説明

両面ディスク収容トレイ

【課題】媒体記憶ディスクを収容し提示するための両面媒体記憶ディスク収容トレイを提供する。
【解決手段】両面ディスク収容トレイが、互いに平行な第一および第二主要サイドを含み、第一主要サイドが媒体記憶ディスクを着脱可能に保持する媒体記憶ディスク固定手段を含むとともに第二トレイ上の相補係合手段と係合する係合手段を含んでいる第一トレイ3と、互いに平行な第一および第二主要サイドを含み、第一主要サイドが媒体記憶ディスクを着脱可能に保持する媒体記憶ディスク固定手段を含むとともに第一トレイ上の相補係合手段と係合する係合手段を含んでいる第二トレイ5とを含み、第一および第二トレイが相補係合手段によって係合され、各トレイの第二サイドが隣接し、各トレイの第一サイドが該両面ディスク収容トレイの外面を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は媒体記憶ディスクを収容し提示するための両面媒体記憶ディスク収容トレイに関し、より詳しくは他の同様のトレイと配列し結合できるトレイにも関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
ディジタル多目的ディスク(「DVD」)またはコンパクト・ディスク(「CD」)のように当該技術において呼ばれているディジタル媒体記憶ディスク(「ディスク」)を提示し、収容するためのケースが知られている。この種のケースはブック状または札入れタイプのデザインになっており、これによってディスクは中央ロゼット上に保持される。多数のディスクを収容する必要があるときに、ケースの内部に垂下されるヒンジ付きトレイ上に配置される。これによってケースが折り畳まれたときにアクセスが可能になる。図示情報および書誌情報は、ケースの前面または背面(あるいはその両方)に、またはケース内に収容されたブックレットに設けられる。
【0003】
しかし、ケースの外部の前面または背面を利用してより多くのディスクを収容し、またこの種のケースを容易に、かつ、互いに一定の割合で配列して大きい、または多数のディスク収容集合体を形成する方法はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、従来技術の欠点を適切に処理する少なくともある方法を提供し、または両面ディスク・トレイ・システムのために必要とする少なくともある方法を提供し、あるいは有効な選択を公的に少なくとも提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、互いに平行な第一および第二主要サイドを含み、第一主要サイドが媒体記憶ディスクを着脱可能に保持する媒体記憶ディスク固定手段を含むとともに第二トレイ上の相補係合手段と係合する係合手段を含んでいる第一トレイと、
互いに平行な第一および第二主要サイドを含み、第一主要サイドが媒体記憶ディスクを着脱可能に保持する媒体記憶ディスク固定手段を含むとともに第一トレイ上の相補係合手段と係合する係合手段を含んでいる第二トレイと、を含み、
第一および第二トレイが相補係合手段によって係合され、各トレイの第二サイドが隣接し、各トレイの第一サイドが該両面ディスク収容トレイの外面を形成する両面ディスク収容トレイを提供する。
【0006】
好ましくは、両面ディスク収容トレイは第一および第二トレイの第二サイド間に挿入され、捕捉された情報を含んでいる挿入カードをさらに備えている。
【0007】
好ましくは、各前記トレイの一部が透明であって挿入物が見えるようになっている。
【0008】
他の実施例において、各前記トレイが透明であって挿入物が見えるようになっている。
【0009】
好ましくは、第二トレイが、トレイの第一サイドから垂下するトレイ周縁の周りの肩部によって形成されたスカート部を有し、実質的に平坦である。
【0010】
好ましくは、第一トレイが、トレイの第一サイドから垂下する第一トレイ周縁の周りの肩部によって形成されたスカート部を有し、実質的に平坦である。
【0011】
好ましくは、第一トレイのスカート部が第二トレイのスカート部と係合している。
【0012】
好ましくは、第一および第二トレイの係合が、一方のトレイのスカート部内に設けられた相補的戻り止めと、他方のトレイのスカート部に設けられた突起部による。
【0013】
