中央の供給材料入口を有する液液抽出タワー及び方法
本発明は、供給材料入口、複数の段、及び抽出物の収集領域を備え、少なくとも1つの段が、開放中央部を有する一対の水平な環状のシュラウドバッフル間に位置決めされた駆動される中央の水平なインペラを有する混合帯域を備え、インペラが、中央のインペラプレートを有し、供給材料入口が中央のインペラプレートに隣接して位置決めされている液液抽出タワーに関する。本発明はまた、供給材料を中央のインペラプレートに隣接して対称に導入することを含む改良された液液抽出方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液液抽出タワー及びその運転方法に関する。本明細書で使用される語「タワー」と「塔」は、区別なく使用されることができる。
【背景技術】
【0002】
液液抽出は、1つの液相から第2の不混和性の液相への質量の移送を伴う。本明細書で定義されるような「供給材料」は、分離しようとする成分を有する、タワーに供給される液体であり、主要成分として供給溶媒、少量成分として1つ又は2以上の溶質を有することができる。本明細書で定義されるような「抽出溶媒」は、1つ又は2以上の溶質を供給材料から抽出するためにタワーに加えられる不混和性の液体である。本明細書で定義されるような「抽出物」は、抽出溶媒及び1つ又は2以上の溶質を含有する、タワーから取り除かれる液体である。本明細書で定義されるような「ラフィネート」は、主として供給溶媒を含有する、タワーから取り除かれる液体であり、1つ又は2以上の溶質が取り除かれた後の残りの供給液体である。
【0003】
図1は、Scheibelの設計に基づく液液抽出タワーの一型式の図である。この一般的な型式の設計の種々の種類が、例えば、米国特許第2,493,265号明細書、同第2,850,362号明細書、及び同第3,389,970号明細書、及びPerry’s Chemical Engineers’ Handbook第7版(頁15−40〜15−42、(著作権1997年))に示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
供給材料がタワーの側部に導入されると、大規模な循環が引き起こされ、この循環は、驚くほど顕著なものであり、タワーを出る想定される単一相の抽出物中に供給材料を混合し同伴することができる。これは、タワーから取り除かれる抽出物の品質に影響を及ぼす。したがって、必要とされるものは、収集領域における大規模な循環が減少するように、供給材料をタワーに導入する改良された方法である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、本発明は、少なくとも1つの供給材料入口、少なくとも1つの抽出溶媒入口、少なくとも1つの抽出物出口、及び少なくとも1つのラフィネート出口を備える液液抽出タワーに関し、タワーがさらに、複数の段と、抽出物の収集領域とを有し、少なくとも1つの段が、混合帯域を備え、混合領域が、一対の水平な環状のシュラウドバッフル間に位置決めされ、開放中央部をもつ駆動される中央の水平なインペラを有し、インペラが、中央のインペラプレートを有し、段がさらに、一対の水平な環状のシュラウドバッフルとタワーの側部との間に開口部を有し、供給材料入口が、中央のインペラプレートに隣接して位置決めされている。
【0006】
別の実施形態では、本発明は、抽出溶媒を使用し、少なくとも1つの供給材料入口、少なくとも1つの抽出溶媒入口、少なくとも1つの抽出物出口、及び少なくとも1つのラフィネート出口を有する液液抽出タワーを使用して、供給材料から抽出物を液液抽出するための方法であって、タワーがさらに、複数の段と、抽出物の収集領域とを有し、少なくとも1つの段が、混合帯域を備え、混合領域が、一対の水平な環状のシュラウドバッフル間に位置決めされ、開放中央部をもつ駆動される中央の水平なインペラを有し、段がさらに、一対の水平な環状のシュラウドバッフルとタワーの側部との間に開口部を有する方法において、供給材料を中央のインペラプレートに隣接して対称に導入することを含む方法の改良に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、シャイベルの設計に基づく液液抽出タワーの一型式の図である。
【図2】図2は、タワー内の抽出物の収集領域における流れの図である。
【図3】図3は、リング型のディストリビュータを使用して供給材料を対称に導入するための装置の一型式を示した図である。
【図4】図4は、図3に図示されるような、供給材料を対称に導入するための装置の細部の斜視図である。
【図5】図5A及び図5Bは、供給材料をタワーの中心線の方へ又はタワーの中心線から遠去かる方へ差し向けるように角度が付けられた複数の開放パイプを利用して、供給材料を対称に導入するための別の型式の装置を示した図である。
【図6】図6は、供給材料をタワーの中央の駆動シャフトのまわりに垂直方向に差し向ける単一のパイプを利用して、供給材料を対称に導入するための他の別の型式の装置を示した図である。
【図7】図7は、供給材料をタワーの中央の駆動シャフトのまわりに垂直方向に差し向ける複数のパイプを利用して、供給材料を対称に導入するための他の別の型式の装置を示した図である。
【図8】図8は、供給材料を中央のインペラプレートに隣接して対称に導入するための装置を有する液液抽出タワーを示した図であって、抽出物がタワーの底部から取り出される。
【図9】図9は、供給材料を中央のインペラプレートに隣接して対称に導入するための装置を有する液液抽出タワーを示した図であって、抽出物がタワーの頂部から取り出される。
