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の不在宅巡視システムにおいて、ホストコンピュータは、電力、ガス、水道などの使用量や料金などを管理するとともに、検針巡回ルートの策定などを行う公共料金管理コンピュータであり、携帯端末は、電力メータやガスメータなどの検針データを入力する検針端末であることを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の不在宅巡視システムにおいて、携帯端末はカメラを有し、このカメラによって撮影された画像データを巡視結果に含めたことを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の不在宅巡視システムにおいて、ホストコンピュータの送信手段はインターネットへの通信手段であり、巡視結果をインターネットを介して不在宅の顧客に送信することを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の不在宅巡視システムにおいて、ホストコンピュータは、巡視項目に基づいて巡視料金を計算する料金計算手段を有することを特徴としている。
【0012】
請求項6に記載の発明は、検針巡回ルートなどが記憶され、電力メータやガスメータなどの検針データを入力する検針端末であって、顧客が不在である不在宅の状況を点検すべき巡視項目が記憶され、この巡視項目などを表示する表示部と、巡視結果などを入力する入力部と、入力された巡視結果などを記憶する記憶部と、この記憶部内のデータを出力する出力手段とを有することを特徴としている。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の検針端末において、カメラを有し、このカメラによって撮影された画像データを記憶部に記憶することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、巡視項目に基づいて点検、入力された巡視結果が、携帯端末からホストコンピュータを介して不在宅の顧客(不在者)に送信されるため、顧客は不在宅に帰ることなく、不在宅の状況を確認することができる。しかも、巡視項目を顧客の要望に応じて追加、変更することで、顧客の要望に応じた的確かつ柔軟な点検が可能となる。この結果、不在宅の顧客は不在宅に帰る時間と経費とを削減できる上に、不在宅に帰ることなく、的確かつ柔軟な状況確認に基づく不在宅管理が可能となる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、ホストコンピュータが公共料金管理コンピュータであり、携帯端末が検針端末であるため、電力メータなどの検針の際に不在宅の点検を行うことができる。このため、巡視、点検を効率的に行うことができるとともに、通常行われる検針に伴って点検が行われるため、不在宅の顧客は安心して点検を依頼することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、カメラによって撮影された画像データが、巡視結果として不在宅の顧客に送信されるため、顧客は不在宅の状況を視覚によってより的確に確認することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、巡視結果がインターネットを介して不在宅の顧客に送信されるため、インターネット環境下であれば、いつでもどこででも顧客は巡視結果を確認することができ、情報提供の迅速性、確実性が確保される。また、顧客からの点検要望などに対しても、インターネットを介して迅速かつ的確に対応することが可能であり、巡視、点検サービスの向上が図れる。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、ホストコンピュータの料金計算手段によって巡視料金が計算されるため、巡視結果とともに巡視料金を顧客に送ることが可能となる。例えば、ホストコンピュータが公共料金管理コンピュータである場合、電力料金やガス料金などの公共料金に巡視料金を加算して顧客に請求することができ、料金管理の一元化、効率化が図れる。
【0019】
