説明

中空糸膜モジュールの製造方法および中空糸膜束の開繊装置

【課題】中空糸膜の偏りが少なく、樹脂固定部においてリークが発生することがない中空糸膜モジュールの製造方法、および中空糸膜束を開繊して、中空糸膜の偏りをなくす中空糸膜束の開繊装置を提供する。
【解決手段】中空糸膜を集束した中空糸膜束32をケース内に収納し、中空糸膜束32を固定用樹脂によってケース内に固定する中空糸膜モジュールの製造方法において、中空糸膜束32をケース内に収納する前に、中空糸膜束32にコロナ放電により処理された気体を吹き付ける中空糸膜モジュールの製造方法;および、中空糸膜を収束した中空糸膜束32を搬送する搬送手段(巻取装置51)と、気体をコロナ放電により処理する気体処理手段と、搬送中の中空糸膜束32にコロナ放電により処理された気体を吹き付ける気体噴出手段(ノズル54)とを具備する中空糸膜束の開繊装置50。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空糸膜モジュールの製造方法および中空糸膜束の開繊方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、中空糸膜モジュールは、無菌水、飲料水、高度純水の製造、空気の浄化等の数多くの用途で使用されている。
中空糸膜モジュールとしては、図10に示すような、円筒状のケース11と、ケース11内に収納された、複数の中空糸膜12を円柱状に集束した中空糸膜束13と、中空糸膜束13の端部をケース11内に固定する樹脂固定部14とから概略構成される中空糸膜モジュール10がある。
【0003】
このような中空糸膜モジュールは、中空糸膜12を集束した中空糸膜束13をケース11内に収納し、ケース11の端部に液状の固定用樹脂を流し込み、固定用樹脂を固化させて樹脂固定部14とした後、中空糸膜束13の端部を、ケース11および樹脂固定部14ごと切断して、中空糸膜12の端部を開口させることによって製造される。
この中空糸膜モジュールにおいては、例えば水の濾過処理の場合、中空糸膜12を透過する前の原水と中空糸膜12を透過した浄水とが混ざり合わないように、原水側と浄水側とを樹脂固定部14によって液密に仕切る必要がある。そのため、中空糸膜モジュールの製造の際には、中空糸膜束13の端部における各中空糸膜12間に、液状の固定用樹脂をいかにして均一に流し込むかが重要となる。
【0004】
特公昭56−53405号公報、特公平2−37791号公報には、ケース内に収納された中空糸膜束の端部に気体を吹き付けて中空糸膜を分散させた後に、固定用樹脂を充填する方法が開示されている。
しかしながら、ケース内に収納された中空糸膜束は、ケースによって規制されており、また、中空糸膜束の端部に吹き付けられた気体は、ケースの外側から内側へと吹き抜けることなく、中空糸膜束の端面にしか当たらない。
【0005】
そのため、中空糸膜束端部の中空糸膜は分散しにくく、部分的な偏りが生じやすかった。そして、中空糸膜が密となった部分に固定用樹脂が流れ込みにくくなり、この固定用樹脂の未含浸部分が原因となって樹脂固定部による仕切りが不十分となる、いわゆるリークの状態が発生する頻度が高かった。
また、吹き付けられた気体が当たらないケース内部の中空糸膜は分散されることなく、偏りが大きくなっている。そのため、中空糸膜モジュールを液体や気体の濾過処理に使用した場合、流体が中空糸膜全体に均一に流れず、濾過性能を十分に発揮させることができなかった。
【0006】
近年、中空糸膜モジュールは、上記の用途に加えて、下水処理場における2次処理、3次処理や、浄化槽における固液分離、産業廃水中のSS(懸濁物質)の固液分離など、高汚濁性水の処理用途に用いられるようになっている。
このような中空糸膜モジュールとしては、図11に示すような、ハウジング21と、複数の中空糸膜22が拘束糸条23によって端部を結束されてシート状に束ねられた中空糸膜束24と、ハウジング21内に開口部から挿入された中空糸膜束24の端部をハウジング21に固定する樹脂固定部25とから概略構成される中空糸膜モジュール20がある。
【0007】
このような中空糸膜モジュール20は、中空糸膜束24の端部をハウジング21の開口部からハウジング21内に挿入し、開口部付近に液状の固定用樹脂を流し込み、これを固化させて樹脂固定部25とし、中空糸膜束24を樹脂固定部25によってハウジング21に固定することにより製造される。
この中空糸膜モジュールにおいても、ハウジング21の内側と外側とを樹脂固定部25によって液密に仕切る必要があることから、その製造の際には、中空糸膜束24の端部における各中空糸膜22間に、液状の固定用樹脂をいかにして均一に流し込むかが重要となる。
【0008】
特開2001−54724号公報には、ハウジングに中空糸膜束を固定用樹脂によって固定する前に、ハウジングの開口部付近の中空糸膜束に、気体を吹き付けて中空糸膜を分散させた後に、固定用樹脂を充填する方法が開示されている。