好ましくは、第二トレイのスカート部が前記戻り止めを含み、また第一トレイのスカート部が前記突起部を含んでいる。
【0014】
好ましくは、第一トレイが前記トレイから垂下する少なくとも一つの第二肩部を含み、第一および第二トレイが係合されたときに第一トレイのスカート部の外側が第二トレイのスカート部の外面と面一に位置付けられる。
【0015】
好ましくは、第一トレイまたは第二トレイが、その頂面上に、ヒンジと係合して二つまたはそれ以上の両面ディスク収容トレイをアレイに結合するための部材を含んでいる。
【0016】
好ましくは、両面ディスク収容トレイがバックプレートと複数のブラケットを備えた可撓性スパイン・ヒンジをさらに含んでいる。
【0017】
好ましくは、両面ディスク収容トレイがトレイの主要サイドと実質上同じ大きさの前面、スパインおよびトレイの主要サイドと実質上同じ大きさの背面とを備えるカバーを含んでいる。
【0018】
好ましくは、可撓性スパイン・ヒンジがカバーをこの可撓性スパイン・ヒンジと収容トレイの頂辺間に保持している。
【0019】
好ましくは、第一または第二トレイが可撓性スパイン・ヒンジを位置付けし係合するための二対の受承アパーチャを含んでいる。
【0020】
従って、両面ディスク収容トレイのアレイも提供し、このアレイが互いに平行な第一および第二主要サイドを各々含み、第一主要サイドが媒体記憶ディスクを着脱可能に保持する媒体記憶ディスク固定手段を含むとともに第二トレイ上の相補係合手段と係合する係合手段を含んでいる複数の第一トレイと、
互いに平行な第一および第二主要サイドを各々含み、第一主要サイドが媒体記憶ディスクを着脱可能に保持する媒体記憶ディスク固定手段を含むとともに第一トレイ上の相補係合手段と係合する係合手段を含んでいる複数の第二トレイと、を含み、
各第一トレイが相補係合手段によって第二トレイに係合され、これによって各トレイの第二サイドが隣接し、各トレイの第一サイドが両面ディスク収容トレイの外面を形成し、
両面収容トレイを配列して両面ディスク収容トレイのアレイを形成する。
【0021】
好ましくは、両面ディスク収容トレイのアレイが第一および第二トレイの第二サイド間に挿入され、捕捉された情報を含んでいる挿入カードをさらに備えている。
【0022】
好ましくは、各トレイの一部が透明であって挿入物が見えるようになっている。
【0023】
別の例において、各トレイが透明であって挿入物が見えるようになっている。
【0024】
好ましくは、各第二トレイが、トレイの第一サイドから垂下するトレイ周縁の周りの肩部によって形成されたスカート部を有し、実質的に平坦である。
【0025】
好ましくは、各第一トレイが、トレイの第一サイドから垂下する第一トレイ周縁の周りの肩部によって形成されたスカート部を有し、実質的に平坦である。
【0026】
好ましくは、各第一トレイのスカート部が第二トレイのスカート部と係合している。
【0027】
好ましくは、第一および第二トレイの係合が、一方のトレイのスカート部内に設けられた相補的戻り止めと、他方のトレイのスカート部に設けられた突起部による。
【0028】
好ましくは、各第二トレイのスカート部が前記戻り止めを含み、また各第一トレイのスカート部が前記突起部を含んでいる。
【0029】
好ましくは、各第一トレイが前記トレイから垂下する少なくとも一つの第二肩部を含み、第一および第二トレイが係合されたときに第一トレイのスカート部の外側が各第二トレイのスカート部の外面と面一に位置付けられる。
【0030】
好ましくは、第一トレイまたは第二トレイが、その頂面上に、ヒンジと係合して二つまたはそれ以上の両面ディスク収容トレイをアレイに結合するための部材を含んでいる。
【0031】
好ましくは、アレイがバックプレートと複数のブラケットを備えた少なくとも一つの可撓性スパイン・ヒンジをさらに含んでいる。
【0032】
好ましくは、アレイがトレイの主要サイドと実質上同じ大きさの前面、スパインおよびトレイの主要サイドと実質上同じ大きさの背面とを備えたカバーをさらに含んでいる。
【0033】
好ましくは、可撓性スパイン・ヒンジがカバーをこの可撓性スパイン・ヒンジと収容トレイの頂辺5間に保持する。
【0034】
好ましくは、各第一および第二トレイが可撓性スパイン・ヒンジを位置付けし係合するための二対の受承アパーチャを含んでいる。