請求項6に記載の発明によれば、検針端末に記憶された巡視項目に基づいて不在宅を巡視、点検し、記憶部に記憶された巡視結果を出力手段を介して出力することで、不在宅の顧客に対して、巡視結果を伝えることができる。しかも、検針端末に巡視項目が記憶されているため、電力メータなどの検針の際に不在宅の点検を行うことができ、巡視、点検の効率化が図れるとともに、顧客に安心感を与えることができる。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、カメラで撮影された画像データも不在者(顧客)に伝えることができ、不在者は不在宅の状況を視覚によってより的確に確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係る不在宅巡視システム1の概略構成図である。この不在宅巡視システム1は主として、本社に配設されたホストコンピュータ2と、各営業所に配設された端末管理コンピュータ3と、検針端末4(携帯端末)とから構成されている。
【0023】
ホストコンピュータ2は、本実施形態では、各顧客の電力使用量や料金などを管理するとともに、検針巡回ルートの策定などを行う電力(公共)料金管理コンピュータであり、顧客データベース21と顧客サーバ22とを備えている。このホストコンピュータ2は、専用回線N1を介して端末管理コンピュータ3とデータ通信可能で、かつ、インターネットN2を介して不在宅Hの顧客(不在者)の情報端末Uとデータ通信可能な通信手段(送信手段、図示せず)を備えている。顧客データベース21には、顧客の検針データ、料金データの他に、顧客が不在である不在宅Hに関する情報が記憶されている。すなわち、顧客からの申請に基づく不在宅Hの所在地情報、不在宅Hの状況を点検すべき巡視項目および、巡視結果などが記憶されている。そして、図2に示す情報フォーマットに基づいて、これらの顧客情報が検針端末4にダウンロードされ、あるいは、検針端末4からアップロードされるようになっている。
【0024】
すなわち、顧客名212毎に契約番号211が付され、この契約番号211と関連づけて、所在地213、電子メールアドレス214、メータ番号215、前回メータ指示数216、今回メータ指示数217、巡視項目218、巡視結果219および、その他220が記憶される。なお、同一の顧客名で複数の契約をしている場合には、同一の顧客名に対して複数の契約番号が割り当てられる。
【0025】
顧客名212には契約者の氏名が記憶され、所在地213には顧客宅Hやビルなどの所在地住所が記憶される。電子メールアドレス214には、顧客からの申し出により顧客の情報端末Uの電子メールアドレスが記憶され、メータ番号215には、顧客宅Hなどに取り付けられた電力メータの番号が記憶される。前回メータ指示数216には、前回検針時の電力メータの指示数が記憶され、今回メータ指示数217には、今回検針時の電力メータの指示数が記憶される。ここで、前回メータ指示数216はホストコンピュータ2によって記憶(入力)され、今回メータ指示数217は検針端末4によって記憶される。また、巡視項目218には、顧客が契約した顧客宅Hなどに不在でありかつ不在宅Hの巡視、点検を望む場合には、巡視項目が記憶されたメモリアドレスが記憶され、それ以外の場合にはゼロ(NULL)が記憶される。同様に、巡視結果219には、不在宅Hを巡視、点検した場合には、巡視結果が記憶されたメモリアドレスが記憶され、巡視、点検しない場合にはゼロ(NULL)が記憶される。
【0026】
具体的には、巡視項目218に記憶されたメモリアドレスのメモリエリアには、本実施形態では、第1項目218aとして侵入跡の点検、第2項目218bとして施錠の点検、第3項目218cとして荒れ具合の点検、第4項目218dとして顧客の要望による特別点検および、顧客の要望に基づく写真撮影の要否218eが記憶される。また、巡視結果219に記憶されたメモリアドレスのメモリエリアには、巡視項目である第1項目218a〜写真218eに対応した巡視結果である第1結果219a〜写真219eが記憶される。ここで、巡視項目218およびそのメモリエリアは、ホストコンピュータ2によって記憶(入力)され、巡視結果219およびそのメモリエリアは、検針端末4によって記憶される。なお、ホストコンピュータ2から検針端末4にデータがダウンロードされる際には、常に、巡視結果219はゼロとなっている。
【0027】
一方、ホストコンピュータ2は、メータ指示数と巡視項目とに基づいて料金を計算する料金計算手段(図示せず)を備えている。すなわち、この料金計算手段は、前回メータ指示数216と今回メータ指示数217との指示数差に基づいて電力料金を計算するとともに、巡視項目218a〜218eの項目数と巡視内容に基づいて巡視料金を計算する。そして、電力料金と巡視料金とを加算して顧客への請求料金とするものである。これにより、料金管理の一元化、効率化が図れる。なお、顧客の要望などに応じて、電力料金と巡視料金とを別々に請求することも可能である。
