説明

中心に位置決めされたヘッドを有する、ダクトの探査装置

本発明は、中心に位置決めされたヘッドを有する、ダクトを探査するための装置に関する。本発明に係る装置は、可動ヘッド(2)、任意の器具、及び放射線測定または物理/化学測定を行うための装置の使用を可能にし、これらは探査すべきダクトに関して中心に取付けられる。本装置は、基本的に、リブ(3)の束を備え、前記可動ヘッド(2)の周囲の装置の端部に位置している。本装置に回転自在に取付けられた取付けリング(4及び7)を用いて、リブ(3)の束の形状を調整することができる。本発明は、特に、換気ダクトの探査及びメンテナンスに適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[技術分野]
本発明の分野は、換気、空調、または他のパイプ若しくはダクトの、探査、点検、汚染除去、メンテナンス、及び内部修理である。
【0002】
[先行技術及び先行技術から生じる課題]
多くの産業分野において、様々なパイプ、ダクト、及びオペレーターが届かない他の部品を探査及び点検できることが重要である。
【0003】
ある程度ロボット化した器具をパイプの内部に挿入して外部から操縦する方法が知られている。特に、「屈伸自在棒」タイプの点検装置がある。仏国特許出願第2768214号には、換気ダクト及び他のタイプのパイプを点検するためのそのような装置が記載されている。その装置は、ダクトの内部に挿入されて探査する可動ヘッドを備えている。この可動ヘッドは、ダクトの内部の映像を表示し及び/または記録する外部の手段に接続されたビデオカメラを備えてもよい。可動ヘッドはまた、可撓性パイプを通して外部の圧縮空気供給源に接続されている。その装置はまた、パイプの壁に向かって後方にエアジェットを噴出する手段を備え、パイプ内部で可動ヘッドを前向きに維持すると共に移動させる。
【0004】
この点検装置は、装置自体を、点検されるパイプまたはダクトの内部の中心に位置決めすることができない。さらに、これらの特徴により、その装置は、水平部分、垂直部分、エルボ、及び合流部を含むパイプの内部を、20m以上移動することができない。
【0005】
本発明の目的は、中心に位置決めする探査装置を提供することにより、これらの短所を解決することである。
【0006】
[発明の概要]
この目的を達成するための本発明の主な目的は、外部の制御操作手段及び圧縮空気供給源に接続された可動ヘッドを備え、可動ヘッドが、可撓性パイプの方に配向された、推進力用の少なくとも1つの圧縮ガス噴出オリフィスを備えているパイプの探査装置である。
【0007】
本発明によれば、その探査装置は、可動ヘッド周辺に配置されたリブの束によって完成する。リブの束は、その装置の長手方向軸に対する周囲の最大長さが、探査すべきパイプの直径よりもわずかに小さい所定値と等しくなる容積を画成するように、他の構成部材から広がり出ている。
【0008】
その主な実施形態では、リブの束は、その探査装置の長手方向軸に対して中心に位置決めされている。
【0009】
第1の実施形態では、可動ヘッドは、リブの束の中央に固定されている。
【0010】
第2の実施形態では、可動ヘッドは、リブの束の一方の端部に固定されている。
【0011】
滑らかなカニューレを可動ヘッドとパイプとの間で使用すると便利である。
【0012】
本発明による探査装置には、可動ヘッドに、カメラ、ブラシ、放射線測定装置、または物理/化学測定装置を設けてもよく、また、ノズルのようなオリフィスを通した噴出装置によって完成させてもよい。
【0013】
本発明によるリブの束の好ましい実施形態では、束の長さは、その幅の1.5倍から2倍の長さであるLに等しい。
【0014】
好ましくは、リブの束は、探査装置に回転自在に設けられた前方及び後方取付けリングによって固定されている。
【0015】
本発明、本発明の様々な実施形態、及び本発明の特徴は、いくつかの図面に基づいた以下の記載を読むことによって、よく理解されるであろう。
【0016】
[本発明の実施形態の詳細な説明]
図1は、本発明による探査装置の主要部分、すなわち、本発明の可動ヘッドの誘導及び推進に関する部分を示している。その探査装置は主に、探査されるパイプの外部でオペレーターによって制御される外部の制御操作手段に接続された可撓性パイプ1を備えている。これらの手段は、圧縮空気供給源を含む様々な設備を備えている。
【0017】
可撓性パイプ1は、探査装置の可動ヘッドが配置されたカニューレ6によって延長されている。約15cmの滑らかなカニューレ6が存在することにより、溝切りされた可撓性パイプ1を使用することによる空力学的外乱が避けられる。したがって、これにより、推進力パラメータを約10%改善する。
【0018】
本発明によれば、外殻形状のリブ3の束を使用する。リブ3の第1の端部は、可撓性パイプ1に設置された後方取付けリング4に固定されている。リブ3の第2の端部は、カニューレ6の端部に固定された前方取付けリング7に固定されている。
【0019】
