説明

乾燥粉末吸入装置

【課題】より一様な投与を分散し得る改良された乾燥粉末吸入器を提供する。
【解決手段】統合活性エネルギ患者補助分散システムを伴う乾燥粉末吸入器は、利用者の吸息能力、及び/若しくは、投薬される乾燥粉末の流れ可能性に応じて、調整可能なエネルギ出力を提供する制御システムにより構成される。複数投与分乾燥粉末パッケージは、撓んで変形し、利用者による吸入の際に分散する乾燥粉末薬剤に応じて、パッケージの選択された領域内で機械的振動を与える、圧電ポリマ基板により構成される。制御システムは、利用者の吸息運動に応答して関連するファジィロジックを、利用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略、薬剤配布装置に関し、特に、投与量調整式乾燥粉末吸入器に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
吸入エアロゾルとしての薬剤配布は公知である。実際、喘息や他の呼吸系疾患は、吸入エアロゾルにより長く治療されてきた。今日、この投与のコンセプトを拡張して、ロイプロライド類似のペプチドのような浸透剤、及びインスリンのようなプロテインなどに加えて、抗菌物質、プロテアーゼ抑制体、及びヌクレイン酸/オリギオスのような局所的に作用する薬品にまで広げることにも、興味を持たれている。例えば、抗結核性化合物のような抗菌物資、糖尿病治療や他のインスリン抵抗関連疾患のためのインスリンのような蛋白質、前立腺ガンや子宮内膜症の治療のためのロイプロライドアセテートのようなペプチド、及び膀胱繊維症遺伝子療法のためのヌクレイン酸即ちオグリゴヌクレオチド、などに関する吸入器ベースの配布である。例えば、ウォルフ(Wolff)その他の“Generation of Aerosolized Drugs”(J.Aerosol)Med.89−106ページ(1994年)(非特許文献1)を参照されたい。
【0003】
概略述べると、エアロゾル・ベースの吸入器を経て薬剤治療を投与し頒布するのには、3タイプの吸入装置が利用される。(通常、喘息治療に利用される)最も頻繁に利用されるタイプは、加圧式計量投与吸入器(pMDI)である。このタイプの吸入器は、大抵の商業用利用では禁じられているが現下医療用では免除されている、フレオンのようなオゾン破壊するCFC推進剤を利用する。一義的に、非CFC推進剤の数は限定され、別途の方法は困難であるから、pMDI装置の代替物は、エアロゾル配布研究の領域では重要である。
【0004】
吸入薬剤エアロゾルは、ネブライザの利用によっても生成される。昨今までこれらのネブライザタイプの利用は、主に動力が必要なことから、診療領域及び家庭利用に通常限定されていた。動作時には、ネブライザは、薬剤が患者の気道を経て肺周辺に到達できる大きさの範囲の水滴を配布する。しかしながら、水滴は(約2μmより小さいオーダーであるように)非常に小さいため、診療上十分に投与するには、比較的長時間の治療時間が通常求められる。
【0005】
吸入器の第3のタイプは、乾燥粉末吸入器(DPI)であり、薬剤エアロゾルを配布するための、pMDIの有望な代替物であることを示す。通常、DPIは、粉末薬剤や、賦形剤及び/又は他の成分を含む混合薬物を、配布するように形成される。従来では、粉末状で供給される薬剤を施与する患者の吸息動作に依存していたのであるから、DPIの多くは受動的に動作するものであった。不運なことに、吸息能力は患者毎に変動するものであるため(更に、特に患者が気管を閉じる傾向がある喘息発作若しくは呼吸器系疾病を患うならば、同じ患者でも利用毎にも変動するものであるため)、この受動的動作は結果として投与量の不十分な一様性に繋がり得る。
【0006】
概略述べると、公知の単一回の及び複数回の投与の乾燥粉末DPI装置は、薬剤を含むカプセルのような個別の予め計測された服用分を利用する。そのカプセルは、施与に先立ち装置の中に挿入され得る。一方で、DPI装置は、適切な投与量を施与する施与チャンバを経て、患者に薬剤を連続して投与するバルク粉末貯蔵部を基礎にして動作し得る。プライム(Prime)その他の“Review of Dry Powder Inhalers”(26 Adv.Drug Delivery Rev.)51−58ページ(1997年);及び、Hickeyその他の“A new Millennium for inhaler technology”(21 Pharm.Tech.)n.6,116−125ページ(1997年)(非特許文献2)を、概略、参照されたい。
【0007】
特にDPI装置の操作において、乾燥粉末の一様な分散量及び(微粒子サイズのような)所望の物質形態が、患者の気管の中に分散され所望の沈積位置に向けられるのが、望ましい。患者が十分な呼吸運動を為し得ないならば、特に気管の下方位置へ、薬剤の浸透を拡張することが妨げられることがある。このことにより、患者の口内又は喉内にて粉末が早々と沈積してしまう。
【0008】
更に、多数の障害が、DPIの動作に影響を与え得る。例えば、乾燥粉末薬剤混合物の中の吸入可能粒子は小サイズであるため、それら粒子は集塊力及び/又は凝集力を受けやすく(即ち、ある種の乾燥粉末は、共に付着しあった薬剤粒子により通常起こされる集塊に作用されやすく)、結果として不都合なことに流れが不十分になり分散が一様でなくなる。更に、上述のように、多くの乾燥粉末処方では、薬剤の流れ特性を促進するためより大きい賦形剤粒子を利用する。しかしながら、集塊の存在に加えて、賦形剤から薬剤が分離することから、更なる吸息運動が要求されることがあり、然もその分離は、患者の気流内部にて、好ましい沈積/目的位置に達し早々と別位置に沈積してしまう薬剤量を減少させるというような、粉末の安定的な分散に悪影響を与えることがある。
【0009】
更に、多数の乾燥粉末吸入器は、装置内部に相当量の薬剤を留めることがあり、そのことは特に常時問題となり得る。通常、装置が適切に作動していることを保証するために装置が浄化されていることが、この問題では要求される。更に、これらの乾燥粉末薬剤の多数のものの吸湿性のため、装置は周期的間隔で浄化(且つ乾燥されることも、要求される。
【0010】
吸入装置には、従来の受動的な吸入器に付随する問題点を、解決しようと試みるものもあった。例えば、米国特許第5655523号(特許文献1)は、集塊解体/エーロゾル化プランジャロッド即ちバイアスハンマと、ソレノイドとを有する乾燥粉末吸入装置を提案し、米国特許第3948264号(特許文献2)は、内部に含まれる粉末の解放を実施するための、アプセルを振動するバッテリ動力ソレノイドブザーの利用を提案する。これらの装置は、患者の呼吸運動から独立して入力されるエネルギの利用により、乾燥粉末の解放を促進することを提案する。しかしながら、改良され、利用しやすい、費用対効果の良い、信頼度の高い乾燥粉末吸入器を提示することが、依然求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5655523号
【特許文献2】米国特許第3948264号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】ウォルフ(Wolff)その他の“Generation of Aerosolized Drugs”(J.Aerosol)Med.89−106ページ(1994年)
【非特許文献2】プライム(Prime)その他の“Review of Dry Powder Inhalers”(26 Adv.Drug Delivery Rev.)51−58ページ(1997年);及び、Hickeyその他の“A new Millennium for inhaler technology”(21 Pharm.Tech.)n.6,116−125ページ(1997年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的と概要
従って、より一様な投与を分散し得る改良された乾燥粉末吸入器を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
従来のDPIシステム以上に装置から分散若しくは放出される細かな粒子破片粒子の量を増加し得る、吸入の間の乾燥粉末薬剤処方の、分散及び解放を活性して促進するDPIシステムを供給することが、本発明の別の目的である。
【0015】
能動的な分散素子と多数の乾燥粉末投与を伴い、吸入器の浄化の困難さと頻度とを減らせる、経済的で使い捨てのブリスタパッケージ構成を提供することが、本発明の別の目的である。
【0016】
能動的に検出され若しくは予め与えられるパラメータを基にして吸入器の操作を調整し得る吸入器のための統合制御システムを提供することが、本発明の更なる目的である。
【0017】
利用時の吸入器の操作を動的に調整し得、所与の状況及び/又はパラメータを解析するように構成される、制御システムを提供することが、本発明の更なる目的である。
【0018】
乾燥粉末物質を利用し且つ/又は分散する装置及び/又は器具の操作を判定し調整するロジックベース制御システムを提供することが、本発明の更なる目的である。
【0019】
本発明のこれらの及び他の目的は、吸入器を介して乾燥粉末ベース薬剤処方を投薬し分散するための方法、システム、及びコンピュータプログラムプロダクトにより達成される。多重層の活性薬剤パッケージは、それへの励振電位の印加に応じて、震えるように即ち振動するように構成されるのが好ましい。多重層の薬剤パッケージは、投与分を活性分散するまで薬剤を湿度から保護するように構成された薬剤ブリスタパッケージであることが好ましい。多重層薬剤ブリスタパッケージは、電気トレースを表面に置くフッ化ポリビニーリディーンのような薄層の圧電ポリマ材料を利用し、所望の領域にて圧電ポリマ材料薄層を超えて電気励振電位を印加し、吸息利用の間の利用者気流中への乾燥粉末投与を活性補助し分散するために薬剤ブリスタ領域付近の薬剤パッケージを振動する。更に、(利用者気流速度、温度、湿度などのような)検知されるリアルタイムの状況と、及び/又は、配布薬剤又は該薬剤の身体でのターゲットに対応する所与の状況及びパラメータとを基にして、活性制御/フィードバック及び動的調整を分散制御システムに与えるための、ファジィロジックベース制御システム及び一つ又はそれ以上のセンサを、吸入器は利用できる。
【0020】
当業者に十分理解されるように、本発明は、装置、方法、又はコンピュータプログラムプロダクトのうちの、一つ又は組み合わせとして、与えられ得る。
【0021】
本発明の第1の実施形態は、多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージに関する。パッケージは、対向する第1と第2の主要面を伴う圧電材料層を含むプラットフォームボディを含む。圧電材料層の第1の主要面は、その上に配置される空間的に分離された第1の複数の金属トレースを含む。第1の複数の金属トレースは、伝達ラインと活性パッド領域を含むように構成される。圧電材料の第2の主要面は、その上に配置される空間的に分離された第2の複数の金属トレースを含む。第2の複数の金属トレースは、伝達ラインと活性パッド領域を含むように構成される。第2の複数のトレースの各々は、第1の複数の分離された金属トレースの対応するものと整列し、個別に操作され得る間に挟まれた電気励振経路によって対向する金属トレースの対応しあう対を定義するように、配置される。パッケージは、プラットフォームの中に形成される複数のくぼみウエルも含む。ウエルは、所定量の乾燥粉末薬剤を内部に保持するように構成される。くぼみウエルの各々は、プラットフォーム上に配置され、対応する第1と第2の金属トレースの一対の個々の活性パッド領域に実質的に重なる。
【0022】
好適な実施形態では、個別に操作され得る電気経路の選択されたものへの励振電位差の印加に応じて、圧電材料層が活性パッド領域で変形しよってくぼみウエルから乾燥粉末薬剤を活性して分散する。パッケージは、複数のくぼみウエルに重なるように配置される一つ又はそれ以上の密閉解放可能ポリマキャップと、くぼみウエルの各々の中に配置され、内部に乾燥粉末薬剤接触面を定義する、非反応性バリアとを、含んでもよい。
【0023】
好適な実施形態では、多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージが、乾燥粉末吸入器内で受け止められるように構成される。乾燥粉末吸入器は、ハウジングとその内部に位置する制御システムを含み、動作の間にはハウジングは利用者と流体を連絡できるように構成され更にそこからの流れ出口経路を定義する。制御システムは、個別に操作され得る電気励振経路のうちの選択された一つと係合するように構成されるコントローラを含む。制御システムは更に、コントローラと操作上関連する第1の電位出力を有するバッテリと、コントローラ及び選択された個別に操作され得る電気経路と操作上関連する所望の励振電位まで、第1の電位を増加する変圧器とを、含む。制御システムは更に、流れ出口経路の中に配置される気流センサを含み、気流センサは、流れ出口経路の中のくぼみウエルの上流に配置される(ウエルはセンサと利用者との中間にある)。この配置では、センサの表面への薬剤粒子の蒸着を減少できる。操作時には、コントローラが、乾燥粉末薬剤の分散に関連する所定のパラメータに応じて励振電位を調整するように構成される。
【0024】
好適な実施形態では、コントローラは、乾燥粉末薬剤の流れ特性と利用者の吸息能力とのうちの、少なくとも一つを表すファジィロジックシステムでプログラミングされ、よって選択された電気経路に伝達される励振電位はファジィロジックシステムの結果に反応する。
【0025】
