説明

乾燥機付き浴室のハンガー機構

【課題】洗濯物の掛け外しを安全かつ容易に行うことができる乾燥機付き浴室のハンガー機構を提供する。
【解決手段】ハンガー5が、浴槽3上方の高所の乾燥処理位置と、該位置とは異なる洗濯物掛け外し容易位置との間を往き来できるようにレール6などのガイド機構でガイドされている。洗濯物掛け外し容易位置は洗い場とか乾燥機付き浴室の浴槽上方の低所位置であるとよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥機付き浴室のハンガー機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図4(イ)に示すように、乾燥機付き浴室51では、乾燥機52が浴槽53側の天井54に埋込み状態に備えられているのが一般的であり、ハンガーパイプ55は、その直下近傍の高所位置に取外し可能に設置されているのが一般的である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、浴槽側のしかも高所にハンガーパイプが備えられていたのでは、図4(イ)に示すように、洗濯物56をハンガーパイプ55に掛け降ろしする際に、洗濯物が多いと、掛け降ろしを繰り返すうち、ヒト57が、浴槽53の縁の上端部を支点としてテコの原理で浴槽53内に転げ落ちる危険性があって安全性に問題がないではないし、また、洗濯物56の掛け降ろしも洗濯物が多いと面倒である。
【0004】
また、図4(ロ)に示すように、ヒト57が浴槽53内に入って、洗濯物56の掛け降ろしをすることも考えられるが、背が低いと、浴槽53内で背を伸ばして掛け降ろしをしなければならず、からだへの負担が大きいという問題がある。ハンガーパイプ55を付けたり外したりするのはもちろん面倒である。
【0005】
本発明は、上記のような問題点に鑑み、洗濯物の掛け外しを安全かつ容易に行うことができる乾燥機付き浴室のハンガー機構を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題は、乾燥機が浴槽側の天井又は壁に設けられた乾燥機付き浴室において、ハンガーが、浴槽上方の高所の乾燥処理位置と、該位置とは異なる洗濯物掛け外し容易位置との間を往き来できるようにガイドされていることを特徴とする乾燥機付き浴室のハンガー機構によって解決される。
【0007】
このハンガー機構では、ハンガーが、浴槽上方の高所の乾燥処理位置に位置することができて、乾燥機による乾燥処理を効率良く行うことができながら、洗濯物の掛け外しに際しては、ハンガーを高所の乾燥処理位置とは異なる洗濯物掛け外し容易位置に移動させることができるので、ハンガーをその位置に移動することによって、洗濯物の掛け外しを安全かつ容易に行うことができる。
【0008】
しかも、ハンガーは両位置を往き来できるようにガイドされているので、ハンガーを取り外す必要がなく、ハンガーの取外しや取付けの面倒がなく、位置の変更を容易に行うことができる。
【0009】
上記のハンガー機構において、洗濯物掛け外し容易位置が洗い場である場合は、洗濯物の掛け外しの際に浴槽の縁で転倒するおそれがなく、安全に洗濯物の掛け外しを行うことができ、洗濯物の掛け外しも容易に行うことができる。
【0010】
また、上記のハンガー機構において、洗濯物掛け外し容易位置が浴槽上方の低所位置である場合には、洗濯物の掛け外しに際して浴槽内に入り込む必要もないし、低所であるから背を伸ばす必要もなく、洗濯物の掛け外しを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の乾燥機付き浴室のハンガー機構は、以上のとおりのものであるから、洗濯物の掛け外しを安全かつ容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明の実施最良形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1に示す第1実施形態は、浴室1において、乾燥機2が浴槽3上方の天井4に埋込み状態に備えられており、浴槽3の上方高所の高さ位置を、ハンガーとしてのハンガーパイプ5の乾燥処理位置にし、その高さ位置において、ガイド機構としてのレール6が、浴槽3と洗い場7とにわたすように水平に設置されている。そして、該レール6にハンガーパイプ5が移動可能に取り付けられ、洗い場7を洗濯物掛け外し容易位置とし、ハンガーパイプ5が、図1(イ)に示すような浴槽3上方高所の乾燥処理位置と、図1(ロ)に示すような洗い場7上方の位置との間を往き来できるように備えられている。
