乾燥粉末吸入器用のブリスター穿刺要素
使用者により吸入される1回分の服用量の薬剤を収容するブリスターの蓋部を穿刺するブリスター穿刺要素を開示する。この穿刺要素は、空気の流れに取り込んだ薬剤をブリスターの外に運び出す経路であるアウトレット開口部と、ブリスターの蓋部にめくれ部分を切断する開口部に張り出し、挿入時に開口部からめくれ部分を押し出す穿刺ヘッドとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥粉末吸入機器用の穿刺要素に関する。本発明は、特に、吸入機器の使用者により吸入される1回分の服用量の薬剤を収容するブリスターのホイル蓋部に穴をあける穿刺要素に関する。
【背景技術】
【0002】
吸入器を用いた薬剤の経口または経鼻デリバリーは、こうした機器を比較的簡単に患者がわからないようにまたは人前で使用することができるため、とりわけ魅力的な投薬方法である。気道の局部的な疾患やそのほかの呼吸障害を治療する薬剤のデリバリーと同じく、肺を介して血流に薬剤をデリバーし、これにより皮下注射の必要をなくするために、より最近になって用いられるようになった。
【0003】
乾燥粉末処方は、通常はそれぞれが正確かつ一定して測定された1回分の服用量の粉末を収容するカプセルまたはブリスターとして、1回ごとの服用量にあらかじめパッケージされることが一般的である。ホイルブリスターはカプセルよりも望ましいが、これは、1回分の服用量が光線や紫外線から遮蔽されることに加えて水分の浸入や酸素などの気体の浸透から保護されるためであり、これらはすべて、1回分の服用量が暴露された場合には、吸入器のデリバリー特性に対して決定的な影響を持ちうる。
【0004】
ブリスターパックは、一般的に、多数の離間して配された一回ごとの服用量または薬剤を受けるブリスターを規定する空洞部を有するベース部と、おおむね平面状のシート形状をし、各空洞部の周囲領域ベース部材料と蓋部材料とを圧縮する封止具を用いて空洞部の領域を除いてベース部にシールされた蓋部とを備える。ベース部材料は、通常、薬剤に接触するポリマー層、軟質アルミニウム層、および外部ポリマー層からなる薄板である。アルミニウムは湿気および酸素からのバリアとなり、ポリマーはアルミニウムのヒートシールラッカーに対する接着を支援し、薬剤に接触する比較的不活性な層となる。軟質アルミニウムは、ブリスター形状に「冷間成形」可能なように延性がある。通常は、厚みが45μmである。外部ポリマー層は、薄板に対して付加的な強度と硬度とを与える。
【0005】
蓋部材料は、通常、ヒートシールラッカーと、硬質圧延アルミニウム層と、外部ラッカー層とからなる薄板である。ヒートシールラッカーはヒートシール中にベースホイル薄板のポリマー層に接着してブリスター空洞部の上部の周囲をシールする。硬質ホイルは、吸入機器の一部を構成する穿刺要素により簡単に穿刺して蓋部に1つ以上の開口部を開けるには比較的もろい。これらの開口部により空気やガスがブリスター内部を流れ、乾燥粉末を取り込んでブリスターから取り除く。その後、粉末は再び凝集して呼吸可能な霧となり、使用者により吸入可能となる。
【0006】
ブリスターパックまたはブリスター片を受ける吸入機器はすでに知られている。この機器の作動により、メカニズムがインデックス付けをしてブリスターに穴を開け、機器が用いられるときにブリスター内を空気が服用分を伴って引き込まれ、その後、服用分がブリスターの外部へ運ばれて、機器を通過し、患者の気道を介して肺へと運ばれる。このような機器のひとつに、WO2005/037353A1として公開されている本願出願人の同時継続中の国際出願PCT/GB2004/004416より知られているものがある。
【0007】
空気の流れは、使用者の吸入により生成することができる。このような吸入機器は、一般的には受動素子して知られている。また、吸入器は機械ポンプまたは圧力または吸引力を生成する加圧ガスなどのエネルギー源を含んでもよい。これらの能動素子における空気またはガスの流れは、受動素子における流れよりも大きく、より再現性がある可能性が高い。これにより、より好ましく、また安定してブリスター内を空にすることができる。
【0008】
ホイルは必ずしも一定の方法で破れたり破裂したりするわけではないため、ブリスター蓋部に開けられる穴の大きさや構成を制御することが難しいことがわかっている。しかしながら、ブリスターに穴を開ける方法は、乾燥粉末吸入機器の性能において決定的な重要性を有している。
【0009】
蓋部に穴が開けられるときには、めくれたホイルがブリスターの中に入るため、問題が起こるのが普通である。このようなめくれたホイルは、ブリスター内の粉末を閉じ込めたり開口部をわかりにくくしたりする。言うまでもなく、ブリスター蓋部に大きな開口部を形成して、十分な気流がブリスター内を流れる、格納中に生じうる粉末の塊が取り除かれるようにすることが有益である。しかしながら、ブリスターに大きな穴を開けることは、ホイルのめくれも大きくなり、粉末を閉じ込めて空気の流れを妨げる可能性が高いことを意味する。
【0010】
従来の機器では、ほとんどの場合、吸入の間はブリスターから引き出されずに内部にとどまる穿刺要素を用いる。US5533502およびGB2340758では、ブリスターもしくは1回分の服用量の収納部に入る2つの穿刺要素を備える機器が開示されている。この穿刺要素は、中空の筒状をしており、穿刺を容易にするために先端が斜めになっている。空気またはガスは、一方の穿刺要素からブリスター内に入って他方から出る。しかしながら、穿刺要素は、特に受動素子の場合、ガス管のサイズが小さいことによりブリスター内のガス流を著しく制限し、塊の除去を妨げる点において不利益である。さらに、斜端により形成されたホイルのめくれは、穿刺要素の開口部を妨害することもある。このため、穿刺要素を必定以上にブリスター内部に押し込むことが必要とされる。
【0011】
斜端を有する穿刺要素によりブリスター蓋部にホイルのめくれが形成されるプロセスを図1A〜1Dに示す。この図より、言うまでもなく、ホイルのめくれは、ブリスター内部不覚に挿入されない限り(図1(d)参照)、部分的に管内の気流の流露を遮断する(図1(b)および1(c)参照)。US64011712およびUS6637431は、いずれも、吸引管がホイルブリスター内に挿入される機器を開示する。しかしながら、いずれの場合も、吸引管と切断されたホイルのめくれによってホイルブリスター内部に著しい侵入が生じる。
【0012】
こうした問題を緩和するための試みとして、WO01/87393に開示される機器が提供される。この機器は中央出口および周辺入口の2つの穿刺ヘッドを備える穿刺要素を有する。この穿刺要素は、蓋ホイルの切断部分がブリスター内部ではなく外部の上方にめくれ上がるよう、回転しながら挿入される。これは、切断したホイルのめくれのブリスター内部への侵入の低減、ガス流の向上、および薬剤の閉じ込めの可能性の低減などの利点を有するものの、挿入中に穿刺要素を回転させるメカニズムは、機器を著しく複雑なものとする。
【0013】
本願出願人の先の出願であり、それぞれWO2005/025656A1およびWO2005/037353A1として公開されているPCT/GB2004/03940およびPCT/GB2004/004416は、ブリスターへの穿刺と空にするための改良を提案する。PCT/GB2004/03940は、ブリスターに中央開口部を形成する穿刺要素と薬剤アウトレットチューブの周辺に複数の入口開口部を形成する第2穿刺要素とを組み合わせた薬剤アウトレットチューブを開示する。しかしながら、この文献に開示される能動素子は、ガス速度をブリスターの効果的な穿刺に十分なエネルギーを生成するものの、薬剤アウトレットチューブは、先に述べたように部分的にホイルのめくれによって遮断され、これにより、間隙を通過できない大きすぎる塊はブリスターから外に出ることができない。
【0014】
また、PCT/GB2004/004416より、ブリスターにインレットとアウトレットを形成する2つの穿刺ヘッドを有する穿刺要素が開示される。各穿刺ヘッドは、主ブレードと、2つの側部副ブレードとを備え、これらはあわせて「H」字型構成を形成する。これらのブレードは、切断して穿刺ヘッドがブリスターのホイル蓋部の内部に挿入されると、いくつかのホイルのめくれを形成する。この構成により、蓋部に大きな開口部が形成され、ブリスター内部に自由な気流を生じさせることができるため、本願に開示される吸引および流量が使用者の吸入により生じるものに制限される機器のような受動吸入器には特に好適である。
【0015】
ブリスターの蓋部に形成されるホイルのめくれは、上記およびPCT/GB2004/004416により詳細に説明するような穿刺要素によって著しく小さくすることができるが、それでもいくらかはホイルのめくれがブリスターの内部に突出することがある。薬剤が自由に流動する粉末である場合には、これはまったく許容範囲であるが、凝集性のある粉末の塊はホイルのめくれとブリスターベース部との間に捕らえられることがある。
【特許文献1】国際公開第WO2005/037353A1号
【特許文献2】米国特許第5533502号
【特許文献3】英国特許第2340758号
【特許文献4】米国特許第64011712号
【特許文献5】米国特許第6637431号
【特許文献6】国際公開第WO01/87393号
【特許文献7】国際公開第WO2005/025656A1号
【発明の開示】
【0016】
本発明は、上述のような従来の機器における問題やブリスターからの粉末の処方薬の除去に関連するその他の問題を克服または軽減することを目的とする。
【0017】
本発明によれば、使用者により吸入される1回分の服用量の薬剤を収容するブリスターの蓋部を穿刺するブリスター穿刺要素であって、空気の流れにとりこまれた薬剤が前記ブリスターの外へ出る通路であるアウトレット開口部と、前記開口部の上方に延びて張り出し、当該蓋部への挿入中にブリスターの蓋部のめくれ部分を切断してこれを前記開口部から離れるように押し出す穿刺ヘッドとを備える穿刺要素が提供される。
【0018】
この穿刺ヘッドは、好ましく前記アウトレット開口部の周辺の一部から延びている。
【0019】
言うまでもなく、チューブ内の開口部上方に連続する穿刺ヘッドはホイルを切断してめくれ部分を形成し、このめくれ部分はその後、穿刺ヘッドに対して位置し開口部を妨害しないように、当該穿刺ヘッドにより折り曲げられ、これにより、穿刺を容易にするような斜端を備えたものなどの従来の穿刺ヘッドよりも、ブリスターを通過する大きな経路が形成される。
【0020】
好適な実施形態において、前記穿刺ヘッドは前記アウトレット開口部全体に張り出している。
【0021】
好ましくは、前記穿刺ヘッドは刃先を備え、これは前記穿刺ヘッドの端部に形成されてもよい。
【0022】
一実施形態において前記穿刺先端は前記穿刺ヘッドの端部の近位に形成される。この場合、前記穿刺先端の上方に延びる前記穿刺部材の端部は前記開口部の方に折れ曲がる。したがって、穿刺部材は一般的にはかぎ形状要素の形態をとる。
【0023】
好適な実施形態において、穿刺ヘッドは、前記刃先の先端のみが最初に前記ブリスター蓋部に接して前記蓋部にスリットを入れ始めるように、前記刃先が穿刺対象のブリスター蓋部の面に対して角度をつけるよう構成されている。
【0024】
前記先端から離れた前記刃先の部分は面取りまたは取り除かれていてもよい。
【0025】
穿刺ヘッドはブレード状要素の形態をとってもよく、前記刃先は前記ブレード要素の自由単に形成された、ブリスター蓋部に初期スリットを入れる主刃先を備えてもよく、前記主刃先により形成された前記切り込みに対してほぼ直角のスリットをブリスター蓋部に入れて、前記穿刺ヘッドにより前記ブリスターに押し込まれるめくれ部分を形成する副刃先は、前記主刃先と前記アウトレットとの間の前記ブレード要素の両端に沿って延びてもよい。
【0026】
一実施形態において、前記ブレード状要素は硬質である。しかしながら、前記ブレード状要素は少なくとも1つの開口部を有してもよい。
【0027】
実施形態の変更例では、前記副刃先と前記アウトレットとの間に延びる領域は壁によって囲まれている。
【0028】
特に好適な実施形態では、前記ブリスター穿刺要素は、アウトレット開口部に加えて、インレット開口部と1対の穿刺ヘッドとを備え、一方の穿刺ヘッドは前記アウトレット開口部の上方に延びてこれに張り出し、他方の穿刺ヘッドは前記インレット開口部の上方に延びてこれに張り出している。
【0029】
好ましくは、前記2つの穿刺ヘッドは背中合わせ構成で配置されている。これら2つの穿刺ヘッドは第1の方向に互いに離間しているが、両者の間の空間に対して直角の横方向に互いに離間またはオフセットしてもよい。
【0030】
好ましくは、前記刃先先端がブリスター蓋部に中心に近いところに切り込みを開始するように各穿刺ヘッドの前記刃先は角度を有し、前記刃先が前記ブリスター蓋部の両端にむけて前記ブリスター蓋部の外向きに反対方向に延びる方向にブリスター蓋部にスリットを入れる。
【0031】
本発明の別の様態によれば、使用者により吸入される1回分の服用量の薬剤を収容するブリスターの蓋部を穿刺するブリスター穿刺ヘッドであって、穿刺部材がブリスターに侵入するとともに前記蓋部に第1の線形スリットを入れるよう構成された主切断要素と、前記穿刺ヘッドがブリスターに侵入するとともに前記主切断要素により形成された前記第1の線形スリットの両端に延びる第2のスリットを入れるよう構成され、前記主切断要素の両端に延びる副切断要素とを備え、前記主および副切断要素は合わせて前記蓋部に当該主および副切断要素により横に折りたたまれるめくれ部分を形成し、前記副切断要素は、前記ブリスターに侵入するとともに、それぞれ実質的にV字型のスリットを前記ブリスター蓋部に形成する、ブリスター穿刺ヘッドが提供される。
【0032】
前記副切断要素は、好ましくは、前記V字型スリットが互いに内側に向き合い、それぞれ前記主切断要素により切断された前記第1の線形スリットとの接触点に頂点を有するよう構成される。
【0033】
本発明の別の様態によれば、使用者により吸入される1回分の服用量の薬剤を収容するブリスターの蓋部を穿刺するブリスター穿刺ヘッドであって、1対の分離して離間された切断要素を備え、各切断要素は、前記ブリスターに挿入されるとその蓋部にほぼV字型スリットを、一方のV字型スリットの頂点が他方のV字型スリットの頂点に向かうように、入れるよう構成され、前記切断要素は、前記ブリスターに前記切断要素が侵入している間に、前記第1および第2のV字型スリットの頂点の間の前記ブリスター蓋部の領域を裂くよう構成された、ブリスター穿刺ヘッドが提供される。
【0034】
好適な実施形態において、各切断要素はほぼU字型であり、ブリスターの中または外への気流開口部を橋渡しする前記U字型のベース部に刃先が形成されている。
【0035】
好ましくは、前記切断要素は互いに向かって角度をつけており、前記刃先は前記切断要素の面取りされた部分の端部に形成されてもよい。
【0036】
実施形態の変更例では、一方の切断要素の面取りされた部分は他方の切断要素の面取りされた部分よりも大きい。
【0037】
ブリッジ要素が前記切断要素の間に延びて、各V字型スリットの頂点の間に延びる前記ブリスターの領域を裂いてもよい。
【0038】
各切断要素は、好ましくは、当該第1および第2V字型スリットの頂点の間の前記ブリスター蓋部の領域にスリットを入れ始める副刃先を備える。
【0039】
本発明の別の様態によれば、使用者により吸入される1回分の服用量の薬剤を収容するブリスターの蓋部を穿刺するブリスター穿刺ヘッドであって、中心軸から径方向に延び、それぞれ前記中心軸から離間したブリスターの蓋部に切り込みを開始する先端を有する複数の切断要素と、各切断要素の先端から径方向に延び、前記中心軸から径方向に延びる前記蓋部にスリットを入れて、前記切断要素が当該蓋部を介して前記ブリスターに軸方向に挿入されている際に前記ブリスター内に折り曲げられるめくれ部分を形成する刃先とを備える、ブリスター穿刺ヘッドが提供される。
【0040】
一実施形態において、各切断要素の刃先は、前記中心軸の先端から径方向に内側に向かって延びる第1の部分と、前記中心軸の先端から径方向に外側に向かって延びる第2の部分とを有する。
【0041】
各切断要素は、好ましくは、前記中心軸から径方向に延びる面に配されたブレードであり、前記刃先は前記ブレードの端にそって形成されている。
【0042】
好適には、前記ブレードの端は前記刃先を形成するために面取りされている。
【0043】
各ブレードには、前記ブリスター内への前記めくれ部分の折りたたみを容易にする、前記ブレードの面から延びる隆起部が備えられていてもよい。
【0044】
好適な実施形態において、前記切断要素は表面から直立し、空気がブリスターから流入流出可能である気流開口部にわたって延びる。