【図10】図10は、図9の細部の図であって、供給材料をタワーの中央の駆動シャフトのまわりに垂直方向に差し向ける複数のパイプを利用して、供給材料を対称に導入するための別の型式の装置を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、少なくとも1つの供給材料入口、少なくとも1つの抽出溶媒入口、少なくとも1つの抽出物出口、及び少なくとも1つのラフィネート出口を備え、複数の段と、抽出物の収集領域とを有する液液抽出タワーに関する。タワーは、混合帯域を備える少なくとも1つの段を有し、混合帯域は、駆動される中央の水平なインペラを有し、このインペラは、一対の水平な環状のシュラウドバッフル間に位置決めされ、開放中央部をもつインペラを備えた中央のインペラプレートを有する。段はさらに、一対の水平な環状のシュラウドバッフルとタワーの側部との間に開口部を有する。供給材料入口は、中央のインペラプレートに隣接して位置決めされている。好ましい実施形態では、供給材料入口は、供給材料が中央のインペラプレートに隣接して実質的に対称に導入されるように、収集領域に位置決めされており、その結果、供給材料のタワー内への導入による収集領域における大規模な循環が減少する。
【0009】
図1は、シャイベルの設計に基づく先行技術の液液抽出タワーの図である。タワー10は、供給材料11のための入口と、抽出溶媒12のための入口と、抽出物14のための出口と、ラフィネート15のための出口とを有する。タワーはまた、帯域20で表される複数の段と、22で表される複数の混合帯域とを有する。タワーのいずれの端にも、収集領域21が設けられている。各混合帯域22は、水平なインペラ23aを有し、インペラ23aは、インペラプレート23bに取り付けられ、適当な支持材24a(その多くは明瞭化のため図示されていない)によって支持された一対の水平な環状のシュラウドバッフル24間に位置決めされた多数のインペラブレードを有する。水平なインペラは、中央シャフト25によって駆動される。水平なシュラウドバッフルの各々は、開放中央部26と、バッフルとタワーの側部との間の別の開口部27とを有する。タワーには、タワーの側部から流れを差し向ける複数の環状のフローバッフル28も設けられている。用いることができる任意的な要素は、A、B、又はCの領域におけるパッキング又はワイヤメッシュ29(明瞭化のため図示せず)の使用である。
【0010】
図2は、図1のタワーの底部収集領域21の典型的な先行技術の構成を示した図であり、供給材料11のための入口がタワーの側部に置かれ、抽出物14のための出口がタワーの底部に置かれている。供給材料11のための入口がタワーの側部から底部収集領域21内に連続的に放出し、1つの相の形態の抽出物がタワーの底部から抽出物14のための出口を介して連続的に取り除かれるのは一般的なことである。供給材料がタワーの側部に放出されると、収集領域において望ましくない大規模な循環が生ずる。低密度の供給材料11の相は、矢印30、31で図示されるように、タワーの側部を直ちに上昇して移動し始める。収集領域において供給材料によって流体に及ぼされるエネルギーが、供給材料中の低密度液体が収集領域を通って移動する距離に比例することが分かった。また、供給材料のタワーへの容積流量が著しい場合には、供給材料入口は、収集領域の中央及び水平な環状のシュラウドバッフル24の開放中央部26に流れる水平流れ成分32を有することができる。上向きの流れと水平な流れの組み合わせは、流れ矢印33、34、35によって図示されるように、収集領域に大規模な循環流を引き起こす。この循環流は、驚くほど顕著なものであり、供給材料から好ましくない低密度物質を混合し、抽出物である第2相の小泡として同伴することができる。これは、タワーから取り除かれる抽出物の品質に影響を及ぼす。
【0011】
図2は、収集領域がタワーの底部にあり、抽出物が高密度の相である実施形態を示している。他の実施形態では、同じ原則が図2と鏡像関係をなして適用され、収集がタワーの頂部で行われ、抽出物が低密度の相である。いずれの場合においても、望ましくない循環流は、収集領域において混合され、抽出物の所望の相中の望ましくない相を同伴することができる。
【0012】
幾つかの実施形態では、供給材料入口は、垂直な及び/又は角度付きのオリフィスを有するスパージャーである。図3は、供給材料11のための供給材料入口を提供するスパージャー40の一実施形態を示している。スパージャー40は、供給材料が、中央のインペラプレート(図示せず)の下方にこれに隣接して、一対の水平な環状のシュラウドバッフル24の1つの開放中央部26内に(流れ矢印41で図示されるように)実質的に対称に導入されるように、収集領域に位置決めされる。供給材料がタワー内に導入されることによる収集領域における大規模な循環は、減少する。これは、収集帯域21にではなく、実質的に混合帯域22に供給材料を効果的に導入し、循環をさらに少なくし、供給材料を抽出物14に同伴させる。
【0013】
幾つかの実施形態では、スパージャー40又は供給材料を中央のインペラプレートに隣接して供給するための他の装置は、一対の水平な環状のシュラウドバッフル24間に位置決めされた水平なインペラ23を駆動させる中央シャフト25のまわりに位置決めされるか又は補償しなければならない。必要ならば、スパージャー又は他の装置は、水平な環状のシュラウドバッフルのための適当な支持材24aのまわりに位置決めされる及び/又は当該支持材に取り付けられることができる。
【0014】
図4は、スパージャー40の一実施形態を示している。この実施形態では、スパージャーは、入口流を実質的に対称なやり方で分布させるための複数のスロット41を有する円形リングである。複数のスロットが図示されているが、実用的である限りは、多くの異なる種々のオリフィスを使用することができる。例えば、1つの連続した円形スロットを使用することができ、又はスロットを円形又は他の形状のいずれかの単純な穴と交換することができる。オリフィスは、流れを実質的に垂直に生じさせるように機械加工されるか又は位置決めされることができ、又はタワーの中心線の方へ角度を付けることができる。或いは、好ましい一実施形態では、オリフィスは、供給材料入口が水平な環状のバッフルの開放中央部の上方又は下方のいずれかにある状態で、流れをタワーの中心線から遠去かる方へ角度を付けて、水平なインペラのブレードの方へ差し向けさせるように機械加工されるか又は位置決めされることができる。この場合には、好ましい実施形態では、流れは、中央のインペラプレートに隣接して依然として対称に分布しつつ、垂直から約80度以下に角度が付けられる。他の実施形態では、流れは、中央のインペラプレートに隣接して依然として対称に分布しつつ、垂直から少なくとも40度に角度が付けられる。