後方取付けリング4及び前方取付けリング7は、回転自在に設けられて、探査装置を扱いやすくする。後方取付けリング4及び前方取付けリング7間の距離Lがリブ3の束によって形成される直径の幅lの1.5倍から2倍に等しくなるように、後方取付けリング4及び前方取付けリング7を互いに遠ざけたり近づけたりすることにより、外殻の形状を変形することができる。距離Lは、1.5倍から2倍のlに等しい。
【0020】
図1に記載されたこの第1の実施形態では、可動ヘッド2は、リブ3によって形成された束の中心部に配置されている。リブ3の束の外径は、探査または処理すべきダクトまたはパイプの外径よりもわずかに小さい。
【0021】
図2は、リブ13の束によって形成された外殻の第2の形状を示している。リブの前方部分14は、後方部分15よりも曲がっている。従って、束の最大直径は束の前方に位置するので、可動ヘッド2もまた、カニューレ6上のこの束の前方に配置することができる。
【0022】
図1及び2に示された2つの実施形態では、可動ヘッド2が、全体的に探査すべきパイプまたはダクトの中央部分に位置決めされることを理解することができる。
【0023】
多くの異なった用途がある。換気ダクトを洗浄または汚染除去することができ、これらのダクト上で放射線測定または物理/化学測定を行うことができる。特に、換気ダクトの内部で、凝液性ゲルまたはフォームを散布することができる。
【0024】
これら最初の2つの場合では、探査装置は処理すべきパイプの内部に挿入され、圧縮空気を用いることによって得られる推進手段によって、可動ヘッドが最も遠い地点に誘導される。可動ヘッド2内の噴出オリフィスは、生成された推進力が全体的な前方移動を生じさせるように、探査装置の後方に向かって面している。
【0025】
圧縮空気の供給を止めて可撓性パイプ上で引っ張ることにより、探査装置の戻り経路上にゲルまたはフォームが放出される。ゲルまたはフォームの供給パイプは空であるため、この用途は、全体の重量が前方移動経路でとても軽いことを意味している。従って、探査装置の重量は、探査装置が前方移動経路にある間、散布すべき物質の重量によって不利になることはない。
【0026】
図3は、本発明による探査装置の可動ヘッド2及び探査装置の端部における組み立て体の断面図を示している。図3は可動ヘッド2を示し、前方取付けリング7は、可動ヘッド2に同軸状に固定されたねじ山のついた取り付けロッド8にナット5によって固定されている。従って、可動ヘッド2は、リブ13の束の前方に配置されている。
【0027】
探査装置の推進力及び配向は、後方に向いた少なくとも2つの推進オリフィス21及び22によって得られ、図1及び2において示されるカニューレ6及び可撓性パイプ1の内部に連通する中央オリフィス20を通って圧縮空気が到達する。第1のオリフィス21が探査装置の軸と平行ならば、第2のオリフィス22はやや外側、好ましくは探査装置の長手方向軸から10°傾いている。このずれは、可動ヘッド2の回転により、パイプの内部で可動ヘッド2が誘導され得ることを意味している。
【0028】
滑らかなカニューレ6により、単なるリブの束が存在することによる探査すべきパイプまたはダクトに沿った摩擦が低減し、これにより、ステンレススチール製の可撓性パイプ1が使用可能となることを補償する手段を提供する。これは、特に、探査すべきパイプやダクトに多くのエルボがある場合に有効である。ステンレススチール製の可撓性パイプ1を用いると、プラスチック材料でできた他の装置では有害な化学的環境下で、本発明に係る装置を使用することができる。
【0029】
最後に、可動ヘッド2及びカニューレ6は、リブの束を使用することにより中心に位置決めされ、処理装置(ゲルまたはフォームの放出)、探査装置(カメラ)、放射線測定装置、または物理/化学測定装置もまた、探査装置が挿入されるパイプまたはダクトの中心に位置決めされる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による装置の第1実施形態の図である。
【図2】本発明による装置の第2実施形態の図である。
【図3】本発明による装置の可動ヘッドの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動ヘッド(2)が固定される可撓性パイプ(1)を介して外部の制御操作手段及び圧縮ガス供給源に接続された前記可動ヘッド(2)を備え、前記可動ヘッド(2)は、前記可撓性パイプに向けて配向された、推進力用の少なくとも1つの圧縮ガス噴出オリフィス(21,22)を備えているパイプの探査装置において、
前記探査装置は、前記可動ヘッド(2)の周囲に配置されたリブ(3,13)の束を備え、
前記リブの束は、前記探査装置の長手方向軸に対する周囲の最大長さが、探査すべきパイプまたはダクトの直径よりもわずかに小さい所定値と等しくなる容積を画成するように、他の構成部材から広がり出ていることを特徴とする探査装置。
【請求項2】
前記リブ(3,13)の束は、前記探査装置の長手方向軸に対して中心に位置決めされていることを特徴とする、請求項1に記載の探査装置。
【請求項3】