【0045】
突出部は前記切断要素の間の表面から直立して、前記ブリスター内への前記めくれ部分の折りたたみを容易にしてもよい。
【0046】
好適な実施形態において、前記中心軸から延びる4つの切断要素が設けられ、各切断要素はその隣接する切断要素にほぼ直角をなす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、単なる一例として、本発明の実施形態について添付の図面の図2、図3、図5〜図9、図14〜図25を参照して説明する。
【0048】
図面を参照すると、図1A〜図1Dのシーケンスは、中空のチューブ5の端部に位置する従来の穿刺要素4を用いてブリスター1の蓋部3にホイルのめくれ部2が形成される様子を示す。この図から、言うまでもなく、このめくれ部2は、チューブ5がブリスター1に比較的深く挿入されている(図1(d)参照)のでなければ、開口部6をチューブの遠位端で部分的に遮断する(図1(a)および図1(b)参照)。ホイルのめくれ部2による開口部6の部分的な遮断は、図4に示す先行技術からよりはっきりとわかるように、塊7がホイルのめくれ部2によりチューブ5を通過するのを妨げる。
【0049】
図2A〜2Dのシーケンスは、図1のシーケンスに類似であるが、従来の穿刺要素4を本発明の実施形態にかかる穿刺要素8に置き換えたものである。穿刺要素7もまた中空のチューブ9の形態をとっておりその遠位端に開口部10を有する。しかしながら、このチューブ9の遠位端は、開口部10をまたいで長手方向または軸方向に連続し、チューブ9または開口部10の端部を越えて径方向に内側に伸びる穿刺ヘッドまたは歯11を有している。穿刺ヘッド11は、挿入の際にめくれ部分12をブリスター1の蓋部3に形成してチューブ9の遠位端の開口部10から離れるように押し出す穿刺要素8を形成する。
【0050】
チューブ9の端部を越えて連続する穿刺ヘッド11は、好ましくは、チューブ9の半径よりも長い距離だけ、チューブおよび開口部10の端部から角度をつけて離れるように、ただし径方向に内側に向けて延び、チューブ9の横軸Aからオフセットして位置する穿刺先端または端部13の方へ細くなっていく(図2A参照)。穿刺先端または端部13は、部分11の最も先端に形成されてもよいが、図2、図3、図5に示す実施形態では、当該部分11の当該端部の近傍に形成されている。この場合、穿刺先端13を越えて延びる当該部分11の部分14は、チューブ5の開口部10へ角度をつけて折り返され、点15へ向けて細くなっていく。部分11の端部16と部分14の端部17は、切断面を形成する。ブリスター1の蓋部3において、端部16はめくれ部分12を切断し、端部17はめくれ部分12aを切断する。言うまでもなく、穿刺先端13はめくれ部分12、12aの大きさが等しくならないようにチューブ9の軸からオフセットしており、大きいめくれ部分12は、チューブ9の開口部10から離間する側に形成される。
【0051】
図3と図4とを比較すると、言うまでもなく、図4の先行技術の実施形態よりも、図3において、薬剤はより水平方向に実質的にブリスター1への開口部10からのチューブ9の挿入の方向に対して直角に移動する。しかしながら、言うまでもなく、チューブ9の長さ方向にそった軸方向にそって見たとき部分11は完全にチューブ9の端部上に延びなくてもよく、つまり、部分11は、図3に示すように薬剤が部分11側を越えて軸方向にまた横方向にチューブ9を通ることができるように、先細りまたはおおむねチューブ9の半径よりも細い。
【0052】
言うまでもなく、以下により詳細に説明する本発明の各種の実施形態の説明から明らかなように、より具体的な実施例においては、穿刺ヘッド11は、図11に示すように穿刺要素の上面34から、そこに形成された開口部37,38を超えて延びるように、直立していてもよい。
【0053】
歯11は、横立面図でみたときにおおむね「L」字型をしていてよく、チューブ開口部の周辺または穿刺ヘッドから直立した第1の足と、チューブの端部または穿刺要素の開口部に張り出すようにより水平な方向に延びる第2の足とを有する。歯11のこれら2本の足は、互いに直角である必要はなく、その結合部分はゆるやかに交わる曲面であってもよい。このような構成は、図19〜図25を参照して説明する実施形態を考慮することによりより明らかとなる。
【0054】
空気またはガスの流れがブリスター1を流れてチューブ9を介して外にでることができるようにするために、空気インレットを備える必要がある。これは、図5に示すように、空気がチューブ9の外径と蓋部3との間に形成された環状ギャップ18を通って流れるようにすることにより実現される。また、図5には、ブリスター1内の乱気流がどのように薬剤の取り込みと空にするプロセスを支援するかを示す。
【0055】
空気の流れをブリスター1内に作り出す代替的な実施形態を図8に示す。ここでは、1つ以上の追加空気インレット19が、例えば本願出願人の選考出願であるWO2005/025656A1として公開されているPCT/GB2004/003940に記載されるような追加ピン、ブレード、チューブなどの副穿刺要素20を用いて蓋部3に形成される。副穿刺要素20の特に好適な形態は、図8の断面図に示すように、チューブ9上に保持され一連の開口部18をブリスター1の蓋部3のチューブ9の周辺に穿刺する「スター」の形態である。
【0056】
代替的な実施形態において、副穿刺要素は、図9に示すように、別のアウトレットチューブ穿刺要素21の形態をとり、これは第1穿刺要素と同じものである。これは、ブリスター1が円形ではなく、楕円またはほぼ矩形である場合にとりわけ有用である。穿刺要素は、開口部が互いに面してインレットとアウトレットの間のブリスターを空気が直接的に流れるように構成することができる。
【0057】
言うまでもなく、本発明の穿刺要素は、異なる形状を取って切断されたホイルのめくれを異なる形状にすることができる。しかしながら、全体としての目的は、穿刺ヘッドが切断されたホイルのめくれ12を開口部10から離れるように押し出して、薬剤と空気の流れがブリスター1から出て行くのを妨げないようにすることである。
【0058】
2つのありうる本発明にかかる穿刺要素の実施形態を、図6および図7に示す。また、図6Aおよび図7Aから、これらの設計は両方とも、エアロゾル化ノズルに接続するための先が細くなったアウトレットチューブ22を特徴とするものであることがわかる。
【0059】
図6Aおよび図7AのAおよびDの寸法は、穿刺要素のより大きな粉末の塊を取り込む能力に影響を与える。好ましくはAは1mmを超える大きさであり、より好ましくは2mmを超え5mm未満である。図6および図7の実施形態においては、Aは2.5mmである。好ましくは、Dは1mmを超える大きさであり、より好ましくは1.5mmを超え5mm未満である。図6および図7の実施形態においては、Aは2mmである。
【0060】
切断要素の先端の2つの接線のホイルの表面に対する角度βおよび角度γは、穿刺の性質を制御する上で重要である。角度βが小さすぎると、穿刺ヘッドが可能性としては制御されずしたがって不安定なかたちでホイルに突き刺ささることになる。角度βは、ホイルに突き刺さるのではなくきれいに切断するために十分に大きいことが好ましい。好ましくは、この角度は5度よりも大きく60度よりも小さい。より好ましくは、この角度は10度よりも大きく30度よりも小さい。図6および図7の実施形態においては、この角度はほぼ20度である。
【0061】
同様に、角度γは、穿刺ヘッドの先端が鋭くとがるように十分に大きくなければならない。好ましくは、この角度は30度よりも大きい。より好ましくは、この角度は60度よりも大きく90よりも小さい。図6および図7の実施形態においては、この角度はほぼ90度である。言うまでもなく、角度γを90度以上にしても穿刺切断の品質においてはこれ以上の効果は得られない。しかしながら、図6の実施形態では、穿刺端の内部に面取り部が含まれており、これにより穿刺要素へ粉末の流れの引き込みを容易にすることができるという効果がある。
【0062】
さらなる実施形態(不図示)において、穿刺部の先端には、切断の開始を容易にするために「卵歯」が設けられてもよい。この場合には、卵歯のねじ山の角度はきれいな切断を容易にするためには決定的な意味を持つ。好ましくは、ねじ山の角度は100度より小さく、より好ましくは60度より小さい。
【0063】
穿刺要素は、金属やプラスチックなどの適切な硬質材料から作ることができる。金属からなる場合には、チューブおよび切断要素には、機械加工またはスパークエロージョンが行われてよい。プラスチック材料の場合は、機械加工または射出成形されてよい。構成を簡単にするために、チューブは1を超える部品を組み立てることでなってもよい。
【0064】
図9の実施形態では、それぞれ穿刺要素8を有する2つのチューブ9がブリスター1に挿入されている。チューブ9は、空気が一方のチューブ9からブリスター1に流れて薬剤を取り込みつつ他方のチューブ9を通ってブリスター1から出て行くように、各チューブ9の遠位端にある開口部10が互いに向き合うよう配置される。しかしながら、言うまでもなく、チューブ9は、穿刺要素8によって切断されためくれ部分の後ろに薬剤がひっかかるのを防ぐためにブリスターにより完全に穴をあけるために、空気の流れがブリスター内を通るときにより渦を生じさせるよう、開口部10を互いに反対方向を向くように配置させてもよい。このような構成は、図18〜図25を参照してより詳細に説明する。
【0065】
また、本発明は、図10Aに示すように、すでに図8Aおよび図8Bを参照して説明した本願出願人の同時継続中の出願であるPCT/GB2004/004416の、「H」型の穿刺要素の実施形態の変更例を提供する。穿刺ヘッドの形状は、ブリスター1内の自由な空気の流れを促し、全てまたはほぼすべての1回分の服用量を気流に取り込んでブリスター1の外部に運び出すためには、ブリスター1の蓋部に形成される開口部が十分な断面積を有する必要があるため、重要である。
【0066】
ここで図10Aの先行技術の図を参照すると、各穿刺ヘッド25は、主切断歯26と、それぞれ主切断歯26に垂直となるように主切断歯26の両端に水平に伸びる1対の副切断歯27とを備える。主切断歯26と副切断歯27はいずれも、鋭端部26a、27aに向かって先が細くなっており、副歯27の中間点の高さは、そのポイントが主歯26の端部と同じ高さになるようになっている。全ての歯の端部は鋭くなってブリスター1の蓋ホイル3の切断を支援するようになってもよい。主切断歯26の先端26aは各副切断歯27の先端27aの上にあるため、ブリスター蓋部1に第2の直線スリットを入れるために副切断歯27のいずれかが切断を開始する前に、主切断歯26はブリスター蓋部3を細長く切るかまたは少なくともその切断を開始する。支持プレート28からは主切断歯26と副切断歯27が直立しており、ここに主穿刺歯26と副穿刺歯27の下に切り込まれた空気が自由に通ることができる穴部29を有する。
【0067】
図10Bに、ブリスター片30のわずかな部分を図示し、図10Aを参照して説明した穿刺ヘッド25のそれぞれがブリスター1の蓋部3に切り込んだ開口部31の形状と大きさを示す。主切断歯26は蓋部3(点A)を貫通し、ブリスター1に入ると、矢印「B」により示されるようにそれぞれ2つの線形切断部またはスリットが形成される。穿刺ヘッド25がさらにブリスター1に侵入すると、副切断歯27がブリスター1を貫通し、主穿刺要素26により形成された第1の線形切断「B」の両端に、これに垂直な線形切断が、矢印「C」で示すように、さらに形成される。こうした切断は、穿刺ヘッド25がブリスター内に侵入するにつれて折り曲げられためくれ部分32を形成する効果がある。穿刺ヘッド25は、ブリスター1の蓋部3の表面積の30%から50%にわたって広がる開口部31を形成することができる。
【0068】
上で説明した従来の穿刺要素の実施例を図11に示す。この穿刺要素は、穿刺ヘッドがブリスター1に完全に挿入されたときに、穿刺されたブリスター1の蓋部3の上面に対して面一になる上面34を有する本体部33を備える。穿刺ヘッドは、上面34から直立する1個の穿刺歯35と、上面34の解放または陥没領域34aから直立するもう1つの穿刺歯36とからなる。開口部37,38は、歯35,36それぞれの下方の上面34および陥没領域34に形成される。各穿刺歯35、36は、図10Aおよび図10Bを参照して説明するように、主切断要素40と主切断要素40の端部にわたって延びる副切断要素41とを備える。更に詳細と切断面の角度の正確な寸法は、図27Aおよび図27Bを特に参照して、本願出願人の同時継続中のPCT出願GB04/004416により詳細に説明している。
【0069】
上記の従来の穿刺ヘッド35,36の問題点は、副切断要素41が、通常は、副切断要素41により内側に折られると角部38がブリスター壁39に接触または大変近くなる矩形のめくれ部分37(1つの副切断要素41の端面を示す図12の端面図を参照)に切断することである。これにより、空気の自由な流れ、ひいてはブリスター1内の粉末の動きが減少する。図12の端面図は、蓋部3に挿入されたときの上面図(図13b)、ブリスターの蓋部に挿入されたときの側面図(図13c)、穿刺ヘッドのH字型をはっきりと示しているブリスターへの挿入前の上面図(図13d)とともに、図13aでも繰り返されている。
【0070】
したがって、めくれ部分は、副切断要素41によってめくれ部分37の角部38とブリスター1の内壁39の間の距離が大きくなるよう形成されることが望ましく、めくれ部分37の端部がブリスター壁39の湾曲の形状におおむね対応することが最も好ましい。これは、一般に、例えば、図12および図13aに示す副穿刺歯の端面を示す歯が角度のついたまたは収束した端部46を有するめくれ部分45を形成する変更した形状を有するブリスターの同じ断面を示す図14aに示すように、めくれ部分37が、ブリスター壁の形状により密接に沿うようにその端部が内側に収束するように、矩形ではなく台形または三角形の形状になるように切断することにより実現される。図14bおよび図14cは、それぞれ、本発明の実施形態の変形例にかかるブリスター1の蓋部3に挿入された際の主および副切断歯の平面図および横断面図であり、図14dは従来の穿刺ヘッドをブリスター1に挿入する前の平面図である。
【0071】
図14dよりはっきりとわかるように、めくれ部分を台形または三角形の形状にしてめくれ部分とブリスター壁との間の距離を大きくするためには、副歯は、従来の「H」字型穿刺部のような主切断要素の両端に渡って延びる単一の平坦な板ではない。そうではなく、各副歯は、主切断要素50に交わるところに頂点49が位置する「V」字型または山形形状の要素48を備える。各山形形状要素は、よ主切断要素50にむかって内向きに向かうよう構成されている。この構成は、最初にブリスター蓋部にほぼV字型のスリットを入れ、その後穿刺ヘッドがブリスター1に挿入される際にブリスター蓋部3に形状台形または三角形の形状のめくれ部分51を形成し、めくれ部分51とブリスター壁39との間の隙間を向上しブリスター1への空気の自由な流れを与えて、従来の副歯27,41により切断されためくれ部分による空気の流れへの干渉を低減する。
【0072】
言うまでもなく、各副切断歯48の頂点49が事実上互いに接触して主および副切断歯48,50があわせて平面で見たときに「X」字型を形成するほど短い程度において、副切断歯48の主切断歯50に対する角度は変化してもよく、主切断歯50の長さも変化してよい。好ましくは、平面で見たときの副切断歯および主切断歯の間の角度は100度から135度の間である。図15の実施形態では、角度αはほぼ130度である。
【0073】
上記穿刺要素の変形例の実施例を図15に示す。これは、すでに述べたように、まず最初におおむねV字型のスリットをブリスター蓋部3に形成しブリスター壁の内部に接触しない三角形形状のめくれ部分をを形成するように副切断歯48が変更されていることをのぞいては、図10A、図10B、図11に示す従来の穿刺要素を参照して上記で説明した実施例におおむね類似している。
【0074】
言うまでもなく、上記実施形態は、2つの矩形のめくれ部分ではなく、図14Eに示すような4つのほぼ三角形または台形形状のめくれ部分37aを開港する。ブリスター1の各端部の三角形めくれ部分37aは、開いたときにそれほどブリスターベース部に近くないためその背後により大きな空気の流れを生じ、ブリスター1からの粉末の除去に役に立つ。図14および図15を参照して説明する穿刺要素は、図14Eから明らかなように、ブリスター蓋部に切り込まれる封筒の形に似たスリットの形状より、「封筒」型穿刺部として知られている。
【0075】
