説明

丸編み機における円筒状、環状、板状、円盤状または類似形状のキャリア

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、丸編み機において、編み針、シンカ、カム部品または類似部品を取り付けるための環状、円筒状、板状、円盤状または類似形状のキャリアに関し、より具体的には、気体または流体媒体を移送することを目的とした少なくとも1つの流体通路を備え、流体通路はキャリアの表面に隣接してキャリアに形成された凹部(リセス)からなるキャリアに関する。
【0002】
【従来の技術】多数の編成システムを備え、高速で回転する高性能編み機、特に、径が例えば76.2cm(30インチ)の大径になった大型丸編み機が稼動しているとき、大きな摩擦力が発生し、編みツール(編み針、ジャック、シンカまたは類似部品)がそれらの部品を受け入れるキャリア(ニードル・シリンダ、ダイヤル、シンカ・リングまたは類似部品)、あるいは別のキャリアに固着されてそれらの部品を制御するカム部品に対して相対運動するときがその発生源になっている。これらの摩擦力が発生すると、こすり合う部品同士が急速に摩耗し、丸編み機に必要なエネルギ量が高くなるだけでなく、例えば150o Cに近い温度まで発熱するので、その温度ではそれらの部品を取り扱うことが不可能になり、例えば破損した編み針を交換するといった、必要な修理は事前に特別な安全措置を取っているか、丸編み機が十分に冷えたあとでない限り、不可能である。
【0003】以上に述べたこととは別に、高温で稼動してその動作が乱れる丸編み機では、低温または低速で稼動する編み機では起こらないような、例えばパターン(模様)誤差やループ長さまたはヤーン張力の変化が、丸編み機が室温に最適に調整されているときでも、頻繁に見られる。従って、これらの動作の乱れは温度の影響に起因するので、動作温度を変更すると、丸編み機の機能上の信頼性に好ましくない影響を及ぼすことになる。最後に、丸編み機は、コールド・スタート時でも誤動作する傾向があり、初期時に編み機を低速回転でウォームアップしてから、定格速度に切り替えることが望ましいことが知られている。
【0004】これらの問題を解決する唯一の方法は、潤滑装置または熱交換装置(またはその両方)を使用することであった。これらは、例えばブローまたはスプレイ・ノズルで構成することができる。これらによって、気体熱交換媒体、特に空気、あるいは流体潤滑油、特にオイルが外部または内部から編みツール、そのキャリアおよび/またはカム構造上に吹き付けられるか、スプレーされる。あるいは、キャリアに形成されて、それを通して流体熱交換媒体または潤滑媒体、特に水やオイルが供給される熱交換または潤滑回路で構成することができる。本出願の同一出願人が以前に行なった提案において、熱交換に流体熱交換媒体用として少なくとも2つの回路を設けることがすでに示唆されている。この提案では、一方の回路はキャリアに関連づけられ、他方の回路はカム構造に関連づけられている。これにより、キャリアとカム構造の温度がそれぞれの関連回路によって適当な温度になるように制御されている。また、少なくとも一方の回路の熱交換率は、キャリアとカム構造との温度差が丸編み機のあらゆる動作条件の下でほぼ同じに設定されるように制御されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、かかる潤滑装置および/または熱交換装置は技術的にはまだ実現されていない。その主な理由は、特に、キャリアに熱交換または潤滑チャネルを形成することを十分に効果的にすることができない点にある。これらの通路はキャリア内の通路上の凹部に入り込んだホース路からなっており(ドイツ特許公開No.2200154)、十分に満足の行く熱交換が得られない。あるいは、いくつかの側面が開いた通路または穴からなっており(ドイツ特許公開No.1635836)、空気を熱交換媒体として使用する場合にのみ適している。これとは別に、開いた収集通路も知られているが、これは熱交換または潤滑媒体を選択した穴に導き、そこから熱交換または潤滑のために設けられた場所に移送するようになっている(ドイツ特許No.1635931明細書)。しかし、このような収集通路は気密上の問題があるために、またキャリアが必然的に発熱してエネルギ損失が大きくなるために、必ずしも望ましくない。
【0006】これに対して、本発明は本明細書の冒頭に引用した種類のキャリアを提供することを課題としている。つまり、本発明によるキャリアは、簡単な方法で作ることができ、流体通路の気密が単純化され、流体媒体とキャリア間に必要とされる熱交換が良好に行なわれ、追加のホース路または類似物を使用しないで済むようになっている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるキャリアは、この課題を解決するために請求項1の特徴事項に記載された構成になっていることを特徴としている。