【0014】
なお、ハンガーパイプ5の往き来は、ヒトがハンガーパイプ5を動かすことで行われるようになされていてもよいし、手動式機械機構によって行うことができるようになされていてもよいし、電動機構のスイッチ操作で行うことができるようになされていてもよい。また、ハンガーパイプ5のガイドは、レールに限らず、他のガイド機構によって行われてもよい。
【0015】
上記のハンガー機構では、洗濯物をハンガーパイプ5に掛けるときは、図2(イ)(ロ)に示すように、ハンガーパイプ5を洗い場7側に移動させ、そこで、洗濯物9をハンガーパイプ5に掛ければよく、ヒト8が浴槽3の縁で転倒するおそれがなく、洗濯物9を洗い場7で安全かつ容易に掛けることができる。掛け終わったら、図2(ハ)(ニ)に示すように、ハンガーパイプ5を乾燥処理位置である浴槽3側の高所高さ位置に戻し、乾燥機を駆動すれば、洗濯物9を効率良く乾燥させていくことができる。また、乾燥後は、上記と同様にハンガーパイプ5を往き来させて洗濯物9をハンガーパイプ5から外せばよい。
【0016】
図3(イ)に示す第2実施形態では、洗濯物掛け外し容易位置を浴槽3上方の低所位置とし、ハンガーパイプ5が、浴槽3上方の高所の乾燥処理位置と、浴槽3上方の低所位置との間を往き来できるようにガイドされているものであり、この場合も、洗濯物の掛け外しに際して浴槽3内に入り込む必要がないし、低所であるから背を伸ばす必要もなく、洗濯物の掛け外しを容易に行うことができる。しかも、図示するように、浴槽3の底が、洗い場7の床面位置よりも低所である場合には、浴槽3内の空間を利用して、長物の洗濯物を干すことが可能である。
【0017】
図3(ロ)に示す第3実施形態は、洗濯物掛け外し容易位置を洗い場7の低所位置とし、ハンガーパイプ5が、浴槽3上方の高所の乾燥処理位置と、洗い場7の低所位置との間を往き来できるようにガイドされているものであり、この場合も、洗濯物の掛け外しに際して浴槽3内に入り込む必要がないし、低所であるから洗い場で楽に洗濯物の掛け外しをすることができる。なお、ガイド機構としてプルダウン式のものなどが採用されてよい。
【0018】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、乾燥機が天井4側に設置されている場合を示したが、壁側に設置されていてもよい。また、ハンガーはパイプ式に限らず、その他の各種形態の物掛けであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図(イ)及び図(ロ)はそれぞれ、第1実施形態の浴室ハンガー機構を示す浴室断面正面図である。
【図2】図(イ)〜図(ニ)は、同ハンガー機構の使用方法の一例を示す浴室断面正面図である。
【図3】図(イ)は第2実施形態の浴室ハンガー機構を示す浴室断面正面図、図(ロ)は第3実施形態の浴室ハンガー機構を示す浴室断面正面図である。
【図4】従来の浴室ハンガーの使用方法を示す浴室断面正面図である。
【符号の説明】
【0020】
1…浴室
2…乾燥機
3…浴槽
4…天井
5…ハンガーパイプ(ハンガー)
6…レール(ガイド機構)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥機が浴槽側の天井又は壁に設けられた乾燥機付き浴室において、ハンガーが、浴槽上方の高所の乾燥処理位置と、該位置とは異なる洗濯物掛け外し容易位置との間を往き来できるようにガイドされていることを特徴とする乾燥機付き浴室のハンガー機構。
【請求項2】
前記洗濯物掛け外し容易位置が洗い場である請求項1に記載の乾燥機付き浴室のハンガー機構。
【請求項3】
前記洗濯物掛け外し容易位置が浴槽上方の低所位置である請求項1に記載の乾燥機付き浴室のハンガー機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−280587(P2006−280587A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−103957(P2005−103957)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(390037154)大和ハウス工業株式会社 (946)
【Fターム(参考)】