【0015】
また、図4のスパージャーが、収集領域がタワーの底部にある場合に同様に、実質的に垂直方向上方に流れを差し向けるように図示されているが、収集領域がタワーの頂部にある場合には、流れを実質的に垂直方向下方に差し向ける同様なスパージャーを使用することができる。収集領域がタワーの底部にある場合には、「中央のインペラプレートに隣接して」とは、供給材料入口が最も近い中央のインペラプレートの下方にあることを意味し、収集領域がタワーの頂部にある場合には、「中央のインペラプレートに隣接して」とは、供給材料入口が最も近い中央のインペラプレートの上方にあることを意味する。
【0016】
幾つかの他の実施形態では、供給材料入口は、抽出タワーの中心線のまわりに対称に分布された2つ以上のチューブである。幾つかの好ましい実施形態では、2つ以上の垂直に配向されたチューブは、タワーの中心線又は混合帯域の水平なインペラブレードのいずれかの方へ角度が付けられるか又は曲げられている。図5A及び図5Bは、供給材料を対称に供給するための複数の角度が付けられるか又は曲げられたチューブで形成されたこのような装置の実現可能な図である。装置50は、水平な環状のバッフルの開放中央部の中心の方へ流れを差し向ける少なくとも2つのチューブを有する。装置55は、流れを水平な環状のバッフルの開放中央部の中心から遠去かるが依然として当該開放中央部内に差し向ける少なくとも2つのベントチューブを有する。明瞭化のため、これらは、水平な環状のバッフルの下方に図示されているが、これらが、水平な環状のバッフルの開放中央部を通って混合領域内に延びることができ、好ましくは延びるであろうことが理解される。
【0017】
幾つかの実施形態では、供給材料入口は、抽出タワーの中心線上に置かれ、実質的に垂直に配向されたチューブである。図6は、供給材料を対称に提供するためのこの実施形態を示しており、この実施形態では、タワー内で複数の水平なインペラを駆動する中央シャフト25を取り囲み又は補償するように特別に適合されるか又は寸法が決められた単一のパイプ60が使用される。この実施形態では、中央シャフトは、実際にチューブ内に挿入され、中央のインペラプレートに隣接して環状に対称なやり方で供給材料を分布させるのを支援する付加的な機能を果たす。図7は、供給材料を対称に提供するためのさらに別の実施形態を示しており、この実施形態では、中央のインペラプレートに隣接して対称なやり方で供給材料を分布させるように、中央シャフト25が特別に適合されるか又は位置決めされた複数の垂直なチューブ70が使用される。これは、水平な環状のバッフルの開放中央部を通って延びるチューブを示している。
【0018】
本明細書で使用される用語「供給材料入口」は、供給材料供給用チュービングの端部、又は液状の供給材料の流れが実際に供給材料管を出る穴又はスロット又は他のオリフィスを有する任意のスパージャー又は他の装置の表面のいずれかを意味する。幾つかの好ましい実施形態では、供給材料入口と中央のインペラプレートの底縁との間の垂直距離は、1インチ以下である。幾つかの他の好ましい実施形態では、供給材料入口と水平な環状のシュラウドバッフルの1つの開放中央部との間の垂直距離は、1つの供給材料入口チューブの直径より小さい。いずれの場合においても、垂直距離は、供給材料チュービングの端部又は任意のスパージャー又は他の装置の表面の最近接点から水平な環状のシュラウドの平面まで測定される。供給材料入口を中央のインペラプレートの底縁から垂直に0.25インチ(0.64cm)程度に位置決めするのが好ましいと思われる;それより接近させると、さらなる利益なしに操作性の問題を生じさせる可能性がある。
【0019】
語句「対称に分布され」とは、複数の供給材料入口が設けられている場合に、入口が、タワーの中心線に対して均一に分布され、対称に配置されていることを意味する;すなわち、供給材料入口の対称性を示す少なくとも1つの垂直平面をタワーの中心線を通って引くことができる。単一の供給材料入口が設けられている場合には、対称性を示す少なくとも1つの垂直平面をタワーの中心線及び当該入口を通って引くことができる。
【0020】
図8は、供給材料を中央のインペラプレートに隣接して提供するためのスパージャー又は他の装置81を含むタワー80の一実施形態を示しており、この実施形態では、供給材料入口及び抽出物のための収集領域がタワーの底部にある。明瞭化のため、供給材料入口は、水平な環状のバッフルの下方に図示されているが、水平な環状のバッフルの開放中央部を通って混合帯域内に延びることができ、またそのようにするのが好ましいことが理解される。タワーは、供給材料11のための入口と、抽出溶媒12のための入口と、抽出物14のための出口と、ラフィネート15のための出口とを含む、上述の特徴を全て有する。タワーはまた、複数の段と、上述のような複数の混合帯域とを有する。各混合帯域は、上述のような一対の水平な環状のシュラウドバッフル間に位置決めされた水平なインペラを有する。
【0021】
図9は、スパージャー又は中央のインペラプレートに隣接して供給材料を提供するための他の装置91を含むタワー90の別の実施形態を示しており、この実施形態では、供給材料入口及び抽出物のための収集領域がタワーの頂部にある。上述のように、供給材料入口は、水平な環状のバッフルの上方に図示されているが、水平な環状のバッフルの開放中央部を通って混合帯域内に下方に延びることができ、またそのようにするのが好ましいことが理解される。タワーは、供給材料11’のための入口、抽出溶媒12’のための入口、抽出物14’のための出口、及びラフィネート15’のための出口を含む、上述の特徴の全てを有する。タワーはまた、複数の段と、上述のような複数の混合帯域とを有する。各混合帯域は、上述のような一対の水平な環状のシュラウドバッフル間に位置決めされた水平なインペラを有する。図10は、図9の10−10に沿って見た詳細図であって、装置91の1つの可能な構成を示し、タワー内で複数の水平なインペラを駆動させる中央シャフト25のまわりに位置決めされるか又は補償するための1つの可能な構成を示している。
【0022】