【0028】
端末管理コンピュータ3は、専用回線N1を介してホストコンピュータ2とデータ通信可能であるとともに、無線通信によって各検針端末4とデータ通信可能となっている。そして、ホストコンピュータ2からのデータを各検針端末4に割り当てて送信(ダウンロード)し、各検針端末4からのデータをホストコンピュータ2に送信(アップロード)するもので、端末管理クライアントコンピュータとしての役割を果たしている。
【0029】
検針端末4は、電力メータの検針データ(指示数)を入力する携帯端末であり、図3に示すように、主として記憶部41、入力部42、カメラ43、表示部44、送受信部45および、これらを制御する制御部46から構成されている。記憶部41は、ホストコンピュータ2からのデータやホストコンピュータ2へのデータなどを記憶するメモリであり、入力部42は、検針データや巡視結果などを入力するキーパット(図4参照)から構成されている。また、カメラ43は、携帯電話などに搭載されているCCDカメラモジュールから構成されており、表示部44は顧客名や巡視項目などを表示するLCD(図4参照)から構成され、送受信部45は無線モデムから構成されている。そして、送受信部45によって端末管理コンピュータ3(ホストコンピュータ2)からデータをダウンロード(受信)して、記憶部41に記憶し、そのデータを順次表示部44に表示させる。また、入力部42から入力された検針データや巡視結果および、カメラ43によって撮影された画像データを記憶部41に記憶し、送受信部45によって端末管理コンピュータ3へデータをアップロード(送信)するものである。
【0030】
次に、このような構成の不在宅巡視システム1の処理動作を、図5,6に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0031】
まず、上述した情報フォーマット(図2参照)で、かつ契約番号211が巡回順に並べられた巡回ルート(検針予定)が、ホストコンピュータ2によって策定される(ステップS1)。次に、各営業所毎の巡回ルートが、専用回線N1を介して顧客サーバ22から該当営業所の端末管理コンピュータ3に送信され、さらに、各検針端末4毎の巡回ルートが端末管理コンピュータ3から該当検針端末4にダウンロードされる(ステップS2)。そして、この巡回ルートに基づいて、検針員Kによる検針、巡視が行われる(ステップS3)。
【0032】
すなわち、まず、最初の顧客の顧客データ(情報ファーマット)が取得されて表示部44に表示され(ステップS11)、この顧客データの顧客名212および所在地213に基づいて、検針員Kが顧客宅Hなどに向かわれる。そして、顧客データ上のメータ番号215と電力メータに表示されているメータ番号とが同じであることが確認された上で、電力メータの指示数が検針され(ステップS12)、その指示数が検針端末4に入力される(ステップS13)。これにより、この指示数が今回メータ指示数217に記憶される。次に、不在宅Hの点検が必要であるか否かが判断される(ステップS14)。すなわち、巡視項目218がゼロの場合には、点検不要として後述するステップS18に進み、巡視項目218に上述のようなメモリアドレスが記憶されている場合には、巡視項目218a〜218eが表示される(ステップS15)。そして、この巡視項目218a〜218dに従って不在宅Hが点検され、さらに、写真が要求されている場合には写真撮影され(ステップS16)、その結果が検針端末4に入力される(ステップS17)。すなわち、本実施形態では、第1結果219aには、不審者が侵入した痕跡があるか否かが記憶され、第2結果219bには、施錠がされていたか否かが記憶される。また、第3結果219cには、不在宅Hの荒れ具合がレベル数字によって記憶され、第4結果219dには、特別点検の結果が記憶される。さらに、写真撮影された場合には、その画像データが写真219e記憶される。次に、すべての顧客に対する検針、巡視が終了したか否かが判断され(ステップS18)、終了した場合には作業が終了し、終了していない場合には、次の顧客に進み(ステップS19)、同様の処理が行われる。
【0033】