しかしながら、中空糸膜束の端部に単に気体を吹き付けるだけでは、中空糸膜同士の絡みが発生し、中空糸膜束の端部に粗密が生じることがあった。そのため、中空糸膜が密となった部分に固定用樹脂が流れ込みにくくなり、この固定用樹脂の未含浸部分が原因となってリークの状態が発生することがまれにあった。
【特許文献1】特公昭56−53405号公報(第3−5頁、第7図)
【特許文献2】特公平2−37791号公報(第2−4頁、第1図)
【特許文献3】特開2001−226496号公報(第3−7頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
よって、本発明の目的は、中空糸膜の偏りが少なく、樹脂固定部においてリークが発生することがない中空糸膜モジュールの製造方法、および中空糸膜束を開繊して、中空糸膜の偏りをなくす中空糸膜束の開繊装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法は、中空糸膜を集束した中空糸膜束をケース内に収納し、中空糸膜束を固定用樹脂によってケース内に固定する中空糸膜モジュールの製造方法において、中空糸膜束をケース内に収納する前に、中空糸膜束にコロナ放電により処理された気体を吹き付けることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法においては、前記中空糸膜束は、帯状の編織物であり、該編織物は、編織物の幅の長さに折り返した中空糸膜の折り返し部分を、編織物の長手方向に延びる拘束糸条にて結束させたものであることが望ましい。
また、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法においては、前記編織物に気体を吹き付けた後にこれを巻回してロールとし、このロールを有底円筒状のケース内に収納することが望ましい。
【0012】
また、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法は、中空糸膜を収束した中空糸膜束の端部をハウジングの開口部からハウジング内に挿入し、開口部付近の中空糸膜束を固定用樹脂によってハウジングに固定する中空糸膜モジュールの製造方法において、ハウジングに中空糸膜束を固定用樹脂によって固定する前に、ハウジングの開口部付近の中空糸膜束に、コロナ放電により処理された気体を吹き付けることを特徴とする。
また、本発明の中空糸膜束の開繊装置は、中空糸膜を収束した中空糸膜束を搬送する搬送手段と、気体をコロナ放電により処理する気体処理手段と、搬送中の中空糸膜束に、コロナ放電により処理された気体を吹き付ける気体噴出手段とを具備することを特徴とするものである。
前記気体噴出手段は、先端に複数の吹き出し口がノズルの幅方向に直線状に整列して設けられたフラットノズルであり、その幅方向が中空糸膜束の幅方向と平行になるように設置されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法は、中空糸膜を集束した中空糸膜束をケース内に収納し、中空糸膜束を固定用樹脂によってケース内に固定する中空糸膜モジュールの製造方法において、中空糸膜束をケース内に収納する前に、中空糸膜束に気体を吹き付ける方法であるので、中空糸膜の偏りが少なく、樹脂固定部においてリークが発生することがない中空糸膜モジュールを得ることができる。
【0014】
また、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法において、前記中空糸膜束が、帯状の編織物であり、該編織物が、編織物の幅の長さに折り返した中空糸膜の折り返し部分を、編織物の長手方向に延びる拘束糸条にて結束させたものであれば、中空糸膜を均一に整列させ、かつその状態を保持することができる。
また、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法において、前記編織物に気体を吹き付けた後にこれを巻回してロールとし、このロールを有底円筒状のケース内に収納するようにすれば、中空糸膜が均一にかつ高密度に整列された中空糸膜モジュールを容易に製造することができる。
また、中空糸膜束に吹き付ける気体が、コロナ放電により処理された気体であれば、中空糸膜の偏りをさらに少なくすることができる。
【0015】
また、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法は、中空糸膜を収束した中空糸膜束の端部をハウジングの開口部からハウジング内に挿入し、開口部付近の中空糸膜束を固定用樹脂によってハウジングに固定する中空糸膜モジュールの製造方法において、ハウジングに中空糸膜束を固定用樹脂によって固定する前に、ハウジングの開口部付近の中空糸膜束に、コロナ放電により処理された気体を吹き付ける方法であるので、樹脂固定部においてリークが発生することがない中空糸膜モジュールを得ることができる。
【0016】