上述の本発明の第1の実施形態と同様であるが、本発明の別の実施形態は、少なくとも表面に形成された集中活性素子を伴う、使い捨て多数投与分乾燥粉末パッケージに関する。乾燥粉末パッケージは、実質的に平坦なプロファイルと上方面及び下方面とを有する圧電ポリマ薄膜を含む。第1の金属トレースパターンは、上方面上に配置される。第1の金属トレースパターンは、複数の第1のパッド領域と、複数の第1の線状伝達ラインを有する。各々の第1のパッド領域は、夫々の第1の線状伝達ラインに接続する。第2の金属トレースパターンは、下方面上に配置される。第2の金属トレースパターンは、複数の第2のパッド領域と、複数の第2の線状伝達ラインを有する。各々の第2のパッド領域は、夫々の第2の線状伝達ラインに接続する。第1と第2の金属トレースパターンは、圧電ポリマ材料層を超えて整列する。パッケージは更に、第1のパッド領域の各々に上方面上にて実質的に重なるように配置される、複数の個別量の乾燥粉末薬剤を含む。密閉層は、使い捨て乾燥粉末パッケージの中に乾燥粉末薬剤の単位量を固定するため、単位量の乾燥粉末薬剤の各々に被せるように配置される。
【0026】
ある実施形態では、圧電ポリマ薄膜は、薄膜PVDFであり、裏張り材料層は、PVDFの下方面の実質一部に重なるように配置され得る。
【0027】
本発明の別の実施形態は、乾燥粉末薬剤の吸入可能量を患者の気流の中に分散する方法である。該方法は、乾燥粉末吸入器が利用者と流体を連絡できる状態となり吸入の際に乾燥粉末薬剤の所定量を利用者の気流の中に仕向けんとするために、乾燥粉末吸入器を配置し保持するステップを含み、パッケージは、パッケージ上の容器部分内に少なくとも一単位量の乾燥粉末薬剤を保持しその容器部分は圧電ポリマ材料層を含む。上記方法は更に、容器を変形するために容器領域内の圧電ポリマ薄膜を超えて電位差を繰り返し印加するステップと、乾燥粉末薬剤が、利用者の吸息吸入サイクルの間に利用者の気流の中に分散されるように、パッケージの容器部分の中に保持される乾燥粉末薬剤を放出するステップとを含む。
【0028】
上記の変形するステップが、容器部分の領域内で圧電材料を撓ませることにより、実行されてもよい。上記の印加するステップは、圧電層を超えて約100〜200ボルトのピークツーピークの電位を与えることにより実行される。電位は、約3〜60ヘルツの間の周波数、及び/又は、約25キロヘルツ〜2メガヘルツの間のより高い周波数のような、種々の周波数で印加され得る。
【0029】
方法が更に、利用者の吸息気流速度を計測するステップと、上記の計測するステップから得られる利用者の吸息流れ速度に応じて、上記の印加するステップの間に印加される電位を制御するステップとを含み得る。方法は更に、特にウエルに近接して、気流の乱流を与え若しくは増大するため、出口流れチャネルを形成するステップを含み得る。
【0030】
利用者の気流速度は、乾燥粉末薬剤を活性分散するのに近接して(吸入サイクルの開始の近時に)確立され得、先行の利用の間に計測される平均気流速度を基にして、若しくは吸入サイクルを通じて動的に得られる気流速度を基にして確立され得る。
【0031】
方法は、少なくとも一つの所定の状況を表すファジィロジック関数を定義するステップも含み得る。少なくとも一つの状況は、乾燥粉末吸入器の構成、利用者の吸息能力、投薬される乾燥粉末薬剤の処方の流れ可能性、及び、乾燥粉末処方に関連する呼吸粒子破片のうちの、少なくとも一つと関連する。方法は更に、少なくとも一つの状況の帰属関係の程度を、定義されたファジィロジック関数に決定するステップと、定義するステップと決定するステップを基にして、印加するステップの間に印加される励振電位を調整するステップとを含む。
【0032】
ファジィロジック関数が、印加するステップの間に伝えられる電位出力を制御するのが好ましい。方法は更に、関連する周波数、振幅、及び関連する信号パターンを有する操作上の励振出力パルスの範囲を確定するコンピュータ読み取り可能プログラムコードを乾燥粉末吸入器にプログラミングし、更に、所定のタイプの乾燥粉末薬剤処方に適切な操作上の励振出力パルスを定義するコンピュータ読み取り可能コードを乾燥粉末吸入器にプログラミングするステップを含む。予め定義された範囲は、分散される、及び/若しくは、特定タイプの身体への配布のターゲットのための、確認された乾燥粉末薬剤を基にして選択される励振パルスを狭くして装置操作範囲を限定することによって、コントローラの選択若しくは解析プロセスをスピードアップできる。
【0033】
本発明の更なる実施形態は、上述の方法と類似するが、吸入配布経路の中に乾燥粉末薬剤の投与分の分散を促進する方法に関する。方法は、圧電ポリマ材料層を有するパッケージの中に、所定量の乾燥粉末薬剤を配置するステップを含み、圧電ポリマ材料層は、(単位量で)乾燥粉末薬剤を近接して保持するように構成され且つ大きさの取られた複数の容器領域を有し、且つ、該複数の容器領域に対応する複数の選択対象の励振領域で構成される。方法は更に、選択対象の励振領域の圧電ポリマ材料層を素早く撓ませ少なくとも一つの容器領域を変形し、因って吸入配布経路の中への乾燥粉末薬剤の分散を促進するために、励振信号を少なくとも一つの選択対象の励振領域に選択して印加するステップを含む。
【0034】
本発明に係る更に別の実施形態は、乾燥粉末吸入器を制御する方法に関する。方法は、出口流れ経路の中に配置される活性配布システムと気流センサとを有する乾燥粉末吸入器を設定するステップと、乾燥粉末薬剤の所望の投薬の近接時に、乾燥粉末吸入器を利用して利用者の吸息運動と関連する気流速度を計測するステップと、以って利用者の能力に応じて、増加する投薬分散の一様性を促進するため、活性配布システムに向けられるエネルギを上記計測するステップに応答して調整するステップとを含む。
【0035】
本発明の付加的な実施形態は、活性エネルギ補助薬剤分散システムと共に構成される吸入器の中で、乾燥粉末薬剤の活性配布を制御する方法である。方法は、複数の乾燥粉末薬剤処方の流れ可能性を先験的に確立するステップを含む。乾燥粉末吸入器を利用して利用者の気流速度が計測される。第1のファジィロジック関数を利用して、分散されるべき薬剤の流れ可能性の帰属関係の程度が決定される。第2のファジィロジック関数により、利用者の計測された気流速度の帰属関係の程度が決定される。決定された帰属関係の程度を基にして、吸入器の活性エネルギシステムに向けられる励振信号が制御される。
【0036】
本発明の別の実施形態は、少なくとも一つの統合活性素子(好ましくは、複数の個別活性可能素子)が表面に形成された使い捨て複数投与分乾燥粉末パッケージを作成する方法に関する。方法は、少なくとも一つの圧電ポリマ薄膜層が、上方面と下方面とを備える所望の図形状の中に挟まれる、パッケージを形成するステップと、圧電ポリマ薄膜層の複数の間隔の置かれた選択された上方面領域に実質的に重なるように、所定量の乾燥粉末薬剤を分配するステップと、乾燥粉末パッケージに抗して、分配された乾燥粉末薬剤を固定するために、分配された乾燥粉末薬剤を密閉するステップとを、含む。
【0037】
方法は更に、第1の金属トレースパターンを上方面上に形成するステップを含み、第1の金属トレースパターンは、複数のパッド領域と複数の線状伝達ラインを有し、夫々の線状伝達ラインは上記のパッド領域の各々に接続する。方法は更に、第2の金属トレースパターンを下方面上に形成するステップを含み、第2の金属トレースパターンは、複数のパッド領域と複数の線状伝達ラインを有し、夫々の線状伝達ラインは上記のパッド領域の各々に接続する。
【0038】
更に、方法は、2つの圧電ポリマ薄膜層を形成するステップを含み、それら薄膜層は、中間に配置される柔軟コアにより分離され、それら薄膜層の全てが、電位の印加により同時に変更され得る。
【0039】
本発明は、乱流気流を促進し装置から利用者へ放出若しくは分散される粉末の破片を増加させるために、吸入器の飛沫同伴チューブ(出口流れチャネル)の中でバッフル若しくは不規則形状壁を利用することもできる。
【0040】
本発明に係る更に付加的な実施形態は、吸入器の出口流れ経路の中へ及び利用者の吸入流れ経路の中への乾燥粉末薬剤の分散を活性して促進するように、乾燥粉末吸入器の操作を仕向けるコンピュータプログラムプロダクトである。コンピュータプログラムプロダクトは、内部で具体化されるコンピュータ読み取り可能プログラムコードを有するコンピュータ読み取り可能記録媒体を含み、コンピュータ読み取りプログラムコードは、活性エネルギ補助薬剤分散システムを備えるよう構成される乾燥粉末薬剤吸入器の中の活性配布機構に、伝達される励振パルスを制御する、コンピュータ読み取り可能プログラムコードを、含む。コンピュータ読み取りプログラムコードは更に、活性エネルギシステムに配布されるエネルギ量を制御するファジィロジック解析モデルを定義する、コンピュータ読み取り可能プログラムコードと、乾燥粉末薬剤の流れ可能性に関連する第1のファジィ関数への、投薬される乾燥粉末薬剤の帰属関係の程度を決定する、コンピュータ読み取り可能プログラムコードとを、含む。コンピュータ読み取りプログラムコードは、第1のファジィロジック関数への帰属関係の決定された程度に、少なくとも部分的に基いて、吸入器の活性エネルギシステムに仕向けられる励振信号の、タイプ、周波数、又はサイズのうちの、少なくとも一つを調整する、コンピュータ読み取り可能プログラムコードも、含む。
【0041】
好適な実施形態では、コンピュータプログラムプロダクトは、吸入器の出口流れ経路の中への乾燥粉末薬剤の活性分散の近接時の、利用者の吸息運動の気流速度を計測するコンピュータ読み取り可能プログラムコードを更に含み、活性エネルギシステムに配布される励振信号を調整するファジィロジック解析モデルを定義する上記コンピュータ読み取り可能プログラムコードが、利用者の計測された気流速度を解析するコンピュータ読み取り可能コード手段を含む。
【0042】
コンピュータプログラムプロダクトは更に、乾燥粉末処方内で利用される賦形剤のタイプ、乾燥粉末薬剤の凝集性、吸入器の形状、及び身体内の配布ターゲットのうちの、一つ又はそれ以上を、伝達される励振パルスを決定する際に考慮するコンピュータ読み取り可能プログラムコードを、含む。
【発明の効果】
【0043】
本発明は、有利なことに、改良された操作上の特徴を備える乾燥粉末薬剤処方のより信頼性のある一様な吸息性配布を、提供できる。本発明に係る、DPI、PVDFブリスタパッケージ、及びファジィロジック制御システムは、従来のDPIに対し、一つ又はそれ以上の以下のような利点を提供できる。再生可能な投与、呼吸可能なサイズ範囲の高パーセントの粒子の放出、不慮の多数回投与の機会の減少、容易な操作、乾燥粉末混合物の湿気からの保護、浄化の要求の減少、である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係るDPIの斜視図である。
【図2】本発明に係る図1のDPIの中に挿入され得る乾燥粉末ブリスタパッケージの頂面図である。
【図3A】図2でのライン3A−3Aを横切る部分断面図である。
【図3B】本発明に係る、単一圧電基板層を伴い、乾燥粉末ブリスタパッケージ上に構成される個別選択可能な電気励振経路の模式図である。
【図3C】本発明に係る、多重圧電基板層を伴い、乾燥粉末薬剤パッケージ上の個別選択可能な電気励振経路の別の実施形態の模式図である。
【図3D】本発明に係る、多重圧電基板層を伴い、個別選択可能な電気励振経路の更に別の実施形態の模式図である。
【図4】本発明に係るDPIの別の実施形態の斜視図である。
【図5A】本発明に係るリニアプラットフォーム多重投与ブリスタパッケージの別の実施形態の頂面図である。
【図5B】本発明に係るリニアプラットフォーム多重投与ブリスタパッケージの別の実施形態の頂面図である。
【図5C】本発明に係るリニアプラットフォーム多重投与ブリスタパッケージの別の実施形態の頂面図である。
【図6A】本発明に係る円形プラットフォームブリスタパッケージの別の実施形態の頂面図である。
【図6B】本発明に係る円形プラットフォームブリスタパッケージの別の実施形態の頂面図である。
【図7A】本発明の更なる実施形態に係る循環リニアプラットフォームブリスタパッケージの側方斜視図である。
【図7B】本発明の更なる実施形態に係る循環リニアプラットフォームブリスタパッケージの側方斜視図である。
【図8A】図7A及び図7Bにて示されるような、循環構成ブリスタパッケージを受け止めるべく構成された別のDPIの実施形態のカッタウェイ図である。
【図8B】図7A及び図7Bにて示されるような、循環構成ブリスタパッケージを受け止めるべく構成された別のDPIの実施形態のカッタウェイ図である。
【図8C】図7A及び図7Bにて示されるような、循環構成ブリスタパッケージを受け止めるべく構成された別のDPIの実施形態のカッタウェイ図である。
【図9】本発明に係る、可調周波数及び/又は振幅である例示の励振信号を示すグラフである。
【図10A】図2、図6A及び図6Bにて示されるような、ブリスタパッケージを封じ込めるべく構成されたDPI吸入器の別の実施形態の斜視図である。
【図10B】図2、図6A及び図6Bにて示されるような、ブリスタパッケージを封じ込めるべく構成されたDPI吸入器の別の実施形態の斜視図である。
【図10C】図2、図6A及び図6Bにて示されるような、ブリスタパッケージを封じ込めるべく構成されたDPI吸入器の別の実施形態の斜視図である。
【図11A】本発明に係る、統合制御システムを示すDPIの側方カッタウェイ図である。
【図11B】乾燥粉末薬剤が呼吸気経路の中に活性して分指され吸入器から出ていくように、吸入器気流出口通路の中に配置されるために持ち上げられる、ブリスタパッケージを伴う図11Aに示されるDPIの側方カッタウェイ図である。
【図11C】本発明に係る、薬剤ウエルの周辺周りに配置されるシールを示す、円形プラットフォームブリスタパッケージの別の実施形態の頂面図である。