【0008】即ちこの発明のキャリアは、流体通路は凹部から形成された閉じた中空空間と、凹部を被覆し、キャリアに対して密閉されたカバーとから構成されており、中空空間は媒体の供給または排出(またはその両方)のための少なくとも1つの接続部に連絡していることを特徴としている。
【0009】本発明によれば、熱交換および/または潤滑媒体通路がキャリア自体に閉じた中空の空隙として形成されているので、直接的に効果的で最適な熱交換が必要時に簡単に得られ、しかも比較的簡単な手段で製造できるという利点が得られる。
【0010】本発明のその他の利点と特徴は請求項2およびそれ以降の請求項に記載されている通りである。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付図面を参照して詳しく説明する。
【0012】図1は丸編み機の中空円筒状のキャリア1を示し、キャリア1は内周面2と外周面3をもつニードル・シリンダの形体になっている。外周面3からランド4が突出し、その間に編みツール5、本実施例では、バット6を備えた公知のラッチ針が摺動可能に装着されている。キャリア1の内周面2は、丸編み機で製造される筒体編物の案内面7がその上側に形成されている(これは公知である)。この案内面7は下から上に向かって、かつ内側から外側に向かって円錐状に斜切されている。図中、符号8はニードル・シリンダの中心軸である。
【0013】本発明によれば、溝または通路の形体になった凹部(リセス)9がニードル・シリンダの内周面2に形成されている。この凹部は、例えば、旋盤またはフライス削り工作によって形成されている。この凹部9は、内周面2の全円周にわたるように形成し、中心軸8に直交する面にほぼ並行になるようにするのが好ましい。これに代わる方法として、凹部9を複数の螺旋状にすることも可能である。
【0014】内周面2に隣接する凹部9の開口側は円筒形または環状カバー10で被覆されており、このカバーはキャリア1に気密状態に取り付けられ、内周面2に当接している。凹部9と外側からそれを閉じたカバー10によって、全面が閉じた環状空隙、つまり、流体通路が形成され、この通路を通して気体または流体媒体が移送される。
【0015】媒体の供給と排出のために、カバー10は、入力管路13と出力管路14のそれぞれのための少なくとも1つの接続部11、12を備えている。キャリア1が所定位置に固定されている場合には、管路13と14も同じように所定位置に固定され、図示していないポンプ、排出パイプなどに直接に接続可能になっている。流体が流れる方向は矢印で示している。しかし、回転可能なニードル・シリンダまたはキャリア1を装備した丸編み機である場合は、管路13と14の自由端側は、キャリア1と一緒に回転するので、回転フィードスルーまたは回転トランスミッション15の回転可能接続部に接続されており、その固定供給管路16と排出管路17は、例えば、媒体用の供給管路と排出管路に接続されている。この種の回転フィードスルー15は、空気で動作する糸くず吹出し装置や冷却装置ですでに使用されているので(ドイツ特許公告No.1113786、ドイツ特許No.3101154明細書)、それ自体公知である。しかし、現在は、例えば、回転機械、印刷機械、製紙産業などで使用されているような回転フィードスルーが最も適しており、その例として、Firm Deublin−Vertriebs GmbH、D6238、Hofheim−Wallau(ドイツ国)から提供されているものがある。回転フィードスルーは、例えば、巻上げ装置の下面の底に配置され、管路13、14はまず半径方向に外側に導かれ、次に編成されたストッキングの外側を通って接続部11、12に達しているので、編成されたストッキングの引出しと巻上げは支障なく行なわれるようになっている。
【0016】丸編み機の動作時に、媒体が最短通路を通って接続部11から接続部12に流れないようにするために、接続部11、12間の凹部9に仕切り18を、カバー10に隣接させて、流れが若干漏れてもよいように設けることが好ましい。