【0035】
好ましくは、アレイを形成するために二つまたはそれ以上の両面ディスク収容トレイが前記可撓性スパイン・ヒンジの周りに閉止形状に保持されている。
【0036】
好ましくは、第一または第二収容トレイいずれかの全てが少なくとも一つの磁石を含み、前記磁石が配列されて互いに吸引し合い、アレイ内に両面収容トレイを保持する。
【0037】
別の方法において、全収容トレイが少なくとも一つの磁石を含み、前記磁石が配列されて互いに吸引し合い、アレイ内に両面収容トレイを保持する。
【0038】
一実施例において、両面ディスク収容トレイのアレイがバック・プレートと複数のブラケットを備えた少なくとも一つの可撓性スパイン・ヒンジと、トレイの主要サイドと実質上同じ大きさの前面、スパインおよびトレイの主要サイドと実質上同じ大きさの背面を備えたカバーとをさらに含み、可撓性スパイン・ヒンジがカバーを可撓性スパイン・ヒンジと両面ディスク収容トレイのアレイにある頂辺間に保持している。
【0039】
本発明は、本願明細書中に個別にまたは集合的に言及され、指示された部品、要素または構成物および前記部品、要素および構成物のいずれか二つまたはそれ以上のいずれかまたは全ての組み合わせからなると概して言うことができ、さらにここに開示した特定する完全体は本発明の関連する当該技術において等価なものとして知られており、この公知の等価物はあたかも個々に説明されたようにここに組み込まれるものと考える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明の好ましい実施例を次に添付図面を参照して説明する。
【0041】
本発明の好ましい実施例を図1から23に示す。
【0042】
記録されたまたは記録可能な媒体記憶ディスクはCD(コンパクト・ディスク)、VCD(ビデオ・コンパクト・ディスク)、DVD(ディジタル多目的ディスク)等が含まれる。
【0043】
図1は本発明の両面トレイを示す。この両面トレイ1は第一トレイ3と第二トレイ5の組立部品を備えている。第一トレイ3と第二トレイ5は、媒体記憶ディスク(図示せず)を保持するための部材をその第一サイド4に各々有している(第一トレイ3上に第一部材9A、および第二トレイ5の下方上に第二部材9B)。
【0044】
第一トレイ3は第一主要サイド4上の実質上平坦面を備えており、この上に媒体記憶ディスクを保持するための手段9Aが設けられている。この好ましい実施例において、ディスク保持手段9Aはロゼットである。しかし、他の実施例において、第一部材は第一トレイ3に一体形成することもできる。
【0045】
ロゼット部材は普通可撓性材料であり、これによってロゼットが、ディスクを取り外し可能な位置につくように移動可能である。しかし、ロゼットは普通保持状態にあるので、ディスクがロゼットに係合しているときは、ロゼットはディスクをしっかり保持して、ディスクがロゼットから外れることを阻止している。
【0046】
本発明の好ましい形状にあるロゼットは、ベース4の実質上中央に、かつ、ディスクを保持したときにベース4に対して実質上平行に、またボックスが閉じられたときに蓋とも平行になるような方法で設けられる。ロゼットはベースの主要面上方に盛り上がったプラットフォーム上にディスクを支持するので、ディスクの記憶領域はボックスのどの部分とも接触することのない方法で保持される。
【0047】
ロゼット部材はディスクの中央アパーチャの周縁で係合し、アパーチャから延長し、また例えばディスクの上方向対向面(ベースから離れて対面する面)の一部と係合するキャッチないしリップ構成を含んでいてもよい。キャッチないしリップ構成はディスクの頂部上に配置され、またロゼットに対して軸方向への回転を阻止している。ロゼットは例えばロゼットを(ベースに向けて)押し下げることによってディスクを底から外すことができるプッシュ・リリース状ロゼットである。トレイはディスクの周縁の周りから外面4に配置され、凹所6からディスクに容易にアクセスしてこれを取り外すことができるフィンガー・アパーチャ10(図11に示す)をさらに含んでいる。
【0048】
第二トレイ5は第一トレイ3の主要面と類似の第一主要面を含んでいる。
【0049】