図10A、図10B、図11に示す上記の穿刺要素の従来の実施例の別の実施形態において、要素がブリスター蓋部挿入される方法を考慮にいれて穿刺ヘッドを変更することができる。例えば、ブリスターへのアクセスを可能とする1つ以上の穿刺ヘッドを含む吸入器では、通常、穿刺ヘッドの位置とヘッドの挿入され方を制御するメカニズムを組み込んでいる。このメカニズムは、例えば、穿刺ヘッドを、ブリスター蓋部の面に垂直なほぼ直線方向にしたがってブリスターに侵入するように制御してもよい。しかしながら、穿刺要素は、穿刺ヘッドがブリスターを穿刺するに伴い穿刺要素が弧を描いて移動するよう旋回作動部材に位置することが多い。この場合、ホイルのめくれが正確に形成されるよう、またホイル蓋部の最初の穿刺が主歯の「先端」によて意図されたように行われるようにするために、穿刺ヘッドを変更することが効果的である。これは、図16および図17に示すように、主切断歯60を穿刺ヘッドが直立する穿刺要素の上面34,34aに対して、主切断歯の先端がブリスター蓋部3に接触する点での穿刺要素の上面とブリスター蓋部1との間の角度が補償されるように、角度をつけて形成することにより実現される。これは、一方の副切断歯61の上部から他方の副切断歯62上部へと延びる主切断要素60が穿刺要素の上面34に対して角度を有するように、副切断要素61のいずれかを他方の副切断歯62よりもさらに穿刺ヘッドの上面34から突出させることにより実現される。
【0076】
以下に、本願出願人のいうところの「ダブルビーク」穿刺部であるさらなる実施形態を、図18〜図25を参照して説明する。この実施形態は、穿刺ヘッドまたは歯が、開口部が、図9に示すように向き合うのではなく、互いに反対の方向を向く「背中合わせ」の関係に配置されることをのぞいては、図9に示すものに類似であることは明らかである。
【0077】
小さな賦形剤粒子(通常、直径20〜100μmの範囲)により、粉末は従来の穿刺ヘッドを有する穿刺要素を用いてブリスターから容易に取り除くことができる。しかしながら、粒子サイズが100μm〜500μmの間の大きな賦形剤粒子や、より小さい粒子の同じくらいの範囲の大きさの塊を含む処方もある。従来の穿刺ヘッドでは、インレットとアウトレットの間の流路が十分に空いておらず、粉末がひっかかる「デッド」領域が生じるため、これらの粉末を完全に取り除くことができない。本実施形態は、めくれ部分が穿刺ヘッドの背後にくるためにめくれ部分による邪魔を取り除いたより大きな開口部を形成し、空気の流れがめくれ部分の後ろの領域およびブリスターの端部付近をふき取るように導くことにより、このような制限を克服する。
【0078】
まず図18A〜図18Cを参照すると、1つの穿刺要素の一部を形成する2つの穿刺ヘッド70が挿入されたブリスター蓋部3の下面を示す。各穿刺ヘッド70はブレード状の要素の形状をしており、おおむね挿入方向に延びるまたは挿入方向に対してわずかな角度がついただけの第1の足部71と、第1の足部71の端部からより水平方向に延びて各穿刺ヘッド70によってブリスター蓋部3に形成される開口部74に張り出す第2の足部72とを備える。各穿刺ヘッド70の第2の足部72は蓋部3を穿刺して開口部74を形成するので、蓋部3の開口部74を通過する空気の流れを遮断しないようにブリスター内に折りたたまれて第1の足部71に位置するめくれ部分73を形成する。
【0079】
穿刺ヘッド70は、ホイルのめくれ73の内面と同様に、背中合わせの関係、すなわち各穿刺ヘッド70の第1の足部71は互いに背中あわせとなるが、図18Cに示すように水平にそろっている必要はない。逆に、穿刺ヘッド70は、図18Aまたは図18Bに示すように、ブリスター1を通過する空気の流れがより大きな渦を生じることができるように、「X」で示した方向に互いにオフセットしていてもよい。図18Cにおいて、穿刺ヘッド70は完全にそろっているが、図18Bでは、穿刺ヘッド70は「X」方向に部分的に重なっている。図18Aでは、穿刺ヘッド間での重なりはまったくなく、これにより開口部74の間に「S」字型流路を形成する。
【0080】
以下の表は、吸入に用いられるラクトースのいくつかの等級についての評価データを示す。従来の穿刺部設計および本実施形態の穿刺ヘッドの両方による残差標準偏差(RSD)によって示されるように、従来の吸入ラクトース(RespitoseSV003、DMV International Pharma、オランダ)を繰り返し評価する。より大きいCapsulacの等級は従来のものによっては繰り返し評価はしていない。しかしながら、本実施形態の穿刺ヘッドでは、残差標準偏差(RSD)により示される評価再現性は著しく向上している。
【表1】
【0081】
図19は、図18に示す両方の穿刺ヘッド70が直立する穿刺要素75を備える穿刺ヘッドの実施例を示す。穿刺要素75は、穿刺ヘッドの構成が異なること以外は図11の穿刺要素に類似の構成を有している。図11を参照して説明したように、穿刺要素は、穿刺ヘッド70がブリスター1に完全に挿入されたときに、穿刺されたブリスター1の蓋部3の上面に対して面一になる上面34を有する本体部33を備えてよい。穿刺ヘッド70は、上面34から直立する1個の穿刺歯70aと、上面34の解放または陥没領域34aから直立するもう1つの穿刺歯70bとからなる。開口部37,38は、歯70a,70bそれぞれの下方の上面34および陥没領域34に形成される。開口部38はブリスター内への気流インレットとなり、開口部37はブリスターからの気流/薬剤アウトレットとなる。
【0082】
図18を参照して説明したように、各穿刺歯70は、面34,34aから直立する第1の足部71と、少なくとも部分的に開口部37,38に張り出すように第1の足部73の端部から水平方向に延びる第2の足部72とを備える。第1および第2の足部71,72は、両者の間の湾曲76の領域で互いに滑らかにつながることがわかる。第2の足部の遠位端は、挿入の際、最初にブリスター1の蓋部3と接触して蓋部3に第1の切り込みをいれて、その後穿刺ヘッド70が蓋部3を通ってさらにブリスター1内に挿入されると、穿刺ヘッド70により折りたたまれるめくれ部分73を形成する主刃先77を有する。副刃先77aは穿刺ヘッド70の両側に沿って主刃先77から面34,34aへ延び、主切断要素77より形成されたスリットに対してほぼ直角にブリスター蓋部に副スリットを入れ、これによりブリスター蓋部3の残りの部分に付着したほぼ矩形のホイルめくれ部分が一端に沿って形成され、これは穿刺ヘッド70がブリスター1へ挿入され続けるにともなって穿刺ヘッド70によりブリスター1の内部に押しこまれる。
【0083】
支持足部78は、第2の足部72の遠位端から開口部37,38近傍の面34,34aに向かって延びるが、この支持足部78は必須ではなく、省略可能である。
【0084】
図20および図21の側面図および背面図を考慮すると、言うまでもなく、刃先77の先端79のみが最初にブリスター蓋部3接触して切り込みを入れるように、第2の足部72は水平またはブリスター蓋部3の面に対して2方向に角度がついている。第2の足部72の残りの部分は先端79からはずれて第1の足部71および穿刺要素の上面34,34aに向かう。先端79は、穿刺ヘッド70の最も高い点であり、面34,34aからは最も遠い。穿刺ヘッド70は、図21に示すように、先端79がブリスター1の中心に向かうよう構成されるが、これはブリスターはその地点で最も深くブリスター壁に近づきすぎることなく穿刺ヘッドを収容することができるためである。
【0085】
本願発明者らは、正確かつ一定の穿刺を確実にするためにはホイルに対して十分な切断角度が必要であることを見出した。これらの角度は図20および図21に「アルファ」および「ベータ」として示しており、通常、5度から45度の範囲にある。これよりも大きい角度は、穿刺要素を通る空気の流れを妨げる傾向にあるためあまり望ましくない。
【0086】
刃先77は、図19〜図21に示すように、刃先先端79から離れた刃先の下端にある、第2の足部72のセクション80をとりのぞくことにより短くしてもよい。
【0087】
図19を参照して説明した穿刺ヘッド70は「閉鎖」型、すなわち第1および第2の足部72,73が硬質で連続した壁面である。しかしながら、実施形態の変形例では、穿刺ヘッドは「開放」型であってもよく、この場合は第1および第2の足部72,73の中央領域81が切りとられて、図21〜図23、および図25に示すように開口部を形成する。閉鎖型はブリスターに入る空気の方向についてより制御を行うことができるが、開放型は気流を増加させることができる。言うまでもなく、開口部81はどのようなサイズでもよく、穿刺ヘッドがずっとおおきな開口部をブリスター蓋部3に形成する図23に示す変更例が示唆するように足部71,72がブレード状の要素ではなく実質的にワイヤフレーム形状であってもよい。
【0088】
さらに気流の制御を行うために、図24および図25に示すように穿刺ヘッドを部分的に囲むために1つ以上の側壁82を設けてもよい。
【0089】
以下に、図14および図15を参照して説明した「封筒」型穿刺要素の2つのさらなる発展形について説明する。
【0090】
図26は、穿刺ヘッドが以下に述べる問題点を実質的に克服または軽減する異なる構成または「2重U」字型構成を有していることを除いては、図11、図15、および図19〜図25を参照して説明した穿刺要素に類似の穿刺要素の斜視図である。
【0091】
穿刺要素が射出成形されたポリマーである場合、刃先の鋭さは任意の材料について射出成形過程で得られる最小半径により決定される。ABSなどの材料について得られる刃先の最小半径は、通常、50ミクロンが最小減であるが、これは例えば金属ブレードで実現可能な端部に比べると比較的鈍い。ABSなどの従来のポリマーは、また、金属に比べると著しく柔らかく、これも切断品質に影響を与える。これは、ある穿刺条件下において、特に弱い蓋ホイルについては、成形された奥行きのない封筒穿刺部はホイルに所望の切断を行えないことがあることを意味する。最悪の場合、ブリスターの蓋部ははっきりと規定された2つの開口部を形成することなく崩れる。この理由のひとつとして、ブリスター蓋部の中央に近い部分からブリスターの端部に向かって切断を行う場合、切断されるホイルが、例えばブリスター蓋部の端部から中央に向けて切断する場合に比べてうまく支えられないことがある。
【0092】
本実施形態は、このような問題を克服し、図14および図15を参照して説明した奥行きのない封筒型穿刺要素に類似の切断パターンを、より一定して制御された方法で形成するために設計されるものである。
【0093】
図26よりわかるとおり、各穿刺ヘッド85は、1対のおおむね「U」字型をした要素85a、85bを備える。各U字型要素は、空気の流れ開口部37,38の両側に穿刺要素の面34,34aから直立する1対の垂直材86を備える。ブリッジ部87が向き合った1対の垂直材86のそれぞれから、垂直材86の中間点で頂点88に交わるように上向きの角度に延びている。
【0094】
開口部37,38および穿刺要素の面34,34aから離れて上向き方向に角度が付けられていることに加えて、同じ開口部37,38に関連付けられた各U字型要素85a,85bのブリッジ部は、図14および図15の実施形態の副切断要素48が内向きにそれぞれV字型のポイントから主切断要素50に向かって角度がつけられているのと同様に、内向きまたは互いの方向に角度がつけられている。
【0095】
ブリッジ部87は、多面構成であり、垂直材86からブリッジ部87の間の頂点88で刃先に向かって上向きに延びる刃先89が2つのファセット90,91の間に形成される。更なる刃先92が、各U字型穿刺要素85a,85bの頂点88から、同じ開口部37,38に関連付けられたU字型穿刺要素85a,85bの他方の方向に向かって延びる。
【0096】
ブリスターの蓋部3に形成される切断パターンを図27に示す。この図から、各穿刺ヘッドの頂点88は、最初の切り込みを蓋部3の図の「A」で示す部分にいれることがわかる。穿刺ヘッドをさらにブリスターに挿入することにより、刃先89がブリスター蓋部に、初期切り欠き「A」からブリスター蓋部3の端部に向かって外向きにスリット93,94を入れるようにする。言うまでもなく、図の破線「B」で示すようにブリスター蓋部3の切り欠け「A」の初期ポイント間が押し開けられるるように基本的にU字型穿刺ヘッドの各対の間から延びる切断要素はない。ブリスターの蓋部3のスリット形成および押し開けの結果として、2対のおおむね三角形または台形の形状のブリスター1への挿入の際に穿刺ヘッドにより折り線97に沿ってブリスター1内に折りこまれるめくれ部分95,96,97,98が形成される。穿刺ヘッドの各対の間に伸びる切断要素はないが、言うまでもなく、刃先92は、押し開けに先立って切り欠け「A」の初期ポイント間に延びるスリットの形成開始の機能を果たす
【0097】
図16を参照して説明したように、穿刺要素は、ブリスター蓋部3に対して直角に延びる実質的に線状の経路でブリスター1に入るように制御することができる。しかしながら、穿刺ヘッドがアーチ状の経路にしたがってブリスター1に侵入するために法線に対して数度で蓋部3に接近し蓋部3の面に対して平行な方向の運動の成分を有するように、穿刺要素を旋回アクチュエータに取り付けてもよいことは予想される(例えば本願出願人の同時継続中のWO2005/037353A1として公開されている国際出願PCT/GB2004/004416に開示されるように)。この場合、前の段落に説明した穿刺ヘッドの使用は、図28Bに示すように、旋回軸から最も遠いめくれ部分95の拡大につながり、旋回軸に最も近いめくれ部分96のサイズが小さくなることになる。
【0098】
補償のために、旋回軸に最も近い穿刺要素の刃先から延びるファセットによりはっきりしとした面取り部を設けることができる。しかしながら、面取り部が大きすぎると穿刺パターンに有害な影響を与えることがあり、穿刺が一定でなくなるため、面取り部を大きくしすぎないよう注意が必要である。よりはっきりとした面取り部のある穿刺ヘッドを有する穿刺要素を、図29A、図29B、図29Cに示す。図29Aでは、面取り部は中程度に目立った状態にあり、図29Bでは、面取り部は完全にはっきりとしている。
【0099】
図29Cに示す好適な実施形態において、旋回軸に最も近い穿刺要素の2つのファセット91は、ブレードを形成するために交差する3D曲面を形成するためにねじられる。ブレードは、旋回軸と反対方向を向いており、蓋部3の面に平行な方向の運動の成分の方向を向いている。ブレードは、穿刺ヘッドのその支持からの突出の方向に対して5度から30度の間の角度を有しており、好ましくは10度から20度の間の角度を有する。図29Cに示す実施形態では、角度は15度となっている。ブレードは、1点でファセット90に交わる。穿刺の間、この点は初期切り欠きとなる。ブレードは、その後ホイルに入り、穿刺が行われている間の再現可能な押し出しの実現に必要なV字型のスリットを蓋部3の面に平行な運動の要素がある場合でも押し出されるまで保証する。
【0100】
図30に示す先に述べた「2重U」字型穿刺ヘッドの更なる変形例では、ブリッジ99が各対のブリッジ部87の間に延びる。ブリッジ99は、図27で「A」と記された初期切り込みポイントの間で蓋部3の押し出しがより確実かつ再現可能な方法で実現されることを保証する役割を果たす。ブリッジ99は各対のブリッジ部87の間に完全にのびなくてもよく、一方にだけとりつけられてもよいことも予想される。ブリッジ99は、蓋部3の切断ではなく、これを押し出すことができるように、おおむね湾曲した周辺面を有する、すなわち円筒形状であってもよい。また、言うまでもなく、ブリッジ99は、初期切り込みおよびスリットがブリッジ99が蓋部3に接触する前に刃先92により切断されるよう、ブリッジ部87の頂点88の下方に位置する。すでに述べたように、初期スリットは刃先92により蓋部3の初期切り欠き「A」で示される2点の間に入り、ブリッジ99による蓋部3押し出しの制御を容易にする。
【0101】
次に、「2重クロス」型穿刺部として知られる封筒型穿刺要素の2つ目の発展形を、図31〜図36を参照して説明する。
【0102】
図14および図15の実施形態に関連してすでにのべたように、副切断歯48の間に延びる主切断歯50の長さは、主および副切断歯48,50が実質的に平面で見たときに「X」形状を形成する程度まで変化してもよい。
【0103】
本実施形態では、図30に示すように、副切断歯48が全て同一の頂点100で交わるように主切断歯50が完全に省略される。
各切断歯48は、先が細くなって先のとがった刃先先端101になり、あわせて類似の形状およびサイズの4つのほぼ三角形のめくれ部分を形成する。各切断歯48は、図32の矢印に示すように、初期挿入ポイント(「B」と記される)から頂点に向かう方向とブリスター蓋部3の外部端部に向かう方向の反対の2方向に切断される。これにより、より一定して制御されたブリスター蓋部3の穿刺が行われる。