別の実施形態では、本発明は、抽出溶媒を使用し、少なくとも1つの供給材料入口、少なくとも1つの抽出溶媒入口、少なくとも1つの抽出物出口、及び少なくとも1つのラフィネート出口を有する液液抽出タワーを使用して、供給材料から抽出物を液液抽出する方法であって、タワーがさらに、複数の段と、抽出物の収集領域とを有し、少なくとも1つの段が、開放中央部を有する一つの水平な環状のシュラウドバッフル間に位置決めされた駆動される中央の水平なインペラを有する混合帯域を有し、インペラが、中央のインペラプレートを有し、段がさらに、一対の水平な環状のシュラウドバッフルとタワーの側部との間に開口部を有する方法において、供給材料を中央のインペラプレートに隣接して対称に導入することを含む方法に関する。
【0023】
幾つかの好ましい実施形態では、供給材料は、中央のインペラプレートの1インチ以下の範囲内に導入される。幾つかの他の実施形態では、供給材料は、中央のインペラプレートの1つの供給材料入口チューブの直径の範囲内に導入される。供給材料は、垂直な及び/又は角度付きのオリフィス、垂直なチューブ、又は垂直に配向されるか、角度が付けられるか、又は曲げられた複数のチューブを有するスパージャーを使用することによって、中央のインペラプレートに隣接し混合帯域内に直接導入されることができる。
【0024】
幾つかの他の実施形態では、供給材料は、水平な環状のシュラウドバッフルの1つの開放中央部を通して混合帯域の環状の入口内に差し向けられる。幾つかの他の実施形態では、供給材料は、垂直な及び/又は角度付きのオリフィス、垂直なチューブ、又は垂直に配向されるか、角度が付けられるか、又は曲げられた複数のチューブを有するスパージャーを使用して、開放中央部を通して対称に差し向けられる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液液抽出タワー及びその運転方法に関する。本明細書で使用される語「タワー」と「塔」は、区別なく使用されることができる。
【背景技術】
【0002】
液液抽出は、1つの液相から第2の不混和性の液相への質量の移送を伴う。本明細書で定義されるような「供給材料」は、分離しようとする成分を有する、タワーに供給される液体であり、主要成分として供給溶媒、少量成分として1つ又は2以上の溶質を有することができる。本明細書で定義されるような「抽出溶媒」は、1つ又は2以上の溶質を供給材料から抽出するためにタワーに加えられる不混和性の液体である。本明細書で定義されるような「抽出物」は、抽出溶媒及び1つ又は2以上の溶質を含有する、タワーから取り除かれる液体である。本明細書で定義されるような「ラフィネート」は、主として供給溶媒を含有する、タワーから取り除かれる液体であり、1つ又は2以上の溶質が取り除かれた後の残りの供給液体である。
【0003】
図1は、Scheibelの設計に基づく液液抽出タワーの一型式の図である。この一般的な型式の設計の種々の種類が、例えば、米国特許第2,493,265号明細書、同第2,850,362号明細書、及び同第3,389,970号明細書、及びPerry’s Chemical Engineers’ Handbook第7版(頁15−40〜15−42、(著作権1997年))に示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
供給材料がタワーの側部に導入されると、大規模な循環が引き起こされ、この循環は、驚くほど顕著なものであり、タワーを出る想定される単一相の抽出物中に供給材料を混合し同伴することができる。これは、タワーから取り除かれる抽出物の品質に影響を及ぼす。したがって、必要とされるものは、収集領域における大規模な循環が減少するように、供給材料をタワーに導入する改良された方法である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、本発明は、少なくとも1つの供給材料入口、少なくとも1つの抽出溶媒入口、少なくとも1つの抽出物出口、及び少なくとも1つのラフィネート出口を備える液液抽出タワーに関し、タワーがさらに、複数の段と、抽出物の収集領域とを有し、少なくとも1つの段が、混合帯域を備え、混合領域が、一対の水平な環状のシュラウドバッフル間に位置決めされ、開放中央部をもつ駆動される中央の水平なインペラを有し、インペラが、中央のインペラプレートを有し、段がさらに、一対の水平な環状のシュラウドバッフルとタワーの側部との間に開口部を有し、供給材料入口が、中央のインペラプレートに隣接して位置決めされている。
【0006】
別の実施形態では、本発明は、抽出溶媒を使用し、少なくとも1つの供給材料入口、少なくとも1つの抽出溶媒入口、少なくとも1つの抽出物出口、及び少なくとも1つのラフィネート出口を有する液液抽出タワーを使用して、供給材料から抽出物を液液抽出するための方法であって、タワーがさらに、複数の段と、抽出物の収集領域とを有し、少なくとも1つの段が、混合帯域を備え、混合領域が、一対の水平な環状のシュラウドバッフル間に位置決めされ、開放中央部をもつ駆動される中央の水平なインペラを有し、段がさらに、一対の水平な環状のシュラウドバッフルとタワーの側部との間に開口部を有する方法において、供給材料を中央のインペラプレートに隣接して対称に導入することを含む方法の改良に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、シャイベルの設計に基づく液液抽出タワーの一型式の図である。
【図2】図2は、タワー内の抽出物の収集領域における流れの図である。
【図3】図3は、リング型のディストリビュータを使用して供給材料を対称に導入するための装置の一型式を示した図である。
【図4】図4は、図3に図示されるような、供給材料を対称に導入するための装置の細部の斜視図である。
【図5】図5A及び図5Bは、供給材料をタワーの中心線の方へ又はタワーの中心線から遠去かる方へ差し向けるように角度が付けられた複数の開放パイプを利用して、供給材料を対称に導入するための別の型式の装置を示した図である。
【図6】図6は、供給材料をタワーの中央の駆動シャフトのまわりに垂直方向に差し向ける単一のパイプを利用して、供給材料を対称に導入するための他の別の型式の装置を示した図である。