肩部17が第一トレイ3の実質上周りに第一サイド4から離れるように延長し、図5に示すように第一トレイのスカート部19を形成している。肩部が第一トレイ3に剛性を与えるとともに第二トレイ5との係合のための位置を提供している。好ましい実施例において、スカート部は第一ディスク受承凹所とほぼ同じ深さに延長している。別の実施例において、スカート部はディスク受承凹所の深さを越えて延長してもよい。
【0050】
第一トレイのスカート部の外側上に、対応する第二トレイのスカート部上の相補手段と係合する手段が設けられている。好ましい実施例において、第一トレイのスカート部が、第二トレイのスカート部内の相補的戻り止めと係合する突起部23を有している。
【0051】
好ましい実施例において、第一トレイのスカート部19を規定する第一トレイの肩部17が、第一トレイ3の外面4の周縁から設けられリップ27を規定している。第二トレイ5と組み合わされたときに、リップ27が第二トレイ5の頭部エッジと面一に着座して滑らかなサイドを呈し、また第二トレイ5と係合したときに第一トレイ3に対する停止部材として作用する。他の実施例において、リップ27は設けなくてもよく、また第一トレイ3の外面4は第二トレイのスカート部15のエッジと面一に着座してもよい(以下に規定する)。このような実施例において、第一トレイのスカート部17は第二トレイ5の内面2に抗して停止部材として作用する。
【0052】
再び図1を参照すると、第二トレイ5は第一トレイ3と同様の構造になっており、第二トレイの外面4内に嵌合される第二ディスク受承凹所6を有している。ディスク11を保持するための第二部材9B(図示せず)も凹所6内に設けられている。フィンガー・アパーチャが凹所6の周りに設けられ、図15に示すようにディスクを第二トレイから容易に取り外せるようになっている。
【0053】
図5に示すように、第二トレイ5は第二トレイ肩部13を含んでおり、第二トレイ5の周縁で外面4上の周りに延長し、外面4から垂下している。これらが第二トレイのスカート部15を規定している。しかし、第一トレイのスカート部と相違して、第二トレイのスカート部はリップを形成していない。
【0054】
第二トレイのスカート部15は第二トレイ5から充分に延長し第一および第二トレイの外面間に凹所8を規定している。第二トレイのスカート部15によって規定された凹所8は第一および第二トレイ内に媒体記憶ディスク凹所を許容している。第二トレイのスカート部15の提示表面の内部に、第一トレイのスカート部19と係合する手段21が設けられている。好ましい実施例において、第一トレイのスカート部19上の突起部23と係合するように適用された戻り止め21が設けられている。図示実施例において、これらの相補的係合手段は第一トレイ3および第二トレイ5の各コーナーまたはその近傍に配置され、各々組み合わされた両面トレイ1のためのこの種の8個の係合部を形成している。別の実施例において、異なる数の相補的係合手段を設けることもできる。
【0055】
他の実施例において、係合手段の構成は突起部を第二トレイのスカート部に設けて、戻り止めを第一トレイのスカート部に設けるように変形してもよい。さらなる実施例において、別の係合手段として図5に示したように重なり合った状態で存在する部材を結合するための当該技術で公知である溝と舌片、摩擦手段または他の手段を設けることもできる。
【0056】
挿入カード11は両面トレイの一部として設けることもできる。この挿入カードは情報を含んでもよい。挿入カードは凹所内に一致するいずれのサイズとすることができる。挿入カードはブックレットまたは印刷物を保持するのに適したいずれかの材料とすることができる。
【0057】
第一および第二トレイは一部または全体が透明であってもよい。
【0058】
第一および第二トレイを係合して形成された両面トレイは、図18に示したようにカバーを保持するために集合体の頂辺26に沿ってアパーチャ30を含んでもよい。アパーチャはカバーをトレイ集合体の周りに配置するとともに、カバーを通ってアパーチャに嵌め込まれるヒンジ手段によって固定される。
【0059】
カバーはいずれの適切な材料で形成することができるが、一般的にプラスチック、厚紙または紙あるいはプラスチックと紙の組み合わせから形成される。
【0060】
別の実施例において、カバーは接着剤または糊によって一つまたは複数のトレイ集合体に固定することができる。
【0061】