【0104】
ブリスター蓋部3の切断の開始点は、最適な切断のために、蓋部3がよりよく支持されるブリスター1の外部端部に向かうことが理想的である。しかしながら、穿刺部がブリスター1に完全に侵入することができるようにするためには、これらの点が穿刺後ブリスター1に合うように、すなわち、刃先101がブリスター1の最も深い点に向かって侵入することができるように、切断の開始点を蓋部の中央方向に半分ほどまで移動させることが効果的である。
【0105】
上記の穿刺要素の図33に示す変更例では、穿刺歯48は穿刺時にめくれ部分の開口を促すために拡大された部分102をその基部に有している。図34に示すさらに別の変更例では、ノードまたはその他の突出部103が切断歯48の間の穿刺ヘッドの面34、34aおよび開口部37,38の周辺からから直立しており、穿刺時にめくれ部分の押し出し開口を支援する。
【0106】
最後の実施形態は「4点クラウン」穿刺要素と呼ばれるものであり、図35に図示する。この実施形態は、基本的に、図26に示す2重U字型穿刺要素と図30に示す2重クロス型穿刺要素との組み合わせであり、面34,34aから延びる4つの垂直材105を備える。アームは、各垂直材105の端部から内向きかつ上向きに角度をもって延びており、頂点107に交わる。各アーム106の端部は、それぞれ先端109を有する4つの三角形状のファセット108を形成するよう切り抜かれている。これらの先端109はブリスター蓋部に蓋部の中央に大変近い位置で4つの切り欠けを開始し(図36の「C」とマークされた切り欠けを参照)、各切断歯は、その後蓋部に各切り欠きから外向きかつ内向きに延びるスリットをいれる。
【0107】
添付の特許請求の範囲に含まれる本発明の多くの修正例および変形例が当業者には明らかとなる。また、上記の説明は本発明の好適な実施形態
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】図1A〜図1Dは先行技術の横断面図であり、従来の穿刺要素がブリスターに穴を開けて内部に入るところを示す図である。
【図2】図2A〜図2Dは、本発明の実施形態にかかる穿刺要素を用いた、図1に類似の図である。
【図3】薬剤の塊が空気の流れに取り込まれて穿刺要素の開口部を通ってブリスター外部へ出るときにたどる経路を示す、図2Dの拡大図である。
【図4】薬剤の塊が開口部への入口を部分的に遮断する蓋部のめくれにより穿刺要素の開口部を通ってブリスターの外へ出ることが阻止される様子を示す、図1Dの先行技術の拡大図である。
【図5】図3に類似の、本発明の実施形態にかかる穿刺要素により穿刺されたときに空気の流れがブリスターに入って出て行く様子を示す図である。
【図6】図6A〜図6Dは、それぞれ、本発明にかかる代替的な穿刺要素の横断面図、側面図、正面図、斜視図である。
【図7】図7A〜図7Dは、それぞれ、本発明にかかる別の代替的な穿刺要素の横断面図、側面図、正面図、斜視図である。
【図8】図5に類似の、穿刺「スター」を用いて蓋部に追加的な空気インレットを形成する方法を示す図である。
【図9】2つの穿刺ヘッドがブリスターに挿入され、一方のチューブがブリスターへの空気インレットとなり、他方がブリスターへの空気/薬剤アウトレットとなる本発明の別の実施形態を示す図である。
【図10】図10Aは2つの穿刺ヘッドを有する穿刺要素の従来の形態を、図10Bは図10Aに示す穿刺要素の従来の形態により形成された切断の種類を図示するためにブリスター片のごく一部を示す図である。
【図11】図10Aの穿刺要素の従来の実施例の斜視図である。
【図12】従来の副切断要素の端面とこれによって形成されるめくれ部分とを示す横側面図である。
【図13】図13A〜図13Dは、従来の穿刺ヘッドの各種の図を示す。
【図14】図14A〜図14Dは本発明にかかる穿刺ヘッドの変更例の各種の図を、図14Eは図14A〜14Dに示す穿刺ヘッドを用いて切断されためくれ部分の形状を図示するブリスター蓋部の上面図である。
【図15】図15A〜図15Dは、それぞれ、本発明の実施形態にかかる穿刺要素の実施例の端面図、上面図、側面図、斜視図である。
【図16】図16A〜図16Bは、本発明にかかる穿刺要素の図であり、ブリスター蓋部へのアーチ状の経路にしたがうときの穿刺ヘッドの角度の付け方を示す。
【図17】図16Aおよび16Bに示す穿刺要素の斜視図である。
【図18】図18A〜図18Cは、2つのブリスター穿刺ヘッドにより互いに異なる相対位置に穴が空いた後のブリスター蓋部の下部の、3つの代替的斜視図である。
【図19】図18の穿刺構成の実施例を形成する穿刺要素の斜視図を示す。
【図20】図19に示す穿刺要素の横立面図である。
【図21】図19および図20に示す穿刺要素の後立面図である。
【図22】図19に類似の、本発明にかかる穿刺要素の実施形態の別の変更例の斜視図である。
【図23】図19および図22に示す、本発明にかかる穿刺要素の実施形態のさらに別の変更例の斜視図である。
【図24】図19、図22、図23に示す、本発明にかかる穿刺要素の実施形態のさらに別の変更例の斜視図である。
【図25】図19、図22、図23、図24に示す、本発明にかかる穿刺要素の実施形態のさらに別の変更例の斜視図である。
【図26】本発明にかかる穿刺要素の実施形態の別の変更例の斜視図である。
【図27】図26に示す穿刺要素を用いて形成された穿刺パターンを示す、ブリスター蓋部の平面図である。
【図28】図28Aは図26に示す穿刺要素を用いた望ましい切断パターンを示すブリスター蓋部の平面図であり、図28Bは図26に示す穿刺要素を旋回アクチュエータに取り付けて用いた実際の切断パターンを示すブリスター蓋部の平面図である。
【図29】図29A〜図29Cは、穿刺パターンを図28Aに示すパターンにより近づけるために、旋回アクチュエータに取り付けられたときの穿刺ヘッドの角度侵入を補償、図26に示す穿刺要素の3つの変更例を示す図である。
【図30】本発明にかかる穿刺要素の別の実施形態を示す図である。
【図31】本発明の実施形態にかかる穿刺要素のさらに別の実施形態を示す図である。
【図32】図31の穿刺要素により形成された切断パターンを図示するブリスター蓋部の平面図である。
【図33】図31に示す穿刺要素の変更例を示す図である。
【図34】図31に示す穿刺要素の別の変更例を示す図である。
【図35】本発明の実施形態にかかる穿刺要素のさらに別の実施形態を示す図である。
【図36】図35に示す穿刺要素により形成された切断パターンを図示するブリスター蓋部の平面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥粉末吸入機器用の穿刺要素に関する。本発明は、特に、吸入機器の使用者により吸入される1回分の服用量の薬剤を収容するブリスターのホイル蓋部に穴をあける穿刺要素に関する。
【背景技術】
【0002】
吸入器を用いた薬剤の経口または経鼻デリバリーは、こうした機器を比較的簡単に患者がわからないようにまたは人前で使用することができるため、とりわけ魅力的な投薬方法である。気道の局部的な疾患やそのほかの呼吸障害を治療する薬剤のデリバリーと同じく、肺を介して血流に薬剤をデリバーし、これにより皮下注射の必要をなくするために、より最近になって用いられるようになった。
【0003】
乾燥粉末処方は、通常はそれぞれが正確かつ一定して測定された1回分の服用量の粉末を収容するカプセルまたはブリスターとして、1回ごとの服用量にあらかじめパッケージされることが一般的である。ホイルブリスターはカプセルよりも望ましいが、これは、1回分の服用量が光線や紫外線から遮蔽されることに加えて水分の浸入や酸素などの気体の浸透から保護されるためであり、これらはすべて、1回分の服用量が暴露された場合には、吸入器のデリバリー特性に対して決定的な影響を持ちうる。
【0004】
ブリスターパックは、一般的に、多数の離間して配された一回ごとの服用量または薬剤を受けるブリスターを規定する空洞部を有するベース部と、おおむね平面状のシート形状をし、各空洞部の周囲領域ベース部材料と蓋部材料とを圧縮する封止具を用いて空洞部の領域を除いてベース部にシールされた蓋部とを備える。ベース部材料は、通常、薬剤に接触するポリマー層、軟質アルミニウム層、および外部ポリマー層からなる薄板である。アルミニウムは湿気および酸素からのバリアとなり、ポリマーはアルミニウムのヒートシールラッカーに対する接着を支援し、薬剤に接触する比較的不活性な層となる。軟質アルミニウムは、ブリスター形状に「冷間成形」可能なように延性がある。通常は、厚みが45μmである。外部ポリマー層は、薄板に対して付加的な強度と硬度とを与える。
【0005】
蓋部材料は、通常、ヒートシールラッカーと、硬質圧延アルミニウム層と、外部ラッカー層とからなる薄板である。ヒートシールラッカーはヒートシール中にベースホイル薄板のポリマー層に接着してブリスター空洞部の上部の周囲をシールする。硬質ホイルは、吸入機器の一部を構成する穿刺要素により簡単に穿刺して蓋部に1つ以上の開口部を開けるには比較的もろい。これらの開口部により空気やガスがブリスター内部を流れ、乾燥粉末を取り込んでブリスターから取り除く。その後、粉末は再び凝集して呼吸可能な霧となり、使用者により吸入可能となる。
【0006】
ブリスターパックまたはブリスター片を受ける吸入機器はすでに知られている。この機器の作動により、メカニズムがインデックス付けをしてブリスターに穴を開け、機器が用いられるときにブリスター内を空気が服用分を伴って引き込まれ、その後、服用分がブリスターの外部へ運ばれて、機器を通過し、患者の気道を介して肺へと運ばれる。このような機器のひとつに、WO2005/037353A1として公開されている本願出願人の同時継続中の国際出願PCT/GB2004/004416より知られているものがある。
【0007】
空気の流れは、使用者の吸入により生成することができる。このような吸入機器は、一般的には受動素子して知られている。また、吸入器は機械ポンプまたは圧力または吸引力を生成する加圧ガスなどのエネルギー源を含んでもよい。これらの能動素子における空気またはガスの流れは、受動素子における流れよりも大きく、より再現性がある可能性が高い。これにより、より好ましく、また安定してブリスター内を空にすることができる。
【0008】
ホイルは必ずしも一定の方法で破れたり破裂したりするわけではないため、ブリスター蓋部に開けられる穴の大きさや構成を制御することが難しいことがわかっている。しかしながら、ブリスターに穴を開ける方法は、乾燥粉末吸入機器の性能において決定的な重要性を有している。
【0009】
蓋部に穴が開けられるときには、めくれたホイルがブリスターの中に入るため、問題が起こるのが普通である。このようなめくれたホイルは、ブリスター内の粉末を閉じ込めたり開口部をわかりにくくしたりする。言うまでもなく、ブリスター蓋部に大きな開口部を形成して、十分な気流がブリスター内を流れる、格納中に生じうる粉末の塊が取り除かれるようにすることが有益である。しかしながら、ブリスターに大きな穴を開けることは、ホイルのめくれも大きくなり、粉末を閉じ込めて空気の流れを妨げる可能性が高いことを意味する。
【0010】
従来の機器では、ほとんどの場合、吸入の間はブリスターから引き出されずに内部にとどまる穿刺要素を用いる。US5533502およびGB2340758では、ブリスターもしくは1回分の服用量の収納部に入る2つの穿刺要素を備える機器が開示されている。この穿刺要素は、中空の筒状をしており、穿刺を容易にするために先端が斜めになっている。空気またはガスは、一方の穿刺要素からブリスター内に入って他方から出る。しかしながら、穿刺要素は、特に受動素子の場合、ガス管のサイズが小さいことによりブリスター内のガス流を著しく制限し、塊の除去を妨げる点において不利益である。さらに、斜端により形成されたホイルのめくれは、穿刺要素の開口部を妨害することもある。このため、穿刺要素を必定以上にブリスター内部に押し込むことが必要とされる。
【0011】
斜端を有する穿刺要素によりブリスター蓋部にホイルのめくれが形成されるプロセスを図1A〜1Dに示す。この図より、言うまでもなく、ホイルのめくれは、ブリスター内部不覚に挿入されない限り(図1(d)参照)、部分的に管内の気流の流露を遮断する(図1(b)および1(c)参照)。US64011712およびUS6637431は、いずれも、吸引管がホイルブリスター内に挿入される機器を開示する。しかしながら、いずれの場合も、吸引管と切断されたホイルのめくれによってホイルブリスター内部に著しい侵入が生じる。
【0012】
こうした問題を緩和するための試みとして、WO01/87393に開示される機器が提供される。この機器は中央出口および周辺入口の2つの穿刺ヘッドを備える穿刺要素を有する。この穿刺要素は、蓋ホイルの切断部分がブリスター内部ではなく外部の上方にめくれ上がるよう、回転しながら挿入される。これは、切断したホイルのめくれのブリスター内部への侵入の低減、ガス流の向上、および薬剤の閉じ込めの可能性の低減などの利点を有するものの、挿入中に穿刺要素を回転させるメカニズムは、機器を著しく複雑なものとする。
【0013】
本願出願人の先の出願であり、それぞれWO2005/025656A1およびWO2005/037353A1として公開されているPCT/GB2004/03940およびPCT/GB2004/004416は、ブリスターへの穿刺と空にするための改良を提案する。PCT/GB2004/03940は、ブリスターに中央開口部を形成する穿刺要素と薬剤アウトレットチューブの周辺に複数の入口開口部を形成する第2穿刺要素とを組み合わせた薬剤アウトレットチューブを開示する。しかしながら、この文献に開示される能動素子は、ガス速度をブリスターの効果的な穿刺に十分なエネルギーを生成するものの、薬剤アウトレットチューブは、先に述べたように部分的にホイルのめくれによって遮断され、これにより、間隙を通過できない大きすぎる塊はブリスターから外に出ることができない。
【0014】
また、PCT/GB2004/004416より、ブリスターにインレットとアウトレットを形成する2つの穿刺ヘッドを有する穿刺要素が開示される。各穿刺ヘッドは、主ブレードと、2つの側部副ブレードとを備え、これらはあわせて「H」字型構成を形成する。これらのブレードは、切断して穿刺ヘッドがブリスターのホイル蓋部の内部に挿入されると、いくつかのホイルのめくれを形成する。この構成により、蓋部に大きな開口部が形成され、ブリスター内部に自由な気流を生じさせることができるため、本願に開示される吸引および流量が使用者の吸入により生じるものに制限される機器のような受動吸入器には特に好適である。
【0015】
ブリスターの蓋部に形成されるホイルのめくれは、上記およびPCT/GB2004/004416により詳細に説明するような穿刺要素によって著しく小さくすることができるが、それでもいくらかはホイルのめくれがブリスターの内部に突出することがある。薬剤が自由に流動する粉末である場合には、これはまったく許容範囲であるが、凝集性のある粉末の塊はホイルのめくれとブリスターベース部との間に捕らえられることがある。
【特許文献1】国際公開第WO2005/037353A1号
【特許文献2】米国特許第5533502号
【特許文献3】英国特許第2340758号
【特許文献4】米国特許第64011712号
【特許文献5】米国特許第6637431号
【特許文献6】国際公開第WO01/87393号
【特許文献7】国際公開第WO2005/025656A1号
【発明の開示】
【0016】
本発明は、上述のような従来の機器における問題やブリスターからの粉末の処方薬の除去に関連するその他の問題を克服または軽減することを目的とする。
【0017】
本発明によれば、使用者により吸入される1回分の服用量の薬剤を収容するブリスターの蓋部を穿刺するブリスター穿刺要素であって、空気の流れにとりこまれた薬剤が前記ブリスターの外へ出る通路であるアウトレット開口部と、前記開口部の上方に延びて張り出し、当該蓋部への挿入中にブリスターの蓋部のめくれ部分を切断してこれを前記開口部から離れるように押し出す穿刺ヘッドとを備える穿刺要素が提供される。
【0018】
この穿刺ヘッドは、好ましく前記アウトレット開口部の周辺の一部から延びている。
【0019】
言うまでもなく、チューブ内の開口部上方に連続する穿刺ヘッドはホイルを切断してめくれ部分を形成し、このめくれ部分はその後、穿刺ヘッドに対して位置し開口部を妨害しないように、当該穿刺ヘッドにより折り曲げられ、これにより、穿刺を容易にするような斜端を備えたものなどの従来の穿刺ヘッドよりも、ブリスターを通過する大きな経路が形成される。
【0020】