【図12】本発明に係るDPIのための制御システムのブロック図である。
【図13】本発明に係る乾燥粉末薬剤の分散を制御する方法のブロック図である。
【図14】本発明に係るDPIの操作を制御する方法のブロック図である。
【図15】本発明に従い、選択されたファジィ帰属関係関数の帰属関係の程度を判定しDPIの操作を調整するファジィインタフェースシステムの模式図である。
【図16】本発明に従い、低、中、高の気流速度をモデリングする、気流速度のファジィ帰属関係関数のグラフである。
【図17】本発明に従い、不十分、十分、その他の処方の粉末流れ可能性をモデリングする、粉末流れ可能性のファジィ帰属関係関数のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0045】
発明の詳細な説明
本発明は、好適な実施の形態が示される添付の図面を参照して、以下により詳細に示される。しかしながら、本発明は、数多くの異なる形態で実施でき、本明細書に示される実施形態に限定して構成されるものではない。寧ろ、この開示が完全且つ十分であり当業者に発明の範囲を伝達するように、これらの実施形態は提示されている。同じ符号は、終始同じ要素を示す。図面では、部品、層、若しくは領域は、明確化のためにやや誇張されている。
【0046】
概略述べると、本発明は、統合の、活性エネルギの、患者を補助する分散システムを伴う乾燥粉末吸入器に関する。該システムは、利用者の呼吸能力及び/又は、投与される乾燥粉末薬剤の流れ可能性に応じる活性分散素子に、可調エネルギ出力を与える制御システムを伴うように、構成される。吸入器は、鼻及び/又はオーラル(口)の呼吸配布に利用され得る。吸入可能乾燥粉末投与分が複数投与分乾燥粉末薬剤パッケージ内にパッケージされ、該パッケージが、曲がって素早く変形しパッケージ上の個別の選択信号経路の中に機械的振動を与える(PVDFのような)圧電ポリマ基板を含むのが、好ましい。信号経路は、信号を薬剤容器領域即ちウエルに仕向け、ウエルには利用者の吸息運動と合わせて振動させ、よって、ウエルから乾燥粉末を活性して出させ出口流れ経路に仕向けさせる。結果として、粉末は、利用者の吸息運動の間、吸入器の出口流れ経路の中へと、活性して分散する。乾燥粉末吸入器は、(特定タイプの賦形剤若しくは利用される他の付加物を、償うこと若しくは準備することもできる)特定の薬剤処方の流れ可能性のファジィロジックモデルを伴う制御システムや、リアルタイムで計測される利用者の吸息運動に対して調整され得るシステムを、利用することもできる。
【0047】
図1を参照すると、複数投与分乾燥粉末薬剤パッケージ20からの吸入可能乾燥粉末を受け止め口内に分散するように構成される、DPI10の一つの実施形態が、示される。適切な乾燥粉末薬剤パッケージ20は、図2及び図3Aにも示される。図示されるように、複数投与分乾燥粉末薬剤パッケージ20は、対応する上方及び下方金属トレースパターン22u、22bによって形成される統合活性素子を伴うプラットフォームボディ20bを含み、それら金属トレースパターン22u、22bは、圧電基板材料層28上に配置される。プラットフォームボディ20bは、プラットフォームボディ20bの上方表面21u上に、第1の金属トレースパターン22uを含む。図示されるように、第1の金属トレースパターン22uは、複数の間隔を置いたパッド25uと、活性パッド25uの各々と接続しそこから伸展する対応する伝達ライン26uを、含む。プラットフォームボディ21bの底部は、第2の金属トレースパターン22bを含む(図3A)。第2の金属トレースパターン22bは、実質的に第1のそれ22uと同じであって、更にパターンが、間の圧電基板層28と共に、第2のものを覆って第1の物を整置するように、対称に配置されるのが好ましい。
【0048】
図1及び図2を参照すると、複数結合の又は個別の、乾燥粉末処方混合物30の投与分は、各々の投与分が個々の活性コンタクトパッド25uに抗して存し更に事実上重なるように、プラットフォームボディ20b上に形成される。明確に言うと、本発明によると、保護フィルム、湿気保護バリア、薬剤保護バリア即ちコーティングは、基板層28、トレース22u、22b、若しくはプラットフォームボディ20bの他の部位を覆っても、配置され得ることがわかる。活性振動領域/ウエル40の近傍で利用されるのならば、それらは実質的に活性素子の動作に透過するように、利用されるのが好ましい。図3Aに示されるように、不活性即ち非反応性バリア35が、少なくとも上方パッド25uを覆って配置され、この表面に接触し駐在する乾燥粉末薬剤の潜在的な汚れから、若しくはその乾燥粉末との相互作用から、乾燥粉末薬剤の純度及び安定性を保護するのが、好ましい。好適な実施形態では、不活性即ち非反応性バリア35は、プラットフォームボディ20bの上方表面上に加えられる薄いポリマカバー即ちコーティング材料であり、事実上、動作時に圧電基板層28の変形に即時反応する。
【0049】
図3Aを再び参照すると、第1及び第2の金属トレースパターン22u、22bが、圧電基板層28と接触し全域で整列配置されることも、好ましい。即ち、第1の金属トレースパターン22uは、圧電基板層28の第1の主要表面上に向けられ、その圧電基板層28は第2の金属トレースパターン22bに実質的に重なり、対応する伝達ラインの対26u、26bと活性パッド25u、25bを定義する。図3Bに模式的に示されるように、動作時には、対応する伝達ラインの対26u、26bと活性パッド25u、25bは、個別に励振可能な電気励振経路33を提供し得る。
【0050】
図3Aにも示すように、プラットフォームボディ20bは複数の薬剤保持容器即ちくぼんだウエル40を設置するように構成されるのが、好ましい。図示されるように、ウエル40は、投与分即ち単一サイズの食塊量の乾燥粉末薬剤30を保持するように構成される。好適な実施形態では、ウエル40は、圧電基板層28の中で形成される凹状輪郭により、画定される。乾燥粉末薬剤30は、ポリマキャップのような密閉層45によりウエルの中にシールされることも好ましい。複数層パッケージが、所望の薬剤を詰められた後で共に固められると、対向する活性パッド25u、25b及び非反応性バリア35(及び、任意であるが、裏張り層50)を含む、接着されたプラットフォームボディ層が等角の凹形状となるように、パッケージが構成される。即ち、各々の層は、実質的に圧電基板層材料28の形状に従うことになる。表現を変えると、動作時に、層35、25u、28、25bの各々は、励振信号を利用する間、圧電基板層28全体にて、一斉に動く。扁円、即ち扁長スフェロイドのような他の円形でない容器の構成も利用可能であり、それらに限定もされない。
【0051】
図3Aにも示されるように、任意利用の裏張り層50も、プラットフォームボディ20bの下方側面に加えられる。更に、裏張り層50が圧電基板層28と等角になり選択されたウエル40が活性する際に共に一斉に動くように、裏張り層50があてがわれるのが好ましい。この裏張り層50は、粉末表面の対向面に拡大する重さを与えるので、圧電基板層28全体に励振信号を加えることで引き起こされる容器即ちウエル40の振動を、大きくすることの助けとなり得る。裏張り層50の適切な材料の例は、塩化ポリビニール(“PVC”)を含むが、それに限定されるものではない。
【0052】
図1に示されるように、伝達ライン26uは、コントローラ125と(少なくとも5Vp−p、即ち9Vボタンタイプバッテリであることが好ましい)動力源150(図11A参照)を保持するDPI10部分が位置するパッケージ20の中心に向かって内へ輻射状に伸展する。同様に、底部伝達ライン26bも、パッケージ20の中心に向かって伸展する。この実施形態では、パッケージの中心は、中に形成されるアパーチャ即ち開口部20o(図2参照)を含む。図11Aに示されるように、DPI10は、頂部部位及び底部部位75u、75lで構成され、パッケージ20の中心開口部20oにより、底部部位75lの中に保持される部品と頂部部位75uの中に保持される部品との間の、電気的な接続を容易に為せる。図11Bと図11Cは、DPIハウジング75は下方部位75lがあっても無くても構成され得ることをも示す。
【0053】
図1に示されるDPI10に組み立てられると、吸入器チャンバ11の中の中心開口部20oに近接する伝達ライン端部は、DPI10の中のコントローラ125により個別に電気的に活性可能であり、よって、選択された対応する伝達ラインの対26u、26b及び関連する電気励振信号経路即ち回路33を定義する。伝達ライン26u、26bは、薬剤パッケージ10の適切な側(上方又は下方伝達ライン26u、26b)に信号/接地、即ち+/−接続を与える(ボックス100jにより概略示される)電気接合部にてDPIハウジング75の中に接続する。接合部は、表面上に配置されるトレース、可撓性回路、ワイヤリングなどにより、多数の方法で形成され得る。
【0054】
制御システム100は、従って、選択された伝達ライン26u、26bを電気的に活性することが好ましく、すると制御システム100は、励振信号を送りパッケージ10の関連するウエル40領域にて機械的振動を選択的に発生することができる。選択された伝達ラインのみがエネルギ源に電気的に接続されるので、他の選択されていない薬剤ウエル40は静止(電気的に活性せず、機械的振動から電気的に分離される状態)を続ける。シールされたウエル40の中の次の投与分は、回転されて(DPI10からの出口流れ経路12を定義する)吸入チャンバ11の中に入るので、吸入チャンバ11近傍に配置される穴あけ手段(図示せず。)が、密閉剤を除去しウエル40の中の乾燥粉末薬剤30を晒し、ウエル40が上記のように振動すると薬剤を拘束無く分散する。回転は、図1にて“R”により示される。回転の方向は、時計回り又は反時計回りの、いずれでもよい。
【0055】
上記のように、乾燥粉末処方混合物は、単一成分でも複数成分でもよく、活性でも不活性でもよい。不活性成分は、(吸入の間、(口などの)呼吸システムの中の早期の沈積物を抑制するための付加物のような、)流れ可能性を増すために、若しくは所望の身体のターゲットへの配布を促進するために、付加される付加物を含んでもよい。乾燥粉末薬剤処方は、サイズが変化する活性微粒子を含んでもよい。装置は、約0.5−50μmの範囲の微粒子を有する乾燥粉末処方に特に適合的であり、約0.5μm−20.0μmの範囲が好ましく、約0.5μm−8.0μmの範囲がより好ましい。乾燥粉末処方は、流れ増大成分も含んでもよく、それは通常微粒子サイズを含み、活性成分微粒子サイズより大きい。流れ増大成分は、約50−100μmのオーダーの微粒子サイズを有する賦形剤を含むのが、好ましい。(例えば、マンニトールのような)凍結防止剤として、若しくは(例えば、シクロデキストリンのような)溶解増加剤として合衆国食品医薬品局(“FDA”)により認可される、又は、安全な賦形剤として他に一般的に認められる(“GRAS”)、砂糖のような他のタイプのものも、利用され得る。
【0056】
乾燥粉末治療は、喘息、インフルエンザ、及び他の呼吸疾患を治療するのに利用され得る。上述のように、この投与のコンセプトを拡張して、抗結核性化合物のような抗菌物資、糖尿病治療や他のインスリン抵抗関連疾患のためのインスリンのような蛋白質、膀胱繊維症遺伝子療法のためのヌクレイン酸即ちオグリゴヌクレオチド、及び前立腺ガンと/又は子宮内膜症の治療のためのロイプロライドアセテートのようなペプチド、などに関する配布を含めることに、興味が持たれている。吸入器の中に分散されるユニット単位の乾燥粉末混合物の通常の投与量は、患者の大きさ、身体のターゲット、及び特定の薬剤に依存して変化する。平均的な大人に対する乾燥粉末投与量の例は、約20mgであり、平均的な小児患者に対しては、約5−10mgである。
【0057】
乾燥粉末薬剤の例には、アルブテロール、フルフィカソーネ、ベクロメタゾン、クロモリン、テルブタリン、フェノテロール、β−作用薬、及びグルココルチコイドが含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0058】
活性素子は、使い捨ての薬剤パッケージ20の一部に統合されるので/含まれるので、多くの従来の活性分散システムとは異なり、吸入器の活性機構部分の浄化は最早要求されない。
【0059】
再び図3Aを参照すると、圧電基板層28は、圧電ポリマ材料である。好適な実施形態では、圧電ポリマ薄膜は、(KYNARピエゾ薄膜、即ちフッ化ポリビニーラディーンとして知られる)PVDF及びその共重合体、又は2フッ化ポリビニーラディーン及び(共重合体の3フッ化エチレン(PVDF−TrFe)のような)その共重合体のような圧電活性材料から形成される。
【0060】
好適な実施形態では、圧電基板層28は、薄膜PVDFである。本明細書で利用するように、“薄膜”という言葉は、約10−200μm厚さのサイズが好ましい、構造上可撓性がある若しくは柔軟性がある層として、圧電基板層28が構成されていることを、意味する。
【0061】
金属トレースパターン22u、22bは、伝導性パターンを圧電基板層28の外側面上に加えることにより設定されるのが、好ましい。デポジット、即ち金属トレースパターン22uを形成するために、電子ビーム蒸着、熱蒸着、更には、(好ましくは上述のPVDF層のような)圧電基板の選択表面全体に伝導材料若しくは金属塗料等をペインティングやスプレイやディッピングやスパッタリングすることのような、どんな金属蒸着若しくは層形成技術を用いてもよい。もちろん、圧電基板層28の外側表面の所望の部位を覆って伝導マイラー層即ち可撓回路を添付するような、別の金属回路、ホイル、表面、若しくは技術も利用され得る。可撓回路が利用されるのならば、基板層28との電位減衰インタフェースを最小化するためにセンサアレイの構造へ実質的に透過するように、それら可撓回路は基板層28に構成される即ち添付されるのが好ましい。特定の伝導パターンが図面に示されているが、別の伝導パターンも利用可能なのであるから、本発明はそれらに限定されない、ということにも注目される。