両面トレイ集合体のアレイは図19から22に示したように複数の両面トレイと一つまたはそれ以上の可撓性スパイン・ヒンジ31および任意にカバーを配列して形成することができる。可撓性スパイン・ヒンジは、二つの共通配置された両面トレイ1の共通頂辺29に配列されたヒンジ手段36を有している。二つのヒンジ手段36は頂辺5の各端部に各アレイの一つに対して設けられているのが好ましい。
【0062】
可撓性スパイン・ヒンジは好ましい実施例において、トレイ集合体スパイン26の各々内にアパーチャ30を受承することによって係合され、強固に保持される複数のブラケット32を有している。図21に示されたヒンジは、第一集合体スパインなどに保持されたブラケット32aと32bで三つのトレイ集合体を一緒に連結するのに適用される。可撓性スパイン・ヒンジ上でブラケットまたは対をなすブラケットの数を増減させることによって異なる数のトレイ集合体を互いに連結することができる。
【0063】
カバー33が両面収容トレイのアレイの両面収容トレイに必要であれば、これをブラケット32と係合してこれによって保持されたカバーによって可撓性スパイン・ヒンジ31と集合トレイ間に配置することができる。このような係合はカバー・ホール37によって促進され、トレイ内のアパーチャと係合する前にこのホールにブラケット32が挿通される。別の方法において、カバーは接着剤または糊を使用してトレイに固定することもできる。
【0064】
図10は二つのヒンジ(図示せず)とカバー33によって連結された二つの集合体のアレイを示す。図10から分かるように、ヒンジが両面トレイを回転させてトレイに収容された全てのディスクへのアクセスを可能にしている。各両面トレイはさらに広げることができ両面トレイ内部に収容された情報にアクセスできる。
【0065】
図23は二つのヒンジ31とカバー33によって連結された三つの両面トレイのアレイを示す。本実施例のヒンジは図21に示したものと同じである。
【0066】
使用に際して、第一および第二トレイを係合する前に、視覚情報および/または書込み情報を含む挿入カード11が、図1および3に示したように第一トレイ3と第二トレイ5間に配置される。第二トレイ5のスカート部が挿入カードを第二トレイに収めることを可能にする。
【0067】
次に、挿入カード11は、二つのトレイが係合され、両面トレイに組み立てられたときに、二つのトレイ間に捕捉され保持される。一実施例において、トレイは透明材料、好ましくは透明プラスチックから形成される。本実施例において、第一および第二トレイを形成している材料の透明性のために、挿入カード11に提示された情報が第一トレイ3および第二トレイ5を通してはっきり見ることができる。他の実施例において、一方のみのトレイまたはその一部を、必要であれば透明にすることもできる。さらに別の実施例において、トレイを不透明材料で形成してもよい。
【0068】
ここで図2を参照して、前記第一トレイ3および第二トレイ5の各々は磁石36を受承するための保持手段28をさらに含んでいる。この保持手段は、好ましい実施例において、一つまたは両方のトレイの内面2に配備され、第一および第二トレイが係合されたときに整列状態に位置付けられる
磁石を含む実施例において、磁石は二つまたはそれ以上の両面トレイが互いに集合されたときに、集合体内の第一および第二トレイの一方のみに設けられ、一つの両面トレイ集合体内の磁石36が正しく方向付けられたときに、他方の両面トレイ集合体内の磁石を吸引する。従って、これらの集合体が互いに充分接近すると、近接位置に保持され、必要ならば集合体のアレイを開くようにブロークンし、集合体内部のディスクにアクセスまたは戻すことができる(図9に示す)。別の実施例において、磁石は第一および第二トレイ両方に設けられている。
【0069】
第一トレイ3および第二トレイ5は、これら二つ(任意に両者間に挿入カード11を伴って)を集合させるとともに、第二トレイのスカート部15内部に第一トレイのスカート部19を配置し、戻り止め21と突起部23が係合して第一トレイ3が第二トレイ5に保持されるまで二つを一緒に押圧することによって両面トレイ1が形成される。
【0070】
好ましい実施例において、少なくとも一つのトレイの少なくとも一部が透明で、挿入カード11上の情報をトレイを介して見ることができる。これらの好ましい実施例において、第一および第二トレイは、係合された後では容易に取り外すことができない。