また、本発明の中空糸膜束の開繊装置は、中空糸膜を収束した中空糸膜束を搬送する搬送手段と、気体をコロナ放電により処理する気体処理手段と、搬送中の中空糸膜束に、コロナ放電により処理された気体を吹き付ける気体噴出手段とを具備するものであるので、容易に、中空糸膜束を開繊して、中空糸膜の偏りをなくすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明について詳細に説明する。
(形態例1)
図1は、本発明の製造方法によって製造される中空糸膜モジュールの一例を示す断面図である。この中空糸膜モジュール30は、円筒状のケース31と、ケース31内に収納された、中空糸膜束32からなるロール33と、ロール33の端部をケース31内に固定する樹脂固定部34とから概略構成されるものである。ここで、ロール33は、複数の中空糸膜35をU字状に折り曲げ、折り曲げ部分を拘束糸条36によって結束した帯状の中空糸膜束32が、ストロー37を中心に巻き回された状態にあるものである。
【0018】
ケース31の材質としては、機械的強度および耐久性を有するものであればよく、例えばポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリオレフィン、PVC(ポリ塩化ビニル)、アクリル樹脂、ABS樹脂、変成PPE(ポリフェニレンエーテル)等を用いることができる。
【0019】
中空糸膜35としては、種々のものが使用でき、例えばセルロース系、ポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)系、ポリスルフォン系など、各種材科からなる中空糸膜が使用できる。中でも、ポリエチレン等の強伸度の高い材質からなる中空糸膜を用いることが好ましい。
なお、濾過膜として使用可能な中空糸膜であれば、その孔径、空孔率、膜厚、外径等は、特に限定されるものではないが、例えば、その外径は20〜2000μm、孔径は0.01〜1μm、空径率は20〜90%、膜厚は5〜300μmの範囲とされる。
【0020】
拘束糸条36は、図1に示されるように所定の位置でチェーンステッチ(鎖編み)により各中空糸膜35を結束するものである。拘束糸条36を構成する繊維の種類としては、ポリエステル繊維など耐水性を有する合成繊維製のマルチフィラメント糸や紡績糸を用いることができ、使用条件などにより適宜選択することが望ましい。糸条の最適な本数は、特に限定はされないが、例えば、2〜5本の範囲内とされる。
【0021】
この中空糸膜モジュール30は、以下のようにして製造される。
まず、図2に示すような、帯状の中空糸膜束32(編織物)を作製する。この中空糸膜束32は、いわゆるラッセル編みにより作製されるものであり、複数の中空糸膜35を、中空糸膜束32の幅の長さに複数回折り返し、この折り返し部分を、中空糸膜束32の長手方向に延びるチェーンステッチの拘束糸条36にて結束させたものである。
【0022】
次いで、この中空糸膜束32に気体を吹き付け、中空糸膜束32を解すことにより、各中空糸膜35を均一に分散させる(以下、この作業を開繊ともいう)。
中空糸膜束32を開繊した後、これを、ストロー37を中心にして巻き回して図3に示すような中空糸膜束32からなるロール33とする。このロール33を、図4に示すように、底部に放射状に延びる複数の溝が形成された有底筒状のケース31に収納する。次いで、底部から樹脂注入管41が下方に延び、内部に液状の固定用樹脂42が充填された、有底円筒状の樹脂ポット40を、樹脂注入管41がストロー37に挿入されるようにして、ロール33上に配置する。
【0023】
次いで、ケース31内にロール33が収納され、ロール33上に樹脂ポット40が配置されたものを、遠心機(図示略)にセットし、遠心力によって樹脂ポット40中の固定用樹脂42を、ストロー37を通してケース31の底部に注入し、ケース31とロール33との間、そして各中空糸膜35間に流し込んで行き渡らせる。
固定用樹脂42を固化させて樹脂固定部34とした後、ロール33の底部側を、ケース31および樹脂固定部34ごと切断して、中空糸膜35の端部を開口させることにより、図1に示す中空糸膜モジュール30が製造される。
【0024】
上述した中空糸膜束32の開繊は、具体的には、図5および図6に示すような開繊装置50を用いて行われる。この開繊装置50は、中空糸膜束32の先頭を一対のピンガイド(図示略)で把持しつつピンガイドを回転させて、ストロー37を中心にして中空糸膜束32を巻き取る巻取装置51(搬送手段)と、供給された中空糸膜束32を巻取装置51へと導くガイドローラ52と、ガイドローラ52との間で中空糸膜束32を挟み込む押さえローラ53と、気体を供給する気体供給手段(図示略)と、気体をコロナ放電によって処理する気体処理手段(図示略)と、巻取装置51へと搬送される中空糸膜束32に、コロナ放電によって処理された気体を吹き付けるノズル54(気体噴出手段)とから概略構成されるものである。
【0025】