【図7】図7は、供給材料をタワーの中央の駆動シャフトのまわりに垂直方向に差し向ける複数のパイプを利用して、供給材料を対称に導入するための他の別の型式の装置を示した図である。
【図8】図8は、供給材料を中央のインペラプレートに隣接して対称に導入するための装置を有する液液抽出タワーを示した図であって、抽出物がタワーの底部から取り出される。
【図9】図9は、供給材料を中央のインペラプレートに隣接して対称に導入するための装置を有する液液抽出タワーを示した図であって、抽出物がタワーの頂部から取り出される。
【図10】図10は、図9の細部の図であって、供給材料をタワーの中央の駆動シャフトのまわりに垂直方向に差し向ける複数のパイプを利用して、供給材料を対称に導入するための別の型式の装置を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、少なくとも1つの供給材料入口、少なくとも1つの抽出溶媒入口、少なくとも1つの抽出物出口、及び少なくとも1つのラフィネート出口を備え、複数の段と、抽出物の収集領域とを有する液液抽出タワーに関する。タワーは、混合帯域を備える少なくとも1つの段を有し、混合帯域は、駆動される中央の水平なインペラを有し、このインペラは、一対の水平な環状のシュラウドバッフル間に位置決めされ、開放中央部をもつインペラを備えた中央のインペラプレートを有する。段はさらに、一対の水平な環状のシュラウドバッフルとタワーの側部との間に開口部を有する。供給材料入口は、中央のインペラプレートに隣接して位置決めされている。好ましい実施形態では、供給材料入口は、供給材料が中央のインペラプレートに隣接して実質的に対称に導入されるように、収集領域に位置決めされており、その結果、供給材料のタワー内への導入による収集領域における大規模な循環が減少する。
【0009】
図1は、シャイベルの設計に基づく先行技術の液液抽出タワーの図である。タワー10は、供給材料11のための入口と、抽出溶媒12のための入口と、抽出物14のための出口と、ラフィネート15のための出口とを有する。タワーはまた、帯域20で表される複数の段と、22で表される複数の混合帯域とを有する。タワーのいずれの端にも、収集領域21が設けられている。各混合帯域22は、水平なインペラ23aを有し、インペラ23aは、インペラプレート23bに取り付けられ、適当な支持材24a(その多くは明瞭化のため図示されていない)によって支持された一対の水平な環状のシュラウドバッフル24間に位置決めされた多数のインペラブレードを有する。水平なインペラは、中央シャフト25によって駆動される。水平なシュラウドバッフルの各々は、開放中央部26と、バッフルとタワーの側部との間の別の開口部27とを有する。タワーには、タワーの側部から流れを差し向ける複数の環状のフローバッフル28も設けられている。用いることができる任意的な要素は、A、B、又はCの領域におけるパッキング又はワイヤメッシュ29(明瞭化のため図示せず)の使用である。
【0010】
図2は、図1のタワーの底部収集領域21の典型的な先行技術の構成を示した図であり、供給材料11のための入口がタワーの側部に置かれ、抽出物14のための出口がタワーの底部に置かれている。供給材料11のための入口がタワーの側部から底部収集領域21内に連続的に放出し、1つの相の形態の抽出物がタワーの底部から抽出物14のための出口を介して連続的に取り除かれるのは一般的なことである。供給材料がタワーの側部に放出されると、収集領域において望ましくない大規模な循環が生ずる。低密度の供給材料11の相は、矢印30、31で図示されるように、タワーの側部を直ちに上昇して移動し始める。収集領域において供給材料によって流体に及ぼされるエネルギーが、供給材料中の低密度液体が収集領域を通って移動する距離に比例することが分かった。また、供給材料のタワーへの容積流量が著しい場合には、供給材料入口は、収集領域の中央及び水平な環状のシュラウドバッフル24の開放中央部26に流れる水平流れ成分32を有することができる。上向きの流れと水平な流れの組み合わせは、流れ矢印33、34、35によって図示されるように、収集領域に大規模な循環流を引き起こす。この循環流は、驚くほど顕著なものであり、供給材料から好ましくない低密度物質を混合し、抽出物である第2相の小泡として同伴することができる。これは、タワーから取り除かれる抽出物の品質に影響を及ぼす。
【0011】
図2は、収集領域がタワーの底部にあり、抽出物が高密度の相である実施形態を示している。他の実施形態では、同じ原則が図2と鏡像関係をなして適用され、収集がタワーの頂部で行われ、抽出物が低密度の相である。いずれの場合においても、望ましくない循環流は、収集領域において混合され、抽出物の所望の相中の望ましくない相を同伴することができる。
【0012】
幾つかの実施形態では、供給材料入口は、垂直な及び/又は角度付きのオリフィスを有するスパージャーである。図3は、供給材料11のための供給材料入口を提供するスパージャー40の一実施形態を示している。スパージャー40は、供給材料が、中央のインペラプレート(図示せず)の下方にこれに隣接して、一対の水平な環状のシュラウドバッフル24の1つの開放中央部26内に(流れ矢印41で図示されるように)実質的に対称に導入されるように、収集領域に位置決めされる。供給材料がタワー内に導入されることによる収集領域における大規模な循環は、減少する。これは、収集帯域21にではなく、実質的に混合帯域22に供給材料を効果的に導入し、循環をさらに少なくし、供給材料を抽出物14に同伴させる。
【0013】
幾つかの実施形態では、スパージャー40又は供給材料を中央のインペラプレートに隣接して供給するための他の装置は、一対の水平な環状のシュラウドバッフル24間に位置決めされた水平なインペラ23を駆動させる中央シャフト25のまわりに位置決めされるか又は補償しなければならない。必要ならば、スパージャー又は他の装置は、水平な環状のシュラウドバッフルのための適当な支持材24aのまわりに位置決めされる及び/又は当該支持材に取り付けられることができる。
【0014】