【0017】図2に示す実施例では、環状カム・プレート形体のキャリア21が設けられ、これは、例えば、機械フレーム上の固定位置に取り付けられ、回転可能に装着されたニードル・シリンダ(これは、例えば、図1に示したキャリア1にすることができる)を受け入れる開口22を備えている。変形実施例として、キャリア21を回転可能に取り付け、キャリア1を固定位置に取り付けることも可能である。回転軸は図1と同様に8で示されている。キャリア21には、複数のセグメント23が装着されており、これらはその内側にカム部品24を備えている。カム部品24は、公知のように編みツールのバット6(図1)を制御するためのもので、キャリア21およびセグメント23と共に公知のカム構造25を構成している。
【0018】キャリア21の内周面26には、溝または通路形状の凹部27が例えば旋盤またはフライス削りによって機械加工されている。この凹部27は内周面26の全周にわたって連続し、中心軸8に直交する面にほぼ並行になっていることが好ましい。別の方法として、凹部27を例えば、キャリア21の下面28、外周面または上部周面に設けることも可能である。
【0019】内周面26に隣接する凹部27の開いた側は、円筒形または環状のカバー29によって被覆されており、カバー29は気密にキャリア21に取り付けられ、内周面26に当接している。凹部27と凹部27をその外側で閉じたカバー29によって、全側面が閉じた環状の空隙、つまり、流体通路が形成されている。この流体通路を通して、気体または流体媒体が潤滑および/または熱交換媒体として流れることができる。
【0020】媒体の供給と排出のために、カバー29には、出力管路32と入力管路33のそれぞれのための少なくとも1つの接続部30、31が設けられている。流れの方向は矢印で示されている。図1に示した実施例と同様に、キャリア21が中心軸8を中心に回転可能に装着され、管路32、33がキャリア21と共に回転する場合は、管路32、33に接続された回転フィードスルーを付設することができる。2つの管路32、33の間には、前実施例と同様に、凹部27の下面からカバー29に突出した仕切り34を設けることが好ましい。
【0021】凹部9、27とカバー10、29によって全側面が閉じるように形成された通路は、キャリア1、21との熱交換を目的とした、丸編み機の熱交換装置の回路の構成要素とすることが好ましく、その場合は、熱交換媒体には、例えば水が使用される。
【0022】図1と図2に示した2つの閉回路の制御は、例えば図2に示した構成で行なうことができる。熱交換媒体はポンプ41によってタンク42から吸い上げられて供給管路43に送り込まれる。供給管路43は、どちらの場合も、分岐点44を経て流量を調整する装置45、46に接続されている。流量調整装置45は、例えば、回転フィードスルー15(図1)の供給管路16に接続され、流量調整装置46は入力管路33に接続されている。帰還流は帰還流管路48を通って行なわれる。この帰還流管路は分岐点49を経て出力管路32(図2)と回転フィードスルー15の流出管路17(図1R>1)の両方に接続されている。帰還流はこれらの流出管路を経由してタンク42に戻される。流量調整装置45、46で流量を調整することにより、熱交換媒体の総流量はキャリア1と21間で按分されるので、所望の温度関係が得られる。これに対応して、上述した構成は、潤滑油、例えば、オイルをリング通路となる凹部9または27に供給するために使用することも可能である。そのあと、公知のように、潤滑油をさらにリング通路から潤滑すべき構成要素、編みツールなどに供給することができる。かかる場合には、流出管路は省いても構わない。また、冷却(加熱)装置と上述した種類の潤滑装置を結合することも可能である。最後に、冷却または加熱装置(図示せず)を上述の構成と組み合わせれば、問題の熱交換媒体または潤滑媒体を所望温度に冷却または加熱することが可能である。
【0023】各種媒体が通る中空空間または通路の詳細は図3〜図13に示されている。
【0024】図3〜図5に示すように、中空円筒キャリア51に凹部52が形成されている。この凹部は内周面に隣接して、環状に延びている。凹部52は、その長側縁の各々が内周面53に固着された薄壁突条54と境界をなしている。この突条はカバー56の受け面55となる段部を備えている。カバー56は例えば屈曲可能なまたはフレキシブルなシート・メタル・リングからなり、若干変形を加えて突条54間に位置する受け面55上にキャリア51の内側から取り付けることが可能になっている。この取付けは、例えば、溶接個所57で示すように、はんだ付けまたは溶接によって行なわれる。それ以外の方法として、ねじで結合しても同じ効果が得られる。突条54は、溶接またははんだ付け作業時に熱伝導を急速化して、溶接またははんだ付け個所の破断の原因となる変形などを防止するような形状にすることが好ましい。