【0062】
上方及び下方表面金属トレースパターン22u、22bはプラットフォームボディ20b上に接続しないことが、好ましい。例えば、(銀若しくは金のような)伝導塗料若しくはインクが、プラットフォームボディ20bの主要表面上に塗布され、それは圧電基板層28の周辺端部位28eを越えて広がることは無く、従って、頂表面22uと底表面22b上の金属トレースパターンは、それらの間の圧電基板層と分離して保持される。この構成は、動作時に圧電基板層28の変形を活性する電場形成のための入力/励振信号を与える制御システム100(図12)に接続すると、電気励振経路を形成する。従って、各々のパッド25u、25bのための電気経路33は、夫々の伝達ライン26u、26bを介して、コントローラ125(図12)に操作上接続する電気末端にまで伸展する。
【0063】
図3A及び図3Bを再び参照すると、励振回路構成33は、上方トレースが正極により動作し下方トレースが負極を有する若しくは接地するように、又はその逆に(でき、よって、電場/電位差を与え、選択されたウエル40の領域の中の圧電基板を励振するように)できる。もちろん、極性は、利用する励振信号のタイプによって、励振信号の印加の間(+から−、+から−というように)即座に反転することもできる。
【0064】
図4は、概ね符号10’が付されたDPIの別の実施形態を示す。図示されるように、DPI10’のハウジングは、線状に構成された乾燥粉末パッケージを内部で受け止めるように構成される。同様に、その上の伝達ライン26uは、プラットフォームボディ20eの端部に向かって平行状に伸展し、DPI10’の中の動力源150及びコントローラ125と電気的に接続する。この実施形態では、乾燥粉末薬剤30の次の投与分が吸入チャンバ11の中に移動すべくパッケージ20が回転する代わりに、薬剤パッケージ20が、正しい位置への伝達ライン26uの方向と垂直な方向に移され得る。上記のように、のこぎり状の端部、又は他の破る若しくは刺す手段が、吸入チャンバに接して若しくはその近傍に配置され、ウエルを開き乾燥粉末薬剤を制限無く分散させることができる。もちろん、密閉層45が手動で除去されてもよい。
【0065】
図5A、図5B、及び図5Cは、活性素子を伴う複数投与分乾燥粉末薬剤パッケージの別の例示の実施形態を示す。図5Aは、上述のように一回利用投与分を分散するのに利用される単一ウエル即ち単一励振パッドの代わりに、パッケージ20が、2つの分離パッド25u1、25u2により構成され得ることを、示している。上記のように、底部金属トレースパターンは、実質的に同様に構成され、第1のトレースパターンの対称イメージであるのが好ましい。(夫々底部パッド25b1、25b2を伴う)これらの2つの分離パッド25u1、25u2は、図示されるように、吸入チャンバ11の(“L”が付された軸で示される)長手方向に沿って整列する。一方でそれらは、(図4で“W”が付された軸で示される)幅方向に沿って整列し、更に/又は“L”軸に関してある距離オフセットして構成されるが、利用者による単一の吸息分散活性の間に一緒に分散するために吸入チャンバ11の範囲内に配置するよう構成される。即ち、夫々の伝達ライン26u1、26u2(26b1、26b2)を経由する各々のパッド25u1、25u2(及び25b1、25b2)は、同時に活性し投与分を出口流れ経路12の中へ分散する。より少ない量が2つのウエル40から吸入チャンバ11内に分散される(同じ全体の一回の保持投与分を分散する)ので、より少ないエネルギしか必要でなく、及び/又は、より一様な分散が為され得る(。または、利用前は分離しているが共同して投与され得る2つの成分を保持する)。
【0066】
図5Bは、伝達ライン26u、26bがプラットフォームボディ20bの他方の端と対照して、交互に配置され得ることを示す。図5Cは、パッド及び伝達ライン25u、26u(及び対応する25b、26b)が、投与がパッケージ20の一方サイドに沿って分散された後、パッケージ20の向きを変え、再挿入し、他方サイドに沿って活性(し、増量した濃度の薬剤の分散パッケージを供給)するように設定され得ることを示す。図6A及び図6Bは、複数投与分パッケージ20の円形パッケージの実施形態の同様の構成を示す。もちろん、吸入チャンバの中にくるように構成された2つの同時作用の励振パッド25u1、25u2(25b1、25b2)を伴う図5A及び図6Bに示されるが、パッケージ20は、(横に並んだり、縦に位置したり、オフセットしたりなどのパッドの一つ又は複数の組み合わせのような、)異なる組み合わせのより多数のパッドも利用できる。同様に、図5A及び図6Bに示されるような、伝達ラインにより接続される複数の分離した励振パッドの代わりに、単一のより長いパッドが、内部に形成される複数ウエル(図示せず)と共に利用されてもよい。
【0067】
図7A及び図7Bは、本発明に係る、活性素子を伴う複数投与分乾燥粉末薬剤パッケージ20の更に別の実施形態を示す。図示するように、パッケージ20は、循環ループである。図7Bは、各々のウエル即ち上方表面パッド25uの間に入る密閉リッジ129も含み得る。密閉リッジ129の目的は、更に以下で議論する。
【0068】
図8A、図8B、及び図8Cは、(図7A及び図7Bにて示されるような)循環薬剤パッケージ20構成を受けるように構成された(各々符号10が付された)DPIの実施形態の例を示す。図示されるように、DPI10は、パッケージ20を封じ込めるように構成される。パッケージ20が(公知の前進手段などにより)回転して進展すると、吸入チャンバ11の近傍の穴あけ手段200、及び出口流れ経路12が、選択したウエル40に穴を開ける。図示されるように、各々の実施形態は、活性された対応するトレース対25u、25b、26u、26bと流体に関して関連する吸入チャンバ11を含む。これらの吸入チャンバ11は、壁で構成され得る。該壁は封入部内部で距離を置いて進展し薬剤パッケージ20に対向して位置し、要求される患者の吸息運動がより少なくなるように、少なくとも一部、吸入チャンバ11を密閉する。一方で、全体封入部、即ちハウジングが、吸入チャンバ11を定義してもよい(図示せず。)。
【0069】
図10A、図10B、及び図10Cは、図2、図6A及び図6Bに示される円形複数投与分乾燥粉末薬剤パッケージ20を封入するように、更に好ましくは密閉するように構成された(各々符号10が付される)DPIの実施形態を示す。図10B及び図10Cに示されるように、DPIボディは、小児患者が装置の利用をより受け入れやすくする手助けとなり得る、面白い形状に形成されてもよい。図10Bは、SFタイプの宇宙船の設計を示し、図10Cは、亀の甲羅のハウジング設計を示す。テントウムシの甲、野球のミットなどの他の構成も、適切であり得る。もちろん、貝殻、車輪、ハット、動物などの、他の円形若しくは概略円形の設計も、利用し得る。
【0070】
図11A及び図11Bは、部分密閉可能DPI10を示す。この実施形態では、吸入チャンバ11の下方フロア111fの中の開口部111が、内部のパッケージ20の薬剤ウエル40を受けるように構成されている。利用者操作可能の伸展部位172は、吸入チャンバの下方フロア111fに抗して密閉の配置にパッケージ20を持ち上げるために、利用され得る。シール229は、図11Cに示されるように、パッケージ上のウエル40の周辺に配置し得る。同様に、対応するシールは、吸入チャンバに開口部111に近接して配置し得る。図11Bに示されるように、伸展部位172がパッケージ20の一部を押し上げ動作配置に到らしめると、制御システム100は、信号トレース25u、25b、26u、26bと電気的に接触し、粉末30拡散を活性して部分密閉吸入チャンバ11の中に到らせ、乾燥粉末処方を外の出口流れ経路12の中に仕向ける。伸展部位172が実質的に(振動を補助する裏張り層(図示せず。)として作用する)圧電基板層28に順応するように、伸展部位172を柔軟性ある中心部位と共に構成するのが、好ましい。一方で、伸展部位172は、パッケージの活性薬剤領域に対応する中心開口部を伴って構成され、ウエル40の動作を実質的に妨げることなくウエルを振動せしめ得る(これも図示せず。)。
【0071】
図11A及び図11Bにても示されるように、好適な実施形態では、DPI10は、吸入チャンバ11の中に配置される気流センサ300を含む。気流センサ300は、制御システム100の中のコントローラ125に電気的に接続する。気流センサ300は、利用者の吸息運動を計測するのに利用される。一つの適切なタイプの気流センサ300は、検出される気流の量に応じてワイヤを加熱する電流を利用する“ホットワイヤ”構成である。当業者に公知であるように、他の流れセンサも利用できる。例えば、インペラー又はビームを利用する流れセンサは、吸入装置内での利用に適し得る。出口流れ経路12の中への薬剤の拡散を妨げないように、気流センサ300は薬剤ウエル40の少し上流に設置される(薬剤ウエルが出口流れ経路とセンサ300との間にある)のも、好ましい。この配置は、乾燥粒子が利用中のセンサ上に沈積し得る傾向(及び/又はその量)を減少する。
【0072】
図11Aは、ウエル40近傍の気流チャネル部分を横切って伸展する、ウエル40近辺の(僅かに上流が好ましい)気流経路12の中に配置されるバッフル302の利用も示す。バッフル302は、気流チャネルの天井に添付でき、そこから気流チャネルの主要部分を横切って伸展できる。一つの実施形態では、17mm幅の気流チャネルに対し、バッフルは、(滅菌されたプレキシガスなどで形成される)計量成分で構成され、約12mm幅(2mm厚さ)の大きさであり、流れチャネルの内部に適合し、一方、底部(ウエル領域)から約5mm離れる。もちろん、装置から放出される粒子の細かい粒子片(“FPF”)の量を増加し得る、気流の中の乱れを、促進する/導入する輪郭又は形状/特徴を伴う内部壁を形成するなど行う、他の気流チャネル乱流構成若しくは成分も、利用可能である。
【0073】
気流計測は、乾燥粉末薬剤30の活性分散の間又は直前に、動的に実施されるのが好ましい。更に、DPI10によりなされる気流計測は、コントローラ125のメモリに記録され得、後日医者により分析のためにダウンロードされ得る。この気流計測データは、実際の利用データを供給し得、特定の利用者にとって最も適切なタイプの吸入器、分散薬剤のタイプ、更に(上述の薬剤投与の同時分散のためウエルの増加した個数の指定のような)薬剤パッケージの構成に関して、調整し得る。このデータは、利用者の特別な吸息能力に従って、より特製の処置及び/又は配布も、見込める。更に、このデータにより、医者は、喘息若しくは呼吸疾患に対する気流損傷の厳しさ、又は変動をモニタできる。
【0074】
いずれにせよ、少なくとも一つのリアルタイムの即ち動的な計測がなされると、データはコントローラ125にフィードバックされる。そのコントローラ125は、ウエルでの振動の量又は程度を増加若しくは減少するために、薬剤ウエル40に配信される励振信号135を調整できるロジックによってプログラムされている。一方で、コントローラ125は、気流計測値データを受け取り、稼動平均を基礎にして、次の活性エネルギ励振パルスを調整できる。
【0075】
図12は、本発明の一つの実施形態に係る制御システム100を示す。図示されるように、制御システムは、(タイマ125tを伴う)コントローラ125、バッテリー動力源150、及び逓昇変圧器130を含む。制御システム100は、気流センサ300も含むのが好ましい。動作時には、制御システム100は、薬剤の流れ可能性に対応する選択されるパラメータを基にして、電気信号経路33への励振信号を調整し得ることにより、薬剤の活性分散を制御する。例えば、選択されるパラメータは、以下のうちの一つ又は複数のものである。投与される薬剤のタイプ(関連する粒子の大きさと同じものの夫々の流れ可能性)、ウエルの中の投与量、吸入器の形状、(賦形剤のような)薬剤処方での付加物の存在若しくは不存在、身体の配布ターゲット、及び(特定の利用時機が好ましい)利用者の吸息能力である。これらのパラメータの多くが、先験的に定義され、コンピュータ読取り可能な“ルックアップ”テーブル、若しくは動作プログラムとしてコントローラの中にプログラムされ得る。好ましい制御システムのロジックは、更に以下にて説明する。
【0076】
操作においては、圧電基板28は、電気機械変換器として、及びそれ自体振動体として、動作する。概略説明すると、図3Aに示されているように、ウエル40は、圧電基板層28が電気ポテンシャル即ち電圧をかけられると、変形し、圧電材料の厚さ全体に渡って、励振信号により生成される電場の大きさに比例して撓むように、構成される。選択されたウエル40を変動する電位に素早くさらすことによって、活性されるウエル40は振動する。変動する電位は、多数の励振信号により与えられ得る(それらのうちには、連続するものもあり、正弦波、余弦波、及び他のタイプの波のように正極及び負極を有するものもあり、更には、矩形波のように一つの極性を有するものもある。)。入力励振電圧信号は、活性されたウエル40領域にて、ピーク間で約50−300ボルトの間であるのが好ましく、ピーク間で約100−200ボルトの間の電位差であるのがより好ましい。(例が図9にてfとして示される)励振信号の周波数、及び/又は、励振信号の大きさは、粉末のタイプ、粉末の投与分、投与パッケージの構成、及び賦形剤などの付加物の存在のような、幾つかのファクタに依存して、変動し得る。更に、これも図9に示されるように、例新信号の周波数及び/又は強さ(大きさ)は、吸入サイクルの間に、調整されfeadjとなり得る(利用者は通常、吸入サイクルの後半においては吸息運動がより乏しくなる)。もちろん、利用者の実際の運動に対応するリアルタイムの気流センサの計測置を基礎にして、調整はなされ得る。