気体処理手段としては、例えば、電極針に交流高電圧を印加して電極針にコロナ放電させ、電極針からプラスイオン、マイナスイオンを交互に発生させる除電器などが使用できる。気体供給手段としては、例えば、エアーコンプレッサなどが使用できる。
【0026】
ノズル54は、先端に複数の吹き出し口が、ノズルの幅方向に直線状に整列して設けられたフラットノズルであり、その幅方向が中空糸膜束32の幅方向と平行になるように設置されている。
ノズル54の吹き出し口の内径は0.1mm〜5mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは、0.5mm〜2mmの範囲である。内径が0.1mm未満では、中空糸膜35の間隙を気体が通過してしまうために開繊効果は著しく低下するおそれがある。一方、内径が5mmを超えると、気体の圧力に関わらず、複数本の中空糸膜35に同時に気体が吹き付けられてしまうため、中空糸膜束32を開繊するには至らないおそれがある。前述の寸法範囲であれば中空糸膜35の間に気体が入り込み、従って極めて良好な開繊効果を発現することができる。
【0027】
ノズル54の位置は、その先端が中空糸膜束32に接触しない範囲で中空糸膜束32の近傍に配置されることが好ましく、ノズル54と中空糸膜束32との間の距離は、例えば、100mm以下とされ、好ましくは5〜50mmの範囲である。ノズル54の位置が中空糸膜束32から離れすぎると、ノズル54の吹き出し口の内径を前述の範囲としても、複数本の中空糸膜35に同時に気体が吹き付けられてしまい、中空糸膜束32を開繊するには至らないおそれがある。
【0028】
中空糸膜束32とノズル54との相対的な移動速度は、好ましくは1〜30m/minである。移動速度が1m/min未満では中空糸膜モジュールの生産性が著しく低下し、一方、30m/minを超えると、中空糸膜束32の開繊効果が低下する傾向となる。
中空糸膜束32に吹き付ける気体は、中空糸膜束32の平面に対して10〜80゜の角度で、かつ中空糸膜束32の搬送方向と同じ方向にノズル54より噴出させることが好ましい。中空糸膜束32に吹き付ける気体の角度が中空糸膜束32の平面に対して10゜未満では、気体が中空糸膜束32の外表面のみを通過してしまうために開繊効果が著しく低下するおそれがあり、一方、80゜を超えると、中空糸膜35の間隙を気体が通過してしまうために開繊効果は著しく低下するおそれがある。また、中空糸膜束32の搬送方向とは逆の方向にノズル54から気体を噴出させると、中空糸膜束32の搬送の妨げとなるおそれがある。
【0029】
中空糸膜束32に吹き付けられる気体の圧力は、中空糸膜束の表面において0.01〜0.5MPaの範囲であることが好ましく、より好ましくは、0.05〜0.2MPaの範囲である。気体の圧力が0.01MPa未満では、圧力が低すぎるため中空糸膜束32を開繊するには至らないおそれがある。一方、気体の圧力が0.5MPaを超えると、中空糸膜35が交絡するおそれが高くなるため好ましくない。前述の圧力範囲による気体供給によって、中空糸膜束32の良好な開繊効果が発現される。
【0030】
また、中空糸膜束32に吹き付けられる気体の流量は、0.1〜200L/minの範囲であることが好ましい。気体の流量が0.1L/min未満では、流量が少なすぎるため中空糸膜束32を開繊するには至らないおそれがある。一方、気体の流量が200L/minを超えると、中空糸膜35が交絡するおそれが高くなるため好ましくない。
【0031】
上述の固定用樹脂42としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン系充填材、各種ホットメルト樹脂等を用いることができ、適宜選定することが可能である。また、固化前の固定用樹脂42の粘度も、特に限定はされないが、500〜3000mPa・sが好ましい。固定用樹脂42の粘度が500mPa・s未満では、固定用樹脂42が中空糸膜35の外表面にて毛管現象による吸い上げが大きくなるおそれがある。固定用樹脂42の粘度が3000mPa・sを超えると、各中空糸膜35間に固定用樹脂42を行き渡らせることが困難となるので好ましくない。
【0032】
以上説明した中空糸膜モジュール30の製造方法にあっては、中空糸膜束32をロール33にしてケース31内に収納する前に、中空糸膜束32に気体を吹き付けているので、中空糸膜束32が開繊され、中空糸膜35が均一に分散される。これにより、固定用樹脂42が各中空糸膜35の間に行き渡り、固定用樹脂42を固化させた樹脂固定部34においてリークが発生することがない。また、製造された中空糸膜モジュール30を液体や気体の濾過処理に使用した場合、流体が中空糸膜35全体に均一に流れ、濾過性能を十分に発揮させることができる。
【0033】
また、中空糸膜束32に吹き付ける気体が、コロナ放電により処理されているので、この気体に含まれるプラスイオンまたはマイナスイオンによって中空糸膜35表面の静電気が中和され、中空糸膜35同士が交絡することがない。これにより、固定用樹脂42が各中空糸膜35の間にさらに行き渡り易くなる。また、製造された中空糸膜モジュール30を液体や気体の濾過処理に使用した場合、流体が中空糸膜35全体により均一に流れ、濾過性能を安定化させることができる。