【0025】カバー56には接続部(管路)58が同じように、例えば溶接またははんだ付けによって固着されている。凹部52に形成された仕切り59はカバー56まで達して、これらの接続部58を相互に仕切っている。この仕切り59をカバー56に設けたスロット内に通して、特別なシール59aで密封することも可能である(図5)。また、凹部52に例えば追加のウェブ60を設けることも可能である。このウェブはキャリア51または凹部52内にリブと溝を形成するので、凹部52内の熱交換媒体の実効表面積が大幅に増加することになる。
【0026】図6と図7に示す実施例では、中空円筒形キャリア61は、内周面63に機械工作された凹部62を備えている。この凹部62のカバー64は剛性中空スリーブまたは剛性円筒リングからなり、このリングはその上端に外側ねじ溝部分65を備え、このねじ溝部分65は内周面の対応する内側ねじ溝部分66と一緒に働いて、カバー64をキャリア61に固定する働きをする。許容範囲が狭くなるのを避けるために、凹部62の2側面に、好ましくはカバー64および/または内周面63の溝に、例えば周辺Oリングといった弾性シーリング体67が取り付けられている。この弾性シーリング体はカバー64をねじで締め付けると弾性的に変形されて、凹部62を気密に密閉する。
【0027】図3および図4と同じように、接続部(管路)68がカバー64に取り付けられ、仕切り69が凹部62に入り込むように突出している。
【0028】図8と図9に示す実施例は、図6と図7に示した実施例と実質的に同じであるので、同一または類似部品には同一符号を付けてある。違いはカバー71が厚くなっていることだけである。つまり、図6および図7R>7と異なり、カバー71には外側ねじ溝部がなく、従って、キャリア72には内側ねじ溝部がない。その代わりに、環状突条74が内周面73から突出している。この突条は周面の一部にわたって複数の短い突起で構成することができる。キャリア72は原則として垂直軸をもつ丸編み機の内側に配置されているので、カバーの取付けは簡単に行なうことができる。すなわち、カバーをキャリア72に近ずけて、突起の上に置くだけでよい。この実施例の場合も、シーリングは、シーリング体67によって行なわれるが、さらに、圧力ばめによってカバー71を所定位置に固定することによって行なわれる。
【0029】図10と図11に示した実施例では、中空円筒形キャリア76は内周面78に隣接して凹部77が設けられている。図1〜図9の実施例と異なり、この内周面は凹部77の領域が円筒形になっていないで、円錐面79になっている。図10に示すように、この円錐面の内径は上から下に向かって若干縮径されている。従って、円筒リングまたはスリーブとして形成されたカバー81の外周面は円錐面80になっているので、カバー81は上からキャリア76にはめ込まれ、図10に示すように圧力ばめによってそこに固定することができる。2つの円錐面79、80は、例えば、円錐角が例えば5度になって約40mmにわたっている。円錐面79、80は協力し合って高い信頼性が得られるので、付加的なシーリングは不要であるが、図12と図13(類似部品には同一符号が付いている)に示すように、図6〜図9と同じようにOリングまたは類似部品の形体をした付加的シーリング体82を設ければ、最良の信頼性が得られる。これにより、円錐面に要求される品質を軽減でき、また維持すべき許容範囲を広くすることができる。
【0030】以上のほかに、前記実施例と同様に、接続部(管路)83間に仕切り84を設けることが可能である。
【0031】これまでに説明してきたカバー56、64、71および81は、それぞれ対応する内周面53、63、73および79に接着によって固着することも可能である。その目的のために、Loctiteの商品名で販売されている各種接着材が適している。これにより、恒久的に固着されるだけなく、気密シーリングも確保される。
【0032】接着に代わる方法として、図14に示すように、ねじで止めることも可能である。図10〜図13に示す実施例と同じように、中空円筒形キャリア87には円錐面として形成された内周面89に隣接して凹部88が設けられており、円錐面の内径は、図14に示すように、上から下に向かった若干縮径している。従って、スリーブ状カバー91の外周面90は、内周面89と同じ円錐角をもつ円錐面で形成されているので、カバー91は上からキャリア87にはめ込まれ、そこに圧力ばめによって固定することができる。