【0077】
一つの実施形態では、低周波数励振パルスが利用され得る(即ち、約3−100ヘルツの周波数であり、より好ましくは3−60ヘルツである)。この低周波数励振信号は、乾燥粉末を出口流れストリームの中に流動化するように作用することが、予想される。別の実施形態では、特に流れ付加物が薬剤処方の中に含まれる場合には、より高い周波数が利用されるのが好ましい(例えば、約10−100キロヘルツであり、好ましくは約25キロヘルツ−2メガヘルツである。)。このより高い周波数は、薬剤が分散される際に薬剤粒子が備え得る凝集傾向、即ち集塊傾向を、破壊し得る。(図5Aに示されるような)一つ以上のウエル40から薬剤を連続して分散する薬剤パッケージ20に対し、ウエルは、異なる励振周波数により個別に励振され得る。
【0078】
乾燥粉末パッケージ10の好適な実施形態は、単一の圧電基板層28を利用するように示され記されているが、他の構成も利用し得る。例えば、図3Cに模式的に示されるように、プラットフォームボディ20bは、上述のように、中間の可撓性あるコア128により分離され各々が金属トレースパターン22u、22bを有する2つの圧電基板層28、28’を、含んでもよい。コアは、可撓性があり、パッケージのウエルを振動するために同じ方向で基板層28、28’と共に連続して変形する。動作時には、これら全て(4つのトレースパターン)が、活性されたウエル即ち容器40の領域の電場の印加に、連続して反応する。デュアル基板構成は、機械的振動を拡大し得る。
【0079】
コア128は、各々の側面に薄膜の接着剤を伴うネオプレン層であってもよい。圧電基板層28、28’は、コア128の夫々の外側面に容易に固定され、それらの間にコア128を差し挟み得る。コア128は、基板層28、28’よりも厚さにおいてより大きく採寸されるのが好ましく、オーダーの規模でより大きく採寸されるのがより好ましい。例えば、60ミクロン幅の基板層28、28’に対しては、コア128は約600ミクロンの深さ、即ち幅の厚さを備えてもよい。
【0080】
別の形態として、図3Dに示されるように、2つの圧電層28、28’が、上記の中間コア128を伴って利用されているが、基板28、28’の各々は、内部面(中心コア128に向けられた面)上に単一信号金属トレースパターンが配置され得る。この実施形態では、頂部及び底部基板28、28’の両方に対する、外部の、共通接地面122gがある。外部共通接地面122gは、伝導インク又はペイントの連続層を付加することにより、又は、マイラー薄膜で基板を覆い封入することにより、又は、当業者に公知の電気伝導手段により、各々の圧電基板層28、28’の外側の主要表面に、設定され得る。
【0081】
図3Dに示すように、(頂部基板28に対する)信号トレース22bと(底部基板28’に対する)22uに対しては、各々の基板層28、28’のPVDFは、極性が、各々の基板28、28’上の単一信号トレースパターンの活性が基板を同じ方向に変形しパッケージ20のウエルを振動するものとなるように、向けられる。図示されるように、PVDFは、各々が負極から正極を表示するように、コア上に設定され、トレースは、正極に関連する薄膜の側に付加される。電気的接続は、圧電基板層28、28’の各々の上で、共通接地122gから離れて制御システム100近傍のコントローラ125の中に所定距離PVDF薄膜を伸展することで、なされ得る。
【0082】
いずれにせよ、当業者には理解されるように、PVDF材料の圧電効果を相当に“増加”させるために、材料は、圧電効果により薄膜を“活性する”伸展期間の間、通常、薄膜厚さ全体に渡り適切な電子ポーリング電位に晒される。
【0083】
上述の複数圧電基板層構成に対しては、コア128は、ネオプレン又は柔軟材料コア材料をダイの中に挿入することにより、形成されるのが好ましい。PVDF基板材料層28、28’が、コア層128上に設定されて基板材料の所望の極性が適切な向きになるのが、好ましい。例えば、第1の基板層28がコア128上に設定されて第1の極性を備え、第2の基板層28’の外側層60が第1の外側層50に対向してコア128に接触して配置されて第2の極性を備え、第2の極性は、(図3Dに示されるように)第1の極性の逆になる。一方で、基板層28、28’の極性は、図3Cに示されるように、同じ方向でもよい。
【0084】
以下に説明するが、動作時にて、本発明は、乾燥粉末薬剤の少なくとも一単位量を備えるDPIをパッケージの容器部位の中に配置して保持するステップであって、該容器部位は圧電ポリマと操作上関連する底部面で構成されるステップと、圧電ポリマ薄膜全体に渡って容器領域の中に電位差を繰り返し加えて容器を変形するステップと、容器の中に保持される乾燥粉末薬剤を放出し利用者の吸息吸入サイクルの間に利用者の気流即ち呼吸経路の中に分散するステップとを、含む、乾燥粉末薬剤の吸入可能量を患者の気流に分散する方法を提示する。
【0085】
変形するステップは、圧電材料を容器領域内で撓ませることにより、実行されることが好ましい。もちろん、上記のように、方法は、利用者の吸息気流速度を計測するステップと、計測するステップから得られる利用者の吸息流れ速度に応答して、電位差を加える間に加えられる電位を制御し、及び/又は分散される薬剤の所与の薬剤流れ特性を基にして加えられる電位を制御するステップとを、含んでもよい。
【0086】
本発明の別の実施形態は、活性素子を伴う分散可能乾燥粉末薬剤パッケージを形成する方法である。該方法は,第1と第2の対向する主要面を有するPVDF薄膜の第1の単位層を構成するステップを含む。電気的トレースは、PVDF薄膜層の第1と第2の主要層上に形成される。複数の薬剤ウエルは、PVDF薄膜内の活性パッド領域近傍に形成される。パッケージの作成の間、特に減菌処理の間、圧電基板層が活性された後、圧電材料を120℃以上の温度にさらすことを減らすことに注意されるべきことを、銘記すべきである。
【0087】
本発明の別の実施形態は、乾燥粉末利用のための、特にDPIのための制御システムである。上記のように、乾燥粉末薬剤の流動化と分散は、薬剤パッケージの中に組み込まれる圧電ポリマ材料を機械的に振動することにより、補助され得る。従って、励振経路と振動体は薬剤パッケージ(即ち、活性素子を伴う分散可能複数投与分薬剤パッケージ)の中に組み込まれる。乾燥粉末の分散にて補助するために向けられる励振信号は、更に以下で説明するように先験的に確立され得る特定の薬剤処方の流れ可能性に依存し得る。
【0088】
制御システムは、マイクロコンピュータの中にプログラミングされ得る“ファジィロジック”解析方法論を利用するのが、好ましい。図13に示されるように、本発明に係る乾燥粉末薬剤分散を制御する一つの方法のブロック図が、示されており、それは“ファジィロジック”を利用している。該方法は、吸入のために処方される乾燥粉末薬剤の一つ又は複数の流れ特性を表す第1のファジィロジック関係を定義すること(ブロック350)と、投与のために所望される適切な及び乏しい吸入気流の評価を表す第2のファジィロジック関係を確立すること(ブロック351)とを、含むのが好ましい。該方法は、ファジィロジック関係の少なくとも一つの中に入力する利用者の気流速度を計測すること(ブロック352)も含む。分散される薬剤の動的な流れ特性に係る(密度、流れ可能性などの)データは、先験的に確立され得るものであり、コンピュータの中のコンピュータ読取り可能ルックアップチャート内にロードされ得る。該方法は、それから、2つのファジィロジック関係に対しデータを適合することを特徴とする数学的値を計算し得る(ブロック354)。例えば、ファジィロジック速度関係ないで利用者の実際の気流速度を分析し、第1のファジィロジック関係の中に分散される粉末及び賦形剤の流れ可能性を分析する。
【0089】
更に、図13を参照すると、第1のファジィロジック関数としての薬剤処方の流れ可能性の特徴を、少なくとも一部、基にした所望の動作励振信号と、好ましくは利用者の気流速度とが、(患者の吸息運動に関連して)計測され、(第1のファジィロジック関数として若しくは第2のファジィロジック関数として)ファジィロジック分析システムの中に含まれ(考慮され)、所望の動作励振信号を決定する(ブロック356)。選択された励振信号は、続いて、選択された圧電投薬素子に送られる(ブロック358)。励振信号は、動的計測/利用者の実際の気流速度を基にして、調整され得る(ブロック360)。
【0090】
動作時には、(ファジィロジック解析方法論がプログラムされた)コントローラは、薬剤の流れ可能性に関連する帰属関係の程度、若しくは、夫々のファジィロジック関数に対する利用者の気流速度(値が高くなればそれだけ、該関数への帰属関係の程度は大きくなる)を、分析し得る。帰属関係の程度、又は流れ可能性の値、及び/又は、気流速度ファジィロジック関数は、薬剤パッケージのエネルギ源/配布システムに向けられ出力して乾燥粉末薬剤の分散にて活性を補助する所望の動作信号に、関連付けされる。従って、励振エネルギ即ち信号出力は、計測気流及び薬剤流れ特性に、依存する。
【0091】
制御された出力励振信号は、吸入の間、乾燥粉末薬剤の流動化及び/又は反凝集化を促進することによって、分散を改良し得る。好適な励振信号の周波数は、粉体の物理化学的特性及び粒子サイズに、依存する。従って、本発明の好適な動作励振信号は、特定の処方に対応するように選択され得る。即ち、以下に説明するような、特定の処方の周波数及び低調波が確立され得、この情報は、圧電ポリマ素子に向けられる励振信号を決定するロジック動作内に、含まれ得る。
【0092】
複数の異なる薬剤の処方に関連する関連ある“ファジィロジック”関数/パラメータに対する流れ可能性特性は、特定書法の実際の解析に加えて、同様の微粒子サイズ、密度、若しくは賦形剤混合を有する同様の薬剤の解析などにより、多数確立可能である。流れ可能性は、振動へら解析を基にした粉末処方を評価することによって、少なくとも部分的に確立され得る。もちろん、回転ドラムによる従来の粉末流れ解析のような、他の解析技術も利用可能である。クラウダ(Crowder)その他の“Signal Processing and Analysis Applied to Powder Behavior in a Rotating Drum”Part.Part.Syst.Charact.16(1999)191−196(応答時間シーケンスの角度のフーリエパワースペクトラムと、バルクパウダフローの基本特性を計測する適切な方法としてのなだれサイズ変数を記述する)を参照されたい。この研究は、ラクトース賦形剤混合も調査している。このタイプの解析は、流れ序列を与え、若しくはファジィモデルのための粉末処方の入力パラメータ特性を与えるために、利用され得る。
【0093】
粉末の単位投与分サイズ量のマイクロフロー特性の計測が、制御システムを基にしてDPIの流れ可能性を序列化し、ファジィロジックシステムに対し対応する入力パラメータを提供するのに、利用され得るのが好ましい。クラウダ(Crowder)その他の“An instrument for rapid power flow measurement and temporal fractal analysis”16Part.Part.Syst.Charact.32−34(1999)を参照されたい。この解析技術を利用して、薬剤賦形剤の流れ特性が、本質的に概略フラクタルであることが見い出された。このことは、(振動へら技術により決定され得る)振動の基本周波数の低調波の形態でのシステムに対する小さい摂動が、制御システムに付加され粉末を共振周波数に駆動し因って分散の流れを改良し得ることを、示唆する。アランソン(Aranson)その他の“Controlled dynamics of interfaces in a vibrated layer”82Phys.Ref.Lett.731−734(1999)を参照されたい。
【0094】
バルクフローとマイクロフローの計測は、典型的ロジックを確立し、及び/又は、本発明に係る吸入器の投与一様性を増加するのに、利用され得る。(カスケードインパクタにより通常得られる)呼吸断片データ解析が、流れ可能性及び/又はエネルギ出力ファジィロジックモデルの中に、含まれることが好ましい。適切なインパクタは、ジョージア州スミルナに位置するグレイスビィアンダーセン(Graseby−Andersen)として知られる会社から入手可能な、アンダーセン8ステージ発展不可カスケードインパクタである。
【0095】
少なくとも一つ、更に望ましくはバルクフロー及びマイクロフローの両方のデータが、本発明のファジィロジック制御システムをモデリングするにあたり考慮されることが好ましい。マイクロフロー解析に対しては、振動へら技術が、60ヘルツ振動周波数を使用しつつ、通常利用される。クラウダ(Crowder)その他の“A Semiconductor Strain Gauge Instrument for Rapid Power Flow Rate Measurement”16Particle and Particle Sys.Charac.32−34(1999)を参照されたい。この参照例で示されたように、振動振幅は、指回し式円形板により調整され得る。この解析での調整は、較正されず、従って振幅は記録されなかった。非スプレイ乾燥ラクトースに対しては1.143+/−0.024であり、スプレイ乾燥ラクトースに対しては1.001+/−0.001であり、ふるい分けされたスプレイ乾燥ラクトースの対しては1.002+/−0.0004であった。典型的な粉末バルクフローデータ及び実験の説明は、クラウダ(Crowder)その他の“Signal Processing and Analysis Applied to Powder Behavior in a Rotating Drum”16Part.Part.Syst.Charact.191−196(1999)で示されている。