好適な実施形態において、前記穿刺ヘッドは前記アウトレット開口部全体に張り出している。
【0021】
好ましくは、前記穿刺ヘッドは刃先を備え、これは前記穿刺ヘッドの端部に形成されてもよい。
【0022】
一実施形態において前記穿刺先端は前記穿刺ヘッドの端部の近位に形成される。この場合、前記穿刺先端の上方に延びる前記穿刺部材の端部は前記開口部の方に折れ曲がる。したがって、穿刺部材は一般的にはかぎ形状要素の形態をとる。
【0023】
好適な実施形態において、穿刺ヘッドは、前記刃先の先端のみが最初に前記ブリスター蓋部に接して前記蓋部にスリットを入れ始めるように、前記刃先が穿刺対象のブリスター蓋部の面に対して角度をつけるよう構成されている。
【0024】
前記先端から離れた前記刃先の部分は面取りまたは取り除かれていてもよい。
【0025】
穿刺ヘッドはブレード状要素の形態をとってもよく、前記刃先は前記ブレード要素の自由単に形成された、ブリスター蓋部に初期スリットを入れる主刃先を備えてもよく、前記主刃先により形成された前記切り込みに対してほぼ直角のスリットをブリスター蓋部に入れて、前記穿刺ヘッドにより前記ブリスターに押し込まれるめくれ部分を形成する副刃先は、前記主刃先と前記アウトレットとの間の前記ブレード要素の両端に沿って延びてもよい。
【0026】
一実施形態において、前記ブレード状要素は硬質である。しかしながら、前記ブレード状要素は少なくとも1つの開口部を有してもよい。
【0027】
実施形態の変更例では、前記副刃先と前記アウトレットとの間に延びる領域は壁によって囲まれている。
【0028】
特に好適な実施形態では、前記ブリスター穿刺要素は、アウトレット開口部に加えて、インレット開口部と1対の穿刺ヘッドとを備え、一方の穿刺ヘッドは前記アウトレット開口部の上方に延びてこれに張り出し、他方の穿刺ヘッドは前記インレット開口部の上方に延びてこれに張り出している。
【0029】
好ましくは、前記2つの穿刺ヘッドは背中合わせ構成で配置されている。これら2つの穿刺ヘッドは第1の方向に互いに離間しているが、両者の間の空間に対して直角の横方向に互いに離間またはオフセットしてもよい。
【0030】
好ましくは、前記刃先先端がブリスター蓋部に中心に近いところに切り込みを開始するように各穿刺ヘッドの前記刃先は角度を有し、前記刃先が前記ブリスター蓋部の両端にむけて前記ブリスター蓋部の外向きに反対方向に延びる方向にブリスター蓋部にスリットを入れる。
【0031】
本発明の別の様態によれば、使用者により吸入される1回分の服用量の薬剤を収容するブリスターの蓋部を穿刺するブリスター穿刺ヘッドであって、穿刺部材がブリスターに侵入するとともに前記蓋部に第1の線形スリットを入れるよう構成された主切断要素と、前記穿刺ヘッドがブリスターに侵入するとともに前記主切断要素により形成された前記第1の線形スリットの両端に延びる第2のスリットを入れるよう構成され、前記主切断要素の両端に延びる副切断要素とを備え、前記主および副切断要素は合わせて前記蓋部に当該主および副切断要素により横に折りたたまれるめくれ部分を形成し、前記副切断要素は、前記ブリスターに侵入するとともに、それぞれ実質的にV字型のスリットを前記ブリスター蓋部に形成する、ブリスター穿刺ヘッドが提供される。
【0032】
前記副切断要素は、好ましくは、前記V字型スリットが互いに内側に向き合い、それぞれ前記主切断要素により切断された前記第1の線形スリットとの接触点に頂点を有するよう構成される。
【0033】
本発明の別の様態によれば、使用者により吸入される1回分の服用量の薬剤を収容するブリスターの蓋部を穿刺するブリスター穿刺ヘッドであって、1対の分離して離間された切断要素を備え、各切断要素は、前記ブリスターに挿入されるとその蓋部にほぼV字型スリットを、一方のV字型スリットの頂点が他方のV字型スリットの頂点に向かうように、入れるよう構成され、前記切断要素は、前記ブリスターに前記切断要素が侵入している間に、前記第1および第2のV字型スリットの頂点の間の前記ブリスター蓋部の領域を裂くよう構成された、ブリスター穿刺ヘッドが提供される。
【0034】
好適な実施形態において、各切断要素はほぼU字型であり、ブリスターの中または外への気流開口部を橋渡しする前記U字型のベース部に刃先が形成されている。
【0035】
好ましくは、前記切断要素は互いに向かって角度をつけており、前記刃先は前記切断要素の面取りされた部分の端部に形成されてもよい。
【0036】
実施形態の変更例では、一方の切断要素の面取りされた部分は他方の切断要素の面取りされた部分よりも大きい。
【0037】
ブリッジ要素が前記切断要素の間に延びて、各V字型スリットの頂点の間に延びる前記ブリスターの領域を裂いてもよい。
【0038】
各切断要素は、好ましくは、当該第1および第2V字型スリットの頂点の間の前記ブリスター蓋部の領域にスリットを入れ始める副刃先を備える。
【0039】
本発明の別の様態によれば、使用者により吸入される1回分の服用量の薬剤を収容するブリスターの蓋部を穿刺するブリスター穿刺ヘッドであって、中心軸から径方向に延び、それぞれ前記中心軸から離間したブリスターの蓋部に切り込みを開始する先端を有する複数の切断要素と、各切断要素の先端から径方向に延び、前記中心軸から径方向に延びる前記蓋部にスリットを入れて、前記切断要素が当該蓋部を介して前記ブリスターに軸方向に挿入されている際に前記ブリスター内に折り曲げられるめくれ部分を形成する刃先とを備える、ブリスター穿刺ヘッドが提供される。
【0040】
一実施形態において、各切断要素の刃先は、前記中心軸の先端から径方向に内側に向かって延びる第1の部分と、前記中心軸の先端から径方向に外側に向かって延びる第2の部分とを有する。
【0041】
各切断要素は、好ましくは、前記中心軸から径方向に延びる面に配されたブレードであり、前記刃先は前記ブレードの端にそって形成されている。
【0042】
好適には、前記ブレードの端は前記刃先を形成するために面取りされている。
【0043】
各ブレードには、前記ブリスター内への前記めくれ部分の折りたたみを容易にする、前記ブレードの面から延びる隆起部が備えられていてもよい。
【0044】
好適な実施形態において、前記切断要素は表面から直立し、空気がブリスターから流入流出可能である気流開口部にわたって延びる。
【0045】
突出部は前記切断要素の間の表面から直立して、前記ブリスター内への前記めくれ部分の折りたたみを容易にしてもよい。
【0046】
好適な実施形態において、前記中心軸から延びる4つの切断要素が設けられ、各切断要素はその隣接する切断要素にほぼ直角をなす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、単なる一例として、本発明の実施形態について添付の図面の図2、図3、図5〜図9、図14〜図25を参照して説明する。
【0048】
図面を参照すると、図1A〜図1Dのシーケンスは、中空のチューブ5の端部に位置する従来の穿刺要素4を用いてブリスター1の蓋部3にホイルのめくれ部2が形成される様子を示す。この図から、言うまでもなく、このめくれ部2は、チューブ5がブリスター1に比較的深く挿入されている(図1(d)参照)のでなければ、開口部6をチューブの遠位端で部分的に遮断する(図1(a)および図1(b)参照)。ホイルのめくれ部2による開口部6の部分的な遮断は、図4に示す先行技術からよりはっきりとわかるように、塊7がホイルのめくれ部2によりチューブ5を通過するのを妨げる。
【0049】
図2A〜2Dのシーケンスは、図1のシーケンスに類似であるが、従来の穿刺要素4を本発明の実施形態にかかる穿刺要素8に置き換えたものである。穿刺要素7もまた中空のチューブ9の形態をとっておりその遠位端に開口部10を有する。しかしながら、このチューブ9の遠位端は、開口部10をまたいで長手方向または軸方向に連続し、チューブ9または開口部10の端部を越えて径方向に内側に伸びる穿刺ヘッドまたは歯11を有している。穿刺ヘッド11は、挿入の際にめくれ部分12をブリスター1の蓋部3に形成してチューブ9の遠位端の開口部10から離れるように押し出す穿刺要素8を形成する。
【0050】
チューブ9の端部を越えて連続する穿刺ヘッド11は、好ましくは、チューブ9の半径よりも長い距離だけ、チューブおよび開口部10の端部から角度をつけて離れるように、ただし径方向に内側に向けて延び、チューブ9の横軸Aからオフセットして位置する穿刺先端または端部13の方へ細くなっていく(図2A参照)。穿刺先端または端部13は、部分11の最も先端に形成されてもよいが、図2、図3、図5に示す実施形態では、当該部分11の当該端部の近傍に形成されている。この場合、穿刺先端13を越えて延びる当該部分11の部分14は、チューブ5の開口部10へ角度をつけて折り返され、点15へ向けて細くなっていく。部分11の端部16と部分14の端部17は、切断面を形成する。ブリスター1の蓋部3において、端部16はめくれ部分12を切断し、端部17はめくれ部分12aを切断する。言うまでもなく、穿刺先端13はめくれ部分12、12aの大きさが等しくならないようにチューブ9の軸からオフセットしており、大きいめくれ部分12は、チューブ9の開口部10から離間する側に形成される。
【0051】
図3と図4とを比較すると、言うまでもなく、図4の先行技術の実施形態よりも、図3において、薬剤はより水平方向に実質的にブリスター1への開口部10からのチューブ9の挿入の方向に対して直角に移動する。しかしながら、言うまでもなく、チューブ9の長さ方向にそった軸方向にそって見たとき部分11は完全にチューブ9の端部上に延びなくてもよく、つまり、部分11は、図3に示すように薬剤が部分11側を越えて軸方向にまた横方向にチューブ9を通ることができるように、先細りまたはおおむねチューブ9の半径よりも細い。
【0052】
言うまでもなく、以下により詳細に説明する本発明の各種の実施形態の説明から明らかなように、より具体的な実施例においては、穿刺ヘッド11は、図11に示すように穿刺要素の上面34から、そこに形成された開口部37,38を超えて延びるように、直立していてもよい。
【0053】
歯11は、横立面図でみたときにおおむね「L」字型をしていてよく、チューブ開口部の周辺または穿刺ヘッドから直立した第1の足と、チューブの端部または穿刺要素の開口部に張り出すようにより水平な方向に延びる第2の足とを有する。歯11のこれら2本の足は、互いに直角である必要はなく、その結合部分はゆるやかに交わる曲面であってもよい。このような構成は、図19〜図25を参照して説明する実施形態を考慮することによりより明らかとなる。
【0054】
空気またはガスの流れがブリスター1を流れてチューブ9を介して外にでることができるようにするために、空気インレットを備える必要がある。これは、図5に示すように、空気がチューブ9の外径と蓋部3との間に形成された環状ギャップ18を通って流れるようにすることにより実現される。また、図5には、ブリスター1内の乱気流がどのように薬剤の取り込みと空にするプロセスを支援するかを示す。
【0055】
空気の流れをブリスター1内に作り出す代替的な実施形態を図8に示す。ここでは、1つ以上の追加空気インレット19が、例えば本願出願人の選考出願であるWO2005/025656A1として公開されているPCT/GB2004/003940に記載されるような追加ピン、ブレード、チューブなどの副穿刺要素20を用いて蓋部3に形成される。副穿刺要素20の特に好適な形態は、図8の断面図に示すように、チューブ9上に保持され一連の開口部18をブリスター1の蓋部3のチューブ9の周辺に穿刺する「スター」の形態である。
【0056】
代替的な実施形態において、副穿刺要素は、図9に示すように、別のアウトレットチューブ穿刺要素21の形態をとり、これは第1穿刺要素と同じものである。これは、ブリスター1が円形ではなく、楕円またはほぼ矩形である場合にとりわけ有用である。穿刺要素は、開口部が互いに面してインレットとアウトレットの間のブリスターを空気が直接的に流れるように構成することができる。
【0057】
言うまでもなく、本発明の穿刺要素は、異なる形状を取って切断されたホイルのめくれを異なる形状にすることができる。しかしながら、全体としての目的は、穿刺ヘッドが切断されたホイルのめくれ12を開口部10から離れるように押し出して、薬剤と空気の流れがブリスター1から出て行くのを妨げないようにすることである。
【0058】
2つのありうる本発明にかかる穿刺要素の実施形態を、図6および図7に示す。また、図6Aおよび図7Aから、これらの設計は両方とも、エアロゾル化ノズルに接続するための先が細くなったアウトレットチューブ22を特徴とするものであることがわかる。
【0059】
図6Aおよび図7AのAおよびDの寸法は、穿刺要素のより大きな粉末の塊を取り込む能力に影響を与える。好ましくはAは1mmを超える大きさであり、より好ましくは2mmを超え5mm未満である。図6および図7の実施形態においては、Aは2.5mmである。好ましくは、Dは1mmを超える大きさであり、より好ましくは1.5mmを超え5mm未満である。図6および図7の実施形態においては、Aは2mmである。
【0060】
切断要素の先端の2つの接線のホイルの表面に対する角度βおよび角度γは、穿刺の性質を制御する上で重要である。角度βが小さすぎると、穿刺ヘッドが可能性としては制御されずしたがって不安定なかたちでホイルに突き刺ささることになる。角度βは、ホイルに突き刺さるのではなくきれいに切断するために十分に大きいことが好ましい。好ましくは、この角度は5度よりも大きく60度よりも小さい。より好ましくは、この角度は10度よりも大きく30度よりも小さい。図6および図7の実施形態においては、この角度はほぼ20度である。
【0061】
同様に、角度γは、穿刺ヘッドの先端が鋭くとがるように十分に大きくなければならない。好ましくは、この角度は30度よりも大きい。より好ましくは、この角度は60度よりも大きく90よりも小さい。図6および図7の実施形態においては、この角度はほぼ90度である。言うまでもなく、角度γを90度以上にしても穿刺切断の品質においてはこれ以上の効果は得られない。しかしながら、図6の実施形態では、穿刺端の内部に面取り部が含まれており、これにより穿刺要素へ粉末の流れの引き込みを容易にすることができるという効果がある。
【0062】
さらなる実施形態(不図示)において、穿刺部の先端には、切断の開始を容易にするために「卵歯」が設けられてもよい。この場合には、卵歯のねじ山の角度はきれいな切断を容易にするためには決定的な意味を持つ。好ましくは、ねじ山の角度は100度より小さく、より好ましくは60度より小さい。
【0063】
穿刺要素は、金属やプラスチックなどの適切な硬質材料から作ることができる。金属からなる場合には、チューブおよび切断要素には、機械加工またはスパークエロージョンが行われてよい。プラスチック材料の場合は、機械加工または射出成形されてよい。構成を簡単にするために、チューブは1を超える部品を組み立てることでなってもよい。
【0064】
図9の実施形態では、それぞれ穿刺要素8を有する2つのチューブ9がブリスター1に挿入されている。チューブ9は、空気が一方のチューブ9からブリスター1に流れて薬剤を取り込みつつ他方のチューブ9を通ってブリスター1から出て行くように、各チューブ9の遠位端にある開口部10が互いに向き合うよう配置される。しかしながら、言うまでもなく、チューブ9は、穿刺要素8によって切断されためくれ部分の後ろに薬剤がひっかかるのを防ぐためにブリスターにより完全に穴をあけるために、空気の流れがブリスター内を通るときにより渦を生じさせるよう、開口部10を互いに反対方向を向くように配置させてもよい。このような構成は、図18〜図25を参照してより詳細に説明する。
【0065】
また、本発明は、図10Aに示すように、すでに図8Aおよび図8Bを参照して説明した本願出願人の同時継続中の出願であるPCT/GB2004/004416の、「H」型の穿刺要素の実施形態の変更例を提供する。穿刺ヘッドの形状は、ブリスター1内の自由な空気の流れを促し、全てまたはほぼすべての1回分の服用量を気流に取り込んでブリスター1の外部に運び出すためには、ブリスター1の蓋部に形成される開口部が十分な断面積を有する必要があるため、重要である。
【0066】
ここで図10Aの先行技術の図を参照すると、各穿刺ヘッド25は、主切断歯26と、それぞれ主切断歯26に垂直となるように主切断歯26の両端に水平に伸びる1対の副切断歯27とを備える。主切断歯26と副切断歯27はいずれも、鋭端部26a、27aに向かって先が細くなっており、副歯27の中間点の高さは、そのポイントが主歯26の端部と同じ高さになるようになっている。全ての歯の端部は鋭くなってブリスター1の蓋ホイル3の切断を支援するようになってもよい。主切断歯26の先端26aは各副切断歯27の先端27aの上にあるため、ブリスター蓋部1に第2の直線スリットを入れるために副切断歯27のいずれかが切断を開始する前に、主切断歯26はブリスター蓋部3を細長く切るかまたは少なくともその切断を開始する。支持プレート28からは主切断歯26と副切断歯27が直立しており、ここに主穿刺歯26と副穿刺歯27の下に切り込まれた空気が自由に通ることができる穴部29を有する。