【0034】
また、中空糸膜束32が、その幅の長さに折り返した中空糸膜35の折り返し部分を、中空糸膜束32の長手方向に延びる拘束糸条36にて結束させたものであるので、中空糸膜35を均一に整列させ、かつその状態を保持することができる。これにより、固定用樹脂42が各中空糸膜35の間にさらに行き渡り易くなる。また、製造された中空糸膜モジュール30を液体や気体の濾過処理に使用した場合、流体が中空糸膜35全体により均一に流れ、濾過性能をさらに安定化させることができる。
また、中空糸膜束32を巻回してロール33とし、このロール33をケース31内に収納しているので、中空糸膜35が均一にかつ高密度に整列された中空糸膜モジュール30を容易に製造することができる。
【0035】
なお、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法は、図1に示す中空糸膜モジュール30の製造に限定されるものではなく、例えば、図10に示すような、中空糸膜束13の両端が樹脂固定部14にてケース11に固定された中空糸膜モジュール10の製造にも適用可能である。
【0036】
また、上述の開繊装置におけるノズルの形状は、図示例のような複数の吹き出し口を有するものに限定はされず、単管のノズルを用いても構わない。ただし、中空糸膜束32へ吹き付けられる気体の圧力および量は、中空糸膜束32表面全体において均一になることが好ましいことから、複数の吹き出し口を直線状に整列させたノズル、または複数の吹き出し口を円周状に配列させたノズルが好ましい。
また、ノズルの数も特に限定はされず、中空糸膜束32の搬送方向に図示したようなフラットノズルを複数配置しても構わない。
【0037】
ノズル54から噴出される気体の種類については、特に限定されるものではなく、中空糸膜35に対して悪影響を与えないものであれば適宜使用可能であるが、水分、ゴミ、油分が除去された気体が好ましい。
また、図示例では、搬送中の中空糸膜束32に対し、固定されたノズル54から空気を吹き付けているが、この形態には限定されず、中空糸膜束32またはノズル54のいずれか一方を移動させればよい。
また、開繊装置における搬送手段は、図示例の巻取装置51に限定はされず、単なる巻き取りローラなどを用いても構わない。
【0038】
(形態例2)
図7は、本発明の製造方法によって製造される中空糸膜モジュールの他の例を示す斜視図である。この中空糸膜モジュール60は、ハウジング61と、複数の中空糸膜62が拘束糸条63によってシート状に束ねられた中空糸膜束64と、中空糸膜束64の端部を、中空糸膜62端部の開口状態を保ったままハウジング61に固定する樹脂固定部65とから概略構成される。
【0039】
ハウジング61は、図8に示すように、内部に内部路66が形成された断面U字形の筒状体である。ハウジング61の少なくとも一端には、内部路66に連通し、外部に開口した配管67が設けられている。
また、ハウジング61の側面には、中空糸膜束64の端部を内部路66に収納するための挿入口となるスリット状の開口部68が形成され、この開口部68の周囲を囲むように、液状の固定用樹脂の垂れ防止のための堰69がハウジング61と一体になって形成されている。そして、この堰69に囲まれた部分が、固定用樹脂を注入するための樹脂注入部70となっている。
【0040】
ハウジング61の材質としては、機械的強度および耐久性を有するものであればよく、例えばポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリオレフィン、PVC(ポリ塩化ビニル)、アクリル樹脂、ABS樹脂、変成PPE(ポリフェニレンエーテル)等を用いることができる。
中空糸膜62としては、上述の中空糸膜35と同じものを用いることができる。
拘束糸条63は、所定の位置でチェーンステッチにより各中空糸膜62を結束するものである。拘束糸条63を構成する繊維としては、上述の拘束糸条36と同じものを用いることができる。
【0041】
中空糸膜束64としては、中空糸膜62を単にひき揃えたものでもよいが、中空糸膜64を緯糸として用いて編み地としたもの、すなわち図2に示すようなラッセル編みの中空糸膜束、またはこの編み地を数枚積層して積層体としたものが、中空糸膜モジュール60の加工性の面から好適である。
ここでいう編み地を複数枚積層した中空糸膜束には、編み地を切断せずに適当な長さに折り畳み重ねたものも包含される。編み地の積層(折り畳み)枚数は、編み地の厚さ、すなわち中空糸膜62の太さや編み地を編成する際の中空糸膜62の合糸本数によっても変化するが、通常は5枚程度までがよい。
【0042】
次に、中空糸膜モジュール60の製造方法について説明する。
