説明

両刃折畳鋸

【課題】本発明は折畳み収納時や使用時の柄の形態を本体に形成した嵌合部分で固定できると共に、携帯がし易く切れ味が良い両刃折畳鋸の提供を課題とする。
【解決手段】鋸身先端に凹状突起を形成し間に半円形の吊孔突起を設けた両刃鋸身と、前記両刃鋸身の末端に一側を回動自在に取り付け弾性で対称形成された角柱回動部とからなり、前記角柱回動部は、長手方向で対向する内側に鋸刃を被嵌する条溝と、該条溝の末端側に前記凹状突起を弾性嵌合して固定する窪み部を形成していると共に、一方の先端外側には嵌着突起を形成し、他方の先端外側には嵌着溝を形成したことで、前記角柱回動部を回動し折り畳んで鋸の収納と逆方向に回動して嵌合することで柄部が構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は木工等の切断に用いる両刃折畳鋸に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の両刃折畳鋸は、木製の折畳み把持部が用いられ収納時や柄に結合する時に金具を用いて固定していた。
一方、実開昭51−76094号公報には、両刃ののこぎり刃体の一端両側にそれぞれ歯面を被う柄を回動自在に軸着した折畳みのこぎりが提供されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 実開昭51−76094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示す折畳みのこぎりの場合、歯面を被う柄5、6の先端側の挿着部材13、14は、柄を折畳み歯面を被ってからのこぎり刃体3に挿着して収納できるようにしているが、のこぎり刃体3の表面は平らなため抜け易く、柄5、6を確りと固定できず、のこぎり刃体3から柄5、6が外れ歯面が露出した状態になり危険性があった。
また、柄5、6を回動して結合する時も挿着部材13、14、15での挿着のため固定し難く、のこぎりの使用時に柄5、が外れる心配があった。
【0005】
そこで本発明は上記従来技術の問題を解消し、折畳み収納時や使用時の柄の形態などを本体に形成した嵌合部分で固定できると共に、切れ味が良く携帯し易い両刃折畳鋸の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するため本発明の両刃折畳鋸は、手引きで木工等の切断に用いる鋸であって、鋸身先端に凹状突起を形成し間に半円形の吊孔突起を設けた両刃鋸身と、前記両刃鋸身の末端に一側を回動自在に取り付け弾性で対称形成された角柱回動部とからなり、前記角柱回動部は、長手方向で対向する内側に鋸刃を被嵌する条溝と、該条溝の末端側に前記凹状突起を弾性嵌合して固定する窪み部を形成していると共に、一方の先端外側には嵌着突起を形成し、他方の先端外側には嵌着溝を形成したことで、前記角柱回動部を回動し折り畳んで鋸の収納と逆方向に回動して嵌合することで柄部が構成されることを第1の特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の両刃折畳鋸によれば、手引きで木工等の切断に用いる鋸であって、鋸身先端に凹状突起を形成し間に半円形の吊孔突起を設けた両刃鋸身と、前記両刃鋸身の末端に一側を回動自在に取り付け弾性で対称形成された角柱回動部とからなり、前記角柱回動部は、長手方向で対向する内側に鋸刃を被嵌する条溝と、該条溝の末端側に前記凹状突起を弾性嵌合して固定する窪み部を形成していると共に、一方の先端外側には嵌着突起を形成し、他方の先端外側には嵌着溝を形成したことで、前記角柱回動部を回動し折り畳んで鋸の収納と逆方向に回動して嵌合することで柄部が構成される。
これにより鋸の収納時に別途固定部材を用いることなく、前記角柱回動部の窪み部に前記両刃鋸身の凹状突起を嵌着させることで、両刃鋸身と角柱回動部とを外れ難く固定することができ、鋸刃を被嵌して安全に収容できると共に、その状態で外部作業などに前記吊孔突起に縣吊金具を掛着して腰ベルトに縣吊できるので携帯を可能としている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る両刃折畳鋸の折り畳んだ状態を示す右側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る角柱回動部を回動して柄が形成された状態を示す右側面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る角柱回動部を回動して柄が形成された状態での平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る吊孔突起に人体の腰ベルトに付けたフックで吊して両刃折畳鋸を携帯できることを示す参考図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1を参照して、本発明の両刃折畳鋸1は、両刃鋸身10と、角柱回動部30とからなる。