検針、巡視が終了すると、各検針端末4(記憶部41)内の検針データや巡視結果219a〜219eなどのデータが端末管理コンピュータ3にアップロードされ、これらのデータが専用回線N1を介して顧客サーバ22に送信される(ステップS4)。そして、これらのデータは、ホストコンピュータ2によってデータ加工されるとともに(ステップS5)、上述のように、料金計算手段によって請求料金が計算され(ステップS6)、これらの加工データおよび請求料金が顧客データベース21に記憶される。そして、本実施形態では、巡視、点検が行われた不在宅Hの顧客に対しては、即座にその巡視結果が顧客に送信される(ステップS7)。すなわち、巡視結果219a〜219eが電子メールとして、インターネットN2を介して顧客の情報端末Uの電子メールアドレス214に送信される。また、検針データおよび請求料金は、その電子メール内に含まれるとともに、書面(振込用紙)として後日顧客に送信されるものである。
【0034】
以上のように、本不在宅巡視システム1によれば、巡視項目218a〜218eに基づいて点検された巡視結果219a〜219eが、ホストコンピュータ2から不在宅Hの顧客に送信されるため、顧客は不在宅Hに帰ることなく、不在宅Hの状況を確認することができる。特に、カメラ43による画像データも送信されるため、顧客は不在宅Hの状況を視覚によってより的確に確認することができる。しかも、巡視項目218a〜218eを顧客の要望に応じて追加、変更することで、顧客の要望に応じた的確かつ柔軟な点検が可能となる。すなわち、顧客は、不在宅Hが安心できる状況であるのか、あるいは不在宅Hに異常が生じているか、ということを的確に判断できる判断材料を入手することが可能となる。この結果、不在宅Hの顧客は不在宅Hに帰る時間と経費とを削減できる上に、長期間不在宅Hに帰らなくても、的確かつ柔軟な状況確認に基づく不在宅管理が可能となる。
【0035】
また、ホストコンピュータ2が電力料金管理コンピュータであり、電力メータの検針の際に不在宅Hが点検されるため、巡視、点検を効率的に行うことができ、巡視、点検のサービスを低料金化できる。すなわち、顧客が長期間不在であっても契約が解除されない限り、電力メータの検針は定期的に行われるため、わざわざ不在宅Hの巡視、点検のみを行う場合に比べて、時間と労力を大きく削減できる。しかも、検針の際に不在宅Hの点検を行うことは、検針員Kにとっても大きな負担とはならいとともに、人による点検であるため、監視カメラによるモニタリングなどに比べて、的確かつ柔軟に不在宅Hを点検することができる。この結果、効率的で的確かつ柔軟な巡視、点検が実行的に可能となる。さらには、検針員Kによって点検が行われるため、不在宅Hの顧客は安心して点検を依頼することができる。なぜならば、検針員Kは顧客が在宅の際にも検針に訪れ、顧客からの信頼を得ており、見も知らずの者が不在宅Hを点検する場合に比べて、顧客に安心感を与えるからである。
【0036】
さらに、巡視結果219a〜219eがインターネットN2を介して不在者の情報端末Uに送信されるため、インターネット環境下であれば、いつでもどこででも不在者は巡視結果219a〜219eを確認することができ、情報提供の迅速性、確実性が確保される。また、不在者からの点検要望などに対しても、迅速かつ的確に対応することが可能となる。すなわち、巡視結果219a〜219eを見た不在者が、次回の巡視の際に、あることを点検してほしいなどの点検要望や、落ち葉拾いをしてほしいなどの作業要望などがある場合、インターネットN2を介してその点検要望などをホストコンピュータ2に送ればよい。そして、ホストコンピュータ2では、その点検要望などに基づいて巡視項目を追加、変更することが可能であり、次回の巡視の際には、その点検要望などが実施されることとなる。このように、より不在者の要望にかなった巡視、点検が可能となり、サービスの向上が図れるものである。
【0037】
ところで、本実施形態では、ホストコンピュータ2が電力料金管理コンピュータで、検針端末4が電力メータの検針データを入力する端末であるが、ガス料金や水道料金などの公共料金の管理などを行う公共料金管理コンピュータと、ガスメータや水道メータなどの検針データを入力する検針端末との組み合わせであってもよいことは勿論である。さらには、このようなメータの検針とは係わらず、不在宅Hに関する情報の管理を行うホストコンピュータと、巡視結果を入力する携帯端末との組み合わせであってもよい。さらに、本実施形態では、巡視結果219a〜219eを電子メールとして不在者に送信しているが、不在者の情報端末Uから顧客サーバ22へのアクセスを可能とし、顧客サーバ22から巡視結果219a〜219eを閲覧、ダウンロードできるようにしてもよい。
【0038】