まず、複数の中空糸膜62を拘束糸条63によってシート状に束ねて、中空糸膜束64を作製する。この際、拘束糸条63は、中空糸膜束64をハウジング61の開口部68に挿入した際、開口部68の開口端部から開口部68外方2〜20mmに位置するように、かつ開口部68に対して略平行になるように、中空糸膜束64に設けられる。また、中空糸膜束64を構成している各中空糸膜62の端部をあらかじめカットして開口させておく。
【0043】
次いで、中空糸膜束64の端部を、ハウジング61の開口部68から中空糸膜62の開口端部がハウジング61の内部路66に位置するように挿入する。
中空糸膜束64の端部をハウジング61内に収納した後、図9に示すように、ハウジング61の開口部68付近の樹脂注入部70の中空糸膜62に、コンプレッサー等に接続されたノズル71から気体を吹き付け、中空糸膜束64を解すことにより、各中空糸膜62を均一に分散させる(以下、この作業を開繊ともいう)。気体の吹き付けは、ノズル71をハウジング61の開口部68のスリット長手方向に移動させながら行い、中空糸膜束64のすべての中空糸膜62に気体を吹き付ける。
【0044】
次いで、中空糸膜62の端部の開口状態を保ったまま、液状の固定用樹脂をハウジング61の外側から樹脂注入部70および開口部68に充填し、これを固化させて樹脂固定部65とし、中空糸膜束64をハウジング61に固定することにより、図7に示す中空糸膜モジュール60が製造される。
【0045】
中空糸膜束64の端部の開繊に使用されるノズル71は、中空の円筒形状のものであり、噴出する気体が広範囲に散乱しないように先端が細くされた先端構造であることが好ましい。また、その材質には限定はない。
ノズル71の寸法は、後述する気体の圧力により適宜決定することが可能である。
【0046】
ノズル71の吹き出し口の内径は0.1mm〜5mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは、0.5mm〜2mmの範囲である。内径が0.1mm未満では、中空糸膜62の間隙を気体が通過してしまうために開繊効果は著しく低下するおそれがある。一方、内径が5mmを超えると、気体の圧力に関わらず、複数本の中空糸膜62に同時に気体が吹き付けられてしまうため、各々の中空糸膜束64を開繊するには至らないおそれがある。前述の寸法範囲であれば中空糸膜62の間に気体が入り込み、従って極めて良好な開繊効果を発現することができる。
【0047】
ノズル71の位置は、その先端が中空糸膜束64に接触しない範囲で中空糸膜束64の近傍に配置されることが好ましく、ノズル71と中空糸膜束64との間の距離は、例えば、5mm以下とされ、好ましくは0.1〜2.0mmの範囲である。ノズル71の位置が中空糸膜束64から離れすぎると、ノズル71の内径を前述の範囲としても、複数本の中空糸膜62に同時に気体が吹き付けられてしまい、中空糸膜束64を開繊するには至らないおそれがある。
【0048】
ノズル71の移動速度は、好ましくは0.1〜5.0m/minであり、より好ましくは0.5〜2.0m/minである。ノズル71の移動速度が0.1m/min未満では中空糸膜モジュールの生産性が著しく低下し、一方、5.0m/minを超えると、中空糸膜束64の開繊効果が低下する傾向となる。
【0049】
ノズル71から供給される気体は、気体処理手段(図示略)においてコロナ放電により処理された気体である。気体処理手段としては、例えば、電極針に交流高電圧を印加して電極針にコロナ放電させ、電極針からプラスイオン、マイナスイオンを交互に発生させる除電器などが使用できる
気体の種類は、特に限定されるものではなく、中空糸膜62に対して悪影響を与えぬものであれば適宜使用可能であるが、水分、ゴミ、油分が除去された気体が好ましい。
コンプレッサー等からノズル71に送られる気体の圧力は、前述のノズルの配置位置や直径によって適宜決定することが好ましい。
【0050】
中空糸膜束64に吹き付けられる気体の圧力は、中空糸膜束の表面において0.01〜0.5MPaの範囲であることが好ましく、より好ましくは、0.2〜0.4MPaの範囲である。気体の圧力が0.01MPa未満では、圧力が低すぎるため中空糸膜束64を開繊するには至らないおそれがある。一方、気体の圧力が0.5MPaを超えると、中空糸膜62が気体圧力により押し倒されることによる折れ曲がりの危険性が高くなるため好ましくない。前述の圧力範囲による気体供給によって、中空糸膜束64の良好な開繊効果が発現される。
【0051】
また、中空糸膜束64に吹き付けられる気体の流量は、0.1〜350L/minの範囲であることが好ましく、より好ましくは、10〜125L/minの範囲であり、さらに好ましくは、10〜40L/minの範囲である。気体の流量が0.1L/min未満では、流量が少なすぎるため中空糸膜束64を開繊するには至らないおそれがある。一方、気体の流量が350L/minを超えると、中空糸膜62が気体により押し倒されることによる折れ曲がりの危険性が高くなるため好ましくない。
【0052】