【0096】
粉末流れは、周囲の状況、特に相対湿度によっても影響され得ることも、銘記される。従って、制御システムモデルは、典型的状況に関して操作状況を平均化して定義され得る。処方が特別の吸湿性の粉末でないならば、そのような平均、又は典型的な相対湿度の範囲は分散の目的のためには十分であることが、予想される。もちろん、不確定な薬剤又は機構に対する調整は、プログラムされ得る。
【0097】
要求されていないが、粉末分散に影響する変数の個数が非常に多いので、本発明の制御システムは、ファジィロジックを利用するのが好ましい。乾燥粉末吸入器及び粉末そのものに関連するシステム方程式から導出される制御アルゴリズムは数学的に難しく複雑であるので、これら変数の断片すらモニタすることは、コスト高になり得る。小数のモニタ変数からの経験的に観察される効果が、本発明の一つの実施形態に従い乾燥粉末配布に対して基準を与えるのに利用される場合は、部分的真実又は通則を受け入れる制御システムの能力は、重要である。
【0098】
ファジィロジックは、複雑な関係を表現する一つの方法として知られる。カリフォルニア大学バークレイ校のロトフィザデ(Lotfi Zadeh)博士は、1960年代にファジィロジックを導入した。ザデ、ロトフィ(Zadeh, Lotfi)の“Fuuzy Sets,Information and Control”8:338−353,1965を参照されたい。ファジィロジックは、連続形態に対し絶対的関係を生成する方法論である。順序付けされたペアのセットが定義されそのセットの帰属関係が絶対のものであり、コンピュータがブール真偽(“0”又は“1”)として読み取る、従来の古典的な集合論とは異なり、ファジィロジックは、帰属関係の程度即ち“真の程度”を示す0−1間の実質的に連続する離散数値としての関数内の、帰属関係として結果を表す。通常、ファジィロジック帰属関係関数は、単純な形状ではない。多くは、“三角形ポイントアップ”であり、更に複雑になり得る。例えば、(a)年齢及び(c)体重にも依存する身長の範囲の帰属関係関数(Tall)が、描かれる。即ち個人が背が高いか否かは身長のみに依存するのでなく、個人の年齢及び体重に依存する。「ファジィロジックとは何か」www.cs.cmu.edu/Groups/AI/html/faqs/ai/fuzzy/part1/faq−doc−2.htmlを参照されたい。従って、ある閾値と一致し若しくはある閾値を超えるときより高い真を定義するように組み合わされ得る多数の部分的真を基礎にして、データは総計されることができる。それで、ファジィロジックモデル若しくはシステムに対して、(0が非帰属であり1が完全帰属である0および1で構成される)従来の真偽テーブルを含む定義された関数内の帰属の程度が確立され得、更に、中間値即ち定義された関数への帰属の程度を表す0〜1間の値が確立され得る。
【0099】
ファジィロジック制御システムは、複雑なシステムを制御するのに有効であることが示された。米国特許第43199155号を参照されたい。その内容は、本明細書内に全文引用されて参照されここに一体のものとして取り込まれる。
【0100】
図15、図16及び図16を参照すると、ファジィインタフェースシステムと帰属関係関数を有する乾燥粉末制御システムのための好適なファジィロジックモデルが、グラフにより示される。図示されるように、本発明のモデルのファジィロジックシステムは、粉末流れ可能性の選択されたパラメータ(図17)と(吸息)気流速度(図16)である。図17に示されるように、粉末流れ可能性速度は、粉末を、連続する値に沿って、乏しい若しくは良好な流れ可能性を有するものとして、特徴付ける。乏しい、若しくは良好である、との認定は、微粒子サイズ、密度、付加される賦形剤、投与量、望まれる配布(全体か、部分か)、凝集の傾向などのような、複数の特徴が基礎にされ得る。同様に、図16に示されるように、気流速度値は、低部から高部へと伸展する連続体に沿って、ファジィとして特徴付けられる。気流速度を、高い、低い、若しくはその間のどこかに認定する気流関数は、年齢、吸入器のサイズ、配布(吸息運動)の長さ、利用者の流れ速度、配布時間での吸息運動の減衰、主たる利用高度、身体のターゲットなどのような、複数のファクタを考慮し得る。データ、即ちこれらの入力の値は、個々のファジィ関数への帰属関係の程度を表す。
【0101】
図16に示すように、流れ可能性変数と気流変数の帰属関係値の程度は、所与のファジィロジックルールに従ってデータを解析し適切な出力励振信号を決定する別のファジィロジックベースのアルゴリズム若しくは関数/モデルの中に入力される。このファジィロジックモデルは、所望の出力エネルギ値/周波数を特定の薬剤処方に関連付けるファジィロジックルールを、定義できる。例示としてのファジィロジック出力関数は、以下の様に記述される。
【0102】
粉末が凝集性あり流れ速度が低いならば、エネルギ入力を増加する。ファジィロジック制御システムは、以下のうちの一つ又はそれ以上を(利用されるファジィロジック関数により)斟酌するのが好ましい。即ち、(微粒子サイズ、凝集傾向などのような)特定の薬剤処方、賦形剤のタイプ、吸入器の形状、及び利用者の吸息能力である。ファジィロジックモデルは、従来の粉末流れ制御システムに対して計算上より強度のない且つより複雑でないやり方で、多数パラメータをまとめて扱える。
【0103】
図14を参照すると、一定量の吸入可能乾燥粉末の配布を制御する好適な方法が示される。乾燥粉末薬剤処方の流れ可能性のモデル若しくは計測が、確立される(ブロック400)。投与されるべき若しくは分散されるべき乾燥粉末薬剤が確認される(ブロック410)。好適な身体の配布ターゲットが確認される(ブロック420)。選択された励振パルスの動作範囲が確認される(ブロック430)。ブロック400−430に記されるステップは、ファクトリサイトなどに予めプログラム可能である。ブロック400、410、420、430で確認される一つ又はそれ以上のパラメータは、一つのファジィロジック帰属関係関数の、又は複数のファジィロジック帰属関係関数の、一部であってもよい。動作の間に、吸入器が活性される(ブロック440)。利用者の吸息気流速度が、確立され装置の制御システムに入力され得る。気流速度は、利用者の能力のメモリベースの計測(平均又は低値)でもよく(ブロック442)、薬剤の配布の直ぐ前後でのリアルタイムの計測でもよい(ブロック444)。適切な励振パルスが決定される(ブロック450)。(励振パルスの決定は、ファジィ変数として気流速度及び流れ可能性を定義するファジィロジック関数を、基にしてもよい)。圧電部材は、決定された励振パルスで励振される(ブロック460)。吸入チャンバの中への乾燥粉末薬剤の解放は、励振される圧電部材により促進される(ブロック470)。第1の投与分は、吸入により患者の中に投薬される(ブロック480)。
【0104】
医師に対して、粉末薬剤及び吸入器タイプを選択する際に補助となる情報を与えるファジィロジックモデルが定義され得ることが、銘記されるべきである。例えば、身体のターゲットがAであり、平均吸息流れ速度Bであり、薬剤アレルギがCであり、薬剤の効力を減少する可能性のある他の薬Dを使用し、他の確認済みの危険因子(年齢、心臓疾患、糖尿病など)がある、患者に対しては、ファジィロジックモデルは、医師に、適切な吸入器タイプ(形状)、及び/又は薬剤、及び/又は(流れ可能性の容易さ、効能などを基にした)薬剤処方を列挙する出力を与え得る。
【0105】
DPIの制御システムは、特定薬剤処方で動作するように、予めセットし得、UPCを基にした薬剤師又は医師からのコード化された入力や、投薬される薬剤に関連する他のコードを、受け取るようにプログラムされ得る。もちろん、DPIは、パッケージそれ自身上のコンピュータプログラム読み取り可能コード手段(バーコード又はメモリチップ)を基にして、流れ可能性コードを電子的に読み取るように構成もなされ得る。
【0106】
本発明に係る制御システムは、乾燥粉末生産システム及び装置でも利用され得ることも、銘記されるべきである。即ち、乾燥粉末物質が製造プロセスで分散される場合、本発明の制御システムは、より信頼性高く反復可能なプロセスを供給するためのプロセスに対する操作上の入力のモニタリング、フィードバック、解析及び調整により、よりよいプロセス制御を供給できる。通常、プロセス入力は、利用される乾燥粉末のタイプとその流れ可能性の特徴、温度、湿度、流れ速度などである。したがって、本発明の制御システムは、改良されるコンベア速度、アパーチャサイズ、供給時間、ノズルサイズ、及び混合、製粉、輸送、又は薬剤製品のカプセル充填を、促進するのに利用され得る。更に、粉末に特有の(更に特定のPVDF設計に特有であり得る)信号を利用するという考え方は、産業的プロセス内で粉末を輸送するためにも利用され得る。
【0107】
本発明の制御システムは、機械的振動体及び他の振動ベースシステムを備えるDPI装置を含む、前述のような他の活性エネルギ分散システムと共に利用され得る。
【0108】
ブロック図の各々のブロック(若しくはブローチャート図のブロック)、及びフローチャート図のブロックの組み合わせ(若しくはブロック図のブロック)は、コンピュータプログラム命令によりインプリメントされ得る。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータや、マシン生成のための他のプログラム可能なデータ処理装置上に、ロード可能であり、コンピュータや他のプログラム可能なデータ処理装置上で実行される命令は、フローチャートブロックやブロックで特定される関数をインプリメントする手段を、形成する。コンピュータプログラム命令は、コンピュータや他のプログラム可能なデータ処理装置を特定のやり方で機能せしめ得るコンピュータ読み取り可能メモリ内に格納可能でもあり、コンピュータ読み取り可能メモリ内に格納された命令は、フローチャートブロック若しくはブロックで特定された関数をインプリメントする命令手段を含む製造物を、生産する。コンピュータプログラム命令は、コンピュータや他のプログラム可能なデータ処理装置にもロード可能であり、コンピュータや他のプログラム可能な装置で実施されるべき一連の操作ステップに、コンピュータインプリメントプロセスを生成させる。そして、コンピュータや他のプログラム可能装置上で実行される命令は、フローチャートブロック若しくはブロック、及び/又はブロック図で特定される関数をインプリメントするステップを供給する。
【0109】
したがって、ブロック図のブロック、又は、フローチャート図のブロックは、特定の関数を実施する手段と、特定の関数を実施するプログラム命令の手段との、組み合わせをサポートする。以下の事項が理解されるべきである。即ち、ブロック図若しくはフローチャート図の各々のブロック、及び、ブロック図若しくはフローチャート図のブロックの組み合わせは、条件指定された関数若しくはステップ、又は特定の目的のハードウエア及びコンピュータ命令を実施する特定の目的のハードウエアベースのコンピュータシステムによりインプリメントされ得る。
【0110】

分散の間に粉末を振動する圧電励振素子を利用するDPIの実験的な実施形態は、ポリマ膜振動素子が約1800pfの結合静電容量を備える設計を利用する。静電容量値は、ブリスタ即ち振動素子のサイズ、即ち領域(及び形状)に対応する。5Vp−p入力電圧をステップアップするのに利用される変圧器は、二次側面の約23mHのインダクタンスを現下、示している。変圧器は、電圧をブリスタへの150Vp−p励振電圧へステップアップするのに利用される。このように共に、変圧器及び圧電素子は、以下の方程式(数1)により表される共振周波数有するとして定義され得る増幅器を定義する。
【数1】

ここで、“L”は変圧器のインダクタンスであり、Cはポリマ膜振動素子の静電容量である。このことにより、約25キロヘルツの実験的実施形態に対する、計算上の共振周波数が決められる。実験上決定される共振周波数は24キロヘルツであった。この周波数では、スピーカの前面約7mmにて計測される出力は、72.6dbであった。粉末は活性素子の上に置かれ、粉末の動きが観察される。観察により判定されると、粉末の最も効果的な変位は約31キロヘルツにて発生した。したがって、31キロヘルツ周波数は、実験評価に対して選ばれる。
【0111】
より高い共振周波数を得るために、変圧器及び/又は圧電ポリマ素子が、再形成されてもよい。ポリマのキャパシタンスは、約250ピコファラッド/cmである。好適な圧電素子は、約1000〜2000ピコファラッド、より好ましくは約1500ピコファラッドの、キャパシタンスを示すように形成され得る。別の言い方をすると、ブリスタのサイズは、ブリスタが約4〜8cmの領域を備えるようなものであるのが好ましく、約6cmの領域を備えるようなものであるのがより好ましい。少なくとも概略1〜1.5センチメートルの半径のブリスタまでの円形ブリスタに対しては、この手段が利用可能である。
【0112】
回路のキャパシタンスを減少しより高い周波数信号の利用を許す、より小さい領域により、新しい活性素子が構成される。
【0113】