【0033】カバー91をキャリア87に確実に固定するために、固定ねじ92が使用される。つまり、固定ねじ92をキャリア87の内部支持リング93の穴に通し、カバー91のねじ穴にねじ込むことによって行なわれる。固定ねじは円周方向に所定間隔で取り付けられる。これにより、カバー91は円錐面89に圧接するので、確実なシーリングが得られる。従って、温度変化によって起こる可能性のある精度低下や障害は、まず起こりえない。すでに行なった調節はロック・ナット94でさらに確実にされる。同じ固定方法で、例えば図2に示すもののように、カバーを他のキャリアに固定することが可能である。
【0034】本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、種々の態様に変更することが可能である。上述したカバーと対応する受け面の幾何学的形状についても、また特殊な場合に使用されるシーリング手段についても同様である。さらに、熱交換媒体または潤滑媒体を伝達するためにキャリアに形成された流体通路は、上述した実施例では全周にわたっているが、必ずしもそうする必要はない。使用する目的に応じて、これらの流体通路を当該キャリアの全周の一部だけにわたるようにすることも可能である。その場合、シーリング体が必要とされる場合には、Oリングに形成しないで、凹部の外周を取り巻く無端シーリング体に形成することが好ましく、シーリング体を丸いコード材で構成することが好ましい。これとは別に、カバーは上述したようなシート・メタルで作る必要はない、。スチール、プラスチックなどの他の材料を使用することも可能であり、その場合は、カバーは、実施例で述べたように、剛性があるか、曲げ強度がある本体として作ることも、フレキシブルで屈曲性のストリップとして作ることもできる。さらに、接続部をカバーにではなく、キャリアに取り付けることも可能である。例えば、キャリアにその外周面から凹部に向かって穴を設ければ、特に固定キャリアを備えた丸編み機の場合、接続部に近ずくことが容易になる。その場合、丸編み機またはその部品を点検することが支障とならない限り、例えば外周面から凹部を形成し、カバーをその外側に取り付けるようにしても利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】丸編み機のニードル・シリンダの形体をした本発明によるキャリアの部分斜視図である。
【図2】丸編み機の環状カム・プレートの形体をした本発明によるキャリアの部分斜視図である。
【図3】図1のニードル・シリンダの半分を図4のIII−IIIに沿って断面した垂直断面図である。
【図4】図3のニードル・シリンダの内周面の一部を示した図である。
【図5】図4のV−V断面図である。
【図6】本発明によるキャリアの別実施例を示した図3と同様の垂直断面図である。
【図7】本発明によるキャリアの別実施例を示した図4と同様の、内周面の一部を示した図である。
【図8】本発明によるキャリアの別実施例を示した図3と同様の垂直断面図である。
【図9】本発明によるキャリアの別実施例を示した図4と同様の、内周面の一部を示した図である。
【図10】本発明によるキャリアの別実施例を示した図3R>3と同様の垂直断面図である。
【図11】本発明によるキャリアの別実施例を示した図4R>4と同様の、内周面の一部を示した図である。
【図12】本発明によるキャリアの別実施例を示した図3R>3と同様の垂直断面図である。
【図13】本発明によるキャリアの別実施例を示した図4R>4と同様の、内周面の一部を示した図である。
【図14】本発明のさらに別実施例を示した図6と同じ図である。
【符号の説明】
1、21、51、61、72、76 キャリア
2、26、53、63、73、78 内周面
9、27、52、62、77 凹部
10、29、56、64、71、81 カバー
11、12、30、31、58、68、83 接続部(管路)
18、34、59、69、84 仕切り
54 薄壁突条
60 ウェブ
65 外側ねじ溝部
66 内側ねじ溝部
67、82 シーリング体
74 突起
79 円錐面
80 円錐面
92 固定ねじ
93 支持リング

【特許請求の範囲】
【請求項1】 丸編み機において編み針、シンカ、カム・プレートまたは類似部品を装着するための環状、円筒状、板状、円盤状または類似形状のキャリアであって、気体または流体媒体を移送することを目的とした少なくとも1つの流体通路を備え、該流体通路はキャリアの表面に隣接してキャリアに形成された凹部からなるものにおいて、流体通路は凹部(9、27、52、62、77)から形成された閉じた中空空間と、凹部を被覆し、キャリア(1、21、51、61、72、76)に対して密閉されたカバー(10、29、56、64、71、81)とから構成されており、中空空間は媒体の供給または排出(またはその両方)のための少なくとも1つの接続部(11、12、30、31、58、68、83)に連絡していることを特徴とするキャリア。