【0071】
二つまたはそれ以上のトレイ集合体がアレイに設けられれば、集合体はヒンジで互いに連結することができる。図22に示した実施例において、三つの集合体がカバー33とヒンジ31を使用してアレイ38に連結されている。アレイはヒンジのみを使用して形成でき、またカバーは必須ではないことに注意しなければならない。さらなる実施例において、ヒンジ31は三つの別々のヒンジを各集合体に一つ備えており、本実施例でカバーはアレイを形成するのに必須である。
【0072】
本発明の利点は、スリムな両面収容トレイを提供するのに使用することができる。図13,16および17から分かるように、各トレイの厚みは実質上収容ディスクに与えられた必要とする厚みのみである。これにより、トレイのスカート部によって規定されるような、挿入カードのための小さい凹部がトレイ間に残される。両面収容トレイの厚みは、スカート部の厚みによって、収容ディスクに必要とされる厚みに等しいかまたはこれよりも大きいいずれの厚みに規定される。
【0073】
以上は本発明の好ましい形態を含む発明について説明した。当該技術に習熟した人に対して明白であろう変形例および修正例は、添付請求の範囲によって規定するようにその範囲に組み込まれることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】組み立てる前の第一トレイ、挿入カードおよび第二トレイの斜視図である。
【図2】磁石の位置および挿入を示す図1の第二トレイの拡大図である。
【図3】挿入カードが第二トレイ内に配置された第一トレイ、挿入カードおよび第二トレイを示す斜視図である。
【図4】第一トレイと第二トレイを一緒に固定するための相補係合手段を示す拡大図である。
【図5】第一トレイと第二トレイの係合を示す第一および第二トレイの断面図である。
【図6】両面収容トレイを形成する組み立てられた第一および第二トレイを示す図である。
【図7】アレイに配列されたときの同様の両面トレイを結合させるための磁気手段の位置を示す拡大図である。
【図8】両面トレイのアレイの斜視図である。
【図9】スパインを軸にして図8の両面トレイのアレイを開けるための手順を示す図である。
【図10】カバーを設けた二つの両面トレイのアレイを示す斜視図である。
【図11】第一トレイの平面図である。
【図12】図11の第一トレイの裏側を示す平面図である。
【図13】図11および12示すような第一トレイの一連の断面図である。
【図14】第二トレイの平面図である。
【図15】図14の第二トレイの裏側を示す平面図である。
【図16】図14および15に示すような第二トレイの一連の断面図である。
【図17】図14および15に示すようなさらなる断面図である。
【図18】組み立てられた両面トレイのスパイン上のアパーチャを示す斜示図である。
【図19】三つの両面トレイのアレイを示す斜示図である。
【図20】両面トレイのアレイに取り付け可能なカバーを示す斜示図である。
【図21】可撓性スパイン・ヒンジを示す斜示図である。
【図22】カバー、可撓性スパイン・ヒンジおよび一連のトレイを組み立てる工程を示す斜示図である。
【図23】カバー、ヒンジおよび一連のトレイの完成した組立品を示す斜示図である。
【図24】上部トレイおよび下方トレイの断面図である。
【符号の説明】
【0075】
1 両面トレイ
2 内面
3 第一トレイ
4 ベース、外面
5 第二トレイ
6、8 凹所
9A ディスク保持手段
10 フィンガー・アパーチャ
11 ディスク、挿入カード
13 第二トレイの肩部
15 第二トレイのスカート部
17 第一トレイの肩部
19 第一トレイのスカート部
21 戻り止め
23 突起部
26 頂辺、スパイン
27 リップ
28 保持手段
29 共通頂辺
30 アパーチャ
31 可撓性スパイン・ヒンジ
32 ブラケット
33 カバー
36 ヒンジ手段、磁石
37 カバー・ホール
38 アレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行な第一および第二主要サイドを含み、前記第一主要サイドが媒体記憶ディスクを着脱可能に保持する媒体記憶ディスク固定手段を含むとともに第二トレイ上の相補係合手段と係合する係合手段を含んでいる第一トレイと、