また、既存の検針端末には、表示部、入力部および記憶部を備え、かつ、ホストコンピュータ2との間でデータのダウンロードとアップロードとを行えるものがある。従って、このような検針端末に、顧客が不在である不在宅Hの情報(契約番号211など)と巡視項目218a〜218eとを記憶させ、必要に応じてカメラを備えることで、上記のような検針端末4を構成することができる。そして、このような検針端末4によって検針、巡視を行うことで、既存の検針システムを不在宅巡視システムに構築することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係る不在宅巡視システムの概略構成図。
【図2】本発明の実施形態に係る不在宅巡視システムにおいて、ホストコンピュータと検針端末間の情報フォーマットを示す図。
【図3】本発明の実施形態に係る不在宅巡視システムにおける検針端末の概略構成を示すブロック図。
【図4】本発明の実施形態に係る不在宅巡視システムにおける検針端末の斜視図。
【図5】本発明の実施形態に係る不在宅巡視システムの処理動作フローを示すフローチャート。
【図6】本発明の実施形態に係る不在宅巡視システムの巡回処理フローを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0040】
1 不在宅巡視システム
2 ホストコンピュータ
21 顧客データベース
22 顧客サーバ
3 端末管理コンピュータ
4 検針端末(携帯端末)
N1 専用回線
N2 インターネット
U 不在者(顧客)の情報端末
H 不在宅(顧客宅)
K 検針員

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が不在である不在宅に関する情報の管理などを行うホストコンピュータと、このホストコンピュータとの間でデータのダウンロードとアップロードとを行える携帯端末とを備えた不在宅巡視システムであって、
前記ホストコンピュータは、不在宅の所在地情報や不在宅の状況を点検すべき巡視項目などを記憶する顧客データベースと、前記不在宅の顧客へ情報を送信する送信手段とを有し、
前記携帯端末は、前記ホストコンピュータからのデータや前記ホストコンピュータへのデータなどを記憶する記憶部と、前記ホストコンピュータからの巡視項目などを表示する表示部と、巡視結果などを入力する入力部とを有し、
巡視すべき不在宅の所在地情報や巡視項目などを前記ホストコンピュータから前記携帯端末にダウンロードし、この巡視項目に基づいて点検、入力された巡視結果を前記携帯端末から前記ホストコンピュータにアップロードし、この巡視結果を前記ホストコンピュータから前記不在宅の顧客に送信する、
ことを特徴とする不在宅巡視システム。
【請求項2】
前記ホストコンピュータは、電力、ガス、水道などの使用量や料金などを管理するとともに、検針巡回ルートの策定などを行う公共料金管理コンピュータであり、
前記携帯端末は、電力メータやガスメータなどの検針データを入力する検針端末である、
ことを特徴とする請求項1に記載の不在宅巡視システム。
【請求項3】
前記携帯端末はカメラを有し、このカメラによって撮影された画像データを前記巡視結果に含めた、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の不在宅巡視システム。
【請求項4】
前記ホストコンピュータの送信手段はインターネットへの通信手段であり、前記巡視結果をインターネットを介して前記不在宅の顧客に送信する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の不在宅巡視システム。
【請求項5】
前記ホストコンピュータは、前記巡視項目に基づいて巡視料金を計算する料金計算手段を有する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の不在宅巡視システム。
【請求項6】
検針巡回ルートなどが記憶され、電力メータやガスメータなどの検針データを入力する検針端末であって、
顧客が不在である不在宅の状況を点検すべき巡視項目が記憶され、この巡視項目などを表示する表示部と、巡視結果などを入力する入力部と、入力された巡視結果などを記憶する記憶部と、この記憶部内のデータを出力する出力手段とを有する、
ことを特徴とする検針端末。
【請求項7】
カメラを有し、このカメラによって撮影された画像データを前記記憶部に記憶する、
ことを特徴とする請求項6に記載の検針端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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