図4は、スパージャー40の一実施形態を示している。この実施形態では、スパージャーは、入口流を実質的に対称なやり方で分布させるための複数のスロット41を有する円形リングである。複数のスロットが図示されているが、実用的である限りは、多くの異なる種々のオリフィスを使用することができる。例えば、1つの連続した円形スロットを使用することができ、又はスロットを円形又は他の形状のいずれかの単純な穴と交換することができる。オリフィスは、流れを実質的に垂直に生じさせるように機械加工されるか又は位置決めされることができ、又はタワーの中心線の方へ角度を付けることができる。或いは、好ましい一実施形態では、オリフィスは、供給材料入口が水平な環状のバッフルの開放中央部の上方又は下方のいずれかにある状態で、流れをタワーの中心線から遠去かる方へ角度を付けて、水平なインペラのブレードの方へ差し向けさせるように機械加工されるか又は位置決めされることができる。この場合には、好ましい実施形態では、流れは、中央のインペラプレートに隣接して依然として対称に分布しつつ、垂直から約80度以下に角度が付けられる。他の実施形態では、流れは、中央のインペラプレートに隣接して依然として対称に分布しつつ、垂直から少なくとも40度に角度が付けられる。
【0015】
また、図4のスパージャーが、収集領域がタワーの底部にある場合に同様に、実質的に垂直方向上方に流れを差し向けるように図示されているが、収集領域がタワーの頂部にある場合には、流れを実質的に垂直方向下方に差し向ける同様なスパージャーを使用することができる。収集領域がタワーの底部にある場合には、「中央のインペラプレートに隣接して」とは、供給材料入口が最も近い中央のインペラプレートの下方にあることを意味し、収集領域がタワーの頂部にある場合には、「中央のインペラプレートに隣接して」とは、供給材料入口が最も近い中央のインペラプレートの上方にあることを意味する。
【0016】
幾つかの他の実施形態では、供給材料入口は、抽出タワーの中心線のまわりに対称に分布された2つ以上のチューブである。幾つかの好ましい実施形態では、2つ以上の垂直に配向されたチューブは、タワーの中心線又は混合帯域の水平なインペラブレードのいずれかの方へ角度が付けられるか又は曲げられている。図5A及び図5Bは、供給材料を対称に供給するための複数の角度が付けられるか又は曲げられたチューブで形成されたこのような装置の実現可能な図である。装置50は、水平な環状のバッフルの開放中央部の中心の方へ流れを差し向ける少なくとも2つのチューブを有する。装置55は、流れを水平な環状のバッフルの開放中央部の中心から遠去かるが依然として当該開放中央部内に差し向ける少なくとも2つのベントチューブを有する。明瞭化のため、これらは、水平な環状のバッフルの下方に図示されているが、これらが、水平な環状のバッフルの開放中央部を通って混合領域内に延びることができ、好ましくは延びるであろうことが理解される。
【0017】
幾つかの実施形態では、供給材料入口は、抽出タワーの中心線上に置かれ、実質的に垂直に配向されたチューブである。図6は、供給材料を対称に提供するためのこの実施形態を示しており、この実施形態では、タワー内で複数の水平なインペラを駆動する中央シャフト25を取り囲み又は補償するように特別に適合されるか又は寸法が決められた単一のパイプ60が使用される。この実施形態では、中央シャフトは、実際にチューブ内に挿入され、中央のインペラプレートに隣接して環状に対称なやり方で供給材料を分布させるのを支援する付加的な機能を果たす。図7は、供給材料を対称に提供するためのさらに別の実施形態を示しており、この実施形態では、中央のインペラプレートに隣接して対称なやり方で供給材料を分布させるように、中央シャフト25が特別に適合されるか又は位置決めされた複数の垂直なチューブ70が使用される。これは、水平な環状のバッフルの開放中央部を通って延びるチューブを示している。
【0018】
本明細書で使用される用語「供給材料入口」は、供給材料供給用チュービングの端部、又は液状の供給材料の流れが実際に供給材料管を出る穴又はスロット又は他のオリフィスを有する任意のスパージャー又は他の装置の表面のいずれかを意味する。幾つかの好ましい実施形態では、供給材料入口と中央のインペラプレートの底縁との間の垂直距離は、1インチ以下である。幾つかの他の好ましい実施形態では、供給材料入口と水平な環状のシュラウドバッフルの1つの開放中央部との間の垂直距離は、1つの供給材料入口チューブの直径より小さい。いずれの場合においても、垂直距離は、供給材料チュービングの端部又は任意のスパージャー又は他の装置の表面の最近接点から水平な環状のシュラウドの平面まで測定される。供給材料入口を中央のインペラプレートの底縁から垂直に0.25インチ(0.64cm)程度に位置決めするのが好ましいと思われる;それより接近させると、さらなる利益なしに操作性の問題を生じさせる可能性がある。
【0019】
語句「対称に分布され」とは、複数の供給材料入口が設けられている場合に、入口が、タワーの中心線に対して均一に分布され、対称に配置されていることを意味する;すなわち、供給材料入口の対称性を示す少なくとも1つの垂直平面をタワーの中心線を通って引くことができる。単一の供給材料入口が設けられている場合には、対称性を示す少なくとも1つの垂直平面をタワーの中心線及び当該入口を通って引くことができる。
【0020】
図8は、供給材料を中央のインペラプレートに隣接して提供するためのスパージャー又は他の装置81を含むタワー80の一実施形態を示しており、この実施形態では、供給材料入口及び抽出物のための収集領域がタワーの底部にある。明瞭化のため、供給材料入口は、水平な環状のバッフルの下方に図示されているが、水平な環状のバッフルの開放中央部を通って混合帯域内に延びることができ、またそのようにするのが好ましいことが理解される。タワーは、供給材料11のための入口と、抽出溶媒12のための入口と、抽出物14のための出口と、ラフィネート15のための出口とを含む、上述の特徴を全て有する。タワーはまた、複数の段と、上述のような複数の混合帯域とを有する。各混合帯域は、上述のような一対の水平な環状のシュラウドバッフル間に位置決めされた水平なインペラを有する。
【0021】