信号が活性素子に入力されたとき装置から放出される粒子の微粒子片(FPF)を、信号がないときのものと比較した近時の結果では、有利なことに、ずっと多くのパーセントのFPFが、圧電活性素子により得られることを示している。FPFは、利用時には肺に実質的に配布されるエアロゾルの一部と考えられる。FPFの実験での判定は、8ステージアンダーセン(Andersen)発展不可カスケードインパクタを利用して為された。60ヘルツで変調される31キロヘルツ信号振幅に対して、放出されるFPFは、0.11=/−0.0002(n=4)であった。信号が無いと、FPFは、0.05=/−0.0003(n=4)であった。よって比較して言うと、PVDF素子があると約2倍のFPFが生成された。一つの最後のテストを利用すると、FPFはp<0.05である信号の利用により増加すると判定された。気流の中に位置するバッフルは、より大きい粉末の破片を装置から放出せしめ得ると、予期される。
【0114】
上記内容は本発明の例示であり、本発明を限定するものとして構成されているのではない。本発明の幾つかの例示の実施形態が説明されたが、当業者であるならば、本発明の新しい教義と利点から実質的に乖離することなく例示の実施形態の中での多くの修正形が可能であることは、即座に理解しうる。従って、このような全ての修正は、請求項内で定義される本発明の範囲含まれることが意図されている。請求項では、ミーンズプラスファンクション条項は、引用された機能を実施するとして本明細書に記された構成をカバーすることが意図され、構成上の均等物のみならず均等的な構成もカバーすることが意図されている。従って、前述内容は本発明の例示であり、特定の開示されている実施形態に限定して構成されるべきでなく、他の実施形態に加えて開示されている実施形態に対する修正は添付の請求項の範囲内に含まれるように意図されていることが、理解されるべきである。本発明は添付の請求項により定義されるのであり、請求項の均等物は本明細書に含まれる。
【符号の説明】
【0115】
10・・・乾燥粉末吸入器(DPI)、11・・・吸入チャンバ、12・・・出口流れ経路、20・・・乾燥粉末薬剤パッケージ、30・・・乾燥粉末薬剤、40・・・くぼみウエル、100・・・制御システム、125・・・コントローラ、130・・・変圧器、150・・・動力源、300・・・気流センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第1と第2の主要面を伴う圧電材料層を含むプラットフォームボディと、
上記圧電材料層の上記第1の主要面上に配置される空間的に分離された第1の複数の金属トレースであって、伝達ラインと活性パッド領域を含むように構成される、第1の複数の金属トレースと、
上記圧電材料の上記第2の主要面上に配置される空間的に分離された第2の複数の金属トレースであって、伝達ラインと活性パッド領域を含むように構成され、各々は、上記第1の複数の分離された金属トレースの対応するものと整列し、個別に操作され得る間に挟まれた電気励振経路によって対向する金属トレースの対応しあう対を定義する、第2の複数の金属トレースと、
上記プラットフォームの中に形成され、所定量の乾燥粉末薬剤を保持するように構成された複数のくぼみウエルであって、各々が、上記プラットフォーム上に配置され、対応する第1と第2の金属トレースの一対の個々の活性パッド領域に実質的に重なる、複数のくぼみウエルと
を含む、多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項2】
上記個別に操作され得る電気経路の選択されたものへの励振電位差の印加に応じて、上記圧電材料層が上記活性パッド領域で変形しよって上記くぼみウエルから上記乾燥粉末薬剤を活性して分散する、
請求項1に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項3】
上記複数のくぼみウエルに重なるように配置される密閉解放可能ポリマキャップを更に含む、
請求項1に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項4】
上記くぼみウエルの各々の中に配置され、内部に乾燥粉末薬剤接触面を定義する、非反応性バリアを更に含む、
請求項3に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項5】
上記第2の主要面の実質的部位を重ねるように配置される裏張り材料層を更に含む、
請求項4に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項6】
上記圧電材料が薄膜PVDFである、
請求項1に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項7】
上記第1と第2の複数の金属トレースが、実質的に対称状で、上記薄膜PVDFの側面を略対向して、構成される、
請求項6に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項8】
上記乾燥粉末薬剤が、約0.5−0.8μmの大きさを有する活性成分微粒子を含む、
請求項1に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項9】
上記乾燥粉末薬剤が、活性成分微粒子より大きい粒子サイズを有する流れ増加成分を含む、
請求項8に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項10】
上記流れ増加成分が、約50−100μmのサイズの粒子を含む、
請求項9に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項11】
上記乾燥粉末薬剤流れ増加成分が、ラクトースを含む、
請求項10に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項12】
動力源と結合して、
上記の個別に操作され得る電気経路の各々の金属トレースの対のうちの選択されたものが、正極で動作するように構成され、該金属トレースの対のうちの他方は、対向する負極又は接地のいずれかとして動作するように構成される、
請求項2に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項13】
上記動力源は、上記の個別に操作され得る電気経路に対し、約100−200ボルトのピークツーピークの範囲の入力電圧を供給するように構成されている、
請求項12に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項14】
励振電圧が、約3−60ヘルツの間の周波数で印加され、上記乾燥粉末薬剤の流動化分散を促進する、
請求項12に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項15】
励振電圧が、約25キロヘルツ〜2メガヘルツの間の周波数で印加される、
請求項12に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項16】
上記プラットフォームボディが実質上円形であり、上記複数の間隔を空けた金属トレースが、円周状に間隔が空けられている、
請求項1に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項17】
上記プラットフォームボディが実質上線状であり長さと幅を持ち、上記複数の間隔を空けた金属トレースが、上記プラットフォームボディ長に沿って間隔が空けられている、
請求項1に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項18】
プラットフォームボディが長手方向で循環しており、上記間隔を空けた金属トレースの上記伝達ラインが、上記線状プラットフォームボディの幅方向に伸展する、
請求項17に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項19】
上記パッケージが、乾燥粉末吸入器内で受け止められるように構成され、上記乾燥粉末吸入器は、ハウジングとその内部に位置する制御システムを含み、動作の間には上記ハウジングは利用者と流体を連絡できるように構成され更にそこからの流れ出口経路を定義する、
請求項1に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージであって、
上記制御システムは、
上記の個別に操作され得る電気励振経路のうちの選択された一つと係合するように構成されるコントローラと、
上記コントローラと操作上関連する第1の電位出力を有するバッテリと、
上記コントローラ及び上記の選択された個別に操作され得る電気経路と操作上関連する所望の励振電位まで、上記第1の電位を増加する変圧器と、
上記流れ出口経路の中に配置される気流センサと
を含む、請求項1に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項20】
上記気流センサは、上記流れ出口経路の中の上記くぼみウエルの下流に配置される、
請求項19に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項21】
上記コントローラが、上記乾燥粉末薬剤の分散に関連する所定のパラメータに応じて上記励振電位を調整するように構成される、
請求項19に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項22】
上記コントローラは、上記乾燥粉末薬剤の流れ特性と利用者の吸息能力とのうちの、少なくとも一つを表すファジィロジックシステムでプログラミングされ、
上記コントローラは、上記ファジィロジックシステムに応じて上記の選択された電気経路に伝達される励振電圧を制御する、
請求項21に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項23】
実質的に平坦なプロファイルと上方面及び下方面とを有する圧電ポリマ薄膜と、
上記上方面上に配置され、複数の第1のパッド領域と、複数の第1の線状伝達ラインを有しする第1の金属トレースパターンであって、上記第1のパッド領域は夫々の一つの第1の線状伝達ラインに接続する、第1の金属トレースパターンと、
上記下方面上に配置され、複数の第2のパッド領域と、複数の第2の線状伝達ラインを有する第2の金属トレースパターンであって、各々の第2のパッド領域は夫々の一つの第2の線状伝達ラインに接続し、上記第1と第2の金属トレースパターンは上記圧電ポリマ材料層を超えて整列する、第2の金属トレースパターンと、
上記第1のパッド領域の各々に上記上方面上にて実質的に重なるように配置される、複数の個別量の乾燥粉末薬剤と、
使い捨て乾燥粉末パッケージの中に乾燥粉末薬剤の上記単位量を固定するため、上記単位量の乾燥粉末薬剤の各々に被せるように配置される密閉層と
を含む、表面に形成された集中活性素子を伴う使い捨て多数投与分乾燥粉末パッケージ。
【請求項24】
上記第1のパッド領域の上方面に重なり乾燥粉末薬剤接触面を定義するように配置される非反応バリアを、更に含む、
請求項23に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項25】
上記圧電ポリマ薄膜の下方面の実質一部に重なるように配置される裏張り材料層を、更に含む、
請求項24に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項26】
上記圧電ポリマ薄膜が、薄膜PVDFである、
請求項23に記載の多数投与分乾燥粉末ブリスタパッケージ。
【請求項27】
乾燥粉末吸入器が利用者と流体を連絡できる状態となり吸入の際に乾燥粉末薬剤の所定量を利用者の気流の中に仕向けんとするために、乾燥粉末吸入器を配置し保持するステップであって、パッケージは、パッケージ上の容器部分内に少なくとも一単位量の乾燥粉末薬剤を保持しその容器部分は圧電ポリマ材料層を含む、乾燥粉末吸入器を配置し保持するステップと、
容器を変形するために、容器領域内の圧電ポリマ薄膜を超えて電位差を繰り返し印加するステップと、
乾燥粉末薬剤が、利用者の吸息吸入サイクルの間に利用者の気流の中に分散されるように、パッケージの容器部分の中に保持される乾燥粉末薬剤を放出するステップと
を含む、乾燥粉末薬剤の吸入可能量を患者の気流に分散する方法。
【請求項28】
上記の変形するステップが、容器部分の領域内で圧電材料を撓ませることにより、実行される、
請求項27に記載の方法。
【請求項29】
上記の印加するステップは、約100〜200ボルトのピークツーピークの電位を与えることにより、実行される、
請求項27に記載の方法。
【請求項30】
上記の印加するステップは、約3〜60ヘルツの間の周波数で実行される、
請求項29に記載の方法。
【請求項31】
上記の印加するステップは、約25キロヘルツ〜2メガヘルツの間の周波数で実行される、
請求項30に記載の方法。
【請求項32】
利用者の吸息気流速度を計測するステップを、更に含む、
請求項27に記載の方法。
【請求項33】
上記方法が更に、
上記の計測するステップから得られる利用者の吸息流れ速度に応じて、上記の印加するステップの間に印加される電位を、制御するステップを含む、
請求項32に記載の方法。
【請求項34】
上記の計測するステップは、乾燥粉末薬剤を容器から乾燥粉末吸入器の中に活性分散するのに近接して、僅かの時間にて、実施される、
請求項33に記載の方法。
【請求項35】
上記の印加するステップで印加される電位が、利用者の吸息能力に応じて、乾燥粉末吸入器の活性動作に間に自動的に調整される、
請求項27に記載の方法。
【請求項36】
少なくとも一つの所定の状況を表す、ファジィロジック関数を定義するステップであって、上記の少なくとも一つの状況は乾燥粉末吸入器の構成、利用者の吸息能力、投薬される乾燥粉末薬剤の処方の流れ可能性、及び、乾燥粉末処方に関連する呼吸粒子破片のうちの、少なくとも一つと関連する、定義するステップと、