互いに平行な第一および第二主要サイドを含み、前記第一主要サイドが媒体記憶ディスクを着脱可能に保持する媒体記憶ディスク固定手段を含むとともに第一トレイ上の相補係合手段と係合する係合手段を含んでいる第二トレイと、を含み、
前記第一および第二トレイが前記相補係合手段によって係合され、各トレイの前記第二サイドが隣接し、各トレイの前記第一サイドが両面ディスク収容トレイの外面を形成する両面ディスク収容トレイ。
【請求項2】
前記第一および第二トレイの前記第二サイド間に挿入され、捕捉された情報を含んでいる挿入カードをさらに備えた請求項1に記載の両面ディスク収容トレイ。
【請求項3】
各前記トレイの一部が透明であって挿入物が見えるようにっている請求項2に記載の両面ディスク収容トレイ。
【請求項4】
各前記トレイが透明であって挿入物が見えるようになっている請求項2に記載の両面ディスク収容トレイ。
【請求項5】
前記第二トレイが、前記トレイの前記第一サイドから垂下するトレイ周縁の周りの肩部によって形成されたスカート部を有し、実質的に平坦である請求項1に記載の両面ディスク収容トレイ。
【請求項6】
前記第一トレイが、前記トレイの前記第一サイドから垂下する第一トレイ周縁の周りの肩部によって形成されたスカート部を有し、実質的に平坦である請求項5に記載の両面ディスク収容トレイ。
【請求項7】
第一トレイのスカート部が第二トレイのスカート部と係合している請求項6に記載の両面ディスク収容トレイ。
【請求項8】
前記第一および第二トレイの係合が、一方のトレイのスカート部内に設けられた相補的戻り止めと、他方のトレイのスカート部に設けられた突起部による請求項7に記載の両面ディスク収容トレイ。
【請求項9】
前記第二トレイのスカート部が前記戻り止めを含み、また前記第一トレイのスカート部が前記突起部を含んでいる請求項8に記載の両面ディスク収容トレイ。
【請求項10】
前記第一トレイが前記トレイから垂下する少なくとも一つの第二肩部を含み、前記第一および第二トレイが係合されたときに前記第一トレイのスカート部の外側が前記第二トレイのスカート部の外面と面一に位置付けられる請求項7に記載の両面ディスク収容トレイ。
【請求項11】
前記第一トレイまたは第二トレイが、その頂面上に、ヒンジと係合して二つまたはそれ以上の両面ディスク収容トレイをアレイに結合するための部材を含む請求項1に記載の両面ディスク収容トレイ。
【請求項12】
バックプレートと複数のブラケットを備えた可撓性スパイン・ヒンジをさらに含む請求項11に記載の両面ディスク収容トレイ。
【請求項13】
トレイの主要サイドと実質上同じ大きさの前面、スパインおよびトレイの主要サイドと実質上同じ大きさの背面とを備えたカバーをさらに含む請求項12に記載の両面ディスク収容トレイ。
【請求項14】
前記可撓性スパイン・ヒンジが、前記カバーをこの可撓性スパイン・ヒンジと収容トレイの頂辺間に保持する請求項13に記載の両面ディスク収容トレイ。
【請求項15】
前記第一および第二トレイが前記可撓性スパイン・ヒンジを位置付けし係合するための二対の受承アパーチャを含んでいる請求項11に記載の両面ディスク収容トレイ。
【請求項16】
互いに平行な第一および第二主要サイドを各々含み、前記第一主要サイドが媒体記憶ディスクを着脱可能に保持する媒体記憶ディスク固定手段を含むとともに第二トレイ上の相補係合手段と係合する係合手段を含んでいる複数の第一トレイと、
互いに平行な第一および第二主要サイドを各々含み、前記第一主要サイドが媒体記憶ディスクを着脱可能に保持する媒体記憶ディスク固定手段を含むとともに第一トレイ上の相補係合手段と係合する係合手段を含んでいる複数の第二トレイと、を含み、
各第一トレイが前記相補係合手段によって第二トレイに係合され、これによって各トレイの前記第二サイドが隣接し、各トレイの前記第一サイドが両面ディスク収容トレイの外面を形成し、
両面収容トレイを配列して両面ディスク収容トレイのアレイを形成する両面ディスク収容トレイのアレイ。
【請求項17】
前記第一および第二トレイの前記第二サイド間に挿入され、捕捉された情報を含んでいる挿入カードをさらに備えた請求項16に記載の両面ディスク収容トレイのアレイ。
【請求項18】
各前記トレイの一部が透明であって挿入物が見えるようになっている請求項17に記載の両面ディスク収容トレイのアレイ。