拘束糸条63は、中空糸膜62を解れやすくし、極めて良好な開繊効果を発現させるためのものである。また、拘束糸条63は、樹脂注入部70へ注入した液状の固定用樹脂の這い上がりを堰き止める効果を有し、かつ、固定用樹脂の這い上がりによる硬化部と中空糸膜62との界面を柔軟構造状に把持することにより、応力を分散吸収し、中空糸膜62の損傷を抑制する効果を有する。
【0053】
固定用樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン系充填材、各種ホットメルト樹脂等を用いることができ、適宜選定することが可能である。また、固化前の固定用樹脂の粘度も、特に限定はされないが、500〜5000mPa・sが好ましく、より好ましくは2000〜3000mPa・sの範囲である。固定用樹脂の粘度が500mPa・s未満では、固定用樹脂が中空糸膜62の開口端部まで流動し、該開口端部を閉塞する原因となるおそれがある。固定用樹脂の粘度が5000mPa・sを超えると、中空糸膜62間に含浸することが困難となるので好ましくない。
【0054】
以上説明した中空糸膜モジュール60の製造方法にあっては、中空糸膜束64に吹き付ける気体が、コロナ放電により処理されているので、この気体に含まれるプラスイオンまたはマイナスイオンによって中空糸膜62表面の静電気が中和され、中空糸膜62同士が交絡することがなく、中空糸膜62が均一に分散される。これにより、固定用樹脂が各中空糸膜62の間に行き渡り、固定用樹脂を固化させた樹脂固定部65においてリークが発生することがない。
【0055】
なお、図示例の中空糸膜モジュール60の製造方法では、あらかじめ中空糸膜62の端部をカットして開口し、中空糸膜62の端部の開口状態を保ったまま固定用樹脂を注入しているが、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法はこれに限定されるものではない。例えば、中空糸膜62の端部をあらかじめカットしていない中空糸膜束64の端部をハウジング61内に挿入し、ハウジング61の樹脂注入部70近傍の中空糸膜束64に気体を吹き付けた後、中空糸膜62の端部をすべて覆うようにハウジング61の内部路66まで固定用樹脂を注入し、これが固化した後、内部路66内の樹脂固定部を中空糸膜62の端部と一緒にカットし、中空糸膜62端部を開口させる方法などが挙げられる。
【実施例】
【0056】
以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。
(実施例1)
図1に示すような、中空糸膜モジュールを以下のようにして製造した。
まず、三菱レイヨン(株)製のポリエチレン製中空糸膜(分画性能0.1μm、外径380μm)を5000本まとめた糸束を、65mmの長さで折り返しながら、その両側の折り返し部分を、ポリエステルフィラメント糸を用いたチェーンステッチにて結束させ、帯状の中空糸膜束とした。
【0057】
この中空糸膜束を、図5に示すような開繊装置内において5m/minの速度で搬送しながら、中空糸膜束の表面から先端が10mmの距離となり、中空糸膜束の平面に対して30゜の角度となるように設置されたノズルから、気体処理手段にてコロナ放電により処理された空気を、中空糸膜束の表面における圧力が0.1MPaとなるように、中空糸膜束表面に吹き付けた。ここで、ノズルとしては、内径0.8mmの吹き出し口を16個、3mm間隔で直線状に整列させたアルミニウム製のフラットノズル(スプレーイングシステムズジャパン(株)製)を用いた。また、気体処理手段としては、1本の電極針に交流高電圧(±0.7kV)を印加して電極針にコロナ放電させ、電極針からプラスイオン、マイナスイオンを交互に発生させる方式の除電器((株)キーエンス製、スポットタイプ除電器)を用いた。
【0058】
開繊後の中空糸膜束は、中空糸膜同士が交絡せず、各中空糸膜が離間するような状態でほぼ均一に分散されていた。また、中空糸膜束の平均帯電量を静電気センサ((株)キーエンス製)を用いて測定したところ、−0.2〜0kVであり、中空糸膜束表面は電気的にほぼ中和され、静電気はほぼ除去されていた。
次いで、この中空糸膜束を、中心にストローを配置した状態で巻取装置にて巻き取り、直径約38mmの中空糸膜束のロールを作製した。このロールを、中空糸膜束の側部がケースの底部に位置するように、有底円筒状のケース内に収納した。ここで、有底円筒状のケースとしては、内径40mm、高さ70mm、筒部の肉厚2mmのABS樹脂製の成形品を用いた。
【0059】
次いで、液状の固定用樹脂を、ストローを通して遠心力にてケースの底部に注入し、各中空糸膜間、およびロールとケースとの間に流し込み、行き渡らせた。ここで、固定用樹脂としては、粘度1500mPa・sのポリウレタン樹脂を用いた。
固定用樹脂を固化させた後、ケースの底部側端部から10mmの位置でケースの軸に直交して中空糸膜束をケースおよび樹脂固定部ごと切断し、中空糸膜の端部を開口させた。
このようにして得られた中空糸膜モジュールにおいては、固定用樹脂の充填不良による樹脂固定部におけるリークの発生はなかった。また、中空糸膜は、それら間に適度な隙間が形成された状態でケースに固定されており、中空糸膜モジュールは、良好な濾過性能を示した。