上記の少なくとも一つの状況の帰属関係の程度を、上記の定義されたファジィロジック関数に決定するステップと、
上記の定義するステップと決定するステップを基にして、上記の印加するステップの間に印加される励振電位を調整するステップと
を更に含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
上記のファジィロジック関数が、上記の印加するステップの間に伝えられる電位出力を制御し、上記ファジィロジック関数が少なくとも2つの状況を表すように定義され、その少なくとも2つの状況は、乾燥粉末薬剤の処方の流れ可能性、中で利用される賦形剤の存在と特性、乾燥粉末吸入器の形状、及び利用者の吸息能力に対応する計測気流速度のうちの、少なくとも2つに対応する、
請求項36に記載の方法。
【請求項38】
関連する周波数、振幅、及び関連する信号パターンを有する操作上の励振出力パルスの範囲を確定するコンピュータ読み取り可能プログラムコードを乾燥粉末吸入器にプログラミングし、更に、
所定のタイプの乾燥粉末薬剤処方に適切な操作上の励振出力パルスを定義するコンピュータ読み取り可能コードを乾燥粉末吸入器の中にプログラミングするステップを、更に含む、
請求項27に記載の方法。
【請求項39】
特定タイプの身体への配布のターゲットのための所望の操作上の励振パルスの範囲を与えるコンピュータ読み取り可能プログラムを乾燥粉末吸入器にプログラミングするステップを、更に含む、
請求項38に記載の方法。
【請求項40】
圧電ポリマ薄膜がPVDFである、請求項27に記載の方法。
【請求項41】
乾燥粉末薬剤を近接して保持するように構成され且つ大きさの取られた複数の容器領域を有し、且つ、該複数の容器領域に対応する複数の選択対象の励振領域で構成される、圧電ポリマ材料層を有するパッケージの中に、所定量の乾燥粉末薬剤を配置するステップと、
選択対象の励振領域の圧電ポリマ材料層を素早く撓ませ少なくとも一つの容器領域を変形し、因って吸入配布経路の中への乾燥粉末薬剤の分散を促進するために、励振信号を少なくとも一つの選択対象の励振領域に選択して印加するステップと
を含む、吸入配布経路の中に乾燥粉末薬剤の投与分の分散を促進する方法。
【請求項42】
圧電ポリマ薄膜がPVDFである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
上記圧電ポリマ材料を超えて上記の複数の容器の少なくとも一つの領域内に、約100〜200ボルトのピークツーピークの電位を与えることにより、上記の印加するステップが実行される、
請求項41に記載の方法。
【請求項44】
上記励振信号は、約3〜60ヘルツの間の周波数で印加される、
請求項41に記載の方法。
【請求項45】
上記励振信号は、約25キロヘルツ〜2メガヘルツの間の周波数で印加される、
請求項41に記載の方法。
【請求項46】
出口流れ経路の中に配置される活性配布システムと気流センサとを有する乾燥粉末吸入器を設定するステップと、
乾燥粉末薬剤の所望の投薬の近接時に、乾燥粉末吸入器を利用して利用者の吸息運動と関連する気流を計測するステップと、
以って利用者の能力に応じて、増加する投薬分散の一様性を促進するため、活性配布システムに向けられるエネルギを上記の計測するステップに応答して調整するステップと
を含む、乾燥粉末吸入器を制御する方法。
【請求項47】
複数の乾燥粉末薬剤処方の流れ可能性を先験的に確立するステップと、
乾燥粉末吸入器を利用して利用者の気流速度を計測するステップと、
第1のファジィロジック関数を利用して、分散されるべき薬剤の流れ可能性の帰属関係の程度を決定するステップと、
第2のファジィロジック関数により、利用者の計測された気流速度の帰属関係の程度を決定するステップと、
決定された帰属関係の程度を基にして、吸入器の活性エネルギシステムに向けられる励振信号を制御するステップと
を含む、
活性エネルギ補助薬剤分散システムと共に構成される吸入器の中で、乾燥粉末薬剤の活性配布を制御する方法。
【請求項48】
制御するステップが第3のファジィロジック関数により帰属関係の程度を決定するステップを含み、数値に関連する帰属関係の程度は、第1と第2のファジィロジック関数への帰属関係の程度と関連する、
請求項47に記載の方法。
【請求項49】
薬剤の流れ可能性に関連する第1のファジィロジック関数が、薬剤が凝集する傾向を解析し、乾燥粉末吸入器の利用により計測される吸息気流速度に関連する第2のファジィロジック関数が、利用者に係る動的に計測される気流速度を基にして、帰属関係の程度を決定する、
請求項47に記載の方法。
【請求項50】
少なくとも一つの圧電ポリマ薄膜層が、上方面と下方面とを備える所望の図形状の中に挟まれる、パッケージを形成するステップと、
圧電ポリマ薄膜層の複数の間隔の置かれた選択された上方面領域に実質的に重なるように、所定量の乾燥粉末薬剤を分配するステップと、
乾燥粉末パッケージに抗して上記の分配された乾燥粉末薬剤を固定するために、上記の分配された乾燥粉末薬剤を密閉するステップと
を含む、
統合活性素子が表面に形成された使い捨て複数投与分乾燥粉末パッケージを作成する方法。
【請求項51】
上記の少なくとも一つの圧電ポリマ薄膜層が一つの薄膜層であり、
複数のパッド領域と複数の線状伝達ラインを有し、夫々の線状伝達ラインは各々のパッド領域に接続する、第1の金属トレースパターンを、上方面上に形成するステップと、
複数のパッド領域と複数の線状伝達ラインを有し、夫々の線状伝達ラインは各々のパッド領域に接続する、第2の金属トレースパターンを、下方面上に形成するステップと
を更に含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
上記の少なくとも一つの圧電ポリマ薄膜層が、中間に配置される柔軟コアにより分離される2つの層である、
請求項50に記載の方法。
【請求項53】
吸入器の出口流れ経路の中へ及び利用者の吸入流れ経路の中への乾燥粉末薬剤の分散を活性して促進するように、乾燥粉末吸入器の操作を仕向けるコンピュータプログラムプロダクトにおいて、
コンピュータプログラムプロダクトは、
内部で具体化されるコンピュータ読み取り可能プログラムコードを有するコンピュータ読み取り可能記録媒体を含み、
上記コンピュータ読み取りプログラムコードは、
活性エネルギ補助薬剤分散システムを備えるよう構成される乾燥粉末薬剤吸入器の中の活性配布機構に、伝達される励振パルスを制御する、コンピュータ読み取り可能プログラムコードと、
活性エネルギシステムに配布されるエネルギ量を制御するファジィロジック解析モデルを定義する、コンピュータ読み取り可能プログラムコードと、
乾燥粉末薬剤の流れ可能性に関連する第1のファジィ関数への、投薬される乾燥粉末薬剤の帰属関係の程度を決定する、コンピュータ読み取り可能プログラムコードと、
第1のファジィロジック関数への帰属関係の決定された程度に、少なくとも部分的に基いて、吸入器の活性エネルギシステムに仕向けられる励振信号の、タイプ、周波数、又はサイズのうちの、少なくとも一つを調整する、コンピュータ読み取り可能プログラムコードとを含む、
コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項54】
吸入器の出口流れ経路の中への乾燥粉末薬剤の活性分散の近接時の、利用者の吸息運動の気流速度を計測するコンピュータ読み取り可能プログラムコードを更に含み、
活性エネルギシステムに配布される励振信号を調整するファジィロジック解析モデルを定義する上記コンピュータ読み取り可能プログラムコードが、利用者の計測された気流速度を解析するコンピュータ読み取り可能コード手段を含む、
請求項53に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項55】
乾燥粉末処方内で利用される賦形剤のタイプ、乾燥粉末薬剤の凝集性、吸入器の形状、及び身体内の配布ターゲットのうちの、一つ又はそれ以上を、伝達される励振パルスを決定する際に更に考慮するコンピュータ読み取り可能プログラムコードを更に含む、
請求項54に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項56】
上記の活性エネルギシステムが、上記乾燥粉末薬剤に操作上関連する圧電材料を含み、該圧電材料は電気的に活性されて圧電材料自身を変形し、乾燥粉末吸入器の出口流れ経路の中への乾燥粉末薬剤の分散を促進する、
請求項53に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項57】
複数投与分乾燥粉末パッケージを内部で受け止めるように構成され、気流出口流れ経路を有する、ハウジングと、
上記ハウジングの中に配置される制御システムとを含み、
上記制御システムは、
コントローラと、
上記コントローラと操作上関連する動力源と、
上記コントローラと、複数投与分乾燥粉末パッケージの選択された領域に向けられる励振エネルギを生成するように構成された上記動力源とに、操作上関連する変圧器と、
上記コントローラ内にプログラムされ、複数投与分乾燥粉末パッケージに向けられる励振エネルギを決定する、コンピュータ読み取り可能プログラムコードとを含む、
活性エネルギ補助分散システムを有する乾燥粉末吸入器。
【請求項58】
上記出口流れ経路の中に配置される気流センサを更に含み、上記気流センサは上記コントローラと操作上関連し、
上記コンピュータ読み取り可能プログラムコードは、計測された気流速度を考慮して乾燥粉末パッケージに向けられる励振エネルギを決定するコンピュータコードを更に含む、
請求項57に記載の活性エネルギ補助分散システムを有する乾燥粉末吸入器。
【請求項59】
投薬される乾燥粉末処方の流れ可能性及び関連する適切な励振エネルギの、ファジィロジックモデルを確立するコンピュータ読み取り可能プログラムコードを更に含み、
励振エネルギを決定する上記コンピュータ読み取り可能コンピュータプログラムコードが、ファジィロジック流れ可能性モデルの結果を考慮して乾燥粉末パッケージに向けられる励振エネルギを決定する、
請求項58に記載の活性エネルギ補助分散システムを有する乾燥粉末吸入器。
【請求項60】
間隔を空けて分離された複数の乾燥粉末薬剤投与分が上面に保持される使い捨ての複数投与分乾燥粉末パッケージを更に含み、
上記パッケージは、圧電ポリマ薄膜基板と、上面にて複数の間隔を空けて分離された電気信号経路とを、含み、
上記乾燥粉末パッケージは上記ハウジング内に配置され、上記励振信号は上記複数の信号経路のうちの選択される一つに向けられよって励振信号を配布し、上記出口流れ経路の中へ上記乾燥粉末を活性して分散するため、選択された信号経路の中で保持される薬剤投与分の近傍でパッケージを振動させる、
請求項57に記載の活性エネルギ補助分散システムを有する乾燥粉末吸入器。
【請求項61】
上記出口流れ経路は、不規則な形状の出口流れ経路で構成され、気流が上記出口流れ経路を通って移動する際に気流中に乱流を促進する、
請求項57に記載の乾燥粉末吸入器。
【請求項62】
上記気流経路が幅を有し、上記の不規則な形状の流れ経路が、上記ハウジングに付加され上記気流経路の幅を超えた距離まで伸展する、
請求項61に記載の乾燥粉末吸入器。
【請求項63】
乾燥粉末を分散する薬剤製造プロセスを指示するコンピュータプログラムプロダクトにおいて、
コンピュータプログラムプロダクトは、
内部で具体化されるコンピュータ読み取り可能プログラムコードを有するコンピュータ読み取り可能記録媒体を含み、
上記コンピュータ読み取り可能プログラムコードは、
ファジィロジック解析モデルを定義し、乾燥粉末薬剤の製造プロセスと関連する少なくとも一つのパラメータを制御する、コンピュータ読み取り可能プログラムコードと、
複数の乾燥粉末薬剤に対する流れ可能性特徴を確認するコンピュータ読み取り可能プログラムコードと、
確認された乾燥粉末薬剤の流れ可能性を表す第1のファジィロジック関数への、帰属関係の程度を決定するコンピュータ読み取り可能プログラムコードと、
第1のファジィロジック関数への決定された帰属関係の程度に対応して、製造プロセスに関連する少なくとも一つのプロセス制御パラメータを調整するコンピュータ読み取り可能プログラムコードとを含む、
コンピュータプログラムプロダクト。
【請求項64】
上記の製造プロセスが、調整可能な粉末投薬時間、調整可能なコンベアスピード、及び調整可能なノズルサイズのうちの、一つ又はそれ以上を含み、
プロセス制御パラメータを調整する上記コンピュータ読み取り可能プログラムコードが、投薬時間、コンベアスピード、及びノズルサイズのうちの、一つ又はそれ以上を制御する、
請求項63に記載のコンピュータプログラムプロダクト。
【請求項65】
乾燥粉末薬剤に近接する製造場所の周囲温度及び周囲湿度の一つ又はそれ以上の計測値を受け入れるコンピュータ読み取り可能プログラムコードを更に含み、
プロセス制御パラメータを調整する上記コンピュータ読み取り可能プログラムコードが、計測された周囲温度及び周囲湿度を考慮する、
請求項64に記載のコンピュータプログラムプロダクト。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−56272(P2011−56272A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−230910(P2010−230910)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【分割の表示】特願2001−566730(P2001−566730)の分割
【原出願日】平成13年1月24日(2001.1.24)
【出願人】(500459410)ユニバーシティ オブ ノース カロライナ アット チャペル ヒル (16)