図9は、スパージャー又は中央のインペラプレートに隣接して供給材料を提供するための他の装置91を含むタワー90の別の実施形態を示しており、この実施形態では、供給材料入口及び抽出物のための収集領域がタワーの頂部にある。上述のように、供給材料入口は、水平な環状のバッフルの上方に図示されているが、水平な環状のバッフルの開放中央部を通って混合帯域内に下方に延びることができ、またそのようにするのが好ましいことが理解される。タワーは、供給材料11’のための入口、抽出溶媒12’のための入口、抽出物14’のための出口、及びラフィネート15’のための出口を含む、上述の特徴の全てを有する。タワーはまた、複数の段と、上述のような複数の混合帯域とを有する。各混合帯域は、上述のような一対の水平な環状のシュラウドバッフル間に位置決めされた水平なインペラを有する。図10は、図9の10−10に沿って見た詳細図であって、装置91の1つの可能な構成を示し、タワー内で複数の水平なインペラを駆動させる中央シャフト25のまわりに位置決めされるか又は補償するための1つの可能な構成を示している。
【0022】
別の実施形態では、本発明は、抽出溶媒を使用し、少なくとも1つの供給材料入口、少なくとも1つの抽出溶媒入口、少なくとも1つの抽出物出口、及び少なくとも1つのラフィネート出口を有する液液抽出タワーを使用して、供給材料から抽出物を液液抽出する方法であって、タワーがさらに、複数の段と、抽出物の収集領域とを有し、少なくとも1つの段が、開放中央部を有する一つの水平な環状のシュラウドバッフル間に位置決めされた駆動される中央の水平なインペラを有する混合帯域を有し、インペラが、中央のインペラプレートを有し、段がさらに、一対の水平な環状のシュラウドバッフルとタワーの側部との間に開口部を有する方法において、供給材料を中央のインペラプレートに隣接して対称に導入することを含む方法に関する。
【0023】
幾つかの好ましい実施形態では、供給材料は、中央のインペラプレートの1インチ以下の範囲内に導入される。幾つかの他の実施形態では、供給材料は、中央のインペラプレートの1つの供給材料入口チューブの直径の範囲内に導入される。供給材料は、垂直な及び/又は角度付きのオリフィス、垂直なチューブ、又は垂直に配向されるか、角度が付けられるか、又は曲げられた複数のチューブを有するスパージャーを使用することによって、中央のインペラプレートに隣接し混合帯域内に直接導入されることができる。
【0024】
幾つかの他の実施形態では、供給材料は、水平な環状のシュラウドバッフルの1つの開放中央部を通して混合帯域の環状の入口内に差し向けられる。幾つかの他の実施形態では、供給材料は、垂直な及び/又は角度付きのオリフィス、垂直なチューブ、又は垂直に配向されるか、角度が付けられるか、又は曲げられた複数のチューブを有するスパージャーを使用して、開放中央部を通して対称に差し向けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの供給材料入口、少なくとも1つの抽出溶媒入口、少なくとも1つの抽出物出口、及び少なくとも1つのラフィネート出口を備える液液抽出タワーであって、
前記タワーがさらに、複数の段と、前記抽出物の収集領域とを有し、
少なくとも1つの段が、開放中央部を有する一対の水平な環状のシュラウドバッフル間に位置決めされた駆動される中央の水平なインペラを有する混合領域を備え、前記インペラが、中央のインペラプレートを有し、
前記段がさらに、前記一対の水平な環状のシュラウドバッフルと前記タワーの側部との間に開口部を有し、
前記供給材料入口が、前記中央のインペラプレートに隣接して位置決めされている、液液抽出タワー。
【請求項2】
前記供給材料入口と前記中央のインペラプレートとの間の垂直距離が、1インチ以下である請求項1に記載の液液抽出タワー。
【請求項3】
前記供給材料入口が、垂直な及び/又は角度付きのオリフィスを有するスパージャーである請求項1に記載の液液抽出タワー。
【請求項4】
前記供給材料入口が、前記抽出タワーの前記中心線上に置かれた実質的に垂直に配向されたチューブである請求項1に記載の液液抽出タワー。
【請求項5】
前記供給材料入口と前記中央のインペラプレートとの間の垂直距離が、1つの供給材料入口チューブの直径よりも小さい請求項4に記載の液液抽出タワー。
【請求項6】
前記供給材料入口が、前記抽出タワーの前記中心線のまわりに対称に分布された2つ以上のチューブである請求項1に記載の液液抽出タワー。
【請求項7】
前記供給材料入口が、前記混合帯域の中央又は前記混合帯域の前記水平なインペラのいずれかの方へ角度が付けられるか又は曲げられた2つ以上の垂直に配向されたチューブである請求項1に記載の液液抽出タワー。
【請求項8】
前記供給材料入口と前記中央のインペラプレートとの間の垂直距離が、1つの供給材料入口チューブの直径よりも小さい請求項6に記載の液液抽出タワー。
【請求項9】
前記一対のシュラウドバッフルを含む前記混合帯域が、前記タワーの前記側部からの流れを差し向ける付加的な組の環状のフローバッフル間に位置決めされる請求項1に記載の液液抽出タワー。
【請求項10】
抽出溶媒を使用し、少なくとも1つの供給材料入口、少なくとも1つの抽出溶媒入口、少なくとも1つの抽出物出口、及び少なくとも1つのラフィネート出口を有する液液抽出タワーを使用して、供給材料から抽出物を液液抽出する方法であって、
前記タワーがさらに、複数の段と、前記抽出物の収集領域とを有し、
少なくとも1つの段が、開放中央部を有する一つの水平な環状のシュラウドバッフル間に位置決めされた駆動される中央の水平なインペラを有する混合帯域を有し、前記インペラが、中央のインペラプレートを有し、前記段がさらに、前記一つの水平な環状のシュラウドバッフルと前記タワーの側部との間に開口部を有する方法において、
前記供給材料を前記中央のインペラプレートに隣接して対称に導入することを含む方法。
【請求項11】