【0060】
(比較例1)
中空糸膜束に気体を吹き付けない以外は、実施例1と同様にして中空糸膜モジュールを得た。
得られた中空糸膜モジュール200本のうち3本に、樹脂固定部におけるリークが発生した。これらリーク品の樹脂固定部の切断面を観察したところ、中空糸膜の分布に粗密が生じており、密の部分における、中空糸膜同士が強く接触している部分においてリークが発生していることが特定された。
また、リークが発生していない中空糸膜モジュールについて、濾過試験を行ったところ、100本のうち1本に、比較的早期に濾過性能に不具合が生じた。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の製造方法によって得られる中空糸膜モジュールの一例を示す断面図である。
【図2】中空糸膜束の一例を示す正面図である。
【図3】図2の中空糸膜束を巻き回したロール体である。
【図4】中空糸膜モジュールの製造の一工程を示す断面図である。
【図5】本発明の中空糸膜束の開繊装置の一例を示す概略図である。
【図6】中空糸膜束にノズルから気体を吹き付ける様子を示す斜視図である。
【図7】本発明の製造方法によって得られる中空糸膜モジュールの他の例を示す断面図である。
【図8】図7の中空糸膜モジュールのハウジング部分の断面図である。
【図9】中空糸膜束にノズルから気体を吹き付ける様子を示す断面図である。
【図10】中空糸膜モジュールの一例を示す断面図である。
【図11】中空糸膜モジュールの他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0062】
30 中空糸膜モジュール
31 ケース
32 中空糸膜束
33 ロール
34 樹脂固定部(固定用樹脂)
35 中空糸膜
36 拘束糸条
42 固定用樹脂
51 巻取装置(搬送手段)
54 ノズル(気体噴出手段)
60 中空糸膜モジュール
61 ハウジング
62 中空糸膜
64 中空糸膜束
65 樹脂固定部(固定用樹脂)
68 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空糸膜を集束した中空糸膜束をケース内に収納し、中空糸膜束を固定用樹脂によってケース内に固定する中空糸膜モジュールの製造方法において、
中空糸膜束をケース内に収納する前に、中空糸膜束にコロナ放電により処理された気体を吹き付けることを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
【請求項2】
前記中空糸膜束が、帯状の編織物であり、
該編織物は、編織物の幅の長さに折り返した中空糸膜の折り返し部分を、編織物の長手方向に延びる拘束糸条にて結束させたものであることを特徴とする請求項1記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
【請求項3】
前記編織物に気体を吹き付けた後にこれを巻回してロールとし、このロールを有底円筒状のケース内に収納することを特徴とする請求項2記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
【請求項4】
中空糸膜を収束した中空糸膜束の端部をハウジングの開口部からハウジング内に挿入し、開口部付近の中空糸膜束を固定用樹脂によってハウジングに固定する中空糸膜モジュールの製造方法において、
ハウジングに中空糸膜束を固定用樹脂によって固定する前に、ハウジングの開口部付近の中空糸膜束に、コロナ放電により処理された気体を吹き付けることを特徴とする中空糸膜モジュールの製造方法。
【請求項5】
中空糸膜を収束した中空糸膜束を搬送する搬送手段と、
気体をコロナ放電により処理する気体処理手段と、
搬送中の中空糸膜束に、コロナ放電により処理された気体を吹き付ける気体噴出手段とを具備することを特徴とする中空糸膜束の開繊装置。
【請求項6】
前記気体噴出手段が、先端に複数の吹き出し口がノズルの幅方向に直線状に整列して設けられたフラットノズルであり、その幅方向が中空糸膜束の幅方向と平行になるように設置されていることを特徴とする請求項5記載の中空糸膜束の開繊装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2008−137005(P2008−137005A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−321783(P2007−321783)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【分割の表示】特願2002−375707(P2002−375707)の分割
【原出願日】平成14年12月26日(2002.12.26)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】