【0067】
図10Bに、ブリスター片30のわずかな部分を図示し、図10Aを参照して説明した穿刺ヘッド25のそれぞれがブリスター1の蓋部3に切り込んだ開口部31の形状と大きさを示す。主切断歯26は蓋部3(点A)を貫通し、ブリスター1に入ると、矢印「B」により示されるようにそれぞれ2つの線形切断部またはスリットが形成される。穿刺ヘッド25がさらにブリスター1に侵入すると、副切断歯27がブリスター1を貫通し、主穿刺要素26により形成された第1の線形切断「B」の両端に、これに垂直な線形切断が、矢印「C」で示すように、さらに形成される。こうした切断は、穿刺ヘッド25がブリスター内に侵入するにつれて折り曲げられためくれ部分32を形成する効果がある。穿刺ヘッド25は、ブリスター1の蓋部3の表面積の30%から50%にわたって広がる開口部31を形成することができる。
【0068】
上で説明した従来の穿刺要素の実施例を図11に示す。この穿刺要素は、穿刺ヘッドがブリスター1に完全に挿入されたときに、穿刺されたブリスター1の蓋部3の上面に対して面一になる上面34を有する本体部33を備える。穿刺ヘッドは、上面34から直立する1個の穿刺歯35と、上面34の解放または陥没領域34aから直立するもう1つの穿刺歯36とからなる。開口部37,38は、歯35,36それぞれの下方の上面34および陥没領域34に形成される。各穿刺歯35、36は、図10Aおよび図10Bを参照して説明するように、主切断要素40と主切断要素40の端部にわたって延びる副切断要素41とを備える。更に詳細と切断面の角度の正確な寸法は、図27Aおよび図27Bを特に参照して、本願出願人の同時継続中のPCT出願GB04/004416により詳細に説明している。
【0069】
上記の従来の穿刺ヘッド35,36の問題点は、副切断要素41が、通常は、副切断要素41により内側に折られると角部38がブリスター壁39に接触または大変近くなる矩形のめくれ部分37(1つの副切断要素41の端面を示す図12の端面図を参照)に切断することである。これにより、空気の自由な流れ、ひいてはブリスター1内の粉末の動きが減少する。図12の端面図は、蓋部3に挿入されたときの上面図(図13b)、ブリスターの蓋部に挿入されたときの側面図(図13c)、穿刺ヘッドのH字型をはっきりと示しているブリスターへの挿入前の上面図(図13d)とともに、図13aでも繰り返されている。
【0070】
したがって、めくれ部分は、副切断要素41によってめくれ部分37の角部38とブリスター1の内壁39の間の距離が大きくなるよう形成されることが望ましく、めくれ部分37の端部がブリスター壁39の湾曲の形状におおむね対応することが最も好ましい。これは、一般に、例えば、図12および図13aに示す副穿刺歯の端面を示す歯が角度のついたまたは収束した端部46を有するめくれ部分45を形成する変更した形状を有するブリスターの同じ断面を示す図14aに示すように、めくれ部分37が、ブリスター壁の形状により密接に沿うようにその端部が内側に収束するように、矩形ではなく台形または三角形の形状になるように切断することにより実現される。図14bおよび図14cは、それぞれ、本発明の実施形態の変形例にかかるブリスター1の蓋部3に挿入された際の主および副切断歯の平面図および横断面図であり、図14dは従来の穿刺ヘッドをブリスター1に挿入する前の平面図である。
【0071】
図14dよりはっきりとわかるように、めくれ部分を台形または三角形の形状にしてめくれ部分とブリスター壁との間の距離を大きくするためには、副歯は、従来の「H」字型穿刺部のような主切断要素の両端に渡って延びる単一の平坦な板ではない。そうではなく、各副歯は、主切断要素50に交わるところに頂点49が位置する「V」字型または山形形状の要素48を備える。各山形形状要素は、よ主切断要素50にむかって内向きに向かうよう構成されている。この構成は、最初にブリスター蓋部にほぼV字型のスリットを入れ、その後穿刺ヘッドがブリスター1に挿入される際にブリスター蓋部3に形状台形または三角形の形状のめくれ部分51を形成し、めくれ部分51とブリスター壁39との間の隙間を向上しブリスター1への空気の自由な流れを与えて、従来の副歯27,41により切断されためくれ部分による空気の流れへの干渉を低減する。
【0072】
言うまでもなく、各副切断歯48の頂点49が事実上互いに接触して主および副切断歯48,50があわせて平面で見たときに「X」字型を形成するほど短い程度において、副切断歯48の主切断歯50に対する角度は変化してもよく、主切断歯50の長さも変化してよい。好ましくは、平面で見たときの副切断歯および主切断歯の間の角度は100度から135度の間である。図15の実施形態では、角度αはほぼ130度である。
【0073】
上記穿刺要素の変形例の実施例を図15に示す。これは、すでに述べたように、まず最初におおむねV字型のスリットをブリスター蓋部3に形成しブリスター壁の内部に接触しない三角形形状のめくれ部分をを形成するように副切断歯48が変更されていることをのぞいては、図10A、図10B、図11に示す従来の穿刺要素を参照して上記で説明した実施例におおむね類似している。
【0074】
言うまでもなく、上記実施形態は、2つの矩形のめくれ部分ではなく、図14Eに示すような4つのほぼ三角形または台形形状のめくれ部分37aを開港する。ブリスター1の各端部の三角形めくれ部分37aは、開いたときにそれほどブリスターベース部に近くないためその背後により大きな空気の流れを生じ、ブリスター1からの粉末の除去に役に立つ。図14および図15を参照して説明する穿刺要素は、図14Eから明らかなように、ブリスター蓋部に切り込まれる封筒の形に似たスリットの形状より、「封筒」型穿刺部として知られている。
【0075】
図10A、図10B、図11に示す上記の穿刺要素の従来の実施例の別の実施形態において、要素がブリスター蓋部挿入される方法を考慮にいれて穿刺ヘッドを変更することができる。例えば、ブリスターへのアクセスを可能とする1つ以上の穿刺ヘッドを含む吸入器では、通常、穿刺ヘッドの位置とヘッドの挿入され方を制御するメカニズムを組み込んでいる。このメカニズムは、例えば、穿刺ヘッドを、ブリスター蓋部の面に垂直なほぼ直線方向にしたがってブリスターに侵入するように制御してもよい。しかしながら、穿刺要素は、穿刺ヘッドがブリスターを穿刺するに伴い穿刺要素が弧を描いて移動するよう旋回作動部材に位置することが多い。この場合、ホイルのめくれが正確に形成されるよう、またホイル蓋部の最初の穿刺が主歯の「先端」によて意図されたように行われるようにするために、穿刺ヘッドを変更することが効果的である。これは、図16および図17に示すように、主切断歯60を穿刺ヘッドが直立する穿刺要素の上面34,34aに対して、主切断歯の先端がブリスター蓋部3に接触する点での穿刺要素の上面とブリスター蓋部1との間の角度が補償されるように、角度をつけて形成することにより実現される。これは、一方の副切断歯61の上部から他方の副切断歯62上部へと延びる主切断要素60が穿刺要素の上面34に対して角度を有するように、副切断要素61のいずれかを他方の副切断歯62よりもさらに穿刺ヘッドの上面34から突出させることにより実現される。
【0076】
以下に、本願出願人のいうところの「ダブルビーク」穿刺部であるさらなる実施形態を、図18〜図25を参照して説明する。この実施形態は、穿刺ヘッドまたは歯が、開口部が、図9に示すように向き合うのではなく、互いに反対の方向を向く「背中合わせ」の関係に配置されることをのぞいては、図9に示すものに類似であることは明らかである。
【0077】
小さな賦形剤粒子(通常、直径20〜100μmの範囲)により、粉末は従来の穿刺ヘッドを有する穿刺要素を用いてブリスターから容易に取り除くことができる。しかしながら、粒子サイズが100μm〜500μmの間の大きな賦形剤粒子や、より小さい粒子の同じくらいの範囲の大きさの塊を含む処方もある。従来の穿刺ヘッドでは、インレットとアウトレットの間の流路が十分に空いておらず、粉末がひっかかる「デッド」領域が生じるため、これらの粉末を完全に取り除くことができない。本実施形態は、めくれ部分が穿刺ヘッドの背後にくるためにめくれ部分による邪魔を取り除いたより大きな開口部を形成し、空気の流れがめくれ部分の後ろの領域およびブリスターの端部付近をふき取るように導くことにより、このような制限を克服する。
【0078】
まず図18A〜図18Cを参照すると、1つの穿刺要素の一部を形成する2つの穿刺ヘッド70が挿入されたブリスター蓋部3の下面を示す。各穿刺ヘッド70はブレード状の要素の形状をしており、おおむね挿入方向に延びるまたは挿入方向に対してわずかな角度がついただけの第1の足部71と、第1の足部71の端部からより水平方向に延びて各穿刺ヘッド70によってブリスター蓋部3に形成される開口部74に張り出す第2の足部72とを備える。各穿刺ヘッド70の第2の足部72は蓋部3を穿刺して開口部74を形成するので、蓋部3の開口部74を通過する空気の流れを遮断しないようにブリスター内に折りたたまれて第1の足部71に位置するめくれ部分73を形成する。
【0079】
穿刺ヘッド70は、ホイルのめくれ73の内面と同様に、背中合わせの関係、すなわち各穿刺ヘッド70の第1の足部71は互いに背中あわせとなるが、図18Cに示すように水平にそろっている必要はない。逆に、穿刺ヘッド70は、図18Aまたは図18Bに示すように、ブリスター1を通過する空気の流れがより大きな渦を生じることができるように、「X」で示した方向に互いにオフセットしていてもよい。図18Cにおいて、穿刺ヘッド70は完全にそろっているが、図18Bでは、穿刺ヘッド70は「X」方向に部分的に重なっている。図18Aでは、穿刺ヘッド間での重なりはまったくなく、これにより開口部74の間に「S」字型流路を形成する。
【0080】
以下の表は、吸入に用いられるラクトースのいくつかの等級についての評価データを示す。従来の穿刺部設計および本実施形態の穿刺ヘッドの両方による残差標準偏差(RSD)によって示されるように、従来の吸入ラクトース(RespitoseSV003、DMV International Pharma、オランダ)を繰り返し評価する。より大きいCapsulacの等級は従来のものによっては繰り返し評価はしていない。しかしながら、本実施形態の穿刺ヘッドでは、残差標準偏差(RSD)により示される評価再現性は著しく向上している。
【表1】
【0081】
図19は、図18に示す両方の穿刺ヘッド70が直立する穿刺要素75を備える穿刺ヘッドの実施例を示す。穿刺要素75は、穿刺ヘッドの構成が異なること以外は図11の穿刺要素に類似の構成を有している。図11を参照して説明したように、穿刺要素は、穿刺ヘッド70がブリスター1に完全に挿入されたときに、穿刺されたブリスター1の蓋部3の上面に対して面一になる上面34を有する本体部33を備えてよい。穿刺ヘッド70は、上面34から直立する1個の穿刺歯70aと、上面34の解放または陥没領域34aから直立するもう1つの穿刺歯70bとからなる。開口部37,38は、歯70a,70bそれぞれの下方の上面34および陥没領域34に形成される。開口部38はブリスター内への気流インレットとなり、開口部37はブリスターからの気流/薬剤アウトレットとなる。
【0082】
図18を参照して説明したように、各穿刺歯70は、面34,34aから直立する第1の足部71と、少なくとも部分的に開口部37,38に張り出すように第1の足部73の端部から水平方向に延びる第2の足部72とを備える。第1および第2の足部71,72は、両者の間の湾曲76の領域で互いに滑らかにつながることがわかる。第2の足部の遠位端は、挿入の際、最初にブリスター1の蓋部3と接触して蓋部3に第1の切り込みをいれて、その後穿刺ヘッド70が蓋部3を通ってさらにブリスター1内に挿入されると、穿刺ヘッド70により折りたたまれるめくれ部分73を形成する主刃先77を有する。副刃先77aは穿刺ヘッド70の両側に沿って主刃先77から面34,34aへ延び、主切断要素77より形成されたスリットに対してほぼ直角にブリスター蓋部に副スリットを入れ、これによりブリスター蓋部3の残りの部分に付着したほぼ矩形のホイルめくれ部分が一端に沿って形成され、これは穿刺ヘッド70がブリスター1へ挿入され続けるにともなって穿刺ヘッド70によりブリスター1の内部に押しこまれる。
【0083】
支持足部78は、第2の足部72の遠位端から開口部37,38近傍の面34,34aに向かって延びるが、この支持足部78は必須ではなく、省略可能である。
【0084】
図20および図21の側面図および背面図を考慮すると、言うまでもなく、刃先77の先端79のみが最初にブリスター蓋部3接触して切り込みを入れるように、第2の足部72は水平またはブリスター蓋部3の面に対して2方向に角度がついている。第2の足部72の残りの部分は先端79からはずれて第1の足部71および穿刺要素の上面34,34aに向かう。先端79は、穿刺ヘッド70の最も高い点であり、面34,34aからは最も遠い。穿刺ヘッド70は、図21に示すように、先端79がブリスター1の中心に向かうよう構成されるが、これはブリスターはその地点で最も深くブリスター壁に近づきすぎることなく穿刺ヘッドを収容することができるためである。
【0085】
本願発明者らは、正確かつ一定の穿刺を確実にするためにはホイルに対して十分な切断角度が必要であることを見出した。これらの角度は図20および図21に「アルファ」および「ベータ」として示しており、通常、5度から45度の範囲にある。これよりも大きい角度は、穿刺要素を通る空気の流れを妨げる傾向にあるためあまり望ましくない。
【0086】
刃先77は、図19〜図21に示すように、刃先先端79から離れた刃先の下端にある、第2の足部72のセクション80をとりのぞくことにより短くしてもよい。
【0087】
図19を参照して説明した穿刺ヘッド70は「閉鎖」型、すなわち第1および第2の足部72,73が硬質で連続した壁面である。しかしながら、実施形態の変形例では、穿刺ヘッドは「開放」型であってもよく、この場合は第1および第2の足部72,73の中央領域81が切りとられて、図21〜図23、および図25に示すように開口部を形成する。閉鎖型はブリスターに入る空気の方向についてより制御を行うことができるが、開放型は気流を増加させることができる。言うまでもなく、開口部81はどのようなサイズでもよく、穿刺ヘッドがずっとおおきな開口部をブリスター蓋部3に形成する図23に示す変更例が示唆するように足部71,72がブレード状の要素ではなく実質的にワイヤフレーム形状であってもよい。
【0088】
さらに気流の制御を行うために、図24および図25に示すように穿刺ヘッドを部分的に囲むために1つ以上の側壁82を設けてもよい。
【0089】
以下に、図14および図15を参照して説明した「封筒」型穿刺要素の2つのさらなる発展形について説明する。
【0090】
図26は、穿刺ヘッドが以下に述べる問題点を実質的に克服または軽減する異なる構成または「2重U」字型構成を有していることを除いては、図11、図15、および図19〜図25を参照して説明した穿刺要素に類似の穿刺要素の斜視図である。
【0091】
穿刺要素が射出成形されたポリマーである場合、刃先の鋭さは任意の材料について射出成形過程で得られる最小半径により決定される。ABSなどの材料について得られる刃先の最小半径は、通常、50ミクロンが最小減であるが、これは例えば金属ブレードで実現可能な端部に比べると比較的鈍い。ABSなどの従来のポリマーは、また、金属に比べると著しく柔らかく、これも切断品質に影響を与える。これは、ある穿刺条件下において、特に弱い蓋ホイルについては、成形された奥行きのない封筒穿刺部はホイルに所望の切断を行えないことがあることを意味する。最悪の場合、ブリスターの蓋部ははっきりと規定された2つの開口部を形成することなく崩れる。この理由のひとつとして、ブリスター蓋部の中央に近い部分からブリスターの端部に向かって切断を行う場合、切断されるホイルが、例えばブリスター蓋部の端部から中央に向けて切断する場合に比べてうまく支えられないことがある。
【0092】
本実施形態は、このような問題を克服し、図14および図15を参照して説明した奥行きのない封筒型穿刺要素に類似の切断パターンを、より一定して制御された方法で形成するために設計されるものである。
【0093】