【請求項19】
各前記トレイが透明であって挿入物が見えるようになっている請求項17に記載の両面ディスク収容トレイのアレイ。
【請求項20】
前記第二トレイが、前記トレイの前記第一サイドから垂下するトレイ周縁の周りの肩部によって形成されたスカート部を有し、実質的に平坦である請求項16に記載の両面ディスク収容トレイのアレイ。
【請求項21】
前記第一トレイが、前記トレイの前記第一サイドから垂下する第一トレイ周縁の周りの肩部によって形成されたスカート部を有し、実質的に平坦である請求項20に記載の両面ディスク収容トレイのアレイ。
【請求項22】
第一トレイのスカート部が第二トレイのスカート部と係合している請求項21に記載の両面ディスク収容トレイのアレイ。
【請求項23】
前記第一および第二トレイの係合が、一方のトレイのスカート部内に設けられた相補的戻り止めと、他方のトレイのスカート部に設けられた突起部による請求項22に記載の両面ディスク収容トレイのアレイ。
【請求項24】
前記第二トレイのスカート部が前記戻り止めを含み、また前記第一トレイのスカート部が前記突起部を含んでいる請求項23に記載の両面ディスク収容トレイのアレイ。
【請求項25】
前記第一トレイが前記トレイから垂下する少なくとも一つの第二肩部を含み、前記第一および第二トレイが係合されたときに前記第一トレイのスカート部の外側が前記第二トレイのスカート部の外面と面一に位置付けられる請求項22に記載の両面ディスク収容トレイのアレイ。
【請求項26】
前記第一トレイまたは第二トレイが、その頂面上に、ヒンジと係合して二つまたはそれ以上の両面ディスク収容トレイをアレイに結合するための部材を含む請求項16に記載の両面ディスク収容トレイのアレイ。
【請求項27】
バックプレートと複数のブラケットを備えた可撓性スパイン・ヒンジをさらに含む請求項26に記載の両面ディスク収容トレイのアレイ。
【請求項28】
トレイの主要サイドと実質上同じ大きさの前面、スパインおよびトレイの主要サイドと実質上同じ大きさの背面とを備えたカバーをさらに含む請求項27に記載の両面ディスク収容トレイのアレイ。
【請求項29】
前記可撓性スパイン・ヒンジが、前記カバーをこの可撓性スパイン・ヒンジと収容トレイの頂辺間に保持する請求項28に記載の両面ディスク収容トレイのアレイ。
【請求項30】
前記第一および第二トレイが少なくとも一つの前記可撓性スパイン・ヒンジを位置付けし係合するための二対の受承アパーチャを含んでいる請求項26に記載の両面ディスク収容トレイのアレイ。
【請求項31】
二つまたはそれ以上の両面ディスク収容トレイが前記少なくとも一つの可撓性スパイン・ヒンジの周りに閉止形状に保持された請求項27に記載の両面ディスク収容トレイのアレイ。
【請求項32】
前記第一および第二収容トレイの各々の一つが少なくとも一つの磁石を含み、前記磁石が配列されて互いに吸引し合い、アレイ内に前記両面収容トレイを保持する請求項16に記載の両面ディスク収容トレイのアレイ。
【請求項33】
全前記収容トレイが少なくとも一つの磁石を含み、前記磁石が配列されて互いに吸引し合い、アレイ内に前記両面収容トレイを保持する請求項16に記載の両面ディスク収容トレイのアレイ。
【請求項34】
バック・プレートと複数のブラケットを備えた可撓性スパイン・ヒンジと、トレイの主要サイドと実質上同じ大きさの前面、スパインおよびトレイの主要サイドと実質上同じ大きさの背面を備えたカバーとをさらに含み、前記可撓性スパイン・ヒンジが前記カバーを前記可撓性スパイン・ヒンジと両面ディスク収容トレイのアレイにある頂辺間に保持する請求項32に記載の両面ディスク収容トレイのアレイ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2006−176210(P2006−176210A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−190532(P2005−190532)
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【出願人】(505247812)フォワード エレクトロニクス マニュファクチュアリング カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】