前記供給材料が、前記中央のインペラプレートの1インチ以下の範囲内に導入される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記供給材料が、前記中央のインペラプレートの1つの供給材料入口チューブの直径の範囲内に導入される請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記供給材料が、垂直な及び/又は角度付きのオリフィス、垂直なチューブ、又は垂直に配向されるか、角度が付けられるか、又は曲げられた複数のチューブを有するスパージャーを使用することによって導入される請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記供給材料が、前記水平な環状のシュラウドバッフルの1つの前記開放中央部を通して前記混合帯域の前記環状の入口内に導入される請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記供給材料が、垂直な及び/又は角度付きのオリフィス、垂直なチューブ、又は垂直に配向されるか、角度が付けられるか、又は曲げられた複数のチューブを有するスパージャーを使用することによって、前記開放中央部を通して対称に差し向けられる請求項14に記載の方法。
【請求項1】
少なくとも1つの供給材料入口、少なくとも1つの抽出溶媒入口、少なくとも1つの抽出物出口、及び少なくとも1つのラフィネート出口を備える液液抽出タワーであって、
前記タワーがさらに、複数の段と、前記抽出物の収集領域とを有し、
少なくとも1つの段が、開放中央部を有する一対の水平な環状のシュラウドバッフル間に位置決めされた駆動される中央の水平なインペラを有する混合領域を備え、前記インペラが、中央のインペラプレートを有し、
前記段がさらに、前記一対の水平な環状のシュラウドバッフルと前記タワーの側部との間に開口部を有し、
前記供給材料入口が、前記中央のインペラプレートに隣接して位置決めされている、液液抽出タワー。
【請求項2】
前記供給材料入口と前記中央のインペラプレートとの間の垂直距離が、1インチ以下である請求項1に記載の液液抽出タワー。
【請求項3】
前記供給材料入口が、垂直な及び/又は角度付きのオリフィスを有するスパージャーである請求項1に記載の液液抽出タワー。
【請求項4】
前記供給材料入口が、前記抽出タワーの前記中心線上に置かれた実質的に垂直に配向されたチューブである請求項1に記載の液液抽出タワー。
【請求項5】
前記供給材料入口と前記中央のインペラプレートとの間の垂直距離が、1つの供給材料入口チューブの直径よりも小さい請求項4に記載の液液抽出タワー。
【請求項6】
前記供給材料入口が、前記抽出タワーの前記中心線のまわりに対称に分布された2つ以上のチューブである請求項1に記載の液液抽出タワー。
【請求項7】
前記供給材料入口が、前記混合帯域の中央又は前記混合帯域の前記水平なインペラのいずれかの方へ角度が付けられるか又は曲げられた2つ以上の垂直に配向されたチューブである請求項1に記載の液液抽出タワー。
【請求項8】
前記供給材料入口と前記中央のインペラプレートとの間の垂直距離が、1つの供給材料入口チューブの直径よりも小さい請求項6に記載の液液抽出タワー。
【請求項9】
前記一対のシュラウドバッフルを含む前記混合帯域が、前記タワーの前記側部からの流れを差し向ける付加的な組の環状のフローバッフル間に位置決めされる請求項1に記載の液液抽出タワー。
【請求項10】
抽出溶媒を使用し、少なくとも1つの供給材料入口、少なくとも1つの抽出溶媒入口、少なくとも1つの抽出物出口、及び少なくとも1つのラフィネート出口を有する液液抽出タワーを使用して、供給材料から抽出物を液液抽出する方法であって、
前記タワーがさらに、複数の段と、前記抽出物の収集領域とを有し、
少なくとも1つの段が、開放中央部を有する一つの水平な環状のシュラウドバッフル間に位置決めされた駆動される中央の水平なインペラを有する混合帯域を有し、前記インペラが、中央のインペラプレートを有し、前記段がさらに、前記一つの水平な環状のシュラウドバッフルと前記タワーの側部との間に開口部を有する方法において、
前記供給材料を前記中央のインペラプレートに隣接して対称に導入することを含む方法。
【請求項11】
前記供給材料が、前記中央のインペラプレートの1インチ以下の範囲内に導入される請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記供給材料が、前記中央のインペラプレートの1つの供給材料入口チューブの直径の範囲内に導入される請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記供給材料が、垂直な及び/又は角度付きのオリフィス、垂直なチューブ、又は垂直に配向されるか、角度が付けられるか、又は曲げられた複数のチューブを有するスパージャーを使用することによって導入される請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記供給材料が、前記水平な環状のシュラウドバッフルの1つの前記開放中央部を通して前記混合帯域の前記環状の入口内に導入される請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記供給材料が、垂直な及び/又は角度付きのオリフィス、垂直なチューブ、又は垂直に配向されるか、角度が付けられるか、又は曲げられた複数のチューブを有するスパージャーを使用することによって、前記開放中央部を通して対称に差し向けられる請求項14に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2013−514876(P2013−514876A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544887(P2012−544887)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/061000
【国際公開番号】WO2011/084682
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/061000
【国際公開番号】WO2011/084682
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]