図26よりわかるとおり、各穿刺ヘッド85は、1対のおおむね「U」字型をした要素85a、85bを備える。各U字型要素は、空気の流れ開口部37,38の両側に穿刺要素の面34,34aから直立する1対の垂直材86を備える。ブリッジ部87が向き合った1対の垂直材86のそれぞれから、垂直材86の中間点で頂点88に交わるように上向きの角度に延びている。
【0094】
開口部37,38および穿刺要素の面34,34aから離れて上向き方向に角度が付けられていることに加えて、同じ開口部37,38に関連付けられた各U字型要素85a,85bのブリッジ部は、図14および図15の実施形態の副切断要素48が内向きにそれぞれV字型のポイントから主切断要素50に向かって角度がつけられているのと同様に、内向きまたは互いの方向に角度がつけられている。
【0095】
ブリッジ部87は、多面構成であり、垂直材86からブリッジ部87の間の頂点88で刃先に向かって上向きに延びる刃先89が2つのファセット90,91の間に形成される。更なる刃先92が、各U字型穿刺要素85a,85bの頂点88から、同じ開口部37,38に関連付けられたU字型穿刺要素85a,85bの他方の方向に向かって延びる。
【0096】
ブリスターの蓋部3に形成される切断パターンを図27に示す。この図から、各穿刺ヘッドの頂点88は、最初の切り込みを蓋部3の図の「A」で示す部分にいれることがわかる。穿刺ヘッドをさらにブリスターに挿入することにより、刃先89がブリスター蓋部に、初期切り欠き「A」からブリスター蓋部3の端部に向かって外向きにスリット93,94を入れるようにする。言うまでもなく、図の破線「B」で示すようにブリスター蓋部3の切り欠け「A」の初期ポイント間が押し開けられるるように基本的にU字型穿刺ヘッドの各対の間から延びる切断要素はない。ブリスターの蓋部3のスリット形成および押し開けの結果として、2対のおおむね三角形または台形の形状のブリスター1への挿入の際に穿刺ヘッドにより折り線97に沿ってブリスター1内に折りこまれるめくれ部分95,96,97,98が形成される。穿刺ヘッドの各対の間に伸びる切断要素はないが、言うまでもなく、刃先92は、押し開けに先立って切り欠け「A」の初期ポイント間に延びるスリットの形成開始の機能を果たす
【0097】
図16を参照して説明したように、穿刺要素は、ブリスター蓋部3に対して直角に延びる実質的に線状の経路でブリスター1に入るように制御することができる。しかしながら、穿刺ヘッドがアーチ状の経路にしたがってブリスター1に侵入するために法線に対して数度で蓋部3に接近し蓋部3の面に対して平行な方向の運動の成分を有するように、穿刺要素を旋回アクチュエータに取り付けてもよいことは予想される(例えば本願出願人の同時継続中のWO2005/037353A1として公開されている国際出願PCT/GB2004/004416に開示されるように)。この場合、前の段落に説明した穿刺ヘッドの使用は、図28Bに示すように、旋回軸から最も遠いめくれ部分95の拡大につながり、旋回軸に最も近いめくれ部分96のサイズが小さくなることになる。
【0098】
補償のために、旋回軸に最も近い穿刺要素の刃先から延びるファセットによりはっきりしとした面取り部を設けることができる。しかしながら、面取り部が大きすぎると穿刺パターンに有害な影響を与えることがあり、穿刺が一定でなくなるため、面取り部を大きくしすぎないよう注意が必要である。よりはっきりとした面取り部のある穿刺ヘッドを有する穿刺要素を、図29A、図29B、図29Cに示す。図29Aでは、面取り部は中程度に目立った状態にあり、図29Bでは、面取り部は完全にはっきりとしている。
【0099】
図29Cに示す好適な実施形態において、旋回軸に最も近い穿刺要素の2つのファセット91は、ブレードを形成するために交差する3D曲面を形成するためにねじられる。ブレードは、旋回軸と反対方向を向いており、蓋部3の面に平行な方向の運動の成分の方向を向いている。ブレードは、穿刺ヘッドのその支持からの突出の方向に対して5度から30度の間の角度を有しており、好ましくは10度から20度の間の角度を有する。図29Cに示す実施形態では、角度は15度となっている。ブレードは、1点でファセット90に交わる。穿刺の間、この点は初期切り欠きとなる。ブレードは、その後ホイルに入り、穿刺が行われている間の再現可能な押し出しの実現に必要なV字型のスリットを蓋部3の面に平行な運動の要素がある場合でも押し出されるまで保証する。
【0100】
図30に示す先に述べた「2重U」字型穿刺ヘッドの更なる変形例では、ブリッジ99が各対のブリッジ部87の間に延びる。ブリッジ99は、図27で「A」と記された初期切り込みポイントの間で蓋部3の押し出しがより確実かつ再現可能な方法で実現されることを保証する役割を果たす。ブリッジ99は各対のブリッジ部87の間に完全にのびなくてもよく、一方にだけとりつけられてもよいことも予想される。ブリッジ99は、蓋部3の切断ではなく、これを押し出すことができるように、おおむね湾曲した周辺面を有する、すなわち円筒形状であってもよい。また、言うまでもなく、ブリッジ99は、初期切り込みおよびスリットがブリッジ99が蓋部3に接触する前に刃先92により切断されるよう、ブリッジ部87の頂点88の下方に位置する。すでに述べたように、初期スリットは刃先92により蓋部3の初期切り欠き「A」で示される2点の間に入り、ブリッジ99による蓋部3押し出しの制御を容易にする。
【0101】
次に、「2重クロス」型穿刺部として知られる封筒型穿刺要素の2つ目の発展形を、図31〜図36を参照して説明する。
【0102】
図14および図15の実施形態に関連してすでにのべたように、副切断歯48の間に延びる主切断歯50の長さは、主および副切断歯48,50が実質的に平面で見たときに「X」形状を形成する程度まで変化してもよい。
【0103】
本実施形態では、図30に示すように、副切断歯48が全て同一の頂点100で交わるように主切断歯50が完全に省略される。
各切断歯48は、先が細くなって先のとがった刃先先端101になり、あわせて類似の形状およびサイズの4つのほぼ三角形のめくれ部分を形成する。各切断歯48は、図32の矢印に示すように、初期挿入ポイント(「B」と記される)から頂点に向かう方向とブリスター蓋部3の外部端部に向かう方向の反対の2方向に切断される。これにより、より一定して制御されたブリスター蓋部3の穿刺が行われる。
【0104】
ブリスター蓋部3の切断の開始点は、最適な切断のために、蓋部3がよりよく支持されるブリスター1の外部端部に向かうことが理想的である。しかしながら、穿刺部がブリスター1に完全に侵入することができるようにするためには、これらの点が穿刺後ブリスター1に合うように、すなわち、刃先101がブリスター1の最も深い点に向かって侵入することができるように、切断の開始点を蓋部の中央方向に半分ほどまで移動させることが効果的である。
【0105】
上記の穿刺要素の図33に示す変更例では、穿刺歯48は穿刺時にめくれ部分の開口を促すために拡大された部分102をその基部に有している。図34に示すさらに別の変更例では、ノードまたはその他の突出部103が切断歯48の間の穿刺ヘッドの面34、34aおよび開口部37,38の周辺からから直立しており、穿刺時にめくれ部分の押し出し開口を支援する。
【0106】
最後の実施形態は「4点クラウン」穿刺要素と呼ばれるものであり、図35に図示する。この実施形態は、基本的に、図26に示す2重U字型穿刺要素と図30に示す2重クロス型穿刺要素との組み合わせであり、面34,34aから延びる4つの垂直材105を備える。アームは、各垂直材105の端部から内向きかつ上向きに角度をもって延びており、頂点107に交わる。各アーム106の端部は、それぞれ先端109を有する4つの三角形状のファセット108を形成するよう切り抜かれている。これらの先端109はブリスター蓋部に蓋部の中央に大変近い位置で4つの切り欠けを開始し(図36の「C」とマークされた切り欠けを参照)、各切断歯は、その後蓋部に各切り欠きから外向きかつ内向きに延びるスリットをいれる。
【0107】
添付の特許請求の範囲に含まれる本発明の多くの修正例および変形例が当業者には明らかとなる。また、上記の説明は本発明の好適な実施形態
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】図1A〜図1Dは先行技術の横断面図であり、従来の穿刺要素がブリスターに穴を開けて内部に入るところを示す図である。
【図2】図2A〜図2Dは、本発明の実施形態にかかる穿刺要素を用いた、図1に類似の図である。
【図3】薬剤の塊が空気の流れに取り込まれて穿刺要素の開口部を通ってブリスター外部へ出るときにたどる経路を示す、図2Dの拡大図である。
【図4】薬剤の塊が開口部への入口を部分的に遮断する蓋部のめくれにより穿刺要素の開口部を通ってブリスターの外へ出ることが阻止される様子を示す、図1Dの先行技術の拡大図である。
【図5】図3に類似の、本発明の実施形態にかかる穿刺要素により穿刺されたときに空気の流れがブリスターに入って出て行く様子を示す図である。
【図6】図6A〜図6Dは、それぞれ、本発明にかかる代替的な穿刺要素の横断面図、側面図、正面図、斜視図である。
【図7】図7A〜図7Dは、それぞれ、本発明にかかる別の代替的な穿刺要素の横断面図、側面図、正面図、斜視図である。
【図8】図5に類似の、穿刺「スター」を用いて蓋部に追加的な空気インレットを形成する方法を示す図である。
【図9】2つの穿刺ヘッドがブリスターに挿入され、一方のチューブがブリスターへの空気インレットとなり、他方がブリスターへの空気/薬剤アウトレットとなる本発明の別の実施形態を示す図である。
【図10】図10Aは2つの穿刺ヘッドを有する穿刺要素の従来の形態を、図10Bは図10Aに示す穿刺要素の従来の形態により形成された切断の種類を図示するためにブリスター片のごく一部を示す図である。
【図11】図10Aの穿刺要素の従来の実施例の斜視図である。
【図12】従来の副切断要素の端面とこれによって形成されるめくれ部分とを示す横側面図である。
【図13】図13A〜図13Dは、従来の穿刺ヘッドの各種の図を示す。
【図14】図14A〜図14Dは本発明にかかる穿刺ヘッドの変更例の各種の図を、図14Eは図14A〜14Dに示す穿刺ヘッドを用いて切断されためくれ部分の形状を図示するブリスター蓋部の上面図である。
【図15】図15A〜図15Dは、それぞれ、本発明の実施形態にかかる穿刺要素の実施例の端面図、上面図、側面図、斜視図である。
【図16】図16A〜図16Bは、本発明にかかる穿刺要素の図であり、ブリスター蓋部へのアーチ状の経路にしたがうときの穿刺ヘッドの角度の付け方を示す。
【図17】図16Aおよび16Bに示す穿刺要素の斜視図である。
【図18】図18A〜図18Cは、2つのブリスター穿刺ヘッドにより互いに異なる相対位置に穴が空いた後のブリスター蓋部の下部の、3つの代替的斜視図である。
【図19】図18の穿刺構成の実施例を形成する穿刺要素の斜視図を示す。
【図20】図19に示す穿刺要素の横立面図である。
【図21】図19および図20に示す穿刺要素の後立面図である。
【図22】図19に類似の、本発明にかかる穿刺要素の実施形態の別の変更例の斜視図である。
【図23】図19および図22に示す、本発明にかかる穿刺要素の実施形態のさらに別の変更例の斜視図である。
【図24】図19、図22、図23に示す、本発明にかかる穿刺要素の実施形態のさらに別の変更例の斜視図である。
【図25】図19、図22、図23、図24に示す、本発明にかかる穿刺要素の実施形態のさらに別の変更例の斜視図である。
【図26】本発明にかかる穿刺要素の実施形態の別の変更例の斜視図である。
【図27】図26に示す穿刺要素を用いて形成された穿刺パターンを示す、ブリスター蓋部の平面図である。
【図28】図28Aは図26に示す穿刺要素を用いた望ましい切断パターンを示すブリスター蓋部の平面図であり、図28Bは図26に示す穿刺要素を旋回アクチュエータに取り付けて用いた実際の切断パターンを示すブリスター蓋部の平面図である。
【図29】図29A〜図29Cは、穿刺パターンを図28Aに示すパターンにより近づけるために、旋回アクチュエータに取り付けられたときの穿刺ヘッドの角度侵入を補償、図26に示す穿刺要素の3つの変更例を示す図である。
【図30】本発明にかかる穿刺要素の別の実施形態を示す図である。
【図31】本発明の実施形態にかかる穿刺要素のさらに別の実施形態を示す図である。
【図32】図31の穿刺要素により形成された切断パターンを図示するブリスター蓋部の平面図である。
【図33】図31に示す穿刺要素の変更例を示す図である。
【図34】図31に示す穿刺要素の別の変更例を示す図である。
【図35】本発明の実施形態にかかる穿刺要素のさらに別の実施形態を示す図である。
【図36】図35に示す穿刺要素により形成された切断パターンを図示するブリスター蓋部の平面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者により吸入される1回分の服用量の薬剤を収容するブリスターの蓋部を穿刺するブリスター穿刺要素であって、空気の流れにとりこまれた薬剤が前記ブリスターの外へ出る通路であるアウトレット開口部と、前記開口部の上方に延びて張り出し、当該蓋部への挿入中にブリスターの蓋部のめくれ部分を切断してこれを前記開口部から離れるように押し出す穿刺ヘッドとを備える穿刺要素。
【請求項2】
前記穿刺ヘッドは前記アウトレット開口部の周辺の一部から延びている、請求項1に記載のブリスター穿刺要素。
【請求項3】
前記穿刺ヘッドは前記アウトレット開口部全体に張り出している、請求項1または請求項2に記載のブリスター穿刺要素。
【請求項4】
前記穿刺ヘッドは刃先を備える、前掲の請求項のいずれかに記載のブリスター穿刺要素。
【請求項5】
前記刃先は前記アウトレットに張り出した前記穿刺ヘッドの自由端に形成されている、請求項4に記載のブリスター穿刺要素。
【請求項6】
前記刃先は前記穿刺ヘッドの自由端の近位に形成される、請求項5に記載のブリスター穿刺要素。
【請求項7】
前記刃先の上方に延びる前記穿刺ヘッドの自由端は前記開口部の方に折れ曲がる、請求項6に記載のブリスター穿刺要素。
【請求項8】
前記穿刺ヘッドは、前記刃先の先端のみが最初に前記ブリスター蓋部に接して前記蓋部にスリットを入れ始めるように、前記刃先がブリスター蓋部の面に対して角度をつけるよう構成されている、請求項5から請求項7のいずれかに記載のブリスター穿刺要素。
【請求項9】
前記先端から離れた前記刃先の部分は面取りまたは取り除かれている、請求項8に記載のブリスター穿刺要素。
【請求項10】
前記穿刺ヘッドはブレード要素を備え、前記刃先は前記ブレード要素の自由単に形成された、ブリスター蓋部に初期スリットを入れる主刃先を備え、前記主刃先により形成された前記切り込みに対してほぼ直角のスリットをブリスター蓋部に入れて、前記穿刺ヘッドにより前記ブリスターに押し込まれるめくれ部分を形成する副刃先は、前記主刃先と前記アウトレットとの間の前記ブレード要素の両端に沿って延びる、請求項4から請求項9のいずれかに記載のブリスター穿刺要素。
【請求項11】
前記ブレード要素は硬質である、請求項10に記載のブリスター穿刺要素。
【請求項12】
前記ブレードは、少なくとも1つの開口部を有する、請求項10に記載のブリスター穿刺要素。
【請求項13】
前記副刃先と前記アウトレットとの間に延びる領域は壁によって囲まれている、請求項10から請求項12のいずれかに記載のブリスター穿刺要素。
【請求項14】
少なくとも1つの支持足部が前記刃先と前記アウトレットとの間に延びる、請求項4から請求項13のいずれかに記載のブリスター穿刺要素。
【請求項15】
インレット開口部と1対の穿刺ヘッドとを備え、一方の穿刺ヘッドは前記アウトレット開口部の上方に延びてこれに張り出し、他方の穿刺ヘッドは前記インレット開口部の上方に延びてこれに張り出した、前掲の請求項のいずれかに記載のブリスター穿刺要素。
【請求項16】
前記穿刺ヘッドは背中合わせ構成で配置されている、請求項15に記載のブリスター穿刺要素。
【請求項17】
前記穿刺ヘッドは、第1の方向に互いに離間しており、当該第1の方向に対して直角の横方向に互いにオフセットしている、請求項15または請求項16に記載のブリスター穿刺要素。
【請求項18】
前記刃先先端がブリスター蓋部に中心に近いところに切り込みを開始するように各穿刺ヘッドの前記刃先は角度を有し、前記刃先が前記ブリスター蓋部の両端にむけて前記ブリスター蓋部の外向きに反対方向に延びる方向にスリットを入れる、請求項15から請求項17のいずれかに記載のブリスター穿刺要素。
【請求項19】