前記可動ヘッド(2)は、前記リブ(3)の束の中央に固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の探査装置。
【請求項4】
前記可動ヘッド(2)は、前記リブ(13)の束の一方の前方端部に固定され、
これらのリブは、後方部分(15)よりも前方部分(14)の方が広がっていることを特徴とする、請求項1に記載の探査装置。
【請求項5】
前記可動ヘッド(2)と溝切りされた前記可撓性パイプ(1)との間に配置された滑らかなカニューレ(6)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の探査装置。
【請求項6】
前記リブの束の内部にカメラを備えることを特徴とする、請求項1に記載の探査装置。
【請求項7】
前記可動ヘッド(2)は2つの噴出オリフィスを備え、
第1のオリフィス(21)は前記探査装置の長手方向軸に平行であると共に、第2のオリフィス(22)は前記長手方向軸から外側に傾いていることを特徴とする、請求項1に記載の探査装置。
【請求項8】
前記リブ(3,13)の束の長さLは、前記束の直径lの1.5倍から2倍に等しいことを特徴とする、請求項1に記載の探査装置。
【請求項9】
前記リブ(3,13)の束は、1つの後方取付けリング(4)及び1つの前方取付けリング(7)によって、前記探査装置を中心に回転自在に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の探査装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動ヘッド(2)が固定される可撓性パイプ(1)を介して外部の制御操作手段及び圧縮ガス供給源に接続された前記可動ヘッド(2)を備え、前記可動ヘッド(2)は、前記可撓性パイプに向けて配向された、推進力用の少なくとも1つの圧縮ガス噴出オリフィス(21,22)を備えているパイプの探査装置において、
前記探査装置は、前記可動ヘッド(2)の周囲に配置されたリブ(3,13)の束を備え、
前記リブの束は、前記探査装置の長手方向軸に対する周囲の最大長さが所定値と等しくなる容積を画成するように、他の構成部材から広がり出ていることを特徴とする探査装置。
【請求項2】
前記リブ(3,13)の束は、前記探査装置の長手方向軸に対して中心に位置決めされていることを特徴とする、請求項1に記載の探査装置。
【請求項3】
前記可動ヘッド(2)は、前記リブ(3)の束の中央に固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の探査装置。
【請求項4】
前記可動ヘッド(2)は、前記リブ(13)の束の一方の前方端部に固定され、
これらのリブは、後方部分(15)よりも前方部分(14)の方が広がっていることを特徴とする、請求項1に記載の探査装置。
【請求項5】
前記可動ヘッド(2)と溝切りされた前記可撓性パイプ(1)との間に配置された滑らかなカニューレ(6)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の探査装置。
【請求項6】
前記リブの束の内部にカメラを備えることを特徴とする、請求項1に記載の探査装置。
【請求項7】
前記可動ヘッド(2)は2つの噴出オリフィスを備え、
第1のオリフィス(21)は前記探査装置の長手方向軸に平行であると共に、第2のオリフィス(22)は前記長手方向軸から外側に傾いていることを特徴とする、請求項1に記載の探査装置。
【請求項8】
前記リブ(3,13)の束の長さLは、前記束の直径lの1.5倍から2倍に等しいことを特徴とする、請求項1に記載の探査装置。
【請求項9】
前記リブ(3,13)の束は、1つの後方取付けリング(4)及び1つの前方取付けリング(7)によって、前記探査装置を中心に回転自在に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の探査装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2006−527826(P2006−527826A)
【公表日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516349(P2006−516349)
【出願日】平成16年6月14日(2004.6.14)
【国際出願番号】PCT/FR2004/050275
【国際公開番号】WO2004/113782
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(500348697)コミッサリア ア レネルジー アトミーク (21)
【氏名又は名称原語表記】COMMISSARIAT A L´ENERGIE ATOMIQUE
【出願人】(505302317)コンパニー・ジェネラル・デ・マティエール・ニュークレエール (8)
【氏名又は名称原語表記】COMPAGNIE GENERALE DES MATIERES NUCLEAIRES
【住所又は居所原語表記】2 rue Paul Dautier, 78140 Velizy Villacoublay, France