【0010】
図2を参照して、両刃鋸身10は、その材質を鉄鋼として、両側に鋸刃11を形成し、正面先端に凹状突起20と、その間に半円形の吊孔突起21とを形成して形成して構成される。
【0011】
図3を参照して、凹状突起20は、前記両刃鋸身10の正面先端に凹状の突起を形成している。
また凹状突起20は、前記角柱回動部30に形成した窪み部50に弾性を利用して嵌着させることで、両刃鋸身10の鋸刃11を角柱回動部30が被篏して両刃鋸身10と角柱回動部30が外れないようになり、両刃鋸身10が収納されるよう構成している。
【0012】
吊孔突起21は、凹状突起20が形成された間に、半円形の突起を形成し、その中心に吊孔21aを開けている。図4を参照、これにより人体の腰ベルトに付けたフックで懸吊して両刃折畳鋸1を携帯できるよう形成して構成される。
【0013】
角柱回動部30は、アルミ又は鉄等の材質によるフレーム枠32を弾性体33で被覆した左右対称の角柱状に形成している。
角柱回動部30は、対向する側面の中心に長手方向の先端から末端まで前記鋸刃11を被篏する条溝40を形成している。
また角柱回動部30は、その長手方向の末端を前記両刃鋸身10の末端とボルト34とナット35で回動自在に取り付けている。これによって角柱回動部30を前記両刃鋸身10の方向に回動して収納できると共に、逆方向に回動することで前記両刃鋸身10の下方で柄を形成することができる。
図2を参照して、そして角柱回動部30は、左右対称となる一方の先端外側に嵌着突起部60を形成し、他方の先端外側に嵌着溝部70を形成している。これによって角柱回動部30を前記両刃鋸身10の末端方向に回動し、前記嵌着突起部60と前記嵌着溝部70とを嵌合することで柄部31が固定されるように構成される。
【0014】
フレーム枠32は、長手方向でコ字状に形成され表面を弾性体33で被覆され、前記角柱回動部30を支持するように構成される。
【0015】
弾性体33は、その材質を弾性のあるエラストマー或はゴム等を用いることが好ましい。これにより前記角柱回動部30が確りと弾性嵌合するように構成される。
【0016】
条溝40は、前記角柱回動部30の長手方向の先端から末端にかけて形成され、前記鋸刃11全体を被篏するように構成される。
【0017】
窪み部50は、前記条溝40の先端側に前記凹状突起20と同じ形状の窪みを形成している。これにより凹状突起20が窪み部50に弾力を利用して嵌着させることができ、凹状突起20と角柱回動部30とが外れないように構成している。
【0018】
嵌着突起部60は、前記角柱回動部30の一方の先端外側に立体四辺形の一辺を斜めに切欠した形状で形成している。
また嵌着突起部60は、右側面及び左側面の表面に半球状の半球突起61を形成している。
【0019】
嵌着溝部70は、前記角柱回動部30の他方の先端外側に、前記嵌着突起部60と同じ四辺形の溝を切欠して形成している。
また嵌着溝部70は、四辺形の溝の内側となる対向壁面に、前記嵌着突起部60の半球突起61を嵌着できる嵌着孔71を形成している。これにより嵌着突起部60と嵌着溝部70とが外れ難く確りと弾性嵌合するようにしている。
【符号の説明】
【0020】
1 両刃折畳鋸
10 両刃鋸身
11 鋸刃
20 凹状突起
21 吊孔突起
21a 吊孔
30 角柱回動部
31 柄部
32 フレーム枠
33 弾性体
34 ボルト
35 ナット
36 孔
40 条溝
50 窪み部
60 嵌着突起部
61 半球突起
70 嵌着溝部
71 嵌着孔
T 回動

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手引きで木工等の切断に用いる鋸であって、鋸身先端に凹状突起を形成し間に半円形の吊孔突起を設けた両刃鋸身と、前記両刃鋸身の末端に一側を回動自在に取り付け弾性で対称形成された角柱回動部とからなり、前記角柱回動部は、長手方向で対向する内側に鋸刃を被嵌する条溝と、該条溝の末端側に前記凹状突起を弾性嵌合して固定する窪み部を形成していると共に、一方の先端外側には嵌着突起を形成し、他方の先端外側には嵌着溝を形成したことで、前記角柱回動部を回動し折り畳んで鋸の収納と逆方向に回動して弾性嵌合することで柄部が構成されることを特徴とする両刃折畳鋸。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−240411(P2012−240411A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127733(P2011−127733)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(590006387)株式会社ユーエム工業 (17)