使用者により吸入される1回分の服用量の薬剤を収容するブリスターの蓋部を穿刺するブリスター穿刺ヘッドであって、穿刺部材がブリスターに侵入するとともに前記蓋部に第1の線形スリットを入れるよう構成された主切断要素と、前記穿刺ヘッドがブリスターに侵入するとともに前記主切断要素により形成された前記第1の線形スリットの両端に延びる第2のスリットを入れるよう構成され、前記主切断要素の両端に延びる副切断要素とを備え、前記主および副切断要素は合わせて前記蓋部に当該主および副切断要素により横に折りたたまれるめくれ部分を形成し、前記副切断要素は、前記ブリスターに侵入するとともに、それぞれ実質的にV字型のスリットを前記ブリスター蓋部に形成する、ブリスター穿刺ヘッド。
【請求項20】
前記副切断要素は、前記V字型スリットが互いに内側に向き合い、それぞれ前記主切断要素により切断された前記第1の線形スリットとの接触点に頂点を有するよう構成される、請求項19に記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項21】
使用者により吸入される1回分の服用量の薬剤を収容するブリスターの蓋部を穿刺するブリスター穿刺ヘッドであって、1対の分離して離間された切断要素を備え、各切断要素は、前記ブリスターに挿入されるとその蓋部にほぼV字型スリットを、一方のV字型スリットの頂点が他方のV字型スリットの頂点に向かうように、入れるよう構成され、前記切断要素は、前記ブリスターに前記切断要素が侵入している間に、前記第1および第2のV字型スリットの頂点の間の前記ブリスター蓋部の領域を裂くよう構成された、ブリスター穿刺ヘッド。
【請求項22】
各切断要素はほぼU字型であり、ブリスターの中または外への気流開口部を橋渡しする前記U字型のベース部に刃先が形成されている、請求項21に記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項23】
前記切断要素は互いに向かって角度をつけている、請求項22に記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項24】
前記刃先は前記切断要素の面取りされた部分の端部に形成されている、請求項22または請求項23に記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項25】
一方の切断要素の面取りされた部分は他方の切断要素の面取りされた部分よりも大きい、請求項24に記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項26】
ブリッジ要素が前記切断要素の間に延びて、各V字型スリットの頂点の間に延びる前記ブリスターの領域を裂く、請求項21から請求項25のいずれかに記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項27】
各切断要素は当該第1および第2V字型スリットの頂点の間の前記ブリスター蓋部の領域にスリットを入れ始める副刃先を備える、請求項22から請求項26のいずれかにに記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項28】
使用者により吸入される1回分の服用量の薬剤を収容するブリスターの蓋部を穿刺するブリスター穿刺ヘッドであって、中心軸から径方向に延び、それぞれ前記中心軸から離間したブリスターの蓋部に切り込みを開始する先端を有する複数の切断要素と、各切断要素の先端から径方向に延び、前記中心軸から径方向に延びる前記蓋部にスリットを入れて、前記切断要素が当該蓋部を介して前記ブリスターに軸方向に挿入されている際に前記ブリスター内に折り曲げられるめくれ部分を形成する刃先とを備える、ブリスター穿刺ヘッド。
【請求項29】
各切断要素の刃先は、前記中心軸の先端から径方向に内側に向かって延びる第1の部分と、前記中心軸の先端から径方向に外側に向かって延びる第2の部分とを有する、請求項28に記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項30】
各切断要素は前記中心軸から径方向に延びる面に配されたブレードであり、前記刃先は前記ブレードの端にそって形成されている、請求項28または請求項29に記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項31】
前記ブレードの端は前記刃先を形成するために面取りされている、請求項30に記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項32】
前記ブレードは、前記ブリスター内への前記めくれ部分の折りたたみを容易にする、前記ブレードの面から延びる隆起部を有する、請求項30または請求項31に記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項33】
前記切断要素は表面から直立し、空気がブリスターから流入流出可能である気流開口部にわたって延びる、請求項28から請求項32のいずれかに記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項34】
突出部は前記切断要素の間の表面から直立し、前記ブリスター内への前記めくれ部分の折りたたみを容易にする、請求項33に記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項35】
前記中心軸から延びる4つの切断要素を備え、各切断要素はその隣接する切断要素にほぼ直角をなす、請求項28から請求項34のいずれかに記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項1】
使用者により吸入される1回分の服用量の薬剤を収容するブリスターの蓋部を穿刺するブリスター穿刺要素であって、空気の流れにとりこまれた薬剤が前記ブリスターの外へ出る通路であるアウトレット開口部と、前記開口部の上方に延びて張り出し、当該蓋部への挿入中にブリスターの蓋部のめくれ部分を切断してこれを前記開口部から離れるように押し出す穿刺ヘッドとを備える穿刺要素。
【請求項2】
前記穿刺ヘッドは前記アウトレット開口部の周辺の一部から延びている、請求項1に記載のブリスター穿刺要素。
【請求項3】
前記穿刺ヘッドは前記アウトレット開口部全体に張り出している、請求項1または請求項2に記載のブリスター穿刺要素。
【請求項4】
前記穿刺ヘッドは刃先を備える、前掲の請求項のいずれかに記載のブリスター穿刺要素。
【請求項5】
前記刃先は前記アウトレットに張り出した前記穿刺ヘッドの自由端に形成されている、請求項4に記載のブリスター穿刺要素。
【請求項6】
前記刃先は前記穿刺ヘッドの自由端の近位に形成される、請求項5に記載のブリスター穿刺要素。
【請求項7】
前記刃先の上方に延びる前記穿刺ヘッドの自由端は前記開口部の方に折れ曲がる、請求項6に記載のブリスター穿刺要素。
【請求項8】
前記穿刺ヘッドは、前記刃先の先端のみが最初に前記ブリスター蓋部に接して前記蓋部にスリットを入れ始めるように、前記刃先がブリスター蓋部の面に対して角度をつけるよう構成されている、請求項5から請求項7のいずれかに記載のブリスター穿刺要素。
【請求項9】
前記先端から離れた前記刃先の部分は面取りまたは取り除かれている、請求項8に記載のブリスター穿刺要素。
【請求項10】
前記穿刺ヘッドはブレード要素を備え、前記刃先は前記ブレード要素の自由単に形成された、ブリスター蓋部に初期スリットを入れる主刃先を備え、前記主刃先により形成された前記切り込みに対してほぼ直角のスリットをブリスター蓋部に入れて、前記穿刺ヘッドにより前記ブリスターに押し込まれるめくれ部分を形成する副刃先は、前記主刃先と前記アウトレットとの間の前記ブレード要素の両端に沿って延びる、請求項4から請求項9のいずれかに記載のブリスター穿刺要素。
【請求項11】
前記ブレード要素は硬質である、請求項10に記載のブリスター穿刺要素。
【請求項12】
前記ブレードは、少なくとも1つの開口部を有する、請求項10に記載のブリスター穿刺要素。
【請求項13】
前記副刃先と前記アウトレットとの間に延びる領域は壁によって囲まれている、請求項10から請求項12のいずれかに記載のブリスター穿刺要素。
【請求項14】
少なくとも1つの支持足部が前記刃先と前記アウトレットとの間に延びる、請求項4から請求項13のいずれかに記載のブリスター穿刺要素。
【請求項15】
インレット開口部と1対の穿刺ヘッドとを備え、一方の穿刺ヘッドは前記アウトレット開口部の上方に延びてこれに張り出し、他方の穿刺ヘッドは前記インレット開口部の上方に延びてこれに張り出した、前掲の請求項のいずれかに記載のブリスター穿刺要素。
【請求項16】
前記穿刺ヘッドは背中合わせ構成で配置されている、請求項15に記載のブリスター穿刺要素。
【請求項17】
前記穿刺ヘッドは、第1の方向に互いに離間しており、当該第1の方向に対して直角の横方向に互いにオフセットしている、請求項15または請求項16に記載のブリスター穿刺要素。
【請求項18】
前記刃先先端がブリスター蓋部に中心に近いところに切り込みを開始するように各穿刺ヘッドの前記刃先は角度を有し、前記刃先が前記ブリスター蓋部の両端にむけて前記ブリスター蓋部の外向きに反対方向に延びる方向にスリットを入れる、請求項15から請求項17のいずれかに記載のブリスター穿刺要素。
【請求項19】
使用者により吸入される1回分の服用量の薬剤を収容するブリスターの蓋部を穿刺するブリスター穿刺ヘッドであって、穿刺部材がブリスターに侵入するとともに前記蓋部に第1の線形スリットを入れるよう構成された主切断要素と、前記穿刺ヘッドがブリスターに侵入するとともに前記主切断要素により形成された前記第1の線形スリットの両端に延びる第2のスリットを入れるよう構成され、前記主切断要素の両端に延びる副切断要素とを備え、前記主および副切断要素は合わせて前記蓋部に当該主および副切断要素により横に折りたたまれるめくれ部分を形成し、前記副切断要素は、前記ブリスターに侵入するとともに、それぞれ実質的にV字型のスリットを前記ブリスター蓋部に形成する、ブリスター穿刺ヘッド。
【請求項20】
前記副切断要素は、前記V字型スリットが互いに内側に向き合い、それぞれ前記主切断要素により切断された前記第1の線形スリットとの接触点に頂点を有するよう構成される、請求項19に記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項21】
使用者により吸入される1回分の服用量の薬剤を収容するブリスターの蓋部を穿刺するブリスター穿刺ヘッドであって、1対の分離して離間された切断要素を備え、各切断要素は、前記ブリスターに挿入されるとその蓋部にほぼV字型スリットを、一方のV字型スリットの頂点が他方のV字型スリットの頂点に向かうように、入れるよう構成され、前記切断要素は、前記ブリスターに前記切断要素が侵入している間に、前記第1および第2のV字型スリットの頂点の間の前記ブリスター蓋部の領域を裂くよう構成された、ブリスター穿刺ヘッド。
【請求項22】
各切断要素はほぼU字型であり、ブリスターの中または外への気流開口部を橋渡しする前記U字型のベース部に刃先が形成されている、請求項21に記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項23】
前記切断要素は互いに向かって角度をつけている、請求項22に記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項24】
前記刃先は前記切断要素の面取りされた部分の端部に形成されている、請求項22または請求項23に記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項25】
一方の切断要素の面取りされた部分は他方の切断要素の面取りされた部分よりも大きい、請求項24に記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項26】
ブリッジ要素が前記切断要素の間に延びて、各V字型スリットの頂点の間に延びる前記ブリスターの領域を裂く、請求項21から請求項25のいずれかに記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項27】
各切断要素は当該第1および第2V字型スリットの頂点の間の前記ブリスター蓋部の領域にスリットを入れ始める副刃先を備える、請求項22から請求項26のいずれかにに記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項28】
使用者により吸入される1回分の服用量の薬剤を収容するブリスターの蓋部を穿刺するブリスター穿刺ヘッドであって、中心軸から径方向に延び、それぞれ前記中心軸から離間したブリスターの蓋部に切り込みを開始する先端を有する複数の切断要素と、各切断要素の先端から径方向に延び、前記中心軸から径方向に延びる前記蓋部にスリットを入れて、前記切断要素が当該蓋部を介して前記ブリスターに軸方向に挿入されている際に前記ブリスター内に折り曲げられるめくれ部分を形成する刃先とを備える、ブリスター穿刺ヘッド。
【請求項29】
各切断要素の刃先は、前記中心軸の先端から径方向に内側に向かって延びる第1の部分と、前記中心軸の先端から径方向に外側に向かって延びる第2の部分とを有する、請求項28に記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項30】
各切断要素は前記中心軸から径方向に延びる面に配されたブレードであり、前記刃先は前記ブレードの端にそって形成されている、請求項28または請求項29に記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項31】
前記ブレードの端は前記刃先を形成するために面取りされている、請求項30に記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項32】
前記ブレードは、前記ブリスター内への前記めくれ部分の折りたたみを容易にする、前記ブレードの面から延びる隆起部を有する、請求項30または請求項31に記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項33】
前記切断要素は表面から直立し、空気がブリスターから流入流出可能である気流開口部にわたって延びる、請求項28から請求項32のいずれかに記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項34】
突出部は前記切断要素の間の表面から直立し、前記ブリスター内への前記めくれ部分の折りたたみを容易にする、請求項33に記載のブリスター穿刺ヘッド。
【請求項35】
前記中心軸から延びる4つの切断要素を備え、各切断要素はその隣接する切断要素にほぼ直角をなす、請求項28から請求項34のいずれかに記載のブリスター穿刺ヘッド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図14E】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図29】
【図29C】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図14E】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図29】
【図29C】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図28】
【公表番号】特表2008−535601(P2008−535601A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505906(P2008−505906)
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/061607
【国際公開番号】WO2006/108877
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(507335218)ヴェクチュラ デリバリー デバイシズ リミテッド (4)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際出願番号】PCT/EP2006/061607
【国際公開番号】WO2006/108877
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(507335218)ヴェクチュラ デリバリー デバイシズ リミテッド (4)
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