【請求項2】 接続部(11、12、30、31、58、68、83)はカバー(10、29、56、64、71、81)上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャリア。
【請求項3】 流体通路は円状に取り巻くように形成され、仕切り(18、34、59、69、84)を備えており、少なくとも1つの接続部(11、12、30、31、58、68、83)は仕切り(18、34、59、69、84)の両側の各々に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のキャリア。
【請求項4】 キャリアが中空円筒状に形成されており、凹部(9、27、52、62、77)はキャリア(1、21、51、61、72、76)の内周面(2、26、53、63、73、78)に隣接し、カバー(10、29、56、64、71、81)は内周面(2、26、53、63、73、78)にはめ込まれた中空円筒形スリーブまたはリングからなることを特徴とする請求項1乃至3の1つに記載のキャリア。
【請求項5】 キャリア(51)の内周面(53)の凹部(52)の2側の各々に薄壁突条(54)を備え、カバー(56)は該薄壁突条(54)に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載のキャリア。
【請求項6】 カバー(56)はフレキシブル・ストリップからなることを特徴とする請求項4または5に記載のキャリア。
【請求項7】 キャリア(61)の内周面は内側ねじ溝部(66)を備え、カバー(64)の外周面は、内側ねじ溝部(66)にねじ込み可能な対応する外側ねじ溝部(65)を備えていることを特徴とする請求項4に記載のキャリア。
【請求項8】 内周面(78)は凹部(77)の両側に円錐面(79)として形成され、カバー(81)はその外面に該円錐面(79)と協働する同一形状の円錐面(80)を備えていることを特徴とする請求項4に記載のキャリア。
【請求項9】 カバー(71)は剛性中空円筒形スリーブからなり、その上にまたは内周面(73)上に(またはその両方に)スリーブを取り付けるための突起(74)を設けたことを特徴とする請求項4に記載のキャリア。
【請求項10】 カバー(10、29、56、64、71、81)はキャリア(1、21、52、61、72、76)に接着されていることを特徴とする請求項1乃至9の1つに記載のキャリア。
【請求項11】 カバー(64、71、81)またはキャリア(61、72、76)(またはその両方)は、凹部(62、77)の両側に流体通路を気密にするシーリング体(67、82)を備えていることを特徴とする請求項1乃至10の1つに記載のキャリア。
【請求項12】 シーリング体(67、82)はOリングからなることを特徴とする請求項11に記載のキャリア。
【請求項13】 少なくとも1つのウェブ(60)が凹部(52)に入り込んでいることを特徴とする請求項1乃至12の1つに記載のキャリア。
【請求項14】 カバー(91)はキャリア(87)にねじ止めされていることを特徴とする請求項1乃至13の1つに記載のキャリア。
【請求項15】 キャリア(87)はその内周面(89)から内側に突出した支持リング(93)を備え、支持リングは、カバー(91)にねじ止めされた固定ねじ(92)が挿通されていることを特徴とする請求項14に記載のキャリア。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【特許番号】第2967305号
【登録日】平成11年(1999)8月20日
【発行日】平成11年(1999)10月25日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−207500
【出願日】平成3年(1991)7月24日
【公開番号】特開平4−245963
【公開日】平成4年(1992)9月2日
【審査請求日】平成10年(1998)4月7日
【出願人】(591027710)ジプラ パテントエントビクルングス−ウント ベタイリグングスゲゼルシャフト エムベーハー (16)
【氏名又は名称原語表記】SIPRA PATENTENTWICKLUNGS−UND BETEILIGUNGS−GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【参考文献】
【文献】特開 昭57−139550(JP,A)
【文献】特開 昭47−1444(JP,A)
【文献】特開 平3−220350(JP,A)
【文献】実公 昭48−6757(JP,Y1)
【文献】米国特許3817058(US,A)